JP2016080416A - エコー検出位置表示ユニット - Google Patents

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Takanori Miyasaka
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Abstract

【課題】エコー波形に基いて、超音波探傷検査後に更に詳細な分析を要する位置を容易に特定できるエコー検出位置表示ユニットを提供する。
【解決手段】超音波探傷媒体中に浸漬された被測定物に探触子から超音波を送信し、そのエコーを受信して当該被測定物内に存在する非金属介在物量を検査する超音波探傷検査に用いられるエコー検出位置表示ユニットであって、前記エコー検出位置表示ユニットは、前記探触子に取付けられるホルダーと、当該ホルダーに保持され前記被測定物と接触可能な軟質材と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受、ボールねじ、リニアガイド用に用いられる素材内に存在する非金属介在物の量を超音波により探傷検査するときに用いられるエコー検出位置表示ユニット(以下単に「表示ユニット」ともいう)に関する。
一般に、転がり軸受の軸受軌道輪素材や転動体素材等は、SUJ2等の軸受鋼を棒状に加工して製鋼されており、このような素材内に非金属介在物が存在すると、転がり軸受等の寿命を低下させる原因となる。したがって、製鋼された素材を受け入れる際にはこの素材(以下「被測定物」)を超音波により探傷検査し、単位体積あたりに存在する介在物の量が所定量以下しか存在しないこと(清浄度)を確認してから、旋削などの工程に回されている。
この検査の際、被測定物内に所定量以上の非金属介在物が存在する場合には、更に詳細な分析を行って、このような非金属介在物が存在する原因を究明する必要がある。ところが、通常の超音波探傷検査では、非金属介在物と衝突して反射された反射波(エコー)を受信することにより非金属介在物が存在することが確認されても、試験終了後には被測定物表面には何も痕跡が残らない。このため、更に被測定物を細断して詳しく分析しようとしても、どこを切り出す必要があるのかを判別するのが困難であり、細断したピースを次々に分析するのでは、更なる分析に多大な時間を費やしてしまうことになる。従って、非金属介在物が存在することでエコーを検出した位置が被測定物上で特定されていることが求められる。
従来においては、超音波を送受信する超音波送受信手段とは別に被検体に対して光学的マーカを照射する光学的照射手段と、被検体と光学的マーカの照射位置とを撮影する撮像手段とを備え、光学的マーカを撮像手段で撮影することで、超音波の被検体に対する入射位置または受信される超音波の被検体上の発生位置を求める方法(特許文献1)が提案されている。
特開2012−137464号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法の場合、撮像手段に記録されている内容と、超音波送受信手段において受信した内容とを照合させることによって、欠陥の位置を求めることが出来るが、撮像手段など複雑な機器が必要となり、また欠陥位置の特定が必ずしも容易ではない。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、エコー波形に基いて、超音波探傷検査後に更に詳細な分析を要する位置を容易に特定できるエコー検出位置表示ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るエコー検出位置表示ユニットは以下のように構成される。
超音波探傷媒体中に浸漬された被測定物に探触子から超音波を送信し、そのエコーを受信して当該被測定物内に存在する非金属介在物量を検査する超音波探傷検査に用いられるエコー検出位置表示ユニットであって、前記エコー検出位置表示ユニットは、前記探触子に取付けられるホルダーと、当該ホルダーに保持され前記被測定物と接触可能な軟質材と、を有する超音波探傷検査用のエコー検出位置表示ユニット。
本発明に係るエコー検出位置表示ユニットによれば、エコー波形を確認した位置で、探触子に取付けられているホルダーに保持された軟質材を被測定物に接触させることでマーキングが行なわれ、エコー検出位置を特定できる。このため、かかるエコー検出位置を含んだ部分を切り出すだけで更に詳細な分析が可能となり、詳細な分析に要する時間を短縮することができる。
本発明に係るエコー検出位置表示ユニットを用いる超音波探傷検査装置の説明図、 本発明に係るエコー検出位置表示ユニットの第1実施形態の説明図で、(a)は表示ユニットが探触子に取付けられる前の状態を示す図、(b)は表示ユニットが探触子に取付けられた状態を示す図、(c)は表示ユニットの非測定物側先端の拡大断面図、(d)は(b)のA−A断面図、 本発明に係るエコー検出位置表示ユニットの第2実施形態の説明図で、(a)は探触子に取付けられた表示ユニットが被測定物と接触する前の状態を示す図、(b)は表示ユニットが被測定物と接触した状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
先ず最初に図1に基づいて超音波探傷検査装置について説明し、次いで、この装置を用いた超音波探傷検査方法の説明とともに、図2に基いて本発明に係るエコー検出位置表示ユニットについて説明を進める。
図1に示すように、被測定物5の超音波探傷検査装置1は、水等の超音波探傷媒体2が充満された媒体槽(水槽)3と、検査対象物である被測定物5が載置される回転テーブル4と、超音波探触子8と、探傷器10を備えている。
媒体槽3は、収納されている回転テーブル4の上に被測定物5を縦置きしたとき、被測定物5の全長を超音波探傷媒体2中に沈めることができる深さを備えている。
超音波探傷が行われる被測定物5は、例えば軸受の転動体のコロに使用される素材であり、その大きさは、例えば直径20〜200mmで、全長300〜500mm程度であるが、これに限定されるものではない。又素材に限らず、内外輪や転動体などの軸受部品も探傷対象とすることができる。
回転テーブル4は、被測定物5が縦置きされる上面が水平になるように媒体槽3の底面に配置され、図示を省略したモータによって図中矢印C方向に回転するようになっている。被測定物5は、その軸心を回転テーブル4の中心軸(回転軸)に一致させるようにしてセンタリングされて固定される。
回転テーブル4上には、被測定物5を縦置きに固定するための保持部材12が配置されている。保持部材12は、被測定物5の下部を支持するために、被測定物5の外周に沿って周方向に等間隔に3つの爪が配置された三つ爪チャック13を備えている。
超音波探触子8は、被測定物5の表面5aに対して一定の距離をもって配置され、被測定物5とともに超音波探傷媒体2が充満された媒体槽3中に浸漬されている。この超音波探触子8は、被測定物5の表面5aに対し垂直となる方向から超音波を送信し、送信された超音波によって被測定物5内で生起された反射波(エコー)を受信し垂直探傷を行なうものである。受信された信号は波形信号に変換され、この波形信号を検出信号として、媒体槽3の外部に設置された探傷器10に送信する。
超音波探触子8は、特に限定されるものではないが、例えば、周波数20MHzの焦点型のものが用いられ、これを被測定物5の表面5aより一定の距離を保った位置に配置する。そして、被測定物5が1回転する毎に、図1中の矢印D方向(被測定物5の長手方向)に案内され、引き続き探傷することで被測定物5内部の欠陥の検査が行われる。
このとき超音波探触子8は、垂直探傷により被測定物5の材料内部の欠陥の検査を行なう。なお、後述するように、探傷試験開始時には、図2に示す本発明に係るエコー検出位置表示ユニット6は探触子8にはまだ取付けられていない。
探傷器10は、記録計を備え受信した検出信号を記録する。また、探傷器10は、探傷時に、超音波探触子8と信号授受を行いながら、図示を省略した移動機構を制御して、上述したように超音波探触子8を被測定物5の表面5aに沿って案内する。
次に、探傷検査方法および本発明に係るエコー検出位置表示ユニット6を用いてのマーキングについて説明する。
先ず、超音波探傷媒体2が充満された媒体槽3内に配置された回転テーブル4上に被測定物5を、その軸心を回転テーブル4の中心軸に一致させて縦置きにセットする。そして、被測定物5の一端を保持部材12の三つ爪チャック13で挟むようにして固定する。
次に、縦置きされた被測定物5の軸方向一端部近傍に、表面5aから例えば5〜20mm程度距離を置いて、超音波探触子8をセットする。
次に、図示を省略したモータによって回転テーブル4を回転させることによって、図1矢印C方向に、被測定物5をその軸心の回りに一定の速度で回転させつつ、超音波探触子8からは超音波を送信して探傷を行なう。
次に、超音波探触子8を、図1矢印D方向に移動させて、被測定物5の表面5aに沿って引続いて探傷を行う。このとき、被測定物5が1回転する毎に、超音波探触子8を被測定物5の表面5aに沿って矢印D方向に移動させ、探傷するようにする。
超音波探触子8によって検出された検出信号は、探傷器10に送信され、探傷器10の記録計に記録される。このようにして、被測定物5の表面5a及び内部の欠陥の検査が行われる。
そして、超音波探触子8が被測定物5の軸方向の他端部に到達したら探傷を終了し、回転テーブル4の回転を停止させる。
この測定の際に、被測定物5内に問題となる非金属介在物が存在する場合は、探触子8は非金属介在物から反射されるエコーを検出するので、探傷器10にはエコー波形が表示される。
従って、上述した探傷を終えた後、探傷器10に表示される波形を確認しながら、再び当該エコー波形が表示された位置にサポート部材9を移動させ、その位置で探触子8を停止させる。図2(a)にその状態が示されている。この状態で、エコー検出位置表示ユニット6をZ方向に移動させて探触子8に取付け、図2(b)の状態とする。
エコー検出位置表示ユニット6は、探触子8に取付けられるホルダー61と、ホルダー61先端に収容された軟質材62(図2(c)参照)とから構成される。ホルダー61は好ましくは樹脂製とされ、被測定物5側である先端で軟質材62を保持している本体部61aと、探触子8と嵌合するベース部61bとを備える。図2(d)に示すように、ホルダー61のベース部61bが弾性変形することにより探触子8と嵌合している。ホルダー61先端に収容されている軟質材62は、例えば鉛、銅製である。
ホルダー61の本体部61aと軟質材62との合計長さLは、探触子8と被測定物5との間の水距離よりも若干短くされているので、図2(b)の状態から、ホルダー61を被測定物5に向けてX方向にスライドさせることでホルダー61先端の軟質材62が被測定物5と接触する。この接触により、被測定物5上に、エコー検出位置を表示するマーキングが施される。
なお、上述の説明では、探傷検査が一通り終了後に、改めてエコー検出位置に探触子を移動させてマーキングを行なう例を説明したが、探傷検査中であってもエコー検出位置で探傷検査を中断し、マーキングを行い、再び探傷検査を継続してもよい。
本実施形態によれば、エコー検出位置表示ユニット6によって被測定物5上にエコー検出位置を表示するので、更なる詳細な分析を行うための切り出しが容易に行なえ、分析に要する時間を短縮することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のエコー検出位置表示ユニット26について、図3に基いて説明する。前述の第1実施形態では、エコー検出位置でホルダー61を探触子8に取付けたが、本実施形態では、図3(a)に示すように、ホルダー161は探傷検査の開始時から探触子8に取付けられている。但し、超音波の送信に支障がないように、本体部161aは上方に折り曲げられており、本体部161aとベース部161bとはヒンジ構造により互いに連結されている。
探傷検査を終えた後、エコー検出位置に探触子8を移動させたところで、本体部161aを反時計方向に回動させて図3(b)の状態とする。その後は第1実施形態と同様、ホルダー161を被測定物5に向けてスライドさせ、マーキングを行なう。なお、軟質材62と被測定物5との間の接触力を調整するため、軟質材の後端とホルダーとの間にコイルばね等の弾性部材を介在させておいてもよい。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。更に、探触子8へのホルダー161の取り付け取り外しの操作が不要となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、ホルダーの本体部は円錐形となっているが、円筒形や直方体であってもよい。この場合には、ホルダー全体をより小型化・軽量化できる。また、探触子へのホルダーの嵌合態様は、インロー形、上下・左右から嵌め合わせる2つ割れ形などであってもよい。さらに軟質材は、マーキングがより容易な、水に溶けにくい顔料や、粘土などを用いることもできる。
1 超音波探傷検査装置
2 超音波探傷媒体
5 被測定物
6、26 エコー検出位置表示ユニット
61、161 ホルダー
62 軟質材
8 探触子

Claims (1)

  1. 超音波探傷媒体中に浸漬された被測定物に探触子から超音波を送信し、そのエコーを受信して当該被測定物内に存在する非金属介在物量を検査する超音波探傷検査に用いられるエコー検出位置表示ユニットであって、
    前記エコー検出位置表示ユニットは、前記探触子に取付けられるホルダーと、当該ホルダーに保持され前記被測定物と接触可能な軟質材と、を有することを特徴とする超音波探傷検査用のエコー検出位置表示ユニット。
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