JP2016080325A - 熱交換器 - Google Patents

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Mitsuru Iwasaki
充 岩崎
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Abstract

【課題】フィンの突出板による渦流が熱伝達を大きく促進させ、熱交換率の向上を図ることができる熱交換器を提供する。
【解決手段】排気通路に気体が流れる気体通路に前傾突出板25Aと後傾突出板25Bとを配置し、前傾突出板25Aは、排気通路の周面に接する底辺26Aと左右一対の側辺27A,28Aとを有する4角形以上の多角形であり、前傾突出板25Aの底辺26Aは、排気流れ方向SDの直交方向CDに対し斜め向きとなる設置角度β1で配置され、前傾突出板25Aの排気流れ方向SDの上流側に位置する一方の側辺27Aの底辺26Aに対する角度aは、前傾突出板25Aの排気流れ方向SDの下流側に位置する他方の側辺28Aの底辺26Aに対する角度bよりも大きく、前傾突出板25Aの底面26Aと後傾突出板25Bの底面26Bは、平行に配置されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、熱交換器に関し、特に、気体が流れる気体通路と液体が流れる液体通路とが積層された熱交換器に関する。
この種の従来の熱交換器としての排気熱交換装置の一例について、特許文献1に開示されたものがある。この排気熱交換装置100は、図25に示すように、外装ケース101と、この外装ケース101内に収容された複数のチューブ110と、複数のチューブ110の両端部に配置された一対のタンク120、121とを備えている。
外装ケース101には、冷却流体である冷却水の冷却水入口部102と冷却水出口部103が設けられている。外装ケース101内には、隣り合うチューブ110間の隙間等によって冷却水通路104が形成されている。
一対のタンク120,121内には、全チューブ110の両端が開口している。一方のタンク120には排気入口部120aが、他方のタンク121には排気出口部121aがそれぞれ設けられている。
複数のチューブ110は、積層されている。チューブ110は、図26に示すように、2つの偏平部材110a,110bより形成されている。チューブ110の内部には、排気通路111が形成されている。各チューブ110の排気通路111には、フィン112が収容されている。
フィン112は、図27に示すように、矩形の波形形状に形成されている。フィン112には、排気流れ方向Sに間隔を置いて複数の突出板113が切り起こしによって形成されている。突出板113は、排気通路111内の排気流れを遮る方向に突出されている。突出板113は、三角形状である。突出板113は、排気流れ方向Sの直交方向に傾する設置角度で配置されている。
上記構成において、各チューブ110内の排気通路111には、内燃機関から排出される排気が流れる。外装ケース101内の冷却水通路104には、冷却水が流れる。排気と冷却水は、チューブ110及びフィン112を介して熱交換する。この熱交換に際して、フィン112の各突出板113は、排気の流れを乱し、熱交換を促進する。
次に、突出板113による熱交換の促進作用を具体的に説明する。図28に示すように、排気通路111を流れる排気が突出板113に突き当たると、排気が直進することができないため、突出板113の直ぐ下流に低圧領域が形成される。図29(a)、(b)に示すように、突出板113に突き当たった排気は、突出板113の左右の側辺113a,113bを回り込む越流となって下流に進む。越流は、突出板113の形状が三角形であるため、一方の側辺113aからの第1越流と、突出板113の他方の側辺からの第2越流に分かれる。第1越流と第2越流は、両側の側辺113a,113bが共に傾斜面であることからその傾斜上方側の流量が多く、傾斜下方側の流量が少ない分布となり、このような分布の流れが低圧領域に引き込まれるため、第1越流と第2越流にそれぞれ回転力が作用し、図29(c)に示すように、第1越流と第2越流がそれぞれ螺旋状の渦流となる。このようにして、突出板113の下流には2つの螺旋状の渦流が形成される。この2つの螺旋状の渦流が、排気通路111の面近傍に形成される境界層(排気停滞層)を乱しつつ流れるため、熱交換率が向上する。
特開2010−96456号公報
しかしながら、前記従来の排気熱交換装置100では、突出板113が三角形状であるため、排気流の堰き止め領域が小さく、突出板113の直ぐ下流にはあまり低い低圧領域が形成されない。そのため、第1越流と第2越流の低圧領域への引き込み力が小さく、2つに分岐された螺旋状の小さな渦流しか形成されない。仮にどちらかの越流が大きくて1つの渦流しか形成されなかったとしても引き込み力が弱いために弱い渦流しか形成されない。以上より、渦流によって熱伝達を大きく促進させることができない。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、フィンの突出板による渦流が熱伝達を大きく促進させ、熱交換率の向上を図ることができる熱交換器を提供することを目的とする。
本発明は、気体が流れる気体通路に、気体流れ方向の上流側に前倒れ状態となる前傾角度で配置された前傾突出板と、前記前傾突出板の下流に配置され、前記気体流れ方向の下流側に後倒れ状態となる後傾角度で配置された後傾突出板とを配置し、前記前傾突出板は、前記気体通路の周面に接する底辺と左右一対の側辺とを有する4角形以上の多角形であり、前記前傾突出板の前記底辺は、前記気体流れ方向の直交方向に対し斜め向きとなる設置角度で配置され、前記前傾突出板の気体流れ方向の上流側に位置する一方の前記側辺の前記底辺に対する角度は、前記前傾突出板の前記気体流れ方向の下流側に位置する他方の前記側辺の前記底辺に対する角度よりも大きく形成され、前記前傾突出板の前記底面と前記後傾突出板の底面は、平行に配置されていることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、前傾突出板の頂辺を超えて進む気流によって形成された強い横渦流は、他方の側辺を回り込んで進入してきた気流によって強い縦渦流に変換される。縦渦流は、横渦流のように早期に減衰せずに、長期に亘って存在し、後傾突出板で気体通路を構成する周面に向かう方向に進路変更される。進路変更された縦渦流が気体通路を構成する周面近傍に形成される境界層(気体停滞層)を乱しつつ流れるため、縦渦流が熱伝達を大きく促進させ、熱交換率の向上を図ることができる。そして、前傾突出板による縦渦流が気体流れ方向の直交方向のずれた位置に形成されても後傾突出板までの間隔が同じであるため、後傾突出板で同じ進路変更力を得ることができ、気体通路内に安定した縦渦流を形成できる。
図1は本発明の一実施形態を示し、(a)は熱交換器の側面図であり、(b)は熱交換器の正面図であり、(c)は熱交換器の平面図である。 図2は本発明の一実施形態を示し、(a)は熱交換器の一部の横断面図であり、(b)は熱交換器の一部の縦断面図である。 図3は本発明の一実施形態を示し、フィンの平面図である。 図4は本発明の一実施形態を示し、フィンの斜視図である。 図5は本発明の一実施形態を示し、(a)はフィンの拡大平面図であり、(b)はフィンの拡大正面図、(c)は1セグメントの突出板の平面図である。 図6は本発明の一実施形態を示し、(a)は突出板の断面図であり、(b)は前傾突出板の上流側から見た正面図であり、(c)は後傾突出板の下流側から見た正面図である。 図7は本発明の一実施形態を示し、フィンの一部の模式的な平面図である。 図8は本発明の一実施形態を示し、(a)は図7のA1−A1断面図であり、(b)は図7のA2−A2断面図である。 図9は本発明の一実施形態を示し、(a)は図7のB1−B1断面図であり、(b)は図7のB2−B2断面図である。 図10は本発明の一実施形態を示し、比較例及び実施例1,2に係る突出板の渦の強さを示す図である。 図11は本発明の規定1を示し、(a)は突出板を示す斜視図であり、(b)は前傾突出板の前傾角度を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図12は本発明の規定2を示し、(a)は突出板を示す斜視図であり、(b)は前傾突出板の設置角度を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図13は本発明の規定3を示し、(a)は突出板を示す斜視図であり、(b)は前傾突出板を示す正面図であり、(c)は前傾突出板の一方の側辺と頂辺との角部を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図14は本発明の規定4を示し、(a)は突出板を示す斜視図であり、(b)は前傾突出板の幅を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図15は本発明の規定5を示し、(a)は突出板を示す斜視図であり、(b)は前傾突出板の高さを可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図16は本発明の規定6を示し、(a)は突出板を示す斜視図であり、(b)は前傾突出板の他方の側辺の長さを可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図17は本発明の規定7を示し、(a)は突出板を示す斜視図であり、(b)は前傾突出板と後傾突出板との最小間隔を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図18は本発明の規定8を示し、(a)は突出板を示す斜視図であり、(b)は前傾突出板の底辺の中央位置を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図19は本発明の規定9を示し、(a)は突出板を示す斜視図であり、(b)は前傾突出板の底辺の中央位置を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図20は本発明の規定10を示し、(a)は突出板を示す正面図であり、(b)は前傾突出板と後傾突出板との重なり度合を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図21は本発明の規定11を示し、(a)は突出板及びセグメントを示す斜視図であり、(b)はセグメントを可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図22は本発明の規定12を示し、(a)は突出板及びセグメントの一部を示す斜視図であり、(b)はセグメントを可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図23は本発明の規定13を示し、(a)は突出板及びセグメントを示す斜視図であり、(b)はセグメントを可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図24は本発明の規定14を示し、(a)は突出板及びセグメントを示す斜視図であり、(b)はセグメントの排気流れ方向に隣接したセグメントとのずれ量を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。 図25は従来例を示し、排気熱交換装置の一部切欠き正面図である。 図26は従来例を示し、チューブの斜視図である。 図27は従来例を示し、フィンの斜視図である。 図28は従来例を示し、突出板の斜視図である。 図29は従来例を示し、(a)は突出板を図28のC方向から見た図、(b)は突出板の平面図、(c)は突出板の下流に形成される渦流を突出板の下流側から見た図である。
次に、本発明に係る熱交換器の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(熱交換器の構成)
まず、本実施形態に係る熱交換器1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る熱交換器1を示す図である。本実施形態に係る熱交換器1は、排気再循環装置としてのEGRクーラであるものとする。
図1及び図2に示すように、熱交換器1は、外装ケース10と、この外装ケース10内に収容された複数のチューブ20と、複数のチューブ20の両端部に配置された一対のタンク30,40とを備えている。これら部品は、例えば耐熱性、耐腐食性に優れた材料(例えばステンレス材)より形成されている。また、これら各部材は、互いの当接箇所をろー付けによって固定されている。
外装ケース10には、冷却液体としての冷却水の冷却水入口部11と冷却水出口部12が設けられている。外装ケース10内には、隣り合うチューブ20の隙間、及び、両端位置のチューブ20と外装ケース10の内面の隙間によって液体通路としての冷却水通路13が形成されている。
チューブ20は、複数が積層されることによって、気体としての排気ガスが流れる気体通路としての排気通路20Aと、上述した冷却水通路13とが交互に設けられる。なお、チューブ20の詳細については、後述する。
一対のタンク30,40内には、全てのチューブ20の両端が開口している。一方のタンク30には、排気ガスが導入される入口31aが形成された入口ヘッダー31が取り付けられ、他方のタンク40には、排気ガスが排出される出口41aが形成された出口ヘッダー41が取り付けられている。
(チューブの構成)
次に、上述したチューブ20の構成について、図面を参照しながら説明する。図3〜図6は、本実施形態に係るチューブ20を示す図である。
図2に示すように、チューブ20は、2つの偏平部材(不図示)より形成されている。この偏平部材の長手方向両端には、膨出部(不図示)が形成されている。この膨出部は、各チューブ20が積層された状態で、他のチューブ20に当接することによって、各チューブ20の相互間に上述した冷却水通路13となる隙間が形成される。
チューブ20の内部には、上述したように、排気通路20Aが形成されている。排気通路20Aは、図3〜図5に示すように、下記するようにフィン21によって複数のセグメント22に分割されている。フィン21は、チューブ20の排気通路20Aに収容されている。フィン21は、図4及び図6に示すように、チューブ20の内面(すなわち、冷却水通路13)に密接した面となる水平壁23と、排気通路20Aを複数のセグメント22に分割する垂直壁24とが交互に配置された矩形の波形形状に形成されている。つまり、セグメント22は、図3及び図4に示すように、排気流れ方向(気体流れ方向)SD及びチューブ積層方向PDの直交方向CDに凹凸状を繰り返すとともに、排気流れ方向SDに沿って所定長さ毎に交互にずらしたオフセット形状に形成されることによって、排気流れ方向SD及び直交方向CDに複数配置されている。
このセグメント22は、排気流れ方向SDに沿った複数の内面(チューブ20の1面とフィン21の3面とを合わせた計4面)によって形成されている。各セグメント22を構成する水平壁23は、排気流れ方向SDに沿って間隔を置いた位置に複数の突出板25が切り起こしによって形成されている。
突出板25は、排気通路20A内の排気流れを遮る方向に突出している。具体的には、突出板25は、排気流れ方向SDの上流側に前倒れ状態となる前傾角度(α1)で配置された前傾突出板25Aと、前傾突出板25Aの下流に配置され、排気流れ方向SDの下流側に後倒れ状態となる後傾角度(α2)で配置された後傾突出板25Bとを有している。
(前傾突出板)
前傾突出板25Aは、図6(b)に示すように、底辺26Aと、左右一対の側辺27A,28Aと、底辺26Aから最も離れた頂辺29Aから成る台形によって形成されている。
底辺26Aは、直交方向CDに対し斜め向きとなる設置角度(β1)で配置されている。一方の側辺27Aは、他方の側辺28Aよりも排気流れ方向SDの上流側に位置している。一方の側辺27Aは、他方の側辺28Aよりも短い。言い換えると、他方の側辺28Aは、一方の側辺27Aよりも長い。
一方の側辺27Aの底辺26Aに対する角度aは、他方の側辺28Aの底辺26Aに対する角度bよりも大きい。具体的には、一方の側辺27Aの底辺26Aに対する角度aは、90度以上であり、他方の側辺28Aの底辺26Aに対する角度bは、90度以下に設定されている。頂辺29Aは、排気流れ方向SDからの正面視(図6(b)参照)において一方の側辺27A側が低くなるように底辺26Aに対して傾斜している。
このような前傾突出板25Aは、図3〜図5に示すように、直交方向CDに隣接した各セグメント22において同一向きに配置されている。また、前傾突出板25Aは、排気流れ方向SDに隣接した各セグメント22において直交方向CDに対して線対称に配置されている。
(後傾突出板)
後傾突出板25Bは、排気流れ方向SD及びチューブ積層方向PDの直交方向CDに対して前傾突出板25Aと点対称に配置されている。つまり、後傾突出板25Bは、図6(c)に示すように、底辺26Bと、左右一対の側辺27B,28Bと、頂辺29Bから成る台形によって形成されている。
図5(c)に示すように、後傾突出板25Bの底辺26Bは、排気流れ方向SDからの正面視において、前傾突出板25Aの底辺26Aと同じ位置に配置されている。換言すれば、後傾突出板25Bの底辺26Bの両端位置は、前傾突出板25Aの底辺26Aの両端位置が気体流れ方向の同一線L1,L2上に配置されている。この実施形態では、後傾突出板25Bの底辺26Bの中心と前傾突出板25Aの底辺26Aの中心は、セグメント22の幅方向(直交方向CD)の中心線C1を通る位置となっている。これにより、チューブ20の組み立ての際にフィン21を前後逆に配置しても、垂直壁24との隙間寸法(空気流が通る空間)が同じとなるため、側辺28A、28Bを回り込んで進入してくる気流Sの強さが同じとなり、性能を維持できる。
底辺26Bは、直交方向CDに対し斜め向きとなる設置角度(β2)で配置されている。底辺26Bは、上述した前傾突出板25Aの底辺26Aと平行に設けられている(図5(a)、図17参照)。
一方の側辺27Bは、他方の側辺28Bよりも排気流れ方向SDの下流側に位置している。一方の側辺27Bは、他方の側辺28Bよりも短い。言い換えると、他方の側辺28Bは、一方の側辺27Bよりも長い。
一方の側辺27Bの底辺26Bに対する角度a’は、他方の側辺28Bの底辺26Bに対する角度b’よりも大きい。具体的には、一方の側辺27Bの底辺26Bに対する角度a’は、90度以上であり、他方の側辺28Bの底辺26Bに対する角度b’は、90度以下に設定されている。頂辺29Bは、排気流れ方向SD(或いは排気流れ方向SDに向かう方向)からの正面視(図6(c)参照)において一方の側辺27B側が低くなるように底辺26Bに対して傾斜している。
このような後傾突出板25Bは、図3〜図5に示すように、直交方向CDに隣接した各セグメント22において同一向きに配置されている。また、後傾突出板25Bは、排気流れ方向SDに隣接した各セグメント22において直交方向CDに対して線対称に配置されている。
(熱交換の促進作用)
次に、本実施形態に係る熱交換器1の熱交換の促進作業について、図面を参照しながら説明する。図7〜図9は、本実施形態に係る熱交換器1を示す図である。なお、図7〜図9では、図7の左上のセグメント22を「セグメント22A」とし、図7の左下のセグメント22を「セグメント22B」とし、図7の右上のセグメント22を「セグメント22C」とし、図7の右下のセグメント22を「セグメント22D」とする。
まず、上述した熱交換器1では、各チューブ20内の排気通路20Aには、内燃機関から排出される排気が流れる。外装ケース10内の冷却水通路13には、冷却水が流れる。排気と冷却水は、チューブ20及びフィン21を介して熱交換する。この熱交換に際して、フィン21の前傾突出板25A及び後傾突出板25Bは、排気の流れを乱し、熱交換を促進している。
具体的には、図7に示すように、各セグメント22A〜D内では、排気通路20Aを流れる排気ガスが前傾突出板25Aに突き当たると、排気ガスが直進することができないため、前傾突出板25Aの直ぐ下流には低圧領域が形成される。つまり、前傾突出板25Aは台形(4角形以上の多角形)であることから、排気ガスの気体流の堰き止め領域が大きいため、前傾突出板25Aの直ぐ下流には三角形の場合に較べて十分に低い低圧領域が形成される。
また、前傾突出板25Aは、排気流れ方向SDの上流側に前倒れ状態で配置されているため、前傾突出板25Aの頂辺29Aを超えて進む排気ガスの気流は、後傾斜とした場合のように気体流れがスムーズに上方に流れを変えて進むことができないため、前傾突出板25Aの下流の低圧領域に引き込まれ易い。前傾突出板25Aの頂辺29Aを超えて進む気流の引き込み方向は、底辺26Aが接する周面に向かう方向であるため、前傾突出板25Aの下流には、前傾突出板25Aの頂辺29Aを超えて進む気流によって強い横渦流R(図7のセグメント22A参照)が形成される。
さらに、前傾突出板25Aの左右の側辺27A,28Aを回り込んで進む気流も前傾突出板25Aの下流の低圧領域に引き込まれる。前傾突出板25Aの下流の低圧領域は、一方の側辺27Aの位置よりも他方の側辺28Aの位置でより低い低圧となるため、引き込まれ易い。その上、一方の側辺27Aの底辺26Aに対する角度aが他方の側辺28Aの底辺26Aに対する角度bよりも大きいため、他方の側辺28Aの外側から多くの気流Sが回り込む。従って、他方の側辺28Aの外側からは、一方の側辺27Aより強い気流Sが前傾突出板25Aの下流に引き込まれ、横渦流Rを旋回させる。この引き込み方向は、上記した頂辺29Aを超える気流と異なる向きであり、上記した横渦流Rの旋回方向を変えさせることになる。
以上より、前傾突出板25Aの頂辺29Aを超えて進む気流によって形成された強い横渦流Rは、他方の側辺28Aを回り込んで進入してきた気流Sによって強い縦渦流T1に変換される。縦渦流T1は、横渦流Rのように早期に減衰せずに、長期に亘って存在する渦であり、図9(a)に示すように右回転である。この縦渦流T1は、図8(a)及び図9(a)に示すように、後傾突出板25Bで気体通路を構成する周面に向かう方向に進路変更(跳ね上げれ、又は、跳ね下ろし)され、排気通路20Aを構成する周面近傍に形成される境界層(チューブ20の内面やフィン21の水平壁23などの排気停滞層)を乱しつつ流れるため、縦渦流T1が熱伝達を大きく促進させ、熱交換率の向上を図ることができる。
その後、セグメント22A内で後傾突出板25Bにより気体通路を構成する周面に向かう方向に進路変更(跳ね上げ、又は、跳ね下ろし)された縦渦流T1は、上記進路方向により、セグメント22C内に多量に入り込むとともに、セグメント22D内にも少量入り込む。
セグメント22C内でも、上述したメカニズムにより縦渦流U2が生じている。この縦渦流U2は、セグメント22C内の突出板25がセグメント22A内の突出板25に対して線対称に配置されることに伴って、上記縦渦流T1とは逆回転(すなわち、図9(b)に示すように左回転)に流れている。このため、図9(b)に示すように、縦渦流T1及び縦渦流U2の境界部(二点鎖線内)で同一方向となり、縦渦流T1及び縦渦流U2間の剪断速度が低いため、互いの渦流に対する回転を停止させる作用が小さく、互いの渦の長い寿命を実現できる。渦が長期間存在することによって、熱交換率の向上をより図ることができる。なお、セグメント22C内には、セグメント22B内で発生した縦渦流U1も少量入り込んでおり、縦渦流U2が縦渦流U1と同じ回転方向となっているため、縦渦流T2の発生を誘起する作用が生じ、より強い縦渦流U2の生成を実現できる。
一方、図7、図8(b)及び図9(a)に示すように、セグメント22B内では、上述したメカニズムによって、上記した縦渦流T1と逆回転(左回転)の縦渦流U1が発生している。図9(b)に示すように、この縦渦流U1がセグメント22D内に多量に入り込み、セグメント22D内で発生した縦渦流T2(右回転)及び縦渦流U1の境界部(二点鎖線内)で同一方向となり、互いの渦の長い寿命を実現できる。
なお、セグメント22D内には、セグメント22A内で発生した縦渦流T1の一部(少量)が入り込んでおり、セグメント22D内で発生した縦渦流T2と同じ回転方向となっている。このため、縦渦流T2の発生を誘起する作用が生じ、より強い縦渦流T2の生成を実現できる。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態では、前傾突出板25Aが台形であり、前傾突出板25Aの底辺26Aが直交方向CDに対し斜め向きとなる設置角度(β1)で配置され、一方の側辺27Aの底辺26Aに対する角度aが他方の側辺28Aの底辺26Aに対する角度bよりも大きい。これにより、前傾突出板25Aの頂辺29Aを超えて進む気流によって形成された強い横渦流Rは、他方の側辺28Aを回り込んで進入してきた気流Sによって強い縦渦流T1(T2,U1,U2)に変換される。この縦渦流T1は、横渦流Rのように早期に減衰せずに長期に亘って存在し、後傾突出板25Bで気体通路を構成する周面に向かう方向に進路変更される。進路変更された縦渦流T1が排気通路20Aを構成する周面近傍に形成される境界層(排気停滞層))を乱しつつ流れるため、縦渦流T1が熱伝達を大きく促進させ、熱交換率の向上を図ることができる。
前傾突出板25Aの底面26Aと後傾突出板25Bの底面26Bは、平行に配置されている。前傾突出板25Aによる縦渦流は底辺26Aの下流に形成されるが、その縦渦流の形成位置が排気流れ方向SDの直交方向CDの異なる位置(図5(c)の例えばA位置、B位置、C位置)となる可能性がある。しかし、このように縦渦流の形成位置がずれても後傾突出板25Bまでの間隔が同じであるため、後傾突出板25Bでの跳ね上げや跳ね下し軌跡がほぼ同じとなってほぼ同じ進路変更力を得ることができ、排気通路20Aの各セグメント22に安定した縦渦流を形成できる。これにより、熱交換率の安定化を図ることができる。
本実施形態では、他方の側辺28Aが一方の側辺27Aよりも長いため、より強い横渦流Rを発生させることができることに伴い、横渦流Rを縦渦流T1へ変換する強さが増大する。
本実施形態では、前傾突出板25Aの頂辺29Aが排気流れ方向SDからの正面視において一方の側辺27A側が低くなるように底辺26Aに対して傾斜し、且つ他方の側辺28Aが一方の側辺27Aよりも下流側に位置しているため、頂辺29Aが排気流れ方向SDから見て底辺26Aと平行な場合と比べて、横渦流Rを縦渦流T1へ変換する強さがさらに増大する。
本実施形態では、排気流れ方向SD及び直交方向CDに配置された各セグメント22に、前傾突出板25A及び後傾突出板25Bが設けられるため、縦渦流T1が上述した境界層(排気停滞層)に加えて一方の側辺27B側の垂直壁24にも当たり、縦渦流T1が熱伝達を大きく促進させることができる。
本実施形態では、前傾突出板25Aが直交方向CDに隣接した各セグメント22において同一向きに配置されるため、上述した縦渦流T1,T2(右回転)及び縦渦流U1,U2(左回転)を発生させることができ、各セグメント22内で剪断速度が低くなり、互いの渦流に対する回転を停止させる作用が小さく、互いの渦の長い寿命を実現できる。
本実施形態では、前傾突出板25Aは、排気流れ方向SDに隣接した各セグメント22において直交方向CDに対して線対称に配置されるため、上記と同様に、各セグメント22内で剪断速度が低くなり、互いの渦流に対する回転を停止させる作用が小さく、互いの渦の長い寿命を実現できる。
本実施形態では、一方の側辺27Aの底辺26Aに対する角度aが90度以上であり、他方の側辺28Aの底辺26Aに対する角度bが90度以下に設定されるため、他方の側辺28Aと垂直壁24との間隔が排気流れ方向SDに対して略同一になり易い。このため、前傾突出板25Aの頂辺29Aから底辺26Aにかけて強さがほぼ同一の気流Sが生成され、この気流Sにより横渦流Rを縦渦流T1により強く変換できる。
本実施形態では、後傾突出板25Bが前傾突出板25Aと点対称に配置されるため、チューブ20の組み立ての際にフィン21を前後逆に配置してしまっても、熱交効率が低下することなく、製造時の誤組み付けのおそれがなく、熱交換器1の品質が安定する。
本実施形態では、後傾突出板25Bの底辺26Aは、排気流れ方向SDからの正面視において、前傾突出板25Aの底辺26Bと同じ位置に配置されるため、チューブ20の組み立ての際にフィン21を前後逆に配置してしまっても、熱交効率が低下することなく、製造時の誤組み付けのおそれがなく、熱交換器1の品質が安定する。
(比較評価)
次に、上述した突出板25(前傾突出板25A及び後傾突出板25B)の渦の強さの比較評価について、図面を参照しながら説明する。図10は、比較例及び実施例1,2に係る突出板25の渦の強さを示す図である。
ここで、比較例に係る突出板は、左右の側辺の角度が同じ台形によって形成されている。実施例1に係る突出板25は、一方の側辺27Aが60度で他方の側辺28Bが90度であり、頂辺29Aが底辺26Aと平行な台形によって形成されている。実施例2に係る突出板25は、上述した実施形態で説明したものである。
実施例1に係る突出板25による渦の強さの「1(基準値)」とし、その他の突出板による渦の強さを測定した。この結果、図10に示すように、実施例1,2に係る突出板25による渦の強さは、比較例に係る突出板による渦の強さと比較して、上述した渦生成のメカニズムによって強い渦流であることが実証された。
(突出板や小通路の規定)
次に、上述した突出板25やセグメント22の様々な規定について、図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、上述した実施例1に係る突出板25による渦の強さ(「1」)を基準に評価したものである。
(規定1)
まず、突出板25の規定1について、図11を参照しながら説明する。図11(a)は、突出板25を示す斜視図であり、図11(b)は、前傾突出板25Aの前傾角度α1を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定1としては、設置角度(β1)を45度、一方の側辺27Aの底辺26Aに対する角度aを135度、他方の側辺28Aの底辺26Aに対する角度bを45度とし、前傾突出板25Aの前傾角度(α1)を可変した。
図11(a)及び図11(b)に示すように、前傾突出板25Aの前傾角度(α1)が排気流れ方向SDに対して30〜90度であることによって、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)よりも渦流を強くなることが分かる。
特に、前傾突出板25Aの前傾角度(α1)が排気流れ方向SDに対して40〜50度であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
(規定2)
次に、突出板25の規定2について、図12を参照しながら説明する。図12(a)は、突出板25を示す斜視図であり、図12(b)は、前傾突出板25Aの設置角度(β1)を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定2としては、前傾斜角度(α1)を45度、一方の側辺27Aの底辺26Aに対する角度aを135度、他方の側辺28Aの底辺26Aに対する角度bを45度として、前傾突出板25Aの設置角度(β1)を可変した。
図12(a)及び図12(b)に示すように、前傾突出板25Aの設置角度(β1)が排気流れ方向SDに対して10〜60度であることによって、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)よりも渦の強さが優れている(「1.1」以上となる)ことが分かる。
特に、前傾突出板25Aの設置角度(β1)が排気流れ方向SDに対して35〜60度であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
(規定3)
次に、突出板25の規定3について、図13を参照しながら説明する。図13(a)は、突出板25を示す斜視図であり、図13(b)は、前傾突出板25Aを示す正面図であり、図13(c)は、前傾突出板25Aの一方の側辺27Aと頂辺29Aとの角部R1,R2を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定3としては、前傾斜角度(α1)を45度、設置角度(β1)を45度、一方の側辺27Aの底辺26Aに対する角度aを135度、他方の側辺28Aの底辺26Aに対する角度bを45度として、前傾突出板25Aの一方の側辺27Aと頂辺29Aとの角部R1,R2を可変した。
図13(a)及び図13(b)に示すように、前傾突出板25Aの一方の側辺27Aと頂辺29Aとの角部R1,R2には、刃物の長寿命化のためにR形状が付けられる。前傾突出板25Aの一方の側辺27Aと頂辺29Aとの角部R1,R2は、前傾突出板25Aの底辺26Aから頂辺29Aの最も高い頂点までの高さH25に対して5〜55%の円弧形状(R形状)であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが1.25以上となることが分かる。
(規定4)
次に、突出板25の規定4について、図14を参照しながら説明する。図14(a)は、突出板25を示す斜視図であり、図14(b)は、前傾突出板25Aの幅W25を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定4としては、前傾突出板25Aの排気流れ方向SDの直交方向CDに沿った幅W25を可変したものである。なお、前傾突出板25Aのその他の条件は、上述した規定3と同様である。
図14(a)及び図14(b)に示すように、前傾突出板25Aの幅W25が排気通路20A(セグメント22)の幅W22に対して40〜80%であることによって、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)よりも渦の強さが優れている(「1.1」以上となる)ことが分かる。
特に、前傾突出板25Aの幅W25は、セグメント22の幅幅W22に対して50〜75%であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
(規定5)
次に、突出板25の規定5について、図15を参照しながら説明する。図15(a)は、突出板25を示す斜視図であり、図15(b)は、前傾突出板25Aの高さH25を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定5としては、前傾突出板25Aの排気流れ方向SDの直交方向CDに沿った高さH25を可変したものである。なお、前傾突出板25Aのその他の条件は、上述した規定3と同様である。
図15(a)及び図15(b)に示すように、前傾突出板25Aの高さH25が排気通路20A(セグメント22)の高さH22に対して25〜45%であることによって、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)よりも渦流を強くなることが分かる。
特に、前傾突出板25Aの高さH25は、排気通路20A(セグメント22)の高さH22に対して33〜42%であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
(規定6)
次に、突出板25の規定6について、図16を参照しながら説明する。図16(a)は、突出板25を示す斜視図であり、図16(b)は、前傾突出板25Aの他方の側辺28Aの長さL28を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定6としては、前傾突出板25Aの他方の側辺28Aの排気流れ方向SDに沿った長さL28を可変したものである。なお、前傾突出板25Aのその他の条件は、上述した規定3と同様である。
図16(a)及び図16(b)に示すように、前傾突出板25Aの長さL28がセグメント22の排気流れ方向SDに沿った長さL22に対して12〜35%であることによって、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)よりも渦流を強くなることが分かる。
特に、前傾突出板25Aの長さL28は、セグメント22の長さL22に対して15〜28%であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
(規定7)
次に、突出板25の規定7について、図17を参照しながら説明する。図17(a)は、突出板25を示す斜視図であり、図17(b)は、前傾突出板25Aと後傾突出板25Bとの最小間隔Dを可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定7としては、前傾突出板25Aと後傾突出板25Bとの最小間隔Dを可変したものである。なお、前傾突出板25Aのその他の条件は、上述した規定3と同様である。
図17(a)及び図17(b)に示すように、前傾突出板25Aと後傾突出板25Bとの最小間隔Dが前傾突出板25Aの他方の側辺28Aの排気流れ方向SDに沿った長さL28に対して30〜70%であることによって、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)よりも渦の強さが優れている(「1.23」以上となる)ことが分かる。
特に、前傾突出板25Aと後傾突出板25Bとの最小間隔Dは、前傾突出板25Aの他方の側辺28Aの長さL28に対して35〜65%であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
(規定8)
次に、突出板25の規定8について、図18を参照しながら説明する。図18(a)は、突出板25を示す斜視図であり、図18(b)は、前傾突出板25Aの底辺26Aの中央位置cを可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定8としては、前傾突出板25Aの底辺26Aの中央位置cを可変したものである。なお、前傾突出板25Aのその他の条件は、上述した規定3と同様である。
図18(a)及び図18(b)に示すように、前傾突出板25Aの底辺26Aの中央位置cは、セグメント22の排気流れ方向SDに沿った長さL22に対して、セグメント22の上流側から30〜70%の範囲z内に設けられることによって、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)よりも渦の強さが優れている(「1.17」以上となる)ことが分かる。
特に、前傾突出板25Aの底辺26Aの中央位置cは、セグメント22の排気流れ方向SDに沿った長さL22に対して、セグメント22の上流側から35〜65%の範囲z内に設けられることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
(規定9)
次に、突出板25の規定9について、図19を参照しながら説明する。図19(a)は、突出板25を示す斜視図であり、図19(b)は、前傾突出板25Aの底辺26Aの中央位置cを可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定9としては、前傾突出板25Aの底辺26Aの中央位置cを可変したものである。なお、その他の条件は、前傾突出板25Aの上述した規定3と同様である。
図19(a)及び図19(b)に示すように、前傾突出板25Aの底辺26Aの中央位置cは、セグメント22の排気流れ方向SDの直交方向CDに沿った幅W22に対して幅方向の中央を基準にして25〜70%の範囲内であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)よりも渦の強さが優れている(「1.25」以上となる)ことが分かる。
特に、前傾突出板25Aの底辺26Aの中央位置cは、セグメント22の幅W22に対して幅方向の中央を基準にして40〜60%の範囲内であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.31」以上となることが分かる。
(規定10)
次に、突出板25の規定10について、図20を参照しながら説明する。図20(a)は、突出板25を示す正面図であり、図20(b)は、前傾突出板25Aと後傾突出板25Bとの重なりを可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定10としては、前傾突出板25Aと後傾突出板25Bとの重なり(射影)を可変したものである。なお、前傾突出板25Aのその他の条件は、上述した規定3と同様である。
図20(a)及び図20(b)に示すように、前傾突出板25Aが排気流れ方向SDからの正面視において後傾突出板25Bと50%以上重なることによって、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)よりも渦の強さが優れている(「1.10」以上となる)ことが分かる。
特に、前傾突出板25Aは、排気流れ方向SDからの正面視において後傾突出板25Bと70%以上重なることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
(規定11)
次に、セグメント22の規定11について、図21を参照しながら説明する。図21(a)は、突出板25及びセグメント22を示す斜視図であり、図21(b)は、セグメント22を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定11としては、セグメント22の排気流れ方向SD及びチューブ積層方向PDに沿った高さH22と、セグメント22の排気流れ方向SDに沿った長さL22とを可変したものである。なお、セグメント22の構成以外の突出板25の条件は、上述した規定3と同様である。
図21(a)及び図21(b)に示すように、セグメント22の高さH22は、セグメント22の排気流れ方向SDに沿った長さL22に対して22〜38%であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
(規定12)
次に、セグメント22の規定12について、図22を参照しながら説明する。図22(a)は、突出板25及びセグメント22の一部を示す斜視図であり、図22(b)は、セグメント22を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定12としては、セグメント22の排気流れ方向SDの直交方向CDに沿った幅W22及び排気流れ方向SDに沿った長さL22を可変したものである。なお、セグメント22の構成以外の突出板25の条件は、上述した規定3と同様である。
図22(a)及び図22(b)に示すように、セグメント22の幅W22は、セグメント22の長さL22に対して15〜40%であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
(規定13)
次に、セグメント22の規定13について、図23を参照しながら説明する。図23(a)は、突出板25及びセグメント22を示す斜視図であり、図23(b)は、セグメント22を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定13としては、セグメント22の幅W22及び高さH22を可変したものである。なお、セグメント22の構成以外の突出板25の条件は、上述した規定3と同様である。
図23(a)及び図23(b)に示すように、セグメント22の幅W22は、セグメント22の高さH22に対して82〜112%であることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
(規定14)
次に、セグメント22の規定14について、図24を参照しながら説明する。図24(a)は、突出板25及びセグメント22を示す斜視図であり、図24(b)は、セグメント22の排気流れ方向SDに隣接したセグメント22とのずれ量を可変した場合の渦の強さを示す特性線図である。
この規定14としては、セグメント22の排気流れ方向SDに隣接したセグメント22とのずれ量を可変したものである。なお、セグメント22の構成以外の突出板25の条件は、上述した規定3と同様である。
図24(a)及び図24(b)に示すように、各セグメント22の中心線CLは、排気流れ方向SDに隣接したセグメント22(例えば、下流側のセグメント22)に対して、各セグメント22の中心線CLを基準に30〜70%ずれて配置されることが好ましい。これにより、上述した実施例1(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.25」以上となることが分かる。
特に、各セグメント22の中心線CLは、排気流れ方向SDに隣接したセグメント22(例えば、下流側のセグメント22)に対して、各セグメント22の中心線CLを基準に35〜65%ずれて配置されることが好ましい。これにより、上述した比較評価における比較例2(つまり、渦の強さが「1.00」)に対して渦の強さが「1.30」以上となることが分かる。
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、熱交換器1は、EGRクーラであるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、気体と冷媒とを熱交換する熱交換器(例えば、給気クーラ(CACクーラ)や排熱回収器)であってもよい。
また、突出板25は、セグメント22の水平壁23に形成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、セグメント22の垂直壁24に形成されていてもよい。
また、前傾突出板25Aは、台形であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、排気通路20Aの周面に接する底辺と左右一対の側辺とを有する4角形以上の多角形であればよい。後傾突出板25Bについても同様である。つまり、後傾突出板25Bは、台形であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、排気通路20Aの周面に接する底辺と左右一対の側辺とを有する4角形以上の多角形であればよい。
また、前傾突出板25Aの一方の側辺27Aは、他方の側辺28Aよりも短いものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、他方の側辺28Aと同じ又は若干短いものであってもよい。
また、前傾突出板25Aの頂辺29Aは、底辺26Aに対して傾斜するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、底辺26Aと平行に設けられていてもよい。
また、セグメント22は、オフセット形状に形成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、単に直交方向CDに凹凸状を繰り返すものであってもよい。
また、前傾突出板25Aの一方の側辺27Aの底辺26Aに対する角度aが90度以上であり、他方の側辺28Aの底辺26Aに対する角度bが90度以下に設定されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、この角度aが角度bよりも大きければ何度に設定されていてもよい。
また、前傾突出板25Aは、直交方向CDに隣接した各セグメント22において同一向きに配置されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、直交方向CDに隣接した各セグメント22において線対称に配置されるものであってもよい。
また、前傾突出板25Aは、排気流れ方向SDに隣接した各セグメント22において直交方向CDに対して線対称に配置されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、排気流れ方向SDに隣接した各セグメント22において同一向きに配置されるものであってもよい。
また、後傾突出板25Bは、排気流れ方向SD及びチューブ積層方向PDの直交方向CDに対して前傾突出板25Aと点対称に配置されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、前傾突出板25Aと線対称や非対称であってもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
1…熱交換器
10…外装ケース
11…冷却水入口部
12…冷却水出口部
13…冷却水通路(液体通路)
20…チューブ
20A…排気通路(気体通路)
21…フィン
22(22A〜22D)…セグメント
25…突出板
25A…前傾突出板
26A…底辺
27A…一方の側辺
28A…他方の側辺
29A…頂辺
25B…後傾突出板
26B…底辺
27B…他方の側辺
28B…側辺
29B…頂辺

Claims (1)

  1. 気体が流れる気体通路(20A)に、気体流れ方向の上流側に前倒れ状態となる前傾角度(α1)で配置された前傾突出板(25A)と、前記前傾突出板(25A)の下流に配置され、前記気体流れ方向の下流側に後倒れ状態となる後傾角度(α2)で配置された後傾突出板(25B)とを配置し、
    前記前傾突出板(25A)は、前記気体通路(20A)の周面に接する底辺(26A)と左右一対の側辺(27A,28A)とを有する4角形以上の多角形であり、
    前記前傾突出板(25A)の前記底辺(26A)は、前記気体流れ方向の直交方向に対し斜め向きとなる設置角度(β1)で配置され、
    前記前傾突出板(25A)の気体流れ方向の上流側に位置する一方の前記側辺(27A)の前記底辺(26A)に対する角度(a)は、前記前傾突出板(25A)の前記気体流れ方向の下流側に位置する他方の前記側辺(28A)の前記底辺(26A)に対する角度(b)よりも大きく形成され、
    前記前傾突出板(25A)の前記底面(26A)と前記後傾突出板(25B)の底面(26B)は、平行に配置されていることを特徴とする熱交換器(1)。
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