JP2016085105A - 移動体の速度推定装置、方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、移動体の挙動分析を高速に精度良く行うことを目的とする。
【解決手段】 上記課題は、移動体に搭載したカメラによって撮影された画像及び該移動体の位置情報の少なくとも1以上に基づいて、交差点を含む挙動算出範囲を特定する特定部と、特定した前記挙動算出範囲内で交差点進入位置を特定し、該交差点進入位置付近で取得したセンサ値に基づいて移動体の挙動を簡易的に推定する簡易推定部と、簡易的に推定した前記移動体の挙動に基づいて、前記交差点進入位置付近の複数の画像に対して画像処理を行うことで、該移動体の詳細な挙動を推定する詳細推定部と、該詳細な挙動を推定した前記複数の画像から、前記詳細な挙動の推定値に対する補正量を求め、該詳細な挙動の推定値と前記補正量とに基づいて前記挙動算出範囲の速度を推定する速度再推定部と、を有することを特徴とする移動体の速度推定装置により達成される。
【選択図】 図13

Description

本発明は、移動体の速度推定装置、方法、及びプログラムに関する。
近年、ドライブレコードに記録されたデータを分析して、車速を求め、車両等の移動体の挙動を分析することが行われている。
車体本体に取り付けたカメラによって得られた映像を画像処理して解析することで車速を測定し、車速センサによる車速誤差を補正する技術、所定の時間の前後におけるカメラからの各画像をもとに、同じ特徴物とその変位量を検出することにより、その時間における車両の走行距離を算出する技術等が提案されている。
また、GPS(Global Positioning System)と加速度等のセンサのデータとに基づいて取得した車両の位置において車両カメラが撮影した映像から、車両が交差点と交差したか否かを判断し、交差点の映像を抽出する技術が提案されている。
特開2005−291732号公報 特開2008−82925号公報 特開2013−206312号公報
車速を測定するために画像処理を繰り返し行う場合、計算コストが膨大になる。また、GPS又は映像を用いて取得した走行距離と、車速パルスのパルス数又は加速度センサとから車速を求めた場合、交差点付近における車速の急激な低速走行への変化を高精度に分析することができない。
したがって、1つの側面では、本発明は、移動体の挙動分析を高速に精度良く行うことを目的とする。
一態様によれば、移動体に搭載したカメラによって撮影された画像及び該移動体の位置情報の少なくとも1以上に基づいて、交差点を含む挙動算出範囲を特定する特定部と、特定した前記挙動算出範囲内で交差点進入位置を特定し、該交差点進入位置付近で取得したセンサ値に基づいて移動体の挙動を簡易的に推定する簡易推定部と、簡易的に推定した前記移動体の挙動に基づいて、前記交差点進入位置付近の複数の画像に対して画像処理を行うことで、該移動体の詳細な挙動を推定する詳細推定部と、該詳細な挙動を推定した前記複数の画像から、前記詳細な挙動の推定値に対する補正量を求め、該詳細な挙動の推定値と前記補正量とに基づいて前記挙動算出範囲の速度を推定する速度再推定部と、を有することを特徴とする移動体の速度推定装置が提供される。
また、上記課題を解決するための手段として、速度推定方法、及び、速度推定プログラムとすることもできる。
移動体の挙動分析を高速に精度良く行うことができる。
同一交差点通過時の各車両の速度変化例を示す図である。 車速パルスに基づく速度変化の例を示す図である。 速度の計測例を示す図である。 画像処理範囲の例を示す図である。 地図データとGPS測位値との照合例を示す図である。 交差点進入位置の特定方法を説明するための図である。 解析対象範囲における車両の速度変化の推定方法を説明するための図である。 加速度及び速度の推定例を示す図である。 第一の構成例を示す図である。 ドライブレコーダのハードウェア構成を示す図である。 速度推定装置のハードウェア構成を示す図である。 第二の構成例を示す図である。 速度推定部の機能構成の一例を示す図である。 本実施例における速度推定処理の全体を説明するためのフローチャート図である。 交差点位置候補検出処理の第1の例を説明するためのフローチャート図である。 処理区間の設定例を示す図である。 交差点位置候補検出処理の第2の例を説明するためのフローチャート図である。 交差点位置候補検出処理の第3の例を説明するためのフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
一般に、車両に搭載されたドライブレコーダには、車速パルスによる車速もしくはGPS測位値間の平均速度が記録されている。しかしながら、通常の記録速度は、1km/h単位であり、GPS測位値の更新レートは1Hz程度である。また、車速パルスは低速ではパルス発生間隔が長時間かかり、更新に時間がかかるうえ、その間の速度変化は平均値しか分からない。
例えば、交差点を徐行し、時速10kmで通過しようとしていたときに歩行者を発見して急ブレーキをかけたとする。通常、人の平均的な反応時間は、0.75秒とされており、空走距離は、
10 × 0.75 ÷ 3.6 ≒ 2m
となる。
また、制動距離は、乾いた舗装路で0.5m程であり、ブレーキをかけ始めてから停止するまでに2.5m程進む。時速5kmでも停止までにおよそ1m進む。見通しの悪い場所であれば低速で通過しても事故になる可能性があると考えられる。
見通しの悪い交差点での速度変化の例について図1で説明する。図1は、同一交差点通過時の各車両の速度変化例を示す図である。図1において、走行中の車両から撮影した側方の映像9e(図9)から作成したパノラマ画像6eの例で説明する。
車両側方のパノラマ画像6eで分かるように、交差点進入位置1aまで遮蔽物1eにより、運転者にとって左側の見通しが悪い。このような交差点は、減速や一時停止による注意が必要な場所である。車両A、B、及びCの交差点での走行状態を速度変化グラフ2を参照にして説明する。以下の説明において、車両A、B、及びCは、総称して車両9と呼ぶ場合がある。
速度変化グラフ2は、縦に速度[km/h]を示し、横に位置[m]を示す。交差点進入位置1aを基点(位置「0m」)として、車両の走行方向において、負の値で交差点進入位置1aへと接近する距離を示し、正の値で交差点進入位置1aからの遠ざかる方向への距離を示している。
車両Aは、交差点進入位置1a前の「−2m」位置程で既に速度5km/h程に減速しており、更に、交差点進入位置1aで速度2km/hまで減速した後、目視可能位置1b直前の凡そ「2m」位置で停止し、その後加速して交差点を通過している。凡そ「2m」位置が、車両Aの停止位置1cに相当する。
車両Bは、交差点進入位置1a前の「−1m」位置程で急激に速度5km/h程まで減速して交差点進入位置1aを通過し、目視可能位置1bの直前の「2m」弱の位置で速度2km/h弱で最徐行状態になり、目視可能位置1bを通り過ぎた後、加速して交差点を通過している。
車両Cは、交差点進入位置1aの手前で一旦停止するように徐行して、「−0m」位置程で一時停止し、交差点進入位置1aから最徐行位置1dまでの間となる凡そ「1m」位置で、再度停止する。その後、車両Cは、加速して交差点を通過している。凡そ「1m」位置が、車両Cの停止位置1cに相当する。
車両Aの交差点付近での挙動について、車速パルスに基づく速度変化で解析した場合を図2で説明する。図2は、車速パルスに基づく速度変化の例を示す図である。
図2では、図1の速度変化グラフ2で示す車両Aの速度変化のみを示した速度変化グラフ2bと、車両Aの速度パルスに基づく速度変化を示す車速パルス速度変化グラフ2fとを示す。速度変化グラフ2aは、図1と同様に、縦軸に速度[km/h]を示し、横軸に位置[m]を示す。車両Aの挙動については上述した通りであるので、その説明を省略する。
車速パルス速度変化グラフ2fは、縦軸に速度[km/h]を示し、横軸に時刻[sec]を示す。この例では、車両Aにて、所定の間隔(例えば、0.5秒間隔)で取得した速度を点で示し、時系列に従って点を直線で結んだグラフを示している。速度を計測した時刻をtで示している。例えば、時刻tと時刻ti+1の間隔は0.5秒である。
車両Aの挙動を時系列に従って速度パルスにより得た速度で検証した場合、速度変化グラフ2aにおける、交差点進入位置1a直後の速度3aと目視可能位置1bとの間で、3km/h強まで加速しているのに対して、車速パルス速度変化グラフ2fでは、時刻ti+1と時刻ti+4との間のでの加速は示されていない。
速度変化グラフ2aと車速パルス速度変化グラフ2fとの間では、速度の値に誤差が存在する。更に、速度3a'は、グラフから得られる値であり、精度が更に荒くなる。
また、最徐行位置1dから目視可能位置1aまでの区間3bは、車速パルス速度変化グラフ2fでは、時刻ti+4から時刻ti+9に相当し、各時刻ti+4、ti+5、ti+6、ti+7、ti+8、及びti+9の速度は、全て0km/hを示している。区間3bのように非常に短い距離(例えば、500m以下)における低速走行では、速度変化を精度良く得ることができない。そのため、車速パルスによる速度変化グラフ2fからでは、車両Bが最徐行で走行したのか、完全に停止したのかを判定することが困難である。
車両9に搭載されたドライブレコーダでは、カメラが撮影したフレーム毎に、GPS測位値による速度と車速パルスによる速度とが記憶されている。GPS測位値と車速パルスのパルス数とが記憶されていても良く、結果、GPS測位値による速度と、車速パルスによる速度と、を夫々得られる。
画像の撮影間隔は、約30Hzであるのに対して、GPSの測位間隔は約1Hzであり、フレーム間隔はGPSの測位間隔より狭い。また、画像の撮影間隔は、車速パルスの間隔よりも狭い。一方、時速数kmという低速運転中は、車両9によっては車速パルスが出力されない場合がある。このような理由により、通常、フレーム内に、撮影時点で取得したGPS測位値及び/又は車速パルスに基づく各速度が記録される。
図3は、速度の計測例を示す図である。図3では、車両9に搭載されたカメラが撮影したフレーム毎に、GPS測位値による速度4gと、車速パルスによる速度4vの例を示している。
GPS測位値による速度4gは、GPS測位値の誤差に影響され、大きな速度変化を示す場合がある。GPS測位値による速度4gでは、急ブレーキによる減速であるのかを判断し難い。また、車速パルスによる速度4vは、前述したように、低速走行において、速度変化を示さないため、停止したのか、又は徐行であるのかの判断がし難い。
見通しが悪く、減速や一時停止による注意が必要な、交差点等の場所での車両9の挙動分析においては、最徐行時間、停止時間、急ブレーキの有無等を精度良く分析することが有用である。これらの分析には、低速走行中においても、10Hz以上の更新レート及び0.1km/h単位の精度が望ましい。
また、図1及び図2の速度変化グラブ2及び2bでは、交差点進入位置1aを基点として、−2mから4mまでの範囲で説明したが、最徐行時間、停止時間、急ブレーキの有無等を含めた車両9の挙動分析には、交差点進入位置1aを基点に−4mから6m程度の範囲を特定して、その範囲における速度変化を精度良く取得することが望ましい。以下、交差点進入位置1aを基点とした−4mから6mまでの範囲を「解析対象範囲5」と呼ぶ。
車両9のドライブレコーダに記録されたデータのうち、カメラが撮影した映像9e(図9)を用いて、交差点を特定し、解析対象範囲5の車速を求める画像処理について説明する。
図4は、画像処理範囲の例を示す図である。図4(A)では、走行中に撮影したフレーム6の全シーケンス5qに対して画像処理を行う場合を示している。走行経路に含まれる交差点に関する画像を含めて全てのフレーム6に対して画像処理が行われる。
画像処理による移動体の高精度な推定は数多く研究されている。例えば、「Richard Szeliski著,Computer Vision: Algorithms and Applications, Springer,2010」等が知られている。しかしながら、計算量が膨大であり、全シーケンス5qのような大量の映像データ分析には向いていない。
図4(B)では、全シーケンス5qから交差点進入位置1aを含む解析対象範囲5を特定して、解析対象範囲5のフレーム6を抽出して画像処理を行う。図4(A)の全シーケンス5qに対して画像処理を行う場合に比べて、交差点とは関連のないシーンを計算範囲から除外することで高速化され、数分の一への計算コスト削減が可能となる。
しかしながら、各解析対象範囲5において、上述した10Hz以上の更新レート及び0.1km/h単位の精度の画像処理を行う場合には、相当の計算時間を要する。計算コストを更に削減する必要がある。
以下に説明する本実施例では、各解析対象範囲5での、車両9等の移動体の挙動分析を効率的に精度良く行う手法を提案する。本実施例では、移動体の例として、車両9で説明するが、本実施例の適用範囲は車両9に限定されない。本実施例に係る速度推定部40によって行われる速度推定処理について説明する。
先ず、速度推定部40は、車両9が交差点進入位置1aに差し掛かったデータ抽出基準位置6rを推測する。データ抽出基準位置6rは、ほぼ交差点進入位置1a(図1)に相当する。データ抽出基準位置6rは、交差点進入位置1aの周辺で観測された車両9の位置情報のうち、交差点進入位置1aから交差点に進入直後の、最も交差点進入位置1aに近い位置情報によって特定される。データ抽出基準位置6rは、フレーム6を抽出する基準として、また、加速度データを抽出する範囲を決定する基準として参照される。
図5は、地図データとGPS測位値との照合例を示す図である。図5では、道路Aと道路Bとの交差点及びその周辺の地図を含む地図データ7上にGPS測位値6gを照合させた例を示している。この例では、GPS測位値6g間を進行方向を示す矢印を付加して示している。
GPS測位値6gの誤差は95%が20m程度に収まることが知られている。例えば、「坂井丈泰、"A.1 GPS/GNSSの基礎知識"、[online]、[平成26年8月5日検索]、インターネット<URL:http://www.enri.go.jp/~sakai/pub/symp07a.pdf>」等には、「測位精度については水平誤差で13m(95%、全世界平均)以下と規定されており、・・・」と記載されている。
仮に、交差点進入位置1aの前4m、後ろ6mの画像データを分析する場合、GPS測位値6gの誤差を考慮して、
20m×2+4+6=50m
程度を処理区間8とする。処理区間8は後述される。
速度推定部40は、地図データ7から交差点の位置を取得して、各フレーム6のGPS測定値6gに基づいて、処理区間8に含まれるフレーム6を取得する。例えば、図5の照合例において、処理区間8に含まれるGPS測定値6gの個数以上のフレーム6が処理対象となる。
次に、速度推定処理は、処理区間8のフレーム6で示される交差点の周辺の映像9eから、画像処理により交差点進入位置1aを絞り込む。交差点進入位置1aを特定する方法について、図6で説明する。図6は、交差点進入位置の特定方法を説明するための図である。
図6では、走行中の車両9の進行方向の映像9eを示している。映像9eから速度推定部40による交差点進入位置1aを特定する方法は、交差点の際にある建物の境界部分の縦エッジ71、交差点手前の停止線72、横断歩道73等の画像パターンを見つけるといった簡易的な処理で良い。
車両挙動を高精度に推定する処理と比較すると非常に計算コストが低い。交差点進入位置1aを特定する処理区間では、このときの距離計算は精度を要求しないため、車速パルスを用いて算出した位置情報及びGPS測位値6gの少なくとも1以上を用いることで、交差点進入位置1aを特定できる。
図7は、解析対象範囲における車両の速度変化の推定方法を説明するための図である。図7(A)は、図5(B)に相当し、本実施例を適用しない場合を示している。図7(A)では、各交差点に対する解析対象範囲5内において、部分シーケンス5q−1、5q−2、及び5q−3の全フレーム6の画像を解析して、車両9の速度変化を推定する。
図7(B)は、本実施例における車両9の速度変化の推定方法に関する。図7(B)において、速度推定部40は、以下の処理(i)、処理(ii)、及び処理(iii)を行う。
処理(i)において、速度推定部40は、ドライブレコーダから交差点境界付近の解析対象範囲5内で取得したセンサ値(加速度6v(図9)及びGPS測位値6g)を抽出し、車両9の挙動を推定する。処理(i)では、画像処理を行わないため、短時間で行うことができる。
ここで、利用する加速度6vにはオフセットなどの誤差が含まれているが、例えば、カルマン・スムーザなどを用いることで、画像処理と比較して、精度は低いが、大幅に計算コストを抑えつつ、かつ、オフセットをある程度排除した車両9の挙動推定が可能である。
処理(ii)において、速度推定部40は、処理(i)で推定した車両挙動に基づいて、抽出基準位置6rの周辺枚数の画像処理を行い、この間の車両挙動を高精度に推定する。例えば、各部分シーケンス5q−1、5q−2、及び5q−3において、抽出基準位置6rのフレーム6と、そのフレーム6の前後の2枚のフレーム6の合計3枚のフレーム6に対して画像処理を行って、高精度に車両挙動を推定する。
そして、処理(iii)において、速度推定部40は、推定した高精度な車両挙動から、加速度6vのオフセットなどを含む誤差の補正関数を求める。速度推定部40は、この補正関数を使って、各解析対象範囲5の全体の加速度6vを補正し、補正した加速度6vから車両9の速度変化を高精度に推定する。
以下に、図7(A)と図7(B)との計算量について検討する。例えば、解析対象範囲5の10m(=4m+6m)を平均時速5kmで走行したとすると、約7.2秒(=10m×(3600秒÷5000m))かかる。
1枚のフレーム6に対して高精度な画像処理を行った場合に1秒かかる場合、5FPS(frames per second)の映像9eを解析すると、図7(A)では約36秒(=約7.2秒×5FPS)かかる。即ち、1つの解析対象範囲5に対して約36秒の処理時間となる。
一方、図7(B)では、1つの解析対象範囲5に対して3枚のフレーム6に対してのみ高精度な画像処理を行うため、約3秒(=3フレーム×1秒)である。ここで、センサ値の処理時間は、画像処理と比較すると極短時間であるため無視できる。従って、本実施例(図7(B))では、本実施例を適用しない場合(図7(A))に比べて、約1/12(=約3秒÷約36秒)の処理時間で済む。
本実施例では、更に、精度を向上させるために、以下の処理を行う。
上記処理(ii)において、画像処理による高精度な車両挙動推定を行うと同時に、簡易的に絞り込んだ交差点進入位置1a(図6)が正解であったか否かを判断し、誤検出であったと判断した場合には他の候補に対して再度挙動推定を行うことが望ましい。
例えば、簡易的に推定した縦エッジ71が、交差点の際にある建物の境界部分であるのか否かを、画像処理で検証する。この画像処理では、3次元的な動きを検証して、縦エッジ71が交差点の際にある建物の境界部分であるのか、構造的な特徴を検証する。再度、推定された他の縦エッジが、簡易的に推定した縦エッジ71から離れている場合、処理(i)に戻り、オフセットを求め直すことから処理を繰り返す。
次に、上記処理(iii)における加速度6vの補正について説明する。交差点付近の縦断線形については、例えば、山梨県道路工事設計マニュアルに関して、
「山梨県県土整備部道路整備課、"第3節 平面交差点付近の線形"、[online]、[平成26年8月5日検索]、インターネット<URL:http://www.pref.yamanashi.jp/douroseibi/documents/13_kousaten.pdf>」
を参照すると、
『(1)交差点の取付部及び交差点前後の相当区間の縦断勾配はできるだけ緩やかにする.
(2)凸型縦断曲線の頂部又は凹型縦断曲線の底部付近に交差点を設けないようにすること
が望ましい。』
とある。このように、交差点近傍での急激な勾配変化は避けて設計されると考えられる。従って、交差点近傍の短い区間での勾配変化による加速度センサ14b(図9)への影響は無視できる。そこで、真の加速度a_trueは観測加速度a_obsvが一定の重力加速度成分a_gを用いて
と表せると考える。
交差点近傍に限定した短時間の映像処理から推定した車両速度v_est(i)に合うように、対応する観測加速度a_obsv(i)を補正するための重力加速度成分の推定値a_g_estと、解析対象範囲5の初期速度v_i0とを求める。
具体的には下式(数2)が最小となるように求めればよい。
車両9の速度は、
によって求められる。
図8は、加速度及び速度の推定例を示す図である。図8(A)は、交差点付近の加速度の変化を時系列に示したグラフである。図8(A)において、観測加速度a_obsvに対して重力加速度成分の推定値a_g_estで補正することで、補正加速度を得られる例を示している。補正加速度は、真の加速度a_trueと略一致する。
図8(B)は、交差点付近の速度の変化を時系列に示したグラフである。図8(B)において、観測加速度a_obsvを積分して得た未補正速度と、真の加速度a_trueのを積分して得た真の速度とが示されている。
未補正速度は、観測加速度a_obsvを積分する毎の重力加速度成分の推定値a_g_estの累積を含む。観測加速度a_obsvから重力加速度成分の推定値a_g_estを減算した補正加速度を用いて補正速度を求めることで、真の速度と略一致する。
上述した本実施例では、解析対象範囲5内では、勾配が大きく変わらないことを前提としている。勾配に変化があった場合には、推定した重力加速度成分からずれが生じ、速度の推定精度に影響を及ぼす。
速度の推定誤差は、推定したオフセットの誤差および走行時間の積の累積であるから、解析対象範囲5内の低速走行区間での平均的な重力加速度成分を推定することで、その低速走行区間外で勾配変化があっても、その勾配変化による影響を短時間で抑えられる。
例えば、最徐行又は停止したと判断する速度2km/h以下を、解析対象範囲5内の低速走行区間として設定する。又は、解析対象範囲5内で最も低速となった時点を含む範囲を低速走行区間として設定してもよい。
次に、本実施例に係る構成例について説明する。図9は、第一の構成例を示す図である。図9において、車両9は、ドライブレコーダ90を搭載する。ドライブレコーダ90では、加速度センサ14bが検知した加速度と、カメラ15bが撮像した映像9eと、GPS受信装置16bが受信したGPS測位値6gとが記憶部130bに記憶される。
記憶部130bに記憶された加速度、映像9e、GPS測位値6g等を含むデータ90dは、データ転送によって、速度推定装置100へ転送され、速度推定装置100の記憶部130aに格納される。
速度推定装置100は、速度推定部40を有する。速度推定部40は、記憶部130aから加速度、映像9e、GPS測位値6g等のデータを取得して、上述した交差点付近の車両9の速度を推定する。速度推定部40によって得られた推定速度9vは、記憶部130aに記憶される。
図10は、ドライブレコーダのハードウェア構成を示す図である。図10において、ドライブレコーダ90は、コンピュータによって制御される端末であって、CPU(Central Processing Unit)11bと、主記憶装置12bと、補助記憶装置13bと、加速度センサ14bと、カメラ15bと、GPS受信装置16bと、通信I/F(インターフェース)17bとを有し、バスB2に接続される。
CPU11bは、主記憶装置12bに格納されたプログラムに従ってドライブレコーダ90を制御する。主記憶装置12bには、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等が用いられ、CPU11bにて実行されるプログラム、CPU11bでの処理に必要なデータ、CPU11bでの処理にて得られたデータ等を記憶又は一時保存する。
補助記憶装置13bには、HDD(Hard Disk Drive)等が用いられ、各種処理を実行するためのプログラム等のデータを格納する。補助記憶装置13bに格納されているプログラムの一部が主記憶装置12bにロードされ、CPU11bに実行されることによって、各種処理が実現される。記憶部130bは、主記憶装置12b及び/又は補助記憶装置13bを有する。
加速度センサ14bは、車両9の加速度6vを検知するセンサである。カメラ15bは、車両9に1台以上搭載され、車両9の前方、後方、側面等の少なくとも1か所以上に設置される。GPS受信装置16bは、GPS測位値6gを受信する。加速度センサ14bが計測した加速度6vと、GPS受信装置16bが受信したGPS測位値6gとは、カメラ15bが撮像したフレームに付加されて、補助記憶部13bに格納される。
通信I/F17bは、速度推定装置100との通信を制御し、補助記憶装置13bに格納されているデータ90dをデータ転送する。
図11は、速度推定装置のハードウェア構成を示す図である。図11において、速度推定装置100は、コンピュータによって制御される端末であって、CPU(Central Processing Unit)11aと、主記憶装置12aと、補助記憶装置13aと、入力装置14aと、表示装置15aと、通信I/F(インターフェース)17aと、ドライブ装置18aとを有し、バスB1に接続される。
CPU11aは、主記憶装置12aに格納されたプログラムに従って速度推定装置100を制御する。主記憶装置12aには、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等が用いられ、CPU11aにて実行されるプログラム、CPU11aでの処理に必要なデータ、CPU11aでの処理にて得られたデータ等を記憶又は一時保存する。
補助記憶装置13aには、HDD(Hard Disk Drive)等が用いられ、各種処理を実行するためのプログラム等のデータを格納する。補助記憶装置13aに格納されているプログラムの一部が主記憶装置12aにロードされ、CPU11aに実行されることによって、各種処理が実現される。記憶部130aは、主記憶装置12a及び/又は補助記憶装置13aを有する。
入力装置14aは、マウス、キーボード等を有し、ユーザが速度推定装置100による処理に必要な各種情報を入力するために用いられる。表示装置15aは、CPU11aの制御のもとに必要な各種情報を表示する。通信I/F17aは、車両9のドライブレコーダ90との通信を制御し、ドライブレコーダ90からデータ90dを受信すると、補助記憶装置13aに格納する。
速度推定装置100によって行われる処理を実現するプログラムは、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)等の記憶媒体19aによって速度推定装置100に提供される。
ドライブ装置18aは、ドライブ装置18aにセットされた記憶媒体19a(例えば、CD−ROM等)と速度推定装置100とのインターフェースを行う。
また、記憶媒体19aに、後述される本実施の形態に係る種々の処理を実現するプログラムを格納し、この記憶媒体19aに格納されたプログラムは、ドライブ装置18aを介して速度推定装置100にインストールされる。インストールされたプログラムは、速度推定装置100により実行可能となる。
尚、プログラムを格納する媒体としてCD−ROMに限定するものではなく、コンピュータが読み取り可能な媒体であればよい。コンピュータ読取可能な記憶媒体として、CD−ROMの他に、DVDディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリであっても良い。
図12は、第二の構成例を示す図である。図12の第二の構成例では、車両9のドライブレコーダ90が、速度推定部40を有する。ドライブレコーダ90は、加速度センサ14bが検知した加速度6vと、カメラ15bが撮像した映像9eと、GPS受信装置16bが受信したGPS測位値6gとを記憶部130bに記憶する。
ドライブレコーダ90の速度推定部40は、記憶部130bから加速度6v、映像9e、GPS測位値6g等のデータを取得して、上述した速度推定処理を行う。速度推定処理の結果として得られる推定速度9vは、記憶部130bに記憶される。記憶部130bに記憶された、加速度6v、映像9e、GPS測位値6g、推定速度9v等の種々のデータは、データ転送により外部へ提供される。
第二の構成例におけるドライブレコーダ90のハードウェア構成は、第一の構成例におけるドライブレコーダ90と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
速度推定装置100又はドライブレコーダ90に実装される速度推定部40の機能構成について説明する。図13は、速度推定部の機能構成の一例を示す図である。
図13において、速度推定部40は、処理部として、交差点位置候補検出部41と、処理区間設定部42と、挙動簡易推定部43と、挙動詳細推定部44と、速度再推定部45とを有する。各処理部は、CPU11a又は11b(以下、総称してCPU11という)が対応するプログラムを実行することによって実現される。
速度推定部40への入力は、加速度6v、GPS測位値6g、映像9e等である。交差点位置候補検出部41と、処理区間設定部42とは、前処理に相当する。挙動簡易推定部43と、挙動詳細推定部44と、速度再推定部45とによって速度が推定される。その結果として、推定速度9vが出力される。
交差点位置候補検出部41は、GPS測位値6gを入力として受け取り、GPS測位値6gに関する交差点及びその周辺の地図を含む地図データ7と照合することで、交差点近傍にあるか否かを判断する。複数の地図データ7が、予め用意され記憶部130a又は130b(以下、総称して記憶部130という)に記憶される。
更に、交差点位置候補検出部41は、その近傍の映像9eを受け取り、簡易的な画像処理によって交差点進入位置1aを推定する。交差点進入位置1aの推定には、GPS測位値6g及び映像9eを利用すれば良い。或いは、GPS測位値6gのみ、又は、映像9eのみで検出してもよい。
処理区間設定部42は、GPS測位値6gに基づいて、交差点進入位置1aから規定距離の範囲を処理区間8として設定し、処理区間8を挙動簡易推定部43に通知する。解析対象範囲5は、処理区間8に包含されるものとする。
距離計算は、GPS測位値6gに基づくことに限定されない。車速パルスを利用しても良いし、加速度センサ14bの値を利用しても良い。ただし、加速度センサ14bの値を利用する場合には、累積誤差が含まれることを考慮し、広めに処理区間8を設定することが望ましい。
挙動簡易推定部43は、加速度6vとGPS測位値6gとから、処理区間8内の凡その車両9の速度と加速度6vとを推定し、挙動詳細推定部44に渡す。
挙動詳細推定部44は、画像間の特徴点の追跡などに、挙動簡易推定部43で推定した車両9の速度及び角速度の推定値を利用して、映像9e(動画像ともいう)から詳細な3次元解析を行うことで、カメラ15bの移動量を推定して、速度再推定部45に渡す。
交差点進入位置1aが正解であったか否かの判断は、挙動詳細推定部44で行っても良いし、個別の処理部として行っても良い。
速度再推定部45は、カメラ15bの移動量の推定値と、そのときの観測加速度とから、加速度センサ14bの補正量を求め、処理区間8内の観測加速度データ全体の補正量を求めて速度を求める。補正量は、オフセットの値又は関数で示される。上述したように3枚のフレーム6で解析する場合ではオフセットを利用することでよいが、フレーム6が3枚以上で解析する場合では関数を利用することが望ましい。
以下に、本実施例に係るフローチャートについて説明する。図14は、本実施例における速度推定処理の全体を説明するためのフローチャート図である。図14において、速度推定部40によって、まず、前処理が行われる。
交差点位置候補検出部41によって交差点位置候補検出処理を行う(ステップS10)。交差点進入位置1aの候補が検出され、候補の中から交差点進入位置1aが決定される。そして、処理区間設定部42は、処理区間8を設定する(ステップS20)。
速度推定部40は、次に、速度を推定する。挙動簡易推定部43は、車両9の挙動を簡易的に推定する(ステップS30)。図6での説明が、挙動簡易推定部43による挙動を簡易的に推定する処理に相当する。
挙動詳細推定部44は、挙動簡易推定部43によって簡易的に推定された車両9の挙動に基づいて、データ抽出基準位置6rのフレーム6と、周辺の数枚のフレーム6とに対して画像処理を行い、車両9の挙動を高精度に推定する(ステップS40)。図4(B)で説明した処理(i)から処理(ii)が、挙動詳細推定部44による挙動を詳細に推定する処理に相当する。
速度再推定部45は、加速度データの補正量を求めて、処理区間8内の位置情報を示す各フレーム6で示される加速度と求めた補正量とで、解析対象範囲5の車両9の速度を推定する(ステップS50)。推定された速度(推定速度9v)が出力され、記憶部130に格納される。図4(B)で説明した処理(iii)が、速度再推定部45による車両9の速度を再推定する処理に相当する。
交差点位置候補検出部41は、GPS測位値6gと地図データ7とを照合し、交差点外から交差点内に侵入した時刻を、フレーム6から取得する。この時刻は、図6の抽出基準位置6rに相当する。
図15は、交差点位置候補検出処理の第1の例を説明するためのフローチャート図である。図15において、交差点位置候補検出部41は、記憶部130から時系列にGPS測位値6gを取得する(ステップS111)。
交差点位置候補検出部41は、取得したGPS測位値6gと地図データ7とを照合する(ステップS112)。そして、交差点位置候補検出部41は、新たに交差点に進入したか否かを判断する(ステップS113)。交差点に進入していないもしくは以前より交差点に進入していたと判断した場合、交差点位置候補検出部41は、ステップS115へと進む。一方、交差点に進入したと判断した場合、交差点位置候補検出部41は、交差点候補フラグをGPS測位値6gに対して設定する(ステップS114)。
そして、交差点位置候補検出部41は、全てのGPS測位値6gを、地図データ7と照合したか否かを判断する(ステップS115)。未照合のGPS測位値6gが有る場合、交差点位置候補検出部41は、ステップS111へと戻り、上述した同様の処理を繰り返す。
一方、全てのGPS測位値6gを照合した場合、交差点位置候補検出部41は、この交差点位置候補検出処理を終了する。
次に、処理区間設定部42は、交差点候補フラグが設定されたGPS測位値6gを車両9が記録した時刻に基づいて、処理区間8を設定する。交差点候補フラグが設定されたGPS測位値6gは、図6の抽出基準位置6rに相当する。
処理区間設定部42によって行われる処理区間8の設定例について図16で説明する。図16は、処理区間の設定例を示す図である。図16において、車両9の進行方向は、右向きとする。
図16におけるGPS測位値6gは、交差点進入位置1aに進入する時刻に基づいて抽出した位置を示している。
範囲8e−2は、GPS測位値6gが解析対象範囲5の進行方向に対して最後方位置を示した場合に、車両9が実際に位置する可能性のある範囲を示す。また、範囲8f−2は、GPS測位値6gが解析対象範囲5の進行方向に対して最前方位置を示した場合に、車両9が実際に位置する可能性のある範囲を示す。ここで、任意のGPS測位値6gに対して、進行方向側を前方とし、進行方向と逆方向側を後方と呼ぶこととする。
解析対象範囲5において、交差点進入位置1aを基点として、後方L1と前方L2の間の車両9の速度を詳細に求める場合、GPS測位値6gの誤差を無視すれば、解析対象範囲5内のデータを解析すればよい。
しかし、前述したように、GPS測位値6gには誤差があり、実際には、交差点進入位置1aの後方側では、範囲8e−2のどこに位置しているのかは不明である。同様に、交差点進入位置1aの前方側では、範囲8f−2のどこに位置しているのかは不明である。
GPS測位値6gの列の連続性が保たれており、他のセンサ値との矛盾がない場合でも、全体的に、実際の位置からずれてシフトしている可能性もある。そこで、本来解析したい解析対象範囲5に加え、GPS測位値6gの誤差分も処理区間8に含める。以下、GPS測位値6gの誤差をGPS誤差という。
処理区間8の左端8eは、解析対象範囲5の左端がGPS測位される可能性のある位置であり、処理区間8の右端8fは、解析対象範囲5の右端がGPS測位される可能性のある位置である。
仮に、前方L1=4m、後方L2=6m、及びGPS誤差が±20m(95%が存在する範囲)とすると、処理区間8は、交差点進入位置1aから進行方向とは逆方向に24m、及び、進行方向に26mの範囲を含む。
交差点位置候補検出処理の第2の例として、交差点位置候補の抽出を映像9eのみから行っても良い。この場合は、GPS測位値6gの誤差の範囲8e−2及び8f−2を考慮しなくてよく、解析対象範囲5内を処理対象とすればよい。
図17は、交差点位置候補検出処理の第2の例を説明するためのフローチャート図である。図17において、交差点位置候補検出部41は、記憶部130からフレーム6を時系列に読み込む(ステップS131)。
交差点位置候補検出部41は、フレーム6の画像から交差点位置を簡易的に推定する(ステップS132)。そして、交差点位置候補検出部41は、フレーム6の画像が交差点候補となるか否かを判断する(ステップS133)。交差点候補とならないと判断した場合、交差点位置候補検出部41は、ステップS135へと進む。一方、交差点候補となると判断した場合、交差点位置候補検出部41は、交差点候補フラグをフレーム6に対して設定する(ステップS134)。
そして、交差点位置候補検出部41は、全てのフレーム6を処理したか否かを判断する(ステップS135)。未処理のフレーム6が存在する場合、ステップS131へと戻り、上述した同様の処理を繰り返す。
一方、全てのフレーム6を処理した場合、交差点位置候補検出部41は、この交差点位置候補検出処理を終了する。
交差点位置候補検出処理の第3の例として、交差点位置候補の抽出において、GPS測位値6gと地図データ7との照合の後、その前後の映像9eから交差点であることを簡易的に確認する場合について説明する。
図18は、交差点位置候補検出処理の第3の例を説明するためのフローチャート図である。図18において、交差点位置候補検出部41は、記憶部130から時系列にGPS測位値6gを取得する(ステップS151)。
交差点位置候補検出部41は、取得したGPS測位値6gと地図データ7とを照合する(ステップS152)。そして、交差点位置候補検出部41は、新たに交差点に進入したか否かを判断する(ステップS153)。
交差点に進入していないと判断した場合、交差点位置候補検出部41は、全てのGPS測位値6gを、地図データ7と照合したか否かを判断する(ステップS157)。未照合のGPS測位値6gが有る場合、交差点位置候補検出部41は、ステップS151へと戻り、上述した同様の処理を繰り返す。一方、全てのGPS測位値6gを照合した場合、交差点位置候補検出部41は、この交差点位置候補検出処理を終了する。
一方、交差点に進入したと判断した場合、交差点位置候補検出部41は、GPS測位値6gの時刻の前後のフレーム6を取得して(ステップS154)、取得した前後のフレーム6とを用いて、交差点位置を簡易的に推定する(ステップS155)。
交差点位置候補検出部41は、交差点候補フラグをGPS測位値6gに対して設定して(ステップS156)、全てのGPS測位値6gを、地図データ7と照合したか否かを判断する(ステップS157)。未照合のGPS測位値6gが有る場合、交差点位置候補検出部41は、ステップS151へと戻り、上述した同様の処理を繰り返す。一方、全てのGPS測位値6gを照合した場合、交差点位置候補検出部41は、この交差点位置候補検出処理を終了する。
次に、挙動簡易推定部43による挙動簡易推定方法について説明する。挙動簡易推定部43では、カルマンフィルタなどを用いて車両9の挙動を推定する。以下に、加速度センサ14bの値と、GPS測位値6gとを用いて速度を簡易的に推定する例を説明する。加速度センサ14bによって、加速度、重力成分、重力加速度成分を得ることができる。
車両9の運動モデルは等加々速度運動を仮定し、速度v、加速度a、及び加々速度jを用いて、
と表せる。
観測モデルは、真の加速度aに、重力成分のもれ込みgを加えたmが観測されると、
と表せる。
2時刻間(ここでは1秒とする)のGPS位置の距離差Lが観測されるとすると、
状態変数は、
観測変数は、
と表せる。
また、状態遷移モデルは、
観測モデルは、
観測分散は、
として、カルマンフィルタによる状態の推定を行う。
ドライブレコーダに記録されたデータを事後解析することから、カルマンスムーザを用いることも可能である。
挙動詳細推定部44による挙動詳細推推定方法について説明する。挙動詳細推定部44では、複数の画像を用いてカメラ15bの動きを推定する。具体的な例を挙げる。
先ず、フレーム6の画像間の自然特徴点の対応付けを行う。このとき、挙動簡易推定部43で求めた移動体の挙動をもとに画像間での自然特徴点の移動方向及び移動量を予測して、特徴点の探索範囲を絞ることで高速化する。
次に、特徴点の対応付け結果とカメラ15bの内部パラメータとを用いて基本行列Eを求める。
そして、基本行列Eからカメラ15bの並進Tと回転Rとを求める。
この並進成分をその画像のフレーム間の速度とし、上述したように重力加速度成分の推定値a_g_estと推定範囲の初期速度v_i0とを求め、その位置を基準として補正した加速度成分を積分し、推定速度9vを得る。
上述したように、本実施例によれば、ドライブレコーダに記録されたデータを分析して、加速度センサ14bの値、GPS測位値6g、及び映像9eのフレーム6を用いて交差点進入時に視界を遮る遮蔽物1eの際の位置(即ち、交差点進入位置1a)周辺での正確な速度変化を推定することができる。
本実施例において得られた高精度な推定速度9vは、ドライバの運転行動の傾向分析、交差点ごとの通過行動の傾向分析などに有効に利用される。
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
移動体に搭載したカメラによって撮影された画像及び該移動体の位置情報の少なくとも1以上に基づいて、交差点を含む挙動算出範囲を特定する特定部と、
特定した前記挙動算出範囲内で交差点進入位置を特定し、該交差点進入位置付近で取得したセンサ値に基づいて移動体の挙動を簡易的に推定する簡易推定部と、
簡易的に推定した前記移動体の挙動に基づいて、前記交差点進入位置付近の複数の画像に対して画像処理を行うことで、該移動体の詳細な挙動を推定する詳細推定部と、
該詳細な挙動を推定した前記複数の画像から、前記詳細な挙動の推定値に対する補正量を求め、該詳細な挙動の推定値と前記補正量とに基づいて前記挙動算出範囲の速度を推定する速度再推定部と、
を有することを特徴とする移動体の速度推定装置。
(付記2)
前記速度再推定部は、
前記挙動算出範囲において観測された加速度を一定の重力加速度成分を用いて補正して、前記速度を推定する
ことを特徴とする付記1記載の移動体の速度推定装置。
(付記3)
前記詳細推定部は、
前記挙動算出範囲内低速時の画像に対して前記移動体の詳細な挙動を推定する
ことを特徴とする付記1又は2記載の移動体の速度推定装置。
(付記4)
移動体に搭載したカメラによって撮影された画像及び測位した位置情報の少なくとも1以上に基づいて、交差点を含む挙動算出範囲を特定し、
特定した前記挙動算出範囲内で交差点進入位置を特定し、該交差点進入位置付近で取得したセンサ値に基づいて移動体の挙動を簡易的に推定し、
簡易的に推定した前記移動体の挙動に基づいて、前記交差点進入位置付近の複数の画像に対して画像処理を行うことで、該移動体の詳細な挙動の推定を行い、
前記詳細な挙動を推定した前記複数の画像から、前記詳細な挙動の推定値に対する補正量を求め、
前記詳細な挙動の推定値と前記補正量とに基づいて前記挙動算出範囲の速度を推定する、
処理をコンピュータが行う移動体の速度推定方法。
(付記5)
移動体に搭載したカメラによって撮影された画像及び測位した位置情報の少なくとも1以上に基づいて、交差点を含む挙動算出範囲を特定し、
特定した前記挙動算出範囲内ので交差点進入位置を特定し、該交差点進入位置付近で取得したセンサ値に基づいて移動体の挙動を簡易的に推定し、
簡易的に推定した前記移動体の挙動に基づいて、前記交差点進入位置付近の複数の画像に対して画像処理を行うことで、該移動体の詳細な挙動の推定を行い、
前記詳細な挙動を推定した前記複数の画像から、前記詳細な挙動の推定値に対する補正量を求め、
前記詳細な挙動の推定値と前記補正量とに基づいて前記挙動算出範囲の速度を推定する、
処理をコンピュータに行わせる移動体の速度推定プログラム。
(付記6)
測位値と加速度と周辺映像とを取得する取得部と、
前記周辺映像を用いて特定した交差点に進入する進入位置に基づいて、速度を推定する範囲を設定する設定部と、
前記範囲において、前記取得部が取得した前記加速度及び前記測位値を用いて、前記進入位置の挙動を簡易的に推定する簡易推定部と、
前記簡易的に推定した挙動に基づいて、前記範囲の前記周辺映像の一部分に対して画像処理を行うことで前記挙動を詳細に推定する詳細推定部、
前記詳細に推定した挙動に基づいて、取得した前記加速度の補正量を求め、該補正量で補正した加速度から速度を推定する速度推定部と
を有することを特徴とする移動体。
(付記7)
前記速度再推定部は、
前記範囲において観測された加速度を一定の重力加速度成分を用いて補正して、前記速度を推定する
ことを特徴とする付記6記載の移動体の速度推定装置。
(付記8)
前記範囲の前記周辺映像の一部分は、前記範囲内の低速時の映像を含むことを特徴とする付記6記載の移動体。
1a 交差点進入位置
5 解析対象範囲
6 フレーム
6g GPS測位値、 6r 抽出基準位置
7 地図データ
8 処理区間
9 車両
11a、11b CPU
12a、12b 主記憶装置
13a、13b 補助記憶装置
14a 入力装置、 14b 加速度センサ
15a 表示装置、 15b カメラ
16a 出力装置、 16b GPS受信装置
17a、17b 通信I/F
18a ドライブ
19a 記憶媒体
40 速度推定部
41 交差点位置候補検出部
42 処理区間設定部
43 挙動簡易推定部
44 挙動詳細推定部
45 速度再推定部
90 ドライブレコーダ
100 速度推定装置
130a、130b 記憶部

Claims (5)

  1. 移動体に搭載したカメラによって撮影された画像及び該移動体の位置情報の少なくとも1以上に基づいて、交差点を含む挙動算出範囲を特定する特定部と、
    特定した前記挙動算出範囲内で交差点進入位置を特定し、該交差点進入位置付近で取得したセンサ値に基づいて移動体の挙動を簡易的に推定する簡易推定部と、
    簡易的に推定した前記移動体の挙動に基づいて、前記交差点進入位置付近の複数の画像に対して画像処理を行うことで、該移動体の詳細な挙動を推定する詳細推定部と、
    該詳細な挙動を推定した前記複数の画像から、前記詳細な挙動の推定値に対する補正量を求め、該詳細な挙動の推定値と前記補正量とに基づいて前記挙動算出範囲の速度を推定する速度再推定部と、
    を有することを特徴とする移動体の速度推定装置。
  2. 前記速度再推定部は、
    前記挙動算出範囲において観測された加速度を一定の重力加速度成分を用いて補正して、前記速度を推定する
    ことを特徴とする請求項1記載の移動体の速度推定装置。
  3. 前記詳細推定部は、
    前記挙動算出範囲内低速時の画像に対して前記移動体の詳細な挙動を推定する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の移動体の速度推定装置。
  4. 移動体に搭載したカメラによって撮影された画像及び測位した位置情報の少なくとも1以上に基づいて、交差点を含む挙動算出範囲を特定し、
    特定した前記挙動算出範囲内で交差点進入位置を特定し、該交差点進入位置付近で取得したセンサ値に基づいて移動体の挙動を簡易的に推定し、
    簡易的に推定した前記移動体の挙動に基づいて、前記交差点進入位置付近の複数の画像に対して画像処理を行うことで、該移動体の詳細な挙動の推定を行い、
    前記詳細な挙動を推定した前記複数の画像から、前記詳細な挙動の推定値に対する補正量を求め、
    前記詳細な挙動の推定値と前記補正量とに基づいて前記挙動算出範囲の速度を推定する、
    処理をコンピュータが行う移動体の速度推定方法。
  5. 移動体に搭載したカメラによって撮影された画像及び測位した位置情報の少なくとも1以上に基づいて、交差点を含む挙動算出範囲を特定し、
    特定した前記挙動算出範囲内で交差点進入位置を特定し、該交差点進入位置付近で取得したセンサ値に基づいて移動体の挙動を簡易的に推定し、
    簡易的に推定した前記移動体の挙動に基づいて、前記交差点進入位置付近の複数の画像に対して画像処理を行うことで、該移動体の詳細な挙動の推定を行い、
    前記詳細な挙動を推定した前記複数の画像から、前記詳細な挙動の推定値に対する補正量を求め、
    前記詳細な挙動の推定値と前記補正量とに基づいて前記挙動算出範囲の速度を推定する、
    処理をコンピュータに行わせる移動体の速度推定プログラム。
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