JP2016086339A - 画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理システム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザの意図する色合わせを支援する画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理システムを提供する。
【解決手段】原稿画像データの色から読み取り装置が読み取った第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、読み取り装置が読み取った第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とに基づいて、原稿画像データの画素値を変換して中間画像データを生成する色変換手段301と、原稿画像データと前記中間画像データとの差分画像データを生成する差分処理手段302と、変換強度パラメータを取得する変換強度パラメータ取得手段303と、差分画像データの画素値が変換された補正差分画像データを生成する補正処理手段304と、原稿画像データと補正差分画像データとの対応する画素の画素値について所定の演算を行い、原稿画像データと補正差分画像データとを合成する画像合成手段305と、を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理システムに関する。
従来より、画像出力機器から出力したカラーチャートを例えば測色計等により測色して、各画像出力機器のカラープロファイルを更新することで、各画像出力機器間の色合わせを行う技術が知られている。
また、カラーチャートを用いずに画像出力機器間の色合わせを行うことができる技術が従来より知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記の従来技術においては、例えば二台の画像出力機器間で色合わせを行った際に、色合わせの結果についてユーザが意図したものでない場合がある。このような場合、ユーザは、手作業により色合わせを行う必要があった。一方、手作業による色合わせには、画像処理に関する専門的な知識が必要となり、ユーザの意図通りの色合わせを行うことは難しいという問題がある。
本発明の実施の形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、ユーザの意図する色合わせを支援することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の実施の形態は、第一の画像出力手段が原稿画像データを出力した第一の出力結果の色を、第二の画像出力手段が前記原稿画像データを出力した第二の出力結果において再現する画像処理装置であって、前記原稿画像データの色から読み取り装置が前記第一の出力結果を読み取った第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記読み取り装置が前記第二の出力結果を読み取った第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換して中間画像データを生成する色変換手段と、前記原稿画像データと前記中間画像データとの対応する画素の画素値の差分を算出して差分画像データを生成する差分処理手段と、前記原稿画像データの画素値の色変換の強度を制御するための変換強度パラメータを取得する変換強度パラメータ取得手段と、前記差分画像データと前記変換強度パラメータとに基づいて、前記差分画像データの画素値が変換された補正差分画像データを生成する補正処理手段と、前記原稿画像データと前記補正差分画像データとの対応する画素の画素値について所定の演算を行い、前記原稿画像データと前記補正差分画像データとを合成する画像合成手段と、を有することを特徴とする。
本発明の実施の形態によれば、ユーザの意図する色合わせを支援することができる。
画素値aとbの関係を模式的に説明する一例の図である。 本実施形態に係る画像処理システムの一例の構成図である。 本実施形態に係る画像処理システムの一例のハードウェア構成図である。 本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。 本実施形態に係るMFPの一例のハードウェア構成図である。 本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例1)。 色変換処理の一例のフローチャートである(実施例1)。 本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例2)。 色変換処理の一例のフローチャートである(実施例2)。 本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例3)。 色変換処理の一例のフローチャートである(実施例3)。 本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例4)。 色変換処理の一例のフローチャートである(実施例4)。 基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。 リスト形式で記録したデータの一例の図である。 ユーザ色再現特性の逆特性の推定処理の一例のフローチャートである。 リスト形式で記録したデータの他の例の図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
まず、
第一の画像出力機器の色再現特性をP1(x)、
第二の画像出力機器の色再現特性をP2(x)、
画像読取装置の色再現特性をS(x)、
と定義する。ここで"x"は色又は画素値である。種々の色空間の存在を考慮すると画素値=色とはならないが、同じ色空間内では画素値=色となるので、厳密には区別していない。例えばRGB色空間の場合、x=[R, G, B]tの3次元データである。また、例えばCMYK色空間の場合、x=[C, M, Y, K]tの4次元データである。
このとき、
第一の色再現特性はS(P1(x))、
第二の色再現特性はS(P2(x))、
と表すことができる。
P1(x)は、第一の画像出力機器が画素値xを印刷した場合の色であり、S(P1(x))は画像読取装置が色P1(x)を読み取った場合の色である。P2(x)は、第二の画像出力機器が画素値xを印刷した場合の色であり、S(P2(x))は画像読取装置が色P2(x)を読み取った場合の色である。
第一の画像出力機器が印刷する画素値xと、第二の画像出力機器が印刷する画素値xとが同じ場合、色再現特性P1(x)及びP2(x)は互いに異なるので、S(P1(x))=S(P2(x))とはならない。一方、第一の画像出力機器が印刷する画素値と、第二の画像出力機器が印刷する画素値とが同じでない場合でも、印刷対象の画像データ(後述する原稿画像データ)には、S(P1(a))=S(P2(b))となる色(a, b)の組み合わせが存在することが期待できる(S(P1(a))とS(P2(b))は完全に一致しなくてもよい)。
ここで、S(P1(a))=S(P2(b))なる組合せ(a, b)を1つ以上求めることができた場合、第二の画像出力機器が画素値bを印刷してS(P2(b))が得られるのであるから、aをbとみなす変換を行うことで第二の画像出力機器が画素値aを印刷する際に、実際には画素値bを印刷するので、第二の画像出力機器は第一の画像出力機器と同じ色で印刷することができる。
図1は、画素値aとbの関係を模式的に説明する一例の図である。第一の画像出力機器と第二の画像出力機器は、共に同じ画像データを印刷する。この画像データを原稿画像データという。
第一の画像出力機器は画素値aを印刷するとスキャナで読み取った際にsの色となる第一の出力物を印刷する。第二の画像出力機器は画素値bを印刷するとスキャナで読み取った際にsの色となる第二の出力物を印刷する。第二の画像出力機器の色再現特性を第一の画像出力機器に合わせる場合、第二の画像出力機器は画素値aがsになるように(読み取った際にsとなるように)印刷するべきであることが分かる。したがって、第二の画像出力機器は原稿画像データの画素値aをbにて置き換える。この色変換を行うことで、第二の画像出力機器は第一の画像出力機器と同等の色にて印刷することが可能になる。
本実施形態では、第一の画像出力機器と第二の画像出力機器との間で色を合わせるために原稿画像データに色変換を施す処理を、以下の機器の組合せを例として説明する。
・第一の画像出力機器:プリンタ (「基準プリンタ」と呼ぶ)
・第二の画像出力機器:プリンタ (「ユーザプリンタ」と呼ぶ)
・画像読取装置:スキャナ
また、以降で使用する用語を以下のように定義する。
・基準プリンタ:第一の画像出力機器に対応し、色が合わせられる目標となるプリンタ
・ユーザプリンタ:第二の画像出力機器に対応し、基準プリンタに色を合わせたいプリンタ
・スキャナ:画像読取装置に対応
・原稿画像データ:プリンタが印刷物を出力する際に用いる画像データ
・基準印刷物:原稿画像データを基準プリンタで出力した、色合わせの目標とされる印刷物
・基準画像データ:基準印刷物を画像読取装置で読み取って得られる画像データ
・ユーザ印刷物:原稿画像データをユーザプリンタで出力した、基準印刷物に色を合わせたい印刷物
・ユーザ画像データ:ユーザ印刷物を画像読取装置で読み取って得られる画像データ
本実施形態では、基準印刷物とユーザ印刷物とを用い、ユーザプリンタに与える原稿画像データに色変換を行うことによって、基準印刷物の色と同等の色のユーザ印刷物が得られるようにする。また、色変換後の原稿画像データをユーザプリンタで出力したユーザ印刷物が、ユーザの意図した色でない場合、所定のパラメータを調整することで所望のユーザ印刷物を得られるようにする。
以降の実施例1〜実施例3では、上記で説明したS(P1(x))(これを「基準色再現特性」呼ぶ)及びS(P2(x))の逆特性P2 -1(S-1(x))(これを「ユーザ色再現特性の逆特性」と呼ぶ)は既知であるものとして説明する。一方、実施例4では、基準色再現特性S(P1(x))及びユーザ色再現特性の逆特性P2 -1(S-1(x))を推定する処理についても説明する。
なお、S-1(x)は、画像読取装置で読み取った場合に画素値xとして読み取られる値(色)である。また、P2 -1(S-1(x))は、第二の画像出力機器で出力した場合に色S-1(x)として出力される画素値である。
(実施例1)
まず、実施例1について説明する。実施例1は、基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性が既知である場合に、基準印刷物の色と同等の色のユーザ印刷物を得るために、原稿画像データに色変換を施す。そして、色変換後の原稿画像データを用いて得られたユーザ印刷物が、ユーザの意図した色でない場合、所定のパラメータを調整することで所望のユーザ印刷物を得ることができるようにするものである。
<システム構成>
図2は、本実施形態に係る画像処理システムの一例の構成図である。図2に示す画像処理システム600は、ネットワーク500を介して接続された、コンピュータ100、ユーザプリンタ200、及びスキャナ300を有する。ユーザプリンタ200の代わりにオフセット印刷機やグラビア印刷機等を用いてもよく、また、スキャナ300の代わりに分光測色器やカメラ等を用いてもよい。基準プリンタ400は、画像処理システム600のユーザ側に存在しないことを想定しているためネットワーク500に接続されていないが、接続されていてもよい。画像処理システム600のユーザは、基準プリンタ400が基準画像データを出力した基準印刷物をすでに取得しているか、取得することができるものとする。
ネットワーク500は、社内LAN(Local Area Network)、広域LAN(WAN:Wide Area Network)、IP−VNP(Virtual Private Network)、インターネットVPN、又はインターネット等である。これらが組み合わされたネットワーク等、コンピュータ100、ユーザプリンタ200、及びスキャナ300が通信可能であればよい。一部に電話回線を含んでいてもよく、また、有線接続か無線接続は問わない。
なお、同じ一台のプリンタで過去と現在の色を合わせる場合等、基準プリンタ400とユーザプリンタ200はそれぞれ異なる装置である必要はない。また、基準プリンタ400及びユーザプリンタ200は、プリンタ機能に加えて、スキャナ機能、FAX機能及びコピー機能等の1つ以上を有していてもよい。同様に、スキャナ300は、スキャナ機能に加えて、プリンタ機能、FAX機能及びコピー機能等の1つ以上を有していてもよい。複数の機能を有する装置はMFP(Multifunction Peripheral)と称される。
また、コンピュータ100は、色変換後の原稿画像データをユーザプリンタ200で出力したユーザ印刷物が、ユーザの意図した色でない場合、色変換の強度を制御するための変換強度パラメータの入力を受け付ける。さらに、実施例4においては、コンピュータ100は、基準プリンタ400が基準印刷物の出力に使用した原稿画像データ、基準印刷物をスキャナ300が読み取った基準画像データ、及びユーザプリンタ200が原稿画像データを出力したユーザ印刷物をスキャナ300が読み取ったユーザ画像データ、の3つの画像データから基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性を推定する。
なお、原稿画像データは、ユーザプリンタ200が予め記憶しておいてもよいし、基準プリンタ400から取得してもよい。また、コンピュータ100、ユーザプリンタ200、及びスキャナ300は一台のMFPに搭載することもできる。
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係る画像処理システムの一例のハードウェア構成図である。画像処理システム600は、画像入力装置601、画像出力装置602、画像記憶装置603、画像解析装置604、色再現特性記憶装置605、画像処理装置606、及びパラメータ入力装置607を有する。
画像入力装置601は、画像出力機器により出力された画像を入力するものであり、図2ではスキャナ300が相当する。画像記憶装置603は、画像入力装置601が入力を受け付けた画像データを記憶するものであり、図2ではコンピュータ100が相当する。画像解析装置604は、基準画像データ、ユーザ画像データ、及び原稿画像データを解析して基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性を推定するもので、図2ではコンピュータ100が相当する。色再現特性記憶装置605は、基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性を記憶するもので、図2ではコンピュータ100が相当する。パラメータ入力装置607は、色変換の強度を制御するための変換強度パラメータを入力するもので、図2ではコンピュータ100が相当する。画像処理装置606は、基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性に基づく画像データの色変換及び変換強度パラメータに基づく画像データの補正処理等をするもので、図2ではユーザプリンタ200が相当する。画像出力装置602は、色変換された画像を出力するもので、図2ではユーザプリンタ200が相当する。
図4は、コンピュータ100のハードウェア構成図の一例を示す。コンピュータ100はそれぞれバスで相互に接続されているCPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、外部記憶I/F104、通信装置105、入力装置106、描画制御装置107、及びHDD(Hard Disk Drive)108を有する。
CPU101は、ROM103やHDD108等の記憶装置からプログラムやデータをRAM102上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ100全体の制御や機能を実現する演算装置である。
RAM102は、CPU101がプログラムを実行する際に必要なデータを一時保管する作業メモリ(主記憶メモリ)である。ROM103は、BIOS(Basic Input Output System)やOS(Operating System)を起動するためのプログラム、データが記憶されている。
外部記憶I/F104は、記憶媒体110が着脱可能であり、記憶媒体110に記録されたデータを読み込み、HDD108に記憶させる。また、外部記憶I/F104は、HDD108に記憶されたデータを記憶媒体110に書き込むこともできる。記憶媒体110は、例えば、USBメモリ、SDカード等である。プログラム111は、例えば、記憶媒体110に記憶された状態や不図示のサーバからダウンロードすることで配布される。
入力装置106は、キーボードやマウス、タッチパネル等であり、コンピュータ100へのユーザの様々な操作指示を受け付ける。
HDD108は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。HDD108は、SSD(Solid State Drive)等の不揮発メモリでもよく、OS、プログラム、画像データ等の各種のデータが記憶されている。また、HDD108には本実施形態を実現するためのプログラム111が記憶されている。
通信装置105は、インターネット等のネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)であり、例えば、イーサネット(登録商標)カードである。
描画制御装置107は、例えばグラフィックコントローラ等であり、CPU101がプログラム111を実行してグラフィックメモリに書き込んだ描画コマンドを解釈して、画面を生成しディスプレイ109に描画する。
図5は、画像処理システム600を一台のMFPで実現した場合におけるMFP700のハードウェア構成図の一例を示す。MFP700は、コントローラ30、操作パネル31、ファックス制御ユニット32、プロッタ33、スキャナ34、及び、その他ハードウェアリソース35を有する。コントローラ30は、CPU11、MEM−P12、NB(ノースブリッジ)13、ASIC16、MEM−C14、HDD15、及びPCIバスを介してNB13と接続された周辺機器17を有する。
コントローラ30において、ASIC16にはMEM−C14、HDD15、及びNB13が接続されると共に、NB13にはCPU11とMEM−P12が接続されている。NB13はCPUチップセットの1つであり、CPU11、MEM−P12、ASIC16、及び周辺機器17を接続するためのブリッジである。
ASIC16は、画像処理用途向けのICであり各種の画像処理を行う。ASIC16は、AGP、HDD15、及びMEM−C14をそれぞれ接続するブリッジの役割も果たす。CPU11は、MFP700の全体制御を行うと共にMFP700に実装されている各種アプリケーションを起動して実行させる。
MEM−P12は、MFP700のシステムが使用するシステムメモリであり、MEM−C14は、画像処理中の画像データのバッファとして用いられるローカルメモリである。
HDD15は、大容量のストレージであり、SSD等を用いてもよい。HDD15には、OS、各種のアプリケーション、フォントデータ等が記憶される。また、HDD15には本実施形態を実現するためのプログラム23が記憶されている。プログラム23は、記憶媒体18に記憶された状態や不図示のサーバを介して配布される。
周辺機器17は、シリアルバス、NIC、USBホスト、IEEE802.11a/b/g/n、IEEE1394、及びメモリカードI/F等である。シリアルバスには、例えばセントロニクスケーブルが接続される。NICはネットワークを介した通信を制御する。USBホストにはUSBケーブルを介して機器が接続される。IEEE802.11a/b/g/nはこれらの規格に従った無線LAN用のインタフェースであり、無線LANによる通信を制御する。IEEE1394は、高速なシリアル通信を制御するインタフェースである。メモリカードI/Fには各種のメモリカードが装着され、データの読み書きを行う。メモリカードは、例えば、SDカード、マルチメディアカード、xDカード等である。
操作パネル31は、ハード的なキーボードと液晶等の表示手段とを有する。操作パネル31は、ユーザからの入力操作の受け付けるとともに、ユーザに向けた各種の画面の表示を行う。操作パネル31はタッチパネルを搭載しており、表示したソフトキーからユーザ操作を受け付けることもできる。
ファックス制御ユニット32は、NCU(Network Control Unit)を介して公衆通信網に接続し、例えばG3、G4規格のファクシミリに対応した通信手順(通信プロトコル)等に従いファクシミリの送受信を行う。ファックス制御ユニット32は、画像データにデータ圧縮や変調等の信号処理を施して送信すると共に、相手先から受信した画像データにデータの伸長やエラー訂正等を施し画像データを復元する。
プロッタ33は、例えば、電子写真方式による白黒プロッタ又はカラープロッタであり、印刷対象データやスキャナ34が読み取った画像データに基づき、1ページ毎の画像を形成し、用紙に転写する。例えば、レーザービームを用いた電子写真プロセスを使って、感光ドラム等に形成したトナー画像を用紙に転写し、定着装置により熱と圧力により定着して出力する。また、インク液滴を塗布する形態で印刷してもよい。
スキャナ34は、コンタクトガラスに載置された原稿を光学的に走査して、その反射光をA/D変換して公知の画像処理を施し所定の解像度のデジタルデータに変換し画像データを生成する。
図5のMFPでは、図2の画像入力装置601はスキャナ34に相当し、画像出力装置602はプロッタ33に相当し、画像記憶装置603はHDD15に相当し、画像解析装置604はCPU11に相当する。また、色再現特性記憶装置605はHDD15に相当し、画像処理装置606はASIC16に相当し、パラメータ入力装置607は操作パネル31に相当する。
<機能構成>
図6は、本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例1)。画像処理システム600又はMFP700は、色変換部301、差分処理部302、変換強度パラメータ取得部303、補正処理部304、及び画像合成部305を有する。
色変換部301は、例えば画像処理装置606等により実現され、基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を用いて、原稿画像データに色変換を施し、中間画像データを生成する。なお、上述したように、本実施例では基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性は既知であり、予め色再現特性記憶装置605に記憶されているものとする。
差分処理部302は、例えば画像処理装置606等により実現され、原稿画像データと中間画像データとの差分を算出し、差分画像データを生成する。
変換強度パラメータ取得部303は、例えばパラメータ入力装置607等により実現され、原稿画像データに対する色変換の強度(度合い)を制御するための変換強度パラメータを取得する。
補正処理部304は、例えば画像処理装置606等により実現され、変換強度パラメータを用いて差分画像データに補正処理を施し、補正差分画像データを生成する。
画像合成部305は、例えば画像処理装置606等により実現され、原稿画像データと補正差分画像データとを合成して、色変換済み原稿画像データを生成する。
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る画像処理システム600又はMFP700の処理の詳細について説明する。図7は、色変換処理の一例のフローチャートである(実施例1)。図7は、基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性に基づき色変換を行った原稿画像データから得られたユーザ印刷物が、ユーザの意図するものであるか否かを評価する。そして、ユーザ印刷物が、ユーザの意図するものでない場合、変換強度パラメータを調整することで、所望のユーザ印刷物を得ることができるようにするものである。
まず、ユーザは、ユーザプリンタ200で原稿画像データを印刷する(ステップS701)。すなわち、ユーザプリンタ200を用いて原稿画像データを印刷することにより、ユーザ印刷物を得る。
ユーザは、得られたユーザ印刷物を評価する(ステップS702)。すなわち、ユーザは、ユーザ印刷物と基準印刷物とを比較してユーザ印刷物の品質を評価する。そして、ユーザ印刷物の品質が十分であれば(ステップS703のYes)、処理を終了し、そうでなければ(ステップS703のNo)、次ステップS704に進む。
ユーザ印刷物の品質を評価する方法としては、例えば、基準印刷物との色差を用いる方法がある。他の例としては、色相差を用いる方法や、各色成分の差の絶対値を用いる方法もある。また、品質の評価は目視で行ってもよい。本実施形態に係る画像処理システム600又はMFP700は、以下に示す評価方法を用いてユーザ印刷物の品質を評価する色評価手段(不図示)を有していてもよい。
a) 色差を用いる評価方法
色差とは、L*a*b*色空間やL*u*v*色空間における二つの色の距離である。本実施例は画像出力機器としてプリンタを用いていることからL*a*b*色空間を用いて説明する。L*a*b*色空間の色差ΔE*abは以下の式で定義される。
Figure 2016086339
ここで、(ΔL*, Δa* ,Δb*)はL*a*b*色空間における2色の色度差である。
このとき、基準印刷物とユーザ印刷物の色差を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準印刷物をスキャナ300により読み取り基準画像データを得る。
(2)ユーザ印刷物を(1)と同じスキャナ300により読み取りユーザ画像データを得る。
(3)基準画像データとユーザ画像データとをスキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(例えば、XYZ色空間等)に変換する。
(4)デバイス非依存の色空間に変換された基準画像データとユーザ画像データとをL*a*b*色空間に変換する。
(5)上式により画素ごとの色差を求める。
基準印刷物とユーザ印刷物とを同じスキャナ300で読み取るとしているが、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換できる条件の下で、二つの印刷物を別々のスキャナ300で読み取ってもよい。
スキャナ300を一台のみ使用する場合には、カラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することは必須ではない。色差の値を定量的に評価するケースでは、絶対的な値が重要であるためデバイス非依存の色空間への変換が必要であるが、色差の値を定性的に評価するケースでは相対的な傾向がつかめればよいためデバイス非依存の色空間への変換を省略してもよい。
画素ごとの色差が求まったら、この情報を統計的に分析し、ユーザ印刷物の品質を定量的に評価することができる。分析方法の例としては、色差の平均値、最大値、値の分布、分散等が挙げられる。
品質が十分であるか否かの判断は、
・平均色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・最大色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・分散が所定の値以内に収まっているか否か、
等の基準で判断することができる。なお、ユーザ印刷物の品質を評価する際には、画像データのコンテンツの輪郭部分を除くことが望ましい。これは、
・後の処理で必要な位置合わせにおいて、輪郭部分を完全に合わせることが困難であること、
・プリンタによって輪郭部分の再現性が異なること(色味やシャープ等)
等の理由から、輪郭部分で大きな色差が出現する可能性があるためである。
輪郭部分の面積は全印刷物の面積のごく一部であるため、目視による全体的な色の評価に与える影響は限定的である。一方、定量的な評価においては、上述の輪郭部分の大きな色差が外れ値として評価結果の信頼性を低下させる懸念があることから、輪郭部分のデータを無視する方が高い精度の評価結果が期待できる。
輪郭部分を検出する方法の例としては、二値化を用いる方法や、エッジ検出を用いる方法が挙げられる。二値化を用いる方法の一例としては、画像データを所定の閾値で白黒に二値化し、白い領域と黒い領域とが隣接する箇所を輪郭部分として判断する方法がある。エッジ検出を用いる方法の一例としては、画像データからSobel法等を用いてエッジ画像を作成し、これを所定の閾値で二値化して閾値以上の画素を輪郭部分として判断する方法がある。
輪郭部分を除去せずに、上記課題を緩和する方法もある。例えば、画像データを平滑化して輪郭部分を滑らかにし、輪郭部分で出現する色差を低減するというものである。平滑化には、平均化フィルタやローパスフィルタ等の従来技術を用いればよい。
また、上記の例では色差式にCIE1976色差式を用いて説明したが、この色差式に限定されるものではなく、CIE1994色差式やCIE2000色差式、CMC(1:c)色差式等を用いてもよい。
b) 色相差を用いる評価方法
L*a*b*色空間の色相差ΔH*abは次式で定義される。
Figure 2016086339
ここで、ΔE*abは色差、(ΔL*, Δa*, Δb*)は2色の色度差、ΔC*abはクロマの差ある。クロマC*abは次式で定義される。
Figure 2016086339
基準印刷物とユーザ印刷物の色相差を求める手順は色差を求める手順と同じであるが、色差ではなく色相差を算出する。また、統計的な分析方法や品質の判定方法も同様である。
c) 各色成分の差の絶対値を用いる評価方法
所定の色空間において、基準印刷物とユーザ印刷物との各色成分の差の絶対値を取り、評価を行う方法である。RGB色空間を例に取れば、R成分値の絶対値の差、G成分値の絶対値の差、B成分値の絶対値の差を用いる。基準印刷物とユーザ印刷物の各色成分の差の絶対値を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準印刷物をスキャナ300により読み取り基準画像データを得る。
(2)ユーザ印刷物を(1)と同じスキャナ300により読み取りユーザ画像データを得る。
(3)基準画像データとユーザ画像データとをスキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間など)に変換する。
(4)変換後の色空間において、画素ごとに各色成分値の差の絶対値を求める。
基準印刷物とユーザ印刷物とを同じスキャナ300で読み取るとしているが、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換できる条件の下で、二つの印刷物を別々のスキャナ300で読み取ってもよい。
なお、色差のケースと同様に、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することは必須ではなく、スキャナ300のデバイス依存の色空間で直接差の絶対値を求めてもよい。また、統計的な分析方法や品質の判定方法は色差のケースと同様である。
次に、色変換部301は、原稿画像データを色変換する(ステップS704)。すなわち、色変換部301は、色再現特性記憶装置605に記憶されている基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を用いて原稿画像データに色変換を施し、中間画像データを生成する。
ここで、色変換部301が、基準色再現特性S(P1(x))と、ユーザ色再現特性S(P2(x))の逆特性P2 -1(S-1(x))とを用いて原稿画像データに色変換を施して、中間画像データを生成する手順を以下に示す。
(1)基準色再現特性から、原稿画像データの色aが対応付く基準画像データの色s=S(P1(a))を得る。
(2)ユーザ色再現特性の逆特性から、ユーザ画像データの色sが対応付く原稿画像データの色b=P2 -1(S-1(s))を得る(すなわち、S(P1(a))=s=S(P2(b))となる組合せ(a, b)を求める)。
(3)原稿画像データの色aをbに変換して、中間画像データを生成する。
次に、差分処理部302は、差分画像データを生成する(ステップS705)。すなわち、差分処理部302は、原稿画像データと、上記のステップS704で生成した中間画像データとの対応する画素の画素値の差分を、すべての画素に対して算出して、差分画像データを生成する。なお、差分処理部302は、画素値の差分を色成分毎に、符号まで含めて算出する。
次に、変換強度パラメータ取得部303は、色変換の強度を制御するための変換強度パラメータを取得する(ステップS706)。すなわち、変換強度パラメータ取得部303は、例えば、ユーザにより入力装置106を介して入力された変換強度パラメータの値を取得する。なお、変換強度パラメータは、ユーザにより直接に値を入力させるようにしてもよいし、予め設定された複数の候補値からユーザにより選択されるようにしてもよい。
次に、補正処理部304は、差分画像データを補正する(ステップS707)。すなわち、補正処理部304は、上記のステップS706で取得した変換強度パラメータを用いて、差分画像データに対して補正処理を施し、補正差分画像データを生成する。差分画像データに対して行う補正の例としては、以下のようなものが挙げられる。
a) 差分画像データに一律に変換強度パラメータを掛けて補正する方法
一例として、差分画像データがRGB色空間である場合について説明する。差分画像データの各画素値に変換強度パラメータを掛けることで、差分画像データを補正する。この方法は、以下の式で表される。
Figure 2016086339
ここで、(Rdiff, Gdiff, Bdiff)は差分画像データのRGB値を、wは変換強度パラメータを、(Rdiff', Gdiff', Bdiff')は補正差分画像データのRGB値を表す。
このとき、変換強度パラメータwが0の場合、補正差分画像データのRGB値(Rdiff', Gdiff', Bdiff')がすべて0となる。したがって、次のステップS708で原稿画像データと補正差分画像データとを合成しても、合成後の原稿画像データ(これを「色変換済み原稿画像データ」と表す)の色は変換されないことを意味している。
また、変換強度パラメータwが1の場合、補正差分画像データのRGB値(Rdiff', Gdiff', Bdiff')は差分画像データのRGB値(Rdiff, Gdiff, Bdiff)と等しい。したがって、次のステップS708で原稿画像データと補正差分画像データとを合成すると、色変換済み原稿画像データは中間画像データと等しくなることを意味している。
また、変換強度パラメータwが0<w<1の場合、次のステップS708で原稿画像データと補正差分画像データとを合成すると、色変換済み原稿画像データは、中間原稿画像データよりも色変換の度合いが弱くなることを意味している。
また、変換強度パラメータwが1<wの場合、次のステップS708で原稿画像データと補正差分画像データとを合成すると、色変換済み原稿画像データは、中間原稿画像データよりも色変換の度合いが強くなることを意味している。
b) 差分画像データの色空間の各軸に異なる変換強度パラメータを掛けて補正する方法
一例として、差分画像データがRGB色空間である場合について説明する。差分画像データの各画素値に、R成分値、G成分値、B成分値毎に異なる変換強度パラメータを掛けることで、差分画像データを補正する。この方法は、以下の式で表される。
Figure 2016086339
ここで、(Rdiff, Gdiff, Bdiff)は差分画像データのRGB値を、(wR, wG, wB)はR成分値、G成分値、B成分値毎に異なる変換強度パラメータを、(Rdiff', Gdiff', Bdiff')は補正差分画像データのRGB値を表す。
c) 差分画像データの階調値毎に異なる変換強度パラメータを用いて補正する方法
一例として、差分画像データがRGB色空間である場合について説明する。差分画像データの各画素値に、変換強度パラメータを掛けることで、差分画像データを補正する。上記のa)の方法と異なる点は、変換強度パラメータの値が階調値毎に異なることである。階調値毎に異なる変換強度パラメータは、ルックアップテーブル(LUT)で管理すればよい。この方法は、以下の式で表される。
Figure 2016086339
ここで、(Rdiff, Gdiff, Bdiff)は差分画像データのRGB値を、w[・]は階調値毎の変換強度パラメータを格納したルックアップテーブルを、(Rdiff', Gdiff', Bdiff')は補正差分画像データのRGB値を表す。
d) 差分画像データの色空間の各軸の階調値毎に異なる変換強度パラメータを用いて補正する方法
一例として、差分画像データがRGB色空間である場合について説明する。差分画像データの各画素値に、R成分値、G成分値、B成分値毎に異なる変換強度パラメータを掛けることで、差分画像データを補正する。上記のb)の方法と異なる点は、変換強度パラメータの値が階調値毎に異なることである。階調値毎に異なる変換強度パラメータは、ルックアップテーブルで管理すればよい。この方法は、以下の式で表される。
Figure 2016086339
ここで、(Rdiff, Gdiff, Bdiff)は差分画像データのRGB値を、(wR[・], wG[・], wB[・])はR成分値、G成分値、B成分値の階調値毎の変換強度パラメータを格納したルックアップテーブルを、(Rdiff', Gdiff', Bdiff')は補正差分画像データのRGB値を表す。
続いて、画像合成部305は、原稿画像データと補正差分画像データとを合成する(ステップS708)。すなわち、画像合成部305は、原稿画像データと、上記のステップS707で生成した補正差分画像データとを合成して、原稿画像データを更新する。この更新された原稿画像データが、色変換済み原稿画像データである。原稿画像データと補正差分画像データとを合成する手順の一例を以下に示す。
(1)原稿画像データのある座標の画素値を取得する。
(2)補正差分画像データの対応する座標の画素値を取得する。
(3)上記の(1)及び(2)で得られた2つの画素値の平均を算出し、これを合成後の画素値とする。
(4)合成後の画素値を用いて原稿画像データの該当の画素の画素値を更新する。
(5)上記の(1)〜(4)を、すべての座標について行う。
なお、上記の手順では、合成後の画素値で原稿画像データを更新しているが、合成後の画素値を用いて新しい画像データを生成してもよい。また、上記の手順の(3)において、平均は相加平均に限られず、例えば、幾何平均や加重平均等を用いてもよい。
次に、ユーザは、ユーザプリンタ200を用いて色変換済み原稿画像データを印刷する(ステップS709)。すなわち、ユーザプリンタ200を用いて色変換済み原稿画像データを印刷することにより、色変換済みユーザ印刷物を得る。
ユーザは、得られた色変換済みユーザ印刷物を評価する(ステップS710)。すなわち、ユーザは、色変換済みユーザ印刷物と基準印刷物とを比較してユーザ印刷物の品質を評価する。そして、色変換済みユーザ印刷物の品質が十分であれば(ステップS711のYes)、処理を終了し、そうでなければ(ステップS711のNo)、次ステップS712に進む。なお、色変換済みユーザ印刷物の品質を評価する方法は、上記ステップS702で述べた方法と同様である。
その後、変換強度パラメータ取得部303は、変換強度パラメータの調整がユーザ等により指示されているか否かを判定する(ステップS712)。そして、変換強度パラメータの調整が指示されている場合(ステップS712のYes)、ステップS706に戻り、再度、変換強度パラメータ取得部303は、変換強度パラメータを取得する。そうでなければ(ステップS712のNo)、処理を終了する。
これによって一連の流れが完了する。図7に示す色変換処理では、処理の終了条件の判定が3つ設定されているが、これらすべてを設定する必要はない。必要に応じて適宜省略してもよいが、何れか1つは少なくとも設定されることが望ましい。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。実施例2は、差分画像データの補正処理を行う際に、差分画像データの値に基づいて補正を行うのではなく、差分画像データの画素と対応する原稿画像データの画素の画素値に基づいて補正する点が実施例1と異なる。なお、以降では、実施例1と実質的に同一の機能を有する箇所及び同一の処理を行う箇所については、実施例1と同一の符号を用いて、その説明を省略する。
<機能構成>
図8は、本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例2)。実施例2に係る画像処理システム600又はMFP700は、補正処理部304Aの機能が実施例1と異なる。
補正処理部304Aは、例えば画像処理装置606等により実現され、原稿画像データと変換強度パラメータとを用いて差分画像データに補正処理を施し、補正差分画像データを生成する。
<処理の詳細>
図9は、色変換処理の一例のフローチャートである(実施例2)。実施例2に係る色変換処理は、ステップS901の処理が実施例1と異なる。したがって、ステップS901の処理についてのみ説明する。
補正処理部304Aは、差分画像データを補正する(ステップS901)。すなわち、補正処理部304Aは、原稿画像データと、ステップS706で取得した変換強度パラメータとを用いて、差分画像データに対して補正処理を施し、補正差分画像データを生成する。差分画像データに対して行う補正の例としては、以下のようなものが挙げられる。
a) 差分画像データの画素と対応する原稿画像データの画素の階調値毎に異なる変換強度パラメータを用いて補正する方法
一例として、原稿画像データと、差分画像データとがRGB色空間である場合について説明する。差分画像データの各画素値に、変換強度パラメータを掛けることで、差分画像データを補正する。変換強度パラメータは、差分画像データの画素と対応する原稿画像データの画素の階調値毎に制御可能である。原稿画像データの画素の階調値毎に異なる変換強度パラメータは、ルックアップテーブルで管理すればよい。この方法は、以下の式で表される。
Figure 2016086339
ここで、(Rdiff, Gdiff, Bdiff)は差分画像データのRGB値を、(Rin, Gin, Bin)は原稿画像データのRGB値を、w[・]は階調値毎の変換強度パラメータを格納したルックアップテーブルを、(Rdiff', Gdiff', Bdiff')は補正差分画像データのRGB値を表す。
b) 差分画像データの画素と対応する原稿画像データの画素の色空間の各軸の階調値毎に異なる変換強度パラメータを用いて補正する方法
一例として、原稿画像データと、差分画像データとがRGB色空間である場合について説明する。差分画像データの各画素値に、R成分値、G成分値、B成分値毎に異なる変換強度パラメータを掛けることで、差分画像データを補正する。変換強度パラメータは、差分画像データの画素と対応する原稿画像データの画素の色空間の各軸の階調値毎に制御可能である。各軸の階調値毎に異なる変換強度パラメータは、ルックアップテーブルで管理すればよい。この方法は、以下の式で表される。
Figure 2016086339
ここで、(Rdiff, Gdiff, Bdiff)は差分画像データのRGB値を、(Rin, Gin, Bin)は原稿画像データのRGB値を、(wR[・], wG[・], wB[・])はR成分値、G成分値、B成分値の階調値毎の変換強度パラメータを格納したルックアップテーブルを、(Rdiff', Gdiff', Bdiff')は補正差分画像データのRGB値を表す。
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。実施例3は、差分画像データの補正処理を行う際に、原稿画像データの色空間をそのまま使用するのではなく、色相、明度、又は彩度を表現することができる色空間に変換する。そして、差分画像データの画素と対応する色空間変換後の原稿画像データの画素の色相、明度、又は彩度のうち少なくとも一つの値に基づいて差分画像データを補正する点が実施例2と異なる。これにより、原稿画像データの色相、明度、又は彩度に応じて、色変換の強度(度合い)を制御することができるようになる。
すなわち、例えば、原稿画像データの黄色に関しては色変換の度合いを弱めたい場合や原稿画像データの高明度領域に関しては色変換の度合いを弱めたい場合、原稿画像データの高彩度領域に関しては色変換の度合いを弱めたい場合等においても色変換の強度を制御することができる。なお、以降では、実施例1〜2と実質的に同一の機能を有する箇所及び同一の処理を行う箇所については、実施例1〜2と同一の符号を用いて、その説明を省略する。
<機能構成>
図10は、本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例3)。実施例3に係る画像処理システム600又はMFP700は、補正処理部304Bの機能、及び色空間変換部306を有する点が実施例2と異なる。
補正処理部304Bは、例えば画像処理装置606により実現され、色空間変換部306により色空間が変換された原稿画像データと、変換強度パラメータとを用いて、差分画像データに補正処理を施し、補正差分画像データを生成する。
色空間変換部306は、例えば画像処理装置606等により実現され、原稿画像データの色空間を、色相、明度、又は彩度を表現することができる色空間に変換する。
<処理の詳細>
図11は、色変換処理の一例のフローチャートである(実施例3)。実施例3に係る色変換処理は、ステップS1101及びステップS1102の処理が実施例2と異なる。したがって、ステップS1101及びステップS1102の処理についてのみ説明する。
色空間変換部306は、原稿画像データの色空間を、色相、明度、又は彩度を表現することができる色空間に変換する(ステップS1101)。ここで、色相、明度、又は彩度を表現することができる色空間とは、例えば、HSV色空間、HLS色空間、YCbCr色空間、L*a*b*色空間、L*u*v*色空間等である。なお、本ステップS1101で色変換を行った原稿画像データは、ステップS1101の処理でのみ用いられる。
補正処理部304Bは、差分画像データを補正する(ステップS1102)。すなわち、補正処理部304Bは、上記のステップS1101で色空間を変換した原稿画像データと、ステップS706で取得した変換強度パラメータとを用いて、差分画像データに対して補正処理を施し、補正差分画像データを生成する。差分画像データに対して行う補正の例としては、以下のようなものが挙げられる。なお、以降では、原稿画像データの色空間が、L*a*b*色空間に変換されたものとして説明する。L*a*b*色空間に色空間における色相hと彩度C*は以下の式で定義される。
Figure 2016086339
a) 差分画像データの画素と対応する原稿画像データの画素の色相毎に異なる変換強度パラメータを用いて補正する方法
一例として、色空間変換後の原稿画像データがL*a*b*色空間、差分画像データがRGB色空間である場合について説明する。差分画像データの各画素値に、変換強度パラメータを掛けることで、差分画像データを補正する。変換強度パラメータは、差分画像データの画素と対応する、色空間変換後の原稿画像データの画素の色相毎に制御可能である。色相毎に異なる変換強度パラメータは、ルックアップテーブルで管理すればよい。この方法は、以下の式で表される。
Figure 2016086339
ここで、(Rdiff, Gdiff, Bdiff)は差分画像データのRGB値を、hinは色空間変換後の原稿画像データの色相hを、w[・]は色相毎の変換強度パラメータを格納したルックアップテーブルを、(Rdiff', Gdiff', Bdiff')は補正差分画像データのRGB値を表す。
b) 差分画像データの画素と対応する原稿画像データの画素の明度毎に異なる変換強度パラメータを用いて補正する方法
一例として、色空間変換後の原稿画像データがL*a*b*色空間、差分画像データがRGB色空間である場合について説明する。差分画像データの各画素値に、変換強度パラメータを掛けることで、差分画像データを補正する。変換強度パラメータは、差分画像データの画素と対応する、色空間変換後の原稿画像データの画素の明度毎に制御可能である。明度毎に異なる変換強度パラメータは、ルックアップテーブルで管理すればよい。この方法は、以下の式で表される。
Figure 2016086339
ここで、(Rdiff, Gdiff, Bdiff)は差分画像データのRGB値を、L*inは色空間変換後の原稿画像データの明度L*を、w[・]は色相毎の変換強度パラメータを格納したルックアップテーブルを、(Rdiff', Gdiff', Bdiff')は補正差分画像データのRGB値を表す。
c) 差分画像データの画素と対応する原稿画像データの画素の彩度毎に異なる変換強度パラメータを用いて補正する方法
一例として、色空間変換後の原稿画像データがL*a*b*色空間、差分画像データがRGB色空間である場合について説明する。差分画像データの各画素値に、変換強度パラメータを掛けることで、差分画像データを補正する。変換強度パラメータは、差分画像データの画素と対応する、色空間変換後の原稿画像データの画素の彩度毎に制御可能である。彩度毎に異なる変換強度パラメータは、ルックアップテーブルで管理すればよい。この方法は、以下の式で表される。
Figure 2016086339
ここで、(Rdiff, Gdiff, Bdiff)は差分画像データのRGB値を、C*inは色空間変換後の原稿画像データの彩度C*を、w[・]は色相毎の変換強度パラメータを格納したルックアップテーブルを、(Rdiff', Gdiff', Bdiff')は補正差分画像データのRGB値を表す。
なお、差分画像データを補正する方法は、上記のa)〜c)の方法に限られず、上記のa)〜c)の方法のうち2以上の方法を組み合わせた方法で補正してもよい。例えば、上記のa)の方法で差分画像データを補正した後、上記のb)又はc)の方法でさらに補正してもよい。
(実施例4)
次に、実施例4について説明する。実施例4は、基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性が未知である点が実施例1〜3と異なる。したがって、実施例4では、基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性の推定を行う。なお、以降では、実施例1と実質的に同一の機能を有する箇所及び同一の処理を行う箇所については、実施例1と同一の符号を用いて、その説明を省略する。
<機能構成>
図12は、本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例4)。実施例4に係る画像処理システム600又はMFP700は、画像読み取り部307、幾何学変換パラメータ推定部308、画素値対応付け部309、色再現特性推定部310を有する点が実施例1と異なる。なお、図12では、これら以外の各構成は実施例1と同様であるが、実施例2又は実施例3と同様の構成としてもよい。すなわち、補正処理部304の代わりに補正処理部304Aで構成されていてもよいし、補正処理部304の代わりに補正処理部304Bを有するとともに、色空間変換部306を有していてもよい。
画像読み取り部307は、例えば画像入力装置601等により実現され、原稿画像データの出力結果である基準印刷物及びユーザ印刷物を読み取り、基準画像データ及びユーザ画像データを生成する。
幾何学変換パラメータ推定部308は、例えば画像解析装置604等により実現され、原稿画像データと基準画像データ、原稿画像データとユーザ画像データのそれぞれの幾何学変換パラメータを推定する。
画素値対応付け部309は、例えば画像解析装置604等により実現され、幾何学変換パラメータを用いて、原稿画像データの画素に対応する位置の基準画像データの画素を検出し、それらの画素値を色成分の組合せ毎に対応付けて画素値対応付けデータを作成する。同様に、画素値対応付け部309は、幾何学変換パラメータを用いて、原稿画像データの画素に対応する位置のユーザ画像データの画素を検出し、それらの画素値を色成分の組合せ毎に対応付けて画素値対応付けデータを作成する。
色再現特性推定部310は、例えば画像解析装置604等により実現され、画素値対応付けデータを用いて、基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を推定(決定)する。
<処理の詳細>
≪色変換処理≫
図13は、色変換処理の一例のフローチャートである(実施例4)。実施例3に係る色変換処理は、ステップS1301〜ステップS1305の処理が実施例1と異なる。したがって、ステップS1301〜ステップS1305の処理についてのみ説明する。
色再現特性推定部310は、原稿画像データと基準画像データとに基づき、基準色再現特性を推定する(ステップS1301)。色再現特性推定部310による基準色再現特性の推定処理の詳細は、後述する。なお、本ステップは1回だけ実行すればよい。仮に複数回実行する場合、本ステップで使用する原稿画像データはオリジナルのものを用い、色変換後のものを用いないことに留意する必要がある。
色再現特性推定部310は、原稿画像データとユーザ画像データとに基づき、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する(ステップS1302)。色再現特性推定部310によるユーザ色再現特性の逆特性の推定処理の詳細は、後述する。
次に、ユーザは、上記のステップS1301及びステップS1302で推定した基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を評価する(ステップS1303)。推定した色再現特性が妥当であれば(ステップS1304のYes)、次ステップS704に進み、そうでなければ(ステップS1304のNo)、処理を終了する。
色再現特性が妥当か否かを判断するのは、この特性で色変換を実行することに意味があるか否かを判断するためであり、色変換の収束判定と換言することもできる。このため、ステップS1303は必要に応じて省略しても良い。色変換を実行する意味がない例としては、次のようなものが挙げられる。なお、本実施形態に係る画像処理システム600又はMFP700は、このような判断を行う写像判定手段(不図示)を有していてもよい。
a)推定した色再現特性の推定精度が極端に低いケース
このような場合、色変換を施しても基準印刷物の色に合わせることができないので変換しないことが好ましい。
b)色変換の変換前後で画像データがほとんど変化しないケース
このような場合、色変換を実行する意味がない。
c)色変換の変換前後で画像データが極端に変化するケース
このような場合、色変換はユーザ印刷物の色を大きく変化させるので変換しないことが好ましい。
上記a)で記載の色再現特性の妥当性を判断する基準の例としては、実測値と推定値がどれだけ離れているかが挙げられる。基準色再現特性を例にとれば、画素値対応付けデータに登録されている基準画像データの値(実測値)と基準色再現特性で推定した値(推定値)の差を用いる。
この離れ具合を測る尺度の例としては、
・実測値と推定値の差の絶対値を累積した値
・実測値と推定値の二乗を累積した値
・実測値と推定値の差の絶対値の最大値
・実測値と推定値との相関係数
等が挙げられる。
また、上記b)、c)で記載の色再現特性の妥当性を判断する基準の例としては、色変換において画素値がどれだけ変換するかが挙げられる。RGB色空間を例に取れば、変換前後のR成分値の差、変換前後のG成分値の差、変換前後のB成分値の差を用いる。この変換度合いを測る尺度の例としては、
・変換前後の画素値の差の絶対値を累積した値
・変換前後の画素値の差の二乗を累積した値
・変換前後の画素値の差の絶対値の最大値
等が挙げられる。
これらの尺度で計測して得られる評価値が予め決められた所定の範囲内に存在することで、色再現特性が妥当であると判断することができる。
また、ステップS712の処理において変換強度パラメータの調整が指示されていない場合(ステップS712のNo)、色変換部301は、処理の継続が例えばユーザ等により指示されているかを判別する(ステップS1305)。処理の継続が指示されている場合(ステップS1305のYes)、ステップS708で生成した色変換済み原稿画像データと、ステップS700で印刷した色変換済みユーザ印刷物(ユーザ画像データ)とに基づいて、再びステップS1302の処理を行う。このように、次のループで用いる原稿画像データは、すべて色変換済み原稿画像データを用いる。
これによって一連の流れが完了する。図13に示す色変換処理では、処理の終了条件の判定が4つ設定されているが、これらすべてを設定する必要はない。必要に応じて適宜省略してもよいが、何れか1つは少なくとも設定されることが望ましい。
なお、図13並びに後述する図14及び図16において、スキャナ300で読み取った際に使用された色空間をそのまま使用しているが、この色空間はデバイス依存の色空間であるため、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することが望ましい。デバイス非依存の色空間の例としては、デバイス非依存のRGB色空間、XYZ色空間等が挙げられる。さらに、L*a*b*色空間など均等色空間に変換すればなおよい。したがって、本実施形態に係る画像処理システム600又はMFP700は、基準画像データ及びユーザ画像データをデバイス非依存の色空間に変換する第二の色空間変換手段(不図示)を有していてもよい。
スキャナ300で読み取った基準画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須であるが、原稿画像データと基準画像データ、又は、原稿画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須ではない。例えば、原稿画像データの色空間がCMYK色空間であり、基準画像データとユーザ画像データがRGB色空間であっても構わない。
≪基準色再現特性の推定処理≫
次に、図13のステップS1301の基準色再現特性の推定処理について説明する。図14は、基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。
画像読み取り部307は、基準印刷物を読み取り、基準画像データを生成する(ステップS1401)。
幾何学変換パラメータ推定部308は、原稿画像データと基準画像データの位置を合わせる(ステップS1402)。
2つの画像データの位置合わせを行うに先立って、幾何学変換パラメータ推定部308は、原稿画像データを基準とした時の基準画像データの幾何学変換パラメータを求める。幾何学変換パラメータの例としては、変位量、回転角、変倍率などがある。幾何学パラメータの推定には公知の技術を用いればよい。その例としては、マーカーを用いる方法や、マーカーを用いないパターンマッチング法や位相限定相関法などが挙げられる。
a) マーカーを用いる方法
「トンボ」と呼ばれるマーカーを原稿画像データの四隅や各辺の中央に配置したうえで出力し、基準画像データを読み取った際に、このトンボマーカの位置のずれを用いて、変位量や回転角、変倍率を求める方法である。
b) パターンマッチング法を用いる方法
変位量のみを推定する方法の一例としては、テンプレートマッチング法が挙げられる。テンプレートマッチング法は一方の画像をテンプレートとし、位置を少しずつずらしながら他方の画像と一致度を求め、最も一致度の高くなる位置を検出するものである。幾何学変換が変位だけに限定できない場合には、回転角を推定する方法(ハフ変換など)や変倍量を推定する方法(マルチスケール解析など)と組み合わせて利用する必要がある。
テンプレートマッチングを応用したブロックマッチング法では、一方の画像をブロックに分割し、ブロックごとに他方の画像と最も一致度の高くなる位置を検出することにより変位量を求めることができる。ブロックマッチング法では、ブロックごとの変位量から回転角や変倍率を推定することも可能である。
c) 位相限定相関法を用いる方法
高い精度で変位量や回転角、変倍率を求める方法の例として、位相限定相関法(POC、Phase Only Correlation)や回転不変位相限定相関法(RIPOC、Rotation Invariant Phase Only Correlation)がある。位相限定相関法は、画像に対して離散フーリエ変換をかけて得られる位相画像を用い、比較対象の二枚の画像から得られる二つの位相画像の相関が最も高くなる位置を検出することにより、変位量を求める手法である。また、回転不変位相限定相関法は、上記位相画像を対数極座標変換することにより、回転角と変倍率を変換された位相画像上での変位量として検出できるようにしたものである。
以上により幾何学変換パラメータが求まったら、幾何学変換パラメータ推定部308は基準画像データに幾何学変換を実行する。変換に際してサブピクセル精度の移動や何らかの回転、実数値での変倍などにより変換前後の画素が一対一で対応付かないようなケースでは、適宜画素補間手法を用いて画素値を導出すればよい。画素補間手法の例としては、バイリニア法、バイキュービック法などが挙げられる。
なお、幾何学変換は必須ではなく、次ステップにおいて原稿画像データと基準画像データにおいて同じ位置の画素を取得する際に、幾何学変換パラメータを用いて座標変換を行い、同じ位置か否かを判断することによって代替してもよい。後者を換言すれば、各画像の原点を基準とする座標系では異なる座標値を保持していても、幾何学変換の結果、同じ座標値となる画素を「同じ位置の画素」と見なすことになる。
原稿画像データを出力して得られた印刷物には画像の周囲に余白が存在するケースが存在する。この様なケースでは、幾何学変換の変位量に余白部分の高さや幅が含まれるため余白部分を参照することはないが、出力画像データにおいて余白部分を排除するように必要な領域を切り出し、各画像における原点の位置を一致させてもよい。
次に、画素値対応付け部309は、原稿画像データと基準画像データの同じ位置の画素値を色成分の組合せごとに対応付ける(ステップS1403)。すなわち、画素値対応付け部309は、原稿画像データと基準画像データの位置合わせが完了したら、二つの画像データにおいて対応する画素の画素値を取得し、これらを色成分の組合せごとに対応付けて画素値対応付けデータを作成する。なお、画像データを幾何学変換して位置合わせを行う場合には、「対応する画素」とは「同じ位置にある画素」である。一方、画像データを幾何学変換しない場合には、座標変換によって同じ座標値となる位置を「同じ位置」とし、その位置に存在する画素を「対応する画素」と見なす。
画素値を色成分の組合せごとに対応付けて記録する方法の例としては、リスト形式で記録する方法がある。原稿画像データと基準画像データが両方ともRGB画像で各色成分が256階調であるケースを想定して説明する。画素値のリストへの記録は次の手順で行う。
(1)リストを1枚用意する。
(2)原稿画像データのある座標を選択する。
(3)上記の(2)で選択された原稿画像データの画素のR成分値(Rin)と、G成分値(Gin)と、B成分値(Bin)と、基準画像データの対応する画素のR成分値(Rout1)と、G成分値(Gout1)と、B成分値(Bout1)と、を束ねてリストに追加する。
(4)これを原稿画像データの全ての座標について繰り返す。
これらのリストは必要に応じて昇順や降順に並び替えてもよい。処理を簡略化するために、原稿画像データの全ての座標について繰り返すのではなく、特定の範囲に限定したり、所定の刻み幅で座標を移動したりしてもよい。なお、リスト形式で記録したデータの一例を図15に示す。図15では、左半分に原稿画像データの画素の各成分値(Rin, Gin, Bin)が記録されており、右半分に基準画像データの対応する画素各成分値(Rout1, Gout1, Bout1)が記録されている。
なお、画素値対応付けデータを生成する際には、画像データ(原稿画像データ、基準画像データ)のコンテンツの輪郭部分を除くことが望ましい。これは、位置合わせにおいて、輪郭部分を完全に合わせることが困難であり、画素値の対応付けに誤りが発生する可能性があるためである。画素値対応付けに誤りが発生すると、後述する色再現特性の推定精度を低下させてしまう。
輪郭部分を検出する方法としては、例えば、二値化を用いる方法や、エッジ検出を用いる方法がある。
二値化を用いる方法としては、例えば、画像データを所定の閾値で白黒に二値化し、白い領域と黒い領域とが隣接する箇所を輪郭部分として判断する方法がある。
エッジ検出を用いる方法としては、例えば、画像データからSobel法などを用いてエッジ画像を生成し、これを所定の閾値で二値化して閾値以上の画素を輪郭部分として判断する方法がある。
なお、輪郭部分を除去せずに、上記の推定精度の低下を緩和する方法もある。例えば、画像データを平滑化して輪郭部分を滑らかにし、輪郭部分で出現する色差を低減するというものである。平滑化には、平均化フィルタやローパスフィルタなど従来技術を用いればよい。
次に、色再現特性推定部310は、基準色再現特性を推定する(ステップS1404)。すなわち、ステップS1403で生成した画素値対応付けデータを用いて、原稿画像データのある画素値が基準画像データのどの画素値が対応付くかを求める。ステップS1403と同様に原稿画像データと基準画像データが両方ともRGB画像で各色成分が256階調であるとして説明する。
基準色再現特性の推定とは、画素値対応付けデータを用いて、原稿画像データの色成分値(Rin, Gin, Bin)から基準画像データの色成分値(Rout1, Gout1, Bout1)への色変換を行なう際の対応関係を表す色変換特性を推定することである。
基準色再現特性を推定する方法としては、例えば次のような多項式関数近似が挙げられる。
Figure 2016086339
ここで、Xは原稿画像データの色成分値[Rin, Gin, Bin]t、Yは基準画像データの色成分値[Rout1, Gout1, Bout1]t、MSは補正係数行列、fは補正関数である。補正関数f(X)は、以下の式等が用いられる。
Figure 2016086339
原稿画像データと基準画像データとの間が線形歪みをもつときは、補正係数f(X)=[Rin, Gin, Bin]tの3項に、3×3の補正係数行列MSを操作した線形変換による推定で十分であるが、複雑な非線形歪みをもつときは高次の関数項を用いて高精度の色再現特性の推定が必要となる。
補正係数MSは、例えば最小2乗法により求めることができる。画素値対応付けデータに記憶されたN個の基準画像データの色成分値Y(n)(n=1〜N)に対応する原稿画像データの色成分値X(n)(n=1〜N)を用いて、
Figure 2016086339
の最小条件により、次式で計算される。
Figure 2016086339
ここで、YN及びXNはN個の画素値対応付けデータ行列を表し、YNは基準画像データの色成分値行列であり、XNは原稿画像データの色成分値行列を表す。
Figure 2016086339
Figure 2016086339
ここで、Rout1(n)は画素値対応付けデータに登録されているn番目の基準画像データのR成分値を表し、Rin(n)は画素値対応付けデータに登録されているn番目の原稿画像データのR成分値を表す(Gout1(n)、Bout1(n)、Gin(n)、Bin(n)も同様である)。
f(XN)は、原稿画像データの色成分値の関数項行列で、2次関数の場合を例にとれば、次の10×Nの行列となる。
Figure 2016086339
なお、基準色再現特性の推定に用いる関数項は、複数の色成分値を基にした多次元のデータであれば、上述したものに限定されるものではない。また、基準色再現特性の推定方法の一例として多項式近似を挙げたが、その他にも画素値対応付けデータを学習データに用いたニューラルネットワークなどで特性を推定することも可能である。また、ステップS1403で生成した画素値対応付けデータにおいて原稿画像データの全ての座標について対応関係を記録してある場合には、画素値対応付けデータをそのまま基準色再現特性として用いることもできる。
以上により推定された基準色再現特性は、例えば色再現特性記憶装置605に記憶される。
≪ユーザ色再現特性の逆特性の推定処理≫
次に、図13のステップS1302のユーザ色再現特性の逆特性の推定処理について説明する。図16は、ユーザ色再現特性の逆特性の推定処理の一例のフローチャートである。
ステップS1601〜ステップS1603の処理は、それぞれ図14のステップS1401〜ステップS1403の処理において「基準画像データ」を「ユーザ画像データ」と読み替える。すると、ステップS1601〜ステップS1603の処理は、それぞれ図14のステップS1401〜ステップS1403の処理と同様のため説明を省略する。
ステップS1603においてリスト形式で記録したデータの一例を図17に示す。図17では、左半分に原稿画像データの画素の各成分値(Rin, Gin, Bin)が記録されており、右半分にユーザ画像データの対応する画素各成分値(Rout2, Gout2, Bout2)が記録されている。
次に、色再現特性推定部310は、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する(ステップS1604)。すなわち、ステップS1603で生成した画素値対応付けデータを用いて、ユーザ画像データのある画素値が原稿画像データのどの画素値が対応付くかを求める。ステップS1403と同様にユーザ画像データと原稿画像データが両方ともRGB画像で各色成分が256階調であるとして説明する。
ユーザ色再現特性の逆特性の推定とは、画素値対応付けデータを用いて、ユーザ画像データの色成分値(Rout2, Gout2, Bout2)から原稿画像データの色成分値(Rin, Gin, Bin)への色変換を行なう際の対応関係を表す色変換特性を推定することである。
ユーザ色再現特性の逆特性を推定する方法としては、例えば次のような多項式関数近似が挙げられる。
Figure 2016086339
ここで、Xはユーザ画像データの色成分値[Rout2, Gout2, Bout2]t、Yは原稿画像データの色成分値[Rin, Gin, Bin]t、MSは補正係数行列、fは補正関数である。補正関数f(X)は、以下の式等が用いられる。
Figure 2016086339
ユーザ画像データと原稿画像データとの間が線形歪みをもつときは、補正係数f(X)=[Rout2, Gout2, Bout2]tの3項に、3×3の補正係数行列MSを操作した線形変換による推定で十分であるが、複雑な非線形歪みをもつときは高次の関数項を用いて高精度の色再現特性の推定が必要となる。
補正係数MSは、例えば最小2乗法により求めることができる。画素値対応付けデータに記憶されたN個の原稿画像データの色成分値Y(n)(n=1〜N)に対応するユーザ画像データの色成分値X(n)(n=1〜N)を用いて、
Figure 2016086339
の最小条件により、次式で計算される。
Figure 2016086339
ここで、YN及びXNはN個の画素値対応付けデータ行列を表し、YNは原稿画像データの色成分値行列であり、XNはユーザ画像データの色成分値行列を表す。
Figure 2016086339
Figure 2016086339
ここで、Rout2(n)は画素値対応付けデータに登録されているn番目のユーザ画像データのR成分値を表し、Rin(n)は画素値対応付けデータに登録されているn番目の原稿画像データのR成分値を表す(Gout2(n)、Bout2(n)、Gin(n)、Bin(n)も同様である)。
f(XN)は、原稿画像データの色成分値の関数項行列で、2次関数の場合を例にとれば、次の10×Nの行列となる。
Figure 2016086339
なお、ユーザ色再現特性の逆特性の推定に用いる関数項は、複数の色成分値を基にした値を含む多次元のデータであれば、上述したものに限定されるものではない。また、ユーザ色再現特性の逆特性の推定方法の一例として多項式近似を挙げたが、その他にも画素値対応付けデータを学習データに用いたニューラルネットワークなどで特性を推定することも可能である。ただし、ステップS1404とは異なり、ステップS1603で生成した画素値対応付けデータをそのままユーザ色再現特性の逆特性として用いることはできない。これは、基準画像データにある画素値の色成分の組合せが、ユーザ画像データ内にあるとは限らないため、画素値対応付けデータには存在しない画素値の色成分の組合せに対しても、推定する必要があるためである。
以上により推定されたユーザ色再現特性の逆特性は、例えば色再現特性記憶装置605に記憶される。
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理システム600又はMFP700は、原稿画像データに対して色変換を施すことで、基準印刷物とユーザ印刷物の色合わせを行うことができる。また、本実施形態に係る画像処理システム600又はMFP700は、原稿画像データに対して色変換を行った結果出力されたユーザ印刷物が、ユーザの意図する色でない場合、変換強度パラメータを調整することで、所望の色変換を行うことができるようになる。したがって、ユーザが画像処理に関して専門的な知識を有しない場合であっても、簡便に所望のユーザ印刷物を得ることができる。
なお、色変換部301は、色変換手段の一例である。差分処理部302は、差分処理手段の一例である。変換強度パラメータ取得部303は、変換強度パラメータ取得手段の一例である。補正処理部304、補正処理部304A、及び補正処理部304Bは、補正処理手段の一例である。画像合成部305は、画像合成手段の一例である。色空間変換部306は、第一の色空間変換手段の一例である。幾何学変換パラメータ推定部308は、幾何学変換パラメータ推定手段の一例である。画素値対応付け部309は、画素値対応付け手段の一例である。色再現特性推定部310は、写像推定手段の一例である。
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
100 コンピュータ
101 色変換部
102 差分処理部
103 変換強度パラメータ取得部
104 補正処理部
105 画像合成部
106 色空間変換部
107 画像読み取り部
108 幾何学変換パラメータ推定部
109 画素値対応付け部
110 色再現特性推定部
200 ユーザプリンタ
300 スキャナ
400 基準プリンタ
500 ネットワーク
600 画像処理システム
601 画像入力装置
602 画像出力装置
603 画像記憶装置
604 画像解析装置
605 色再現特性記憶装置
606 画像処理装置
607 パラメータ入力装置
700 MFP
特開2013−30996号公報

Claims (12)

  1. 第一の画像出力手段が原稿画像データを出力した第一の出力結果の色を、第二の画像出力手段が前記原稿画像データを出力した第二の出力結果において再現する画像処理装置であって、
    前記原稿画像データの色から読み取り装置が前記第一の出力結果を読み取った第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記読み取り装置が前記第二の出力結果を読み取った第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換して中間画像データを生成する色変換手段と、
    前記原稿画像データと前記中間画像データとの対応する画素の画素値の差分を算出して差分画像データを生成する差分処理手段と、
    前記原稿画像データの画素値の色変換の強度を制御するための変換強度パラメータを取得する変換強度パラメータ取得手段と、
    前記差分画像データと前記変換強度パラメータとに基づいて、前記差分画像データの画素値が変換された補正差分画像データを生成する補正処理手段と、
    前記原稿画像データと前記補正差分画像データとの対応する画素の画素値について所定の演算を行い、前記原稿画像データと前記補正差分画像データとを合成する画像合成手段と、
    を有する画像処理装置。
  2. 前記補正処理手段は、
    前記差分画像データの画素値と前記変換強度パラメータとに基づいて、前記差分画像データの画素値が変換された補正差分画像データを生成する、請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記補正処理手段は、
    前記差分画像データの画素と対応する前記原稿画像データの画素の画素値と、前記変換強度パラメータとに基づいて、前記差分画像データの画素値が変換された補正差分画像データを生成する、請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記原稿画像データの色空間を、色相、明度、又は彩度を表すことができる色空間に変換する第一の色空間変換手段を有し、
    前記補正処理手段は、
    前記差分画像データの画素と対応する前記第一の色空間変換手段により変換された前記原稿画像データの画素の色相、明度、又は彩度のうちの少なくとも1つの値と、前記変換強度パラメータとに基づいて、前記差分画像データの画素値が変換された補正差分画像データを生成する、請求項1記載の画像処理装置。
  5. 前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第一の幾何学変換パラメータと、前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第二の幾何学変換パラメータとを推定する幾何学変換パラメータ推定手段と、
    前記第一の幾何学変換パラメータを用いて前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータと、前記第二の幾何学変換パラメータを用いて前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータとをそれぞれ生成する画素値対応付け手段と、
    を有し、
    前記第一の写像は、
    前記第一の画素値対応付けデータに基づいて前記原稿画像データから前記第一の出力画像データの色を推定し、
    前記第二の写像は、
    前記第二の画素値対応付けデータに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記第一の写像と前記第二の写像を決定する写像推定手段を有し、
    前記写像推定手段は、
    前記原稿画像データの複数の色成分値を基にした多次元のデータを用いて前記第一の出力画像データの色を推定する前記第一の写像を決定し、前記第二の出力画像データの複数の色成分値を基にした多次元のデータを用いて前記原稿画像データの色を推定する前記第二の写像を決定する、請求項5記載の画像処理装置。
  7. 画像データをデバイス非依存の色空間に変換する第二の色空間変換手段を有し、
    前記写像推定手段は、
    前記第一の出力画像データ及び前記第二の出力画像データを前記第二の色空間変換手段によりデバイス非依存の色空間に変換した後、該変換された第一の出力画像データ及び第二の出力画像データを用いて前記第一の写像及び前記第二の写像を決定する、請求項6記載の画像処理装置。
  8. 前記第一の写像及び前記第二の写像が所定の基準を満たすか否かを判定する写像判定手段を有し、
    前記色変換手段は、
    前記写像判定手段により、前記第一の写像及び前記第二の写像が前記所定の基準を満たすと判定された場合、該第一の写像及び前記第二の写像に基づいて前記原稿画像データの画素値を変換して前記中間画像データを生成する、請求項6又は7記載の画像処理装置。
  9. 前記画素値対応付け手段は、
    前記原稿画像データ、前記第一の出力画像データ、及び前記第二の出力画像データの各コンテンツの輪郭部分を除外した後、前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せの対応付け、及び、前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けを行う、請求項5ないし8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記第一の出力画像データと前記第二の出力画像データとの一致度を評価する色評価手段を有し、
    前記色変換手段は、
    前記色評価手段により前記第一の出力画像データと前記第二の出力画像データとの一致度が所定の基準を満たすと評価された場合、前記原稿画像データの画素値を変換して前記中間画像データを生成する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 第一の画像出力手段が原稿画像データを出力した第一の出力結果の色を、第二の画像出力手段が前記原稿画像データを出力した第二の出力結果において再現する画像処理装置に用いられる画像処理方法であって、
    前記原稿画像データの色から読み取り装置が前記第一の出力結果を読み取った第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記読み取り装置が前記第二の出力結果を読み取った第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換して中間画像データを生成する色変換手順と、
    前記原稿画像データと前記中間画像データとの対応する画素の画素値の差分を算出して差分画像データを生成する差分処理手順と、
    前記原稿画像データの画素値の色変換の強度を制御するための変換強度パラメータを取得する変換強度パラメータ取得手順と、
    前記差分画像データと前記変換強度パラメータとに基づいて、前記差分画像データの画素値が変換された補正差分画像データを生成する補正処理手順と、
    前記原稿画像データと前記補正差分画像データとの対応する画素の画素値について所定の演算を行い、前記原稿画像データと前記補正差分画像データとを合成する画像合成手順と、
    を有する画像処理方法。
  12. 原稿画像データから第一の出力結果を出力する第一の画像出力機と、前記原稿画像データから第二の出力結果を出力する第二の画像出力機と、前記第一の出力結果及び前記第二の出力結果を読み取ってそれぞれ第一の出力画像データ及び第二の出力画像データを生成する読み取り装置と、前記第二の出力結果の色を前記第一の出力結果において再現するための処理を行う画像処理装置とを有する画像処理システムであって、
    前記原稿画像データの色から前記第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換して中間画像データを生成する色変換手段と、
    前記原稿画像データと前記中間画像データとの対応する画素の画素値の差分を算出して差分画像データを生成する差分処理手段と、
    前記原稿画像データの画素値の色変換の強度を制御するための変換強度パラメータを取得する変換強度パラメータ取得手段と、
    前記差分画像データと前記変換強度パラメータとに基づいて、前記差分画像データの画素値が変換された補正差分画像データを生成する補正処理手段と、
    前記原稿画像データと前記補正差分画像データとの対応する画素の画素値について所定の演算を行い、前記原稿画像データと前記補正差分画像データとを合成する画像合成手段と、
    を有する画像処理システム。
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