JP5318518B2 - 吹出口装置 - Google Patents

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Description

この発明は、屋内競技場や劇場、工場や倉庫などの大空間または高天井の屋内広域空間に、新鮮な外気や温度調整された空調空気を供給するダクトの吹出口装置に関する。
建物内を空調換気する場合、屋外から外気を取り込み、必要に応じて空調機で温度調整し、ダクトを介して屋内に空調空気を吹出している。屋内広域空間に新鮮な外気や温度調整された空気を供給する技術として、図12ないし図14の吹出口装置が知られている。図12に示すエルボノズル方式の吹出口装置100は、上方に延びるダクト101の先端部に空調空気A1の流れ方向を変えるエルボ102が取付けられている。エルボ102の軸心C2は、ダクト101の軸心C1に対して角度θ3(θ3=45°)だけ傾いており、空調空気A1はエルボ102によって斜め上方に吹き出すようになっている。図13および図14に示すスプリットタワーノズル方式の吹出口装置110は、上方に延びるダクト111の上端部に空調空気A2の流れ方向を変えるスプリットタワー112が取付けられている。スプリットタワー112は、上端部112aが閉塞されており、側面部に空調空気A2の吹出口113が形成されている。吹出口装置110は、吹出口113から水平方向に角度θ4(θ4=100°)をもって空調空気A2を吹き出すようになっている。
空調空気を吹き出す装置の一例として、ダクトからの空調空気をグルリから間欠的に水平方向に吹き出すようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、空気吹出口の内部に可撓性薄板からなるガイドベーンを配置した技術が知られている(例えば特許文献2参照。)。
特開2005−127532号公報 特開平6−213504号公報
しかし、図12のエルボノズル方式の吹出口装置100は、ダクト101の先端部に取付けられたエルボ102が完全に露出しているので、とくに屋内競技場や劇場などにおいては美観を損なうという問題がある。また、特許文献1の装置では、空調空気を吹き出すグリルが完全に露出するので、建築物の種類によっては美観を損なうという問題がある。このように、屋内競技場や劇場などにおいては、空調設備は周囲に配慮した美観を有するデザインが求められる。
図13および図14に示すスプリットタワーノズル方式の吹出口装置110は、上端部が閉塞されているので、ダクト112から供給される空調空気の動圧を有効に利用することができない。そのため、吹出口113から吹き出される空調空気A2が所定の距離まで届かなくなり、到達距離の面で劣るという問題がある。特許文献2の装置においては、一枚の可撓性薄板からなるガイドベーンが空気吹出口の内部に設けられているが、一枚のみガイドベーンでは風向、風量、空気の拡散範囲を精度よく制御することが難しく、空調空気の吹き出しが不安定になり易いという問題がある。
そこでこの発明は、空調空気の到達距離を大に維持しつつ空調空気の安定した吹き出しを可能にし、しかも美観を高めることが可能な吹出口装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、上方に延びる筒状のダクトの上端部から空調対象空間に空調空気を吹き出す吹出口装置であって、前記ダクト上端部に斜め輪切り状の吹出口を形成し、該吹出口の内側に、上方へ向かう前記空調空気の流れを水平方向の流れに変える複数のガイドベーンを設け、前記吹出口における最も低位置側に、前記空調空気の流速を高める気流絞りを形成したことを特徴とする吹出口装置である。
この発明によれば、上方に向かうダクト内の空調空気は、吹出口の内側に設けられた複数のガイドベーンによって水平方向の流れに変えられ、吹出口から空調対象空間に吹き出される。ガイドベーンは、吹出口の内側に設けられているので、外部からガイドベーンが見えにくくなり、吹出口装置の美観を高めることが可能となる。また、吹出口における最も低位置側に、空調空気の流速を高める気流絞りを形成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吹出口装置において、前記複数のガイドベーンは、前記吹出口に対して上下方向に回動可能に設けられていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の吹出口装置において、前記複数のガイドベーンは、前記吹出口の内側に取外し可能に設けられたベーンリングに支持されており、該ベーンリングは前記ダクト上端部の軸心周りに回動可能に設けられていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の吹出口装置において、前記複数のガイドベーンの直下には、前記ダクト上端部の軸方向に沿って下方に延びるガイド部がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の吹出口装置において、前記ガイド部は、前記複数のガイドベーンのうち一つおきに設けられていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、ダクト上端部に斜め輪切り状の吹出口を形成することにより、吹出口の開口面積を十分に確保できるので、空調空気の動圧を十分に有効に利用することが可能となり、吹出口から吹き出される空調空気の到達距離を大に維持することができる。また、空調空気の流れを水平方向の流れに変えるガイドベーンは、吹出口の内側に複数設けられているので、吹出口の全域にわたって空調空気の流れを制御することができ、空調空気の安定した吹き出しが可能となる。さらに、ガイドベーンは、吹き出し口の内側に設けられるので、外部からガイドベーンが見えにくくなり、屋内競技場や劇場などにおける空調設備の美観を高めることができる。
また、吹出口における最も低位置側に気流絞りを形成したので、吹出口の最も低位置側の空調空気の流れを高速にすることができ、吹出口の上位置側の空調空気を水平方向に誘引することができる。これにより、各ガイドベーンから空調対象空間に向かう空調空気の干渉を回避することができ、吹き出し位置に関わらず空調空気をほぼ水平方向に吹き出すことが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、複数のガイドベーンは吹出口に対して上下方向に回動可能に設けられているので、吹出口からの空調空気の吹き出し角度を冷房または暖房に適した角度に調整することができる。
請求項3に記載の発明によれば、複数のガイドベーンは吹出口の内側に取り外し可能に設けられたベーンリングに支持されているので、ベーンリングを取外すことにより、ガイドベーンの角度を容易に調整することができる。また、ベーンリングはダクトの軸心周りに回動可能に設けられているので、空調空気の吹き出しを左右方向にも調整することができる。
請求項4に記載の発明によれば、複数のガイドベーンの直下にはダクト上端部の軸方向に沿って下方に延びるガイド部を設けているので、上方に向かうダクト内の空調空気をガイドベーンに円滑に導くことができる。
請求項5に記載の発明によれば、ガイド部は複数のガイドベーンのうち一つおきに設けられているので、ダクト内の流路抵抗を減少させることができ、空調空気の吹き出し能力を高めることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1ないし図10は、この実施の形態に係る吹出口装置1を示している。吹出口装置1は、ダクト20側からの新鮮な外気や温度調整された空調空気Aを屋内広域空間(空調対象空間)Hに吹出す装置であり、この実施の形態では吹出口装置1は屋内競技場30に複数設置されている。すなわち、屋内競技場30には、図9および図10に示すように観客席が設けられており、例えば二階の床面Fから上方に延びるダクト20の頂部に取付けられた吹出口装置1によって、観客席を含む空調対象空間Hに向けて空調空気Aが吹き出されるようになっている。
吹出口装置1は、主としてダクト上端部2、ベーンリング3、ガイドベーン4、ガイド部8を有している。ダクト上端部2は、例えば円筒状の金属部材から構成されている。ダクト上端部2は、上端面2aが斜め輪切り状にカットされており、これによりダクト上端部2の上端面2aは傾斜面に形成されている。ダクト上端部2の下端面は、水平方向に輪切り状に形成されている。ダクト上端部2の上端面2aは、ダクト上端部2およびダクト20の軸心Cに対して角度θ1(θ1=45°)に設定されている。このように、ダクト上端部2には、上端面2aを斜めにカットすることにより、斜め輪切り状の吹出口2dが形成されている。吹出口2dの内側には、複数のガイドベーン4が設けられている。複数のガイドベーン4は、吹出口2dの内側に取付けられたベーンリング3に支持されている。
ベーンリング3は、例えば円筒状の金属部材から構成されており、ダクト上端部2内に収納可能となるように、外径はダクト上端部2の内径よりも若干小に形成されている。ベーンリング3は、上端面3bおよび下端面3cが斜め輪切り状にカット成されている。ベーンリング3の上端面3bおよび下端面3cの傾斜角度は、ダクト上端部2の上端面2aの傾斜角度θ1と同一となっている。ベーンリング3の上端面3bにおける頂部3dは、ダクト上端部2の上端面2aにおける頂部2bと対向している。同様に、ベーンリング3の上端面3bにおける最も低い部位3dは、ダクト上端部2の上端面2aにおける最も低い部位2cと対向している。ベーンリング3の下端面3cにおける最も低い部位は、ダクト上端部2の内周面に固定された円弧状のリング受け部7によって受け止められている。これにより、ベーンリング3は、ダクト上端部2に対して取外し可能となっており、ダクト上端部2の軸心C周りに回動可能となっている。この実施の形態においては、ベーンリング3が軸心C周りに回動可能となっていることから、正面に対して左右方向にそれぞれ約15度の範囲で空調空気Aの吹き出し方向を設定することができる。
吹出口2dの内側には、複数のガイドベーン4が斜め方向に所定の間隔をもって配置されている。ガイドベーン4は、上方へ向かう空調空気Aの流れを水平方向の流れに変える機能を有している。図6に示すように、各ガイドベーン4は、金属製のシャフト4cに対して矢印B方向に回動可能に支持されている。ガイドベーン4は、図5に示すように、例えば略L字状に折り曲げられた薄板の金属部材から構成されている。ガイドベーン4は、下部4dが垂直方向に延びており、上部4eが水平方向に延びている。ガイドベーン4の下部4dと上部4eの間に位置する中間部4fは、垂直方向から水平方向に緩やかに湾曲している。各ガイドベーン4は、配置位置によって軸方向(シャフト4cの軸方向と同一方向)の長さが異なっている。各ガイドベーン4の上部4eは、軸方向の長さがダクト上端部2の内径よりも若干短くなっている。各ガイドベーン4の下部4dの軸方向(シャフト4cの軸方向と同一方向)の長さは、上部4eの軸方向の長さよりも若干短くなっている。
各ガイドベーン4を支持するシャフト4cは、両端がベーンリング3の側面部3aに固定されている。ガイドベーン4の上下方向のほぼ中間部には、保持部材4aが固定されている。保持部材4aは、例えば合成樹脂部材から構成されており、上下方向に弾性変形可能な一対の保持片4a1を有している。保持部材4aには、一対の保持片4a1の内側にシャフト4cを保持するための保持空間部4bが形成されている。保持部材4aは、図5に示すように、シャフト4cに向けて押圧されることにより、保持空間部4bの内面がシャフト4cと嵌合し、ガイドベーン4はシャフト4cに対して支持されるようになっている。保持部材4aは、金属製のシャフト4cに対する摩擦係数が高いので、シャフト4cと嵌合した状態では空調空気Aの流れによってシャフト4cに対して容易に回動することはなく、ガイドベーン4は吹出口2dに対して所定の角度を保つことが可能となっている。そして、冷房や暖房のために空調空気Aの吹き出し角度を変える際には、ガイドベーン4を手動で上下方向に回動させることが可能となっている。
複数のガイドベーン4の直下には、ダクト上端部2の軸方向に沿って下方に延びるガイド部8が設けられている。各ガイド部8は、上端が各ガイドベーン4の下部4dと所定の間隔をもって対向するように配置されている。各ガイド部8は、平板状の金属部材から構成されており、上方に向かうダクト上端部2内の空調空気Aを各ガイドベーン4に円滑に導く機能を有している。各ガイド部8は、下端を水平方向に一直線状に揃えるために上下方向の長さが異なっている。各ガイド部8の下端は、ダクト上端部2の内面下部に設けられたガイド受け部材9によって保持されている。
ダクト上端部2の吹出口2dの最上部には、固定ガイドベーン5が設けられている。固定ガイドベーン5は、ベーンリング3の側面部3aの内面に固定されている。固定ガイドベーン5は、収納スペースの関係で上下方向に回動不可となっているが、ベーンリング3と同様に上方へ向かう空調空気Aの流れを水平方向の流れに変える機能を有している。ダクト上端部2の吹出口2dにおける最も低位置側には、調和空気Aの流速を高める気流絞りKが形成されている。気流絞りKは、ベーンリング3の内面からダクト上端部2の軸心Cに向かって突出する突起部材6とこれに対向するガイドベーン4によって構成されている。突起部材6は、下流側にいくにつれてダクト上端部2の軸心C側に徐々に突出する形状に形成されており、気流絞りKにおける流路幅Wは上流側の流路幅に比べて著しく小に設定されている。気流絞りKの下流側に位置する突起部材6の上面は、水平に形成されている。
ダクト上端部2の内側における各ガイド部8の上流側には、空調空気Aの流れを整流するための金網10が設けられている。金網10の外周部は、ダクト上端部2の内面に固定された複数の保持具11によって保持されている。ダクト上端部2の下部の内面には、鋼管からなるダクト20と連結するための連結リング12が取付けられている。連結リング12の下端部は、ダクト上端部2の下端面よりも下方に突出している。連結リング12のダクト上端部2の下端面よりも下方に突出している部位は、ダクト20の上端部の内側に嵌合可能となっている。ダクト20と嵌合した連結リング12は、ダクト20側に設けられた複数のボルト(図示略)により外周面が押圧され、これによりダクト20側に固定されている。
つぎに、吹出口装置1における空調空気Aの吹き出し角度の調整について説明する。
ガイドベーン4の角度を調整する際には、ダクト上端部2内に収納されているベーンリング3を上方に引抜き、ベーンリング3をダクト上端部2から取外す。ここで、ベーンリング3は、ダクト上端部2の内面に固定されたリング受け部7によって受け止められているだけなので、ベーンリング3を引上げるだけの動作でベーンリング3を容易にダクト上端部2から取外すことができる。図3は、ダクト上端部2から取外されたベーンリング3を示している。各ガイドベーン4は、ベーンリング3の側面部3aに固定されたシャフト4cに回動可能に支持されているので、ガイドベーン4を強制的に手動でシャフト4cの軸心周りに回動させることにより、ガイドベーン4の上下方向の角度を変えることができる。
空調対象空間を暖房する場合は、ガイドベーン4は図6の実線で示す位置にあり、冷房にする際にはガイドベーン4を角度θ2だけ下方に傾けることにより、空調空気Aの吹き出し角度を調整することができる。そして、ガイドベーン4の角度を調整した後、ベーンリング3を再びダクト上端部2内に収納することにより、吹出口2dからの空調空気Aの吹き出し角度を変えることができる。また、ベーンリング3はダクト上端部2の軸心C周りに回動可能であるので、ベーンリング3を軸心C周りに回動させることにより、空調空気Aの吹き出しを左右方向にも調整することができる。
つぎに、吹出口装置1の作用について説明する。
ここで、吹出口装置1は、図9および図10に示すように、屋内競技場30の二階に設置されるものとする。また、建屋内のバックスペースに設けられた機械室に空調機が設置され、この空調機からの空調空気Aが床下ピット(給気ダクト)を経由してダクト20に送気されるものとする。ダクト20により送られてきた空調空気Aは、ダクト上端部2の吹出口2dから屋内競技場30の屋内広域空間(空調対象空間)Hに向けて吹き出される。ここで、ダクト上端部2は斜め輪切り状の吹出口2dを形成しており、吹出口2dの開口面積を十分に確保できるので、空調空気Aの動圧を有効に利用することができ、吹出口2dから吹き出される空調空気Aの到達距離を大に維持することができる。したがって、吹出口2dから吹き出される空調空気Aの到達距離は、図12のエルボノズル方式の吹出口装置に比べて遜色がなく、空調空気Aは所望の位置まで確実に到達する。この実施の形態では、吹出口装置1から吹き出される空調空気Aは、吹出口2dからの距離が0.5mないし38m離れた範囲内において、いずれの場所でも温度の均一性が確認できた。図9は、冷房時(吹き出し温度差マイナス7℃)における空調空気Aの流れを示しており、軌跡S1は流速0.5m/Sの場合であり、軌跡S2は流速0.25m/Sの場合である。図10は、暖房時(吹き出し温度差プラス10℃)における空調空気Aの流れを示しており、軌跡S3は流速0.5m/Sの場合であり、軌跡S4は流速0.25m/Sの場合である。このように、ダクト上端部2の上端面2aを斜め輪切り状にカットすることにより、空調空気Aを確実に所望の位置まで到達させることが可能となり、屋内広域空間(空調対象空間)Hは最適な温度および湿度に維持される。
空調空気Aの流れを水平方向の流れに変えるガイドベーン4は、吹出口2dの内側に複数設けられているので、空調空気Aを空調対象空間Hに向けて安定して吹き出すことが可能となる。すなわち、吹出口装置1においては、吹出口2dの全域にわたって複数のガイドベーン4が配置されているので、従来技術のように単一のガイドベーンにより空調空気の流れを制御する場合に比べて、格段に空調空気Aの安定した吹き出しが可能になる。また、複数のガイドベーン4の直下にはダクト上端部2の軸方向に沿って下方に延びるガイド部8を設けているので、上方に向かうダクト内の空調空気Aを各ガイドベーン4に円滑に導くことができる。
ダクト上端部2の吹出口2dにおける最も低位置側には、気流絞りKが形成されているので、吹出口2dの最も低位置側を流れる空調空気Aを上方の位置側を流れる空調空気Aよりも高速にすることができ、吹出口2dの上方の位置側を流れる空調空気Aを水平方向に誘引することができる。これにより、各ガイドベーン4から空調対象空間Hに向かう空調空気Aの干渉を回避することができ、吹出口2dから吹き出される空調空気Aは吹き出し位置に関わらず、ほぼ水平方向に吹き出すことが可能となる。
吹出口装置1のガイドベーン4は、図7および図8に示すように、ダクト上端部2の内側に配置されているので、側面および背面からは全く見えないことになる。そのため、吹出口装置1の美的外観を高めることができ、吹出口装置1を屋内競技場30にマッチしたポール型のデザインとすることができる。屋内競技場30や劇場などにおいては、室内に配置される空調設備には室内のデザインと調和した機能美が求められており、ガイドベーン4がほとんど見えなくなる構造とした吹出口装置1は、美的外観を十分に考慮した空調設備といえる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、ダクト先端部2は、ダクト20に対して分離可能な構造としているが、ダクト先端部2はダクト20と一体構造であってもよい。また、ガイドベーン4による吹き出し角度の調整およびベーンリング3の軸心C周りの回動は、この実施の形態では手動により行うように構成されているが、サーボモータなどを用いた遠隔操作により行うことも可能である。
また、上記の実施の形態では、全てのガイドベーン4に対応してガイド部8が設けられているが、図11に示すように、ガイド部8は複数のガイドベーン4のうち一つおきに設ける構成としてもよい。このように、ガイド部8を一つおきに配置することにより、ダクト先端部2内の流路抵抗を減少させることができ、調和空気Aの吹き出し能力を高めることができる。
以上のように、この発明に係る吹出口装置は、空調空気の到達距離を大に維持しつつ空調空気の安定した吹き出しを可能にし、しかも美的外観を高めることができるので、産業上極めて有用である。
この発明の実施の形態に係る吹出口装置の断面図である。 図1の吹出口装置の正面図である。 図1の吹出口装置におけるベーンリングの側面図である。 図3のベーンリングの正面図である。 図1の吹出口装置におけるガイドベーンの断面図である。 図5のガイドベーンの動きを示す断面図である。 図1の吹出口装置の側面図である。 図1の吹出口装置の背面図である。 図1の吹出口装置が配置される屋内競技場内の冷房時における空調空気の流れを示す断面図である。 図1の吹出口装置が配置される屋内競技場内の暖房時における空調空気の流れを示す断面図である。 図1の吹出口装置の変形例を示す断面図である。 従来の吹出口装置の一例を示す側面図である。 従来の吹出口装置の別の例を示す正面図である。 図13の吹出口装置のX−X線に沿う断面図である。
符号の説明
1 吹出口装置
2 ダクト上端部
2a 上端面
2d 吹出口
3 ベーンリング
4 ガイドベーン
4a 保持部材
4c シャフト
5 固定ガイドベーン
6 突起部材
7 リング受け部
8 ガイド部
9 ガイド受け部材
10 金網
11 連結リング
20 ダクト
30 屋内競技場
A 空調空気
K 気流絞り
H 空調対象空間

Claims (5)

  1. 上方に延びる筒状のダクトの上端部から空調対象空間に空調空気を吹き出す吹出口装置であって、前記ダクト上端部に斜め輪切り状の吹出口を形成し、該吹出口の内側に、上方へ向かう前記空調空気の流れを水平方向の流れに変える複数のガイドベーンを設け、前記吹出口における最も低位置側に、前記空調空気の流速を高める気流絞りを形成したことを特徴とする吹出口装置。
  2. 前記複数のガイドベーンは、前記吹出口に対して上下方向に回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吹出口装置。
  3. 前記複数のガイドベーンは、前記吹出口の内側に取外し可能に設けられたベーンリングに支持されており、該ベーンリングは前記ダクト上端部の軸心周りに回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の吹出口装置。
  4. 前記複数のガイドベーンの直下には、前記ダクト上端部の軸方向に沿って下方に延びるガイド部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の吹出口装置。
  5. 前記ガイド部は、前記複数のガイドベーンのうち一つおきに設けられていることを特徴とする請求項4に記載の吹出口装置。
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