JP2016079946A - イグナイタおよび車両、イグニッションコイルの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】逆直列接続されたダイオードを含む保護回路を備えるイグナイタにおいて、負のサージに対する誤動作耐性を改善する。【解決手段】コンパレータ302は、入力ライン301の電圧を基準電圧VREFと比較し、判定信号SDETを生成する。ノイズ除去回路330は、マスク期間を設定し、マスク期間の間、スイッチ素子202のターンオフを禁止する。ノイズ除去回路330は、コンパレータ302の出力である判定信号SDETに含まれる所定幅より長いネゲートレベルに続く第1アサートエッジをトリガとして、マスク期間を開始し、判定信号SDETに含まれる所定幅より短いネゲートレベルに続く第2アサートエッジをトリガとしてマスク期間を終了する。【選択図】図6
Description
本発明は、エンジンの点火プラグと接続されるイグニッションコイルを制御するイグナイタに関する。
図1は、ガソリンエンジン車(以下、単に車両ともいう)100のエンジンルーム101の斜視図である。エンジンルーム101には、エンジン110、吸気マニホールド112、エアクリーナ113、ラジエータ114、バッテリ102などが収容される。図1には4気筒エンジンが示される。
エンジン110には、気筒ごとにプラグホール(不図示)が設けられ、プラグホールには、点火プラグ(不図示)が挿入される。エンジン110の各気筒には、エアクリーナ113、吸気マニホールド112を経由した空気と、図示しない燃料タンクからの燃料との混合気体が供給される。点火プラグを適切なタイミングで点火(スパーク)させることで、エンジンが始動、回転する。
図2は、車両100rの電気系統の一部のブロック図である。車両100rの電気系統は、バッテリ102、イグニッションコイル104、点火プラグ106、ECU108、イグナイタ200rを備える。ECU108は、点火プラグ106の点火タイミングを指示する点火信号IGTを、エンジン110の回転と同期して周期的に発生する。イグニッションコイル104の2次コイルL2は点火プラグ106と接続される。イグナイタ200rは、点火信号IGTに応じてイグニッションコイル104の1次コイルL1の電流を制御することにより、2次コイルL2に数十kVもの高電圧を発生させ、点火プラグ106を放電させて、エンジン110内の混合気を爆発させる。
イグナイタ200rは、スイッチ素子202およびスイッチ制御装置300rを備える。スイッチ素子202はたとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、そのコレクタは1次コイルL1と接続され、そのエミッタは接地される。スイッチ制御装置300rは、点火信号IGTに応じてスイッチ素子202の制御端子(ゲート)の電圧を制御し、スイッチ素子202のオン、オフを制御する。具体的にはスイッチ制御装置300rは、点火信号IGTがハイレベルの期間、スイッチ素子202をオン状態とする。スイッチ素子202がオンすると、1次コイルL1の両端間にバッテリ電圧VBATが印加され、1次コイルL1に流れる電流が時間とともに増大する。点火信号IGTがローレベルに遷移すると、スイッチ制御装置300rはスイッチ素子202を瞬時にターンオフさせ、1次コイルL1の電流IL1を遮断する。このとき1次コイルL1には、電流IL1の時間微分に比例した数百Vもの1次電圧VL1(=L・dIL1/dt)が発生する。このとき2次コイルL2には、1次電圧VL1に巻線比を乗じた数十kVもの2次電圧VSが発生する。
スイッチ制御装置300rは、前段の判定ステージ300Aと、後段の駆動ステージ300Bを含む。判定ステージ300Aは、ECU108からの点火信号IGTを受け、そのレベル(ハイ・ロー)を判定する。ここでイグナイタ200は、エンジンルーム内で使用され、さまざまなサージノイズや高周波ノイズに晒される。高周波ノイズによるイグナイタ200の誤動作を防止するために、判定ステージ300Aには、点火信号IGTに重畳する高周波ノイズを除去する高周波フィルタ303が設けられる。電圧コンパレータ302は、高周波フィルタ303を通過した点火信号IGTの電圧レベルVFILを所定の基準電圧(しきい値)VREFと比較し、ハイ・ロー2値の判定信号SDETを生成する。
駆動ステージ300Bは、判定信号SDETに応じて、スイッチ素子202のオン、オフを切りかえる。遅延回路304は、判定信号SDETに所定の遅延を与える。この遅延量は、点火信号IGTの遷移と点火プラグの放電の時間の時間差(遅れ)が所定値となるように設定される。プリドライバ306およびゲートドライバ308は、遅延回路304の出力に応じてスイッチ素子202のゲート電圧を制御する。
イグナイタ200のサージやノイズの耐性を試験するために、さまざまな試験項目が規定されている(特許文献1参照)。たとえばBCI(Bulk Current Injection)やGTEM(Giga-herz Transverse Electro Magnetic)セルによる試験が知られている。特許文献2には、サージやノイズ対策を施したイグナイタが開示される。
図3(a)、(b)は、従来の保護回路の構成例を示す回路図である。図3(a)の保護回路320aは、特許文献2の図3の比較例に記載され、カソードが入力ライン301に、アノードが接地ラインに接続されたダイオードD1を含む。一方、図3(b)の保護回路320bは、特許文献2の図9、図10に開示され、双方向フローティングダイオードD1、D2を含む。
図4(a)は、周期ノイズの典型的な波形図であり、図4(b)、(c)は、図3(a)の保護回路320aの電圧波形図であり、図4(d)、(e)は、図3(b)の保護回路320bの電圧波形図である。
エンジンルームにおいてイグナイタ200に入射する周期ノイズは、典型的には1MHz〜数十MHzの周波数を有している。図4(a)には、単一の周波数成分のみを抽出して示す。
図3(a)の保護回路320aは、半波整流回路(包絡線検波回路)として動作する。したがって0Vを中心として振動する周期ノイズが入力されると、図4(b)に示すように入力電圧VINは、負電圧−VFにてクランプされる。ここで保護回路320aと電圧コンパレータ302の間に、キャパシタC11を含む高周波フィルタ303や寄生容量が存在すると、半波整流された電圧VINによって容量が充電され、点火信号IGTがローレベルであっても、図4(c)に示すように入力電圧VINが上昇し、やがて基準電圧VREFを超えて誤動作を引き起こすおそれがある。
これに対して、図3(b)の保護回路320bでは、図4(d)に示すように包絡線検波しなくなり、したがって図4(e)に示すように、入力電圧VINはローレベル(0V付近)を維持し、誤動作を抑えることができる。このように図3(b)の保護回路320bは、周期ノイズに対する耐性を備える。
本発明者は、図3(b)の保護回路について検討した結果、課題を認識するに至った。
図5は、図3(b)に保護回路に負のサージノイズが入力されたときの波形図である。図3(b)の保護回路320bを用いると、負のサージノイズS30が入力された場合に、入力電圧VINが深く負電圧(−BV)に振れることとなる。BVは、ダイオードD2の逆方向電圧でありたとえば30V程度である。
このサージノイズにより、高周波フィルタ303を構成するキャパシタC11が負方向にチャージされ、入力電圧VINが基準電圧VREFより低くなり、点火信号IGTがハイレベルの区間であるにもかかわらず、判定信号SDETがローレベルに遷移し、2次電圧VSが変化し、点火プラグ106が誤点火する。なお、この問題を当業者の一般的な認識としてとらえてはならず、本発明者が独自に認識したものである。
この問題は、逆直列接続されたダイオードを含む保護回路を備えるイグナイタのみでなく、保護回路が存在しない場合、あるいはその他の形式の保護回路が設けられ、入力電圧VINあるいは高周波フィルタ303の電圧が負方向に深くスイングしうるイグナイタにおいて生じうる。
本発明はこれらの課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、負のサージに対する誤動作耐性を改善することにある。
本発明のある態様はイグナイタに関する。このイグナイタは、イグニッションコイルの1次コイルと接続されるスイッチ素子と、ECU(Engine Control Unit)からの点火信号に応じてスイッチ素子を制御するスイッチ制御装置と、を備える。スイッチ制御装置は、点火信号が入力される入力ラインと、入力ラインの高周波ノイズを除去する高周波フィルタと、高周波フィルタの出力電圧を基準電圧と比較し、判定信号を生成する電圧コンパレータと、判定信号に応じてスイッチ素子のオン、オフを制御する駆動ステージと、(i)判定信号に含まれる所定幅より長いネゲートレベルに続く第1アサートエッジをトリガとして始点が規定され、(ii)判定信号に含まれる所定幅より短いネゲートレベルに続く第2アサートエッジをトリガとして終点が規定されるマスク期間を設定し、マスク期間の間、スイッチ素子のターンオフを禁止するノイズ除去回路と、を備える。
判定信号がアサートレベルに遷移した後、ノイズによって入力ラインの電圧が大きく振れると、判定信号が短時間、ネゲートレベルに遷移する。このイグナイタは、所定幅より短いネゲートレベルをノイズに起因するものと推定し、ノイズに起因するネゲート区間の直後のアサートエッジが現われるまで、スイッチ素子のターンオフを禁止する。これにより、ノイズに起因して判定信号に生ずるネゲートエッジによってスイッチ素子がターンオフするのを防止でき、誤点火を防止できる。
本明細書において、アサートレベルとは、スイッチ素子のオンに対応するレベルを、ネゲートレベルとは、スイッチ素子のオフに対応するレベルをいう。またアサートエッジとは、ネゲートレベルからアサートレベルへの遷移をいい、ネゲートエッジとは、アサートレベルからネゲートレベルへの遷移をいう。
ノイズ除去回路は、判定信号から所定幅より短いネゲートレベルを除去する第1フィルタ回路を含み、第1フィルタ回路の出力にもとづいてマスク期間を開始してもよい。
第1フィルタ回路によって、判定信号からノイズに起因したネゲート区間が除去されるため、第1フィルタ回路の出力は、ノイズの影響ではなく、点火信号の正常な遷移に起因する遷移のみが含まれる。そこで第1フィルタ回路の出力によりマスク期間を開始することで、その後に生じうるノイズによる誤点火を防止する。
第1フィルタ回路によって、判定信号からノイズに起因したネゲート区間が除去されるため、第1フィルタ回路の出力は、ノイズの影響ではなく、点火信号の正常な遷移に起因する遷移のみが含まれる。そこで第1フィルタ回路の出力によりマスク期間を開始することで、その後に生じうるノイズによる誤点火を防止する。
第1フィルタ回路は、第1カットオフ周波数を有する第1ローパスフィルタを含んでもよい。ローパスフィルタを挿入し、そのカットオフ周波数を所定幅に応じて定めることにより、所定幅より短いネゲートレベルを除去できる。
ノイズ除去回路は、判定信号の所定幅より短いネゲートレベルを通過させる第2フィルタ回路をさらに含み、第2フィルタ回路の出力にもとづいてマスク期間を終了してもよい。
第2フィルタ回路の出力には、ノイズに起因して生ずる判定信号のネゲート区間が除去されずに残っている。そこで第2フィルタ回路の出力に含まれるノイズの影響で発生するアサートエッジを利用して、マスク期間の終端を設定でき、ノイズの影響を好適に除去できる。
第2フィルタ回路の出力には、ノイズに起因して生ずる判定信号のネゲート区間が除去されずに残っている。そこで第2フィルタ回路の出力に含まれるノイズの影響で発生するアサートエッジを利用して、マスク期間の終端を設定でき、ノイズの影響を好適に除去できる。
第2フィルタ回路は、第2カットオフ周波数を有する第2ローパスフィルタを含んでもよい。
駆動ステージは判定信号を第1時間、遅延させる第1遅延回路を含んでもよい。ノイズ除去回路は、マスク期間を第1時間と同じ第2時間、時間的に後ろにシフトさせる第2遅延回路をさらに含んでもよい。
これにより、マスク期間を、駆動信号にあわせることができる。
これにより、マスク期間を、駆動信号にあわせることができる。
ある態様のイグナイタは、入力ラインと接地ラインの間に逆直列接続される2個のダイオードを含む保護回路をさらに備えてもよい。
この形式の保護回路を採用した場合、周期ノイズに対する誤動作耐性を高めうるかわりに、サージノイズが入力されたときに入力ラインの電圧が負方向に大きくスイングし、誤点火のリスクが高くなる。かかるイグナイタにノイズ除去回路を採用することで、誤点火を抑制できる。
この形式の保護回路を採用した場合、周期ノイズに対する誤動作耐性を高めうるかわりに、サージノイズが入力されたときに入力ラインの電圧が負方向に大きくスイングし、誤点火のリスクが高くなる。かかるイグナイタにノイズ除去回路を採用することで、誤点火を抑制できる。
本発明の別の態様もイグナイタに関する。このイグナイタは、イグニッションコイルの1次コイルと接続されるスイッチ素子と、ECU(Engine Control Unit)からの点火信号に応じてスイッチ素子を制御するスイッチ制御装置と、を備える。スイッチ制御装置は、点火信号が入力される入力ラインと、入力ラインの高周波ノイズを除去する高周波フィルタと、高周波フィルタの出力電圧を基準電圧と比較し、判定信号を生成する電圧コンパレータと、判定信号に応じてスイッチ素子のオン、オフを制御する駆動ステージと、点火信号の正常な遷移に起因してスイッチ素子がターンオンした後、ノイズに起因して判定信号に生ずるアサートエッジまでの間、スイッチ素子のオンを維持するノイズ除去回路と、を備える。
判定信号がアサートレベルに遷移した後、ノイズによって入力ラインの電圧が大きく振れると、判定信号が短時間、ネゲートレベルに遷移する。このイグナイタは、判定信号に含まれるノイズに起因したネゲート区間を検出し、スイッチ素子がオンした後、そのネゲート区間の終端であるアサートエッジまでの間、スイッチ素子のターンオフを禁止することができ、これにより誤点火を防止できる。
ノイズ除去回路は、(i)点火信号の正常な遷移に起因して判定信号に生ずる第1アサートエッジに応答して所定レベルに遷移し、(ii)ノイズに起因して判定信号に生ずる第2アサートエッジに応答して所定レベルの相補レベルに遷移するマスク信号を生成するマスク生成回路を含んでもよい。
マスク生成回路は、判定信号からノイズに起因する遷移を除去する第1ローパスフィルタを含み、第1ローパスフィルタの出力に応答してマスク信号を所定レベルに遷移させてもよい。
この場合、第1ローパスフィルタによって第1アサートエッジを検出できる。
この場合、第1ローパスフィルタによって第1アサートエッジを検出できる。
マスク生成回路は、判定信号に含まれる複数のアサートエッジを検出するエッジ検出回路を含み、エッジ検出回路により検出されたアサートエッジに応答してマスク信号を相補レベルに遷移させてもよい。
この場合、エッジ検出抵抗回路によって第2アサートエッジを検出できる。
この場合、エッジ検出抵抗回路によって第2アサートエッジを検出できる。
マスク生成回路は、判定信号からノイズに起因する遷移を除去する第1ローパスフィルタと、判定信号に含まれる複数のアサートエッジを検出するエッジ検出回路と、第1ローパスフィルタの出力に応答して所定レベルに遷移し、エッジ検出回路により検出されたアサートエッジに応答して相補レベルに遷移するマスク信号を生成する第1論理回路と、を含んでもよい。
駆動ステージは判定信号を第1時間、遅延させる第1遅延回路を含んでもよい。ノイズ除去回路は、マスク信号を第1時間と同じ第2時間、遅延させる第2遅延回路をさらに含んでもよい。
エッジ検出回路は、第1ローパスフィルタより高いカットオフ周波数を有する第2ローパスフィルタを含み、判定信号を遅延させ、判定信号のノイズに起因する遷移を通過させる第2フィルタ回路と、判定信号と第2フィルタ回路の出力を論理演算することにより、アサートエッジを示すパルス信号を生成する第2論理回路と、を含む。
第1論理回路は、第1フィルタ回路の出力とパルス信号とを受け、マスク信号を出力するフリップフロップを含んでもよい。
本発明の別の態様もまた、イグナイタである。スイッチ制御装置は、点火信号が入力される入力ラインと、入力ラインの高周波ノイズを除去する高周波フィルタと、高周波フィルタの出力電圧を基準電圧と比較し、判定信号を生成する電圧コンパレータと、判定信号に応じてスイッチ素子のオン、オフを制御する駆動ステージと、(i)スイッチ素子がターンオンした後、(ii)判定信号に含まれる所定幅より短いネゲートレベルに続く第2アサートエッジまでの間、スイッチ素子のターンオフを禁止するノイズ除去回路と、を備える。
所定幅を、サージノイズの幅より長く、正常な点火信号のネゲートレベルより短く定めることで、第2アサートエッジの直前のネゲートエッジに応答してスイッチ素子がターンオフするのを防止することができる。
所定幅を、サージノイズの幅より長く、正常な点火信号のネゲートレベルより短く定めることで、第2アサートエッジの直前のネゲートエッジに応答してスイッチ素子がターンオフするのを防止することができる。
本発明のさらに別の態様もまた、イグナイタである。スイッチ制御装置は、点火信号が入力される入力ラインと、入力ラインの高周波ノイズを除去する高周波フィルタと、高周波フィルタの出力電圧を基準電圧と比較し、判定信号を生成する電圧コンパレータと、判定信号に応じてスイッチ素子のオン、オフを制御する駆動ステージと、を備える。スイッチ制御装置は、(i)判定信号に含まれる所定幅より長いネゲートレベルに続く第1アサートエッジより第1時間の経過後から、(ii)前記判定信号に含まれる所定幅より短いネゲートレベルに続く第2アサートエッジまでの間、前記スイッチ素子のオンを維持するように構成されてもよい。
スイッチ制御装置は、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
本発明の別の態様は、車両に関する。車両は、ガソリンエンジンと、点火プラグと、1次コイルと、点火プラグと接続される2次コイルと、を有するイグニッションコイルと、点火プラグの点火を指示する点火信号を生成するECUと、点火信号に応じてイグニッションコイルを駆動する上述のいずれかのイグナイタと、を備えてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、イグナイタの負のサージに対する誤動作耐性を改善することができる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aと部材Bが接続」された状態とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図6は、実施の形態に係るイグナイタ200の回路図である。イグナイタ200は、スイッチ素子202およびスイッチ制御装置300を備える。スイッチ制御装置300の基本構成は図2のそれと同じであり、判定ステージ300A、駆動ステージ300B、保護回路320、ノイズ除去回路330を備え、ひとつの半導体基板に一体集積化された機能ICである。
保護回路320は、入力ライン301と接続され、過電圧ノイズから後段の内部回路310を保護する。保護回路320は、入力ライン301と接地ライン312の間に逆直列接続された2個のダイオードD1、D2を含む。
判定ステージ300Aは、高周波フィルタ303および電圧コンパレータ302を備える。入力ライン301には、ECU108からの点火信号IGTが入力される。高周波フィルタ303は、入力ライン301の高周波ノイズを除去する。
電圧コンパレータ302は、高周波フィルタ303の出力電圧VFILを基準電圧VREFと比較し、判定信号SDETを生成する。本実施の形態では、VFIL>VREF(VIN>VREF)の状態が、スイッチ素子202のオンに、VFIL<VREF(VIN<VREF)の状態が、スイッチ素子202のオフに対応づけられる。また、判定信号SDETは、VFIL>VREFのとき、ハイレベル(アサート)、VFIL<VREFのときローレベル(ネゲート)であり、したがって、判定信号SDETのハイレベルは、スイッチ素子202のオンに対応するアサートレベルであり、判定信号SDETのローレベルは、スイッチ素子202のオフに対応するネゲートレベルである。また、判定信号SDETのエッジ(レベル遷移)のうち、(i)ネゲートレベルからアサートレベルへの遷移に対応するエッジをアサートエッジ、(ii)アサートレベルからネゲートレベルへの遷移に対応するエッジをネゲートエッジと称する。本実施の形態においてアサートエッジがポジティブエッジであり、ネゲートエッジはネガティブエッジである。なお、ハイレベル、ローレベルとアサート、ネゲートの割り当ては設計事項であり、入れかえてもよい。
駆動ステージ300Bは、判定ステージ300Aにより生成された判定信号SDETに応じて、スイッチ素子202のオン、オフを制御する。駆動ステージ300Bは、第1遅延回路304、プリドライバ306、ゲートドライバ308を含む。第1遅延回路304は、判定信号SDETに所定の遅延(第1時間Td1)を与える。この遅延量Td1は、点火信号IGTの遷移と点火プラグの放電の時間の時間差(遅れ)が所定値となるように設定される。プリドライバ306およびゲートドライバ308は、第1遅延回路304の出力S2に応じてスイッチ素子202のゲート電圧を制御する。
イグナイタ200のスイッチ制御装置300はさらに、ノイズ除去回路330を備える。ノイズ除去回路330は、点火信号IGTの正常な遷移に起因してスイッチ素子202がターンオンした後、ノイズ(具体的には負のサージノイズ)に起因して判定信号SDETに生ずるアサートエッジまでの間、スイッチ素子202のターンオフを禁止する。
入力ライン301に負のサージノイズが入力されると、入力ライン301の電圧VINが負方向(−BV)まで大きく振れ、これが高周波フィルタ303を通過して高周波フィルタ303の出力電圧VFILも負方向に大きくスイングし、基準電圧VREFを下回る。これにより、判定信号SDETは短い時間、ネゲートレベル(ローレベル)に遷移し、その後、アサートレベルに復帰する。つまり、サージノイズにより判定信号SDETがネゲートレベルに遷移した場合、そのネゲートレベルの区間(ローレベル区間)は、正常動作時のローレベル区間よりも区別可能に短くなる。そこであるしきい値幅TTHを定め、ローレベル区間と比較することで、ノイズにともなうローレベル区間か、点火信号IGTの遷移にともなう正常なローレベル区間かを区別できる。
ノイズ除去回路330は、判定信号SDETにもとづいてマスク期間TMSKを設定する。駆動ステージ300Bは、マスク期間TMSKの間、スイッチ素子202のオン状態を維持する。言い換えればマスク期間TMSKの間、スイッチ素子202のターンオフが禁止される。
マスク期間TMSKの始点は、判定信号SDETに含まれる所定幅TTHより長いネゲートレベルに続く第1アサートエッジをトリガとして規定される。またマスク期間TMSKの終点は、判定信号SDETに含まれる所定幅TTHより短いネゲートレベルに続く第2アサートエッジをトリガとして規定される。
以上がイグナイタ200の基本構成である。続いてその動作を説明する。図7は、実施の形態に係るイグナイタ200の動作波形図である。ここでは理解の容易化および説明の簡潔化のため、駆動ステージ300Bにおける伝搬遅延は無視している。また本明細書で参照する波形図やタイムチャートの縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化され、あるいは強調されている。
時刻t0に、ECUからの点火信号IGTがアサートレベルに遷移する。これにより入力電圧VINが基準電圧VREFを超え、判定信号SDETがアサートレベル(ハイレベル)となる。判定信号SDETがアサートレベルとなると、スイッチ素子202がターンオンし、コイル電流ICが増大し始める。
時刻t2に、サージノイズS20が入力され、入力ライン301の電圧VINが負方向に大きく振れる。図6の保護回路320を用いる場合、電圧VINは−BV=−30V程度まで変化し、判定信号SDETがネゲートレベル(ローレベル)に遷移する。サージノイズS20の影響が無くなると、入力ライン301の電圧VINがもとのハイレベル電圧に戻る。つまり判定信号SDETは、短時間のローレベル区間の経過後の時刻t3のアサートエッジE2とともにハイレベルに戻る。
マスク信号S5は、スイッチ素子202のターンオフが禁止されるマスク時間TMSKを示す。このマスク時間TMSKは、(i)スイッチ素子202のターンオンからある時間Td3の経過後、言い換えれば、点火信号IGTの正常な遷移に起因して判定信号SDETに生ずる第1アサートエッジ(ポジティブエッジ)E1からある時間Td3の経過後の時刻t1を始点とする。またマスク時間TMSKは、(ii)サージノイズS20に起因して判定信号SDETに生ずる第2アサートエッジE2を終点とする。つまりマスク信号S5は、第1アサートエッジE1を検出すると所定レベル(ハイレベル)に遷移し、第2アサートエッジE2を検出すると相補レベル(ローレベル)に遷移する。
ノイズ除去回路330は、マスク時間TMSKの間、スイッチ素子202のゲート信号S4をハイレベルに維持し、これによりマスク時間TMSKの間、スイッチ素子202のターンオフを禁止する。
以上がイグナイタ200の動作である。
判定信号SDETがアサートレベルに遷移した後、サージノイズによって入力ライン301の電圧VINが負方向に大きく振れると、判定信号SDETが短時間、ネゲートレベルに遷移する。このイグナイタ200は、所定幅TTHより短いネゲートレベルをノイズに起因するものと推定し、ノイズに起因するネゲート区間の直後のアサートエッジE2が現われるまで、スイッチ素子202のターンオフを禁止する。これにより、ノイズに起因して判定信号SDETに生ずるネゲートエッジE3によってスイッチ素子202がターンオフするのを防止でき、誤点火を防止できる。つまり、逆直列接続されたダイオードを含む保護回路を320備えるイグナイタ200において、負のサージに対する誤動作耐性を改善することができる。
判定信号SDETがアサートレベルに遷移した後、サージノイズによって入力ライン301の電圧VINが負方向に大きく振れると、判定信号SDETが短時間、ネゲートレベルに遷移する。このイグナイタ200は、所定幅TTHより短いネゲートレベルをノイズに起因するものと推定し、ノイズに起因するネゲート区間の直後のアサートエッジE2が現われるまで、スイッチ素子202のターンオフを禁止する。これにより、ノイズに起因して判定信号SDETに生ずるネゲートエッジE3によってスイッチ素子202がターンオフするのを防止でき、誤点火を防止できる。つまり、逆直列接続されたダイオードを含む保護回路を320備えるイグナイタ200において、負のサージに対する誤動作耐性を改善することができる。
本発明は、図6のブロック図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな回路に及ぶものであり、特定の回路構成に限定されるものではないが、以下では、その具体的な構成例を説明する。
図8は、スイッチ制御装置300の構成例を示す回路図である。
ノイズ除去回路330は、マスク時間TMSKを規定するマスク信号S5を生成するマスク生成回路330Aと、論理ゲート330Bを含む。論理ゲート330Bは、駆動ステージ300B内の信号であって、スイッチ素子202のオン、オフを指示する制御信号と、マスク信号S5を論理演算することにより、制御信号の論理レベルを修正し、ノイズの影響によりスイッチ素子202がターンオフするのを防止する。
ノイズ除去回路330は、マスク時間TMSKを規定するマスク信号S5を生成するマスク生成回路330Aと、論理ゲート330Bを含む。論理ゲート330Bは、駆動ステージ300B内の信号であって、スイッチ素子202のオン、オフを指示する制御信号と、マスク信号S5を論理演算することにより、制御信号の論理レベルを修正し、ノイズの影響によりスイッチ素子202がターンオフするのを防止する。
マスク生成回路330Aは、第1フィルタ回路332、エッジ検出回路334、第1論理回路336、第2遅延回路338を備える。第1フィルタ回路332は、判定信号SDETから所定幅TTHより短いネゲートレベルを除去する。ノイズ除去回路330は、第1フィルタ回路332の出力S6にもとづいてマスク期間TMSKを開始する。
エッジ検出回路334は、判定信号SDETに含まれる複数のアサートエッジ(ポジティブエッジ)を検出し、アサートエッジごとにアサートされるパルス信号S8を生成する。第1論理回路336は、第1フィルタ回路332の出力S6に応答して所定レベル(ハイレベル)に遷移し、パルス信号S8、つまりエッジ検出回路334により検出されたアサートエッジ(ポジティブエッジ)に応答して相補レベル(ローレベル)に遷移するマスク信号S5’を生成する。たとえば第1論理回路336は、第1フィルタ回路332の出力S6とパルス信号S8とを受け、マスク信号S5’を出力するフリップフロップを含んでもよい。たとえばフリップフロップ336は、セット入力に信号S6を受け、リセット入力にパルス信号S8を受けるRSフリップフロップであってもよい。
より具体的には、第1フィルタ回路332は、第1ローパスフィルタ340を用いて構成することができる。第1ローパスフィルタ340のカットオフ周波数fc1は、サージノイズに起因する所定幅TTHより短いローレベル区間を除去可能に設計される。たとえば第1ローパスフィルタ340は1次のRCフィルタであり、その時定数CR(カットオフ周波数fc1)は、所定時間TTHにもとづいて設計される。
第1ローパスフィルタ340の前段および後段には、インバータ342、344が設けられ、第1フィルタ回路332を通過しても信号の論理値が変化しないようになっている。第1フィルタ回路332をローパスフィルタで構成する場合、その出力S6は、判定信号SDETに対して全体的に、ある時間Td3、遅延する。
エッジ検出回路334は、第2フィルタ回路346および第2論理回路348を含む。第2フィルタ回路346は、判定信号SDETを、第1フィルタ回路332の遅延時間Td3より短い時間Td4、遅延させる。たとえば第2フィルタ回路346は、第1フィルタ回路332と同様に、RCフィルタ(第2ローパスフィルタ354)と2個のインバータ356、358の組み合わせで構成することができる。第2ローパスフィルタ354の時定数(カットオフ周波数fc2)は、判定信号SDETに含まれるサージノイズに起因するネゲート区間を通過させるように定められる。
第2論理回路348は、遅延前の判定信号SDETと第2フィルタ回路346の出力(遅延後の判定信号)S7を論理演算することにより、アサートエッジを示すパルス信号S8を生成する。第2論理回路348は、XOR(排他的論理和)ゲート350、NAND(否定論理積)ゲート352を含む。当業者によれば、第2論理回路348の構成は特に限定されず、その他の公知技術を用いてもよいことが理解される。
上述のように、駆動ステージ300Bは判定信号SDETを第1時間Td1、遅延させる第1遅延回路304を含む。そこでマスク生成回路330Aには、マスク信号S5’のタイミングを調節するための第2遅延回路338が設けられる。第2遅延回路338は、第1遅延回路304のレプリカであり、マスク信号S5’を、第1時間Td1と等しい第2時間Td2、遅延させ、マスク期間TMSKを時間的に後ろにシフトする。
まとめると、第1遅延回路304、第1フィルタ回路332、第2遅延回路338、第2フィルタ回路346それぞれの時定数RCは、以下の関係式を満たす。
R1×C1=R2×C2 …(1)
R4・C4<R1×C1<R3×C3 …(2)
R4×C4<TTH …(2)
TTH<R3×C3 …(3)
R1×C1=R2×C2 …(1)
R4・C4<R1×C1<R3×C3 …(2)
R4×C4<TTH …(2)
TTH<R3×C3 …(3)
図9は、図8のスイッチ制御装置300の動作波形図である。第1フィルタ回路332により、判定信号SDETに含まれる所定幅TTHより短いローレベル区間が除去され、信号S6が生成される。この信号S6は、もとの判定信号SDETよりもある時間Td3、遅延しており、信号S6のアサートエッジE1は、正常な点火信号IGTにもとづく遷移であり、信号S6をトリガとしてマスク信号S5’がハイレベルに遷移し、マスク期間TMSK’が開始する。
また第2フィルタ回路346によって判定信号SDETのノイズに起因するローレベル区間を維持したまま、微小遅延Td4が与えられ、信号S7が生成される。遅延された信号S7と遅延前の判定信号SDETを論理演算することにより、判定信号SDETに含まれるアサートエッジ(ポジティブエッジ)を示すパルス信号S8が生成される。そしてパルス信号S8に応答して、マスク信号S5’がローレベルに遷移し、マスク期間TMSK’が終了する。
そして、マスク信号S5’に対して、駆動ステージ300Bにおいて判定信号SDETに与えられる遅延Td1と同じ遅延Td2が与えられ、マスク信号S5が生成される。マスク信号S5と遅延後の判定信号S2を論理演算(論理和)することにより、遅延後の判定信号S2から、ノイズの影響によるローレベル区間NLが除去され、もとの判定信号SDETに含まれていたネゲートエッジE3により、スイッチ素子202がターンオフするのを防止できる。
実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例を説明する。
(第1変形例)
実施の形態では、判定信号SDETに含まれる所定幅TTHより長いネゲートレベルに続く第1アサートエッジ、言い換えれば点灯信号IGTの正常な遷移にもとづくアサートエッジを検出するために、第1フィルタ回路332をローパスフィルタで構成したが、本発明はそれには限定されない。たとえば第1フィルタ回路332をデジタルカウンタで構成し、判定信号SDETのネゲート区間がしきい値幅TTHより長いか短いかを判定してもよい。あるいはデジタルフィルタを利用して、第1フィルタ回路332を構成してもよい。
実施の形態では、判定信号SDETに含まれる所定幅TTHより長いネゲートレベルに続く第1アサートエッジ、言い換えれば点灯信号IGTの正常な遷移にもとづくアサートエッジを検出するために、第1フィルタ回路332をローパスフィルタで構成したが、本発明はそれには限定されない。たとえば第1フィルタ回路332をデジタルカウンタで構成し、判定信号SDETのネゲート区間がしきい値幅TTHより長いか短いかを判定してもよい。あるいはデジタルフィルタを利用して、第1フィルタ回路332を構成してもよい。
(第2変形例)
またエッジ検出回路334に関して、エッジ検出回路334は、所定幅TTHより短いネゲート区間を抽出できればよく、その構成は特に限定されない。たとえば第2フィルタ回路346は、RCフィルタとインバータの組み合わせではなく、多段接続された複数のインバータを含む遅延回路で構成してもよい。あるいはRCフィルタに代えて、キャパシタの充電時間(あるいは放電時間)を利用した構成を用いてもよい。具体的には、遅延回路は、キャパシタ、キャパシタを充電する電流源、キャパシタに生ずる電圧をしきい値電圧と比較するコンパレータ、キャパシタの電荷をリセットするスイッチの組み合わせで構成してもよい。
またエッジ検出回路334の一部をデジタルカウンタで構成し、判定信号SDETのネゲート区間がしきい値幅TTHより長いか短いかを判定し、しきい値幅TTHより短いネゲート区間を抽出してもよい。
またエッジ検出回路334に関して、エッジ検出回路334は、所定幅TTHより短いネゲート区間を抽出できればよく、その構成は特に限定されない。たとえば第2フィルタ回路346は、RCフィルタとインバータの組み合わせではなく、多段接続された複数のインバータを含む遅延回路で構成してもよい。あるいはRCフィルタに代えて、キャパシタの充電時間(あるいは放電時間)を利用した構成を用いてもよい。具体的には、遅延回路は、キャパシタ、キャパシタを充電する電流源、キャパシタに生ずる電圧をしきい値電圧と比較するコンパレータ、キャパシタの電荷をリセットするスイッチの組み合わせで構成してもよい。
またエッジ検出回路334の一部をデジタルカウンタで構成し、判定信号SDETのネゲート区間がしきい値幅TTHより長いか短いかを判定し、しきい値幅TTHより短いネゲート区間を抽出してもよい。
(第3変形例)
実施の形態では、正常な点灯信号IGTの遷移にもとづく判定信号SDETのローレベル区間と、サージノイズにもとづく判定信号SDETのローレベル区間を区別するために、ローレベル区間の長さに着目したが本発明はそれには限定されない。
実施の形態では、正常な点灯信号IGTの遷移にもとづく判定信号SDETのローレベル区間と、サージノイズにもとづく判定信号SDETのローレベル区間を区別するために、ローレベル区間の長さに着目したが本発明はそれには限定されない。
(1) たとえばESDノイズに代表されるサージノイズの波形に着目すると、サージノイズは非常に大きな振幅を有し、このノイズにより、入力ライン301の電圧VINは、0Vを下回って、−BV付近まで低下する。そこで、負のしきい値電圧VTHを定め、入力ライン301の電圧VINがしきい値電圧VTHを下回ると、ノイズが入力されたものと判定し、その直後のアサートエッジE2をマスク期間TMSKの終端としてもよい。
(2) あるいは、サージノイズは高い周波数成分を含む。そこで、ノイズ除去回路330に、サージノイズに含まれる高い周波数成分を検出するハイパスフィルタあるいはバンドパスフィルタを設け、このフィルタの出力を、あるしきい値VTH2と比較することで、サージノイズの入力の有無を判定してもよい。そしてサージノイズの入力を検出すると、その直後のアサートエッジE2をマスク期間TMSKの終端としてもよい。
(第4変形例)
ノイズ除去回路330に関して、図8では、マスク生成回路330Aの出力段に第2遅延回路338を挿入する構成としたが本発明はそれには限定されない。たとえば、論理ゲート330Bを第1遅延回路304の前段に挿入し、論理ゲート330Bは、判定信号SDETとマスク信号S5’を論理演算し、第1遅延回路304は、論理ゲート330Bの出力を遅延させてもよい。この場合、第2遅延回路338が省略可能である。
ノイズ除去回路330に関して、図8では、マスク生成回路330Aの出力段に第2遅延回路338を挿入する構成としたが本発明はそれには限定されない。たとえば、論理ゲート330Bを第1遅延回路304の前段に挿入し、論理ゲート330Bは、判定信号SDETとマスク信号S5’を論理演算し、第1遅延回路304は、論理ゲート330Bの出力を遅延させてもよい。この場合、第2遅延回路338が省略可能である。
(第5変形例)
保護回路320の構成は、図6に示すそれには限定されない。本発明は保護回路320が設けられないイグナイタ200や、図6とは異なる形式の保護回路320を備えるイグナイタ200にも適用可能である。
保護回路320の構成は、図6に示すそれには限定されない。本発明は保護回路320が設けられないイグナイタ200や、図6とは異なる形式の保護回路320を備えるイグナイタ200にも適用可能である。
実施の形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎないことはいうまでもなく、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められることはいうまでもない。
100…車両、101…エンジンルーム、102…バッテリ、104…イグニッションコイル、106…点火プラグ、L1…1次コイル、L2…2次コイル、108…ECU、110…エンジン、112…吸気マニホールド、113…エアクリーナ、114…ラジエータ、200…イグナイタ、202…スイッチ素子、300…スイッチ制御装置、300A…判定ステージ、300B…駆動ステージ、301…入力ライン、302…コンパレータ、303…高周波フィルタ、304…第1遅延回路、306…プリドライバ、308…ゲートドライバ、310…内部回路、312…接地ライン、320…保護回路、330…ノイズ除去回路、330A…マスク生成回路、330B…論理ゲート、332…第1フィルタ回路、334…エッジ検出回路、336…第1論理回路、338…第2遅延回路、340…第1ローパスフィルタ、342,344…インバータ、346…第2フィルタ回路、348…第2論理回路、350…XORゲート、352…NANDゲート、354…第2ローパスフィルタ、356,358…インバータ。
Claims (22)
- イグニッションコイルの1次コイルと接続されるスイッチ素子と、
ECU(Engine Control Unit)からの点火信号に応じて前記スイッチ素子を制御するスイッチ制御装置と、
を備え、
前記スイッチ制御装置は、
前記点火信号が入力される入力ラインと、
前記入力ラインの高周波ノイズを除去する高周波フィルタと、
前記高周波フィルタの出力電圧を基準電圧と比較し、判定信号を生成する電圧コンパレータと、
前記判定信号に応じて前記スイッチ素子のオン、オフを制御する駆動ステージと、
(i)前記判定信号に含まれる所定幅より長いネゲートレベルに続く第1アサートエッジをトリガとして始点が規定され、(ii)前記判定信号に含まれる前記所定幅より短いネゲートレベルに続く第2アサートエッジをトリガとして終点が規定されるマスク期間を設定し、前記マスク期間の間、前記スイッチ素子のターンオフを禁止するノイズ除去回路と、
を備えることを特徴とするイグナイタ。 - 前記ノイズ除去回路は、前記判定信号から前記所定幅より短いネゲートレベルを除去する第1フィルタ回路を含み、前記第1フィルタ回路の出力にもとづいて前記マスク期間を開始することを特徴とする請求項1に記載のイグナイタ。
- 前記第1フィルタ回路は、第1カットオフ周波数を有する第1ローパスフィルタを含むことを特徴とする請求項2に記載のイグナイタ。
- 前記ノイズ除去回路は、前記判定信号の前記所定幅より短いネゲートレベルを通過させる第2フィルタ回路をさらに含み、前記第2フィルタ回路の出力にもとづいて前記マスク期間を終了することを特徴とする請求項2または3に記載のイグナイタ。
- 前記第2フィルタ回路は、第2カットオフ周波数を有する第2ローパスフィルタを含むことを特徴とする請求項4に記載のイグナイタ。
- 前記駆動ステージは前記判定信号を第1時間、遅延させる第1遅延回路を含み、
前記ノイズ除去回路は、前記マスク期間を前記第1時間と同じ第2時間、時間的に後ろにシフトさせる第2遅延回路をさらに含むことを特徴とする請求項2または3に記載のイグナイタ。 - 前記入力ラインと接地ラインの間に逆直列接続される2個のダイオードを含む保護回路をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のイグナイタ。
- イグニッションコイルの1次コイルと接続されるスイッチ素子と、
ECU(Engine Control Unit)からの点火信号に応じて前記スイッチ素子を制御するスイッチ制御装置と、
を備え、
前記スイッチ制御装置は、
前記点火信号が入力される入力ラインと、
前記入力ラインの高周波ノイズを除去する高周波フィルタと、
前記高周波フィルタの出力電圧を基準電圧と比較し、判定信号を生成する電圧コンパレータと、
前記判定信号に応じて前記スイッチ素子のオン、オフを制御する駆動ステージと、
前記点火信号の正常な遷移に起因して前記スイッチ素子がターンオンした後、ノイズに起因して前記判定信号に生ずるアサートエッジまでの間、前記スイッチ素子のオンを維持するノイズ除去回路と、
を備えることを特徴とするイグナイタ。 - 前記ノイズ除去回路は、(i)前記点火信号の正常な遷移に起因して前記判定信号に生ずる第1アサートエッジに応答して所定レベルに遷移し、(ii)前記ノイズに起因して前記判定信号に生ずる第2アサートエッジに応答して前記所定レベルの相補レベルに遷移するマスク信号を生成するマスク生成回路を含むことを特徴とする請求項8に記載のイグナイタ。
- 前記マスク生成回路は、前記判定信号から前記ノイズに起因する遷移を除去する第1ローパスフィルタを含み、前記第1ローパスフィルタの出力に応答して前記マスク信号を前記所定レベルに遷移させることを特徴とする請求項9に記載のイグナイタ。
- 前記マスク生成回路は、前記判定信号に含まれる複数のアサートエッジを検出するエッジ検出回路を含み、前記エッジ検出回路により検出された前記アサートエッジに応答して前記マスク信号を前記相補レベルに遷移させることを特徴とする請求項9または10に記載のイグナイタ。
- 前記マスク生成回路は、
前記判定信号から前記ノイズに起因する遷移を除去する第1ローパスフィルタと、
前記判定信号に含まれる複数のアサートエッジを検出するエッジ検出回路と、
前記第1ローパスフィルタの出力に応答して前記所定レベルに遷移し、前記エッジ検出回路により検出された前記アサートエッジに応答して前記相補レベルに遷移する前記マスク信号を生成する第1論理回路と、
を含むことを特徴とする請求項9に記載のイグナイタ。 - 前記駆動ステージは前記判定信号を第1時間、遅延させる第1遅延回路を含み、
前記ノイズ除去回路は、前記マスク信号を前記第1時間と同じ第2時間、遅延させる第2遅延回路をさらに含むことを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載のイグナイタ。 - 前記エッジ検出回路は、
前記第1ローパスフィルタより高いカットオフ周波数を有する第2ローパスフィルタを含み、前記判定信号を遅延させ、前記判定信号の前記ノイズに起因する遷移を通過させる第2フィルタ回路と、
前記判定信号と前記第2フィルタ回路の出力を論理演算することにより、前記アサートエッジを示すパルス信号を生成する第2論理回路と、
を含むことを特徴とする請求項12に記載のイグナイタ。 - 前記第1論理回路は、前記第1ローパスフィルタの出力と前記エッジ検出回路の出力とを受け、前記マスク信号を出力するフリップフロップを含むことを特徴とする請求項14に記載のイグナイタ。
- イグニッションコイルの1次コイルと接続されるスイッチ素子と、
ECU(Engine Control Unit)からの点火信号に応じて前記スイッチ素子を制御するスイッチ制御装置と、
を備え、
前記スイッチ制御装置は、
前記点火信号が入力される入力ラインと、
前記入力ラインの高周波ノイズを除去する高周波フィルタと、
前記高周波フィルタの出力電圧を基準電圧と比較し、判定信号を生成する電圧コンパレータと、
前記判定信号に応じて前記スイッチ素子のオン、オフを制御する駆動ステージと、
(i)前記スイッチ素子がターンオンした後、(ii)前記判定信号に含まれる所定幅より短いネゲートレベルに続く第2アサートエッジまでの間、前記スイッチ素子のターンオフを禁止するノイズ除去回路と、
を備えることを特徴とするイグナイタ。 - 前記入力ラインと接地ラインの間に逆直列接続される2個のダイオードを含む保護回路をさらに備えることを特徴とする請求項8から16のいずれかに記載のイグナイタ。
- 前記スイッチ制御装置は、ひとつの半導体基板に一体集積化されることを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載のイグナイタ。
- ガソリンエンジンと、
点火プラグと、
1次コイルと、前記点火プラグと接続される2次コイルと、を有するイグニッションコイルと、
前記点火プラグの点火を指示する点火信号を生成するECUと、
前記点火信号に応じて前記イグニッションコイルを駆動する請求項1から18のいずれかに記載のイグナイタと、
を備えることを特徴とする車両。 - 点火プラグと接続されるイグニッションコイルの制御方法であって、
フィルタにより、ECU(Engine Control Unit)からの点火信号が入力される入力ラインの高周波ノイズを除去するステップと、
前記フィルタの出力電圧を基準電圧と比較し、判定信号を生成するステップと、
前記判定信号に応じて、前記イグニッションコイルの1次コイルと接続されるスイッチ素子のオン、オフを制御するステップと、
前記点火信号の正常な遷移に起因して前記判定信号に生ずる第1アサートエッジを検出するステップと、
ノイズに起因して前記判定信号に生ずる第2アサートエッジを検出するステップと、
前記第1アサートエッジをトリガとして所定レベルに遷移し、前記第2アサートエッジをトリガとして前記所定レベルの相補レベルに遷移するマスク信号を生成するステップと、
前記マスク信号が前記所定レベルの間、前記スイッチ素子のターンオフを禁止するステップと、
を備えることを特徴とする方法。 - 点火プラグと接続されるイグニッションコイルの制御方法であって、
フィルタにより、ECU(Engine Control Unit)からの点火信号が入力される入力ラインの高周波ノイズを除去するステップと、
前記フィルタの出力電圧を基準電圧と比較し、判定信号を生成するステップと、
前記判定信号に応じて、前記イグニッションコイルの1次コイルと接続されるスイッチ素子のオン、オフを制御するステップと、
(i)前記判定信号に含まれる所定幅より長いネゲートレベルに続く第1アサートエッジをトリガとして始点が規定され、(ii)前記判定信号に含まれる前記所定幅より短いネゲートレベルに続く第2アサートエッジをトリガとして終点が規定されるマスク期間の間、前記スイッチ素子のオン状態を維持するステップと、
を備えることを特徴とする方法。 - 前記入力ラインの過電圧を、前記入力ラインと接地ラインの間に逆直列接続される2個のダイオードによりクランプするステップをさらに備えることを特徴とする請求項20または21に記載の方法。
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Cited By (1)
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CN110230566A (zh) * | 2019-06-03 | 2019-09-13 | 昆山凯迪汽车电器有限公司 | 智能点火驱动模块及其电路 |
-
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