JP2016081971A - 処理装置及び処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被処理体に発生する反りを迅速に検知することが可能な処理装置及び処理方法を提供する。
【解決手段】マイクロ波加熱処理装置1の各構成部は、それぞれ制御部8に接続されて、制御部8によって制御される。制御部8は、反射波監視部121と、データ処理部122と、反り判定部123と、入出力制御部124を備えている。反射波監視部121は、検出器35で検出される反射波のデータをリアルタイムで受け取り、反射波の変動をモニタする。データ処理部122は、反射波監視部121から反射波の変動に関するモニタ結果を受け取り、例えばフーリエ変換、ピーク検出、ノイズ除去、フィルタリングなどのデータ処理を行う。反り判定部123は、反射波監視部121から反射波のデータ、又は、データ処理部122におけるデータ処理の結果に基づき、反りの発生の有無を判定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、被処理体に発生する反りを検知する機能を備えた処理装置及び処理方法に関する。
近年、半導体ウエハなどの基板に対して加熱処理を施す装置として、マイクロ波を使用する装置が提案されている。マイクロ波による加熱処理は、内部加熱、局所加熱、選択加熱が可能であることから、従来のランプ加熱方式や抵抗加熱方式のアニール装置に比べてプロセスメリットが大きいことが知られている。
ところで、基板の加熱を伴う処理では、基板の面内における温度分布などが原因となって、基板に「反り」が発生することがある。反りが発生すると、基板面内での温度分布がさらに拡大して、基板上に形成されるデバイスの性能にバラツキを生じさせたり、基板の処理中もしくは搬送中に、基板や処理容器内の部品に傷や破損を生じさせたりする可能性がある。そのため、例えば、特許文献1では、反応炉内の半導体ウエハをその端面方向から撮影するカメラを設け、半導体ウエハの反りを監視しながら温度制御を行うことが提案されている。また、例えば特許文献2では、半導体ウエハの反りを検知するため、光センサ、バキュームセンサ、圧力センサなどを設けることが提案されている。
特開2013−115203号公報(図1など) 特開2009−182321号公報(段落0019など)
マイクロ波を使用する加熱処理装置では、処理容器内での異常放電を検知するため、可視光に反応するセンサが設けられている。そのため、処理容器内の基板を撮影する場合、赤外線カメラが使用される。しかし、赤外線カメラは、例えば500℃以下の低温域では、赤外線量が少なくなるために撮影が難しくなり、基板の反りを正確にモニタすることが出来ない、という問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、被処理体に発生する反りを迅速に検知することが可能な処理装置及び処理方法を提供することにある。
本発明の処理装置は、被処理体を収容する処理容器と、前記処理容器内で前記被処理体を水平方向に回転可能に支持する支持装置と、前記支持装置によって支持された前記被処理体の回転に伴って一定の周期で変動する物理的指標を検出する検出部と、前記物理的指標の検出結果に基づき、前記被処理体の反りの発生の有無を判定する判定部と、を備えている。
本発明の処理装置は、さらに、マイクロ波を生成して前記処理容器にマイクロ波を導入するマイクロ波導入装置を備えていてもよい。この場合、前記マイクロ波導入装置は、前記処理容器内に導入された前記マイクロ波の反射波を検出する反射波検出器を有していてもよい。また、前記物理的指標が前記反射波であってもよく、前記検出部が前記反射波検出器であってもよい。
本発明の処理装置において、前記処理容器は、前記マイクロ波を導入する複数のマイクロ波導入ポートを有していてもよい。この場合、前記マイクロ波導入装置から、一つの前記マイクロ波導入ポートを介して前記処理容器内に導入された前記マイクロ波の反射波を、他の前記マイクロ波導入ポートを介して前記反射波検出器によって検出するようにしてもよい。
本発明の処理装置は、前記マイクロ波によって、前記被処理体を加熱処理するマイクロ波加熱処理装置であってもよい。
本発明の処理装置において、前記判定部は、前記物理的指標の測定値をフーリエ変換するとともに、得られた変換値から前記被処理体の反りに起因する部分を抽出し、前記反りの発生の有無を判定するものであってもよい。
本発明の処理方法は、処理容器内において、被処理体を支持装置によって支持した状態で水平方向に回転させるステップと、前記支持装置に支持された前記被処理体の回転に伴って一定の周期で変動する物理的指標を検出するステップと、前記物理的指標の検出結果に基づき、前記被処理体の反りの発生の有無を判定するステップと、を備えている。
本発明の処理方法は、前記物理的指標が、前記処理容器内に導入されたマイクロ波の反射波であってもよい。
本発明の処理方法において、前記処理容器は、前記マイクロ波を導入する複数のマイクロ波導入ポートを有していてもよい。この場合、一つの前記マイクロ波導入ポートを介して前記処理容器内に導入された前記マイクロ波の前記反射波を、他の前記マイクロ波導入ポートを介して検出するようにしてもよい。
本発明の処理方法は、前記マイクロ波によって、前記被処理体を加熱処理するものであってもよい。
本発明の処理方法において、前記判定するステップは、前記物理的指標の測定値をフーリエ変換するとともに、得られた変換値から前記被処理体の反りに起因する部分を抽出し、所定のしきい値と比較して前記反りの発生の有無を判定してもよい。
本発明の処理装置および処理方法によれば、被処理体に発生する反りを迅速に検知することが可能である。
本発明の一実施の形態に係るマイクロ波加熱処理方法に使用するマイクロ波加熱処理装置の概略の構成を示す断面図である。 図1に示した処理容器の上壁の下面を示す平面図である。 図1に示したマイクロ波加熱処理装置において被処理体を支持するホルダの斜視図である。 図1に示したマイクロ波加熱処理装置の高電圧電源部の概略の構成を示す説明図である。 制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。 制御部における、半導体ウエハの反りの検知制御に関連する機能を示す機能ブロック図である。 ホルダによって支持された半導体ウエハに反りが発生した状態を模式的に示す図面である。 本発明の一実施に係るマイクロ波加熱処理装置での半導体ウエハの反りの検知方法の手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る処理装置の概略構成を示す断面図である。 実施例において、半導体ウエハに反りが無い場合の反射波の測定結果を示す図面である。 実施例において、半導体ウエハに反りが発生した場合の反射波の測定結果を示す図面である。 図10Aの測定結果をフーリエ変換した結果を示す図面である。 図10Bの測定結果をフーリエ変換した結果を示す図面である。 図11Aに示すフーリエ変換後の反射波のピーク検出の結果を示す図面である。 図11Bに示すフーリエ変換後の反射波のピーク検出の結果を示す図面である。 図12Aに示す反射波のピーク値をデータ処理した結果を示す図面である。 図12Bに示す反射波のピーク値をデータ処理した結果を示す図面である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置について説明する。図1は、マイクロ波加熱処理装置の概略の構成を示す断面図である。図2は、図1に示した処理容器の上壁の下面を示す平面図である。図3は、図1に示したマイクロ波加熱処理装置の処理容器内において被処理体を支持する保持部としてのホルダの斜視図である。マイクロ波加熱処理装置1は、連続する複数の動作を伴って、被処理体である例えば半導体デバイス製造用の半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記す。)Wに対して、マイクロ波を照射して加熱処理(アニール処理)を施す装置である。ここで、平板状をなすウエハWにおいて、面積の広い上下の面のうち、上面が半導体デバイスの形成面であり、この面が処理対象となる。
マイクロ波加熱処理装置1は、被処理体であるウエハWを収容する処理容器2と、処理容器2内にマイクロ波を導入するマイクロ波導入装置3と、処理容器2内において上壁11に対向する位置でウエハWを支持する支持装置4と、処理容器2内にガスを供給するガス供給機構5と、処理容器2内を減圧排気する排気装置6と、これらマイクロ波加熱処理装置1の各構成部を制御する制御部8とを備えている。
<処理容器>
処理容器2は、金属材料によって形成されている。処理容器2を形成する材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等が用いられる。マイクロ波導入装置3は、処理容器2の上部に設けられ、処理容器2内に電磁波(マイクロ波)を導入するマイクロ波導入手段として機能する。マイクロ波導入装置3の構成については、後で詳しく説明する。
処理容器2は、板状の上壁11および底壁13と、上壁11と底壁13とを連結する側壁としての4つの側壁部12と、上壁11を上下に貫通するように設けられた複数のマイクロ波導入ポート10と、側壁部12に設けられた搬入出口12aと、底壁13に設けられた排気口13aとを有している。ここで、4つの側壁部12は、水平断面が直角に接続された角筒状をなしている。従って、処理容器2は、内部が空洞の立方体状をなしている。また、各側壁部12の内面は、いずれも平坦になっており、マイクロ波を反射させる反射面としての機能を有している。搬入出口12aは、処理容器2に隣接する図示しない搬送室との間でウエハWの搬入出を行うためものである。処理容器2と図示しない搬送室との間には、ゲートバルブGVが設けられている。ゲートバルブGVは、搬入出口12aを開閉する機能を有し、閉状態で処理容器2を気密にシールすると共に、開状態で処理容器2と図示しない搬送室との間でウエハWの移送を可能にする。
<支持装置>
支持装置4は、図1及び図3に示すように、処理容器2の底壁13のほぼ中央を貫通して処理容器2の外部まで延びる管状のシャフト14と、シャフト14の上端に装着された保持部としてのホルダ15とを有している。ホルダ15は、シャフト14の上端に装着されたホルダ基部15aと、このホルダ基部15aからほぼ水平方向に放射状に設けられた複数のアーム部15bと、各アーム部15bに着脱可能に装着された支持ピン16とを有している。本実施の形態では、3本のアーム部15bは、ホルダ基部15aから放射状に120°の角度で均等に配置されている。複数の支持ピン16は、処理容器2内においてウエハWの下面に当接してウエハWを支持する。複数の支持ピン16は、その上端部がウエハWの周方向に並ぶように配置されている。各支持ピン16は、アーム部15bに着脱可能に装着されている。なお、アーム部15b、支持ピン16の数は、ウエハWを安定して支持できればよく、特に限定されない。ホルダ15は、誘電体材料によって形成されている。これらを形成する誘電体材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。
さらに、支持装置4は、シャフト14を回転させる回転駆動部17と、シャフト14を上下に変位させる昇降駆動部18と、シャフト14を支持するとともに、回転駆動部17と昇降駆動部18とを連結する可動連結部19と、を有している。回転駆動部17、昇降駆動部18及び可動連結部19は、処理容器2の外部に設けられている。なお、処理容器2内を真空状態にする場合は、シャフト14が底壁13を貫通する部分の周囲に、例えばベローズなどのシール装置20を設けることができる。
支持装置4において、シャフト14、ホルダ15、回転駆動部17及び可動連結部19は、ウエハWを水平方向に回転運動させる回転装置を構成している。ホルダ15は、回転駆動部17を駆動させることによって、シャフト14を回転中心にして回転し、各支持ピン16を水平方向に円運動(公転)させる。回転駆動部17は、シャフト14を回転させ得るものであれば、特に制限はなく、例えば図示しないモータ等を備えていてもよい。
また、支持装置4において、シャフト14、ホルダ15、昇降駆動部18及び可動連結部19は、ウエハWの高さ位置を調節する高さ位置調節装置を構成している。ホルダ15は、昇降駆動部18を駆動させることによって、シャフト14とともに、上下方向に昇降変位するように構成されている。昇降駆動部18は、シャフト14及び可動連結部19を昇降変位させ得るものであれば、特に制限はなく、例えば図示しないボールねじ等を備えていてもよい。
なお、ウエハWを水平方向に回転させる回転装置及びウエハWの高さ位置を調節する高さ位置調節装置は、それらの目的を実現できれば、他の構成であってもよい。また、回転駆動部17と昇降駆動部18は一体の機構であってもよく、可動連結部19を有しない構成であってもよい。
<排気装置>
排気装置6は、例えば、ドライポンプ等の真空ポンプを有している。マイクロ波加熱処理装置1は、更に、排気口13aと排気装置6とを接続する排気管21と、排気管21の途中に設けられた圧力調整バルブ22と、を備えている。排気装置6の真空ポンプを作動させることにより、処理容器2の内部空間が減圧排気される。なお、マイクロ波加熱処理装置1は、大気圧での処理も可能であり、その場合は、真空ポンプは不要である。排気装置6としてドライポンプ等の真空ポンプを用いる替わりに、マイクロ波加熱処理装置1が設置される施設に設けられた排気設備を用いることも可能である。
<ガス供給機構>
マイクロ波加熱処理装置1は、更に、処理容器2内にガスを供給するガス供給機構5を備えている。ガス供給機構5は、図示しないガス供給源を備えたガス供給装置5aと、ガス供給装置5aに接続され、処理容器2内に処理ガスを導入する複数の配管23(2本のみ図示)と、を備えている。複数の配管23は、処理容器2の側壁部12に接続されている。
ガス供給装置5aは、複数の配管23を介して、処理ガスとして、例えば、N、Ar、He、Ne、O、H等のガスを処理容器2内へサイドフロー方式で供給できるように構成されている。なお、処理容器2内へのガスの供給は、例えばウエハWに対向する位置(例えば、上壁11)にガス供給手段を設けて行ってもよい。また、ガス供給装置5aの代りに、マイクロ波加熱処理装置1の構成には含まれない外部のガス供給装置を使用してもよい。図示しないが、マイクロ波加熱処理装置1は、更に、配管23の途中に設けられたマスフローコントローラおよび開閉バルブを備えている。処理容器2内に供給されるガスの種類や、これらのガスの流量等は、マスフローコントローラおよび開閉バルブによって制御される。
<温度計測部>
マイクロ波加熱処理装置1は、更に、ウエハWの表面温度を測定する複数の放射温度計26と、複数の放射温度計26に接続された温度計測部27とを備えている。なお、図1では、ウエハWの中央部の表面温度を測定する放射温度計26を除いて、複数の放射温度計26の図示を省略している。
<マイクロ波放射空間>
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1では、処理容器2内において、上壁11、4つの側壁部12及び底壁13で区画される空間がマイクロ波放射空間を形成している。このマイクロ波放射空間には、上壁11に設けられた複数のマイクロ波導入ポート10からマイクロ波が放射される。処理容器2の上壁11、4つの側壁部12及び底壁13は、いずれも金属材料によって形成されているため、マイクロ波を反射し、マイクロ波放射空間内に散乱させる。
<マイクロ波導入装置>
次に、図1、図2及び図4を参照して、マイクロ波導入装置3の構成について説明する。図4は、マイクロ波導入装置3の高電圧電源部の概略の構成を示す説明図である。前述のように、マイクロ波導入装置3は、処理容器2の上部に設けられ、処理容器2内に電磁波(マイクロ波)を導入するマイクロ波導入手段として機能する。図1に示したように、マイクロ波導入装置3は、マイクロ波を処理容器2に導入する複数のマイクロ波ユニット30と、複数のマイクロ波ユニット30に接続された高電圧電源部40とを備えている。
(マイクロ波ユニット)
本実施の形態では、複数のマイクロ波ユニット30の構成は全て同一である。各マイクロ波ユニット30は、ウエハWを処理するためのマイクロ波を生成するマグネトロン31と、マグネトロン31において生成されたマイクロ波を処理容器2に伝送する伝送路としての導波管32と、マイクロ波導入ポート10を塞ぐように上壁11に固定された透過窓33とを有している。マグネトロン31は、本発明におけるマイクロ波源に対応する。
図2に示したように、本実施の形態では、処理容器2は、上壁11に配置された4つのマイクロ波導入ポート10A,10B,10C,10Dを有している。なお、4つのマイクロ波導入ポート10A,10B,10C,10Dを区別しない場合は、単に「マイクロ波導入ポート10」と記すことがある。各マイクロ波導入ポート10は、長辺と短辺とを有する平面視矩形をなしている。各マイクロ波導入ポート10の配置は、適宜変更することができる。また、各マイクロ波導入ポート10の大きさ、長辺と短辺の比などは、マイクロ波導入ポート10毎に異なっていてもよいが、ウエハWに対する加熱処理の均一性を高めるとともに制御性をよくする観点から、4つのマイクロ波導入ポート10のすべてが同じ大きさ及び形状であることが好ましい。なお、本実施の形態では、各マイクロ波導入ポート10にそれぞれマイクロ波ユニット30が接続されている。つまり、マイクロ波ユニット30の数は4つである。
マグネトロン31は、高電圧電源部40によって供給される高電圧が印加される陽極および陰極(いずれも図示省略)を有している。また、マグネトロン31としては、種々の周波数のマイクロ波を発振することができるものを用いることができる。マグネトロン31によって生成されるマイクロ波は、被処理体の処理毎に最適な周波数を選択し、例えば加熱処理においては、2.45GHz、5.8GHz等の高い周波数のマイクロ波であることが好ましく、5.8GHzのマイクロ波であることが特に好ましい。
導波管32は、断面が矩形且つ角筒状の形状を有し、処理容器2の上壁11の上面から上方に延びている。マグネトロン31は、導波管32の上端部の近傍に接続されている。導波管32の下端部は、透過窓33の上面に接している。マグネトロン31において生成されたマイクロ波は、導波管32および透過窓33を介して処理容器2内に導入される。
透過窓33は、誘電体材料によって形成されている。透過窓33の材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。透過窓33と上壁11との間は、図示しないシール部材によって気密にシールされている。
マイクロ波ユニット30は、更に、導波管32の途中に設けられたサーキュレータ34、検出器35およびチューナ36と、サーキュレータ34に接続されたダミーロード37とを有している。サーキュレータ34、検出器35およびチューナ36は、導波管32の上端部側からこの順に設けられている。サーキュレータ34およびダミーロード37は、処理容器2からの反射波を分離するアイソレータを構成する。すなわち、サーキュレータ34は、処理容器2からの反射波をダミーロード37に導き、ダミーロード37は、サーキュレータ34によって導かれた反射波を熱に変換する。
検出器35は、導波管32における処理容器2からの反射波を検出するためのものである。導波管32における処理容器2からの反射波は、「物理的指標」に該当する。反射波は、支持装置4によって支持されたウエハWの回転に伴って一定の周期で変動する(この点は、後述する)。検出器35は、例えばインピーダンスモニタ、具体的には、導波管32における定在波の電界を検出する定在波モニタによって構成されている。定在波モニタは、例えば、導波管32の内部空間に突出する3本のピンによって構成することができる。定在波モニタによって定在波の電界の場所、位相および強さを検出することにより、処理容器2からの反射波を検出することができる。また、検出器35は、進行波と反射波を検出することが可能な方向性結合器によって構成されていてもよい。
チューナ36は、マグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスのマッチングを行う機能を有している。チューナ36によるマッチングは、検出器35における反射波の検出結果に基づいて行われる。チューナ36は、例えば、導波管32の内部空間に出し入れすることができるように設けられた導体板(図示省略)によって構成することができる。この場合、導体板の、導波管32の内部空間への突出量を制御することにより、反射波の電力量を調整して、マグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスを調整することができる。
(高電圧電源部)
高電圧電源部40は、マグネトロン31に対してマイクロ波を生成するための高電圧を供給する。図4に示したように、高電圧電源部40は、商用電源に接続されたAC−DC変換回路41と、AC−DC変換回路41に接続されたスイッチング回路42と、スイッチング回路42の動作を制御するスイッチングコントローラ43と、スイッチング回路42に接続された昇圧トランス44と、昇圧トランス44に接続された整流回路45とを有している。マグネトロン31は、整流回路45を介して昇圧トランス44に接続されている。
AC−DC変換回路41は、商用電源からの交流(例えば、三相200Vの交流)を整流して所定の波形の直流に変換する回路である。スイッチング回路42は、AC−DC変換回路41によって変換された直流のオン・オフを制御する回路である。スイッチング回路42では、スイッチングコントローラ43によってフェーズシフト型のPWM(Pulse Width Modulation)制御またはPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御が行われて、パルス状の電圧波形が生成される。昇圧トランス44は、スイッチング回路42から出力された電圧波形を所定の大きさに昇圧するものである。整流回路45は、昇圧トランス44によって昇圧された電圧を整流してマグネトロン31に供給する回路である。
<制御部>
マイクロ波加熱処理装置1の各構成部は、それぞれ制御部8に接続されて、制御部8によって制御される。制御部8は、典型的にはコンピュータである。図5は、図1に示した制御部8のハードウェア構成の一例を示している。制御部8は、主制御部101と、キーボード、マウス等の入力装置102と、プリンタ等の出力装置103と、表示装置104と、記憶装置105と、外部インターフェース106と、これらを互いに接続するバス107とを備えている。主制御部101は、CPU(中央処理装置)111、RAM(ランダムアクセスメモリ)112およびROM(リードオンリメモリ)113を有している。記憶装置105は、情報を記憶できるものであれば、その形態は問わないが、例えばハードディスク装置または光ディスク装置である。また、記憶装置105は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体115に対して情報を記録し、また記録媒体115より情報を読み取るようになっている。記録媒体115は、情報を記憶できるものであれば、その形態は問わないが、例えばハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどである。記録媒体115は、マイクロ波加熱処理装置1で行われるマイクロ波加熱処理方法のレシピを記録した記録媒体であってもよい。
制御部8では、CPU111が、RAM112を作業領域として用いて、ROM113または記憶装置105に格納されたプログラムを実行することにより、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1においてウエハWに対する加熱処理を実行できるようになっている。具体的には、制御部8は、マイクロ波加熱処理装置1において、例えばウエハWの温度、処理容器2内の圧力、ガス流量、マイクロ波出力、ウエハWの回転速度等のプロセス条件に関係する各構成部(例えば、マイクロ波導入装置3、支持装置4、ガス供給装置5a、排気装置6等)を制御する。
図6は、制御部8におけるウエハWの反りの検知制御に関連する機能を示す機能ブロック図である。図6に示すように、制御部8は、反射波監視部121と、データ処理部122と、反り判定部123と、入出力制御部124を備えている。これらは、CPU111が、RAM112を作業領域として用いて、ROM113または記憶装置105に格納されたソフトウエア(プログラム)を実行することによって実現される。なお、制御部8は、他の機能も有しているが、ここでは説明を省略する。
(反射波監視部)
反射波監視部121は、検出器35で検出される反射波のデータをリアルタイムで受け取り、反射波の変動をモニタする。
(データ処理部)
データ処理部122は、反射波監視部121から、反射波のデータやその変動に関するモニタ結果を受け取り、例えばフーリエ変換、ピーク検出、ノイズ除去、フィルタリングなどのデータ処理を行う。
(反り判定部)
反り判定部123は、反射波監視部121から反射波のデータ、又は、データ処理部122におけるデータ処理の結果に基づき、反りの発生の有無を判定する。反りの判定は、例えば設定された閾値を利用して行うことができる。閾値は、ROM113または記憶装置105に保存したものを利用してもよいし、検出器35で検出される反射波のデータに基づき、処理毎に設定してもよい。
(入出力制御部)
入出力制御部124は、入力装置102からの入力の制御や、出力装置103に対する出力の制御や、表示装置104における表示の制御や、外部インターフェース106を介して行う外部とのデータ等の入出力の制御を行う。
<反りを検知する原理>
次に、図1、図3及び図7を参照しながら、マイクロ波加熱処理装置1において、反射波によってウエハWの反りを検知する原理について説明する。図7は、3本のアーム部15bを有するホルダ15によって支持されたウエハWに反りが発生した状態を模式的に示している。図1、図3及び図7に示すように、マイクロ波加熱処理装置1の処理容器2内で、ウエハWは3本のアーム部15bを有するホルダ15によって支持されている。加熱処理の間、ウエハWを支持したホルダ15は、例えば図3及び図7中、矢印で示す方向に一定速度で回転している。ここで、図7中、ハッチングで示す部位に反り200が発生していると仮定する。反り200によるウエハWの形状の変化が、処理容器2内のインピーダンスを変化させ、検出器35で検出される反射波に変動を与える。この反射波の変動は僅かなレベルであるが、ウエハWの回転に付随して、一定の周期性を有することが判明した。このような知見に基づき、本実施の形態では、検出器35で検出される反射波を監視し、その中から、回転するウエハWの反りに起因する周期性のある変動を検出することによって、ウエハWにおける反りの発生を検知するものである。なお、ウエハWの反り200は、ウエハWの全体又は一部分に生じる変形であり、その形状は問わない。また、本実施の形態において、検知の対象とする反り200は、上記のように、プロセスや搬送などに悪影響を与える程度に大きな変形を意味する。
また、マイクロ波加熱処理装置1では、3本のアーム部15bを有するホルダ15によってウエハWを支持している。ウエハWの反り200以外に、検出器35で検出される反射波に周期的変動を与える大きな要因として、回転するアーム部15bを挙げることができる。従って、反り200の発生の有無を判定する場合に、アーム部15bに起因する反射波の周期的な変動を比較対象とすることによって、反りの発生を迅速かつ簡易に判定できるとの知見を得た。
<反りの検知方法>
次に、図8を参照しながら、マイクロ波加熱処理装置1において、反射波を監視することによってウエハWの反りを検知する方法について説明する。図8は、マイクロ波加熱処理装置1で行われる反りの検知方法の手順の一例を示すフローチャートである。この反りの検知方法は、ステップS11〜ステップS16の手順を含んでいる。ステップS11〜ステップS16の手順は、マイクロ波加熱処理装置1において、ウエハWに対してマイクロ波を照射して加熱処理している間に1回ないし複数回実施される。
ステップS11では、マイクロ波導入装置3の検出器35によって測定された反射波の検出情報を制御部8が取得する。具体的には、反射波監視部121によって、検出器35から、反射波の検出データを含む反射波の検出情報を取得する。ここで、反射波の検出情報は、マイクロ波を導入したマイクロ波導入ポート10と同じマイクロ波導入ポート10を介して検出される反射波でもよいが、マイクロ波を導入したマイクロ波導入ポート10とは異なる他のマイクロ波導入ポート10を介して検出された反射波のデータであることが好ましい。例えば、図2に示すマイクロ波導入ポート10Bから導入したマイクロ波の反射波を、マイクロ波導入ポート10Dに接続された導波管32の検出器35で検出し、反射波の検出情報とすることが好ましい。その理由は、以下のとおりである。マイクロ波を導入したマイクロ波導入ポート10Bに接続された導波管32では、反射波を抑制し、電力の利用効率を最大化する目的で、チューナ36によって、マイクロ波源であるマグネトロン31と、負荷である処理容器2との間のインピーダンスの整合を行う。そのため、マイクロ波を導入したマイクロ波導入ポート10Bに接続された導波管32では、自ら導入したマイクロ波に基づく反射波が小さく抑制されている。それに対し、4つのマイクロ波導入ポート10の間で相互のインピーダンス整合は行わない。そのため、一つのマイクロ波導入ポート10から導入したマイクロ波の反射波を、他のマイクロ波導入ポート10を介して検出する方が、反射波の絶対値が大きく、反りの検知が容易となる。
次に、ステップS12では、反射波の検出情報をフーリエ変換する。フーリエ変換の対象となる反射波の検出情報は、例えば所定の時間範囲で区分されたものでもよい。ステップS12の処理は、制御部8のデータ処理部122によって行われる。反射波の検出情報をフーリエ変換することによって、水平方向に回転するウエハWの反りに起因する周期的な反射波の変動を把握することが容易になる。
次に、ステップS13では、外乱その他の要因による反射波の変動を除外し、かつ、データを単純化するため、フーリエ変換した反射波の検出情報から、ピークのみを検出するとともに、ノイズを含む所定範囲のデータを対象から除外する。この処理は、制御部8のデータ処理部122によって行われる。
次に、ステップS14では、反りの発生の有無の判定を容易にするため、ステップS13で得られたデータを所定の閾値で除算する。この処理は、制御部8のデータ処理部122によって行われる。閾値は、実験的に定めてもよいし、ステップS11で取得した反射波の検出情報の中から、任意の情報を選択して閾値としてもよい。適切に設定された閾値を利用することによって、上記の問題が生じない程度に小さな反りである場合には、反りの発生がない、と判定することができる。閾値の具体例として、例えば、水平回転するホルダ15の3本のアーム部15bに起因する反射波の周期的な変動データについて、上記ステップS12及びステップS13の処理を行った処理データを利用することが好ましい。
次に、ステップS15では、ステップS14で得られた除算結果が1を超えるか否かについて判断をする。このステップS15の判断は、制御部8の反り判定部123において行う。ステップS15において、除算結果が1を超える(YES)と判断された場合は、次のステップS16で、ウエハWに「反りが発生した」と判定する。このステップS16の判定は、制御部8の反り判定部123において行う。ステップS16で、「反りが発生した」と判定された場合は、別途、制御部8の制御の下で、例えばマイクロ波加熱処理装置1において当該ウエハWに対する加熱処理を中止する、などの処置を行うことができる。
一方、ステップS15で除算結果は1を超えない(NO)と判断された場合は、反りは発生していないことになるため、再度ステップS11に戻る。ウエハWの加熱処理を行っている間は、上記ステップS11〜ステップS15の手順を、ステップS15で除算結果が1を超える(YES)と判断されるまで、または、マイクロ波加熱処理装置1において当該ウエハWに対する加熱処理が終了するまで、繰り返し行う。
なお、上記ステップS12〜ステップS14は、反りの発生の有無を判定しやすくするためのデータ処理である。従って、例えばステップS11の反射波の検出情報によって反りの発生の有無を判定可能な場合は、ステップS12〜ステップS14を省略することができる。この場合、ステップS15では、除算結果を使用する代わりに、例えば反射波の検出情報を閾値と比較すればよい。
以上のように、ステップS11〜ステップS16の手順によって、マイクロ波加熱処理装置1でウエハWの加熱処理を行っている間、ウエハWの反りの発生をリアルタイムで検知できる。
[マイクロ波加熱処理方法]
次に、マイクロ波加熱処理装置1で行われるマイクロ波加熱処理方法の好ましい実施の形態について説明する。
まず、例えば制御部8の入力装置102から、マイクロ波加熱処理装置1において加熱処理を行うように指令が入力される。次に、主制御部101は、この指令を受けて、記憶装置105またはコンピュータ読み取り可能な記録媒体115に保存されたレシピを読み出す。次に、レシピに基づく条件によって加熱処理が実行されるように、主制御部101からマイクロ波加熱処理装置1の各エンドデバイス(例えば、マイクロ波導入装置3、支持装置4、ガス供給装置5a、排気装置6等)に制御信号が送出される。
次に、ゲートバルブGVが開状態にされて、図示しない搬送装置によって、ウエハWが、ゲートバルブGVおよび搬入出口12aを通って処理容器2内に搬入され、ホルダ15の複数の支持ピン16の上に載置される。
次に、ゲートバルブGVが閉状態にされて、必要な場合は排気装置6によって、処理容器2内が減圧排気される。ホルダ15は、昇降駆動部18を駆動させることによって、シャフト14とともに、上下方向に昇降し、ウエハWが所定の高さ位置にセットされる。また、回転駆動部17を駆動させることによって、ウエハWを水平方向に所定の速度で回転させる。なお、反射波の変動を監視しやすくするため、ウエハWの回転は、一定の速度で連続的に行うことが好ましい。
次に、ガス供給装置5aによって、所定の流量の処理ガスが処理容器2内に導入される。処理容器2の内部空間は、排気量およびガス供給量を調整することによって、所定の圧力に調整される。
次に、制御部8の制御の下で、高電圧電源部40からマグネトロン31に対して電圧を印加してマイクロ波を生成する。マグネトロン31において生成されたマイクロ波は、導波管32を伝搬し、次に、透過窓33を透過して、処理容器2内においてウエハWの上方の空間に導入される。例えば、複数のマグネトロン31において順次マイクロ波を生成し、各マイクロ波導入ポート10から交互にマイクロ波を処理容器2内に導入する。なお、複数のマグネトロン31において同時に複数のマイクロ波を生成させ、各マイクロ波導入ポート10から同時にマイクロ波を処理容器2内に導入するようにしてもよい。
処理容器2に導入されたマイクロ波は、ウエハWに照射されて、ジュール加熱、磁性加熱、誘導加熱等の電磁波加熱により、ウエハWが迅速に加熱される。その結果、ウエハWに対して加熱処理が施される。本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1では、加熱処理の間にウエハWを回転させることによって、ウエハWの周方向において、マイクロ波の偏りを少なくし、ウエハW面内の加熱温度をより均一化することができる。また、必要な場合は排気装置6によって、処理容器2内を減圧排気してもよい。さらに、必要な場合は、ガス供給装置5aによって処理ガスを処理容器2内に導入してもよい。処理容器2の内部空間は、排気量および処理ガスの供給量を調整することによって、所定の圧力に調整することができる。
マイクロ波加熱処理装置1では、ウエハWに対してマイクロ波を照射して加熱処理している間に、制御部8の制御の下で、検出器35で検出される反射波の変動に基づき、ウエハWの反りの発生を検知することができる。例えば、上記ステップS11〜ステップS16の手順(図8参照)を実行し、ウエハWに反りが発生しているか否かの判定を繰り返し行うことができる。
主制御部101からマイクロ波加熱処理装置1の各エンドデバイスに加熱処理を終了させる制御信号が送出されると、マイクロ波の生成が停止されると共に、ウエハWの回転が停止し、処理ガスの供給が停止されて、ウエハWに対する加熱処理が終了する。
所定時間の加熱処理又は加熱処理後の冷却処理が終了した後、ゲートバルブGVが開状態にされて、支持装置4によってウエハWの高さ位置を調整した後、図示しない搬送装置によって、ウエハWが搬出される。
以上のように、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1では、反射波の変動を監視することによって、加熱処理の途中でウエハWに反りが発生した場合に、迅速に検知することができる。従って、ウエハWの面内での加熱温度のばらつきを抑制し、均一な加熱処理が可能になる。また、ウエハWの処理中もしくは搬送中に、ウエハWや処理容器2内の部品を傷つけたり、破損させたりすることを防止できる。
また、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1では、ウエハWを加熱処理するために処理容器2内に導入したマイクロ波の反射波を、ウエハWの反りの検知に利用できる。従って、反りの検知のためのセンサなどの設備を専用に設ける場合に比べると、装置構成が複雑にならず、簡素化を図ることができる。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1は、例えば半導体デバイスの作製工程において、拡散層に注入されたドーピング原子の活性化を行うための加熱処理などの目的で好ましく利用できる。マイクロ波加熱処理装置1を利用してドーピング原子の活性化を行う場合、マイクロ波がドーピング原子に直接作用することから、余剰加熱が起こらず、拡散層の拡がりを抑制できる。また、マイクロ波照射を利用することによって、ランプ加熱方式や抵抗加熱方式に比べ、比較的低温での加熱処理が可能であり、サーマルバジェットの増大を抑えることもできる。
[第2の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態に係る処理装置の概略構成を示す断面図である。この処理装置70は、ランプ加熱方式のアニール装置であり、例えばウエハWに形成した薄膜に対して短時間で加熱処理が可能なRTP(Rapid Thermal Process)装置である。
処理装置70は、円筒状の処理容器71と、この処理容器71の下方に着脱可能に設けられた下部発熱ユニット72と、処理容器71の上方に着脱可能に設けられた上部発熱ユニット74とを有している。また、処理装置70は、処理容器71内にマイクロ波を導入するマイクロ波導入装置3と、処理装置70の各構成部を制御する制御部8とを備えている。マイクロ波導入装置3及び制御部8の構成は、第1の実施の形態と同様である。
下部発熱ユニット72は、図示しない水冷ジャケットを備えた底壁73の上面に複数配列された加熱手段としてのタングステンランプ76を有している。同様に、上部発熱ユニット74は、図示しない水冷ジャケットを備えた天井部75と、その下面に複数配列された加熱手段としてのタングステンランプ76とを有している。また、上部発熱ユニット74には、マイクロ波を導入するための貫通開口として、複数のマイクロ波導入ポート10が設けられている。各マイクロ波導入ポート10は、マイクロ波導入装置3に接続されている。また、各マイクロ波導入ポート10には、透過窓33が設けられている。
処理容器71内において互いに対向して配備された各タングステンランプ76は、図示しない電源に接続されており、そこからの電力供給量を制御部8により調節することで、発熱量を制御できるようになっている。なお、ランプとしては、タングステンランプ76に限らず、例えば、ハロゲンランプ、Xeランプ、水銀ランプ、フラッシュランプ等でもよい。
下部発熱ユニット72と上部発熱ユニット74との間には、ウエハWを支持するための支持部77が設けられている。この支持部77は、ウエハWを処理容器71内の処理空間に保持した状態で支持するためのウエハ支持ピン77aと、処理中にウエハWの温度を計測するためのホットライナー78を支持するライナー設置部77bを有している。また、支持部77は、図示しない回転機構と連結されており、支持部77を全体として鉛直軸廻りに水平回転させる。これにより、処理中にウエハWが所定速度で水平方向に回転する。
処理容器71の下方には、パイロメーター81が配置されており、熱処理中にホットライナー78からの熱線を、ポート81aおよび光ファイバー81bを介してパイロメーター81で計測することにより、間接的にウエハWの温度を把握できるようになっている。
また、ホットライナー78の下方には、下部発熱ユニット72のタングステンランプ76との間に石英部材79が介在配備されており、図示のように前記ポート81aは、この石英部材79に設けられている。さらに、ウエハWの上方にも、上部発熱ユニット74のタングステンランプ76との間に石英部材80aが介在配備されている。また、ウエハWを囲繞するように、処理容器71の内周面にも石英部材80bが配設されている。なお、ウエハWを支持して昇降させるためのリフターピン(図示せず)が、ホットライナー78を貫通して設けられており、ウエハWの搬入出に使用される。
下部発熱ユニット72と処理容器71との間、および上部発熱ユニット74と処理容器71との間には、それぞれシール部材(図示せず)が介在されており、処理容器71内は気密状態となる。また、処理容器71の側部には、ガス導入管82に接続されたガス供給装置83が配備されており、図示しない流量制御装置によって、処理容器71の処理空間内に、例えば酸化性ガスや、窒素ガス、希ガスなどの不活性ガス等を導入できるようになっている。また、処理容器71の下部には、排気管84が設けられており、図示しない真空ポンプ等の排気装置により、処理容器71内を減圧できるように構成されている。
処理装置70の各構成部は、制御部8に接続されて制御される構成となっている。そして、制御部8の制御の下で、処理装置70での加熱処理が行われる。また、処理装置70は、ランプ加熱方式のアニール装置であるが、加熱処理の間は、マイクロ波導入装置3によって処理容器71内にマイクロ波を導入し、その反射波を利用してウエハWの反りの検知を行うことができる。すなわち、処理装置70では、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1と同様に、制御部8の制御の下で、支持部77によって水平方向に回転するウエハWの反りに基づく反射波の周期的な変動をモニタできる。そして、例えば上記ステップS11〜ステップS16の手順(図8参照)を実行することによって、ウエハWに反りが発生しているか否かの判定を行うことができる。
本実施の形態における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
[実施例]
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。図1に示したマイクロ波加熱処理装置1において、反りのないウエハWに対して、マイクロ波による加熱処理を実施した。加熱処理の間、支持装置4のホルダ15に支持されたウエハWを20rpmの一定速度で水平方向に回転させた。また、マイクロ波導入ポート10A〜10Dからそれぞれ導入した3900Wの出力のマイクロ波の反射波を、マイクロ波導入ポート10Dに接続された導波管32の検出器35で検出した。なお、加熱処理の際、処理容器2内におけるウエハWの高さ位置は、反りの発生に関係しており、例えばマイクロ波のパワーや回転速度などの他の条件が同じであっても、反りが発生しやすい高さ位置と、反りが発生しない高さ位置と、が存在する。以下の説明で「ウエハWに反りが無い場合」とは、反りが発生しない高さ位置で加熱処理したことを意味し、「ウエハWに反りが発生した場合」とは、反りが発生しやすい高さ位置で加熱処理したことを意味する。
図10A、図11A、図12A、図13Aは、ウエハWに反りが無い場合の反射波の測定結果及びデータ処理結果を示している。図10B、図11B、図12B、図13Bは、ウエハWに反りが発生した場合の反射波の測定結果及びデータ処理結果を示している。
図10AはウエハWに反りが無い場合の反射波の測定結果を示し、図10Bは、ウエハWに反りが発生した場合の反射波の測定結果を示している。図10A、図10Bの横軸は時間であり、縦軸は反射波の大きさを示している。図10Aと図10Bの比較から、ウエハWに反りが無い場合、処理開始直後の初期変動は見られるが、その後は、反射波が一定の低いレベルに落ち着いている。それに対し、ウエハWに反りが発生した場合は、初期変動の後で、反射波に周期的かつ図10Aに比較して大きな変動が確認できる。この周期的な変動はウエハWの反りに起因するものである。
図10A、図10Bに示す反射波の測定結果から、反りの発生を検知してもよい。しかし、これらの測定結果をデータ処理することによって、反りの判定が容易になる。
図11Aは、図10Aに示す反射波の測定結果をフーリエ変換して得られたグラフであり、図11Bは、図10Bに示す反射波の測定結果をフーリエ変換して得られたグラフである。図11A、図11Bの横軸は周波数であり、縦軸は、フーリエ変換後の反射波の大きさを示している。上記のとおり、加熱処理の間、支持装置4のホルダ15に支持されたウエハWを20rpmの速度で水平方向に回転させているため、ウエハWの反りに起因する反射波の変動は、3秒間に1回(0.33Hz)の周期で現れる。従って、図11Bにおいて、0.33Hzのピークは、ウエハWの反りに起因する反射波の周期的な変動である。図11Aにおいては、0.33Hz付近には明確なピークが観察されていないことがわかる。このように、図10A、図10Bに示す反射波の測定結果をフーリエ変換することによって、ウエハWの反りに起因する反射波の変動をより把握しやすくできる。
なお、ホルダ15は、均等な間隔で配置された3本のアーム部15bを有しているため、各アーム部15bに起因する反射波の周期的な変動は、1秒間に1回(1Hz)の周期で現れる。従って、図11A、図11Bにおいて、1Hzのピークは、アーム部15bに起因する反射波の周期的な変動である。
図12Aは、図11Aに示すフーリエ変換後の反射波のピーク検出の結果を示すグラフであり、図12Bは、図11Bに示すフーリエ変換後の反射波のピーク検出の結果を示すグラフである。図12A、図12Bの横軸は周波数であり、縦軸は、フーリエ変換後の反射波の大きさを示している。また、図12A、図12Bでは、外乱その他の要因による反射波の変動を除外し、かつ、データを単純化するため、周波数が0.33Hz未満のデータと、1Hzを超えるデータを対象から除外している。つまり、ウエハWの反りに起因する反射波の変動を示す0.33Hzの周波数と、アーム部15bに起因する反射波の変動を示す1Hzの周波数を基準にして、ノイズを除去している。
次に、図13A、図13Bは、ウエハWの反りの判定を容易にするため、図12A、図12Bに示す反射波の検出ピーク値を、アーム部15bに起因する反射波のピーク値を基準にして規格化したデータ処理の結果を示している。図13Aは、図12Aに示す反射波のピーク値をデータ処理した結果を示すグラフである。図13Bは、図12Bに示す反射波のピーク値のデータ処理結果を示すグラフである。図13A、図13Bの横軸は周波数であり、縦軸は、反りの有無を「1」(反りあり)と「0」(反りなし)の2通りに区分して示している。すなわち、図13A、図13Bでは、図12A、図12Bに示す反射波の検出ピーク値を、アーム部15bに起因する反射波のピーク値で除算し、除算結果が1以下であれば「0」(反りなし)に区分し、1を超える場合は「1」(反りあり)と区分している。
図13Aと図13Bとの比較から、反射波の変動を参照することによって、回転するウエハWに発生した反りを確実に検知できることが確認できた。また、反りの検知に際し、アーム部15bに起因する反射波のピーク値を閾値として利用することによって、反りの判定を容易に行えることが確認できた。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、ウエハWの回転に伴って一定の周期で変動する物理的指標として、反りによって変動する反射波を例に挙げたが、上記物理的指標として、例えばウエハWの温度、処理容器2内の圧力などを利用してもよい。
また、上記実施の形態では、マイクロ波加熱処理装置(図1)以外に、ランプ方式の加熱処理装置(図9)にも、マイクロ波を導入し、その反射波を利用して反りの検知を行う本発明を適用できることを例示した。このように、ウエハWを回転させて処理を行う処理装置であれば、例えば、抵抗加熱方式でウエハWの加熱処理を行う処理装置や、例えば成膜、エッチング、酸化、窒化などを目的とする処理装置においても、同様に本発明を適用できる。また、ウエハWにプラズマ処理を行う処理装置であっても、処理容器内にプラズマを生成させていない状態であれば、同様に本発明を適用できる。
また、被処理体は、反りが発生する可能性がある基板であれば、半導体ウエハに限らず、例えば、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板などでもよい。
また、例えば、マイクロ波導入装置3におけるマイクロ波ユニット30の数(マグネトロン31の数)やマイクロ波導入ポート10の数は、上記実施の形態で説明した数に限られない。
1…マイクロ波加熱処理装置、2…処理容器、3…マイクロ波導入装置、4…支持装置、5…ガス供給機構、5a…ガス供給装置、6…排気装置、8…制御部、10…マイクロ波導入ポート、12…側壁部、14…シャフト、15…ホルダ、15a…ホルダ基部、15b…アーム部、16…支持ピン、17…回転駆動部、18…昇降駆動部、30…マイクロ波ユニット、31…マグネトロン、32…導波管、33…透過窓、34…サーキュレータ、35…検出器、36…チューナ、37…ダミーロード、40…高電圧電源部、121…反射波監視部、122…データ処理部、123…反り判定部、124…入出力制御部、W…半導体ウエハ

Claims (10)

  1. 被処理体を収容する処理容器と、
    前記処理容器内で前記被処理体を水平方向に回転可能に支持する支持装置と、
    前記支持装置によって支持された前記被処理体の回転に伴って一定の周期で変動する物理的指標を検出する検出部と、
    前記物理的指標の検出結果に基づき、前記被処理体の反りの発生の有無を判定する判定部と、
    を備えた処理装置。
  2. さらに、マイクロ波を生成して前記処理容器にマイクロ波を導入するマイクロ波導入装置を備え、
    前記マイクロ波導入装置は、前記処理容器内に導入された前記マイクロ波の反射波を検出する反射波検出器を有しており、
    前記物理的指標が前記反射波であり、前記検出部が前記反射波検出器である請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記処理容器は、前記マイクロ波を導入する複数のマイクロ波導入ポートを有しており、
    前記マイクロ波導入装置から、一つの前記マイクロ波導入ポートを介して前記処理容器内に導入された前記マイクロ波の反射波を、他の前記マイクロ波導入ポートを介して前記反射波検出器によって検出する請求項2に記載の処理装置。
  4. 前記マイクロ波によって、前記被処理体を加熱処理するマイクロ波加熱処理装置である請求項2又は3に記載の処理装置。
  5. 前記判定部は、前記物理的指標の測定値をフーリエ変換するとともに、得られた変換値から前記被処理体の反りに起因する部分を抽出し、前記反りの発生の有無を判定するものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の処理装置。
  6. 処理容器内において、被処理体を支持装置によって支持した状態で水平方向に回転させるステップと、
    前記支持装置に支持された前記被処理体の回転に伴って一定の周期で変動する物理的指標を検出するステップと、
    前記物理的指標の検出結果に基づき、前記被処理体の反りの発生の有無を判定するステップと、
    を備えた処理方法。
  7. 前記物理的指標が、前記処理容器内に導入されたマイクロ波の反射波である請求項6に記載の処理方法。
  8. 前記処理容器は、前記マイクロ波を導入する複数のマイクロ波導入ポートを有しており、
    一つの前記マイクロ波導入ポートを介して前記処理容器内に導入された前記マイクロ波の前記反射波を、他の前記マイクロ波導入ポートを介して検出する請求項7に記載の処理方法。
  9. 前記マイクロ波によって、前記被処理体を加熱処理する請求項7又は8に記載の処理方法。
  10. 前記判定するステップは、前記物理的指標の測定値をフーリエ変換するとともに、得られた変換値から前記被処理体の反りに起因する部分を抽出し、所定のしきい値と比較して前記反りの発生の有無を判定する請求項6乃至9のいずれか1項に記載の処理方法。
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