JP2016080734A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】機器本体と当該機器本体に対してヒンジ機構により開閉及び回転可能に連結された可動部を有し、その可動状態に応じた制御を良好に行うことができると共に、機器本体の主たる発熱部であるCPUから発せられた熱を効率良く主構造体であるメインシャーシを介して外装へ放熱する電子機器を提供すること。
【解決手段】可動部には、第1のマグネットと、第2のマグネットとが設けられていて、機器本体には、第1の磁気センサーと、第2の磁気センサーとが設けられていて、第1の磁気センサー及び第2の磁気センサーの出力信号に基づいて、可動部の機器本体に対する可動状態に応じた制御を行う。また、熱伝導性の良い高強度でかつ安価な磁性体のメインシャーシを用いて、メインシャーシの第1の磁気センサー近傍付近に、センサー中心に対し略対象形状の開口を設け、マグネットの磁場を誘導し磁場の乱れが発生しないようにした。
【選択図】図7
【解決手段】可動部には、第1のマグネットと、第2のマグネットとが設けられていて、機器本体には、第1の磁気センサーと、第2の磁気センサーとが設けられていて、第1の磁気センサー及び第2の磁気センサーの出力信号に基づいて、可動部の機器本体に対する可動状態に応じた制御を行う。また、熱伝導性の良い高強度でかつ安価な磁性体のメインシャーシを用いて、メインシャーシの第1の磁気センサー近傍付近に、センサー中心に対し略対象形状の開口を設け、マグネットの磁場を誘導し磁場の乱れが発生しないようにした。
【選択図】図7
Description
本発明は、ヒンジ機構により可動部が機器本体に対して開閉及び回転可能に支持される電子機器に関する。
デジタルカメラやビデオカメラ等の電子機器では、液晶ディスプレイ等の表示部を有する表示ユニットを機器本体に対して開閉可能に支持し、また、表示ユニットを開状態で回転可能に支持することで、様々な角度での撮影を容易に行うことを可能にしている。また、このような電子機器は、表示ユニットの開閉状態及び回転状態によって、表示部に表示される画像を上下、左右に反転するなどの表示の切り替えや点灯及び消灯を行い、操作者に違和感が無いようにしている。
また、近年では、機器本体に対する表示ユニットの開閉状態の検出は、非接触で省スペース化等が可能なことから、マグネット及び磁気センサーを用いて行われている。特許文献1では、操作筺体と表示筺体とが連結部により連結された携帯情報端末において、操作筺体と表示筺体のそれぞれに磁気センサーを設けるとともに連結部であるヒンジ部にマグネット設けている。そして、操作筺体に設けられた磁気センサー及び表示筺体に設けられた磁気センサーのそれぞれの出力信号に基づいてCPUにより操作筺体に対する表示筺体の開閉状態及び回転状態を識別している。
しかしながら、特許文献1では、磁気センサーを操作筺体側だけでなく、表示筺体側にも配置しているため、磁気センサーの出力信号を伝えるために、CPUが設けられている筺体へ他方の筺体からの電気配線が必要になる。通常、連結部で連結された2つの筺体間の配線は、連結部内をFPC(フレキシブルプリント基板)、ディスクリート線、細線同軸線等を挿通させて行う。そのため、配線本数が増えるとそれだけ連結部内を挿通させる空間が必要となり、ヒンジ部が大型化してしまい、機器全体が大型化してしまうという問題がある。
また、機器本体の主構造体である金属からなるシャーシは、一般的に機器の強度を確保する為に高剛性すなわち引張り強さの高い材料を用いるのが望ましい。また、マグネット及び磁気センサーの組み合わせで磁気検知をする場合シャーシは、マグネットの磁場を乱さない為に非磁性もしくは透磁率低い材料を用いるのが望ましい。一方近年の機器の高性能化に伴い、機器の消費電力が飛躍的にアップし、熱源である電子部品から機器の外装面への熱伝達経路を効率良く確保しないと、機器の故障や、機器の局所的な高温化によりユーザーの低温やけどにつながる恐れもある。
機器の局部的な昇温を避けるためには、熱伝導率の高いシャーシ材料を用い上手に機器外装に伝え放熱するのが望ましい。しかしながら、高剛性、非磁性、高熱伝導率の全てを満たす金属材料は高価であり、加工も限定されてしまうことが多く、形状の自由度が低下する。比較的高強度、かつ熱伝導率が比較的良く、安価な材料として高強度鋼板が挙げられるが、磁性体でるため磁場が乱れるという問題があった。一方ステンレス鋼板は高強度で非磁性であり比較的安価であるものの、熱伝導率が低く、機器が発生する熱を効率よく放熱出来ないという問題があった。
そこで、本発明は、機器本体と当該機器本体に対してヒンジ機構により開閉及び回転可能に連結された可動部との配線本数を増やすことなく、安価な構成で可動部の可動状態に応じた制御を良好に行うことができること。そして、機器本体の主構造である金属から成るシャーシに磁性体である高強度鋼板を用いても、磁場の乱れによる検出ミスの無い、磁気検知構成を有する電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ヒンジ部により機器本体に対して開閉及び回転可能に連結された可動部を有する電子機器であって、前記可動部は、前記ヒンジ部近傍に配置される第1の磁場発生手段と、当該可動部を前記機器本体に対して回転させるときの回転軸を挟んで、前記第1の磁場発生手段と略対称な位置に配置される第2の磁場発生手段と、を有し、前記機器本体は、前記可動部を当該機器本体に対して閉じた状態において、前記第1の磁場発生手段及び前記第2の磁場発生手段のいずれか一方と対向する位置に配置される第1の磁場検出手段(開閉検出)と、前記可動部を当該機器本体に対して開閉させるときの開閉軸の近傍に配置される第2の磁場検出手段(回転検出)と、前記第1の磁場検出手段及び前記第2の磁場検出手段の出力信号に基づいて、前記可動部の当該機器本体に対する可動状態に応じた制御を行う制御手段とを有する電子機器において、前記第1の磁場検出手段は前記第1および第2の磁場発生手段から発生する前記開閉軸と直交する方向の磁場成分を検出し、前記第2の磁場検出手段は前記第1および第2の磁場発生手段から発生する前記開閉軸と平行な磁場成分を検出し、機器本体の主構造体となるシャーシは磁性体からなっており、前記第1および第2の磁場発生手段と前記シャーシの間に挟まれる位置に第1の磁場検出手段(開閉センサー)を配置したことを特徴とする。
本発明によれば、機器本体と当該機器本体に対してヒンジ機構により開閉及び回転可能に連結された可動部との配線本数を増やすことなく、安価な構成で可動部の可動状態に応じた制御を良好に行うことができる。また、機器本体の主構造である金属から成るシャーシに磁性体である高強度鋼板を用いても、磁場の乱れによる検出ミスの無い、磁気検知構成を有する電子機器を提供することができる。さらに、シャーシ材料に比較的熱伝導率の高い高強度鋼板を用いる事で、機器内の熱伝達を効率的にし、別途放熱板等を用意しなくても、放熱性の良い機器構成の電子機器を提供する事が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る電子機器の実施形態であるデジタルカメラの背面側(撮影者側)の外観斜視図である。
図1において、1はカメラ本体(機器本体)、2は後述するヒンジ部によりカメラ本体に対して開閉及び回転可能に支持される表示ユニット(可動部)であり、2aは撮影画像及び再生画像を表示する表示部(例えば液晶ディスプレイ)である。なお、表示部2aには、シャッター速度や絞り値といった撮影条件・撮影枚数及び、メニュー等も表示可能である。21は本体電源をオンまたはオフする本体電源スイッチである。22はレリーズスイッチ、23は各種操作を行う操作釦群である。
カメラ本体1の前面にはCCDなどの撮像素子を含む撮影光学系が配置され、光軸方向より入光した被写体像を、撮影光学系により撮像素子に結像されるよう構成されている。撮影モード時には、表示部2aに撮像素子に結像された被写体像に基づく撮影画像(ライブビュー画像またはスルー画像ともいう)を逐次表示させることが可能である。
そして、撮影者が任意のタイミングでレリーズスイッチ22を押下すると、撮像素子により撮像された画像データは、各種画像処理が行われ、記憶部へ記憶される。再生モード時には、記憶された画像データを読み出し、表示部2aに画像や情報を表示させるように制御される。また、24はビューファインダーであり、本体電源がオンの状態で表示部2aを消灯させている際にライブビュー画像等を表示することで、撮影者が覗いて被写体や構図を確認することができるように構成されている。
次に、カメラ本体1に設けられた2つ磁気センサー及び表示ユニット2に設けられた2つのマグネットの配置例について説明する。
図1に示したデジタルカメラは、表示ユニット2が表示部2aを内向きにして、カメラ本体1に対し開閉軸C1を中心として、約180°開いた状態である(後述の図3(c)の状態と同じ)。8はカメラ本体1と表示ユニット2とを連結するヒンジ部であり、カメラ本体1に対し表示ユニット2が開閉及び回転可能に動作できるよう、開閉軸C1及び回転軸C2の2軸のヒンジ機構からなっている。なお、開閉軸C1及び回転軸C2は互いに直交している。
6aはカメラ本体1内に配置された第1の磁気センサー(第1の磁場検出手段)であり、カメラ本体1に対する表示ユニット2の開閉検出に用いる。なお、第1の磁気センサー6aは、表示部2aを内向きにして表示ユニット2をカメラ本体1に対して閉じた状態(後述の図3(c)の状態)において、マグネット5aと略対向する位置に配置される。詳細の位置関係については後述する。6bはカメラ本体1内に配置された第2磁気センサー(第2の磁場検出手段)であり、開閉軸C1に貫かれるように開閉軸上に配置され、カメラ本体1に対する表示ユニット2の回転検出に用いる。
また、詳細は後述するが、第1の磁気センサーは開閉軸C1と直交する方向の磁場を、第2の磁気センサーは開閉軸C1と平行な方向の磁場を検出するようにカメラ本体1のヒンジ部8近傍に配置されている。
5a及び5bは同形状でかつ同じ磁力を持つマグネット(第1の磁場発生手段、第2の磁場発生手段)であり、直方体形状の磁石片からなる。マグネット5aと5bは回転軸C2を挟んで略対称となるように表示ユニット2内のヒンジ部8近傍に配置されている。また、マグネット5a及び5bは開閉軸C1と略平行方向の磁場を発生するように、図1の状態でカメラ本体1の上方側がN極、下方側がS極となるように配置している。言い換えれば、マグネット5a及び5bのN極とS極の臨界面が開閉軸C1と略直交している。
表示ユニット2は樹脂からなる前ケース2bとアルミ部材からなる後ケース2cとからなり、どちらも非磁性の性質を有している。マグネット5a及び5bは前ケース2bに設けられた凹部(不図示)に位置決め精度良く挿入され接着剤により固定され、後ケース2cが覆うことにより抜け落ちないよう構成されている。このため、表示ユニット2が開閉や回転するとマグネット5a及び5bも連動して移動する。また、前ケース2bに設けられた凸部(不図示)がヒンジ部8の構成部材の凹部(後述)に精度良く係合し、ネジにより固定され、表示部2a及びマグネット5a、5bを含む表示ユニット2は一体的に開閉及び回転動作する。
次に図2を参照して、本実施形態のデジタルカメラを底面及び側面から見た、カメラ本体1に対する表示ユニット2の可動可能範囲を説明する。図2(a)はカメラ本体1を底面側から見た外観図である。前述したように表示ユニット2は開閉軸C1を中心に0°〜約180°まで回転させることができる。図2(b)は図2(a)にて表示部2を開閉軸C1を中心に約180°まで回転させた状態の側面図である。図2(b)の状態から更に、回転軸C2を中心に表示ユニット2を約−90°から約+180°まで回転させることができる。なお、本実施形態では、図2(b)に示した状態において、回転軸C2を中心として表示ユニット2を反時計回りに回転させることを+側に回転させるとし、時計回りに回転させることを−側に回転させるとする。
次に、図3及び図4を参照して、カメラ本体1に対する表示部2の可動状態を説明する。図3及び図4に示すように、本実施形態のデジタルカメラは、カメラ本体1の背面に表示部2aを有する表示ユニット2がヒンジ機構の開閉軸C1を中心に0°〜約180°の範囲で開閉可能に支持されている。表示ユニット2は、全閉状態(開閉角度0°)で、カメラ本体1の背面側に配置されたリアカバー3に形成された凹部に収納される。
また、表示ユニット2は、カメラ本体1に対して、回転軸C2を中心に+側に約180°、−側に約90°の範囲で回転可能に支持されている。なお、カメラ本体1のリアカバー3及びフロントカバー4は、非磁性もしくは弱磁性の部材で形成されている。
次に、撮影モードで本体電源がオンの状態において、表示ユニット2がカメラ本体1に対し可動する際の状態遷移を詳細に説明する。表示ユニット2はカメラ本体1に対し開閉軸C1及び回転軸C2の2軸のヒンジ機構により、開閉及び回転動作が可能である。図3(a)に示した初期状態では、表示部2aは内向き、すなわち表示部2aとカメラ本体1とが対向する向きで、表示ユニット2は全閉状態(開閉角度0°)である。この状態では、撮影者が表示部2aの表示内容を確認することは困難であるため、表示部2aは消灯し何も表示されない。
図3(b)は開閉軸C1を中心に、表示ユニット2を開く開動作の途中の状態である。この開動作により所定角度開いた状態で、後述するようにして表示ユニット2が開状態となったことが検出され、表示部2aが点灯される。このとき、表示部2aには、不図示の撮影光学系を通してCCD等の撮像素子に結像されたライブビュー画像が表示される。なお、本実施形態では、この状態で表示部2aに表示される画像の、表示ユニット2に対する上下及び左右の向きを通常状態とし、通常状態で画像を表示することを通常表示とする。
図3(c)は表示ユニット2を開いた(開閉角度約180°)全開状態である。表示ユニット2は、この全開状態から、回転軸C2を中心に約−90°〜約+180°の間で回転可能である。例えば、図3(d)のように−45°程度回転した状態にすると、撮影者がファインダー24を覗けないようなハイアングル撮影時に撮影画面中の被写体や構図を確認しやすい。図4(a)は図3(c)の状態から表示ユニット2を回転軸C2を中心に約+90°回転させた状態であり、ローアングル撮影時に撮影画面中の被写体や構図を確認しやすい。
次に、図4(a)の状態から表示ユニット2を回転軸C2を中心に+方向に回転させると、図4(b)の状態で後述するようにして表示ユニット2が+方向に所定角度以上回転したことが検出され、通常状態から上下反転した画像が表示部2aに表示される。そして、更に回転軸C2を中心に+方向に回転させ約+180°回転させた図4(c)の状態となるまで表示画像の上下反転を保ったまま遷移する。この状態は、撮影光学系の撮影方向と表示部2aの表示方向とが同一方向に向くため、撮影者が自分自身を撮影する、いわゆる自分撮りを行うのに適している。
図4(c)の状態から、表示ユニット2を開閉軸C1を中心に閉じていくと図4(d)の状態になり、この時点で後述するようにして表示ユニット2が閉状態となったことが検出され、通常状態から上下反転及び左右反転した画像が表示部2aに表示される。さらに表示ユニット2を閉じてゆくと、図4(e)のように全閉状態となり、弾性ロック機構により表示ユニット2はカメラ本体1にロックされる。図4(e)は表示部2aが外向きの全閉状態(開閉角度0°)である。この状態は、表示部2aがカメラ本体1の背面に固定されたデジタルカメラと同様にカメラ本体1の背面側から撮影画面内の被写体や構図を確認することができるため、動きのある被写体にも追従しやすい。
このように、本実施形態では、表示ユニット2の開閉検出及び回転検出を行って、検出結果に基づいて表示部2aの表示形態を、消灯、点灯(通常表示)、点灯(上下反転)、点灯(上下/左右反転)のように適宜遷移させていくよう構成されている。
なお、本実施形態では、表示部2aの向きは、全閉状態において表示部2aがカメラ本体1側に向かう向き(内向き)かカメラ本体1とは反対側に向かう向き(外向き)かの2つの状態のいずれかと判断している。そのため、本実施形態では、図3(c)のような表示部2aが撮影者側に向かう状態でも、全閉状態において表示部2aがカメラ本体1側に向かう向きから表示ユニット2を回転軸C2を中心に所定角度以上回転さていなければ、表示部2aが内向きであるとする。
次に図5を参照して、表示ユニット2の開閉検出及び回転検出に用いる磁気センサーについて説明する。一般的に、磁気を検出する素子として、巨大磁気抵抗(Giant MagnetoResistance:GMR)素子や半導体ホール素子などが例として挙げられる。GMR素子は磁気抵抗効果を利用して主面に平行な磁場を検出するデバイスであり、磁場が強いほど電気抵抗が増加する性質を有する合金(具体的には、ニッケル、鉄、コバルトを主成分とする)からなる。このGMR素子を1つまたは複数用い、判定回路を組み込んでGMRセンサーが形成される。
図5(a)は1方向の磁場のみを検出する単極検出型のGMRセンサーである。例えば、GMRセンサーを貫く磁束密度が2mTを閾値として、それより高い場合にはLOW信号(ON)が出力され、それより低い場合にはHIGH信号(OFF)が出力される。単極検出のGMRセンサーの場合は、2mT以上センサーが受けたとしても、磁場の向きが逆であると、センサーの出力はHIGH(OFF)信号が出力される。
図5(b)は2方向の磁場を検出する双極検出型のGMRセンサーである。例えば、GMRセンサーを貫く磁束密度の閾値を3mTとして、それより高い場合にはLOW信号(ON)が出力され、それより低い場合にはHIGH信号(OFF)が出力される。双極検出センサーの場合、磁場の正負の向きによらずセンサーを貫く磁束密度が閾値より高ければ、検出結果はONとなる。一方、ホール素子はホール効果を利用して、主面に垂直な磁場を検出するデバイスであり、このホール素子を1つまたは複数用い、判定回路を組み込んで、ホールセンサーが形成される。
図5(c)は主面に対し垂直な1方向の磁場のみを検出する単極検出型のホールセンサーである。例えば、ホールセンサーを貫く磁束密度が2mTを閾値として、それより高い場合にはLOW信号(ON)が出力され、それより低い場合にはHIGH信号(OFF)が出力される。単極検出のホールセンサーの場合は、2mT以上センサーが受けたとしても、磁場の向きが逆であると、センサーの出力はHIGH(OFF)信号が出力される。
図5(d)は主面に対し垂直な2方向の磁場を検出する双極検出型のホールセンサーである。例えば、ホールセンサーを貫く磁束密度の閾値を3mTとして、それより高い場合にはLOW信号(ON)が出力され、それより低い場合にはHIGH信号(OFF)が出力される。双極検出センサーの場合、磁場の正負の向きによらずセンサーを貫く磁束密度が閾値より高ければ、検出結果はONとなる。
この様に、磁気センサーは主面に対する検出可能な磁束の向きや単極双極などを適宜使い分け、使用場所によって高感度や低感度を選択することで様々利用方法がある。なお、本実施形態において、磁気センサーの主面とは、磁気センサーにおける基板に実装される側を下面としたときの上面のことを指す。
本実施形態では、開閉検出に用いる第1の磁気センサーを双極検出型のホールセンサーで閾値3mT、回転検出に用いる第2の磁気センサーを単極検出型のGMRセンサーで閾値2mTとした構成を説明する。
図6は内部構成を説明するために図1に示した状態の本実施形態のデジタルカメラのリアカバー3を外した図であり、表示ユニット2は外形を破線表示としてある。7は上面FPC(フレキシブルプリント基板)であり、磁気センサー6a及び6bはこの上面FPCに実装配置されている。14はメインシャーシ、15は上面シャーシであり、カメラ本体1の主筐体として強度が必要なことから金属材からなっている。上面FPC7は上面シャーシ15へ位置決め固定され、上面シャーシ15はメインシャーシ14へ位置決め固定される。
この上面FPC7には操作スイッチやストロボ用の回路や電気部品などが共に実装され、フレキコネクタ9aを介して、メイン基板9へ接続される。メイン基板9には、本実施形態のデジタルカメラ各部の制御を行い、第1の磁気センサー及び第2の磁気センサーの出力信号に基づいて、表示ユニット2のカメラ本体1に対する可動状態に応じた制御を行うCPU9cが配設されている。
CPU9cは、撮像後の現像処理やデジタルカメラの制御全般を行っており、機器の高速化や高性能化に伴い、機器の消費電力が飛躍的にアップし発熱量が増大している。デジタルカメラの様な精密光学機器では、ファンなどを用いる強制空冷は塵やほこりなどの問題から適さない。従って自然空冷すなわち、熱を機器内で素早く熱伝導により分散させ外装に伝え、外装から対流や放射で外気に逃がすのが一般的である。本実施形態では、熱は、次のようにして放熱される。
主にCPU9cから発せられる熱はメイン基板9を介して、メインシャーシ14へ伝わり、メインシャーシ14に取り付いた外装に伝え、外装の表面から対流と放射により機器外部へ放熱される。ここで重要なのは、メインシャーシ14の熱伝導率である。主構造体となるメインシャーシは一般的に高強度であることが望ましい。メインシャーシの材料として一般的に使用される材料として、ステンレス鋼や銅合金や高強度鋼板やなどが挙げられる。それぞれの熱伝導率は一般的に、ステンレス鋼が10〜20W/m・K、銅合金が80〜100W/m・K、高強度鋼板は40〜60W/m・Kである。
ステンレス鋼は高強度、非磁性であるものの他に対し熱伝導率が低く、熱の分散には不向きである。銅合金は非磁性でかつ、他に対し熱伝導が高いが、一般的に高価であるためコストアップにつながってしまう。高強度鋼板は磁性であるが、比較的熱伝導率が高く、かつ安価である為、熱の分散が必要な機器には適している。しかしながら、磁気センサーを用いる機器では、磁性のメインシャーシを用いると、磁場が乱れ、正しい磁気検知が出来ない恐れがある。
そこで、本実施形態ではメインシャーシ14の材料に高強度鋼板を用い、熱の分散を素早くしつつ、メインシャーシの磁気センサー近傍の形状を工夫し、磁場を適正にコントロールすることで、誤検知の心配のない磁気検知を行っている。なお、上面シャーシ15は、磁気センサー近傍に配置されることから、磁場の乱れや帯磁の影響を考慮し非磁性の金属材であるステンレス鋼を使用している。
13は細線同軸線群からなる接続線であるワイヤーハーネスであり、表示ユニット2に内蔵されたLCD基板10とメイン基板9上に配設されたハーネスコネクタ9bを電気的に接続している。なお、このワイヤーハーネス13は、ヒンジ部8に設けられた2つの穴部8e及び8fを挿通するため、配線本数は最小限になるようにし、穴部8e及び8fを極力小さくしてヒンジ部8の小型化を達成している。LCD基板10とワイヤーハーネス13は不図示のコネクタにより接続されている。12は表示装置であるLCDへと接続するFPCの一部であり、11はその表示装置のバックライトへと接続するFPCの一部である。
また、ワイヤーハーネス13は、ヒンジ部8の近傍において、第1の磁気センサー6a及び第2の磁気センサー6bが配置されていない位置を通過させるようにレイアウトしている。さらに、ワイヤーハーネス13は、カメラ本体1の開閉軸C1上の第2の磁気センサー6bが配置されていない側からヒンジ部8の内部に入る構成となっている。そのため、ワイヤーハーネス13と磁気センサーが重なり合うことなくヒンジ部8近傍のスペース効率をあげている。
図7は図6のヒンジ部近傍の拡大斜視図であり、説明のためにカメラ本体1の外装カバー類を非表示にしている。15aは非磁性の樹脂部材からなるセンサー固定部材であり、上面シャーシ15に位置決め固定されている。このように、磁気センサーを固定するために別途樹脂部材を設けたのは、高感度な第2の磁気センサーの直下であるため、磁場の乱れによる誤検知を防ぐためである。本来ならば上面シャーシ15からZ曲げ加工等で磁気センサーを固定する部位を一体的に形状を作成することは可能であるが、曲げ加工等によりステンレス鋼がマルテンサイト化し磁性を帯びやすくなってしまう。
これにより、磁気センサー近傍の磁場が乱れ、誤検出してしまう可能性がある。こうした事を未然に防ぐ目的で、磁気センサーの固定部材として非磁性の樹脂部材を用いている。第2の磁気センサー6bは第1の磁気センサー6aの近傍に配置されているため、上面FPC7の平面展開時の形状を小さくすることが可能になり、コスト面でもメリットがある。
次にヒンジ部8の構成を説明する。ヒンジ部8は主として、ベース板金8a、開閉板金8b、回転板金8cとから構成されており、強度の高い金属部材からなっている。その他、開閉及び回転時に摺動トルクを発生させるトルクバネや開閉及び回転を規制するためのストッパー部材等からなっている。これらのヒンジ構成部材は磁性体からなるものもあるため、磁場界を乱さない様配慮して配置される。ベース板金8aは、メインシャーシ14に高精度に位置決め固定されている。また、8dは回転板金8cに設けられた凹部であり、この部位が前述した表示ユニット2の前ケース2bの凸部に係合する。
次にマグネット5a及び5bの配置を説明する。マグネット5a及び5bは、表示ユニット2の内部に、表示ユニット2が全閉状態で表示部2aが内向きの状態においてカメラ本体の上方側にN極、下方側にS極となるように配置されている。なお、それぞれのマグネットから発生する磁力線を図7にN極近傍を始点とした矢印で例示している。また、図7には、第1磁気センサー6a及び第2の磁気センサー6bの近傍にそれぞれの磁気センサーが検出する磁場の向きを矢印で例示している。
第1の磁気センサー6aは双極検出のホールセンサーを用いているので、開閉軸C1と略直交したカメラ前方から後方と、後方から前方に向かうそれぞれの磁場を検出することができる。例えば、表示ユニット2が開閉軸C1を中心に閉じ方向へ回転してマグネット5aが第1の磁気センサー6aに接近していくと、マグネット5aから発生するカメラ後方から前方への磁場が第1の磁気センサー6aを貫き始める。そして、その磁束密度が閾値を超えると磁気センサー6aの出力信号がHIGHからLOWへ変り、検出結果はOFFからONになる。
一方、図7に示した状態では、第2の磁気センサー6bを貫く磁場の磁束密度が閾値以上となっているが、第2の磁気センサー6bは単極検出のGMRセンサーであるため、貫く磁場の向きが検出可能な向きと異なるため検出しない。すなわち、第2の磁気センサー6bの出力はHIGHのままで、検出結果はOFFである。しかしながら、表示ユニット2が図7に示した状態から回転軸C2を中心に約+180°回転すると、マグネット5bが第2の磁気センサー6bに接近するため、マグネット5bから発生する磁場が第2の磁気センサー6bを貫くようになる。
その場合、マグネット5bの磁場はカメラ下方から上方への向きとなり、かつ、磁束密度が第2の磁気センサー6bの閾値を超えるため、第2の磁気センサー6bの出力信号はHIGHからLOWとなり、検出結果はOFFからONとなる。
図8は内部構成を説明するために図1に示した状態の本実施形態のデジタルカメラのメイン基板9とメインシャーシ14と締結用のネジのみを表示した図であり、カメラ背面方向から見た斜視図である。
前述したように、CPU9cより発せられた熱は、メイン基板9に伝わり、その後に図8の矢印で示した経路でメインシャーシ14全体に広がっていく。メインシャーシとメイン基板のネジにより強固に行われており、メイン基板からメインシャーシへ熱抵抗が少なくなるように配慮されて熱接続されている。この図では表示していないが、外装カバーはこのメインシャーシ14にネジにて締結されている為、メインシャーシに伝わった熱は外装カバーへ伝熱され、前述した様に、外装カバーの表面から対流と放射により外気に逃げる。
メインシャーシは熱源と外気との極めて重要な熱伝導経路である為、熱伝導率の高い材質を用いるのが良い。また、メインシャーシが効率的な放熱を行う為には、なるべく広範囲に配置するのが望ましい。図8では、熱源がカメラの片方側(グリップ側)に集中しており、他方側には熱源が無い。熱源の有る側から無い側に熱を運ぶには、なるべくメインシャーシを切り欠かない様にするのが良い。
本実施例では、可能な限りメインシャーシに穴や切り欠きを設けない様にした。先程も述べたが、本実施例では、メインシャーシに高強度鋼板を用いおり、シャーシの材料として一般的なSUS304よりも熱伝導率は2〜3倍程度高く放熱には有利である。しかしながら、高強度鋼板は磁性体である。磁気センサーを用いる際、マグネットや磁気センサー近傍に磁性体があると、マグネットの発する磁場が磁性体により影響を受け、磁場が乱れ、検出不良起こす恐れがある。
この問題を避けるため本実施例では、メインシャーシ14の第1の磁気センサー近傍(この図では不図示)に穴14aおよび14bを設けている。穴14a、14bとマグネット、メインシャーシの詳しい位置関係は後に詳しく説明する。
図9は本発明に係るデジタルカメラの第1の磁気センサー近傍の簡易図である。説明を分かり易くする為、第1の磁気センサー6aとマグネット5aとメインシャーシ14の一部のみを表示し、2面図で示している。なお2面図のうち、右側の図はカメラ本体1を背面から見た時の図であり、左上の図はカメラ本体1の側面のヒンジ部側から見た図である。
図9(a)はメインシャーシ14が非磁性である場合のマグネット5aから発生する磁場の磁力線を描いている。本実施例では、メインシャーシの材料として磁性の高強度鋼板を用いているが、参考までに非磁性場合磁力線がどのようになるかを示した。マグネット5aの近傍には磁性体が無い為、N極からS極へ自然に弧を描いてもどっている。この時、第1の磁気センサー6aの主面に直交する様に通る磁力線は無い。若しくは非常に少ない。
図9(b)はメインシャーシ14が磁性体である場合のマグネット5aから発生する磁場の磁力線を描いている。マグネット5aのN極から放たれた磁力線は、メインシャーシ14の有る側は、磁性体であるメインシャーシに引き付けられ、メインシャーシ14の中を通り、一定のところまで進んだ後、マグネット5aのS極に戻る。この磁力線は第1の磁気センサー6aの主面に直交する様に、磁気センサー6aを貫く。
この時第1の磁気センサーを貫いている磁場は、図7で示した開閉軸C1と直交する方向である。第1の磁気センサー6aは開閉軸C1と直交する磁場を検知する為、今この状態では第1の磁気センサーはON状態である。マグネット5aが遠ざかって第1の磁気センサーを貫く磁場が閾値を下回ると、磁気センサーはOFF状態に変わる。磁気センサーの検知の遷移は後に詳しく説明する。一方、メインシャーシ14が無い側は図9(a)と同様な磁力線が描かれる。また、図6(b)の右側の図において、メインシャーシ14にはマグネット5aおよび第1の磁気センサー6aの左右に穴14aおよび14bが設けられている。
この穴14a、14bは第1の磁気センサーの中心として左右対称な形状になっている。この様にメインシャーシ14に穴を設ける事で、マグネット5aから発生する磁場が必要以上に広がらず、強い磁場が第1の磁気センサー6aを貫くよう磁場を制御している。14aおよび14bの様な穴が無いと、マグネット5aから発生する磁場はメインシャーシ14に向かって広範囲に広がる様になってしまう。
14aおよび14bの様な穴が無くても第1の磁気センサーを貫く様な磁場はあるが、磁束密度が弱くなってしまう。従って必要以上に磁束密度の強いマグネットを用いなくても、図9(b)の様にメインシャーシ14に穴14aおよび14bを設ける事によって、磁場を容易に制御する事が可能である。また穴14aおよび14bをセンサー中心に左右対象としたのは第1の磁気センサーを貫く磁場を安定させる為である。
次に、図10、図11、図12を参照して、表示ユニット2の開閉動作及び回転動作に伴うマグネット5a、5bの位置の遷移と、第1の磁気センサー6a及び第2の磁気センサー6bを貫く磁場の向きと磁束密度について詳しく説明する。なお、図10に示した3面図のうち、左上の図はカメラ本体1の側面のヒンジ部側から見た図、右上の図はカメラ本体1の背面側から見た図、下の図はカメラ本体1の底面側から見た図である。
図10(a)は表示部2aをカメラ本体1に対し内向きにして表示ユニット2を閉じた第1の状態(開閉角度0°、回転角度0°)における、2つの磁気センサーと2つのマグネットのみを示した3面図である。図10(b)は第1の状態から表示ユニット2をカメラ本体1に対し開閉軸C1を中心に開いた第2の状態(開閉角度180°、回転角度0°)における、2つの磁気センサーと2つのマグネットのみを示した3面図である。
図10(c)は第2の状態から表示ユニット2をカメラ本体1に対し回転軸C2を中心に+180°回転させた第3の状態(開閉角度180°、回転角度+180°)における、2つの磁気センサーと2つのマグネットのみを示した3面図である。図10(d)は表示部2aをカメラ本体1に対し外向きにして表示ユニット2を閉じた第4の状態(開閉角度0°、回転角度+180°)における、2つの磁気センサーと2つのマグネットのみを示した3面図である。
図11(a)は表示ユニット2の開閉動作に伴う第1の磁気センサー6aがマグネット5a及び5bから受ける磁束密度の遷移を示す図である。図11(b)は表示ユニット2の開閉動作に伴う第2の磁気センサー6bがマグネット5a及び5bから受ける磁束密度の遷移を示す図である。図12は上述した第2の状態からの表示ユニット2の回転動作に伴う第2の磁気センサー6bがマグネット5a及び5bから受ける磁束密度の遷移を示す図である。
まず、図10の第1の状態を説明する。第1の状態では、第1の磁気センサー6aをマグネット5aの磁場がカメラ背面側から前面側へと貫いており、図11(a)で示すように、表示部内向きの開閉角度0°においては磁束密度が7mT程度であるため、第1の磁気センサー6aの検出結果はONである。このとき、第2の磁気センサー6bが受ける磁束密度は、図11(b)より−6mT程度であるがことが分かるが、磁場の向きが検出可能な向きと異なるため第2の磁気センサー6bの検出結果はOFFである。
すなわち、第1の状態では、第1の磁気センサー6a及び第2の磁気センサー6bの出力信号に基づいて、CPU9cは表示ユニット2が閉状態であって表示部2aが内向き状態であると判断する。すなわち、第1の状態では、第1の磁気センサーはマグネット5aの磁場の開閉軸C1と直交する成分を検出し、第2の磁気センサーはマグネット5aの磁場の開閉軸C1と平行な成分を検出するようになされている。
次に、第1の状態から第2の状態へ遷移する様子を説明する。図11(a)の表示部内向きのグラフより、第1の磁気センサー6aを貫く磁束密度は、開閉角度約20°近傍で閾値より下回る。図10(b)のθ1がその角度にあたり、この角度が臨界角であり、これより大きい開閉角度になると、第1の磁気センサー6aの検出結果はONからOFFへ変わる。
一方、第2の磁気センサー6bを貫く磁束密度は、第1の状態から第2の状態へ遷移する間、ほぼ一定の−6.0mTであり、検出結果はこの間常にOFFである。これは、第2の磁気センサー6bを開閉軸C1上に配置したためであり、開閉動作に伴う磁束密度の変化を抑制することによって回転検出の誤検出を防止している。
次に、第2の状態を説明する。第2の状態は第1の状態から開閉軸C1を中心に表示ユニット2を180°回転させた状態である。このとき、第1の磁気センサー6aは周囲にマグネットがないため、図11(a)から分かるように、第1の磁気センサー6aが受ける磁束密度は限りなく0mTに近い。すなわち、磁束密度が閾値である3mTを下回っているので、第1の磁気センサー6aの検出結果は0FFである。
一方、第2の磁気センサー6bが受けるマグネット5aから発生する磁場の磁束密度は図11(b)より−6mT程度であるがことが分かるが、磁場の向きが検出可能な向きと異なるため検出結果はOFFである。すなわち、第2の状態では、第1の磁気センサー6a及び第2の磁気センサー6bの出力信号に基づいて、CPU9cは表示ユニット2が開状態であって表示部2aが内向き状態であると判断する。
次に、第2の状態から第3の状態へ遷移する様子を説明する。図12から分かるように、第2の磁気センサー6bを貫く磁束密度は回転角度+160°近傍で閾値を上回る。図10(c)のθ2がその角度にあたり、この角度が臨界角であり、これより大きい回転角度になると、第2の磁気センサー6bの検出結果はOFFからONへ変わる。一方、第1の磁気センサー6aが受ける磁場は、マグネット5a及び5bから第1の磁
気センサー6aが十分に離れているので検出結果は常にOFFのままである。
気センサー6aが十分に離れているので検出結果は常にOFFのままである。
次に、第3の状態を説明する。第3の状態は第2の状態から回転軸C2を中心に表示ユニット2を+180°回転させた状態である。このとき、第1の磁気センサー6aは周囲にマグネットがないため、第1の磁気センサー6aが受ける磁束密度は限りなく0mTに近い。すなわち、磁束密度が閾値である3mTを下回っているので、第1の磁気センサー6aの検出結果は0FFである。
一方、第2の磁気センサー6bが受けるマグネット5bから発生する磁場の磁束密度は図12に示すように6mT程度であり、磁場の向きも検出可能な向きなので、第2の磁気センサー6bの検出結果はONである。すなわち、第3の状態では、第1の磁気センサー6a及び第2の磁気センサー6bの出力信号に基づいて、CPU9cは表示ユニット2が開状態であって表示部2aが外向き状態であると判断する。
次に、第3の状態から第4の状態へ遷移する様子を説明する。図11(a)の表示部外向きのグラフから分かるように、第1の磁気センサー6aを貫く磁束密度は開閉角度180°から0°に向かう途中の約20度近傍で閾値を跨ぐことになる。図10(d)のθ3がその角度にあたり、この角度が臨界角であり、この角度以下の開閉角度になると、第1の磁気センサー6aの検出結果はOFFからONへ変わる。
一方、第2の磁気センサー6bを貫く磁束密度は第3の状態から第4の状態へ遷移する間、ほぼ一定の6.0mTであり、検出結果はこの間常にONである。これは、第2の磁気センサー6bを開閉軸C1上に配置したためであり、開閉動作に伴う磁束密度の変化を抑制することによって回転検出の誤検出を防止している。なお、開閉軸C1から離れた場所に第2の磁気センサー6bを配置すると、第2の磁気センサー6bが受ける磁束密度は変化することになる。開閉動作に伴う磁束密度の変化が閾値を超えない程度の変化であれば支障は無いが、閾値を跨ぐような変化が生じれば誤検出となってしまう。
したがって、開閉動作に伴う磁束密度の変化が閾値を超えない範囲であれば、開閉軸C1上から離れた開閉軸C1の近傍の場所に第2の磁気センサー6bを配置しても構わない。
次に、第4の状態を説明する。第4の状態は第3の状態から開閉軸C1を中心に表示ユニット2を開閉角度0°となるように回転させた状態である。このとき、第1の磁気センサー6aをマグネット5bから発生する磁場が貫いており、図11(a)に示すように、表示部外向きの開閉角度0°においては、第1の磁気センサー6aが受ける磁束密度は−7mT程度であるため、検出結果はONである。
一方、第2の磁気センサー6bが受ける磁束密度は、図12に示すように6mT程度であり、磁界の向きも検出可能な向きなので、検出結果はONである。すなわち、第4の状態では、第1の磁気センサー6a及び第2の磁気センサー6bの出力信号に基づいて、CPU9cは表示ユニット2が閉状態であって表示部2aが外向き状態であると判断する。
次に、図13を参照して、表示ユニット2の可動状態と磁気センサーの検出結果と表示部の表示形態について詳しく説明する。第1の状態(図3(a)及び図10(a)参照)では、第1の磁気センサー6aの検出結果はONであり、第2の磁気センサー6bの検出結果はOFFである。すなわち、第1の状態では、表示ユニット2は表示部2aを内向きにして閉じられており、表示部2aは撮影者には視認できない状態であるため、CPU9cは表示部2aを消灯し何も表示しないように表示制御を行う。
次に、第2の状態(図3(c)及び図10(b)参照)では、第1の磁気センサー6aの検出結果はOFFであり、第2の磁気センサー6bの検出結果はOFFである。第2の状態では、CPU9cは、不図示の撮影光学系を介してCCDセンサー等の撮像素子に結像された被写体像に基づく画像を通常状態で表示するように、表示部2aの表示制御を行う。したがって、図3(c)に示すように、表示ユニット2を開いた状態(開閉角度約180°)で、撮影者は、表示部2aに表示された画像を見ながら、容易に構図確認を行うことができる。
次に、第3の状態(図4(c)及び図10(c)参照)では、第1の磁気センサー6aの検出結果はOFFであり、第2の磁気センサー6bの検出結果はONである。第3の状態では、CPU9cは、通常状態から上下反転された画像を表示させるように表示部2aの表示制御を行う。この状態では、表示部2aがカメラ本体1の正面側を向くため、撮影者が自分自身を撮影するのに適している。
次に、第4の状態(図4(e)及び図10(d)参照)では、第1の磁気センサー6aの検出結果はONであり、第2の磁気センサー6bについても検出結果はONである。第4の状態では、CPU9cは、通常状態から上下反転及び左右反転された画像を表示させるように表示部2aの表示制御を行う。この状態では、表示部2aがカメラ本体1の背面側を向くとともに、撮影光学系の光軸と表示部2aの中央部とがほぼ一致するため、動きのある被写体にも追従しやすい。
以上説明したように、本実施形態では、機器本体であるカメラ本体1のヒンジ部8の近傍に、第1の磁気センサー6a及び第2の磁気センサー6bを配置している。また、2軸ヒンジ機構により機器本体に支持された可動部である表示ユニット2のヒンジ部8の近傍にマグネット5a及び5bを配置している。
これにより、第1の磁気センサー6aと第2磁気センサー6bの検出結果に基づいて、CPU9cにより表示部2aの表示形態を適宜変更し、ユーザーにとっての利便性を向上させることができる。また、表示ユニット2からカメラ本体1への配線本数を増やすことなく、磁場の乱れや帯磁の影響を軽減して磁気センサーの誤検出を抑制し、小型で安価かつ開閉及び回転検出を良好に行うことができる。
なお、本実施形態では、第1磁気センサーとして、主面に対し垂直な磁場を検出するホールセンサー(図5参照)を用い、第2磁気センサーとして、主面に対し水平な磁場を検出するGMRセンサー(図5参照)を用いたが、磁気センサーの種類はこれに限定されない。例えば、第2の磁気センサーを、主面に対し垂直な磁場を検出するホールセンサーを用いて、検出可能な方向を開閉軸C1と平行に配置すればGMRセンサーを用いた場合と同様の検出結果が得られる。
また、本実施形態では、第1の磁気センサーの検出閾値を3mT、第2の磁気センサーの検出閾値を2mTとしたが、検出閾値の値はこれに限らず、表示形態の切り替えを行う開閉角度及び回転角度に応じて検出閾値の値を設定すればよい。また、マグネット5a及び5bに関しては、第1の状態でN極を機器本体の上方側、S極を下方側に配置したがこれに限定されない。マグネットの磁極を逆にした場合には、磁気センサーの検出方向を適宜変更すればよい。
また、マグネット5a及び5bは同一磁束密度で同一形状のものを用いたが、これに限定されない。図11、図12にて閾値を超えない範囲であれば、磁束密度あるいは経形状の異なるマグネットを用いても構わない。また、メインシャーシ14に穴14a、14bを設けたが、図14(a)〜(c)の様にセンサー中心に対し略左右対称形状に穴若しくは切り欠きを設けても、同様な磁場制御をおこなう事が出来る。なお図は例であり、これに限定されるものでは無い。
また、本実施形態では、本発明を適用した電子機器の一例としてデジタルカメラを説明したが、ヒンジ機構により可動部が機器本体に対して開閉及び回転可能に支持される電子機器であれば携帯電話機などのデジタルカメラ以外の電子機器であっても適用可能である。また、本実施形態では、2つの磁気センサーの検出結果に基づいて、表示ユニット2のカメラ本体1に対する可動状態に応じた表示部2aの表示制御を行っているが、2つの磁気センサーの検出結果に基づいて、CPU9cはその他の制御を行っても構わない。
例えば、表示ユニット2に操作部が設けられた構成において、2つの磁気センサーの検出結果に基づいて操作部の有効/無効を切り替えてもよいし、操作部を操作することによる効果を変更してもよい。あるいは、撮影シーンをカメラで判別して撮影シーンに適した撮影条件を自動で設定する機能を有する構成において、2つの磁気センサーの検出結果に基づいて撮影条件を設定してもよい。
1 カメラ本体、2 表示ユニット、2a 表示部、5a マグネット、
5b マグネット、6a 第1の磁気センサー、6b 第2の磁気センサー、
8 ヒンジ部、9 メイン基板、9c CPU、13 ワイヤーハーネス、
14 メインシャーシ、14a,14b 穴
5b マグネット、6a 第1の磁気センサー、6b 第2の磁気センサー、
8 ヒンジ部、9 メイン基板、9c CPU、13 ワイヤーハーネス、
14 メインシャーシ、14a,14b 穴
Claims (7)
- ヒンジ部(8)により機器本体(1)に対して開閉及び回転可能に連結された可動部(2)を有する電子機器であって、
前記可動部(2)は、
前記ヒンジ部(8)近傍に配置される第1の磁場発生手段と(5a)、
当該可動部を前記機器本体に対して回転させるときの回転軸を(C2)挟んで、前記第1の磁場発生手段と対称な位置に配置される第2の磁場発生手段(5b)と、を有し、
前記機器本体は、前記可動部を当該機器本体に対して閉じた状態において、前記第1の磁場発生手段及び前記第2の磁場発生手段のいずれか一方と対向する位置に配置される第1の磁場検出手段(6a 開閉検出)と、
前記可動部を当該機器本体に対して開閉させるときの開閉軸(C1)の近傍に配置される第2の磁場検出手段(6b 回転検出)と、
前記第1の磁場検出手段及び前記第2の磁場検出手段の出力信号に基づいて、前記可動部の当該機器本体に対する可動状態に応じた制御を行う制御手段とを有する電子機器において、
前記第1の磁場検出手段は前記第1および第2の磁場発生手段から発生する前記開閉軸と直交する方向の磁場成分を検出し、前記第2の磁場検出手段は前記第1および第2の磁場発生手段から発生する前記開閉軸と平行な磁場成分を検出し、
機器本体の主構造体となるシャーシ(14)は磁性体からなっており、前記第1および第2の磁場発生手段と前記シャーシの間に挟まれる位置に第1の磁場検出手段(開閉センサー)を配置したことを特徴とする電子機器。 - 前記第2の磁場検出手段は、前記第1の磁場検出手段の近傍に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
- 前記第2の磁場検出手段は、前記開閉軸上に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
- 前記第1の磁場検出手段は、双極の磁場が検出可能であり、前記第2の磁場検出手段は、単極の磁場のみ検出可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の電子機器。
- 前記シャーシの第1の磁場検出手段近傍に、第1の磁場検出手段の中心を通り前記開閉軸と平行線を中心線とする左右対称の開口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項にに記載の電子機器。
- 前記可動部は、画像を表示する表示手段を有し、前記制御手段は、前記可動部の前記機器本体に対する可動状態に応じて、前記表示手段の表示形態を変更させることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の電子機器。
- 前記ヒンジ部の内部を通り、前記機器本体と前記可動部とを電気的に接続する接続線は、前記機器本体の前記開閉軸上の前記第2の磁場検出手段が配置されていない側から前記ヒンジ部の内部に入ることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の電子機器。
Priority Applications (1)
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JP2014208482A JP2016080734A (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014208482A JP2016080734A (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 電子機器 |
Publications (1)
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JP2016080734A true JP2016080734A (ja) | 2016-05-16 |
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ID=55958485
Family Applications (1)
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JP2014208482A Pending JP2016080734A (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 電子機器 |
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-
2014
- 2014-10-10 JP JP2014208482A patent/JP2016080734A/ja active Pending
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