JP2016082809A - インバータ制御装置、制御方法、プログラム、及び給電システム - Google Patents

インバータ制御装置、制御方法、プログラム、及び給電システム Download PDF

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Abstract

【課題】分散型電源とインバータとが直流バスを介して接続されており、分散型電源から出力される電力をそのインバータによって交流電力に変換して負荷へ供給する給電システムにおいて、負荷へ安定して電力を供給する。【解決手段】給電システム3000は、分散型電源3020、インバータ3040、分散型電源3020とインバータ3040とを接続する直流バス3060、及びインバータ3040、負荷10、系統電源20の間を接続する交流バス3080を有する。インバータ制御装置2000は、直流バス3060の電圧に基づき、インバータ3040から出力可能な交流電流の大きさ(出力可能電流値)を算出し、インバータ3040へ要求される交流電流の大きさ(要求電流値)を取得し、インバータ3040が出力する交流電流の大きさの絶対値が、出力可能電流値の絶対値及び要求電流値の絶対値の内の小さい方以下となるようにインバータ3040を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ制御装置、制御方法、プログラム、及び給電システムに関する。
系統電源とは別に発電装置等の分散型電源を設け、分散型電源を用いて負荷に電力を供給する給電システムがある。例えば特許文献1−3のシステムでは、電力を消費する負荷が、分散型電源である太陽光発電装置などと、直流電流が流れるバス(以下、直流バス)を介して接続されている。さらに、これらのシステムにおいて、負荷は、AC/DC コンバータを介して系統電源とも接続されている。このような構成により、これらのシステムでは、分散型電源から負荷へ入力される電力が不足する場合に、系統電源から出力される交流電力が AC/DC コンバータによって直流電力に変換され、負荷へ供給される。
また特許文献4のシステムでは、負荷は、分散型電源及び系統電源のいずれとも、交流電流が流れるバス(以下、交流バス)を介して接続されている。
国際公開第2011/162025号 特開2003−339118号公報 特開2012−095418号公報 特開2006−333563号公報
本発明者は、分散型電源とインバータとが直流バスを介して接続されており、分散型電源から出力された電力をそのインバータによって交流電力に変換して負荷へ供給する給電システムの構築を検討した。ここで、負荷は、上記インバータ及び系統電源と、交流バスを介して接続されているとする。そして本発明者は、このような環境では、分散型電源から供給可能な電力以上の電力が負荷から要求された場合に、直流バスの電圧が降下し、給電システムの動作が不安定になることを見出した。負荷に対して安定した電力を供給するためには、給電システムを安定して動作させる必要がある。
本発明は、分散型電源とインバータとが直流バスを介して接続されており、分散型電源から出力される電力をそのインバータによって交流電力に変換して負荷へ供給する給電システムにおいて、負荷へ安定して電力を供給する技術を提供することである。
本発明が提供するインバータ制御装置は、給電システムが有するインバータを制御する。
前記給電システムは、分散型電源と、前記インバータと、前記分散型電源と前記インバータを接続する直流バスと、前記インバータと系統電源と負荷とを接続する交流バスと、を有する。
当該インバータ制御装置は、前記直流バスの電圧の値である直流バス電圧値を取得する直流バス電圧値取得手段と、前記インバータへ要求される交流電流の大きさである要求電流値を取得する要求電流値取得手段と、前記直流バス電圧値を用いて、前記インバータから出力可能な交流電流の大きさである出力可能電流値を算出する出力可能電流値算出手段と、前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさの絶対値が、前記出力可能電流値の絶対値及び前記要求電流値の絶対値の内の小さい方の値以下となるように、前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさを制御する出力制御手段と、を有する。
本発明が提供する制御方法は、給電システムが有するインバータを制御するインバータ制御装置によって実行される制御方法である。
前記給電システムは、分散型電源と、前記インバータと、前記分散型電源と前記インバータを接続する直流バスと、前記インバータと系統電源と負荷とを接続する交流バスと、を有する。
当該制御方法は、前記直流バスの電圧の値である直流バス電圧値を取得する直流バス電圧値取得ステップと、前記インバータへ要求される交流電流の大きさである要求電流値を取得する要求電流値取得ステップと、前記直流バス電圧値を用いて、前記インバータから出力可能な交流電流の大きさである出力可能電流値を算出する出力可能電流値算出ステップと、前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさの絶対値が、前記出力可能電流値の絶対値及び前記要求電流値の絶対値の内の小さい方の値以下となるように、前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさを制御する出力制御ステップと、を有する。
本発明が提供するプログラムは、本発明が提供するインバータ制御装置が有する各機能構成部の機能をコンピュータに持たせることで、このコンピュータに、本発明が提供するインバータ制御装置として動作する機能を持たせる。
本発明が提供する給電システムは、分散型電源と、インバータと、前記分散型電源と前記インバータを接続する直流バスと、前記インバータと系統電源と負荷とを接続する交流バスと、前記インバータを制御するインバータ制御装置(本発明が提供するインバータ制御装置)と、を有する。
本発明によれば、分散型電源とインバータとが直流バスを介して接続されており、分散型電源から出力される電力をそのインバータによって交流電力に変換して負荷へ供給する給電システムにおいて、負荷へ安定して電力を供給する技術が提供される。
実施形態1に係るインバータ制御装置をその使用環境と共に例示するブロック図である。 インバータ制御装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。 実施形態1のインバータ制御装置によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。 バス電圧下限値取得部を有する、実施形態1に係るインバータ制御装置を、その使用環境と共に例示するブロック図である。 系統電流値取得部及び要求電流値算出部を有する、実施形態1に係るインバータ制御装置を、その使用環境と共に例示するブロック図である。 実施形態2に係るインバータ制御装置をその使用環境と共に例示するブロック図である。 実施形態2のケース1に係るインバータ制御装置をその使用環境と共に例示するブロック図である。 実施形態2のケース2に係るインバータ制御装置をその使用環境と共に例示するブロック図である。 実施形態2のケース3に係るインバータ制御装置を例示するブロック図である。 実施形態2のケース4に係るインバータ制御装置を例示するブロック図である。 実施形態2のケース1に係るインバータ制御装置によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。 実施形態2のケース3に係るインバータ制御装置によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。 実施形態3に係るインバータ制御装置をその使用環境と共に例示するブロック図である。 実施例1に係るインバータ制御装置をその使用環境と共に例示するブロック図である。 実施例2に係るインバータ制御装置をその使用環境と共に例示するブロック図である。 実施例3に係るインバータ制御装置をその使用環境と共に例示するブロック図である。 実施例4に係るインバータ制御装置をその使用環境と共に例示するブロック図である。 実施例5に係るインバータ制御装置をその使用環境と共に例示するブロック図である。 実施例6に係るインバータ制御装置をその使用環境と共に例示するブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るインバータ制御装置2000をその使用環境と共に例示するブロック図である。図1において、矢印は情報の流れを表している。さらに、図1において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。
<給電システム3000>
給電システム3000は、分散型電源3020、インバータ3040、直流バス3060、及び交流バス3080を有する。直流バス3060は、直流電流が流れるバスである。直流バス3060は、分散型電源3020とインバータ3040との間を接続する。交流バス3080は、交流電流が流れるバスである。交流バス3080は、インバータ3040と、負荷10と、系統電源20との間を接続する。
分散型電源3020は、系統電源20とは別に配置された電源である。例えば分散型電源3020は、太陽光発電装置や風力発電装置などの発電装置である。また、例えば分散型電源3020は、蓄電池など、蓄電及び放電を行う蓄電装置である。なお、給電システム3000は、分散型電源3020を複数有していてもよい。分散型電源3020は、交流電流を出力する電源であってもよいし、直流電流を出力する電源であってもよい。分散型電源3020が交流電流を出力する場合、分散型電源3020は、分散型電源3020が出力する交流電流を直流電流に変換する AC/DC コンバータを介して直流バス3060に接続される。
インバータ3040は、直流バス3060から入力される直流電流を交流電流に変換して、交流バス3080へ出力する。インバータ3040から交流バス3080へ出力された交流電流は、負荷10に入力される。
<負荷10>
負荷10は、交流バス3080から入力される電力を消費する種々の負荷である。負荷10には、交流バス3080を介して、インバータ3040から出力される交流電流及び系統電源20から出力される交流電流が入力される。
<インバータ制御装置2000>
インバータ制御装置2000は、上述の給電システム3000が有するインバータを制御する装置である。インバータ制御装置2000は、直流バス電圧値取得部2020、要求電流値取得部2040、出力可能電流値算出部2060、及び出力制御部2080を有する。
<<直流バス電圧値取得部2020>>
直流バス電圧値取得部2020は、直流バス電圧値を取得する。直流バス電圧値は、直流バス3060の電圧の値を表す。
例えば給電システム3000は、直流バス電圧を測定するための測定装置を有する。直流バス電圧値取得部2020は、この測定装置による測定結果を取得することで、直流バス電圧値を取得する。直流バス電圧値取得部2020が取得する直流バス電圧値は、ある時点において上記測定装置によって測定された電圧値そのものであってもよいし、複数の時点で上記測定装置によって測定された電圧値の統計値(例:平均値)などであってもよい。この統計値の算出は、インバータ制御装置2000が行ってもよいし、インバータ制御装置2000の外部に備えられている別の装置が行ってもよい。
<<要求電流値取得部2040>>
要求電流値取得部2040は、要求電流値を取得する。要求電流値は、インバータ3040へ要求される交流電流の大きさを表す。
<<出力可能電流値算出部2060>>
出力可能電流値算出部2060は、直流バス電圧値を用いて、出力可能電流値を算出する。出力可能電流値は、インバータ3040から出力可能な交流電流の大きさを表す。
<<出力制御部2080>>
出力制御部2080は、出力可能電流値及び要求電流値を用いて、インバータ3040が負荷10に対して出力する交流電流の大きさを制御する。具体的には、出力制御部2080は、インバータ3040が負荷10に対して出力する交流電流の大きさの絶対値が、出力可能電流値の絶対値及び要求電流値の絶対値の内の小さい方の値以下となるように、インバータ3040を制御する。
<作用・効果>
分散型電源3020がインバータ3040を介して負荷10へ供給できる交流電流の大きさが、インバータ3040へ要求されている交流電流の大きさより小さい場合に、出力を制御せずにインバータ3040を動作させると、直流バス3060の電圧が降下してしまう。その結果、インバータ3040の動作が不安定になるため、給電システム3000の動作が不安定になってしまう。よって、給電システム3000は、負荷10に対して安定した電力供給を行えなくなる。また、給電システム3000を正常に制御できなくなり、給電システム3000がシステムとして破綻してしまう。
本実施形態のインバータ制御装置2000によれば、直流バス電圧値(直流バス3060の電圧の値)を用いて、インバータ3040から負荷10に対して出力される交流電力の大きさが制御されるため、直流バス3060の電圧が降下することを防ぐことができる。具体的には、インバータ制御装置2000は、直流バス電圧値に基づいて出力可能電流値(インバータ3040から出力できる交流電流の大きさ)を算出し、出力可能電流値が要求電流値(インバータ3040へ要求される交流電流の大きさ)より小さい場合、インバータ3040から出力される交流電流の大きさが出力可能電流値以下となるように、インバータ3040を制御する。こうすることで、給電システム3000から安定して供給できる大きさ以上の交流電流がインバータ3040から出力されることを防げるため、給電システム3000を安定して動作させることができ、給電システム3000がシステムとして破綻することも防げる。
さらに、インバータ制御装置2000は、「直流バス電圧値を用いてインバータ3040の出力を制御する」という方法を用いるため、分散型電源3020の動作の監視や制御が必要ない。そのため、分散型電源3020が複数個あったとしても、それら複数の分散型電源3020の監視や制御を行う必要がなく、給電システム3000の構成をシンプルにすることができる。例えば、本実施形態において、給電システム3000は、各分散型電源3020を監視する監視装置や、これら監視装置から情報を収集して複数の分散型電源3020を制御する制御装置などを要しない。
また、複数の分散型電源3020を監視及び制御する方法の場合、「各分散型電源3020に対して制御信号を送って各分散型電源3020の動作を制御する」といった処理を行う必要がある。そのため、給電システム3000全体で見た場合において、制御処理に対する給電システム3000の応答が遅い。これに対し、本実施形態のインバータ制御装置2000は、複数の分散型電源3020をそれぞれ制御する必要はなく、インバータ3040を制御すればよい。そのため、インバータ制御装置2000による制御処理は、給電システム3000全体で見た場合における給電システム3000の応答が早い。このように、本実施形態のインバータ制御装置2000によれば、制御処理に対する給電システム3000の応答性が高くなる。
<インバータ制御装置2000のハードウエア構成>
インバータ制御装置2000の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア構成要素の組み合わせ(例:ハードワイヤードされた電子回路など)として実現されてもよいし、ハードウエア構成要素とソフトウエア構成要素との組み合わせ(例:マイクロコントローラとそれを制御するプログラムの組み合わせなど)として実現されてもよい。
<<インバータ制御装置2000の構成例>>
図2は、インバータ制御装置2000のハードウエア構成を例示するブロック図である。図2に示すインバータ制御装置2000は、インバータ3040を制御する種々の計算機である。図2において、インバータ制御装置2000は、バス1020、プロセッサ1040、メモリ1060、周辺回路1080、入出力インタフェース1100を有する。周辺回路1080には、直流バス電圧値取得モジュール1220、要求電流値取得モジュール1240、出力可能電流値算出モジュール1260、及び出力制御モジュール1280が含まれる。
バス1020は、プロセッサ1040、メモリ1060、周辺回路1080、及び入出力インタフェース1100が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1040は、例えば CPU (Central Processing Unit) や GPU (Graphics Processing Unit) などの演算処理装置である。メモリ1060は、例えば RAM (Random Access Memory) や ROM (Read Only Memory) などのメモリである。入出力インタフェース1100は、直流バス電圧値や要求電流値を取得するために用いられるインタフェースや、インバータ3040に対して制御信号を送信するために用いられるインタフェースなどを含む。
直流バス電圧値取得モジュール1220、要求電流値取得モジュール1240、出力可能電流値算出モジュール1260、出力制御モジュール1280はそれぞれ、直流バス電圧値取得部2020、要求電流値取得部2040、出力可能電流値算出部2060、出力制御部2080の機能を実現するハードウエアモジュールである。プロセッサ1040は、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行う。
<処理の流れ>
図3は、実施形態1のインバータ制御装置2000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。ステップS102において、直流バス電圧値取得部2020は、直流バス電圧値を取得する。ステップS104において、要求電流値取得部2040は、要求電流値を取得する。ステップS106において、出力可能電流値算出部2060は、直流バス電圧値を用いて出力可能電流値を算出する。ステップS108において、出力制御部2080は、インバータ3040が出力する交流電力の大きさの絶対値が、出力可能電流値の絶対値と要求電流値の絶対値の内の小さい方の値以下となるように、インバータ3040を制御する。
<出力可能電流値算出部2060の詳細>
例えば出力可能電流値算出部2060は、次のように出力可能電流値を算出する。ここで、インバータ制御装置2000が、図4に示すように、バス電圧下限値取得部2100をさらに有するとする。バス電圧下限値取得部2100は、バス電圧下限値を取得する。バス電圧下限値は、給電システム3000を安定して動作させるために許容される直流バス3060の電圧の下限値を表す。例えばバス電圧下限値は、給電システム3000の仕様から定まる値や予測される値である。
出力可能電流値算出部2060は、算出する出力可能電流値を用いてインバータ3040を制御した後の直流バス電圧値がバス電圧下限値以上となるように、出力可能電流値を算出する。つまり、「出力可能電流値<要求電流値」である場合に、出力制御部2080によってインバータ3040が制御された後の直流バス電圧値が、バス電圧下限値以上になるようにする。
このように、インバータ制御装置2000が、給電システム3000を安定して動作させるために許容される直流バス3060の電圧の下限値を用いてインバータ3040を制御することにより、より確実に給電システム3000を安定動作させることができる。
さらに具体的には、出力可能電流値算出部2060は、直流バス電圧値とバス電圧下限値との差分を算出し、その差分に所定の比例定数を乗じた値及びその差分の積分値を用いて、出力可能電流値を算出する。例えば、出力可能電流値は、下記数式(1)で表される計算方法によって算出される。iac_out_UL(k) は、出力可能電流値算出部2060が k 回目に算出する出力可能電流値を表す。P(k) は iac_out_UL(k) の算出における比例項であり、I(k) は iac_out_UL(k) の算出における積分項である。Vdc は直流バス電圧値を表し、Vdc_LL はバス電圧下限値を表す。x 及び y は定数である。
Figure 2016082809
このように、比例値及び積分値を用いて出力が所望の範囲内に収まるようにする制御方法は、一般に、PI(Proportional Integral)制御と呼ばれる。なお、出力可能電流値算出部2060は、PI 制御の代わりに、PID(Proportional Integral Derivative)制御を行ってもよい。
<要求電流値の詳細>
インバータ制御装置2000が取得する要求電流値の具体例として、以下のケース1とケース2を説明する。
<<ケース1>>
例えば要求電流値は、交流バス3080から負荷10へ入力される交流電流の大きさによって表される。この場合、要求電流値取得部2040は、交流バス3080から負荷10へ入力される交流電流の大きさを、要求電流値として取得する。
例えば給電システム3000は、交流バス3080から負荷10へ入力される交流電流の大きさを測定するための測定装置を有する。要求電流値取得部2040は、この測定装置による測定結果を取得することで、第1のケースにおける要求電流値を取得する。要求電流値取得部2040が取得する要求電流値は、ある時点において上記測定装置によって測定された電流値そのものであってもよいし、複数の時点で上記測定装置によって測定された電流値の統計値(例:平均値)などであってもよい。この統計値の算出は、インバータ制御装置2000が行ってもよいし、インバータ制御装置2000の外部に備えられている別の装置が行ってもよい。また、要求電流値取得部2040は、上記測定装置によって測定された電流値や上記統計値から算出される実効値を、出力電流値として取得してもよい。この実効値の算出についても同様に、インバータ制御装置2000が行ってもよいし、インバータ制御装置2000の外部に備えられている別の装置が行ってもよい。
<<ケース2>>
また例えば、要求電流値は、系統電源20から交流バス3080へ出力される交流電流の大きさに基づいて表される。この場合、例えばインバータ制御装置2000は、図5に示す構成を有する。図5のインバータ制御装置2000は、系統電流値取得部2120及び要求電流値算出部2160をさらに有する点で、図1のインバータ制御装置2000と異なる。
系統電流値取得部2120は、系統電流値を取得する。系統電流値は、系統電源20から交流バス3080へ出力されている交流電流の大きさを表す。例えば給電システム3000は、系統電源20から交流バス3080へ出力される交流電流の大きさを測定するための測定装置を有する。系統電流値取得部2120は、この測定装置による測定結果を取得することで、系統電流値を取得する。
系統電流値取得部2120が取得する系統電流値は、ある時点において上記測定装置によって測定された電流値そのものであってもよいし、複数の時点で上記測定装置によって測定された電流値の統計値(例:平均値)などであってもよい。この統計値の算出は、インバータ制御装置2000が行ってもよいし、インバータ制御装置2000の外部に備えられている別の装置が行ってもよい。また、系統電流値取得部2120は、上記測定装置によって測定された電流値や上記統計値から算出される実効値を、系統電流値として取得してもよい。この実効値の算出についても同様に、インバータ制御装置2000が行ってもよいし、インバータ制御装置2000の外部に備えられている別の装置が行ってもよい。
また、系統電源20から負荷10へ入力される電流の大きさを示す情報が系統電源20を管理する電力会社等から提供される場合、系統電流値取得部2120は、この提供される情報を取得することにより、系統電流値を取得してもよい。
要求電流値算出部2160は、系統電流値を用いて要求電流値を算出する。実施形態4の要求電流値取得部2040は、要求電流値算出部2160によって算出された要求電流値を取得する。
負荷10に入力される交流電流の大きさは、インバータ3040から入力される交流電流の大きさと系統電源20から入力される交流電流の大きさの合計値となる。そのため、インバータ3040から負荷10へ入力される交流電流の大きさに伴って、系統電源20から負荷10へ入力される交流電流の大きさが変化する。よって、インバータ3040から出力される交流電流の大きさを制御することで、系統電源20から出力される交流電流の大きさを制御することができる。例えば、系統電流値をX減少させたければ、要求電流値をX増加させるといった方法がある。
例えば要求電流値算出部2160は、系統電流値が所定の値以下になるように、要求電流値を算出する。まず、要求電流値算出部2160は、取得した系統電流値と、上記所定の値との差分を算出する。この差分が0より大きいことは、系統電流値が所定の値より大きくなっていることを意味する。そこで、要求電流値算出部2160は、前回算出した要求電流値に対して上記差分を加算した値を、要求電流値として算出する。こうすることで、インバータ3040から出力される交流電流の大きさを上記差分だけ大きくし、その結果、系統電源20から出力される交流電流の大きさを上記差分だけ小さくする。ここで、要求電流値算出部2160は、算出した要求電流値を、インバータ制御装置2000の内部又は外部に設けられた格納部に格納しておく。これにより、要求電流値算出部2160は、上述した「前回算出した要求電流値」を取得できる。
ここで、要求電流値算出部2160は、インバータ3040から出力されている交流電流の値を取得し、その値に上記差分を加算した値を要求電流値として算出してもよい。この場合、要求電流値算出部2160は、インバータ3040から出力されている交流電流値の大きさを取得する機能を有する。
要求電流値算出部2160は、同様の方法で、系統電流値が所定の値以上になるように要求電流値を算出したり、系統電流値が所定の範囲内に収まるように要求電流値を算出したり、系統電流値が所定の値になるように要求電流値を算出したりしてもよい。
[実施形態2]
図6は、実施形態2に係るインバータ制御装置2000をその使用環境と共に例示するブロック図である。図6において、矢印は情報の流れを表している。さらに、図6において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。
実施形態2のインバータ制御装置2000は、出力制御部2080の内部に出力指令値決定部2086及び制御実行部2088を有する点で、実施形態1のインバータ制御装置2000と異なる。出力指令値決定部2086は、インバータ3040から交流バス3080へ出力させる交流電流の大きさを表す出力指令値を決定する。制御実行部2088は、インバータ3040から交流バス3080へ出力される交流電流の大きさが出力指令値以下となるように、インバータ3040を制御する。
<出力指令値決定部2086の実現方法>
出力指令値決定部2086の実現方法は様々である。以下、出力指令値決定部2086の実現方法として、4つのケースを例示する。
<<ケース1:第1比較部2081>>
図7は、実施形態2のケース1に係るインバータ制御装置2000をその使用環境と共に例示するブロック図である。ケース1において、出力指令値決定部2086は、第1比較部2081を用いて実現される。なお、ケース1では、前提として、インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、正の値として表される。したがって、出力可能電流値は正の値で表される。また、要求電流値が交流バス3080から負荷10へ入力される交流電流の大きさを表す場合、要求電流値も正の値で表される。さらに、要求電流値算出部2160によって要求電流値が算出される場合、要求電流値算出部2160は、インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが正の値となるように、要求電流値を算出する。
第1比較部2081は、出力可能電流値と要求電流値の大きさを比較して、いずれか小さい方の値を出力指令値として出力する。これにより、出力指令値の絶対値が、出力可能電流値の絶対値及び要求電流値の絶対値の内の小さい方の値となる。
<<ケース2:第2比較部2082>>
図8は、実施形態2のケース2に係るインバータ制御装置2000をその使用環境と共に例示するブロック図である。ケース2において、出力指令値決定部2086は、第2比較部2082を用いて実現される。なお、ケース2では、前提として、インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、負の値として表される。したがって、出力可能電流値は負の値で表される。また、要求電流値が交流バス3080から負荷10へ入力される交流電流の大きさを表す場合、要求電流値も負の値で表される。さらに、要求電流値算出部2160によって要求電流値が算出される場合、要求電流値算出部2160は、インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが負の値となるように、要求電流値を算出する。
第2比較部2082は、出力可能電流値と要求電流値の大きさを比較して、いずれか大きい方の値を出力指令値として出力する。これにより、出力指令値の絶対値が、出力可能電流値の絶対値及び要求電流値の絶対値の内の小さい方の値となる。
<<ケース3:第1リミット部2083>>
図9は、実施形態2のケース3に係るインバータ制御装置2000を例示するブロック図である。ケース3において、出力指令値決定部2086は、第1リミット部2083を用いて実現される。なお、ケース3では、ケース1と同様に、インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、正の値として表される。そのため、ケース1と同様に、出力可能電流値及び要求電流値は正の値で表される。
ケース3では、第1リミット部2083に対して出力の上限値が設定可能であり、この上限値として出力可能電流値が設定される。さらに、第1リミット部2083には、入力値として、要求電流値が入力される。そして、第1リミット部2083は、入力値が上限値以下であればその入力値を出力指令値として出力し、入力値が上限値を超えていればこの上限値を出力指令値として出力する。その結果、出力指令値の絶対値は、出力可能電流値の絶対値及び要求電流値の絶対値の内の小さい方の値となる。
<<ケース4:第2リミット部2084>>
図10は、実施形態2のケース4に係るインバータ制御装置2000を例示するブロック図である。ケース4において、出力指令値決定部2086は、第2リミット部2084を用いて実現される。なお、ケース4では、ケース2と同様に、インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、負の値として表される。そのため、ケース2と同様に、出力可能電流値及び要求電流値は負の値で表される。
ケース4では、第2リミット部2084に対して出力の下限値が設定可能であり、この下限値として出力可能電流値が設定される。さらに、第2リミット部2084には、入力値として、要求電流値が入力される。そして、第2リミット部2084は、入力値が下限値以上であればその入力値を出力指令値として出力し、入力値が下限値未満であればこの下限値を出力指令値として出力する。その結果、出力指令値の絶対値は、出力可能電流値の絶対値及び要求電流値の絶対値の内の小さい方の値となる。
<制御実行部2088の実現方法>
例えば制御実行部2088は、インバータ3040に対して、インバータ3040を制御する制御信号を出力することで、インバータ3040から交流バス3080へ出力される交流電流の大きさを制御する。出力制御部2080がインバータ3040に対して出力する制御信号は、パルス信号などである。なお、パルス信号によってインバータを制御する方式には、パルス幅変調(PWM: Pulse Width Modulation)方式、パルス振幅変調方式(PAM: Pulse Amplitude Modulation)方式、パルス密度変調(PDM: Pulse Density Modulation)方式など、種々の既存方式がある。出力制御部2080の実装は、これら種々の既存方式を任意に採用して行うことができる。
<処理の流れ:ケース1の場合>
図11は、実施形態2のケース1に係るインバータ制御装置2000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。ここで、図11のステップS102からS106で行われる処理は、図3のステップS102からS106で行われる処理と同様であるため、これらについては説明を省略する。
ステップS202において、第1比較部2081は、「出力可能電流値>要求電流値」であるか否かを判定する。「出力可能電流値>要求電流値」である場合(ステップS202:YES)、図11の処理はステップS204に進む。一方、「出力可能電流値>要求電流値」でない場合(ステップS202:NO)、図11の処理はステップS206に進む。
ステップS204において、第1比較部2081は、要求電流値を出力指令値として出力する。一方、ステップS206において、第1比較部2081は、出力可能電流値を出力指令値として出力する。ステップS208において、制御実行部2088は、インバータ3040から交流バス3080へ出力される交流電流の大きさが出力指令値以下となるように、インバータ3040を制御する。
なお、図11において、1)第1比較部2081を第2比較部2082に置き換え、かつ2)ステップS206を「出力可能電流値<要求電流値」であるか否かの判定に置き換えれば、ケース2の場合における処理の流れとなる。
<処理の流れ:ケース3の場合>
図12は、実施形態2のケース3に係るインバータ制御装置2000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。ここで、図12のステップS102からステップS106で行われる処理は、図3のステップS102からS106で行われる処理と同様であるため、これらについては説明を省略する。
ステップS302において、第1リミット部2083の上限値に出力可能電流値を設定する。ステップS304において、第1リミット部2083に要求電流値を入力する。ステップS306において、第1リミット部2083は、入力値が上限値以下であれば入力値を出力指令値として出力し、入力値が上限値を超えていれば上限値を出力指令値として出力する。ステップS308において、制御実行部2088は、インバータ3040から交流バス3080へ出力される交流電流の大きさが出力指令値以下となるように、インバータ3040を制御する。
なお、図12において、1)第1リミット部2083を第2リミット部2084に置き換え、かつ2)ステップS308を「第2リミット部2084は、入力値が下限値以上であれば入力値を出力指令値として出力し、入力値が下限値未満であれば下限値を出力指令値として出力する」に置き換えれば、ケース4の場合における処理の流れとなる。
<作用・効果>
本実施形態によれば、インバータ3040から交流バス3080へ出力される交流電流の大きさが、出力指令値決定部2086によって決定された出力指令値に基づいて制御される。
[実施形態3]
図13は、実施形態3に係るインバータ制御装置2000をその使用環境と共に例示するブロック図である。図13において、矢印は情報の流れを表している。さらに、図13において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。
実施形態3のインバータ制御装置2000は、出力制御部2080の内部に出力電流値取得部2087を有する点、及び制御実行部2088の動作の詳細が、実施形態2のインバータ制御装置2000と異なる。以下、詳細に説明する。
<出力電流値取得部2087>
出力電流値取得部2087は、出力電流値を取得する。出力電流値は、インバータ3040から出力されている交流電流の大きさを表す。
例えば給電システム3000は、インバータ3040から出力されている電流の大きさを測定するための測定装置を有する。出力電流値取得部2087は、この測定装置による測定結果を取得することで、出力電流値を取得する。出力電流値取得部2087が取得する出力電流値は、ある時点において上記測定装置によって測定された電流値そのものであってもよいし、複数の時点で上記測定装置によって測定された電流値の統計値(例:平均値)などであってもよい。この統計値の算出は、インバータ制御装置2000が行ってもよいし、インバータ制御装置2000の外部に備えられている別の装置が行ってもよい。また、出力電流値取得部2087は、上記測定装置によって測定された電流値や上記統計値から算出される実効値を、出力電流値として取得してもよい。この実効値の算出についても同様に、インバータ制御装置2000が行ってもよいし、インバータ制御装置2000の外部に備えられている別の装置が行ってもよい。
<制御実行部2088>
制御実行部2088は、出力電流値と出力指令値との差分を算出し、その差分に比例定数を乗じた値及びその差分の積分値を用いて、出力指令値によって表される大きさ以下の交流電流を出力するようにインバータを制御する。
例えば制御実行部2088は、下記数式(2)で表される計算方法によって、インバータ3040に出力させる交流電流の大きさを決定する。iac_ctrl(k) は、k 回目の制御においてインバータ3040に出力させる交流電流の大きさを表す。P(k) は iac_ctrl(k) の算出における比例項であり、I(k) は iac_ctrl(k) の算出における積分項である。Iac_out_inst は出力指令値を表し、Iac_out は出力電流値を表す。a 及び b は定数である。
Figure 2016082809
数式(2)で表される制御は、数式(1)で表される制御と同様に、PI 制御である。なお、制御実行部2088は、PI 制御の代わりに PID 制御を行ってもよい。
<作用・効果>
本実施形態のインバータ制御装置2000は、インバータ3040から負荷10に対して出力されている交流電流の大きさ(出力電流値)と、インバータ3040から負荷10に対して出力させる交流電流の大きさ(出力指令値)との差分を算出する。そして、インバータ制御装置2000は、その差分に比例定数を乗じた値及びその差分の積分値を用いて、出力指令値によって表される大きさの交流電流を出力するようにインバータ3040を制御する。この方法により、インバータ3040から出力される交流電流の大きさが出力指令値の近傍で振動することを防ぐことができるため、給電システム3000の動作をより安定したものにすることができる。
[実施例]
以下、実施例として、インバータ制御装置2000の実装方法及びその使用環境を、より具体的に例示する。なお、以降で示す各実施例はあくまで例示であり、インバータ制御装置2000の実施方法を限定するものではない。
[[実施例1]]
図14は、実施例1のインバータ制御装置2000及びその使用環境を例示する図である。実施例1のインバータ制御装置2000は、実施形態3に係るインバータ制御装置2000と、実施形態2のケース1に係るインバータ制御装置2000(第1比較部2081を用いて出力指令値決定部2086を実現するケース)の組み合わせに相当する。また、実施例1では、実施形態2のケース1で前提としている、「インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、正の値として表される」を満たすようにする。さらに、実施例1において、要求電流値は、負荷10に入力される交流電流の大きさに基づいて表される(実施形態1で説明した要求電流値のケース1)。
<給電システム3000>
実施例1の給電システム3000は、分散型電源3020として、太陽光発電装置30及び蓄電池50を有する。太陽光発電装置30と蓄電池50はそれぞれ、DC/DC コンバータ40及び DC/DC コンバータ60を介して直流バス3060に接続されている。
給電システム3000は、直流バス3060の状態を監視する装置として、電圧センサ70を有する。電圧センサ70は、直流バス3060の電圧(直流バス電圧値)を計測する。電圧センサ70によって計測される直流バス電圧値を、直流バス電圧値 Vdc と表記する。直流バス電圧値取得部2020は、電圧センサ70によって測定された直流バス電圧値 Vdc を取得する。
給電システム3000は、交流バス3080の状態を監視する装置として、電流センサ80、電圧センサ90、PLL 100、電流センサ110、及びrms 120を有する。電流センサ80は、インバータ3040から出力される交流電流の電流値を計測する。電流センサ80によって計測された電流値を、出力電流値 iac_out と表記する。出力電流値取得部2087は、この出力電流値 iac_out を取得する。
電圧センサ90は、インバータ3040から出力される交流電力の電圧を計測する。PLL 100は、電圧センサ90によって測定された電圧を用いて、インバータ3040から出力される交流電力の位相を出力する。ここで出力される位相の値を、位相θと表記する。
電流センサ110は、負荷10に入力される交流電流の電流値を計測する。rms 120は、電流センサ110によって計測された電流値の実効値を出力する。本実施例の要求電流値取得部2040は、rms 120によって出力された値を要求電流値として取得する。これにより、要求電流値は、負荷10で消費される交流電流の大きさに基づいて表されることとなる。rms 120によって出力される値を、要求電流値 iac_load_rms と表記する。
ここで、本実施例では、ケース1の実施形態2で前提とされている「インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、正の値として表される」を満たすように、電流の測定を行う。そこで、実施例1の電流センサ80は、インバータ3040から出力される方向に流れる交流電流の電流値が正の値となるように測定を行う。また、実施例1の電流センサ110は、負荷10へ入力される方向に流れる交流電流の電流値が正の値となるように測定を行う。
<インバータ制御装置2000>
実施例1のインバータ制御装置2000は、上述のように計測された直流バス電圧値 Vdc、出力電流値 iac_out、位相θ、及び要求電流値 iac_load_rms を用いて、インバータ3040を制御する。なお、実施例1のインバータ制御装置2000は、インバータ3040に対して PWM 信号を出力することにより、インバータ3040を制御する。
実施例1において、出力可能電流値算出部2060は、加算回路130、PI 演算回路140、及びリミット回路150の組み合わせとして実装される。加算回路130には、直流バス電圧値 Vdc、及びバス電圧下限値 Vdc_LL に -1 をかけた値である -Vdc_LL が入力される。加算回路130は、Vdc と -Vdc_LL を加算して出力する。つまり、加算回路130は、Vdc - Vdc_LL を出力する。
PI 演算回路140は、出力可能電流値を PI 制御するための回路である。PI 演算回路140は、加算回路130から入力された値に比例定数を乗じた値、及び加算回路130からこれまでに入力された値を積分した積分値を算出する。具体的には、前述した数式(1)で表される処理を行う。
リミット回路150は、直流バス電圧値がバス電圧下限値より大きい状態が継続する場合に加算回路130から比較回路160へ出力される電流の値が上がり続けることを防ぐ回路である。具体的には、リミット回路150は、加算回路130から出力される値が所定の上限値を超えている場合、加算回路130から出力された値の代わりにこの所定の上限値を出力する。所定の上限値は、リミット回路150に予め設定されているものとする。
前述したように、実施例1において、出力指令値決定部2086は、第1比較部2081を用いて実現される。そして、実施例1において、第1比較部2081は、比較回路160として実装される。比較回路160は、リミット回路150から出力される電流値(出力可能電流値)と要求電流値 iac_load_rms とを比較し、小さい方の値を出力する。
さらに、実施例1の出力指令値決定部2086は、位相適用回路170を有する。位相適用回路170は、比較回路160から出力された値に位相θを適用して出力する。位相適用回路170から出力される値は、出力指令値となる。ここで、出力指令値を iac_out_inst と表記する。
実施例1において、制御実行部2088は、加算回路180、PI 演算回路190、及び GATE 信号生成回路200の組み合わせとして実装される。加算回路180には、位相適用回路170によって出力される出力指令値 iac_out_inst 、及び出力電流値取得部2087によって取得された出力電流値(iac_out)に -1 をかけた値(-iac_out)が入力される。加算回路180は、これらの値を加算して出力する。つまり、加算回路180は、iac_out_inst - iac_out を出力する。
PI 演算回路190は、インバータ3040から出力される交流電流の大きさを PI 制御するための回路である。PI 演算回路190は、加算回路180から入力された値に比例定数を乗じた値、及び加算回路180からこれまでに入力された値を積分した積分値を算出する。具体的には、前述した数式(2)で表される処理を行う。
GATE 信号生成回路200は、インバータ3040から出力される交流電流の大きさが、PI 演算回路190から出力された値となるように、PWM 信号を生成してインバータ3040へ出力する。
[[実施例2]]
図15は、実施例2のインバータ制御装置2000及びその使用環境を例示するブロック図である。実施例2のインバータ制御装置2000は、実施形態3に係るインバータ制御装置2000と、実施形態2のケース1に係るインバータ制御装置2000(第2比較部2082を用いて出力指令値決定部2086を実現するケース)との組み合わせに相当する。また、実施例2では、実施形態2のケース2で前提としている、「インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、負の値として表される」を満たすようにする。さらに、要求電流値は、実施例1と同様に、負荷10で消費される交流電流の大きさに基づいて表される。そのために、実施例2のインバータ制御装置2000及び給電システム3000は、以下の点で実施例1のインバータ制御装置2000及び給電システム3000と異なっている。
「インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、負の値として表される」を満たすため、実施例2の電流センサ80と電流センサ110が電流を測定する方向は、実施例1の電流センサ80と電流センサ110が電流を測定する方向と逆である。具体的には、実施例2の電流センサ80は、インバータ3040の方向へ向かう交流電流の電流値が正の値となるように、交流電流の測定を行う。また、実施例2の電流センサ110は、負荷10から離れる方向へ向かう交流電流の電流値が正の値となるように、交流電流の測定を行う。そのため、実施例2における出力電流値は、実施例1の出力電流値に -1 をかけた値である -iac_out で表される。同様に、実施例2の要求電流値は、実施例1の要求電流値に -1 をかけた値である -iac_load_rms で表される。
実施例2の加算回路130には、直流バス電圧値 Vdc に -1 をかけた値(-Vdc)、及びバス電圧下限値 Vdc_LL が入力される。つまり、実施例2の加算回路130は、Vdc_LL - Vdc を出力する。したがって、実施例2の加算回路130から出力される値は、実施例1の加算回路130から出力される値に -1 をかけた値に相当する。
実施例2の出力制御部2080は、第2比較部2082を用いて実現される。そして、実施例2の第2比較部2082は、比較回路161を用いて実現される。比較回路161には、リミット回路150から出力される出力可能電流値、及び電流センサ110によって測定された要求電流値が入力される。そして、比較回路161は、これらのうちの大きい方の値を出力する。そして、位相適用回路170は、比較回路160から出力された値に位相θを適用して出力する。実施例2の位相適用回路170から出力される値は、-iac_out_inst と表せる。
実施例2の加算回路180には、-iac_out_inst に -1 をかけた値(iac_out_inst)及び出力電流値取得部2087によって取得された出力電流値(-iac_out)が入力される。加算回路180はこれらの値を加算して出力する。よって、実施例2の加算回路180が出力する値は、実施例1の加算回路180が出力する値と同じく、iac_out_inst - iac_out で表される。
[[実施例3]]
図16は、実施例3のインバータ制御装置2000及びその使用環境を例示するブロック図である。実施例3のインバータ制御装置2000は、実施形態3に係るインバータ制御装置2000と、実施形態2のケース3に係るインバータ制御装置2000(第1リミット部2083を用いて出力指令値決定部2086を実現するケース)との組み合わせに相当する。また、実施例3では、実施形態2のケース3で前提としている、「インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、正の値として表される」を満たすようにする。さらに、要求電流値は、実施例1と同様に、負荷10で消費される交流電流の大きさに基づいて表される。そのため、実施例3のインバータ制御装置2000及び給電システム3000は、以下の点で実施例1のインバータ制御装置2000及び給電システム3000と異なっている。
実施例3のインバータ制御装置2000は、比較回路160の代わりにリミット回路210を有する。このリミット回路210により、第1リミット部2083が実現される。リミット回路210には、上限値として、リミット回路150から出力される値(出力可能電流値)が設定される。また、リミット回路210には、要求電流値 iac_load_rms が入力される。そして、リミット回路210からは、入力された要求電流値が上限値以下であれば要求電流値が出力され、入力された要求電流値が上限値を超えていれば上限値(出力可能電流値)が出力される。
[[実施例4]]
図17は、実施例4のインバータ制御装置2000及びその使用環境を例示するブロック図である。実施例3のインバータ制御装置2000は、実施形態3に係るインバータ制御装置2000と、実施形態2のケース4に係るインバータ制御装置2000(第2リミット部2084を用いて出力指令値決定部2086を実現するケース)に相当する。また、実施例3では、実施形態2のケース4で前提としている、「インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、正の値として表される」を満たすようにする。さらに、要求電流値は、実施例1と同様に、負荷10で消費される交流電流の大きさに基づいて表される。そのため、実施例4のインバータ制御装置2000及び給電システム3000は、以下の点で実施例3のインバータ制御装置2000及び給電システム3000と異なっている。
まず、実施例4と実施例3とでは、電流センサ80及び電流センサ110が測定する電流の方向が逆である。これは、実施例2と実施例1との違いと同様である。これに伴い、加算回路130や加算回路180への入力なども、実施例2の場合と同様になっている。
また、実施例3では、第1リミット部2083を実現するために、リミット回路211が用いられている。リミット回路211には、下限値として、リミット回路150から出力される値(出力可能電流値)が設定される。また、リミット回路211には、要求電流値 -iac_load_rms が入力される。そして、リミット回路211からは、入力された要求電流値が下限値以上であれば要求電流値が出力され、入力された要求電流値が下限値未満であれば下限値(出力可能電流値)が出力される
[[実施例5]]
図18は、実施例5のインバータ制御装置2000及びその使用環境を例示するブロック図である。実施例5の想定環境は、「要求電流値が、系統電源20から交流バス3080へ出力される交流電流の大きさに基づいて表される(実施形態1で説明した要求電流値のケース2)」である点を除き、実施例1と同様である。そのため、実施例5のインバータ制御装置2000及び給電システム3000は、以下の点を除き、実施例1のインバータ制御装置2000及び給電システム3000と同様である。
実施例5の給電システム3000は、電流センサ110及び rms 120の代わりに、電流センサ240及び rms 230を有する。電流センサ240は、系統電源20から出力される交流電流の電流値を計測する。ここで、電流センサ240は、どちらの方向に流れる交流電流の大きさを測定しても構わない。rms 230は、電流センサ240によって計測された電流値の実効値を出力する。ここで出力される値を、系統電流値 iac_grid_rms と表記する。系統電流値取得部2120は、この系統電流値 iac_grid_rms を取得する。
実施例5のインバータ制御装置2000は、要求電流値算出部2160を有する。要求電流値算出部2160には、系統電流値 iac_grid_rms が入力される。要求電流値算出部2160は、系統電流値 iac_grid_rms を用いて、要求電流値を算出する。ここで、要求電流値算出部2160は、「インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、正の値として表される」ように、要求電流値を算出する。つまり、要求電流値が正の値になるように、要求電流値を算出する。
例えば要求電流値算出部2160が、系統電流値を目標値に近づけるように、インバータ3040を制御するとする。この場合、要求電流値算出部2160は、例えば2つの加算回路を有する。1つ目の加算回路に対しては、目標値に -1 をかけた値及び系統電流値 iac_gird_rms が入力される。これにより、1つ目の加算回路は、系統電流値と目標値との差分を出力する。そして、2つ目の加算回路に対しては、1つ目の加算回路から出力された値及び前回インバータ3040から出力された電流値(1つ前に測定された iac_out)が入力される。これにより、系統電流値が目標値を超えている場合は要求電流値が大きくなり、系統電流値が目標値を下回っている場合は要求電流値が小さくなる。その結果、系統電流値が目標値を超えている場合は系統電流値が小さくなるようにインバータ3040が制御され、系統電流値が目標値を下回っている場合は系統電流値が大きくなるようにインバータ3040が制御される。よって、系統電流値を目標値に近づけることができる。
[[変形例6]]
図19のインバータ制御装置2000は、実施例5のインバータ制御装置2000及びその使用環境を例示するブロック図である。実施例5の想定環境は、「要求電流値が、系統電源20から交流バス3080へ出力される交流電流の大きさに基づいて表される(実施形態1で説明した要求電流値のケース2)」という点を除き、実施例2と同様である。そのために、実施例6のインバータ制御装置2000及び給電システム3000は、以下の点を除き、実施例2のインバータ制御装置2000及び給電システム3000と同様である。
実施例6の給電システム3000は、実施例5の給電システム3000と同様、電流センサ110及び rms 120の代わりに、電流センサ240及び rms 230を有する。前述した通り、電流センサ240は、どちらの方向に流れる交流電流の大きさを測定しても構わない。
実施例6のインバータ制御装置2000は、実施例5のインバータ制御装置2000と同様、要求電流値算出部2160を有する。ここで、要求電流値算出部2160は、実施例5の要求電流値算出部2160と異なり、「インバータ3040から交流バス3080へ出力される方向に流れる交流電流の大きさが、負の値として表される」ように、要求電流値を算出する。つまり、要求電流値が負の値になるように、要求電流値を算出する。
[[その他の実施例]]
実施例5において、実施例3と同様に、比較回路160ではなくリミット回路210を用いてもよい。また、実施例6において、実施例4と同様に、比較回路161ではなくリミット回路211を用いてもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 給電システムが有するインバータを制御するインバータ制御装置であって、
前記給電システムは、分散型電源と、前記インバータと、前記分散型電源と前記インバータを接続する直流バスと、前記インバータと系統電源と負荷とを接続する交流バスと、を有し、
当該インバータ制御装置は、
前記直流バスの電圧の値である直流バス電圧値を取得する直流バス電圧値取得手段と、
前記インバータへ要求される交流電流の大きさである要求電流値を取得する要求電流値取得手段と、
前記直流バス電圧値を用いて、前記インバータから出力可能な交流電流の大きさである出力可能電流値を算出する出力可能電流値算出手段と、
前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさの絶対値が、前記出力可能電流値の絶対値及び前記要求電流値の絶対値の内の小さい方の値以下となるように、前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさを制御する出力制御手段と、
を有するインバータ制御装置。
2. 前記直流バスで許容される電圧の下限値であるバス電圧下限値を取得するバス電圧下限値取得手段を有し、
前記出力可能電流値算出手段は、算出する前記出力可能電流値を用いて前記インバータを制御した後の前記直流バス電圧値が前記バス電圧下限値以上となるように前記出力可能電流値を算出する1.に記載のインバータ制御装置
3. 前記出力制御手段は、
前記インバータから前記負荷に対して出力させる交流電流の大きさである出力指令値を決定する出力指令値決定手段と、
前記出力指令値以下の交流電流を出力するように前記インバータを制御する制御実行手段と、
を有する1.又は2.に記載のインバータ制御装置。
4. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を正の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定手段は、前記出力可能電流値と前記要求電流値の大きさを比較して、いずれか小さい方の値を前記出力指令値として出力する第1比較手段を有する3.に記載のインバータ制御装置。
5. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を正の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定手段は、出力の上限値が設定されており、入力値が前記上限値以下であればその入力値を前記出力指令値として出力し、入力値が前記上限値を超えている場合は前記上限値を前記出力指令値として出力する第1リミット手段を有し、
前記第1リミット手段には、前記上限値として前記出力可能電流値が設定されており、前記入力値として前記要求電流値が入力される3.に記載のインバータ制御装置。
6. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を負の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定手段は、前記出力可能電流値と前記要求電流値の大きさを比較して、いずれか大きい方の値を前記出力指令値として出力する第2比較手段を有する3.に記載のインバータ制御装置。
7. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を負の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定手段は、出力の下限値が設定されており、入力値が前記下限値以上であればその入力値を前記出力指令値として出力し、入力値が前記下限値未満であれば前記下限値を前記出力指令値として出力する第2リミット手段を有し、
前記第2リミット手段には、前記下限値として前記出力可能電流値が設定されており、前記入力値として前記要求電流値が入力される3.に記載のインバータ制御装置。
8. 前記要求電流値取得手段は、前記負荷に入力される交流電流の大きさを前記要求電流値として取得する1.乃至7.いずれか一つに記載のインバータ制御装置。
9. 前記系統電源から前記交流バスへ出力される交流電流の大きさである系統電流値を取得する系統電流値取得手段と、
前記系統電流値を用いて前記要求電流値を算出する要求電流値算出手段と、を有し、
前記要求電流値取得手段は、前記要求電流値算出手段によって算出された要求電流値を取得する1.乃至7.いずれか一つに記載のインバータ制御装置。
10. 前記出力可能電流値算出手段は、前記直流バス電圧値と前記バス電圧下限値との差分を算出し、前記差分に所定の比例定数を乗じた値及び前記差分の積分値を用いて、前記出力可能電流値を算出する2.に記載のインバータ制御装置。
11. 前記出力制御手段は、前記インバータから出力されている交流電流の大きさである出力電流値を取得する出力電流値取得手段を有し、
前記制御実行手段は、前記出力電流値と前記出力指令値との差分を算出し、その差分に比例定数を乗じた値及びその差分の積分値を用いて、前記出力指令値によって表される大きさの交流電流を出力するように前記インバータを制御する3.に記載のインバータ制御装置。
12. 給電システムが有するインバータを制御するインバータ制御装置によって実行される制御方法であって、
前記給電システムは、分散型電源と、前記インバータと、前記分散型電源と前記インバータを接続する直流バスと、前記インバータと系統電源と負荷とを接続する交流バスと、を有し、
当該制御方法は、
前記直流バスの電圧の値である直流バス電圧値を取得する直流バス電圧値取得ステップと、
前記インバータへ要求される交流電流の大きさである要求電流値を取得する要求電流値取得ステップと、
前記直流バス電圧値を用いて、前記インバータから出力可能な交流電流の大きさである出力可能電流値を算出する出力可能電流値算出ステップと、
前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさの絶対値が、前記出力可能電流値の絶対値及び前記要求電流値の絶対値の内の小さい方の値以下となるように、前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさを制御する出力制御ステップと、
を有する制御方法。
13. 前記直流バスで許容される電圧の下限値であるバス電圧下限値を取得するバス電圧下限値取得ステップを有し、
前記出力可能電流値算出ステップは、算出する前記出力可能電流値を用いて前記インバータを制御した後の前記直流バス電圧値が前記バス電圧下限値以上となるように前記出力可能電流値を算出する12.に記載の制御方法
14. 前記出力制御ステップは、
前記インバータから前記負荷に対して出力させる交流電流の大きさである出力指令値を決定する出力指令値決定ステップと、
前記出力指令値以下の交流電流を出力するように前記インバータを制御する制御実行ステップと、
を有する12.又は13.に記載の制御方法。
15. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を正の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定ステップは、前記出力可能電流値と前記要求電流値の大きさを比較して、いずれか小さい方の値を前記出力指令値として出力する第1比較ステップを有する14.に記載の制御方法。
16. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を正の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定ステップは、出力の上限値が設定されており、入力値が前記上限値以下であればその入力値を前記出力指令値として出力し、入力値が前記上限値を超えている場合は前記上限値を前記出力指令値として出力する第1リミットステップを有し、
前記第1リミットステップには、前記上限値として前記出力可能電流値が設定されており、前記入力値として前記要求電流値が入力される14.に記載の制御方法。
17. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を負の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定ステップは、前記出力可能電流値と前記要求電流値の大きさを比較して、いずれか大きい方の値を前記出力指令値として出力する第2比較ステップを有する14.に記載の制御方法。
18. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を負の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定ステップは、出力の下限値が設定されており、入力値が前記下限値以上であればその入力値を前記出力指令値として出力し、入力値が前記下限値未満であれば前記下限値を前記出力指令値として出力する第2リミットステップを有し、
前記第2リミットステップには、前記下限値として前記出力可能電流値が設定されており、前記入力値として前記要求電流値が入力される14.に記載の制御方法。
19. 前記要求電流値取得ステップは、前記負荷に入力される交流電流の大きさを前記要求電流値として取得する12.乃至18.いずれか一つに記載の制御方法。
20. 前記系統電源から前記交流バスへ出力される交流電流の大きさである系統電流値を取得する系統電流値取得ステップと、
前記系統電流値を用いて前記要求電流値を算出する要求電流値算出ステップと、を有し、
前記要求電流値取得ステップは、前記要求電流値算出ステップによって算出された要求電流値を取得する12.乃至18.いずれか一つに記載の制御方法。
21. 前記出力可能電流値算出ステップは、前記直流バス電圧値と前記バス電圧下限値との差分を算出し、前記差分に所定の比例定数を乗じた値及び前記差分の積分値を用いて、前記出力可能電流値を算出する13.に記載の制御方法。
22. 前記出力制御ステップは、前記インバータから出力されている交流電流の大きさである出力電流値を取得する出力電流値取得ステップを有し、
前記制御実行ステップは、前記出力電流値と前記出力指令値との差分を算出し、その差分に比例定数を乗じた値及びその差分の積分値を用いて、前記出力指令値によって表される大きさの交流電流を出力するように前記インバータを制御する14.に記載の制御方法。
23. コンピュータに、給電システムが有するインバータを制御する機能を持たせるプログラムであって、
前記給電システムは、分散型電源と、前記インバータと、前記分散型電源と前記インバータを接続する直流バスと、前記インバータと系統電源と負荷とを接続する交流バスと、を有し、
当該プログラムは、前記コンピュータに、
前記直流バスの電圧の値である直流バス電圧値を取得する直流バス電圧値取得機能と、
前記インバータへ要求される交流電流の大きさである要求電流値を取得する要求電流値取得機能と、
前記直流バス電圧値を用いて、前記インバータから出力可能な交流電流の大きさである出力可能電流値を算出する出力可能電流値算出機能と、
前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさの絶対値が、前記出力可能電流値の絶対値及び前記要求電流値の絶対値の内の小さい方の値以下となるように、前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさを制御する出力制御機能と、
を持たせるプログラム。
24. 前記コンピュータに、
前記直流バスで許容される電圧の下限値であるバス電圧下限値を取得するバス電圧下限値取得機能を持たせ、
前記出力可能電流値算出機能は、算出する前記出力可能電流値を用いて前記インバータを制御した後の前記直流バス電圧値が前記バス電圧下限値以上となるように前記出力可能電流値を算出する23.に記載のプログラム
25. 前記出力制御機能は、
前記インバータから前記負荷に対して出力させる交流電流の大きさである出力指令値を決定する出力指令値決定機能と、
前記出力指令値以下の交流電流を出力するように前記インバータを制御する制御実行機能と、
を有する23.又は24.に記載のプログラム。
26. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を正の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定機能は、前記出力可能電流値と前記要求電流値の大きさを比較して、いずれか小さい方の値を前記出力指令値として出力する第1比較機能を有する25.に記載のプログラム。
27. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を正の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定機能は、出力の上限値が設定されており、入力値が前記上限値以下であればその入力値を前記出力指令値として出力し、入力値が前記上限値を超えている場合は前記上限値を前記出力指令値として出力する第1リミット機能を有し、
前記第1リミット機能には、前記上限値として前記出力可能電流値が設定されており、前記入力値として前記要求電流値が入力される25.に記載のプログラム。
28. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を負の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定機能は、前記出力可能電流値と前記要求電流値の大きさを比較して、いずれか大きい方の値を前記出力指令値として出力する第2比較機能を有する25.に記載のプログラム。
29. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を負の方向とする値で表され、
前記出力指令値決定機能は、出力の下限値が設定されており、入力値が前記下限値以上であればその入力値を前記出力指令値として出力し、入力値が前記下限値未満であれば前記下限値を前記出力指令値として出力する第2リミット機能を有し、
前記第2リミット機能には、前記下限値として前記出力可能電流値が設定されており、前記入力値として前記要求電流値が入力される25.に記載のプログラム。
30. 前記要求電流値取得機能は、前記負荷に入力される交流電流の大きさを前記要求電流値として取得する23.乃至29.いずれか一つに記載のプログラム。
31. 前記系統電源から前記交流バスへ出力される交流電流の大きさである系統電流値を取得する系統電流値取得機能と、
前記系統電流値を用いて前記要求電流値を算出する要求電流値算出機能と、を有し、
前記要求電流値取得機能は、前記要求電流値算出機能によって算出された要求電流値を取得する23.乃至29.いずれか一つに記載のプログラム。
32. 前記出力可能電流値算出機能は、前記直流バス電圧値と前記バス電圧下限値との差分を算出し、前記差分に所定の比例定数を乗じた値及び前記差分の積分値を用いて、前記出力可能電流値を算出する24.に記載のプログラム。
33. 前記出力制御機能は、前記インバータから出力されている交流電流の大きさである出力電流値を取得する出力電流値取得機能を有し、
前記制御実行機能は、前記出力電流値と前記出力指令値との差分を算出し、その差分に比例定数を乗じた値及びその差分の積分値を用いて、前記出力指令値によって表される大きさの交流電流を出力するように前記インバータを制御する25.に記載のプログラム。
34. 分散型電源と、インバータと、前記分散型電源と前記インバータを接続する直流バスと、前記インバータと系統電源と負荷とを接続する交流バスと、前記インバータを制御する1.乃至11.いずれか一つに記載のインバータ制御装置と、を有する給電システム。
10 負荷
20 系統電源
30 太陽光発電装置
40、60 DC/DC コンバータ
50 蓄電池
70、80、90、110、240 電圧センサ
130、180 加算回路
140、190 演算回路
150、210、211 リミット回路
160、161 比較回路
170 位相適用回路
200 信号生成回路
1020 バス
1040 プロセッサ
1060 メモリ
1080 周辺回路
1100 入出力インタフェース
1220 直流バス電圧値取得モジュール
1240 要求電流値取得モジュール
1260 出力可能電流値算出モジュール
1280 出力制御モジュール
2000 インバータ制御装置
2020 直流バス電圧値取得部
2040 要求電流値取得部
2060 出力可能電流値算出部
2080 出力制御部
2081 第1比較部
2082 第2比較部
2083 第1リミット部
2084 第2リミット部
2086 出力指令値決定部
2087 出力電流値取得部
2088 制御実行部
2100 バス電圧下限値取得部
2120 系統電流値取得部
2160 要求電流値算出部
3000 給電システム
3020 分散型電源
3040 インバータ
3060 直流バス
3080 交流バス

Claims (14)

  1. 給電システムが有するインバータを制御するインバータ制御装置であって、
    前記給電システムは、分散型電源と、前記インバータと、前記分散型電源と前記インバータを接続する直流バスと、前記インバータと系統電源と負荷とを接続する交流バスと、を有し、
    当該インバータ制御装置は、
    前記直流バスの電圧の値である直流バス電圧値を取得する直流バス電圧値取得手段と、
    前記インバータへ要求される交流電流の大きさである要求電流値を取得する要求電流値取得手段と、
    前記直流バス電圧値を用いて、前記インバータから出力可能な交流電流の大きさである出力可能電流値を算出する出力可能電流値算出手段と、
    前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさの絶対値が、前記出力可能電流値の絶対値及び前記要求電流値の絶対値の内の小さい方の値以下となるように、前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさを制御する出力制御手段と、
    を有するインバータ制御装置。
  2. 前記直流バスで許容される電圧の下限値であるバス電圧下限値を取得するバス電圧下限値取得手段を有し、
    前記出力可能電流値算出手段は、算出する前記出力可能電流値を用いて前記インバータを制御した後の前記直流バス電圧値が前記バス電圧下限値以上となるように前記出力可能電流値を算出する請求項1に記載のインバータ制御装置
  3. 前記出力制御手段は、
    前記インバータから前記負荷に対して出力させる交流電流の大きさである出力指令値を決定する出力指令値決定手段と、
    前記出力指令値以下の交流電流を出力するように前記インバータを制御する制御実行手段と、
    を有する請求項1又は2に記載のインバータ制御装置。
  4. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を正の方向とする値で表され、
    前記出力指令値決定手段は、前記出力可能電流値と前記要求電流値の大きさを比較して、いずれか小さい方の値を前記出力指令値として出力する第1比較手段を有する請求項3に記載のインバータ制御装置。
  5. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を正の方向とする値で表され、
    前記出力指令値決定手段は、出力の上限値が設定されており、入力値が前記上限値以下であればその入力値を前記出力指令値として出力し、入力値が前記上限値を超えている場合は前記上限値を前記出力指令値として出力する第1リミット手段を有し、
    前記第1リミット手段には、前記上限値として前記出力可能電流値が設定されており、前記入力値として前記要求電流値が入力される請求項3に記載のインバータ制御装置。
  6. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を負の方向とする値で表され、
    前記出力指令値決定手段は、前記出力可能電流値と前記要求電流値の大きさを比較して、いずれか大きい方の値を前記出力指令値として出力する第2比較手段を有する請求項3に記載のインバータ制御装置。
  7. 前記交流バスを流れる交流電流の大きさは、前記インバータから前記交流バスへ出力される方向を負の方向とする値で表され、
    前記出力指令値決定手段は、出力の下限値が設定されており、入力値が前記下限値以上であればその入力値を前記出力指令値として出力し、入力値が前記下限値未満であれば前記下限値を前記出力指令値として出力する第2リミット手段を有し、
    前記第2リミット手段には、前記下限値として前記出力可能電流値が設定されており、前記入力値として前記要求電流値が入力される請求項3に記載のインバータ制御装置。
  8. 前記要求電流値取得手段は、前記負荷に入力される交流電流の大きさを前記要求電流値として取得する請求項1乃至7いずれか一項に記載のインバータ制御装置。
  9. 前記系統電源から前記交流バスへ出力される交流電流の大きさである系統電流値を取得する系統電流値取得手段と、
    前記系統電流値を用いて前記要求電流値を算出する要求電流値算出手段と、を有し、
    前記要求電流値取得手段は、前記要求電流値算出手段によって算出された要求電流値を取得する請求項1乃至7いずれか一項に記載のインバータ制御装置。
  10. 前記出力可能電流値算出手段は、前記直流バス電圧値と前記バス電圧下限値との差分を算出し、前記差分に所定の比例定数を乗じた値及び前記差分の積分値を用いて、前記出力可能電流値を算出する請求項2に記載のインバータ制御装置。
  11. 前記出力制御手段は、前記インバータから出力されている交流電流の大きさである出力電流値を取得する出力電流値取得手段を有し、
    前記制御実行手段は、前記出力電流値と前記出力指令値との差分を算出し、その差分に比例定数を乗じた値及びその差分の積分値を用いて、前記出力指令値によって表される大きさの交流電流を出力するように前記インバータを制御する請求項3に記載のインバータ制御装置。
  12. 給電システムが有するインバータを制御するインバータ制御装置によって実行される制御方法であって、
    前記給電システムは、分散型電源と、前記インバータと、前記分散型電源と前記インバータを接続する直流バスと、前記インバータと系統電源と負荷とを接続する交流バスと、を有し、
    当該制御方法は、
    前記直流バスの電圧の値である直流バス電圧値を取得する直流バス電圧値取得ステップと、
    前記インバータへ要求される交流電流の大きさである要求電流値を取得する要求電流値取得ステップと、
    前記直流バス電圧値を用いて、前記インバータから出力可能な交流電流の大きさである出力可能電流値を算出する出力可能電流値算出ステップと、
    前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさの絶対値が、前記出力可能電流値の絶対値及び前記要求電流値の絶対値の内の小さい方の値以下となるように、前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさを制御する出力制御ステップと、
    を有する制御方法。
  13. コンピュータに、給電システムが有するインバータを制御する機能を持たせるプログラムであって、
    前記給電システムは、分散型電源と、前記インバータと、前記分散型電源と前記インバータを接続する直流バスと、前記インバータと系統電源と負荷とを接続する交流バスと、を有し、
    当該プログラムは、前記コンピュータに、
    前記直流バスの電圧の値である直流バス電圧値を取得する直流バス電圧値取得機能と、
    前記インバータへ要求される交流電流の大きさである要求電流値を取得する要求電流値取得機能と、
    前記直流バス電圧値を用いて、前記インバータから出力可能な交流電流の大きさである出力可能電流値を算出する出力可能電流値算出機能と、
    前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさの絶対値が、前記出力可能電流値の絶対値及び前記要求電流値の絶対値の内の小さい方の値以下となるように、前記インバータが前記負荷に対して出力する交流電流の大きさを制御する出力制御機能と、
    を持たせるプログラム。
  14. 分散型電源と、インバータと、前記分散型電源と前記インバータを接続する直流バスと、前記インバータと系統電源と負荷とを接続する交流バスと、前記インバータを制御する請求項1乃至11いずれか一項に記載のインバータ制御装置と、を有する給電システム。
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