JP6070470B2 - 点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、点火を制御する点火制御手段を備える点火装置に関する。
近年、ダウンサイジングによって燃費を改善したりコストを低減したりすべく、過給器の採用等によってガソリンエンジンの圧縮比が高くされる傾向にある。圧縮比が高くされると、点火プラグに放電火花を生じさせる時期における筒内圧が高くなり、点火プラグの放電電圧が高くなる。そして、放電電圧が高くなると、走行距離の増加等によって点火プラグの電極消耗が進んだ場合に、放電電圧がプラグ碍子の絶縁破壊限界電圧を超える事態が生じ、点火プラグの信頼性が低下するおそれがある。このとき、放電火花を発生させることができなくなり、エンジンが失火するおそれがある。
こうした問題に対処すべく、本発明者らは、下記特許文献1に見られるように、ツェナーダイオードやバリスタ等の定電圧素子(電圧制限素子)を用いて点火プラグの放電電圧を所定電圧で制限する技術に着目した。この技術について詳しく説明すると、点火コイルの2次側の両端のうち一端には、点火プラグの中心電極と、端子間電圧が上記所定電圧以上になることで電流の流通を許容する定電圧素子とが接続されている。そして、定電圧素子の両端のうち中心電極側と反対側が接地されている。
こうした構成によれば、点火プラグのギャップの印加電圧が所定電圧を上回ろうとする場合、上記印加電圧が所定電圧で制限されてフラットにされる。そして、上記印加電圧が所定電圧に維持される期間内にギャップの雰囲気の状態が放電に適した状態とされることで、ギャップに放電火花が生じる。これにより、点火プラグの放電電圧が過度に高くなることを回避でき、点火プラグの信頼性の低下を抑制することができる。
特開昭61−178561号公報
一方で、ツェナーダイオードやバリスタ等の定電圧素子に異常が発生した場合、定電圧素子による2次エネルギの損失が生じることが考えられ、その2次エネルギの損失によって、火花放電の際にギャップに印加される2次電圧(高電圧)の低下を招くおそれがある。
本発明は、定電圧素子の異常の有無にかかわらず、点火プラグの放電を好適に継続できる点火装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に記載の発明では、互いに磁気結合された1次コイル及び2次コイルを有する点火コイルと、内燃機関の燃焼室に突出した中心電極及び接地電極を有する点火プラグと、中心電極及び接地電極との間隙であるギャップに火花放電を生じさせるべく、1次コイルへの通電後、1次コイルへの通電を遮断することによりギャップに2次電圧を印加する点火制御手段とを備える点火装置において、2次電圧が印加される2次側経路において点火プラグに並列に接続され、点火プラグのギャップにかかる2次電圧の絶対値が所定の電圧制限値を超えないように2次電圧を制限する電圧制限手段と、2次コイルと電圧制限手段との電気的な接続を切り離す切離手段と、ギャップに2次電圧が印加される際に電圧制限手段に異常があるかを判定する異常判定手段と、電圧制限手段に異常があると判定された際に、切離手段を非接続状態にする切替制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記発明では、点火プラグのギャップにかかる電圧の絶対値を所定電圧以下に制限するために、点火プラグに並列に電圧制限素子を接続した場合、電圧制限素子の異常の影響がギャップに印加される2次電圧に及ぶおそれがある。そこで電圧制限素子に異常がある場合に、電圧制限素子を点火プラグから電気的に切り離すことにより、電圧制限素子の異常の影響が点火プラグに及ぶことを抑えることができる。
点火装置の構成図。 定電圧素子の接続の有無による2次電圧の推移の比較を示す図。 定電圧素子の異常の有無による2次電圧の推移の比較を示す図。 異常判定処理の一例を示すフローチャート。 異常判定処理の一例を示すタイミングチャート。 異常判定処理の変容例を示すフローチャート。 点火装置の変容例の構成図。 異常判定処理の変容例を示すフローチャート。 異常判定処理の変容例を示すタイミングチャート。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる点火装置を車載火花点火式エンジンに適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかる点火装置の全体構成を示す。
図示されるように、点火装置は、点火プラグ10及び点火コイル12を備えて構成されている。詳しくは、点火プラグ10は、中心電極10aと接地電極10bとを備えて構成されており、中心電極10aと接地電極10bとの間隙であるギャップに2次電圧(高電圧)V2が印加されることで、図示しないエンジンの燃焼室に放電火花を生じさせる機能を有する。
点火コイル12は、1次コイル12aと、同コイルに磁気結合された2次コイル12bとを備えて構成されている。2次コイル12bの両端のうち一端は、低圧側経路L1を介してバッテリ14の正極側(基準となる電位を有する部材に相当)に接続され、他端は、接続経路L2を介して中心電極10aに接続されている。そして、バッテリ14の負極側は接地されている。なお、本実施形態では、バッテリ14として、12Vの端子電圧Vbを有する鉛蓄電池を用いている。また、本実施形態では、接地電位を「0V」とする。
1次コイル12aの両端のうち一端は、バッテリ14の正極側に接続され、他端は、電子制御式の開閉手段であるスイッチング素子16の入出力端子を介して接地されている。本実施形態では、スイッチング素子16として、NチャネルMOSFETを用いる例が示されている。
上記接続経路L2には、定電圧用経路L3が接続されている。定電圧用経路L3は、一端が2次コイル12bに接続され、他端が接地されており、点火プラグ10に対しては並列接続されている。このような定電圧用経路L3には、電子制御式の開閉手段であるスイッチング素子19と、定電圧素子としてのツェナーダイオード18(以下、ダイオード18と記す)が備えられている。例えば、スイッチング素子19にはNチャネルMOSFETが用いられる。この場合、スイッチング素子19のゲートは、ECU20に接続されている。スイッチング素子19のドレインは、接続経路L2(2次コイル12b)に接続され、ソースはダイオード18のアノードに接続されている。ダイオード18のカソードは接地部位側に接続されている。本実施形態では、通常の場合、スイッチング素子19はオンであり、定電圧用経路L3と2次コイル12bとが電気的に接続されている。一方、ダイオード18に異常がある場合、スイッチング素子19はオフに切り替えられ、定電圧用経路L3と2次コイル12bとが電気的に非接続の状態にされる。
また上記接続経路L2には、電圧検出用経路L4が接続されている。電圧検出用経路L4は、一端が2次コイル12bに接続され、他端が接地されることで、点火プラグ10に対しては並列接続されている。このような電圧検出用経路L4には、電圧検出用の抵抗体21,22が備えられている。なお抵抗体21の一端は、接続経路L2に接続され、他端は抵抗体22に接続されている。抵抗体22の一端は抵抗体21に接続され、他端は接地部位側に接続されている。また抵抗体21と抵抗体22との間のノード(図番号を略す)は、後述するECU20に接続されている。このような電圧検出用経路L4によって、点火プラグ10の中心電極10aと接地電極10bの間隙(ギャップ)に印加される2次電圧V2が検出されるようになっている。
電子制御装置(以下、ECU20)は、マイクロコンピュータを主体として構成され、点火プラグ10に放電火花を生じさせるべく、スイッチング素子16の開閉制御端子(ゲート)に対して点火信号IGtを出力する。またECU20は、1次コイル12aへの通電が遮断されて、ギャップへの2次電圧の印加が開始される2次電圧立ち上がり期間に検出される2次電圧V2の変化量に基づいて、ダイオード18の異常の有無を判定し、判定結果に基づいてスイッチング素子19の開閉制御端子(ゲート)に対して信号を出力する。つまり、ダイオード18が正常である(異常がない)と判定される場合には、スイッチング素子19のゲートに対して信号を出力せず、スイッチング素子19のオン状態を継続する。一方、ダイオードに異常があると判定される場合には、スイッチング素子19のゲートに対して信号を出力して、スイッチング素子19をオフに切り替える。
ここで、ECU20による点火制御について説明すると、まず、スイッチング素子16のゲートに入力される点火信号IGtがオン点火信号とされることでスイッチング素子16がオン状態とされる。これにより、バッテリ14から1次コイル12aへと電流の流通が開始され、点火コイル12への磁気エネルギの蓄積が開始される。ちなみに、本実施形態では、1次コイル12aに通電される場合、2次コイル12bの両端のうち中心電極10a側の極性が正とされ、低圧側経路L1側の極性が負とされる。
そして、1次コイル12aへの通電後、点火信号IGtがオフ点火信号とされることでスイッチング素子16がオフ状態とされると、2次コイル12bの両端の極性が反転されるとともに2次コイル12bに2次電圧V2が誘起される。これにより、点火プラグ10の中心電極10aと接地電極10bとの間隙(キャップ)に2次電圧V2が印加される。
図2に、1次コイル12aへの通電を遮断した直後における2次電圧V2の推移の例を示す。なお図中において、2次コイル12bと定電圧用経路L3が電気的に接続された状態(スイッチング素子19がオンの状態)の場合の2次電圧V2が実線で示されている。また、2次コイル12bと定電圧用経路L3が電気的に非接続とされた状態(スイッチング素子19がオフの状態)の場合の2次電圧V2が1点鎖線で示されている。
点火プラグ10に並列に定電圧用経路L3が接続されている場合、その定電圧用経路L3には、接地側から接続経路L2に向く方向が逆方向となる向き、すなわち2次電圧V2が発生する場合にその2次電圧V2が逆電圧として印加される向きで、ダイオード18が設けられている。この場合、2次電圧V2が上昇し、ダイオード18のブレークダウン電圧Vzを上回ると、ダイオード18が導通状態となり、図1に示すとおり電流Ixが流れ始める。これにより、2次電圧V2がブレークダウン電圧Vzに制限される。すなわち、図2に実線にて示すように、2次電圧V2がブレークダウン電圧Vzを上回ろうとする期間(時刻t1〜t2)において、2次電圧V2がブレークダウン電圧Vzに維持されることとなる。
そして、2次電圧V2がブレークダウン電圧Vzで維持される期間において、ギャップの雰囲気が放電に適した状態となると、点火プラグ10のギャップに放電火花が生じるとともに、接地電極10bから中心電極10aへと放電電流Isが流れる。こうした構成によれば、点火プラグ10の放電電圧が過度に高くなることを回避できる。
次に、本実施形態に係る異常判定処理について説明する。
この処理は、2次コイル12bに2次電圧V2が誘起される際に、ダイオード18に異常が生じているか否かを判定する処理であり、点火装置の信頼性の低下を回避するための処理である。なおダイオード18の異常とは、例えばオープン故障に伴う異常であり、そのオープン故障の発生時には、ダイオード18が有する浮遊容量等の影響で生じる抵抗によって、2次エネルギの損失が生じ、それにより2次電圧V2の立ち上がり変化の鈍りが生じるものとされている。
図3は、スイッチング素子19がオンである状態において、2次電圧V2の推移を示すタイムチャートであり、ダイオード18が正常の場合の2次電圧V2aの変化が実線で示されており、ダイオード18に異常(オープン故障)がある場合の2次電圧V2bの変化が1点鎖線で示されている。
ダイオード18に異常(オープン故障)がある場合、2次コイル12bに2次電圧V2bが誘起されると、2次電圧V2bがブレークダウン電圧Vzに到達しているか否かに関わらず、ダイオード18で2次エネルギの損失が生じる。これによって、ギャップに引火される2次電圧V2bの立ち上がりに鈍りが生じうる。図3においては、2次電圧V2bの傾きが「α」よりも小さくなっている。そこで本実施形態では、ダイオード18の異常が検出された際に、スイッチング素子19により、定電圧用経路L3を点火プラグ10から電気的に切り離すことによって、ダイオード18の異常に伴う2次エネルギ損失の影響が、点火プラグ10の点火に及ぶことが回避されるようにしている。
図4に、本実施形態にかかる異常判定処理の手順を示す。ここでの処理はダイオード18のオープン故障に伴う異常が生じた場合の処理であり、ECU20によって実行される。なお初期状態としてスイッチング素子19はオンとされ、接続経路L2と定電圧用経路L3とが電気的に接続されているとする。
この一連の処理では、まずステップS10において、2次電圧V2が誘起されているか否かを判定する。この処理は、1次コイル12aへの通電後、1次コイル12aへの通電が遮断されることにより、点火プラグ10のギャップに2次電圧V2が印加されているか否かを把握するための処理である。
ステップS10で肯定判定された場合には、ステップS12に進み、2次電圧V2を誘起するために、点火信号IGtがオフ点火信号に切り替えられてからの経過時間tが2次電圧の立ち上がり期間Δt未満であるか否かを判定する。例えば2次電圧の立ち上がり期間Δtは20μsであるとする。この処理は、2次電圧V2の立ち上がりの電圧変化を検出するための処理である。
ステップS12で、肯定判定した場合には、ステップS14で2次電圧の立ち上がり期間Δtでの電圧変化量が閾値α未満であるか否かを判定する。なお閾値αは、ダイオード18が正常の場合にギャップに印加される2次電圧V2の立ち上がりの変化量を基準に定められており、ダイオード18が正常の場合には、電圧の変化量は閾値αよりも大きいと判定され、ダイオード18に異常がある場合(2次電圧V2の増加量に鈍りがある場合)には、電圧の変化量は閾値α未満と判定されるようになっている。ここで、肯定判定した場合には、ステップS16に進み、スイッチング素子19をオフにして、定電圧用経路L3を接続経路L2から電気的に切り離す。なお上記ステップS10〜S14で否定判定した場合には、本処理を終了する。
図5に、本実施形態にかかる異常判定処理の実行例を示す。詳しくは、図5(a)は、点火信号IGtの推移であり、図5(b)は、1次電流I1の推移であり、図5(c)は、2次電圧V2の推移であり、図5(d)は、放電電流Isの推移である。なお、図中、バッテリ14からスイッチング素子16へと向かう方向に流れる1次電流I1を正と定義し、接地電極10bから中心電極10aへと向かう方向に流れる放電電流Isを正と定義する。
点火信号IGtがオフ点火信号からオン点火信号に切り替えられる時刻t1において、1次コイル12aの通電が開始され、1次電流I1が流れる。
その後、時刻t2で点火信号IGtがオフ点火信号に切り替えられると、2次コイル12bの両端の電圧の極性が反転されるとともに、2次コイル12bに2次電圧V2が誘起される。その後、点火プラグ10のギャップの印加電圧がダイオード18のブレークダウン電圧Vzに維持される期間内の時刻t3において、ギャップに放電火花が生じるとともに放電電流Isが流れる。
本実施形態では、時刻t2で、点火信号IGtがオン点火信号からオフ点火信号に切り替えられた際に、上記の異常判定処理が開始される。上述の図3は、点火信号IGtがオフ点火信号に切り替えられてから放電火花が生じる期間(時刻t2〜t3)における2次電圧V2の変化の具体例を示すものである。
図3において、ダイオード18が正常の場合、時刻t2で点火信号IGtがオフ点火信号に切り替えられてから、2次電圧の立ち上がり期間Δtが経過するまでの2次電圧V2aの傾き(dV/dt)は、閾値α以上となる。この場合、スイッチング素子19のオン状態が維持されることにより、ダイオード18によって、点火プラグ10の放電電圧がブレークダウン電圧Vzに維持される。
ダイオード18に異常がある場合、時刻t2で点火信号IGtがオフ点火信号に切り替えられてから、2次電圧の立ち上がり期間Δtが経過するまでの2次電圧V2bの傾き(dV/dt)は、閾値α未満となる。この場合、スイッチング素子19はオンからオフ(非接続状態)に切り替えられる。これによって、ダイオード18と点火プラグ10とが電気的に切り離されることで、点火プラグ10の放電電圧のブレークダウン電圧Vzへの制限が解除されると共に、ダイオード18(定電圧用経路L3)で生じる2次電圧V2の損失の影響が、点火プラグ10に及ぶことが抑えられて、2次電圧V2の立ち上がりの鈍りが解消されるようになる。これによりダイオード18に異常がある場合にも、点火のための2次エネルギが確保され、点火プラグ10による点火を好適に継続することができる。
上記によれば、以下の優れた効果が得られる。
点火プラグ10のギャップにかかる電圧の絶対値を所定電圧以下に制限するために、点火プラグ10に並列にダイオード18を接続した場合、ダイオード18の異常の影響がギャップに印加される2次電圧V2に及ぶおそれがある。そこでダイオード18に異常がある場合に、ダイオード18を点火プラグ10から電気的に切り離すことにより、ダイオード18の異常の影響が点火プラグ10に及ぶことを抑えることができる。
ダイオード18に異常がある場合、ダイオード18で2次エネルギの損失が生じることによって、ギャップに印加される2次電圧V2の立ち上がりに鈍りが生じる。そこで、2次電圧V2の立ち上がりの変化が所定未満であることが検出された際に、ダイオード18に異常があると判定することができる。例えば、点火プラグ10にかかる2次電圧V2を検出する定電圧用経路L3(抵抗体21、22)を設け、抵抗体21、22で検出される2次電圧V2の立ち上がりの変化が所定未満の場合に、ダイオード18に異常があると判定できる。
(第2実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。
上記において、ダイオード18(定電圧用経路L3)が点火プラグ10から電気的に切り離されても、2次電圧V2の立ち上がりの鈍りが改善されない場合には、ダイオード18側ではなく、点火プラグ10側に異常があることが想定される。例えば、点火プラグ10の発火部(図示を略す)にカーボンが付着し、点火プラグ10のギャップ間に火花が飛ばなくなる「くすぶり」と称される現象が生じていることが、2次電圧V2の立ち上がりの低下の原因である可能性がある。
そこで本実施形態では、ダイオード18(接続経路L2)が点火プラグ10から電気的に切り離された後、火花放電を継続しても、2次電圧V2の立ち上がりの鈍りが改善されない場合に、点火プラグ10に異常があると判定する。そして、点火プラグ10の異常があると判定された場合には、カーボン除去処理が行なわれるようにしてもよい。
図6に、本実施形態にかかる異常判定処理の手順を示す。なお、図6において、先の図3と同じ処理手順については、便宜上同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。図示されるように、ステップS14で、2次電圧V2の立ち上がりの変化量が閾値α未満であると判定された後、ステップS20で、スイッチング素子19がオンであるか否かを判定する。肯定判定した場合には、ステップS16に進む。一方、ステップS20で否定判定された場合には、スイッチング素子19がオフ状態であるにも関わらず、2次電圧V2の立ち上がり速度が遅い状態となっており、この場合には点火プラグ10にくすぶり等の異常が生じている可能性がある。点火プラグ10に異常があると判定された場合には、ステップS22に進み、点火プラグ10のカーボン除去処理を行なう。例えば、混合気が着火する時期、及び混合気が着火する時期から次の燃料噴射開始の時期までの間に、点火プラグ10に火花放電を生じさせることにより、点火プラグ10に付着したカーボンが除去されるようにする。
以上のようにすることで、ダイオード18と点火プラグ10とを電気的に非接続とした後、点火プラグ10の火花放電を行なっても、2次電圧V2の立ち上がりの鈍りが改善されない場合には、点火プラグ10に異常があると判定することで、2次電圧の鈍りの原因をより精度よく特定できる。また2次電圧V2の立ち上がりの鈍りが、点火プラグ10のくすぶりが原因である場合に、その原因を好適に取り除くことができ、ひいては点火装置の信頼性の低下を好適に抑えることができる。
なお第2の実施形態において、ステップS18で点火プラグ10のカーボン除去処理が行なわれた後、ステップS14での2次電圧V2の立ち上がりの電圧の変化量が閾値α以上に改善された場合には、スイッチング素子19がオン状態に戻されるようにしてもよい。この場合、2次電圧V2の低下の原因が点火プラグ10にあった場合に、その原因が取り除かれた後、再び点火プラグ10のギャップの印加電圧をダイオード18のブレークダウン電圧Vzに維持できるようになる。
また第2実施形態において、ステップS20で否定判定された場合、つまり点火プラグ10に異常があると判定された場合には、図示を略す車両のモニタ等に、点火プラグ10の異常や、点火プラグ10の交換を促す表示がされるようにしてもよい。
(第3の実施形態)
ダイオード18の異常として、オープン故障以外に電流リーク故障に伴う異常が想定される。電流リーク故障の場合には、2次電圧V2がダイオード18のブレークダウン電圧Vzに達しているか否かに関わらず、2次電圧V2の発生に伴って、ダイオード18にリーク電流が生じうる。そこで、ダイオード18の故障(異常)で生じるリーク電流の有無の検出結果に基づいて、定電圧用経路L3と2次コイル12bとの接続及び非接続とが切り替えられるようにしてもよい。
図7に、本実施形態にかかる点火装置の全体構成を示す。なお、図7において、先の図1に示した部材と同一の部材については、便宜上同一の符号を付している。また、図7では、ECU20の図示を省略している。
図示されるように、本実施形態では定電圧用経路L3に並列に電圧検出用経路L4が設けられるのに代えて、定電圧用経路L3に電流用検出用の抵抗体23が設けられている。詳しくは、抵抗体23の一端はダイオード18のカソードに接続され、他端は接地部位側に接続されている。本実施形態では、ダイオード18を流れるリーク電流の有無を抵抗体23により検出し、その検出結果に基づいて、ダイオード18の異常判定が行なわれる。
図8に本実施形態にかかる異常判定処理の手順を示す。なお、上記の図3と同じ処理手順については、便宜上同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。ここでは点火信号IGtがオン点火信号からオフ点火信号に切り替えられたことが肯定判定された場合に、ステップS30に進み、リーク電流の検出があるか否かを判定する。具体的には、2次電圧の立ち上がり期間Δtで、リーク電流が流れているか否かを判定する。肯定判定した場合には、スイッチング素子19をオフに切り替える。一方、ステップS11で否定判定した場合には、本処理を終了する。この場合にも、ダイオード18の異常に伴って生じる2次エネルギの損失が、点火プラグ10での火花放電へ影響することを抑えることができ、点火プラグ10による点火を好適に継続できるようになる。なお本処理のステップS30では、1次コイル12aへの通電が遮断された直後(すなわち2次電圧V2が誘起される際)のタイミングでのリーク電流の有無が判定されるようにしてもよい。
以上に示されるように、ダイオード18に異常がある場合、2次コイル12bに2次電圧V2が誘起される際に、ダイオード18にリーク電流が流れる場合があり、これに伴う2次エネルギの損失によって、ギャップに印加される2次電圧V2の立ち上がりに鈍りが生じる。そこで2次コイル12bに2次電圧V2が誘起される際のリーク電流の有無によって、ダイオード18の異常を判定することができる。
また、点火プラグ10に異常があると判定された場合、点火プラグ10へのカーボン付着が想定されるため、この場合には点火プラグ10のカーボン除去のための処理が行われるようにする。このカーボン除去の処理によって、2次電圧の立ち上がり期間Δtにおける2次電圧V2の変化量が、所定以上に回復した場合には、ダイオード18が正常である可能性が高い。そこで2次電圧V2の立ち上がり期間Δtにおける2次電圧V2の変化量が所定以上であると判定された際に、ダイオード18と点火プラグ10とが接続状態に戻されるようにすることで、点火プラグのギャップの2次電圧V2の絶対値を制限しつつ、火花放電をより好適に継続できる。
(第4実施形態)
・上記では電圧変化量が閾値α未満であるか否かの判定結果に基づいて、ダイオード18の異常の有無を判定している。これ以外にも、2次電圧V2の立ち上がり途中での電圧値に基づいて、ダイオード18の異常の有無を判定できる。例えば、図9の変容例の説明図に示されるように、2次電圧の立ち上がり期間Δt2経過時点における2次電圧V2が閾値β未満であるか否かを判定する。なお閾値βは、ダイオード18が正常の場合における時間Δ2経過時点での電圧値に基づき定められている。これにより、ダイオード18が正常の場合には、2次電圧の立ち上がり期間Δt2経過時点における2次電圧V2の値が閾値β以上と判定され、ダイオード18が異常の場合には、2次電圧の立ち上がり期間Δt2経過時点における2次電圧V2の値が閾値β未満であると判定されるようにしてもよい。
(他の実施形態)
・上記では、電圧制限手段として、ツェナーダイオード18を用いる例を示したが、バリスタや、トランジスタ等、点火プラグ10のギャップにかかる2次電圧V2の絶対値が所定の電圧制限値を超えないように制限できる周知の非線形素子を用いることができる。
・点火装置において、電圧検出用経路L4に電圧検出手段が設けられるとともに、定電圧用経路L3にリーク電流検出手段が設けられてもよい。定電圧素子にオープン故障と電流リーク故障の両方が生じる可能性がある場合等に、電圧値に基づき定電圧素子の異常を検出するための電圧検出用経路L4と、電流値に基づき定電圧素子の異常を検出するための抵抗体23の両方が設けられてもよい。この場合、定電圧素子に生じる異常の種類にかかわらず、定電圧素子に異常が生じた場合には、定電圧素子と2次コイル12bとを電気的に非接続状態に切り替えられることで、点火プラグ10による点火を好適に継続することができる。
・ツェナーダイオード18の異常としては、オープン故障や電流リーク故障以外にショート故障が考えられる。ショート故障が発生した場合には、点火プラグ10の放電が生じない(失火となる)。この場合には、失火の発生を検出し、それに基づいてスイッチング素子19をオフにするとよい。
10…点火プラグ、10a…中心電極、10b…接地電極、12…点火コイル、12a…1次コイル、12b…2次コイル、18…ダイオード、20…ECU、21…抵抗体、22…抵抗体、23…抵抗体、V2…2次電圧。

Claims (6)

  1. 互いに磁気結合された1次コイル(12a)及び2次コイル(12b)を有する点火コイル(12)と、内燃機関の燃焼室に突出した中心電極(10a)及び接地電極(10b)を有する点火プラグ(10)と、前記中心電極及び前記接地電極との間隙であるギャップに火花放電を生じさせるべく、前記1次コイルへの通電後、前記1次コイルへの通電を遮断することにより前記ギャップに2次電圧(V2)を印加する点火制御手段(20)とを備える点火装置において、
    前記2次電圧が印加される2次側経路において前記点火プラグに並列に接続され、前記点火プラグのギャップにかかる2次電圧の絶対値が所定の電圧制限値を超えないように前記2次電圧を制限する電圧制限手段(18)と、
    前記2次コイルと前記電圧制限手段との電気的な接続を切り離す切離手段(19)と、
    前記ギャップに2次電圧が印加される際に前記電圧制限手段に異常があるかを判定する異常判定手段(20)と、
    前記電圧制限手段に異常があると判定された際に、前記切離手段を非接続状態にする切替制御手段(20)と、
    を備えることを特徴とする点火装置。
  2. 前記異常判定手段は、前記ギャップに印加される2次電圧の立ち上がり変化に鈍りが生じていることに基づいて、前記電圧制限手段に異常があると判定する請求項1に記載の点火装置。
  3. 前記点火プラグに並列接続されて、前記ギャップに生じる2次電圧を検出する電圧検出手段(21,22)を備え、
    前記異常判定手段は、前記電圧検出手段で検出された前記2次電圧の立ち上がり変化が所定未満の場合に、前記電圧制限手段に異常があると判定する請求項2に記載の点火装置。
  4. 前記ギャップに2次電圧が印加される際に前記電圧制限手段に流れるリーク電流を検出する電流検出手段(23)を備え、
    前記異常判定手段は、前記電流検出手段により検出されるリーク電流に基づいて、前記2次電圧の立ち上がり変化が所定未満となる際に、前記電圧制限手段に異常があると判定する請求項2又は3に記載の点火装置。
  5. 前記切替制御手段により前記切離手段が非接続にされた状態での前記点火プラグによる火花放電に際し、前記2次電圧の立ち上がり変化の鈍りが解消されない場合に、前記点火プラグに異常があると判定する手段を備える請求項2〜4のいずれか1項に記載の点火装置。
  6. 前記点火プラグに異常が有ると判定された場合に、前記切離手段を非接続とした状態で、前記点火プラグのカーボン除去のための処理を実施する手段を備え、
    前記切替制御手段は、前記カーボン除去のための処理の実施後において前記2次電圧の変化の鈍りが解消された場合に前記切離手段を接続状態に戻す請求項5に記載の点火装置。
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