JP2016081016A - 光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来では記憶手段に記憶された位置に焦点を合わせる際にフォーカスレンズが自動で駆動するため、ユーザは望むようにその駆動を制御できない問題がある。【解決手段】本発明の一実施形態は、フォーカスレンズと、フォーカスレンズを駆動する駆動手段と、ユーザがフォーカスレンズを操作するための操作部材と、操作部材になされた操作を検出する操作検出手段と、フォーカスレンズの位置を検出するレンズ位置検出手段と、フォーカスレンズを駆動する目標位置を記憶する記憶部と、操作検出手段からの検出結果を受けて、駆動手段を介してフォーカスレンズを目標位置に向けて駆動し、レンズ位置検出手段からの検出結果に基づきフォーカスレンズが目標位置に到達したと判定した場合には、操作部材になされた操作によらずフォーカスレンズを停止させる制御部と、を備える光学装置を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の光学装置におけるフォーカスレンズの駆動制御の技術に関する。
従来より、ピント合わせの速度を自在に調節する目的からユーザが操作部材を手動操作することでフォーカスレンズを駆動し、撮影被写体に焦点を合わせる撮影手法(以下「マニュアルフォーカス」という。)が知られている。
特開2005−266658号公報
特許文献1は、予めセットした複数の目標位置に、特定の操作によって瞬時に焦点を合わせる技術を開示する。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、予めセットした目標位置に焦点を合わせる際にフォーカスレンズは自動で駆動し、ユーザの望み(焦点合わせの速度等)のとおりにフォーカスレンズを駆動することはできない問題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、1つ又は複数の被写体に対するピント合わせをユーザにより自在に調節できるようにすると共に、被写体への合焦精度も安定させる光学装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、フォーカスレンズと、フォーカスレンズを駆動する駆動手段と、ユーザがフォーカスレンズを操作するための操作部材と、操作部材になされた操作を検出する操作検出手段と、フォーカスレンズの位置を検出するレンズ位置検出手段と、フォーカスレンズを駆動する目標位置を記憶する記憶部と、操作検出手段からの検出結果に応じて、駆動手段を介してフォーカスレンズを目標位置に向けて駆動し、レンズ位置検出手段からの検出結果に基づきフォーカスレンズが目標位置に到達したと判定した場合には、操作部材になされた操作によらずフォーカスレンズを停止させる制御部と、を備える光学装置を提供する。
本発明の一実施形態に係る光学装置は、1つ又は複数の被写体に対するピント合わせをユーザにより自在に調節できると共に、合焦精度も安定させることを可能にする。
光学装置を示す中央断面図である。 第1実施形態のモード選択に係るフローチャートである。 第1実施形態の第1の制御モードに係るフローチャートである。 第1実施形態の第2の制御モードに係るフローチャートである。 第1実施形態の位置記憶モードに係るフローチャートである。 第1実施形態の表示法方法を説明する図である。 第1実施形態の動作を説明する図である。 第2実施形態の第2の制御モードに係るフローチャートである。
[第1実施形態]
図1〜図7を用いて、本発明の第1実施形態を説明する。図1は本実施形態に係る光学装置1の中央断面図である。光学装置1は、本実施形態ではデジタルカメラであるが、デジタルビデオカメラ等であってもよい。
図1に示すように、光学装置1は、カメラ本体13及び鏡筒14を備える。カメラ本体13には撮像素子15が設けられ、鏡筒14には撮影光学系12が保持されている。なお、本実施形態に係る光学装置1は、カメラ本体13と鏡筒14とが一体型の構成をとっているが、鏡筒14とカメラ本体13とが着脱可能なレンズ交換型の構成であってもよい。
撮影光学系12は、焦点調節用のフォーカスレンズ12aと、フォーカスレンズ12aを撮影光軸11に沿って駆動させるモーター12bとを有する。モーター12bは、本実施形態によるところの駆動手段である。撮影光学系12からの被写体光束は、撮像素子15にて結像されるよう構成されている。
鏡筒14の外側には操作部材14aが設けられ、鏡筒14内には操作検出手段14b及びCPU115がさらに設けられている。なお、CPU115は、カメラ本体13内に設けられていてもよい。
操作部材14aは、撮影光軸11を回転中心として双方向に回転操作可能なリング部材で構成され、ユーザにより操作される。操作検出手段14bは、ユーザにより操作部材14aになされた操作(操作方向、操作量、操作速度等)を検出し、検出結果をCPU115に出力する。
CPU115に内蔵された第1の制御部14cは、操作検出手段14bからの検出結果に基づいて、モーター12bを介してフォーカスレンズ12aの駆動を制御する。第1の制御部14cは、所定のプログラムに従いCPU115により実現される機能部として構成してもよいし、当該機能を実現するハードウェアにより構成してもよい。
光学装置1は、焦点状態検出手段16、ミラー17及びシャッター18をさらに備える。焦点状態検出手段16は、撮像素子15の信号から焦点状態(被写体に対する焦点の状態)を検出する機能を有する。焦点状態検出手段16が焦点状態を検出する際には、ミラー17が撮影光束の外に退避し、シャッター18が開口することで、被写体側から入射された光は撮像素子15に到達する。焦点状態検出手段16は、異なる瞳から入射された光束間の位相差信号を用いた位相差方式の焦点状態検出技術を採用している。なお、焦点状態検出手段16は、位相差方式の焦点状態検出技術の代わりに、コントラスト方式のものを採用してもよい。
CPU115には焦点調節部19がさらに内蔵され、焦点調節部19は、焦点状態検出手段16の検出結果に基づいて、第1の制御部14c及びモーター12bを介してフォーカスレンズ12aの駆動を制御する。焦点調節部19は、所定のプログラムに従いCPU115により実現される機能部として構成してもよいし、当該機能を実現するハードウェアにより構成してもよい。
光学装置1は、レンズ位置検出手段110をさらに備える。レンズ位置検出手段110は、モーター12bの回転数及び回転方向を検出し、それを基にフォーカスレンズ12aの位置の検出結果をCPU115に出力する。
光学装置1は、モード設定手段111をさらに備え、モード設定手段111は、後述する第1の制御モード、第2の制御モード及び位置記憶モードを切り替えるスイッチであり、ユーザにより操作される。CPU115に内蔵された記憶部112は、CPU115に形成された記憶素子であり、レンズ位置検出手段110からの検出結果に基づいて求められたフォーカスレンズ12aの位置を記憶する。
CPU115には第2の制御部113がさらに内蔵され、第2の制御部113は、記憶部112に記憶されたフォーカスレンズ12aの目標位置に向かって第1の制御部14cとは独立にモーター12bを制御する。第2の制御部113は、所定のプログラムに従いCPU115により実現される機能部として構成してもよいし、当該機能を実現するハードウェアにより構成してもよい。また、第2の制御部113を単に制御部ともいう。
カメラ本体13には液晶モニター等で構成される表示部114が備えつけられ、表示部114は、被写体の画像に加えて、レンズ位置検出手段110及び記憶部112から出力されたフォーカスレンズ12aの位置に関する情報等を表示する。
前述のとおり、CPU115には第1の制御部14c、第2の制御部113、記憶部112及び焦点調節部19が内蔵されているが、これらの全部又は一部をCPU115とは別の構成要素として設けるようにしてもよい。
次に、フォーカスレンズ12aの駆動に関する第1及び第2の制御モードについて説明する。第1の制御モードにおいては、第1の制御部14cが、操作検出手段14bによる操作部材14aの操作量(回転量)と操作方向(回転方向)の検出結果に基づき、モーター12bを介してフォーカスレンズ12aの駆動を制御する。即ち、第1の制御モードは、通常のマニュアルフォーカスのモードである。
第2の制御モードにおいては、第2の制御部113が、操作検出手段14bによる操作部材14aの操作量と操作方向の検出結果に基づき、モーター12bを介してフォーカスレンズ12aの駆動を制御する。そして、フォーカスレンズ12aの駆動中にレンズ位置検出手段110の検出結果が記憶部112に記憶したフォーカスレンズ12aの目標位置と一致すると、第2の制御部113は、モーター12bを停止させ、フォーカスレンズ12aの動きを停止させる。
さらに、第2の制御モードにおいて、ユーザが操作部材14aに所定の解除操作を行うと、第2の制御部113は、操作検出手段14b及びレンズ位置検出手段110の検出結果に基づき、次の目標位置に向かって駆動信号を発生しモーター12bに出力する。ここで、当該所定の解除操作は、操作部材14aに所定の値以上の操作量がなされたことや、操作部材14aになされた操作方向が反転されたこと、又は操作部材14aに対する操作が所定の時間以上なされないこと、のいずれか1つ又は複数である。次の目標位置への駆動中に、レンズ位置検出手段110の検出結果が記憶部112に記憶されたフォーカスレンズ12aの当該次の目標位置と一致すると、第2の制御部113は、モーター12bを停止させ、フォーカスレンズ12aの動きを停止させる。
次に、位置記憶モードについて説明する。位置記憶モードは、第2の制御モードにおける目標位置を記憶部112に記憶させるためのモードである。位置記憶モードにおいて、操作部材14a上に配置されたスイッチ(不図示)が矢印14d方向に操作されると信号出力し、その時点におけるフォーカスレンズ12aの位置が記憶部112に記憶される。なお、記憶部112に記憶されるフォーカスレンズ12aの位置については、当該スイッチが矢印14d方向に操作されるたびに、その時点におけるフォーカスレンズ12aの位置が記憶されていく。
また、当該スイッチが矢印14e方向に操作されることでそれまでに記憶されたレンズ位置情報がリセット(記憶部112から削除)される。なお、当該スイッチの操作の方向14d、14eはこれに限定されるものではなく、記憶やリセットのためのスイッチを別途設けるようにしてもよい。また、カメラ本体13や表示部114の画面上に、当該記憶やリセットのためのスイッチを設けるようにしてもよい。
位置記憶モードにおいて記憶されたフォーカスレンズ12aの位置は、第2の制御モードにおけるフォーカスレンズ12aを駆動する際の目標位置となる。
図2〜5を基に、本発明の本実施形態に係る光学装置1の動作について説明する。まず図2は、第1及び第2の制御モード並びに位置記憶モードの選択動作を説明するフローチャートである。
ユーザがモード設定手段111を操作すると、ステップS201で、モード設定手段111からユーザによる操作を示す信号がCPU115に出力され、CPU115は、モード設定手段111の操作を検出する。ステップS202で、CPU115は、モード設定手段111からの信号を基に、第1の制御モードが選択されたか否かを判定する。第1の制御モードが選択された場合(S202でYES)、ステップS203で、CPU115は、第1の制御モードを開始する。
第1の制御モードが選択されていない場合(S202でNO)、ステップS204で、CPU115は、第2の制御モードが選択されたか否かを判定する。第2の制御モードが選択された場合(S204でYES)、ステップS205で、CPU115は、第2の制御モードを開始する。
第2の制御モードが選択されていない場合(S204でNO)、ステップS206で、CPU115は、位置記憶モードを開始する。
図3は、第1の制御モードの動作を説明するフローチャートである。ステップS301で、操作検出手段14bは、操作部材14aが操作されたか否かを判定する。操作部材14aが操作されると(S301でYES)、図3は、第1の制御モードの動作を説明するフローチャートである。ステップS301で、操作検出手段14bは、操作部材14aが操作されたか否かを判定する。操作部材14aが操作されると(S301でYES)、ステップS302で、操作検出手段14bは、操作部材14aの操作量と操作方向を検出する。
ステップS303で、ステップS302にて検出された操作部材14aの操作量と操作方向の検出結果に基づき、第1の制御部14cは、モーター12bを介してフォーカスレンズ12aを駆動する。このとき、操作検出手段14bが操作部材14aの単位時間あたりの操作量(操作速度)を検出し、その量に基づき第1の制御部14cは、フォーカスレンズ12aの駆動速度を変化させるようにしてもよい。これにより、ユーザの操作性を向上させることができる。
ユーザにより操作部材14aの操作が連続的に行われている間はステップS301〜S303の処理がループすることになる。このステップS301〜S303の処理のループは通常のマニュアルフォーカスの処理を表している。そして、ユーザが操作部材14aの連続操作を止めた時点で、ステップS301からENDに進みフローは終了する。
ユーザにより操作部材14aの操作が連続的に行われている間はステップS301〜S303の処理がループすることになる。このステップS301〜S303の処理のループは通常のマニュアルフォーカスの処理を表している。そして、ユーザが操作部材14aの連続操作を止めた時点で、ステップS301からENDに進みフローは終了する。
図4は、第2の制御モードの動作を説明するフローチャートである。ステップS401で、操作検出手段14bは、操作部材14aが操作されたか否かを判定する。操作部材14aが操作されると(S401でYES)、ステップS401で、操作検出手段14bは、操作部材14aが操作されたか否かを判定する。操作部材14aが操作されると(S401でYES)、ステップS402で、操作検出手段14bは、操作部材14aの操作量と操作方向を検出する。
ステップS403で、ステップS402にて検出された操作部材14aの操作量と操作方向の検出結果に基づき、第2の制御部113は、モーター12bを介してフォーカスレンズ12aを駆動する。このとき、第2の制御部113は、操作部材14aの単位時間当たりの操作量(即ち、操作速度)に応じて、モーター12bを介してフォーカスレンズ12aの駆動の速度を変化させるようにしてもよい。
ステップS404で、第2の制御部113は、記憶部112に記憶された目標位置を読み出し、それをレンズ位置検出手段110から出力された現在位置と比較し、比較結果δを算出する。比較結果δは、目標位置と現在位置との差(又は比)である。なお、目標位置と現在位置の単位として、例えば、撮影光軸11上で撮像素子15からフォーカスレンズ12aの中心までの距離(m)としてもよいし、操作部材14aの操作量(回転数)としてもよい。
ステップS405で、第2の制御部113は、ステップS404で算出した比較結果δが所定の範囲内にあるかどうか判定する。比較結果δが所定の範囲内の場合(S405でYES)、ステップS406で、第2の制御部113は、ユーザによる操作部材14aの操作量に関わらず、フォーカスレンズ12aの駆動を停止させる。ここで、当該所定の範囲が0又はほぼ0の場合には、フォーカスレンズ12aが目標位置に到達した瞬間に停止させるようにしてもよい。他方、当該所定の範囲がある値の場合には、以下に述べるように、目標位置から所定の範囲内にフォーカスレンズ12aが入った後に、その駆動速度が減速され、目標位置で停止するようにしてもよい。比較結果δが所定の範囲内にない場合(S405でNO)、フローはステップS401に戻る。
つまり、ステップS406において、第2の制御部113は、フォーカスレンズ12aの駆動を停止する直前に、緩やかにフォーカスレンズ12aの作動を減速させるようにしてもよい。例えば、フォーカスレンズ12aの駆動速度の敏感度として、比較結果δが当該所定の範囲内に無ければ、ユーザによる操作部材14aの操作速度をωとすると、フォーカスレンズ12aの駆動速度は、ωに比例した速度に設定される。また、比較結果δが当該所定の範囲内にある場合には、フォーカスレンズ12aの駆動速度は、ω及びδの積に比例した速度に設定される。即ち、比較結果δの値が小さくなるほどフォーカスレンズ12aの駆動速度は低下する。これにより、第2の制御モードにおいて、フォーカスレンズ12aが目標位置に近づくとともに、フォーカスレンズ12aの駆動速度が減速され、フォーカスレンズ12aは、駆動を停止する直前にゆるやかに減速される。
ステップS407で、第2の制御部113は、操作部材14aからの信号を基に、駆動停止の解除操作がユーザによりなされたか否かを判定する。ここで、駆動停止の解除操作として、第2の制御部113は、操作部材14aに所定量以上の操作が行われたことを検出すると、駆動停止の解除操作がなされたと判定してもよい。また、第2の制御部113は、操作部材14aの操作方向が反転させたことを検出すると、又は操作部材14aを所定時間以上操作されないことを検出すると、駆動停止の解除操作がなされたと判定してもよい。
第2の制御部113は、駆動停止の解除操作が行われたと判定すると(S407でYES)、ステップS408で、フォーカスレンズ12aの駆動停止を解除する。その後、ステップS401に戻り、記憶部12に次の目標位置が記憶されている場合には、次の目標位置への合焦に向けてステップS401〜S408が繰り返される。目標位置がそれ以上無ければ、フローは終了する。
図5は、位置記憶モードの動作を説明するフローチャートである。ステップS501で、第1の制御部14cは、位置記憶モード中に、ユーザにより操作部材14aが操作され、被写体に焦点を合わせようとする操作(合焦操作)が行われたか否かを判定する。合焦操作が行われた場合(S501でYES)、ステップS502で、第1の制御部14cは、ユーザによる操作部材14aの操作方向及び操作量に応じて、モーター12bを介してフォーカスレンズ12aを駆動し、合焦位置へ向けて移動させる。合焦操作が行われていない場合(S501でNO)、フローはステップS505に進む。
ステップS503で、第1の制御部14cは、操作部材14aに設けられた前述のスイッチがユーザにより所定の方向(矢印14dの方向)に操作されたか否かを判定する。即ち、第1の制御部14cは、ユーザによりフォーカスレンズ14aの位置の記憶操作が行われたか否かを判定する。フォーカスレンズ14aの位置の記憶操作が行われればステップS504に進み、行われなければステップS505に進む。
ステップS504で、フォーカスレンズ位置検出手段110の検出結果に基づき、記憶部112は、フォーカスレンズ14aの位置を記憶する。その後、フローは、ステップS501へ戻る。
このように、ステップS501〜S504の処理が繰り返し行われることにより、ユーザは、1つ又は複数の合焦位置を記憶部112に記憶させておくことができる。ステップS501〜S504で記憶された1つ又は複数の合焦位置が第2の制御モードにおける目標位置となる。
ステップS505で、第1の制御部14cは、操作部材14a上に設けられた前述のスイッチが所定の方向(矢印14eの方向)に操作されたか否かを判定する。即ち、第1の制御部14cは、ユーザによりフォーカスレンズ14aの位置の記憶を削除する操作が行われたか否かを判定する。当該操作が行われると(S505でYES)、ステップS506で、第1の制御部14cは、記憶部12に記憶された合焦位置(目標位置)を削除(リセット)する。
以上説明したように、本実施形態に係る光学装置1により、ユーザは、ユーザの意図する速度でフォーカスレンズ12aを駆動して、対象となる1つの被写体に又は複数の被写体に順に、確実にピントを合わせることが可能となる。
図6は、表示部114に表示される撮影構図であり、図4のS401〜S406の処理をより詳細に説明するための図である。
図6では、構図のフレーム枠61、1つ目の記憶位置に位置する被写体62、2つ目の記憶位置に位置する被写体63が表示されている。また、フォーカスレンズ位置に対応した指標として、被写体62にピントを合わせた時のフォーカスレンズ位置の指標64、被写体63にピントを合わせた時のフォーカスレンズ位置の指標65、及び現在のフォーカスレンズ位置の指標66が表示されている。
この例では、ユーザが操作部材14aを操作すると、図6に示す矢印67の方向に、指標66が移動する。このとき、表示部114は、指標64および指標65がフレーム枠61内で出来るだけ離れる様に表示を制御する。これは被写体62と被写体63との間隔が狭い場合でも、ユーザにとってフォーカスレンズ12aの動作(指標66の動き)を表示部114上で見やすくする為である。
ユーザは指標64及び65を見ながら所望の速度で操作部材14aを操作することができる。ユーザが被写体62にピントを合わせるように操作部材14aを操作すると、指標66は、指標64に近づいていく。指標66が指標64の所定の範囲内に近づくと、第1の制御部14cは、モーター12bを介してフォーカスレンズ14aの駆動速度を減速させる。そして、指標66と指標64とが同じ位置になった(重なった)時点で、第1の制御部14cは、モーター12bの駆動を停止させ、フォーカスレンズ12aの駆動を停止させる。
図7は、フォーカスレンズ12aの位置と操作部材14aの操作量との関係を示す図であり、図4のステップS401〜S408におけるフォーカスレンズ12aの動きの一例をグラフで示した図である。図7の縦軸はフォーカスレンズ12aの位置を示し、横軸は操作部材14aの操作量を示している。
ここで、矢印71は、操作部材14aの操作量に伴うフォーカスレンズ12aの位置の変化を示し、ユーザによる操作部材14aの操作を基に駆動するフォーカスレンズ12aの位置の変化を示す波形である。また、位置72は、記憶部112に記憶された、被写体にピントが合わさった時のフォーカスレンズ12aの合焦位置(即ち、目標位置)であり、操作量73は、目標位置に到達するまでの操作部材14aの操作量である。操作量74は、フォーカスレンズ12aが目標位置に到達しても、ユーザが継続して操作部材14aを操作し続けた時の操作量である。
図7から分かるように、フォーカスレンズ12aが目標位置72に到達すると、ユーザが操作部材14aを操作量73から操作量74までの間継続して操作しても、フォーカスレンズ12aは停止したままである。この操作量のずれは、前述したように表示部114上の指標66で示されるレンズ位置検出手段110の出力と、記憶部112が記憶する被写体にピントを合わせた時のレンズ位置検出手段110の出力の微小な偏差によるものである。
このとき、ユーザが実際には操作部材14aの操作を継続したとしても、フォーカスレンズ12aは目標位置72で停止したままであるため、確実に合焦した状態で撮影が行われることになる。
なお、第1の制御モードにおいては、破線の矢印75で示すように、ユーザが操作量73から操作量74の間操作部材14aの操作を続けると、それに伴い位置76までフォーカスレンズ12aは駆動を続けることになる。
なお、第1の制御モードにおいて、操作部材14aの操作を操作量73で止めるように、厳密にすることで、目標位置72にフォーカスレンズ12aを停止させることは可能である。
しかし、その為にはユーザは熟練を要するとともに操作部材14aの操作量とフォーカスレンズ12aの温度、経時、ガタなどの誤差も十分に小さくしておく必要があり、これはユーザにとって容易なことではない。
これに対し本実施形態に係る光学装置1では、撮影毎の被写体に対する合焦状態とフォーカスレンズ12aの位置とを関連付けて記憶部112に記憶させておくことができる。そして、第2の制御モードにおいて、操作部材14aは、フォーカスレンズ12aの位置を決める為よりもむしろ、フォーカスレンズ12aの駆動速度と駆動方向を決める為に用いられる。そのため、ユーザは、操作部材14aの操作量とフォーカスレンズ12aの位置との関係に多くの注意を払う必要がない。また、上記合焦状態とフォーカスレンズ12aの位置との関連付けを撮影毎に行うことができるため、温度や経時による誤差の発生を低減することができる。
次に、第2の制御モードにおいて、記憶部112に複数の目標位置が記憶されている場合、フォーカスレンズ12aが最初の目標位置72に到達した後に、ユーザにより所定の解除操作が行われると、フォーカスレンズ12aの駆動停止の状態が解除される。そして、フォーカスレンズ12aは次の目標位置78に向かって駆動される(矢印77)。フォーカスレンズ12aが次の目標位置78に到達すると、そのままユーザが操作量79から操作量710までの間操作部材14aの操作を継続しても、フォーカスレンズ12aは合焦状態で停止したままである。このように、第2の制御モードにおいて、記憶した複数の目標位置に従って、確実に合焦した状態で撮影が行われることが可能となる。
以上説明したように本実施形態に係る光学装置1により、ピント合わせ(合焦)の速度を自在に調節できると共に、複数の被写体に対する合焦精度も安定させることが可能となる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る光学装置1は、第1実施形態に係る光学装置1のCPU115にさらに方向指定部116が内蔵されている。方向指定部116は、レンズ位置検出手段110からフォーカスレンズ12aの現在位置を入力し、現在位置から記憶部112に記憶された目標位置に向かってフォーカスレンズ12aを駆動する方向を指定する。方向指定部116は、所定のプログラムに従いCPU115により実現される機能部として構成してもよいし、当該機能を実現するハードウェアにより構成してもよい。また、方向指定部116は、記憶部112の一部であってもよく、つまり、記憶部112に目標位置への方向を記憶させておいて本実施形態でその情報を用いてもよい。
方向指定部116があることにより、ユーザが操作部材14aをいずれの方向に操作しても、第2の制御部113は、方向指定部116により指定された駆動の方向を基に、目標位置に向かってフォーカスレンズ12aを駆動させる。
また、第1実施形態では、ユーザによる操作部材14aの操作方向に基づいて、フォーカスレンズ12aの駆動方向が設定されていた。しかし、第2の制御モードでは、フォーカスレンズ12aの駆動方向は、その現在位置から記憶部112に記憶された目標位置に向かう方向に限定される。そのため、方向指定部116は、ユーザによる操作部材14aの操作方向によらず、フォーカスレンズ12aの駆動方向を指定し、第2の制御部113に指示する。即ち、ユーザは、フォーカスレンズ12aの駆動速度を操作部材14aで設定するだけでよく、操作部材14aの操作方向を間違えたとしても、撮影を順調に行うことができる。
図8は、本実施形態に係る第2の制御モードを説明するフローチャートである。図4のフローと同じ処理を行うステップには同一符号が付され、それらの説明は省略する。
ステップS801で、方向指定部116は、位置記憶モードにおいて記憶部112に記憶されたフォーカスレンズ12aの目標位置に向かってフォーカスレンズ12aを駆動する駆動方向を指定し、第2の制御部113に指示する。次のステップS401で、ユーザによる操作部材14aの操作方向によらず、フォーカスレンズ12aは記憶部112に記憶された目標位置に向かって駆動される。なお、ステップS408を終了すると、フローはS801に戻る。
このように、本実施形態に係る光学装置1では、第2の制御モードにおいて、第2の制御の操作方向によらず、フォーカスレンズ12aを記憶部112に記憶された目標位置に向かって駆動することができる。そして第1実施形態の場合と同様に、レンズ位置検出手段110からの出力(現在位置)と記憶部112に記憶するフォーカスレンズ位置の出力(目標位置)の偏差に従って、第2の制御部113は、フォーカスレンズ12aの駆動を制御する。
以上、本実施形態の光学装置1は、目標位置に向けてユーザが意図した速度でフォーカスレンズ12aを駆動し、ピント合わせミス等の操作ミスをすることなく、対象となる1つの被写体又は複数の被写体に順に、確実にピントを合わせることを可能にする。
11 撮影光軸
12 撮影光学系
12a フォーカスレンズ
12b 駆動手段(モーター)
13 カメラ本体
14 鏡筒
14a 操作部材
14b 操作検出手段
14c 第1の制御部
16 焦点状態検出手段
110 レンズ位置検出手段
111 モード設定手段
112 記憶部
113 第2の制御部(制御部)
114 表示部
115 CPU
116 方向指定部

Claims (6)

  1. フォーカスレンズと、
    前記フォーカスレンズを駆動する駆動手段と、
    ユーザが前記フォーカスレンズを操作するための操作部材と、
    前記操作部材になされた操作を検出する操作検出手段と、
    前記フォーカスレンズの位置を検出するレンズ位置検出手段と、
    前記フォーカスレンズを駆動する目標位置を記憶する記憶部と、
    前記操作検出手段からの検出結果に応じて、前記駆動手段を介して前記フォーカスレンズを前記目標位置に向けて駆動し、前記レンズ位置検出手段からの検出結果に基づき前記フォーカスレンズが前記目標位置に到達したと判定した場合には、前記操作部材になされた操作によらず前記フォーカスレンズを停止させる制御部と、
    を備える光学装置。
  2. 前記目標位置は、第1及び第2の目標位置を含み、
    前記制御部は、前記第1の目標位置に前記フォーカスレンズを停止させた後に、前記操作検出手段から所定の解除操作に係る検出結果を受けると、前記駆動手段を介して前記フォーカスレンズを前記第2の目標位置に向けて駆動し、前記レンズ位置検出手段からの検出結果に基づき前記フォーカスレンズが前記第2の目標位置に到達したと判定した場合には、前記操作部材になされた操作によらず前記フォーカスレンズを停止させる、請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記所定の解除操作は、
    前記操作部材に所定の値以上の操作量がなされたこと、
    前記操作部材になされた操作方向が反転されたこと、及び
    前記操作部材に対する操作が所定の時間以上なされないこと、
    のうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記レンズ位置検出手段からの検出結果から、前記目標位置に向かって前記フォーカスレンズを駆動する方向を指定する方向指定部をさらに備え、
    前記制御部は、前記操作部材になされた操作方向によらず、前記方向指定部により指定された方向を基に、前記目標位置に向かって前記フォーカスレンズを駆動する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学装置。
  5. 前記制御部は、前記操作検出手段により検出された前記操作部材の操作速度に応じて、前記駆動手段を介して前記フォーカスレンズの駆動の速度を変化させる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学装置。
  6. 前記光学装置は、被写体に対する焦点状態を検出する焦点状態検出手段をさらに備え、
    前記記憶部は、前記焦点状態検出手段からの検出結果に基づき、前記目標位置を記憶する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学装置。
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