JP2016084256A - 窒化アルミニウム焼結体及び半導体製造用部品並びに窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体及び半導体製造用部品並びに窒化アルミニウム焼結体の製造方法 Download PDF

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【課題】耐プラズマ性や耐腐食性が高く、パーティクルの発生を抑制してコンタミネーションを低減することができる窒化アルミニウム焼結体及び半導体製造用部品並びに窒化アルミニウム焼結体の製造方法を提供すること。【解決手段】希土類化合物であるY化合物が、窒化アルミニウム焼結体の内部に比べて表面に向かうほど多く存在する傾向を有している。よって、熱膨張差を緩和して、熱膨張による剥離の可能性が低い。また、窒化アルミニウム焼結体の表面には、Y化合物の結晶粒子が存在するとともに、結晶粒子のうち、表面に沿った横方向にて他のY化合物の結晶粒子と接触している粒子数の割合が80%以上と多い。従って、CDVシャワーヘッド1が、プラズマの雰囲気や反応ガスの雰囲気などに晒された場合でも、窒化アルミニウム焼結体は劣化しにくく、コンタミネーションの発生を抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばCVDシャワーヘッド、CVDヒータ、静電チャック等の半導体製造装置用部品などに適用できる窒化アルミニウム焼結体に関し、特に、コンタミネーションを嫌い、耐プラズマ性、(反応ガス等に対する)耐腐食性が求められる半導体製造用部品、半導体製造用部品などに好適に適用できる窒化アルミニウム焼結体、及び窒化アルミニウム焼結体の製造方法に関する。
従来、半導体製造用部品として、例えば窒化アルミニウム製のガス噴出ヘッド(シャワーヘッド)などが知られており、窒化アルミニウムの表面を保護する技術として、下記特許文献1に記載の技術が開示されている。
この特許文献1では、ハロゲン系等の反応ガス中でプラズマによって半導体の加工を行う際に、窒化アルミニウムの粒界に反応ガスが浸透して腐食(劣化)が進み、表面に剥がれが生じて、パーティクル(塵、ホコリ、ダスト等の微細な異物)が発生するとされている。
この対策として、特許文献1には、窒化アルミニウムの表面に析出させたイットリウム(Y)化合物によって、粒界の一部を覆うことによって、パーティクルの発生を抑制する技術が開示されている。
また、下記特許文献2には、窒化アルミニウム等の基材をゲルキャスティングで作製し、更に基材の穴内部に2次層をコーティングすることによって、半導体を加工する際のパーティクルの発生を抑制する技術が開示されている。
更に、下記特許文献3には、溶射膜を形成する窒化アルミニウム等の基材上に、一旦中間層を形成し、その中間層上に耐プラズマ性材料からなる薄膜層を形成する技術が開示されている。
特開2005−167227号公報 特開2005−26593号公報 特開2004−2101号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、析出したY化合物は、表面に島状に存在しているので、表面が広がる面方向(横方向)におけるY化合物同士の粒子のつながりが少ない。そのため、耐腐食性の高いY化合物自体は腐食されにくいが、その下の窒化アルミニウムが腐食されると、Y化合物の粒子が脱落してパーティクルの原因となる。その結果、パーティクルが半導体に付着すると、コンタミネーション(汚染)の原因となる。
また、特許文献2に記載の技術では、ゲルキャスティングを行うので、例えばシャワーヘッドの基材と穴内部の2次層とを同時焼成で作製する。そのため、それらの熱膨張率だけでなく、焼成収縮の挙動を合わせる必要があるが、その条件を満たす材料の組み合わせは多くはない。また、挙動をなんとか合わせた場合でも、基材と2次層との界面に残留応力があるため、剥離が発生し易いという問題がある。
更に、特許文献3に記載の技術では、一般的な溶射等で、窒化アルミニウムの表面にY化合物の膜を形成することはできても、成膜時の応力や熱膨張率の違いにより、膜が剥離することがある。なお、中間層を挿入することも可能ではあるが、溶射では狭いガス流路に成膜することは困難である。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、耐プラズマ性や耐腐食性が高く、パーティクルの発生を抑制してコンタミネーションを低減することができる窒化アルミニウム焼結体及び半導体製造用部品並びに窒化アルミニウム焼結体の製造方法を提供することにある。
(1)本発明の第1態様の窒化アルミニウム焼結体は、希土類化合物を含有する窒化アルミニウム焼結体において、前記希土類化合物が、前記窒化アルミニウム焼結体の内部に比べて表面に向かうほど多く存在する傾向を有し、且つ、前記窒化アルミニウム焼結体の表面には、前記希土類化合物の結晶粒子が存在するとともに、該結晶粒子のうち、前記表面に沿った横方向にて他の前記結晶粒子と接触している粒子数の割合が80%以上であることを特徴とする。
本第1態様では、希土類化合物が、窒化アルミニウム焼結体の内部に比べて表面に向かうほど多く存在する傾向を有している。つまり、本第1態様では、希土類化合物が表面に向かって増加している傾向があるため、表面と内部とにおける熱膨張差を緩和して、熱膨張による剥離の可能性が低いという利点がある。
しかも、窒化アルミニウム焼結体の表面には、希土類化合物の結晶粒子(2次相粒子)が存在するとともに、結晶粒子のうち、表面に沿った横方向にて他の結晶粒子(希土類化合物の他の結晶粒子)と接触している粒子数の割合が80%以上と多い。
従って、本第1態様の窒化アルミニウム焼結体が、プラズマの雰囲気や反応ガス(例えば加工に使用されるガスや膜形成に使用されるプロセスガス)の雰囲気などに晒された場合でも、希土類化合物は窒化アルミニウムに比べて耐プラズマ性や(反応ガスに対する)耐腐食性に優れているので、窒化アルミニウム焼結体は全体として劣化しにくいという特徴がある。
つまり、窒化アルミニウム自体がプラズマや反応ガスなどによって劣化した場合でも、焼結体表面や周囲(深さ方向)にある希土類化合物の結晶粒子は互いに結びついているので、即ち、窒化アルミニウムの周囲は希土類化合物の結晶粒子が例えば網状に繋がって配置されているので、窒化アルミニウムの脱落や希土類化合物の脱落を抑制できるという利点がある。よって、脱落した窒化アルミニウムや希土類化合物(つまりパーティクル)によるコンタミネーションが発生しにくいという顕著な効果を奏する。
ここで、「前記希土類化合物が、前記窒化アルミニウム焼結体の内部に比べて表面に向かうほど多く存在する傾向を有する」とは、プラズマや反応ガスなどに晒される窒化アルミニウム焼結体全体としての傾向であり、後述する実験例に示すように複数点による測定結果から判断することができる。
例えば表面から深さ方向における所定領域(例えば表面に平行な幅50μm×深さ方向5μm単位の観察領域)での希土類化合物の存在割合(例えば断面での面積割合)の深さ方向における変化を、例えば5箇所以上で調べ、それらの値に基づいて判断することができる。
前記希土類化合物としては、希土類元素の化合物、例えばイットリウム(Y)、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)、セリウム(Ce)の化合物(例えばフッ化物や塩化物)が挙げられる。詳しくは、Y化合物としては、Y、La化合物としては、La、Yb化合物としては、Yb、Ce化合物としては、CeO、及び、これらとAlとの複合酸化物が挙げられる。
なお、Y、La、Yb、Ceのフッ化物や塩化物の融点は、窒化アルミニウム(AlN)の融点よりは高いので、耐プラズマ性や耐腐食性が高いと考えられる。
また、窒化アルミニウム焼結体の表面視(表面を見た場合)において、希土類化合物の結晶粒子が存在する割合が、(面積で)30%〜100%である範囲を採用でき、特に86%を上回る範囲が好適である。
(2)本発明の第2態様の窒化アルミニウム焼結体は、前記窒化アルミニウム焼結体の表面から20μm以内に、前記粒子数の割合が80%以上の領域を有することを特徴とする。
本第2態様は、窒化アルミニウム焼結体の好ましい構成を例示したものである。
上述した結晶粒子の粒子数の割合が80%以上である範囲は、焼結体表面から深さ20μmまで存在することが好ましい。
(3)本発明の第3態様の窒化アルミニウム焼結体は、前記窒化アルミニウム焼結体における前記希土類化合物の割合が、0.1重量%〜10重量%であることを特徴とする。
前記第1態様では、希土類化合物(従って希土類元素の結晶粒子)は、内部より表面に多く存在する傾向にあるが、本第3態様のように、窒化アルミニウム焼結体全体において、希土類化合物の割合が、0.1重量%〜10重量%であれば、上述した第1態様における表面構造を容易に形成することができる。
(4)本発明の第4態様の窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、前記第1〜第3態様のいずれかに記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法であって、前記窒化アルミニウム焼結体の材料からなる成形体を、不活性雰囲気下にて、1900℃以上にて10時間以上又は1850℃以上で24時間以上焼成して、前記窒化アルミニウム焼結体を製造することを特徴とする。
本第4態様では、窒化アルミニウム焼結体の材料からなる成形体を、不活性雰囲気下にて、1900℃以上にて10時間以上又は1850℃以上で24時間以上焼成することにより、窒化アルミニウム焼結体を製造することができる。
つまり、窒化アルミニウム焼結体の材料からなる成形体を、十分な高温にて長い時間をかけて焼成することにより、窒化アルミニウム焼結体の表面に、希土類化合物の結晶粒子同士が80%以上接続した表面構造を容易に形成することができる。
ここで、不活性雰囲気としては、窒素ガス、窒素−アルゴン混合ガス等を採用できる。
なお、希土類化合物(従って希土類化合物の結晶粒子)は、窒化アルミニウム焼結体の材料に含まれる希土類元素(又は希土類化合物)が、焼成中に、例えば成形体の内部から表面側にしみ出すように物質移動することにより形成される。よって、希土類化合物(従って希土類元素の結晶粒子)の割合は、通常は内部より表面の方が多くなる。
また、この表面の希土類化合物の存在する領域の厚み(従って希土類元素の結晶粒子の存在する領域の厚み)は、焼成温度、焼成時間、添加量、焼結体のサイズ・形状などによって、調整することができると考えられる。
具体的には、焼成温度は、希土類化合物の内部から表面への移動を早める効果がある。また、希土類化合物の添加量及び焼結体のサイズは、希土類化合物の絶対量に影響する。例えば、希土類化合物の添加量が多くなると、焼結体中の希土類化合物の絶対量が多くなる。
更に、焼成時の雰囲気が焼結体の表面状態に影響すると考えられる。つまり、焼成時の雰囲気(即ち窒素)は、希土類化合物を表面に移動させる駆動力であり、希土類化合物の雰囲気中への飛散量と焼結体内部から表面への希土類化合物の移動量によって、表面の希土類化合物の最終的な状態が決まると考えられる。
(5)本発明の第5態様の半導体製造用部品は、少なくともセラミックから構成された部分を有する半導体製造用部品において、前記セラミックから構成された部分は、前記第1〜第3態様のいずれかに記載の窒化アルミニウム焼結体からなることを特徴とする。
本第5態様は、窒化アルミニウム焼結体の用途を例示したものである。この窒化アルミニウム焼結体を用いた半導体製造用部品によって半導体を製造する場合には、パーティクルの発生が少ないので、コンタミネーションの発生を抑制することができる。
なお、この半導体製造用部品としては、例えばCVDシャワーヘッド、CVDヒータ、静電チャックなどが挙げられる。
実施形態のCVDシャワーヘッドを示す斜視図である。 CVDシャワーヘッドを軸方向に破断して模式的に示す断面図である。 CVDシャワーヘッドの製造工程を示す説明図である。 (a)は実施例1の焼結体表面の電子顕微鏡写真を示す説明図、(b)はその2値化画像を示す説明図である。 (a)は実施例3の焼結体表面の電子顕微鏡写真を示す説明図、(b)にその2値化画像を示す説明図である。 (a)は比較例1の焼結体表面の電子顕微鏡写真を示す説明図、(b)にその2値化画像を示す説明図である。 (a)は比較例3の焼結体表面の電子顕微鏡写真を示す説明図、(b)にその2値化画像を示す説明図である。 実験例2の窒化アルミニウム焼結体の縦断面のSEM写真及び観察領域を示す説明図である。 実験例2の実験結果として、窒化アルミニウム焼結体の深さとY化合物の存在割合との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[実施形態]
a)まず、本実施形態の窒化アルミニウム焼結体を用いた半導体製造用部品であるCVDシャワーヘッドの構成について説明する。
図1に示す様に、本実施形態のCVD(Chemical Vapor Deposition)シャワーヘッド1は、半導体ウェハを製造する際に、半導体ウェハを収容した容器内に反応ガス(例えばプロセスガス)を供給するために使用されるものである。
このCVDシャワーヘッド1は、窒化アルミニウム焼結体から形成されており、円盤形状のヘッド部3と、ヘッド部3の後端側(図1の上側)にて同軸接合された円筒形状のガス供給部5とから構成されている。
図2に示すように、ヘッド部3は、円盤形状の先端基板7と内部にガス流路13を有する中間部9と円盤形状の後端基板11とが、同軸に配置された構造を有している。
また、先端基板7には、ガス流路13と外部とを連通する多数の貫通孔(ガス噴射孔)15が形成されており、後端基板11には、軸中心に連通孔17が形成されている。
ガス供給部5は、その軸中心に、反応ガス(G)等をガス流路13に供給する貫通孔(ガス供給孔)19を有しており、ガス供給孔19と後端基板11の連通孔17とが連通するように、後端基板11とガス供給部5とが接合(拡散接合)されている。
特に、本実施形態では、CVDシャワーヘッド1を構成する窒化アルミニウム焼結体は、以下の特徴を有している。
窒化アルミニウム焼結体は、希土類化合物であるY化合物(例えばY)が、窒化アルミニウム焼結体の内部に比べて表面に向かうほど多く存在する傾向を有している。
また、窒化アルミニウム焼結体の表面には、Y化合物の結晶粒子が存在するとともに、その結晶粒子のうち、表面に沿った横方向にて他の(Y化合物の)結晶粒子と接触している粒子数の割合が80%以上である。
なお、窒化アルミニウム焼結体の表面視において、Y化合物の結晶粒子が存在する割合が、(面積で)30%〜100%の例えば86%以上である。
更に、窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウム焼結体の表面から20μm以内において、Y化合物の結晶粒子の粒子数の割合が80%以上の領域を有している。
しかも、窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウム焼結体におけるY化合物の割合が、0.1重量%〜10重量%(例えば1重量%)である。
b)次に、窒化アルミニウム焼結体からなるCDVシャワーヘッド1の製造方法について説明する。
<ヘッド部作製工程>
図3に示すように、まず、窒化アルミニウム粉末100重量部に、Y粉末1重量部と、アクリル系バインダ20重量部との混合物に、トルエン等の有機溶剤を加え、ボールミルにて24時間混合し、グリーンシート用スラリーを作製した。
このスラリーを用いて、キャスティング装置で、スラリーをシート状に成形し、乾燥させてグリーンシート21を作製した。
なお、必要に応じて、グリーンシート21にメタライズ層を印刷したり、貫通孔を設けてビアを印刷することにより、ヒータや電極等となるパターンを形成できる。
次に、このグリーンシート21を複数枚(例えば10枚)圧着し、必要応じて外周を切断して、厚み約4mmの2個のグリーンシート積層体23、25を作製した。
そして、一方のグリーンシート積層体25に対して、マニシングで、ガス流路13となる溝を形成し、また、ガス噴射孔15となる貫通孔を例えば1500個開けた。
また、他方のグリーンシート積層体23の軸中心に、連通孔17となる貫通孔を開けた。
次に、前記一方のグリーンシート積層体25と他方のグリーンシート積層体23とを、溝を覆うようにして積層して貼り合わせて、複合積層体27を形成した。
次に、マニシングによって、複合積層体27の周囲を切削加工して、ヘッド部3とほぼ同様な形状の円盤形状のヘッド成形体29を作製した。
次に、ヘッド成形体29を、550℃で12時間脱脂し、ヘッド脱脂体31を作製した。
次に、ヘッド脱脂体31を、カーボン炉の窒化アルミニウムさや内に入れ、窒素中にて、例えば1900℃で24時間焼成し、ヘッド焼成体33を作製した。
次に、ヘッド焼成体33の表面を加工(研磨)して、目的とする寸法のヘッド部3を作製した。
<ガス供給部作製工程>
図示しないが、前記ヘッド部3の材料と同様な材料を用いて、ガス供給部5となる円筒形状の供給部成形体を作製した。
次に、供給部成形体を、定法に従って、乾燥、脱脂、焼成を行って、供給部焼成体を作製した。
次に、供給部焼成体の表面を研磨し、目的とする寸法のガス供給部5を作製した。
<拡散接合工程>
前記図3に示すように、ヘッド部3の後端側の表面(後端基板11の表面)の軸中心に、ガス供給部5を同軸に配置し、周知の拡散接合(例えば真空ホットプレス装置を用いた拡散接合)により、ヘッド部3とガス供給部5を接合して接合体35を得た。
次に、その接合体35の仕上げを行って(例えば表面を研磨し)、CVDシャワーヘッド1を完成した。
c)次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、希土類化合物であるY化合物(具体的にはY)が、窒化アルミニウム焼結体の内部に比べて表面に向かうほど多く存在する傾向を有している。つまり、全体としてY化合物が表面に向かって増加しているので、熱膨張差を緩和して、熱膨張による剥離の可能性が低いという利点がある。
更に、窒化アルミニウム焼結体の表面には、Y化合物の結晶粒子(2次相粒子)が存在するとともに、結晶粒子のうち、表面に沿った横方向にて他のY化合物の結晶粒子と接触している粒子数の割合が80%以上と多い。
しかも、窒化アルミニウム焼結体の表面視において、Y化合物の結晶粒子が存在する割合が、(面積で)30%〜100%の例えば86%以上であり、その上、窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウム焼結体の表面から20μm以内に、前記粒子数の割合が80%以上の領域を有している。
従って、CDVシャワーヘッド1が、プラズマの雰囲気や反応ガスの雰囲気などに晒された場合でも、Y化合物は窒化アルミニウムに比べて耐プラズマ性や(反応ガスに対する)耐腐食性に優れているので、窒化アルミニウム焼結体は劣化しにくい。
つまり、窒化アルミニウム自体がプラズマや反応ガスなどによって劣化した場合でも、焼結体表面や周囲(深さ方向)にあるY化合物の結晶粒子は互いに結びついているので、即ち、窒化アルミニウムの周囲はY化合物の結晶粒子が例えば網状に繋がって配置されているので、窒化アルミニウムの脱落や希土類化合物の脱落を抑制できるという利点がある。よって、脱落した窒化アルミニウムやY化合物(つまりパーティクル)によるコンタミネーションが発生しにくいという顕著な効果を奏する。
更に、本実施形態では、窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウム焼結体全体におけるY化合物の割合が、0.1重量%〜10重量%である。従って、本実施形態の製造方法によって、上述した窒化アルミニウム焼結体における表面構造を容易に形成することができる。
また、本実施形態では、窒化アルミニウム焼結体の材料からなる成形体(例えばヘッド成形体29)を、窒素雰囲気下にて、1900℃以上にて10時間以上(又は1850℃以上で24時間以上)焼成することにより、窒化アルミニウム焼結体を製造することができる。
[実験例]
次に、本発明の効果を確認した実験例について説明する。
(実験例1)
本実験例1は、窒化アルミニウム焼結体の表面構造を調べたものである。
本実験例1では、下記表1に示す条件以外は、前記実施形態と同様な製造方法によって、CVDシャワーヘッドの試料を作製し、下記表1に示す観察を行った。
具体的には、下記表1に示す焼成温度及び焼成時間として、CVDシャワーヘッドの試料として、本発明の試料(実施例1〜3)と比較例の試料(比較例1〜3)を作製した。
なお、各試料における窒化アルミニウム焼結体全体におけるY化合物(即ちY)の割合は、0.1重量%〜10重量%の範囲内の1重量%である。
また、実施例2、比較例2は、焼成温度と焼成時間との関係から得られる予測値である。
そして、電子顕微鏡によって、焼結体表面(詳しくはガス流路に面する表面)におけるY化合物の結晶粒子(2次相粒子)の存在割合(結晶粒子の割合:面積%)を求めた。また、焼結体表面におけるY化合物の結晶粒子のうち、他のY化合物の結晶粒子に接触している結晶粒子の粒子数の割合(隣接粒子を持つ結晶粒子の割合)を求めた。
具体的には、図4〜図7の各図の(a)に、各試料の焼結体表面の電子顕微鏡写真を示し、前記各図の(b)に、前記各図の(a)の2値化画像(白色がY化合物の結晶粒子、黒色がAlN)を示す。
ここで、前記図4〜図7の各図の(a)に示す電子顕微鏡写真は、焼結体表面を1000倍に拡大した写真であり、この電子顕微鏡写真から、Y化合物の結晶粒子(灰色)、AlN結晶粒子(黒色)、及び、Y化合物の結晶粒子とAlN結晶粒子の粒界が確認できることが分かる。
そして、この電子顕微鏡写真から、Y化合物の結晶粒子の数と、他のY化合物の結晶粒子に接触している結晶粒子の粒子数をカウントし、焼結体表面におけるY化合物の結晶粒子のうち、他のY化合物の結晶粒子に接触している結晶粒子の粒子数の割合(隣接粒子を持つ結晶粒子の割合)を求めた。
また、図4〜図7の各図の(b)は、上述のように、前記各図の(a)を2値化画像(白色がY化合物の結晶粒子、黒色がAlN)としたものであり、この2値化画像から、全体の面積に対するY化合物の結晶粒子の存在割合を求めた。
それらの結果を下記表1に記す。なお、判定は、隣接粒子を持つ結晶粒子の割合が80%を上回る好ましいものを「○」とし、そうでないものを「×」とした。
この実験例1から明らかなように、前記実施例1〜3の焼成温度、焼成条件によって、窒化アルミニウム焼結体を製造することによって、焼結体表面における結晶粒子の割合を、39%〜71%(面積%)とすることができるとともに、隣接粒子を持つ結晶粒子の割合を、83%〜100%とすることができる。
従って、この窒化アルミニウム焼結体からなるCVDシャワーヘッドを用いて、プラズマ雰囲気や反応ガス雰囲気中で、半導体ウェハを製造する場合には、窒化アルミニウムやY化合物の脱落が少なく、コンタミネーションの発生を効果的に抑制することができる。
それに対して、比較例1〜3では、隣接粒子を持つ結晶粒子の割合が、63%以下であり、島状に存在する結晶粒子の割合が多い。よって、半導体ウェハを製造する場合には、窒化アルミニウムが腐食すると、島状に存在するY化合物は、支えを失って脱落するため、コンタミネーションの発生を抑制することは容易ではない。
(実験例2)
本実験例2は、窒化アルミニウム焼結体の表面から内部における希土類化合物(Y化合物:Y)の分布状態を調べたものである。
本実験例2では、前記実施例1の条件にて、窒化アルミニウム焼結体からなるCVDシャワーヘッドを作製した。そして、CDVシャワーヘッドの先端基板を厚み方向に破断し、ガス流路の表面の断面観察を行った。
具体的には、図8に示すように、断面(縦断面)のSEM写真(倍率500倍)を撮影し、そのSEM写真を、表面において幅50μm間隔で系列1〜5の5箇所に区分した。さらに、各系列にて表面から深さ5μm毎に、表面と平行になるように観察領域を区分した。ここで、表面位置は、各区分においてそれぞれ規定し、具体的には、最も突出した結晶表面の位置と規定した。なお、図8では、各系統とも深さ10μm毎の区分のみを示している。
そして、各観察領域における希土類化合物(Y化合物)の存在割合を調べた。具体的には、SEM写真に基づいて、断面におけるY化合物の面積から存在割合を求めた。詳しくは、50μmの線分のうち、希土類化合物と重なる線分の長さから、その線分上での存在割合を求めた。
その結果を、図9に示す。なお、Y化合物であるか否かは、表面のXRD測定で確認している。また、SEM写真は反射電子像のため、その濃淡から白い方が希土類元素であることが分かる。
なお、系統1〜5の平均値の最小二乗法によって、データの分布の傾向を示す直線を求め、その直線を点線にて図9に示した。
図9から明らかなように、Y化合物の存在割合は、焼結体の内部から表面に向かって徐々に増加する傾向があることが分かる。また、図8から明らかなように、焼結体表面にあるY化合物の結晶粒子は、深さ方向(焼結体内部の方向)に存在するY化合物の結晶粒子と繋がっていることが分かる。
なお、一部の試料(系統2、3)では、焼結体表面におけるY化合物の存在割合が極めて少なくなっているが、これは、焼結体表面に窒化アルミニウムが露出している箇所を測定したものと考えられる。従って、全体として評価すれば、Y化合物の存在割合は、焼結体の内部から表面に向かって増加する傾向があることは明らかである。
尚、本発明は前記実施形態や実験例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
1…CVDシャワーヘッド
3…ヘッド部
5…ガス供給部

Claims (5)

  1. 希土類化合物を含有する窒化アルミニウム焼結体において、
    前記希土類化合物が、前記窒化アルミニウム焼結体の内部に比べて表面に向かうほど多く存在する傾向を有し、
    且つ、前記窒化アルミニウム焼結体の表面には、前記希土類化合物の結晶粒子が存在するとともに、該結晶粒子のうち、前記表面に沿った横方向にて他の前記結晶粒子と接触している粒子数の割合が80%以上であることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。
  2. 前記窒化アルミニウム焼結体の表面から20μm以内に、前記粒子数の割合が80%以上の領域を有することを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体。
  3. 前記窒化アルミニウム焼結体における前記希土類化合物の結晶粒子の割合が、0.1重量%〜10重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化アルミニウム焼結体。
  4. 前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法であって、 前記窒化アルミニウム焼結体の材料からなる成形体を、不活性雰囲気下にて、1900℃以上にて10時間以上又は1850℃以上で24時間以上焼成して、前記窒化アルミニウム焼結体を製造することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  5. 少なくともセラミックから構成された部分を有する半導体製造用部品において、
    前記セラミックから構成された部分は、前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム焼結体からなることを特徴とする半導体製造用部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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