JP2016085023A - 吹出口装置 - Google Patents

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【課題】斜め方向に吹き出すときの指向性をより高め、十分なカバーエリアを確保できる吹出口装置を提供する。【解決手段】吹出口装置は、タスク領域に向けて空調空気を個別に吹き出すノズル部210と、ノズル部210を支持するノズル支持部300と、を備える。ノズル部210は、ノズル部210を貫通する筒孔であるタスク用気流路230を有するとともに、ピッチ軸PXによって傾動可能に支持されている。ノズル支持部300は、ノズル部210がピッチング方向に傾動可能になるようにピッチ軸PXを支持し、さらに、この吹出口装置が取り付けられる天井に垂直であるヨー軸YX回りでノズル部210が回転可能になるようにノズル部210を支持する。タスク用気流路230は、その内壁面に、ピッチ軸PXに平行な平坦面を少なくとも一つ有する。例えば、タスク用気流路230は、角柱状の筒孔である。【選択図】図4

Description

本発明は、空調機器から供給される空調空気を室内に吹き出すための吹出口装置に関する。
天井に吹出口装置を設置し、この吹出口装置から居室に空調空気を供給することが行われている。居室内の空気を均一に調和させるアンビエント空調に加えて、執務者の在席領域(タスク領域)に個別に対応するタスク空調が行われるようになってきている。タスク空調にあっては、個々の執務者に対応した多数の吹出口装置を天井に設置し、各吹出口装置から各タスク領域に向けて気流を送り出す。タスク空調によって執務者の快適性が向上することはもちろんのことであるが、居室全体を均一に空調することに比べて省エネを図ることができる。例えば、冷房時には気流が執務者に直接到達するようになると、気流があることによって体感温度が下がり、設定温度を上げることができ、空調に掛かるエネルギーコストを削減することができる。
これまでもタスク空調用の吹出口装置が提案されている(例えば特許文献1、2)。特許文献1にはタスク・アンビエント兼用の吹出口装置が開示されている。この吹出口装置を図22に示す。従来のタスク用吹出口装置の構造を簡単に説明しておく。チャンバ11の下方において、円筒形の通気部材24、25がチャンバ11に連接されている。通気部材24、25の内側にはシャッタ機構を有する隔壁28、29が設けられ、隔壁28、29の中心には軸体30、31が回転可能に支持されている。さらに、軸体30、31の下方には、自在継手34、35および支軸36、37を介してノズル型の吹出部材38、39が傾動可能に設けられている。吹出部材38、39は、無底椀状の本体部38a、39aと、短円筒形状の口縁部38b、39bと、を有する。この構成において、ユーザが吹出部材38、39を所望の角度に調整する。すると、チャンバ11から通気部材24、25に流入した空気は吹出部材38、39、特に、吹出部材38、39の口縁部38a、39aで方向付けされた方向に吹き出す。これにより、所望の方向に気流が吹き、空調空気が執務者に直接当たるようになる。
特開2013−29238号公報 特開2013−127336号公報
従来のタスク用吹出口装置は、基本的には執務者の直上に設置することを前提に設計されてきた。例えば、特許文献2の吹出口システムは、タスク用気流としては真下にしか吹き出せない。ここで、特許文献1の吹出口装置は、吹出部材38、39を傾けることで斜め方向のタスク気流を生み出せる。しかしながら、特許文献1の吹出口装置は、斜め方向の吹出し気流に十分に配慮して設計されたとは言い難い。本発明者らは、この吹出口装置のモデルを試作して実験してみた。その結果、吹出部材38、39の方向と斜め気流の中心風速の方向に相違があることが判った。
一つの推論としては次のようなことが挙げられる。特許文献1の吹出口装置において、気流の方向を規定するためのノズルとなるのは吹出部材38、39である。この吹出部材38、39が通気部材24、25のなかで傾動することで気流の方向を自在に調整できることになっているが、指向性に影響のある吹出部材38、39の直線部分の長さ(38b、39b)が短い。
新幹線や飛行機、バスや自動車内といった狭い空間で人のすぐ近くに吹出し口がある場合は問題にならないが、通常のオフィスビルの天井に設置することを考えると吹出口方向と斜め気流の中心風速の方向に相違が生じる。
特許文献1の吹出口装置は、製品カタログによると斜め吹出しの角度は最大30度とある。執務者の間の天井にこの吹出口装置を設置した場合、気流のカバーエリアは図23のようになる。各執務者の全身がカバーエリアに入ることはなく、片方の肩だけや正面側だけに気流を感じる程度である。
斜め気流においては図22のごとく、吹出部材38、39のなかに支持軸36、37などのような障害物があるのは好ましいことではない。勢いよく流れてきた空気がこれら障害物にぶつかり、気流が乱れることで指向性が弱まるためである。空気の通り道に支持軸36、37などが配置されるのは、特許文献1に限らず、短円筒の吹出しノズルを採用するような場合によく見られることである(例えば特開2010−117068号公報)。
ちなみに、現状、タスク用吹出口装置は、価格がかなり高く設定されている。特許文献1の吹出口装置においても、例えば自在継手34、35を用いるなど構造が複雑であり、製造、組み立てにコストが嵩むことが推察される。高価格のためか、タスク用吹出口装置の導入が思うように進んでおらず、結果としてオフィス空調に関わる省エネもなかなか進まないという問題がある。
本発明の目的は、斜め方向に吹き出すときの指向性をより高め、十分なカバーエリアを確保できる吹出口装置を提供することにある。
本発明の吹出口装置は、
居室内で執務者が在席する領域であるタスク領域に向けて空調空気を個別に吹き出すノズル部と、
前記ノズル部を支持するノズル支持部と、を備えた吹出口装置であって、
前記ノズル部は、このノズル部を貫通する筒孔であるタスク用気流路を有するとともに、ピッチ軸によって傾動可能に支持されており、
前記ノズル支持部は、前記ノズル部がピッチング方向に傾動可能になるように前記ピッチ軸を支持し、さらに、この吹出口装置が取り付けられる天井または壁に垂直であるヨー軸回りで前記ノズル部が回転可能になるように当該ノズル部を支持し、
前記タスク用気流路は、その内壁面に、前記ピッチ軸に平行な平坦面を少なくとも一つ有する
ことを特徴とする。
本発明では、
前記タスク用気流路は、35mm以上の長さを有する
ことが好ましい。
本発明では、
前記タスク用気流路の出口側の開口部の一辺を基準にしたとき、前記タスク用気流路の長さは0.8倍以上である
ことが好ましい。
本発明では、
前記タスク用気流路は、角柱状の筒孔である
ことが好ましい。
本発明では、
円形の取付穴を有し、居室の天井または壁に嵌め込まれるパネル部をさらに備え、
前記ノズル支持部は、
内側で前記ノズル部を支持する筒状であって前記取付穴よりも径小の筒本体部と、
前記取付穴よりも径大のフランジ部と、を有し、
前記フランジ部が前記取付穴の周縁に引っ掛かり、当該ノズル支持部は前記パネル部の前記取付穴に回動可能に取り付けられている
ことが好ましい。
本発明では、
前記ノズル部は、その外形が短円筒状であるノズル本体部を有し、
前記筒本体部は、その内側に、筒の貫通を阻止するように遮蔽板を有し、前記遮蔽板は、前記ノズル本体部が遊嵌する内穴を有する
ことが好ましい。
本発明では、
前記筒本体部は、外穴を有する蓋を有し、この外穴から前記ノズル部の一部が前記筒本体部の外に出て、
前記ノズル部が前記外穴の縁に当接することで前記ノズル部の最大傾斜角が規制されている
ことが好ましい。
本発明では、
前記ノズル部は、前記タスク用気流路に連通し、前記タスク用気流路の入り口を外側に向けて漏斗状に広げる広口開口部を有する
ことが好ましい。
本発明では、
ダクトと接続される接続口を側面に有するとともに、一面が開口した中空のチャンバーボックスと、前記チャンバーボックスの開口を閉塞するように取り付けられるパネル部と、を備え、
前記チャンバーボックスは、その開口の縁が末広がりに広がった外コーン部を有し、前記パネル部は、その外周が末広がりに広がった内コーン部を有し、前記パネル部が前記チャンバーボックスの開口に取り付けられたときに、前記外コーン部と前記内コーン部との間に生じる隙間がアンビエント用吹出口となり、
前記パネル部は、その外周に沿って立設された側壁を有し、
前記チャンバーボックスの開口に前記パネル部が取り付けられたときに前記側壁と前記チャンバーボックスの内面とが隙間を介して対向し、
前記接続口がある側面と反対側にある前記側壁を第1側壁とし、前記接続口がある側面にある前記側壁を第2側壁とするとき、
第2側壁の高さT2は、第1側壁の高さT1よりも高い
ことが好ましい。
本発明では、
前記接続口がある側面に交差する側にある前記側壁の高さは、前記第2側壁の高さよりも高い
ことが好ましい。
本発明の吹出口装置100を天井に設置した状態を示す図。 本発明の下面パネル部120をチャンバーボックス110から取り外した状態を示す図。 本発明の下面パネル部120の斜視図。 本発明のタスク用吹出部200の分解斜視図。 本発明のタスク用吹出部200を下面パネル部120に取り付けた状態を示す図。 図5中のVI-VI線におけるタスク用吹出部200の断面図。 本発明のノズル部210を傾けた状態を示す図。 本発明の居室内の執務者に気流を吹き出している様子を示す図。 本発明のノズルの形状と性能との関係を調べる実験方法を説明するための図。 本発明の天井に吹出口装置100を設置した場合のカバーエリアを示した図。 本発明の遮蔽板340の作用効果を説明するための図。 ノズル部の傾斜角度を過度に大きくした場合を示す図。 本発明のピッチ軸の支持位置を下げた場合を示す図。 本発明のタスク用気流路230を三角柱状にした場合の例を示す図。 本発明のタスク用気流路230を半円柱状にした場合の例を示す図。 本発明のノズル部の傾斜の向きを右傾斜から左傾斜に変更する様子を示す図。 本発明のノズル部210の外形を角柱状にした場合の例を示す図。 本発明のノズル部の形状の変形例を示す図。 本発明の第2実施形態を示す図。 本発明のチャンバーボックス110を下面パネル部120から外した状態を示す図。 本発明のチャンバーボックス110内の気流をモデル化して示す図。 従来技術の説明図。 従来技術によるカバーエリアを例示した図。
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、吹出口装置100を天井に設置した状態を示す図である。
吹出口装置100は、チャンバーボックス110と、下面パネル部120と、タスク用吹出部200と、を備える。
図2は、下面パネル部120をチャンバーボックス110から取り外した状態を示す図である。チャンバーボックス110は、全体に角柱状(四角柱状)であって、下面111が開口した中空体である。チャンバーボックス110は、その一側面に、ダクト500に接続される接続口112を有する。
図3は、下面パネル部120の斜視図である。
下面パネル部120は、チャンバーボックス110の下面開口111を閉塞するように取り付けられるものである。下面パネル部120は、樹脂または金属からなる矩形の薄板である。下面パネル部120は、その略中央に円形の穴121を有する。この穴121はタスク用吹出部200を取り付けるためのものであるので、この穴を取付穴121と称することにする。
図4は、タスク用吹出部200の分解斜視図である。図5は、タスク用吹出部200を下面パネル部120に取り付けた状態を示す図である。タスク用吹出部200は、執務者の在席領域(タスク領域)に向けて空調空気を吹き出す。タスク用吹出部200は、ノズル部210と、ノズル支持部300と、を備える。
ノズル部210は、角柱状の筒孔であるタスク用気流路230を有するとともに、タスク用気流路230の軸線に直交する回転軸PXを回転中心として傾動可能に軸支される。ノズル部210は、ノズル本体部220と、広口開口部240と、出口縁部250と、を備える。
ノズル本体部220は、短円筒状であって、その直径に沿って四角柱状(ここでは正四角柱状)の貫通孔230を有する。この貫通孔230をタスク用気流路230と称することにする。タスク用気流路230の入り口側はチャンバーボックス110の内側に位置し、タスク用気流路230の出口は居室内に位置する。そして、タスク用気流路230を介してチャンバーボックス110から居室に空調空気が吹き出す。
ノズル本体部220は短円筒であるところ、短円筒の中心軸線に雄ネジ221、221が螺入される。ここでは、タスク用気流路230内から外側に向かって雄ネジ221、221が螺入される。この雄ネジ221、221が回転軸PXとなり、ノズル部210はノズル支持部300によって傾動可能に軸支されることになる。吹出口装置100が天井に設置される場合を考えると、前記回転軸PXは床面(水平面)に平行である。本明細書では、この回転軸PXをピッチ軸PXと称することにする。
タスク用気流路230は四角柱状であるところ、すなわち、四つの平面で構成されている。ここでは、二つの面はピッチ軸PXに平行であり、残る二つの面はピッチ軸PXに直交する。ノズル部210がピッチ軸PXを中心に傾動した場合でも、この関係(二つの面はピッチ軸PXに平行、残る二つの面はピッチ軸PXに直交)は維持される。
図6は、図5中のVI-VI線でタスク用吹出部200の断面図である。吹出し気流の指向性を高める観点から、タスク用気流路230の長さLNをある程度確保する。タスク用気流路230の長さLNは、例えば35mm以上であることが好ましい。タスク用気流路230の長さLNが20mmを下回るようでは吹出し気流の指向性を十分に確保できない。
本実施形態では、タスク用気流路230の長さLNを60mmとしている。ちなみに、開口部235は45mm角の正方形である。開口部235の一辺の長さを基準に考えるとすると、タスク用気流路230の長さLNは0.8倍以上必要であり、好ましくは、1.0倍以上、より好ましくは1.2倍以上、さらに好ましくは1.3倍以上とするのがよい。なお上限を限定するものではないが、本発明者らの実験によれば、タスク用気流路230の長さを60mmを超えて長くしたとしても吹出し気流の指向性はそれほど上がらなかった。したがって、タスク用気流路230の長さLNは精々70mm、長くても75mm程度に留めることがよいと考えられる。
広口開口部240は、ノズル本体部220の側面に付設されるともにタスク用気流路230に連通しており、タスク用気流路230の入り口を外側に向けて漏斗状に広げるものである。ダクト500から供給される空調空気はチャンバーボックス110の内壁にぶつかったりした後、主として真上からノズル部210に流れ込んでくる。例えば図7のようにノズル部210を傾けるとタスク用気流路230も斜めになり、タスク用気流路230の入り口が真上を向かず、したがって、空調空気がタスク用気流路230に流入しにくくなる可能性がある。
この点、ノズル部210が斜めになったとしても広口開口部240により空気の流入を十分確保できる。また、本実施形態においては、広口開口部240はノズル部210の最大傾斜角度を規制するためのストッパも兼ねるものであるが、この点は後述する。
出口縁部250は、タスク用気流路230の出口側において僅かに縁を立たせたものである。出口縁部250の高さ(長さ)は任意であるが、居室から吹出口装置100を見上げたときに不自然にならない程度に留めておくのがよい。
ノズル支持部300を説明する。
ノズル支持部300は、ノズル部210のピッチ軸PXを支持し、さらに、水平面内で鉛直軸YXを回転中心としてノズル部210を360度回転可能にするものである。
本明細書では、この鉛直軸YXをヨー軸YXと称することにする。
ノズル支持部300は、内筒部310と、外筒部360と、を有する。内筒部310は、ノズル部210のピッチ軸PXを支持する。内筒部310は、内筒本体部320と、フランジ部311と、を有する。内筒本体部320は短円筒状であるが、筒の貫通を阻止するように遮蔽板340を有している。
遮蔽板340には長方形の穴341が空いており、この穴341にはノズル部210がちょうど嵌まる。(もちろん、この穴341とノズル部210との間には、空気の漏れが十分少なくなる程度であってかつノズル部210の傾動を許容できる隙間をわずかに残す。)この穴を内穴341と称することにする。
内穴341の二つの長辺に沿ってピッチ軸PXを支承する支承片342、342が二つ向かい合うように立設されている。支承片342、342にボス344、344が設けられ、このボス344、344によりピッチ軸PXである雄ネジ221、221が回転可能に支持される。
内筒本体部320において上端側の開口部には逆L字状の部材321、321が付設され、このL字部材321、321に雌ネジ穴が空けられている。この雌ネジ穴は、内筒部310と外筒部360とをネジ止めするために使用される。
内筒本体部320の下端には外側に広がるフランジ部311がある。外筒部360にもフランジ部361があるので、内筒部310のフランジ部を第1フランジ部311と称することにする。内筒本体部320の径は下面パネル部120の取付穴121の径より小であるが、第1フランジ部311の外径は取付穴121の径より大である。そして、下面パネル部120の下側から内筒部310を取付穴121に通す。すると、内筒本体部320は取付穴121を通り抜けるが、第1フランジ部311は取付穴121の縁に引っ掛かる。このあと、内筒部310がノズル部210とともにヨー軸YXを中心として回転する都合上、下面パネル部120と第1フランジ部311とが直接に接触すると互いに摩耗してしまう。そこで、第1フランジ部311と下面パネル部120との間に樹脂材などを介装しておいてもよい。例えば、第1フランジ部311の上側の面に樹脂材(不図示)を貼り付けておいてもよい。
外筒部360は、外筒本体部370と、フランジ部361と、を有する。
外筒本体部370は、内筒本体部320よりも一回り大きい筒であり、内筒本体部320の外側に被さる。外筒本体部370の上面には矩形の穴372を有する蓋371があり、この穴372から広口開口部240の全体およびノズル本体部220の一部が筒の外に出る。この穴を外穴372と称することにする。
外穴372の大きさ、特に長辺の長さは、ノズル部210の最大傾斜角をどの程度にするかによって決まってくる。図6、図7を参照すると、広口開口部240が外穴372の縁に当たることでノズル部210の最大傾斜角を規制するようになっている。ここでは、ノズル部210の最大傾斜角を34度で規制するように外穴372を空けておくことにする。
さらに、蓋371には長穴373、373が二つ設けられており、この長穴373、373を通して内筒部310と外筒部360とがネジ止めされる。
外筒本体部370の下端にはフランジ部361が設けられている。内筒部310の第1フランジ部311と区別するため、外筒部360のフランジ部を第2フランジ部361と称することにする。第2フランジ部361の外径は取付穴121の径よりも大である。そして、外筒部360を内筒部310に被せたとき、第1フランジ部311と第2フランジ部361とで取付穴121の周囲の下面パネル部120を挟む。これにより、ノズル支持部300は、取付穴121の中心軸(ヨー軸YX)を中心にして360度回転可能になる。すなわち、ノズル支持部300は、ノズル部210をピッチ方向に傾動させ、さらに、ヨー軸YXを中心にノズル部210を水平面内360度回転させることができる。
吹出口装置100の使用方法とその動作を説明する。
図8のように、居室内の執務者に向けて吹出し気流を当てたいとする。ノズル部210のタスク用気流路230の出口を執務者に向ければよいのであるが、ノズル部210の回動軸はピッチ軸PXとヨー軸YXとに分離しているので、ピッチ角とヨー角とをそれぞれ別々に調整する必要がある。ピッチ角を合わせてからヨー角を合わせてもよく、その逆でもよく、合わせる順序は問わない。
接続口112を介してダクト500からチャンバーボックス110に空調空気が供給される。すると、空調空気は、チャンバーボックス110内の内壁に跳ね返り、あるいは、チャンバーボックス110内の内圧に押されて、接続口112のある上方からタスク用気流路230のある下方へ向けて流れる。そして、空調空気は、広口開口部240からタスク用気流路230に流入する。タスク用気流路230に流入した空調空気は、タスク用気流路230を流れるなかでタスク用気流路230の長さ方向に沿うように方向付けられる。そして、タスク用気流路230の出口から執務者に向けて空調空気が吹き出し、指向性をもった気流が執務者に当たる。
このような構成を有する本実施形態の効果を説明する。
(1)本実施形態によれば、吹出し気流の指向性を格段に高めることができる。すなわち、タスク用気流路230を十分に長くとっているので、タスク用気流路230に沿う方向に気流を方向付けることができる。天井に吹出口装置100を設置したとしても、指向性を保った気流が居室内で座っている執務者まで十分に到達するようになる。
(2)本実施形態においては、タスク用気流路230を角柱状にしている。このようにタスク用気流路230の内面を平面で構成したことによって気流の指向性および勢いを強めることができたと考えられる。
図7を見て分かるように、チャンバーボックス110内を鉛直下向きに流れて来た気流は、タスク用気流路230に入るとタスク用気流路230の内面に当たり、吹出し方向に向けて反射する(跳ね返る)。本実施形態のように角柱状の気流路としたことで、タスク用気流路230内に流入した空調空気が平面で反射し、強く吹き出す。
仮にノズルの長さを十分に取っていたとしても、丸型ノズルのように内面が湾曲していると、反射された気流が複雑な気流を作ってしまい、勢いを減じてしまう恐れがある。
さらにまた、仮にノズルが角柱状だとしても、角柱を構成する面の向きがその時々で変わってしまうと効果を発揮できたり出来なかったりする。この観点からいうと、ノズル部210をユニバーサルジョイント(自在継手)のようなもので回転させる構成はよくないと言える。本実施形態では、ピッチ軸PXとヨー軸YXとを分離し、そして、ヨー角に関わらず、タスク用気流路230を構成する4つの平面のうちの二つは常にピッチ軸PXに平行であるようにしている。ユーザの視点でいうと、タスク用気流路230の出口は矩形(正方形)であるところ、ノズル部210が斜めに傾斜したとしても下辺は常に床面と平行となる。さらに表現を変えると、空調空気の流入方向と、吹出し方向と、反射面となる内壁面の法線と、が(ピッチ軸PXに垂直である)同一平面内にある。これにより、必ず、タスク用気流路230に流れ込んできた気流を吹出し方向に強く反射することができる。
(3)ノズル部210の傾斜角が大きいときに顕著に表れる効果として、吹き出し気流の角度をノズル部210の傾斜角度よりもさらに大きな角度にすることができる。図7は、ノズル部210が、その最大傾斜角度である34度に傾斜した状態を示す。ほぼ鉛直方向からタスク用気流路230に流入した空調空気はタスク用気流路230の内面で反射されて出口から吹き出す。すると、反射面で跳ね返った空調空気は、ノズル部210の傾斜角度よりも大きな角度で吹き出していく。
これは、タスク用気流路230の長さを十分に長くとったことと、タスク用気流路230を角柱状にしたことと、が合わさって得られる効果である。
表1、表2は、本発明者らの実験結果である。
実験手順を簡単に説明する。
まず、円筒状のノズル(丸型ノズル)と角柱状のノズル(角型ノズル)とを用意した。丸型ノズルと角型ノズルとは同じ長さであり、さらに、有効開口面積が同じになるようにした。そして、図9のようにノズル(210)の角度を34度にセットした状態で、最大風速を示す気流の角度と、そのときの風速と、を測定した。
表1に示すように、角型ノズルの場合、最大の風速を示す気流の方向は36度であった。すなわち、ノズルの角度である34度よりも大きな角度で吹き出していることがわかった。さらに、表2からわかるように、角型ノズルの方が丸型ノズルに比べて遠くまで風速が保たれている。一方、丸型ノズルの場合、ノズルの角度が34度であっても、吹き出し気流の角度は32度となった。丸型ノズルの場合、吹き出し気流の指向性が弱いために、吹き出し気流の角度が小さくなっていた。
本発明者らも上記のような結果を予測していなかったため、ノズルの軸線の延長線上で風速を測定していた。測定を何度も繰り返しているなかで、最大の風速を示す位置は軸線の延長線上ではなく、ノズルの形状によって異なることに気付いた。そこで、最大の風速を示す位置を確かめ、その位置で風速を測るようにしたところ、上記のように角型ノズルが優れていることに気付いた。
図10は、一般的な高さの天井に本実施形態の吹出口装置100を設置した場合の気流のカバーエリアを示した図である。(例えば、3m程度の高さの天井に吹出口装置を設置し、座ったときの人の肩の高さあたりで気流が到達する範囲を計算するとする。)なお、一つの下面パネル部120に二つのタスク用吹出部200を取り付けている。執務者の間に吹出口装置100を設置した場合でも、各執務者の全身がカバーエリアに入るようになる。したがって、オフィスレイアウトを変更したような場合でもあっても吹出口装置100の設置位置はそのままにして、ただノズル部210の向きだけを変えればよい。
(4)内筒部310の筒孔には遮蔽板340を設けている。内筒部310とノズル部210との間を遮蔽しておかないと、例えば図11に示すように、内筒部310とノズル部210との間から空気が漏れてしまう。内筒部310とノズル部210との間から漏れる空気は鉛直下向きに流れると予想される。これを漏れ気流と称することにする。ノズル部210から所望の角度で気流が吹き出たとしても、この吹出し気流が鉛直下向きの漏れ気流で邪魔されて、すぐに下向きの気流になってしまう。この点、本実施形態では遮蔽板340を設けてあるので、ノズル部210からの吹出し気流は何ものにも邪魔されることなく所望の角度で吹き出していく。
(5)本実施形態では、広口開口部240が外穴372の縁に引っ掛かるようにすることでノズル部210の最大傾斜角を規制している(例えば図7参照)。本実施形態においては、図7に示したように、タスク用気流路230の内面で気流を反射させることによって、大きな角度で強い気流を吹き出す。
しかしながら、タスク用気流路230内で複雑に何度も反射が生じるようになってしまうと、この効果が減殺される恐れがある。例えば図12に示すように、ノズル部210の傾斜角度を過度に大きくしてしまうと(ここでは45度に描いている)、タスク用気流路230のなかで複数回の反射が生じて気流が複雑になる恐れがある。タスク用気流路230の長さと開口面積との兼ね合いなので一概に上限角度を特定することはできない。が、主な気流がタスク用気流路230に入って、内面で一回だけ反射し、その後干渉を受けることなく出口からスムースに吹き出していけるようにタスク用気流路230の長さ、開口面積および最大傾斜角度を設計することが好ましい。
また、ノズル部210の傾斜を大きくしたときにタスク用気流路230から吹出した気流が内筒部310の内面に当たってしまっては意味がない。したがって、タスク用気流路230から吹出した気流が内筒部310の内面に当たらない程度にノズル部210の最大角度を規制しておく必要がある。
なお、タスク用気流路230の出口が内筒部310の下端(下面パネル部120と言い換えてもよい)とほぼ同じ高さか、それよりも更に下方に位置すれば、このような制限は無くなる。タスク用気流路230を長くしたり、ピッチ軸PXの支持位置を下に下げたり、種々の方法が有り得る。例えば、図13に示すように、遮蔽板340の位置を下げれば、支承片342、342およびピッチ軸PXの支持位置が下がり、内筒部310の内面が吹出し気流に干渉するようなことはなくなる。(必ずしも遮蔽板340ごと下げる必要はない。ピッチ軸PXの支持位置だけ下げるようにしてもよい。)
ノズル部210の最大傾斜角度は精々35度ぐらいにしておくのが好ましい。例えば、ノズル部210の傾斜角度を40度や45度にできたとしても、この角度で真っ直ぐに直進して吹出口装置から床面(あるいは執務者)までの距離が長い。ノズル部210は45度まで傾斜できるものの、実際には45度では気流が執務者に到達しないという事態が予想される。気流のカバーエリアを無理に広くしようとするよりは、吹出口装置の数を適切に増やして天井に適切に配置した方がよい。
(6)本実施形態の吹出口装置100は従来製品に比べて構造がシンプルであり、製造コストを大幅に下げることができる。例えば、外筒部360、内筒部310は基本的に円筒であり、金属で作るなら深絞りでよいし、樹脂製にするにしても単純な金型でできる。本実施形態では回転軸(PX、YX)が二つに分離しているが、ピッチ軸PX回りの傾動もヨー軸YX回りの回転も構造はシンプルである。従来製品のように自在継手を使ったり、数多くの部品を用意して組み立てたりするようなこともない。例えば自在継手としてピボット継手(玉継手)を採用すると、高い加工精度が要求される。
この点、本実施形態では、ピッチ軸回りの傾動もヨー軸回りの回転も構造がシンプルであるので、過度に高い加工精度が要求されるものでもない。結果として、吹出口装置100としては格段に安価に製造することができるようになった。
(変形例1)
上記第1実施形態では、タスク用気流路230は角柱状(四角柱状)であるとした。ここで肝心なことは、タスク用気流路230に流れ込んできた気流をタスク用気流路230内の平面で吹出し方向に強く反射することである。同等の作用効果を発揮できれば、タスク用気流路230は角柱状(四角柱状)でなくてもよい。要は、ピッチ軸PXに平行な平面が少なくとも一つあればよい。(実際に意味があるかや作り易いかは別にして)、タスク用気流路230を三角柱状(図14)や半円柱状(図15)にしてもよい。ただ、ピッチ軸PXに平行な平面が一つしかないと不便であると予想できる。例えば、図16(A)のように右向きに傾斜した状態から図16(B)のように左向きの傾斜に姿勢を変更したいとする。この場合、ピッチ軸回りの回転(傾動)に加え、ヨー軸回りに180度回転させる必要がある(図16(C))。要は、ピッチ軸PXに平行な辺(面)が下方にくるようにしなければならない。(念のため、図16ではピッチ軸PXを鉛直方向にして描いているが、これは図を見やすくするための処置である。)
(変形例2)
上記第1実施形態では、ノズル本体部220の形状を短円筒状であるとした。ノズル部210をピッチ軸回りで傾動させたときに内穴341とノズル本体部220との隙間が変わらないようにしたい。このためには、ノズル本体部220の外形を短円筒状にすることは理に適っている。ただし、ノズル部210と内筒部310との間を適切に遮蔽できるならば、ノズル部210の形状を短円筒状に限定しなくてもよい。例えば、図17に示すように、ノズル部210の外形を角柱状にしてもよい。この場合、例えば、ピッチ軸PXと遮蔽板340とが略同じ高さにあれば、ノズル部210が傾動したとしても内穴341とノズル部210との隙間があまり変わらないようにできる。
(変形例3)
上記実施形態では、ノズル本体部220を貫通する角孔をタスク用気流路230と称したが、ノズル本体部220および出口縁部250を貫通する気流路を合わせて「タスク用気流路230」と考えてもよい。例えば、ノズル本体部220の径を短くするなどの設計変更により、ノズル本体部220の貫通孔だけではタスク用気流路230の長さを十分に確保できなくなる。この場合、出口縁部250の高さ(長さ)を高くする(長くする)ことにより、タスク用気流路230の長さを稼ぐようにしてもよい。さらには、図18に示すように広口開口部240とノズル本体部220との間に中間部260を設け、中間部260、ノズル本体部220および出口縁部250を貫通する孔をタスク用気流路230としてもよい。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態においては、さらに、アンビエント用吹出部を備えている。図19は、第2実施形態に係る吹出口装置400を天井に設置した状態を示す図である。タスク用吹出部200からのタスク用気流に加え、チャンバーボックス110と下面パネル部120との間からアンビエント用の気流が四方に均等に吹き出す。
図20は、チャンバーボックス110を下面パネル部120から外した状態を示す図である。
チャンバーボックス110は、その下端に、末広がりに広がる外コーン部113を有する。下面パネル部120も、その外周に、下方に向けて末広がりに広がる内コーン部122を有する。下面パネル部120をチャンバーボックス110の下面開口111に取り付けたときに、外コーン部113と内コーン部122との間に隙間を残す。この隙間がアンビエント用吹出口151、152、153、154になる。
さて、下面パネル部120には、その外周付近において、外周に沿って4枚の側壁131、132、133、134が立設されている。いま、図19、図20に示すように、チャンバーボックス110の手前の側面に接続口112が設けられているとする。すなわち、ダクト500からの空調空気は、チャンバーボックス110の手前の側面からチャンバーボックス110内に送り込まれる。このとき、下面パネル部120に立設された4つの側壁131、132、133、134のうち、接続口112と反対側にある側壁を第1側壁131とする。接続口112と同じ側にある側壁を第2側壁132とする。残る二枚を第3側壁133、第4側壁134とする。すなわち、第3側壁133、第4側壁134は、接続口112から流入してくる空調空気の風向に対して直交する方向に位置する。
下面パネル部120をチャンバーボックス110の下面開口111に取り付けたとき、チャンバーボックス110の内壁面と各側壁131、132、133、134との間には僅かな隙間ができるようになっている。
これら隙間をアンビエント用気流路141、142、143、144と称することにする。
第1側壁131とチャンバーボックス110の内壁との間の気流路を第1アンビエント用気流路141とする。
第2側壁132とチャンバーボックス110の内壁との間の気流路を第2アンビエント用気流路142とする。
第3側壁133とチャンバーボックス110の内壁との間の気流路を第3アンビエント用気流路143とする。
第4側壁134とチャンバーボックス110の内壁との間の気流路を第4アンビエント用気流路144とする。
アンビエント用気流路141、142、143、144は、アンビエント用の吹出し口151、152、153、154に連通している。
第1アンビエント用気流路141と連通するアンビエント用吹出し口を第1アンビエント用吹出し口151とする。
第2アンビエント用気流路142と連通するアンビエント用吹出し口を第2アンビエント用吹出し口152とする。
第3アンビエント用気流路143と連通するアンビエント用吹出し口を第3アンビエント用吹出し口153とする。
第4アンビエント用気流路144と連通するアンビエント用吹出し口を第4アンビエント用吹出し口154とする。
アンビエント用気流路141、142、143、144とアンビエント用吹出し口151、152、153、154とにより、アンビエント用吹出部が構成されている。
第1側壁131の高さをT1、第2側壁132の高さをT2、第3側壁133の高さをT3、第4側壁134の高さをT4とする。このとき、T1<T2<T3(=T4)とする。すなわち、接続口112と反対側にある第1側壁131が一番低く、接続口112と同じ側にある第2側壁132は第1側壁131よりも高い。そして、残る2枚である第3側壁133と第4側壁134は第2側壁132よりもさらに高い。本実施形態では、T1=14mm、T2=40mm、T3=T4=60mmとしている。
側壁131、132、133、134による作用効果を説明する。
アンビエント用吹出し口151、152、153、154から空調空気が吹き出すにあたり、空調空気はアンビエント用気流路141、142、143、144を通過することになる。そして、アンビエント用気流路141、142、143、144を通過する間に空調空気は、アンビエント用気流路141、142、143、144に沿う向きに強く方向付けられる。アンビエント用気流路141、142、143、144による方向付けの強さは、アンビエント用気流路141、142、143、144の長さに比例するとまでは言わないが、正の相関を持つと考えられる。
図21にチャンバーボックス110内の気流をモデル化して示す。
(実際の気流はもっと複雑であるが、本発明の作用効果の説明のため、分かり易いように単純化してある。)
さて、ダクト接続口112がチャンバーボックス110の側面にある。この接続口112から空調空気が勢いよくチャンバーボックス110に供給されることになる。チャンバーボックス110に供給された空調空気は、接続口112に対向する内壁に当たり、主な気流としては、この内壁面に沿ってそのまま下方に落ちると予想される。
この気流の一部は、第1アンビエント用気流路141に流入し、第1アンビエント用気流路141で鉛直下向きの方向付けが加えられ、そして、第1アンビエント用吹出し口151から吹き出していく。ここで、第1アンビエント用気流路141に流入する気流はもともと鉛直下向きに強い勢いを持つベクトル成分を持っている。そこで、第1アンビエント用気流路141は、他のアンビエント用気流路142、143、144に比べて相対的に短くする。
接続口112に対向する内壁に当たった気流のうち一部は跳ね返って接続口112側の内壁にあたり、この壁に沿って下方に降りて、第2アンビエント用気流路142に到達すると予想される。そして、第2アンビエント用気流路142で鉛直下向きの方向付けが加えられ、第2アンビエント用吹出し口152から吹き出していく。第2アンビエント用気流路142に流入する気流の鉛直下向きベクトルは、第1アンビエント用気流路141に流入する気流に比べると相対的に弱いと予想される。
したがって、第1アンビエント用気流路141を通る気流の風速と第2アンビエント用気流路142を通る気流の風速とを略同じに揃えるため、第2アンビエント用気流路142を第1アンビエント用気流路141よりも相対的に長くする。
第3アンビエント用気流路143および第4アンビエント用気流路144に到達する気流の流れは複雑で一概に言うのは難しい。しかし、接続口112に対向する内壁や天井さらに左右の内壁などでの複数回の跳ね返りを経て第3アンビエント用気流路143および第4アンビエント用気流路144に到達すると予想される。(ここでの左右は図20、図21の紙面上での左右をいう。)
こうなると、第3アンビエント用気流路143および第4アンビエント用気流路144に到達した気流は、鉛直下向きのベクトルをほとんど持たないと予想できる。したがって、第1アンビエント用気流路141や第2アンビエント用気流路142を通過する気流と風速を合わせるには、第3アンビエント用気流路143および第4アンビエント用気流路144を長くとる必要がある。
このように各側壁131、132、133、134の高さ(T1、T2、T3、T4)、すなわち、アンビエント用気流路141、142、143、144の長さをそれぞれ調整することにより、四方のアンビエント用吹出し口151、152、153、154から出る吹出し気流の風速を均等にすることができる。
従来技術のごとくアンビエント用の吹出し口が四方に開いているからといって、四方に均等にアンビエント用吹出し気流が出るとは限らない。アンビエント用吹出気流に偏流があると、居室内のある場所では暑い、ある場所では寒いといったことが生じる。
この点、上記に説明したように、接続口112の位置やチャンバーボックス110内の気流を考慮して第1から第4アンビエント用気流路141、14、143、144の長さを調整しておくことでアンビエント用吹出し口151、152、153、154から出る気流の速さを均等にすることができる。このように、アンビエント用吹出気流が均等に揃うことで居室内の気温が均質になる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
スペース効率の向上を図るため、一つの下面パネル部120に二つ以上、例えば3つや4つのタスク用吹出部200を取り付けもよい。
ノズル部をヨー軸YX回りで回転可能に支持できればノズル支持部300の構造は上記に限定されない。
例えば、第1フランジ部を取付穴に回転可能に取り付けることができれば、二枚のフランジ部で下面パネル部を挟み込む構造は必須ではない。
(取付穴の周囲に円形の溝を穿設して、第1フランジ部に突設したピンを前記溝に係合させるなど、その他の例は種々有り得る。)
吹出口装置を天井に設置する場合を例示したが、場合によっては壁に取り付けてもよい。
100…吹出口装置、110…チャンバーボックス、111…下面開口、112…接続口、113…外コーン部、120…下面パネル部、121…取付穴、122…内コーン部、131、132、133、134…側壁、141、142、143、144…アンビエント用気流路、151、152、153、154…アンビエント用吹出口、200…タスク用吹出部、210…ノズル部、220…ノズル本体部、221…雄ネジ、230…タスク用気流路、235…開口部、240…広口開口部、250…出口縁部、260…中間部、300…ノズル支持部、310…内筒部、311…第1フランジ部、320…内筒本体部、321…逆L字部材、340…遮蔽板、341…内穴、342…支承片、344…ボス、360…外筒部、361…第2フランジ部、370…外筒本体部、371…蓋、372…外穴、373…長穴、400…吹出口装置、500…ダクト、PX…ピッチ軸、YX…ヨー軸。

Claims (10)

  1. 居室内で執務者が在席する領域であるタスク領域に向けて空調空気を個別に吹き出すノズル部と、
    前記ノズル部を支持するノズル支持部と、を備えた吹出口装置であって、
    前記ノズル部は、このノズル部を貫通する筒孔であるタスク用気流路を有するとともに、ピッチ軸によって傾動可能に支持されており、
    前記ノズル支持部は、前記ノズル部がピッチング方向に傾動可能になるように前記ピッチ軸を支持し、さらに、この吹出口装置が取り付けられる天井または壁に垂直であるヨー軸回りで前記ノズル部が回転可能になるように当該ノズル部を支持し、
    前記タスク用気流路は、その内壁面に、前記ピッチ軸に平行な平坦面を少なくとも一つ有する
    ことを特徴とする吹出口装置。
  2. 請求項1に記載の吹出口装置において、
    前記タスク用気流路は、35mm以上の長さを有する
    ことを特徴とする吹出口装置。
  3. 請求項1に記載の吹出口装置において、
    前記タスク用気流路の出口側の開口部の一辺を基準にしたとき、前記タスク用気流路の長さは0.8倍以上である
    ことを特徴とする吹出口装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の吹出口装置において、
    前記タスク用気流路は、角柱状の筒孔である
    ことを特徴とする吹出口装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の吹出口装置において、
    円形の取付穴を有し、居室の天井または壁に嵌め込まれるパネル部をさらに備え、
    前記ノズル支持部は、
    内側で前記ノズル部を支持する筒状であって前記取付穴よりも径小の筒本体部と、
    前記取付穴よりも径大のフランジ部と、を有し、
    前記フランジ部が前記取付穴の周縁に引っ掛かり、当該ノズル支持部は前記パネル部の前記取付穴に回動可能に取り付けられている
    ことを特徴とする吹出口装置。
  6. 請求項5に記載の吹出口装置において、
    前記ノズル部は、その外形が短円筒状であるノズル本体部を有し、
    前記筒本体部は、その内側に、筒の貫通を阻止するように遮蔽板を有し、前記遮蔽板は、前記ノズル本体部が遊嵌する内穴を有する
    ことを特徴とする吹出口装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の吹出口装置において、
    前記筒本体部は、外穴を有する蓋を有し、この外穴から前記ノズル部の一部が前記筒本体部の外に出て、
    前記ノズル部が前記外穴の縁に当接することで前記ノズル部の最大傾斜角が規制されている
    ことを特徴とする吹出口装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の吹出口装置において、
    前記ノズル部は、前記タスク用気流路に連通し、前記タスク用気流路の入り口を外側に向けて漏斗状に広げる広口開口部を有する
    ことを特徴とする吹出口装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の吹出口装置において、
    ダクトと接続される接続口を側面に有するとともに、一面が開口した中空のチャンバーボックスと、前記チャンバーボックスの開口を閉塞するように取り付けられるパネル部と、を備え、
    前記チャンバーボックスは、その開口の縁が末広がりに広がった外コーン部を有し、前記パネル部は、その外周が末広がりに広がった内コーン部を有し、前記パネル部が前記チャンバーボックスの開口に取り付けられたときに、前記外コーン部と前記内コーン部との間に生じる隙間がアンビエント用吹出口となり、
    前記パネル部は、その外周に沿って立設された側壁を有し、
    前記チャンバーボックスの開口に前記パネル部が取り付けられたときに前記側壁と前記チャンバーボックスの内面とが隙間を介して対向し、
    前記接続口がある側面と反対側にある前記側壁を第1側壁とし、前記接続口がある側面にある前記側壁を第2側壁とするとき、
    第2側壁の高さT2は、第1側壁の高さT1よりも高い
    ことを特徴とする吹出口装置。
  10. 請求項9に記載の吹出口装置において、
    前記接続口がある側面に交差する側にある前記側壁の高さは、前記第2側壁の高さよりも高い
    ことを特徴とする吹出口装置。
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