JP2016085699A - 媒体取扱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上下方向に集積された全ての媒体を広範囲に汚損させる。
【解決手段】矩形状の媒体を上下方向に集積するステージと、上下方向に延設されており、かつ、ステージの上面に集積された媒体に対して液体を噴射する複数本の液体噴射ノズル18を備える液体噴射機構9とを有しており、液体噴射ノズルは、集積された媒体の少なくとも3つの側辺と対向する位置にそれぞれ設けられ、それぞれの液体噴射ノズルは、対向する側辺に対して所定の噴射角度で液体を噴射するように配置されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、破壊や盗難等の犯罪行為(非常事態)の発生時に、液体を噴射して媒体を汚損させる液体噴射機構を有する媒体取扱装置に関する。
従来、媒体を取り扱う媒体取扱装置の一種として、現金を取り扱う現金取扱装置がある。現金取扱装置には、現金取扱装置を破壊して、内部に収納されている媒体(紙幣)を盗む犯罪行為(非常事態)の発生時に、液体を媒体(紙幣)に噴射して媒体を汚損させる機能が付与されている。ここで、「汚損」とは、液体が媒体の内部に浸透している状態を意味している。この機能は、例えば、装置の内部に収納されている媒体収納庫に液体噴射機構を設けることによって実現している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
媒体収納庫は、媒体を内部に収納する構成要素である。媒体収納庫は、装置から取り外した状態で運搬することができるように、装置に対して取り付け及び取り外しが自在なユニットとして構成されている場合が多い。また、媒体収納庫は、媒体を上下方向に集積した状態(積層した状態)で収納する構成になっている場合が多い。
液体噴射機構は、仮に、前記した犯罪行為(非常事態)が発生することがあった場合に、媒体収納庫の内部に収納されている媒体を汚損させて、媒体を使用することが困難な状態にする。これによって、液体噴射機構は、盗まれた媒体が使用されることを防止する。また、液体噴射機構は、仮に、盗まれた媒体が使用されるようなことがあった場合に、盗まれた媒体が使用されたことを発見し易くするとともに、盗まれた媒体を使用した人物を特定し易くし、もって、前記した犯罪行為(非常事態)が再度発生することを抑止する。
特開2010−55134号公報 特開2011−224566号公報
従来の液体噴射機構を有する媒体取扱装置は、以下に説明するように、(1)上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させることが望まれている、という課題、及び、(2)上下方向に集積された全ての媒体を広範囲に汚損させることが望まれている、という課題があった。
<(1)の課題について>
従来の液体噴射機構を有する媒体取扱装置は、比較的治安の安定した国で使用することを意図されていた。このような従来の液体噴射機構を有する媒体取扱装置は、仮に、前記した犯罪行為(非常事態)が発生することがあったとしても、媒体収納庫の内部に収納されている全ての媒体をある程度汚損させて、各媒体を使用することが困難な状態にすることができれば十分であった。そのため、従来の液体噴射機構を有する媒体取扱装置は、媒体に対して液体を噴射するのみで、必ずしも、一枚一枚の媒体の汚損面積を一定面積以上にすることまでを意図した構成になっていなかった。したがって、従来の液体噴射機構を有する媒体取扱装置によって汚損された媒体の中に、小面積しか汚損されていないものが含まれることがあった。
しかしながら、海外の国々の中には、前記した犯罪行為(非常事態)が頻繁に発生する、治安の不安定な国がある。このような国では、盗まれた媒体の汚損面積が小さい場合に、盗まれた媒体が使用される可能性がある。そのため、このような国では、上下方向に集積された各媒体の汚損面積が一定面積以上になるようにすることが、望まれていた。
したがって、従来の液体噴射機構を有する媒体取扱装置は、治安の不安定な国で使用することを意図した場合に、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させることが望まれていた。
<(2)の課題について>
一般に、多数の媒体が上下方向に集積されている集積媒体に対して、液体を噴射した場合に、中層の各媒体の汚損面積は、下層及び上層の各媒体の汚損面積よりも狭くなる傾向にある。この傾向は、以下の原理によって、発生する。
例えば、集積媒体の中層及び下層の各媒体は、多数の媒体が積み重なるように集積されているため、他の媒体の重みによる影響を受けて、密集した状態になっている。したがって、中層及び下層の各媒体は、他の媒体との間に隙間がない状態になっており、言い換えると、中層及び下層の各媒体の側辺によって壁面が形成された状態になっている。そのため、中層及び下層の各媒体は、仮に、液体の噴射を受けた場合に、各媒体の側辺で形成された壁面が液体を弾いてしまう。そのため、積み重なった各媒体の内部に液体が浸透し難い状態になっている。
ただし、上層及び中層の各媒体の壁面により弾かれた液体は、重力により落下して、媒体収納庫の内部の下方部分に溜まる。そのため、下層の各媒体は、液体噴射機構から噴射される液体に加えて、上方から落下してくる液体によっても汚損される。これにより、液体が、下層の各媒体の内部に浸透する。したがって、下層の各媒体の汚損面積は、中層の各媒体の汚損面積よりも広くなる傾向にある。
一方、集積媒体の上層の各媒体は、少数の媒体しか積み重ねられていないため、他の媒体の重みによる影響が少なく、あまり密集していない状態になっている。したがって、上層の各媒体の側辺によっても壁面は形成されるものの、他の媒体との間に隙間がある状態になっている。そのため、上層の各媒体は、仮に、液体の噴射を受けた場合に、壁面で液体を弾いてしまうことが少なく、積み重なった各媒体の内部に液体が浸透し易い状態になっている。したがって、上層の各媒体の汚損面積は、中層の各媒体の汚損面積よりも広くなる傾向にある。
このような原理により、下層の各媒体の汚損面積は、中層の各媒体の汚損面積よりも広くなる。また、上層の各媒体の汚損面積は、中層の各媒体の汚損面積よりも広くなる。その結果、中層の各媒体の汚損面積は、下層及び上層の各媒体の汚損面積よりも狭くなる傾向にある。
従来の液体噴射機構を有する媒体取扱装置は、中層の各媒体に対する液体の浸透のし難さを考慮した構成になっていなかった。そのため、従来の液体噴射機構を有する媒体取扱装置は、必ずしも、上下方向に集積された全ての媒体(特に、中層の各媒体)を広範囲に汚損させることができない場合があった。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させるとともに、全ての媒体を広範囲に汚損させることができる液体噴射機構を有する媒体取扱装置を提供することを主な目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、媒体を取り扱う媒体取扱装置であって、矩形状の媒体を上下方向に集積するステージと、上下方向に延設されており、かつ、前記ステージの上面に集積された媒体に対して液体を噴射する複数本の液体噴射ノズルを備える液体噴射機構とを有しており、前記液体噴射ノズルは、前記集積された媒体の少なくとも3つの側辺と対向する位置にそれぞれ設けられ、それぞれの前記液体噴射ノズルは、対向する前記側辺に対して所定の噴射角度で前記液体を噴射するように配置されている構成とする。
この媒体取扱装置は、集積された媒体の少なくとも3つの側辺に対して所定の噴射角度で液体を噴射する。これにより、この媒体取扱装置は、集積された媒体の少なくとも3つの側辺に対して広範囲に液体を直接噴き付けることができる。また、この媒体取扱装置は、液体を直接噴き付けていない場所にも、液体が流れることを利用して、液体をその場所に回り込ませることができる。その結果、この媒体取扱装置は、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させるとともに、全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
本発明によれば、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させるとともに、全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
実施形態1に係る液体噴射機構を適用する現金取扱装置の構成を模式的に示す図である。 実施形態1に係る液体噴射機構が設けられているユニット(媒体収納庫)の構成を示す図である。 実施形態1に係る液体噴射機構の構成を模式的に示す図である。 実施形態1に係る液体噴射機構の液体噴射ノズルの位置を示す図である。 実施形態1に係る液体噴射機構の噴射方向を示す図である。 実施形態1に係る液体噴射機構の噴射方向の説明図(1)である。 実施形態1に係る液体噴射機構の噴射方向の説明図(2)である。 実施形態1に係る液体噴射機構の噴射方向の説明図(3)である。 実施形態1に係る液体噴射機構の噴射方向の説明図(4)である。 実施形態1に係る液体噴射機構による液体の塗布例を示す図(1)である。 実施形態1に係る液体噴射機構による液体の塗布例を示す図(2)である。 実施形態1に係る液体噴射機構による液体の塗布例を示す図(3)である。 実施形態2に係る液体噴射機構に用いる液体噴射ノズルの構成を模式的に示す図である。 比較例に係る液体噴射機構に用いる液体噴射ノズルの構成を示す図である。 比較例に係る液体噴射機構による汚損面積の高さ方向の特性を示すグラフ図である。 実施形態2に係る液体噴射機構に用いる液体噴射ノズルの変形例の構成を模式的に示す図である。 実施形態2に係る液体噴射機構に用いる液体噴射ノズルの別の変形例の構成を模式的に示す図である。 実施形態3に係る液体噴射機構の構成を示す図(1)である。 実施形態3に係る液体噴射機構の構成を示す図(2)である。 実施形態3に係る液体噴射機構の構成を示す図(3)である。 実施形態3に係る液体噴射機構の構成を示す図(4)である。 比較例に係る液体噴射機構での液体の流れを示す図である。 実施形態4に係る液体噴射機構の構成を示す図(1)である。 実施形態4に係る液体噴射機構の構成を示す図(2)である。 実施形態4に係る液体噴射機構の構成を示す図(3)である。 実施形態4に係る液体噴射機構の構成を示す図(4)である。 実施形態5に係る液体噴射機構の構成を模式的に示す図である。 実施形態5に係る液体噴射機構の動作例を示す図である。 実施形態6に係る液体噴射機構を適用する媒体収納庫及びケーシング部の構成を示す図である。 実施形態6に係る液体噴射機構の構成を模式的に示す図である。 実施形態6に係る液体噴射機構の要部の構成を示す図である。 実施形態6に係る液体噴射機構の液体噴射ノズルの構成を示す図である。 実施形態7に係る液体噴射機構の構成を模式的に示す図である。 実施形態8に係る液体噴射機構の構成を模式的に示す図である。 実施形態8に係る液体噴射機構の液体噴射ノズルの構成を示す図である。 本発明に係る液体噴射機構が適用されている運搬用ケースの構成を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態1]
<液体噴射機構の構成>
以下、図1〜図5を参照して、本実施形態1に係る液体噴射機構を有する媒体取扱装置の構成につき説明する。図1は、本実施形態1に係る液体噴射機構を適用する現金取扱装置の構成を模式的に示す図である。図2は、本実施形態1に係る液体噴射機構が設けられているユニット(媒体収納庫)の構成を示す図である。図3は、本実施形態1に係る液体噴射機構の構成を模式的に示す図である。図4は、本実施形態1に係る液体噴射機構の液体噴射ノズルの位置を示す図である。図5は、本実施形態1に係る液体噴射機構の液体噴射ノズルの噴射方向を示す図である。
ここでは、液体噴射機構を適用する装置が現金取扱装置であり、媒体が紙幣であり、液体がインクである場合を想定して説明する。以下、液体噴射機構によって噴射される液体を「インク」と称する。現金取扱装置は、例えば、現金自動預け払い機(ATM)やキャッシュディスペンサ(CD)等である。
(液体噴射機構を適用する現金取扱装置の構成)
以下、図1を参照して、本実施形態1に係る液体噴射機構9(図3参照)を適用する現金取扱装置1の構成につき説明する。
図1に示すように、現金取扱装置1は、接客部3、鑑別部4、一時保留部5、リジェクト庫6、振分搬送部7、及び、媒体収納庫12を有している。
接客部3は、媒体(紙幣)の装置の内部への取り込みや装置の外部への放出を行う構成要素である。
鑑別部4は、媒体の金種や真贋等を鑑別する構成要素である。
一時保留部5は、媒体を一時的に保留する部位である。
リジェクト庫6は、再使用不能な媒体を収納する収納庫である。
振分搬送部7は、媒体を任意の媒体収納庫12に振り分けながら搬送する機構である。
媒体収納庫12は、再使用可能な媒体を収納する収納庫である。媒体収納庫12は、現金取扱装置1に対して装着及び取り外しが自在なユニットとして構成されている。
また、現金取扱装置1は、図示せぬ破壊検知部と図示せぬ制御部とを有している。図示せぬ破壊検知部は、現金取扱装置1が破壊された場合に、破壊されたことを検知して、破壊検知信号を現金取扱装置1の制御部に出力する。これに応答して、現金取扱装置1の制御部は、液体噴射機構9の内部に設けられた後記する図示せぬ液体噴射制御部にインクの噴射命令を出力する。
現金取扱装置1は、主な機能が、媒体の装置の内部への取り込みや装置の外部への放出を行う上部ユニット2と、媒体収納庫12を保管する下部ユニット8とに分かれている。接客部3、鑑別部4、一時保留部5、及び、リジェクト庫6は、上部ユニット2に設けられている。一方、振分搬送部7、及び、媒体収納庫12は、下部ユニット8に設けられている。
上部ユニット2と下部ユニット8との間には、受渡ガイド10が設けられている。受渡ガイド10は、上部ユニット2と下部ユニット8との間で行われる媒体の受け渡しをガイドする構成要素である。
係る構成において、現金取扱装置1は、媒体収納庫12に対する不正行為を防止するために、頑丈な金庫11で媒体収納庫12の周囲を覆っている。しかしながら、それでも、現金取扱装置1が破壊されて、媒体収納庫12が盗まれてしまう可能性がある。そこで、媒体収納庫12には、液体噴射機構9(図3参照)が設けられている。
液体噴射機構9は、現金取扱装置1が破壊される等の犯罪行為(非常事態)の発生を検知すると、媒体収納庫12の内部に収納されている媒体(紙幣)にインクを噴射して媒体を汚損させる機構である。液体噴射機構9は、非常事態の発生時に、媒体を汚損させることによって、媒体を使用することが困難な状態にする。これにより、液体噴射機構9は、盗まれた媒体が使用されることを防止する。また、液体噴射機構9は、仮に、盗まれた媒体が使用されるようなことがあった場合に、盗まれた媒体が使用されたことを発見し易くするとともに、盗まれた媒体を使用した人物を特定し易くし、もって、前記した犯罪行為(非常事態)が再度発生することを抑止する。
(媒体収納庫の構成)
以下、図2を参照して、液体噴射機構9(図3参照)が設けられている媒体収納庫12の構成につき説明する。図2は、左斜め上方向から見た、媒体収納庫12の正面側の構成を示している。
図2に示すように、媒体収納庫12は、取っ手部13、扉15、及び、鍵16を有している。
取っ手部13は、運搬時に運搬者によって把持される構成要素である。
扉15は、内部の空間を選択的に開放状態又は閉鎖状態にする機構である。
鍵16は、扉15を固定する機構である。
媒体収納庫12の天板の取っ手部13の近傍には、媒体通過口14が形成されている。媒体通過口14は、媒体の収納庫の内部への取り込みや収納庫の外部への放出を行うための開口部である。媒体通過口14は、シャッタ構造になっている。シャッタは、例えば、媒体収納庫12の運搬時のように、媒体収納庫12が現金取扱装置1から取り外されている状態では、媒体通過口14を閉鎖状態にする。また、シャッタは、例えば、現金取扱装置1の稼働時のように、媒体収納庫12が現金取扱装置1に装着されている状態では、媒体通過口14を開放状態にする。
媒体収納庫12の外形は、ほぼ直方体状になっている。媒体収納庫12は、扉15の内部の空間に、多数の矩形状の媒体(紙幣)を上下方向に集積した状態(積層した状態)で収納する構成になっている。
また、媒体収納庫12は、図示せぬ液体噴射制御部と図示せぬ加圧機構とを有している。図示せぬ液体噴射制御部は、現金取扱装置1の図示せぬ制御部からインクの噴射命令を受けた場合に、加圧機構を作動させる。図示せぬ加圧機構は、後記する液体タンク21(図3参照)に収納されているインクを加圧して、インクを液体タンク21から後記するパイプ22(図3参照)に送り出す。
(液体噴射機構の構成)
以下、図3を参照して、液体噴射機構9の構成につき説明する。図3は、図2に示す平面Aに沿って媒体収納庫12を切断した切断面を、上方から見た構成を示している。
ここでは、複数個の同じ構成要素の中で前後左右に配置された構成要素を区別して説明する場合に、前方向に配置された構成要素に対して符号の末尾に「F」を付し、後方向に配置された構成要素に対して符号の末尾に「Re」を付し、右方向に配置された構成要素に対して符号の末尾に「R」を付し、左方向に配置された構成要素に対して符号の末尾に「L」を付して説明する。
図3に示すように、媒体収納庫12は、筺体19の内部に、ガイド部材17、液体噴射ノズル18、ステージ20、液体タンク(インクタンク)21、パイプ22、及び、液体分岐部材23を有している。
ガイド部材17は、ステージ20の上面に集積される各媒体の側辺に当接する部材である。
液体噴射ノズル18は、インクを噴射するノズルである。
ステージ20は、上面に媒体が集積される部材である。
液体タンク(インクタンク)21は、インクを予め収納している収納部である。
パイプ22は、内部にインクを流れさせて各部に配送する液体配送部材である。
液体分岐部材23は、インクの流れの方向を分岐させる部材である。
媒体収納庫12の筺体19の断面形状は、上方視において、左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とする、矩形状になっている。
媒体収納庫12の内部には、扉15(図2参照)の背後の位置に、ステージ20が配置されている。ステージ20の形状は、上方視において、左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とする、矩形状になっている。ステージ20の上面は、平坦面状に形成されており、媒体が上に集積される。ステージ20は、図示せぬ駆動手段によって上下方向に移動可能であり、ステージ20の上面に媒体が集積されるにつれて下降する構成になっている。
ステージ20の周囲には、4つのガイド部材17が配置されている。具体的には、ガイド部材17Fがステージ20の前方に配置されており、ガイド部材17Reがステージ20の後方に配置されており、ガイド部材17Rがステージ20の右方に配置されており、ガイド部材17Lがステージ20の左方に配置されている。
したがって、ガイド部材17F,17Reは、ステージ20の長手方向側辺(すなわち、ステージ20の上面に集積される媒体の長手方向側辺)に対向している。一方、ガイド部材17R,17Lは、ステージ20の短手方向側辺(すなわち、ステージ20の上面に集積される媒体の短手方向側辺)に対向している。ガイド部材17F,17Reは、特許請求の範囲に記載された「長手方向ガイド部材」に相当する。また、ガイド部材17R,17Lは、特許請求の範囲に記載された「短手方向ガイド部材」に相当する。
各ガイド部材17のステージ20に対向する内壁面は、平坦面状に形成されている。この内壁面は、媒体をステージ20の上面に集積させる際に、媒体の側辺に当接して、媒体を整列させるガイド面として機能する。各ガイド部材17は、それぞれの内壁面(ガイド面)が上下方向(鉛直方向)に延在するように、配置されている。
4つのガイド部材17F,17Re,17R,17Lのうち、後方のガイド部材17Reは、筺体19の内部の所定の位置に固定設置されている。そのため、ガイド部材17Reは、媒体をステージ20の上面に集積させる際に、媒体を前後方向の所定位置に集積させる基準の部材として機能する。
一方、他のガイド部材17F,17R,17Lは、ステージ20のそれぞれに対向する側辺に対して、近接方向又は離間方向に移動可能な構成になっている。媒体収納庫12は、4つのガイド部材17F,17Re,17R,17Lによって囲まれた空間24に媒体を集積することができる構成になっている。以下、空間24を「集積可能空間24」と称する。集積可能空間24は、ガイド部材17F,17R,17Lを最も外側に移動させたとき(ステージ20の側辺から離間方向に移動させたとき)に、最大になる。
なお、前方のガイド部材17Fは、扉15(図2参照)の裏側に設けられている。扉15は、扉15そのものを前方のガイド部材17Fとして構成することができる。また、扉15は、ビルストッパを備える構成にすることもできる。
また、ステージ20の周囲には、1対1又はn対1(ただし、nは2以上の整数)の関係でステージ20の上面に集積された媒体の少なくとも3つの側辺と対向するように、3本以上の液体噴射ノズル18が設けられている。ここでは、ステージ20の周囲には、3つの液体噴射ノズル18が、上下方向に延在するように、配置されているものとして説明する。具体的には、液体噴射ノズル18Reがステージ20の後方に配置されており、液体噴射ノズル18Rがステージ20の右方に配置されており、液体噴射ノズル18Lがステージ20の左方に配置されているものとして説明する。
したがって、液体噴射ノズル18Reは、ステージ20の長手方向側辺(すなわち、ステージ20の上面に集積された媒体の長手方向側辺)に対向している。一方、液体噴射ノズル18R,18Lは、ステージ20の短手方向側辺(すなわち、ステージ20の上面に集積された媒体の短手方向側辺)に対向している。液体噴射ノズル18Reは、特許請求の範囲に記載された「長手方向ノズル」に相当する。また、液体噴射ノズル18R,18Lは、特許請求の範囲に記載された「短手方向ノズル」に相当する。ただし、図3に示す例では、液体噴射ノズル18Re,18R,18Lの本数がそれぞれ1本ずつになっているが、それぞれの本数は複数本に変更することができる。各液体噴射ノズル18は、金属材及び樹脂材のどちらによっても構成することができる。
本実施形態における液体噴射ノズル18Reは、ステージ20の長手方向側辺(すなわち、ステージ20の上面に集積された媒体の長手方向側辺)の中央部よりもやや左寄りの位置に配置されている。また、液体噴射ノズル18Reの図示せぬ液体噴射孔は、その位置からステージ20の長手方向側辺の中央部に向けてインクを噴射するように、長手方向側辺に対して所定の角度に傾けられた状態で配置されている。
ただし、後記する範囲OL(図4参照)内の位置であれば、液体噴射ノズル18Reをステージ20の長手方向側辺の中央部よりもやや右寄りの位置に配置して、その位置からステージ20の長手方向側辺の中央部に向けてインクを噴射するように、図示せぬ液体噴射孔を配置してもよい。
一方、液体噴射ノズル18R,18Lは、液体噴射ノズル18Reと対向しているステージ20の短手方向側辺の中央部に対して長手方向側辺から離間する方向の位置に配置されている。また、液体噴射ノズル18R,18Lの図示せぬ液体噴射孔は、その位置からステージ20の長手方向側辺の方向に向けてインクを噴射するように、短手方向側辺に対して所定の角度に傾けられた状態で配置されている。
各液体噴射ノズル18は、インクを噴射する複数の液体噴射孔を備えている。各液体噴射ノズル18のそれぞれの液体噴射孔は、集積可能空間24内に集積された最上層から最下層までの各媒体に対向するように、集積可能空間24の上下方向(高さ方向)の全域に亘って延在するように配置されている。液体噴射ノズル18は、非常事態の発生時に、液体タンク21から送り出されたインクを液体噴射孔から媒体に向けて噴射する。
本実施形態1では、2つの液体タンク21がガイド部材17Reの後方に配置されている。以下、各液体タンク21を区別する場合に、「液体タンク21a」及び「液体タンク21b」と称する。
パイプ22は、液体分岐部材23を介して、液体タンク21aと液体噴射ノズル18R,18Lとを連結している。また、パイプ22は、液体タンク21bと液体噴射ノズル18Reとを連結している。パイプ22は、金属材及び樹脂材のどちらによっても構成することができる。
各液体タンク21a,21bは、非常事態の発生時に、インクをパイプ22に送り出す。送り出されたインクは、パイプ22内を流れる。その際に、液体分岐部材23は、液体タンク21aから送り出されたインクの流れの方向を右方の液体噴射ノズル18Rの方向と左方の液体噴射ノズル18Lの方向に分岐させる。
液体分岐部材23は、媒体を介して一方側と他方側とに対向して配置されている2つの液体噴射ノズル18(ここでは、液体噴射ノズル18R,18L)までの距離が同距離になる位置に設けられている。すなわち、液体分岐部材23は、液体分岐部材23から液体噴射ノズル18Rまでの距離と液体分岐部材23から液体噴射ノズル18Lまでの距離とが同じになる位置に、配置されている。
これにより、液体噴射機構9は、液体タンク21aに収納されたインクを共用している一方側の液体噴射ノズル18(ここでは、右方の液体噴射ノズル18R)と他方側の液体噴射ノズル18(ここでは、左方の液体噴射ノズル18L)のインクの噴射量がほぼ同量になるように、インクの噴射量を調整している。
なお、一方側の液体噴射ノズル18(ここでは、右方の液体噴射ノズル18R)と他方側の液体噴射ノズル18(ここでは、左方の液体噴射ノズル18L)とが2以上の同数ずつ設けられている場合であっても、液体分岐部材23は、このような位置に、配置されているとよい。
(液体噴射ノズルの位置と噴射方向)
以下、図4及び図5を参照して、液体噴射ノズル18の位置と噴射方向につき説明する。
図4に示すように、集積可能空間24には、最大サイズの媒体shLと最小サイズの媒体shSとのいずれもが集積される可能性がある。ここで、「最大サイズの媒体shL」とは、装置が取り扱い可能な金種の紙幣のうち、最大サイズの紙幣を指している。また、「最小サイズの媒体shS」とは、装置が取り扱い可能な金種の紙幣のうち、最小サイズの紙幣を指している。
図4は、以下の(a)〜(b)の状態の例を示している。
(a)最大サイズの媒体shLが右寄せされている状態(すなわち、最大サイズの媒体shLが後方のガイド部材17Reと右方のガイド部材17Rとに当接している状態)。
(b)最小サイズの媒体shSが右寄せされている状態(すなわち、最小サイズの媒体shSが後方のガイド部材17Reと右方のガイド部材17Rとに当接している状態)。
(c)最小サイズの媒体shSが左寄せされている状態(すなわち、最小サイズの媒体shSが後方のガイド部材17Reと左方のガイド部材17Lとに当接している状態)。
図4に示す例では、最大サイズの媒体shLは、長手方向側辺の幅がXLで、短手方向側辺の幅がYLという寸法になっている。また、最小サイズの媒体shSは、長手方向側辺の幅がXSで、短手方向側辺の幅がYSという寸法になっている。また、集積可能空間24は、長手方向側辺の幅が(XL+α)で、短手方向側辺の幅が(YL+β)という寸法になっている。「α」及び「β」は、任意に設定された、数mm〜数十mm程度の値である。
後方の液体噴射ノズル18Reは、前記した(b)の状態の最小サイズの媒体shSと前記した(c)の状態の最小サイズの媒体shSとが重なる長手方向側辺の範囲を「OL」とする場合に、ガイド部材17Reの後方の位置で、かつ、範囲OL内の位置に配置されている。液体噴射ノズル18Reは、範囲OL内の位置に複数本設けてもよい。
なお、液体噴射ノズル18Reを範囲OL内の位置に配置する理由は、最小サイズの媒体shSがユーザの運用次第で前記した(b)の状態と前記した(c)の状態とのいずれの状態にもなる可能性があり、いずれの状態にも対応して、良好に媒体を汚損させることができるようにするためである。
液体噴射機構9は、媒体の側辺に対して広範囲にインクを噴き付けることができるように、媒体に対する噴射角度θを比較的小さな値にして、インクを噴射するようにしている。
液体噴射機構9は、噴射角度θが「45°」以下である場合に、特に良好に上下方向に集積された全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
ここで、図6A〜図6Dを参照して、噴射角度θと塗布面積との関係につき説明する。図6A〜図6Dは、それぞれ、液体噴射機構9の噴射方向の説明図である。
図6Aは、噴射角度θが「(45+P)°」よりも大きい場合を示しており、また、図6Bは、その場合の塗布面積ArLを示している。一方、図6Cは、噴射角度θが「(45+P)°」以下である場合を示しており、また、図6Dは、その場合の塗布面積ArSの図である。
図6B及び図6Dに示すように、噴射角度θが「(45+P)°」以下である場合(図6C参照)の塗布面積ArS(図6D参照)は、噴射角度θが「(45+P)°」よりも大きい場合(図6A参照)の塗布面積ArL(図6B参照)よりも大きくなっている。したがって、液体噴射機構9は、噴射角度θを比較的小さくすることによってインクの塗布面積を大きくすることができる。
ここで、「P」とは、特に良好な角度である「45°」以下の角度に対する許容角度を意味している。液体噴射機構9は、噴射角度θが「45°」以下である場合に、特に良好に上下方向に集積された全ての媒体を汚損させることができる。しかしながら、噴射角度θは、許容角度Pの範囲内で、「45°」よりも大きな値に設定することが可能である。すなわち、噴射角度θは、「(45+P)°」以下の値に設定することができる。許容角度Pの値は、例えば、「15°」程度である。したがって、液体噴射機構9は、噴射角度θが「(45°+15)°」以下(すなわち、「60°」以下)であれば、良好に上下方向に集積された全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
なお、ここでいう「全ての媒体」とは、前記した(a)の状態の最大サイズの媒体shL(すなわち、右寄せされている状態の最大サイズの媒体shL)と、前記した(b)の状態の最小サイズの媒体shS(すなわち、右寄せされている状態の最小サイズの媒体shS)と、前記した(c)の状態の最小サイズの媒体shS(すなわち、左寄せされている状態の最小サイズの媒体shS)とのいずれかの種類の媒体であって、かつ、上下方向に集積されている集積媒体の中の一枚一枚の媒体を意味している。
<液体噴射機構の動作>
以下、図3を参照して、液体噴射機構9の動作につき説明する。
現金取扱装置1の図示せぬ破壊検知部は、非常事態の発生時に、まず、現金取扱装置1が破壊されたことを検知して、破壊検知信号を現金取扱装置1の制御部に出力する。これに応答して、現金取扱装置1の制御部は、液体噴射機構9の内部に設けられた図示せぬ液体噴射制御部にインクの噴射命令を出力する。
ここでは、上下方向に集積された複数の媒体(以下、「集積媒体」と称する)の長手方向側辺が壁面(以下、「長手方向端面」と称する)を形成しているとともに、集積媒体の短手方向側辺が壁面(以下、「短手方向端面」と称する)を形成しているものとして説明する。
これに応答して、図示せぬ液体噴射制御部は、液体タンク21a,21bの周囲に設けられた図示せぬ加圧機構を作動させる。加圧機構は、液体タンク21a,21bに収納されているインクを加圧して、インクを液体タンク21a,21bからパイプ22に送り出す。
液体タンク21aから送り出されたインクは、パイプ22内を流れ、液体分岐部材23で右方と左方とに分かれ、右方の液体噴射ノズル18Rの方向と左方の液体噴射ノズル18Lの方向とに向かって流れる。これにより、液体噴射ノズル18R,18Lがインクを集積媒体の短手方向端面に向けて噴射する。
一方、液体タンク21bから送り出されたインクは、パイプ22内を流れ、後方の液体噴射ノズル18Reに向かって流れる。これにより、液体噴射ノズル18Reが、インクを集積媒体の長手方向端面に向けて噴射する。
その結果、図7、図8A、及び図8Bに示すように、インクが集積媒体に塗布される。図7、図8A、及び図8Bは、それぞれ、液体噴射機構9によるインクの塗布例を示す図である。図7は、最大サイズの媒体shLが集積可能空間24上に右側に寄った状態で集積されている場合のインクの塗布例を示している。また、図8Aは、最小サイズの媒体shSが集積可能空間24上に右側に寄った状態で集積されている場合のインクの塗布例を示している。また、図8Bは、最小サイズの媒体shSが集積可能空間24上に左側に寄った状態で集積されている場合のインクの塗布例を示している。
図7に示すように、最大サイズの媒体shLが集積可能空間24上に右側に寄った状態で集積されている場合に、右方の液体噴射ノズル18Rから噴射されたインクは、集積媒体の右方の短手方向端面に当たり、これにより、その大半が、集積媒体の右方の短手方向端面に沿って後方に向かって流れるとともに、その一部が、逆方向(前方)に向かって流れる。また、左方の液体噴射ノズル18Lから噴射されたインクは、集積媒体の左方の短手方向端面に当たり、これにより、その大半が、集積媒体の左方の短手方向端面に沿って後方に向かって流れるとともに、その一部が、逆方向(前方)に向かって流れる。その結果、比較的大量のインクが、右方及び左方から、後方のガイド部材17Reと集積媒体の後方の長手方向端面との間に流れ込む。
また、後方の液体噴射ノズル18Reから噴射されたインクは、集積媒体の後方の長手方向端面に当たり、これにより、その大半が、後方のガイド部材17Reと集積媒体の後方の長手方向端面との間を中央部の方向に向かって流れるとともに、その一部が、逆方向(端部の方向)に向かって流れる。
一方、図8Aに示すように、最小サイズの媒体shSが集積可能空間24上に右側に寄った状態で集積されている場合に、右方の液体噴射ノズル18Rから噴射されたインクは、集積媒体の前方の長手方向端面に当たり、これにより、その大半が、集積媒体の前方の長手方向端面に沿って中央部の方向に向かって流れるとともに、その一部が、逆方向(端部の方向)に向かって流れる。また、左方の液体噴射ノズル18Lから噴射されたインクは、後方のガイド部材17Reに当たり、これにより、その大半が、後方のガイド部材17Reに沿って中央部の方向に向かって流れるとともに、その一部が、逆方向(端部の方向)に向かって流れる。このとき、大半のインクは、集積媒体の後方の長手方向端面と左方の短手方向端面との角部分に当たり、角部分で分岐する。その結果、一部のインクが後方のガイド部材17Reと集積媒体の後方の長手方向端面との間を中央部の方向に向かって流れるとともに、一部のインクが左方のガイド部材17Lと集積媒体の左方の短手方向端面との間を前方に向かって流れる。
また、後方の液体噴射ノズル18Reから噴射されたインクは、集積媒体の後方の長手方向端面に当たり、これにより、その大半が、後方のガイド部材17Reと集積媒体の後方の長手方向端面との間を中央部の方向に向かって流れるとともに、その一部が、逆方向(端部の方向)に向かって流れる。
また、図8Bに示すように、最小サイズの媒体shSが集積可能空間24上に左側に寄った状態で集積されている場合に、右方の液体噴射ノズル18Rから噴射されたインクは、後方のガイド部材17Reに当たり、これにより、その大半が、後方のガイド部材17Reに沿って中央部の方向に向かって流れるとともに、その一部が、逆方向(端部の方向)に向かって流れる。このとき、大半のインクは、集積媒体の後方の長手方向端面と右方の短手方向端面との角部分に当たり、角部分で分岐する。その結果、一部のインクが後方のガイド部材17Reと集積媒体の後方の長手方向端面との間を中央部の方向に向かって流れるとともに、一部のインクが左方のガイド部材17Lと集積媒体の左方の短手方向端面との間を前方に向かって流れる。また、左方の液体噴射ノズル18Lから噴射されたインクは、集積媒体の前方の長手方向端面に当たり、これにより、その大半が、集積媒体の前方の長手方向端面に沿って中央部の方向に向かって流れるとともに、その一部が、逆方向(端部の方向)に向かって流れる。
また、後方の液体噴射ノズル18Reから噴射されたインクは、集積媒体の後方の長手方向端面に当たり、これにより、その大半が、後方のガイド部材17Reと集積媒体の後方の長手方向端面との間を中央部の方向に向かって流れるとともに、その一部が、逆方向(端部の方向)に向かって流れる。
なお、液体噴射機構9は、液体タンク21に収納されているインクの量が限られている。そのため、液体噴射機構9は、少量のインクで集積媒体の長手方向端面及び短手方向端面の広い範囲を効率よく汚損させることが好ましい。
媒体の汚損状態を検討した場合に、液体噴射ノズル18R,18Lから噴射されたインクは、集積媒体の短手方向端面をガイド部材17Reの方向に流れ、また、ガイド部材17Reに沿って集積媒体の後方の長手方向端面に回り込む。そのため、集積媒体の長手方向端面は、集積媒体の短手方向端面よりも汚損し易い。
そこで、本実施形態1では、液体噴射機構9は、液体噴射ノズル18Reのインクの噴射量が液体噴射ノズル18R,18Lのインクの噴射量よりも少なくなるように、設定されている。これによって、液体噴射機構9は、集積媒体の長手方向端面と短手方向端面とでインクの噴射量をバラつかせて、少量のインクで集積媒体の長手方向端面及び短手方向端面の広い範囲を効率よく汚損させることができる。
また、本実施形態1では、液体分岐部材23は、液体噴射ノズル18Rから液体分岐部材23までの距離と液体噴射ノズル18Lから液体分岐部材23までの距離とが同じになる位置に、配置されている。これにより、液体噴射機構9は、右方の液体噴射ノズル18Rと左方の液体噴射ノズル18Lとからほぼ同量のインクを噴射することができる。
そのため、液体噴射機構9は、前記した(b)の状態(最小サイズの媒体shSが右寄せされている状態)と前記した(c)の状態(最小サイズの媒体shSが左寄せされている状態)とのいずれの状態にも対応して、良好に媒体を汚損させることができる。
また、液体噴射機構9は、右方の液体噴射ノズル18Rと左方の液体噴射ノズル18Lとを扉16の近傍に配置し、「(45+P)°」以下の噴射角度θでインクを媒体に噴射している。これにより、液体噴射機構9は、以下の効果を得ることができる。
液体噴射機構9は、集積媒体の短手方向端面に対して広範囲にインクを直接噴き付けることができる。また、液体噴射機構9は、インクを直接噴き付けていない場所にも、インクが流れることを利用して、インクをその場所に回り込ませることができる。その結果、液体噴射機構9は、上下方向に集積された全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
また、液体噴射機構9は、集積媒体に付着しない無駄なインクの量を低減させることができる。そのため、液体噴射機構9は、少量のインクで集積媒体の端面の広い範囲を効率よく汚損させることができる。
以上の通り、本実施形態1に係る液体噴射機構9によれば、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させるとともに、全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
[実施形態2]
本実施形態2は、各液体噴射孔のインクの噴射量が各液体噴射孔の配置されている高さ方向の位置に応じた量に設定されている液体噴射機構9Aを提供するものである。
以下、図9を参照して、本実施形態2に係る液体噴射機構9Aの構成につき説明する。図9は、本実施形態2に係る液体噴射機構9Aに用いる液体噴射ノズル18Aの構成を模式的に示す図である。
図9に示すように、本実施形態2に係る液体噴射機構9Aは、実施形態1に係る液体噴射機構9と同様の構成の機構であり、液体噴射ノズル18として、液体噴射ノズル18Aを用いたものである。液体噴射ノズル18Aは、液体噴射孔18hoの高さ方向の位置に応じて、液体噴射孔18hoの断面積(孔径の大きさ)が段階的に異なる大きさに設定されているノズルである。液体噴射ノズル18Aは、金属材及び樹脂材のどちらによっても構成することができる。
図9に示す例では、液体噴射ノズル18Aの液体噴射孔18hoの断面積(孔径の大きさ)は、下層SP4、中層SP5、上層SP6の3つの層の高さ方向の位置に応じて、段階的に異なる大きさに設定されている。図9に示す例では、全ての液体噴射孔18hoが距離L18の間隔で形成されている。なお、図9に示す下層SP4、中層SP5、上層SP6は、図10Aに示す下層SP1、中層SP2、上層SP3と同じ高さの層である。
ここでは、本実施形態2に係る液体噴射ノズル18Aの特徴を分かり易く説明するために、まず、図10A及び図10Bを参照して、比較例に係る液体噴射機構601に用いる液体噴射ノズル18Zの構成と比較例に係る液体噴射機構601による汚損面積の高さ方向の特性とを説明し、その後に、本実施形態2に係る液体噴射機構9Aに用いる液体噴射ノズル18Aの特徴を比較例に係る液体噴射機構601に用いる液体噴射ノズル18Zの特徴と対比させて説明する。図10Aは、比較例に係る液体噴射機構601に用いる液体噴射ノズル18Zの構成を示す図である。また、図10Bは、比較例に係る液体噴射機構601による汚損面積の高さ方向の特性を示すグラフ図である。
図10Aに示すように、比較例に係る液体噴射機構601は、実施形態1に係る液体噴射機構9と同様の構成のものであり、液体噴射ノズル18として、液体噴射ノズル18Zを用いた機構である。液体噴射ノズル18Zは、液体噴射孔18hoの高さ方向の位置に関係なく、全ての液体噴射孔18hoの断面積(孔径の大きさ)が同じ大きさに設定されているノズルである。図10Aに示す例では、全ての液体噴射孔18hoが距離L18の間隔で形成されている。
なお、図10Aに示す下層SP1、中層SP2、上層SP3は、図10Bに示す高さSlT1と高さSlT2とによって区切られた高さ方向の層を意味している。高さSlT1,SlT2は、汚損面積が一定面積SlArよりも広くなるか否かの境界(すなわち、媒体を良好に汚損させることができているか否かの境界)となる高さを表している。
図10Bは、比較例に係る液体噴射機構601が液体噴射ノズル18Zからインクを噴射したときの各媒体の高さ方向の位置と汚損面積との関係を示している。なお、図10Bは、媒体が媒体収納庫12の内部に満杯に収納された状態で、比較例に係る液体噴射機構601が液体噴射ノズル18Zからインクを噴射した場合の関係を示している。
図10Bに示すように、比較例に係る液体噴射機構601では、高さ方向において、中層SP2の各媒体(高さSlT1と高さSlT2との間に集積されている媒体)の汚損面積は、下層SP1及び上層SP3の各媒体(高さSlT1よりも低い位置に集積されている媒体及び高さSlT2よりも高い位置に集積されている媒体)の汚損面積よりも狭くなる傾向にある。
そこで、本実施形態2では、中層SP2の各媒体の汚損面積を増大させることができる液体噴射機構9Aを提供している。
前記した通り、本実施形態2に係る液体噴射機構9Aは、液体噴射ノズル18として、図9に示す構成の液体噴射ノズル18Aを用いている。本実施形態2に係る液体噴射ノズル18Aは、液体噴射孔18hoの断面積(孔径の大きさ)が異なる以外は、比較例に係る液体噴射ノズル18Zと同じ構成になっている。
液体噴射孔18hoの断面積(孔径の大きさ)は、以下の式(1)〜(4)のような関係になっている。
SP4<SP1 …(1)
SP5>SP2 …(2)
SP6<SP3 …(3)
SP6<SP4<SP5 …(4)
前記した式(1)〜(4)において、「SP1」、「SP2」、及び、「SP3」は、それぞれ、比較例に係る液体噴射ノズル18Zの下層、中層、及び、上層の液体噴射孔18hoの断面積(孔径の大きさ)を表している。
また、「SP4」、「SP5」、及び、「SP6」は、それぞれ、本実施形態2に係る液体噴射ノズル18Aの下層、中層、及び、上層の液体噴射孔18hoの断面積(孔径の大きさ)を表している。
前記した式(2)から明らかなように、本実施形態2に係る液体噴射ノズル18Aの中層の液体噴射孔18hoの断面積(SP5)は、比較例に係る液体噴射ノズル18Zの中層の液体噴射孔18hoの断面積(SP2)よりも、大きな値に設定されている。これにより、本実施形態2に係る液体噴射ノズル18Aは、中層の各媒体に対して、比較例に係る液体噴射ノズル18Zよりも大量にインクを噴射することができる。そのため、液体噴射ノズル18Aは、最も汚損させることが困難な中層の各媒体を、効率よく汚損させることができる。
また、前記した式(1)から明らかなように、本実施形態2に係る液体噴射ノズル18Aの下層の液体噴射孔18hoの断面積(SP4)は、比較例に係る液体噴射ノズル18Zの下層の液体噴射孔18hoの断面積(SP1)よりも、小さな値に設定されている。
同様に、前記した式(3)から明らかなように、本実施形態2に係る液体噴射ノズル18Aの上層の液体噴射孔18hoの断面積(SP6)は、比較例に係る液体噴射ノズル18Zの上層の液体噴射孔18hoの断面積(SP3)よりも、小さな値に設定されている。
これにより、本実施形態2に係る液体噴射ノズル18Aは、比較的容易に汚損させることができる下層及び上層の各媒体に噴射するインクの量を、比較例に係る液体噴射ノズル18Zよりも低減させることができる。そのため、液体噴射ノズル18Aは、無駄に使用されるインクの量を低減させることができる。
また、前記した式(4)から明らかなように、本実施形態2に係る液体噴射ノズル18Aの液体噴射孔18hoは、上層の断面積(SP6)が一番目に小さく、下層の断面積(SP4)が二番目に小さく、中層の断面積(SP5)が一番目に大きくなるように設定されている。これにより、本実施形態2に係る液体噴射ノズル18Aは、比較的容易に汚損させることができる下層及び上層の各媒体に噴射するインクの量を低減させて、無駄に使用されるインクの量を低減させるとともに、中層の各媒体に噴射するインクの量を増大させて、最も汚損させることが困難な中層の各媒体を効率よく汚損させることができる。
<液体噴射ノズルの変形例>
液体噴射ノズル18Aは、例えば、図11Aに示す液体噴射ノズル18Bや図11Bに示す液体噴射ノズル18Cのように、変形することができる。図11Aは、変形例に係る液体噴射ノズル18Bの構成を模式的に示す図である。また、図11Bは、別の変形例に係る液体噴射ノズル18Cの構成を模式的に示す図である。
図11Aに示すように、変形例に係る液体噴射ノズル18Bは、液体噴射ノズル18Aに対し、液体噴射孔18hoを、1列ではなく、交互に角度を変えて2列に配置した構成(すなわち、互い違いの構成)になっているノズルである。
一方、図11Bに示すように、別の変形例に係る液体噴射ノズル18Cは、液体噴射ノズル18Aに対し、高さ方向の位置毎に、液体噴射孔18hoの開放角度θhoを変えた構成になっているノズルである。
液体噴射ノズル18B,18Cは、金属材及び樹脂材のどちらによっても構成することができる。
以上の通り、本実施形態2に係る液体噴射機構9Aによれば、実施形態1に係る液体噴射機構9と同様に、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させるとともに、全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
しかも、液体噴射機構9Aによれば、実施形態1に係る液体噴射機構9に比べて、さらに、比較的容易に汚損させることができる下層及び上層の各媒体に噴射するインクの量を低減させて、無駄に使用されるインクの量を低減させるとともに、最も汚損させることが困難な中層の各媒体に噴射するインクの量を増大させて、最も汚損させることが困難な中層の各媒体を効率よく汚損させることができる。
[実施形態3]
本実施形態3は、インクが集積媒体の長手方向端面の中央部付近に流れ込み易くなるように構成した液体噴射機構9Bを提供するものである。
以下、図12A〜図12Dを参照して、本実施形態3に係る液体噴射機構9Bの構成につき説明する。図12A〜図12Dは、それぞれ、本実施形態3に係る液体噴射機構9Bの構成を示す図である。図12Aは、上方から見た、液体噴射機構9Bの構成を示している。図12Bは、前方から見た、液体噴射機構9Bの構成を示している。図12Cは、図12Aに示す領域B1の構成を拡大して示している。図12Dは、図12Aに示す領域B2の構成を拡大して示している。
ただし、図12A〜図12Dでは、左右の液体噴射ノズル18から噴射されたインクの流れに液体噴射機構9Bの特徴があるため、液体噴射ノズル18Reを省略して液体噴射機構9Bの構成を示している。したがって、実際には、液体噴射ノズル18Reは、存在している。
図12A及び図12Bに示すように、本実施形態3に係る液体噴射機構9Bは、後方のガイド部材17Reとステージ20との隙間に媒体が入り込むことを防止するために、後方のガイド部材17Reに形成されたリブ31と、ステージ20に形成されたリブ32とを備えた構成になっている。
リブ31及びリブ32は、インクの流れを誘導するために形成された部位である。リブ31とリブ32とは、互い違いに配置された入れ子の関係になっている。
リブ31は、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)に、集積可能空間24の方向に向かって突出するように形成されている。リブ31は、集積可能空間24の上下方向(高さ方向)の全域に対応するように、上下方向(高さ方向)の全域に亘って延在するように形成されている。
一方、リブ32は、ステージ20の後方の側辺に、ガイド部材17Reの方向に向かって突出するように形成されている。
図12C及び図12Dに示すように、リブ31は、ステージ20に対向する平坦面と、その平坦面の左右に形成された2つの平坦面とを備えている。左右の一方の平坦面は、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)に対して略垂直な方向に配置された壁部41となっている。他方の平坦面は、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)に対して傾斜して配置された傾斜面42となっている。
図12Cに示すように、傾斜面42は、センタ線CL(図12A参照)よりも右方に形成されたリブ31(以下、「リブ31R」と称する)では、右方(センタ線CLから遠い方)に形成されている。一方、図12Dに示すように、傾斜面42は、センタ線CL(図12A参照)よりも左方に形成されたリブ31(以下、「リブ31L」と称する)では、左方(センタ線CLから遠い方)に形成されている。各傾斜面42は、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)との内角が鋭角になるように形成されている。
液体噴射機構9Bは、傾斜面42が後方のガイド部材17Reのリブ31に形成されているため、インクをガイド部材17Reの中央であるセンタ線CL(図12A参照)の方向に向かって流れ易くさせることができる。
ここでは、本実施形態3に係る液体噴射機構9Bでのインクの流れを分かり易く説明するために、まず、図13を参照して、比較例に係る液体噴射機構602でのインクの流れを説明し、その後に、本実施形態3に係る液体噴射機構9Bでのインクの流れを説明する。図13は、比較例に係る液体噴射機構602でのインクの流れを示す図である。
図13に示すように、比較例に係る液体噴射機構602では、リブ31に形成された左右の双方の平坦面が、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)に対して略垂直な方向に配置された壁部41となっている。
比較例に係る液体噴射機構602では、右方の液体噴射ノズル18R及び左方の液体噴射ノズル18Lから噴射されたインクIjは、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)に当たり、左右方向に流れる。このとき、インクは、壁部41に当たるため、リブ31を乗り越えられずに、壁部41で停止する。
これに対して、本実施形態3に係る液体噴射機構9Bでは、例えば、図12Cに示すように、液体噴射ノズル18R(図12A参照)から噴射されたインクIjRは、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)に当たり、傾斜面42の方向と壁部41の方向とに流れる。このとき、傾斜面42の方向に流れたインクは、リブ31Rを乗り越えて、センタ線CLの方向に向かって流れる。また、壁部41の方向に流れたインクは、壁部41に当たるため、リブ31Rを乗り越えられずに、壁部41で停止する。
同様に、図12Dに示すように、液体噴射ノズル18L(図12A参照)から噴射されたインクIjLは、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)に当たり、傾斜面42の方向と壁部41の方向とに流れる。このとき、傾斜面42の方向に流れたインクは、リブ31Lを乗り越えて、センタ線CLの方向に向かって流れる。また、壁部41の方向に流れたインクは、壁部41に当たるため、リブ31Lを乗り越えられずに、壁部41で停止する。
係る構成において、本実施形態3に係る液体噴射機構9Bは、各リブ31のセンタ線CLから遠い方の平坦面が傾斜面42になっている。そのため、液体噴射機構9Bは、センタ線CLの方向に向かってインクを流れ易くさせることができる。つまり、液体噴射機構9Bは、集積媒体と後方のガイド部材17Reとの間にインクを流れ込ませ易くさせることができる。これにより、液体噴射機構9Bは、インクを集積媒体に効率よく付着させることができ、各媒体の汚損面積を増大させることができる。
また、液体噴射機構9Bは、各リブ31のセンタ線CLから近い方の平坦面が壁部41になっている。そのため、液体噴射機構9Bは、インクがセンタ線CLから遠ざかる方向(集積媒体から遠ざかる方向)に流れ出ることを抑制することができる。これにより、液体噴射機構9Bは、集積媒体に付着しない無駄なインクの量を低減させることができる。そのため、液体噴射機構9Bは、少量のインクで集積媒体の端面の広い範囲を効率よく汚損させることができる。
なお、本実施形態3では、傾斜面42がリブ31に形成されているが、傾斜面42の代わりに、湾曲面(R形状面)をリブ31に形成するようにしてもよい。
以上の通り、本実施形態3に係る液体噴射機構9Bによれば、実施形態1,2に係る液体噴射機構9,9Aと同様に、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させるとともに、全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
しかも、液体噴射機構9Bによれば、実施形態1,2に係る液体噴射機構9,9Aに比べて、センタ線CLの方向に向かってインクを流れ易くさせるとともに、インクがセンタ線CLから遠ざかる方向(集積媒体から遠ざかる方向)に流れ出ることを抑制することができる。これにより、液体噴射機構9Bは、集積媒体に付着しない無駄なインクの量を低減させることができる。そのため、液体噴射機構9は、少量のインクで集積媒体の端面の広い範囲を効率よく汚損させることができる。
[実施形態4]
本実施形態4は、インクが特に集積媒体の中層の位置付近に流れ込み易くなるように構成した液体噴射機構9Cを提供するものである。
以下、図14A〜図14Dを参照して、本実施形態4に係る液体噴射機構9Cの構成につき説明する。図14A〜図14Dは、それぞれ、本実施形態4に係る液体噴射機構9Cの構成を示す図である。図14Bは、前方から見た、液体噴射機構9Cの構成を示している。図14Cは、図14Bに示す矢印Bの方向から見たリブ51の形状を示している。図14Dは、図14Bに示す矢印Cの方向から見たリブ51の形状を示している。
ただし、図14A〜図14Dでは、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)に形成されたリブ51の形状に液体噴射機構9Cの特徴があるため、液体噴射ノズル18Re,18R,18L及びステージ20を省略して液体噴射機構9Cの構成を示している。したがって、実際には、液体噴射ノズル18Re,18R,18L及びステージ20は、存在している。
図14A及び図14Bに示すように、本実施形態4に係る液体噴射機構9Cは、実施形態3に係る液体噴射機構9B(図12A及び図12B参照)と比較すると、リブ31の代わりに、リブ51が後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)に形成されている点で相違している。リブ51は、途中で途切れた形状になっている突出部である。
図12Bに示すように、実施形態3に係る液体噴射機構9Bのリブ31は、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)の上下方向(高さ方向)の全域に亘って延在するように形成されている。
これに対して、図14Bに示すように、本実施形態4に係る液体噴射機構9Cのリブ51は、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)の上下方向(高さ方向)に上下方向(高さ方向)に亘って部分的に形成されている。つまり、リブ51は、開口部52が部分的に形成されており、途中で途切れた形状になっている。
そのため、例えば、図14Aに示すように、上方からガイド部材17Reを見た場合に、各リブ51は、ガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)の上下方向(高さ方向)の全域に亘って延在するかのように見える。しかしながら、例えば、図14C又は図14Dに示すように、実際には、各リブ51は、インクの通り道53として機能する複数の開口部52が途中部分を貫通している構成になっている。
なお、図14Bに示す例では、リブ51は、傾斜面42(図12C及び図12D参照)が形成されていないが、傾斜面42を形成することもできる。
開口部52は、1つのリブ51につき複数ずつ形成されている。各開口部52は、図14Bに示すように、各リブ51を跨いで斜め方向に貫通するように形成することで、複数のインクの通り道53を形成している。各インクの通り道53は、直線状に形成されている。また、各インクの通り道53は、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)の集積媒体の中層に対向する位置付近で交差している。
このような液体噴射機構9Cでは、右方の液体噴射ノズル18R及び左方の液体噴射ノズル18Lから噴射されたインクは、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)に当たり、左右方向に流れる。このとき、インクは、左右方向だけでなく、下方にも流れる。その下方に流れたインクの一部は、インクの通り道53の中を通過してセンタ線CLの方向に向かって斜め下方向に流れる。
各インクの通り道53は、後方のガイド部材17Reの内壁面(ガイド面)の集積媒体の中層に対向する位置付近で交差している。そのため、各インクの通り道53の中を通過してインクは、特に集積媒体の中層の位置付近に流れ込む。したがって、液体噴射機構9Cは、インクを特に集積媒体の中層に付着させることができる。
係る構成において、本実施形態4に係る液体噴射機構9Cは、下方向に流れるインクを斜め方向に誘導することによって、インクの集積媒体との接触面積を増大させることができるため、インクを集積媒体に効率よく付着させることができる。これにより、液体噴射機構9Cは、集積媒体に付着しない無駄なインクの量を低減させることができる。そのため、液体噴射機構9Cは、少量のインクで集積媒体の端面の広い範囲を効率よく汚損させることができる。
また、液体噴射機構9Cは、インクが集積媒体の中層の位置付近に流れ込むように、インクの流れを誘導することができるため、特に中層の各媒体の汚損面積を増大させることができる。
以上の通り、本実施形態4に係る液体噴射機構9Cによれば、実施形態1〜3に係る液体噴射機構9〜9Bと同様に、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させるとともに、全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
しかも、液体噴射機構9Cによれば、実施形態1〜3に係る液体噴射機構9〜9Bに比べて、インクが集積媒体の中層の位置付近に流れ込むように、インクの流れを誘導することができるため、特に中層の各媒体の汚損面積を増大させることができる。
[実施形態5]
本実施形態5は、インクの噴射を複数回に分けて行うことによって、インクを集積媒体の内部に浸透し易くした液体噴射機構9Dを提供するものである。
以下、図15を参照して、本実施形態5に係る液体噴射機構9Dの構成につき説明する。図15は、本実施形態5に係る液体噴射機構9Dの構成を模式的に示す図である。
図15に示すように、本実施形態5に係る液体噴射機構9Dは、実施形態1に係る液体噴射機構9(図3参照)と比較すると、2つの液体タンク21a,21bがパイプ22と液体分岐部材23とを介して3つの液体噴射ノズル18Re,18R,18Lに接続されている点で相違している。また、以下に説明するように、液体噴射機構9Dは、液体噴射機構9と比較すると、液体タンク21aと液体タンク21bとが異なるタイミングで作動する点でも相違している。
以下、図16を参照して、液体噴射機構9Dの動作につき説明する。図16は、液体噴射機構9Dの動作例を示す図である。図16(a)は、1回目のインクの噴射前の集積媒体shの状態を示している。図16(b)は、1回目のインクの噴射後の集積媒体shの状態を示している。図16(c)は、1回目のインクの噴射から一定時間経過後の集積媒体shの状態を示している。図16(d)は、2回目のインクの噴射後の集積媒体shの状態を示している。
集積媒体shは、ステージ20(図15参照)の上に集積されている。図16(a)に示すように、1回目のインクの噴射前の集積媒体shは、各媒体が隙間なく密集した状態になっている。そのため、集積媒体shの各媒体は、インクが集積媒体の内部に浸透し難い状態になっている。
現金取扱装置1の制御部は、非常事態の発生時に、まず、液体噴射機構9Dの内部に設けられた図示せぬ液体噴射制御部にインクの噴射命令を出力する。
これに応答して、液体噴射機構9Dの図示せぬ液体噴射制御部は、まず、液体タンク21a,21bの一方の周囲に設けられた図示せぬ加圧機構を作動させる。ここでは、液体タンク21aの周囲に設けられた加圧機構が作動する場合を想定して説明する。加圧機構は、液体タンク21aに収納されているインクを加圧して、インクを液体タンク21aからパイプ22に送り出す。
液体タンク21aから送り出されたインクは、パイプ22内を流れ、液体分岐部材23で分かれて、液体噴射ノズル18Re,18R,18Lのそれぞれの方向に向かって流れる。これにより、液体噴射ノズル18Re,18R,18Lが、媒体に向けて、1回目のインクの噴射を行う。このとき、集積媒体shの各媒体は、インクが浸透し難い状態になっているため、図16(b)に示すように、狭い範囲でしか汚損されていない状態になる。
この後、液体噴射機構9Dの図示せぬ液体噴射制御部は、一定時間が経過するまで待機する。このとき、集積媒体shの各媒体は、図16(c)に示すように、汚損された部分にしわが発生し、汚損された部分が波打った状態になる。これにより、各媒体は、他の媒体との間に隙間が発生する。そのため、各媒体は、インクが浸透し易い状態になる。
液体噴射機構9Dの図示せぬ液体噴射制御部は、一定時間が経過するまで待機すると、液体タンク21a,21bの他方(ここでは、液体タンク21b)の周囲に設けられた図示せぬ加圧機構を作動させる。加圧機構は、液体タンク21bに収納されているインクを加圧して、インクを液体タンク21bからパイプ22に送り出す。
液体タンク21bから送り出されたインクは、パイプ22内を流れ、液体分岐部材23で分かれて、液体噴射ノズル18Re,18R,18Lのそれぞれの方向に向かって流れる。これにより、液体噴射ノズル18Re,18R,18Lが、媒体に向けて、2回目のインクの噴射を行う。このとき、集積媒体shの各媒体は、インクが浸透し易い状態になっているため、図16(d)に示すように、広い範囲で汚損された状態になる。
係る構成において、本実施形態5に係る液体噴射機構9Dは、インクの噴射を複数回に分けて行う。これによって、液体噴射機構9Dは、1回目のインクの噴射で、集積媒体の端面部分にインクを吸収させて、各媒体にしわを発生させることによって、媒体と媒体との間に隙間を形成させる。そして、液体噴射機構9Dは、2回目のインクの噴射で、集積媒体の内部部分にまでインクを浸透させる。これによって、液体噴射機構9Dは、各媒体の汚損面積を増大させることができる。
以上の通り、本実施形態5に係る液体噴射機構9Dによれば、実施形態1〜4に係る液体噴射機構9〜9Cと同様に、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させるとともに、全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
しかも、液体噴射機構9Dによれば、実施形態1〜4に係る液体噴射機構9〜9Cに比べて、集積媒体の内部部分にまでインクを浸透させることができるため、各媒体の汚損面積を増大させることができる。
[実施形態6]
前記した実施形態1〜5に係る液体噴射機構9〜9Dは、媒体収納庫12の内部に液体タンク21を配置する構成になっている。しかしながら、媒体収納庫12は、軽量化及び小型化が求められる傾向にあり、さらに、媒体の収納枚数を増加させることも求められる傾向にある。そのため、媒体収納庫12は、サイズの小さな液体タンク21しか配置することができなくなる可能性がある。
仮に、媒体収納庫12がサイズの小さな液体タンク21しか配置することができなくなった場合に、液体噴射機構9〜9Dは、比較的少量のインクしか噴射することができなくなる。また、液体噴射機構9〜9Dは、大量の枚数の媒体を汚すための大量のインクを確保することができなくなる可能性がある。液体噴射機構9〜9Dは、このような場合に対応することができるように、少量のインクで各媒体を効率よく汚損させることに配慮した構成になっている。
これに対し、本実施形態6は、実施形態1〜5に係る液体噴射機構9〜9Dよりも、媒体収納庫12の軽量化及び小型化を可能にするとともに、媒体の収納枚数の増加を可能とし、さらに、比較的大量のインクを噴射して、大量の枚数の媒体を汚損させることができる液体噴射機構9Eを提供するものである。
本実施形態6に係る液体噴射機構9E(図18参照)は、実施形態1に係る液体噴射機構9(図3参照)と比較すると、液体タンク21を媒体収納庫12の外部に配置している点で相違している。
<液体噴射機構の構成>
以下、図17〜図20を参照して、本実施形態6に係る液体噴射機構9Eの構成につき説明する。
図17は、本実施形態6に係る液体噴射機構9Eを適用する媒体収納庫12及び媒体収納庫12を装填するケーシング部(装填フレーム)11Eの構成を示す図である。図17(a)は、上部部分11Uが閉鎖された状態のケーシング部11Eの構成を示している。図17(b)は、上部部分11Uが開放された状態のケーシング部11Eの構成を示している。
図18は、液体噴射機構9Eの構成を模式的に示す図である。図18(a)は、側方から見た、液体噴射機構9Eの構成を示している。図18(b)は、前方から見た、液体噴射機構9Eの構成を示している。
図19は、液体噴射機構9Eの要部の構成を示す図である。図19(a)は、後記するガス発生器103が作動していない場合の液体噴射機構9Eの要部の構成を示している。図19(b)は、後記するガス発生器103が作動している場合の液体噴射機構9Eの要部の構成を示している。図19(c)は、液体噴射機構9Eの連結機構の構成を示している。
図20は、液体噴射機構9Eの液体噴射ノズル18の構成を示す図である。
図17(a)に示すように、本実施形態6では、複数(ここでは、5個)の媒体収納庫12が、ケーシング部(装填フレーム)11Eの内部に装填されている。ケーシング部11Eは、媒体収納庫12が装填されるフレーム構造体である。ケーシング部11Eは、運用時に、現金取扱装置1の金庫11(図1参照)の内部に配置されている。ケーシング部11Eは、スライドレール等によって移動可能に支持されており、媒体収納庫12の取り付け時や取り外し時に、現金取扱装置1の金庫11の内部から外部に引き出すことができる。図17は、現金取扱装置1の内部から外部にケーシング部11Eを引き出したときの状態を、現金取扱装置1を省略して示している。
ケーシング部11Eは、上部部分11Uと下部部分11Lとに分割された構成になっている。上部部分11Uは、内部に前記した振分搬送部7を備える部位である。下部部分11Lは、内部に媒体収納庫12を装填する下部ユニット8として機能する部位である。
図17(b)に示す例では、上部部分11Uは、下部部分11Lの長手方向側辺付近で軸支されており、下部部分11Lに対して回動可能な構成になっている。ケーシング部11Eは、上部部分11Uが回動されることによって、下部部分11Lの内部の空間が外部に開放されて、媒体収納庫12の取り付け(装填)や取り外しが可能な状態になる。下部部分11Lには、各媒体収納庫12の取付位置を規定するための図示せぬ機構が設けられている。
上部部分11Uの内部及び媒体収納庫12の内部には、インクの流路が形成されている。以下、上部部分11Uの内部に形成された流路を「ケーシング内流路」と称する。また、媒体収納庫12の内部に形成された流路を「ユニット内流路」と称する。「ケーシング内流路」は、インクを液体タンク21から各媒体収納庫12に供給するための流路である。「ユニット内流路」は、各媒体収納庫12に供給されたインクを液体噴射ノズル18に供給するための流路である。
図18(a)及び図18(b)に示すように、上部部分11Uは、媒体収納庫12の上方に配置されている振分搬送部7の周囲に液体タンク21を備えている。本実施形態6では、液体タンク21は、ケーシング部11Eに装填されている全ての媒体収納庫12にインクを供給する構成になっている。
本実施形態6では、液体タンク21のインクの収納量は、実施形態1〜5に係る液体噴射機構9〜9Dにおける5個の媒体収納庫12の2つの液体タンク21a,21bの合計のインクの収納量よりも、多くなっている。
液体タンク21には、各媒体収納庫12の媒体受渡口と上部部分11Uの媒体受渡口との位置を合わせるための位置決めピン104が接続されている。位置決めピン104は、差込口22ho(図19参照)とともに、前記したケーシング内流路と前記したユニット内流路とを連結する連結機構を構成する部材である。
「差込口22ho(図19参照)」は、位置決めピン104の先端部が差し込まれる開口部である。「差込口22ho」は、各媒体収納庫12に対応して配置されたパイプ22の端部に形成されている。パイプ22は、各媒体収納庫12の内部に配置されており、後記する液体噴射ノズル18TP及び液体噴射ノズル18Re,18R,18Lに連結されている(図20参照)。
位置決めピン104の先端部は、開放された状態の上部部分11Uが閉鎖されたときに、差込口22hoに差し込まれる。これによって、位置決めピン104は、前記したケーシング内流路と前記したユニット内流路とを連結するとともに、ケーシング内流路とユニット内流路との位置を決める。
位置決めピン104の先端部は、閉鎖された状態の上部部分11Uが開放されたときに、差込口22hoから引き抜かれる。これによって、ケーシング内流路とユニット内流路とは、分離する。
図19(a)及び図19(b)に示すように、位置決めピン104の先端部を差込口22hoに容易に差し込ませることができるように、位置決めピン104の先端部には、テーパが形成されている。また、図19(c)に示すように、位置決めピン104の先端部の横方向断面の外形は、円形に形成されているとともに、差込口22hoの横方向断面の内形は、長孔形状に形成されている。
位置決めピン104は、内部が空洞状に形成されており、液体タンク21から送り出されたインクが内部を流れる構成になっている。
図18(a)に示すように、液体噴射機構9Eは、液体タンク21の近傍にガス発生器103を備えている。また、図19(a)に示すように、液体噴射機構9Eは、液体タンク21の上方に液体押出板102を備えている。
ガス発生器103は、液体押出板102を加圧する加圧機構である。
液体押出板102は、液体タンク21を押し潰して、液体タンク21の内部に収納されているインクを位置決めピン104側に送り出させる板部材である。
図19(a)及び図19(b)に示すように、液体押出板102の上方には、液体押出板102とケーシング部11Eの内壁面とによって密閉空間25が形成されている。ガス発生器103の図示せぬパイプは、密閉空間25に接続されている。
液体タンク21と位置決めピン104との間には、蓋(又は弁)105が配置されている。蓋105は、通常時(非常事態が発生していないとき)に、インクが液体タンク21側から位置決めピン104側に流れ出ないようにするための封止部材である。
位置決めピン104の先端部が差し込まれる箇所には、パイプ22が配置されている。パイプ22の端部には、前記した差込口22hoが形成されている。
図20に示すように、パイプ22は、液体噴射ノズル18に接続されている。本実施形態6では、液体噴射機構9Eは、比較的大量のインクを使用することができるため、液体噴射ノズル18として、液体噴射ノズル18Re,18R,18Lだけでなく、液体噴射ノズル18TPを有する構成になっている。
液体噴射ノズル18TPは、集積可能空間24内に集積された集積媒体の上面と同じ高さ(又は、上面よりも上の高さ)の位置に、集積媒体の上面と平行に配置されたノズルである。液体噴射ノズル18TPの液体噴射孔は、集積媒体の上面の方向に向けて形成されている。
<液体噴射機構の動作>
以下に、図19(b)を参照して、液体噴射機構9Eの動作につき説明する。
現金取扱装置1の制御部は、非常事態の発生時に、まず、液体噴射機構9Eの内部に設けられた図示せぬ液体噴射制御部にインクの噴射命令を出力する。
これに応答して、液体噴射機構9Eの図示せぬ液体噴射制御部は、ガス発生器103を作動させる。ガス発生器103が作動すると、ガスが発生する。発生したガスは、瞬時に、密閉空間25に流れ込み、密閉空間25に充填される。その結果、密閉空間25に充填されたガスが、液体押出板102を下方に押圧する。
液体押出板102は、下方に移動して、液体タンク21を押し潰す。このとき、液体タンク21内のインクは、5個の媒体収納庫12の各位置決めピン104に対応して設けられた各蓋105を突き破る。その結果、比較的大量のインクが、各位置決めピン104内に流入し、さらに、パイプ22内を通って、各媒体収納庫12内に流入する。
各媒体収納庫12内に流入した比較的大量のインクは、液体噴射ノズル18TP,18Re,18R,18L(図20参照)から集積媒体に向かって噴射される。このとき、インクは、集積媒体の端面に沿って拡散する。これにより、液体噴射機構9Eは、大量の枚数の媒体を汚損させる。
以上の通り、本実施形態6に係る液体噴射機構9Eによれば、実施形態1〜5に係る液体噴射機構9〜9Dと同様に、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させるとともに、全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
しかも、液体噴射機構9Eによれば、実施形態1〜5に係る液体噴射機構9〜9Dに比べて、媒体収納庫12の軽量化及び小型化を可能にするとともに、媒体の収納枚数の増加を可能とし、さらに、比較的大量のインクを噴射して、大量の枚数の媒体を汚損させることができる。
[実施形態7]
本実施形態7は、集積媒体(集積可能空間24)の周囲に、インクを含むと体積が膨張する膨張部材を配置し、膨張部材によっても大量の枚数の媒体を汚損させる液体噴射機構9Fを提供するものである。
以下、図21を参照して、本実施形態7に係る液体噴射機構9Fの構成につき説明する。図21は、本実施形態7に係る液体噴射機構9Fの構成を模式的に示す図である。
図21に示すように、本実施形態7に係る液体噴射機構9Fは、実施形態6に係る液体噴射機構9E(図20参照)と比較すると、集積媒体(集積可能空間24)の周囲に、スポンジ109を有している点で相違している。
ただし、図21では、各ガイド部材17F,17Re,17R,17Lを省略して液体噴射機構9Eの構成を示している。したがって、実際には、各ガイド部材17F,17Re,17R,17Lは、存在している。
スポンジ109は、インクを含むと体積が膨張する膨張部材である。スポンジ109は、インクを含むと体積が膨張する性質を持つ高分子ポリマー材によって構成されている。スポンジ109は、集積可能空間24内に集積された集積媒体の4つの側面のうち、任意の1乃至複数の端面の周囲に配置されている。
以下、液体噴射機構9Fの動作につき説明する。
本実施形態7に係る液体噴射機構9Fのインクの噴射の動作は、実施形態6に係る液体噴射機構9Eのインクの噴射の動作と同じである。
ただし、本実施形態7では、各液体噴射ノズル18TP,18RE,18R,18Lから噴射されたインクが、集積媒体の周囲に配置されているスポンジ109に付着する。スポンジ109は、インクが付着すると、体積が膨張する。これにより、スポンジ109と集積媒体とが、密着した状態になる。このとき、インクが、スポンジ109から漏れ出る。これにより、液体噴射機構9Fは、漏れ出たインクを集積媒体に付着させて、大量の枚数の媒体を汚損させることができる。
このような液体噴射機構9Fは、各液体噴射ノズル18TP,18RE,18R,18Lから集積媒体に直接噴射されたインクと、集積媒体の周囲を流れるインクとに加え、スポンジ109に付着したインクによっても、大量の枚数の媒体を汚損させることができる。そのため、液体噴射機構9Fは、実施形態6に係る液体噴射機構9Eよりも、さらに、各媒体の汚損面積を増大させることができる。
以上の通り、本実施形態7に係る液体噴射機構9Fによれば、実施形態1〜6に係る液体噴射機構9〜9Eと同様に、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させるとともに、全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
しかも、液体噴射機構9Fによれば、実施形態6に係る液体噴射機構9Eよりも、さらに、各媒体の汚損面積を増大させることができる。
[実施形態8]
本実施形態7は、液体タンク21を媒体収納庫12の下方に配置させた液体噴射機構9Gを提供するものである。
以下、図22及び図23を参照して、本実施形態8に係る液体噴射機構9Gの構成につき説明する。図22は、本実施形態8に係る液体噴射機構9Gの構成を模式的に示す図である。図22(a)は、側方から見た、液体噴射機構9Gの構成を示している。図22(b)は、前方から見た、液体噴射機構9Gの構成を示している。図23は、液体噴射機構9Gの液体噴射ノズル18の構成を示す図である。
図22(a)及び図22(b)に示すように、本実施形態8に係る液体噴射機構9Gは、実施形態6に係る液体噴射機構9Eと比較すると、液体タンク21が媒体収納庫12の下方に配置されている点で相違している。
液体タンク21は、媒体収納庫12が装填されている下部ユニット8の底部に配置されている。本実施形態8では、液体タンク21のインクの収納量は、実施形態1〜5に係る液体噴射機構9〜9Dにおける5個の媒体収納庫12の2つの液体タンク21a,21bの合計のインクの収納量よりも、多くなっている。
液体タンク21には、ケーシング部11Gに装填される各媒体収納庫12との位置を合わせるための位置決めピン104が接続されている。位置決めピン104は、各媒体収納庫12に対応して配置されたパイプ22の端部に形成された差込口22ho(図19参照)に差し込まれる構成になっている。
パイプ22は、上下方向に延在するように配置されている。パイプ22の下端部は、位置決めピン104と接続可能な位置に配置されている。一方、パイプ22の上端部は、図23に示すように、集積可能空間24内に集積された集積媒体の上面と同じ高さ(又は、上面よりも上の高さ)の位置に配置された液体噴射ノズル18TPと接続されている。
液体タンク21の近傍には、ガス発生器103が配置されている。また、液体タンク21の下方には、液体押出板102が配置されている。さらに、液体押出板102の下方には、液体押出板102とケーシング部11Gの内壁面とによって密閉空間25が形成されている。ガス発生器103の図示せぬパイプは、密閉空間25に接続されている。
液体タンク21と位置決めピン104との間には、蓋(又は弁)105(図19参照)が配置されている。
このような液体噴射機構9Gは、液体押出板102の移動方向及び液体タンク21から流れ出たインクの流れの方向が異なる以外は、実施形態6に係る液体噴射機構9Eと同様の動作を行う。
係る構成において、液体噴射機構9Gは、実施形態6に係る液体噴射機構9Eと比較すると、液体タンク21やガス発生器103が振分搬送部7に設けられていない点で相違している。そのため、液体噴射機構9Gは、振分搬送部7を軽量に構成することができる。これにより、液体噴射機構9Gは、実施形態6に係る液体噴射機構9Eよりも、ケーシング部11Gの上部部分11U(図22参照)を持ち上げ易くすることができる。したがって、ユーザは、例えば、ケーシング部11Gに対して媒体収納庫12を取り付ける場合や取り外す場合等において、上部部分11Uを持ち上げるときに、上部部分11Uを容易に持ち上げることができる。
以上の通り、本実施形態8に係る液体噴射機構9Gによれば、実施形態1〜7に係る液体噴射機構9〜9Fと同様に、上下方向に集積された各媒体の汚損面積を増大させるとともに、全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。
しかも、液体噴射機構9Gによれば、実施形態6に係る液体噴射機構9Eと同様に、実施形態1〜5に係る液体噴射機構9〜9Dに比べて、媒体収納庫12の軽量化及び小型化を可能にするとともに、媒体の収納枚数の増加を可能とし、さらに、比較的大量のインクを噴射して、大量の枚数の媒体を汚損させることができる。
さらに、液体噴射機構9Gによれば、実施形態6に係る液体噴射機構9Eよりも、ケーシング部11Gの上部部分11U(図22参照)を持ち上げ易くすることができる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、前記した実施形態は、本発明の要旨を分かり易く説明するために詳細に説明したものである。そのため、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、本発明は、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に追加したり、置き換えたりすることができる。また、本発明は、ある実施形態の構成から一部の構成を削除することができる。
例えば、本発明に係る液体噴射機構9,9A,9B,9C,9Dは、リジェクト庫6(図1参照)等の媒体収納庫12以外の媒体を収納する構成要素に対して適用することができる。
また、例えば、図24に示すように、本発明に係る液体噴射機構9Eは、媒体を運搬する運搬用ケース200に適用することができる。図24は、本発明に係る液体噴射機構9Eが適用されている運搬用ケース200の構成を模式的に示す図である。
図24に示すように、運搬用ケース200は、蓋200Uと、媒体収納庫12の収納部200Lとを有している。蓋200Uは、振分搬送部7を備えていないこと以外は、実施形態6に係るケーシング部11Eの上部部分11Uと同様の構成になっている。収納部200Lは、各媒体収納庫12の取付位置を規定する機構が設けられており、媒体収納庫12の取り付け(装填)や取り外しが可能な構成になっている。
運搬用ケース200は、図示せぬ破壊検知部と図示せぬ液体噴射制御部とガス発生器103とを有している。図示せぬ破壊検知部は、運搬用ケース200が破壊された場合に、破壊されたことを検知して、破壊検知信号を液体噴射制御部に出力する。液体噴射制御部は、破壊検知信号が入力されると、ガス発生器103を作動させる。
運搬用ケース200は、実施形態6に係るケーシング部11E(図17参照)とほぼ同様の構成になっており、実施形態6に係る液体噴射機構9E(図18〜図20参照)を有している。このような運搬用ケース200は、運搬用ケース200の破壊等の非常事態の発生時に、運搬用ケース200が破壊されたことを検知し、ガス発生器103を作動させることによって、実施形態6に係るケーシング部11Eと同様の動作を行うことができる。
本発明に係る液体噴射機構9Eは、運搬用ケース200に適用することにより、現金取扱装置1における取引処理の実行時だけでなく、運搬用ケース200による媒体の運搬時にも、上下方向に集積された全ての媒体を広範囲に汚損させることができる。また、比較的大量のインクを噴射して、大量の枚数の媒体を汚損させることができる。
なお、図24は、5個の媒体収納庫12を収納可能な運搬用ケース200の構成を示している。しかしながら、収納個数は、5個に限らない。運搬用ケース200は、1個の媒体収納庫12だけを運搬する構成にすることも、また、複数の媒体収納庫12を運搬する構成にすることもできる。
1 現金取扱装置
2 上部ユニット
3 接客部
4 鑑別部
5 一時保留部
6 リジェクト庫
7 振分搬送部
8 下部ユニット
9,9A,9B,9C,9D,9E,9F,9G 液体噴射機構
10 受渡ガイド
11,11A,11B,11C,11D 金庫
11E,11G ケーシング部
12 媒体収納庫(ユニット)
13 取っ手部
14 媒体通過口
15 扉
16 鍵
17(17F,17L,17R,17Re) ガイド部材
18(18F,18L,18R,18Re),18A,18B,18C,18TP 液体噴射ノズル
18ho 液体噴射孔
19 筺体
20 ステージ
21(21a,21b) 液体タンク
22,106 パイプ(液体配送部材)
23 液体分岐部材
24 集積可能空間
31(31L,31R),32,51 リブ
41 壁部
42 傾斜面
52 開口部
53 液体(インク)の通り道
102 液体押出板
103 ガス発生器(加圧機構)
104 位置決めピン
105 蓋
109 スポンジ
200 運搬用ケース
SP1,SP4 下層
SP2,SP5 中層
SP3,SP6 上層
θ 噴射角度

Claims (19)

  1. 矩形状の媒体を上下方向に集積するステージと、
    上下方向に延設されており、かつ、前記ステージの上面に集積された媒体に対して液体を噴射する複数本の液体噴射ノズルを備える液体噴射機構とを有しており、
    前記液体噴射ノズルは、前記集積された媒体の少なくとも3つの側辺と対向する位置にそれぞれ設けられ、
    それぞれの前記液体噴射ノズルは、対向する前記側辺に対して所定の噴射角度で前記液体を噴射するように配置されている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  2. 請求項1に記載の媒体取扱装置において、
    前記所定の噴射角度は、60°以下である
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の媒体取扱装置において、
    前記複数本の液体噴射ノズルとして、
    前記集積された媒体の長手方向側辺に対向する長手方向ノズルと、
    前記集積された媒体の短手方向側辺に対向する短手方向ノズルとを有しており、
    前記短手方向ノズルは、前記長手方向側辺の方向に向けて前記液体を噴射する
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  4. 請求項3に記載の媒体取扱装置において、
    前記長手方向ノズルは、前記長手方向側辺の中央部近傍の位置に、前記長手方向側辺に対向して配置されており、前記長手方向側辺の中央部の方向に向けて前記液体を噴射する
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の媒体取扱装置において、
    前記長手方向ノズルの液体の噴射量は、前記短手方向ノズルの液体の噴射量よりも少なくなるように設定されている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の媒体取扱装置において、
    前記複数本の液体噴射ノズルは、それぞれ、液体を噴射する複数の液体噴射孔を備えており、
    それぞれの前記液体噴射孔は、前記媒体が集積される集積可能空間の上下方向に亘って延在するように配置されている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  7. 請求項6に記載の媒体取扱装置において、
    それぞれの前記液体噴射孔の液体の噴射量は、それぞれの前記液体噴射孔が配置されている高さ方向の位置に応じた量に設定されている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の媒体取扱装置において、
    さらに、前記液体が収納されている液体タンクと、
    前記液体タンクに収容されている液体を前記液体噴射ノズルに送るパイプとを有しており、
    前記液体タンクから送り出された液体を分岐させて前記複数本の液体噴射ノズルに分配する場合に、前記パイプの分岐点は、前記集積された媒体を介して一方側と他方側とに対向して配置されている一方側の液体噴射ノズルと他方側の液体噴射ノズルとに対し、当該分岐点から当該一方側の液体噴射ノズルまでの距離と当該分岐点から当該他方側の液体噴射ノズルまでの距離とが同距離になる位置に、配置されている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の媒体取扱装置において、
    さらに、ガイド面が前記集積された媒体の長手方向側辺に当接するように配置された長手方向ガイド部材と、
    ガイド面が前記集積された媒体の短手方向側辺に当接するように配置された短手方向ガイド部材とを有しており、
    前記長手方向ガイド部材及び前記短手方向ガイド部材のガイド面は、前記液体噴射ノズルから噴射された液体がガイド面に沿って流れるような位置に形成されている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  10. 請求項9に記載の媒体取扱装置において、
    前記長手方向ガイド部材のガイド面には、前記媒体が集積される集積可能空間の方向に向かって突出する複数本のリブが形成されており、
    それぞれの前記リブは、前記ガイド面の中央部から遠い側に、前記ガイド面との内角が鋭角になるように形成された傾斜面を備えている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  11. 請求項9に記載の媒体取扱装置において、
    前記長手方向ガイド部材のガイド面には、前記媒体が集積される集積可能空間の方向に向かって突出する複数本のリブが形成されており、
    前記複数本のリブには、それぞれの前記リブを跨いで斜め方向に貫通する開口部が形成されており、
    前記開口部は、前記液体の通り道として機能する
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の媒体取扱装置において、
    それぞれの前記液体噴射ノズルによる前記液体の噴射を複数回に分けて行わせる制御部を有する
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の媒体取扱装置において、
    さらに、前記液体が収納されている液体タンクと、
    前記液体タンク及び前記ステージ及び前記液体噴射ノズルが設けられているユニットを、1乃至複数装填可能なケーシング部とを有しており、
    前記液体タンクは、前記ケーシング部に装填されている全ての前記ユニットに前記液体を供給する
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  14. 請求項13に記載の媒体取扱装置おいて、
    前記ケーシング部は、内部に、前記媒体を1乃至複数の前記ユニットのいずれかに振り分けながら搬送する振分搬送部を備えており、
    前記液体タンクは、前記振分搬送部の周囲に配置されている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  15. 請求項13に記載の媒体取扱装置おいて、
    前記液体タンクは、前記ケーシング部に装填された前記ユニットの下方に配置されている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  16. 請求項13乃至請求項15のいずれか一項に記載の媒体取扱装置において、
    それぞれの前記ユニットは、前記液体をそれぞれの前記液体噴射ノズルに供給するユニット内流路を備えており、
    前記ケーシング部は、前記液体タンクから送り出された液体をそれぞれの前記ユニットに供給するケーシング内流路と、前記ユニット内流路と前記ケーシング内流路とを連結する連結機構とを備えている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  17. 請求項16に記載の媒体取扱装置おいて、
    前記連結機構は、前記ケーシング内流路に端部に配置されたピンと、前記ユニット内流路の端部に形成された差込口とを備えており、
    前記ピンは、内部を前記液体が流れるように、空洞状に形成されており、かつ、前記差込口に差し込まれることによって、前記ケーシング内流路と前記ユニット内流路との位置を決めるとともに、前記ケーシング内流路と前記ユニット内流路とを分離可能に連結する
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  18. 請求項13乃至請求項17のいずれか一項に記載の媒体取扱装置において、
    前記ユニットは、前記媒体が集積される集積可能空間の上方の位置に、前記集積可能空間に集積された前記媒体の上面に対して平行な方向に延在して配置され、かつ、液体噴射孔が前記集積可能空間の方向に向けて形成されている液体噴射ノズルを備えている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
  19. 請求項13乃至請求項18のいずれか一項に記載の媒体取扱装置において、
    前記ユニットは、内部の、前記媒体が集積される集積可能空間の周囲に、前記液体を含むと体積が膨張する材質の膨張部材を備えている
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
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