以下、DCモータを用いた遊技台の例を説明する。以下の説明は、実施形態Aと実施形態Bに大別されるが、各実施形態及び各実施形態に含まれる実施例、変形例等は、相互に適宜組み合わせ可能である。なお、各構成を示す符号は、特に述べない限り、その実施形態A又はBにおいてのみ統一的に用いられている。したがって、例えば、実施形態Aの符号と同じ符号が実施形態Bでは他の構成を示す符号として用いられている場合がある。
<実施形態A>
以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば、ぱちんこ機等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴遊技機あるいは封入式遊技機)について説明する。まず、図1を用いて、本実施の形態に係るぱちんこ機100の全体構成について説明する。なお、同図はぱちんこ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。ぱちんこ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状からなる木製や金属製の枠部材である。本体104は、内枠と呼ばれ、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。また、本体104が開放された場合、本体104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
前面枠扉106は、錠ユニット105によるロック機能付きで且つ開閉自在となるようにぱちんこ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。なお、前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
また前面枠扉106は、開口部116よりも下方の部位に、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図3参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、設定者(例えば、遊技者、遊技店員)の操作によって各種設定等が可能な設定操作部137と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部(図示せず)と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
設定操作部137は、設定者による押下が可能な押ボタン式のスイッチとして、確定(OK)ボタンと、確定ボタンの上方に位置する上ボタンと、確定ボタンの下方に位置する下ボタンと、確定ボタンの右方に位置する右ボタンと、確定ボタンの左方に位置する左ボタンと、右ボタンのさらに右方に位置するキャンセル(C)ボタンとを備えている。また設定操作部137は、各ボタンのそれぞれの押下を検出する操作部センサを備えている。本例の設定操作部137は、各ボタンおよび操作部センサが一体化したユニット構造を有している。設定操作部137の各ボタンのうち少なくとも1つは、所定条件が成立したときの遊技者の操作によって各種演出装置206(図3参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタンとして機能するようになっていてもよい。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。
図2は、図1のぱちんこ機100を背面側から見た外観図である。ぱちんこ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させるとともに、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローのいずれか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローのいずれか他方の信号を払出制御部600(図4参照)へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してぱちんこ機100の表側に配設した上皿126に到達するように構成しており、ぱちんこ機100は、この構成により遊技者に対して球の払出しを行う。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158と、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162と、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166と、遊技球の払出しに関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172と、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176と、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184と、払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインタフェース部186と、を配設している。
主基板156、第1副基板160および第2副基板164等は機種毎に変更する必要があるため遊技盤200の背面に備えられており、払出基板170、発射基板174および電源基板182等は複数機種で共通的に使用されるため外枠102に備えられている。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設している。演出装置206は、ロゴ役物900、上部前飾り役物1000、上部後飾り役物1100(図3では不図示)、上部右サイド役物1200、上部左サイド役物1300、下部右サイド役物1400、下部左サイド役物1500、中央下部役物1600(以下、これらの役物をまとめて「各種役物」と称する場合がある)を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
本例の遊技盤200はいわゆる右打ち機用の遊技盤である。右打ち機では、球発射ハンドル134の操作によって遊技球の打ち出し強度を変化させることにより、遊技球の落下経路を演出装置206より右側の右側経路と演出装置206より左側の左側経路とに打ち分けることができる。本例では、後述する普通図柄始動口228、第1特別図柄始動口230、第2特別図柄始動口232、可変入賞口234等への入球のし易さは、右側経路を落下する遊技球と左側経路を落下する遊技球とで異なる。
普通図柄始動口228、第2特別図柄始動口232および可変入賞口234のそれぞれについては、これらの普通図柄始動口228、第2特別図柄始動口232および可変入賞口234が右側経路上に配置されているため、右側経路を落下する遊技球の入球は相対的に容易であり、左側経路を落下する遊技球の入球は相対的に困難または不可能である。これに対し、第1特別図柄始動口230については、遊技釘(不図示)の配列パターンやワープ装置242等の存在の影響によって、左側経路を落下する遊技球の入球は相対的に容易であり、右側経路を落下する遊技球の入球は相対的に困難である。なお、本実施の形態では右打ち機を例に挙げているが、右打ち機以外であってもよい。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施の形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
遊技領域124の下方には、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、普通図柄保留ランプ216と、高確中ランプ222とを配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」、第2特別図柄を「特図2」と称する場合がある。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施の形態では7セグメントLEDによって構成する。特図1表示装置212および特図2表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施の形態では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226と、普図始動口228と、特図1始動口230と、特図2始動口232と、可変入賞口234と、第二のアウト口241とを配設している。第二のアウト口241の詳細については後述する。
一般入賞口226は、本実施の形態では遊技盤200に複数配設しており、一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、ぱちんこ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施の形態では、遊技球には、入賞の対価として遊技者に払い出す球(以下、「賞球」と呼ぶ場合がある)と、遊技者に貸し出す球(以下、「貸球」と呼ぶ場合がある)とが含まれる。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の右側経路上に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、ぱちんこ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
特図1始動口230は、本実施の形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。特図1始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図1表示装置212による特図変動遊技(以下、「特図1変動遊技」という場合がある)を開始する。なお、特図1始動口230に入球した球は、ぱちんこ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
特図2始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では右側経路上に1つだけ配設している。特図2始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。特図2始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図2表示装置214による特図変動遊技(以下、「特図2変動遊技」という場合がある)を開始する。なお、特図2始動口232に入球した球は、ぱちんこ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカと呼ばれ、本実施形態では遊技盤200の右側流下経路上に1つだけ配設している。可変入賞口234は、開閉自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、ぱちんこ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材(不図示)や、遊技釘(不図示)を複数個、配設しているとともに、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口や第二のアウト口241に入球しなかった球をぱちんこ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
ぱちんこ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材や遊技釘等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(特図1始動口230、特図2始動口232)に入賞するか、第二のアウト口241に入球するか、または、いずれの入賞口や始動口にも入賞せず、第二のアウト口241に入球することもなく、もしくは、普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
次に、ぱちんこ機100の演出装置206について説明する。演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242(242a、242b)および前面ステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に各種役物を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208は、ワープ装置242、前面ステージ244、および各種役物の後方に位置することとなる。ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方の前面ステージ244にワープ出口242bから排出する。前面ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、前面ステージ244の中央部には、通過した球が特図1始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。なお、各種役物については後述する。
次に、図4を用いて、このぱちんこ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。ぱちんこ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」という)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、ぱちんこ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
まず、ぱちんこ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えている。基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314と、を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0~65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路(カウンタ回路)318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば特図1表示装置212や特図2表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば特図2始動口232の羽根部材232aや可変入賞口234の扉部材234a等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334と、を接続している。本例では水晶発振器316aと乱数値生成回路318とが別に設けられているが、水晶発振器316aは乱数値生成回路318に含まれていてもよい。
なお、特図1始動口230に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、特図1始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、特図2始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、特図2始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にぱちんこ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースとをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。ただし、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信が双方向通信により行われるように構成してもよい。
次に、ぱちんこ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412とを搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が設けられている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC(S-ROM)416と、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、各種役物に含まれる各種可動体550(各種可動体550については後述する)の現在位置を検出する各種可動体センサ430と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタンセンサ426と、設定操作部137の各ボタンの押下を検出する操作部センサ(図示せず)と、これらのセンサからの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)434と、を接続している。
次に、ぱちんこ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えている。基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512とを搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路502には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラムおよびデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が設けられている。
また、基本回路502には、各種可動体550の駆動制御を行うための駆動回路516と、遊技盤用ランプ532の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路530と、遊技台枠用ランプ542の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路540と、遊技盤用ランプ駆動回路530および遊技台枠用ランプ駆動回路540との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路520と、を接続している。なお、本実施形態では、第2副制御部500が各種可動体550の動作を制御する構成となっているが、第1副制御部400が各種可動体550の動作を制御する構成であってもよいし、第1副制御部400および第2副制御部500とは別に可動体制御部を設け、この可動体制御部が各種可動体550の動作を制御する構成であってもよい。なお、本実施形態では、各種可動体センサ430が第1副制御部400に設けられたセンサ回路428に接続されており、第1副制御部400が各種可動体550の位置検出を実行するようになっているが、各種可動体センサ430が第2副制御部500に設けられた所定のセンサ回路に接続されており、第2副制御部500が各種可動体550の位置検出を実行するようになっていてもよいし、各種可動体センサ430が上記の可動体制御部に設けられた所定のセンサ回路に接続されており、可動体制御部が各種可動体550の位置検出を実行するようになっていてもよい。
次に、ぱちんこ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御するとともに、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払出しが完了したか否かを検出する。また払出制御部600は、インタフェース部606を介して、ぱちんこ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。また、主制御部300と払出制御部600との情報通信が双方向通信により行われるように構成されている場合には、各種センサ320は前面枠扉106の開放を検出する前面枠扉開放センサ107の検出結果をセンサ回路322に送信せずに払出制御部600へ送信し、払出制御部600は受け取った検出結果を主制御部300に出力するようにしてもよい。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源制御部660は、ぱちんこ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施の形態では、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
次に、図5(a)~(c)を用いて、ぱちんこ機100の特図1表示装置212、特図2表示装置214、装飾図柄表示装置208、普図表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図5(a)は特図1および特図2の停止図柄態様の一例を示したものである。特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、特図1表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、特図2表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本実施形態にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図1表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図2表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本実施形態にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1または2の変動表示」を開始してから特図1または2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
図5(a)には、特図1および特図2の図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」~「特図J」の10種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。本実施形態のぱちんこ機100では、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、大当り遊技の終了後の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態(以下、「特図確変」または単に「確変」という場合がある)と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも時短状態(電サポ状態)に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態のことを普図高確率状態(以下、「普図確変」という場合がある)と称し、時短状態でない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、大当り遊技終了後に特図高確率普図高確率状態となる図柄であり、15R大当り図柄である「特図B」は、大当り遊技終了後に特図低確率普図高確率状態となる図柄である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる図柄である。
「特図C」は突然確変と称される2R大当り図柄であり、大当り遊技の終了後に特図高確率普図高確率状態となる図柄である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当り図柄であり、大当り遊技の終了後に特図低確率普図高確率状態となる図柄である。「特図E」は潜伏確変または隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、大当り遊技の終了後に特図高確率普図低確率状態となる図柄である。「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄であり、大当り遊技の終了後に特図低確率普図低確率状態となる図柄である。
「特図G」は第1小当り図柄であり、小当り遊技終了後は小当り遊技が実行される前の遊技状態を維持する。「特図H」は第2小当り図柄であり、小当り遊技終了後は小当り遊技が実行される前の遊技状態を維持する。また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、遊技者に対する有利度が相対的に小さくなる図柄である。「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に対する有利度が相対的に小さくなる図柄である。
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」~「装飾10」の10種類がある。「装飾1」~「装飾9」および「装飾10」は、それぞれ数字の「1」~「9」および「0」を表している。特図1始動口230または特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・→「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。
そして、「特図A」の15R特別大当り、「特図B」の15R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1-装飾1-装飾1」や「装飾2-装飾2-装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを明示的に報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3-装飾3-装飾3」や「装飾7-装飾7-装飾7」等)を停止表示する。
また、「特図E」の潜伏確変(隠れ確変)と称される2R大当り、「特図F」の突然通常と称される2R大当り、あるいは「特図G」や「特図H」の小当りを報知する場合には、「装飾1-装飾2-装飾3」を停止表示する。「特図C」の突然確変と称される2R大当り、「特図D」の突然時短と称される2R大当りを報知する場合には、「装飾1-装飾3-装飾5」を停止表示する。一方、「特図I」、「特図J」のはずれを報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに図5(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図5(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技のはずれを報知する場合には「普図B」を停止表示する。図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
次に、図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って主制御部メイン処理を実行する。
まずステップS101では、初期設定1を行う。初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可および初期値の設定等を行う。なお、本実施の形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS101の次のステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。ステップS103の次のステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書込みを許可する設定等を行う。
ステップS107の次のステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。具体的には、最初に、電源基板182に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、ぱちんこ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、ぱちんこ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、主制御部300のRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるコマンド設定送信処理(ステップS233)において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるコマンド設定送信処理(ステップS233)において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113の次のステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための3つの乱数値カウンタの初期値を生成するための3つの初期値生成用乱数カウンタを更新する。主制御部300のRAM308には、特図1乱数値カウンタとその初期値生成用乱数カウンタ、特図2乱数値カウンタとその初期値生成用乱数カウンタ、および普図当選乱数値カウンタとその初期値生成用乱数カウンタが設けられている。ステップS115では、これらのうち3つの初期値生成用乱数カウンタの初期値を更新する。例えば、初期値生成用乱数カウンタの取り得る数値範囲が0~100とすると、初期値生成用乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の初期値生成用乱数カウンタに記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の初期値生成用乱数カウンタに記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割込許可の設定を行う。なお、初期値生成用乱数カウンタは、後述する基本乱数初期値更新処理(ステップS207)でも更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115の処理を繰り返し実行する。
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。主制御部300は、所定の周期(本例では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
まずステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS201の次のステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本例では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本例では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203の次のステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、ステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施の形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。
主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施の形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。ステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施の形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、特図1始動口230、および特図2始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。
また、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施の形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
またステップS205では、主制御部300と払出制御部600との情報通信が双方向通信により行われるように構成されている場合には、前面枠扉106の開放を検出する前面枠扉開放センサ107からの検出結果を受け取った払出制御部600から出力された扉開放検出信号の有無を監視し、RAM308に設けた扉検出信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS205の次のステップS207では基本乱数初期値更新処理を行い、その次のステップS209では基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS115で行った初期値生成用乱数カウンタの更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための3つの乱数値カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0~100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための普図当選乱数値カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の普図当選乱数値カウンタに記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の普図当選乱数値カウンタに記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、普図当選乱数値カウンタが1周していると判定した場合には、普図当選乱数値カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、普図当選乱数値カウンタにセットする。
例えば、0~100の数値範囲で変動する普図当選乱数値カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値カウンタにセットするとともに、普図当選乱数値カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、上述の初期値記憶領域とは別に、特図1乱数値カウンタおよび特図2乱数値カウンタがそれぞれ1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308にそれぞれ設けている。なお、本実施の形態では特図1乱数値を取得するためのカウンタと特図2乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよく、この場合には同一の初期値生成用乱数カウンタおよび初期値記憶領域を用いてもよい。
ステップS209の次のステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。具体的には、特図1変動遊技での図柄変動時間を決めるための特図1変動時間決定用乱数値カウンタの値の値あるいはその初期値を更新し、特図2変動遊技での図柄変動時間を決めるための特図2変動時間決定用乱数値カウンタの値の値あるいはその初期値を更新する。また、普図変動遊技での図柄変動時間を決めるための普図変動時間決定用乱数値カウンタの値あるいはその初期値を更新する。
ステップS211の次のステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普図表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特図1表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、特図2表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS213の次のステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
ステップS215の次のステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、特図1始動口230、特図2始動口232、普図始動口228および可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS205における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。
特図1始動口230へ入賞があった場合かつRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タンでない場合、乱数値生成回路(ハード乱数回路)318の特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した特図1当選乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた特図1乱数値生成用乱数カウンタから特図1乱数値を取得し、RAM308に設けた特図1変動時間決定用乱数値カウンタから特図1変動時間決定用乱数値を取得して特図1乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図1乱数値記憶領域内の特図1当選乱数値、特図1乱数値および特図1変動時間決定用乱数値の組(以下、「特図1始動情報」と称する)は、特図1保留数記憶領域に記憶された特図1保留数と同数分だけ格納される。特図1乱数値記憶領域内では、特図1保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位(最先)の特図1始動情報のデータが消去されるとともに、残余の特図1始動情報のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図1保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位(最後)の特図1始動情報のデータの次の保留順位に新たな特図1始動情報のデータが書き込まれる。
特図2始動口232へ入賞があった場合かつRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タンでない場合、乱数値生成回路318の特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した特図2当選乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた特図2乱数値生成用乱数カウンタから特図2乱数値を取得し、RAM308に設けた特図2変動時間決定用乱数値カウンタから特図2変動時間決定用乱数値を取得して特図2乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図2乱数値記憶領域内の特図2当選乱数値、特図2乱数値および特図2変動時間決定用乱数値の組(以下、「特図2始動情報」と称する)は、特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数と同数分だけ格納される。特図2乱数値記憶領域内では、特図2保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位の特図2始動情報のデータが消去されるとともに、残余の特図2始動情報のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図2保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位の特図2始動情報のデータの次の保留順位に新たな特図2始動情報のデータが書き込まれる。
普図始動口228へ入賞があった場合かつRAM308に設けた対応する普図保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する普図乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234へ入賞があった場合には、可変入賞口234用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。
ステップS217の次のステップS219では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4~5に暗号化のための今回加工種別(0~3)、およびビット0~3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS219の次のステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、普図当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、普図当りフラグがオフの場合には、はずれ図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびはずれ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、普図当りフラグがオンにされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、特図2始動口232の羽根部材232aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材232aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500ms)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がはずれであれば、普図当りフラグがオフにされる。この普図当りフラグがオフの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および特図2始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、かつ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の普図乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行う。当選とする場合にはRAM308に設けた普図当りフラグをオンに設定し、不当選の場合には普図当りフラグをオフに設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図変動時間決定用乱数値カウンタの値を普図変動時間決定用乱数値として取得し、取得した普図変動時間決定用乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
ステップS223の次のステップS224では、特図先読み処理を行う。特図先読み処理は、特図保留数記憶領域に記憶された特図保留数が増加すると、当該増加した保留に係る始動情報を先読みして、特図変動遊技の停止図柄等を特図関連抽選処理での当否判定より前に事前判定する。
例えば、特図先読み処理ではまず、現在の制御状態が電サポ中(普図確変、普図変短、電チュー開延のいずれかが設定される状態、詳細は後述)か否かを判断し、電サポ中であると判断すると、特図2始動口232への入賞があったか否かを判断し、特図2始動口232への入賞があったと判断すると、入賞した特図2始動情報に係る特図2当選乱数値、特図2乱数値および特図2変動時間決定用乱数値を先読みする。次いで、特図2関連抽選処理(ステップS229)での当否判定に先立って、特図確率変動フラグの値と先読みした特図2当選乱数値と当否判定用テーブル(不図示)とを用いて、当該当否判定が大当りとなるか否かの事前判定を行う。次いで、先読みした特図2乱数値と特図2図柄決定用テーブル(不図示)とを用いて、特図2変動遊技後に停止表示する図柄(停止図柄)を事前判定する。次いで、事前判定された停止図柄と、特図2変動時間決定用乱数値と、特図2変動表示時間決定テーブル(不図示)とを用いて特図2変動遊技の変動時間を事前判定する。次いで、事前判定して得られた事前判定結果(当否判定結果、停止図柄、変動時間)を主制御部300のRAM308内に設けられた特図2先読み結果記憶部(不図示)に記憶する。主制御部300は、事前判定した特図2変動遊技の当否判定結果、停止図柄および変動時間を特図2先読み結果として、特図2先読み結果記憶部の最先の空き領域に記憶するようになっている。本実施の形態では、特図2先読み結果記憶部は、例えば4個まで特図2先読み結果を格納できるようになっている。
また、RAM308内には、特図2先読み結果記憶部に記憶されている特図2先読み結果の数を特図2先読み数として記憶する特図2先読み数記憶領域が設けられている。主制御部300は、特図2先読み数が1つ増えるごとに、順位が最下位(最後)の特図2先読み結果の情報の次の順位に新たな特図2先読み結果の情報を書き込む。なお、本実施の形態では保留の増加分だけ先読み処理をするようにしているが、毎回全保留に対して特図先読み処理を実施するようにしてもよい。
特図先読み処理において、例えば主制御部300は、電サポ状態でないと判断すると、特図1始動情報について特図2始動情報と同様の特図先読み処理を実行する。なお、特図先読み処理は、当否判定時に用いる当否判定用テーブル、特図決定用テーブルを参照することにより実行されるが、先読み処理用に特別の判定テーブルを用いてもよい。なお、特図先読み処理は、入賞受付処理(ステップS217)内で実行されてもよい。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理では、特図2の状態に応じて、次の複数の処理のうちの1つの処理を行う。
例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグ等のフラグが用意されている。これらのフラグは、後述する特図2関連抽選処理において、決定した停止図柄に基づいてオンまたはオフに設定される。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、例えば、15R大当りフラグがオン、特図確率変動フラグがオン、普図確率変動フラグがオンの場合には図5(a)に示す特図A、15R大当りフラグがオン、特図確率変動フラグがオフ、普図確率変動フラグがオンの場合には特図B、2R大当りフラグがオン、特図確率変動フラグがオン、普図確率変動フラグがオンの場合には特図C、2R大当りフラグがオン、特図確率変動フラグがオフ、普図確率変動フラグがオンの場合には特図D、2R大当りフラグがオン、特図確率変動フラグがオン、普図確率変動フラグがオフの場合には特図E、2R大りフラグがオン、特図確率変動フラグがオフ、普図確率変動フラグがオフの場合には特図F、第1小当りフラグがオンの場合には特図G、第2小当りフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Jそれぞれの態様となるように、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は、特図A~特図Jのいずれか一つの図柄の確定表示を行う。
さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms)その表示を維持するために、RAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中でなければ、時短フラグをオフにする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフにする。また、RAM308に設けられた確変回数記憶部に記憶された確変回数が1以上であれば、その確変回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動フラグをオフにする。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、大当りフラグがオンにされる。大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するために、RAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、扉部材234aの開放・閉鎖制御を所定回数(本実施の形態では、特図1および特図2の場合はともに15ラウンドまたは2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するために、RAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数(例えば、100回)をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンにする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンにすることもない。
ここにいう時短とは、大当り遊技を終了してから、次の大当り遊技を開始するまでの時間を短くするため、ぱちんこ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態(普図確変)である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技で当りになる確率が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、特図2始動口232の一対の羽根部材232aの1回の開放における開放時間が長くなり易い(電チュー開延)。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材232aは多く開き易い。これらの普図確変、普図変短、電チュー開延のいずれかが設定される状態を電サポ(電動チューリップによる始動口入賞サポート)状態という。
また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に特図2始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
また、特図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた確変回数記憶部に確変回数(例えば、10000回)をセットする。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。
さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、はずれフラグがオンにされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。特図2関連抽選処理は、特図1および特図2の変動遊技を行っておらず、特図1および特図2の状態がいずれも非作動中であり、かつ保留している特図2変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図2乱数値記憶領域内の最先の特図2始動情報を用いて実行される。特図1関連抽選処理は、特図1および特図2の変動遊技を行っておらず、特図1および特図2の状態がいずれも非作動中であり、かつ保留している特図1変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図1乱数値記憶領域内の最先の特図1始動情報を用いて実行される。
これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、特図2変動遊技の保留数が1以上の場合には、特図1変動遊技の保留に関する抽選処理や変動遊技は行われない。また、装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の当否判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図1始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。本実施の形態では、有利度の高い特図変動遊技(例えば、特図2変動遊技)が有利度の低い特図変動遊技(例えば、特図1変動遊技)よりも優先して行われる。このため、遊技状態の有利度に差を持たせ易くなる場合がある。
ステップS229の特図2関連抽選処理の場合には、主制御部300は、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2始動情報を取得し、取得した特図2始動情報内の特図2当選乱数値およびRAM308内の特図確率変動フラグの値などに基づいて、ROM306に記憶された当否判定用テーブルを用いて大当りとするか否かの決定、小当りとするか否かの決定、はずれとするか否かの決定を行う。次いで、主制御部300は、ROM306に記憶された特図2図柄決定用テーブル(不図示)を用いて特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定を行い、ROM306に記憶された特図2変動表示時間決定テーブル(不図示)を用いて特図2変動遊技の変動時間を決定する。
主制御部300は、特図2乱数値記憶領域から最先の特図2始動情報を取り出した後、当該最先の特図2始動情報を特図2乱数値記憶領域から消去するとともに、特図2保留数記憶領域の特図2保留数を1減算する。このとき、特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2始動情報をRAM308に設けた一時領域に記憶し、この一時領域に記憶している特図2始動情報に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。
以上のような特図2関連抽選処理(ステップS229)の後に、特図1関連抽選処理(ステップS231)が同様にして行われる。
以上の説明では、有利度の高い特図2変動遊技が有利度の低い特図1変動遊技よりも優先して開始され、特図2の保留が特図1の保留よりも優先して消化される特図2優先変動を例に挙げたが、有利度の低い特図1変動遊技が有利度の高い特図2変動遊技よりも優先して開始され、特図1の保留が特図2の保留よりも優先して消化される特図1優先変動であってもよい。また、特図2変動遊技および特図1変動遊技のいずれを優先することもなく、特図1および特図2それぞれの保留に係る特図変動遊技を始動口に入賞した順に開始する始動口入賞順変動であってもよい。始動口入賞順変動では、保留の上限数が特図1および特図2に関わらず8つになるため、特図1および特図2のそれぞれにおいて保留の上限数が4つとなる優先変動と比較して、保留数の実質的な上限を上げることができる場合がある。
また以上の説明では、一方の特図の状態に応じて他方の特図の保留に関する抽選処理や変動遊技を行わないものとしたが、これに限定されるものではなく、前述の特図状態更新処理および特図関連抽選処理を特図1および特図2でそれぞれ独立して行うことで、複数の特図を同時に変動させるように構成してもよい。また、このように複数の特図を同時に変動させる場合には、装飾図柄表示装置208にそれぞれの特図の抽選結果を表示する複数の領域を設けるか、またはそれぞれの特図の抽選結果を表示する複数の装飾図柄表示装置を設けて、それぞれの抽選結果を別箇に表示してもよいし、1の領域で複数の特図の抽選結果を表示するように構成していてもよい。また、複数の特図に関する変動が同時に行われている場合に、先に変動を停止した特図の抽選結果が後に変動を停止する特図の抽選結果に影響を与えてもよい。
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行う。このコマンド設定送信処理では、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11~14はコマンド種別(本実施の形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、先読み結果情報コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0~10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオンまたはオフになるようにしている。また、コマンド種別が特図の図柄変動開始(回転開始)コマンドの場合であればコマンドデータに、各種大当りフラグ、各種小当りフラグ、各種はずれフラグ、特図確率変動フラグなどの値、特図関連抽選処理で選択した特図変動遊技の変動時間などを示す情報を含み、図柄変動停止(回転停止)コマンドの場合であれば、各種大当りフラグ、各種小当りフラグ、各種はずれフラグ、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出開始コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを示す情報を含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図1始動口230への入賞の有無、特図2始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを示す情報を含む。先読み結果情報コマンドの場合であれば、特図1および特図2の種別、後述する先読み数記憶領域に記憶された先読み数、先読み結果記憶部に記憶された停止図柄等を示す情報をコマンドデータに含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、各種大当りフラグ、各種小当りフラグ、各種はずれフラグ、特図確率変動フラグなどの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択した特図変動遊技の変動時間、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、各種大当りフラグ、各種小当りフラグ、各種はずれフラグ、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。
上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。
また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS233の次のステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してぱちんこ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS235の次のステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視する。前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合には、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して特図2始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普図表示装置210、特図1表示装置212、特図2表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報をI/O310の出力ポートを介して払出制御部600に出力する。
ステップS237の次のステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
次に、図8を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。図8(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理の流れを示すフローチャートである。まず、図8(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS301の次のステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS305の次のステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS307の次のステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS309の次のステップS311では、チャンスボタン制御処理を行う。チャンスボタン制御処理では、チャンスボタン136の押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。また、チャンスボタン制御処理では、設定操作部137の各ボタンの押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データを設定操作部137の各ボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS311の次のステップS313では、画像制御処理を行う。画像制御処理では、ステップS309で読み出した演出データの中にVDP434への命令がある場合には、この命令をVDP434に出力する(詳細は後述)。
ステップS313の次のステップS315では、音制御処理を行う。音制御処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS315の次のステップS317では、ランプ制御処理を行う。ランプ制御処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ418への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS317の次のステップS319では、情報送信処理を行う。情報送信処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行う。その後、ステップS303に戻る。
図8(b)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部コマンド受信割込処理(ストローブ割込処理)の流れを示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が主制御部300からのストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300から受信したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
図8(c)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第1副制御部タイマ割込処理のステップS501では、第1副制御部メイン処理のステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。したがって、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS501の次のステップS503では、第1副制御部メイン処理の情報送信処理(ステップS319)で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、その他演出用乱数値の更新処理等を行う。
図8(d)は、第1副制御部メイン処理の画像制御処理(ステップS313)の流れを示すフローチャートである。ステップS601では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU404は、まず、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU404は、VDP434のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM406の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM436の転送先アドレス)などを設定した後、ROM406からVRAM436への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP434は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM406からVRAM436に転送する。その後、VDP434は、転送終了割込信号をCPU404に対して出力する。
ステップS601の次のステップS603では、VDP434からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS605に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS605では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU404は、ステップS601でVRAM436に転送した画像データに基づいてVRAM436の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。VDP434は、アトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS605の次のステップS607では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU404は、VDP434に画像の描画開始を指示する。VDP434は、CPU404の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS607の次のステップS609では、画像の描画終了に基づくVDP434からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS711に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS711では、RAM408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
次に、図9を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。図9(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図9(a)のステップS701では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS701で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS701の次のステップS703では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS705の処理に移行する。ステップS705では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS705の次のステップS707では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS707の次のステップS709では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS707で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS709の次のステップS711では、ランプ制御処理を行う。例えば、第1副制御部400からの遊技盤用ランプ532や遊技台枠用ランプ542への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路520に出力する。
ステップS711の次のステップS713では、可動体制御処理を行う。例えば、第1副制御部400からの各種可動体550への命令がある場合には、この命令を駆動回路516に出力する。その後、ステップS703に戻る。
図9(b)は、第2副制御部500のCPU504が実行するコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が第1副制御部400からのストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS801では、第1副制御部400から受信したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
図9(c)は、第2副制御部500のCPU504が実行するタイマ割込処理のフローチャートである。第2副制御部500は、所定の周期(本例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。タイマ割込処理のステップS901では、第2副制御部メイン処理のステップS703において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。したがって、ステップS703において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS901の次のステップS903では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図10乃至図12を用いて本実施形態によるぱちんこ機100の遊技盤200についてより詳細に説明する。なお、図10乃至図12、および後述する図13乃至図44を用いた説明において、鉛直方向(上下方向と称する場合もある)あるいは水平方向はぱちんこ機100を例えば島設備に設置した状態での鉛直方向あるいは水平方向を指す。同様に、左右方向は水平方向のうち、遊技盤200に向かって左右方向を指す。また、前後方向は水平方向のうち、遊技盤200(透明遊技盤810の基板面)に直交する方向であって遊技盤200から透明板部材118に向かう方向を前方向、その逆を後方向と呼ぶ。
図10乃至図38において「上」と「下」の表記がある両矢印は鉛直方向を示しており、「上」は鉛直上方を示し「下」は鉛直下方を示している。また、図10乃至図38において「左」と「右」の表記がある両矢印は左右方向を示しており、「左」は左方向を示し、「右」は右方向を示している。また、図10乃至図38において「前」と「後」の表記がある両矢印は前後方向を示しており、「前」は前方向を示し、「後」は後方向を示している。
図10は、本実施形態に係る遊技盤200の分解斜視図である。図10は、遊技盤200を前方右上から後方左下に見た状態を示している。遊技盤200は、レール飾り部材800と、透明遊技盤810と、役物ユニット820とで構成される3層構造を有している。
レール飾り部材800は、外レール部材802と、外枠部材804と、センタ装飾部材806と、遊技盤装飾部材808とを有している。外レール部材802は、例えば樹脂材料により一体的に成型されて、左側基部802aと上側基部802bとを有している。左側基部802aは、下から上に向かう内側端辺が遊技盤200の中央付近を中心とする円弧形状を有している。上側基部802bは、左側基部802aの上端から右方に延びて形成され、左から右に向かう内側端辺が遊技盤200の中央付近を中心とする円弧形状を有している。外レール部材802は、左側基部802aの内側端辺と上側基部802bの内側端辺とが連続するように成型されている。左側基部802aおよび上側基部802bの内側端辺には外レール202が配置されている。外レール部材802の外レール202により遊技領域124の外端が画定される。
外枠部材804は、例えば樹脂材料により成型され、右から右下方に向かう内側端辺が遊技領域124の右下端辺の曲線に合わせた曲線形状を有している。外レール部材802と外枠部材804とで遊技領域124が囲まれるようになっている。
センタ装飾部材806は、例えば透明樹脂材料で成型されている。センタ装飾部材806は、所定輪郭の環状形状を有しており、環状内の全面が開口されている。また、センタ装飾部材806は、図3に示すワープ装置242および前面ステージ244を有しており、凹凸による飾り模様が施されている。なお、センタ装飾部材806は、前面ステージ244内に進入した遊技球が後側に転落しないように前面ステージ244の後側に壁が設けられてもよい。
遊技盤装飾部材808は、例えば透明樹脂材料で成型され、外側端辺が遊技盤200の中央付近を中心とする円弧形状を有している。遊技盤装飾部材808の外側端辺には内レール204が配置されている。また、遊技盤装飾部材808の内レール204の内方の前面側には、図3に示す一般入賞口226、特図1始動口230、特図2始動口232(羽根部材232aは不図示)、可変入賞口234、アウト口240、および第二のアウト口241が設けられている。また、遊技盤装飾部材808の前面側には凹凸による飾り模様が施されている。
透明遊技盤810は、例えば透明樹脂材料で形成され、薄板平板形状を有している。外レール部材802と外枠部材804は、透明遊技盤810の前面にネジで固定され、遊技領域124を囲むように配置される。透明遊技盤810の前面側には複数の遊技釘(不図示)や打球方向変換部材(不図示)が配置される。また、透明遊技盤810は、中央部にセンタ装飾部材806の輪郭形状に合わせて開口された開口部810aを有している。センタ装飾部材806は開口部810aに嵌め込まれて透明遊技盤810にネジで固定される。また、透明遊技盤810は、開口部810aの右下方に所定形状に開口された開口部810bを有し、開口部810aの左下方に所定形状に開口された開口部810c、810dを有している。開口部810c、810dは透明遊技盤810の左方からこの順に形成されている。特図1始動口230、特図2始動口232、可変入賞口234、およびアウト口240が開口部810bに対応し、第二のアウト口241、および第二のアウト口241の下方の1つの一般入賞口226が開口部810cに対応し、2つの一般入賞口226が開口部810dに対応するように、遊技盤装飾部材808は透明遊技盤810にネジで固定される。また、透明遊技盤810の開口部810b、810c、810dの後側(裏側)には球通路ユニット(不図示)が配置され、一般入賞口226、特図1始動口230、特図2始動口232、可変入賞口234、アウト口240、または第二のアウト口241に入球した遊技球を島設備に排出するようになっている。
役物ユニット820は、透明樹脂材料で成型されたユニット本体822を有している。ユニット本体822は、前面側がほぼ長方形状を有しており、ほぼ中央に水平方向に長い長方形状に開口された開口部822aを有している。ユニット本体822は、図3に示す装飾図柄表示装置208の画像表示領域が開口部822aを介して遊技者側から視認できるようになっている。また、役物ユニット820のユニット本体822には、ロゴ役物900、上部前飾り役物1000、上部後飾り役物1100(図10では不図示)、上部右サイド役物1200、上部左サイド役物1300、下部右サイド役物1400、下部左サイド役物1500、および中央下部役物1600が取り付けられている。これらの各種役物については、図16乃至図38を用いて詳述する。
また、ユニット本体822の前面側の四隅には、右上端部822b、右下端部822c、左下端部822d、および左上端部822eがそれぞれ設けられている。右上端部822b、右下端部822c、左下端部822d、および左上端部822eは、前後方向に直交する同一仮想平面上に形成されている。透明遊技盤810は、ユニット本体822の右上端部822b、右下端部822c、左下端部822d、および左上端部822eにネジで固定される。また、右上端部822b、右下端部822c、左下端部822d、および左上端部822eを含む仮想平面よりも後側に各種役物が取り付けられている。これにより、透明遊技盤810と各種役物とが接触するのを防いでいる。
図11は、遊技盤200を後面側(背面側)から見た外観図である。ユニット本体822の開口部822aを介して、センタ装飾部材806、上部前飾り役物1000、上部後飾り役物1100、上部右サイド役物1200、上部左サイド役物1300、下部右サイド役物1400、下部左サイド役物1500、および中央下部役物1600の後面側の一部がそれぞれ視認されている。
図12は、図11に示す遊技盤200から役物ユニット820を取り外して見た遊技盤200の外観図である。図12では、第二のアウト口241および3つの一般入賞口226に接続された球通路ユニット700を示している。
次に、本実施の形態によるぱちんこ機100で用いられる球通路ユニット700について図13乃至図15を用いて説明する。球通路ユニット700は、一般入賞口226や第二のアウト口241に入球した遊技球が通過可能な球通路を形成するように、図10に示す透明遊技盤810の後側(背面側)に設けられている。
図13は、本実施の形態によるぱちんこ機100で用いられる球通路ユニット700を右後上から左前下に向かって見た斜視図である。図13において、紙面の上下方向は鉛直上下方向を表し、紙面の右上から左下に延びる方向は左右方向を表し、紙面の左上から右下に延びる方向は前後方向を表している。図14は、球通路ユニット700を左後上から右前下に向かって見た斜視図である。図14において、紙面の上下方向は鉛直上下方向を表し、紙面の右上から左下に延びる方向は前後方向を表し、紙面の右下から左上に延びる方向は左右方向を表している。図13および図14に示す太い破線は、球通路ユニット700の球通路内を転動流下する遊技球の軌跡の一例を示している。図15は、球通路ユニット700を後から前に向かって見た背面図である。図15において、紙面の上下方向は鉛直上下方向を表し、紙面の左右方向は、透明遊技盤810の前面に向かって左右方向を表している。また、図中の矢印付きの実線は、球通路ユニット700の球通路内を転動流下する遊技球の軌跡の一例を示している。また、図13乃至図15において図中に両矢印で示す座標は、球通路ユニット700を含む球通路機構が取り付けられたぱちんこ機100が遊技店の島設備等に設置された場合に、球通路ユニット700の設置状態を示すものである。なお、図13乃至図15では、球通路ユニット700の構造の把握を容易にするために球通路ユニット700を透過的に示している。
球通路ユニット700が後側に取り付けられる透明遊技盤810の前側(表面側)に配置される遊技盤装飾部材808には、図10に示すように内レール204の最下部に設けたアウト口240の他に第二のアウト口241が設けられている。第二のアウト口241は、三つの一般入賞口226のうちの最上部の一般入賞口226の近傍の上方左側に設けられている。本例のぱちんこ機100によれば、第二のアウト口241の方が一般入賞口226よりも高い位置にあるので、アウト球を遊技領域124の裏側を使用して排出することができる場合がある。球通路ユニット700は、第二のアウト口241と三つの一般入賞口226に入球する遊技球を透明遊技盤810の後側(裏面側)で遊技島側に排出するために用いられる。
図13および図14に示すように、球通路ユニット700の前側には前壁W1が配置されている。前壁W1は、左右方向と上下方向を含む平面(前後方向に直交する平面)に平行な平板形状を有している。球通路ユニット700は、図12に示すように前壁W1の前側壁面を透明遊技盤810の裏面に対面させて透明遊技盤810の裏面側に取り付けられる。前壁W1には三つの一般入賞口226の配置位置に対応して、遊技球が通過できる大きさに開口された三つの例えば円形の開口部701A、701B、701Cが配置されている。開口部701Bは開口部701Aの右下に位置している。開口部701Cは開口部701Bの右下近傍に位置している。また、前壁W1の開口部701Aの上部には第二のアウト口241の配置位置に対応して、遊技球が通過できる大きさに開口された例えば円形の開口部702Aが配置されている。球通路ユニット700は、開口部701Aと開口部702Aが透明遊技盤810の開口部810cに配置され、開口部701B、701Cが透明遊技盤810の開口部810dに配置されるように、透明遊技盤810の裏面にネジ止めされる。
なお、本例の球通路ユニット700では三つの一般入賞口226と一つの第二のアウト口241のそれぞれに対応して四つの開口部701A~701C、702Aを設けているが、開口部の数は入賞口の数や第二のアウト口の数に合わせて変更することができる。開口部701A~701C、702Aの開口形状は円形に限らず三角形や四角形あるいは四角形以上の多角形形状であってもよい。
また、図13および図14に示すように、前壁W1の後には前壁W1と平行に後壁W2が配置されている。後壁W2は、左右方向と上下方向を含む平面に平行な平板形状を有している。前壁W1の後側壁面と後壁W2の前側壁面の前後方向の幅は、少なくとも遊技球1個の直径より長い長さを有している。
図13乃至図15に示すように、前後方向に見た前壁W1と後壁W2の外形(外周)の輪郭形状は概ね同一で全体視において重なり合っている。前壁W1と後壁W2の外形輪郭部には、前壁W1と後壁W2の間を、前壁W1と後壁W2に対して略垂直につなぐ側壁(例えば、上側壁701au、701bu等)が設けられている。当該側壁は前壁W1と後壁W2の外形輪郭形状に概ね倣うように配置され、遊技球排出用の球排出口703Eを除いて前壁W1と後壁W2の外形輪郭部を囲っている。
また、前壁W1および後壁W2と、前壁W1と後壁W2の外形輪郭部を囲う側壁とで形成される内部空間には、当該内部空間をさらに三つの空間に区分けして、前壁W1と後壁W2の間を前壁W1と後壁W2に対して略垂直につなぐ側壁(例えば、下側壁701adや左側壁701al等)が設けられている。当該三つの空間はそれぞれ遊技球を流下させる第一の球通路701、第二の球通路702の一部、および第三の球通路703として機能する。
第一の球通路701は、前方から後方に前壁W1の開口部701A、701B、701Cを通過した遊技球を流下させて第三の球通路703に誘導するために用いられる。第二の球通路702は、前方から後方に前壁W1の開口部702Aを通過した遊技球を流下させて第三の球通路703に誘導するために用いられる。第三の球通路703は、第一の球通路701を通過した遊技球と第二の球通路702を通過した遊技球を合流させて流下させて球排出口703Eに誘導するために用いられる。
図15に示すように、第一の球通路701は、前壁W1と後壁W2の外形輪郭部の一部を囲う六つの側壁(右側壁701ar、上側壁701au、斜め側壁701bu、右側壁701br、下側壁701bd、左側壁701cl)と、内部空間を画定する五つの側壁(左側壁701al、下側壁701ad、左側壁701bl、下側壁701bd´、右側壁701cr)とを有している。
右側壁701arと左側壁701alは、開口部701Aから下方向に互いに平行に延びて配置されている。右側壁701arと左側壁701alは開口部701Aの上部で接続されている。開口部701Aから下の右側壁701arの左側壁面と左側壁701alの右側壁面の左右方向の幅は、少なくとも遊技球1個の直径より長い長さを有している。
右側壁701arの下端は上側壁701auの左端に接続されている。上側壁701auは緩やかな右下がりで傾斜して右端が斜め側壁701buの左上端に接続されている。一方、左側壁701alの下端は二手に分岐した側壁のうちの下側壁701adの左端に接続されている。下側壁701adは右下がりに傾斜して右端が左側壁701blの上端に接続されている。上側壁701auの下側壁面と下側壁701adの上側壁面との間の幅は、最短でも遊技球1個の直径よりも長い長さを有している。
前壁W1と後壁W2、右側壁701arと左側壁701al、および上側壁701auと下側壁701adとで、開口部701Aから入球した遊技球が下方に流下してさらに斜め右下に流下する球通路701aが構成される。
斜め側壁701buは約45°の傾斜角で右下がりに傾斜して右下端が右側壁701brの上端に接続されている。右側壁701brは下方に延びた後緩やかに左に曲がって左端が下側壁701bdの右端に接続されている。下側壁701bdは緩やかに左下がりに傾斜して左端が下側壁701bd´の右端に接続されている。下側壁701bd´は緩やかに左下がりに傾斜して左端が右側壁701crの上端に接続されている。一方、左側壁701blは急峻な左下がりで傾斜して下端が左側壁701clの上端に接続されている。
前壁W1と後壁W2、斜め側壁701bu、右側壁701br、下側壁701bd、下側壁701bd´、および左側壁701blで規定される空間が球通路701bとなる。球通路701bの前壁W1に平行な面内は遊技球が十分に転動可能な広さを有している。また、開口部701Bは球通路701bの斜め側壁701buの中央近傍の前壁W1に配置されている。開口部701Cは、球通路701bの右側壁701brの中央近傍の前壁W1に配置されている。このため、開口部701B、開口部701Cからの遊技球は球通路701bに直接入り、開口部701Aからの遊技球は球通路701aを通って球通路701bに至る。
右側壁701crは下方に延びて下端が第三の球通路703との境界部に位置している。左側壁701clは下方に延びて下端が第三の球通路703との境界部で左側壁731alの上端に接続されている。右側壁701crの左側壁面と左側壁701clの右側壁面の左右方向の幅は、少なくとも遊技球1個の直径より長い長さを有している。また、右側壁701crの下端近傍の後壁W2には、球検出センサSが貫通できる大きさの長方形状で前後方向に開口した開口部X701が配置されている。開口部X701の下端辺は第三の球通路703との境界部に位置している。このため、図13に破線の四角形形状で示すように、第三の球通路703との境界部で、右壁701crの下端辺および開口部X701の下端辺と、前壁W1の後側壁面および左側壁731alの右側壁面とで上下方向に開口した開口部Y713が形成されている。
前壁W1と後壁W2、および右側壁701crと左側壁701clで、遊技球が下方に流下可能な球通路701cが構成される。図13および図15に示すように、球通路701cの下端に第三の球通路703につながる開口部Y713が設けられている。開口部Y713は、第一の球通路701と第三の球通路703の境界となっている。このように、第一の球通路701は、球通路701a~701cを有している。
開口部Y713の上方近傍で右側壁701crと左側壁701clとに挟まれて球検出センサSが配置されている。球検出センサSは後壁W2の開口部X701を貫通して前後方向に挿入されており、球検出センサSの先端部を前壁W1の後側壁面に突き当てて配置されている。球検出センサSの球通過口(検出口)は開口部Y713の上方に位置して第一の球通路701の球通路701c内に設けられており、遊技球が第三の球通路703に到達する前に遊技球を検出できるようになっている。球検出センサSの球通過口(検出口)は遊技球が通過可能な内径を備えた略円形状に開口されている。なお、球検出センサSの球通過口から先端部までの距離が長い場合は、当該先端部が当接する位置の前壁W1を開口して開口部を設け、球検出センサSの先端部が当該開口部を貫通するようにしてもよい。
本例のぱちんこ機100によれば、複数の一般入賞口226に入球された遊技球はすべて賞球数が同じであり、かつ第一の球通路701を通過するので、第一の球通路701に一つの球検出センサSを設けるだけで遊技球をまとめて排出できる場合がある。また、球検出センサSの配置個数を抑えることができるのでコストダウンを図ることができる場合がある。
図13および図14に示すように、後壁W2の後には後壁W2と平行に後壁W3が配置されている。後壁W3は、左右方向と上下方向を含む平面に平行な平板形状を有している。後壁W2の後側壁面と後壁W3の前側壁面の前後方向の幅は、少なくとも遊技球1個の直径より長い長さを有している。
図15に示すように、後壁W2には、前壁W1と後壁W2との間で作られる空間と後壁W2と後壁W3との間で作られる空間とを連結して遊技球が通過できる大きさに開口された二つの例えば矩形の開口部X702b、X702dが配置されている。開口部X702bは開口部702Aの下方に位置している。開口部X702dは球検出センサSの右側に位置している。
前後方向に見た後壁W3の外形(外周)輪郭は、図15に示すように、全体視において緩やかに右下がりに傾斜した後に下方に曲がって延びる形状を有している。後壁W3の外形輪郭部には、後壁W3と後壁W2の間を、後壁W3と後壁W2に対して略垂直につなぐ三つの側壁(上側壁702bu、702cu、下側壁702cd)および、後壁W3と後壁W2の間を円弧状につなぐ後下壁702dbd、また、後壁W3と前壁W1の間を、後壁W3と前壁W1に対して略垂直につなぐ六つの側壁(左下側壁702bldf、702bldb、右側壁702drf、702drb、左側壁702dlf、702dlb)が設けられている。なお、前壁W1、後壁W2、および後壁W3の壁厚は、同じ厚さであってもよいし互いに異なる厚さであってもよい。
図13乃至図15に示すように、第二の球通路702は、球通路702a、球通路702b、球通路702c、および球通路702dを有している。
球通路702aは、前壁W1と後壁W2、および右側壁702arと左側壁702alで構成されている。左側壁702alと右側壁702arは、開口部702Aから左下がりに互いに平行に延びた後に下方向に互いに平行に延びて配置されている。左側壁702alと右側壁702arは開口部702Aの上部で接続されている。
左側壁702alは後壁W2の開口部X702b近傍まで延びて下端が左下側壁702bldfの上端に接続されている。右側壁702arは後壁W2の開口部X702b近傍まで延びて下端が右側壁702brの上端に接続されている。開口部702Aから下の左側壁702alの右側壁面と右側壁702arの左側壁面の左右方向の幅は、少なくとも遊技球1個の直径より長い長さを有している。
球通路702aは、前後方向の位置が第一の球通路701と同じ位置にある。つまり、球通路702aは、第一の球通路701と同様に前壁W1と後壁W2との間で作られる空間内にある。
球通路702aは、右側壁702arが下方向に延びて二手に分岐する分岐点までの区間において、当該区間の右側壁702arの部位が球通路701aの左側壁701alと同一であり、第一の球通路701の球通路701aの左側壁701alと側壁同士が共有されている。
本例のぱちんこ機100によれば、第一の球通路701の球通路701aの一部と第二の球通路702の球通路702aの一部が隣り合っていて仕切り壁が共有される。左右方向に厚みのある球通路の壁が共有されるので球通路ユニット700の左右方向の省スペース化を図ることができる場合がある。なお、側壁同士が共有とは、球通路が隣り合っていている部分の仕切り壁が共有されていることをいう。
球通路702aの下端は球通路702bに接続されている。球通路702bは、球通路702a内を下方に流下してきた遊技球の進路を後方に変更して、遊技球を後壁W2に配置された開口部X702bを通過させて後続の球通路702cに送り出すために設けられている。換言すれば、球通路702bは、前壁W1と後壁W2との間に設けられた球通路702aと、後壁W2と後壁W3との間に設けられた球通路702cとを連結するために前後方向に設けられている。
球通路702bは、前壁W1、後壁W3、右側壁702br、左下側壁702bldf、702bldb、および上側壁702buで構成されている。
左下側壁702bldfの前端は前壁W1と接続している。左下側壁702bldbの後端は後壁W3と接続している。左下側壁702bldfの後端と左下側壁702bldbの前端が接続されて左下側壁702bldfと左下側壁702bldbは前後方向に平行な一面内に含まれている。左下側壁702bldfと左下側壁702bldbは、図15に示すように、前後方向に見て左上端から右下端に向かって、遊技球が通過可能な広さを確保しつつ左下に凸の円弧状に曲がって形成されている。円弧の半径の長さは、遊技球1個分の長さより長い。左下側壁702bldfの前後方向の幅は、前壁W1の後側壁面と後壁W2の前側壁面の前後方向の幅よりも長い長さを有している。左下側壁702bldbの前後方向の幅は、後壁W2の後側壁面と後壁W3の前側壁面の前後方向の幅よりも長い長さを有している。なお、左下側壁702bldfと左下側壁702bldbを前後方向に見た形状は円弧状でなくてもよく、例えば、左上端から下方に延びる壁面と右下端から左方に延びる壁面とが交わる形状であってもよい。その際の両壁面が挟む角度は直角あるいはそれより広い鈍角であればよい。
左下側壁702bldfの左上端は左側壁702alの下端に接続されている。左下側壁702bldfの右下端は右側壁702brの下端に接続されている。一方、左下側壁702bldbの左上端は上側壁702buの左端に接続されている。左下側壁702bldbの右下端は下側壁702cdの左端に接続されている。上側壁702buは、緩やかに右下がりに傾斜して右端が上側壁702cuの左端に接続されている。
球通路702bの左下側壁702bldf、702bldbは、後壁W3と前壁W1に対して略垂直に配置されているため、通路内は前後方向に傾斜していない。また、左下側壁702bldbと後壁W3の接続部は上下方向に見て直角になっている。これにより遊技球の円滑な流下が妨げられないように、球通路702b内には方向変更用突起Z1、Z2が設けられている。方向変更用突起Z1は、図13および図14に示すように、後から前に向かって開口部X702bを見ると、開口部X702bのほぼ中央に位置する前壁W1の部分から下方に延びて左下側壁702bldfの角部に接続する板状になっている。また、方向変更用突起Z1は、左右方向に見て、約45°の傾斜角で前上から後下に向かう斜面を有している。方向変更用突起Z1により、球通路702aを流下した遊技球は方向変更用突起Z1の斜面を転がり落ちて転動方向を後方に変更して開口部X702bを通過する。なお、球通路702b内の遊技球の通路を十分に確保するために、上側壁702buは上方にいくぶん高く配置してもよい。なお、球通路701aを通過した遊技球が球通路701b内を後方向に流下転動できる程度に前から後に向かって下に傾斜する傾斜面を左下側壁702bldf、702bldbが有している場合は、方向変更用突起Z1は設けなくてもよい。
方向変更用突起Z2は、図13および図14に示すように、後から前に開口部X702bを見ると、開口部X702bの中央やや下方に位置する後壁W3の部分から左方に延びて左下側壁702bldfの側面部に接続する板状になっている。また、方向変更用突起Z2は、上下方向に見て、約45°の傾斜角で左前から右後に向かう斜面を有している。方向変更用突起Z2により、開口部X702bを通過した遊技球は方向変更用突起Z2の斜面を転がりながら転動方向を右方に変更して球通路702bを通過する。なお、球通路701b内を右方向に流下転動できる程度に左から右に向かって下に傾斜する傾斜面を左下側壁702bldbが有している場合は、方向変更用突起Z2は設けなくてもよい。
図15に示す球通路702bにおいて、内円が黒く塗り潰された二重丸は、遊技球が前方から後方に向かって進行することを示している。なお、図15では方向変更用突起Z1、Z2の図示は省略している。
球通路702bの下端は球通路702cに接続されている。球通路702cは、球通路702bを通過した遊技球を右下方向に誘導した後進路を下方に変更するために設けられている。球通路702cは、後壁W2と後壁W3、および上側壁702cuと下側壁702cdで構成される。
上側壁702cuは、緩やかに右下がりに傾斜した後に下方に曲がって延びて下端が右側壁702drbの上端に接続されている。下側壁702cdは、緩やかに右下がりに傾斜した後に下方に曲がって延びて下端が左側壁702dlbの上端に接続されている。上側壁702cuと下側壁702cdの内側対向面の幅は、少なくとも遊技球1個の直径より長い長さを有している。
図15に示すように、第二の球通路702の球通路702cのうち第一の球通路701の左側壁701blと下側壁701bd´とで画定される球通路区間は、前後方向に見て第一の球通路701と重なる部位である。本例のぱちんこ機100によれば、透明遊技盤810の裏側で第一の球通路701と第二の球通路702の一部が前後方向に重なるので、球通路に特徴を持った遊技台を提供できる。また、一般入賞口226に入球した遊技球と第二のアウト口241に入球した遊技球を区別して異なる球通路を通過させることができる場合がある。さらに、前後方向に複数の球通路を設けているので、球通路ユニット700の左右方向や上下方向の省スペース化を図ることができる場合がある。
また、当該部位は、第一の球通路701の後側、すなわち後壁W2と後壁W3との間で作られる空間内にある。本例のぱちんこ機100によれば、第二の球通路702の一部が第一の球通路701の後側にオーバーラップしている。これにより、第一の球通路701のレイアウト(配置)は第二の球通路702によって邪魔されないので、第一の球通路701を通過する遊技球を速やかに排出させる(球検出センサSに検出させる)ことができる場合がある。
また、当該部位において、第二の球通路702の前壁は第一の球通路701の後壁と同一である。すなわち、当該部位において、後壁W2は第一の球通路701と第二の球通路702とで共有されている。本例のぱちんこ機100によれば、前後方向に厚みのある後壁W2を共有するので、球通路ユニット700の左右方向や上下方向の省スペース化に加えて前後方向の省スペース化を図ることができる場合がある。なお、第二の球通路702に前壁W4を別個に設けて、後壁W2が第一の球通路701と第二の球通路702とで共有されないようにしてもよい。こうすることにより、球通路ユニット700の構成部材の成型が容易になる場合がある。また、球通路ユニット700の製造を容易にして低コスト化を図ることができる場合がある。
また、本例のぱちんこ機100によれば、第一の球通路701はセーフ球が通過し、第二の球通路702はアウト球が通過するので、セーフ球とアウト球を分けて排出することができる。また、セーフ球は前壁W1と後壁W2との間で作られる空間内のみを移動するので、後壁W2と後壁W3の間で作られる空間内も移動するアウト球よりも速やかに排出できる場合がある。
球通路702cの下端は球通路702dに接続されている。球通路702dは、球通路702cから下方に流下してきた遊技球の進路を前方に変更して、遊技球を後壁W2に配置された開口部X702dを通過させて後続の第三の球通路703に送り出すために設けられている。換言すれば、球通路702dは、後壁W2と後壁W3との間に設けられた球通路702cと、前壁W1と後壁W2との間に設けられた第三の球通路703とを連結するために前後方向に設けられている。
球通路702dは、前壁W1、後下壁702dbd、右側壁702drf、702drb、および左側壁702dlf、702dlbで構成されている。
後下壁702dbdは、図13に示すように、左右方向に見て後上端から前下端に向かって、遊技球が通過可能な広さを確保しつつ後下方向に凸の円弧状に曲がって形成されている。円弧の半径の長さは、遊技球1個分の長さより長い。後下壁702dbdの後上端は後壁W3の下端と接続している。後下壁702dbdの前下端は後壁W2の開口部X702dの下端と接続している。なお、後下壁702dbdを左右方向に見た形状は円弧状でなくてもよく、例えば、後上端から下方に延びる壁面と前下端から後方に延びる壁面とが交わる形状であってもよい。その際の両壁面が挟む角度は直角あるいはそれより広い鈍角であればよい。また、後下壁702dbdの内壁面に遊技球の流下方向を前側に向ける方向変更用突起を設けてもよい。
図13に破線の菱形形状で示すように、後下壁702dbdの前下端、右側壁702drfの下端、および左側壁702dlfの下端と、前壁W1の後側壁面とで上下方向に開口した開口部Y723が形成されている。球通路702dを通過した遊技球は開口部Y723で落下して第三の球通路703に至る。開口部Y723は第二の球通路702と第三の球通路703の境界となっている。
左側壁702dlfの前端は前壁W1と接続している。左側壁702dlfの上端部は右側壁701crの右側壁面と接続している。左側壁702dlbの上端は下側壁702cdの下端と接続している。左側壁702dlbの後上端から前下端は後下壁702dbdの円弧形状に倣って後下壁702dbdの左側部に接続されている。左側壁702dlfの後端と左側壁702dlbの前端が接続されて左側壁702dlfと左側壁702dlbは前後方向に平行な一平面内に含まれている。左側壁702dlfの前後方向の幅は、前壁W1の後側壁面と後壁W2の前側壁面の前後方向の幅よりも長い長さを有している。
右側壁702drfの前端は前壁W1と接続している。右側壁702drfの上端は下側壁701bd、701bd´の下側壁面と接続している。右側壁702drbの上端は下側壁702cuの下端と接続している。右側壁702drbの後上端から前下端は後下壁702dbdの円弧形状に倣って後下壁702dbdの右側部に接続されている。右側壁702drfの後端と右側壁702drbの前端が接続されて右側壁702drfと右側壁702drbは前後方向に平行な一平面内に含まれている。右側壁702drfの前後方向の幅は、前壁W1の後側壁面と後壁W2の前側壁面の前後方向の幅よりも長い長さを有している。
図15に示す球通路702dにおいて、内方に×が付された丸印は、遊技球が後方から前方に向かって進行することを示している。
図13乃至図15に示すように、第三の球通路703は、前壁W1と後壁W2の外形輪郭部の一部を囲う五つの側壁(上側壁703au、右側壁703br、左側壁731al、下側壁703ad、左側壁703bl)を有している。
左側壁731alの上端は、左側壁701clの下端に接続されている。左側壁731alは、下方向に延びた後右に曲がって緩やかな右下がりで傾斜して右端が下側壁703adの左端に接続されている。
前壁W1、後壁W2、および左側壁731alで、第一の球通路701を通過して開口部Y713を通過した遊技球が下方にさらに流下する球通路713と、第二の球通路702を通過して開口部Y723を通過した遊技球が下方にさらに流下する球通路723とが構成される。球通路713と球通路723の上下方向の幅は、遊技球2個の直径の和以上の長さを有している。
球通路713の右端は球通路723に接続されている。球検出センサSが設けられている第一の球通路701を通過して球通路713を流下した遊技球と第二の球通路702を通過して球通路723を流下した遊技球は、球通路723内の合流位置J712近傍で合流して後続の球通路703aを通過する。
本例のぱちんこ機100によれば、セーフ球とアウト球を分けて排出させることができる。また、アウト球と球検出センサSを通過したセーフ球を第三の球通路703で合流させることで、セーフ球用の第三の球通路703とアウト球用の第三の球通路703を別個に設ける必要がない。これにより、第三の球通路703の省スペース化を図ることができる場合がある。
上側壁703auの左端は、右側壁702drfの下端に接続されている。上側壁703auは、緩やかな右下がりで傾斜した後下方に延びて下端が右側壁703brの上端と接続されている。下側壁703adは、緩やかな右下がりで傾斜した後下方に延びて下端が左側壁703blの上端と接続されている。
球通路723の右端は、球通路703aに接続されている。球通路703aは、前壁W1と後壁W2、および上側壁703auと下側壁703adとで構成されている。球通路703aの上下方向の幅は、遊技球2個の直径の和以上の長さを有している。
右側壁703brの上端は、上側壁703auの下端に接続されている。右側壁703brは下方に延びている。左側壁703blの上端は、下側壁703adの下端に接続されている。左側壁703blは下方に延びている。球排出口703Eは、前壁W1の下端と後壁W2の下端、および右側壁703brの下端と左側壁703blの下端とで構成されている。球通路703bの左右方向の幅は、遊技球2個の直径の和以上の長さを有している。
球通路703aの下端は、球通路703bに接続される。球通路703bは、前壁W1と後壁W2、および右側壁703brと左側壁703blとで構成されている。球通路703bを通過した遊技球は、球排出口703Eに誘導される。なお、球通路703bを設けずに球通路703aの下端を球排出口703Eとしてもよい。
第一~第三の球通路701~703のそれぞれにおいて遊技球の流下方向に直交する平面で切断した通路断面(以下、「通路断面」という。)での断面開口(内壁面で囲まれた閉領域)の大きさ(開口面積)は、第一~第三の球通路701~703の各通路断面の位置により異なっている場合がある。図13に破線の四角形で示す断面開口701Oは、第一の球通路701の球通路701aの下端位置での通路断面における断面開口の大きさを示している。同様に断面開口702Oは、第二の球通路702の球通路702cのほぼ中央位置での通路断面における断面開口の大きさを示している。同様に断面開口703Oは、第三の球通路703の球通路703aのほぼ中央位置での通路断面における断面開口の大きさを示している。第一の球通路701の断面開口701Oの大きさは、第二の球通路702の断面開口702Oの大きさとほぼ同じである。一方、第三の球通路703の断面開口703Oの大きさは、第一の球通路701の断面開口701Oの大きさより大きい。また、第三の球通路703の断面開口703Oの大きさは、第二の球通路702の断面開口702Oの大きさより大きい。
本例のぱちんこ機100によれば、第一の球通路701や第二の球通路702を通過した遊技球が合流した後の第三の球通路703の球通路703aや球通路703bの断面開口703Oの開口面積の方が、合流前の例えば球通路701aの断面開口701Oの開口面積や球通路702cの断面開口702Oの開口面積よりも大きい。これにより、合流した後の第三の球通路703(特に合流位置J712近傍の球通路)で遊技球が詰まってしまうことを防止できる場合がある。
なお、前壁W1と後壁W2、左側壁701adと左側壁701bl、二手に分岐した分岐点から下の右側壁702arと右側壁702br、および左下側壁702bldfの右下端と左側壁701clの上端とを結ぶ下側壁(不図示)で囲まれた領域は空洞領域になっている。この空洞領域は種々の変形が可能である。例えば、左下側壁702bldfの右下端と左側壁701blの下端とを結ぶ下側壁を設けずに開口端としておいてもよい。また、空洞内に樹脂材料を充填して空洞領域を埋め込んでもよい。また、空洞領域の前壁W1を開口してもよい。また、空洞領域の後壁W2のうち球通路702cの前壁として共有する領域以外の部分を開口してもよい。
また、左側壁701adと左側壁701blを設けないようにしてもよい。こうすることにより、球通路701aと球通路701bの構成に代えて、球通路701cにつながる一つの広域球通路を作ることができる。広域球通路は、前壁W1と後壁W2、右側壁701ar、側壁701au、斜め側壁701bu、右側壁701br、下側壁701bd、下側壁701bd´、左側壁701al、右側壁702br、および左下側壁702bldfの右下端と左側壁701clの上端とを結ぶ下側壁(不図示)で画定される空間で構成される。なお、左側壁701alの下端は右側壁702brの上端に接続されている。
また、前壁W1の後側壁面と後壁W2の前側壁面の前後方向の幅は、遊技球2個の直径の和以上の長さを有していてもよい。また、後壁W2の後側壁面と後壁W3の前側壁面の前後方向の幅も、遊技球2個の直径の和以上の長さを有していてもよい。また、前壁W1、後壁W2、後壁W3、および各側壁は透明樹脂材料で形成されているので、遊技店の店員等が球通路ユニットのメンテナンスの際に球通路内部の汚れの状況等を把握し易くなっている。なお、前壁W1、後壁W2、後壁W3、および各側壁は不透明樹脂材料で形成されていてもよい。また、球通路内の内壁に遊技球が流下する方向に沿って線状溝や線状突起が形成されていてもよい。こうすることにより、球通路の内壁と遊技球との摩擦を低減させて遊技球を滑らかに速やかに転動させることができる場合がある。また、球通路の傾斜路に段差を設けたり球通路の壁部にスリットを設けたりしてもよい。こうすることにより遊技球の流下速度を調整できる場合がある。
次に、球通路ユニット700の球通路を通過する遊技球の動きについて説明する。開口部701Aに誘導された遊技球は、球通路701aを通って下方に流下してさらに斜め右下に流下する。次いで、球通路701bを通って右下方に移動してさらに左下方に流下する。次いで、球通路701cを通って下方に落下して球検出センサSを通過する。次いで、開口部Y713を通過して球通路713を通ってさらに下方に流下する。次いで、合流位置J712を通過して球通路703aを通って右下方に流下する。次いで、球通路703bを通って下方に流下して球排出口Eから排出される。開口部701B、701Cに誘導された遊技球の動作については、開口部701Aの場合と同様なのでその説明は省略する。
開口部702Aに誘導された遊技球は、球通路702aを通って下方に流下する。次いで、球通路702bを通って球通路702b内に設けられた方向変更用突起Z1により転動方向を後方に変更して開口部X702bを通過する。次いで、方向変更用突起Z2により転動方向を右方に変更する。次いで、球通路702cを通って右下方に移動してさらに下方に流下する。次いで、球通路702dを通って前下方に移動して開口部X702dを通過する。次いで、開口部Y723を通過して球通路723を通ってさらに下方に流下する。次いで、合流位置J712を通過して球通路703aを通って右下方に流下する。次いで、球通路703bを通って下方に流下して球排出口Eから排出される。
次に、以上説明した一実施の形態によるぱちんこ機100の特徴的構成について再度図13乃至図15を参照しつつ説明する。
(A1)
遊技領域(例えば、遊技領域124)から排出された遊技球が少なくとも通過可能な複数の通路(例えば、第一の球通路701、第二の球通路702、および第三の球通路703)を備えた遊技台であって、
前記複数の通路のうちの少なくとも一つ(以下、「第二の通路」(例えば、第二の球通路702)という。)は、前記複数の通路のうちの前記第二の通路とは別の少なくとも一つ(以下、「第一の通路」(例えば、第一の球通路701)という。)と前後方向において少なくとも一部(例えば、球通路702cのうち第一の球通路701の左側壁701blと下側壁701bd´とで画定される球通路区間)が重なる通路である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、透明遊技盤810の裏側で第一の球通路701と第二の球通路702の一部が前後方向に重なるので、球通路に特徴を持った遊技台を提供できる。また、一般入賞口226に入球した遊技球と第二のアウト口241に入球した遊技球を区別して異なる球通路を通過させることができる場合がある。さらに、前後方向に複数の球通路を設けているので、球通路ユニット700の左右方向の省スペース化を図ることができる場合がある。
(A2)
上記(A1)に記載の遊技台であって、
前記複数の通路のうちの少なくとも一つ(以下、「第三の通路」(例えば、第三の球通路703)という。)の一部は、前記第一の通路を通過した遊技球と前記第二の通路を通過した遊技球が合流した後の通路(例えば、球通路703a、球通路703b)である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、セーフ球とアウト球を分けて排出させることができる。
上記(A2)に記載の遊技台であって、
前記第一の通路は、遊技球検出手段(例えば、球検出センサS)が少なくとも設けられた通路であり、
前記第一の通路と前記第二の通路は、第一の位置(例えば、合流位置J712)で遊技球が合流する通路であり、
前記第一の位置は、前記遊技球検出手段が設けられた位置(例えば、開口部Y713の上方近傍)よりも少なくとも下流(例えば、開口部Y713の下方)となる位置である、ことを特徴とする遊技台。
(A3)
上記(A2)に記載の遊技台であって、
前記第一の通路は、遊技球検出手段(例えば、球検出センサS)が少なくとも設けられた通路であり、
前記遊技球検出手段に遊技球が検出されたことに関連して賞球(例えば、入賞に基づいて遊技者に払い出す球)を少なくとも付与可能な賞球付与手段(例えば、払出装置152)を備え、
前記第一の通路は、第一の領域(例えば、一般入賞口226)に進入した遊技球が通過可能な通路であり、
前記第二の通路は、第二の領域(例えば、第二のアウト口241)に進入した遊技球が通過可能な通路であり、
前記第二の領域に進入した遊技球は、前記遊技球検出手段に検出されることなく前記第三の通路に誘導され、
前記第一の領域に進入した遊技球は、前記遊技球検出手段に検出されたあとで前記第三の通路に誘導される、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、アウト球と球検出センサSを通過したセーフ球を第三の球通路703で合流させることで、セーフ球用の第三の球通路703とアウト球用の第三の球通路703を別個に設ける必要がない。これにより、第三の球通路703の省スペース化を図ることができる場合がある。また、セーフ球は前壁W1と後壁W2との間で作られる空間内のみを移動するので、後壁W2と後壁W3の間で作られる空間内も移動するアウト球よりも速やかに排出される場合がある。
(A4)
上記(A3)に記載の遊技台であって、
前記第一の領域は、前記遊技領域に設けられた領域であり、
前記第二の領域は、前記遊技領域に設けられた領域であり、
前記第二の領域は、前記第一の領域よりも上方(例えば、一般入賞口226の上方)に設けられた領域である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第二のアウト口241の方が一般入賞口226よりも高い位置にあるので、アウト球を遊技領域124の裏側を使用して排出することができる場合がある。
(A5)
上記(A3)または(A4)に記載の遊技台であって、
前記第一の通路は、複数の領域(例えば、三つの一般入賞口226)に進入した遊技球が通過可能な通路であり、
前記複数の領域のうちの少なくとも一つは、前記第一の領域(例えば、開口部701Aに遊技球を誘導する一般入賞口226)であり、
前記複数の領域のうちの少なくとも一つは、第三の領域(例えば、開口部701Bに遊技球を誘導する一般入賞口226、開口部701Cに遊技球を誘導する一般入賞口226)であり、
前記第二の領域は前記複数の領域に含まれない領域であり、
前記遊技球検出手段は、前記第一の通路に一つのみ設けられた手段であり、
前記遊技球検出手段は、前記第一の領域に進入した遊技球を少なくとも検出可能な手段であり、
前記遊技球検出手段は、前記第三の領域に進入した遊技球を少なくとも検出可能な手段であり、
前記賞球付与手段は、前記第一の領域に遊技球が進入した場合と前記第三の領域に遊技球が進入した場合で同じ数(例えば、10個)の賞球を付与可能な手段である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、複数の一般入賞口226に入球された遊技球はすべて賞球数が同じであり、かつ第一の球通路701を通過するので、第一の球通路701に一つの球検出センサSを設けるだけで遊技球をまとめて排出できる場合がある。また、球検出センサSの配置個数を抑えることができるのでコストダウンを図ることができる場合がある。
(A6)
上記(A2)乃至(A5)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の通路の断面開口(例えば、断面開口701O)の大きさは、第一の大きさであり、
前記第二の通路の断面開口(例えば、断面開口702O)の大きさは、第二の大きさであり、
前記第三の通路の断面開口(例えば、断面開口703O)の大きさは、第三の大きさであり、
前記第三の大きさは、前記第一の大きさよりも大きく、
前記第三の大きさは、前記第二の大きさよりも大きい、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の球通路701や第二の球通路702を通過した遊技球が合流した後の第三の球通路703の球通路703aや球通路703bの断面開口703Oの開口面積の方が、合流前の例えば球通路701aの断面開口701Oの開口面積や球通路702cの断面開口702Oの開口面積よりも大きい。これにより、合流した後の第三の球通路703(特に合流位置J712近傍の球通路)で遊技球が詰まってしまうことを防止できる場合がある。
上記(A6)に記載の遊技台であって、
前記第一の大きさは、最上流の前記複数の領域のうちの一つに進入した遊技球のみが通過可能な領域の前記断面開口の大きさである、ことを特徴とする遊技台。
(A7)
上記(A1)乃至(A6)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第二の通路は、複数の部位(例えば、球通路702a、球通路702b、球通路702c、および球通路702d)により構成された通路であり、
前記複数の部位のうちの少なくとも一つ(以下、「第一の部位」(例えば、球通路702a)という。)は、前後方向の位置が前記第一の通路と同じ位置にある(例えば、前壁W1と後壁W2との間で作られる空間内にある)部位であり、
前記複数の部位のうちの少なくとも一つ(以下、「第二の部位」(例えば、球通路702c)という。)は、前後方向において前記第一の通路と重なる位置にある(例えば、後壁W2と後壁W3との間で作られる空間内にある)部位であり、
前記第二の通路は、前記第一の部位の少なくとも一部(例えば、球通路702aのうち右側壁702arが下方向に延びて二手に分岐する分岐点までの球通路区間)において前記第一の通路と側壁同士が共有(例えば、当該区間の右側壁702arの部位が球通路701aの左側壁701alと同一であり側壁同士が共有)され、
前記第二の通路は、前記第二の部位の少なくとも一部(例えば、球通路702cのうち第一の球通路701の左側壁701blと下側壁701bd´とで画定される球通路区間)において前記第一の通路の後壁(例えば、前壁W1の後側にある後壁W2)と該第二の通路の前壁(例えば、後壁W3の前側にある後壁W2)が共有される、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の球通路701の球通路701aの一部と第二の球通路702の球通路702aの一部が隣り合っていて仕切り壁が共有される。左右方向に厚みのある球通路の壁が共有されるので球通路ユニット700の左右方向の省スペース化を図ることができる場合がある。なお、側壁同士が共有とは、球通路が隣り合っていている部分の仕切り壁が共有されていることをいう。
また、上記遊技台によれば、透明遊技盤810の裏側で第一の球通路701と第二の球通路702の一部が前後方向に重なるので、球通路に特徴を持った遊技台を提供できる。さらに、前後方向に複数の球通路を設けているので、球通路ユニット700の左右方向の省スペース化を図ることができる場合がある。
また、第二の球通路702の球通路702cのうち第一の球通路701の左側壁701blと下側壁701bd´とで画定される球通路区間は、前後方向に見て第一の球通路701と重なる部位である。当該部位において、第二の球通路702の前壁は第一の球通路701の後壁と同一である。すなわち、当該部位において、後壁W2は第一の球通路701と第二の球通路702とで共有されている。本例のぱちんこ機100によれば、前後方向に厚みのある後壁W2を共有するので、球通路ユニット700の左右方向の省スペース化に加えて前後方向の省スペース化を図ることができる場合がある。
(A8)
上記(A1)乃至(A7)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第二の通路は、少なくとも一部(例えば、球通路702cのうち第一の球通路701の左側壁701blと下側壁701bd´とで画定される球通路区間)が前記第一の通路の後側に重なる通路である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第二の球通路702の一部が第一の球通路701の後側にオーバーラップしている。これにより、第一の球通路701のレイアウト(配置)は第二の球通路702によって邪魔されないので、第一の球通路701を通過する遊技球を速やかに排出させる(球検出センサSに検出させる)ことができる場合がある。
(A9)
上記(A1)乃至(A8)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機(例えば、ぱちんこ機100)である、ことを特徴とする遊技台。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、三つ以上の通路が前後方向に重なる構成であってもよい。
第一の通路と第二の通路は、両方ともセーフ球通路であってもよいし、両方ともアウト球通路であってもよい。
第一の通路と第二の通路の少なくとも一方の通路は、入賞装置や賞球を伴わない進入領域のようなものに搭載される通路であってもよい。
第一の通路が第二の通路の後方側にオーバーラップする構成であってもよいし、両方の通路が互いに前方後方に交互にオーバーラップする構成であってもよい。
第一の通路と第二の通路がともにセーフ球通路であって、入賞したときの賞球数が同じであれば、第三の通路内に遊技球検出手段を備える構成であってもよい。
通路断面における第一の通路および第二の通路の開口面積(断面開口)の大きさの方が、通路断面における第三の通路の開口面積よりも大きい構成であってもよい。こうすることにより、遊技球を第三の通路に速やかに排出した後第三の通路内で遊技球を整列させて誘導できる場合がある。
第三の通路に別の遊技球検出手段を備えていてもよい。例えば、カウントスイッチとして全ての通路を通過した遊技球の合計をカウントする(遊技領域のブドウや、カウントによる演出切替に使う)構成でもよい。
第二のアウト口の方が一般入賞口よりも低い位置にあってもよい。
背後に重なる通路(後側)がセーフ球通路でもよい。
遊技領域から排出された遊技球が少なくとも通過可能な通路とは、遊技台のみならず島設備のように遊技台自体から排出されて再度遊技台の球タンクに供給される部分の通路を含んでいてもよい。つまり遊技台を含む遊技島自体に本発明の球通路ユニットを適用可能とすることで、遊技球の通路のスペース効率を向上させることができる場合がある。
なお、前後方向に重なる場合において、第一の通路と第二の通路とが前後方向に重なるとともに通路が互いに立体的に交差する立体交差の場合を含んでいてもよい。
なお、上記実施例において「少なくとも・・・可能」と記載された構成は、当該部分を「・・・のみ可能」と置き換えて解釈することもできる。例えば、「第一の入賞領域に進入した遊技球を少なくとも検出可能」と記載された遊技球検出手段は、「第一の入賞領域に進入した遊技球のみ検出可能」な遊技球検出手段と置き換えて解釈することもできる。
また、上記実施例において「・・・可能」と記載されている構成は、当該部分を「・・・しない場合があってもよいし、または必ず・・・する構成も含む」と置き換えて解釈することもできる。例えば、「第一の入賞領域に進入した遊技球を少なくとも検出可能」と記載されている構成は、「第一の入賞領域に進入した遊技球を検出しない場合があってもよいし、または、必ず検出する構成も含む手段」と置き換えて解釈することもできる。
上記実施の形態による本発明は以下のようにまとめられる。
(付記a1)
遊技領域から排出された遊技球が少なくとも通過可能な複数の通路を備えた遊技台であって、
前記複数の通路のうちの少なくとも一つ(以下、「第二の通路」という。)は、前記複数の通路のうちの前記第二の通路とは別の少なくとも一つ(以下、「第一の通路」という。)と前後方向において少なくとも一部が重なる通路である、ことを特徴とする遊技台。
(付記a2)
付記a1に記載の遊技台であって、
前記複数の通路のうちの少なくとも一つ(以下、「第三の通路」という。)の一部は、前記第一の通路を通過した遊技球と前記第二の通路を通過した遊技球が合流した後の通路である、ことを特徴とする遊技台。
(付記a3)
付記a2に記載の遊技台であって、
前記第一の通路は、遊技球検出手段が少なくとも設けられた通路であり、
前記遊技球検出手段に遊技球が検出されたことに関連して賞球を少なくとも付与可能な賞球付与手段を備え、
前記第一の通路は、第一の領域に進入した遊技球が通過可能な通路であり、
前記第二の通路は、第二の領域に進入した遊技球が通過可能な通路であり、
前記第二の領域に進入した遊技球は、前記遊技球検出手段に検出されることなく前記第三の通路に誘導され、
前記第一の領域に進入した遊技球は、前記遊技球検出手段に検出されたあとで前記第三の通路に誘導される、ことを特徴とする遊技台。
(付記a4)
付記a3に記載の遊技台であって、
前記第一の領域は、前記遊技領域に設けられた領域であり、
前記第二の領域は、前記遊技領域に設けられた領域であり、
前記第二の領域は、前記第一の領域よりも上方に設けられた領域である、ことを特徴とする遊技台。
(付記a5)
付記a3またはa4に記載の遊技台であって、
前記第一の通路は、複数の領域に進入した遊技球が通過可能な通路であり、
前記複数の領域のうちの少なくとも一つは、前記第一の領域であり、
前記複数の領域のうちの少なくとも一つは、第三の領域であり、
前記第二の領域は前記複数の領域に含まれない領域であり、
前記遊技球検出手段は、前記第一の通路に一つのみ設けられた手段であり、
前記遊技球検出手段は、前記第一の領域に進入した遊技球を少なくとも検出可能な手段であり、
前記遊技球検出手段は、前記第三の領域に進入した遊技球を少なくとも検出可能な手段であり、
前記賞球付与手段は、前記第一の領域に遊技球が進入した場合と前記第三の領域に遊技球が進入した場合で同じ数の賞球を付与可能な手段である、ことを特徴とする遊技台。
(付記a6)
付記a2乃至a5のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の通路の断面開口の大きさは、第一の大きさであり、
前記第二の通路の断面開口の大きさは、第二の大きさであり、
前記第三の通路の断面開口の大きさは、第三の大きさであり、
前記第三の大きさは、前記第一の大きさよりも大きく、
前記第三の大きさは、前記第二の大きさよりも大きい、ことを特徴とする遊技台。
(付記a7)
付記a1乃至a6のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第二の通路は、複数の部位により構成された通路であり、
前記複数の部位のうちの少なくとも一つ(以下、「第一の部位」という。)は、前後方向の位置が前記第一の通路と同じ位置にある部位であり、
前記複数の部位のうちの少なくとも一つ(以下、「第二の部位」という。)は、前後方向において前記第一の通路と重なる位置にある部位であり、
前記第二の通路は、前記第一の部位の少なくとも一部において前記第一の通路と側壁同士が共有され、
前記第二の通路は、前記第二の部位の少なくとも一部において前記第一の通路の後壁と該第二の通路の前壁が共有される、ことを特徴とする遊技台。
(付記a8)
付記a1乃至a7のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第二の通路は、少なくとも一部が前記第一の通路の後側に重なる通路である、ことを特徴とする遊技台。
(付記a9)
付記a1乃至a8のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機である、ことを特徴とする遊技台。
次に、本実施の形態によるぱちんこ機100で用いられる各種役物について図16乃至図38を用いて詳述する。図16は、役物ユニット820を前方側(正面側)から見た外観図である。図16では、ユニット本体822の右上端部822b、右下端部822c、左下端部822d、および左上端部822eの図示を省略している。
図16に示すように、各種役物はユニット本体822の開口部822a周辺に配置されている。開口部822aの上部にはロゴ役物900が配置されている。また、ロゴ役物900は上下方向へ移動可能なロゴ可動体902を有している。図16に示す状態では、ロゴ可動体902は初期位置に位置している。ロゴ可動体902の初期位置は、ユニット本体822の裏側に装飾図柄表示装置208を設置した場合に、装飾図柄表示装置208の長方形状の画像表示領域の上辺より上部となる。なお、ロゴ役物900は、初期位置に位置する場合、装飾図柄表示装置208の画像表示領域に少なくとも一部が前後方向で重なるようになっていてもよいし、全体が装飾図柄表示装置208の画像表示領域に前後方向で重ならないようになっていてもよい。ロゴ可動体902は、初期位置に位置する場合、少なくとも一部が装飾図柄表示装置208よりも高い位置に位置する。また、ロゴ可動体902は、初期位置から上方向と下方向に移動可能である。ロゴ可動体902は、初期位置から上方向移動した場合、装飾図柄表示装置208の画像表示領域から遠ざかる。また、ロゴ可動体902は、初期位置から下方向に移動した場合、少なくとも一部が装飾図柄表示装置208の画像表示領域と前後方向で重なる。
ロゴ役物900の後方には上部前飾り役物1000が配置され、上部前飾り役物1000の後方には上部後飾り役物1100(図16では不図示、図17参照)が配置されている。また、上部前飾り役物1000は上下方向に移動可能な上部前可動体1002を有し、上部後飾り役物1100は上下方向に移動可能な上部後可動体1102(図26、図28参照)を有している。図16に示す状態では、ロゴ可動体902、上部前可動体1002、上部後可動体1102が初期位置に位置している。この状態では、ロゴ可動体902、上部前可動体1002および上部後可動体1102は前後方向で重なっており、上部後可動体1102がロゴ役物900および上部前飾り役物1000で隠されて前方側から視認できない。本実施の形態では、ロゴ可動体902が上方に移動した後、上部前可動体1002、および上部後可動体1102が下方に移動するようになっている。上部後可動体1102は下方に移動した後、前方側から視認可能となる。
また、ロゴ役物900、上部前飾り役物1000、および上部後飾り役物1100の前後方向の配置順は、前方から、上部前飾り役物1000、上部後飾り役物1100、ロゴ役物900の順であってもよいし、上部後飾り役物1100、ロゴ役物900、上部前飾り役物1000の順であってもよいし、ロゴ役物900、上部後飾り役物1100、上部前飾り役物1000の順であってもよいし、上部前飾り役物1000、ロゴ役物900、上部後飾り物1100の順であってもよいし、上部後飾り役物1100、上部前飾り役物1000、ロゴ役物900の順であってもよい。
ロゴ役物900の右側には上部右サイド役物1200が配置され、ロゴ役物900の左側には上部左サイド役物1300が配置されている。図16では、上部右サイド役物1200の上部右サイド可動体1201が左下方に移動し、上部左サイド役物1300の上部左サイド可動体1301が初期位置に位置している状態を示している。なお、上部右サイド可動体1201および上部左サイド可動体1301の初期位置の上下方向の位置は同じである。
また、開口部822aの右下部には下部右サイド役物1400が配置され、開口部822aの左下部には下部左サイド役物1500が配置されている。また、開口部822aの中央下部であって、下部右サイド役物1400と下部左サイド役物1500との間には、中央下部役物1600が配置されている。
また、ユニット本体822の右端部には、装飾部材830が配置されている。装飾部材830は、樹脂材料で成型され、獣の頭部を模した形状を有しており、例えば、樹脂材料で成型されている。また、ユニット本体822の左端部には樹脂材料で成型された装飾部材832が配置されている。
図17は、図16に示す役物ユニット820の分解斜視図である。図17は、役物ユニット820を前方右上から後方左下に見た状態を示している。なお、図17では、図16と同様に、ユニット本体822の右上端部822b、右下端部822c、左下端部822d、および左上端部822eの図示を省略している。
上部前飾り役物1000および上部後飾り役物1100は、共通の上部役物ベース部850に取り付けられている。上部役物ベース部850は、ユニット本体822の上部にネジで固定される。また、上部前飾り役物1000の前方にロゴ役物900が配置され、ロゴ役物900の役物ベース部966がユニット本体にネジで固定される。
上部右サイド役物1200のベース部1254は、下部右サイド役物1400の前ベース部1456および中ベース部1460にネジで固定されている。中ベース部1460はユニット本体822の右端にネジで固定される。これにより、上部右サイド役物1200および下部右サイド役物1400がユニット本体822に取り付けられる。
同様に、上部左サイド役物1300のベース部1354は、下部左サイド役物1500の前ベース部1556および中ベース部1560にネジで固定されている。中ベース部1560はユニット本体822の左端にネジで固定される。これにより、上部左サイド役物1300および下部左サイド役物1500がユニット本体822に取り付けられる。
また、中央下部役物1600のベース部1662は、ユニット本体822の中央下部にネジで固定される。
ユニット本体822の右端部には、装飾部材830がネジで固定されている。また、ユニット本体822の左端部には装飾部材832がネジで固定されている。
ロゴ役物900、上部前飾り役物1000、上部後飾り役物1100、上部右サイド役物1200、上部左サイド役物1300、下部右サイド役物1400、下部左サイド役物1500、および中央下部役物1600は、それぞれ可動体を備えており、各可動体を用いて様々な演出を実行する。各可動体を用いた演出としては、特図変動遊技の演出や普図変動遊技の演出、あるいは大当り遊技の演出やデモ演出等が挙げられる。より具体的には、実行中の特図変動遊技に対する予告演出(当該予告演出)、保留されている特図変動遊技に対する予告演出(先読み予告演出)、リーチ演出、特図1小当り演出、特図2小当り演出、普図当選演出、先読み予告演出、2Rの大当り遊技演出、15R特別大当り遊技演出、およびチャンスボタン136の操作や設定操作部137の操作に関連した演出等が挙げられる。以下、図18乃至図38を用いて、各種役物について詳細に説明する。
次に、図18乃至図20を用いて、ロゴ役物900について詳細に説明する。まず、図18を用いて、ロゴ役物900の構成について説明する。図18は、ロゴ役物900の分解斜視図である。図18は、ロゴ役物900を前方右上から後方左下に見た状態を示している。図18に示すように、ロゴ役物900は、大別すると、ロゴ可動体902、基部904、および駆動部906で構成されている。
ロゴ可動体902は、文字装飾部902aと回転リンク機構902bとを有している。文字装飾部902aは、ロゴ役物900の最前方に配置される。文字装飾部902aは、第一文字部910、第二文字部912、第三文字部914、第四文字部916、第五文字部918、第六文字部920、および第七文字部922を有している。第一文字部910~第七文字部922は左方からこの順に並んで配置される。
第一文字部910~第七文字部922の構成について、第一文字部910を例に挙げて説明する。第一文字部910は、文字板910a、装飾板910b、LED基板910c、および後側カバー910dを有している。文字板910a、装飾板910b、LED基板910c、および後側カバー910dは、前方からこの順に配置される。
文字板910aは、例えば透明樹脂材料で成型され、前面側に所定文字を表す凹凸形状(本例では、文字「C」を表す文字形状、図19参照)を有している。文字板910aの後側には装飾板910bが配置される。装飾板910bは、例えば透明樹脂材料で成型され、前面側には凹凸による飾り模様が施されている。装飾板910bの飾り模様は、文字板910aを介して前方側から視認可能であり、文字板910aを装飾している。装飾板910bの後側にはLED基板910cが配置される。LED基板910cには、複数のLED(不図示)が実装されており、ロゴ可動体902は、当該複数のLEDを用いて、第一文字部910が発光可能になっている。LED基板910cのLEDは、図4に示す遊技盤用ランプ532に含まれており、遊技盤用ランプ駆動回路530により駆動される。LED基板910cの後側には後側カバー910dが配置されている。後側カバー910dは例えば樹脂材料で成型されており、後側カバー910dには文字板910a、装飾板910b、およびLED基板910cがネジで固定される。
第二文字部912~第七文字部922は、第一文字部910と同様に、文字板、装飾板、LED基板、および後側カバーを有している。本例では、第二文字部912の文字板には文字「R」を表す凹凸形状が形成されており、第三文字部914の文字板には雷記号を表す凹凸形状が形成されており、第四文字部916の文字板には文字「よ」を表す凹凸形状が形成されており、第五文字部918の文字板には文字「し」を表す凹凸形状が形成されており、第六文字部920の文字板には文字「む」を表す凹凸形状が形成されており、第七文字部922の文字板には文字「ね」を表す凹凸形状が形成されている(図19参照)。
このように、ロゴ可動体902の文字装飾部902aは、本実施形態によるぱちんこ機100の機種名である「CR(雷記号)よしむね」を表す文字形状を有している。
また、文字装飾部902aは、上下方向に延びた円柱形状の金属製の案内棒924、926、928、930、932を有している。案内棒924~932は互いに平行に配置される。
第二文字部912の後側カバーの左端には被案内部912d1が設けられており、第二文字部912の後側カバーは、被案内部912d1が案内棒924を囲んで摺動可能に取り付けられている。第一文字部910の後側カバー910dの右端上部には案内棒924の上端を固定する上端固定部910d1が設けられ、後側カバー910dの右端下部には案内棒924の下端を固定する下端固定部910d2が設けられている。案内棒924の上端は上端固定部910d1に固定され、案内棒924の下端は下端固定部910d2に固定される。これにより、第一文字部910と第二文字部912とが案内棒924を介して連結される。また、上端固定部910d1は、第二文字部912のメカエンドとして機能する。メカエンドの機能については後述する。
同様に、第三文字部914の後側カバーの左端には被案内部914d1が設けられており、第三文字部914の後側カバーは、被案内部914d1が案内棒926を囲んで摺動可能に取り付けられている。第二文字部912の後側カバーの右端上部には案内棒926の上端を固定する上端固定部912d2が設けられ、当該後側カバーの右端下部には案内棒926の下端を固定する下端固定部912d3が設けられている。案内棒926の上端は上端固定部912d2に固定され、案内棒926の下端は下端固定部912d3に固定される。これにより、第二文字部912と第三文字部914とが案内棒926を介して連結される。また、上端固定部912d2は、第三文字部914のメカエンドとして機能する。
同様に、第四文字部916の後側カバーの左端には被案内部916d1が設けられており、第四文字部916の後側カバーは、被案内部916d1が案内棒928を囲んで摺動可能に取り付けられている。第三文字部914の後側カバーの右端上部には案内棒928の上端を固定する上端固定部914d2が設けられ、当該後側カバーの右端下部には案内棒928の下端を固定する下端固定部914d3が設けられている。案内棒928の上端は上端固定部914d2に固定され、案内棒928の下端は下端固定部914d3に固定される。これにより、第三文字部914と第四文字部916とが案内棒928を介して連結される。また、上端固定部914d2は、第四文字部916のメカエンドとして機能する。
また、第四文字部916の後側カバーの右端には、上下方向(案内棒924~932と平行)に延びる長円形状の案内孔部916d2が設けられている。また、第五文字部918の後側カバーの後側には、円柱形状の被案内部918d1が設けられている。被案内部918d1が案内孔部916d2内を移動可能なように、第五文字部918の後側カバーは、第四文字部916の後側カバーに取り付けられている。この取り付けには、例えば、座金付ネジが用いられる。座金付ネジの座金部分は、案内孔部916d2の幅よりも大きく、当該被案内部が案内孔部916d2から離脱するのを防いでいる。
また、第五文字部918の後側カバーの右端には被案内部918d2が設けられており、第五文字部918の後側カバーは、被案内部918d2が案内棒930を囲んで摺動可能に取り付けられている。第六文字部920の後側カバーの左端上部には案内棒930の上端を固定する上端固定部920d2が設けられ、当該後側カバーの左端下部には案内棒930の下端を固定する下端固定部920d3が設けられている。案内棒930の上端は上端固定部920d2に固定され、案内棒930の下端は下端固定部920d3に固定される。これにより、第五文字部918と第六文字部920とが案内棒930を介して連結される。また、上端固定部920d2は、第五文字部918のメカエンドとして機能する。
同様に、第六文字部920の後側カバーの右端には被案内部920d1が設けられており、第六文字部920の後側カバーは、被案内部920d1が案内棒932を囲んで摺動可能に取り付けられている。第七文字部922の後側カバーの左端上部には案内棒932の上端を固定する上端固定部922d2が設けられ、当該後側カバーの左端下部には案内棒932の下端を固定する下端固定部922d3が設けられている。案内棒932の上端は上端固定部922d2に固定され、案内棒932の下端は下端固定部922d3に固定される。これにより、第六文字部920と第七文字部922とが案内棒932を介して連結される。また、下端固定部922d3は、第六文字部920のメカエンドとして機能する。
このように、文字装飾部902aは、隣り合う文字部同士が連結されている。ロゴ可動体902の移動動作時には、第二文字部912~第六文字部920が案内棒924~932や案内孔部916d2に案内されて上下方向に互いに平行に移動することができるようになっている。
次に、文字装飾部902aの後側に配置される回転リンク機構902bについて説明する。後述するモータ970による回転運動は、回転リンク機構902bを介して文字装飾部902aに直線運動として伝達される。回転リンク機構902bは、左クランク940と、右クランク942と、リンク部材944とを有している。
左クランク940は、左クランク基部940aと左クランクカバー940bとを有している。左クランク基部940aは、例えば透明樹脂材料で成型され、左右方向に文字装飾部902aの半分程度の長さを有している。また、左クランク基部940aの右側端辺は右方に凸となる円弧状に形成されており、当該右側端辺には歯車940a1が形成されている。また、左クランク基部940aの後側には左クランクカバー940bがネジで固定されており、左クランク基部940aと左クランクカバー940bの間には、第二文字部912および第三文字部914の各LED基板に接続される配線(不図示)を収容できるようになっている。
左クランク940には長円形状の案内孔部(例えば、案内孔部940a2、図20参照)が3つ形成されている。第二文字部912、第三文字部914、および第四文字部916の各後側カバーの後側には、円柱形状の被案内部が設けられている。当該被案内部が当該案内孔部内を移動可能なように、第二文字部912、第三文字部914、および第四文字部916の各後側カバーは左クランク940に取り付けられている。この取り付けには、例えば、座金付ネジが用いられる。座金付ネジの座金部分は、当該案内孔部の幅よりも大きく、当該被案内部が当該案内孔部から離脱するのを防いでいる。
右クランク942は、右クランク基部942aと右クランクカバー942bとを有している。右クランク基部942aは、例えば透明樹脂材料で成型され、左右方向に文字装飾部902aの半分程度の長さを有している。また、右クランク基部942aの左側端辺は左方に凸な円弧状に形成されており、当該左側端辺には歯車942a1が形成されている。また、右クランク基部942aの後側には右クランクカバー942bがネジで固定されており、右クランク基部942aと右クランクカバー942bの間には、第四文字部916~第六文字部920の各LED基板に接続される配線(不図示)を収容できるようになっている。
右クランク942には長円形状の案内孔部が3つ形成されている。第四文字部916、第五文字部918、および第六文字部920の各後側カバーの後側には、円柱形状の被案内部が設けられている。当該被案内部が当該案内孔部内を移動可能なように、第四文字部916、第五文字部918、および第六文字部920の各後側カバーは右クランク942に取り付けられている。この取り付けには、例えば、座金付ネジが用いられる。座金付ネジの座金部分は、当該案内孔部の幅よりも大きく、当該被案内部が当該案内孔部から離脱するのを防いでいる。
また、左クランク基部940aの歯車940a1と、右クランク基部942aの歯車942a1とは、中央部同士で噛み合わされている。また、左クランク940と右クランク942とは、例えば樹脂材料で成型されて、左右方向に長い細長形状のリンク部材944により接続されている。リンク部材944の左端には円形の固定孔部が形成されており、当該固定孔部を介してリンク部材944は左クランク基部940aにネジ止めされる。また、リンク部材944は、右端から左方に向かって左右方向に延びた長円形状の案内孔部が形成されている。右クランク942の後側には、円柱形状の被案内部が設けられている。当該被案内部が当該案内孔部内を移動可能なように、リンク部材944は右クランク942に取り付けられている。この取り付けには、例えば、座金付ネジが用いられる。座金付ネジの座金部分は、当該案内孔部の幅よりも大きく、当該被案内部が当該案内孔部から離脱するのを防いでいる。リンク部材944は、左クランク940の歯車940a1と右クランク942の歯車942a1との噛み合わせがずれたり外れたりしないように、左クランク940と右クランク942とを連結している。これにより、左クランク940と右クランク942とは、安定した連動動作が可能になっている。
次に、ロゴ役物900の基部904について説明する。基部904は、回転リンク機構902bの後側に配置され、中央装飾部材960、左装飾部材962、右装飾部材964、および役物ベース部966を有している。
中央装飾部材960は、例えば樹脂材料で成型され、全体として上方に凸な曲線形状を有しており、凹凸による所定模様が施されている。左装飾部材962および右装飾部材964は、例えば樹脂材料で成型され、互いに左右対称となる形状を有している。役物ベース部966は、例えば、透明樹脂材料で成型されて、表面に凹凸による所定模様が施されている。中央装飾部材960、左装飾部材962、および右装飾部材964は役物ベース部966の前面側にネジで固定される。また、役物ベース部966は図16および図17に示すユニット本体822にネジで固定される。また、役物ベース部966の中央下端の端辺は、上方に凹んだ半円形状に形成されている。各種役物をユニット本体822に取り付けた場合に、役物ベース部966の中央下端の下方には後述する上部前飾り役物1000が配置されるようになっている。
また、役物ベース部966の左側には、第一文字部910がネジで固定され、役物ベース部966の右側には、第七文字部922がネジで固定される。このため、ロゴ可動体902の移動動作時においても、第一文字部910、および第七文字部922は移動しないようになっている。
次に、ロゴ可動体902を駆動させるための駆動部906について説明する。駆動部906は基部904の役物ベース部966の後側に配置される。駆動部906は、モータ970、ベース部材972、平歯車974、扇形歯車976、左基板980、右基板982、およびフォトセンサ984を有している。
モータ970は、ロゴ可動体902の移動動作を実行するための駆動源である。本実施の形態では、モータ970にはステッピングモータが用いられる。モータ970の回転軸は前後方向に延びており、ベース部材972には、モータ970の回転軸を通す貫通孔が形成されている。モータ970は、回転軸が当該貫通孔を通るようにベース部材972の後側にネジで固定される。また、モータ970の回転軸には、ベース部材972の前側に収容される平歯車974が固定される。
平歯車974の下方には扇形歯車976が配置され、ベース部材972に収容されている。扇形歯車976は、モータ970の動力を平歯車974を介して回転リンク機構902bに伝達するために用いられる。扇形歯車976は、一体的に成型された歯車部976aと取付け部976bとを有している。歯車部976aは平歯車974に噛み合わされている。取付け部976bは、歯車部976aの下方に配置され、左クランク940の左クランク基部940aの左端にネジで固定される。また、取付け部976bのほぼ中央には円形の貫通孔が形成されている。同様に、左クランク基部940aの左端、および役物ベース部966の左下方にも円形の貫通孔が形成されている。取付け部976b、左クランク基部940a、および役物ベース部966の貫通孔には、前後方向に延びた円柱状の金属棒990が配置される。金属棒990は、前側端部が第一文字部910の後側カバー910dに固定され、後側端部が駆動部906のベース部材972に固定される。左クランク940と扇形歯車976とは金属棒990を回転中心として一体的に回転動作可能になっている。これにより、扇形歯車976の回転動作に連動して、左クランク940が金属棒990を回転中心として前後方向に直交する平面内を所定角度だけ回転動作可能になっている。
また、右クランク942の右クランク基部942aの右端には、円形の貫通孔が形成されている。当該貫通孔には、前後方向に延びた円柱状の金属棒992が配置される。金属棒992は、前側端部が第七文字部922の後側カバーに固定され、後側端部が基部904の役物ベース部966の右下方に固定される。また、上述のとおり、左クランク基部940aの歯車940a1と、右クランク基部942aの歯車942a1が噛み合わされているので、右クランク942は、左クランク940の回転動作に連動して、金属棒992を回転中心とし、前後方向に直交する平面内を所定角度だけ回転動作可能になっている。
また、右クランク942と役物ベース部966の間には、ねじりコイルバネ994が配置される。ねじりコイルバネ994のコイル中心を金属棒992が通っている。ねじりコイルバネ994の一端は右クランク942の右クランクカバー942bに固定され、他端は役物ベース部966に固定される。ねじりコイルバネ994には右クランク942が左回転する場合にバネを巻き込む方向に力が作用するようになっており、ねじりコイルバネ994は、右クランク942が右回転する場合に右クランク942に右回りのトルクを付与し、右クランク942が右回転するのを補助するようになっている。
また、役物ベース部966の左後面には左基板980がネジで固定され、役物ベース部966の右後面には右基板982がネジで固定されている。左基板980、および右基板982の前面側には複数のLEDが実装されており、当該LEDを用いて基部904が発光可能になっている。また、これらのLEDは、図4に示す遊技盤用ランプ532に含まれており、遊技盤用ランプ駆動回路530により駆動される。
また、左基板980には、モータ970、および第一文字部910~第三文字部914の各LED基板が不図示の配線により接続されている。モータ970は左基板980を介して図4に示す駆動回路516に接続され、第一文字部910~第三文字部914の各LED基板は左基板980を介して図4に示す遊技盤用ランプ駆動回路530に接続される。また、右基板982には、第四文字部916~第七文字部922の各LED基板が不図示の配線により接続されている。第四文字部916~第七文字部922の各LED基板は右基板982を介して図4に示す遊技盤用ランプ駆動回路530に接続される。これにより、ロゴ役物900のロゴ可動体902の移動動作、およびLED(発光手段)の発光動作が第2副制御部500により制御される。また、ロゴ役物900と第1副制御部400や第2副制御部500間での配線を集約することができる。
また、ベース部材972には、フォトセンサ984がネジで固定されている。フォトセンサ984は、図4に示す各種可動体センサ430に含まれており、左基板980を介して図4に示すセンサ回路428に接続されている。フォトセンサ984は、空間部を挟んで上下方向に対向するように配置された発光部と受光部とを有している。また、扇形歯車976の歯車部976aの後側には例えば黒色樹脂材料で形成された遮光片(不図示)が設けられている。ロゴ可動体902が移動可能な最上方の位置に位置する場合にフォトセンサ984の受光部と発光部の間に当該遮光片が進入する。本実施形態では、フォトセンサ984で扇形歯車976の遮光片の有無を検知し、第1副制御部400は、フォトセンサ984が当該遮光片を検知した場合はロゴ可動体902が最上方の位置に位置していると判定し、フォトセンサ984が当該遮光片を検知しない場合はロゴ可動体902が最上方以外の位置に位置していると判定する。
次に、図19および図20を用いて、ロゴ役物900のロゴ可動体902の動作について説明する。図19はロゴ役物900を前側から見た外観図であり、図20はロゴ役物900を後側から見た外観図である。
図19(a)および図20(a)は、ロゴ可動体902が初期位置に位置している状態を示している。図19(a)に示すように、ロゴ可動体902が初期位置に位置する場合に、文字装飾部902aの第一文字部910~第七文字部922は左右方向にほぼ一直線上に並んでいる。また、図20(a)に示すように、ロゴ可動体902が初期位置に位置する場合に、回転リンク機構902bの左クランク940、右クランク942およびリンク部材944の長手方向が左右方向を向くようになっている。また、左クランク940の歯車940a1と右クランク942の歯車942a2とが中央同士で噛み合っている。
図19(b)および図20(b)は、ロゴ可動体902が初期位置から上方に移動して、移動範囲のうちの最上方の位置に位置した状態を示している。ロゴ可動体902は、駆動部906のモータ970に駆動されて、初期位置から最上方の位置に移動する動作を実行可能である。
ロゴ可動体902を上方に移動動作させる場合には、第2副制御部500は、モータ970を駆動して、モータ970の回転軸を図19の紙面に向かって右回り(図20の紙面向かって左回り)に回転させる。これにより、モータ970の回転軸に固定された平歯車974が右回りに回転し、平歯車974に噛み合わされている扇形歯車976が左回りに回転する。また、扇形歯車976と固定されている左クランク940が左回りに回転し、左クランク940の歯車940a1に噛み合わされている歯車942a2を備える右クランク942が右回りに回転する。また、図20(b)に示すように、右クランク942の後側に設けられた被案内部が、右クランク942の左方向への変位量だけ、リンク部材944の長円形状の案内孔部を左方向(図20の紙面に向かって右方向)に移動する。また、リンク部材944も左クランク940および右クランク942の動作に合わせて上方に移動する。
次に、ロゴ可動体902の上方への移動動作時における文字装飾部902aの第二文字部912~第六文字部920の移動動作について、第四文字部916を例にとって説明する。図20に示すように、第四文字部916は、第四文字部916の後側カバーの後側に設けられた被案内部916d4が、左クランク基部940aに設けられた長円形状の案内孔部940a2を移動可能なように左クランク基部940aに取り付けられている。
長円形の案内孔部940a2の長軸を通る仮想直線は左クランク940の回転中心を通るようになっている。同様に、左クランク940に設けられた2つの長円形の案内孔部の長軸を通る仮想直線は左クランク940の回転中心を通るようになっている。同様に、右クランク942に設けられた2つの長円形の案内孔部の長軸を通る仮想直線は右クランク942の回転中心を通るようになっている。
図20(a)に示すように、ロゴ可動体902が初期位置に位置する場合には、案内孔部940a2の長手方向が左上方(図20では紙面に向かって右上方)を向くようになっている。ロゴ可動体902の上方への移動動作実行時には、左クランク940は左回り(図20では紙面に向かって右回り)に回転し、案内孔部940a2は左クランク940の回転軸を中心とする円弧状に移動軌跡を描いて左上方(図20では紙面に向かって右上方)へ移動する。この際、案内孔部940a2に案内されて、被案内部916d4が上方へ移動する。また、第四文字部916は、図18に示す上下方向に延びた案内棒928に案内されて上方向に移動する。また、上述のとおり、第三文字部914の案内棒928の上端固定部914d2は、第四文字部916のメカエンドとして機能する。案内棒928を摺動する第四文字部916の被案内部916d1が第三文字部914の上端固定部914d2に接触することで、第四文字部916が停止するようになっている。また、図20(b)に示すように、被案内部916d4が案内孔部940a2の右端(図20では紙面に向かって左端)と接触する前に第四文字部916が停止する。
このように、モータ970の回転運動は左クランク940に設けた案内孔部940a2を介して第四文字部916に上下方向の直線運動として伝達される。第二文字部912、第三文字部914、第五文字部918および第六文字部920の動作原理は、第四文字部916と同様である。モータ970の回転運動は、左クランク940を介して第二文字部912および第三文字部914に直線運動として伝達され、右クランク942を介して第五文字部918および第六文字部920に直線運動として伝達される。これにより、第二文字部912~第六文字部920は上方に直線的に移動する。また、図20(b)に示すように、第二文字部912~第六文字部920は、互いに平行に配置される案内棒924~932に案内されるので、互いに平行に上方へ移動する。また、第一文字部910および第七文字部922は、上述のとおり、役物ベース部966に固定されているので、移動することがない。
このように、ロゴ可動体902の上方への移動動作実行時には、ロゴ可動体902の複数の部位である第二文字部912~第六文字部920が互いに平行に上方へ移動する。
また、左クランク940は、ロゴ可動体902の上方への移動動作実行時には回転動作を実行し、回転中心に近い部分よりも遠い部分の方が動作量が大きくなる。本例では、左クランク940の回転中心に近い方から第一文字部910~第四文字部916が取り付けられている。このため、図19(b)に示すように、ロゴ可動体902の上方への移動動作実行時の動作量は、第二文字部912、第三文字部914、第四文字部916の順に大きくなっている。
同様に、右クランク942は、ロゴ可動体902の上方への移動動作実行時には回転動作を実行し、回転中心に近い部分よりも遠い部分の方が動作量が大きくなる。本例では、右クランク942の回転中心に近い方から第六文字部920、第五文字部918が取り付けられている。このため、図19(b)に示すように、ロゴ可動体902の上方への移動動作実行時の動作量は、第六文字部920、第五文字部918の順に大きくなっている。
また、ロゴ可動体902の上方への移動動作実行時の左クランク940および右クランク942の回転角度の絶対値はほぼ等しく、第四文字部916の隣に配置される第三文字部914と第五文字部918の動作量はほぼ等しく、第二文字部912と第六文字部920の動作量はほぼ等しくなる。また、第四文字部916の動作量がロゴ可動体902の中で最も大きい。
次に、ロゴ可動体902が初期位置から移動範囲のうちの最下方の位置に移動する動作について説明する。図19(c)および図20(c)は、ロゴ可動体902が最下方の位置に位置している状態を示している。ロゴ可動体902は、駆動部906のモータ970に駆動されて、初期位置から最下方の位置に移動する動作を実行可能である。
ロゴ可動体902を駆動して下方への移動動作を実行させる場合には、第2副制御部500は、モータ970を駆動して、モータ970の回転軸を図19の紙面に向かって左回り(図20の紙面に向かって右回り)に回転させる。これにより、モータ970の回転軸に固定された平歯車974が左回りに回転し、平歯車974に噛み合わされている扇形歯車976が右回り(図20の紙面に向かって左回り)に回転する。また、扇形歯車976と固定されている左クランク940が右回りに回転し、左クランク940の歯車940a1に噛み合わされている歯車942a2を備える右クランク942が左回りに回転する。また、図20(c)に示すように、右クランク942の後側に設けられた被案内部が、右クランク942の左方向への変位量だけ、リンク部材944の長円形状の案内孔部を右方向(図20の紙面に向かって左方向)に移動する。また、リンク部材944も左クランク940および右クランク942の動作に合わせて下方に移動する。
次に、ロゴ可動体902の下方への移動動作実行時における文字装飾部902aの第二文字部912~第六文字部920の移動動作について、第四文字部916を例にとって説明する。ロゴ可動体902の下方への移動動作実行時には、左クランク940は右回り(図20では紙面に向かって左回り)に回転し、案内孔部940a2は左クランク940の回転軸を中心とする円弧状に移動軌跡を描いて左下方(図20では紙面に向かって右下方)へ移動する。この際、案内孔部940a2に案内されて、被案内部916d4が下方へ移動する。また、第四文字部916は、図18に示す上下方向に延びた案内棒928に案内されて下方向に移動する。
ロゴ可動体902の下方への移動動作実行時には、案内孔部940a2が第四文字部916のメカエンドとして機能する。第四文字部916の被案内部916d4が案内孔部940a2の右端部(図20では紙面に向かって左端部)に接触することで、第四文字部916が停止するようになっている。
上述のとおり、ロゴ可動体902が初期位置に位置する場合には、案内孔部940a2の長手方向が左上方(図20では紙面に向かって右上方)を向くようになっている。このため、左クランク940が右回り(図20では紙面に向かって左回り)に回転するロゴ可動体902の下方への移動動作実行時には、左クランク940が左回り(図20では紙面に向かって右回り)に回転するロゴ可動体902の上方への移動動作実行時よりも被案内部916d4の移動距離が小さくなる。したがって、ロゴ可動体902の下方への移動動作実行時は上方への移動動作実行時よりも左クランク940の回転角度が小さくなり、第四文字部916の動作量も小さくなる。
第二文字部912、第三文字部914、第五文字部918および第六文字部920の動作原理は、第四文字部916と同様である。図20(c)に示すように、第二文字部912~第六文字部920は、互いに平行に配置される案内棒924~932に案内されて、互いに平行に下方へする。また、第一文字部910および第七文字部922は、上述のとおり、役物ベース部966に固定されているので、移動することがない。
また、左クランク940は、ロゴ可動体902の下方への移動動作実行時には回転動作を実行するので、図19(c)に示すように、第二文字部912、第三文字部914、第四文字部916の順に動作量が大きくなる。
同様に、右クランク942は、ロゴ可動体902の下方への移動動作実行時には回転動作を実行するので、図19(c)に示すように、第六文字部920、第五文字部918の順に動作量が大きくなる。
また、ロゴ可動体902の下方への移動動作実行時の左クランク940および右クランク942の回転角度の絶対値はほぼ等しく、第四文字部916の隣に配置される第三文字部914と第五文字部918の動作量はほぼ等しく、第二文字部912と第六文字部920の動作量はほぼ等しくなる。また、第四文字部916の動作量がロゴ可動体902の中で最も大きい。
このように、ロゴ可動体902の下方への移動動作実行時には、ロゴ可動体902の複数の部位である第二文字部912~第六文字部920が互いに平行に下方へ移動する。
ロゴ可動体902の初期位置は、ぱちんこ機100の電源投入時に、ロゴ可動体902の動作確認が行われた後に位置する位置である。ぱちんこ機100の電源投入時に、ロゴ可動体902は、図19(c)に示す最下方の位置に移動し、次いで、図19(b)に示す最上方の位置に移動し、次いで、図19(a)に示す初期位置に移動し停止する。なお、上部前飾り役物1000、上部後飾り役物1100、上部右サイド役物1200、上部左サイド役物1300、下部右サイド役物1400、下部左サイド役物1500、および中央下部役物1600が備える可動体についてもぱちんこ機100の電源投入時に動作確認が行われ、これらの可動体は動作確認後に初期位置で停止する。
本実施の形態において、ロゴ可動体902は、初期位置から最下方の位置へ移動するまでの移動量よりも、初期位置から最上方へ移動するまでの移動量の方が大きくなっている。より具体的には、ロゴ可動体902の複数の可動部である第二文字部912~第六文字部920は、初期位置から最下方へ移動するまでの移動量よりも、初期位置から最上方へ移動するまでの移動量の方が大きくなっている。なお、ロゴ可動体902の複数の可動部のうちの同じ可動部で比較して、初期位置から最下方へ移動するまでの移動量よりも、初期位置から最上方へ移動するまでの移動量の方が大きくなっていればよい。また、ロゴ可動体902の複数の部位である第二文字部912~第六文字部920のうち全体が互いに平行に移動可能であってもよいし、複数の可動部である第二文字部912~第六文字部920のうちの一部が互いに平行に移動可能であってもよい。
ロゴ可動体902の最上方の位置は装飾図柄表示装置208から遠ざかる位置であり、ロゴ可動体902の最下方の位置は装飾図柄表示装置208と前後方向で重なる位置である。本実施の形態では、ロゴ可動体902は、装飾図柄表示装置208から遠ざかる最上方への移動量が、装飾図柄表示装置208に近づく最下方への移動量よりも大きくなっている。なお、ロゴ可動体902は、装飾図柄表示装置208から遠ざかる方向への移動量が、装飾図柄表示装置208に近づく方向への移動量よりも小さくなっていてもよい。
また、ロゴ可動体902は、装飾図柄表示装置208よりも小さいサブ表示装置を備えていてもよい。サブ表示装置には、液晶表示装置、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを用いることができる。また、サブ表示装置は、第1副制御部400により制御されてもよいし、第2副制御部500により制御されてもよいし、第1副制御部400および第2副制御部500とは別に表示制御部を設けて当該表示制御部により制御されてもよい。
また、ロゴ可動体902は、第一文字部910~第七文字部922が回転動作可能であってもよいし、上方への移動動作後に回転動作可能であってもよいし、回転動作後に上方へ移動してもよし、下方への移動動作後に回転動作可能であってもよいし、回転動作実行後に下方へ移動してもよい。
また、ロゴ可動体902は、下方への移動動作により装飾図柄表示装置208の画像表示領域下端よりも下方まで移動可能であってもよい。
また、本実施の形態では、ロゴ可動体902は、初期位置に位置している場合に、装飾図柄表示装置208の画像表示領域の前後方向で重なる。なお、ロゴ可動体902は、初期位置に位置している場合に、装飾図柄表示装置208の画像表示領域の前後方向で重ならなくてもよい。ロゴ可動体902の全体は、初期位置に位置している場合に、装飾図柄表示装置208の画像表示領域の上端よりも上方に位置していてもよい。
また、ロゴ可動体902は、複数の可動部を有する一体的な可動体であってもよい。例えば、サブ表示装置を含む可動部と、当該サブ表示装置の近傍で可動する別の可動部とを一体的な可動体としてしてもよい。
また、本実施の形態のロゴ可動体902は、遊技台の機種名等の少なくとも一部が含まれるタイトルロゴを表す文字の形状を有している。また、ロゴ可動体902は、タイトルロゴ以外の文字としては、例えば、遊技台の特徴や遊技台のタイトルやモチーフに関連した特徴的な文字(遊技状態に潜伏確変を有する遊技台であれば「潜」や「怪」など、時代劇をモチーフとした遊技台であれば「戦や「闘」など)が挙げられる。文字数は、一文字であってもよいし、二文字以上であってもよい。
また、ロゴ可動体902は単数色に発光可能であってもよいし、複数色に発光可能であってもよい。また、ロゴ可動体902に発光手段が設けられてなくてもよい。また、第一文字部910~第七文字部922のうち少なくとも一つの文字部が発光する構成であってもよい。
また、ロゴ可動体902は、は多段階動作を行わない構成であって、単に移動のみを移動可能であってもよい。
また、ロゴ可動体902は、前後方向への移動動作を少なくとも実行可能であってもよい。この場合、ロゴ可動体902は、後述する前後駆動部1004を備えていてもよい。また、ロゴ可動体902は、初期位置に位置する場合に前後方向へ移動可能であってもよいし、最上方の位置する場合に前後方向へ移動可能であってもよいし、最下方の位置に位置する場合に前後方向へ移動可能であってもよい。
また、本実施の形態では、モータ970にステッピングモータを用いたがこれに限られない。例えば、DCブラシモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ、超音波モータ、サーボモータ等の様々なモータが使用可能である。
また、本実施の形態では、ロゴ可動体902の駆動源にモータを用いたがこれに限られない。例えば、ロゴ可動体902の駆動源としてソレノイド等の各種アクチュエータが用いられていてもよい。
次に、図21乃至図25を用いて上部前飾り役物1000について説明する。まず、図23を参照しつつ図21および図22を用いて、上部前飾り役物1000の構成について説明する。図21および図22は、上部前飾り役物1000の分解斜視図である。図21および図22は、上部前飾り役物1000を前方右上から後方左下に見た状態を示している。なお、図22には、後述の上部後飾り役物1100の一部が示されている。
図21および図22に示すように、上部前飾り役物1000は、大別すると、上部前可動体1002、前後駆動部1004、上下駆動部1006、および上部前可動体ベース部1008で構成されている。
まず、図23を参照しつつ、図21を用いて、上部前可動体1002について説明する。上部前可動体1002は、レンズ可動体1002aと、ベース部1002bとを有している。レンズ可動体1002aは、前側装飾部1010、外側装飾部1012、内側装飾部1014、下側装飾部1016、およびレンズ1018を有し、上部前飾り役物1000の最前方に配置される。レンズ可動体1002aは、ベース部1002bを起点として前方に移動可能である。
前側装飾部1010は、10個の可動部1010a~1010jを有している。可動部1010a~1010jは、例えば、透明樹脂材料で個別に成型され、同じ大きさおよび同形状を有し、円環状に配置される。また、可動部1010a~1010jの前面側には凹凸による装飾が施されている。
外側装飾部1012は、例えば、透明樹脂材料で成型されて、円形の浅底器形状を有し、底面が前方を向くように配置され、表面に凹凸による装飾が施されている。また、外側装飾部1012は、底面中央に円形の開口部1012aを有している。また、外側装飾部1012は、後述する内側装飾部1014を内部に収容できるようになっている。
内側装飾部1014は、基部1014a、回転円板1014b、および長孔付円板1014cを有している。基部1014a、回転円板1014b、および長孔付円板1014cは、例えば樹脂材料で成型されて、薄板円環形状を有し、ほぼ等しい内径および外径を備えている。基部1014a、回転円板1014b、および長孔付円板1014cは、互いに開口中心が一致するように、後側からこの順に重なって配置される。また、基部1014a、回転円板1014b、および長孔付円板1014cに囲まれるようにして円形状の開口部1014dが配置される。
基部1014a、回転円板1014b、および長孔付円板1014cは外側装飾部1012内に収容される。また、基部1014aおよび長孔付円板1014cは外側装飾部1012にネジで固定され、外側装飾部1012は後述する右側移動部材1038および左側移動部材1044にネジで固定される。このため、基部1014aおよび長孔付円板1014cは回転不可能である。回転円板1014bは、基部1014aと長孔付円板1014cとの間に挟持されてネジ等で固定されておらず、開口部1014dの中心を回転中心として所定角度の範囲で回転可能になっている。また、回転円板1014bは、基部1014aおよび長孔付円板1014cとの接触面積を相対的に小さくして、基部1014aおよび長孔付円板1014c間での摩擦力が低減されている。
また、回転円板1014bの右側後面には歯車部1014b1が設けられている。歯車部1014b1は、同形で同じピッチで刻まれた歯が円周状に並んで後方を向くように形成されている。また、基部1014aの外周に歯車部1014b1の動作範囲に合わせて切欠き(不図示)が設けられている。これにより、歯車部1014b1と基部1014aとが接触して回転円板1014bの回転動作の妨げになるのを防ぐとともに、歯車部1014b1が後方に配置される平歯車1024と噛み合わせ可能になっている。
また、回転円板1014bは、案内孔部1014b2(図21では不図示、図23参照)を有している。案内孔部1014b2は、回転円板1014bの内縁と外縁の中間を通る仮想円周に対して左上から右下に斜めに交わるように延びた長円形状を有している。また、回転円板1014bは、案内孔部1014b2と同様の案内孔部(不図示)を9個有している。これらの案内孔部は等間隔に配置される。
また、長孔付円板1014cは、長孔付円板1014cの外周円の半径方向に延びた長円形状の長孔部1014c1を有している。また、長孔付円板1014cは、長孔部1014c1と同様の長孔部を9個有している。これらの長孔部は等間隔に配置される。
回転円板1014bの案内孔部と長孔付円板1014cの長孔部とは、下端部が前後方向に重なって配置される。例えば、回転円板1014bの案内孔部1014b2と長孔付円板1014cの長孔部1014c1とは、下端部が前後方向に重なって配置される。
また、内側装飾部1014は、さらに、可動部支持部1014eを有している。可動部支持部1014eは、全体として薄板形状を有し、板面が前後方向に直交するように配置される。また、可動部支持部1014eは、図23に示すように、例えば樹脂材料で全体が一体的に成型されて、前面側から前方に円柱状に突出した取付部1014e1と、後面側から後方に円柱状に突出した被案内部1014e2とを有している。また、内側装飾部1014は、可動部支持部1014eと同様の可動部支持部を9個有している。
取付部1014e1は、外側装飾部1012の開口部1012aから前方に突出しており、外側装飾部1012の前方に配置される可動部1010aの後面下端とネジで固定される。同様に、可動部支持部1014e以外の9個の可動部支持部には、可動部1014b~1014jが1個ずつネジで固定される。
また、可動部支持部1014eは、被案内部1014e2が回転円板1014bの案内孔部1014b2内、および長孔付円板1014cの長孔部1014c1内を移動可能なように取り付けられる。この取り付けには、例えば、座金付ネジが用いられる。座金付ネジの座金部分は、案内孔部1014b2および長孔部1014c1の幅よりも大きく、被案内部1014e2が案内孔部1014b2および長孔部1014c1から離脱するのを防いでいる。同様に、可動部支持部1014e以外の9個の可動部支持部は、被案内部が回転円板1014bの案内孔部内、および長孔付円板1014cの長孔部内を移動可能なように座金付ネジにより取り付けられる。回転円板1014b、長孔付円板1014cおよび可動部支持部1014eは、可動部1010a~可動部1010jを動作させるために用いられる。
また、外側装飾部1012の下端には、下側装飾部1016がネジで固定される。下側装飾部1016は、例えば、透明樹脂材料で成型されて凹凸による飾りが施されている。
また、内側装飾部1014の基部1014aの後側には、レンズ1018がネジで固定される。レンズ1018はほぼ円形状を有し、レンズ1018の中心と開口部1012a、1014dの中心とが前後方向で重なるようになっている。本実施の形態では、レンズ1018には凸レンズが用いられているが、凹レンズが用いられていてもよい。
また、基部1014aの後側には、複数のLEDが実装されたLED基板(不図示)が配置されている。LED基板は、基部1014aと同様の円環形状を有し、中央の開口部が開口部1014dに重なるように配置されている。レンズ可動体1002aは、当該複数のLEDを用いて、発光可能になっている。当該複数のLEDは、図4に示す遊技盤用ランプ532に含まれ、遊技盤用ランプ駆動回路530により駆動される。
レンズ可動体1002aの後方には、ベース部1002bが配置される。ベース部1002bは、例えば透明樹脂材料により一体的に成型されて、上側基部1002b1、下側基部1002b2、右側基部1002b3、左側基部1002b4、および開口部1002b5を有している。上側基部1002b1はベース部1002bの上部に配置され、下側基部1002b2はベース部1002bの下部に配置される。上側基部1002b1と下側基部1002b2とは前面が前後方向に直交する同一平面内に配置される。
右側基部1002b3と左側基部1002b4とは、上側基部1002b1および下側基部1002b2を挟んで左右方向で互いに対向するように配置される。右側基部1002b3は、上側基部1002b1および下側基部1002b2の右側後端から後方に延びて配置される。また、左側基部1002b4は、上側基部1002b1および下側基部1002b2の左側後端から後方に延びて配置される。
また、上側基部1002b1の下側端辺はレンズ1018の上部輪郭に合わせた形状に形成されており、下側基部1002b2の上側端辺はレンズ1018の下部輪郭に合わせた形状に形成されている。上側基部1002b1および下側基部1002b2に囲まれるようにして、レンズ1018の輪郭形状と同形状の輪郭を備える開口部1002b5が配置されている。レンズ可動体1002aは、レンズ1018と開口部1002b5とが前後方向で重なるように、ベース部1002bの前方に配置される。開口部1012b、1014d、レンズ1018、および開口部1002b5により、レンズ可動体1002aの後方を視認可能な視認領域が形成され、当該視認領域にレンズ1018が配置される。これにより、前方側から開口部1012b、1014d、レンズ1018、および開口部1002b5を介して上部前可動体1002の後方が視認可能になっている。
また、下側基部1002b2の下側端辺は、下側装飾部1016の上側表面に合う形状に形成されている。レンズ可動体1002aをベース部1002bに取り付けた場合に、下側基部1002b2の下方に下側装飾部1016が位置するようになっており、レンズ可動体1002aの前後方向の動作をベース部1002bが妨げないようになっている。
次に、前後駆動部1004について説明する。前後駆動部1004は、レンズ可動体1002aを前後方向に移動動作させるために用いられる。前後駆動部1004は、駆動源部1004a、右側駆動部1004b、左側駆動部1004c、および可動部用駆動部1004dを有している。
駆動源部1004aは、モータ1020、取付部材1022、平歯車1024、シャフト1026、平歯車1028、1030、1032を有している。モータ1020は、レンズ可動体1002aの前後方向の移動動作を実行するための駆動源である。本実施の形態では、モータ1020にはステッピングモータが用いられる。モータ1020は、回転軸が左右方向に延びて配置される。
取付部材1022は、例えば樹脂材料で成型され、モータ1020をベース部1002bの右側基部1002b3の右側面に取り付けるために用いられる。取付部材1022には、モータ1020の回転軸を通す貫通孔が形成されている。モータ1020は回転軸が当該貫通孔を通るように取付部材1022の右側面にネジで固定される。取付部材1022は、右側基部1002b3の右側面にネジで固定される。
また、モータ1020の回転軸には、平歯車1024が固定される。平歯車1024は、モータ1020の左方であって取付部材1022と右側基部1002b3との間に配置される。また、ベース部1002bの上側基部1002b1には、左右方向に延びた金属製で円柱形状のシャフト1026が回転可能に取り付けられている。シャフト1026は、上側基部1002b1の左右方向の長さとほぼ同じ長さを有し、右端には平歯車1028が固定される。平歯車1028は、モータ1020の回転軸の固定された平歯車1024と噛み合わされている。また、シャフト1026の左端には平歯車1032が固定される。
また、ベース部1002bの左側基部1002b4の左側面には平歯車1032が回転可能に取り付けられている。平歯車1032は、シャフト1026の左端に固定されている平歯車1030と噛み合わされている。平歯車1032は、平歯車1024と上下方向の位置が同じになるように配置される。
平歯車1024、1028、1030、1032は、回転軸が左右方向を向くように配置される。また、平歯車1024と平歯車1032とは、同じピッチ円直径、同じ形状、および同じ歯数を有している。また、平歯車1028と平歯車1030とは、同じピッチ円直径、同じ形状、および同じ歯数を有している。また、平歯車1024、1032は、平歯車1028、1030よりもピッチ円直径が大きく、歯数も多くなっている。平歯車1024と平歯車1028の歯数比と、平歯車1030と平歯車1032の歯数比とは、等しく、共に1未満である。
このため、モータ1020による回転運動は、平歯車1024を介して平歯車1028に回転速度が所定比で増速されて伝達される。また、平歯車1028と平歯車1030とは、シャフト1026に固定されているので同方向に同じ回転速度で回転する。また、平歯車1030の回転運動は回転速度が所定比で減速されて平歯車1032に伝達される。これにより、平歯車1032の回転速度は、平歯車1024の回転速度と同じになる。また、平歯車1024と平歯車1032の回転方向は同じである。駆動源部1004aは、モータ1020による回転運動を平歯車1024および平歯車1032に同じ回転方向および同じ回転速度で伝達することができる。
次に、右側駆動部1004b、および左側駆動部1004cについて説明する。右側駆動部1004b、左側駆動部1004cは、モータ1020の回転運動を直線運動に変換してレンズ可動体1002aに伝達するために用いられる。
右側駆動部1004bは、右側案内棒1034、右側案内棒固定部材1036、および右側移動部材1038を有している。右側案内棒1034は、金属製で円柱形状を有し、前後方向に延びて配置される。右側案内棒1034の前端はベース部1002bの右側基部1002b3の右側前部に固定され、後端は右側案内棒固定部材1036により右側基部1002b3の右側後部に固定される。
右側移動部材1038は、右側基部1002b3の右側であって、平歯車1024の下方に配置されている。右側移動部材1038は、樹脂材料で成型されて、全体として薄板長方形状を有し、長手方向が前後方向に平行になり、板面が左右方向に直交するように配置される。右側移動部材1038の上部端辺には、同形の歯が同じピッチで刻まれて前後方向に並ぶラック部1038aが設けられている。ラック部1038aは、平歯車1024に噛み合わされている。また、右側移動部材1038の右側面には、円筒形の貫通孔を備えた被案内部1038bが設けられている。右側移動部材1038は、被案内部1038bが右側案内棒1034を囲んで摺動可能に取り付けられている。右側移動部材1038は、平歯車1024の回転運動をラック部1038aで受けて直線運動に変換し、右側案内棒1034に案内されて前後方向に直線運動可能になっている。
また、右側移動部材1038の右側面には、上下方向に延びる前側溝1038cと後側溝1038dが設けられている。前側溝1038cと後側溝1038dとは、同じ長さで平行に延びている。前側溝1038cと後側溝1038dの機能については後述する。
左側駆動部1004cは、左側案内棒1040、左側案内棒固定部材1042、および左側移動部材1044を有している。左側案内棒1040は、金属製で円柱状形状を有し、前後方向に延びて配置される。左側案内棒1040は、右側案内棒1034と上下方向の位置が同じ位置に、右側案内棒1034に平行に配置される。左側案内棒1040の前端はベース部1002bの左側基部1002b4の左側前部に固定され、後端は左側案内棒固定部材1042により左側基部1002b4の左側後部に固定される。
左側移動部材1044は、左側基部1002b4の左側であって、平歯車1032の下方に配置されている。左側移動部材1044は、樹脂材料で成型されて、全体として薄板長方形状を有し、長手方向が前後方向に平行になり、板面が左右方向に直交するように配置される。左側移動部材1044は、右側移動部材1038と上下方向の位置および前後方向の位置が同じになり、右側移動部材1038と平行に配置される。左側移動部材1044上部端辺には、同形の歯が同じピッチで刻まれて前後方向に並ぶラック部1044aが設けられている。ラック部1044aは、平歯車1032に噛み合わされている。また、左側移動部材1044の左側面には、被案内部1038bと同様の被案内部(不図示)が設けられている。左側移動部材1044は、当該被案内部が左側案内棒1040を囲んで摺動可能に取り付けられている。左側移動部材1044は、平歯車1032の回転運動をラック部1044aで受けて直線運動に変換し、左側案内棒1040に案内されて前後方向に直線移動可能になっている。
右側移動部材1038と左側移動部材1044とは同じ大きさを有している。また、ラック部1038aとラック部1044aとは、同じ形状を有し、歯のピッチおよび歯数が等しくなっている。また、モータ1020が駆動することにより、平歯車1024と平歯車1032が同方向に同じ回転速度で回転する。ラック部1038aは平歯車1024に噛み合わされており、ラック部1044aは平歯車1032に噛み合わされているので、モータ1020の駆動時には、右側移動部材1038と左側移動部材1044とは同方向に同じ速度で前後方向に互いに平行に直線運動するようになっている。
また、右側移動部材1038の前側端辺には、レンズ可動体1002aの内側装飾部1014の基部1014aの右側後面がネジで固定される。同様に、左側移動部材1044の前側端辺には、レンズ可動体1002aの内側装飾部1014の基部1014aの左側後面がネジで固定される。このため、レンズ可動体1002aは、右側移動部材1038および左側移動部材1044の直線運動に連動して、前後方向に直線運動するようになっている。
レンズ可動体1002aがベース部1002bを起点として前方に移動した場合に、右側移動部材1038の被案内部1038bの前端部がベース部1002bの右側基部1002b3の前端に接触するようになっている。また同様に、レンズ可動体1002aがベース部1002bを起点として前方に移動した場合に、左側移動部材1044の被案内部の前端部がベース部1002bの左側基部1002b4の前端に接触するようになっている。これにより、右側移動部材1038の被案内部1038bおよび左側移動部材1044の被案内部(不図示)がレンズ可動体1002aのメカエンドとして機能するようになっている。
次に、可動部用駆動部1004dについて説明する。可動部用駆動部1004dは、レンズ可動体1002aが前後方向に移動する場合に、前側装飾部1010の可動部1010a~1010jを駆動するために用いられる。
可動部用駆動部1004dは、ラック付被案内部材1050、被案内軸1052、すべり軸受1054、平歯車1056、取付部材1058、および案内溝付飾り部材1060を有している。
ラック付被案内部材1050は、樹脂材料で一体的に成型されて、取付け部1050aとラック部1050bとを有している。取付け部1050aは、薄板平板形状を有し、板面が左右方向に直交するように配置される。また、右側移動部材1038の右側面には、上下方向に延びる前側溝1038cと後側溝1038dとが設けられおり、取付け部1050aの左側面には2つの突起(不図示)が設けられており、ラック付被案内部材1050は、一方の突起が前側溝1038c内を摺動可能に、他方の被案内部が後側溝1038d内を摺動可能に右側移動部材1038に取り付けられる。これにより、ラック付被案内部材1050は、右側移動部材1038の前側溝1038cおよび後側溝1038dに沿って上下方向に移動可能になっている。
また、取付け部1050aの前端部には、ラック部1050bが配置される。ラック部1050bには同形の歯が同じピッチで刻まれており、歯先が前方を向いている。
取付け部1050aの右側側面には、円柱状の金属製で左右方向に延びた被案内軸1052の左端が固定されている。被案内軸1052の右端には、円柱状の樹脂製のすべり軸受1054が取り付けられている。
また、右側移動部材1038の右側面には、前後方向に平行な面内で回転可能に平歯車1056が取り付けられている。平歯車1056は、回転軸が左右方向を向くようにラック部1050bの前方に配置され、ラック部1050bのラックに噛み合わされている。
ラック付被案内部材1050および平歯車1056の右側には、取付部材1058が配置される。取付部材1058は、例えば黒色樹脂材料で遮光片1058aを設けて一体的に成型されている。取付部材1058は、平歯車1056の中心の円形開口を貫通するネジにより、右側移動部材1038に固定される。
平歯車1056は、内側装飾部1014の歯車部1014b1と噛み合わされている。これにより、平歯車1056が回転すると、内側装飾部1014の回転円板1014bが連動して回転するようになっている。
また、ベース部1002bの右側基部1002b3の右側面下方には、例えば透明樹脂材料で成型された案内溝付飾り部材1060がネジで固定されている。案内溝付き飾り部材1060の右側基部1002b3と対向する面(左側面)には、案内溝1060a(図21では不図示、図23参照)が設けられている。案内溝1060aは、後方下方から前方上方に延びて形成されている。案内溝1060a内を摺動可能にすべり軸受1054が配置される。被案内軸1052の一端にはすべり軸受1054が固定され、被案内軸1052の他端にはラック付被案内部材1050が固定されており、案内溝1060aはラック付被案内部材1050の移動方向を案内することができるようになっている。
右側移動部材1038が初期位置から前方に移動すると、ラック付被案内部材1050は、案内溝1060aに案内され、前側溝1038cおよび後側溝1038dに沿って上方に移動する。これにより、ラック付被案内部材1050のラック部1050bのラックに噛み合わされている平歯車1056が回転し、平歯車1056に噛み合わされている歯車部1014b1を備えた内側装飾部1014の回転円板1014bが回転する。回転円板1014bの回転動作に連動して、可動部1010a~1010jが動作するようになっている。この動作原理については、図23を用いて後述する。
また、取付部材1022には、フォトセンサ1062がネジで固定されている。フォトセンサ1062は、レンズ可動体1002aの位置を検出するために用いられる。フォトセンサ1062は、図4に示す各種可動体センサ430に含まれており、図4に示すセンサ回路428に接続されている。フォトセンサ1062は、空間部を挟んで上下方向に対向するように配置された発光部と受光部とを有している。
また、レンズ可動体1002aと一体的に動作する右側移動部材1038に固定される取付部材1058には例えば黒色樹脂材料で形成された遮光片1058aが設けられている。なお、取付部材1058は全体が黒色樹脂材料で一体的に成型されていてもよい。レンズ可動体1002aがベース部1002bを起点とする最後方に位置する場合は、遮光片1058aがフォトセンサ1062の受光部と発光部の間に進入する。本実施形態では、フォトセンサ1062でレンズ可動体1002aと一体的に移動動作する遮光片1058aの有無を検知し、第1副制御部400は、フォトセンサ1062が遮光片1058aを検知したときはレンズ可動体1002aが最後方に位置していると判定し、フォトセンサ1062が当該遮光片を検知しない場合はレンズ可動体1002aが最後方以外の位置に位置していると判定する。
また、ベース部1002bの左側基部1002b4の左側面には基板1064がネジで固定されている。モータ1020、内側装飾部1014に備えられたLED基板(不図示)、およびフォトセンサ1062は不図示の配線により基板1064に接続される。モータ1020は基板1064を介して図4に示す駆動回路516に接続され、LED基板は基板1064を介して図4に示す遊技盤用ランプ駆動回路530に接続され、フォトセンサ1062は基板1064を介して図4に示すセンサ回路428に接続される。これにより、上部前飾り役物1000と第1副制御部400や第2副制御部500とを接続する配線を集約することができる。
レンズ可動体1002aおよびベース部1002bを有する上部前可動体1002は、上部前可動体ベース部1008に取り付けられる。上部前可動体ベース部1008は、金属製で一体的に成型され、左側基部1008aと上側基部1008bとを有している。左側基部1008aは、上下方向に延びており、ベース部1002bの左方に配置される。上側基部1008bは、左側基部1008aの上端から右方に延びて配置される。上側基部1008bは、ベース部1002bの上方に配置される。
また、左側基部1008aには、上下方向に延びた円柱形状の金属製の案内棒1066が取り付けられている。左側基部1008aの上端には上端固定部1008a1が設けられ、左側基部1008aの下端には下端固定部1008a2が設けられている。案内棒1066の上端は上端固定部1008a1に固定され、案内棒1066の下端は下端固定部1008a2に固定される。下端固定部1008a2は、上部前可動体1002のメカエンドとして機能する。
また、ベース部1002bの左側基部1002b4の左側面には、例えば透明樹脂材料で成型された被案内部付装飾部材1068がネジで固定される。被案内部付装飾部材1068の上部には被案内部1068aが設けられており、被案内部1068aは案内棒1066に摺動可能に取り付けられる。上部前可動体1002は、後述の上下駆動部1006に駆動され、案内棒1066に案内されて上下方向に移動可能になっている。
上部前可動体1002が取り付けられた上部前可動体ベース部1008は、図22に示すように、上部役物ベース部850にネジで固定される。上部役物ベース部850は、上部前飾り役物1000および後述する上部後飾り役物1100をユニット本体822に取り付けるために用いられる。上部役物ベース部850は、例えば樹脂材料で一体的に成型されて、右側基部850a、中央基部850b、および左側基部850cを有している。具体的には、上部前可動体ベース部1008の左側基部1008aは、上部役物ベース部850の左側基部850cの右端にネジで固定され、上部前可動体ベース部1008の上側基部1008bは、上部役物ベース部850の右側基部850aの上端左側にネジで固定される。
次に、図21および図22を用いて、上下駆動部1006について説明する。上下駆動部1006は、上部前可動体1002を上下方向に移動動作させるために用いられる。上下駆動部1006は、図22に示すように、モータ1070、平歯車1072、動力伝達部1074、外レール1078、上部フォトセンサ1084、および下部フォトセンサ1086を有し、図21に示すように、ラック取付部材1076、内レール1080、および引っ張りコイルばね1082r、1082lを有している。
図22に示すように、モータ1070、平歯車1072、動力伝達部1074、外レール1078、上部フォトセンサ1084、および下部フォトセンサ1086は、上部役物ベース部850の右側基部850aに取り付けられる。
モータ1070は、上部前可動体1002の上下方向の移動動作を実行するための駆動源である。本実施の形態では、モータ1070にはステッピングモータが用いられる。モータ1070は、回転軸が前後方向に延びて配置され、モータ1070の後方にはモータ1070の回転軸に固定された平歯車1072が配置される。平歯車1072は、回転可能に右側基部850aに取り付けられる。
動力伝達部1074は、モータ1070の回転運動を直線運動に変換して、上部前可動体1002に伝達するために用いられる。動力伝達部1074は、ラック1074a、被案内部材1074b、ラックカバー1074c、および平歯車1074d1~1074d3を有している。ラック1074aは、樹脂材料で成型されて細長形状を有し、曲げが可能な柔軟性を有している。また、ラック1074aは、中に長さ方向に延びた鉄芯線(不図示)が埋め込まれており、必要な強度を得ている。本実施の形態では、ラック1074aは、上方に凸な円弧状の曲線を描くように曲げられて用いられる。上方に凸になるように曲げられたラック1074aの内側には同形の歯が同じピッチで刻まれており、ラック1074aは平歯車1072に噛み合わされている。
また、ラック1074aの右下端部には、例えば樹脂材料で成型され、ラック1074aと同形、同ピッチのラックを備えた被案内部材1074bが取り付けられる。被案内部材1074bとラック1074aとは噛み合わされており、ラック1074aと被案内部材1074bは一体的に動作する。
ラックカバー1074cは、例えば樹脂材料で成型され、前方から見ると文字「し」を上下左右に反転したような形状を有している。ラックカバー1074cの後側(中側)にはラックカバー1074cの形状に沿って延びた案内溝(不図示)が設けられており、当該案内溝内にラック1074aおよび被案内部材1074bを収容している。被案内部材1074bは当該案内溝に案内されて移動可能に配置される。ラック1074aは、被案内部材1074bと連動してラックカバー1074cの形状に沿って移動可能になっている。また、ラックカバー1074cは、右側基部850aにネジで固定され、ラック1074aおよび被案内部材1074bが右側基部850aから離脱しないよう覆っている。
平歯車1074d1、1074d2、1074d3は、回転可能に右側基部850aに取り付けられており、ラックカバー1074cに覆われている。平歯車1074d1、1074d2、1074d3は、ラックカバー1074c内の案内溝に沿って配置され、ラック1074aに噛み合わされている。平歯車1074d1、1074d2、1074d3は、ラック1074aが案内溝に沿って滑らかに移動できるようにするために用いられる。なお、ラック1074aがラックカバー1074c内の案内溝に沿って滑らかに移動できるようにするために、ローラが用いられてもよい。
また、ラック1074aの左下端は、ラックカバー1074cから露出しており、図21に示すラック取付部材1076によりベース部1002bの右側基部1002b3の右側面に固定される。これにより、動力伝達部1074は、ラック1074aにより、平歯車1072を介して伝達されたモータ1070の回転運動を直線運動に変換して上部前可動体1002のベース部1002bに伝達する。
また、図22に示すように、右側基部850aの左端には、上下方向に延びた金属性の外レール1078がネジで固定される。また、図21に示すように、ベース部1002bの右側基部1002b3の後面には、上下方向に延びた金属製の内レール1080がネジで固定される。内レール1080は、外レール1078に沿って移動可能に外レール1078の内側に取り付けられる。外レール1078と内レール1080のレール接面部には、レール同士の摩擦を低減し内レール1080が滑らかにスライドできるように複数のスチールボール(不図示)が配置されている。外レール1078および内レール1080は、上部前可動体1002を上下方向に案内するために用いられる。また、外レール1078の上端および下端は上部前可動体1002のメカエンドとして機能する。
このように、上部前可動体1002は、モータ1070による回転運動が平歯車1072およびラック1074aを介して直線運動に変換されて伝達され、案内棒1066と、外レール1078および内レール1080に案内されて、上下方向への直線運動が可能になっている。
また、図21に示すように、引っ張りコイルばね1082rは、上下方向に伸縮可能なように、上端が上部前可動体ベース部1008の上側基部1008bに固定され、下端がベース部1002bの右側基部1002b3の後側に固定される。同様に、引っ張りコイルばね1082lは、上下方向に伸縮可能なように、上端が上部前可動体ベース部1008の上側基部1008bに固定され、下端がベース部1002bの左側基部1002b4の後側に固定される。
引っ張りコイルばね1082r、1082lは、上部前可動体1002が最も上方の位置(初期位置)に位置する場合に自然長となり、上部前可動体1002が初期位置よりも下方の位置に位置する場合に自然長より伸びた状態になる。引っ張りコイルばね1082r、1082lは、復元力を利用して、上部前可動体1002が初期位置へ復帰するためのモータ1070の動力を補助している。
また、図22に示すように、右側基部850aには、外レール1078の右側に上部フォトセンサ1084および下部フォトセンサ1086がネジで固定される。上部フォトセンサ1084は外レール1078の上端と上下方向の位置がほぼ同じになるように配置され、下部フォトセンサ1086は外レール1078の下端と上下方向の位置がほぼ同じになるように配置される。上部フォトセンサ1084および下部フォトセンサ1086は、上部前可動体1002の位置を検出するために用いられる。上部フォトセンサ1084および下部フォトセンサ1086は、図4に示す各種可動体センサ430に含まれており、図4に示すセンサ回路428に接続されている。
上部フォトセンサ1084および下部フォトセンサ1086は、空間部を挟んで前後方向に対向するように配置された発光部と受光部とを有している。また、図21に示すように、上部前可動体1002のベース部1002bに固定される取付部材1022には、光不透過部材で形成された遮光片(不図示)が設けられている。上部前可動体1002が最上方の位置(初期位置)に位置する場合には、当該遮光片が上部フォトセンサ1084の受光部と発光部の間に進入し、上部前可動体1002が最下方の位置に位置する場合には、当該遮光片が下部フォトセンサ1086の受光部と発光部の間に進入する。本実施形態では、上部フォトセンサ1084および下部フォトセンサ1086で上部前可動体1002の位置を検出する。第1副制御部400は、上部フォトセンサ1084が取付部材1022に設けられた遮光片を検知したときは上部前可動体1002が初期位置に位置していると判定し、下部フォトセンサ1086が当該遮光片を検知した場合は上部前可動体1002が最下方の位置に位置していると判定する。
また、右側基部850aには、基板1088がネジで固定されている。モータ1070、上部フォトセンサ1084、および下部フォトセンサ1086は、不図示の配線により基板1088に接続される。モータ1070は基板1088を介して図4に示す駆動回路516に接続され、上部フォトセンサ1084および下部フォトセンサ1086は基板1088を介して図4に示すセンサ回路428に接続される。基板1088と第1副制御部400または第2副制御部500を接続する配線は、右側基部850aの右端部後側にネジで固定される配線カバー850a1内に収容される。これにより、上部前飾り役物1000と第1副制御部400や第2副制御部500とを接続する配線を集約することができる。
次に、図23を用いて、レンズ可動体1002a、および可動部1010a~可動部1010jの動作について説明する。図23は、上部前可動体1002を前方右上から後方左下に見た状態を示している。図23では、上部前可動体1002を、レンズ可動体1002aと、ベース部1002bに分解し、さらに、レンズ可動体1002aを外側装飾部1012と内側装飾部1014とに分解して図示している。また、図23では、可動部1010aと可動部支持部1014eとを内側装飾部1014から取り外して図示している。図23では、可動部1010aと可動部支持部1014eとを例に挙げて、可動部1010a~可動部1010jの動作原理について説明する。
図23(a)は、レンズ可動体1002aが移動範囲のうちの最後方に位置している状態を示していている。レンズ可動体1002aは、初期状態では最後方に位置している。レンズ可動体1002aは、前後駆動部1004により駆動されて最後方の位置から前方に移動可能になっている。また、可動部1010a~1010jは、レンズ可動体1002aの移動動作に連動して移動動作可能になっている。レンズ可動体1002aが最後方に位置する場合、可動部1010a~1010jは初期位置に位置する。
また、図23(a)に示すように、レンズ可動体1002aが最後方に位置する場合には、右側移動部材1038のラック部1038aの前部が平歯車1024と噛み合っている。同様に、左側移動部材1044のラック部1044aの前部が平歯車1032と噛み合っている。また、ラック付被案内部材1050は最下端に位置し、ラック部1050bの上部が平歯車1056に噛み合っている。また、回転円板1014bの案内孔部1014b2と、長孔付円板1014cの長孔部1014c1とは下端部同士が前後方向に重なっている。可動部1010aが初期位置に位置している場合、可動部支持部1014eの被案内部1014e2が回転円板1014bの案内孔部1014b2の下端および長孔付円板1014cの長孔部1014c1の下端に接触するようになっている。
図23(b)は、レンズ可動体1002aが移動範囲のうちの最前方の位置に移動した状態を示している。レンズ可動体1002aは、モータ1020の回転運動が直線運動に変換されて伝達され前後方向に直線運動可能になっている。
具体的には、モータ1020が駆動して、モータの1020の回転軸および当該回転軸に固定された平歯車1024が右方から左方に見て右回りに回転する。これにより、平歯車1024に噛み合わされているラック部1038aを備えた右側移動部材1038が右側案内棒1034に案内されて前方に移動する。また、平歯車1024に噛み合わされている平歯車1028と、シャフト1026と平歯車1030が左回りに回転する。平歯車1030には平歯車1032が噛み合わされており、平歯車1032には左側移動部材1044のラック部1044aが噛み合わされている。このため、左側移動部材1044が左側案内棒1040に案内されて前方に移動する。
右側移動部材1038と左側移動部材1044とは、同じ速度で互いに平行に前方に移動する。また、右側移動部材1038および左側移動部材1044の前側端部にはレンズ可動体1002aが固定されている。このため、レンズ可動体1002aは、右側移動部材1038および左側移動部材1044の前方への移動動作に連動して前方に移動動作可能になっている。
また、右側移動部材1038の前方への移動動作に伴って、右側移動部材1038に取付られているラック付被案内部材1050が前方に移動しながら上昇する。具体的には、ラック付被案内部材1050に被案内軸1052を介して取り付けられるすべり軸受1054が案内溝付飾り部材1060の案内溝1060aに案内されて移動する。案内溝付飾り部材1060は、ベース部1002bに固定されているのでレンズ可動体1002aの前後方向への移動動作には連動せず移動しない。また、案内溝1060aは後方下方から前方上方に向かって斜めに延びている。このため、すべり軸受1054は案内溝1060aに案内されて上方に移動する。この移動動作に伴い、右側移動部材1038に設けられ、前後方向に延びた前側溝1038cおよび後側溝1038dに沿ってラック付被案内部材1050が上方に移動する。ラック付被案内部材1050が上方に移動することで、ラック付被案内部材1050のラック部1050bに噛み合わされている平歯車1056が右方から左方に見て左回りに回転する。これにより、平歯車1056に噛み合わされている歯車部1014b1を備える回転円板1014bが前方から見て右回りに回転する。
回転円板1014bの右回りの回転動作に連動して、可動部1010a~1010jが内側装飾部1014の外周に向かって直線動作するようになっている。次に、可動部1010a~1010jの動作原理について、可動部1010aを例に挙げて説明する。可動部1010aは、上述の通り、可動部支持部1014eに固定されている。
回転円板1014bの右回りの回転動作により、回転部1010bの案内孔部1014b2が右回りに移動する。回転円板1014bの内縁と外縁の中間を通る仮想円周に対して左上から右下に斜めに交わる方向に延びた案内孔部1014b2に案内されて、被案内部1014e2は、案内孔部1014b2の右下端から左上端に移動する。この際、外側装飾部1012に固定されて回転しない長孔付円板1014cに設けられ、長孔付円板1014cの外周の半径方向に延びた長孔部1014c1に沿って可動部支持部1014eは内側装飾部1014の内周側から外周側に移動する。これにより、可動部支持部1014eに固定されている可動部1010aが内側装飾部1014の内周側から外周側に移動する。このように、回転円板1014bの右回りの回転動作に連動して、可動部支持部1014eが外周に向かって直線動作するようになっている。
同様に、回転円板1014bの右回りの回転動作に連動して、可動部1010b~1010jが内側装飾部1014の内周側から外周側に移動するようになっている。このように、レンズ可動体1002aの前方への移動に連動して、前側装飾部1010が傘を開いたような開く動作を実行可能になっている。なお、前側装飾部1010の動作原理は図30に示し後述する可動体1425の動作原理と同じである。
また、当然に、レンズ可動体1002aは、図23(b)に示す位置から図23(a)に示す位置へ後方に移動することが可能である。この場合には、モータ1020、および平歯車1024、1028、1030、1032がレンズ可動体1002aが前方に移動する場合と逆回転し、右側移動部材1038および左側移動部材1044が後方に移動する。また、ラック付被案内部材1050が下方に移動し、平歯車1056および回転円板1014bがレンズ可動体1002aが前方に移動する場合と逆回転に回転する。これにより、可動部1010a~1010jが初期位置に復帰する。
次に、図24を用いて、上部前可動体1002の上下方向の移動動作について説明する。図24は、上部前飾り役物1000を前方側から見た外観図である。上部前可動体1002は、上下駆動部1006により駆動されて上下方向への移動動作が可能になっている。また、上述のとおり、レンズ可動体1002aは上部前可動体1002に含まれている。
図24(a)は、上部前可動体1002が初期位置(上部位置)に位置している状態を示している。上部前可動体1002の初期位置は、上部前可動体1002の移動範囲のうち最上方となる位置である。
図24(b)は、上部前可動体1002が最上方の位置と最下方の位置との間の中間位置に移動した状態を示している。上部前可動体1002が下方に移動する場合には、モータ1070の回転軸が前方側から見て左回りに回転する。これにより、モータ1070の回転軸に固定されている平歯車1072が左回りに回転し、平歯車1072に噛み合わされているラック1074aの右側下端が上昇し、左側下端が下降する。この際、ラック1074aは、直線的に案内されて移動する部分と円弧状に案内されて移動する部分とを含む。ラック1074aの左側下端は上部前可動体1002に固定されているので、ラック1074aの動作に連動して上部前可動体1002は、案内棒1066および外レール1078、内レール1080に案内されて下方に移動する。
図24(c)は、上部前可動体1002が最下方の位置に移動した状態を示している。案内棒1066を固定する下端固定部1008a2がメカエンドとして機能し、上部前可動体1002が停止している。
また、当然に、上部前可動体1002は、図24(c)に示す最下方の位置から図24(a)に示す最上方の位置(初期位置)に向かって上方に移動可能である。上部前可動体1002が上方へ移動する場合には、モータ1070の回転軸および平歯車が前方側から見て右回りに回転し、ラック1074aの右側下端が下降し、左側下端が上昇する。これに連動して、上部前可動体1002は、案内棒1066および外レール1078、内レール1080に案内されて上方に移動する。また、上部前可動体1002が上方に移動する場合、外レール1078の上端がメカエンドとして機能するようになっている。
次に、図25を用いて、上部前可動体1002とレンズ可動体1002aとの動作について説明する。図25は、上部前飾り役物1000を前方側から見た外観図である。
レンズ可動体1002aは、上述のロゴ可動体902との接触を避けるために、ロゴ可動体902が最上方に位置し、上部前可動体1002が最下方の位置に位置する場合に、前後方向に移動するようになっている。図25は、図23(b)に示す状態と同様に、レンズ可動体1002aが前方に移動した状態を示している。レンズ可動体1002aが前方に移動に伴い、上述の通り、前側装飾部1010の可動部1010a~1010jがレンズ可動体1002aの外周方向に移動し、前側装飾部1010が開いた状態となる。これにより、レンズ可動体1002aが大きくなったように遊技者に見せることができる。
また、本実施の形態では、モータ1020、1070にステッピングモータを用いたがこれに限られない。例えば、DCブラシモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ、超音波モータ、サーボモータ等の様々なモータが使用可能である。
また、本実施の形態では、レンズ可動体1002aおよび上部前可動体1002の駆動源にモータを用いたがこれに限られない。例えば、レンズ可動体1002aおよび上部前可動体1002の駆動源としてソレノイド等の各種アクチュエータが用いられていてもよい。
また、本実施の形態では、レンズ1018に凸レンズ(両凸レンズ)を用いたがこれに限られない。例えば、平凸レンズ、正メニスカスレンズ、凹レンズ(両凹レンズ)、平凹レンズ、負メニスカスレンズなど様々なレンズが使用可能できる。
また、レンズ1018に代えて透明樹脂板(例えば、アクリル板)やガラス板が配置されていてもよい。
また、引っ張りコイルばね1082r、1082lに代えて、渦巻きバネ、板バネ、ゴム等の弾性部材が用いられていてもよい。
また、上部前可動体1002は、装飾図柄表示装置208よりも小さいサブ表示装置を備えていてもよい。サブ表示装置には、液晶表示装置、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを用いることができる。また、サブ表示装置は、第1副制御部400により制御されてもよいし、第2副制御部500により制御されてもよいし、第1副制御部400および第2副制御部500とは別に表示制御部を設けて当該表示制御部により制御されてもよい。
次に、図19および図24を用いて、ロゴ可動体902および上部前可動体1002の位置関係について説明する。ロゴ可動体902が図19(a)に示す初期位置に位置している場合にロゴ可動体902が占める領域を第一の領域とし、図19(b)に示す最上方の位置に位置している場合にロゴ可動体902が占める領域を第三の領域とする。また、上部前可動体1002が図24(a)に示す初期位置に位置する場合に上部前可動体1002が占める領域を第二の領域とし、図24(c)に示す最下方の位置に位置する場合に上部前可動体1002が占める領域を第四の領域とする。また、レンズ可動体1002aが前方に移動して上部前可動体1002が前方に移動した場合にレンズ可動体1002aの占める領域も第四の領域に含まれる。また、第四の領域は、第一の領域の少なくとも一部を含む領域である。このように、上部前可動体1002は、ロゴ可動体902が初期位置に位置していた場合の領域に移動可能である。これにより、ロゴ可動体902と上部前可動体1002とが関連して多彩な動作が可能となる。
また、ロゴ可動体902が初期位置に位置し、上部前可動体1002が初期位置に位置する場合、ロゴ可動体902の後方に上部前可動体1002が位置し、ロゴ可動体902と上部前可動体1002とは前後方向で重なる。
また、上部前可動体1002が最下方の位置に位置した場合に上部前可動体1002が占める第四の領域は、装飾図柄表示装置208の画像表示領域と前後方向で重なる。
また、ロゴ可動体902が図19(c)に示す最下方の位置に位置する場合にロゴ可動体902が占める領域を第五の領域とすると、第五の領域は、少なくとも一部の領域が装飾図柄表示装置208の画像表示領域の前方となる領域を含む。また、第五の領域は、第四の領域の少なくとも一部を含む。
また、ぱちんこ機100は、装飾図柄表示装置208よりも小さいサブ表示装置を備えていてもよい。サブ表示装置は遊技盤200に固定されていてもよい。サブ表示装置には、液晶表示装置、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを用いることができる。また、サブ表示装置は、第1副制御部400により制御されてもよいし、第2副制御部500により制御されてもよいし、第1副制御部400および第2副制御部500とは別に表示制御部を設けて当該表示制御部により制御されてもよい。
サブ表示装置は、ロゴ可動体902が占める第三の領域の後方に配置されていてもよい。言い換えると、第三の領域は、少なくとも一部の領域がサブ表示装置の表示領域の前方となる領域を含む領域である。これにより、ロゴ可動体902の上方への移動先にサブ表示装置が存在するので、ロゴ可動体902の上方への移動動作にも自然と注目させることができる場合がある。
また、上部前可動体1002の後方にロゴ可動体902が配置されていてもよい。この場合、上部前可動体1002は後方に移動可能であってもよい。
また、上部前可動体1002は初期位置から上方に移動可能であってもよい。
次に、図22および図26乃至図28を用いて上部後飾り役物1100について説明する。まず、図26および図22を用いて、上部後飾り役物1100の構成について説明する。図26および図22は、上部後飾り役物1100の分解斜視図である。図26および図22は、上部後飾り役物1100を前方右上から後方左下に見た状態を示している。なお、図22には、前述の上部前飾り役物1000の一部が示されている。
図26および図22に示すように、上部後飾り役物1100は、大別すると、上部後可動体1102、および上下駆動部1104で構成されている。
まず、図27を参照しつつ、図26を用いて、上部後可動体1102について説明する。図27は、上部後可動体1102を前方右上から後方左下に見た状態を示している。上部後可動体1102は、前側カバー1102a、回転可動部1102b、ベース部1102c、および回転駆動部1102dを有している。
前側カバー1102aは、上部後飾り役物1100の最前方に配置される。前側カバーは、例えば透明樹脂材料で成型され、前方から見て上下方向に長いほぼ長方形状を有し、中央に円形状の開口部1102a1が開口されている。
前側カバー1102aの後方には、回転可動部1102bが配置される。回転可動部1102bは、歯車付回転部材1110、第一歯車部材1114、第二歯車部材1116、回転装飾支持部材1118、金属棒1120、1128、1132、平歯車1122、1130、1134、回転装飾部1124、枠部材1126、遮光片1136、およびレンズ部材1138を有している。
まず、回転可動部1102bの機能について簡単に説明する。回転可動部1102bは、回転装飾部1124を回転させて遊技を演出するめに用いられている。歯車付回転部材1110は、前側カバー1102a内に回転可能に収容される。歯車付回転部材1110の外周には、歯車部1110bが設けられている。また、ベース部1102cに固定されるモータ1140の回転軸に固定された平歯車1142は、歯車部1110bに噛み合わされている。このため、モータ1140の回転軸が右回りに回転すると、平歯車1142が右回りに回転し、歯車付回転部材1110が左回りに回転する。
また、歯車付回転部材1110の後方内側には第一歯車部材1114および第二歯車部材1116が固定されている。第一歯車部材1114には金属棒1120が取り付けられており、金属棒1120の一端には平歯車1122が固定されている。歯車付回転部材1110と共に第一歯車部材1114が回転すると、平歯車1122はベース部1102cの歯車部1102c2に沿って回転移動する。平歯車1122と歯車部1102c2は噛み合っており、平歯車1122は回転移動しながら金属棒1120の長手方向を回転軸に回転する。また、金属棒1120の一端は平歯車1122に固定されているので、金属棒1120は平歯車1122の回転に伴って回転する。
第一歯車部材1114および第二歯車部材1116で囲まれたほぼ半球体状の内部空間1115(図27参照)内には回転装飾支持部材1118が配置されている。金属棒1120の他端は回転装飾支持部材1118に固定されているので、回転装飾支持部材1118は金属棒1120の回転に伴って回転する。
また、回転装飾支持部材1118には金属棒1128、1132が取り付けられている。金属棒1128、1132の一端には平歯車1130、1132が固定され、他端には回転装飾部1124が固定されている。回転装飾支持部材1118の回転に伴い、平歯車1130が第一歯車部1114eに沿って回転移動し、平歯車1134が第二歯車部1116eに沿って回転移動する。平歯車1130は第一歯車部1114eに噛み合っており、平歯車1134は第二歯車部1116eに噛み合っている。このため、平歯車1130は回転移動しながら金属棒1128の長手方向を回転軸として回転し、平歯車1134は回転移動しながら金属棒1132の長手方向を回転軸として回転する。これに伴い、金属棒1128、1132が回転し、金属棒1128、1132の回転に伴い回転装飾部1124が回転する。
回転装飾部1124は、モータ1140を駆動することにより三次元空間内で複雑な回転動作をすることができる。
第一に、回転装飾部1124は、回転装飾支持部材1118の回転軸(金属棒1120の回転軸と一致している)の両支持端間(金属棒1128、1132間)の中心を回転中心(以下、「回転装飾部1124の回転中心」という)とすると、当該回転中心を通り前後方向に平行な軸(以下、「前後軸」という)周りに回転することができる。モータ1140を駆動すると、開口部1110aの中心を回転中心(前後方向に見て回転装飾部1124の回転中心と一致している)として前後軸周りに歯車付回転部材1110が回転し、歯車付回転部材1110に固定された第一歯車部材1114および第二歯車部材1116も前後軸周りに回転する。これにより、第一歯車部材1114および第二歯車部材1116の内方に収容されている回転装飾部1124は前後軸周りに回転する。
第二に、回転装飾部1124は、回転装飾部1124の回転中心を通り左右方向に平行な軸(以下、「左右軸」という)周りに回転することができる。金属棒1120の回転軸は前後方向に直交している。そこで、歯車付回転部材1110を前後軸周りに回転させて金属棒1120の回転軸が左右方向に平行になるように調整してから、歯車付回転部材1110を前後軸周りに回転できないように拘束してモータ1140を駆動すると、モータ1140が取り付けられたベース部1102cが前後軸周りに回転して、ベース部1102cの歯車部1102c2が前後軸周りに回転する。歯車部1102c2と噛み合う平歯車1122の回転により金属棒1120が左右軸周りに回転し、金属棒1120に接続された回転装飾支持部材1118が左右軸周りに回転する。これにより、回転装飾部1124は、左右軸周りに回転することができる。
第三に、回転装飾部1124は、回転装飾部1124の回転中心を通り上下方向に平行な軸(以下、「上下軸」という)周りに回転することができる。金属棒1128、1132の延伸方向は、金属棒1120の回転軸に直交している。つまり、回転装飾支持部材1118の回転軸は、金属棒1120の回転軸に直交している。そこで、上述のようにして回転装飾部1124を左右軸周りに回転させている状態で、ベース部1102cを左右軸周りに所定の回転速度で回転させると共に金属棒1128、1132の延伸方向を上下方向に平行になるように調整すれば、回転装飾部1124を上下軸周りに回転させることができる。
このように、回転装飾部1124は、回転装飾部1124の回転中心を原点とする三次元直交座標系において、直交する三つの座標軸の軸周りの回転動作を同時に行うことができる。
歯車付回転部材1110は、前側カバー1102aの内側に配置される。歯車付回転部材1110は、円形の浅型器形状を有し、底面が前方を向くように配置され、底面中央にほぼ円形状の開口部1110aが開口されている。開口部1110aは、前側カバー1102aの開口部1102a1よりも小さく、開口部1102a1と前後方向で重なって配置される。
前側カバー1102aの内方には、歯車付回転部材1110を収容可能な凹部(不図示)が設けられており、歯車付回転部材1110は、当該凹部に配置される。歯車付回転部材1110は、開口部1110aの中心を前後方向に通る仮想直線を回転軸として回転可能に前側カバー1102aに取り付けられる。
歯車付回転部材1110の前側カバー1102aへの取り付けには、4個のローラ1112a~1112dが用いられる。ローラ1112a~1112dは、例えば樹脂材料で成型されて円形状を有し、回転可能に前側カバー1102aの後側の四隅に座金付ネジで取り付けられる。ローラ1112a~1112dの回転軸は、歯車付回転部材1110の回転軸と平行になっている。また、ローラ1112a~1112dは、歯車付回転部材1110の後側縁部と接触し、歯車付回転部材1110が前側カバー1102aから離脱するのを防いでいる。
歯車付回転部材1110の外側面には、同形の歯が同じピッチで刻まれ円周状に配置された歯車部1110bが設けられている。歯車部1110bの歯すじは、歯車付回転部材1110の回転軸に平行である。
また、歯車付回転部材1110の内方には第一歯車部材1114、および第二歯車部材1116が配置されている。
第一歯車部材1114は、例えば透明樹脂材料で一体的に成型されて、固定部1114a、位置決め部1114b、1114c、側面部1114d、および第一歯車部1114eを有している。固定部1114aは、第一歯車部材1114の前側に配置される。位置決め部1114b、1114cは固定部1114aの後側に配置される。側面部1114dは、固定部1114aから後方に延びており、図26での右方に凸な曲面形状を有している。また、側面部1114dには円形の貫通孔(不図示)が設けられており、当該貫通孔を中心とする円弧状に同形の歯が同じピッチで刻まれた第一歯車部1114eが側面部1114dの内側端辺に配置される。第一歯車部1114eは、歯先が側面部1114dの曲面の凸方向と反対を向くように形成されている。また、第一歯車部1114eのピッチ円の中心は当該貫通孔の中心である。また、円弧状の第一歯車部1114eの中心角は約210度である。
第二歯車部材1116は、例えば透明樹脂材料で一体的に成型されて、固定部1116a、位置決め部1116b、1116c、側面部1116d、および第二歯車部1116eを有している。固定部1116aは、第二歯車部材1116の前側に配置される。位置決め部1116b、1116cは固定部1116aの後側に配置される。側面部1116dは、固定部1116aから後方に延びており、図26での左方に凸な曲面形状を有している。また、側面部1116dには円形の貫通孔(不図示)が設けられており、当該貫通孔を中心とする円弧状に同形の歯が同じピッチで刻まれた第二歯車部1116eが側面部1116dの内側端部に配置される。第二歯車部1116eは、歯先が側面部1116dの曲面の凸方向と反対を向くように形成されている。また、第二歯車部1116eのピッチ円の中心は当該貫通孔の中心である。第二歯車部1116eの中心角は約210度である。第二歯車部1116eは、第一歯車部1114eと歯数が一致し、第一歯車部1114eよりもピッチ円半径が長くなっている。
また、第一歯車部材1114と第二歯車部材1116とは、側面部1114dの曲面の凸方向と側面部1116dの曲面の凸方向が反対方向を向くように、言い換えると、第一歯車部1114eの歯先と第二歯車部1116eの歯先が対向するように、互いに対向して配置される。第一歯車部材1114の位置決め部1114bは第二歯車部材1116の位置決め部1116bに対向して配置され、第一歯車部材1114の位置決め部1114cは第二歯車部材1116の位置決め部1116cに対向して配置される。第一歯車部材1114の位置決め部1114bと第二歯車部材1116の位置決め部1116bとは先端部同士が接触し、互いにネジで固定される。同様に、第一歯車部材1114の位置決め部1114cと第二歯車部材1116の位置決め部1116cとは先端部同士が接触し、互いにネジで固定される。
これにより、第一歯車部材1114と第二歯車部材1116との相対位置が決定される。また、第一歯車部材1114の側面部1114dと第二歯車部材1116の側面部1114dとで囲まれるようにしてほぼ半球体状の内部空間1115(図27参照)が形成される。内部空間1115は前面部が開口されており、内部空間1115の開口端の輪郭形状は、固定部1114aおよび固定部1116aの内側端辺の形状により画定され、歯車付回転部材1110の開口部1110aの形状と同じになる。
互いに取り付けられた第一歯車部材1114と第二歯車部材1116とは、固定部1114aの前面と第二歯車部材1116の固定部1116aの前面とが前後方向に直交する同一平面内に配置される。固定部1114aおよび固定部1116aは、内部空間1115の開口端と歯車付回転部材1110の開口部1110aとが一致するように、歯車付回転部材1110にネジで固定される。第一歯車部材1114および第二歯車部材1116は、歯車付回転部材1110と一体的に回転するようになっている。また、第一歯車部1114eと第二歯車部1116eとは、内部空間1115の開口端から後方に歯が並ぶように配置される。第一歯車部1114eと第二歯車部1116eとは、所定の間隙を設けて、同心円弧状に配置され、当該円弧の中心角が約210度である。
第一歯車部材1114と第二歯車部材1116との間の内部空間1115には、回転装飾支持部材1118が配置されている。回転装飾支持部材1118は、透明樹脂材料で成型されて環状形状を備えた一対の基部1118aとカバー部1118bとを有している。基部1118aの前側にカバー部1118bがネジで固定される。
また、基部1118aには、外側端辺から外方に延びた円柱状の取付部1118a1が設けられている。取付部1118a1は、第二歯車部材1116の側面部1116dに設けられた上述の円形の貫通孔に嵌め込まれている。取付部1118a1の長手方向に延びる仮想直線は、環状の基部1118aの中心を通る。
また、第一歯車部材1114の側面部1114dに設けられた上述の円形の貫通孔を金属棒1120が貫通しており、金属棒1120の一端は、側面部1114dから内部空間1115の外方に露出している。内部空間1115から露出した金属棒1120の一端には平歯車1122が固定されている。平歯車1122の回転軸は、金属棒1120の長手方向に延びる仮想直線となる。
また、金属棒1120の他端は、内部空間1115に配置されて、回転装飾支持部材1118の基部1118aに固定されている。金属棒1120は取付部1118a1の反対側に固定されており、金属棒1120の長手方向に延びる仮想直線は、環状の基部1118aの中心を通り、取付部1118a1の長手方向に延びる仮想直線と一致する。回転装飾支持部材1118は、取付部1118a1および金属棒1120で支えられ、平歯車1122の回転に連動し、金属棒1120の長手方向に延びる仮想直線回りに回転可能になっている。
また、回転装飾支持部材1118の内側には、例えば透明樹脂材料で半球体形状に成型された回転装飾部1124が配置される。回転装飾部1124は、前部が曲面になり、後部が平面になっている。回転装飾部1124の前部および後部には所定の装飾が施されている。また、回転装飾部1124の後端部には、例えば透明樹脂材料で回転装飾部1124とほぼ同径の環状に成型された枠部材1126がネジで固定される。
回転装飾支持部材1118の基部1118aには二つの貫通孔(不図示)が設けられている。基部1118aの一方の円形の貫通孔(不図示)には、金属棒1128が配置されている。金属棒1128の長手方向に延びる仮想直線は、金属棒1120の長手方向に延びる仮想直線と直交する。金属棒1128の一端は、回転装飾支持部材1118の外方に露出しており、平歯車1130が固定される。平歯車1130の回転軸は、金属棒1128の長手方向に延びる仮想直線となる。また、金属棒1128の他端は、回転装飾支持部材1118の内方に配置され、回転装飾部1124が固定されている。金属棒1128の長手方向に延びる平歯車1130から回転装飾部1124の中央までの線分の長さは、第一歯車部1114eのピッチ円半径とほぼ等しい。このため、平歯車1130は、第一歯車部材1114の第一歯車部1114eに噛み合わせ可能である。言い換えると、平歯車1130の移動軌跡に沿って第一歯車部1114eが形成されている。
また、基部1118aの他方の円形の貫通孔(不図示)には、金属棒1132が配置されている。金属棒1132の長手方向に延びる仮想直線は、金属棒1128の長手方向に延びる仮想直線と一致し、金属棒1120の長手方向に延びる仮想直線と直交している。金属棒1132の一端は、回転装飾支持部材1118の外方に露出しており、平歯車1134が固定される。平歯車1134の回転軸は、金属棒1132の長手方向に延びる仮想直線となる。また、金属棒1132の他端は、回転装飾支持部材1118の内方に配置され、回転装飾部1124が固定されている。金属棒1132の長手方向に延びる平歯車1134から回転装飾部1124の中央までの線分の長さは、第二歯車部1116eのピッチ円半径とほぼ等しい。このため、平歯車1134は、第二歯車部材1116の第二歯車部1116eに噛み合わせ可能である。言い換えると、平歯車1134の移動軌跡に沿って第二歯車部1116eが形成されている。
回転装飾部1124は、金属棒1128、1132により支えられて、金属棒1128、1132の長手方向に延びる仮想直線回りに回転可能になっている。また、平歯車1130と平歯車1134は、同じピッチ半径、同じ形状、および同じ歯数を有している。
また、第一歯車部材1114の後側には、例えば黒色樹脂材料で成型された遮光片1136がネジで固定されている。遮光片1136は、後述する上部フォトセンサ1144および下部フォトセンサ1146により検知可能になっている。
また、回転可動部1102bの最後方にはレンズ部材1138が配置される。レンズ部材1138は、中央に円形の凸レンズが配置されており、第一歯車部材1114および第二歯車部材1116の後側にネジで固定される。
回転可動部1102bの後方には、ベース部1102cが配置される。回転可動部1102bは前側カバー1102aに取り付けられており、前側カバー1102aはベース部1102cにネジで固定される。これにより、前側カバー1102aとベース部1102cとで囲まれる空間内に回転可動部1102bが収容される。
ベース部1102cは、例えば樹脂材料で成型され、前側カバー1102aに合う輪郭形状を有している。ベース部1102cの中央には、円形の開口部1102c1が設けられている。開口部1102c1内に、第一歯車部材1114および第二歯車部材1116が収容される。
また、ベース部1102cの前面には、同形で同じピッチで刻まれた歯が円周状に並んで歯先が前方を向くように形成された歯車部1102c2が設けられている。歯車部1102c2と開口部1102c1とは同心円状に配置される。歯車部1102c2のピッチ円半径は、金属棒1120の長手方向に延びた、回転装飾部1124の中央から平歯車1122までの仮想線分の長さと等しくなっており、平歯車1122と歯車部1102c2とが噛み合わされる。
また、ベース部1102cの左側上端には、例えば黒色樹脂材料等の光不透過材料で形成された遮光片1102c3が設けられている。遮光片1102c3は、後述する上部フォトセンサ1176および下部フォトセンサ1178で検知可能になっている。なお、ベース部1102cは全体が黒色樹脂材料等で一体的に形成されていてもよい。
次に、回転駆動部1102dについて説明する。回転駆動部1102dは、回転可動部1102bの回転装飾部1124を回転駆動するために用いられる。回転駆動部1102dは、モータ1140、平歯車1142、上部フォトセンサ1144、および下部フォトセンサ1146を有している。
モータ1140は、回転装飾部1124の回転駆動を実行するための駆動源である。本実施の形態では、モータ1140にはステッピングモータが用いられる。モータ1140の回転軸は前後方向に延びており、ベース部1102cには、モータ1140の回転軸を通す貫通孔が形成されている。モータ1140は、回転軸が当該貫通孔を通るようにベース部1102cの後側にネジで固定される。また、モータ1140の回転軸には、前側カバー1102aとベース部1102cとの間に配置される平歯車1142が固定される。平歯車1142は、歯車付回転部材1110の歯車部1110bに噛み合わされている。
モータ1140が駆動して平歯車1142が回転すると、平歯車1142に噛み合わされている歯車部1110bを備えた歯車付回転部材1110が回転し、歯車付回転部材1110に固定されている第一歯車部材1114および第二歯車部材1116も回転する。第一歯車部材1114が回転すると、金属棒1120の一端に固定された平歯車1122がベース部1102cの歯車部1102c2に沿って回転移動する。平歯車1122は歯車部1102c2と噛み合っているので、平歯車1122は、歯車部1102c2に沿って回転移動しながら金属棒1120の長手方向を回転軸として回転する。これにより、平歯車1122の一端が固定された金属棒1120が回転し、金属棒1120の他端が固定された回転装飾支持部材1118が回転する。これにより、平歯車1130が第一歯車部1114eに沿って回転移動し、平歯車1134が第二歯車部1116eに沿って回転移動する。平歯車1130が内部空間1115の開口端から露出して第一歯車部1114eに噛み合っていない場合には、平歯車1134が第二歯車部1116eに噛み合う。また、平歯車1134が内部空間1115の開口端から露出して第二歯車部1116eに噛み合っていない場合には、平歯車1130が第一歯車部1114eに噛み合う。平歯車1130は、第一歯車部1114eに沿って回転移動しながら、金属棒1128の長手方向を回転軸として回転する。同様に、平歯車1134は、第二歯車部1116eに沿って回転移動しながら、金属棒1132の長手方向を回転軸として回転する。平歯車1130の回転により金属棒1128が回転し、平歯車1134の回転により金属棒1132が回転する。金属棒1128および金属棒1132の他端には回転装飾部1124が固定されており、金属棒1128および金属棒1132の回転に連動して回転装飾部1124が回転する。
また、ベース部1102cの後方上部には上部フォトセンサ1144がネジで固定され、ベース部1102cの後方下部には下部フォトセンサ1146がネジで固定されている。上部フォトセンサ1144および下部フォトセンサ1146は、回転装飾部1124が前面側(曲面側)を前方に向けているか、または後面側(平面側)を前方に向けているのかを検出するために用いられる。上部フォトセンサ1144および下部フォトセンサ1146は、図4に示す各種可動体センサ430に含まれており、図4に示すセンサ回路428に接続されている。
上部フォトセンサ1144および下部フォトセンサ1146は、空間部を挟んで前後方向に対向するように配置された発光部と受光部とを有している。上部フォトセンサ1144および下部フォトセンサ1146の発光部および受光部は開口部1102c1内に露出して配置される。
回転装飾部1124が前面側を前方に向けて停止している場合には、遮光片1136が上部フォトセンサ1144の受光部と発光部の間に進入し、回転装飾部1124が後面側を後方に向けている場合には、遮光片1136が下部フォトセンサ1146の受光部と発光部の間に進入する。本実施形態では、上部フォトセンサ1144および下部フォトセンサ1146で回転装飾部1124の向きを検出する。第1副制御部400は、上部フォトセンサ1144が遮光片1136を検知したときは回転装飾部1124が前面側を前方に向けていると判定し、下部フォトセンサ1146が遮光片1136を検知した場合は回転装飾部1124が後面側を前方に向けていると判定する。
また、ベース部1102cの後側には、基板1148がネジで固定されている。基板1148には、複数のLEDが実装されており、当該複数のLEDは開口部1102c1の中心部と前後方向で重なるように配置される。上部後可動体1102は、当該複数のLEDを用いて、回転可動部1102b、特に、回転装飾部1124が発光可能になっている。基板1148のLEDは、図4に示す遊技盤用ランプ532に含まれており、遊技盤用ランプ駆動回路530により駆動される。
また、基板1148には、モータ1140、上部フォトセンサ1144および下部フォトセンサ1146が不図示の配線により接続されている。また、基板1148は、図22に示し後述する基板852にフレキシブル基板1150により接続され、基板852は図22に示し後述する基板1180に不図示の配線により接続されている。モータ1140は基板1148、852、1180を介して図4に示す駆動回路516に接続され、基板1148のLEDは基板852、1180を介して図4に示す遊技盤用ランプ駆動回路530に接続され、上部フォトセンサ1144および下部フォトセンサ1146は基板1148、852、1180を介して図4に示すセンサ回路428に接続される。これにより、上部後飾り役物1100と第1副制御部400や第2副制御部500とを接続する配線を集約することができる。
次に、図26および図22を用いて、上下駆動部1104について説明する。上下駆動部1104は、上部後可動体1102を上下に移動動作させるために用いられる。上下駆動部1104は、図22に示すように、モータ1152、平歯車1154、外レール1170、引っ張りコイルばね1174、上部フォトセンサ1176、および下部フォトセンサ1178を有し、図26に示すように、クランク機構1155を有している。
まず、図22を用いて上下駆動部1104の駆動源について説明する。上下駆動部1104は、上部後可動体1102の移動動作を実行するための駆動源としてモータ1152を有している。本実施の形態では、モータ1152にはステッピングモータが用いられる。モータ1152の回転軸は前後方向に延びており、上部役物ベース部850の左側基部850cには、モータ1152の回転軸を通す貫通孔が形成されている。モータ1152は、回転軸が当該貫通孔を通るように左側基部の前面側にネジで固定される。また、モータ1152の回転軸には、左側基部850cの後側に配置される平歯車1154が固定される。
次に、図26を用いて、クランク機構1155について説明する。クランク機構1155は、平歯車1154を介して伝達されたモータ1152の回転運動を直線運動に変換して上部後可動体1102に伝達するために用いられる。図26に示すように、クランク機構1155は、平歯車1156、クランク1158、金属棒1160、すべり軸受1162、およびねじりコイルばね1168を有している。なお、図26では図22と比較して、上部役物ベース部850が簡略化して図示されている。
平歯車1156は、左側基部850cの後側であって、平歯車1154の右側に回転可能に取り付けられており、平歯車1154と噛み合わされている。平歯車1156の後方にはクランク1158が配置される。クランク1158は、例えば樹脂材料で成型されており、左端には円形の貫通孔が設けられている。当該貫通孔には前後方向に延びた円柱状の金属棒1160が配置され、金属棒1160の前端は左側基部850cに固定され、金属棒1160の後端は図22に示す配線固定部854に固定される。配線固定部854は、後述する基板852と基板1180とを接続する配線(不図示)を固定して、当該配線が平歯車1154やクランク機構1155に絡まらないようにするために用いられる。
クランク1158は、金属棒1160を回転軸として上下方向に直交する平面内を所定角度の範囲で回転可能になっている。また、クランク1158には、長円形状の案内孔部1158aと、長円形状の長孔部1158bとが左方からこの順に設けられている。
平歯車1156の後面外端部には、後方に突出する円柱形状の被案内軸(不図示)が設けられており、当該被案内軸は、クランク1158の案内孔部1158a内を移動可能になっている。クランク1158は、平歯車1156の被案内軸を介してモータ1152の回転運動が伝達されて、回転可能になっている。また、当該被案内軸には、すべり軸受1162が嵌め込まれて後側からネジで取り付けられている。すべり軸受1162は、平歯車1156の被案内軸が案内孔部1158a内を滑らかに移動できるように用いられている。すべり軸受1162は、例えば樹脂材料で成型されて案内孔部1158aの幅よりも底面の直径が短い円筒形状を有し、後端に円形のフランジが設けられている。すべり軸受1162のフランジの直径は案内孔部1158aの幅より大きく、すべり軸受1162が案内孔部1158a内に嵌り込まないようになっている。
また、上部役物ベース部850の中央基部850bの左端には、上下方向に延びた長円形状の左側案内孔部850b1が設けられている。また、上部後可動体1102のベース部1102cの後面の左上端には、当該後面から後方に延びた円柱状の左側被案内軸部1102c4が設けられている。上部後可動体1102のベース部1102cは、左側被案内軸部1102c4が左側案内孔部850b1内を移動可能なように、中央基部850bに取り付けられる。また、左側被案内軸部1102c4の後端部は、左側案内孔部850b1の後方に露出してクランク1158の長孔部1158b内まで到達し、長孔部1158b内を移動可能になっている。
また、左側被案内軸部1102c4には、左側すべり軸受部1164が嵌め込まれている。左側すべり軸受部1164は、前部すべり軸受1164aと後部すべり軸受1164bとを有している。前部すべり軸受1164aは、左側被案内軸部1102c4の左側案内孔部850b1内の移動を滑らかにするために用いられる。前部すべり軸受1164aは、左側被案内軸部1102c4の前部に嵌め込まれている。前部すべり軸受1164aは、例えば樹脂材料で成型されて左側案内孔部850b1の幅よりも底面の直径が短い円筒形状を有し、前端に円形のフランジが設けられている。フランジの直径は左側案内孔部850b1の幅より大きく、前部すべり軸受1164aが左側案内孔部850b1内に嵌り込まないようになっている。
後部すべり軸受1164bは、左側被案内軸部1102c4のクランク1158の長孔部1158b内の移動を滑らかにするために用いられる。後部すべり軸受1164aは、左側被案内軸部1102c4の後部に嵌め込まれている。後部すべり軸受1164bは、前部すべり軸受1164aと同様に、例えば樹脂材料で成型されて長孔部1158bの幅よりも底面の直径が短い円筒形状を有し、後端に円形のフランジが設けられている。フランジの直径は長孔部1158bの幅より大きく、後部すべり軸受1164bが長孔部1158bに嵌り込まないようになっている。左側すべり軸受部1164は、後部すべり軸受1164b側から座金付ネジで左側被案内軸部1102c4に取り付けられている。
また、上部役物ベース部850の中央基部850bの右端には前後方向に延びた右側案内孔部850b2が設けられている。右側案内孔部850b2は、左側案内孔部850b1と平行に同じ長さに形成される。
上部後可動体1102のベース部1102cの後面の右上端には、当該後面から後方に延びた円柱状の右側被案内軸部1102c5が設けられている。上部後可動体1102のベース部1102cは、右側被案内軸部1102c5が右側案内孔部850b2内を移動可能なように、中央基部850bに取り付けられる。
また、右側被案内軸部1102c5には、右側すべり軸受部1166が嵌め込まれている。右側すべり軸受部1166は、右側被案内軸部1102c5の右側案内孔部850b2内の移動を滑らかにするために用いられる。右側すべり軸受部1166は、前部すべり軸受1166aと後部すべり軸受1166bとを有している。前部すべり軸受1166aは右側案内孔部850b2の前側に配置され、後部すべり軸受1166bは右側案内孔部850b2に後側に配置される。
前部すべり軸受1166aは、右側被案内軸部1102c5の前部に嵌め込まれている。前部すべり軸受1166aは、例えば樹脂材料で成型されて右側案内孔部850b2の幅よりも底面の直径が短い円筒形状を有し、前端に円形のフランジが設けられている。フランジの直径は右側案内孔部850b2の幅より大きく、前部すべり軸受1166aが右側案内孔部850b2内に嵌り込まないようになっている。
後部すべり軸受1166bは、右側被案内軸部1102c5の後部に嵌め込まれている。後部すべり軸受1166bは、例えば樹脂材料で成型されて右側案内孔部850b2の幅よりも底面の径が短い円筒形状を有し、後端に円形のフランジが設けられている。フランジの直径は右側案内孔部850b2の幅より大きく、前部すべり軸受1166aが右側案内孔部850b2内に嵌り込まないようになっている。
モータ1152の回転運動は、平歯車1154を介してクランク機構1155に伝達される。クランク機構1155の平歯車1156は、平歯車1154に噛み合わされており、平歯車1154に連動して回転する。クランク1158には、平歯車1156の後面外端部から後方に突出する円柱形状の被案内軸を介して平歯車1156の回転運動が伝達される。また、クランク1158の回転運動が長孔部1158bを介してベース部1102cの左側被案内軸部1102c4に伝達される。左側被案内軸部1102c4は、左側案内孔部850b1に案内されて上下方向に直線運動する。この際、クランク1158の回転中心と、左側被案内軸部1102c4との距離が変化するが、長孔部1158bが左側被案内軸部1102c4の逃げ孔となり、左側被案内軸部1102c4はクランク1158の回転中心との距離の変化分だけ長孔部1158b内を移動する。これにより、左側被案内軸部1102c4の上下方向への移動が可能である。
上部後可動体1102のベース部1102cは、右側被案内軸部1102c5が右側案内孔部850b2で案内されて上下方向に移動可能になっている。上部後可動体1102は、左側案内孔部850b1および右側案内孔部850b2で案内されて、安定した上下移動が可能である。
また、クランク1158の後側には、ねじりコイルバネ1168が配置される。ねじりコイルバネ1168のコイル中心を金属棒1160が通っている。ねじりコイルバネ1168の一端は左側基部850cの後面に固定され、他端はクランク1158の後面に固定される。クランク1158は、上部後可動体1102が下方に移動する場合に右回転し、上部後可動体1102が上方に移動する場合に左回転する。ねじりコイルバネ1168にはクランク1158が初期位置から右回転する場合にバネを巻き込む方向に力が作用するようになっており、ねじりコイルバネ1168は、クランク1158が左回転する場合にクランク1158に左回りのトルクを付与し、上部後可動体1102を上方に移動動作させるモータ1152の動力を補助している。
また、図22に示すように、中央基部850bの左側案内孔部850b1の右隣には、上下方向に延びた金属性の外レール1170がネジで固定される。外レール1170は、左側案内孔部850b1および右側案内孔部850b2に平行に延びている。また、図26に示すように、上部後可動体1102のベース部1102cの後面には、上下方向に延びた金属製の内レール1172がネジで固定される。内レール1172は、外レール1170に沿って移動可能に外レール1170の内側に取り付けられる。外レール1170と内レール1172のレール接面部には、レール同士の摩擦を低減し内レール1172が滑らかにスライドできるように複数のスチールボール(不図示)が配置されている。外レール1170および内レール1172は、上部後可動体1102を上下方向により安定的に案内するために用いられる。
また、図22に示すように、引っ張りコイルばね1174は、上下方向に伸縮可能なように、上端が中央基部850bの上方に固定され、下端が上部後可動体1102のベース部1102cの後側に固定される。引っ張りコイルばね1174は、上部後可動体1102が最上方の位置(初期位置)に位置する場合に自然長となり、上部後可動体1102が初期位置よりも下方の位置に位置する場合に自然長より伸びた状態になる。引っ張りコイルばね1174は、復元力を利用して、上部後可動体1102が初期位置へ復帰するためのモータ1152の動力を補助している。
また、図22に示すように、左側基部850cには、上部フォトセンサ1176および下部フォトセンサ1178がネジで固定される。上部フォトセンサ1176および下部フォトセンサ1178は、上部後可動体1102の位置を検出するために用いられる。上部フォトセンサ1176および下部フォトセンサ1178は、図4に示す各種可動体センサ430に含まれており、図4に示すセンサ回路428に接続されている。
上部フォトセンサ1176は、空間部を挟んで前後方向に対向するように配置された発光部と受光部とを有している。また、図26に示すように、上部後可動体1102のベース部1102cには、光不透過部材で形成された遮光片1102c3が設けられている。上部後可動体1102が最上方の位置(初期位置)に位置する場合には、遮光片1102c3が上部フォトセンサ1176受光部と発光部の間に進入する。
同様に、下部フォトセンサ1178は、空間部を挟んで前後方向に対向するように配置された発光部と受光部とを有している。また、図26に示すように、クランク機構1155のクランク1158には、光不透過部材で形成された遮光片1158cが設けられている。上部後可動体1102が最下方の位置に位置する場合には、遮光片1158cが下部フォトセンサ1178受光部と発光部の間に進入する。
本実施形態では、上部フォトセンサ1176および下部フォトセンサ1178で上部後可動体1102の位置を検出する。第1副制御部400は、上部フォトセンサ1176が遮光片1102c3を検知したときは上部後可動体1102が初期位置に位置していると判定し、下部フォトセンサ1178が遮光片1158c3を検知した場合は上部後可動体1102が最下方の位置に位置していると判定する。
また、図22に示すように、左側基部850cには、基板1180がネジで固定されている。モータ1152、上部フォトセンサ1176、および下部フォトセンサ1178は、不図示の配線により基板1180に接続される。モータ1152は基板1180を介して図4に示す駆動回路516に接続され、上部フォトセンサ1176および下部フォトセンサ1178は基板1180を介して図4に示すセンサ回路428に接続される。これにより、上部後飾り役物1100と第1副制御部400や第2副制御部500とを接続する配線を集約することができる。
次に、図27を用いて、上部後可動体1102の回転可動部1102bの動作について説明する。図27は、上部後可動体1102を前方右上から後方左下に見た状態を示している。図27では、前側カバー1102aをベース部1102cから取り外し、歯車付回転部材1110を前側カバー1102aおよび第一歯車部材1114、第二歯車部材1116から取り外して図示している。また、回転装飾支持部材1118、回転装飾部1124、枠部材1126、金属棒1128、および平歯車1130を不図示としている。
上述のとおり、回転可動部1102bの駆動にはモータ1140が用いられる。モータ1140が駆動し、モータの回転軸が例えば前方から見て右回りに回転すると、モータ1140の回転軸に固定されている平歯車1142が右回りに回転し、平歯車1142に噛み合わされている歯車部1110bを備える歯車付回転部材1110が左回りに回転する。歯車付回転部材1110には、第一歯車部材1114および第二歯車部材1116が固定されているので、第一歯車部材1114および第二歯車部材1116も左回りに回転する。また、第一歯車部材1114の側面部1114dの貫通孔に配置される金属棒1120の一端には平歯車1122が固定されており、第一歯車部材1114の回転に伴い平歯車1122がベース部1102cの歯車部1102c2に沿って回転移動する。平歯車1122は歯車部1102c2に噛み合わされており、平歯車1122は、歯車部1102c2に沿って回転移動しながら、金属棒1120の長手方向を回転軸として回転する。また、金属棒1120の他端には回転装飾支持部材1118が固定されている。回転装飾支持部材1118は回転装飾部1124とともに、金属棒1120の長手方向を通る仮想直線周りに回転する。
モータ1140駆動時には、平歯車1130または平歯車1134の少なくともいずれか一方が第一歯車部1114eまたは第二歯車部1116eに噛み合う。例えば、平歯車1130が第一歯車部材1114および第二歯車部材1116に囲まれて形成された内部空間1115から開口部1102a1、1110a側に露出している場合には、平歯車1134が第二歯車部1116eに噛み合う。図27では、平歯車1134が第二歯車部1116eに噛み合っている状態を示している。
平歯車1134は、金属棒1132の一端に固定されており、回転装飾支持部材1118の回転に伴い、第二歯車部1116eに沿って回転移動する。平歯車1134は、第二歯車部1116eに噛み合わされており、平歯車1134は、第二歯車部1116eに沿って回転移動しながら、金属棒1132の長手方向を回転軸として回転する。また、金属棒1132の他端には、回転装飾部1124が固定されている。回転装飾部1124は、金属棒1132の長手方向を通る仮想直線周りに回転する。
また、平歯車1134が第一歯車部材1114および第二歯車部材1116に囲まれて形成された内部空間1115から開口端を介して開口部1102a1、1110a側に露出している場合には、平歯車1130が第一歯車部1114eに噛み合う。平歯車1130は、金属棒1128の一端に固定されており、回転装飾支持部材1118の回転に伴い、第一歯車部1114eに沿って回転移動する。平歯車1130は、第一歯車部1114eに噛み合わされており、平歯車1130は、第一歯車部1114eに沿って回転移動しながら、金属棒1128の長手方向を回転軸として回転する。また、金属棒1128の他端には、回転装飾部1124が固定されている。回転装飾部1124は、金属棒1128の長手方向を通る仮想直線周りに回転する。
回転装飾部1124の前面側および後面側には所定の装飾が施されている。回転可動部1102bは回転装飾部1124を回転させて遊技者に回転装飾部1124の前面側または後面側を見せるようにして遊技を演出する。回転装飾部1124は回転装飾支持部材1118に取り付けられているので、回転装飾支持部材1118の回転に伴い回転する。回転装飾部1124は、回転装飾支持部材1118の回転に伴い、金属棒1120の長手方向に延びた仮想直線を回転軸として回転する。
また、回転装飾部1124は、金属棒1128、1132に固定されている。平歯車1130、1134の回転により金属棒1128、1132が回転し、回転装飾部1124も金属棒1128、1132の長手方向に延びた仮想直線を回転軸として回転する。
このように、回転装飾部1124には、モータ1140の駆動により、異なる回転軸による三つの回転運動が与えられる。回転可動部1102bは、三つの回転運動により回転装飾部1124を遊技者に注目させることができる場合がある。
上部後可動体1102は、図21に示す上部前可動体1002のベース部1002bの右側基部1002b3と左側基部1002b4の間に配置される。上部前可動体1002のレンズ可動体1002aが最後方の位置に位置している場合に、回転可動部1102bが回転すると、開口部1102a1から前方に露出した平歯車1130または平歯車1134が上部前可動体1002のレンズ1018に接触してしまう。このため、回転可動部1102bは、レンズ可動体1002aが最前方の位置に位置する場合に、回転可能である。
次に、図28を用いて、上部後可動体1102の動作について説明する。図28は、上部後飾り役物1100を前方側から見た外観図である。上部後可動体1102は、上下駆動部1104により駆動されて上下方向への移動動作が可能である。
図28(a)は、上部後可動体1102が初期位置(上部位置)に位置している状態を示している。上部後可動体1102の初期位置は、上部後可動体1102の移動範囲のうち最上方となる位置である。
図28(b)は、上部後可動体1102が最上方の位置と最下方の位置との間の中間位置に移動した状態を示している。上部後可動体1102が下方に移動する場合には、モータ1152の回転軸が前方側から見て左回りに回転する。これにより、モータ1152の回転軸に固定されている平歯車1154が左回りに回転し、平歯車1154に噛み合わされているクランク機構1155の平歯車1156が右回りに回転する。平歯車1156の回転に連動してクランク1158が右回りに回転する。上部後可動体1102には、モータ1152の回転運動がクランク1158を介して直線運動に変換されて伝達される。上部後可動体1102は、左側案内孔部850b1、右側案内孔部850b2、外レール1170および内レール1172に案内されて下方に直線運動する。
図28(c)は、上部後可動体1102が最下方の位置に移動した状態を示している。左側案内孔部850b1、右側案内孔部850b2、および外レール1170がメカエンドとして機能し、上部後可動体1102が停止している。
また、当然に、上部後可動体1102は、図28(c)に示す最下方の位置から図28(a)に示す最上方の位置(初期位置)に向かって上方に移動可能である。上部後可動体1102が上方へ移動する場合には、モータ1152の回転軸および平歯車1154が前方側から見て右回りに回転し、クランク機構1155の平歯車1156が左回りに回転し、平歯車1156の回転に連動してクランク1158が左回りに回転する。上部後可動体1102には、モータ1152の回転運動がクランク1158を介して直線運動に変換されて伝達され、上部後可動体1102は、左側案内孔部850b1、右側案内孔部850b2、外レール1170および内レール1172に案内されて上方に直線運動する。なお、左側案内孔部850b1、右側案内孔部850b2、および外レール1170がメカエンドとして機能し、上部後可動体1102が初期位置で停止する。
上部後可動体1102は、図21に示す上部前可動体1002のベース部1002bの右側基部1002b3と左側基部1002b4の間に配置される。このため、上部後可動体1102が単独で移動すると上部前可動体1002の下側装飾部1016に接触してしまう。これを避けるために、上部後可動体1102は、上部前可動体1002と伴に下方に移動可能であり、また、上部前可動体1002が初期位置より下方に位置している場合に下方に移動可能である。なお、上部後可動体1102は、上部前可動体1002と接触することがない位置に配置されていてもよい。上部後可動体1102は、上部前可動体1002が初期位置に位置する場合に最下方に移動可能であってもよい。上部前可動体1102と上部後可動体1102とは単独動作可能であってもよい。
また、上部後可動体1102の上下方向の移動範囲は、図24に示す上部前可動体1002の上下方向の移動範囲と同じである。上部後可動体1102が図28(a)に示す初期位置に位置し、上部前可動体1002が図24(a)に示す初期位置に位置している場合、上部前可動体1002の後方に上部後可動体1102が位置し、上部前可動体1002と上部後可動体1102とは前後方向で重なる。また、上部後可動体1102が図28(c)に示す最下方の位置に位置し、上部前可動体1002が図24(c)に示す最下方の位置に位置している場合、上部前可動体1002の後方に上部後可動体1102が位置し、上部前可動体1002と上部後可動体1102とは前後方向で重なる。
上部前可動体1002と上部後可動体1102とが前後方向で重なる場合、上部前可動体1002のレンズ1018を介して、上部後可動体1102の回転装飾部1124が視認される。レンズ1018には凸レンズが用いられており、レンズ1018と回転装飾部1124との距離はレンズ1018の焦点距離より近いので、レンズ1018を介して回転装飾部1124の正立虚像を遊技者が観察可能である。
また、レンズ可動体1002aは前後方向に移動可能である。レンズ可動体1002aは、前後方向に移動することで遊技者に観察される回転装飾部1124の正立虚像の大きさを異ならせることができる。
上部後可動体1102は前後方向に移動可能であってもよい。
また、本実施の形態では、モータ1140、1152にステッピングモータを用いたがこれに限られない。例えば、DCブラシモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ、超音波モータ、サーボモータ等の様々なモータが使用可能である。
また、本実施の形態では、回転可動部1102bおよび上部後可動体1102の駆動源にモータを用いたがこれに限られない。例えば、回転可動部1102bおよび上部後可動体1102の駆動源としてソレノイド等の各種アクチュエータが用いられていてもよい。
また、引っ張りコイルばね1174に代えて、渦巻きバネ、板バネ、ゴム等の弾性部材が用いられていてもよい。
また、上部後可動体1102は、装飾図柄表示装置208よりも小さいサブ表示装置を備えていてもよい。サブ表示装置には、液晶表示装置、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを用いることができる。また、サブ表示装置は、第1副制御部400により制御されてもよいし、第2副制御部500により制御されてもよいし、第1副制御部400および第2副制御部500とは別に表示制御部を設けて当該表示制御部により制御されてもよい。
また、上部後可動体1102の後方にロゴ可動体902が配置されていてもよい。この場合、上部後可動体1102は後方に移動可能であってもよい。
また、上部後可動体1102は初期位置から上方に移動可能であってもよい。
次に、本発明の一実施の形態によるぱちんこ機100の上部右サイド役物1200、上部左サイド役物1300、下部右サイド役物1400、および下部左サイド役物1500について図29乃至図36を用いて説明する。
上部右サイド役物1200、上部左サイド役物1300、下部右サイド役物1400、および下部左サイド役物1500は、特図変動遊技の演出や普図変動遊技の演出、あるいは大当り遊技の演出やデモ演出等で用いられる。例えば、リーチ演出、特図1小当り演出、特図2小当り演出、普図当選演出、先読み予告演出、2Rの大当り遊技演出、15R特別大当り遊技演出、およびチャンスボタン136の操作や設定操作部137の操作に関連した演出等のその他の様々な演出に用いられる。また、上部左サイド役物1300は、上部右サイド役物1200と左右対称の構造である。このため、上部左サイド役物1300の説明は、上部右サイド役物1200の説明において、「右」を「左」と読み替えることで説明できる。また、下部左サイド役物1500も、下部右サイド役物1400と左右対称の構造である。このため、下部右サイド役物1400の説明において、「右」を「左」と読み替えることで下部左サイド役物1500の説明できる。したがって、上部左サイド役物1300および下部左サイド役物1500の説明は以下において省略する。
本実施例の上部右サイド役物1200の可動体(以下、「上部右サイド可動体」または「可動体」と称する場合がある。)1201は、遊技盤200に平行な面内において、右上方向から左下方向への動作(以下、単に「移動動作」と表す場合がある。)が可能である。また、上部右サイド可動体1201の一部(可動装飾部1203)は、上部右サイド可動体1201の右上方向から左下方向への動作に連動して、遊技盤200の盤面と平行な面内で回転すること(以下、単に「回転動作」と表す場合がある。)も可能である。
本実施例の下部右サイド役物1400の可動体(以下、「下部右サイド可動体」または「可動体」と称する場合がある。)1401は、上下方向の動作が可能である。また、下部右サイド可動体1401に含まれる可動体(以下、「可動体前部」と称する場合がある)1403は、可動体1401の上下方向の動作に連動して、可動体1403の体勢を変化することも可能である。また、下部右サイド可動体1401に含まれる可動体(以下、「可動体中部」と称する場合がある。)1425は、可動体中部1425の一部が開く動作(外装飾部1425a(装飾部1425a1~1425a6)が放射線状に移動する動作)と回転する動作(外装飾部1425a(装飾部1425a1~1425a6)の回転動作および内装飾部1425bと中装飾部1425cの回転動作)を実行することも可能である。
また、上部右サイド役物1200は、他の可動体の動作に連動して動作する場合もあり、または、他の可動体の動作とは無関係に独立して動作する場合もある。また、下部右サイド役物1400は、他の可動体の動作に連動して動作する場合もあり、または、他の可動体の動作とは無関係に独立して動作する場合もある。
図29および図30は、本実施の形態によるぱちんこ機100の可動体1201および可動体1401の実施例であって、可動体1201を含む上部右サイド役物1200および可動体1401を含む下部右サイド役物1400の構成を示す分解斜視図である。また、図29は、上部右サイド役物1200および下部右サイド役物1400の前部分の分解斜視図であり、図30は下部右サイド役物1400の後側部分の分解斜視図である。また、図29および図30は、上部右サイド役物1200および下部右サイド役物1400を前方右上から後方左下に見た状態を示している。
図29を用いて、上部右サイド役物1200の構造を説明する。上部右サイド役物1200は、主に、上部右サイド可動体1201と上部右サイド可動体1201を可動させるための上部右サイド可動体支援部1250を有している。上部右サイド可動体1201は、主に、回転動作が実行可能な可動装飾部1203と、装飾部1205と、可動装飾部1203の回転動作を実行するための動力伝達機構1211と、可動装飾部1203の体勢を保持するための体勢保持部1213と、上部右サイド可動体1201と上部右サイド可動体支援部1250を連結させる連結部1215を有している。
上部右サイド可動体1201の可動装飾部(または、「可動体」と称する場合がある。)1203の飾り(または「可動体」と称する場合がある。)1203aは、回転動作が実行可能である。飾り1203aの後壁面の略中央端部には、シャフト1211dを固定するための略円筒状のシャフト固定部が設けられている。このため、シャフト1211dがシャフト固定部に固定され、シャフト1211dが回転することで、飾り1203aの回転動作が実行される。また、可動装飾部1203の飾り(または「可動体」と称する場合がある。)1203bの略中央端部には、飾り1203aのシャフト固定部を貫通させる貫通孔が設けられている。また、飾り1203bは、飾り1203aの後壁面にネジ止めされる。このため、飾り1203bは、飾り1203aと一体となることで、飾り1203bの回転動作が実行可能となる。また、飾り1203aや飾り1203bは、透明樹脂材料で形成されている。
上部右サイド可動体1201の装飾部1205は、上部右サイド可動体1201の装飾として用いられる。装飾部1205は、透明樹脂製の飾り1205a、透明樹脂製の飾り1205b、透明樹脂製の飾り1205cを有している。また、飾り1205bには、飾り1203aのシャフト固定部が回転可能となる貫通孔が設けられている。また、飾り1205a、飾り1205b、飾り1205cは、LED基板1207を介して可動体後カバー部1209の前壁面にネジ止めで固定される。
LED基板1207は、可動体後カバー部1209の前壁面にネジ止めで固定される。また、LED基板1207の実装面には、LED(不図示)やLEDを点灯させるための駆動回路(不図示)が搭載されている。また、LED基板1207は、シャフト1211dに干渉しないように形成されている。
可動体後カバー部1209は、可動装飾部1203や装飾部1205を支持するために用いられる。また、LED基板1207を収納するためにも用いられる。また、動力伝達機構1211や体勢保持部1213を支持するためにも用いられる。また、上部右サイド可動体1201の移動動作を実行するためにも用いられる(詳細は後述する。)。また、可動体後カバー部1209には、シャフト1211dを回転可能とするための貫通孔が設けられている。また、可動体後カバー部1209には、フォトセンサ1252によって上部右サイド可動体1201の初期位置を検出するための、略板状の初期位置検出部が設けられている。
動力伝達機構1211は、モータ1260の回転軸の回転により上部右サイド可動体1201の可動装飾部1203の回転動作を実行するために用いられる。動力伝達機構1211は、主に、平歯車1211a、案内棒付平歯車1211b、ストッパー機能部付平歯車1211c、およびシャフト1211dを有している。平歯車1211aは、案内棒付平歯車1211bの回転をストッパー機能部付平歯車1211cに伝えるために用いられる。平歯車1211aの歯と案内棒付平歯車1211bの歯が噛み合うように、平歯車1211aと案内棒付平歯車1211bは隣接して可動体後カバー部1209の後壁面に設置される。また、平歯車1211aの歯とストッパー機能部付平歯車1211cの歯が噛み合うように、ストッパー機能部付平歯車1211cが平歯車1211aに隣接して可動体後カバー部1209の後壁面に設置される。また、ストッパー機能部付平歯車1211cの中心部にはシャフト1211dの後端が固定されている。シャフト1211dは、可動体後カバー部1209や飾り1205bに設けられている貫通孔を通って、可動装飾部1203の飾り1203aのシャフト固定部に固定される。
案内棒付平歯車1211bは、孔付平歯車1256cの回転を平歯車1211aに伝えるために用いられる。案内棒付平歯車1211bは、主に、案内棒1211b1と平歯車1211b2を有している。平歯車1211b2は、略扇形形状を有しており、平歯車1211b2の歯は、略扇形の円弧上に形成されている。案内棒1211b1は、略円柱形状を有している。また、案内棒1211b1は、平歯車1211b2の後面の略扇形の円弧の端付近に、略円柱形状の一端面が後を向くように、案内棒1211b1と平歯車1211b2が一体となって形成されている。案内棒1211b1の一端面に、連結部1215eが摺動可能(または、転動可能)となるように固定されている。このため、孔付平歯車1256cの回転が案内棒付平歯車1211bに伝わることになる(詳細は後述する。)。
ストッパー機能部付平歯車1211cは、平歯車1211aの回転をシャフト1211dに伝えるために用いられる。また、ストッパー機能部付平歯車1211cは、主に、ストッパー機能部1211c1と平歯車1211c2を有している。平歯車1211c2は、略半円形状を有しており、平歯車1211c2の歯は、略半円形状の円弧上に形成されている。また、ストッパー機能部1211c1は、略三角板状の形状を有し、当該略三角板状の一頂点部分は略半円柱形状(円柱の端面を半分に垂直に切り取った形状)を有している。また、ストッパー機能部1211c1は、平歯車1211c2の弦部分(歯がない外周部分)に一体となって形成されている。このため、ストッパー機能部1211c1の略半円柱形状部分は、平歯車1211c2の回転に合わせて回転することになる。また、平歯車1211c2の半径は、モータ1260の回転軸に固定される平歯車1256bの半径よりも小さいため、平歯車1211c2はモータ1260の回転軸の回転速度よりも増速して回転することになるがこれに限られない。例えば、平歯車1211c2の半径を平歯車1256bの半径よりも大きくすることで、平歯車1211c2はモータ1260の回転軸の回転速度よりも減速して回転することもできる。
体勢保持部1213は、主に、第一保持部1213a、第二保持部1213b、つるまきバネ1213cを有している。第一保持部1213aと第二保持部1213bは、互いに左右対称の形状を有している。第一保持部1213aは、主に、可動装飾部1203の回転動作が実行される前の体勢(または姿勢)を保持(または、維持)するために用いられる。また、第二保持部1213bは、主に、可動装飾部1203の回転動作が実行された後の体勢を保持(または、維持)するために用いられる。第一保持部1213aおよび第二保持部1213bは、互いに左右対称の形状であって、略円弧形状を有している。第一保持部1213aの略円弧形状における下端部を支点として遊技盤200に平行な面内で第一保持部1213aが回転可能となるように、第一保持部1213aの下端部が可動体後カバー部1209の後壁面に取り付けられる。また、同様に、第二保持部1213bの下端部が可動体後カバー部1209の後壁面に取り付けられる。また、第一保持部1213aの上端部には、つるまきバネ1213cを連結させるバネ係止部が形成されている。同様に、第二保持部1213bの上端部には、つるまきバネ1213cを連結させるバネ係止部が形成されている。また、つるまきバネ1213cの一端は、第一保持部1213aのバネ係止部に連結し、つるまきバネ1213cの他端は、第二保持部1213bのバネ係止部に連結している。また、本実施例では、つるまきバネは1本のみ設けられているが、つるまきバネが複数本設けられる構成であってもよい。また、つるまきバネ1213cに代えて板バネを用いてもよいし、ゴム等の可撓性部材を用いてもよい。また、体勢保持部1213の詳細は後述する。
連結部1215は、上部右サイド可動体1201と上部右サイド可動体支援部1250を、ベース部1254の案内孔部(案内孔部1254aや案内孔部1254b)や孔付平歯車1256cの案内孔部(逃げ孔付力作用孔部1256c1や逃げ孔付力作用孔部1256c2)を介して、連結するために用いられる。連結部1215は、連結部1215a~1215eの5個を有し、各々は同一の形状である。連結部1215a~1215eは、略円筒形状のローラ部と略円輪板形状のローラ外部が一体となって形成されている。ローラ外部は、ローラ部の一端部に形成されている。また、ローラ外部の外周円の直径は、ローラ部の外周円の直径よりも長く、さらに、ベース部1254の案内孔部や孔付平歯車1256cの案内孔部の短辺の長さよりも長い。また、ローラ部の外周円の直径は、ベース部1254の案内孔部や孔付平歯車1256cの案内孔部の短辺の長さよりも短い。また、連結部1215a~1215eは、各々に対応した上述の案内孔部において、摺動可能(または、転動可能)となるように、可動体後カバー部1209の後壁面の所定の位置や案内棒付平歯車1211bの案内棒1211b1に取り付けられる。また、連結部1215a~1215eのローラ外部が各々に対応した上述の案内孔部の後外側に位置し、連結部1215a~1215eのローラ部が各々に対応した案内孔部の内側に位置することで、連結部1215a~1215eは、各々に対応した案内孔部から容易に脱しないようになっている。また、連結部1215a~1215eは、モータ1260の回転軸が回転することで、各々に対応した案内孔部の領域で摺動(または転動)できる。また、連結部1215の詳細については後述する。
次に、上部右サイド可動体支援部1250について説明する。上部右サイド可動体支援部1250は、主に、上部右サイド可動体1201を支持するベース部1254と、上部右サイド可動体1201を動作させるための動力伝達機構1256と、上部右サイド可動体1201を動作させるための駆動源となるモータ1260を有している。
フォトセンサ1252は、上部右サイド可動体1201の初期位置を検出するために用いられる。フォトセンサ1252は、図4に示す各種可動体センサ430に含まれており、図4に示すセンサ回路428に接続されている。また、フォトセンサ1252は、発光部と受光部が設けられ、発光部から射出された光を受光部で受光する構成である。また、フォトセンサ1252は、発光部と受光部が前後方向に対向し、上方から見るとコの字形状(左側が開口している形状)を有している。また、フォトセンサ1252は、上部右サイド可動体1201が初期位置に位置する状態において、発光部と受光部の間に可動体後カバー部1209の初期位置検出部が位置するように、ベース部1254の前壁面の上端部にネジ止めで固定される。
ベース部1254は、略板形状を有している。また、ベース部1254は、下部右サイド可動体支援部1450の前ベース部1456の上端部と中ベース部1460の上端部にネジ止めで固定される。また、前ベース部1456と中ベース部1460は、役物ユニット820のユニット本体822にネジ止めで固定される。すなわち、ベース部1254は、役物ユニット820のユニット本体822に固定されることになる。
また、ベース部1254は、上部右サイド可動体1201の移動動作に関連した部材である。ベース部1254は、連結部1215aが摺動可能(または、転動可能)となる案内孔部1254aと、連結部1215bおよび連結部1215cが摺動可能(または、転動可能)となる案内孔部1254bを有している。案内孔部1254aと案内孔部1254bの詳細については後述する。
動力伝達機構1256は、モータ1260の回転軸の回転により、上部右サイド可動体1201の移動動作、および上部右サイド可動体1201の可動装飾部1203の回転動作を実行するための動力源として用いられる。動力伝達機構1256は、主に、平歯車1256a、平歯車1256b、孔付平歯車1256cを有している。平歯車1256aは、2枚の同じ形状の平歯車が前後に貼り合わされて一体形状となっている。また、平歯車1256aは、平歯車1256bの回転を孔付平歯車1256cに伝えるために用いられる。平歯車1256aの後側の平歯車の歯と平歯車1256bの歯が噛み合うように、平歯車1256aと平歯車1256bはベース部1254の後壁面に設置される。また、平歯車1256aの前側の平歯車の歯と孔付平歯車1256cの平歯車1256c3の歯が噛み合うように、平歯車1256aと孔付平歯車1256cはベース部1254の後壁面に設置される。
平歯車1256bは、モータ1260の回転軸の回転を平歯車1256aに伝えるために用いられ、モータ1260の回転軸に固定される。
孔付平歯車1256cは、平歯車1256aの回転を略直線運動に変換して連結部1251dに伝えるために用いられる。また、孔付平歯車1256cは、平歯車1256aの回転を連結部1251eに伝えるために用いられる。平歯車1256aの回転が略直線運動に変換され連結部1251dに伝えられることによって上部右サイド可動体1201の移動動作が実行可能となる。また、平歯車1256aの回転が連結部1251eに伝えられることによって上部右サイド可動体1201の可動装飾部1203の回転動作が実行可能となる(詳細は後述する。)。孔付平歯車1256cは、主に、逃げ孔付力作用孔部1256c1と逃げ孔付力作用孔部1256c2と平歯車1256c3を有している。平歯車1256c3は、略扇形形状を有し、平歯車1256c3の歯は、略扇形の円弧上に形成されている。また、逃げ孔付力作用孔部1256c1と逃げ孔付力作用孔部1256c2の詳細については後述する。
モータ1260は、上部右サイド可動体1201の移動動作、および上部右サイド可動体1201の可動装飾部1203の回転動作を実行するための駆動源である。モータ1260は、モータの回転軸に固定される平歯車1256bがモータ1260の前方に位置するように、モータ取付け部1258にネジ止めで固定される。モータ取り付け部1258には、モータ1260の回転軸を通す貫通孔を有している。また、モータ取り付け部1258は、ベース部1254の後壁面に取り付けられる。なお、本実施例では、モータ1260には、ステッピングモータが使用されているがこれに限られない。例えば、DCブラシモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ、超音波モータ、サーボモータ等の様々なモータが使用可能であるがこれらに限られない。また、モータ1260は、図4に示す駆動回路516に接続され、第2副制御部500によって制御される。
次に、図29および図30を用いて、下部右サイド役物1400の構造を説明する。下部右サイド役物1400は、主に、下部右サイド可動体1401と下部右サイド可動体1401を動作させるための下部右サイド可動体支援部1450を有している。
先ず、図29を用いて、下部右サイド可動体支援部1450の一部の構成を説明する。誘導部1452は、図30に示す下部右サイド可動体1401の可動体1403の体勢を変化させるために用いられる。誘導部1452は、誘導部1452aと誘導部1452bを有している。誘導部1452aは、図30に示す体勢変化機構1407のローラ1407fが転動可能(または、摺動可能)となるように、鉛直上下方向に直線状に延びた溝を有している。また、当該溝の形状は、上方から見るとコの字形状(左側が開口している形状)を有している。また、誘導部1452bは、上述のローラ1407fが転動可能(または、摺動可能)となるように、前上方向に所定の角度で傾斜して直線状に延びた溝を有している。また、当該溝の溝形状は、上方から見るとコの字形状(左側が開口している形状)を有している。また、誘導部1452aの案内溝と誘導部1452bの案内溝は繋がっている。また、誘導部1452は、前ベース部1456の前壁面にネジ止めで固定される。
LED基板1454は、前ベース部1456の前壁面にネジ止めで固定される。また、LED基板1454の実装面には、LED(不図示)やLEDを点灯させるための駆動回路(不図示)が搭載されている。
前ベース部1456は、誘導部1452やLED基板1454を支持するために用いられる。また、前ベース部1456は、動力伝達機構1458を収容するためにも用いられ、動力伝達機構1458を収容可能とする収容部が、前ベース部1456の後側に備えられている。また、前ベース部1456は、中ベース部1460の前壁面にネジ止めで固定される。また、中ベース部1460は、役物ユニット820のユニット本体822にネジ止めで固定される。すなわち、誘導部1452は、役物ユニット820のユニット本体822に固定される。
動力伝達機構1458は、図30に示すモータ1462の回転軸の回転により、図30に示す下部右サイド可動体1401の移動動作、および下部右サイド可動体1401の可動体(可動体前部)1403の体勢変化の動作を実行するために用いられる。動力伝達機構1458は、主に、ベルト1458a、平歯車1458b、プーリ付平歯車1458c、プーリ1458d、軸1458e、軸支持部1458fを有している。
ベルト1458aは、下部右サイド可動体1401の上下方向の移動動作を実行するために用いられる。ベルト1458aは、樹脂製のベルトであり可撓性を有している。また、ベルト1458aは、上端がプーリ付平歯車1458cのプーリ1458c1に掛けられ、下端がプーリ1458dに掛けられる。このため、ベルト1458aは、プーリ付平歯車1458cの回転に合わせて回転する。また、ベルト1458aの所定の位置に、図30に示す可動体支持部1413のベルト固定部1413bが固定される。
平歯車1458bは、モータ1462の回転軸の回転をプーリ付平歯車1458cに伝えるために用いられる。平歯車1458bは、モータ1462の回転軸に固定される。また、平歯車1458bの歯とプーリ付平歯車1458cの平歯車1458c2の歯が噛み合うように、平歯車1458bとプーリ付平歯車1458cが隣接して、中ベース部1460の前壁面に備え付けられる。
プーリ付平歯車1458cとプーリ1458dは、平歯車1458bの回転をベルト1458aに伝えるために用いられる。プーリ付平歯車1458cは、プーリ1458c1と平歯車1458c2が前後に位置して一体成型されている。また、プーリ付平歯車1458cとプーリ1458dは、上下方向に所定の距離を設けて、中ベース部1460の前壁面に備え付けられる。
軸1458eは、プーリ付平歯車1458cが回転可能に支持するために用いられる。軸1458eの後端は、中ベース部1460の前壁面上部に固定され、軸1458eの前端は、プーリ付平歯車1458cが回転可能となるように、プーリ付平歯車1458cの中心部に備え付けられる。また、軸1458eは、プーリ1458dが回転可能に支持するために用いられる。軸1458eの後端は、中ベース部1460の前壁面下部に固定され、軸1458eの前端は、プーリ1458dが回転可能となるように、プーリ1458dの中心部に備え付けられる。
中ベース部1460は、動力伝達機構1458を支持し、収納するために用いられる。また、中ベース部1460は、図30に示す誘導レール1464や案内棒1466を支持し、収納するために用いられる。
次に、図30を用いて、下部右サイド役物1400の構造を説明する。下部右サイド可動体1401は、主に、可動体(可動体前部)1403と、可動体(可動体後部)1405と、可動体(可動体中部)1425と、可動体1403の体勢を変化させるための体勢変化機構1407と、可動体1403や可動体1405や可動体1425を支持する案内部付モータカバー部1409と、可動体1425の一部が開く動作と回転する動作を実行するたのモータ1411と可動体支持部1413と動力伝達機構1419を有している。
可動体1403は、上下方向の移動動作に加えて、体勢を変化させる動作を実行可能な可動体である(詳細は後述する。)。可動体1403は、略円弧形状の前装飾部1403aと略円弧形状の後装飾部1403bを有し、前装飾部1403aと前装飾部1403bがネジ止めで固定されている。前装飾部1403aと前装飾部1403bは透明樹脂で形成されている。また、可動体1403の内部には、LED基板(不図示)が設けられている。LED基板の両面には、LEDやLEDを点灯させるための駆動回路が搭載されているがこれに限られない。例えば、片面実装のLED基板の裏面同士を2枚重ね合わせるようにしてもよいがこれらに限られない。このため、可動体1403の体勢変化前(可動体1403の初期位置での体勢)は、LED基板の前面に実装されたLEDの光が前装飾部1403aを介して視認可能であり、可動体1403の体勢変化後(可動体1403の目標位置での体勢)は、LED基板の後面に実装されたLEDの光が後装飾部1403bを介して視認可能となる。また、円弧上に形成された可動体1403の右端部は、体勢変化機構1407の軸1407aや軸1407bを固定するための軸固定部1403cを有している。
可動体1405は、上下方向の移動動作を実行可能な可動体である(詳細は後述する。)。また、可動体1405は、略円弧形状を有している。また、可動体1405は、透明樹脂で形成されている。また、可動体1405の内部には、LED基板(不図示)が設けられている。LED基板の実装面には、LEDやLEDを点灯させるための駆動回路が搭載されている。また、可動体1405は、可動体1403の後方に位置する可動体である。また、可動体1403の体勢が変化する前においては、可動体1403の一部が可動体1405の一部と重なることで、遊技者は可動体1405の全体を視認することが困難である。一方、可動体1403の体勢が変化した後においては、可動体1403が可動体1405の一部と重ならないため、遊技者は可動体1405の全体を視認可能となる。
体勢変化機構1407は、可動体1403の体勢を変化させるために用いられる。体勢変化機構1407は、主に、軸1407a、軸1407b、軸支持部1407c、ピニオン1407d、案内棒付ラック1407e、およびローラ1407fを有している。
軸1407aと軸1407bは、可動体1403の回転軸を形成するために用いられる。軸1407aの右端部は、可動体1403の軸固定部1403cの左端部に固定される。一方、軸1407aの左端部は、軸支持部1407cに設けられた軸貫通孔に、軸1407aが回転可能となるように備え付けられる。また、軸1407bの左端部は、可動体1403の軸固定部1403cの右端部に固定される。一方、軸1407bの右端部は、軸支持部1407cに設けられた軸貫通孔を通って、ピニオン1407dの中心部に固定される。
軸支持部1407cは、軸1407aと軸1407bを支持するために用いられる。また、軸支持部1407cは、軸1407aと軸1407bを介して、可動体1403を支持することになる。また、軸支持部1407cの設置方向によって、軸1407aと軸1407bとで形成される可動体1403の回転軸の方向が決まる。本実施例では、可動体1403の回転軸の方向は、遊技盤200に平行な面内で右上から左下に所定の角度で傾斜した方向となるように、軸支持部1407cは可動体支持部1413の前壁面にネジ止めで固定されるがこれに限られない。
ピニオン1407dは、案内棒付ラック1407eの前後方向の運動を回転運動に変換して、軸1407bを回転させるために用いられる(詳細は後述する。)。ピニオン1407dは軸1407bに固定され、軸1407bは軸支持部1407cに回転可能となるように備え付けられ、軸支持部1407cは可動体支持部1413に固定されている。すなわち、ピニオン1407dは、可動体支持部1413に回転可能に固定される。また、本実施例では、案内棒付ラック1407eが初期位置から目標位置まで移動した場合に、ピニオンが約半回転するように、ラックの歯数とピニオンの歯数が決定されているがこれに限られない。例えば、可動体後カバー部1209等に可動体1403が干渉しないで360°回転可能となる孔を設けることで、案内棒付ラック1407eが初期位置から目標位置まで移動した場合に、ピニオンが約一回転する構成であってもよいし、ピニオンが約一回転以上、回転する構成であってもよい。また、案内棒付ラック1407eが初期位置から目標位置まで移動した場合に、ピニオンが一回転する場合は、可動体1403の初期位置での体勢と可動体1403の目標位置での体勢は、同じになる。
案内棒付ラック1407eは、図29に示すベルト1458aの回転による上下方向の運動を変換してピニオン1407dを回転させるために用いられる(詳細は後述する。)。案内棒付ラック1407eは、案内棒1407e1とラック1407e2を有している。案内棒1407e1は、略円筒形状を有している。また、案内棒1407e1は、ラック1407e2の前端面(歯が形成されていない端面)に、案内棒1407e1とラック1407e2が一体となるように設けられている。また、案内棒付ラック1407eは、ラック1407e2の歯とピニオン1407dの歯が噛み合うように、可動体支持部1413のラック案内部1413aに、摺動可能となるように備え付けられる。また、ラック1407e2の壁面(案内部付モータカバー部1409のラック案内部1409aに接する壁面)には、不図示の案内部が設けられている。また、案内棒付ラック1407eの摺動する面に転動可能となるローラ部を設けることもできる。また、本実施例では、ピニオン1407dは、上述の所定の角度で傾斜した軸1407bに固定される。このため、ラック1407e2の歯先は、上述の所定の角度で傾斜したピニオン1407dの歯先と平行となるように、ラック1407e2の歯の側面が略台形の形状を有しているがこれに限られない。
ローラ1407fは、案内棒付ラック1407eが図29に示す誘導部1452に誘導されるために用いられる。ローラ1407fは、案内棒付ラック1407eの案内棒1407e1の端面に、転動可能(または、摺動可能)となるように取り付けられる。また、ローラ1407fが誘導部1452の誘導部1452aおよび誘導部1452bで転動可能(または摺動可能)となるように、案内棒付ラック1407eが可動体支持部1413のラック案内部1413aに備え付けられる。
案内部付モータカバー部1409は、可動体支持部1413のラック案内部1413aに備え付けられる案内棒付ラック1407eの移動を案内するために用いられる。また、案内部付モータカバー部1409は、可動体支持部1413に固定されるモータ1411のカバー部として用いられる。また、案内部付モータカバー部1409は、ラック案内部1409aとモータカバー部1409bを有している。また、案内棒付ラック1407eが可動体支持部1413のラック案内部1413aで前後方向に摺動可能で上下方向および左右方向には移動しないように、案内部付モータカバー部1409は、可動体支持部1413の前壁面に取り付けられる。また、ラック案内部1409aは略板形状を有しており、案内棒付ラック1407eが接する面には、前後方向に延びた溝が1本形成されている。また、ラック1407e2の壁面に形成されている案内部(不図示)が、ラック案内部1409aに設けられた上側の溝で摺動可能である。また、当該上側の溝の上下方向の幅は、ラック1407e2の壁面に形成されている案内部(不図示)の上下の幅に若干の余裕(クリアランス)を加えた程度である。このため、ラック案内部1409aによって、案内棒付ラック1407eの上下方向の移動が規制される。また、ラック案内部1409aと可動体支持部1413に設けられたラック案内部1413aで、案内棒付ラック1407eを挟み込むことで、案内棒付ラック1407eの左右方向の移動が規制される。
モータ1411は、可動体中部(または、可動体)1425の一部を開く動作と回転する動作(詳細は後述する。)を実行するための駆動源である。モータ1411は、モータの回転軸(平歯車1419cが取り付けられる側)が後を向くように、可動体支持部1413の前壁面にネジ止めで固定される。また、可動体支持部1413は、モータ1411の回転軸を通す貫通孔を有している。また、モータ1411は、図4に示す駆動回路516に接続され、第2副制御部500によって制御される。なお、本実施例では、モータ1411は、ステッピングモータが使用されているがこれに限られない。例えば、DCブラシモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ、超音波モータ、サーボモータ等の様々なモータが使用可能であるがこれらに限られない。
可動体支持部1413は、可動体1401(可動体前部1403、可動体後部1405、および可動体中部1425)を支持し動作させるために用いられる。可動体支持部1413は、略板形状を有している。また、可動体支持部1413は、主に、ラック案内部1413a、ベルト固定部1413b、内レール取り付け部1413c、案内棒スライド部1413dを有している。
ラック案内部1413aは、略板形状を有している。また、ラック案内部1413aの左壁面(ラック1407e2が接触する面)には、所定の間隔で二つの突起部が左右方向に平行に設けられている。このため、ラック1407e2とラック案内部1413aの接合する面が小さくなり、ラック1407e2とラック案内部1413aの摩擦力が低減される。また、ラック案内部1413aの壁面には、ラック1407e2がスムーズに移動可能となるように、ベアリング、スチールボール、またはローラ等が設けられてもよい。
ベルト固定部1413bは、図29に示すベルト1458aに可動体支持部1413を固定するために用いられる。ベルト固定部1413bは、2枚の略板形状の板でベルト1458aの所定の位置のベルト部分を挟み込む構成となっている。
内レール取り付け部1413cは、誘導レール1464の内レール1464bの取り付け部であり、ベルト固定部1413bと案内棒スライド部1413dの間に設けられている。
案内棒スライド部1413dは、可動体支持部1413が案内棒1466に沿って移動可能となるために用いられる。案内棒スライド部1413dは、前方が開口した略円筒形状を有している。また、案内棒スライド部1413dの内径は、案内棒1466の外径に若干の余裕(クリアランス)を加えた長さである。また、可動体支持部1413には、LED基板1415に実装されたLEDの光を通すための貫通孔や動力伝達機構1419のシャフト1419fを通すための貫通孔が設けられている。
LED基板1415は、可動体支持部1413の後壁面にネジ止めで固定される。LED基板1415の実装面には、LED(不図示)やLEDを点灯させるための駆動回路(不図示)が搭載されている。LED基板カバー部1417は、LED基板1415を収納するために用いられ、LED基板1415の後壁面にネジ止めで固定される。
動力伝達機構1419は、モータ1411の回転軸の回転により可動体中部1425の一部が開く動作と回転動作を実行するために用いられる機構である。また、動力伝達機構1419は、主に、平歯車1419a、平歯車1419b、平歯車1419c、つるまきバネ1419d、バネ押部1419e、およびシャフト1419fを有している。平歯車1419aは、モータ1411の回転軸に固定される。また、平歯車1419aの歯と平歯車1419bの歯が噛み合うように、平歯車1419bが平歯車1419aに隣接してLED基板カバー部1417の後壁面に設置される。また、平歯車1419bの歯と平歯車1419cの歯が噛み合うように、平歯車1419cが平歯車1419bに隣接してLED基板カバー部1417の後壁面に設置される。平歯車1419cの中心部にはシャフト1419fを貫通させる孔が設けられ、シャフト1419fが回転可能となるよう通される。また、シャフト1419fの前端は、内装飾部1425bの中心部に固定される。また、平歯車1419cの前壁面の中心部には、孔付後側円板1425fを回転させるための略四角形状の溝が形成されている。また、平歯車1419cの後側には、つるまきバネ1419dが設けられている。また、つるまきバネ1419dの後側には、バネ押部1419eが設けられている。このため、平歯車1419cの中心部に設けられた略四角形状の溝は、つるまきバネ1419dの弾性力によって、孔付後側円板1425fの中心部に押さえ付けられることになる。このため、平歯車1419cの回転による力が、孔付後側円板1425fに効率よく伝わることになる。また、本実施例では、モータ1411の回転軸の位置(遊技盤200に平行な平面上における位置座標)とシャフト1419fの位置(遊技盤200に平行な平面上における位置座標)を異ならせるために、動力伝達機構1419が用いられる。これにより、モータ1411の設置スペースを任意に設けることが可能となる。また、可動体1401の重心を考慮して、モータ1411の設置スペースを任意に設けることも可能である。また、平歯車1419aの歯数と平歯車1419cの歯数の比を変更することで、モータ1411の回転軸の回転速度を所定の回転速度に変換してシャフト1419fを回転させることができる。なお、本実施例では、平歯車1419cの歯数は平歯車1419cの歯数よりも多い。このため、動力伝達機構1419は、減速機構として用いられている。また、モータ1411のトルクが増幅されてシャフト1419fに伝わる。また、動力伝達機構カバー部1421は、動力伝達機構1419を収納するために用いられ、可動体支持部1413の後壁面にネジ止めで固定される。
可動体中部1425は、上下方向の移動動作に加えて、可動体中部1425の一部が開く動作と可動体中部1425が回転する動作を実行可能である。可動体中部1425は、略円錐台の形状を有している。また、可動体中部1425は、可動体中部1425の一部が開く動作と可動体中部1425が回転する動作を実行可能となるように、可動体支持部1413の前壁面の所定の位置に配置される。また、可動体中部1425の前表面外側には、外装飾部1425aを有し、外装飾部1425aの内側に、中装飾部1425cを有し、中装飾部1425cの内側に、内装飾部1425bを有している。これらの装飾部は、LED基板1415に実装されたLEDの光を透過させるために、透明樹脂で形成されているがこれに限られない。
外装飾部1425aは、装飾部1425a1~1425a6の6個の装飾部に分割されている。装飾部1425a1~1425a6の各々は、シャフト1419fを円の中心として放射線状の移動(以下、単に「放射線状の移動」と表す場合がある。)とシャフト1419fを中心として回転動作(以下、単に「回転動作」と表す場合がある。)が実行可能である。また、装飾部1425a1~1425a6は各々が同一形状で、略円弧形状を有している。また、装飾部1425a1~1425a6は、案内棒付支持部1425dの支持部1425d1~14256e6の前面に各々がネジ止めで固定される。また、装飾部1425a1~1425a6を並べることで内側が円状に開口しているリング状となるように、装飾部1425a1~1425a6が配置されている。
内装飾部1425bは、シャフト1419fを中心として回転する。また、内装飾部1425bは、略円板形状を有している。内装飾部1425bの後面の円中心部には、シャフト1419fの前端面を固定するための不図示のシャフト固定部が設けられている。内装飾部1425bの後面の円周付近には、孔付前側円板1425eの前面にネジ止めするための略円筒形状のネジ止め部が、円の中心を対角として2個設けられている。また、中装飾部1425cは、略円板形状を有している。中装飾部1425cの円中心部には、シャフト1419fを通すための貫通孔が設けられている。また、中装飾部1425cの前面の円中心部には、内装飾部1425bをはめ込むための内装飾部1425bの大きさに合わせた円形状の窪みが設けられている。また、当該窪み部分には、内装飾部1425bの後面に設けられた略円筒形状のネジ止め部を通すための貫通孔が2個設けられている。すなわち、中装飾部1425cは、内装飾部1425bと一体となることで、内装飾部1425bと一体となって回転する。
案内棒付支持部1425dは、外装飾部1425aの装飾部1425a1~1425a6の上述の放射線状の移動と回転移動を実行するために用いられる。案内棒付支持部1425dは、6個に分割され(支持部1425d1~1425d6)、孔付前側円板1425eの前方に配置される。また、支持部1425d1~1425d6は、各々が同一形状であり、外側にある長辺側が円弧形状となる略台形の形状を有している。また、支持部1425d1~1425d6を並べることで内側が六角形に開口しているリング状となるように、支持部1425d1~1425d6が配置され、当該六角形の開口部において、内装飾部1425bおよび中装飾部1425cが回転可能となっている。また、支持部1425d1~1425d6の後面には、略円柱形状の案内棒(一部図示)が設けられている。なお、案内棒付支持部1425dは、透明でない樹脂で形成されているが、透明樹脂で形成されていてもよい。
孔付前側円板1425eは、内装飾部1425bおよび中装飾部1425cの回転動作のために用いられる。孔付前側円板1425eは、案内棒付支持部1425dの後方に配置されている。また、孔付前側円板1425eは、略円板形状を有している。孔付前側円板1425eの中心部には、シャフト1419fが回転可能となる貫通孔が設けられている。また、孔付前側円板1425eには、所定の長さの長孔が、円の中心付近から半径方向に各々が60°の間隔で6個設けられている。これら6個の長孔には、各々に対応する支持部1425d1~1425d6の案内棒が移動可能に配置されている。また、これらの長孔に沿って、支持部1425d1~1425d6の案内棒が放射線状に移動しているときは、支持部1425d1~1425d6の案内棒は、孔付前側円板1425eに力がほとんど作用しないようになっている。また、孔付前側円板1425eの前面と内装飾部1425bの2個のネジ止め部がネジ止めで固定される。このため、これらの6個の長孔の端部(上端および下端)で支持部1425d1~1425d6の案内棒が停止している場合は、支持部1425d1~1425d6の案内棒が回転移動することによって、孔付前側円板1425eに回転の力が作用し、孔付前側円板1425eに固定されている内装飾部1425bおよび中装飾部1425cが回転することになる。また、孔付前側円板1425eは、LED基板1415に実装されたLEDの光を透過させるために、透明樹脂材料で形成されているがこれに限られない。
孔付後側円板1425fは、装飾部1425a1~1425a6の放射線状の移動と回転移動、および内装飾部1425bと中装飾部1425cの回転動作を実行するために用いられる。孔付後側円板1425fは、略円板形状を有している。また、孔付後側円板1425fは、孔付前側円板1425eの後方に配置され、可動体支持部1413の前表面の所定の位置に、回転可能となるように配置される。また、孔付後側円板1425fの中心部には、シャフト1419fを通すための貫通孔が設けられている。また、孔付後側円板1425fの後面の中心部には、平歯車1419cに固定するための、略四角形状(不図示)の固定部が形成されている。このため、平歯車1419cの回転による力が、孔付後側円板1425fに伝わることになる。また、孔付後側円板1425fには、所定の長さの略円弧形状の長孔が、円の中心を中心として渦巻状に、各々が60°の間隔で形成されている。これら6個の長孔には、各々に対応する支持部1425d1~1425d6の案内棒が摺動可能(または転動可能)に配置されている。また、支持部1425d1~1425d6は、孔付後側円板1425fが回転することによって、支持部1425d1~1425d6の案内棒が各々に対応する長孔によって案内されている。この場合は、上述の放射線状の移動が実行可能となる。また、支持部1425d1~1425d6は、孔付後側円板1425fが回転することによって、支持部1425d1~1425d6の案内棒が各々に対応する長孔の端部で停止する。この場合は、上述の回転移動が実行可能となる。すなわち、支持部1425d1~1425d6において上述の放射線状の移動が実行されることによって、外装飾部1425aの装飾部1425a1~1425a6も上述の放射線状の移動が実行される。このため、可動体中部1425の開く動作が実行されることになる。また、支持部1425d1~1425d6の案内棒が上述の回転移動されることによって、外装飾部1425aの装飾部1425a1~1425a6が上述の回転移動が実行される。また、当該回転移動に合わせて、内装飾部1425bおよび中装飾部1425cの回転動作が実行されることになる。このため、可動体中部1425の回転動作が実行されることになる。また、孔付後側円板1425fは、LED基板1415に実装されたLEDの光を透過させるために、透明樹脂で形成されているがこれに限られない。
本実施例では、支持部1425d1~1425d6に設けられた各案内棒が孔付後側円板1425fに設けられた各々に対応する長孔に案内されて移動している場合は、支持部1425d1~1425d6に設けられた各案内棒は、孔付前側円板1425eに力がほとんど作用しない構成となっている。このため、モータ1411の回転軸を後から見て反時計回りに回転させた場合は、最初に可動体中部1425の一部が開く動作(装飾部1425a1~1425a6が放射線状に移動する動作)が実行され、可動体中部1425の一部が開く動作が完了した後に、可動体中部1425の前から見て時計回りの回転動作(外装飾部1425aの回転移動、内装飾部1425bおよび中装飾部1425cの回転動作)が実行されるがこれに限られない。例えば、支持部1425d1~1425d6の案内棒が孔付後側円板1425fに設けられた各々に対応する長孔に案内されて移動している場合は、支持部1425d1~1425d6の各案内棒が、孔付前側円板1425eに力が大きく作用する構成(例えば、所定の長さの長孔が、円の中心から外周に向けて渦巻直線状に、各々が60°の間隔で6個設けられている構成)となっていてもよい。この場合は、可動体中部1425の開く動作と回転動作が同時に実行されることになる。なお、可動体中部1425の一部が開く動作が完了した後(またはその途中)に、モータ1411の回転軸を後から見て時計回りに回転させることで、可動体中部1425の一部が閉じる動作が実行可能となる。また、モータ1411の回転軸を後から見て時計回りに回転させることで、可動体中部1425は前から見て反時計回りの回転動作が実行される。また、モータ1411の回転軸の回転数を制御することで、可動体中部1425の一部が開く動作のみ実行するようにもできる。
次に、図30を用いて、下部右サイド可動体支援部1450の残りの構成を説明する。モータ1462は、下部右サイド可動体1401の移動動作、および下部右サイド可動体1401の可動体1403の体勢変化の動作を実行するための駆動源である。モータ1462は、モータの回転軸に固定されるプーリ付平歯車1458c(図30参照)がモータの前方に位置するように、中ベース部1460の後壁面にネジ止めで固定される。中ベース部1460は、モータ1462の回転軸を通す貫通孔を有している。なお、本実施例では、モータ1462は、ステッピングモータが使用されているがこれに限られない。例えば、DCブラシモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ、超音波モータ、サーボモータ等の様々なモータが使用可能であるがこれらに限られない。また、モータ1462は、図4に示す駆動回路516に接続され、第2副制御部500によって制御される。
誘導レール1464は、可動体1401の移動の方向を誘導するために用いられる。誘導レール1464は、外レール1464aと内レール1464bを有している。内レール1464bは、可動体支持部1413の内レール取り付け部1413cに可動体1401が上下方向に移動可能となるように上下方向にネジ止めで固定される。また、外レール1464aは、中ベース部1460の後壁面中央に可動体1401が上下方向に移動可能となるように上下方向にネジ止めで固定される。また、内レール1464bと外レール1464aのレール接面部には、レール同士の摩擦を低減しレールが滑らかにスライドできるように複数のスチールボール(不図示)が配置されている。また、誘導レール1464の構成によって、可動体支持部1413は、中ベース部1460に固定される外レール1464aの設置方向、すなわち、上下方向に動作可能となる。また、外レール1464aの下端部には、内レール1464bを停止させるレール停止部(不図示)が設けられている。
案内棒1466は、可動体1401が案内棒1466に沿って全体が平行移動可能となるために用いられる。また、可動体1401の移動による力のモーメントを軽減するためにも用いられる。案内棒1466は鉄製の棒で構成されている。また、案内棒1466は、誘導レール1464の設置方向と上下方向に平行となるように中ベース部1460の後壁面に固定される。
つるまきバネ1468は、可動体1401の上方向の移動を支援するために用いられる。本実施例では、つるまきバネ1468は、圧縮バネが使用されている。つるまきバネ1468は、案内棒1466に巻きつくように、案内棒1466に備え付けられる。また、バネ押部1470は、案内棒1466でスライド可能であり、つるまきバネ1468の上方からつるまきバネ1468を押さえるように、案内棒1466に備え付けられる。また、バネ押部1470の上方に、可動体支持部1413の案内棒スライド部1413dが案内棒1466に備え付けられる。この構成によって、可動体1401が下方に位置する場合は、つるまきバネ1468が弾性変形して圧縮されることになる。このため、可動体1401の初期位置(下端)から上方への移動動作がスムーズに行われる場合がある。
フォトセンサ1472は、可動体1401の初期位置を検出するために用いられる。フォトセンサ1472は、図4に示す各種可動体センサ430に含まれており、図4に示すセンサ回路428に接続されている。また、フォトセンサ1472は、発光部と受光部が設けられ、発光部から射出された光を受光部で受光する構成である。また、フォトセンサ1472は、発光部と受光部が前後方向に対向し、右側面から見るとコの字形状(左側が開口している形状)を有している。また、可動体1401が初期位置に位置する場合に、発光部と受光部の間に可動体支持部1413の下端部分が位置するように、後ベース部1474の前壁面にネジ止めで固定される。
次に、本実施例の上部右サイド役物1200の可動体1201の移動動作と可動体1201の可動装飾部1203の回転動作について、図31および図32を用いて説明する。
図31(a)は、可動体1201が初期位置に位置している状態の上部右サイド役物1200を前から見た略示正面図である。図31(a’)は、図31(a)に示す状態の上部右サイド役物1200を後から見た略示背面図である。図31(b)は、可動体1201が目標位置に位置した状態の上部右サイド役物1200を前から見た略示正面図である。また、図31(b)は、可動体1201の可動装飾部1203の回転動作が実行される直前の状態を示している。図31(b’)は、図31(b)に示す状態の上部右サイド役物1200を後から見た略示背面図である。図31(c)は、可動体1201が目標位置に到達後に可動装飾部1203の回転動作が実行された後の状態の上部右サイド役物1200を前から見た略示正面図である。図31(c’)は、図31(c)に示す状態の上部右サイド役物1200を後から見た略示背面図である。
図31(a)は、可動体1201が初期位置に位置している状態を示している。また、可動体1203の回転動作は実行されていない状態である。また、可動体1201は、初期位置から目標位置まで移動する動作と目標位置から初期位置に移動する動作が可能である。また、可動体1201の移動可能となる範囲において、上端の位置を可動体1201の初期位置とし、下端の位置を可動体1201の目標位置としている。
続いて、可動体1201が初期位置に位置している状態からの移動動作について、図31(a’)を用いて説明する。ベース部1254には、後から見て略直線状に左上から右下に向けて傾斜した貫通孔が所定の間隔で2本、平行に設けられている。後から見た場合の右側の孔は案内孔部1254aであり、後から見た場合の左側の孔は案内孔部1254bである。案内孔部1254aには、可動体1201の後側のカバー部の可動体後カバー部1209の後壁面に固定されている連結部1215aが転動可能(または、摺動可能)に配置されている。また、案内孔部1254bには、可動体後カバー部1209の後壁面に固定されている連結部1215bと連結部1215cが転動可能(または、摺動可能)に配置されている。また、ベース部1254は、役物ユニット820のユニット本体822にネジ止めで固定されることから、案内孔部1254aと案内孔部1254bは固定されて動かない。このため、可動体1201は、案内孔部1254aおよび案内孔部1254bに案内されて平行移動が可能となる。
動力伝達機構1256(1256a~1256c)は、モータ1260の回転軸の回転の力を可動体後カバー部1209の後壁面に固定されている連結部1215dに伝えるための機構を有している。モータ1260の回転軸の回転により平歯車1256bが回転し、平歯車1256bが回転することにより平歯車1256aが回転し、平歯車1256aが回転することにより、孔付平歯車1256cが回転する。孔付平歯車1256cは、主に、逃げ孔付力作用孔部1256c1と逃げ孔付力作用孔部1256c2と平歯車1256c3を有している。逃げ孔付力作用孔部1256c1は、可動体1201が初期位置に位置している状態では、後から見てひらがなの「く」状の形状の長孔を有し、後から見て約45°反時計回りに回転している。「く」状の形状の下部分の長孔(以下、力作用孔と称する場合がある。)は、平歯車1256c3の回転軸方向に延び、「く」状の形状の上部分の長孔(以下、逃げ孔と称する場合がある。)は、平歯車1256c3の後から見て時計回りの円周方向に延びている。また、逃げ孔付力作用孔部1256c2は、可動体1201が初期位置に位置している状態では、後から見てひらがなの「へ」状の形状の長孔を有し、約180°回転している。「へ」状の形状の長孔は、連結部1215eの移動の軌跡に倣って形成されている。また、モータ1260の回転軸を後から見て反時計回りに回転させると、孔付平歯車1256cは後から見て反時計回りに回転する。この場合において、逃げ孔付力作用孔部1256c1は、平歯車1256c3の回転軸を中心として、後から見て反時計回りに回転することになる。また、孔付平歯車1256cは、孔付平歯車1256cの回転によって可動体1201が移動しても、孔付平歯車1256cが可動体1201に常に隠れるような形状となっているため、遊技者側から視認することが困難である。
逃げ孔付力作用孔部1256c1には、可動体後カバー部1209の後壁面に固定されている連結部1215dが転動可能(または、摺動可能)に配置されている。可動体1201が初期位置に位置する状態では、連結部1215dは、逃げ孔付力作用孔部1256c1の力作用孔の上側または下側の壁面と接触する(なお、連結部1215dは、逃げ孔付力作用孔部1256c1の左右の壁面とは接触しない。)。このため、孔付平歯車1256cが後から見て反時計回りに回転することで、連結部1215dには、逃げ孔付力作用孔部1256c1の力作用孔の上側壁面(可動体1201が初期位置に位置する状態において、連結部1215dの上方にある壁面)から、後から見て反時計回りの回転による力が、連結部1215dと逃げ孔付力作用孔部1256c1の接面の移動の軌跡の接線方向に作用する。また、連結部1215dは、連結部1215a~1215cと同じ可動体後カバー部1209の後壁面に固定されている。このため、連結部1215dに当該力が作用することで、連結部1215a~1215dは移動することになる。
可動体1201が初期位置に位置している状態では、逃げ孔付力作用孔部1256c1は、孔付平歯車1256cの平歯車1256c3の回転軸の後から見てほぼ水平左方向に位置している。このため、可動体1201が初期位置に位置している状態から、平歯車1256c3が後から見て反時計回りに約45°回転する場合は、連結部1215dは下方向への移動が可能となる。また、可動体1201が初期位置に位置している状態から、平歯車1256c3が後から見て反時計回りに約90°回転する場合は、逃げ孔付力作用孔部1256c1の力作用孔によって、連結部1215dは後から見て右方向への移動が可能となる。すなわち、連結部1215dは、可動体1201が初期位置から目標位置に移動する場合においては、孔付平歯車1256cによって、後から見て略右下方向への移動が可能となる。
また、逃げ孔付力作用孔部1256c2は、可動体1201が初期位置から目標位置の直前の位置までに移動する場合において、孔付平歯車1256cの回転による力が逃げ孔付力作用孔部1256c2に配置される連結部1215eに伝わらないように、上述の「へ」状の長孔が形成されている。また、連結部1215eは、ベース部1254の後壁面に固定されている案内棒付平歯車1211bに固定されている。このため、可動体1201が初期位置から目標位置の直前の位置までに移動する場合において、連結部1215eは、連結部1215a~1215dの移動と共に移動することになる。
図31(b)は、可動体1201が目標位置に移動した状態を示している。可動体1201の移動可能となる範囲において、下端位置を可動体1201の目標位置としている。また、図31(b)は、可動体1201の可動装飾部1203の回転動作が実行される直前の状態を示している。
次に、図31(b’)を用いて可動体1201の移動動作と可動体1201の可動装飾部1203の回転動作を説明する。可動体1201が目標位置に位置する状態では、連結部1215cがベース部1254の案内孔部1254bの下端壁面に当って停止している。また、同様に、連結部1215a(不図示)がベース部1254の案内孔部1254aの下端(不図示)に当って停止している。このため、モータ1260の回転軸が後から見て反時計回りに回転しても、可動体1201が移動できない。
また、可動体1201が目標位置に位置した状態において、連結部1215dに孔付平歯車1256cの後から見た反時計回りの回転による力が伝わらないように、逃げ孔付力作用孔部1256c1の「く」状の形状のうちの上半分の長孔(逃げ孔)部分が設けられている。このため、可動体1201が目標位置に位置した状態から、さらに、案内棒付平歯車1211bが後から見て反時計回りに回転可能となっている。また、可動体1201が目標位置に位置した状態において、連結部1215eに孔付平歯車1256cの後から見た反時計回りの回転による力が伝わるように、逃げ孔付力作用孔部1256c2の「へ」状の形状の一方の端部の壁面(連結部1215eが接する壁面)が設けられている。このため、可動体1201が目標位置に位置した状態から、モータ1260を後から見て反時計回りに回転させることで、連結部1215eには、後から見て反時計回りに回転の力が作用することになる。また、連結部1215eは、可動体後カバー部1209の後壁面で回転可能な案内棒付平歯車1211bに固定されている。このため、可動体1201が目標位置に位置した状態から、モータ1260を後から見て反時計回りに回転させることで、案内棒付平歯車1211bが後から見て反時計回りに回転することになる。また、案内棒付平歯車1211bが後から見て反時計回りに回転することで平歯車1211aが後から見て時計回りに回転し、ストッパー機能部付平歯車1211cが後から見て反時計回りに回転することになる。また、ストッパー機能部付平歯車1211cの回転軸にはシャフト1211d(図29参照)が固定され、シャフト1211dの回転によって、可動装飾部1203が前から見て時計回りに回転することになる。
図31(c)は、可動体1201が目標位置に到達後に可動装飾部1203の回転動作が実行された後の状態を示している。可動装飾部1203が、図31(b)の状態から、前から見て約180°時計回りに回転している。
図31(c’)は、図31(b’)からモータ1260が後から見て所定の角度、反時計回りに回転したことで、ストッパー機能部付平歯車1211cが後から見て約180°反時計回りに回転した状態を示している。また、可動体後カバー部1209に固定されている連結部1215dが、孔付平歯車1256cの逃げ孔付力作用孔部1256c1の「く」状の形状のうちの上半分の長孔部分の端壁面に当って停止している。このため、孔付平歯車1256cは、この状態から、後から見て反時計回りに回転できない。このため、モータ1260を後から見て反時計回りに回転するように駆動し続けたとしても、ストッパー機能部付平歯車1211cは回転できないため、可動装飾部1203は回転動作実行後の体勢が維持される。
また、本実施例の動力伝達機構1211のストッパー機能部付平歯車1211cの回転速度は、モータ1260の回転軸に固定されている平歯車1256aの回転速度に比して増速される。また、ストッパー機能部付平歯車1211cのトルクは、回転速度の増速分に反比例して減少する。このため、装飾部1203は、比較的小さいトルクで回転可能となるようにシャフト1211dに固定される。一方、ストッパー機能部付平歯車1211cの回転速度を増速したことから、ストッパー機能部付平歯車1211cの少しの回転や歯車同士の噛み合いの隙間(バックラッシュ)による揺れ程度でも、可動装飾部1203が回転したり揺れたりして体勢の保持が困難となる場合がある。このため、可動装飾部1203の体勢を保持する体勢保持部1213が設けられている。体勢保持部1213は、装飾部1203の回転動作の実行前においては、回転動作の実行前の体勢を維持するために用いられ、また、装飾部1203の回転動作の実行後においては、回転動作の実行後の体勢を維持するために用いられる。
次に、図32を用いて、図29および図31に示している体勢保持部1213を説明する。図32は、可動体後カバー部1209の後壁面に体勢保持部1213が設置された状態を示している。また、装飾部1203の回転動作が実行される前の状態で、回転動作の実行前の体勢が保持されている状態を示している。
第一保持部1213aと第二保持部1213bは、平歯車1211aの回転軸と平歯車1211c2の回転軸を通る直線に対して線対称の形状であり、略円弧形状を有している。また、第一保持部1213aの略円弧形状の一端にある支点1213a1が、可動体後カバー部1209の後壁面に平行な面内での回転の支点になるように、可動体後カバー部1209の後壁面に、回転可能にネジ止めされている。また、同様に、第二保持部1213bの略円弧形状の一端にある支点1213b1が、可動体後カバー部1209の後壁面に平行な面内での回転の支点になるように、可動体後カバー部1209の後壁面に、回転可能にネジ止めされている。また、バネ係止部1213a2の後から見て右下に1個、バネ係止部1213b2の後から見て左上に1個ずつ、位置決め壁(不図示)が設けられている。また、第一保持部1213aの他端にあるバネ係止部1213a2は、つるまきバネ1213cの収縮方向に力が作用している。また、同様に、第二保持部1213bの他端にあるバネ係止部1213b2は、つるまきバネ1213cの収縮方向に力が作用している。このため、つるまきバネ1213cの所定の弾性力によって、第一保持部1213aの他端と第二保持部1213bの他端が、各々の位置決め壁に押さえ付けられることになるため、第一保持部1213aと第二保持部1213bは、回転しないで静止した状態が保たれる。
また、第一保持部1213aの略円弧形状の内側には、ストッパー機能部付平歯車1211cのストッパー機能部1211c1が容易に動かないようにする保持部1213a3が設けられている。保持部1213a3は、ストッパー機能部1211c1の略半円柱形状の外表面に合わせた略半円の円弧形状の窪みを有している。また、可動装飾部1203の回転動作が実行される前は、保持部1213a3にストッパー機能部1211c1が位置することになる。このため、つるまきバネ1213cの弾性力によって、ストッパー機能部付平歯車1211cの回転が抑制される。このため、可動装飾部1203の回転動作実行前において、回転動作実行前の体勢が保たれる。
また、同様に、可動装飾部1203の回転動作の実行後は、ストッパー機能部1211c1は、第二保持部1213bの略円弧形状の内側の保持部1213b3に位置することになる。このため、つるまきバネ1213cの弾性力によって、ストッパー機能部1211c1の動きが規制されることになり、ストッパー機能部付平歯車1211cの回転が抑制される。このため、可動装飾部1203の回転動作実行後において、回転動作実行後の体勢が保たれる。
また、本実施例による上部右サイド役物1200は、上部右サイド可動体1201の移動範囲の下端位置を目標位置としているがこれに限られない。モータ1260の回転軸の回転角を任意に設定することで、上部右サイド可動体1201の目標位置を任意に設定してもよいし、上部右サイド可動体1201の可動装飾部1203の回転動作の実行の有無を決定してもよい。例えば、リーチ演出における大当りの信頼度に対応させて、上部右サイド可動体1201の目標位置を設定してもよいし、各種の大当り遊技や小当り遊技等における遊技者の有利度に対応させて、上部右サイド可動体1201の目標位置を設定してもよい。また、リーチ演出における大当りの信頼度に対応させて、可動装飾部1203の回転動作の実行の有無を決定してもよいし、各種の大当り遊技や小当り遊技等における遊技者の有利度に対応させて、可動装飾部1203の回転動作の実行の有無を決定してもよい。また、上部右サイド役物1200の上部右サイド可動体1201の動作を、上部左サイド役物1300の上部左サイド可動体1301の動作と左右対称になるように制御してもよいし、上部左サイド役物1300の上部左サイド可動体1301の動作と左右対称にならないように制御してもよい。
また、本実施例による上部右サイド役物1200によれば、一の駆動源によって、可動体1201の移動動作と可動体1201の可動装飾部1203の回転動作が連続して実行可能となる場合がある。また、本実施例よる上部右サイド役物1200によれば、可動装飾部1203の回転動作に用いられる歯車によって可動装飾部1203の回転が増速可能となる場合がある。このため、可動体1201の移動動作速度に比して、可動装飾部1203の回転動作の回転速度を速めることができるため、これらの動作が一連に行われることで、遊技者に意外性を付与できる場合がある。また、本実施例の上部右サイド役物1200は、可動装飾部1203の体勢を保持する体勢保持部を有している。このため、歯車比によって増速される可動体であっても、確実に可動体の体勢を保持して可動体の動作制御を実行可能となる場合がある。
また、本実施例における可動体1201は、遊技盤200に平行な面内において、右上方向から左下方向への動作が可能であるがこれに限られない。例えば、可動体1201は、上部右サイド役物1200の上部右サイド可動体支援部1250の設置方向を様々な方向に設置することで、可動体1201は、様々な方向の移動動作が実行可能なる。また、上部右サイド可動体支援部1250を別の駆動手段等(例えば、モータや歯車等)を用いて、上部右サイド可動体支援部1250の設置方向を任意に変更可能とすることもできる。
次に、本実施例の下部右サイド役物1400の可動体1401の動作について、図33および図34を用いて説明する。
図33(a)~(c)は、可動体1401が初期位置から目標位置までの移動の状態を段階的に表した下部右サイド役物1400の右側面の略示図である。図33(a)は、可動体1401が初期位置に位置している状態を示している。図33(b)は、可動体1401が初期位置から所定の距離だけ上方に移動した状態を示している。図33(c)は、可動体1403が図33(b)の位置から上方に移動し、目標位置に到達した状態を示している。また、本実施例の可動体1401は、可動体(可動体前部)1403、可動体(可動体後部)1405、および可動体(可動体中部)1425を有している。また、可動体1401は、図30に示すモータ1462を駆動することによって、上下方向に移動する。
図33(a)に示す状態の可動体1401は、体勢変化機構1407のローラ1407fが、誘導部1452の誘導部1452aの下端付近に位置している。また、可動体1403は、略円弧形状の円弧が下に凸となるような体勢である。
図33(b)に示す状態の可動体1401は、体勢変化機構1407のローラ1407fが、誘導部1452の誘導部1452aの上端付近に位置している状態である。また、誘導部1452aは、前後方向に傾斜していないため、誘導部1452aの区間においては、案内棒付ラック1407eが前後方向に移動することはない。このため、可動体1403の体勢を変化させる回転軸となる軸1407b(図30参照)に固定されているピニオン1407dは回転しない。このため、可動体1403は、略円弧形状の円弧が下に凸となるような体勢が維持されている。
図33(c)に示す状態の可動体1401は、体勢変化機構1407のローラ1407fが、誘導部1452の誘導部1452bの上端付近に位置している状態である。また、誘導部1452bは、前上方向に所定の角度で傾斜しているため、誘導部1452bの区間においては、案内棒付ラック1407eが前方向に移動する。このため、ピニオン1407dは、案内棒付ラック1407eの前方向の移動量に比例して、右から見て時計回りに所定の角度、回転する。このため、可動体1403は、軸1407b(図30参照)を回転軸として、右から見て時計回りに所定の角度、回転する。すなわち、可動体1403は、誘導部1452bの区間において誘導されている状態では、上下方向の移動動作と体勢が徐々に変化する回転動作が同時に実行されることになる。また、誘導部1452aと誘導部1452bは繋がっているため、可動体1403が誘導部1452aに誘導される状態の可動体1403の動作と可動体1403が誘導部1452bに誘導される状態の可動体1403の動作は、連続して実行されることになる。また、誘導部1452bの傾斜角を変更することによって、可動体1403の回転速度と回転角度を変更することができる。例えば、誘導部1452bの傾斜角を小さくすると、可動体1403の回転速度は遅くなり、回転角度は小さくなり、反対に、誘導部1452bの傾斜角を大きくすると、可動体1403の回転速度は速くなり、回転角度は大きくなる。このため、誘導部1452aを比較的長めに設けて誘導部1452bの傾斜角を大きくすると、可動体1403は目標位置の直前で急激に体勢が変化することになる。なお、ピニオン1407dの歯数を変更することで、可動体1403の回転速度と回転角度を変更することもできる。例えば、ピニオン1407dの歯数を多くすると、可動体1403の回転速度は遅くなり、回転角度も小さくなる。また、ピニオン1407dの歯数を少なくすると、可動体1403の回転速度は速くなり、回転角度も大きくなる。
また、可動体1401が目標位置(図33(c))から初期位置(図33(a))への移動は、可動体1401の上方向への移動とは逆方向(本実施例では、前から見て時計回りの方向)に、図30に示すモータ1462の回転軸を回転させることで実行される。また、可動体1401の初期位置の設定は、図30に示すフォトセンサ1472を用いて実行される。また、本実施例による可動体1401の初期位置は、可動体1401が移動できる領域の下端付近を初期位置とし、可動体1401が移動できる領域の上端付近を目標位置としているがこれに限られない。例えば、可動体1401が移動できる領域の上端付近を初期位置とし、可動体1401が移動できる領域の下端付近を目標位置としてもよい。
また、本実施例に用いられる誘導部1452は、鉛直上下方向に直線状に延びた溝を有する誘導部1452aと前上方向に所定の角度で傾斜して直線状に延びた溝を有する誘導部1452bとを有しているがこれに限られない。例えば、誘導部1452は、前上方向に所定の角度で傾斜して直線状に延びた溝を有する誘導部1452bのみで構成されていても、可動体1403は、上下方向の移動動作と体勢を変化させる動作が実行される。また、誘導部1452は、誘導部1452aと誘導部1452bに加えて、別の誘導部を備える構成であってもよいし、さらに、複数の誘導部を加える構成であってもよい。
図34(a)~(d)は、可動体1401が初期位置から目標位置までの移動の状態を段階的に表した下部右サイド役物1400を前方右上から後方左下に見た斜視図である。
図34(a)は、可動体1401が初期位置に位置している状態を表している。この場合、可動体1403の体勢(姿勢)は、可動体1403の一方の外表面を構成する前装飾部1403aが前を向いている状態であり、可動体1403の他方の外表面を構成する後装飾部1403bが後を向いている状態である。このため、前装飾部1403aが視認可能な状態であり、可動体1403の他方の外表面となる後装飾部1403bの視認が困難な状態である。また、可動体1403の少なくとも一部が可動体1405の前方の少なくとも一部を遮蔽しているため、遊技者から可動体1405の全体を視認することが困難な状態である。また、本実施例では、可動体1401の前方には、図3および図10に示すレール飾り部材800や透明遊技盤810が位置することになる。このため、可動体1403の体勢が変化すると、可動体1403とレール飾り部材800や透明遊技盤810の少なくとも一部に干渉することになる。このため、可動体1403は初期位置に位置している状態においては、可動体1403は、レール飾り部材800(例えば、前面ステージ244の部分)や透明遊技盤810の少なくとも一部に干渉しない体勢が維持されている。また、本実施例では、遊技者は、可動体1401の少なくとも一部が透明遊技盤を介して視認可能となっているが、可動体1401が視認困難な状態であってもよい。
図34(b)は、可動体1401が初期位置から所定の距離、上方に全体が平行移動した状態を表している。可動体1401の上方への移動は、プーリ付平歯車1458cとプーリ1458dに掛けられているベルト1458aの回転によって実行される。また、図34(b)に示す状態の可動体1401は、体勢変化機構1407のローラ1407fが、誘導部1452の誘導部1452aの上端付近に位置している状態である。この場合、可動体1403は体勢が変化する前の状態であるため、可動体1403が初期位置に位置している体勢が維持されている。また、本実施例では、誘導部1452aが設けられた区間においては、可動体1401の前方には、図3および図10に示すレール飾り部材800や透明遊技盤810が位置することになる。このため、可動体1403の体勢が変化すると、可動体1403とレール飾り部材800や透明遊技盤810の少なくとも一部に干渉することになる。このため、可動体1403が誘導部1452aに誘導されている状態においては、可動体1403はレール飾り部材800や透明遊技盤810の少なくとも一部に干渉しない体勢が維持されている。
図34(c)は、可動体1401が図34(b)に示す状態の可動体1401の位置から所定の距離、上方に全体が平行移動した状態を表している。可動体1401の上方への移動は、プーリ付平歯車1458cとプーリ1458dに掛けられているベルト1458aの回転によって実行される。また、図34(c)に示す状態の可動体1401は、体勢変化機構1407のローラ1407fが、誘導部1452の誘導部1452bの上端と下端の中頃に位置している状態である。この場合、可動体1403は、図30に示す体勢変化機構1407の軸1407aと軸1407bを回転軸として、右から見て時計回りに約90°回転している。このため、可動体1403の一方の外表面を構成する前装飾部1403aは上を向いている状態であり、可動体1403の他方の外表面を構成する後装飾部1403bは下を向いている状態である。また、可動体1403の体勢の変化によって、可動体1405の視認可能となる領域が徐々に増えている。また、可動体1403の体勢の変化によって、可動体1403の少なくとも一部が可動体1425の前方の少なくとも一部を遮蔽して、可動体1425の少なくとも一部が視認困難となっている。また、本実施例では、誘導部1452bが設けられた区間においては、可動体1401の前方に、図3および図10に示すレール飾り部材800や透明遊技盤810が位置していない。このため、可動体1403の体勢が変化しても、可動体1403とレール飾り部材800や透明遊技盤810の少なくとも一部が干渉することはない。
図34(d)は、可動体1401が図34(c)に示す状態の可動体1401の位置から所定の距離、上方に移動し、目標位置に到達した状態を表している。可動体1401の上方への移動は、プーリ付平歯車1458cとプーリ1458dに掛けられているベルト1458aの回転によって実行される。また、図34(d)に示す状態の可動体1401は、体勢変化機構1407のローラ1407fが、誘導部1452の誘導部1452bの上端付近に位置している状態である。この場合、可動体1403は、図30に示す体勢変化機構1407の軸1407aと軸1407bを回転軸として、右から見て時計回りに約180°回転している。このため、可動体1403の一方の外表面を構成する前装飾部1403aは後を向いている状態であり、可動体1403の他方の外表面を構成する後装飾部1403bは前を向いている状態である。したがって、可動体1403の体勢の変化によって、可動体1403の体勢変化前の可動体1403の視認が困難となる部分が、可動体1403の体勢変化後においては視認可能となっている。また、可動体1403が体勢変化することで、可動体1403の少なくとも一部が、可動体1405や可動体1425の前方を遮蔽していない状態となる。
また、図34(d)は、可動体1425の一部が開く動作と可動体1425の回転する動作が実行されている状態を表している。また、本実施例では、可動体1425の上述の動作は、可動体1401が目標位置に到達した状態から開始されているがこれに限られない。例えば、可動体1401が初期位置に位置する状態から、可動体1425の上述の動作が実行開始されてもよいし、可動体1403が誘導部1452aに誘導されている状態において可動体1425の上述の動作が実行開始されてもよいし、可動体1403の体勢変化の動作の開始に合わせて可動体1425の上述の動作が実行開始されてもよい。また、可動体1403の体勢変化の動作の途中(可動体1403が誘導部1452bに誘導されている状態)に可動体1425の上述の動作が実行開始されてもよい。また、可動体1401の移動動作とは無関係に、可動体1425の上述の動作が実行されてもよいが、これらに限られない。
図35は、下部右サイド役物1400の可動体1401を後方左下から後方右上に見た状態を示している。ただし、動力伝達機構カバー部1421は説明を容易にするために記載を省略している。
可動体中部1425は、前後の方向の位置座標においては、可動体前部1403と可動体後部1405の間に位置している。また、可動体中部1425の上述の動作を実行するための駆動源となるモータ1411が、案内部付モータカバー部1409に取り付けられている。また、モータ1411の回転軸が後から見て反時計回りに回転すると、LED基板カバー部1417の後壁面に取り付けられている平歯車1419aもモータ1411の回転軸に合わせて後から見て反時計回りに回転する。また、平歯車1419aの当該回転によって、平歯車1419bが後から見て時計回りに回転する。また、平歯車1419bの当該回転によって、平歯車1419cが、所定の回転速度に減速されて、後から見て、反時計回りに回転し、可動体中部1425の上述の動作が実行されることになる。このように、本実施例の可動体中部1425は、可動体1401の移動動作や可動体前部1403の体勢が変化する動作に用いられる動力源(モータ1462)とは、別の動力源(モータ1411)が用いられているがこれに限られない。例えば、所定の位置に固定され動かない歯竿を設けることで、可動体1401の上下方向の移動によって、平歯車1419aを回転させる構造であってもよい。この場合は、可動体1401の移動動作や可動体前部1403の体勢が変化する動作に用いられる動力源(モータ1462)によって、可動体中部1425の上述の動作が実行されることになる。
次に、図36(a)~(f)を用いて、本実施例の下部右サイド役物1400の可動体1403の体勢を変化させるための、誘導部1452(図29、図33等参照)の変形例を説明する。
図36(a)~(f)は、誘導部1452の形状を右側面から見た略示図である。また、図36(a)~(f)に示す誘導部1452は、図29に示す溝と同様の溝を有している。
図36(a)に示す誘導部1452は、前上方向に所定の角度で傾斜して直線状に延びた溝を有する誘導部a1に、鉛直上下方向に直線状に延びた溝を有する誘導部a2が繋がっている。このため、図30に示す体勢変化機構1407のローラ1407fが図36(a)に示す誘導部1452を上方向に移動することで、可動体1403は、初期位置からの移動開始と同時に体勢を変化する動作が開始され、体勢変化が終了した体勢でさらに上方への移動が実行されることになる。
図36(b)に示す誘導部1452は、鉛直上下方向に直線状に延びた溝を有する誘導部b1に前上方向に所定の角度で傾斜して直線状に延びた溝を有する誘導部b2が繋がり、さらに、誘導部b2に鉛直上下方向に直線状に延びた溝を有する誘導部b3が繋がっている。このため、ローラ1407fが誘導部b1を上方向に移動している場合は、可動体1403は、初期位置の体勢で上方向の移動が実行される。また、ローラ1407fが誘導部b2を上方向に移動している場合は、可動体1403は、体勢を変化する動作と上方向の移動が同時に実行される。また、ローラ1407fが誘導部b3を上方向に移動している場合は、可動体1403は、体勢変化が終了した体勢で上方向の移動が実行される。
図36(c)に示す誘導部1452は、鉛直上下方向に直線状に延びた溝を有する誘導部c1に前上方向に急激にカーブした略円弧状の溝を有する誘導部c2が繋がっている。このため、ローラ1407fが誘導部c2を上方向に移動している場合は、可動体1403の上方向の移動距離は比較的小さくなる。このため、ローラ1407fが誘導部c1と誘導部c2を移動する場合は、可動体1403は目標の位置に到達する直前で急激に体勢が変化することになる。
図36(d)に示す誘導部1452は、前上方向に鉛直上下方向を基準に所定の角度(例えば、30°)で傾斜して直線状に延びた溝を有する誘導部d1に、誘導部d1の所定の角度以上に前上方向に鉛直上下方向を基準に所定の角度(例えば、45°)で傾斜して直線状に延びた溝を有する誘導部d2が繋がっている。このため、ローラ1407fが誘導部d1を上方向に移動する場合は、可動体1403は、体勢が比較的ゆっくり変化して上方向に移動する。また、ローラ1407fが誘導部d2を上方向に移動する場合は、可動体1403は、体勢が比較的速く変化して上方向に移動することになる。
図36(e)に示す誘導部1452は、前上方向に所定の角度で傾斜して直線状に延びた溝を有する誘導部e1に、後上方向に所定の角度で傾斜して直線状に延びた溝を有する誘導部e2が繋がっている。このため、ローラ1407fが誘導部e1を上方向に移動する場合は、可動体1403は、体勢を変化する動作と上方向の移動が同時に実行される。また、ローラ1407fが誘導部e2を上方向に移動する場合は、可動体1403は、体勢変化後の体勢が初期位置での体勢に戻る体勢変化の動作が実行されるのと同時に上方向に移動することになる。また、図36(e)に示す誘導部1452の誘導部e2の上部に更に誘導部e1を繋げる構成であってもよい。
図36(f)に示す誘導部1452は、鉛直上下方向に直線状に延びた溝を有する誘導部f2と前上方向に所定の角度で傾斜して直線状に延びた溝を有する誘導部f3とが並列して、鉛直上下方向に直線状に延びた溝を有する誘導部f1に繋がっている。誘導部f3は、誘導部f2の前方に位置している。また、誘導部f2の前壁面と誘導部f3の後壁面がぶつかる箇所を支点として回転可能な壁f4が設けられている。このため、壁f4を右から見て時計回りに回転させて所定の位置で保持することによって、壁f4は、誘導部f2の前壁面として機能し、壁f4を右から見て反時計回りに回転させて所定の位置で保持することによって、壁f4は、誘導部f3の後壁面として機能することになる。このため、壁f4が誘導部f2の前壁面として機能する場合は、ローラ1407fは、誘導部f1から誘導部f2(以下、経路1と称する。)に移動することになる。一方、壁f4が誘導部f3の後壁面として機能する場合は、ローラ1407fは、誘導部f1から誘導部f3(以下、経路2と称する。)に移動することになる。このため、ローラ1407fが経路1を移動する場合は、可動体1403の体勢変化の動作は実行されず、ローラ1407fが経路2を移動する場合は、可動体1403の体勢変化の動作が実行されることになる。このため、壁f4の回転を制御することによって、可動体1403の体勢変化の動作の有無を決めることができる。
また、本実施例の下部右サイド役物1400は、図36(a)~(f)に示す誘導部1452の各誘導部(誘導部a1~f3)と図29に示す誘導部1452aや1452bとを含めて、どのように組み合わせることもできる。例えば、図36(e)に示す誘導部1452の上部に図29に示す誘導部1452bの下部を繋げることもできる。また、図29に示す誘導部1452aの上部に図36(e)に示す誘導部1452の下部を繋げることもできる。これらの場合、可動体1403が図36(e)に示す誘導部1452に誘導されることで、可動体1403は、初期位置での体勢から変化して初期位置での体勢に戻ることになる。
また、本実施例における可動体1401は、上下方向の動作が可能であるがこれに限られない。例えば、可動体1401は、下部右サイド役物1400の下部右サイド可動体支援部1450の設置方向を様々な方向に設置することで、可動体1401は、様々な方向の移動動作が実行可能なる。
次に、以上説明した一実施の形態によるぱちんこ機100の特徴的構成について再度図1乃至図36を参照しつつ説明する。
(B1)
複数の動作を少なくとも実行可能な可動体(例えば、可動体1403)を備えた遊技台(例えば、ぱちんこ機100)であって、
前記複数の動作のうちの少なくとも一つは、前記可動体が第一の体勢(例えば、可動体1403の初期位置での体勢)で動作する動作を少なくとも含む動作(以下、「第一の動作」という。)であり(例えば、図34(a)、(b)参照)、
前記複数の動作のうちの少なくとも一つは、前記可動体が前記第一の体勢から第二の体勢(例えば、可動体1403の目標位置での体勢)に変化する動作を少なくとも含む動作(以下、「第二の動作」という。)であり(例えば、図34(c)、(d)参照)、
前記第一の動作と前記第二の動作は、前記可動体の一連の動作(例えば、誘導部1452aと誘導部1452bが連結することに関連する動作)である(例えば、図33参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、可動体の動作の途中で可動体の体勢が変化する場合がある。また、可動体の一連の動作の実行中に可動体の体勢を変化させることができる場合もあり、可動体の動作に特徴を持った遊技台を提供できる。
(B2)
上記(B1)に記載の遊技台であって、
前記可動体の動作を少なくとも誘導可能な複数の誘導部(例えば、誘導部1452aや誘導部1452b)を備え、
前記可動体は、前記複数の誘導部のうちの少なくとも一つ(以下、「第一の誘導部(例えば、誘導部1452a)」という。)により誘導されている状態では前記第一の動作を実行可能な可動体であり(例えば、図34(a)、(b)参照)、
前記可動体は、前記複数の誘導部のうちの少なくとも一つ(以下、「第二の誘導部(例えば、誘導部1452b)」という。)により誘導されている状態では前記第二の動作を実行可能な可動体であり(例えば、図34(c)、(d)参照)、
前記可動体は、前記第二の誘導部により誘導されることに関連して前記第一の体勢から前記第二の体勢へと変化可能な可動体である(例えば、図34(c)、(d)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、誘導部や可動体の動作に関連して可動体の体勢を変化させることができる場合がある。
(B3)
上記(B2)に記載の遊技台であって、
前記第一の誘導部は、前記可動体を第一の方向(例えば、上下方向)に誘導可能な誘導部であり(例えば、図33参照)、
前記第二の誘導部は、前記可動体を第二の方向(例えば、上下方向と左右方向を軸とする回転方向)に誘導可能な誘導部であり(例えば、図33参照)、
前記可動体は、前記第一の誘導部によって前記第一の体勢を維持した状態で前記第一の方向に少なくとも誘導される可動体であり(例えば、図34(a)~(b)参照)、
前記可動体は、前記第二の誘導部によって前記第一の体勢から前記第二の体勢へと変化しながら前記第二の方向に少なくとも誘導される可動体である(例えば、図34(c)~(d)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、誘導部による誘導方向への動きと可動体の体勢に関連性があるため、可動体の動作に幅を持たせることができる場合がある。
(B4)
上記(B2)または(B3)に記載の遊技台であって、
前記可動体の周辺に位置する周辺部材(例えば、透明遊技盤810)を備え(例えば、図3、図10参照)、
前記第一の誘導部は、前記可動体を第一の位置(例えば、誘導部1452aの下端付近の上下方向の座標位置)から第二の位置(例えば、誘導部1452aの上端付近の上下方向の座標位置)へと誘導可能な誘導部であり(例えば、図34(a)、(b)参照)、
前記可動体は、前記第一の位置から前記第二の位置の間の少なくとも一部の区間(以下、「第一の区間」という。)において前記第二の体勢を取ることが困難であり(例えば、図34(a)、(b)参照)、
前記第一の区間は、前記可動体が前記第二の体勢を取る場合に前記周辺部材と干渉する区間である(例えば、図3、図10参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、空きスペースを利用しつつ可動体の多彩な動きを実現できる場合がある。
(B5)
上記(B4)に記載の遊技台であって、
前記可動体は、前記第一の位置において遊技者から少なくとも視認可能(例えば、透明遊技盤810を介して視認可能)な可動体であり(例えば、図3、図10参照)、
前記可動体は、前記第二の位置において遊技者から少なくとも視認可能な可動体である(例えば、図3、図10参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の体勢での動作も確実に遊技者に見せることができる場合がある。
(B6)
上記(B1)乃至(B5)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の動作と前記第二の動作を少なくとも実行可能な一の駆動手段(例えば、図30に示すモータ1462)を備えた、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、一の駆動手段で可動体の多彩な動作を実現できる場合がある。
(B7)
複数の可動部を含む可動体を備えた遊技台であって、
前記複数の可動部のうちの少なくとも一つは、第一の可動部(例えば、可動体前部1403)であり、
前記複数の可動部のうちの少なくとも一つは、第二の可動部(例えば、可動体中部1425)であり、
前記第一の可動部は、第一の動作を少なくとも実行可能な可動部であり、
前記第一の可動部は、第二の動作を少なくとも実行可能な可動部であり、
前記第一の動作と前記第二の動作は、前記第一の可動部の一連の動作(例えば、誘導部1452aと誘導部1452bが連結することに関連する動作)であり(例えば、図33参照)、
前記第一の動作は、前記第一の可動部が第一の体勢(例えば、初期位置での体勢)で動作する動作を少なくとも含む動作であり(例えば、図34(a)、(b)参照)、
前記第二の動作は、前記第一の可動部が前記第一の体勢から第二の体勢(例えば、目標位置での体勢)に変化する動作を少なくとも含む動作であり(例えば、図34(c)、(d)参照)、
前記第二の可動部は、第三の動作(例えば、可動部1425の一部が開く動作(外装飾部1425a(装飾部1425a1~1425a6)が放射線状に移動する動作)と回転する動作(外装飾部1425a(装飾部1425a1~1425a6)の回転動作および内装飾部1425bと中装飾部1425cの回転動作))を少なくとも実行可能な可動部であり(例えば、図34(d)参照)、
前記第三の動作は、前記第一の動作の実行中に少なくとも開始可能な動作であり、
前記第三の動作は、前記第二の動作の実行中に少なくとも開始可能な動作である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の可動部で多彩な動きをしながら、第二の可動部がいつでも動作可能であり、可動体全体の動きを多彩にすることができる場合がある。
(B8)
上記(B7)に記載の遊技台であって、
前記第一の可動部は、第一の駆動源(例えば、図30に示すモータ1462)により動作が可能とされ、
前記第二の可動部は、第二の駆動源(例えば、図30に示すモータ1411)により動作が可能とされる、ことを特徴とする遊技台。
(B9)
上記(B1)乃至(B8)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機(例えば、ぱちんこ機100)である、ことを特徴とする遊技台。
(B10)
上記(B1)乃至(B9)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、スロットマシン(例えば、スロットマシン2000)である、ことを特徴とする遊技台。
(B11)
上記(B1)乃至(B10)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第二の体勢は、前記第一の体勢から前記可動体の少なくとも一部が回転動作を行うことで形成される体勢である(例えば、図34(c)、(d)参照)、ことを特徴とする遊技台。
(B12)
上記(B1)乃至(B11)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の動作は、前記可動体が第一の体勢から体勢が変化した後で該第一の体勢に戻る動作を少なくとも含む動作である(例えば、図36(e)に示す誘導部1452の上部に図29に示す誘導部1452bの下部を繋げた場合の動作)、ことを特徴とする遊技台。
(B13)
上記(B1)乃至(B12)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第二の動作は、前記可動体が第一の体勢から体勢が変化した後で該第一の体勢に戻る動作を少なくとも含む動作である(例えば、図29に示す誘導部1452aの上部に図36(e)に示す誘導部1452の下部を繋げた場合の動作)、ことを特徴とする遊技台。
(B14)
上記(B1)乃至(B13)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第二の動作は、前記第一の動作の後に実行される場合がある(例えば、図33参照)、ことを特徴とする遊技台。
(B15)
上記(B1)乃至(B14)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の動作は、前記第二の動作の後に実行される場合がある(例えば、図36(a)参照)、ことを特徴とする遊技台。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
可動体の第一の体勢、第二の体勢は必ずしも一つの体勢でなくてもよい。例えば、第一の体勢は第三の体勢を含んでいてもよい。また、第一の誘導部の区間における可動体の体勢と第二の誘導部の区間における可動体の体勢が異なり、その間の区間における可動体の体勢は第一の体勢や第三の体勢等の第二の体勢以外の体勢をとってもよい。
また、可動体は、第二の誘導部の少なくとも一部の区間で第一の体勢を取ってもよいし、第一の誘導部の少なくとも一部の区間で第二の体勢を取ってもよい。
また、可動体は、本実施例においては動きながら体勢を変える構成であるが、所定の地点において一気に第一の体勢から第二の体勢に変わる構成であってもよい。
また、可動体は、第一の体勢から変化して第一の体勢に体勢が戻る構成であってもよい(体勢が360°回転して元の体勢に戻る構成)。
また、可動体は、第一の位置から第二の位置の間の区間で周辺部材と干渉しない構成であってもよい。第一の誘導部の区間で単純な移動動作を見せつつ、いきなり第二の体勢に変化させることで遊技者に驚きを与えることができる場合がある。
また、誘導部と可動体の体勢の関係が維持されていれば、可動体を動作させる駆動手段は複数であってもよい。
また、可動体が誘導部を戻る際に元通りの体勢に戻らなくてもよい。例えば、第一の誘導部および第二の誘導部と対称的な構造が連なって、さらに第二の誘導部および第一の誘導部と連なって初期と同じ体勢に戻った場合に初期位置と異なる位置に移動する構成であってもよい(液晶下部から液晶上部へと移動し、別の動作条件が成立した場合に液晶上部から液晶下部に戻ってくるような構成)。
上記実施の形態による本発明は以下のようにまとめられる。
(付記b1)
複数の動作を少なくとも実行可能な可動体を備えた遊技台であって、
前記複数の動作のうちの少なくとも一つは、前記可動体が第一の体勢で動作する動作を少なくとも含む動作(以下、「第一の動作」という。)であり、
前記複数の動作のうちの少なくとも一つは、前記可動体が前記第一の体勢から第二の体勢に変化する動作を少なくとも含む動作(以下、「第二の動作」という。)であり、
前記第一の動作と前記第二の動作は、前記可動体の一連の動作である、ことを特徴とする遊技台。
(付記b2)
付記b1に記載の遊技台であって、
前記可動体の動作を少なくとも誘導可能な複数の誘導部を備え、
前記可動体は、前記複数の誘導部のうちの少なくとも一つ(以下、「第一の誘導部」という。)により誘導されている状態では前記第一の動作を実行可能な可動体であり、
前記可動体は、前記複数の誘導部のうちの少なくとも一つ(以下、「第二の誘導部」という。)により誘導されている状態では前記第二の動作を実行可能な可動体であり、
前記可動体は、前記第二の誘導部により誘導されることに関連して前記第一の体勢から前記第二の体勢へと変化可能な可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記b3)
付記b2に記載の遊技台であって、
前記第一の誘導部は、前記可動体を第一の方向に誘導可能な誘導部であり、
前記第二の誘導部は、前記可動体を第二の方向に誘導可能な誘導部であり、
前記可動体は、前記第一の誘導部によって前記第一の体勢を維持した状態で前記第一の方向に誘導される可動体であり、
前記可動体は、前記第二の誘導部によって前記第一の体勢から前記第二の体勢へと変化しながら前記第二の方向に誘導される可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記b4)
付記b2またはb3に記載の遊技台であって、
前記可動体の周辺に位置する周辺部材を備え、
前記第一の誘導部は、前記可動体を第一の位置から第二の位置へと誘導可能な誘導部であり、
前記可動体は、前記第一の位置から前記第二の位置の間の少なくとも一部の区間(以下、「第一の区間」という。)において前記第二の体勢を取ることが困難であり、
前記第一の区間は、前記可動体が前記第二の体勢を取る場合に前記周辺部材と干渉する区間である、ことを特徴とする遊技台。
(付記b5)
付記b4に記載の遊技台であって、
前記可動体は、前記第一の位置において遊技者から少なくとも視認可能な可動体であり、
前記可動体は、前記第二の位置において遊技者から少なくとも視認可能な可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記b6)
付記b1乃至b5のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の動作と前記第二の動作を少なくとも実行可能な一の駆動手段を備えた、ことを特徴とする遊技台。
(付記b7)
複数の可動部を含む可動体を備えた遊技台であって、
前記複数の可動部のうちの少なくとも一つは、第一の可動部であり、
前記複数の可動部のうちの少なくとも一つは、第二の可動部であり、
前記第一の可動部は、第一の動作を少なくとも実行可能な可動部であり、
前記第一の可動部は、第二の動作を少なくとも実行可能な可動部であり、
前記第一の動作と前記第二の動作は、前記第一の可動部の一連の動作であり、
前記第一の動作は、前記第一の可動部が第一の体勢で動作する動作を少なくとも含む動作であり、
前記第二の動作は、前記第一の可動部が前記第一の体勢から第二の体勢に変化する動作を少なくとも含む動作であり、
前記第二の可動部は、第三の動作を少なくとも実行可能な可動部であり、
前記第三の動作は、前記第一の動作の実行中に少なくとも開始可能な動作であり、
前記第三の動作は、前記第二の動作の実行中に少なくとも開始可能な動作である、ことを特徴とする遊技台。
(付記b8)
付記b1乃至b7のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機である、ことを特徴とする遊技台。
(付記b9)
付記b1乃至b7のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、スロットマシンである、ことを特徴とする遊技台。
続いて、本発明の一実施の形態によるぱちんこ機100の中央下部役物1600について図37および図38を用いて説明する。
中央下部役物1600は、特図変動遊技の演出や普図変動遊技の演出、あるいは大当り遊技の演出やデモ演出等で用いられる。例えば、リーチ演出、特図1小当り演出、特図2小当り演出、普図当選演出、先読み予告演出、2Rの大当り遊技演出、15R特別大当り遊技演出、およびチャンスボタン136の操作や設定操作部137の操作に関連した演出等のその他の様々な演出に用いられる。また、本実施例の中央下部役物1600の可動体(以下、「中央下部可動体」または「可動体」と称する場合がある。)1601は、上下方向の動作が可能であり、中央下部可動体1601の一部は、遊技盤200の盤面と平行な面内で回転すること(以下、「回転動作」と称する場合がある。)も可能である。また、中央下部可動体1601は、他の可動体の動作に連動して動作する場合もあり、または、他の可動体の動作とは無関係に独立して動作する場合もある。
図37は、本実施の形態によるぱちんこ機100の可動体1601の実施例であって、可動体1601を含む中央下部役物1600の構成を示す分解斜視図である。図37は、中央下部役物1600を前方右上から後方左下に見た状態を示している。
中央下部役物1600は、主に、中央下部可動体1601と中央下部可動体1601を可動させるための可動体支援部1650を有している。また、中央下部可動体1601は、主に、前部1601aと可動体1601の上下方向の動作に関連する後部1601bを有している。前部1601aは、装飾部1601a1と円形表示部1601a2を有している。
先ず、中央下部可動体1601の前部1601aの装飾部1601a1について説明する。可動体前側装飾部1603aは、中央下部可動体1601の前側の装飾部である。また、可動体前側装飾部1603aには、円形フィルム1605が遊技者から視認可能となるように開口部が形成されている。また、可動体前側装飾部1603aは、後部1601bにある可動体後側カバー部1603bの前壁面にネジ止めで固定されている。また、可動体上側装飾部1603dは、中央下部可動体1601の上側の装飾部である。可動体上側装飾部1603dは、可動体後側カバー部1603bの後壁面上部にネジ止めで固定されている。
次に、円形表示部1601a2について説明する。円形フィルム1605は、回転動作を実行するフィルム状の円形の表示部として用いられる。円形フィルム1605は、円形物1607の前側表面に貼付される。円形物1607は、透明樹脂製の円板であり、円の中心部には、シャフト1615dの一端を固定するための固定孔を有している。このため、円形物1607とシャフト1615dが固定され、シャフト1615dが回転することで、円形物1607が回転する。また、本実施例では、中央下部可動体1601が後述する目標位置に到達した後に円形物1607が回転するように制御するがこれに限られない。例えば、中央下部可動体1601が後述する初期位置に位置している状態から円形物1607が回転するように制御してもよいし、中央下部可動体1601が初期位置から目標位置の間の任意の位置に位置した状態から円形物1607が回転するように制御してもよい。また、中央下部可動体1601が目標位置に到達した後に円形物1607の回転を停止するように制御してもよい。
円形物カバー部1609は、円形フィルム1605が貼付された円形物1607を収容するために用いられる。また、円形物カバー部1609は、可動体前側装飾部1603aの後壁面にネジ止めで固定される。また、円形物カバー部1609の中心部には、前後方向にシャフト1615dを通す貫通孔が形成されている。また、可動体前側装飾部1603a、円形フィルム1605、円形物1607、および円形物カバー部1609は、LED基板1611に実装されるLED(不図示)の光を透過させるために、光透過率の高い部材で構成されている。
LED基板1611は、円形物カバー部1609の後壁面と可動体前側装飾部1603aの後壁面と円形物カバー部1609の後壁面にネジ止めで固定される。LED基板1611の実装面には、LED(不図示)やLEDを点灯させるための駆動回路(不図示)が搭載されている。また、LED基板1611には、シャフト1615dを通すための貫通孔とモータ1613を前部1601aに収容するスペースを確保するための開口部を有している。
モータ1613は、円形物1607の回転動作を実行するための駆動源である。モータ1613は、モータの回転軸(平歯車1615aが取り付けられる側)が後を向くように、円形物カバー部1609の下側の前壁面にネジ止めで固定される。円形物カバー部1609は、モータ1613の回転軸を通す貫通孔を有している。また、モータ1613は、図4に示す駆動回路516に接続され、第2副制御部500によって制御される。なお、本実施例では、モータ1613は、ステッピングモータが使用されているがこれに限られない。例えば、DCブラシモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ、超音波モータ、サーボモータ等の様々なモータが使用可能であるがこれらに限られない。
動力伝達機構1615は、モータ1613の回転軸の回転により円形物1607を回転させるために用いられる機構で、主に、平歯車1615a、平歯車1615b、平歯車付円板1615c、およびシャフト1615dを有している。平歯車1615aは、モータ1613の回転軸に固定される。また、平歯車1615aの歯と平歯車1615bの歯が噛み合うように、平歯車1615bが平歯車1615aに隣接して設置される。また、平歯車1615bの歯と平歯車付円板1615cの平歯車1615c1(不図示)の歯が噛み合うように、平歯車1615bが平歯車付円板1615cに隣接して設置される。平歯車付円板1615cの中心部にはシャフト1615dが固定される。また、平歯車付円板1615cは、外周の一部に切欠き部1615c3が形成されている円板1615c2と平歯車1615c1(不図示)が一体となっている。
本実施例では、モータ1613の回転軸の位置(遊技盤200に平行な平面上における位置座標)と円形物1607の回転軸の位置(遊技盤200に平行な平面上における位置座標)を異ならせるために、動力伝達機構1615が用いられる。これにより、モータ1613の設置スペースを任意に設けることが可能となる。また、中央下部可動体1601の重心を考慮して、モータ1613の設置スペースを任意に設けることも可能である。また、平歯車1615aの歯数と平歯車1615c1の歯数の比を変更することで、モータ1613の回転軸の回転速度を所定の回転速度に変換して円形物1607を回転させることができる。なお、本実施例では、平歯車1615aの歯数と平歯車1615c1の歯数は同一となっている。このため、モータ1613の回転軸の回転速度と円形物1607の回転速度は同程度である。また、平歯車1615aと平歯車付円板1615cの間に平歯車1615bがあるため、モータ1613の回転軸の回転方向と円形物1607の回転方向は同じとなる。また、動力伝達機構1615は、モータ1613の回転軸のトルクを円形物1607に伝えるためにも用いられる。
フォトセンサ1617は、円形物1607の初期位置を検出するために用いられる。フォトセンサ1617は、図4に示す各種可動体センサ430に含まれており、図4に示すセンサ回路428に接続されている。また、フォトセンサ1617は、発光部と受光部が設けられ、発光部から射出された光を受光部で受光する構成である。また、フォトセンサ1617は、発光部と受光部が前後方向に対向し、右側面から見るとコの字形状(下側が開口している形状)を有している。また、フォトセンサ1617は、発光部と受光部の間に平歯車付円板1615cの平歯車1615c1の外周部分が位置するように、円形物カバー部1609の後壁面にネジ止めで固定される。また、平歯車付円板1615cの円板1615c2の切欠き部1615c3がフォトセンサ1617の発光部と受光部の間の位置に位置する場合は、発光部から射出された光が平歯車付円板1615cの円板1615c2で遮光されない。このため、当該位置が、円形フィルム1605の初期位置として設定される。
次に、中央下部可動体1601の後部1601bについて説明する。可動体後側カバー部1603bは、中央下部可動体1601の上下方向の移動に関連する部材である。可動体後側カバー部1603bが、上下方向に移動することで、可動体後側カバー部1603bにネジ止めされる前部1601aが上下方向に移動する。また、可動体後側カバー部1603bの後壁面中央部には、可動体支援部1650の誘導レール1660の内レール1660aが上下方向にネジ止めで固定される。
可動体下部1603cは、中央下部可動体1601の上下方向の移動に関連する部材である。可動体下部1603cは、略長方形の案内孔部1603c1(不図示)を有している。案内孔部1603c1は、左右方向に貫通し、貫通孔は前後方向に長細く形成されている。案内孔部1603c1の短辺の長さは連結部1658のローラ部1658aの外周円の直径に若干の余裕(クリアランス)を加えた長さである。長辺の長さはモータ1652の回転軸の中心から連結部1658の中心を通って連結部1658のローラ部の円周端部までの直線の長さに若干の余裕を加えた長さである。また、案内孔部1603c1の前後の両端は、連結部1658のローラ部の円周部に合わせて、半円の円弧形状となっている。案内孔部1603c1の前端部は、中央下部可動体1601を初期位置に規制(または、拘束)させる規制部(または、拘束部)として機能する場合があり、また、中央下部可動体1601の目標位置のメカエンドとして機能する場合がある(詳細は後述する。)。また、案内孔部1603c1の左右方向の位置座標と中央下部可動体1601の中央部の左右方向の位置座標が同じとなるように、可動体下部1603cは、可動体後側カバー部1603bの前壁面下部にネジ止めで固定される。また、本実施例の規制部は、剛性の比較的高い部材(例えば、樹脂製や金属製やセラミックス製の部材)が壁として用いられているがこれに限られない。例えば、メカエンドとの接触を和らげるような緩衝部材(例えば、軟性樹脂、ゴム、綿、布、発泡スチロール、気泡緩衝材)のようなものでも規制部として機能する場合がある。
また、可動体下部1603cには、つるまきバネ1664の下側の一端を係止するバネ係止部1603c2が、案内孔部1603c1の後端部の上部に形成されている。また、本実施例では、可動体下部1603cにはバネ係止部が1箇所のみ形成されているが、バネ係止部を複数箇所形成する構成であってもよい。また、可動体下部1603cには、中央下部可動体1601の初期位置の検出に用いられる板状の遮光部1603c3が形成されている。
次に、中央下部可動体1601を可動させるための可動体支援部1650について説明する。モータ1652は、中央下部可動体1601を上下方向に可動させるための駆動源であり、本実施例ではステッピングモータが使用されているがこれに限られない。例えば、DCブラシモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ、超音波モータ、サーボモータ等の様々なモータが使用可能であるがこれらに限られない。
モータ1652は、モータの回転軸のクランク1656が固定される側が右に向くように、モータ取付け部1654にネジ止めで固定される。また、モータ取付け部1654は、ベース部1662の前方壁面にネジ止めで固定される。ベース部1662は、役物ユニット820のユニット本体822にネジ止めで固定される。すなわち、モータ1652は、役物ユニット820のユニット本体822に固定される。また、モータ1652は、図4に示す駆動回路516に接続され、第2副制御部500によって制御される。
クランク1656は、モータ1652の回転軸と可動体下部1603cを連結するリンク機構として用いられる。クランク1656の一端は、モータ1652の回転軸に固定され、クランク1656の他端は、連結部1658が転動可能となるように連結部1658に固定される。また、本実施例ではモータ1652の回転軸にクランク1656が固定されているが、複数の平歯車等を用いて、モータ1652の回転軸とは別の回転軸(シャフト)にクランク1656が固定されていてもよい。これにより、モータ1652の回転軸の回転速度やトルクを所定の回転速度やトルクに変換して、クランク1656を回転させることができる場合がある。
連結部1658は、クランク1656の他端と可動体下部1603cとを案内孔部1603c1を介して連結するために用いられる。連結部1658は、略円筒形状のローラ部1658aと略円輪板形状のローラ外部1658bが一体となって形成されている。ローラ外部1658bは、ローラ部1658aの一端部に形成されている。また、ローラ外部1658bの外周円の直径は、ローラ部1658aの外周円の直径よりも長く、さらに、案内孔部1603c1の短辺の長さよりも長い。また、ローラ部1658aの外周円の直径は、案内孔部1603c1の短辺の長さよりも短い。このため、ローラ外部1658bが案内孔部1603c1の右外側に位置し、ローラ部1658aが案内孔部1603c1内に位置するように連結部1658をクランク1656に取り付けることで、連結部1658が案内孔部1603c1から容易に脱しないようになっている。また、連結部1658は、クランク1656が回転することで案内孔部1603c1の領域で転動(または可動)できる(詳細は後述する。)。
誘導レール1660は、中央下部可動体1601の移動の方向を誘導するために用いられる。誘導レール1660は、内レール1660a、中レール1660b、外レール1660cを有している。内レール1660aは、可動体後側カバー部1603bの後壁面中央部に可動体1601が上下方向に移動可能となるように上下方向にネジ止めで固定される。また、外レール1660cは、ベース部1662の前壁面中央上部に可動体1601が上下方向に移動可能となるように上下方向にネジ止めで固定される。また、中レール1660bは、外レール1660cのレールに沿って移動可能となるように外レール1660cの内側に備え付けられている。中レール1660bの内側に、中レール1660bのレールに沿って移動可能となるように内レール1660aが備え付けられる。また、内レール1660aと中レール1660bのレール接面部には、レール同士の摩擦を低減しレールが滑らかにスライドできるように複数のスチールボール(不図示)が配置されている。また、中レール1660bと外レール1660cのレール接面部にも、レール同士の摩擦を低減しレールが滑らかにスライドできるように複数のスチールボール(不図示)が配置されている。誘導レール1660の構成によって、可動体後側カバー部1603bは、ベース部1662に固定される外レール1630cの設置方向、すなわち、上下方向に動作可能となる。また、外レール1660cの下端部には、中レール1660bと内レール1660aとを停止させるレール停止部1660c1が設けられている。また、外レール1660cは、上下方向以外の方向に設けられてもよい。例えば、後下方向から前上方向であってもよいし、前下方向から後上方向であってもよい。また、外レール1660cは、上下方向のレールや後下方向から前上方向のレールや前下方向から後上方向のレールや前上方向に湾曲したレールや後上方向に湾曲したレール等を組み合わせる構成であってもよい。この場合、可動体1601は、上下方向の移動のみならず、前後方向にも移動可能となる。
ベース部1662は、可動体1601を上下方向に動作させる支持部として用いられる。ベース部1662は略板形状を有し、後壁面上部にはつるまきバネ1664の上側の一端を係止するバネ係止部1662aが設けられている。バネ係止部1662aに、つるまきバネ1664の一端(上側)を連結し、可動体下部1603cのバネ係止部1603c2に、つるまきバネ1664の他端(下側)が連結される。また、つるまきバネ1664の設置方向と誘導レール1630の設置方向は同一方向(上下方向)、かつ、つるまきバネ1664の設置位置の左右方向の位置座標と誘導レール1660の設置位置の左右方向の位置座標は同じとなるように、ベース部1662のバネ係止部1662aと可動体下部1603cのバネ係止部1603c2が形成されている。この構造により、中央下部可動体1601の可動方向とつるまきバネ1664の伸縮方向が同じになる。また、つるまきバネ1664の設置位置の左右方向の位置座標と誘導レール1660の設置位置の左右方向の位置座標は同じとなるため、中央下部可動体1601には、左右方向の力のモーメントは生じにくい構成であり、効率的に中央下部可動体1601を可動することができる場合がある。また、本実施例ではベース部1662にバネ係止部は1箇所のみ形成されているが、バネ係止部が複数箇所形成されてもよい。
本実施例では、つるまきバネ1664には、引張りバネが用いられている。可動体1601が下端(初期位置)に位置する場合には、つるまきバネ1664は弾性変形して伸張し、可動体1601が上端(目標位置)に位置する場合には、つるまきバネ1664は伸張した状態から縮んで弾性変形していない状態になる(詳細は後述する。)がこれに限られない。例えば、可動体1601が上端(目標位置)に位置する場合にも、つるまきバネ1664は弾性変形して伸張する状態であってもよく、または、つるまきバネ1664は弾性変形して縮小する状態であってもよい。また、本実施例では、つるまきバネは1本のみ設けられているが、つるまきバネが複数本設けられる構成であってもよい。また、つるまきバネ1664に代えて板バネを用いてもよいし、ゴム等の可撓性部材を用いてもよい。また、つるまきバネ1664に代えて直線往復式のソレノイドやその他のリニアアクチュエータを用いてもよい。
フォトセンサ1666は、可動体1601が初期位置付近に位置していることを検出するために用いられる(可動体1601の初期位置の詳細については後述する。)。フォトセンサ1666は、図4に示す各種可動体センサ430に含まれており、図4に示すセンサ回路428に接続されている。フォトセンサ1666は、発光部と受光部が設けられ、発光部から射出された光を受光部で受光する構成である。また、フォトセンサ1666は、発光部と受光部が前後方向に対向し上から見るとコの字形状(左側が開口している形状)を有している。また、フォトセンサ1666は、発光部と受光部の間に可動体下部1603cの遮光部1603c3が位置するように、ベース部1662の前壁面下部にネジ止めで固定される。
フレキシブル基板1668は、LED基板1611と遊技盤用ランプ駆動回路530とを電気的に接続するために用いられる。フレキシブル基板1668の一端は、LED基板1611に接続され、フレキシブル基板1668の他端は、ベース部1662を通って、遊技盤用ランプ駆動回路530に接続される。
次に、中央下部役物1600の中央下部可動体1601の動作について、図38を用いて説明する。図38(a)~(d)は、中央下部可動体1601が初期位置から目標位置までの移動を段階的に表した中央下部役物1600の右側面図である。図38(a)は、中央下部可動体1601が初期位置に位置している状態を示している。図38(b)は、中央下部可動体1601が初期位置から移動を開始した直後の状態を示している。図38(c)は、中央下部可動体1601が図38(b)の位置から上方に移動した状態を示している。図38(d)は、中央下部可動体1601が図38(c)の位置からさらに上方に移動し目標位置に到達した状態を示している。また、図38での説明において、連結部1658の中心がモータ1652の回転軸の直下方向にある状態(連結部1658の中心の前後方向の位置座標とモータ1652の回転軸の前後方向の位置座標が同じである状態)のクランク1656の回転角を0°と規定する。また、クランク1656が、上方、後方、下方の順に回転する方向を時計回り(または、右回り)と表し、その反対の方向を反時計回り(または、左回り)と表す。また、クランク1656の時計回りの回転角を負の数で表し、反時計回りの回転角を正の数で表す。例えば、クランク1656が0°から時計回りに10°回転した回転角を-10°と表し、0°から反時計回りに例えば10°回転した角度を+10°と表す。
先ず、図38(a)~(d)に示す中央下部可動体1601の動作に共通する事項について説明する。モータ1652の回転軸のトルクの一部は、クランク1656と連結部1658とで、可動体下部1603cの案内孔部1603c1を介して、中央下部可動体1601に伝えられる。すなわち、連結部1658には、モータ1652の駆動(回転)によって力が加えられ、中央下部可動体1601には、連結部1658によってモータ1652の駆動(回転)の力が加えられる構成である。また、モータ1652の回転軸とクランク1656の結合部が力の力点であり、連結部1658と案内孔部1603c1の接触部が力の作用点となる。連結部1658が、案内孔部1603c1の前後の端部に位置しない場合は、連結部1658と案内孔部1603c1の接触部は、連結部1658の上部または下部であり、前後方向にはモータ1652の力が作用しない。なお、クランク1656の回転角が0°から+180°まで反時計回りに回転する場合においては、連結部1658は案内孔部1603c1の前後の端部と接触しない(詳細は後述する。)。このため、クランク1656の回転角が0°から+180°までの間において反時計回りに回転する場合は、可動体1601にはモータ1652の駆動(回転)による鉛直上向きの力が作用し、反対に、クランク1656が+180°から0°まで時計回りに回転する場合は、可動体1601にはモータ1652の駆動(回転)による鉛直下向きの力が作用する。また、モータ1652の駆動による中央下部可動体1601に作用する鉛直上向きの力は、力の作用点となる連結部1658の上記接触部(上部)の移動の軌跡における接線の鉛直上向き成分に比例する。すなわち、クランク1656の回転角をx°とすると、モータ1652の駆動による中央下部可動体1601に作用する鉛直上向きの力は、sin(x°)に比例することになる。例えば、クランク1656の回転角が0°の場合は、上記接触部(上部)の移動の軌跡における接線は前後方向に平行となるため、鉛直上向きの成分は0(=sin(0°))である。このため、クランク1656の回転角が0°の場合は、中央下部可動体1601には、モータ1652の駆動による鉛直上向きの力が作用しない。また、クランク1656の回転角が+90°の場合は、連結部1658の力の作用点となる上記接触部(上部)の移動の軌跡における接線の鉛直上向き成分は最大値の+1(=sin(+90°))となる。このため、モータ1652のトルクが一定であると仮定すると、クランク1656の回転角が+90°の場合に、中央下部可動体1601には、モータ1652の駆動による鉛直上向きの力が最大に作用する。
モータ1652は、役物ユニット820のユニット本体822に固定される。このため、モータ1652の回転軸の中心は、固定され移動しない支点として機能する。一方、連結部1658は、モータ1652の回転軸に固定されているクランク1656の回転によって、モータ1652の回転軸の中心を支点として前後方向および上下方向に変位する。また、中央下部可動体1601は誘導レール1660の設置方向となる上下方向に移動可能であり、中央下部可動体1601は連結部1658と案内孔部1603c1を介して連結している。このことから、中央下部可動体1601は、連結部1658の上下方向の変位によって上下方向に変位する。
ベース部1662のバネ係止部1662aは、つるまきバネ1664の支点(バネの先端が動かない方)として機能し、可動体下部1603cのバネ係止部1603c2は、つるまきバネ1664の作用点(バネの先端が動く方)として機能する。バネ係止部1603c2は、連結部1658の上下方向の変位によって変位することになるため、クランク1656の回転角が0°の場合は、つるまきバネ1664が最大に伸張した状態となる。一方、クランク1656の回転角が+180°の場合は、つるまきバネ1664が自然長となるように構成されている。このため、クランク1656の回転角が0°の場合は、中央下部可動体1601には、つるまきバネ1664による鉛直上向きの力が最大に作用し、クランク1656の回転角が+180°の場合は、中央下部可動体1601には、つるまきバネ1664による鉛直上向きの力は作用しない。
次に、図38(a)に示す中央下部可動体1601の状態について説明する。図38(a)は、中央下部可動体1601が初期位置に位置している状態を示している。中央下部可動体1601が初期位置に位置している場合は、連結部1658が、案内孔部1603c1の前端部(以下、「規制部」または「拘束部」と称する場合がある。)1603c4の半円の円弧形状の壁面に当って停止している。また、この場合のクランク1656は、0°から時計回りに所定の角度、回転して停止するように、モータ1652と可動体下部1603cの取り付け位置を調整している。
中央下部可動体1601が初期位置に位置している状態では、モータ1652は駆動していない。このため、連結部1658には、モータ1652の力は作用していない状態である。一方、つるまきバネ1664が弾性変形して伸張した状態であるため、可動体1601には、つるまきバネ1664の弾性力によって鉛直上向きの力が作用している。また、力のモーメントを無視すると、つるまきバネ1664の弾性力による鉛直上向きの力から中央下部可動体1601の重さを減じた力(f1)が、連結部1658に作用する。本実施例では、中央下部可動体1601が初期位置に位置する状態では、つるまきバネ1664の弾性力が中央下部可動体1601の重さよりも大きくなるように、つるまきバネのバネ係数と中央下部可動体1601の初期位置が設定されているがこれに限られない。また、連結部1658は、モータ1652の回転軸にクランク1656を介して連結しているため、連結部1658の移動の軌跡は、モータ1652の回転軸の中心を回転軸とした円弧を描く。このため、上述の上向きの力f1は、連結部1658の移動の軌跡の接線方向の力(f2)と連結部1658の移動の軌跡の円弧の中心方向の力(f3)に分解できる。クランク1656の回転角がx°とすると、f2は、f2=f1×sin(x°)で表される。
本実施例では、中央下部可動体1601の初期位置におけるクランク1656の回転角は負の角度であることから、連結部1658はf2の力を規制部1603c4に作用させる。一方、規制部1603c4を備える可動体下部1603cは、可動体後側カバー部1603bに固定され、可動体後側カバー部1603bは、誘導レール1660を介して、ベース部1662に備え付けられる。この構成により、規制部1603c4は、前後方向に可動できない。このため、連結部1658はf2の力で規制部1603c4に押さえ付けられることになり、連結部1658は、規制部1603c4に当って停止した状態が維持される。なお、クランク1656の回転角が負の角度である場合のf2の力の方向は、モータ1652の回転軸が反時計回りに回転した場合に連結部1658に作用する力の方向の反対方向となる。このように、モータ1652が駆動しない状態でも、つるまきバネ1664によって、効果的に中央下部可動体1601を初期位置に抑制できる場合がある。また、モータ1652の励磁によっても、連結部1658が規制部1603c4に当って停止した状態を維持することもできる場合がある。また、モータ1652の励磁がない場合でも、つるまきバネ1664によって、効果的に中央下部可動体1601を初期位置に抑制できる場合がある。このため、中央下部可動体1601の初期位置におけるクランク1656の回転角を0°にしてもよいし、正の角度にしてもよい場合がある。
また、中央下部可動体1601の初期位置の設定方法について説明する。本実施例では、連結部1658が規制部1603c4に当って停止している状態を中央下部可動体1601の初期位置として設定する。初期位置の設定は、連結部1658が規制部1603c4に当って停止するまで、モータ1652の回転軸を時計回りに回転させることで行う。この場合、可動体下部1603cの遮光部1603c3とフォトセンサ1666(図37参照)で、中央下部可動体1601が初期位置付近に位置していることを検出し、その後に、モータ1652の回転軸を所定の角度、時計回りに回転させることで、中央下部可動体1601の初期位置の設定を行っている。また、案内孔部1603c1の短辺の長さは、連結部1658のローラ部の直径に若干の余裕(クリアランス)を加えた長さであり、中央下部可動体1601の初期位置に位置している状態で、内レール1660aが外レール1660cのレール停止部1660c1に当って停止するようにレール停止部1660c1を設けてもよい。この場合は、中央下部可動体1601は、初期位置よりも下方に位置することはない。また、中央下部可動体1601が初期位置に位置している状態で、内レール1660aが外レール1660cのレール停止部1660c1に当らないように、レール停止部1660c1を設けてもよい。この場合は、中央下部可動体1601が初期位置よりも下方に位置する場合がある。
次に、図38(b)に示す中央下部可動体1601の状態について説明する。中央下部可動体1601が初期位置から移動を開始した直後の状態を示している。クランク1656の回転角は、ほぼ0°であるが、僅かに正の角度を示している。このため、つるまきバネ1664の弾性力によって連結部1658に作用する力の方向とモータ1652の駆動(回転)によって連結部1658に作用する力の方向が一致することになる。
また、クランク1656の回転角がほぼ0°であることから、モータ1652の駆動による中央下部可動体1601に作用する上向きの力は小さい。一方、つるまきバネ1664は弾性変形して伸張していることから、つるまきバネ1664による中央下部可動体1601に作用する上向きの力は大きくなる。このため、つるまきバネ1664の弾性力によって、中央下部可動体1601の上方向への動作が促進されることになり、中央下部可動体1601の初動においてスムーズに移動動作が行われる場合がある。また、モータ1652の駆動によるトルクが小さい場合でも、つるまきバネ1664の弾性力によって、可動体1601を上方向に移動可能となる場合がある 次に、図38(c)に示す中央下部可動体1601の状態について説明する。図38(c)は、図38(b)の状態から、中央下部可動体1601が上方に移動し、クランク1656が約+90°回転した状態を示している。案内孔部1603c1の長辺の長さは、モータ1652の回転軸の中心から連結部1658の中心を通って連結部1658のローラ部の円周端部までの直線の長さに若干の余裕を加えた長さであるため、連結部1658が、案内孔部1603c1の後端部1603c5に接触しない。このため、クランク1656は、少なくとも180°回転することが可能である。また、可動体下部1603cのバネ係止部1603c2が上方に移動した分だけ、つるまきバネ1664の弾性力が小さくなっている。一方で、クランク1656が約+90°回転した状態であるため、モータ1652の駆動による上向きの力が中央下部可動体1601に大きく作用することになる。
次に、図38(d)に示す中央下部可動体1601の状態について説明する。図38(d)は、図38(c)の状態から、中央下部可動体1601が上方に移動し目標位置に到達した状態を示している。連結部1658は、可動体下部1603cの規制部1603c4に当って停止している。この場合のクランク1656の角度は、中央下部可動体1601の初期位置におけるクランクの角度に+180°を足した角度となる。また、規制部1603c4は、連結部1658のメカエンドとして機能するため、モータ1652が駆動し続けた場合でも、連結部1658は規制部1603c4に当って停止することになる。一方、クランク1656は、モータの回転軸に対してほぼ垂直に位置するため、中央下部可動体1601の重力による連結部1658の後方向への力はほとんど作用しない。このため、モータ1652の励磁によって中央下部可動体1601を目標位置で保持できる場合がある。また、モータ1652への通電を止めて、モータ1652の励磁がない状態でも、モータ1652の回転軸の摩擦やつるまきバネ1664による弾性力等で、中央下部可動体1601を目標位置で保持できる場合がある。
中央下部可動体1601が目標位置(図38(d))から初期位置(図38(a))に移動する場合は、モータ1652の回転軸を時計回りに回転させる。なお、中央下部可動体1601の初期位置の設定方法は、上述のとおりである。
中央下部可動体1601は、上部前可動体1002および上部後可動体1102が初期位置に位置している場合に、上方へ移動可能である。これは、中央下部可動体1601と、上部前可動体1002および上部後可動体1102との動作範囲は重複していないが、モータ1070、1152、1652が脱調した場合の備えのためである。第2副制御部500は、第1副制御部400から送信されたコマンドに基づいて、図22に示す、上部フォトセンサ1084がオン状態であり上部前可動体1002が初期位置に位置し、上部フォトセンサ1176がオン状態であり上部後可動体1102が初期位置に位置していることを確認してから、モータ1652を駆動して、中央下部駆動体1601を上方に移動動作させる。なお、中央下部可動体1601は、上部前可動体1002および上部後可動体1102が最下方に位置する場合、または、最下方に移動している途中に、初期位置から上方に移動動作してもよい(図41(h)参照)。
また、本実施例では、中央下部可動体1601を初期位置から目標位置まで移動させるのに、モータ1652を駆動し続ける制御を実行しているがこれに限られない。例えば、中央下部可動体1601が初期位置からの移動開始時に駆動させ、クランク1656が0°から所定の角度反時計に回転すると、モータ1652への電力の供給を停止し、つるまきバネ1664の弾性力のみで中央下部可動体1601を目標位置まで移動させる制御を実行してもよい。また、中央下部可動体1601が目標位置付近に到達したことをフォトセンサ等で検出すると、モータ1652への電力の供給を開始し、モータ1652の駆動力や励磁力で、中央下部可動体1601を目標位置で停止させる制御を実行してもよいし、中央下部可動体1601が目標位置付近に到達しても、モータ1652への電力の供給を開始しない制御を実行してもよい。
また、本実施例では、クランク1656が、中央下部可動体1601の初期位置に位置している状態から+180°反時計回りに回転させた状態の中央下部可動体1601の位置を、中央下部可動体1601の目標位置としているがこれに限られない。例えば、クランク1656が中央下部可動体1601の初期位置に位置している状態から+90°反時計回りに回転させた状態の中央下部可動体1601の位置を目標位置としてもよい。また、クランク1656の回転角を任意に設定することで、中央下部可動体1601の目標位置を任意に設定してもよい。例えば、リーチ演出における大当りの信頼度に対応させて、中央下部可動体1601の目標位置を設定してもよいし、各種の大当り遊技や小当り遊技等における遊技者の有利度に対応させて、中央下部可動体1601の目標位置を設定してもよい。
また、本実施例における可動体1601は、上下方向の移動動作が実行可能であるがこれに限られない。例えば、可動体1601は、中央下部役物1600の可動体支援部1650の設置方向を様々な方向に設置することで、可動体1601は、様々な方向の移動動作が実行可能なる。
次に、以上説明した一実施の形態によるぱちんこ機100の特徴的構成について再度図1乃至図38を参照しつつ説明する。
(C1)
可動体(例えば、可動体1601)と、
前記可動体の動作に関連する第一の部材(例えば、図37に示すつるまきバネ1664)と、を備えた遊技台(例えば、ぱちんこ機100)であって、
前記可動体は、第一の位置から第二の位置(例えば、目標位置(図38(d)参照))へ少なくとも可動可能な可動体であり(例えば、図38(a)~(d)参照)、
前記第一の位置は、前記可動体の初期位置であり(例えば、図38(a)参照)、
前記第一の部材は、前記第一の位置に位置する前記可動体の動作を少なくとも規制可能(例えば、モータ1652の回転軸に取り付けられたクランク1656の端部にある連結部1658が、モータの回転軸に対して斜め前下方向に位置して案内孔部1603c1の規制部1603c4に当って動かないようにすることが可能)な部材であり(例えば、図38(a)参照)、
前記第一の部材は、前記第一の位置から前記可動体が可動を開始した場合(例えば、クランク1656が、鉛直下方向を基準に後方向へ0°以上回転した場合)に該可動体の可動を促進可能(例えば、可動体1601の上方への移動を促進する)な部材である(例えば、図37、図38参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の部材が、可動体が初期位置に位置する場合は可動体の動作を規制し、可動体が動き出した後は可動体の動作を促進するため、可動体が勢いよく飛び出すことができる場合がある。また、第一の部材は、可動体が初期位置に位置する状態では、可動体の初期位置を維持し、可動体が動作を開始した後は可動体の動作を補助するため、可動体の動作がスムーズに行われる場合がある。
(C2)
上記(C1)に記載の遊技台であって、
前記可動体を駆動させることが可能な駆動手段(例えば、図37に示すモータ1652)と、
前記駆動手段と前記可動体を連繋させる第二の部材(例えば、図37に示すクランク1656や連結部1658)を備え、
前記可動体は、該可動体が前記第一の位置に位置する状態(以下、「第一の状態」という。)において、前記駆動手段により前記第二の部材が第一の方向(例えば、右から見て反時計回りの回転方向)に力を加えられた場合に、可動を開始可能な可動体であり(例えば、図38(a)~(d)参照)、
前記可動体は、前記第一の状態において、前記第二の部材が第二の方向(例えば、右から見て時計回りの回転方向)に力を加えられた場合に、可動を開始しない可動体であり(例えば、図38(a)参照)、
前記第一の部材は、前記第一の状態において、前記第二の部材が前記第二の方向に力が加えられるように作用する部材である(例えば、図38(a)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、駆動手段が駆動されない状態で可動体の動作を効果的に抑制できる場合がある。
(C3)
上記(C2)に記載の遊技台であって、
前記可動体は、前記第二の部材の動きを規制する規制部(例えば、図38に示す案内孔部1603c1の規制部1603c4)が設けられた可動体であり、
前記規制部は、前記第一の状態において、前記第二の部材が前記第二の方向に動くことを規制する(例えば、図38(a)参照)、ことを特徴とする遊技台。
(C4)
上記(C3)に記載の遊技台であって、
前記可動体が前記第一の位置に位置している場合には、前記第二の部材に前記第一の部材の力が前記第二の方向に加えられ該第二の部材が前記規制部に接触することによって、該可動体の動作が規制される(例えば、図38(a)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第二の部材が第二の方向に力が加わったとしても規制部の構成により確実に可動体の動作を規制することができる場合がある。
(C5)
上記(C2)乃至(C4)に記載の遊技台であって、
前記駆動手段は、モータ(例えば、図37に示すモータ1652)であり、
前記第二の部材は、前記モータの回転によって力が加えられる部材であり、
前記第一の方向は、一方の回転方向(例えば、右から見て反時計回りの回転方向)であり、
前記第二の方向は、他方の回転方向(例えば、右から見て時計回りの回転方向)である(例えば、図38参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第二の部材は、第一の部材により第二の方向へ力が加えられた場合に、動きが規制部で規制されつつ、モータの励磁によっても動きが規制されるため、可動体を確実に初期位置にとどまらせることができる場合がある。
(C6)
上記(C2)乃至(C5)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記可動体は、上下方向に可動可能な可動体であり、
前記可動体は、前記第二の部材における前記可動体との連繋部(例えば、図37に示す連結部1658)が前記上下方向へ変位することにより高さが変わる可動体(例えば、スコッチヨーク機構によって高さが変位する可動体1601)であり(例えば、図38参照)、
前記第一の部材は、弾性部材(例えば、図37に示すつるまきバネ1664)であり、
前記可動体は、前記第一の部材の弾性力により前記上下方向への可動が促進される場合がある可動体である(例えば、図38(b)~(d)参照)、ことを特徴とする遊技台。
(C7)
上記(C1)乃至(C6)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の部材は、前記可動体が前記第一の位置に位置する場合に少なくとも弾性変形している状態(例えば、つるまきバネ1664が自然長から伸ばされて変形している状態)であり(例えば、図38(a)参照)、
前記可動体は、弾性変形している前記第一の部材が元に戻る力で可動が促進される場合がある可動体である(例えば、図38(b)~(d)参照)、ことを特徴とする遊技台。
(C8)
上記(C1)乃至(C7)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の部材が弾性変形した状態から元に戻る方向は、前記可動体が前記第一の位置から前記第二の位置へ可動する方向と同じである(例えば、図38参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の部材の力を可動体の動作方向に最大限利用できる場合がある。また、第一の部材の弾性力によっては、第一の部材の方が駆動手段よりも可動体の動きに貢献できる場合がある。
(C9)
上記(C1)乃至(C8)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機(例えば、ぱちんこ機100)である、ことを特徴とする遊技台。
(C10)
上記(C1)乃至(C8)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、スロットマシン(例えば、スロットマシン2000)である、ことを特徴とする遊技台。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
本実施例では、可動体の動作方向は上下方向で第一の方向と第二の方向は回転方向で方向が異なっているが、同じ方向であってもよい。例えば、第二の部材が複数に構成されていてモータの回転動作を直線運動に変換(例えば円周上形成された第一のギアに長方形の長辺等に形成された直線上のギアをかみ合わせて変換する)し、駆動手段の動作方向を可動体の動作方向に合わせる構成であってもよい。
また、駆動手段は、モータ以外の物も採用しうる。例えば直線往復式のソレノイド等であってもよい。
また、可動体は、第一の位置(初期位置)が上部で、下方に移動する構成であってもよいし、第一の位置(初期位置)が後部で、前方に移動する構成であってもよいし、第一の位置(初期位置)が前部で、後方に移動する構成であってもよいし、第一の位置(初期位置)が右部で、左方に移動する構成であってもよいし、第一の位置(初期位置)が左部で、右方に移動する構成であってもよい。
また、第一の部材は、弾性部材以外も採用し得る。例えば、直線往復式のソレノイドやリニアアクチュエータを用いてもよい。
また、可動体の第一の位置(初期位置)は常に一定の位置でなくてもよい。
上記実施の形態による本発明は以下のようにまとめられる。
(付記c1)
可動体と、
前記可動体の動作に関連する第一の部材と、を備えた遊技台であって、
前記可動体は、第一の位置から第二の位置へ少なくとも可動可能な可動体であり、
前記第一の位置は、前記可動体の初期位置であり、
前記第一の部材は、前記第一の位置に位置する前記可動体の動作を少なくとも規制可能な部材であり、
前記第一の部材は、前記第一の位置から前記可動体が可動を開始した場合に該可動体の可動を促進可能な部材である、ことを特徴とする遊技台。
(付記c2)
付記c1に記載の遊技台であって、
請求項1に記載の遊技台であって、
前記可動体を駆動させることが可能な駆動手段と、
前記駆動手段と前記可動体を連繋させる第二の部材を備え、
前記可動体は、該可動体が前記第一の位置に位置する状態(以下、「第一の状態」という。)において、前記駆動手段により前記第二の部材が第一の方向に力を加えられた場合に、可動を開始可能な可動体であり、
前記可動体は、前記第一の状態において、前記第二の部材が第二の方向に力を加えられた場合に、可動を開始しない可動体であり、
前記第一の部材は、前記第一の状態において、前記第二の部材が前記第二の方向に力が加えられるように作用する部材である、ことを特徴とする遊技台。
(付記c3)
付記c2に記載の遊技台であって、
前記可動体は、前記第二の部材の動きを規制する規制部が設けられた可動体であり、
前記規制部は、前記第一の状態において、前記第二の部材が前記第二の方向に動くことを規制する、ことを特徴とする遊技台。
(付記c4)
付記c2またはc3に記載の遊技台であって、
前記駆動手段は、モータであり、
前記第二の部材は、前記モータの回転によって力が加えられる部材であり、
前記第一の方向は、一方の回転方向であり、
前記第二の方向は、他方の回転方向である、ことを特徴とする遊技台。
(付記c5)
付記c2乃至c4のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記可動体は、上下方向に可動可能な可動体であり、
前記可動体は、前記第二の部材における前記可動体との連繋部が前記上下方向へ変位することにより高さが変わる可動体であり、
前記第一の部材は、弾性部材であり、
前記可動体は、前記第一の部材の弾性力により前記上下方向への可動が促進される場合がある可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記c6)
付記c1乃至c5のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の部材は、前記可動体が前記第一の位置に位置する場合に少なくとも弾性変形している状態であり、
前記可動体は、弾性変形している前記第一の部材が元に戻る力で可動が促進される場合がある可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記c7)
付記c1乃至c6のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機である、ことを特徴とする遊技台。
(付記c8)
付記c1乃至c6のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、スロットマシンである、ことを特徴とする遊技台。
次に、図39乃至図41を用いて本実施の形態によるぱちんこ機100の演出例1について説明する。図39(a)乃至図41(l)はこの順にぱちんこ機100の演出例1を時系列で示している。まず始めに、図39乃至図44において図示された構成のうち共通に用いられる構成について図39(a)を例にとって説明する。図39(a)には、図3に示す装飾図柄表示装置208、特図1表示装置212、特図2表示装置214、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、ロゴ役物900のロゴ可動体902、上部前飾り役物1000の上部前可動体1002、上部右サイド役物1200の上部右サイド可動体1201、上部左サイド役物1300の上部左サイド可動体1301、下部右サイド役物1400の下部右サイド可動体1401、下部左サイド役物1500の下部左サイド可動体1501、および中央下部役物1600の中央下部可動体1601が模式的に示されている。
特図1表示装置212、特図2表示装置214、特図1保留ランプ218、および特図2保留ランプ220は装飾図柄表示装置208の右下方に示され、特図2表示装置214は特図1表示装置212の右側に示されている。特図1保留ランプ218は特図1表示装置212の上側に示され、特図2保留ランプ220は特図2表示装置214の上側に示されている。また、特図1表示装置212、特図2表示装置214、特図1保留ランプ218、および特図2保留ランプ220の消灯部分は白抜きで表し、点灯部分は黒塗りで表している。また、本実施形態における特図1および特図2の保留は最大4個まで溜めることができるので、特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220のLEDは各4個設けられている。
また、図39(a)に示す状態では、ロゴ可動体902、上部前可動体1002、上部右サイド可動体1201、上部左サイド可動体1301、下部右サイド可動体1401、下部左サイド可動体1501、および中央下部可動体1601は、初期位置に位置している。下部右サイド可動体1401、下部左サイド可動体1501、および中央下部可動体1601は、初期位置に位置している場合、センタ装飾部材806や遊技盤装飾部材808に隠れており、これらの可動体の全体を遊技者が視認することが困難な状態である。図39乃至図41では、説明のために、本来、初期位置に位置している場合に遊技者が視認困難である下部右サイド可動体1401、下部左サイド可動体1501、および中央下部可動体1601を図示している。
また、図39(a)に示すように、装飾図柄表示装置208の画像表示領域の中央部には装飾図柄の変動表示および停止表示を行う図柄表示領域208a~208cが割り当てられている。演出表示領域208dを拡大して所定の演出を実行するような場合には、必要に応じて図柄表示領域208a~208cが画像表示領域の中央部以外の領域、例えば左下角部に縮小表示される場合もある。
演出表示領域208d内の下方右寄りには第四図柄表示領域が設けられている。第四図柄表示領域内の左側は特図1用第四図柄表示領域t1であり、右側は特図2用第四図柄表示領域t2である。特図1変動遊技が非作動中は、直前の特図1の変動遊技の結果がはずれであった場合は、特図1第四図柄として「×」を表す画像が特図1用第四図柄表示領域t1に表示される。また、特図1変動遊技が非作動中は、直前の特図1の変動遊技の結果が当りであった場合は、特図1第四図柄として「A」を表す画像が特図1用第四図柄表示領域t1に表示される。特図2変動遊技が非作動中は、直前の特図2の変動遊技の結果がはずれであった場合は、特図2第四図柄として「×」を表す画像が特図2用第四図柄表示領域t2に表示される。また、特図2変動遊技が非作動中は、直前の特図2の変動遊技の結果が当りであった場合は、特図2第四図柄として「A」を表す画像が特図2用第四図柄表示領域t2に表示される。また、特図1変動遊技の実行中には第四図柄として「-」を表す画像が第四図柄表示領域t1に表示され、特図2変動遊技の実行中には第四図柄として「-」を表す画像が第四図柄表示領域t2に表示される。
演出表示領域208d内の下方左寄りで横長状の特図1保留アイコン表示領域Aが設けられている。特図1保留アイコン表示領域Aには特図1の保留数に応じた数の特図1保留アイコンa1、a2等が表示される。また、特図1保留アイコンの表示態様により当該保留に係る特図1変動遊技の結果の当否を所定の信頼度で報知(先読み予告)できるようになっている。本例では、最も信頼度の低い表示態様として白色円形の保留アイコンが表示され(図39(a)の特図1保留アイコンa1参照)、信頼度の比較的高い表示態様として、キャラクタの番長の顔を表す保留アイコンが表示される(図39(c)の特図1保留アイコンa3参照)。本実施例では特図1保留アイコン表示領域Aに最大4つの特図1保留アイコンが表示可能である。複数の特図1保留アイコンは、保留順位が低くなるに従って特図1保留アイコン表示領域内で右から左に向かって順に整列して表示される。
また、特図2の保留数に応じた数の特図2保留アイコンが表示される特図2保留アイコン表示領域が設けられていてもよい。その場合には、例えば演出表示領域208dの右側面に隣接して縦長状の特図2保留アイコン表示領域が設けられる。特図2保留アイコン表示領域は、特図2の保留がない場合は設けられずに特図2の保留が溜まった場合にだけに設けられるようにしているが、常時設けられていてもよい。また、特図2保留アイコン表示領域は特図1保留アイコン表示領域Aの右方に配置されてもよいし、特図1保留アイコン表示領域Aの上方に配置されてもよい。なお、確変電サポ中は、特図2始動口232に遊技球が入球し易くなるため、遊技者が特図2保留アイコン表示領域に表示される特図2保留アイコンを容易に視認できるように、上記の特図1保留アイコン表示領域Aの表示位置と特図2保留アイコン表示領域の表示位置が入れ替えられてもよい。
また、特図1表示装置212において全てのセグメントが白抜きで表された状態は、特図1変動表示が行われていることを示している(図39(b)参照)。特図2表示装置214についても同様である。また、特図変動遊技の実行中における図柄表示領域208a~208cでの各装飾図柄の変動表示はそれぞれ下向きの矢印で表している(図39(b)参照)。
図39(a)は、特図1および特図2の変動遊技が非作動中である状態を示している。特図1表示装置212には第1はずれ図柄の「特図I」が停止表示されている。特図2表示装置214には第1はずれ図柄の「特図I」が停止表示されている。装飾図柄表示装置208の画像表示領域の第四図柄表示領域t1、t2は第四図柄として「×」が表示されている。図柄表示領域208a~208cには装飾図柄の組合せとして「装飾3-装飾2-装飾8」が停止表示しており、直前の特図変動遊技の当否判定結果がはずれであったことが報知されている。
特図1保留ランプ218では特図1の保留が2個あることが報知されている。特図2保留ランプ220では特図2の保留がないことが報知されている。装飾図柄表示装置208の特図1保留アイコン表示領域Aには白色円形の表示態様で2つの特図1保留アイコンa1、a2が表示されている。
また、ロゴ可動体902は白色に発光している。ロゴ可動体902は予告等を行っていない通常時には白色に発光する。
図39(b)は、特図1変動遊技が開始された状態を示している。特図1変動遊技の開始順序は、本例では特図1保留ランプ218のLEDが1つ消灯するとともに特図1表示装置212が変動表示を開始し、さらに特図1用第四図柄表示領域t1の第四図柄が変動表示を開始し、次いで、特図1保留アイコンの減少アニメーションの表示が実行され、次いで、装飾図柄の変動表示が開始される。なお、これらの動作の開始時点の順序は入れ替えてもよい。
また、図39(b)に示す特図1変動遊技の開始に先立ち、主制御部300は特図1関連抽選処理(ステップS231、図7参照)内で当否判定テーブル(不図示)を用いて当否判定し、当該特図変動遊技の結果がはずれになることを決定する。次いで特図1図柄決定用テーブル(不図示)を参照して抽選処理を行った結果、「特図I」を選択する。次いで特図1変動表示時間決定テーブル(不図示)を参照して抽選処理を行った結果、変動時間を決定する。また、主制御部300は、これらの抽選結果の情報を含む図柄変動開始コマンドをコマンド設定送信処理(ステップS233、図7参照)で第1副制御部400に送信する。
また、第1副制御部400は、主制御部300から図柄変動開始コマンドを受信し、演出制御処理(ステップS309、図8参照)内で所定の演出抽選処理を行い、当該特図1変動遊技の予告演出を実行しないことを決定する。
特図1保留アイコンの減少アニメーションの表示では、保留順位が第一位の特図1保留アイコンa1が消去され、残りの特図1保留アイコンa2が右方向に移動する。なお、保留順位が第一位の特図1保留アイコンa1は、変動アイコンとして表示されてもよい。変動アイコンは、実行中の特図変動遊技の予告演出として表示される。
図39(c)は、当該特図1変動遊技中に特図1始動口230に遊技球が1個だけ入球して特図1の保留数が2個に増加した状態を示している。特図1保留ランプ218の左から2番目のLEDが点灯され、特図1の保留数が1から2に増加したことが表示されている。また、主制御部300は、増加した特図1の保留に係る始動情報を先読みして、特図1変動遊技の停止図柄等を特図関連抽選処理での当否判定より前に事前判定する特図先読み処理(ステップS224、図7参照)を実行し、当該事前判定の結果を含む先読み結果情報コマンドをコマンド設定送信処理(ステップS233、図7参照)で第1副制御部400に送信する。本例では事前判定の結果は「特図A」の大当りとなる。
第1副制御部400は、主制御部300から先読み結果情報コマンドを受信し、演出制御処理(ステップS309、図8参照)内で所定の演出抽選処理を行い、増加した特図1の保留を示す特図1保留イコンの表示態様をキャラクタの番長の顔を表す態様に決定する。これにより、特図1保留アイコン表示領域Aにはキャラクタの番長の顔を表す特図1保留アイコンa3が新たに表示される。装飾図柄表示装置208は、特図1保留アイコンa3で保留順位が二位の特図1変動遊技の当否判定結果を相対的に高い信頼度で先読み予告を行う。
図39(d)は、左図柄表示領域208aに「装飾2」が揺れ変動状態で仮停止表示された状態を示している。図39(e)は、右図柄表示領域208cに「装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示された状態を示している。図39(f)は、中図柄表示領域208bに「装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示された状態を示している。これにより、図柄表示領域208a~208cには「装飾2-装飾3-装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示される。このように、装飾図柄の変動表示は、左図柄(第一図柄)、右図柄(第二図柄)、中図柄(第三図柄)の順に仮停止表示される。
図39(g)は、特図1変動遊技が終了した状態を示している。特図1表示装置212には第1はずれ図柄の「特図I」が停止表示されている。装飾図柄表示装置208では、特図1用第四図柄表示領域t1に特図1変動遊技がはずれであることを示す「×」の第四図柄が停止表示され、図柄表示領域208a~208cには装飾図柄の組合せとしてはずれを示す「装飾2-装飾3-装飾3」が停止表示されている。これにより、終了した特図1変動遊技の当否判定結果がはずれであることが報知される。
図39(h)は、次の特図1変動遊技が開始された状態を示している。図39(h)に示す特図1変動遊技の開始に先立ち、主制御部300は特図1関連抽選処理(ステップS231、図7参照)内で当否判定テーブル(不図示)を用いて当否判定し、当該特図変動遊技の結果がはずれになることを決定する。次いで特図1図柄決定用テーブル(不図示)を参照して抽選処理を行った結果、「特図I」を選択する。次いで特図1変動表示時間決定テーブル(不図示)を参照して抽選処理を行った結果、変動時間を決定する。また、主制御部300は、これらの抽選結果の情報を含む図柄変動開始コマンドをコマンド設定送信処理(ステップS233、図7参照)で第1副制御部400に送信する。
また、第1副制御部400は、主制御部300から図柄変動開始コマンドを受信し、演出制御処理(ステップS309、図8参照)内で所定の演出抽選処理を行い、特図1の保留順位が第二位の特図1変動遊技に対してロゴ可動体902を用いた先読み予告演出を実行することを決定する。なお、当該先読み予告は、先読み予告対象の特図1変動遊技の保留開始時点で予め実行されることが決定されていてもよい。
また、当該特図1変動遊技の開始に伴い、特図1保留アイコンの減少アニメーションが実行され、保留順位が第一位の特図1保留アイコンa2が消去され、残りの特図1保留アイコンa3が右方向に移動する。
図39(i)は、当該特図1変動遊技中にロゴ可動体902を用いた先読み予告が開始された状態を示している。ロゴ可動体902は、上下に微小に繰り返し移動する上下振動を実行して先読み予告を行う。図39(i)では、ロゴ可動体902が初期位置から下降した状態を示している。また、ロゴ可動体902は、白色から青色に発光態様が変化する。本例では、ロゴ可動体902は、予告等を実行していない通常時には白色に発光し、先読み予告等を実行する場合には青色等に発光色が変化する。また、この先読み予告は、先読み予告対象の特図変動遊技がはずれとなるガセ予告(偽予告)であってもよい。
図39(j)は、ロゴ可動体902が上下に振動している状態を示している。図39(j)では、ロゴ可動体902が図39(i)に示す位置から上昇して、初期位置付近に戻っている。
図39(k)は、ロゴ可動体902が再度下降した状態を示している。この下降をもってロゴ可動体902の上下振動が終了する。また、ロゴ可動体902は、振動停止後も青色に発光し続け、先読み予告を実行する。
図39(l)は、ロゴ可動体902が最上方の位置に移動した状態を示している。上述したように、ロゴ可動体902が最上方の位置に位置する場合に図18に示すフォトセンサ984が扇形歯車976の遮光片(不図示)を検知するので、第1副制御部400はロゴ可動体902が最上方の位置に位置していると判定することができる。ロゴ可動体902は最上方の位置から所定ステップ数だけ下降動作されて初期位置に復帰する。また、ロゴ可動体902が最上方の位置に移動すると、上部後可動体1102の回転装飾部1124が視認可能になる。このように、上部後可動体1102が動作していない場合であっても、回転装飾部1124が遊技者から見える場合がある。
図39(l)から引き続く図40(a)は、ロゴ可動体902が初期位置に復帰した状態を示している。
図40(b)は、左図柄表示領域208aに「装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示された状態を示している。図40(c)は、右図柄表示領域208cに「装飾2」が揺れ変動状態で仮停止表示された状態を示している。図40(d)は、中図柄表示領域208bに「装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示された状態を示している。これにより、図柄表示領域208a~208cには「装飾3-装飾3-装飾2」が揺れ変動状態で仮停止表示される。
図40(e)は、特図1変動遊技が終了した状態を示している。特図1表示装置212には第1はずれ図柄の「特図I」が停止表示されている。装飾図柄表示装置208では、特図1用第四図柄表示領域t1に特図1変動遊技がはずれであることを示す「×」の第四図柄が停止表示され、図柄表示領域208a~208cには装飾図柄の組合せとしてはずれを示す「装飾3-装飾3-装飾2」が停止表示されている。これにより、終了した特図1変動遊技の当否判定結果がはずれであることが報知される。
図40(f)は、次の特図1変動遊技が開始された状態を示している。図40(f)に示す特図1変動遊技の開始に先立ち、主制御部300は特図1関連抽選処理(ステップS231、図7参照)内で当否判定テーブル(不図示)を用いて当否判定し、当該特図変動遊技の結果が大当りになることを決定する。次いで特図1図柄決定用テーブル(不図示)を参照して抽選処理を行った結果、「特図A」を選択する。次いで特図1変動表示時間決定テーブル(不図示)を参照して抽選処理を行った結果、変動時間を決定する。また、主制御部300は、これらの抽選結果の情報を含む図柄変動開始コマンドをコマンド設定送信処理(ステップS233、図7参照)で第1副制御部400に送信する。
また、第1副制御部400は、主制御部300から図柄変動開始コマンドを受信し、演出制御処理(ステップS309、図8参照)内で所定の演出抽選処理を行い、実行中の特図変動遊技の予告として、ステップアップ予告、番長のキャラクタ画像を用いた予告、およびスーパーリーチ演出を実行することを決定する。
また、当該特図1変動遊技の開始に伴い、特図1保留アイコンの減少アニメーションが実行され、特図1保留アイコンa3が消去される。
図40(g)は、ロゴ可動体902が上下振動を開始した状態を示している。図40(g)はロゴ可動体902が初期位置から下降した状態を示している。また、ロゴ可動体902は、振動開始に伴い、発光色が青色から赤色に変化する。図39(i)でロゴ可動体902は一回目の振動を開始し、図40(g)でロゴ可動体902は二回目の振動を開始している。ロゴ可動体902は、振動の開始毎に発光色を変化させて、予告対象の期待度を高める。また、ロゴ可動体902は特図変動遊技毎に発光色を変化させて連続予告を実行する。発光色の変化は連続予告の期待度が高くなることとしても機能する。また、ロゴ可動体902が下降した場合、上部後可動体1102の一部(例えば、回転装飾部1124)が遊技者に視認可能となる場合がある。
図40(h)は、上部左サイド可動体1301が初期位置から右斜め下方向に移動して停止した状態を示している。本例では、上部左サイド可動体1301が初期位置から右斜め下方向に移動することで、ステップアップ予告の第一段階が実行される。また、ロゴ可動体902の上下振動は継続中であり、図40(h)では、ロゴ可動体902が、上昇して初期位置付近に戻っている。また、図柄表示領域208a~208cが画像表示領域の左下角部に縮小表示されている。
図40(i)は、上部右サイド可動体1201が初期位置から左斜め下方向に移動して停止した状態を示している。上部右サイド可動体1201が初期位置から左斜め下方向に移動することで、ステップアップ予告の第二段階が実行されている。また、ロゴ可動体902の上下振動が継続中であり、ロゴ可動体902が初期位置から下方に移動している。また、左図柄表示領域208aに「装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示される。また、表示領域中央に拡大された演出表示領域208dにキャラクタの番長が服を破り脱いだアニメーションと「チャンス」の文字列が表示され、当該変動の予告が実行される。
図40(j)は、上部右サイド可動体1201の可動体前部1203の回転動作と上部左サイド可動体1301の可動体前部1303の回転動作が実行された状態を示している。可動体前部1203の左回りの回転動作と可動体前部1303の右回りの回転動作により、ステップアップ予告の第三段階が実行されている。
また、ロゴ可動体902の上下振動が終了して、ロゴ可動体902が最上方の位置に移動している。ロゴ可動体902は最上方の位置に移動した後、所定ステップ数駆動されて初期位置に復帰する。また、右図柄表示領域208cに「装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示され、演出表示領域208dは、キャラクタの番長が服を破り脱いだアニメーションと「チャンス」の文字列が消去され、代わって「リーチ」の文字列が表示され、リーチの開始演出が実行される。
図40(k)は、図柄表示領域208a~208cが表示領域中央に拡大された図柄表示領域208a、208cに「装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示された状態を示している。リーチ演出の開始時には、図柄表示領域208a~208cが表示領域中央に拡大されて表示され、図柄表示領域208a、208cで装飾図柄が揃ったことが報知される。
また、ロゴ可動体902が下方に移動して、初期位置に復帰している。また、上部右サイド可動体1201の可動体前部1203が右回りに回転し、上部左サイド可動体1301の可動体前部1303が左回りに回転し、可動体前部1203と可動体前部1303が初期位置の体勢に戻っている。また、上部右サイド可動体1201の一部と上部左サイド可動体1301の一部とで図柄表示領域208a、208cの「装飾3」の一部が隠される。
図40(l)は、上部右サイド可動体1201が右斜め上方向に移動して初期位置に戻り、上部左サイド可動体1301が左斜め上方向に移動して初期位置に戻った状態を示している。リーチ演出開始時には各可動体の全てが初期位置に一旦復帰する。
図40(l)から引き続く図41(a)は、下部右サイド可動体1401、下部左サイド可動体1501、および中央下部可動体1601が初期位置から上方に移動して、装飾図柄表示装置208の前方に位置している状態を示している。また、下部右サイド可動体1401の可動体1403、および下部左サイド可動体1501の可動体1503は、初期位置の体勢から左右方向を回転軸として回転し、体勢が変化している。また、演出表示領域208dに、エフェクトのアニメーションが表示され、スーパーリーチ演出への発展演出が実行されている。
図41(b)は、下部右サイド可動体1401、下部左サイド可動体1501、および中央下部可動体1601が下方に移動して、初期位置に戻った状態を示している。また、下部右サイド可動体1401の可動体1403、および下部左サイド可動体1501の可動体1503の体勢が元に戻っている。また、図柄表示領域208a~208cが画像表示領域の左下角部に縮小表示され、スーパーリーチ演出が開始される。また、演出表示領域208dにはエフェクトのアニメーションが継続して表示されている。
図41(c)は、スーパーリーチ演出が開始された状態を示している。演出表示領域208dが画像表示領域中央に拡大して表示され、演出表示領域208dの左側に主人公キャラクタの画像が表示され、右側に敵キャラクタの画像が表示され、中央に「討伐リーチ」の文字列が表示されている。本例のスーパーリーチ演出は、主人公キャラクタと敵キャラクタとが斬り合うシーンのアニメーションが演出表示領域208dに表示される。
図41(d)は、スーパーリーチ演出が継続している状態を示している。演出表示領域208dには、「討伐リーチ」の文字列が消去されて、代わりに「一撃!」の文字列が表示され、斬り合いが開始されることが示唆される。
図41(e)は、スーパーリーチ演出が継続している状態を示している。演出表示領域208dには、「一撃!」の文字列の上方に、チャンスボタン136を模した画像が表示されている。チャンスボタン136を模した画像は、チャンスボタン136の操作有効期間が開始された場合にチャンスボタン136の操作を遊技者に促すために表示される。なお、チャンスボタン136の操作有効期間中には操作有効期間の残り時間を表す画像(例えば、メータ画像や残り秒数を示す数字等)を表示してもよい。
図41(f)は、チャンスボタン136の操作有効期間中に遊技者がチャンスボタン136の操作を実行した状態を示している。図41(f)の右側に、チャンスボタン136とそれを操作する遊技者の手を模式的に図示している。チャンスボタン136の操作により、斬り合いのアニメーションが開始される。
図41(g)は、ロゴ可動体902が初期位置から最上方の位置まで移動した状態を示している。このロゴ可動体902の最上方への移動動作は、ロゴ可動体902の後方に配置されている上部前可動体1002および上部後可動体1102を装飾図柄表示装置208の前方に出現させるための動作である。このため、ロゴ可動体902の上方への移動動作は上部前可動体1002および上部後可動体1102が下方へ移動する前兆とすることもできる。ロゴ可動体902が最上方へ移動することで、上部前可動体1002および上部後可動体1102が下方に移動して、さらに演出が発展することを期待させることができる場合がある。
図41(h)は、ロゴ可動体902以外の可動体の移動動作が実行された状態を示している。下部右サイド可動体1401、下部左サイド可動体1501、および中央下部可動体1601は、初期位置から上方に移動して装飾図柄表示装置208の前方で停止している。下部右サイド可動体1401と下部左サイド可動体1501とは体勢が変化している。また、上部右サイド可動体1201が初期位置から左斜め下方向に移動して停止し、可動体前部1203が回転動作を実行して停止している。また、同様に、上部左サイド可動体1301が初期位置から右斜め下方向に移動して停止し、可動体前部1303が回転動作を実行して停止している。また、上部前可動体1002と上部後可動体1102とが下方に移動して最下方の位置で停止している。また、上部前可動体1002は、最下方に移動した後、レンズ可動体1002aが前方に移動する。また、上部前可動体1002のレンズ1018を介して、回転動作している回転装飾部1124が拡大されて視認されている。
また、演出表示領域208dには、主人公キャラクタの画像と敵キャラクタの画像が消去され、ほぼ全面にエフェクトのアニメーションが表示される。
図41(i)は、スーパーリーチ演出中に、当該特図1変動遊技の大当り確定を報知する演出(プレミア演出)が実行された状態を示している。下部右サイド可動体1401の可動体1425の装飾部が開いて回転する動作が実行され、下部左サイド可動体1501の可動体1525の装飾部が開いて回転する動作が実行されている。また、中央下部可動体1601の円形フィルム1605の回転動作が実行されている。また、上部後可動体1102の回転装飾部1124の回転動作が実行されている。また、演出表示領域208dのほぼ全面には七色のエフェクト(レインボーエフェクト)が表示されている。
図41(j)は、斬り合いの結果を報知するアニメーションが表示された状態を示している。演出表示領域208dでは、七色のエフェクトのアニメーションが消去されて、右側に斬り合いに勝利した主人公キャラクタの画像と、左側に斬られて倒れた敵キャラクタの画像が表示され、中央に「勝ち」の文字列が表示されている。また、「勝ち」の文字列の下には「装飾3」が表示されており、中図柄表示領域208bに「装飾3」が停止表示されることが示唆され、スーパーリーチ演出が終了する。
スーパーリーチ演出の終了に伴い、各可動体が初期位置に復帰する。上部前可動体1002のレンズ可動体1002aが最後方に移動した後、上部前可動体1002および上部後可動体1102が上方に移動して初期位置に復帰し、その後、ロゴ可動体902が下方に移動して初期位置に復帰する。その他の可動体の初期位置への移動順序は同時でもよいし、任意の順番に設定されていてもよい。
図41(k)は、図柄表示領域208a~208cが画像表示領域の中央の元の位置に拡大されて、装飾図柄の組合せとして「装飾3-装飾3-装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示された状態を示している。また、ロゴ可動体902が下方に移動して初期位置に戻っている。
図41(l)は、特図1変動遊技が終了した状態を示している。特図1表示装置212には15R特別大当り図柄の「特図A」が停止表示されている。装飾図柄表示装置208では、特図1用第四図柄表示領域t1に特図1変動遊技が大当りであることを示す「A」の第四図柄が停止表示され、図柄表示領域208a~208cには装飾図柄の組合せとして特別大当りであることを示す「装飾3-装飾3-装飾3」が停止表示されている。これにより、終了した特図1変動遊技の当否判定結果が特別大当り(確変大当り)であることが報知される。
次に、図42を用いて本実施の形態によるぱちんこ機100の演出例2について説明する。なお、図42、並びに後述する図43および図44では、特図1表示装置212、特図2表示装置214、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、上部右サイド役物1200、上部左サイド役物1300、下部右サイド役物1400、下部左サイド役物1500、および中央下部役物1600の図示を省略している。
図42(a)は、ロゴ可動体902、上部前可動体1002、および上部後可動体1102が初期位置に位置している状態を示している。上部前可動体1002は、最下方に移動した後にレンズ可動体1002aが前方に移動する場合、レンズ可動体1002aとロゴ可動体902との接触を避けるために、ロゴ可動体902が最上方へ移動した後に最下方へ移動し、レンズ可動体1002aが前方に移動する。しかしながら、レンズ可動体1002aが前方に移動しない場合には、レンズ可動体1002aとロゴ可動体902とが接触することがないので、図42(b)に示すように、ロゴ可動体902が初期位置に位置しているままの状態で、上部前可動体1002が下方に移動してもよい。また、上部前可動体1002とともに上部後可動体1102が下方に移動してもよいし、移動しなくてもよい。
また、上部右サイド役物1200の上部右サイド可動体1201、上部左サイド役物1300の上部左サイド可動体1301、下部右サイド役物1400の下部右サイド可動体1401、下部左サイド役物1500の下部左サイド可動体1501、および中央下部役物1600の中央下部可動体1601は、他の可動体同士と接触することがないので、任意のタイミングで移動動作可能である。
図42(c)は、ロゴ可動体902、上部前可動体1002、および上部後可動体1102が初期位置に位置している状態を示している。図42(c)から引き続く図42(d)は、ロゴ可動体902が最上方の位置に移動した状態を示している。図42(d)から引き続く図42(e)は、上部前可動体1002が最下方に移動した状態を示している。このように、上部前可動体1002および上部後可動体1102のうち上部前可動体1002のみを下方に移動させてもよい。これにより、上部前可動体1002のレンズ1018を介して装飾図柄表示装置208に表示されている画像を遊技者に見せることができる。
レンズ可動体1002aが最前方の位置に位置している場合においても、レンズ1018と装飾図柄表示装置208の表示面との距離は、レンズ1018の焦点距離よりも短い。このため、レンズ1018を介して装飾図柄表示装置208に表示される様々な表示(例えば、保留アイコン、変動アイコン、カットイン画像、キャラクタ画像、会話画像、装飾図柄、第四図柄、普図装飾図柄、エフェクト画像、演出を説明するチュートリアル表示、操作を説明するチュートリアル表示、ボタン画像、メータ画像、エラー表示(例えば、下皿満タンエラー)、注意喚起報知(例えば、プリペイドカードの忘れ防止の注意喚起報知)の正立虚像を遊技者に観察させることができる。これにより、所定倍率で拡大された表示の正立虚像を遊技者に観察させて、表示を目立たせることができる場合がある。
次に、図43を用いて本実施の形態によるぱちんこ機100の演出例3について説明する。図43(a)は、ロゴ可動体902が最上方の位置に位置し、上部前可動体1002および上部後可動体1102が最下方の位置に位置している状態を示している。レンズ1018を介して回転装飾部1124の正立虚像が視認される。
図43(a)から引き続く図43(b)は、上部前可動体1002のレンズ可動体1002aが最前方に移動した状態を示している。レンズ可動体1002aの前方への移動により、レンズ1018と回転装飾部1124との距離がレンズ1018の焦点距離に近づくので、図43(b)では図43(a)と比較して、より拡大された回転装飾部1124の正立虚像が観察可能となる。これにより、回転装飾部1124を拡大して見せて、回転装飾部1124の回転動作を目立たせることができる場合がある。
図43(c)は、ロゴ可動体902、上部前可動体1002、および上部後可動体1102が初期位置に位置し、図柄表示領域208a、208cでは「装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示され、中図柄表示領域208bでは相対的に遅い速度で装飾図柄の変動表示が実行されている状態を示している。図柄表示領域208a、208cで「装飾3」が揃っており、リーチ演出(ノーマルリーチ演出)が実行されている。図43(c)では、中図柄表示領域208bに「装飾2」が表示されている。
図43(c)から引き続く図43(d)は、中図柄表示領域208bで相対的に遅い速度で装飾図柄の変動表示が継続されており、中図柄表示領域208bに「装飾3」が表示された状態を示している。
図43(d)から引き続く図43(e)は、中図柄表示領域208bで相対的に遅い速度で装飾図柄の変動表示が継続されており、中図柄表示領域208bに「装飾4」が表示された状態を示している。
本例では、レンズ1018を介して装飾図柄を遊技者に見せていない。例えば、特図変動遊技の結果がはずれの場合には、上部前可動体1002が初期位置から移動せず、装飾図柄をレンズ1018により拡大して遊技者に見せなくてもよい。
図43(f)は、ロゴ可動体902が最上方の位置に位置し、上部前可動体1002が最下方の位置に位置し、レンズ可動体1002aが最前方の位置に位置し、上部後可動体1102が初期位置に位置している状態を示している。上部後可動体1102の一部(回転装飾部1124)が視認されている。また、図柄表示領域208a、208cでは「装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示され、中図柄表示領域208bでは相対的に遅い速度で装飾図柄の変動表示が実行されて、リーチ演出(ノーマルリーチ演出)が実行されている。図43(f)に示すように、レンズ1018を介して、中図柄表示領域208bに表示されている「装飾2」の拡大された正立虚像が観察される。
図43(f)から引き続く図43(g)は、中図柄表示領域208bに「装飾3」が揺れ変動状態で仮停止表示された状態を示している。レンズ1018を介して、中図柄表示領域208bに表示されている「装飾3」の拡大された正立虚像が観察される。これにより、例えば、大当り時において、リーチ演出の最後に揃う中図柄を拡大して見せて、期待度を高めることができる場合がある。
図43(g)から引き続く図43(h)は、ロゴ可動体902、上部前可動体1002が初期位置に復帰した状態を示している。各可動体の初期位置への復帰順序は、レンズ可動体1002aが最後方に移動した後、上部前可動体1002が上方に移動して初期位置に復帰し、その後、ロゴ可動体902が下方に移動して初期位置に復帰する。
このように、はずれ時のリーチ演出では上部前可動体1002を用いず、大当り時のリーチ演出では上部前可動体1002を用いることで、遊技演出にメリハリをつけることができる場合がある。
次に、図44を用いて本実施の形態によるぱちんこ機100の演出例4について説明する。
図44(a)は、ロゴ可動体902が最上方の位置に位置し、上部前可動体1002が最下方の位置に位置し、レンズ可動体1002aが最前方の位置に位置し、上部後可動体1102が初期位置に位置している状態を示している。また、特図変動遊技の実行中であり、図柄表示領域208a~208cでは装飾図柄の変動表示が実行されおり、装飾図柄の変動表示がレンズ1018を介して視認されている。また、現時点での遊技状態が確変中(確変電サポ中)であり、演出表示領域208dの下方では「確変中」の文字列が表示されている。また、演出表示領域208dの左側には主人公キャラクタの画像が表示され、右側には敵キャラクタの画像が表示され確変時の演出が実行されている。
このように、確変状態中では、レンズ1018を介して装飾図柄を視認させることで、装飾図柄の変動表示を強調することができる場合がある。なお、レンズ1018を介して装飾図柄を視認させる遊技状態は、潜伏状態(特図高確普図低確率状態)でもよいし、時短状態(特図低確普図高確率状態)でもよい。
図44(b)は、ロゴ可動体902が最上方の位置に位置し、上部前可動体1002が最下方の位置に位置し、レンズ可動体1002aが最前方の位置に位置し、上部後可動体1102が初期位置に位置している状態を示している。また、特図変動遊技の非実行中(図柄停止表示中)であり、図柄表示領域208a~208cでは「装飾2-装飾3-装飾5」が停止表示されて、停止表示中の装飾図柄がレンズ1018を介して視認されている。また、現時点での遊技状態が確変中(確変電サポ中)であり、演出表示領域208dの下方では「確変中」の文字列が表示されている。なお、潜伏状態中には「潜伏」や「潜」や「怪」等の文字列が表示されてもよい。また、現在の演出モードを表す文字列が表示されてもよい。また、演出表示領域208dの左側には主人公キャラクタの画像が表示され、右側には敵キャラクタの画像が表示され確変時の演出が実行されている。
このように、確変状態中では、レンズ1018を介して装飾図柄を視認させることで、装飾図柄の停止表示を強調することができる場合がある。なお、レンズ1018を介して装飾図柄を視認させる遊技状態は、潜伏状態(特図高確普図低確状態)でもよいし、時短状態(特図低確普図高確状態)でもよい。
図44(c)は、ロゴ可動体902が最上方の位置に位置し、上部前可動体1002が最下方の位置に位置し、レンズ可動体1002aが最前方の位置に位置し、上部後可動体1102が初期位置に位置している状態を示している。また、特図変動遊技の実行中である。また、現時点での遊技状態が確変中(確変電サポ中)であり、演出表示領域208dの下方では「確変中」の文字列が表示されている。また、演出表示領域208dの左側には主人公キャラクタの画像が表示され、右側には敵キャラクタの画像が表示され確変時の演出が実行されている。
また、演出表示領域208dが画像表示領域の全面に拡大されており、演出表示領域208dの中央に「熱」の文字が表示されて予告演出(当該変動の予告または先読み予告)が実行されている。「熱」の文字がレンズ1018を介して拡大して視認される。これにより、予告演出を目立たせることができる場合がある。
図44(d)は、ロゴ可動体902が最上方の位置に位置し、上部前可動体1002および上部後可動体1102が初期位置から若干下方に移動し、レンズ可動体1002aが最後方の位置に位置している状態を示している。また、特図変動遊技の実行中である。また、現時点での遊技状態が確変中(確変電サポ中)であり、演出表示領域208dの下方では「確変中」の文字列が表示されている。また、演出表示領域208dの左側には主人公キャラクタの画像が表示され、右側には敵キャラクタの画像が表示され確変時の演出が実行されている。また、演出表示領域208dが画像表示領域の全面に拡大されており、演出表示領域208dの中央に「熱」の文字が表示されて予告演出(当該変動の予告または先読み予告)が実行されている。
図44(d)では、レンズ1018を介して、回転装飾部1124の一部が視認されている。これにより、上部前可動体1002の後に何かが隠れていることを遊技者に気づかせて、上部後可動体1102に注目させることができる場合がある。
図44(e)は、ロゴ可動体902、上部前可動体1002および上部後可動体1102が初期位置に位置している状態を示している。また、特図変動遊技の実行中であり、演出表示領域208dが画像表示領域の全面に拡大されており、演出表示領域208dの左側に主人公キャラクタの画像が表示され、右側に敵キャラクタの画像が表示され、中央に「討伐リーチ」の文字列が表示されてリーチ演出が実行されている。
このように、リーチ演出の実行時には、ロゴ可動体902、上部前可動体1002および上部後可動体1102が初期位置で停止していてもよい。これにより、装飾図柄表示装置208の画像表示領域を広く使用してアニメーション等を表示しリーチ演出を実行することができる。
本実施の形態によるぱちんこ機100は、装飾図柄表示装置208に表示される様々な表示を上部前可動体1002のレンズ1018を介して遊技者に視認させることができる。レンズ1018を介して遊技者に視認させる表示としては、再抽選の演出表示、昇格の演出表示、確変報知の演出表示、保留アイコンや変動アイコン等のアイコン表示、遊技状態の報知表示、各種情報の報知表示等が挙げられる。ぱちんこ機100は、これらの表示をレンズ1018を介して拡大して遊技者に視認させて、これらの表示を強調することができる場合がある。
次に、以上説明した一実施の形態によるぱちんこ機100の特徴的構成について再度図16乃至図44を参照しつつ説明する。
(D1)
表示を少なくとも表示可能な第一の表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)と、
第一の動作を少なくとも実行可能な可動体(例えば、ロゴ可動体902)と、を備えた遊技台であって、
前記第一の動作は、前記可動体が第一の位置(例えば、初期位置)から上方へ可動する動作を少なくとも含む動作であり(例えば、図19(b)参照)、
前記第一の位置に位置する前記可動体は、少なくとも一部が前記第一の表示手段よりも高い位置となる可動体である(例えば、図39(a)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、可動体に特徴を持った遊技台を提供できる場合がある。また、可動体の動作を目立たせつつ、第一の表示手段の表示領域を大きく使用して遊技者に見せることができる場合がある。
(D2)
(D1)に記載の遊技台であって、
前記可動体は、第二の動作を少なくとも実行可能な可動体であり(例えば、図19(c)参照)、
前記第二の動作は、前記第一の位置から下方へ可動する動作であり(例えば、図19(c)参照)、
前記第二の動作が行われた後は、前記可動体の少なくとも一部が前記第一の表示手段の前方側に位置する(例えば、図39(i)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、可動体が第一の表示手段に前後方向で重なる位置に移動可能であり、可動体と第一の表示手段との関係においてバリエーションを増やすことができる場合がある。
(D3)
(D2)に記載の遊技台であって、
前記第一の動作は、前記第一の位置から第二の位置(例えば、最上方の位置)へ可動する動作であり(例えば、図19(b)参照)、
前記第二の動作は、前記第一の位置から第三の位置(例えば、最下方の位置)へ可動する動作であり(例えば、図19(c)参照)、
前記第一の動作における可動量は、前記第二の動作における可動量よりも大きい(例えば、図19参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、可動体の移動動作を大きく見せつつ第一の表示手段の表示領域を広く使って演出を行うことができる場合がある。また、可動体が第二の位置に位置して第一の表示手段から離れた場合でも可動体に注目させることができる場合がある。また、可動体が第三の位置に位置して第一の表示手段と前後方向で重なっている状態でも第三の動作により可動体に注目させることができる場合がある。
(D4)
(D3)に記載の遊技台であって、
前記可動体の位置を少なくとも検出可能な検出手段(例えば、フォトセンサ984)を備え、
前記検出手段は、前記可動体が前記第二の位置に位置する場合に少なくとも該可動体の位置を検出可能な手段であり、
前記可動体は、前記第二の動作が行われた後で前記第一の位置に戻る場合は、前記第三の位置から前記第二の位置まで可動した後で前記第一の位置に戻る(例えば、図39(i)~図40(a)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の表示手段に表示されている表示を可動体で隠さずに可動体を第一の位置に復帰させて、当該表示に注目している遊技者を邪魔しないようにすることができる場合がある。例えば、図柄変動表示の実行中に可動体が第三の位置に移動して予告が実行され、当該図柄変動表示の終了時に予告が終了する場合、可動体が第二の位置に移動してから第一の位置に復帰するので、可動体が当該図柄変動表示の次の図柄変動表示に注目する遊技者を邪魔するのを防ぐことができる場合がある。
(D5)
(D1)乃至(D4)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記可動体は、回転動作を実行可能な回転機構(例えば、回転リンク機構902b)を少なくとも含む可動体であり、
前記第一の動作は、前記回転動作が行われることに関連して前記可動体が上方へ可動する動作であり(例えば、図20(b)参照)、
前記可動体は、複数の可動部(例えば、第二文字部912~第六文字部920)によって少なくとも構成された可動体であり、
前記複数の可動部のうちの少なくとも一つ(以下、「第二の可動部」という。
(例えば、第四文字部916))は、前記複数の可動部のうちの前記第二の可動部とは別の少なくとも一つ(以下、「第一の可動部」という。
(例えば、第二文字部912))よりも前記回転動作における回転中心から遠い位置に設けられた可動部であり、
前記第一の動作は、前記第二の可動部の上方への可動量が前記第一の可動部の上方への可動量よりも大きくなる動作である(例えば、図19(b)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、可動体の複数の部位を規則的に移動させることができる場合がある。また、モータによる回転運動を回転機構により直線運動に変換して可動体の複数の部位に伝達することができる。
(D6)
(D5)に記載の遊技台であって、
前記第一の動作は、前記複数の可動部のうちの少なくとも一の可動部(例えば、第四文字部916)が上方へ移動する動作である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、可動体の特に移動した部位に遊技者を注目させることができる場合がある。
(D7)
(D1)乃至(D6)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の位置は、前記可動体の少なくとも一部が前記第一の表示手段の前方側に位置する位置である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、遊技者が普段注目する第一の表示手段に可動体が重なっているので可動体の第一の動作を見逃さないようにすることができる場合がある。
(D8)
(D1)乃至(D7)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記可動体は、表示を少なくとも表示可能な第二の表示手段(例えば、サブ表示装置)を含む可動体である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、可動体が第二の表示手段を含むため、動作後の可動体にも注目させることができる場合がある(D9)
(D1)乃至(D8)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記可動体は、文字形状を備える文字部(例えば、第一文字部910~第七文字部922)を少なくとも含む可動体であり、
前記可動体は、発光手段(例えば、LED基板910c等に実装されたLED)により前記文字部が発光可能な可動体である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、可動体の文字部を目立たせることができる場合がある。
(D10)
(D1)乃至(D9)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機(例えば、ぱちんこ機100)である、ことを特徴とする遊技台。
(D11)
(D1)乃至(D9)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、スロットマシン(例えば、スロットマシン2000)である、ことを特徴とする遊技台。
可動体は、第一の位置に位置している場合、少なくとも一部が第一の表示手段と前後方向で重なってもよいし、全体が第一の表示手段と前後方向で重ならなくてもよい。
第一の表示手段および第二の表示手段には、液晶表示装置、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを用いることができる。
可動体は、平行移動、回転移動以外の移動動作が可能に構成されていてもよいし、複数の動作態様から第一の動作、第二の動作、または第三の動作が実行可能に構成されていてもよい。
第二の動作は、第一の表示手段の下限位置を通り越した位置まで移動する動作であってもよい。
可動体は、第一の表示手段から遠ざかる方向への移動量が、第一の表示手段に重なる方向への移動量よりも小さくてもよい。
可動体の初期位置は第一の表示手段の前方でなくてもよい。
可動体が複数の可動部を有する一体的な可動体であってもよい。例えば、可動するサブ液晶と当該サブ液晶の近傍で可動する別の可動体を一体的な可動体としてもよい。
文字形状が表す文字には、遊技台の機種名等の少なくとも一部が含まれるタイトルロゴの文字や、遊技台の特徴や遊技台のタイトルやモチーフに関連した特徴的な文字(例えば、潜伏確変を有する遊技台であれば「潜」や「怪」等、時代劇をモチーフにしていれば「戦」、「闘」等)が挙げられる。なお、文字数は二文字以上であってもよい。
可動体は発光手段を備えていなくもよい。また、複数の文字部のうち少なくとも一つの文字部が発光する構成であってもよい。
可動体は多段階動作を実行しない構成であって、単に移動動作のみ実行可能であってもよい。
本例では、検出手段は、可動体が第二の位置に位置する場合に可動体の位置を検出可能である。可動体は、一旦、検出手段により位置を検出された後に、初期位置に復帰する。本例では、検出手段が可動体が第二の位置に位置する場合に可動体の位置を検出可能である場合には可動体が第一の表示手段の上方の位置である第二の位置に移動した後に初期値位置に復帰する。また、例えば、検出手段が可動体が第三の位置に位置する場合に可動体の位置を検出可能である場合には可動体が第一の表示手段の前方の位置である第三の位置に移動した後に初期値位置に復帰する。このため、検出手段が可動体が第二の位置に位置する場合に可動体の位置を検出可能である場合は、検出手段が可動体が第三の位置に位置する場合に可動体の位置を検出可能である場合よりも、可動体が第一の表示手段の表示を隠すことなく初期位置に復帰することができる。なお、検出手段は、可動体が第三の位置に位置する場合に可動体の位置を検出可能であってもよいし、可動体が第一の位置に位置する場合に可動体の位置を検出可能であってもよい。
(E1)
複数の可動体を備えた遊技台であって、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一つは、第一の領域(例えば、図19(a)参照)から第三の領域(例えば、図19(b)参照)へ少なくとも可動可能な可動体(以下、「第一の可動体」という。)(例えば、ロゴ可動体902)であり、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一つは、第二の領域(例えば、図24(a)、図28(a)参照)から第四の領域(例えば、図24(c)、図28(c)参照)へ少なくとも可動可能な可動体(以下、「第二の可動体」という。)(例えば、上部前可動体1002、レンズ可動体1002a、上部後可動体1102)であり、
前記第四の領域は、前記第一の領域の少なくとも一部の領域を含む領域であり、
前記第一の領域は、前記第一の可動体が可動する前の状態(例えば、初期位置に位置する状態)において該第一の可動体が占める領域であり、
前記第四の領域は、前記第二の可動体が可動した後の状態(例えば、最下方の位置に移動した後の状態)において該第二の可動体が占める領域である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、可動体に特徴を持った遊技台を提供できる場合がある。また、複数の可動体が関連して多彩な動作が可能となる場合がある。
(E2)
(E1)に記載の遊技台であって、
前記第二の可動体は、前記第一の可動体に対して前後方向に少なくとも位置する可動体であり(例えば、図16、図17参照)、
前記第二の可動体は、前記第四の領域に可動する場合に、前後方向に少なくとも可動可能な可動体である(例えば、図25参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、前方に移動する第二の可動体が遊技者にインパクトを与えることができる場合がある。
(E3)
(E1)または(E2)に記載の遊技台であって、
前記第二の領域は、前記第二の可動体が可動する前の状態(例えば、初期位置に位置する状態)において該第二の可動体が占める領域であり(例えば、図24(a)参照)、
前記第二の領域は、少なくとも一部の領域が前記第一の領域の前後方向となる領域である(例えば、図16、図17参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、通常時に複数の可動体が遊技者側から見えることで可動体の動作を遊技者に期待させることができる場合がある。
(E4)
(E1)乃至(E3)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
表示を少なくとも表示可能な第一の表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)を備え、
前記第四の領域は、少なくとも一部の領域が前記第一の表示手段の前方となる領域を含む領域である(例えば、図41(h)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の表示手段の表示に関連して第二の可動体を動作させることができる場合がある。
(E5)
(E4)に記載の遊技台であって、
前記第一の可動体は、前記第一の領域から第五の領域(例えば、図19(c)参照)へ少なくとも可動可能な可動体であり、
前記第五の領域は、少なくとも一部の領域が前記第一の表示手段の前方となる領域を含む領域であり(例えば、図39(i)参照)、
前記第五の領域は、前記第四の領域の少なくとも一部を含む領域である(例えば、図39(i)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の可動体が第二の可動体の動作の前兆となる動作以外の動作を行うことができる場合がある。
(E6)
(E5)に記載の遊技台であって、
前記第三の領域は、前記第一の領域から上方向にずれた領域であり、
前記第五の領域は、前記第一の領域から下方向にずれた領域である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の可動体が第一の表示手段の表示領域から遠ざかる上方向に移動することで意外性のある動作を行うことができる場合がある。また、第二の可動体が第一の表示手段の表示領域の前方へ出現する期待を高めることができる場合がある。
(E7)
(E4)乃至(E6)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の領域は、少なくとも一部の領域が前記第一の表示手段の前方となる領域を含む領域である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、初期状態において第一の可動体が表示領域の前方に位置することで、表示領域から遠ざかる方向への第一の可動体の動作を見逃さないようにすることができる場合がある。
(E8)
(E1)乃至(E7)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
表示を少なくとも表示可能な第二の表示手段(例えば、サブ表示装置)を備え、
前記第一の可動体および前記第二の可動体のうちの一方の可動体は、前記第二の表示手段を含む可動体である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第二の表示手段の表示内容に注目させることで、第二の表示手段を備える可動体の動作自体にも注目させることができる場合がある。
(E9)
(E1)乃至(E7)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
表示を少なくとも表示可能な第二の表示手段(例えば、サブ表示装置)を備え、
前記第三の領域は、少なくとも一部の領域が前記第二の表示手段の前方となる領域を含む領域である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の可動体の移動先にも第二の表示手段があることにより第一の可動体の動作にも自然と注目させることができる場合がある。
(E10)
(E1)乃至(E9)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機(例えば、ぱちんこ機100)である、ことを特徴とする遊技台。
(E11)
(E1)乃至(E9)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、スロットマシン(例えば、スロットマシン2000)である、ことを特徴とする遊技台。
前記第一の領域は、前記第一の可動体が第一の位置に位置する場合において該第一の可動体が占める領域であり、
前記第一の位置は、前記第一の可動体の初期位置である。
第二の可動体は、第一の可動体の初期位置を含む位置に移動可能である。
第一の可動体は、例えば、ロゴ可動体902である。また、第二の可動体は、上部前可動体1002、レンズ可動体1002a、または上部後可動体1102である。
第一の領域と第二の領域は、共通の領域を有さず、前後方向で重なっていてもよい。
また、第一の領域と第四の領域は、共通の領域を有さず、前後方向で重なっていてもよい。
第二の可動体の後方に第一の可動体が配置されており、第二の可動体が後方に移動可能であってもよい。
上記遊技台は、
前記第一の可動体は、初期位置に位置する状態で遊技者から視認可能な可動体であり、
前記第二の可動体は、初期位置に位置する状態で遊技者から視認可能な可動体である、ことを特徴とする。
上記遊技台は、
図柄変動表示を少なくとも実行可能な図柄表示手段(例えば、特図1表示装置212、特図2表示装置214)と、
前記図柄変動表示の開始を少なくとも保留可能な保留手段(例えば、RAM308)と、を備え、
実行中の図柄変動表示に対する予告(以下、「第一の予告」という。)が少なくとも実行可能に構成され、
保留中の図柄変動表示に対する予告(以下、「第二の予告」という。)が少なくとも実行可能に構成され、
前記第一の可動体および前記第二の可動体のうちの少なくとも一方の可動体は、前記第一の予告の実行に使用可能な可動体であり、
前記第一の可動体および前記第二の可動体のうちの少なくとも一方の可動体は、前記第二の予告の実行に使用可能な可動体である、ことを特徴とする。
上記遊技台であって、
前記第一の可動体は、前記第一の領域から第五の領域へ少なくとも移動可能な可動体であり、
前記第五の領域は、少なくとも一部の領域が前記第一の表示手段の前方となる領域を含まない領域であり、
前記第五の領域は、前記第四の領域の少なくとも一部を含まない領域である、ことを特徴とする。
第五の領域は、第一の表示手段の下方の領域である。
第一の可動体および第二の可動体の一方または両方がフ第二の表示手段を少なくともふくんでいてもよい。
・第二の可動体は、第一の可動体に対して前後方向以外の方向、例えば、左右方向にずれた位置に配置されていてもよい。第二の可動体が第一の可動体に対して前後方向に位置する場合には、可動体の収納がコンパクトにできる場合がある。
第四の領域は、第一の表示手段の前方となる領域を含まない領域であってもよいし、第四の領域の全てが第一の表示手段の前方となる領域であってもよい。
第一の可動体は、第二の可動体の動作範囲外(例えば、第六の領域)に移動動作が可能であってもよい。
第一の可動体は、第一の表示手段に近づく方向に移動可能な構成であってもよい。
第二の可動体は、第一の可動体よりも第一の表示手段から遠い位置で移動動作可能であってもよい。
第一の可動体は、初期位置に位置する場合、第一の表示手段の表示領域に前後方向で重ならずに、当該表示領域を隠さない構成であってもよい。
初期状態において、複数の可動体が前後方向に重ならない構成であってもよい。例えば、第一の可動体および第二の可動体のうち一方の可動体は第一の表示手段の上部に位置し、他方の可動体は第一の表示装置の下部に位置し、一方の可動体の動作範囲が他方の可動体の動作範囲に移動するために他方の可動体を待避させる動作を行う構成であってもよい。
第一の可動体は、メインの表示装置(例えば、装飾図柄表示装置208)を備えていてもよい。
第一の可動体は、サブの表示装置(例えば、サブ表示装置)を備えていてもよい。
第二の可動体は、メインの表示装置(例えば、装飾図柄表示装置208)を備えていてもよい。
第二の可動体は、サブの表示装置(例えば、サブ表示装置)を備えていてもよい。
メインの表示装置、およびサブの表示装置により第一の可動体と第二の可動体が構成されてもよい。
メインの表示装置、およびサブの表示装置に表示される演出表示は、装飾図柄変動表示、保留アイコン等の保留表示(先読み予告の一例)、変動アイコン(予告の一例)、第四の図柄、遊技状態等の情報表示等であるが、いずれの表示装置に何を表示してもよいし、両方の表示装置で同じ情報を表示してもよいし、所定条件の成立等でメインの表示装置とサブの表示装置での表示を入れ替える構成であってもよい。
複数の可動体を備えた遊技台であって、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一の可動体は、第一の可動体であり、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一の可動体は、第二の可動体であり、
前記第一の可動体は、第一の位置から第三の位置に移動可能であり、
前記第二の可動体は、第二の位置から第四の位置に移動可能であり、
前記第一の位置は、前記第一の可動体の初期位置であり、
前記第二の位置は、前記第二の可動体の初期位置であり、
前記第三の位置は、前記第一の位置の上方の位置であり、
前記第四の位置は、前記第二の位置の下方の位置である、ことを特徴とする遊技台。
複数の可動体を備えた遊技台であって、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一の可動体は、第一の可動体であり、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一の可動体は、第二の可動体であり、
前記第一の可動体は、第一の位置から第三の位置に移動可能であり、
前記第二の可動体は、第二の位置から第四の位置に移動可能であり、
前記第一の位置は、前記第一の可動体の初期位置であり、
前記第二の位置は、前記第二の可動体の初期位置であり、
前記第三の位置は、前記第一の位置の下方の位置であり、
前記第四の位置は、前記第二の位置の上方の位置である、ことを特徴とする遊技台。
(F1)
複数の可動体を備えた遊技台であって、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一つ(以下、「第一の可動体」という。
(例えば、上部前可動体1002、レンズ可動体1002a))は、第一の位置(例えば、初期位置、最上方の位置、図24(a)参照)から第三の位置(例えば、最下方の位置、図24(c)参照)へ少なくとも可動可能な可動体であり、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一つ(以下、「第二の可動体」という。
(例えば、上部後可動体1102))は、第二の位置(例えば、初期位置、最上方の位置、図28(a)参照)から第四の位置(例えば、最下方の位置、図28(c)参照)へ少なくとも可動可能な可動体であり、
前記第二の位置に位置する前記第二の可動体は、前記第一の位置に位置する前記第一の可動体と少なくとも一部が前後方向に重なる可動体であり(例えば、図16、図17参照)、
前記第四の位置に位置する前記第二の可動体は、前記第三の位置に位置する前記第一の可動体と少なくとも一部が前後方向に重なる可動体である(例えば、図41(h)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、可動体に特徴を持った遊技台を提供できる。また、複数の可動体の位置関係を維持して動作させることができる場合がある。
(F2)
(F1)に記載の遊技台であって、
前記第一の可動体は、前記第二の可動体の前方に位置する可動体であり(例えば、図16、図17参照)、
前記第一の可動体は、該第一の可動体の後方を視認可能な視認領域(例えば、開口部1012a、1014d、1002b5)が少なくとも設けられた可動体であり、
前記第二の位置に位置する前記第二の可動体の少なくとも一部は、前記第一の位置に位置する前記第一の可動体の前記視認領域から視認可能とされるものであり(例えば、図40(j)参照)、
前記第四の位置に位置する前記第二の可動体の少なくとも一部は、前記第三の位置に位置する前記第一の可動体の前記視認領域から視認可能とされるものである(例えば、図41(h)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第二の可動体を第一の可動体の視認領域から見せることができるので、第二の可動体が第一の可動体と前後方向で重なる位置に移動しても演出効果を高めることができる場合がある。
(F3)
(F2)に記載の遊技台であって、
前記第一の可動体(例えば、レンズ可動体1002a)は、前記第三の位置(例えば、最後方の位置、図23(a)、図24(c)参照)から第五の位置(例えば、最前方の位置、図23(b)、図25参照)へ少なくとも移動可能な可動体であり、
前記第五の位置は、前記第三の位置の前方となる位置であり(例えば、図25参照)、
前記視認領域は、レンズ(例えば、レンズ1018)を含む領域であり、
前記第四の位置に位置する前記第二の可動体の少なくとも一部は、前記第三の位置に位置する前記第一の可動体の前記視認領域から視認可能とされるものであり(例えば、図43(a)参照)、
前記第二の可動体は、前記第一の可動体が前記第三の位置に位置する場合よりも前記第五の位置に位置する場合の方が前記視認領域により大きく視認可能とされる可動体である(例えば、図43(b)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の可動体と第二の可動体の相対的な位置関係を変化させて可動体の見え方を変化させることができる場合がある。また、第二の可動体を拡大して遊技者に見せることができる場合がある。
(F4)
(F1)乃至(F3)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
表示を少なくとも表示可能な表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)を備え、
前記第三の位置は、前記第一の可動体の少なくとも一部が前記表示手段の前方となる位置であり(例えば、図43(a)参照)、
前記第四の位置は、前記第二の可動体の少なくとも一部が前記表示手段の前方となる位置である(例えば、図43(a)参照)、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、表示手段の前方で可動体が多彩な動作を行うことができる場合がある。
(F5)
(F1)乃至(F4)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の可動体は、第一の駆動手段(例えば、モータ1070)により可動可能な可動体であり、
前記第二の可動体は、第二の駆動手段(例えば、モータ1152)により可動可能な可動体であり、
前記第二の可動体は、前記第一の可動体が前記第一の位置に位置する場合に、前記第二の位置に位置しない場合がある可動体であり、
前記第二の可動体は、前記第一の可動体が前記第三の位置に位置する場合に、前記第四の位置に位置しない場合がある可動体である、ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の可動体と第二の可動体が上下方向に同じ位置で動作可能でもあり、第一の可動体と第二の可動体が独立して動作可能でもあるため、可動体の動作のバリエーションを増加させることができる場合がある。
(F6)
(F1)乃至(F5)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の可動体は、上下方向に動作可能な可動体であり(例えば、図24参照)、
前記第二の可動体は、上下方向に動作可能な可動体である(例えば、図28参照)、ことを特徴とする遊技台。
(F7)
(F1)乃至(F6)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機(例えば、ぱちんこ機100)である、ことを特徴とする遊技台。
(F8)
(F1)乃至(F6)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、スロットマシン(例えば、スロットマシン2000)である、ことを特徴とする遊技台。
第一の可動体と第二の可動体は、上下方向において動作範囲がほぼ同じであるが、異なる範囲に動作可能な構成であってもよく、第二の可動体の回転動作(例えば、回転装飾部1124の回転動作)も異なる範囲への移動を伴う動作に置き換えることも可能である。
第一の可動体の駆動源と第二の可動体の駆動源が同じであってもよく、リンク機構等により、第一の可動体と第二の可動体の動作開始タイミングや相対的な位置関係に変化を与え、第一の可動体と第二の可動体があたかも個別の駆動源により独立して動作可能な構成に見せてもよい。
第二の位置および第四の位置は表示手段の前方とならない位置であってもよい。この場合、第一の可動体と第二の可動体の動作に加えて表示領域を広く使用して演出を行うことができる場合がある。
第一の位置および第三の位置は表示手段の前方側の位置であってもよいし、表示手段の前方側の位置でなくてもよい。また、第一の位置および第三の位置の少なくとも一方の位置が表示手段の前方となれば好ましいが、必ずしもその必要はない。
第一の可動体は、第二の可動体を視認可能な視認領域を備えていなくてもよい。第一の可動体と第二の可動体の駆動源が別であれば、第一の可動体と第二の可動体を個別に動作させることができるため、第三の位置から外れた位置まで第二の可動体を動作させれば第二の可動体を遊技者に見せることができる場合がある。
本実施の形態では、第五の位置は第三の位置の前方側であるが、第五の位置は第三の位置の後方側であってもよい。第一の可動体と第二の可動体との間が詰まる方向の位置が第六の位置であり、第一の可動体は第六の位置へ移動可動であってもよい。これにより、第一の可動体と第二の可動体の相対的な位置関係を変化させて可動体の見え方を変化させることができる場合がある。
視認領域は、レンズ以外の構成も採用しうる。例えば、レンズの機能を有さない単なる透明板でもよいし、何もない開口部や切欠部等も上記の視認領域に採用可能である。
第二の可動体は、第二の位置において第一の可動体の視認領域から視認可能な状態となっている場合に少なくとも回転可能であるが、第二の可動体を視認領域外で回転させてもよい。また、第二の可動体の回転動作は、第二の可動体を第二の位置から第四の位置へ移動させるための駆動源と異なる駆動源であってもよいし、同じ駆動源であってもよい。
また、第一の表示としては、保留アイコン、変動アイコン、カットイン画像、キャラクタ画像、会話画像、装飾図柄、第四図柄、普図装飾図柄、エフェクト画像、演出を説明するチュートリアル表示、操作を説明するチュートリアル表示、ボタン画像、メータ画像、エラー表示(例えば、下皿満タンエラー)、注意喚起報知(例えば、プリペイドカードの忘れ防止の注意喚起報知)等が挙げられる。
また、表示手段は、第二の領域で第二の表示を少なくとも表示可能な手段である。第二の領域は、第一の領域と同じであってもよいし、異なっていてもよいし、少なくとも一部が重なっていてもよい。また、第二の表示としては、保留アイコン、変動アイコン、カットイン画像、キャラクタ画像、会話画像、装飾図柄、第四図柄、普図装飾図柄、エフェクト画像、演出を説明するチュートリアル表示、操作を説明するチュートリアル表示、ボタン画像、メータ画像、エラー表示(例えば、下皿満タンエラー)、注意喚起報知(例えば、プリペイドカードの忘れ防止の注意喚起報知)等が挙げられる。第二の表示は、第一の表示と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、上記において「少なくとも・・・可能」と記載された構成は、当該部分を「・・・のみ可能」と置き換えて解釈することもできる。例えば、「第一の動作を少なくとも実行可能」と記載された可動体は、「第一の動作のみを実行可能」な可動体と置き換えて解釈することもできる。
また、上記において「・・・可能」と記載されている構成は、当該部分を「・・・しない場合があってもよいし、または必ず・・・する構成も含む」と置き換えて解釈することもできる。例えば、「第一の動作を少なくとも実行可能」と記載されている構成は、「第一の動作を実行しない場合があってもよいし、または、必ず第一の動作を実行する構成も含む手段」と置き換えて解釈することもできる。
上記実施の形態による本発明は以下のようにまとめられる。
(付記d1)
表示を少なくとも表示可能な第一の表示手段と、
第一の動作を少なくとも実行可能な可動体と、を備えた遊技台であって、
前記第一の動作は、前記可動体が第一の位置から上方へ可動する動作を少なくとも含む動作であり、
前記第一の位置に位置する前記可動体は、少なくとも一部が前記第一の表示手段よりも高い位置となる可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記d2)
付記d1に記載の遊技台であって、
前記可動体は、第二の動作を少なくとも実行可能な可動体であり、
前記第二の動作は、前記第一の位置から下方へ可動する動作であり、
前記第二の動作が行われた後は、前記可動体の少なくとも一部が前記第一の表示手段の前方側に位置する、ことを特徴とする遊技台。
(付記d3)
付記d2に記載の遊技台であって、
前記第一の動作は、前記第一の位置から第二の位置へ可動する動作であり、
前記第二の動作は、前記第一の位置から第三の位置へ可動する動作であり、
前記第一の動作における可動量は、前記第二の動作における可動量よりも大きい、ことを特徴とする遊技台。
(付記d4)
付記d3に記載の遊技台であって、
前記可動体の位置を少なくとも検出可能な検出手段を備え、
前記検出手段は、前記可動体が前記第二の位置に位置する場合に少なくとも該可動体の位置を検出可能な手段であり、
前記可動体は、前記第二の動作が行われた後で前記第一の位置に戻る場合は、前記第三の位置から前記第二の位置まで可動した後で前記第一の位置に戻る、ことを特徴とする遊技台。
(付記d5)
付記d1乃至d4のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記可動体は、回転動作を実行可能な回転機構を少なくとも含む可動体であり、
前記第一の動作は、前記回転動作が行われることに関連して前記可動体が上方へ可動する動作であり、
前記可動体は、複数の可動部によって少なくとも構成された可動体であり、
前記複数の可動部のうちの少なくとも一つ(以下、「第二の可動部」という。)は、前記複数の可動部のうちの前記第二の可動部とは別の少なくとも一つ(以下、「第一の可動部」という。)よりも前記回転動作における回転中心から遠い位置に設けられた可動部であり、
前記第一の動作は、前記第二の可動部の上方への可動量が前記第一の可動部の上方への可動量よりも大きくなる動作である、ことを特徴とする遊技台。
(付記d6)
付記d5に記載の遊技台であって、
前記第一の動作は、前記複数の可動部のうちの少なくとも一の可動部が上方へ移動する動作である、ことを特徴とする遊技台。
(付記d7)
付記d1乃至d6のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の位置は、前記可動体の少なくとも一部が前記第一の表示手段の前方側に位置する位置である、ことを特徴とする遊技台。
(付記d8)
付記d1乃至d7のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記可動体は、表示を少なくとも表示可能な第二の表示手段を含む可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記d9)
付記d1乃至d8のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記可動体は、文字形状を備える文字部を少なくとも含む可動体であり、
前記可動体は、発光手段により前記文字部が発光可能な可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記d10)
付記d1乃至d9のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機である、ことを特徴とする遊技台。
(付記d11)
付記d1乃至d9のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、スロットマシンである、ことを特徴とする遊技台。
(付記e1)
複数の可動体を備えた遊技台であって、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一つは、第一の領域から第三の領域へ少なくとも可動可能な可動体(以下、「第一の可動体」という。)であり、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一つは、第二の領域から第四の領域へ少なくとも可動可能な可動体(以下、「第二の可動体」という。)であり、
前記第四の領域は、前記第一の領域の少なくとも一部の領域を含む領域であり、
前記第一の領域は、前記第一の可動体が可動する前の状態において該第一の可動体が占める領域であり、
前記第四の領域は、前記第二の可動体が可動した後の状態において該第二の可動体が占める領域である、ことを特徴とする遊技台。
(付記e2)
付記e1に記載の遊技台であって、
前記第二の可動体は、前記第一の可動体に対して前後方向に少なくとも位置する可動体であり、
前記第二の可動体は、前記第四の領域に可動する場合に、前後方向に少なくとも可動可能な可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記e3)
付記e1またはe2に記載の遊技台であって、
前記第二の領域は、前記第二の可動体が可動する前の状態において該第二の可動体が占める領域であり、
前記第二の領域は、少なくとも一部の領域が前記第一の領域の前後方向となる領域である、ことを特徴とする遊技台。
(付記e4)
付記e1乃至e3のいずれか一項に記載の遊技台であって、
表示を少なくとも表示可能な第一の表示手段を備え、
前記第四の領域は、少なくとも一部の領域が前記第一の表示手段の前方となる領域を含む領域である、ことを特徴とする遊技台。
(付記e5)
付記e4に記載の遊技台であって、
前記第一の可動体は、前記第一の領域から第五の領域へ少なくとも可動可能な可動体であり、
前記第五の領域は、少なくとも一部の領域が前記第一の表示手段の前方となる領域を含む領域であり、
前記第五の領域は、前記第四の領域の少なくとも一部を含む領域である、ことを特徴とする遊技台。
(付記e6)
付記e5に記載の遊技台であって、
前記第三の領域は、前記第一の領域から上方向にずれた領域であり、
前記第五の領域は、前記第一の領域から下方向にずれた領域である、ことを特徴とする遊技台。
(付記e7)
付記e4乃至e6のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の領域は、少なくとも一部の領域が前記第一の表示手段の前方となる領域を含む領域である、ことを特徴とする遊技台。
(付記e8)
付記e1乃至e7のいずれか一項に記載の遊技台であって、
表示を少なくとも表示可能な第二の表示手段を備え、
前記第一の可動体および前記第二の可動体のうちの一方の可動体は、前記第二の表示手段を含む可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記e9)
付記e1乃至e7のいずれか一項に記載の遊技台であって、
表示を少なくとも表示可能な第二の表示手段を備え、
前記第三の領域は、少なくとも一部の領域が前記第二の表示手段の前方となる領域を含む領域である、ことを特徴とする遊技台。
(付記e10)
付記e1乃至e9のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機である、ことを特徴とする遊技台。
(付記e11)
付記e1乃至e9のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、スロットマシンである、ことを特徴とする遊技台。
(付記f1)
複数の可動体を備えた遊技台であって、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一つ(以下、「第一の可動体」という。)は、第一の位置から第三の位置へ少なくとも可動可能な可動体であり、
前記複数の可動体のうちの少なくとも一つ(以下、「第二の可動体」という。)は、第二の位置から第四の位置へ少なくとも可動可能な可動体であり、
前記第二の位置に位置する前記第二の可動体は、前記第一の位置に位置する前記第一の可動体と少なくとも一部が前後方向に重なる可動体であり、
前記第四の位置に位置する前記第二の可動体は、前記第三の位置に位置する前記第一の可動体と少なくとも一部が前後方向に重なる可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記f2)
付記f1に記載の遊技台であって、
前記第一の可動体は、前記第二の可動体の前方に位置する可動体であり、
前記第一の可動体は、該第一の可動体の後方を視認可能な視認領域が少なくとも設けられた可動体であり、
前記第二の位置に位置する前記第二の可動体の少なくとも一部は、前記第一の位置に位置する前記第一の可動体の前記視認領域から視認可能とされるものであり、
前記第四の位置に位置する前記第二の可動体の少なくとも一部は、前記第三の位置に位置する前記第一の可動体の前記視認領域から視認可能とされるものである、ことを特徴とする遊技台。
(付記f3)
付記f2に記載の遊技台であって、
前記第一の可動体は、前記第三の位置から第五の位置へ少なくとも移動可能な可動体であり、
前記第五の位置は、前記第三の位置の前方となる位置であり、
前記視認領域は、レンズを含む領域であり、
前記第四の位置に位置する前記第二の可動体の少なくとも一部は、前記第三の位置に位置する前記第一の可動体の前記視認領域から視認可能とされるものであり、
前記第二の可動体は、前記第一の可動体が前記第三の位置に位置する場合よりも前記第五の位置に位置する場合の方が前記視認領域により大きく視認可能とされる可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記f4)
付記f1乃至f3のいずれか一項に記載の遊技台であって、
表示を少なくとも表示可能な表示手段を備え、
前記第三の位置は、前記第一の可動体の少なくとも一部が前記表示手段の前方となる位置であり、
前記第四の位置は、前記第二の可動体の少なくとも一部が前記表示手段の前方となる位置である、ことを特徴とする遊技台。
(付記f5)
付記f1乃至f4のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の可動体は、第一の駆動手段により可動可能な可動体であり、
前記第二の可動体は、第二の駆動手段により可動可能な可動体であり、
前記第二の可動体は、前記第一の可動体が前記第一の位置に位置する場合に、前記第二の位置に位置しない場合がある可動体であり、
前記第二の可動体は、前記第一の可動体が前記第三の位置に位置する場合に、前記第四の位置に位置しない場合がある可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記f6)
付記f1乃至f5のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の可動体は、上下方向に動作可能な可動体であり、
前記第二の可動体は、上下方向に動作可能な可動体である、ことを特徴とする遊技台。
(付記f7)
付記f1乃至f6のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機である、ことを特徴とする遊技台。
(付記f8)
付記f1乃至f6のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、スロットマシンである、ことを特徴とする遊技台。
なお、これまでランプと称したものは、発光手段の一例であり、ランプは、LED、冷陰極管等の光を発するものであれば置換可能である。
例えば、上記実施の形態は、遊技機内に封入された遊技球を循環使用する封入式遊技機にも適用可能である。例えば、ぱちんこ機は、球を封入し、封入した球をぱちんこ機内で循環させて使用する封入式ぱちんこ機であってもよく、この封入式ぱちんこ機は、封入した球を発射球として使用し、球の払出は電子的な表示によって実行されるものであってもよい。
なお、上記詳細な説明で説明した事項は組み合わせることが可能である。
上記実施の形態では、遊技台の例としてぱちんこ機を用いたが本発明はこれに限られない。本発明は、図45に示すようなスロットマシン2000にも適用可能である。図45はスロットマシン2000を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
図45に示すスロットマシン2000は、本体2001と、本体2001の正面に取付けられ、本体2001に対して開閉可能な前面扉2002と、を備える。本体2001の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール2010、中リール2011、右リール2012)収納され、スロットマシン2000の内部で回転できるように構成されている。これらのリール2010~2012はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
スロットマシン2000において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール2010~2012が構成されている。リール2010~2012上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓2013から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール2010~2012を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール2010~2012は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、スロットマシン2000では、3個のリールをスロットマシン2000の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール2010~2012の背面には、図柄表示窓2013に表示される個々の図柄を照明するためのリールバックライト(図示省略)が配置されている。リールバックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン2000内部において各々のリール2010~2012の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール2010~2012を停止させる。
入賞ライン表示ランプ2020は、有効となる入賞ライン2014を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン2014は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン2014の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。以下、有効となる入賞ラインを有効ラインと呼ぶ場合がある。
告知ランプ2023は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ2024は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ2022は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ2028は演出用のランプである。
メダル投入ボタン2030~2032は、スロットマシン2000に電子的に貯留されているメダル(クレジットと言う)を所定の枚数分投入するためのボタンである。スロットマシン2000においては、メダル投入ボタン2030が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン2031が押下されると2枚投入され、メダル投入ボタン2032が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、メダル投入ボタン2032はMAXメダル投入ボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ2029は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ2021が点灯する。
メダル投入口2041は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン2030~2032により電子的に投入することもできるし、メダル投入口2041から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器2025は、スロットマシン2000に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器2026は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器2027は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器2025、遊技情報表示器2026、および払出枚数表示器2027は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
スタートレバー2035は、リール2010~2012の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口2041に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン2030~2032を操作して、スタートレバー2035を操作すると、リール2010~2012が回転を開始することとなる。スタートレバー2035に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット2036には、ストップボタン2037~2039が設けられている。ストップボタン2037~2039は、スタートレバー2035の操作によって回転を開始したリール2010~2012を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール2010~2012に対応づけられている。以下、ストップボタン2037~2039に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。なお、各ストップボタン2037~2039の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン2037~2039の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン2033は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン2034は、スロットマシン2000に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口2055から排出するためのボタンである。ドアキー孔2040は、スロットマシン2000の前面扉2002のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口2055は、メダルを払出すための払出口である。
メダル投入ボタン2032の右側には、チャンスボタン2100が設けられている。チャンスボタン2100は、リール2010~2012の動作に関連する操作が可能であったり、液晶表示装置2057の表示に関連する操作が可能であったりする。また、チャンスボタン2100は、上記実施形態によるぱちんこ機100と同様に複数の状態(例えば、発光状態、回転状態、振動状態またはこれらの組み合わせ)を取ることが可能であり、チャンスボタン2100の操作有効期間中に状態変化可能であってもよい。
情報表示ボタンユニット2050には、情報表示ボタン2046が設けられている。情報表示ボタン2046は、ユーザメニュー(例えば、遊技者個人の遊技履歴情報を設定するためのメニュー)を呼び出すための操作ボタンであり、複数のボタンから構成されている。情報表示ボタン2046の構成及び作用については後述する。
ストップボタンユニット2036の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル2062が設けられており、タイトルパネルランプ2064は、タイトルパネル2062を点灯するランプである。タイトルパネル2062の下部には、メダル払出口2055、メダルの受皿2061が設けられている。
音孔2081はスロットマシン2000内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉2002の左右各部に設けられたサイドランプ2044は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉2002の上部には演出装置2060が配設されており、演出装置2060の上部には音孔2043が設けられている。この演出装置2060は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ2063a、左シャッタ2063bからなるシャッタ(遮蔽装置)2063と、このシャッタ2063の奥側に配設された液晶表示装置2057(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ2063a、左シャッタ2063bが液晶表示装置2057の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置2057(図示省略)の表示画面がスロットマシン2000正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図46(a)は、情報表示ボタン2046の外観斜視図であり、図46(b)は、情報表示ボタン2046の上面図である。情報表示ボタン2046は、図46に示すように、情報表示ボタンユニット2050の略矩形の平面上に複数のボタンを備えている。すなわち、情報表示ボタン2046は、情報表示ボタンユニット2050に設けられた複数のボタンの総称であり、詳しくは、情報表示ボタンユニット2050の略中央に設けられた決定(呼出)ボタン2046Oと、決定(呼出)ボタン2046Oの左側に離間して設けられた上選択ボタン2046U、下選択ボタン2046D、左選択ボタン2046L及び右選択ボタン2046Rと、決定(呼出)ボタン2046Oの右側に離間して設けられたキャンセルボタン2046Cと、を備える。
なお、図45のスロットマシン2000において、各リール2010~2012はステッピングモータの駆動手段により回転駆動されるとしたが、DCモータの駆動手段により回転駆動されるものとしてもよい。
DCモータは、ステッピングモータより高速回転が可能である利点がある一方、ステッピングモータより駆動データの製作に多大な時間を費やす欠点があった。そこで、モータ制御IC719を採用することで、内部状態を予告等においてバリエーションのある演出回転を行うこととする。例えば、スロットマシン2000は、スタートレバー2035を操作すると、リール2010~2012が回転(正回転)を開始することとなるが、開始後の所定の期間(例えば、3秒間)は演出回転を行ってもよい。演出回転においては、正回転と逆回転を交互に行うものや、正回転を低速に行うものや、特定の図柄組み合わせを見せる位置に停止するもの等がある。
正回転に加えて逆回転を含む演出回転を行う場合は、(1)上述のレジスタAの設定を利用することで、リール2010~2012の回転にずれを生じることがない。
(2)上述のレジスタBの設定を利用することで、リール2010~2012の回転にずれを生じることがない。
(3)上述のレジスタDの設定を利用することで、リール2010~2012の逆回転後の回転にずれを生じることがない。
(4)上述のレジスタEの設定を利用することで、リール2010~2012の回転終了時にずれを生じることがない。
(5)上述のレジスタFの設定を利用することで、リール2010~2012の回転終了時にずれを生じることがない。
(6)上述のレジスタGの設定を利用することで、リール2010~2012の実際の停止位置と目標停止位置とのずれの許容範囲を設定することができ、例えば、正回転と逆回転を複数回行うことが決まっていた場合にずれの許容範囲を大きくしておくことで、ずれ修正に時間をかけることなく次の動作をスムーズに実行することができる。その結果、リール2010~2012のずれを生じることがない。
(7)上述のレジスタHの設定を利用することで、短時間でロック状態を判定可能な設定にすることができ、例えば、正回転と逆回転を複数回行うことが決まっていた場合に次の動作に向けた加速をスムーズに実行することができる。その結果、リール2010~2012のずれを生じることがない。
(8)上述のレジスタIの設定を利用することで、リール2010~2012を中途停止させた場合にずれを生じることがない。
(9)上述のレジスタA、B、D~Iの設定を利用することで、互いのレジスタの設定により相乗効果を生じ、より正確に動作させることが可能となる。
また、ぱちんこ機等の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD-ROM、CD-ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
さらに、本発明は、遊技台としてぱちんこ機およびスロットマシンを例にあげたが、これに限るものではなく、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール等に適用してもよい。
以下に本発明の別の実施の形態について説明する。
図47は、図3に示した遊技盤200の下方に設けた入賞手段の別の例を示す図であって、(a)は入賞手段717の正面図であり、(b)は(a)において破線Aで囲んだ箇所を拡大して示す図であり、(c)は(b)のA’-A’断面図である。
また、図48は、図47に示した入賞手段717の背面斜視図であって、(a)は装飾手段715を取り外して示す図であり、(b)は装飾手段715およびソレノイド717eを取り外して示す図である。
入賞手段717は、例えば図10に示した遊技盤装飾部材808に代わる部材であって、遊技盤装飾部材808と同様の構成を有する場合がある。入賞手段717には、上述した電チュー232やアタッカ234が設けられている。入賞手段717において、電チュー232やアタッカ234の上方には、入賞手段717の前面717aに装飾手段715を設けている。入賞手段717は、ねじ穴717bに対して前面側からねじ(不図示)を挿入して、図10に示した透明遊技盤810の前面にねじ固定される。この場合、入賞手段717は、遊技盤200の前方側から着脱可能な場合がある。つまり、装飾手段715を取り外した状態の入賞手段717は、入賞手段に関する配線(例えば中継基板に接続されているコネクタ等)を取り外した後で、遊技盤200の前方側から着脱可能とされるものである。
装飾手段715は、例えば、その前面715aに様々な模様による装飾を施している場合がある。装飾手段715の前面715aには、略円形状の開口部715bを設けており、遊技盤200の前面に配設した遊技釘716がこの開口部715bの中に納まる(図47(b)参照)ように、遊技盤200に対して入賞手段717および装飾手段715を取り付ける。このとき、入賞手段717は、遊技盤200の開口部810b(図10参照)に整合し、入賞手段717の背面717c(図48参照)が遊技盤200の前面(図10に示した透明遊技盤810の前面)と接する。遊技盤200の前面には複数の遊技釘が配設され、開口部715bに納める遊技釘716はその中の一あるいは複数である場合があり、また遊技釘を納める開口部715bを複数設ける場合がある。
図47(c)に示すように、遊技釘716の先端部である釘頭716aは、開口部715bの一端である端部715cと他端である端部715dとの間に位置する。図47(c)の一段目の図に示すノーマル調整の場合には、釘頭716aは端部715cと端部715dとの間の中央に位置し、図47(c)の二段目の図に示す左寄り調整の場合には、遊技釘716は左側に曲げられ、釘頭716aは端部715cに当接し、図47(c)の三段目の図に示す右寄り調整の場合には、遊技釘716は右側に曲げられ、釘頭716aは端部715dに当接している。このように、開口部715bの端部、例えば端部715cや端部715dにより、遊技釘716(例えば釘頭716a)の移動可能範囲が制限される。なお、遊技釘716は、遊技盤200(透明遊技盤810)の表面に対して直角ではなく、直角よりも約5°上向き傾斜で打ち込まれている。
図47(c)の二段目の図に示す左寄り調整の場合には、遊技球が電チュー232やアタッカ234に入賞する入賞率は、図47(c)の一段目の図に示すノーマル調整の場合よりも高く、図47(c)の三段目の図に示す右寄り調整の場合には、遊技球が電チュー232やアタッカ234に入賞する入賞率は、図47(c)の一段目の図に示すノーマル調整の場合よりも低い。
なお、図47(c)では、遊技釘716の釘頭716aは、図中の上下位置において、開口部715bの端部715cや端部715dと同じ位置にあるが、本発明はこれに限られず、遊技釘716の釘頭716aは、端部715cや端部715dよりも上方向に突出してもよい場合がある。なお、上記の釘調整は、開口部715bの端部715c、715dと遊技釘716との相対的な位置関係の比較によって遊技者が確認しやすい場合があり、これを回避するために開口部715bの前面側にシール等で目隠しを施し、開口部715b内に配設される遊技釘716を視認しにくい構成としてもよい。
図48(a)、(b)に示すように、装飾手段715は離間部材715eを有し、装飾手段715を入賞手段717に取り付けたとき、この離間部材715eによって装飾手段715の前面715aと入賞手段717の前面717aとが離間し、この離間した間に遊技球が通る球通路が形成される。遊技釘716に当たった遊技球はこの球通路を流下する場合がある。
装飾手段715は、入賞手段717の背面側(裏面側)からねじ717d、717eを挿入して、入賞手段717の前面717aにねじ固定される。この場合、装飾手段715は、遊技盤200の後方側からこの遊技盤200に着脱可能な場合がある。装飾手段715は入賞手段717と一体的に構成される場合がある。
図10に示したように、透明遊技盤810の背面側には役物ユニット820が取り付けられる。入賞手段717は、ねじ穴717bに対して透明遊技盤810の背面側からねじ(不図示)を挿入して、透明遊技盤810の前面にねじ固定される場合があり、この場合、役物ユニット820が邪魔してねじを操作することができないので、透明遊技盤810から役物ユニット820を取り外した後に、透明遊技盤810に対する入賞手段717の着脱が可能となる。
図48(a)、(b)に示すように、入賞手段717の背面には、可動手段(不図示)を駆動可能なソレノイド717fを設けており、入賞手段717にソレノイド717fを取り付けた状態では、ソレノイド717fが邪魔して、装飾手段715を固定するねじ717dは操作することが不可能であり、ねじ717eは操作することが困難である。ソレノイド717fを入賞手段717から取り外すことで、ねじ717dは操作することが可能となり、ねじ717eは操作することが容易となる。
装飾手段715を固定するすべてのねじが、ソレノイド717fが取り付けられているときには操作不可能な場合がある。装飾手段715を固定するすべてのねじが、ソレノイド717fが取り付けられているときには操作困難な場合がある。なお、ねじの操作を不可能あるいは困難にする部材は、ソレノイド717fに限られず、他の部材が取り付けられていることによってねじの操作を不可能あるいは困難にする場合がある。
次に、図49を参照して、図4とは別の本発明の実施の形態に係るぱちんこ機100の制御部の回路ブロック図について説明する。
図49は、図4とは別のぱちんこ機100の制御部の回路ブロック図である。図49において、図4と同様の構成には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
第1副制御部400の基本回路402には、詳しくは後述するモータ制御IC719の制御を行うための遊技盤側可動体用制御IC718を接続している。遊技盤側可動体用制御IC718とモータ制御IC719との通信はシリアル通信で行われる。遊技盤側可動体用制御IC718とモータ制御IC719との通信は、遊技盤側可動体用制御IC718からモータ制御IC719への一方向通信でもよいし、双方向通信の場合もある。モータ制御IC719は、各種役物に含まれる各種可動体550の現在位置を検出する各種可動体センサ430と接続されている。
図50は、図49に示したモータ制御IC719の構成例を示すブロック図である。
モータ制御IC719は、外部と接続するための複数の端子を有する。
端子S1、S2、S3は、遊技盤側可動体用制御IC718とのシリアル通信の入出力用端子である。端子S1は、遊技盤側可動体用制御IC718からのシリアルデータ入力端子であり、端子S2は、遊技盤側可動体用制御IC718からのシリアルクロック入力端子であり、端子S3は、遊技盤側可動体用制御IC718へのシリアルデータ出力端子である。
端子CEは、チップイネーブル端子であり、この端子CEに入力された信号がL(ロー)のときに、端子S1、S2、S3の通信が有効になる。
端子AD1、AD2、AD3は、シリアル通信時の制御対象特定に使用する端子であり、モータ制御IC719を複数設けるときに、それぞれに異なるアドレスをあらかじめ設定し、その自身の設定アドレスと端子AD1、AD2、AD3に入力されたアドレスとが一致したときに、遊技盤側可動体用制御IC718とのシリアル通信を受け付ける。
端子SET1、SET2は、制御対象のモータによって駆動される可動体に合わせ、回転運動する動作経路の制御であるか、直線運動する動作経路の制御であるかの指定を入力する端子である。
端子OUT1は、図50に示すモータ制御回路1から制御対象のモータに出力するモータの制御状態用端子であり、正転、逆転、ブレーキ等の制御信号を出力する。この端子は複数でもよい。
端子IN1は、エンコーダ(例えば、各種可動体センサ430)から図50に示すエンコーダ入力回路1に入力する制御対象のモータの位置情報用の端子である。この端子は複数でもよい。
端子INS1は、原点センサ(例えば、各種可動体センサ430)から図50に示すセンサ入力回路1に入力する制御対象のモータの原点センサ入力用の端子である。
端子OUT2は、図50に示すモータ制御回路2から制御対象のモータに出力するモータの制御状態用端子であり、空転(開放)、正転、逆転、ブレーキ等の制御信号を出力する。この端子は複数でもよい。
端子IN2は、エンコーダ(例えば、各種可動体センサ430)から図50に示すエンコーダ入力回路2に入力する制御対象のモータの位置情報用の端子である。この端子は複数でもよい。
端子INS2は、原点センサ(例えば、各種可動体センサ430)から図50に示すセンサ入力回路2に入力する制御対象のモータの原点センサ入力用の端子である。
速度制御回路719aは、例えばモータのPWM制御を行うPWM制御回路であり、主にパルス幅のデューティー比を変化させてモータの回転速度の制御を行う。
端子VDDと端子GNDとの間には、モータ制御IC719の駆動電圧(例えば3.3V)が印加される。
図51は、図50に示したモータ制御IC719の接続例を示す図であって、(a)はモータ制御IC719の接続例を示すブロック図であり、(b)は各モータの制御に係る設定を示す表図である。
遊技盤側可動体用制御IC718には、複数のモータ制御IC719が接続される場合があり、図51では、モータ制御IC1(719)、モータ制御IC2(719)、モータ制御IC3(719)およびモータ制御IC4(719)の4つのモータ制御IC719が接続されている。この4つのモータ制御IC719のそれぞれには、複数のモータが接続される場合があり(図50、図51ではモータ制御IC719のそれぞれに2つのモータが接続される場合を示している)、複数のモータのそれぞれは可動部を駆動する。
モータ制御IC1(719)にはモータ11およびモータ12が接続され、モータ11は可動部11を駆動し、モータ12は可動部12を駆動する。モータ制御IC2(719)にはモータ21およびモータ22が接続され、モータ21は可動部21を駆動し、モータ22は可動部22を駆動する。モータ制御IC3(719)にはモータ31およびモータ32が接続され、モータ31は可動部31を駆動し、モータ32は可動部32を駆動する。モータ制御IC4(719)にはモータ41およびモータ42が接続され、モータ41は可動部41を駆動し、モータ42は可動部42を駆動する。
モータ11、モータ12、モータ21、モータ22、モータ31、モータ32、モータ41、モータ42は、例えば、DCモータである。
遊技盤側可動体用制御IC718は、接続された複数のモータ制御IC719のうち今回の制御対象の可動体が接続されたIC(可動体を制御するIC)を選択し、その選択したモータ制御IC719の端子CE、端子S1、S2、端子AD1、AD2、AD3、端子SET1、SET2にデータを出力する。これを受けたモータ制御IC719は、端子OUT1、IN1およびINS1、または端子OUT2、IN2およびINS2によってモータの制御を行う。
図51(b)の「制御特定」の項目は、端子AD1、AD2、AD3に入力される値を示す。
「制御特定」が001(例えば端子AD1が0、端子AD2が0、端子AD3が1)の場合は、モータ11およびモータ12の制御行うモータ制御IC1(719)が特定され、「制御特定」が010(例えば端子AD1が0、端子AD2が1、端子AD3が0)の場合は、モータ21およびモータ22の制御行うモータ制御IC2(719)が特定され、「制御特定」が011(例えば端子AD1が0、端子AD2が1、端子AD3が1)の場合は、モータ31およびモータ32の制御行うモータ制御IC3(719)が特定され、「制御特定」が100(例えば端子AD1が1、端子AD2が0、端子AD3が0)の場合は、モータ41およびモータ42の制御行うモータ制御IC4(719)が特定される。「制御特定」が111の場合は、すべてのモータ制御IC719に対する通信指示であるとすることもできる。
図51(b)の「制御設定」の項目は、端子SET1、SET2に入力される値を示す。
「制御設定」が01(例えば端子SET1が0、端子SET2が1)の場合は、回転運動する動作経路の制御(回転動作する可動体の制御)が設定され、「制御設定」が10(例えば端子SET1が1、端子SET2が0)の場合は、直線運動する動作経路の制御(直線動作する可動体の制御)が設定される。内部のパラメータを設定すれば相互に動かすことが可能である。なお、「制御設定」は、回転運動や直線運動以外の動作経路の制御の設定が可能にしてもよい。
以下に、回転動作する可動体や直線動作する可動体の例について説明する。
図52は、回転動作する可動体および直線動作する可動体の例を示す図であって、図16に示した役物ユニット820を正面側から見た外観図である。図16と同様の構成について同じ参照番号を付し、詳しい説明を省略する。
役物ユニット820は、上述のように下部右サイド役物1400や中央下部役物1600を有する。
図37の中央下部役物1600の分解斜視図を参照して上述したように円形フィルム1605が貼付された円形物1607は回転動作を行う。すなわち、この円形物1607が回転動作する可動体の一例である。
また、図33の下部右サイド役物1400の外観図を参照して上述したように可動体1401は直線動作(例えば上下動)を行う。すなわち、この可動体1401が直線動作する可動体の一例である。この可動体1401の直線動作の制御について以下に詳しく説明する。
なお、モータ制御IC719によって制御されて直線運動する(直線動作する)可動体の例としては、モータ970の回転運動により直線運動を行う文字装飾部902aも挙げられる。すなわち、文字装飾部902aを直線運動させるために、モータ制御IC719の設定を行ってもよい。この場合さらに、後述するモータ制御IC719のレジスタ719b内のレジスタA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、Lの設定が可能であることで、モータ制御IC719によって制御されて直線運動(または円運動)する可動体同士の動きを合わせることや、モータ制御IC719によって制御されて直線運動(または円運動)する可動体の動きと装飾図柄表示装置208における表示とを合わせることが容易にできるようになる。つまり、モータ制御IC719には複数種類の設定項目が用意されているので、可動体に合わせた設定が容易となり、また全ての設定項目への設定を行わなくても、可動体を円滑にな動作させることができる。
図53は、直線動作する可動体1401の制御を説明する図であって、(a)~(c)は、可動体1401が初期位置から目標位置までの移動の状態を段階的に表した下部右サイド役物1400の右側面の略示図である。図33と同様の構成について同じ参照番号を付し、詳しい説明を省略する。
可動体1401は、図30に示すモータ1462を駆動することによって、誘導体1452に誘導されて移動する。
直線動作の制御を行う場合(例えば、図51に示したモータ21に対応)、遊技盤側可動体用制御IC718からの「制御特定」(端子AD1、AD2、AD3)のデータは010であり、この010に対応したモータ制御IC2(719)のモータ制御回路1(図50参照)にモータ21が対応している。図51(b)のモータ21に対する「制御設定」を参照すると、10に設定されているので、直線動作の制御であることが分かる。
この場合、可動範囲のモータ位置を座標として設定できる(上限値0~+4095、下限値-4095~0)。この値はモータの回転と可動体の可動範囲によって設定される。図53の例では、モータが一回転すると0から+4095の位置に移動するものとする。
動作を制御する情報(命令、コマンド)には、例えば、繰り返し/繰り返し回数/往復/座標指定/座標といった情報が含まれている。なお、他の情報を含んでもよいし、複数命令にて一連の動作を実行する構成であってもよい。図54、図55、図56は、この動作を制御する情報の例を示す図である。
図54、図55、図56において、
「繰り返し」の項目は、0であれば繰り返ししないことを示し、1であれば繰り返しする(現在位置と「座標」の項目で指定された位置との間の移動の繰り返しを行う)ことを示し、
「繰り返し回数」の項目は、「繰り返し」が1に設定されたときのみ、その繰り返しの回数を示し、
「往復」の項目は、0であれば往復なし、1であれば繰り返しが往復移動の繰り返しであることを示す、
「座標指定」の項目は、「座標」の項目で指定した座標が現在位置からの相対座標であるか、予め定めた基準位置(例えば初期位置)からの絶対座標であるかを示し、0であれば絶対座標であることを示し、1であれば相対座標であることを示し、
「座標」の項目は、これから移動する位置(絶対座標の場合)や移動量(相対座標の場合)を示す。
図54(a)は、図53に示した下部右サイド役物1400に対し、動作1の制御を行う情報であり、図54(b)は動作1に続く動作2の制御を行う情報であり、図54(c)は動作2に続く動作3の制御を行う情報であり、図54(d)は動作3に続く動作4の制御を行う情報である。
図53(a)は絶対座標で座標位置0(下限値)にあるときの図であり、図53(b)は絶対座標で座標位置+2500にあるときの図であり、図53(c)は絶対座標で座標位置+4095(上限値)にあるときの図である。
図54(a)の動作1では、絶対座標で座標位置+2400(図53(b)よりも座標100だけ下)まで移動する。
図54(b)の動作2では、現在位置(座標位置+2400)と絶対座標で座標位置+2600(図53(b)よりも座標100だけ上)との間の往復移動を5回繰り返す。この往復移動によれば可動体が振動しているように見せることができる場合がある。
図54(c)の動作3では、絶対座標で座標位置+4095(図53(c))まで移動する。
図54(d)の動作4では、絶対座標で座標位置0(図53(a))まで移動する。
図55(a)は、図53に示した下部右サイド役物1400に対し、動作1の制御を行う情報であり、図55(b)は動作1に続く動作2の制御を行う情報であり、図55(c)は動作2に続く動作3の制御を行う情報であり、図55(d)は動作3に続く動作4の制御を行う情報である。この図55では相対座標での指定の場合を示す。座標が+のときは上移動を示し、座標が-のときは下移動を示す。
図55(a)の動作1では、図53(a)の状態にあるときに、相対座標で+2400(図53(b)よりも座標100だけ下)の位置まで移動する。
図55(b)の動作2では、現在位置と相対座標で+200の位置(図53(b)よりも座標100だけ上)との間の往復移動を5回繰り返す。この往復移動によれば可動体が振動しているように見せることができる場合がある。
図55(c)の動作3では、相対座標で+1695の位置(図53(c))まで移動する。
図55(d)の動作4では、相対座標で-4095の位置(図53(a))まで移動する。
図56(a)は、図52に示した中央下部役物1600の円形物1607(図37参照)に対し、動作1の制御を行う情報であり、図56(b)は動作1に続く動作2の制御を行う情報であり、図56(c)は動作2に続く動作3の制御を行う情報であり、図56(d)は動作3に続く動作4の制御を行う情報である。この図56では相対座標での指定の場合を示す。座標が+のときは時計回りを示し、座標が-のときは反時計回りを示す。
図56(a)の動作1では、基準位置(初期位置、原点位置)にあるときに、相対座標で+20の位置まで移動(時計回りで20だけ回転)する。
図56(b)の動作2では、現在位置と相対座標で-40の位置(反時計回りに40回転した位置)との間の往復移動を10回繰り返す。この往復移動によれば可動体が振動しているように見せることができる場合がある。
図56(c)の動作3では、相対座標で+4095の位置までの移動(時計回りで4095だけ回転すなわち正転1回転)を往復せずに10回繰り返す(すなわち正転10回転)。
図56(d)の動作4では、相対座標で-4095の位置までの移動(反時計回りで4095だけ回転すなわち逆転1回転)を往復せずに10回繰り返す(すなわち逆転10回転)。その後、原点位置に戻してもよいし、次の動作時に位置調整を行ってもよい。
また、本発明は以下のようにまとめられる。
(付記g1)
第一の動作を実行可能な可動手段(例えば、円形物1607、可動体1401)と、
前記可動手段の駆動源となるDCモータ(例えば、図51のモータ11、モータ12、モータ21、モータ22、モータ31、モータ32、モータ41、モータ42)と、
前記DCモータを制御可能なIC(例えば、モータ制御IC719)と、を備えた遊技台であって、
前記ICは、制御回路(例えば、図50のモータ制御回路1、モータ制御回路2)を含み、
前記制御回路は、前記可動手段が前記第一の動作として回転動作を含む動作を行う場合における前記DCモータの制御(以下、「第一の制御」という。)と、前記可動手段が前記第一の動作として直線動作を含む動作である場合における前記DCモータの制御(以下、「第二の制御」という。)を実行可能な回路であり、
前記制御回路に前記第一の制御を実行させるか前記第二の制御を実行させるかを選択可能である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・ICに特徴を持った遊技台を提供することができる。
・なお、
前記制御回路は、前記第一の制御および前記第二の制御のみを実行可能な回路に限られるものではなく、
例えば、前記制御回路は、前記第一の制御、前記第二の制御、・・・、および第nの制御(nは三以上の整数)を実行可能な回路であって、前記制御回路に前記第一の制御から前記第nの制御までのうちのいずれかの制御を実行させることを選択可能である、場合がある。ここで、第nの制御は、前記可動手段が回転動作や直線動作以外の動作を含む動作を行う場合における前記DCモータの制御である。
(付記g2)
付記g1に記載の遊技台であって、
前記ICは、複数の前記制御回路を含み、
前記複数の制御回路は、それぞれの制御回路毎に一つの前記DCモータが対応づけられた回路であり、
前記複数の制御回路のうちの少なくとも一つは、第一の制御回路であり、
前記複数の制御回路のうちの前記第一の制御回路とは別の少なくとも一つは、第二の制御回路であり、
前記第一の制御回路に対応づけられた前記DCモータに前記第一の制御を実行させるか前記第二の制御を実行させるかを選択可能であり、
前記第二の制御回路に対応づけられた前記DCモータに前記第一の制御を実行させるか前記第二の制御を実行させるかを選択可能である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・DCモータ毎に最適な制御を行うことができる場合がある。
(付記g3)
付記g1またはg2に記載の遊技台であって、
前記制御回路は、前記DCモータの現在位置と前記DCモータが動作した後の位置(以下「目標位置」という。)を絶対座標として管理することが可能な回路であり、
前記絶対座標は、少なくとも符号と値とで構成された座標であり、
前記制御回路は、前記第一の制御を実行する場合は、前記符号と前記値により前記目標位置を特定する回路であり、
前記制御回路は、前記第二の制御を実行する場合には、前記符号により前記DCモータの回転方向を特定し、前記値により前記目標位置を特定する回路であり、
前記可動手段は、前記DCモータが前記目標位置まで制御されることにより前記第一の動作を実行可能な手段である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・DCモータの位置(可動体の位置)の管理が容易となる場合がある。
・なお、前記絶対座標は、前記符号と前記値のほかの要素を含むものであってもよく、座標を表すための如何なる要素を含むものであってもよい。
(付記g4)
付記g1またはg2に記載の遊技台であって、
前記制御回路は、前記DCモータが動作した後の位置(以下「目標位置」という。)を相対座標として管理することが可能な回路であり、
前記相対座標は、少なくとも符号と値とで構成された座標であり、
前記制御回路は、前記第一の制御を実行する場合には、前記符号により前記DCモータの回転方向を特定し、前記値により該DCモータの移動量を特定する回路であり、
前記制御回路は、前記第二の制御を実行する場合には、前記符号により前記DCモータの回転方向を特定し、前記値により該DCモータの移動量を特定する回路である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・移動量の管理が容易となる場合がある。
・なお、前記相対座標は、前記符号と前記値のほかの要素を含むものであってもよく、座標を表すための如何なる要素を含むものであってもよい。
(付記g5)
付記g3に記載の遊技台であって、
前記制御回路は、前記目標位置を相対座標として管理することが可能な回路であり、
前記相対座標は、少なくとも符号と値とで構成された座標であり、
前記制御回路は、前記第一の制御を実行する場合には、前記符号により前記DCモータの回転方向を特定し、前記値により該DCモータの移動量を特定する回路であり、
前記制御回路は、前記第二の制御を実行する場合には、前記符号により前記DCモータの回転方向を特定し、前記値により該DCモータの移動量を特定する回路である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・移動量の管理が容易となる場合がある。
・なお、前記相対座標は、前記符号と前記値のほかの要素を含むものであってもよく、座標を表すための如何なる要素を含むものであってもよい。
(付記g6)
付記g1乃至g5のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機である、ことを特徴とする遊技台、とした。
(付記g7)
付記g1乃至g5のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、スロットマシンである、ことを特徴とする遊技台、とした。
また、本発明は以下のようにまとめられる。
(付記h1)
遊技盤(例えば、遊技盤200)と、
前記遊技盤に設けられた複数の遊技釘(例えば、遊技釘716)と、
遊技球が入賞可能な入賞手段(例えば、入賞手段717)と、を備えた遊技台であって、
前記複数の遊技釘のうちの一部の遊技釘(以下、「第一の遊技釘」という。)の先端部(例えば、釘頭716a)の移動を制限可能な移動制限手段(例えば、端部715c、端部715d)が設けられ、
前記移動制限手段は、前記遊技盤の後方側から着脱可能な手段である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・遊技釘の移動が制限される手段に特徴を持った遊技台を提供することができる。
(付記h2)
付記h1に記載の遊技台であって、
前記移動制限手段は、前面部により前記第一の遊技釘の前記先端部の移動を制限する手段であり、
発射された遊技球は、前記遊技盤の表面と前記前面部との間を流下可能に構成される、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・遊技球の通過を許容しつつ、遊技釘の過度な移動を制限できる場合がある(釘調整の限界を調整できる場合がある)。
(付記h3)
付記h2に記載の遊技台であって、
前記前面部は、前記第一の遊技釘の前記先端部が第一の方向へ移動することを制限する第一の制限部(例えば、端部715d)を備えたものであり、
前記前面部は、前記第一の遊技釘の前記先端部が前記第一の方向とは異なる第二の方向へ移動することを制限する第二の制限部(例えば、端部715c)を備えたものであり、
前記発射された遊技球は、第一の状態よりも第二の状態の方が前記入賞手段に入賞しやすい構成であり、
前記第一の状態とは、前記前面部と前記第一の遊技釘の前記先端部が接触して該第一の遊技釘が前記第一の方向へ移動することが規制された状態のことであり、
前記第二の状態とは、前記前面部と前記第一の遊技釘の前記先端部が接触して該第一の遊技釘が前記第二の方向へ移動することが規制された状態のことである、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・入賞手段への入賞しやすさを所定の範囲内で調整できる場合がある。例えば、第一の遊技釘は、重要な釘であり、その位置が入賞手段への入賞しやすさに大きく影響する釘である。
・なお、「 前記発射された遊技球は、第一の状態よりも第二の状態の方が前記入賞手段に入賞しやすい構成であり、」は、「 前記発射された遊技球は、第一の状態よりも第二の状態の方が前記入賞手段に入賞しやすい方向へと流下しやすい構成であり、」である場合がある。
(付記h4)
付記h2またはh3に記載の遊技台であって、
前記前面部は、略円形状の開口部(例えば、開口部715b)を有するものであり、
前記第一の遊技釘の前記先端部は、前記開口部に位置する、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・各方向への遊技釘の移動の制限を均等にできる場合がある。
(付記h5)
付記h1乃至h4のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記移動制限手段は、前記入賞手段と一体的に構成された手段であり、
前記移動制限手段は、後方側から前記入賞手段に取り付け可能な手段であり、
前記移動制限手段が取り付けられた前記入賞手段は、前記遊技盤の前方側から着脱困難な手段であり、
前記入賞手段は、前記移動制限手段を後方側から取り外した後で前記遊技盤の前方側から着脱可能な手段である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・入賞手段の着脱は従来通り容易な構成であるが、釘調整に関わる装飾手段は簡単に着脱できないようにすることができる場合がある。
(付記h6)
付記h1乃至h5のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記第一の遊技釘は、前記複数の遊技釘のうちの一の遊技釘である、ことを特徴とする遊技台、とした。
(付記h7)
付記h1乃至h6のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機である、ことを特徴とする遊技台、とした。
以下に本発明の別の実施の形態について説明する。
本実施形態では、図50に示したモータ制御IC719のさらなる制御動作について説明する。
モータ制御IC719は、上述の図49から図56を参照しながら説明した制御を実施可能なものであり、例えば、上述のモータ970、1020、1070、1140、1152、1260、1411、1462、1613、1652がDCモータである場合に、これらのモータ、あるいは不図示のDCモータの制御を実施可能なものである。また、本実施形態では、さらに、以下に説明する制御を実施可能である。モータ制御IC719は、PWM制御回路である速度制御回路719aによって、後述するようにして定められるデューティー比のパルス幅の信号を生成し、この生成した信号を駆動信号としてモータに出力する。モータに出力する駆動信号のデューティー比によりモータの回転速度を調節することができる。また、モータ制御IC719が制御するモータにはエンコーダ(例えば、各種可動体センサ430)が設けられており、このエンコーダによりモータの位置すなわち回転位置が検出され、この検出結果がモータ制御IC719に入力される。
図50において、モータ制御IC719内のレジスタ719bは、モータの駆動制御に係る値を記憶する。
レジスタ719bは、後述するレジスタA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、Lを有する。モータ制御IC719は、詳しくは後述するように、レジスタA~Lに設定されている値に基づいた制御を実施する。レジスタA~Lへの値の設定は、図49に示した第1副制御部400により遊技盤側可動体用制御IC718を介して実施される。
図57(a)は、レジスタ719b内のレジスタAの構成を示す図である。
レジスタAには、値0~255の256種類のうちの1つの値を設定可能である。例えば、レジスタAに値200を設定した場合には基準速度を1200rpmとし、レジスタAに値240を設定した場合には基準速度を4000rpmにするなどして、レジスタAにより基準速度の設定を行うことが可能である。ここで、基準速度とは、モータを回転させたときの最高速度を指し、レジスタAに値240を設定して基準速度を4000rpmにした場合には、モータを0~4000rpmの間の回転速度で回転させることが可能である。
図57(b)は、図57(a)に示したレジスタAの設定に基づく、モータの回転速度の指定について説明する図である。
モータの回転速度は、速度0、速度1~速度15の16段階で指定可能である。レジスタAに設定した値に基づく基準速度を速度15(最高速度)に割り当て、速度0は停止、速度1が最も低速、速度2、速度3と順に速度が速くなり、速度15が最も高速である。速度0、速度1~速度15の指定は、図49に示した第1副制御部400により実施される。
従来は、機種毎に可動体を変更することが一般的であり、変更された可動体毎に速度データを作成していた。例えば、大型で重量の大きな可動体であれば高速に動作させる必要がないことが想定されるため、比較的低速で動作する速度データを作成し、逆に小型で重量の小さな可動体であれば高速に動作させる必要があることが想定されるため、比較的高速で動作する速度データを作成していた。その場合、可動体に応じた速度データを作成するのに多大な時間を費やす問題があった。本件では、モータ制御IC719に速度設定を行えるため、機種毎の製作期間を短期間とすることができる。
図58(a)、(b)、(c)は、レジスタ719b内のレジスタBの構成を示す図である。
図58(a)に示すように、レジスタBには、モータが停止した状態から回転開始させる際の加速の設定が可能である。レジスタBには、値00、値01、値10、値11の4種類のうちの1つの値を設定可能である。
図58(b)に示すように、レジスタBに値00が設定された場合には加速設定の強さは「微」となり、レジスタBに値01が設定された場合には加速設定の強さは「弱」となり、レジスタBに値10が設定された場合には加速設定の強さは「中」となり、レジスタBに値11が設定された場合には加速設定の強さは「強」となる。
また、図58(c)に示すように、加速設定の強さが「微」の場合はDUTY加算量が10%となり、加速設定の強さが「弱」の場合はDUTY加算量が20%となり、加速設定の強さが「中」の場合はDUTY加算量が35%となり、加速設定の強さが「強」の場合はDUTY加算量が50%となる。加速設定の強さが「微」の場合が最も弱い加速であり、加速設定の強さが「強」の場合が最も強い加速である。
なお、モータのPWM制御を行うPWM制御回路である速度制御回路719aによる、パルス幅のデューティー比を、ここではDUTYと呼び、図58(c)に示すDUTY加算量とは、モータの加速の際のデューティー比の加算分を示す。
モータ制御IC719は、予め定めた周期で、モータの停止状態(デューティー比0%)から、図57(b)の説明のようにして指定された速度に対応するデューティー比になるまで、デューティー比を増加させる。このときの1周期でのデューティー比の増加分が、図58(c)に示すDUTY加算量である。すなわち、例えば、加速設定の強さが「微」であってDUTY加算量が10%である場合には、デューティー比を、0%、10%、20%、・・・の順に増加させていき、加速設定の強さが「弱」であってDUTY加算量が20%である場合には、デューティー比を、0%、20%、40%、・・・の順に増加させていく。
レジスタBの初期値あるいはデフォルト値としては、値00が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、仮に、レジスタBの設定がされなかった場合に、モータが急に回転してモータにより移動させられる可動体が急な動作をすることを防ぎ、遊技者が違和感を抱くことがないようにすることができる。
従来は、機種毎に可動体を変更することが一般的であり、変更された可動体毎に加速データを作成していた。例えば、大型で重量の大きな可動体であれば強いトルクの加速データを作成し、逆に小型で重量の小さな可動体であれば弱いトルクの加速データを作成していた。その場合、可動体に応じた加速データを作成するのに多大な時間を費やす問題があった。本件では、モータ制御IC719に加速設定を行えるため、機種毎の製作期間を短期間とすることができる。
図59(a)、(b)、(c)は、レジスタ719b内のレジスタCの構成を示す図である。
例えば、モータを低速で回転させた場合、摩擦などの影響で、一般にスティックスリップと呼ばれる自励振動の状態が発生してしまう場合がある。詳しくは、低速で動作する際に、動作と停止を繰り返し行うことによりスムーズな一連の動きが困難な状態がある。モータ制御IC719では、この状態から抜けて、モータをスムーズに回転させるための設定を可能にしている。
図59(a)に示すように、レジスタCには、モータを自励振動状態からスムーズに回転させる際の加速の設定が可能である。レジスタCには、値00、値01、値10、値11の4種類のうちの1つの値を設定可能である。
図59(b)に示すように、レジスタCに値00が設定された場合には加速設定の強さは「微」となり、レジスタCに値01が設定された場合には加速設定の強さは「弱」となり、レジスタCに値10が設定された場合には加速設定の強さは「中」となり、レジスタCに値11が設定された場合には加速設定の強さは「強」となる。
また、図59(c)に示すように、加速設定の強さが「微」の場合はDUTY加算量が7%となり、加速設定の強さが「弱」の場合はDUTY加算量が20%となり、加速設定の強さが「中」の場合はDUTY加算量が36%となり、加速設定の強さが「強」の場合はDUTY加算量が56%となる。加速設定の強さが「微」の場合は、最も弱い加速であって、モータで駆動する可動体が軽く弱い力で動きだせる場合に好適であり、加速設定の強さが「強」の場合は、最も強い加速であって、モータで駆動する可動体が重く強い力で動きだせる場合に好適である。
なお、図59(c)に示すDUTY加算量も、図58(c)と同様に、モータの加速の際のデューティー比の加算分を示す。但し、互いに異なる加速に対して用意された異なる加算量としている。
モータ制御IC719は、予め定めた周期で、モータの自励振動状態から、図57(b)の説明のようにして指定された速度に対応するデューティー比になるまで、デューティー比を増加させる。このときの1周期でのデューティー比の増加分が、図59(c)に示すDUTY加算量である。すなわち、例えば、加速設定の強さが「微」であってDUTY加算量が8%である場合には、デューティー比を、0%、8%、16%、・・・の順に増加させていき、加速設定の強さが「弱」であってDUTY加算量が20%である場合には、デューティー比を、0%、20%、40%、・・・の順に増加させていく。なお、モータの自励振動状態から抜けるために、図57(b)の説明のようにして指定された速度に対応するデューティー比を超えるデューティー比の駆動信号を出力する場合もある。
レジスタCの初期値あるいはデフォルト値としては、値00が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、仮に、レジスタCの設定がされなかった場合に、モータが急に回転してモータにより移動させられる可動体が急な動作をすることを防ぎ、遊技者が違和感を抱くことがないようにすることができる。
従来は、機種毎に可動体を変更することが一般的であり、変更された可動体毎に加速データを作成していた。しかし、可動体の移動に際して経時的に摩擦が増すことが分かっていた場合であっても、これを予想してモータをスムーズに回転させるための設定を予め用意しておくことに多大な時間を費やす問題があった。本件では、モータ制御IC719に自励振動状態から抜けるため加速設定を行えるため、機種毎の製作期間を短期間とすることができる。
図60(a)、(b)、(c)は、レジスタ719b内のレジスタDの構成を示す図である。
図60(a)に示すように、レジスタDには、モータがある速度で回転している状態からより速い速度で回転させる際の加速の設定が可能である。なお、モータがある速度で回転している状態からより遅い速度で回転させる際の減速の設定も同様に可能であるので、ここでは、減速についての説明は省略する。レジスタDには、値0、値1の2種類のうちの1つの値を設定可能である。
図60(b)に示すように、レジスタDに値0が設定された場合には加速設定は「急加速しない」となり、レジスタDに値1が設定された場合には加速設定は「急加速する」となる。
また、図60(c)に示すように、加速設定が「急加速しない」の場合はDUTY加算量が8%となり、加速設定が「急加速する」の場合はDUTY加算量が25%となる。加速設定「急加速しない」は、例えば、モータで動作させる可動体などのイナーシャが小さい場合に好適である。加速設定「急加速する」は、例えば、モータで動作させる可動体などのイナーシャが大きい場合に好適である。イナーシャが大きいほど速度切り換えに時間がかかるため、例えば、目的速度以上のDUTYを出力して早期に速度追従させることが可能となる。
レジスタDの初期値あるいはデフォルト値としては、値0が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、仮に、レジスタDの設定がされなかった場合に、モータが急に回転してモータにより移動させられる可動体が急な動作をすることを防ぎ、遊技者が違和感を抱くことがないようにすることができる。
従来は、機種毎に可動体を変更することが一般的であり、変更された可動体毎に加速データを作成していた。例えば、イナーシャが大きい可動体の特徴(加速を停止した際に即停止しない)に対する加速データを作成し、イナーシャが小さい可動体の特徴(加速を停止した際に即停止する)に対する加速データを作成していた。その場合、可動体に応じた加速データを作成するのに多大な時間を費やす問題があった。本件では、モータ制御IC719に加速設定を行えるため、機種毎の製作期間を短期間とすることができる。
図61(a)、(b)、(c)は、レジスタ719b内のレジスタEの構成を示す図である。
図61(a)に示すように、レジスタEには、モータがある速度で回転している状態から停止させる際の減速の設定が可能である。レジスタEには、値0、値1の2種類のうちの1つの値を設定可能である。
図61(b)に示すように、レジスタEに値0が設定された場合には減速設定は「減速しない」となり、レジスタEに値1が設定された場合には減速設定は「減速する」となる。
また、図61(c)に示すように、減速設定が「減速しない」の場合はDUTY加算量を設定せず、減速設定が「減速する」の場合はDUTY加算量が-25%となる。減速設定「減速しない」は、例えば、モータで動作させる可動体などのイナーシャが小さい場合に好適である。例えば、イナーシャが小さいほど、慣性で目標の停止位置から行き過ぎることがないので、目標の停止位置よりも前から減速をする必要がなく、一定の速度からスムーズに停止することができ、急停止してよい場合(急停止したほうが結果的に違和感なく停止する場合)に好適である。減速設定「減速する」は、例えば、モータで動作させる可動体などのイナーシャが大きい場合に好適である。例えば、イナーシャが大きいほど、慣性で実際の停止位置が目標の停止位置から行き過ぎてしまうので、イナーシャが大きい場合に早期に停止させたいとき減速設定「減速する」とすることで目標停止位置よりも早めに減速することで、実際の停止位置を目標停止位置に合わせることができるようになる。なお、減速設定「減速する」の場合のDUTY加算量(この場合は減速なのでマイナス符号であって、いわば減算量になる)は、上述の-25%だけでなく、他のDUTY加算量を用意し、レジスタEに設定する値で選択可能にしてもよい。
レジスタEの初期値あるいはデフォルト値としては、値0が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、仮に、レジスタEの設定がされなかった場合に、モータが予期せぬ減速をしてモータにより移動させられる可動体が予期せぬ動作をすることを防ぎ、遊技者が違和感を抱くことがないようにすることができる場合がある。
また、レジスタEの初期値あるいはデフォルト値としては、値1が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、仮に、レジスタEの設定がされなかった場合に、イナーシャが大きい場合であっても目標停止位置で停止することができ、遊技者が違和感を抱くことがないようにすることができる場合がある。
従来は、機種毎に可動体を変更することが一般的であり、変更された可動体毎に減速データを作成していた。例えば、イナーシャが大きい可動体の特徴(加速を停止した際に即停止しない)に対する加速データを作成し、イナーシャが小さい可動体の特徴(加速を停止した際に即停止する)に対する加速データを作成していた。その場合、可動体に応じた減速データを作成するのに多大な時間を費やす問題があった。本件では、モータ制御IC719に減速設定を行えるため、機種毎の製作期間を短期間とすることができる。
図62(a)、(b)は、レジスタ719b内のレジスタFの構成を示す図である。
図62(a)に示すように、レジスタFには、モータがある速度で回転している状態から停止させる際の減速の設定において、減速開始する座標を設定可能である。レジスタFには、値0、値1~値1023の1024種類のうちの1つの値を設定可能である。
レジスタFに値0が設定された場合には減速設定は「減速しない」となり、レジスタFに値1~値1023のいずれかが設定された場合には、その値が減速開始する座標となる。なお、レジスタFに値1~値1023が設定されていたとしても図61に示したレジスタEに値0(減速設定は「減速しない」)が設定されていた場合には減速しないようにしてもよいし、レジスタFに値1~値1023が設定されていた場合には図61に示したレジスタEに値0(減速設定は「減速しない」)が設定されていたとしても減速するようにしてもよい。
図62(b)に示すように、イナーシャが大きい場合、減速なしであると、目標停止位置を行き過ぎてしまう虞がある。
図62(b)に示すように、レジスタFに設定される値1~値1023は、例えば、現在位置から目標停止位置までモータを回転させる際に、目標停止位置の手前のどの位置から減速を開始するかを指定する値であり、目標停止位置から距離L1だけ手前の位置の座標に対応する。すなわち、レジスタFに値1023を設定した場合には、目標停止位置から手前の座標1023の位置で減速を開始する。レジスタFに設定する値は、座標そのものでなくてもよく、座標に対応した値であってもよい。
レジスタFの初期値あるいはデフォルト値としては、値0が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、仮に、レジスタFの設定がされなかった場合に、モータが予期せぬ減速をしてモータにより移動させられる可動体が予期せぬ動作をすることを防ぎ、遊技者が違和感を抱くことがないようにすることができる場合がある。
また、レジスタFの初期値あるいはデフォルト値としては、値1~値1023のいずれかが設定されるようにしてもよい。このようにすることで、仮に、レジスタFの設定がされなかった場合に、イナーシャが大きい場合であっても目標停止位置で停止することができ、遊技者が違和感を抱くことがないようにすることができる場合がある。
従来は、機種毎に可動体を変更することが一般的であり、変更された可動体毎に加速データを作成していた。例えば、停止位置を正確なものとしないと遊技の結果を示唆するのに適さない可動体であれば、停止位置にずれが無いように減速データを作成し、停止位置を正確なものとしなくてもよい可動体であれば、停止位置にずれが生じてもよいように減速データを作成していた。その場合、可動体に応じた減速データを作成するのに多大な時間を費やす問題があった。本件では、モータ制御IC719に減速設定を行えるため、機種毎の製作期間を短期間とすることができる。
例えば、本実施形態では、
動作可能な可動手段(例えば、円形物1607、可動体1401)と、
前記可動手段の駆動源となるDCモータ(例えば、図51のモータ11、モータ12、モータ21、モータ22、モータ31、モータ32、モータ41、モータ42、モータ970)と、
前記DCモータを制御可能なIC(例えば、モータ制御IC719)と、を備えた遊技台であって、
前記ICは、制御回路(例えば、図50のモータ制御回路1、モータ制御回路2)を含み、
前記制御回路は、前記DCモータを駆動する駆動信号を出力可能な回路であり、
前記制御回路は、前記DCモータを回転状態から停止させる際に、目標停止位置に達する前に前記DCモータの回転を減速する減速信号を前記駆動信号として前記DCモータに出力可能な回路であり、
前記制御回路は、複数種類の前記減速信号を備える回路であり、
前記制御回路は、前記複数種類の減速信号の中のいずれを前記DCモータに出力するかを設定可能な回路である、ことを特徴とした。
また、例えば、本実施形態では、
前記制御回路は、前記複数種類の減速信号のうち前記DCモータに出力する信号を設定する値を記憶する減速信号用記憶領域(例えば、レジスタE)を備える回路であり、
前記減速信号用記憶領域は、前記減速信号を設定する際の初期値である減速信号用初期値(例えば、レジスタEに記憶する0の値)を記憶可能な領域であり、
前記減速信号用初期値は、前記複数種類の減速信号のうち減速しない信号を設定する値である、ことを特徴とした。
また、例えば、本実施形態では、
前記制御回路は、前記DCモータを回転状態から停止させる際に、目標停止位置に達する前の減速時期に前記DCモータの回転を減速する減速信号を前記駆動信号として前記DCモータに出力可能な回路であり、
前記制御回路は、複数種類の前記減速時期を備える回路であり、
前記制御回路は、前記複数種類の減速時期の中のいずれのタイミングで前記減速信号を前記DCモータに出力するかを設定可能な回路である、ことを特徴とした。
また、例えば、本実施形態では、
前記制御回路は、前記複数種類の減速時期のうち前記DCモータに前記減速信号を出力するタイミングを設定する値を記憶する減速時期用記憶領域(例えば、レジスタF)を備える回路であり、
前記減速時期用記憶領域は、前記減速時期を設定する際の初期値である減速時期用初期値(例えば、レジスタFに記憶する0の値)を記憶可能な領域であり、
前記減速時期用初期値は、前記複数種類の減速時期のうち減速しない時期を設定する値である、ことを特徴とした。
図63(a)、(b)は、レジスタ719b内のレジスタGの構成を示す図である。
図63(a)に示すように、レジスタGには、モータを停止させた際に、目標停止位置からのずれを補正するずれ補正を設定可能である。レジスタGには、値000、値001、値010、値011、値100、値101、値110、値111の8種類のうちの1つの値を設定可能である。
レジスタGに値000が設定された場合には、ずれ補正設定は「ずれ補正を使用しない」となり、モータを停止させた際に実際の停止位置が目標停止位置からずれていたとしてもそのままにする。
レジスタGに値001が設定された場合には、モータを停止させた際に実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±0以内でなければ、ずれ補正を行い、モータを目標停止位置に近づけるよう動作させ、実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±0以内になるまでずれ補正を行う。
レジスタGに値010が設定された場合には、モータを停止させた際に実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±1以内でなければ、ずれ補正を行い、モータを目標停止位置に近づけるよう動作させ、実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±1以内になるまでずれ補正を行う。
レジスタGに値011が設定された場合には、モータを停止させた際に実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±2以内でなければ、ずれ補正を行い、モータを目標停止位置に近づけるよう動作させ、実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±2以内になるまでずれ補正を行う。
レジスタGに値100が設定された場合には、モータを停止させた際に実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±3以内でなければ、ずれ補正を行い、モータを目標停止位置に近づけるよう動作させ、実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±3以内になるまでずれ補正を行う。
レジスタGに値101が設定された場合には、モータを停止させた際に実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±7以内でなければ、ずれ補正を行い、モータを目標停止位置に近づけるよう動作させ、実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±7以内になるまでずれ補正を行う。
レジスタGに値110が設定された場合には、モータを停止させた際に実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±15以内でなければ、ずれ補正を行い、モータを目標停止位置に近づけるよう動作させ、実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±15以内になるまでずれ補正を行う。
レジスタGに値111が設定された場合には、モータを停止させた際に実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±31以内でなければ、ずれ補正を行い、モータを目標停止位置に近づけるよう動作させ、実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±31以内になるまでずれ補正を行う。
すなわち、レジスタGに設定する値001~値111においては、値001を設定したときは、ずれを許容せず補正する設定であり、値111を設定したときは、ずれが最も大きくても許容する設定である。
また、図63(b)に示すように、モータを停止させた際に実際の停止位置と目標停止位置との座標のずれが±511以上となった場合には、レジスタGに値001~値111が設定されていたとしても、ずれ補正を実行せず、そのままにする。このようにずれが±511以上と大きい場合にも補正を実施すると、補正の動作が目立ち、遊技者が違和感を抱く恐れがあるし、補正を実施している時間が長くなり、遊技者が違和感を抱く恐れがあるので、本実施例では、ずれ補正を実行しないようにしている。図示しないが、ずれ補正を実行しないための閾値をレジスタに設定可能にしてもよい。複数種類の値から選択された一の値が設定されるようにしてもよい。可動体を設けた目的に応じた停止態様にすることができる。
レジスタGの初期値あるいはデフォルト値としては、値000が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、仮に、レジスタGの設定がされなかった場合に、モータが予期せぬずれ補正動作をしてモータにより移動させられる可動体が予期せぬ動作をすることを防ぎ、遊技者が違和感を抱くことがないようにすることができる場合がある。
図64(a)は、レジスタ719b内のレジスタHの構成を示す図である。図64(b)は、レジスタ719b内のレジスタIの構成を示す図である。レジスタHおよびレジスタIは、例えばモータが物理的に干渉してロックし目標位置に到達できない状態であるのに、目標位置に到達するように駆動信号を継続して出力してしまい、モータに異常な発熱が生じてしまうことを防ぐ設定についてのレジスタである。
図64(a)に示すように、レジスタHには、モータが目標位置に到達するように駆動信号を出力しているにもかかわらず、モータが目標位置に到達しないでどれぐらいの時間が経過した場合にロック状態と判定するかの設定が可能である。レジスタHには、値00、値01、値10、値11の4種類のうちの1つの値を設定可能である。
レジスタHに値00が設定された場合には、モータが目標位置に到達するように駆動信号を出力した後、1秒経過しても目標位置に到達しない場合に、ロック状態であると判定し、駆動信号の出力を停止する。
レジスタHに値01が設定された場合には、モータが目標位置に到達するように駆動信号を出力した後、2秒経過しても目標位置に到達しない場合に、ロック状態であると判定し、駆動信号の出力を停止する。
レジスタHに値10が設定された場合には、モータが目標位置に到達するように駆動信号を出力した後、3秒経過しても目標位置に到達しない場合に、ロック状態であると判定し、駆動信号の出力を停止する。
レジスタHに値11が設定された場合には、モータが目標位置に到達するように駆動信号を出力した後、1秒経過しても目標位置に到達しない場合に、ロック状態であると判定するが、駆動信号の出力は継続する。
図64(b)に示すように、レジスタIには、ロック状態と判定された結果が設定可能である。図64(a)のレジスタHの設定に基づいてロック状態であると判定された場合には、レジスタIに値1が設定される。ロック状態であると判定されなかった場合には、レジスタIに値0が設定される。なお、レジスタIに値1が設定された後、これをクリアする(すなわちレジスタIに値0を設定する)条件は、例えば、レジスタIに設定されている値を読み出したこととしてもよい。このようにすることで、モータ制御IC719は、現在モータがロック状態であることを認識し、これにより、第1副制御部400でも現在モータがロック状態であることを認識することができ、それに応じた処理(例えばロック状態であることの報知)を行うことができる。
レジスタHの初期値あるいはデフォルト値としては、値00が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、仮に、レジスタHの設定がされなかった場合に、より短い時間でロック状態であることを判定し、モータの発熱による発火等をより防止することができる場合がある。
また、レジスタIの初期値あるいはデフォルト値としては、値0が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、ロック状態であると判定されていないのに、ロック状態としてしまうことを防ぐことができる場合がある。
図65(a)は、レジスタ719b内のレジスタJの構成を示す図である。図65(b)は、レジスタ719b内のレジスタKの構成を示す図である。図65(c)は、レジスタ719b内のレジスタLの構成を示す図である。レジスタJ、レジスタKおよびレジスタLは、モータを停止位置で保持したいときの設定についてのレジスタである。例えばモータが駆動する可動体が自重により移動してしまうような場合、モータに何ら駆動信号を出力していない状態では、モータを停止位置の保持ができない場合がある。そこで、モータが停止位置で保持されるよう駆動信号を出力する。
図65(a)に示すように、レジスタJには、ショートブレーキを行うか(すなわちモータが停止位置で保持されるよう駆動信号を出力するか)否かの設定が可能である。レジスタJには、値0、値1の2種類のうちの1つの値を設定可能である。
レジスタJに値0が設定された場合にはショートブレーキを有効にする(すなわち駆動信号を出力する)。レジスタJに値1が設定された場合にはショートブレーキを無効にする(すなわち駆動信号を出力しない)。例えばモータが駆動する可動体が横方向にスライドするものであって自重で移動しないようなものである場合には、ショートブレーキを行う必要なく、停止位置を保持することができる、このような場合にはレジスタJに値1を設定すればよい。
なお、モータが駆動する可動体が停止位置から動かないように、かんぬきをスライドさせて固定するロック機構を採用する場合も有るが、この場合には、ショートブレーキを無効にしてもよいし、より確実に停止位置を保持するためにショートブレーキを有効にしてもよい。
図65(b)に示すように、レジスタKには、モータが目標位置に到達した後にトルクを保持する期間(すなわち駆動信号の出力を続ける期間)の設定が可能である。レジスタKには、値0、値1の2種類のうちの1つの値を設定可能である。
レジスタKに値0が設定された場合にはモータが目標位置に到達した後にショートブレーキとして1秒間だけトルクを保持する。レジスタKに値1が設定された場合にはモータが目標位置に到達した後にショートブレーキとして常にトルクを保持する。レジスタKに値0を設定し、モータが目標位置に到達した後に1秒間だけトルクを保持するのは、モータを確実に停止させるのに有効である。レジスタKに値1を設定し、モータが目標位置に到達した後に常にトルクを保持するようにすることで、可動体の自重の影響でモータが動いてしまうのを防ぐことができる場合がある。
図65(c)に示すように、レジスタLには、ショートブレーキのDUTYの設定が可能である。レジスタLには、値011、値010、値001、値000、値111、値110、値101の7種類のうちの1つの値を設定可能である。
レジスタLに値011が設定された場合には、ショートブレーキとしてDUTYが+37.5%の駆動信号を出力する。
レジスタLに値010が設定された場合には、ショートブレーキとしてDUTYが+25.0%の駆動信号を出力する。
レジスタLに値001が設定された場合には、ショートブレーキとしてDUTYが+12.5%の駆動信号を出力する。
レジスタLに値000が設定された場合には、DUTYが0%の駆動信号を出力する。すなわち駆動信号を出力しないことと等価である。
レジスタLに値111が設定された場合には、ショートブレーキとしてDUTYが-12.5%の駆動信号を出力する。
レジスタLに値110が設定された場合には、ショートブレーキとしてDUTYが-25.0%の駆動信号を出力する。
レジスタLに値101が設定された場合には、ショートブレーキとしてDUTYが-37.5%の駆動信号を出力する。
レジスタJの初期値あるいはデフォルト値としては、値1が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、ショートブレーキをすべきでないときにショートブレーキを行ってしまってモータが異常発熱してしまうことを防止することができる場合がある。
レジスタKの初期値あるいはデフォルト値としては、値0が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、ショートブレーキをすべきでないときにショートブレーキを常に継続してしまってモータが異常発熱してしまうことを防止することができる場合がある。
レジスタLの初期値あるいはデフォルト値としては、値000が設定されるようにしてもよい。このようにすることで、ショートブレーキをすべきでないときにショートブレーキを行ってしまってモータが異常発熱してしまうことを防止することができる場合がある。
次に、本実施形態におけるモータ制御IC719による制御を用いた演出の例について説明する。
図66(a)~(f)は、モータ制御IC719による制御を用いた演出例を示す概略図である。
この例では、例えば図3に示した装飾図柄表示装置208の前方(遊技者側)にロゴ役物900を設けた構成において、ロゴ可動体902の文字装飾部902aが装飾図柄表示装置208の前方で上下動する演出について説明する。
文字装飾部902aは、上述のようにモータ970によって上下動する。モータ970はモータ制御IC719によって駆動される。
図66(a)では、文字装飾部902aは、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップしていない。このとき、装飾図柄表示装置208では、画像208m1を表示している。図66(d)は、図66(a)から文字装飾部902aを除いた状態を示す図である。
図66(b)では、モータ制御IC719からモータ970に駆動信号を出力し文字装飾部902aを下降させ、文字装飾部902aの一部が装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップした状態になっている。このとき、装飾図柄表示装置208では、画像208m2を表示している。図66(e)は、図66(b)から文字装飾部902aを除いた状態を示す図である。図66(e)に示すように、装飾図柄表示装置208の表示のうち文字装飾部902aにオーバーラップされている位置には、画像208m2aを表示している。この画像208m2aは、文字装飾部902aの影のように、文字装飾部902aの移動と一緒に移動し、常に、文字装飾部902aにオーバーラップされる位置に表示される。
図66(c)では、モータ制御IC719からモータ970に駆動信号を出力し文字装飾部902aをさらに下降させ、文字装飾部902aの全てが装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップした状態になっている。このとき、装飾図柄表示装置208では、画像208m3を表示している。図66(f)は、図66(c)から文字装飾部902aを除いた状態を示す図である。図66(f)に示すように、装飾図柄表示装置208の表示のうち文字装飾部902aにオーバーラップされている位置には、画像208m3aを表示している。この画像208m3aは、文字装飾部902aの影のように、文字装飾部902aの移動と一緒に移動し、常に、文字装飾部902aにオーバーラップされる位置に表示される。
上述したモータ制御IC719による制御によって、モータ970がDCモータである場合にも、精密な駆動制御を実施することができ、装飾図柄表示装置208の表示と、文字装飾部902aの位置とを合わせた演出を実行可能となる。
この図66(a)~(f)に示した演出では、(1)上述のレジスタAの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m2aおよび画像208m3aの表示とのずれを生じることがない。
(2)上述のレジスタBの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動開始時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m2aおよび画像208m3aの表示とのずれを生じることがない。
(3)上述のレジスタCの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m2aおよび画像208m3aの表示とのずれを生じることがない。
(4)上述のレジスタEの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m2aおよび画像208m3aの表示とのずれを生じることがない。
(5)上述のレジスタFの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m2aおよび画像208m3aの表示とのずれを生じることがない。
(6)上述のレジスタGの設定を利用することで、文字装飾部902aの実際の停止位置と目標停止位置とのずれの許容範囲を設定することができ、例えば、文字装飾部902aが停止後に次の動作を行うことが決まっていた場合にずれの許容範囲を大きくしておくことで、ずれ修正に時間をかけることなく次の動作をスムーズに実行することができる。その結果、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m2aおよび画像208m3aの表示とのずれを生じることがない。
(7)上述のレジスタHの設定を利用することで、短時間でロック状態を判定可能な設定にすることができ、例えば、文字装飾部902aが停止後に次の動作を行うことが決まっていた場合に次の動作に向けた加速をスムーズに実行することができる。その結果、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m2aおよび画像208m3aの表示とのずれを生じることがない。
(8)上述のレジスタIの設定を利用することで、文字装飾部902aを中途停止させた場合に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。その結果、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m2aおよび画像208m3aの表示とのずれを生じることがない。
(9)上述のレジスタA~C、E~Iの設定を利用することで、互いのレジスタの設定により相乗効果を生じ、より正確に動作させることが可能となる。
なお、図66では、可動体である文字装飾部902aが上下動する例について示したが、可動体の動きは、上下動のほか、左右動、斜め動、前後動をするものであってもよく、また、これらの組合せであってもよい。
図67(a)~(h)は、モータ制御IC719による制御を用いた演出例を示す概略図である。
この例では、例えば図3に示した装飾図柄表示装置208の前方(遊技者側)にロゴ役物900を設けた構成において、ロゴ可動体902の文字装飾部902aが装飾図柄表示装置208の前方で上下動する演出について説明する。
図67(e)は、図67(a)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図67(f)は、図67(b)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図67(g)は、図67(c)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図67(h)は、図67(d)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図である。
図67(e)に示す駆動データd1(1秒間の駆動を行うデータ)がモータ970に出力されることで、図67(a)に示すように文字装飾部902aが、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップする位置に下降する。このとき、装飾図柄表示装置208には、文字装飾部902a下降時用の表示である画像208m4を表示する。
その後、図67(f)に示す駆動データd2(1秒間の駆動を行うデータ)がモータ970に出力されることで、図67(b)に示すように文字装飾部902aが、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップしない位置に上昇する。このとき、装飾図柄表示装置208には、文字装飾部902a上昇時用の表示である画像208m5を表示する。
その後、図67(g)に示す駆動データd3(1秒間の駆動を行うデータ)がモータ970に出力されることで、図67(c)に示すように文字装飾部902aが、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップする位置に下降する。このとき、装飾図柄表示装置208には、文字装飾部902a下降時用の表示である画像208m6を表示する。
その後、図67(h)に示す駆動データd4(1秒間の駆動を行うデータ)がモータ970に出力されることで、図67(d)に示すように文字装飾部902aが、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップしない位置に上昇する。このとき、装飾図柄表示装置208には、文字装飾部902a上昇時用の表示である画像208m7を表示する。
本例では、装飾図柄表示装置208の画像を表示する際に、文字装飾部902aの位置を判断しながら画像の切り換えを行っていない。しかしながら、モータ制御IC719が予定通りの動作を行うよう制御しているため、装飾図柄表示装置208の表示画像と文字装飾部902aの動作とがうまく連携することができる。
可動体である文字装飾部902aを往復直線移動させる場合には、動作の切り換えが生じるため、可動体のイナーシャの影響をうけた可動体の動作遅れが生じ得るが、モータ制御IC719のレジスタ719bにおいて適切な加速設定をすることにより、可動体は予定通りの移動を行うことができ、装飾図柄表示装置208などの他の演出装置との連携を行うことができる。
この図67(a)~(h)に示した演出では、(1)上述のレジスタAの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(2)上述のレジスタBの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動開始時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。また、文字装飾部902aの繰り返しの移動開始時(繰り返しの加速の立ち上がり時)にも文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(3)上述のレジスタCの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(4)上述のレジスタEの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(5)上述のレジスタFの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(6)上述のレジスタIの設定を利用することで、文字装飾部902aを中途停止させた場合に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(7)上述のレジスタA~C、E~F、Iの設定を利用することで、互いのレジスタの設定により相乗効果を生じ、より正確に動作させることが可能となる。
なお、この図67の例においても、図66の例と同様に、文字装飾部902aの動きに連動する画像208m2aや画像208m3aを装飾図柄表示装置208に表示してもよい。
図68(a)~(l)は、モータ制御IC719による制御を用いた演出例を示す概略図である。
この例では、例えば図3に示した装飾図柄表示装置208の前方(遊技者側)にロゴ役物900を設けた構成において、ロゴ可動体902の文字装飾部902aが装飾図柄表示装置208の前方で上下動する演出について説明する。上述の図67は例えば遊技者が有利な状態に当選しなかった場合の演出であり、この図68は例えば遊技者が有利な状態に当選した場合の演出である。有利な状態に当選した場合には、有利な状態に当選しなかった場合の演出よりも、可動体の移動回数を増やす場合が考えられる。図67では2回の文字装飾部902aの上下動をしているが、図68では、3回の文字装飾部902aの上下動をしている。
従来、上下動の回数が多くなれば、1回では少しのずれであってもそれが蓄積し、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示のずれが生じる恐れがあった。しかしながら、本実施形態によれば、モータ制御IC719による上述の制御により、上下動の回数が多くなっても連携が取れた演出を行うことができるので、遊技者の関心度が高まる状況において、遊技者に注目される演出を違和感のないものとすることができる。
例えば、本実施形態では、
可動手段(例えば文字装飾部902a)は表示手段(例えば装飾図柄表示装置208)にオーバーラップする位置に移動する場合があり、
可動手段が表示手段にオーバーラップする位置にある場合に、表示手段は、可動手段が表示手段にオーバーラップする位置にあることを前提とした表示を行い、
可動手段は表示手段にオーバーラップしない位置に移動する場合があり、
可動手段が表示手段にオーバーラップしない位置にある場合に、表示手段は、可動手段が表示手段にオーバーラップしない位置にあることを前提とした表示を行う、ことを特徴とする。
例えば、本実施形態では、
可動体(例えば文字装飾部902a)は表示装置(例えば装飾図柄表示装置208)の前方に移動することがあり、可動体が表示装置の前方へ移動する場合には、表示装置に、可動体が表示装置の前方へ移動することを前提とした画像の表示を行う演出であって、
大当り(例えば遊技者が有利な状態の当選)への期待度を高めた内容とする場合には、可動体が表示装置の前方へ移動する移動回数が、大当りへの期待度を低めた内容とする場合の可動体が表示装置の前方へ移動する移動回数よりも多い回数とする場合においては、大当りへの期待度を高めた内容とする場合でも可動体の移動と表示装置の画像とがタイミングのずれを行うことなく協同するため、遊技者に違和感をあたえることなく狙い通り期待感を抱かせることができる。
仮に、可動体の表示装置の前方への移動回数が多い場合に、可動体の移動と表示装置の画像とにタイミングのずれが生じてしまうと、遊技者が見て、出来の良くない演出である印象になり、大当りの期待感を抱くことができない恐れがある。
なお、上述の例では、大当りへの期待度を高めた演出として可動体の移動回数を増やす構成にした場合について説明したが、大当りへの期待度を高めた演出とする場合には、可動体の動作を速くしてもよい。例えば、図67、図68では各駆動データを1秒間のデータにしたが、可動体が表示装置の前方に移動する時間を短くするよう、データd1、d3、d5の実行時間を0.5秒としてもよい。表示装置の画像もそれに対応して用意すればよい。動作が速くなっても、制御IC(例えば、モータ制御IC719)に適切な設定があれば可動体の移動と表示装置の画像とのタイミングのズレが生じない。よって、動作が速いことで一層遊技者の期待感を煽る演出とすることができる。
なお、大当りへの期待度を高めた演出として、移動回数が多いことと速度が速いこととを組み合わせてもよい。
なお、可動体の移動は、直線移動に限らず回転移動(正回転・逆回転)等でもよく、制御ICの設定により、適切に移動させることができる。
なお、可動体の移動中に遊技者の操作受付(例えば演出用の操作ボタン入力(例えばチャンスボタン136の操作))に基づいて駆動データを、次の駆動データに変更してもよい。遊技者操作が任意のタイミングで行われるため、従来は操作されたときの移動速度に応じた停止・加速等の処理が複雑なものであったが、本実施形態では、レジスタの設定で容易に動作の変更を行うことができる。
なお、制御ICから駆動信号を出力することでモータの動作を制御することは、モータが可動体を駆動することから、制御ICから駆動信号を出力することで可動体の動作を制御することと同意義である。
この図68(a)~(l)に示した演出では、(1)上述のレジスタAの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(2)上述のレジスタBの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動開始時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。また、文字装飾部902aの繰り返しの移動開始時(繰り返しの加速の立ち上がり時)にも文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(3)上述のレジスタCの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(4)上述のレジスタEの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(5)上述のレジスタFの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(6)上述のレジスタIの設定を利用することで、文字装飾部902aを中途停止させた場合に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(7)上述のレジスタA~C、E~F、Iの設定を利用することで、互いのレジスタの設定により相乗効果を生じ、より正確に動作させることが可能となる。
なお、この図68の例においても、図66の例と同様に、文字装飾部902aの動きに連動する画像208m2aや画像208m3aを装飾図柄表示装置208に表示してもよい。
図69(a)~(h)は、モータ制御IC719による制御を用いた演出例を示す概略図である。
この例では、例えば図3に示した装飾図柄表示装置208の前方(遊技者側)にロゴ役物900を設けた構成において、ロゴ可動体902の文字装飾部902aが装飾図柄表示装置208の前方で上下動する演出について説明する。
図69(e)は、図69(a)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図69(f)は、図69(b)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図69(g)は、図69(c)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図69(h)は、図69(d)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図である。
図69(e)に示す駆動データd11(0.5秒間の駆動を行うデータ)がモータ970に出力されることで、図69(a)に示すように文字装飾部902aの一部が、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップする位置に下降する。このとき、装飾図柄表示装置208には、文字装飾部902a下降時用の表示である画像208m14を表示する。
その後、図69(f)に示す駆動データd12(0.2秒間の駆動を行うデータ)がモータ970に出力されることで、図69(b)に示すように文字装飾部902aの全てが、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップする位置に下降する。このとき、装飾図柄表示装置208には、文字装飾部902a下降時用の表示である画像208m15を表示する。
その後、図69(g)に示す駆動データd13(0.5秒間の駆動を行うデータ)がモータ970に出力されることで、図69(c)に示すように文字装飾部902aの一部が、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップする位置に上昇する。このとき、装飾図柄表示装置208には、文字装飾部902a上昇時用の表示である画像208m16を表示する。
その後、図69(h)に示す駆動データd14(0.2秒間の駆動を行うデータ)がモータ970に出力されることで、図69(d)に示すように文字装飾部902aの全てが、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップしない位置に上昇する。このとき、装飾図柄表示装置208には、文字装飾部902a上昇時用の表示である画像208m17を表示する。
このように文字装飾部902aの移動速度を多段階で異ならせる演出を行う場合でも、モータ制御IC719が予定通りの動作を行うよう制御することができ、装飾図柄表示装置208の表示画像と文字装飾部902aの動作とがうまく連携することができる。よって、遊技者の関心度が高まる状況において、遊技者に注目される演出を違和感のないものとすることができる。
この図69(a)~(h)に示した演出では、(1)上述のレジスタAの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(2)上述のレジスタBの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動開始時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(3)上述のレジスタCの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(4)上述のレジスタDの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動速度の切替時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(5)上述のレジスタEの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(6)上述のレジスタFの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(7)上述のレジスタA~C、D~Fの設定を利用することで、互いのレジスタの設定により相乗効果を生じ、より正確に動作させることが可能となる。
なお、この図69の例においても、図66の例と同様に、文字装飾部902aの動きに連動する画像208m2aや画像208m3aを装飾図柄表示装置208に表示してもよい。
図70(a)~(c)は、モータ制御IC719による制御を用いた演出例を示す概略図である。
図70(a)に示すように、駆動データd21で可動体を駆動していたときに、図70(b)に示すように異常が発生した場合、可動体を退避位置に移動させるように制御するのが望ましい。本例では、駆動データd21の途中で異常が発生した場合、駆動データd21を中断し、図70(c)に示す減速用データである駆動データd31を出力し、その後に退避移動データである駆動データd32を出力する。
異常発生時は、表示装置(例えば装飾図柄表示装置208)の画面上に異常が発生したことを遊技者等に伝えるための画像を、即座に表示するのが望ましい。このとき、表示装置の表示に可動体がオーバーラップしていると画像が見え難くなるので、異常が発生した場合には、可動体を即座に(最高速度で)退避位置に移動させる。この退避位置への可動体の移動が遅いと、表示装置の表示が的確な表示とならない。しかしながら、本実施形態では、モータ制御IC719の設定により可動体を即座に退避位置に移動させることができる。
また、別の例として、演出ボタン(例えばチャンスボタン136)が操作され、演出書き替えがあると、次の演出が可動体を不要とする演出であった場合にも、図70に示すような可動体の強制退避移動をすることになる。
また、遊技台がスロットマシンの場合では、遊技の進行操作があると、遊技の進行操作に基づく演出が可動体を不要とする演出であった場合にも、図70に示すような可動体の強制退避移動をすることになる。
この図70(a)~(c)に示した演出では、(1)上述のレジスタAの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(2)上述のレジスタBの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動開始時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(3)上述のレジスタCの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(4)上述のレジスタDの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動速度の切替時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(5)上述のレジスタEの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(6)上述のレジスタFの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の表示とのずれを生じることがない。
(7)上述のレジスタGの設定を利用することで、文字装飾部902aの実際の停止位置と目標停止位置とのずれの許容範囲を設定することができ、例えば、緊急時を想定し文字装飾部902aを早く停止させたい場合にずれの許容範囲を大きくしておくことで、ずれ修正に時間をかけることなく(長距離のずれ修正のための移動をすることなく)すぐに停止させることができる。
(8)上述のレジスタHの設定を利用することで、短時間でロック状態を判定可能な設定にすることができ、例えば、緊急時を想定し、文字装飾部902aを早く停止させたい場合にはレジスタHの設定を「3秒」または「通知のみ」としておき、ロック状態である判定結果を受け取った制御部(例えば第1副制御部400)では文字装飾部902aを停止させる制御を行うことができ、また、文字装飾部902aを早く退避位置に移動させたい場合にはレジスタHの設定を「1秒」または「2秒」としておき、ロック状態である判定結果を受け取った制御部(例えば第1副制御部400)では勢いをつけてロックを解除すべく文字装飾部902aをより加速するなどの制御を行うことができる。
(9)上述のレジスタA~Hの設定を利用することで、互いのレジスタの設定により相乗効果を生じ、より正確に動作させることが可能となる。なお、遊技台がぱちんこ機の場合でも、特図の変動開始等により図70に示すような可動体の強制退避移動を行ってもよい。
図71(a)~(h)は、モータ制御IC719による制御を用いた演出例を示す概略図である。
この例では、例えば図3に示した装飾図柄表示装置208の前方(遊技者側)にロゴ役物900を設けた構成において、ロゴ可動体902の文字装飾部902aが装飾図柄表示装置208の前方で上下動する演出について説明する。装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cのそれぞれには、上述のように装飾図柄を表示する。
図71(e)は、図71(a)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図71(f)は、図71(b)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図71(g)は、図71(c)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図71(h)は、図71(d)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図である。
図71(e)に示す駆動データd41(1秒間の駆動を行うデータ、高速駆動のデータ)がモータ970に出力されることで、図71(a)に示すように文字装飾部902aが、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップする位置に高速で下降する。このとき、装飾図柄表示装置208には、左図柄表示領域208aに7が表示され、右図柄表示領域208cに7が表示され、中図柄表示領域208bに揺れながら6が並んで表示されようとしている。
その後、図71(f)に示す駆動データd42(1秒間の駆動を行うデータ、高速駆動のデータ)がモータ970に出力されることで、図71(b)に示すように文字装飾部902aが、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップしない位置に高速で上昇する。このとき、装飾図柄表示装置208には、左図柄表示領域208aに7が表示され、右図柄表示領域208cに7が表示され、中図柄表示領域208bに揺れながら7が並んで表示されようとしている。
その後、図71(g)に示す駆動データd43(1秒間の駆動を行うデータ、高速駆動のデータ)がモータ970に出力されることで、図71(c)に示すように文字装飾部902aが、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップする位置に高速で下降する。このとき、装飾図柄表示装置208には、左図柄表示領域208aに7が表示され、右図柄表示領域208cに7が表示され、中図柄表示領域208bに揺れながら6が並んで表示されようとしている。
その後、図71(h)に示す駆動データd44(5秒間の駆動を行うデータ、低速駆動のデータ)がモータ970に出力されることで、図71(d)に示すように文字装飾部902aが、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップしない位置に低速で上昇する。このとき、装飾図柄表示装置208には、左図柄表示領域208aに7が表示され、右図柄表示領域208cに7が表示され、中図柄表示領域208bでは、5秒かけてゆっくりと上昇する文字装飾部902aと連携して、5秒かけて6から7へと表示が移動する。文字装飾部902aがゆっくりと移動することで、遊技者は、緊張して結果を待つ状態になり、より興趣を高めることができる場合がある。
このように、遊技台では、可動手段をゆっくり移動させることへの需要がある。例えば、遊技台は、遊技者が退屈にならないよう、大当たりとなる/ならない、の煽りの演出を行うことがあり、煽りの演出で、どちらの結果になるか、見せ場のクライマックスとなると、高速で選択肢を切り替えるよりも、低速で選択肢を切り替えるほうが、結果がでるまでの期待感を高めさせることができる。本実施形態では、モータ制御IC719の設定により可動体をゆっくり移動させる制御も容易に実施することができる。
この図71(a)~(h)に示した演出では、(1)上述のレジスタAの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの動きと装飾図柄表示装置208の中図柄表示領域208bの表示の動きとを連動することができる。
(2)上述のレジスタBの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動開始時に、文字装飾部902aの動き出しと装飾図柄表示装置208の中図柄表示領域208bの表示の動き出しとを連動することができる。
(3)上述のレジスタCの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの動きと装飾図柄表示装置208の中図柄表示領域208bの表示の動きとを連動することができる。
(4)上述のレジスタDの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動速度の切替時に、文字装飾部902aの動きと装飾図柄表示装置208の中図柄表示領域208bの表示の動きとを連動することができる。
(5)上述のレジスタEの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの動きと装飾図柄表示装置208の中図柄表示領域208bの表示の動きとを連動することができる。
(6)上述のレジスタFの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの動きと装飾図柄表示装置208の中図柄表示領域208bの表示の動きとを連動することができる。
(7)上述のレジスタIの設定を利用することで、文字装飾部902aを中途停止させた場合であっても、文字装飾部902aの動きと装飾図柄表示装置208の中図柄表示領域208bの表示の動きとを連動することができる。
(8)上述のレジスタA~F、Iの設定を利用することで、互いのレジスタの設定により相乗効果を生じ、より正確に動作させることが可能となる。
図72(a)~(h)は、モータ制御IC719による制御を用いた演出例を示す概略図である。
この例は、図71(d)および(h)に示した文字装飾部902aが低速で上昇する場合についてさらに説明するものである。
図72(e)は、図72(a)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図72(f)は、図72(b)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図72(g)は、図72(c)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図であり、図72(h)は、図72(d)に示す動作のための駆動データ(駆動信号)の例を示す図である。
図72(e)に示す駆動データd44(図71(h)の駆動データd44と同様)がモータ970に出力されることで、図72(a)に示すように文字装飾部902aが、装飾図柄表示装置208の表示にオーバーラップしている位置から徐々に上昇する。このとき、装飾図柄表示装置208には、図71(d)の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cの表示がされ、さらに文字装飾部902aを支えて持ち上げるように見える手のひらの画像である画像208m18が表示される。画像208m18は、装飾図柄表示装置208の表示領域のうち、手のひらが文字装飾部902aを持ちあげているように遊技者が見える位置に表示する。
図72(a)から図72(b)、図72(c)、図72(d)へと順に進むにつれ、文字装飾部902aの上昇と連携して、画像208m18の表示位置も上昇し、遊技者が、文字装飾部902aに画像208m18が接しているように見えるようにしている。このとき、文字装飾部902aの位置と画像208m18の表示位置とがずれてしまうと遊技者に違和感を与えてしまうが、本実施形態では、モータ制御IC719の設定により可動体をゆっくり移動させる制御も容易に実施することができ、適切な可動体の移動を行うことができる。
この図72(a)~(h)に示した演出では、(1)上述のレジスタAの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m18の表示位置とのずれを生じることがない(画像208m18に文字装飾部902aがオーバーラップするという誤った状態にならない。)。
(2)上述のレジスタBの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動開始時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m18の表示位置とのずれを生じることがない(画像208m18に文字装飾部902aがオーバーラップするという誤った状態にならない。)。
(3)上述のレジスタCの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動中に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m18の表示位置とのずれを生じることがない(画像208m18に文字装飾部902aがオーバーラップするという誤った状態にならない。)。
(4)上述のレジスタDの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動速度の切替時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m18の表示位置とのずれを生じることがない(画像208m18に文字装飾部902aがオーバーラップするという誤った状態にならない。)。
(5)上述のレジスタEの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m18の表示位置とのずれを生じることがない(画像208m18に文字装飾部902aがオーバーラップするという誤った状態にならない。)。
(6)上述のレジスタFの設定を利用することで、文字装飾部902aの移動終了時に、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m18の表示位置とのずれを生じることがない(画像208m18に文字装飾部902aがオーバーラップするという誤った状態にならない。)。
(7)上述のレジスタIの設定を利用することで、文字装飾部902aを中途停止させた場合であっても、文字装飾部902aの位置と装飾図柄表示装置208の画像208m18の表示位置とのずれを生じることがない(画像208m18に文字装飾部902aがオーバーラップするという誤った状態にならない。)。
(8)上述のレジスタA~F、Iの設定を利用することで、互いのレジスタの設定により相乗効果を生じ、より正確に動作させることが可能となる。
また、本発明は以下のようにまとめられる。
(付記i1)
動作可能な可動手段(例えば、円形物1607、可動体1401、文字装飾部902a)と、
前記可動手段の駆動源となるDCモータ(例えば、図51のモータ11、モータ12、モータ21、モータ22、モータ31、モータ32、モータ41、モータ42、モータ970)と、
前記DCモータを制御可能なIC(例えば、モータ制御IC719)と、を備えた遊技台であって、
前記ICは、制御回路(例えば、図50のモータ制御回路1、モータ制御回路2)を含み、
前記制御回路は、前記DCモータを駆動する駆動信号を出力可能な回路であり、
前記制御回路は、前記DCモータを第一の速度で回転させる第一の速度信号及び前記DCモータを第二の速度で回転させる第二の速度信号のいずれかの信号を前記駆動信号として出力可能な回路であり、
前記第二の速度は、前記第一の速度よりも速い速度であり、
前記制御回路は、前記DCモータに出力する信号を前記第一の速度信号から前記第二の速度信号に変更する際に、速度変更用の加速信号(以下、「第一の加速信号」という。)を前記駆動信号として出力可能な回路であり、
前記制御回路は、前記第一の加速信号の出力を設定する値、または前記第一の加速信号の非出力を設定する値のいずれかを記憶する第一の記憶領域(例えば、レジスタD)を備える回路であり、
前記制御回路は、前記第一の記憶領域に前記第一の加速信号の出力を設定する値が記憶されていた場合、前記第一の速度信号を出力した後に前記第一の加速信号を出力し、該第一の加速信号の出力した後に前記第二の速度信号を出力する手段であり、
前記制御回路は、前記第一の記憶領域に前記第一の加速信号の非出力を設定する値が記憶されていた場合、前記第一の速度信号を出力した後に前記第一の加速信号を出力することなく前記第二の速度信号を出力する手段である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・ICに特徴を持った遊技台を提供することができる。
・可動手段に応じた滑らかな速度変更が可能である。
(付記i2)
付記i1に記載の遊技台であって、
前記制御回路は、前記DCモータを回転させる速度を速度0から所定の速度まで加速させる際に、立ち上がり用の加速信号(以下、「第二の加速信号」という。)を前記駆動信号として前記DCモータに出力可能な回路であり、
前記制御回路は、DUTY加算量を異ならせた複数種類の前記第二の加速信号を出力可能な回路であり、
前記制御回路は、前記複数種類の第二の加速信号の中のいずれを前記DCモータに出力するかを設定可能な回路である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・可動手段の例えば重量が様々であっても、その可動手段に応じて滑らかな動作開始ができる。
・また、付記i1における第一の加速信号の設定に加えて、第二の加速信号の設定を可能にしているので、相乗効果を生じ、DCモータをより正確に動作させることが可能となる。
(付記i3)
付記i2に記載の遊技台であって、
前記制御回路は、前記DCモータを回転させる速度の最高速度を規定する基準速度を設定可能な回路であり、
前記制御回路は、複数種類の前記基準速度を備える回路であり、
前記制御回路は、前記複数種類の基準速度の中のいずれにより前記DCモータを回転させる速度を規定するかを設定可能な回路であり、
前記制御回路は、DUTY加算量を設定可能な回路であり、
前記制御回路は、複数種類の前記DUTY加算量を備える回路であり、
前記制御回路は、前記複数種類のDUTY加算量の中のいずれにより前記DCモータを回転させる加速量を規定するかを設定可能な回路であり、
前記制御回路は、設定された前記基準速度を維持するDUTYに基づき、前記DCモータに出力する前記第二の加速信号を設定する回路である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・動作速度に相応する加速設定が可能である。
・また、付記i1における第一の加速信号の設定に加え、さらに付記i2における第二の加速信号の設定に加えて、基準速度の設定を可能にしているので、相乗効果を生じ、DCモータをより正確に動作させることが可能となる。
(付記i4)
付記i2またはi3に記載の遊技台であって、
前記制御回路は、前記複数種類の第二の加速信号のうち前記DCモータに出力する信号を設定する値を記憶する第二の記憶領域(例えば、レジスタB)を備える回路であり、
前記第二の記憶領域は、前記第二の加速信号を設定する際の初期値である第一の初期値(例えば、レジスタBに記憶する00の値)を記憶可能な領域であり、
前記第一の初期値は、前記複数種類の第二の加速信号のうち最も小さな加速度で前記DCモータを回転させる信号を設定する値である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・何らかの理由で値が記憶されなかった場合でも、第一の初期値に基づいた第二の加速信号によってDCモータが動き出すので、可動手段が滑らかに動き出す。
(付記i5)
付記i1乃至i4のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記制御回路は、自励振動を低減して前記DCモータを回転させる加速信号(以下、「第三の加速信号」という。)を前記駆動信号として前記DCモータに出力可能な回路であり、
前記制御回路は、複数種類の前記第三の加速信号を備える回路であり、
前記制御回路は、前記複数種類の第三の加速信号の中のいずれを前記DCモータに出力するかを設定可能な回路である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・また、付記i1における第一の加速信号の設定に加え、付記i2における第二の加速信号の設定に加え、さらに付記i3における基準速度の設定に加えて、第三の加速信号の設定を可能にしているので、相乗効果を生じ、DCモータをより正確に動作させることが可能となる。
(付記i6)
付記i5に記載の遊技台であって、
前記制御回路は、前記複数種類の第二の加速信号のうち前記DCモータに出力する信号を設定する値を記憶する第三の記憶領域(例えば、レジスタC)を備える回路であり、
前記第三の記憶領域は、前記第二の加速信号を設定する際の初期値である第二の初期値(例えば、レジスタCに記憶する00の値)を記憶可能な領域であり、
前記第二の初期値は、前記複数種類の第二の加速信号のうち最も小さな加速度で前記DCモータを回転させる信号を設定する値である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・何らかの理由で値が記憶されなかった場合でも、第二の初期値に基づいた第三の加速信号によってDCモータが動き続けるので、可動手段が滑らかに動き続ける。
(付記i7)
付記i1乃至i6のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記制御回路は、前記DCモータを停止させる際に、前記DCモータを回転させる速度を減速する減速信号を前記駆動信号として前記DCモータに出力可能な回路であり、
前記制御回路は、前記減速信号の出力を設定する値、または前記減速信号の非出力を設定する値のいずれかを記憶する第四の記憶領域(例えば、レジスタE)を備える回路である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・可動手段に応じた滑らかな速度変更が可能である。
・また、付記i1における第一の加速信号の設定に加え、付記i2における第二の加速信号の設定に加え、付記i3における基準速度の設定に加え、さらに付記i5における第三の加速信号の設定に加えて、減速信号の出力の設定を可能にしているので、相乗効果を生じ、DCモータをより正確に動作させることが可能となる。
(付記i8)
付記i7に記載の遊技台であって、
前記制御回路は、前記DCモータを停止させる際に、減速開始位置を設定可能な回路である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・所望の停止位置に可動体を停止可能である。
・また、付記i1における第一の加速信号の設定に加え、付記i2における第二の加速信号の設定に加え、付記i3における基準速度の設定に加え、付記i5における第三の加速信号の設定に加え、さらに付記i7における減速信号の出力の設定に加えて、減速開始位置の設定を可能にしているので、相乗効果を生じ、DCモータをより正確に動作させることが可能となる。
(付記i9)
付記i8に記載の遊技台であって、
前記制御回路は、前記DCモータを停止させる際に、前記DCモータの停止位置のずれを補正させる補正動作信号を前記駆動信号として前記DCモータに出力可能な回路であり、
前記制御回路は、前記補正動作信号の出力を設定する値、または前記補正動作信号の非出力を設定する値のいずれかを記憶可能な第五の記憶領域(例えば、レジスタG)を備える回路である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・可動体に応じた設定が可能である。
・また、付記i1における第一の加速信号の設定に加え、付記i2における第二の加速信号の設定に加え、付記i3における基準速度の設定に加え、付記i5における第三の加速信号の設定に加え、付記i7における減速信号の出力の設定に加え、さらに付記i8における減速開始位置の設定に加えて、補正動作信号の出力の設定を可能にしているので、相乗効果を生じ、DCモータをより正確に動作させることが可能となる。
(付記i10)
付記i9に記載の遊技台であって、
前記補正動作信号の出力を設定する値は、複数種類の補正範囲から一の補正範囲を設定する値である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・可動体に応じた設定が可能である。
・また、付記i1における第一の加速信号の設定に加え、付記i2における第二の加速信号の設定に加え、付記i3における基準速度の設定に加え、付記i5における第三の加速信号の設定に加え、付記i7における減速信号の出力の設定に加え、付記i8における減速開始位置の設定に加え、さらに付記i9における補正動作信号の出力の設定に加えて、補正範囲の設定を可能にしているので、相乗効果を生じ、DCモータをより正確に動作させることが可能となる。
(付記i11)
付記i1乃至i10のいずれか一項に記載の遊技台であって、
表示可能な表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)と、をさらに備え、
前記可動手段は、前記表示手段の表示と連携する動作を行う手段である、ことを特徴とする遊技台、としたので、
・表示手段のような他の演出装置との連携がうまくいく。
本発明の態様は、上述した個々の実施例に限定されるものではなく、個々の実施例の各要素のいかなる組合せも本発明に含み、また、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
<実施形態B>
本実施形態のスロットマシンは、所定数の遊技媒体が投入され、かつ、複数種類の図柄がそれぞれ施された複数のリールが所定の回転開始指示操作を受け付けたことで回転を開始するとともに、その回転開始指示操作を受け付けたことに基づいて複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定し、その複数のリールそれぞれが、所定の回転停止指示操作を受け付けることで回転を個別に停止し、その抽選の結果に基づく役およびその複数のリールが停止したときの図柄組み合わせによって決まる条件が所定の払出し条件に、合致していれば遊技媒体を払い出して終了となり、合致していなければ遊技媒体を払い出さずに終了となる一連の遊技を進行する遊技台である。
<全体構成>
まず、図73及び図74を用いてスロットマシン100の全体構成について説明する。図73は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。図74は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。
図73に示すスロットマシン100は、遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には(図示省略)、外周面に複数種類の図柄が配置された回転体であるリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110~112は、後述するリール駆動ユニット10により回転駆動される。
リール110~112上の図柄は、遊技者から見ると、各リール110~112の手前に設けられたリール窓113から縦方向に概ね三つ表示され、合計九つの図柄が見えるようになっている。図75を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置;図柄位置1ともいう)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置;図柄位置2ともいう)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置;図柄位置3ともいう)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置;図柄位置4ともいう)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(図に示す5の位置;図柄位置5ともいう)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置;図柄位置6ともいう)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置;図柄位置7ともいう)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置;図柄位置8ともいう)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置;図柄位置9ともいう)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール110~112のそれぞれの図柄はリール窓113を通して各リール110~112にそれぞれ縦方向に三つ、合計九つ表示される。
そして、各リール110~112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合わせが変動することとなる。つまり、各リール110~112は、複数種類の図柄の組み合わせを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
入賞ラインについて説明する。入賞ラインとは、リール窓113を介して視認可能となる図柄の停止位置に設定されるラインであり、後述する入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定されるラインのことである。5つの入賞ラインは、有効となる入賞ラインは遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。本実施形態の場合、入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ライン(図柄位置:2-5-8)が有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ライン(図柄位置:1-4-7)と下段水平入賞ライン(図柄位置:3-6-9)が追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ライン(図柄位置:1-5-9)と右上り入賞ライン(図柄位置:3-5-7)が追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。
なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
以下、リール窓113のうち、入賞ライン上の図柄位置を「入賞位置」、それ以外の図柄位置を「非入賞位置」と称する場合がある。すなわち、入賞位置とは、入賞ライン上にあり、かつ入賞役に対応する図柄組合せを構成する図柄が停止する位置をいう。
図73、図74に戻り、告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、特別役1~3)に内部当選していること、または、後述する特別遊技状態であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役(詳細は後述する)に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタンともいう)130~132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130~132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。なお以下では、遊技者に払出される、と同様の意味で、遊技者に付与されると表現する場合がある。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110~112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130~132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110~112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作という。
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137~139が設けられている。ストップボタン137~139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110~112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110~112に対応づけられている。本実施形態では、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。
以下、ストップボタン137~139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。本実施形態では、各ストップボタン137~139の内部に発光体が設けられており、ストップボタン137~139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることができる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。音孔145はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部にはタイトルパネル160および音孔143が設けられている。
リール窓113およびその周囲を含む領域には、液晶表示装置(演出画像表示装置)157が設けられている。
図74を参照して、本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御部400を構成する副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源スイッチ244は前面扉102を開けることで操作可能となり、閉じた状態では操作が困難または不能である。
電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、液晶表示装置157の上部には、副制御部500を構成する副制御基板を収容する基板ケース230、上部スピーカ272を設けている。液晶表示装置157の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔180に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
図73と図74を参照して、液晶表示装置157は、カラーフィルタを備えた透過型のカラー液晶パネル157Aと、カラー液晶パネル157Bを背面側から白色光で照明するバックライト157を備えた液晶ディスプレイである。液晶パネル157Aは、リール窓113の内側の領域と外側の領域の双方に延在する矩形のパネルであり、周知の液晶パネルを採用できる。液晶パネル157Aは、例えば、画素毎のR、G、B(赤、緑、青)のフィルタを備えると共に、信号線、スイッチング素子、画素電極等が形成されたガラスなどの透明基板間に液晶を封入して液晶層が構成され、この液晶層が偏光板間に挟まれて構成される。液晶パネル157Aは、液晶パネル157Aは、ノーマリ・ホワイト型でもよいが、本実施形態ではノーマリ・ブラック型である。
バックライト157は、導光板、導光板に光を照射するLED等の光源、拡散シート等の光学部材等を備える。光源は、例えば、導光板の端部に沿って配置され、導光板の内部を伝搬する光が液晶パネル157Aへ反射される。本実施形態の場合、バックライト157Bは、リール窓113の内側の領域に、その厚み方向に貫通する開口部157bが形成されており、遊技者は導光板等を介さずに各リール110~112を視認可能である。本実施形態では、液晶パネル157Aと開口部157bとが重なる部分の背後からの照明は、各リール110~112に備えられたバックライトを用いる。リール帯が白色(あるいは乳白色)を有していることにより、バックライト157Bと大差のない照明を各リール110~112により実現可能であり、各リール110~112のバックライトはバックライト157Bの一部またはこれら全体をバックライトユニットということもできる。
本実施形態の場合、開口部157bはリール窓113に輪郭を適合させた一つの矩形としているが、リール110~112の各リール間の隙間を埋めるように、各リール110~112に対応した三つの矩形としてもよい。リール間の隙間の位置に表示する画像の鮮明度を向上できる。
なお、画像を表示する装置については、液晶表示装置に限らず、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認できるように構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<リールの駆動ユニット>
図76および図77を参照してリール110~112ならびにその周辺部品の構造について説明する。図76はリール駆動ユニット10の一部分解斜視図、図77は各リールおよび周辺部品の分解斜視図である。
リール駆動ユニット10は、箱状の金属板からなるリールケース11を備えている。このリールケース11には、3つのリール110~112(総称するときはリールRという。)と、各々のリール110~112を回転駆動するための駆動モータ2と、各々のリール110~112の回転位置を検出するためのインデックスセンサ3と、各々のリール110~112のリール帯T0~T2(総称するときはリール帯Tという。)の裏側に向けて光を投光するためのバックライトモジュール4が収容されている。
リールRは、光を透過可能な環状のリール帯Tを備え、駆動モータ2に回転可能に設けられている。バックライトモジュール4は、環状のリール帯Tの内側に配置されており、発光部(ここではLED)44Aを有している。リールRは、リール帯Tを保持するリール枠12、14を備える。リール枠12はリール帯Tの左側側面を支持し、リール枠14はリール帯Tの右側側面を支持する。リール枠12および14は光を透過可能な材料(透明または半透明のプラスチックなど)から構成されている。
リール枠12は、円環状の枠部12Aと、この枠部12Aを基端として枠部12Aの中心部に向けて延出形成された4本の支持部12Bを備える。4本の支持部12Bのうちの1本には、L字形状の遮光片12Dがねじ12Eによって取り付けられ、この遮光片12Dがインデックスセンサ3の投光部と受光部の間を通過するように配設される。インデックスセンサ3の検出結果に基づいてリールR上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110~112を停止させることができる。リール枠14は、リール枠12の枠部12Aと略同一径の円環状の部材からなり、リール帯Tを挟んでリール枠12の反対側に配設される。
駆動モータ2はリールRの駆動源となるDCモータであり、例えば、ブラシレスDCモータである。駆動モータ2は、取付板32に形成された台座に固定されるとともに、駆動モータ2のモータ軸は、リールRの取付部12Cに固定される。なお、モータ軸は減速機を介してリールRに取り付けられてもよい。本実施形態の場合、取付部12Cはリール枠12に形成されている。駆動モータ2の駆動により、リールRはモータ軸と同軸のZ軸周りに回転する。Z軸方向は本実施形態の場合、左右方向である。
インデックスセンサ3は、L次形状の取付台座34を介して、取付板32に固定される。バックライトモジュール4は、取付板32に固定されるリフレクタ42と、このリフレクタ42の後方から光を投光するための発光部44Aを備えた照明基板44によって構成されている。発光部44Aは一リールRあたりの三つの図柄位置に対応して三つ設けられており、リール窓113に表示される個々の図柄を照明可能となっている。駆動モータ2、インデックスセンサ3、およびバックライトモジュール4に接続されたハーネスは、取付板32に形成された貫通孔32Aを通じて、中継基板12に接続される。
<図柄配列>
リール帯Tには、複数種類の図柄が等間隔で予め定めたコマ数だけ適当数印刷される。これにより、リールRは回転方向に沿った複数のコマによって図柄の表示区画が設定された回転体を構成する。図78は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
各リール110~112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0~20の21コマ)だけ配置されている。同図の左端に示したコマ番号0~20は、図柄の表示区画を識別する番号であって、各リール110~112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号19のコマには「ベル図柄」、中リール111の番号20のコマには「リプレイ図柄」、右リール112の番号2のコマには「セブン1図柄」、がそれぞれ配置されている。コマ番号を図柄番号と呼ぶ場合がある。
なお、各リールの総コマ数は21コマ以外も採用可能であり、例えば、リールRの外径を同じとしつつ20コマとすることも可能である。
<制御部の回路構成>
次に、図79を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、遊技進行の制御を行う制御ユニットであって、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの図柄配列等を記憶したROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様であるが、本実施形態では、データを不揮発的に記憶する記憶領域を備える記憶デバイスであるROMと、データを一時的に記憶する記憶領域を備える記憶デバイスであるRAMとを併用している。
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0~65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、右ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、左リール110のインデックスセンサ3、中リール111のインデックスセンサ3、右リール112のインデックスセンサ3、前面扉102の開放検知センサ等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、および、右ストップボタン139センサは、各々対応するストップボタン137~139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、対応するメダル投入ボタン130~132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
左リール110のインデックスセンサ3、中リール111のインデックスセンサ3、および、右リール112のインデックスセンサ3は、対応する遮光片12Dが通過するたびにLレベルになる。CPU304は、上記Lレベルの信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。この回転位置情報は、主制御部300のRAM308に格納されている。
主制御部300は、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ339(告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
基本回路302には、モータ制御基板20を接続しており、主制御部300はモータ制御基板20を介して、リール110~112の回転を制御する。モータ制御基板20は、駆動モータ2の回転量を検知するエンコーダ2aの検知結果に基づいて駆動モータ2を制御してリール110~112を回転させる制御回路である。モータ制御基板20を用いることで主制御部300のリール110~112の回転制御の処理負担を軽減することができる。
モータ制御基板20には設定基板21が接続されており、駆動モータ2の制御に関する各種の設定が可能となっている。設定基板21により、機種に固有の設定を主制御部300の処理を介することなくハードウエアの構成によって行うことができ、主制御部300の処理負担を軽減することができる。モータ制御基板20及び設定基板21の詳細は後述する。
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態を示す情報)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示省略)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(例えば9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、本実施形態の場合、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信する。第1副制御部400は、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406には、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、リールバックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS-ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、遊技メダル投入可能ランプ124、ベットボタンランプ、リールバックライト、ストップボタン137~139ランプ等)が接続されている。
また、第1副制御部400には、センサ回路423が設けられ、CPU404は、前面扉102の開放を検知する扉センサ421の検知結果を監視している。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、第1副制御部400の指示にしたがって演出画像表示装置157の表示制御を行う。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。CPU504はVRAM536のRAMクリアが可能である。
<入賞役の種類と遊技状態>
次に、図80(a)を用いて、スロットマシン100の役(入賞役)の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の付与数(遊技媒体の払出数)を示す図である。また、図80(b)を用いて遊技状態の遷移について説明する。
スロットマシン100の入賞役には、特別役(特別役1~特別役3)と、一般役(再遊技役、小役1~小役3)がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができる。
本実施形態における入賞役のうち、特別役1~特別役3は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態に移行する役である。また、再遊技役は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1~特別役3および再遊技役への入賞が含まれる。
特別役1~特別役3は、入賞により特別遊技状態に移行する役(作動役)である。ただし、この役自身に入賞したことよるメダルの払出は行われない。対応する図柄組み合わせは、特別役1が「セブン1-セブン1-セブン1」であり、特別役2が「セブン2-セブン2-セブン2」であり、特別役3が「BAR-BAR-BAR」である。
再遊技役は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組み合わせは、「リプレイ-リプレイ-リプレイ」である。再遊技役は、遊技者がメダルを投入することなく、次回の遊技を行うことができる役であればよい。したがって、例えば、再遊技に入賞すると次回遊技でメダルの投入が自動的に投入(後述するメダル投入枚数記憶領域にメダル投入枚数を再設定)されるものであってもよいし、再遊技に入賞した遊技で投入されたメダルをそのまま次回の遊技に持ち越して使用できるものであってもよい。
「小役(小役1~小役3)」(以下、それぞれ「小役1」、「小役2」、「小役3」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組み合わせは、小役1が「スイカ-スイカ-スイカ」、小役2が「チェリー-ANY-ANY」、小役3が「ベル-ベル-ベル」である。また、対応する付与数は図80(a)に示す通りである。なお、「チェリー-ANY-ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類および変遷について説明する。本実施形態に係るスロットマシン100には、大別すると、通常遊技状態(RT0と呼ぶ場合がある。)、特別役内部当選状態(RT1と呼ぶ場合がある。)、特別遊技状態(RT2と呼ぶ場合がある。)の計3つの遊技状態がある。
通常遊技状態(RT0)は、電源投入後に最初に設定される(デフォルト)の遊技状態である。通常遊技状態において特別役1または特別役2若しくは特別役3に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。
このフラグがオンに設定されていると、主制御部300は、遊技状態を特別役内部当選状態に移行させる。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役1または特別役2若しくは特別役3に内部当選した遊技においてその特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組み合わせ(例えば特別役1に内部当選した場合は「セブン1-セブン1-セブン1」、特別役2に内部当選した場合は「セブン2-セブン2-セブン2」、特別役3に内部当選した場合は「BAR-BAR-BAR」の図柄組み合わせ)が、揃って入賞しやすい状態になる。
主制御部300は、特別役1または特別役2若しくは特別役3に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を特別遊技状態に移行させる。特別遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。特別遊技状態では、例えば、小役3に高い確率(例えば100%)で内部当選可能となる。この特別遊技状態において、終了条件が成立すると(例えば所定の枚数(例えば300枚)の遊技媒体の払出し)、通常遊技状態に移行させる。
役の抽選は、遊技状態毎に用意された抽選テーブル(抽選データ)に基づいて行われる。各遊技状態における役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。例えば、ある役の抽選値が512であれば、その役の当選確率は512/65536×100≒0.8%である。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも一つの役の当選確率を異ならせた設定1~設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
<リールの停止制御>
次に、リール110~112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件(例えば、上述した入賞役の内部当選処理の結果)に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。
リールの停止制御においては、いわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行ってもよい。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137~139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(引き込み範囲;例えば最大4コマ)でリール110~112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止データは主制御部300のROM306に格納されている。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137~139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137~139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。尤も、リール110~112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。
一方、禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137~139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<スロットマシンの制御処理>
以下、主制御部300、第1副制御部400、及び第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図81を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。主制御部メイン処理は遊技進行の制御に関わる処理である。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図81に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102では、遊技開始処理を行う。この遊技開始処理では、スタートレバー135による操作やベットボタン130乃至132による操作(賭け数設定操作)を受け付けたか否かのチェックや、賭け数が規定数になったか否かのチェックや、賭け数設定操作を受け付けた場合に、賭け数設定コマンドやスタートレバー受付コマンドを第1副制御部400に送信する準備等を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となるスタートレバー135の操作があればステップS103へ進む。
ステップS103では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する入賞ライン確定処理を行う。ステップS104では、乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する乱数取得処理を行う。
ステップS105では、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。
ステップS106では、入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データの候補を選択するリール停止データ選択処理を行う。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。また、ステップS106では、選択されたリール停止データに関する情報を含んだリール停止データコマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS107では、リール回転・停止制御処理が実行され、全リール110~112の回転を開始させる。また、ストップボタン137~139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従ってリール110~112の何れかを停止させる。全リール110~112が停止するとステップS108へ進む。
なお、このステップS107では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137~139に関する停止ボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、停止ボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、停止ボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、停止ボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS108では、表示判定処理を行う。この表示判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。また、このステップS108では、入賞判定の結果を示す入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
ステップS109では、メダル払い出し処理を行う。メダル払い出し処理では、メダルの付与のある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS110では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行させる。また、現在の遊技状態を示す情報を含む遊技状態コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図82のステップS1006)において送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に図82を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS1001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS1002では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS1003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS1004では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。
ステップS1005では、タイマ更新処理を行う。より具体的には、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS1006では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS1007では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS1008では、リール制御処理を行う。この制御処理では、モータ制御基板20へ制御情報を出力する。
ステップS1009では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS1003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ339、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。また、リールインデックスセンサ3からLレベルの信号が出力されると、回転位置情報をゼロにリセットする。
ステップS1010では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1012に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1011に進む。
ステップS1011では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS1001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図81に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS1012では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図81に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部の処理>
次に、図83を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図83(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図83(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図83(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図83(a)を用いて、第1副制御部400のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずステップS3001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この処理で、内部当選の結果を表す情報である内部当選情報を記憶させるための領域と、遊技状態を表す情報であるRT更新情報を記憶させるための領域が、それぞれRAM408に設けられる。
ステップS3002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS3003の処理に移行する。
ステップS3003では、タイマ変数に0を代入する。ステップS3004では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理であるコマンド処理が実行される。
ステップS3005では、演出制御処理を行う。ここでは、RAM408内に設けられた演出予約領域内にある演出予約情報に従って、演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS3006では、ステップS3005の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS3007では、ステップS3005の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS3008では、ステップS3005の処理結果に基づいて第2副制御部500にコマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信するコマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS3002へ戻る。
次に、図83(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS3101では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図83(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS3201では、図83(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS3002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS3002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS3202では、ステップS3008で設定された第2副制御部500へのコマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。ステップS3203では演出中断処理を実行する。演出中断処理は、電断など中断事由が発生した場合に実行される処理であり、実行中の演出を中断する処理を行う。具体的には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM408の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
<第2副制御部の処理>
次に、図84を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図84(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図84(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図84(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図84(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
電源投入が行われると、まず、図84(a)のステップS5001で初期設定が実行される。この初期設定処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理や、VRAM536内の記憶領域の初期化処理等を行う。RAMの初期化においては、記憶領域に「0」が格納されるのが一般的である。
ステップS5002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS5003の処理に移行する。
ステップS5003では、タイマ変数に0を代入する。ステップS5004では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS5005では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS5004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、背景画像に関する画像制御を行う演出データをROM506から読み出す処理を実行する。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS5006では、ステップS5005の処理結果に基づいて画像制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS5005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。例えば、表示画像(報知画像、背景画像)に関する画像制御が実行される。この画像制御処理が終了すると、ステップS5002へ戻る。
次に、図84(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS5101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図84(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS5201では、図84(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS5002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS5002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS5202では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図84(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS5006の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS5301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS5302では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS5303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS5303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS421でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS5304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS5305では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS5306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS5306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<リールの回転制御>
リール110~112の回転制御、つまり、駆動モータ2の駆動制御について説明する。図85は主制御部300とモータ制御基板20とを示す回路ブロック図である。モータ制御基板20は、一つの駆動モータ2について一つ設けられる。本実施形態の場合、駆動モータ2は、リール110~112に対応して三つ設けられているため、モータ制御基板20も三つ設けられている。
モータ制御基板20は、制御IC201とドライバ202とを含む。制御IC201は、例えばワンチップのマイコンであり、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェース、カウンタ/タイマ、信号処理回路等を含み、ROMには駆動モータ2の制御に関わる制御プログラムが格納され、CPUが制御プログラムを実行することで駆動モータ2を制御する。ドライバ202はトランジスタやFET等の複数のスイッチング素子を含み、駆動モータ2に電力を供給する。制御IC201は、駆動モータ2のエンコーダ2aからの信号に基づいて駆動信号をドライバ202へ出力し、駆動モータ2の回転量、回転方向(正転・逆転)及び回転速度を制御する。また、制御IC201はインデックスセンサ3からの信号に基づいて、駆動モータ2により回転されるリールRの回転量とドライバ202への制御量との関係を補正する。なお、制御IC201は、CPU等を含むことがなく複数種類のレジスタで構成されたICであってもよい。
設定基板21は、リールRの回転に関する設定情報を、設定信号を出力することで制御IC201に予め設定するための電気回路基板であり、コネクタ22を介してモータ制御基板20に着脱自在に構成されている。設定情報は制御IC201の制御プログラムに組み込む方式も採用可能である。しかし、この方式であると、遊技台の異なる機種間で制御IC201を流用したい場合に、機種ごとに制御IC201の制御プログラムを作成しなければならない点で不利である。設定情報は、また、主制御部300が実行する制御プログラムに組み込み、電源投入時に制御IC201に主制御部300が設定する方式も採用可能である。しかし、この方式であると、主制御部300の制御プログラムの容量が増えて、小容量のROM306を採用する場合に不利である。本実施形態によれば、設定基板20により情報を設定することで、こうした課題を解消することができる。
図86(a)は設定基板21の回路構成の例を示す。本実施形態では、複数種類の設定情報を設定可能であり、図86(a)はそのうちの設定情報1のための回路例を図示しているが、他の種類の設定情報2~Nのための回路も同様の構成である。
設定情報1の回路は、2ビットの情報を制御IC201に出力可能な回路である。図示の例の場合、コネクタ22を介して制御IC201の入力ポートに接続される配線をプルダウンするプルダウン抵抗(Lの設定信号を出力)と、プルアップするプルアップ抵抗(Hの設定信号を出力)とから構成されており、比較的簡単な回路としている。制御IC201は、例えば、電源投入時に設定基板21に接続されている入力ポートの信号を読み取り、レジスタに格納することで設定情報を設定することができる。図86(b)はレジスタの一例を示し、設定情報1~3の各レジスタ(2ビット)の格納情報を例示している。設定情報1については、図86(a)の設定情報1回路の例に対応して、LH(01)の情報が格納されている。
本実施形態の場合、設定基板21の設定情報は出力情報が固定されている。図86(a)の設定情報1回路の例に代えて、DIPスイッチ等を用いることで、出力情報を簡易に変更するようにする方式も採用可能である。しかし、設定基板21の設定情報が、その遊技台の機種に固有の情報である場合、設定情報が変更可能であると誤った情報に設定される危険性がある。本実施形態のように、設定基板21の出力情報が固定される回路構成とすることでこのような誤設定を確実に回避することができる。
図87は設定情報の種類の例を示している。設定情報1は、リールRの総コマ数(総図柄数)の情報である。本実施形態では21コマが設定される場合を想定するが、例えば、20コマも設定可能であり、20コマのリールRを用いてもよい。
設定情報2は後述するステップ数の情報である。ステップ数は、一コマ分の回転の分解能に相当し、1ステップは制御IC201が制御する上でのリールRの回転量の最小単位である。設定ステップ数だけリールRを回転するとリールRが一コマ分だけ回転することになる。後述する例ではステップ数は5であるが、7や9も設定可能としてもよい。
設定情報3は、リールRの回転速度の基準速度である。この基準速度は例えば、最高回転速度である。基準速度は最低回転速度、もしくは、中間の回転速度であってもよい。基準速度に基づいて、制御可能なリールRの回転速度範囲が設定される。設定情報4は後述する調整回転量の情報である。調整回転量は基準停止位置の調整用の情報である。
異なる機種間においてもリールRの周長が同じであることを前提とし、制御IC201は設定情報1と設定情報2からリールRの一回転分の総ステップ数を、総ステップ数=総コマ数×ステップ数、で算出する。制御IC201は、制御可能な最小回転量を、最小回転量=360度÷総ステップ数で決定する。総ステップ数とエンコーダ2aの分解能との関係から一ステップあたりのエンコーダ2aによる回転量の検出値(例えば出力パルス数)を特定することができ、この検出値を基準として1ステップ単位の回転制御が可能となる。制御IC201は、リールRの一回転の回転位置をステップ数で管理することができ、例えば、1ステップ分のエンコーダ2aの検出値が出力される度に、回転位置カウンタを一つ加算し、インデックスセンサ3による遮光片12の検知を契機として、回転位置カウンタをリセットする。
次に、主制御部300(基本回路302)と制御IC201とは通信可能に接続されている。図88に示すように、主制御部300は制御IC201に対して、リール110~112の回転制御に関わる制御情報を送信し、制御IC201は受信した制御情報に基づいて駆動モータ2を制御する。また、制御IC201は駆動モータ2の状態を状態情報として主制御部300に送信し、主制御部300は受信した状態情報に基づいて遊技の進行を制御することができる。
制御情報及び状態情報の例並びにリールRの回転制御の例について図89を参照して説明する。同図は制御情報と状態情報の経時的な変化を示すタイミングチャートである。
図89の例は、制御情報として、回転指示情報、回転速度指示情報及び回転方向指示情報が例示されている。回転速度指示情報は、リールRの定速時の回転速度を指示する命令であり、図示の例の場合、定速時に80rpmで回転することを指示している。制御IC201は、回転速度指示情報で指示された回転速度までリールRを加速し、当該回転速度を維持するように駆動モータ2を制御する。主制御部300は、定速時の回転速度を複数種類の回転速度の中から選択可能であり、選択した回転速度を示す速度指示情報を制御IC201に送信すると、制御IC201はその回転速度でリールRを定速回転させる。
回転方向指示情報は、リールRの回転方向を指示する命令であり、図示の例の場合、順回転(正転)で回転することを指示している。順回転とは、図78において「回転方向」と矢印で示す順に、図柄が移動する方向であり、その逆の移動方向の場合は逆回転(逆転)である。回転方向指示情報は逆回転も指示可能である。制御IC201は、回転方向指示情報で指示された回転方向に対応して、駆動モータ2の回転方向を切り替える。
回転速度指示情報及び回転方向指示情報は、リールRの回転制御を開始する際に主制御部300が制御IC201へ送信してもよいし、回転指示情報と共に主制御部300が制御IC201へ送信してもよい。
回転指示情報は、リールRの回転量を指示する命令であり、リールRの一コマ分の回転を指示する情報である。制御IC201は、回転指示情報を受信する度に、リールRを一コマ分回転させる。総コマ数が21コマの場合、一回の回転指示情報により、リールRが360度÷21≒17度回転するように、制御IC201は駆動モータ2を制御する。
本実施形態の場合、回転指示情報は、所定の時間間隔Tで送信される周期的なパルス信号であり、信号の立ち上がり(OFF→ON)をトリガとして制御IC201はリールRを一コマ分回転させる。間隔Tは、リールRが定速回転している際の、一コマ分の回転に要する時間以下の間隔である。主制御部300は、二コマ以上リールRを回転させる場合に、間隔T毎に回転指示情報を送信することで、リールRの回転を継続することができる。
例えば、リールRの定速時の回転速度をNrpmとすると、リールRの一回転に要する時間t0(ms)は、t0=60000/Nである。総コマ数が21コマの場合、一コマ分の回転に要する時間t1(ms)は、t1=t0/21である。そこで、T≦t1に設定する。好ましくは、T<t1 かつ、T≒t1である。例えば、0.95×t1≦T≦0.99×t1である。リールRを100rpmで回転させると、間隔Tは28~29ms程度に設定することができる。間隔Tが時間t1に近いことで、回転指示情報の送信と基準停止位置に表示される図柄のコマ番号とを同期させることができ、図柄の停止制御が行い易くなる。基準停止位置は、例えば、図75の中段位置(図柄位置2、5、8)である。
制御IC201は、回転指示情報を受信する度にリールRを一コマ分回転させるため、回転指示情報を受信してから間隔T内に次の回転指示情報を受信するとリールRの回転を継続させつつ、さらに一コマ分リールRを回転させることになる。回転指示情報を受信してから間隔T内に次の回転指示情報を受信しない場合はリールRを停止させる。図89の例では、回転指示情報が四回受信された後、回転指示情報の受信が無いのでリールRの回転を停止させている。
主制御部300は、間隔Tを図82に示したタイマ割り込み処理のS1005のタイマ更新処理で管理し、回転指示情報等の制御情報をS1008のリール制御処理において送信することができる。主制御部300は、回転指示情報を送信する度に回転位置情報を一つ加算し、インデックスセンサ3のLレベルの検知を契機として回転位置情報をゼロにリセットする(図82のS1009の処理)。これにより、基準停止位置に位置している図柄(コマ番号)を管理することができる。回転位置情報がゼロの場合、基準停止位置には例えばコマ番号0のコマが位置するように設計される。
状態情報は、制御IC201から主制御部300へ送信される情報であり、リールRの回転制御の状態を示す情報である。状態情報は例えば主制御部300の所定の入力ポートに送信され、主制御部300は図82に示したタイマ割り込み処理のS1009のデバイス監視処理で確認する。図89の例では、状態情報としてリールRの加速状態、定速状態、停止状態が例示されている。主制御部300は、例えば、定速状態を示す状態情報を取得すると、停止操作を可能とし、また、例えば、停止状態を示す状態情報を取得すると、図柄組合せの判定を行う。
制御IC201は、リールRが停止している状態で回転指示情報を受信すると、回転速度指示情報や回転方向指示情報で規定される回転速度、回転方向でリールRが回転するように、リールRの回転を開始する。リールRの加速制御は制御IC201の制御プログラムにしたがって行うことで、主制御部300が加速制御用のプログラムを必要とせず、制御プログラムの容量削減を図れる。
リールRの加速中は、定速回転中に比べて間隔TにおけるリールRの回転量が少なくなる。回転量の差が大きいと、間隔TとリールRの回転量との関係が崩れる場合がある。図90(a)はその説明図である。同図は、回転速度指示情報で指示された回転速度(指示回転速度)まで所定の加速度で、最初の2回の間隔Tの時間内においてリールR(つまり駆動モータ2)の加速を行っている。指定回転速度に到達した後のリールRの回転量は、間隔T×指示回転速度で表される。加速期間中は、面積R1の分だけ回転量が少なくなる。
そこで本実施形態の制御IC201は、回転速度指示情報で指示された回転速度(指示回転速度)まで加速する場合に、指示回転速度よりも速い回転速度まで加速した後、リールRを指示回転速度まで減速して定速回転させる。図90(b)はその説明図である。同図は、最初の2回の間隔Tの時間内において、リールRを指示回転速度よりも速い回転速度まで加速した後、指示回転速度まで減速し、指示回転速度で定速回転している。面積R1は定速回転時と比して少なくなるリールRの回転量を示し、面積R2は定速回転時と比して多くなるリールRの回転量を示す。面積R1と面積R2とが等しくなるように、加速度、最高速度、減速度を制御することで、間隔TとリールRの回転量との関係を維持することができる。
なお、リールRを定速回転中においても間隔TとリールRの回転量との間にずれが生じる場合があるが、インデックスセンサ3による遮光片12の検知を契機として、リールRを微小量加減速し、制御IC201はリールRの回転位置と回転指示情報のONタイミングとを合わせることが可能である。
次に、指示回転速度の増減に対応して間隔Tも増減することにより、間隔TとリールRの回転量との関係を維持することができる。図91、図92はその一例を示している。図91の例は図89の例に対して、指示回転速度を2倍にしている。この場合、間隔Tは、図89の間隔Tに対して1/2とされる。図92の例は図89の例に対して、指示回転速度を1/2倍にしている。この場合、間隔Tは図89の間隔Tに対して2倍とされる。
なお、本実施形態では回転指示情報と回転速度指示情報とを別の情報としたが、回転指示情報に回転速度指示情報を含めることもできる。例えば、回転指示情報のON時間(パルス幅)によって回転速度を指定してもよい。主制御部300は、回転指示情報のパルス信号(OFF→ON)のON時間の長さを、回転速度に対応する長さのON時間とする。例えば、指示回転速度を速くする場合はパルス幅を短くし、遅くする場合はパルス幅を長くする。制御IC201は回転指示情報のパルス幅を計測(ON時間を計時)すればよい。回転指示情報と回転速度指示情報とを一のパルス信号とすることができるため信号線の本数を減らすことができる。
次に、リールRの停止時の制御IC201の制御について説明する。既に述べたように、回転指示情報の受信がないと制御IC201はリールRの回転を停止する。このとき、基準停止位置に、その制御において目的とする図柄が停止されるように制御するが、その停止位置が回転方向に微調整できることが望ましい。これは、機種間でリール駆動ユニット10やモータ制御基板20を流用する際に有利である。機種によってリール窓113の構成等が異なるため、中段の図柄位置(図75の図柄位置2、5、8)がやや上側の方がよい場合や、やや下側の方がよい場合が生じ得るからである。
本実施形態では、図87の設定情報4として、一コマ分以下のリールRの回転量である調整回転量が設定可能であり、この調整回転量によって基準停止位置における図柄の位置を微調整することができる。換言すると基準停止位置の微調整が可能である。具体的には、回転指示情報の受信がないと制御IC201はリールRを調整回転量だけ回転して停止する。本実施形態の場合、この調整回転量は、一コマ分の回転量を等分割したステップを単位として設定可能としている。このステップも図87の設定情報2のステップ数として設定可能な情報である。
図93はステップの例を示している。同図の例は、一コマあたりの回転量が5ステップに分割されている例を例示している。換言すると、リールRの一周分の総ステップ数は、5ステップ×21コマ=105ステップとなり、リールRの停止位置は105段階で選択可能となっている。
図94は調整回転量の設定例を示している。中央の図94(a)は調整回転量を3ステップとした例であり、標準的な調整回転量である。左側の図94(b)は調整回転量を1ステップとした例である。図94(a)の例と比較すると図柄が上側にずれて停止することになる。図94(c)は調整回転量を5ステップとした例である。図94(a)の例と比較すると図柄が下側にずれて停止することになる。いずれも順方向でリールRを回転させた場合を想定している。
具体的な停止制御の例について説明する。リールRの回転中に停止操作により主制御部300が三コマ先でリールRの回転を停止すると判断したとする。三コマ目の停止は調整回転量により行う。このため、主制御部300は、回転指示情報を2回(3-1=2)、制御IC201に送信する。制御IC201は、2回の回転指示情報の受信によりリールRを二コマ分回転させ、回転指示情報の受信がないと調整回転量だけリールRを回転させて停止する。これが三コマ目の回転となる。これにより、その機種の構造に対応した基準停止位置に、目的とする図柄を停止できる。
リールRの回転中に停止操作が無く、所定時間の経過によりリールRの回転を停止する場合も同様である。所定時間の経過により主制御部300はその後に回転させるコマ数を決定し、決定したコマ数よりも一つ少ない数の回転指示情報を制御IC201に送信する。制御IC201は、回転指示情報の数のコマ数分だけリールRを回転させた後、調整回転量分だけリールRを回転して停止させる。
次に、リール110~112の演出例について図95を参照して説明する。図95(a)はスタートレバー135の操作前においてリール110~112が停止している状態を示している。基準停止位置となる図柄位置2、5、8(図75参照)には、それぞれ、コマ番号15の図柄(左リール110)、コマ番号16の図柄(中リール111)、コマ番号19の図柄(右リール112)が停止している。
スタートレバー135の操作を契機として、主制御部300はリール110~112の回転を開始させる。演出例として、主制御部300は、例えば、仮停止位置を決定し、現在位置から仮停止位置までの移動図柄数(コマ数)を算出する。算出したコマ数の数だけ回転指示情報を制御IC201に送信する。
例えば、左リール110の図柄を6コマ移動させる決めた場合、回転指示情報を6回送信する。なお、リールRを1周回転させた後に所望の位置に停止させてもよい。遊技者にどの位置で停止するか、より長時間、期待感を抱かせることができる。例えば、リールRを1周回転させた後に6図柄を移動させたければ、回転指示情報を27回送信すればよい。三つのリール110~112で、回転量(移動コマ数)を異ならせることも可能である。
主制御部300は回転指示情報を送信を停止する。すると、図95(c)に示すようにリール110~112を仮停止させることができる。同図の例では図95(a)の状態から左リール110は6コマ分、中リール111は6コマ分、右リール112は9コマ分、それぞれ回転している。これにより演出としてのリール110~112の回転が終了する。この演出期間中は停止操作を受け付けない。
続いて図95(d)に示すように遊技用の回転を開始させる。その際に、リール110~112の回転開始のタイミングをずらす場合、主制御部300は、例えば、各リールの回転開始タイミングをずらすための遅延時間をカウントし、2番目、3番目のリールの回転指示情報の送信は、対応する遅延時間を経過したことを条件として実行する。その後、遊技者の停止操作に対応して、又は、所定時間の経過により各リール110~112を停止させる。
なお、本実施形態では、リール110~112の回転制御について、演出用の回転制御も遊技進行用の回転制御も同じ制御としたが異ならせてもよい。すなわち、遊技進行用の回転制御においては遊技者の停止操作がいつ行われるかは事前に把握できないので、間隔Tをおいて一コマ毎の回転指示情報を送信することにより、いわばランダムに発生する停止操作に対応可能であるが、演出用の回転制御の場合、回転量や停止位置は事前に決定できる。このため、演出用の回転制御においては、例えば、間隔Tを置くことなく回転指示情報を制御IC201に送信する構成や、一コマ単位の回転指示情報ではなく、総回転量を指示する制御情報を一回送信し、制御IC201がこれに対応した制御を行う構成であったり、移動図柄数(移動コマ数)の制御情報(例えば、5図柄分を移動させる制御情報)を一回送信し、制御IC201がこれに対応した制御を行う構成であってもよい。これにより、主制御部300の負荷軽減を図れる場合がある。
なお、本実施形態のリールRの回転制御やその回路構成は、入賞判定用の図柄表示に関係しない演出用の回転体等、他の回転体にも適用可能である。また、スロットマシンに限られず、ぱちんこ機に備えられた各種の回転体にも適用可能である。
<実施形態のまとめ>
A1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
回転方向に沿った複数のコマによって図柄の表示区画が設定された回転体(例えば110-112)と、
前記回転体の駆動源となるDCモータ(例えば2)と、
前記DCモータを制御して前記回転体を回転させるDCモータ制御手段(例えば201)と、
遊技進行の制御を行う遊技進行制御手段(例えば300)と、
を備えた遊技台であって、
前記遊技進行制御手段は、前記回転体を回転させる回転指示情報を、前記DCモータ制御手段に送信する手段であり、
前記回転指示情報は、前記回転体の一コマ分の回転を指示する情報であり、
前記遊技進行制御手段は、前記回転体を二コマ以上回転させる場合に、所定の間隔(例えばT)で前記回転指示情報を前記DCモータ制御手段に送信する手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転指示情報の受信がある度に、前記回転体を一コマ分回転させる手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転体を回転させている際に前記回転指示情報の受信があると、前記回転体の回転を継続させつつ、さらに一コマ分前記回転体を回転させる手段である。
この実施形態によれば、DCモータの制御に特徴を持った遊技台を提供することができる場合がある。また、前記遊技進行制御手段の負荷を低減したり、前記遊技進行制御手段の制御プログラムの容量を削減できる場合があり、また、前記遊技進行制御手段において前記回転体の回転量を認識し易い場合がある。
A2.上記実施形態においては、
前記所定の間隔は、前記回転体が定速回転している際の、一コマ分の回転に要する時間以下の間隔である。
この実施形態によれば、前記回転体の回転を円滑に継続できる場合があり、また、前記回転体のランダムな停止に対応できる場合がある。
A3.上記実施形態においては、
前記DCモータ制御手段は、前記回転体を所定の回転速度で定速回転させる手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転体を前記所定の回転速度まで加速する場合に、前記所定の回転速度よりも速い回転速度まで加速した後、前記回転体を前記所定の回転速度で定速回転させる手段である。
この実施形態によれば、前記遊技進行制御手段の負荷を低減したり、制御プログラムの容量を削減できる場合があり、また、前記所定の間隔と前記回転体の回転位置の変化とを同期させやすい場合がある。
A11.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
回転方向に沿った複数のコマによって図柄の表示区画が設定された回転体(例えば110-112)と、
前記回転体の駆動源となるDCモータ(例えば2)と、
前記DCモータを制御して前記回転体を回転させるDCモータ制御手段(例えば201)と、
遊技進行の制御を行う遊技進行制御手段(例えば300)と、
を備えた遊技台であって、
前記遊技進行制御手段は、前記回転体を回転させる回転指示情報を、前記DCモータ制御手段に送信する手段であり、
前記回転指示情報は、前記回転体の一コマ分の回転を指示する情報であり、
前記遊技進行制御手段は、前記回転体を二コマ以上回転させる場合に、所定の間隔(例えばT)で前記回転指示情報を前記DCモータ制御手段に送信する手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転指示情報の受信がある度に、前記回転体を一コマ分回転させる手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転体を回転させている際に前記回転指示情報の受信があると、前記回転体の回転を継続させつつ、さらに一コマ分前記回転体を回転させる手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転体を所定の回転速度で定速回転させる手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転体を前記所定の回転速度まで加速する場合に、前記所定の回転速度よりも速い回転速度となる加速を行った後、前記回転体を前記所定の回転速度で定速回転させる手段である。
B1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
回転方向に沿った複数のコマによって図柄の表示区画が設定された回転体(例えば110-112)と、
前記回転体の駆動源となるDCモータ(例えば2)と、
前記DCモータを制御して前記回転体を回転させるDCモータ制御手段(例えば201)と、
遊技進行の制御を行う遊技進行制御手段(例えば300)と、
を備えた遊技台であって、
前記遊技進行制御手段は、前記回転体を回転させる回転指示情報を、前記DCモータ制御手段に送信する手段であり、
前記回転指示情報は、前記回転体の一コマ分の回転を指示する情報であり、
前記遊技進行制御手段は、前記回転体の回転速度を指示する速度指示情報を、前記DCモータ制御手段に送信する手段であり、
前記遊技進行制御手段は、前記回転体を二コマ分以上回転させる場合に、所定の間隔(例えばT)で前記回転指示情報を前記DCモータ制御手段に送信する手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転指示情報の受信がある度に、前記回転体を一コマ分回転させる手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転体を回転させている際に前記回転指示情報の受信があると、前記回転体の回転を継続させつつ、さらに一コマ分前記回転体を回転させる手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記速度指示情報の受信があると、該速度指示情報で指示された回転速度で前記回転体を回転させる手段である。
この実施形態によれば、DCモータの制御に特徴を持った遊技台を提供することができる場合がある。また、前記遊技進行制御手段の負荷を低減したり、前記遊技進行制御手段の制御プログラムの容量を削減できる場合があり、また、前記遊技進行制御手段において前記回転体の回転量を認識し易い場合があり、更に、前記回転体の回転速度を設定可能な場合がある。
B2.上記実施形態においては、
前記遊技進行制御手段は、複数種類の前記速度指示情報のうちの一つの前記速度指示情報を、前記DCモータ制御手段に送信する手段である。
この実施形態によれば、前記遊技進行制御手段が、回転速度の設定も容易に行える場合がある。
B3.上記実施形態においては、
前記所定の間隔は、前記回転体が定速回転している際の、一コマ分の回転に要する時間以下の間隔である。
この実施形態によれば、前記回転体の回転を円滑に継続できる場合があり、また、前記回転体のランダムな停止に対応できる場合がある。
B4.上記実施形態においては、
前記DCモータ制御手段は、前記回転体を所定の回転速度で定速回転させる手段であり、
前記所定の回転速度とは、前記速度指示情報で指示された回転速度であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転体を前記所定の回転速度まで加速する場合に、前記所定の回転速度よりも速い回転速度まで加速した後、前記回転体を前記所定の回転速度で定速回転させる手段である。
この実施形態によれば、前記遊技進行制御手段の負荷を低減したり、前記遊技進行制御手段の制御プログラムの容量を削減できる場合があり、また、前記所定の間隔と前記回転体の回転位置の変化とを同期させやすい場合がある。
B5.上記実施形態においては、
前記回転指示情報は、パルス信号であり、
前記速度指示情報は、前記パルス信号のパルス幅である。
この実施形態によれば、前記遊技進行制御手段から前記DCモータ制御手段へ送信する情報を少なくできる場合がある。
C1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
回転方向に沿った複数のコマによって図柄の表示区画が設定された回転体(例えば110-112)と、
前記回転体の駆動源となるDCモータ(例えば2)と、
前記DCモータを制御して前記回転体を回転させるDCモータ制御手段(例えば201)と、
遊技進行の制御を行う遊技進行制御手段(例えば300)と、
を備えた遊技台であって、
前記遊技進行制御手段は、コマ数を基準とした回転量で前記回転体を回転させるための回転指示情報を、前記DCモータ制御手段に送信する手段であり、
前記DCモータ制御手段は、一コマ分以下の前記回転体の回転量(以下、「調整回転量」という。)を予め設定可能な手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転指示情報と前記調整回転量とに基づく回転量で前記回転体を回転させて停止する手段である。
この実施形態によれば、DCモータの制御に特徴を持った遊技台を提供することができる場合がある。また、遊技台によって前記回転体の基準停止位置を容易に変更できる場合がある。
C2.上記実施形態においては、
前記調整回転量は、前記DCモータ制御手段に設定信号を供給する設定基板(例えば21)によって予め設定可能である。
この実施形態によれば、基準停止位置の変更に際し、前記遊技進行制御手段の負荷を増加することを回避したり、前記遊技進行制御手段の制御プログラムの容量を増加することを回避できる場合がある。
D1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
回転方向に沿った複数のコマによって図柄の表示区画が設定された回転体(例えば110-112)と、
前記回転体の駆動源となるDCモータ(例えば2)と、
前記DCモータを制御して前記回転体を回転させるDCモータ制御手段(例えば201)と、
遊技進行の制御を行う遊技進行制御手段(例えば300)と、
を備えた遊技台であって、
前記遊技進行制御手段は、コマ数を基準とした回転量で前記回転体を回転させるための回転指示情報を、前記DCモータ制御手段に送信する手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記回転体の回転に関する情報(以下、「設定情報」という。)を予め設定可能な手段であり、
前記DCモータ制御手段は、前記設定情報および前記回転指示情報に基づき前記回転体の回転を制御する手段である。
この実施形態によれば、DCモータの制御に特徴を持った遊技台を提供することができる場合がある。また、遊技台に固有の情報を設定情報として設定することで、前記遊技進行制御手段の負荷を増加することを回避したり、制御プログラムの容量を増加することを回避できる場合がある。
D2.上記実施形態においては、
前記設定情報は、前記回転体の総コマ数を示すコマ数情報(例えば設定情報1)を少なくとも含み、
前記DCモータ制御手段は、前記コマ数情報に基づいて特定される一コマあたりの前記回転体の回転量に基づいて、前記回転体を回転させる手段である。
この実施形態によれば、遊技台の企画に応じたコマ数を設定可能な場合があり、しかも、前記DCモータ制御手段を異なる遊技台に流用可能な場合がある。
D3.上記実施形態においては、
前記設定情報は、一コマ分の回転の分解能を示す分解能情報を少なくとも含み、
前記DCモータ制御手段は、前記コマ数情報と前記分解能情報とに基づいて、前記回転体の最小回転量を決定可能な手段である。
この実施形態によれば、遊技台の企画に応じた回転体の回転制御が可能な場合があり、しかも、前記DCモータ制御手段を異なる遊技台に流用可能な場合がある。
D4.上記実施形態のモータ制御IC(例えば201)は、
回転方向に沿った複数のコマによって図柄の表示区画が設定された回転体(例えば110-112)の駆動源となるDCモータ(例えば2)を制御して前記回転体を回転させる、遊技台用のモータ制御ICであって、
前記モータ制御ICは、前記回転体の回転に関する情報(以下、「設定情報」という。)を予め設定可能なICであり、
前記モータ制御ICは、前記設定情報、および、コマ数を基準とした回転量で前記回転体を回転させるための回転指示情報の受信に基づき前記回転体を回転させるICである。
この実施形態によれば、遊技台に固有の情報を設定情報として設定することで、遊技台の遊技進行制御手段の負荷を増加することを回避したり、前記遊技進行制御手段の制御プログラムの容量を増加することを回避できる場合がある。