JP2016084939A - チェーン又はベルトのためのプーリー装置及び当該装置を備えた自動車 - Google Patents

Abstract

【課題】内側リング及び外側リングが比較的薄い場合を含む、製造するためのコスト効率がよく且つ十分な機械的特性を有するプーリー装置を提案する。【解決手段】チェーン又はベルトのためのこのプーリー装置２は、２つの転がり軸受２０Ａ，２０Ｂであって、内側リング２２Ａ，２２Ｂと、共通の中心軸Ｘ２周りに内側リングに対して回転可能な外側リング２４Ａ，２４Ｂと、内側リングと外側リングとの間に規定された転動チャンバ２８Ａ，２８Ｂ内に取り付けられた一列の転動要素２６Ａ，２６Ｂと、共通の中心軸Ｘ２と平行な軸方向荷重Ｅ，Ｒを外側リング２４Ａ，２４Ｂにかけるための手段１６，５０，６０を備えている。この軸方向荷重が、外側リング２４Ａ，２４Ｂを、一方を他方に向けて又は互いに反対側に動かす。【選択図】図２

Description

本発明は、特に自動車で使用されるプーリー装置に関する。当該装置は、運動を伝達するためにチェーン又はベルトを張るためのテンションローラ、付器ローラ、巻取機、空転プーリー並びに支持及び回転を伝達するための任意の他の手段に関する。

このタイプの装置では、例えば特許文献１から、プーリーを支持するために金属プレートで作られた２つのリングと協働する２列の玉を使用することが公知である。また、特許文献２及び３から、ベルトテンションローラ装置又は空転プーリー装置において、金属シートをプレス加工することによって作られた薄い壁を有するリングと協働する２列の玉を使用することが公知である。

このタイプの材料により、且つ転動要素の早期の摩耗を回避するために、玉及びリングを一致させること、又は剛性を有する、すなわち大きい、結果として比較的高価なリングを使用することが必要となる。

仏国特許出願公開第２７０６７２６号明細書 仏国特許出願公開第２９７０７５５号明細書 仏国特許出願公開第２９７１０２８号明細書 仏国特許出願公開第２９９２３８３号明細書

本発明は、特に、内側リング及び外側リングが比較的薄い場合を含む、製造するためのコスト効率がよく且つ十分な機械的特性を有する新たなプーリー装置を提案することによってこれらの欠点を解消することを目的とする。

このために、本発明は、２つの転がり軸受であって、内側リングと、共通の中心軸周りに内側リングに対して回転可能な外側リングと、内側リングと外側リングとの間に規定された転動チャンバ内に取り付けられた一列の転動要素と、をそれぞれ有する、２つの転がり軸受を備えるチェーン又はベルトのためのプーリー装置に関する。また、この装置は、２つの転がり軸受の外側リングとともに回転可能に固定され且つチェーン又はベルトと係合するための径方向外面が設けられたプーリーを備えている。本発明によれば、プーリー装置は、共通の中心軸と平行な軸方向荷重を外側リングにかけるための手段を備え、この軸方向荷重が、外側リングを、一方を他方に向けて又は互いに反対側に動かす。

本発明により、外側リングにかけられる軸方向荷重は、特に内側リング及び外側リングの低い剛性から、ただしプーリー装置の他の構成要素に関連する他のファクタ、特に膨張現象からも生じる製造の遊びに反作用を及ぼすことを可能にする。

本発明の意味内では、用語“軸方向”は、内側リングと外側リングとの間の相対的な回転軸を構成する、装置の共通の中心軸に関する。方向又は力は、この軸と平行な場合に軸方向とされ、この軸と垂直且つ割線である場合に径方向とされる。表面は、軸方向と垂直な場合に軸方向とされ、径方向と垂直な場合に径方向とされる。

本発明の有利であるが選択的な側面によれば、当該プーリー装置は、技術的に許容可能な任意の組み合わせで考慮される以下の特徴の１つ以上を含んでもよい：
− 転がり軸受が、斜めの接触を使用し、接触方向が、それらが共通の中心軸に接近するにつれて近づき、軸方向荷重力が、外側リングを互いに近づけるのに役立つ。
− 転がり軸受が、斜めの接触を使用し、接触方向が、それらが共通の中心軸に接近するに従って分岐し、軸方向荷重力が、外側リングを互いから離すのに役立つ。
− 転がり軸受の内側リング及び外側リングが、プレス加工された金属シートのストリップによって形成されている。
− 軸方向荷重手段が、プーリー上に配置され、且つ軸受によって２つの転がり軸受の外側リングのうちの第１外側リングを接触して受けるように構成された軸方向停止部と、プーリーの軸方向停止部に向かって第２リングを支持する弾性移動部材と、を備えている。
− プーリー装置は、プーリーに対する弾性部材のための軸方向ロック要素を備えている。
− 弾性支持部材が、第２外側リングの側面に当接する弾性変形可能な波形ワッシャであるとともに、軸方向ロック要素が、プーリーの内側径方向溝内に係合される保持リングである。
− 軸方向荷重手段が、プーリー上に配置され且つ／又は取り付けられ、且つ転がり軸受の外側リングを軸受によって接触してそれぞれ受けることが可能な２つの停止部と、軸方向において２つの外側リングの間に位置決めされ、且つこれら２つのリングと当接する弾性部材と、を備えている。
− 転がり軸受の２つの内側リングが、軸方向において互いに当接し、２つの外側リングが、弾性部材に軸方向圧縮力をかける。
− プーリー装置は、２つの転がり軸受の内側リングの間で軸方向荷重力を伝達するためのスペーサをさらに備えている。
− プーリー装置は、支持部上での組み立てのためのネジをさらに備え、ネジが、径方向において内側リングの内部に収納されるとともに、スペーサが、支持部上でのプーリー装置の組み立てから生じる軸方向圧縮力を受けるために設けられ且つ受けるように構成され、力が、スペーサに対する内側リングの回転をブロックすることをもたらす。
− スペーサには、センサの電力ケーブルのための通路チャネルが設けられている。
− ２つの転がり軸受の内側リングが、一体部品によって形成されている。
− 各リングが、転動要素と接触するトラックと、共通の中心軸に対して垂直な平面環状部分と、を備える一方で、軸方向荷重力が、２つの外側リングの平面環状部分の間に付与される。

本発明は、上述したプーリー装置と、当該装置のプーリーの径方向外面上で支持するチェーン又はベルトと、を備えた自動車にも関する。

単に例として提供され且つ添付の図面を参照してなされる、本発明の原理によるプーリー装置及び自動車の２つの実施形態の以下の説明を考慮すると、本発明はよりよく理解され、本発明の他の利点はより明瞭に明らかになるであろう。

本発明による自動車に属する支持部上の所定位置での、本発明によるプーリー装置の断面図である。 プーリー装置のみが示され且つプーリー装置が備えるネジは省略された、図１の上部に対応する拡大された半断面図である。 図１及び図２のプーリー装置で使用される弾性ワッシャの斜視図である。 本発明の第２実施形態によるプーリー装置のための図２と同様の図である。

図１から図３に示されるプーリー装置２は、プーリー装置２に属するネジ８を受けるためのタッピング６を備えたエンジンブロック４に取り付けられるように構成された空転プーリー(loose pulley)である。エンジンブロック４は、図１に示される自動車に属している。

プーリー装置２は、中心軸Ｘ２周りに自由に回転するプーリー装置１０を備え、プーリー装置１０のための参照符号１２は、図１にのみ混合線で示されたベルト１４が当接する径方向外面を示している。

あるいは、プーリー１０は、その径方向外面１４においてチェーンを受けることができる。

プーリー１０は、同一である２つの玉軸受２０Ａ及び２０Ｂにより、軸Ｘ２周りで回転可能に支持されている。転がり軸受２０Ａは、非回転内側リング２２Ａと、回転外側リング２４Ａと、径方向においてリング２２Ａ及び２４Ａの間に配置された転動チャンバ２８Ａ内に位置決めされた一列の玉２６Ａと、を備えている。合成材料から作られたケージ２９Ａが、それ自体公知の方法で、転動チャンバ２８Ａの内部の所定の位置に玉２６Ａを保つ。

リング２２Ａ及び２２Ｂは、通常、プーリー１０の孔内で把持されて取り付けられている。この把持は、これらプレス加工された内側リング２２Ａ及び２２Ｂがハウジング内で回転することを防止する必要がある。この現象は、“転動”と称される。一般に、把持によるパーツ１０，２２Ａ及び２２Ｂの間の接続の調整は、リング２２Ａ及び２２Ｂが横方向に把持される場合であっても、必要なままである。

リング２２Ａ及び２４Ａは、厚さが０．３ｍｍから１０ｍｍの間に含まれる金属シートのストリップをプレス加工することによって作られる。大型の転がり軸受の場合、この厚さは、５０ｍｍに等しく、１００ｍｍにさえ等しい可能性がある。

リング２２Ａは、玉２６Ａのための転動トラックを規定する部分２２２Ａと、平面的、環状且つ軸Ｘ２に対して垂直である部分２２４Ａと、を備えている。同様に、リング２４Ａは、転動トラック２４２Ａと、平面的、環状且つ軸Ｘ２に対して垂直である部分２４４Ａと、を備えている。リング２２Ａ及び２４Ａは、それぞれ一体部品である。シールガスケット２７Ａが、転がり軸受２０Ｂの側においてリング２２Ａ及び２４Ａの間に位置決めされ、且つ骨組２７２Ａ及び弾性体２７４Ａを備えている。

参照符号ΔＡは、図２の平面において転動トラック２２２Ａ及び２４２Ａの中心及び玉２６Ａの中心を通過する一直線的なラインを示している。このラインΔＡは、軸Ｘ２に対しておよそ４５°で傾けられている。

参照符号Ｐ２は、軸Ｘ２に対して径方向にあり且つ転がり軸受２０Ａ及び２０Ｂの間を通る平面を示している。ラインΔＡは、軸Ｘ２に接近すると同時に平面Ｐ２に接近する。

同様に、転がり軸受２０Ｂは、非回転内側リング２２Ｂ、回転外側リング２４Ｂ、玉２６Ｂ、転動チャンバ２８Ｂ、ケージ２９Ｂ及びシール２７Ｂを備えている。リング２２Ａ及び２２Ｂは、転動トラックを形成する部分２２２Ａ又は２２２Ｂと、環状且つ軸Ｘ２に対して垂直な平面部分２２４Ａ又は２２４Ｂと、にそれぞれ分かれる。一直線のラインΔＢは、図２の平面において転動トラック２２２Ｂ及び２４２Ｂのそれぞれの中心及び玉２６Ｂの中心を通過して規定される。ラインΔＢは、平面Ｐ２に対してラインΔＡと対称である。ラインΔＡ及びΔＢは、軸Ｘ２により近くなるにつれて、互いに向かって近づく。

従って、２つの転がり軸受２０Ａ及び２０Ｂは、斜めに接触し、且つ玉２６Ａ及び２６Ｂと隣接するリングとの間の接触面の向きに関して“Ｘ”の形態を有するとみなされる。

転がり軸受２０Ａ及び２０Ｂは、特許文献４から公知の、ときに自動車クラッチ／クラッチ解除機構で使用されるような“減摩軸受”又は“クラッチ軸受ユニット”タイプからなる。

また、プーリー装置２は、内側リング２２Ａ及び２２Ｂの部分２２４Ａ及び２２４Ｂの間で軸Ｘ２に沿って軸方向に位置決めされたスペーサ３０を備えている。スペーサ３０は、金属から作られる。スペーサ３０は、機械加工、プレス加工、焼結又は鍛造によって作られている。

あるいは、スペーサ３０は、プラスチックから作られてもよく、この場合、成形によって得られる。

また、装置２は、広くはディスクの形態にあり且つネジ８のための中心通路オリフィスがそれぞれ設けられた２つのプレート４０Ａ及び４０Ｂを備えている。プレート４０Ａは、転がり軸受２０Ａの側に位置決めされ、且つ軸受によってネジ８のヘッド８２を受けるように構成されている。プレート４０Ｂは、転がり軸受２０Ｂの側に位置決めされ、且つプレート４０Ｂは、エンジンブロック４の一部であり且つ中心にタッピング６が配置されたボス４’と当接するように構成されている。プレート４０Ａ及び４０Ｂは、同一であり、且つプレート４０Ａ及び４０Ｂには、内側径方向溝４２がそれぞれ設けられている。Ｏ−リング４４が、プレート４０Ｂの溝４２内に位置決めされ、且つネジ８のネジ山８４と摩擦当接している。

プーリー１０には、転がり軸受２０Ａの側に、軸Ｘ２に向かって延在する環状側壁１６が設けられ、リング２４Ａの部分２４４Ａが環状側壁１６に当接する。

さらに、プーリー１０には、保持リング５０が収納される内側周囲溝１８が設けられている。

弾性変形可能であり、ときに“平坦スプリング”と称される波形ワッシャ６０が、保持リング５０と部分２４４Ｂとの間で軸Ｘ２に沿って位置決めされている。弾性変形可能なワッシャは、プーリー装置２の取り付けられた形態では、プレート４０Ｂ及びネジ８を取り囲んでいる。

この形態では、ワッシャ６０は、壁部１６に向かって方向づけられた軸方向弾性力Ｅをリング２４Ｂにかける。この力Ｅは、リング２４Ｂによって玉２６Ｂに、ラインΔＢの向きを考慮するとリング２２Ｂに伝達される。そして、前記力Ｅは、リング２２Ｂの部分２２４Ｂによってスペーサ３０に伝達される。スペーサ３０は、この力Ｅをリング２２Ａの部分２２４Ａに伝達し、部分２２４Ａは、この力を玉２６Ａに、玉２６Ａを通じてラインΔＡに沿ってリング２４Ａに伝達し、リング２４Ａは、この力を壁部１６に伝達する。図２において、矢印Ｅは、壁部１６に至るまで、波形ワッシャ６０によって２つの転がり軸受２０Ａ及び２０Ｂにかけられる弾性力Ｅを表している。ワッシャ６０に対するプーリー１０の軸方向位置が、溝１８内に収容された保持リング５０によって決定されるので、壁部１６は、図２にも示される反作用力Ｒをかけ、この力は、パーツ２４Ａ及び３０との接合部において、力Ｅと等しい強度と、力Ｅと反対の方向と、を有している。従って、ワッシャ６０によってかけられる弾性力Ｅは、力Ｅ及びＲの組み合わせにより、一方から他方に向かう外側リング２４Ａ及び２４Ｂの軸方向荷重をもたらし、このことは、転がり軸受２０Ａ及び２０Ｂ内且つパーツ１０及び３０の間での組立及び機械加工の遊びに反作用を及ぼすことをもたらす。

図２において、プレート４０Ａ及び４０Ｂは、スペーサ３０と軸方向で接触していないが、それらは、このスペーサの径方向外側ウェブ３２に対して部分２２４Ａ及び２２４Ｂを挟むことに留意されたい。実際には、タッピング６内でのネジ８の締め付けは、ヘッド８２が、プレート４０Ｂが当接するボス４’に向かってプレート４０Ａを押すことをもたらす。そして、プレート４０Ａ及びプレート４０Ｂは、図１のみに示される軸方向荷重力力Ｅ’を受け、この力は、プレート４０Ａ及び４０Ｂを互いに対して導くことに役立つ一方で、スペーサ３０のウェブ３２に対して部分２２４Ａ及び２２４Ｂを挟む。従って、スペーサ３０は、プレート４０Ａ及び４０Ｂの間で力Ｅ’によって圧縮される。

従って、内側プレート２２Ａ及び２２Ｂは、ネジ８とスペーサ３０とプレート４０Ａ及び４０Ｂとを備える装置２の非回転部分に対して不動とされる。

スペーサ３０の軸方向長さＬ３０は、内側リング２２Ａ及び２２Ｂが０でない距離ｄ２２だけ離されるように選択され、この距離は、部分２２２Ａ及び２２２Ｂの間で軸Ｘ２と平行に測定される。これは、リング２２Ａ及び２２Ｂが、圧縮時に互いに対して動作せざるを得ないことを妨げる。

しかしながら、あるいは、リング２２Ａ及び２２Ｂは軸方向に接触してもよい。

図２は、軸Ｘ２に向かって曲がった部分２２４Ａ及び２２４Ｂの縁部が、プレート４０Ａ及び４０Ｂと接触していないことを示している。あるいは、リング２２Ａ及び２２Ｂは、プレート４０Ａ及び４０Ｂに対して把持されて取り付けられている。

図示されない本発明の１つの代替案によれば、２つのリング２２Ａ及び２２Ｂは、曲げられた金属シートの単一のストリップから作られる。この場合、スペーサ３０の幾何学的形状は、適合させられる。

波形ワッシャ又は平坦ストリップ６０の代わりに、エラストマー材料から作られたワッシャ、又はプーリー１０上でクリンプされた弾性部材を使用することが可能である。この場合、保持リング５０の使用は必須ではない。

図２に示される本発明の一態様によれば、スペーサ３０には、その外面３６において表面に出てきており且つ温度センサ７０のための電力ケーブル７２の通路を与えるチャネル３４が設けられている。このセンサは、内側リング２２Ａ及び２２Ｂと表面３６との間で平面Ｐ２に近く位置決めされる。それは、リングの近くの温度を検出することを可能にする。この場合、プレート４０Ｂは、ケーブル７２の通路のためのダクト４６を備え、図示しない対応するオリフィスが、ボス４’に設けられている。実際には、プレート４０Ａ及び４０Ｂが同一であるので、ダクト４６は、これらプレートのそれぞれに設けられ、このダクトは、プレート４０Ａの軸Ｘ２周りの角度の向きにより、図２のプレート４０Ａでは見ることができない。

リング２４Ａ及び２４Ｂには、それらの部分２４４Ａ又は２４４Ｂの外面上において、ショルダ２４６Ａ，２４６Ｂがそれぞれ設けられている。リング２４Ａに対しては、このショルダは、実際には使用されない。リング２４Ｂに対しては、このショルダは、波形ワッシャを部分的に収容するための体積Ｖ６０を規定することによって、軸Ｘ２に対して波形ワッシャ６０を中心合わせすることを可能にする。

図示されない本発明の１つの代替案によれば、ワッシャ６０は、プーリー１０の孔内で中心合わせされ、従って、リング２４Ａ及び２４Ｂのショルダ２４６Ａ及び２４６Ｂの存在を排除することができる。

図２の例示ではパーツ２４Ｂ及び６０が接触しないという事実は、ワッシャ６０の波形の性質に起因する。図２のプレートでは、ワッシャ６０の波形は、保持リング５０と接触し、且つリング２４Ｂから軸方向に離されている。反対側の別の径方向面では、波形は、リング２４Ｂと接触し、且つ保持リング５０から離されている。

図４に示される第２実施形態では、第１実施形態の要素と同様の要素は、同じ参照符号を有している。

この実施形態は、特に、第１実施形態のもののように斜めに接触する、装置２の２つの転がり軸受２０Ａ及び２０Ｂが、玉２６Ａ及び２６Ｂと転がり軸受２０Ａ及び２０Ｂの隣接するリング２２Ａ，２４Ａ，２２Ｂ，２４Ｂとの間の接触面の向きに関して“Ｏ”の形態を有しているとみなされるという点で、上述した実施形態と異なっている。

第１実施形態のように、参照符号ΔＡは、図４の平面において転動トラック２２２Ａ及び２４２Ａのそれぞれの中心及び玉２６Ａの中心を通過する一直線のラインを示している。このラインは、軸Ｘ２に対しておよそ６０°で傾けられている。また、参照符号ΔＢは、図４の平面において転動トラック２２２Ｂ及び２４２Ｂのそれぞれの中心及び玉２６Ｂの中心を通過する一直線のラインを示している。第１実施形態のように、参照符号Ｐ２は、軸Ｘ２に対して径方向にあり且つ転がり軸受２０Ａ及び２０Ｂの間を通る平面を示している。

ラインΔＡ及びΔＢは、平面Ｐ２に対して互いに対称であり、且つ軸Ｘ２に接近すると互いから分岐する。この意味では、図１のものと同様の例示での装置２全体のために規定される４つのラインΔＡ及びΔＢが、およそダイヤモンド又は“Ｏ”状構造を形成している。

この実施形態では、内側リング２２Ａ及び２２Ｂには、平坦環状面２２６Ａ，２２６Ｂがそれぞれ設けられている。これら表面２２６Ａ及び２２６Ｂは、平面Ｐ２において互いに当接している。

例えばエラストマー又はプラスチック材料から作られた弾性ワッシャは、軸方向において外側リング２４Ａ及び２４Ｂの平面環状部分２４４Ａ及び２４４Ｂの間に位置決めされている。

外側リング２４Ａの転動トラック２４２Ａは、部分２４４Ａの反対側に、第１実施形態のものと同様にプーリー６の環状側壁１６に当接するシリンダ状部分２４６Ａの形態で延在する。さらに、リング２４Ｂの転動トラック２４２Ｂは、部分２４４Ｂの反対側に、第１実施形態のようにプーリー１０の内側環状溝１８内で係合される保持リング５０と当接するシリンダ状部分２４６Ｂによって延在する。

従って、装置２の組み立てられた形態では、表面２２６Ａ及び２２６Ｂは、軸方向において互いに当接し、シリンダ状部分２４６Ａ及び２４６Ｂは、軸方向において壁部１６及び保持リング５０とそれぞれ当接し、このため、リング２４Ａ及び２４Ｂの平面環状部分２４４Ａ及び２４４Ｂは、弾性ワッシャ６０に圧縮力をかける。この圧縮力は、リング６０によって吸収され、リング６０は、反作用的に、弾性力Ｅをかけ、弾性力Ｅは、壁部１６及び保持リング５０に対してそれぞれ部分２４６Ａ及び２４６Ｂを押し付ける。従って、この弾性力Ｅは、機械加工の遊び及び膨張現象、特に熱膨張に起因する側面のずれを吸収することを可能にする。

反作用的に、パーツ１６及び５０は、平面Ｐ２に向かって方向づけられた反作用力Ｒをリング２４Ａ及び２４Ｂにかける。

表面２２６Ａ及び２２６Ｂは、内側リング２２Ａ及び２２Ｂのそれぞれの内部にさえ達する比較的大きい、図４における垂直な径方向幅を有しており、付器、例えばセンサが収納される体積Ｖ２２Ａ又はＶ２２Ｂが規定されていることに留意されたい。これら付器は、特に、表面２２６Ａ及び２２６Ｂの反対側の平面部分２２４Ａ及び２２４Ｂの表面上で締結される。付器が取り付けられるこれら表面は、熱を消散することも可能にする。

玉２６Ａ及び２６Ｂの代わりに、転動要素は、転がり軸受２０Ａ及び２０Ｂの内側リング及び外側リングの間に位置決めされる、特にころ又はニードルであってもよい。

本発明は、空転プーリーに対するその実施との関連で上述された。しかしながら、本発明は、他のプーリー装置、特にテンションローラ、付器ローラもしくはチェーン又はベルトストレッチャーでも利用可能である。

上述された実施形態及び代替案は、本発明の新たな実施形態を作り出すために互いに組み合わせられてもよい。

２ プーリー装置、８ ネジ、１０ プーリー、１２ 径方向外面、１４ チェーン，ベルト、１６ 軸方向停止部、１８ 内側径方向溝、２０Ａ，２０Ｂ 転がり軸受、２２Ａ，２２Ｂ 内側リング、２４Ａ，２４Ｂ 外側リング、２６Ａ，２６Ｂ 転動要素、２８Ａ，２８Ｂ 転動チャンバ、３０ スペーサ、３４ 通路チャネル、５０ 軸方向ロック要素，保持リング、６０ 弾性支持部材，弾性部材，波形ワッシャ、７０ センサ、７２ 電力ケーブル、２２２Ａ，２２２Ｂ，２４２Ａ，２４２Ｂ トラック、２２４Ａ，２２４Ｂ，２４４Ａ，２４４Ｂ 平面環状部分、Ｅ，Ｒ 軸方向荷重，軸方向荷重力、Ｅ’ 軸方向荷重力，軸方向圧縮力、Ｘ２ 中心軸、ΔＡ，ΔＢ 接触方向

Claims (15)

1. ２つの転がり軸受（２０Ａ，２０Ｂ）であって、
   内側リング（２２Ａ，２２Ｂ）と、
   共通の中心軸（Ｘ２）周りに前記内側リングに対して回転可能な外側リング（２４Ａ，２４Ｂ）と、
   前記内側リングと前記外側リングとの間に規定された転動チャンバ（２８Ａ，２８Ｂ）内に取り付けられた少なくとも一列の転動要素（２６Ａ，２６Ｂ）と、
   をそれぞれ有する、２つの転がり軸受（２０Ａ，２０Ｂ）と、
   前記２つの転がり軸受の前記外側リング（２４Ａ，２４Ｂ）とともに回転可能に固定され、且つチェーン又はベルト（１４）と係合するための径方向外面（１２）が設けられたプーリー（１０）と、
   を備えるチェーン又はベルト（１４）のためのプーリー装置（２）において、
   前記プーリー装置が、前記共通の中心軸（Ｘ２）と平行な軸方向荷重（Ｅ，Ｒ）を前記外側リング（２４Ａ，２４Ｂ）にかけるための手段（１６，５０，６０）を備え、前記軸方向荷重が、前記外側リング（２４Ａ，２４Ｂ）を、一方を他方に向けて又は互いに反対側に動かすことを特徴とする装置。
2. 前記転がり軸受（２０Ａ，２０Ｂ）が、斜めの接触を使用し、接触方向（ΔＡ，ΔＢ）が、それらが前記共通の中心軸（Ｘ２）に接近するにつれて近づき、
   軸方向荷重力（Ｅ，Ｒ）が、前記外側リング（２４Ａ，２４Ｂ）を互いに近づけるのに役立つことを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 前記転がり軸受（２０Ａ，２０Ｂ）が、斜めの接触を使用し、接触方向（ΔＡ，ΔＢ）が、それらが前記共通の中心軸（Ｘ２）に接近するにつれて分岐し、
   軸方向荷重力（Ｅ，Ｒ）が、前記外側リング（２４Ａ，２４Ｂ）を互いから離すのに役立つことを特徴とする請求項１に記載の装置。
4. 前記転がり軸受（２０Ａ，２０Ｂ）の前記内側リング（２２Ａ，２２Ｂ）及び前記外側リング（２４Ａ，２４Ｂ）が、プレス加工された金属シートのストリップによって形成されていることを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載の装置。
5. 前記軸方向荷重手段が、
   − 前記プーリー（１０）上に配置され、且つ前記２つの転がり軸受（２０Ａ，２０Ｂ）の前記外側リング（２４Ａ，２４Ｂ）のうちの第１外側リング（２４Ａ）を接触して受けるように構成された軸方向停止部（１６）と、
   − 前記プーリーの前記軸方向停止部に向かって、前記２つの転がり軸受の前記外側リングのうちの前記第２リング（２４Ｂ）を動かす弾性支持部材（６０）と、
   を備えていることを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の装置。
6. 前記プーリー（１０）に対する前記弾性支持部材（６０）のための軸方向ロック要素（５０）をさらに備えていることを特徴とする請求項５に記載の装置。
7. 前記弾性支持部材が、前記第２外側リング（２４Ｂ）の側面に当接する弾性変形可能な波形ワッシャ（６０）であり、
   前記軸方向ロック要素が、前記プーリー（１０）の内側径方向溝（１８）内に係合される保持リング（５０）であることを特徴とする請求項６に記載の装置。
8. 前記軸方向荷重手段が、
   − 前記プーリー上に配置され且つ／又は取り付けられ、且つ前記転がり軸受（２０Ａ，２０Ｂ）の第１外側リング（２４Ａ，２４Ｂ）を接触してそれぞれ受けることが可能な２つの軸方向停止部（１６，５０）と、
   − 軸方向において前記２つの外側リングの間に位置決めされ、且つ前記２つの外側リングと当接する弾性部材（６０）と、
   を備えていることを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の装置。
9. 前記転がり軸受（２０Ａ，２０Ｂ）の前記２つの内側リング（２２Ａ，２２Ｂ）が、軸方向において互いに当接し、
   前記２つの外側リング（２４Ａ，２４Ｂ）が、前記弾性部材（６０）に軸方向圧縮力をかけることを特徴とする請求項８に記載の装置。
10. 前記２つの転がり軸受（２０Ａ，２０Ｂ）の前記内側リング（２２Ａ，２２Ｂ）の間で軸方向荷重力（Ｅ’）を伝達するためのスペーサ（３０）をさらに備えていることを特徴とする請求項１から９のいずれか一項に記載の装置。
11. 支持部（４）上での組み立てのためのネジ（８）をさらに備え、前記ネジが、径方向において前記内側リング（２２Ａ，２２Ｂ）の内部に収納され、
    前記スペーサ（３０）が、前記支持部上での前記プーリー装置（２）の組み立てから生じる軸方向圧縮力（Ｅ’）を受けるために設けられ且つ受けるように構成され、前記軸方向圧縮力が、前記スペーサに対する前記内側リング（２２Ａ，２２Ｂ）の回転をブロックすることをもたらすことを特徴とする請求項１０に記載の装置。
12. 前記スペーサ（３０）には、センサ（７０）のための電力ケーブル（７２）のための通路チャネル（３４）が設けられていることを特徴とする請求項１０又は１１に記載の装置。
13. 前記２つの転がり軸受（２０Ａ，２０Ｂ）の前記内側リング（２２Ａ，２２Ｂ）が、一体部品によって形成されていることを特徴とする請求項１から８のいずれか一項に記載の装置。
14. 各リング（２２４Ａ，２２４Ｂ，２４４Ａ，２４４Ｂ）が、前記転動要素（２６Ａ，２６Ｂ）と接触するトラック（２２２Ａ，２２２Ｂ，２４２Ａ，２４２Ｂ）と、前記共通の中心軸（Ｘ２）と垂直な平面環状部分（２２４Ａ，２２４Ｂ，２４４Ａ，２４４Ｂ）と、を備え、
    軸方向荷重力（Ｅ，Ｒ）が、前記２つの外側リング（２４Ａ，２４Ｂ）の前記平面環状部分（２４４Ａ，２４４Ｂ）の間に付与されることを特徴とする請求項１から１３のいずれか一項に記載の装置。
15. 請求項１から１４のいずれか一項に記載のプーリー装置（２）と、前記装置の前記プーリー（１２）の径方向外面上で支持するチェーン又はベルト（１４）と、を備える自動車。

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