JP2016079411A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置として絶縁樹脂層を備え、十分な信頼性、接続信頼性を発現することのできる半導体装置を提供すること。【解決手段】第1の端子を備えた第1の基材と、絶縁樹脂層と、第2の端子を備えた第2の基材と、前記第1の端子と前記第2の端子とを接合する接合部と、を備えた半導体装置であって、前記絶縁樹脂層は、少なくともフィラーを含む樹脂組成物から形成されたものであり、前記接合部の内部に、前記樹脂組成物に由来する前記フィラーが含まれることを特徴とする、半導体装置。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置、半導体装置の製造方法および電子部品に関する。
近年、電子機器の高機能化及び小型化の要求に伴い、半導体集積回路の高密度実装技術の開発が進められている。そのような実装技術の例として、半導体チップ上に他の半導体チップを積層して搭載するChip On Chip(COC)法、シリコン等の半導体ウエハに半導体チップを積層して搭載するChip On Wafer(COW)法、半導体ウエハに半導体ウエハを積層して搭載するWafer On Wafer(WOW)法、基板上に半導体チップを積層して搭載するChip On Substrate(COS)法等が知られている。
ここで、半導体チップと基板とを接合させる技術としては以下の技術が知られている。たとえば特許文献1には、半導体チップの接続電極と基板とを接続するはんだ接合部にフィラーを含有させ、かつ、このはんだ接合部における接続電極側部分のフィラー密度を基板側のフィラー密度よりも大きくし、これにより接合部分近傍のクラックの発生を防止できる旨記載されている。
また、特許文献2においては、溶融する前の半田接合層の上に、溶融前の半田接合層の厚さよりも小さいフィラーを配置した状態で加熱して半田接合層を溶融し、溶けた半田接合層内にフィラーが落ちこんだ状態で冷却して半田接合層を固まらせる技術が開示されている。
当該文献においては、このような方法を採用することで、半田接合層を所望の厚さとすることができ、半田接合層に発生する歪みを低減することができる旨記載されている。
特開2010−219507号公報 特開2008−270846号公報 特開2003−60154号公報
すなわち、特許文献1や特許文献2には、半田接合部にフィラーを含ませることにより、半導体チップと基板との接続信頼性を向上させることができる旨記載されている。
ところで、半導体チップと他の基材とを接続させる技術としては、たとえば特許文献3に示されるように、半導体チップに備えた電極と他の基材に備えた電極とを、硬化性樹脂を介在させながら対向させ、その後加熱させることで、半田の溶融と熱硬化性樹脂の硬化とを一挙に行う技術が知られている。
ここで、基材同士の接続信頼性を向上させるために、この熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物にフィラーを含ませ、半田接合を行うと同時に、半田接合部にフィラーを含ませることも考えられるが、このような手法は容易ではない。
すなわち、加熱の際に高温度条件を採用してしまうと、樹脂組成物が基材間で過度に流動してしまい、その過程の中でフィラーが半田接合部からアウトブリードしてしまう。
そのため、熱硬化性樹脂等を用いた樹脂層を備える半導体装置として、接合部にフィラ
ーを介在させたものは従来存在していなかった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、半導体装置として絶縁樹脂層を備え、かつ、基材間の接合部分にフィラーを含ませることで、十分な接続性、接続信頼性を発現することのできる半導体装置、およびその製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は上記の半導体装置を備える電子装置を提供するものである。
本発明によれば、第1の端子を備えた第1の基材と、絶縁樹脂層と、第2の端子を備えた第2の基材と、前記第1の端子と前記第2の端子とを接合する接合部と、を備えた半導体装置であって、前記絶縁樹脂層は、少なくともフィラーを含む樹脂組成物から形成されたものであり、前記接合部の内部に、前記樹脂組成物に由来する前記フィラーが含まれることを特徴とする、半導体装置が提供される。
また、本発明によれば、第1の端子を備えた第1の基材と、絶縁樹脂層と、第2の端子を備えた第2の基材と、前記第1の端子と前記第2の端子とを接合する接合部と、を備えた半導体装置の製造方法であって、前記第1の基材の前記第1の端子を備える面上に、少なくともフィラーを含む樹脂組成物の層を設ける工程と、前記樹脂組成物の層を介して、前記第1の端子と前記第2の端子とを対向させるように、前記第1の基材に対して前記第2の基材を設ける工程と、加熱することで前記第1の端子と前記第2の端子とを接合する工程と、を含み、前記接合する工程において、前記接合部の内部に前記フィラーが含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記半導体装置を備える電子部品が提供される。
本発明の半導体装置は接合部にフィラーが存在することにより、接合部と端子との界面において、接合部の金属成分と端子の金属成分に由来する、固くて脆い金属間化合物層が偏析してしまうことを抑制することができる。これにより、接合部にクラックが発生するのを防止することができる。
また、接合部にフィラーが存在することにより、フィラーがスペーサーとして機能し、半田層の厚みを確保することができる。
半導体装置を長期に亘り使用する場合においては、半田層の厚みを十分に確保できないと、各基材の挙動の違いから、絶縁樹脂層に過度の応力が掛かり、絶縁性が損なわれる懸念もある。
このような点から、本発明は、接合部にフィラーを存在させることで、より一層高い接続性、接続信頼性を確保することができる。
本発明の電子部品の実施形態の一例を示す縦断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法の実施形態の一例を説明するための縦断面図である。 本発明の実施例1の結果を示す電子顕微鏡写真を示す図である。
以下、実施の形態について、適宜図面を用いて説明する。なお、本明細書中において「〜」は特に断りがなければ、以上から以下を表す。
まず、本実施形態の半導体装置およびその製造方法を説明するのに先立ち、本実施形態
によって得られる半導体装置を搭載した電子部品の例について説明する。
図1は、本実施形態の電子部品の一例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図の上側を「上」、図の下側を「下」と呼称することもある。
図1に示す電子部品30は、Chip On Chip(COC)型の半導体パッケージであり、2つの半導体チップ31と、半導体チップ31を支持する基板40と、所定のパターンに形成された配線パターン32と、複数の導電性を有するバンプ60とを有している。半導体チップ31と基板40上の配線パターン32は、接合部33および導電部34を介して電気的に接続されており、また、接続部間は絶縁部35により絶縁性が保たれている。
基板40は、絶縁基板であり、例えばポリイミド樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)等の各種有機樹脂を含有する材料、あるいは、ガラス繊維基材などの無機材料と上述の有機樹脂を含有する材料からなる複合材料で構成されている。この基板の平面視構造は、通常、正方形、長方形等の四角形である。
基板40上の上面には、例えば、銅などの導電性金属材料にて構成される配線パターン32が所定形状で設けられている。また、基板40には、その厚さ方向に、図示しない複数のビアが貫通して形成されている。
各バンプ60は、上記ビアを介して、配線パターン32の一部に電気的に接続され、基板40の下面から突出している。バンプ60の基板40から突出する部分は、略球状形をなしている。
このバンプ60は、たとえば、半田、銀ろう、銅ろう、燐銅ろうのようなろう材を主材料として構成されている。
また、図1に示す電子部品30の半導体チップ31と配線パターン32とは電気的に接続されている。すなわち、図1に示す電子部品30は半導体チップと基板とが積層した構造を有しており、これらの接合部周辺には絶縁部が設けられ、絶縁信頼性を確保している。
すなわち、上記のような電子部品を作製するにあたっては、各層を高い信頼性にて電気的に接続する技術の開発をすることが重要であるものといえる。
このような技術背景のなか、本発明者らが鋭意検討した結果、以下に示す半導体装置を用いることで、各層の電気的接続を高い信頼性で発現できることを知見した。
すなわち、本実施形態の半導体装置は、
第1の端子を備えた第1の基材と、絶縁樹脂層と、第2の端子を備えた第2の基材と、前記第1の端子と前記第2の端子とを接合する接合部と、を備えた半導体装置であって、
前記絶縁樹脂層は、少なくともフィラーを含む樹脂組成物から形成されたものであり、
前記接合部の内部に、前記樹脂組成物に由来する前記フィラーが含まれることを特徴とする、半導体装置である。
また、このような半導体装置は以下のように製造することができる。
すなわち、本実施形態の半導体装置の製造方法は、
第1の端子を備えた第1の基材と、絶縁樹脂層と、第2の端子を備えた第2の基材と、前記第1の端子と前記第2の端子とを接合する接合部と、を備えた半導体装置の製造方法
であって、
当該半導体装置の製造方法は、
前記第1の基材の前記第1の端子を備える面上に、少なくともフィラーを含む樹脂組成物の層を設ける工程と、
前記樹脂組成物の層を介して、前記第1の端子と前記第2の端子とを対向させるように、前記第1の基材に対して前記第2の基材を設ける工程と、
加熱することで前記第1の端子と前記第2の端子とを接合する工程と、を含み、
前記接合する工程において、前記接合部の内部に前記フィラーが含まれることを特徴とする、半導体装置の製造方法である。
以下、このように、第1の基材と第2の基材とが積層した構造を有する半導体装置およびその製造方法について、図2を示しながら説明する。
図2は本実施形態における半導体装置の製造方法の一例を説明するための図である。
当該製造方法において、半導体チップ103には半田層104を備える端子102が設けられており、この端子102が設けられた面に樹脂組成物の層110が設けられている。この半導体チップ103は、基板100に対し、端子102と基板100の備える端子101を樹脂組成物の層110を介して対向させるように配置され、その後加熱することにより接合部105を介して基板100との電気的な接続が図られる。
すなわち、本半導体装置の製造方法においては、本発明における「第1の基材」が「半導体チップ103」に、「第2の基材」が「基板100」に相当する。しかしながら、各種基材としては、発明の目的を損なわない限り設定することができ、リジッド有機基板、フレキシブル有機基板のような有機基板、シリコン基板等の無機基板、シリコンチップ、シリコンウエハなども同様に用いることができ、作製する半導体装置の構造に合わせて、適宜基材を組み合わせることができる。
また、本製造方法においては、半導体チップ103に樹脂組成物の層110が設けられているが、この代わりに基板100の端子101が設けられている面側に樹脂組成物の層110が設けられていてもよい。さらに、半導体チップ103の端子102が設けられている面側と、基板100の端子101が設けられている面側の両方に樹脂組成物の層110が設けられていてもよい。このような態様であっても、本半導体装置の製造方法と同様の効果を発揮できる。
以下、本半導体装置の製造方法における各工程について順を追って説明する。
まず、図2 a)に示すように、端子101を備えた基板100を用意する。
この端子101を構成する部材としては、電気的な接続を十分に図れる部材であれば特に制限なく公知の材料から選択することができる。その具体的な例としては例えば、銅や金、ニッケル、アルミ、鉄、ステンレス等が挙げられる。
基板100は、先述の基板40と同様の材料により構成される。
次に、図2 b)に示すように、樹脂組成物の層110を備えた半導体チップ103を用意する。ここで、半導体チップ103は端子102を備えており、また、端子102の先端部に半田層104を備えている。さらに、これら端子102と半田層104とを被覆するように樹脂組成物の層110が設けられている。
このような半導体チップ103を用意するには、例えば以下のような方法を採用することができる。
すなわち、複数の端子102および半田層104が設けられた半導体ウエハに対し、樹脂組成物の層110を形成し、その後、当該半導体ウエハを所定の大きさにダイシングすることにより、所望の半導体チップ103を得ることができる。ここで、端子102は前述の端子101と同様の公知の材料を採用することができる。
本実施形態において用いられる半田層104を構成する半田成分は公知の成分の中から適宜選択すればよいが、その例としては、SnやIn、もしくはSn、Ag、Cu、Zn、Bi、Pd、Sb、Pb、In、Auの少なくとも二種からなる半田を挙げることができる。
これらの中でも、環境に配慮する観点から鉛フリー半田を用いることが好ましい。
半田成分の融点は、半導体装置を適用する電子部品の種類等により適宜設定することができるが、たとえば210℃以上、より好ましくは220℃以上の半田成分を用いることができる。これにより、端子同士をより堅固に接続することができる。
この例として、錫−銀半田(融点:221℃)等が挙げられる。
樹脂組成物の層110を形成する方法としては、公知の方法を採用することができ、樹脂組成物が25℃にて液状である場合には、印刷による方法、ディスペンスによる塗布方法等が挙げられ、樹脂組成物が25℃で固形状の場合には、たとえば、樹脂組成物を溶剤に溶解・分散し、半導体ウエハ上にスピンコートして塗工した後、溶剤を除去して、樹脂組成物の層を形成する方法が挙げられる。
また、樹脂組成物をフィルム成形する場合は、樹脂組成物をポリエステル等の他基材面上に塗布し、乾燥させてフィルムとし、その後剥離して半導体ウエハに積層させることもできる。
上記の中でも、樹脂組成物が25℃にて液状である場合には、ディスペンスによる塗布方法が好ましく、これにより半導体ウエハとの界面に気泡を巻き込むことを防止できる。
なお、フィルムとして成形した上で、半導体ウエハ上に積層させる方法においては、ラミネートによる方法、熱圧着による方法を採用することができる。これらの方法によれば、半導体ウエハとの界面に気泡を巻き込むことを防止できるだけでなく、絶縁層の厚さを調整しやすくなるため好ましい。
ここで、本実施形態に係る樹脂組成物について具体的に説明する。
本実施形態の半導体装置ならびに半導体装置の製造方法においては、接合部105にフィラーが含まれるため、樹脂組成物としてフィラーを含有するものが用いられる。
このように接合部105にフィラーが含まれることにより、接合部105と端子101との界面、接合部105と端子102との界面において、半田成分と端子の金属成分に由来する、固くて脆い金属間化合物層が偏析してしまうことを抑制することができる。これにより、接合部105にクラックが発生するのを防止することができる。
また、接合部105にフィラーが存在することにより、フィラーがスペーサーとして機能し、接合部105の厚みを十分に確保することができるので、高い接続信頼性を確保することができる。
より具体的な態様としては、樹脂組成物は、例えば、(a)熱硬化性樹脂、(b)フラックス機能を有する化合物、(c)成膜性樹脂、(d)硬化促進剤、(e)フィラー、(f)その他の添加剤を含ませることで調製することができる。
以下、本発明に適用できる樹脂組成物を構成する各成分について記載する。
(a)熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)、ジアリルフタレート樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂(ポリイミド前駆体
樹脂)、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。特に、これらの中でも、硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れるという観点からエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基が2個以上であるものを使用することができる。具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、o−アリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、3,3’,5,5’−テトラメチル4,4’−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、4,4’−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールD型エポキシ樹脂、1,6ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いても良い。また、信頼性の優れた樹脂組成物を得るために、エポキシ樹脂のNa+、Cl-等のイオン性不純物はできるだけ少ないものが好ましい。
エポキシ樹脂は、25℃で液状のものを含んでいるのが好ましい。これにより、樹脂組成物の端子付近における充填性を向上させることができる。また、基材同士を接合する際に、基材上の複数の端子等によって生じる凹凸(ギャップ)をより効果的に埋め込むことができる。また、樹脂組成物をフィルム状にした場合、フィルムに柔軟性および屈曲性を付与することができるため、ハンドリング性に優れたフィルムを得ることができる。また、基材同士の電気的接続をより良好なものとすることができる。
25℃において液状のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、o−アリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、3,3’,5,5’−テトラメチル4,4’−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、4,4’−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールD型エポキシ樹脂、1,6ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテル、エポキシ基を分子内に一つ有するモノエポキシ化合物等が挙げられる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。これにより、樹脂組成物の基材に対する密着性、さらに、樹脂組成物の硬化後の機械特性を優れたものとすることができる。
また、25℃で液状であるエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、より好ましくは、25℃における粘度が、500mPa・s以上、50,000mPa・s以下であるもの、さらに好ましくは、800mPa・s以上、40,000mPa・s以下であるものが挙げられる。25℃における粘度を上記範囲内とすることで、作製したフィルムが適度な可撓性を有し、ハンドリング性に優れる。
樹脂組成物全固形分中における熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、10質量%以上75質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上45質量%以下であるのがより好ましい。これにより、硬化後の耐熱性、機械特性を特に優れたものとすることがで
きる。
(b)フラックス機能を有する化合物
本実施形態に係る樹脂組成物は、フラックス機能を有する化合物を含有することが好ましい。これにより、端子の備える半田層の表面酸化膜を除去することができ、電気的な接続を確実に行うことができる。
後述するように、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、端子同士の接続の温度を適切に制御した上で行うことが好ましい態様となる。このように制御された温度にて半田層表面の酸化膜を除去するため、当該フラックス機能を有する化合物を含ませ、さらに適切な配合および適切な化合物を選択することが特に好ましい態様であるといえる。
フラックス機能を有する化合物としては、半田表面の酸化膜を除去する働きがあれば、特に限定されるものではないが、カルボキシル基またはフェノール性水酸基のいずれか、あるいは、カルボキシル基およびフェノール性水酸基の両方を備える化合物が好ましい。
また、カルボキシル基またはフェノール性水酸基のいずれかを有さなくても、同様の効果を発現できる化合物として、酸無水物化合物を挙げることができる。
樹脂組成物全固形分中におけるフラックス機能を有する化合物の配合量は、特に限定されないが、1質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、3質量%以上20質量%以下であるのがより好ましい。フラックス機能を有する化合物の配合量が、上記範囲であることにより、フラックス機能を向上させることができるとともに、樹脂組成物を硬化した際に、未反応のエポキシ樹脂やフラックス機能を有する化合物が残存するのを防止することができ、耐マイグレーション性を向上することができる。
また、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する化合物の中には、フラックス機能を有する化合物が存在する(以下、このような化合物を、フラックス機能を有する硬化剤とも記載する。)。例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等は、フラックス機能も有している。本実施形態では、このような、フラックス機能を有する化合物としても作用し、エポキシ樹脂の硬化剤としても作用するようなフラックス機能を有する硬化剤を、好適に用いることもできる。
なお、カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基が1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。また、フェノール性水酸基を備えるフラックス機能を有する化合物とは、分子中にフェノール性水酸基が1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。また、カルボキシル基およびフェノール性水酸基を備えるフラックス機能を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基およびフェノール性水酸基がそれぞれ1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。
これらのうち、カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。
カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物に係る脂肪族カルボン酸としては、例えば、下記一般式(1)で示される化合物や、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸等が挙げられる。
HOOC−(CH2n−COOH (1)
(式(1)中、nは、1以上20以下の整数を表す。)
カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物に係る芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、トルイル酸、ケイ皮酸、サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸)、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、浸食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸等が挙げられる。
これらのカルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物のうち、フラックス機能を有する化合物が有する活性度、樹脂組成物の硬化時におけるアウトガスの発生量、および硬化後の樹脂組成物の弾性率やガラス転移温度等のバランスが良い点で、前記一般式(1)で示される化合物が好ましい。そして、前記一般式(1)で示される化合物のうち、nが3〜10である化合物が、硬化後の樹脂組成物における弾性率が増加するのを抑制することができるとともに、半導体チップ、基板等の回路部材同士の接着性を向上させることができる点で、好ましく用いることができる。
前記一般式(1)で示される化合物のうち、nが3〜10である化合物としては、例えば、n=3のグルタル酸(HOOC−(CH23−COOH)、n=4のアジピン酸(HOOC−(CH24−COOH)、n=5のピメリン酸(HOOC−(CH25−COOH)、n=8のセバシン酸(HOOC−(CH28−COOH)およびn=10のHOOC−(CH210−COOH等が挙げられる。
フェノール性水酸基を備えるフラックス機能を有する化合物としては、フェノール類が挙げられる。具体的には、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、メジトール、3,5−キシレノール、p−ターシャリブチルフェノール、カテコール、p−ターシャリアミルフェノール、レゾルシノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビフェノール、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールA、トリスフェノール、テトラキスフェノール等のフェノール性水酸基を含有するモノマー類等が挙げられる。
上述したようなカルボキシル基またはフェノール水酸基のいずれか、あるいは、カルボキシル基およびフェノール水酸基の両方を備える化合物は、エポキシ樹脂との反応で三次元的に取り込まれる。
そのため、硬化後のエポキシ樹脂の三次元的なネットワークの形成を向上させるという観点からは、フラックス機能を有する化合物としては、フラックス作用を有し且つエポキシ樹脂の硬化剤として作用するフラックス活性を有する硬化剤を用いるのが好ましい。フラックス活性を有する硬化剤としては、例えば、1分子中に、エポキシ樹脂に付加することができる水酸基と、フラックス作用(酸化膜除去作用)を示すカルボキシル基とを備える化合物が挙げられる。
このようなフラックス機能を有する硬化剤としては、サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸)、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)等の安息香酸誘導体;1,4−ジヒドロキシ−2−ナフト
エ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体;フェノールフタリン;およびジフェノール酸等が挙げられ、これらは1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、フラックス機能の高さと、熱硬化性樹脂に対する適度な反応性とのバランスから、フラックス機能を有する化合物として、分子内にカルボキシル基と水酸基とを1つずつ有する化合物を用いることが好ましい。
これにより、制御された加熱条件においても、効果的に半田層の表面酸化膜を除去することができる。
特に好ましい化合物としては、分子内にフェノール性水酸基とカルボキシル基とを1つずつ有する化合物が挙げられ、具体的には、サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸)、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸を挙げることができる。
これら化合物は、比較的入手容易であり、また、極めて高いフラックス機能を有することから、本実施形態に特に好ましく用いることができる。
また、樹脂組成物全固形分中における、フラックス機能を有する硬化剤の配合量は、特に限定されないが、1質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、3質量%以上20質量%以下であるのが特に好ましい。樹脂組成物中のフラックス機能を有する硬化剤の配合量が、上記範囲であることにより、樹脂組成物のフラックス活性を向上させることができるとともに、安定的に熱硬化性樹脂内に取り込まれる。
また、フラックス機能を有する酸無水物としては、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物等が挙げられる。
フラックス機能を有する化合物に係る脂肪族酸無水物としては、無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。
フラックス機能を有する化合物に係る脂環式酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
フラックス機能を有する化合物に係る芳香族酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂とフラックス機能を有する化合物との配合比は、特に限定されないが、(エポキシ樹脂/フラックス機能を有する化合物)が0.5以上12以下であることが好ましく、2以上10以下であることが特に好ましい。(エポキシ樹脂/フラックス機能を有する化合物)を上記範囲とすることで、安定的に樹脂組成物を硬化させることができ、耐マイグレーション性を向上させることができる。
(c)成膜性樹脂
本実施形態においては、熱硬化性樹脂と成膜性樹脂とを併用することが好ましい。このような成膜性樹脂としては、有機溶媒に可溶であり、単独で成膜性を有するものであれば特に制限はない。熱可塑性または熱硬化性のいずれの性質を有するものも使用することができ、また、これらを併用することもできる。
成膜性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン等を挙げることができる。これらは、1種で用いても、2種以上を併用してもよい。中でも、成膜性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂およびポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。
なお、本実施形態において、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸およびその誘導体の重合体、または(メタ)アクリル酸およびその誘導体と他の単量体との共重合体を意味する。ここで例えば、「(メタ)アクリル酸」と表記するときは、「アクリル酸またはメタクリル酸」を意味する。
成膜性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、1万以上が好ましく、より好ましくは2万以上100万以下、さらに好ましくは3万以上90万以下である。重量平均分子量が前記範囲であると、樹脂組成物の成膜性をより向上させることができる。
樹脂組成物を接着フィルムとして用いる場合、成膜性樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全固形分中の0.5質量%以上50質量%以下であるのが好ましく、1質量%以上40質量%以下であるのがより好ましく、3質量%以上35質量%以下がさらに好ましい。含有量が前記範囲内であると、樹脂組成物の流動性を抑制することができ、接着フィルムの取り扱いが容易になる。
(d)硬化促進剤
本実施形態に係る樹脂組成物は、硬化促進剤を含むものであることが好ましい。硬化促進剤を添加することによって、端子同士を接続した後、樹脂組成物を容易に硬化することができる。
硬化促進剤は硬化性樹脂の種類等に応じて適宜選択することができる。硬化促進剤としては、例えば融点が150℃以上のイミダゾール化合物を使用することができる。使用される硬化促進剤の融点が150℃以上であると、樹脂組成物の硬化が完了する前に、半田層を構成する半田成分が半導体チップに設けられた内部電極表面に移動することができ、内部電極間の電気的接続を良好なものとすることができる。
融点が150℃以上のイミダゾール化合物としては、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチルヒドロキシイミダゾール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物全固形分中の前記硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、0.005質量%以上10質量%以下であるのが好ましく、0.01質量%以上5質量%以下であるのがより好ましい。これにより、硬化促進剤としての機能を更に効果的に発揮させて、樹脂組成物の硬化性を向上させることができるとともに、半田層を構成する半田成分の溶融温度における樹脂の溶融粘度が高くなりすぎず、良好な半田接合構造が得られる。また、樹脂組成物の保存性を更に向上させることができる。
これらの硬化促進剤は、1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(e)フィラー
本実施形態に係る樹脂組成物は、フィラーを含む。これにより、樹脂組成物の線膨張係
数を低下させること、また、樹脂組成物の最低溶融粘度を調整することが容易となり、端子の電気的な接続を安定的に行うことができる。
また、本実施形態の半導体装置ならびに半導体装置の製造方法においては、接合部105にフィラーが含まれることにより、接合部105と端子101との界面、接合部105と端子102との界面において、半田成分と端子の金属成分に由来する、固くて脆い金属間化合物層が偏析してしまうことを抑制することができる。これにより、接合部105にクラックが発生するのを防止することができる。
また、接合部105にフィラーが含まれることにより、フィラーがスペーサーとして機能し、接合部105の厚みを十分に確保することができるので、高い接続信頼性を確保することができる。
本実施形態に適用できる樹脂組成物に配合されるフィラー(充填材)としては特に限定されないが、例えば、有機樹脂成分を含む樹脂粒子、ゴム成分を含むゴム粒子等の有機材料による有機充填材のほか、無機充填材を挙げることができる。
これらの中でも、半導体装置の信頼性の向上という観点からは、無機充填材が好ましい。無機充填材を含有することで、樹脂組成物の層の線膨張係数を低下することができ、これにより、接続信頼性を向上させることができる。
また、耐衝撃性の向上という観点からは、有機充填材と無機充填材を併用することが好ましい。この場合に用いる有機充填材としては、アクリルゴム、シリコンゴム、ブタジエンゴム等のゴム成分を含むゴム粒子がより好ましい。有機充填材を含むことで、無機充填材を用いる上記効果に加えて、樹脂組成物の硬化物の靱性を高めることができ、これにより、半導体装置の耐衝撃性を向上させることができる。
無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、銀、酸化チタン、シリカ、マイカ、アルミナ等を挙げることができ、これらを複数種含めることもできる。このように無機充填材は複数種から選択することができるが、コスト等の観点からシリカを好ましく用いることができる。これにより、硬化後の樹脂組成物の熱特性に優れたものとすることができる。また、樹脂組成物を基材に付与した際の基材の接合箇所の視認性を良好なものとすることができる。その結果、位置合わせをより容易に行うことができる。シリカの形状としては、破砕シリカと球状シリカがあるが、球状シリカが好ましい。
また、熱伝導性等の観点からは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、窒化珪素、窒化ホウ素、等を用いることもできる。
また、フィラーは、特に限定されないが、平均粒子径が300nm以下のものであるのが好ましく、250nm以下のものであるのがより好ましい。また、フィラーの平均粒子径の下限値としては、特に制限がないが、たとえば5nm以上である。
このようなサイズのフィラーを含むことにより、基材同士の接合時の樹脂組成物の粘度をより高いものとすることができ、端子間にあるフィラーを排除しにくくすることができる。また、樹脂組成物内でフィラーの凝集を抑制し、外観を向上させることができる。また、樹脂組成物を光が透過する際に、可視光の透過をフィラーが阻害するのを低減することができ、その結果、樹脂組成物を基材に付与した際の端子部分の接合箇所の視認性がさらに良好なものとなり、位置合わせがさらに容易になる。
また、上記の平均粒子径のフィラーを用いることで、樹脂組成物に含まれる成分を担持しやすくなり、この成分を半田層に対して効果的に作用させることができる。これにより、形成される接合部105中の成分の偏りを低減させることができ、一層半導体装置の接続信頼性を向上させることができる。さらに、フラックス機能を有する化合物を用いる場合は、効果的に半田層に対してフラックス機能を作用させることができるので、基材同士をとりわけ良好に電気的に接続することができる。
フィラーの含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全固形分に対して0.1質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、20質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、樹脂組成物を基材に付与した際の端子部分の接合箇所の視認性を良好なものとしつつ、硬化後の樹脂組成物の熱特性に優れたものとすることができる。また、上記範囲とすることで、硬化後の樹脂組成物と基材との間の線膨張係数差が小さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、基材の剥離をさらに確実に抑制することができる。さらに、硬化後の樹脂組成物の弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができるため、半導体装置の信頼性がさらに上昇する。
(f)その他の添加剤
また、本実施形態の樹脂組成物は、上記以外の成分を含んでいてもよい。
例えば、本実施形態の樹脂組成物は、特に限定されないが、重量平均分子量が300以上2500以下であるフェノール系硬化剤を含んでいてもよい。これにより、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を高めることができ、さらに、耐イオンマイグレーション性を向上させることが可能となる。また、樹脂組成物に適度な柔軟性を付与することができる。また、基材同士の電気的接続をより良好なものとすることができる。
フェノール系硬化剤としては、特に限定されず、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ビスフェノールF型ノボラック樹脂、ビスフェノールAF型ノボラック樹脂等が挙げられる。中でも、上述した効果を顕著に発現できるという観点から、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂を用いるのが好ましい。
樹脂組成物全固形分中におけるフェノール系硬化剤の含有量は、特に限定されないが、1質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、3質量%以上25質量%以下であるのがより好ましい。フェノール系硬化剤の含有量を上記範囲とすることで、樹脂組成物によって、基材上の複数の端子等によって生じる凹凸(ギャップ)をより効果的に埋め込むことができる。また、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を効果的に高めることができる。
フェノール系硬化剤の重量平均分子量は、特に限定されないが、300以上2500以下であることが好ましく、400以上2300以下であることが特に好ましい。これにより、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を高めることができ、さらに耐イオンマイグレーション性を効率よく向上させることができる。また、樹脂組成物に適度な柔軟性を付与することができる。また、基材同士の電気的な接続をより良好なものとすることができる。ここで、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラム)により測定することができる。
また、本実施形態の樹脂組成物は、シランカップリング剤を更に含んでもよい。シランカップリング剤を含むことにより、半導体チップ、半導体ウエハ、有機基板などのような基材に対する樹脂組成物の密着性を高めることができる。シランカップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、芳香族含有アミノシランカップリング剤等が使用できる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の配合量は、適宜選択すればよいが、樹脂組成物全固形分に対して、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以上2質量%以下である。
その他、本実施形態に係る樹脂組成物には、可塑剤、安定剤、粘着付与剤、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤や顔料等の添加剤がさらに含まれていてもよい。
本実施形態において、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物は、上記各成分を混合・分散させることによって調製することができる。各成分の混合方法や分散方法は特に限定されず、従来公知の方法で混合、分散させることができる。
また、本実施形態においては、前記各成分を溶媒中でまたは無溶媒下で混合して液状の樹脂組成物を調製してもよい。このとき用いられる溶媒としては、各成分に対して不活性なものであれば特に限定はないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソブチルケトン(DIBK)、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(DAA)などのケトン類;ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ類;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、二塩基酸エステル(DBE)、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)、ジメチルカーボネート(DMC)などが挙げられる。また、溶媒の使用量は、溶媒に混合した成分の固形分濃度が10〜80質量%となる量であることが好ましい。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂をフィルム形状とする場合の厚みは、特に制限されないが、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることが特に好ましい。また、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが特に好ましい。樹脂組成物の厚みが前記範囲内にあると隣接する端子間の間隙に樹脂組成物を十分に充填することができる。また、樹脂組成物の硬化後の機械的接着強度および対向する端子間の電気的接続を十分に確保することができる。
次に、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物の製造方法について説明する。
本実施形態に用いる樹脂組成物が25℃で液状の場合は、例えば、熱硬化性樹脂、その他の添加剤を秤量し、次いで、3本ロールや攪拌機等により各成分が均一に分散するように混合することにより樹脂組成物を作製することができる。
また、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物が25℃で固形状の場合は、例えば、熱硬化性樹脂、その他の成分を秤量し、溶剤可溶成分を溶剤に溶解させた後、フィラーを混合分散する方法やマスターバッチとして各成分を調合する方法等によりワニスを作製することができる。
次いで、上記で得られたワニスをポリエステルシート等の剥離基材上に塗布し、所定の温度で乾燥し溶剤を揮散させることにより作製することができる。
続いて、図2 c)に示すように、樹脂組成物の層110が設けられた半導体チップ103と、端子101を備えた基板100とを、端子101と端子102とが樹脂組成物の層110を介して対向するように配置させる。
そして、端子101と端子102とが対応するように位置決めして、図2 c)に示すように、樹脂組成物の層110を介して基板100と、半導体チップ103とが積層された積層体を形成する。
続いて、図2 d)に示す接合工程にて、上記積層体を加熱する。
本実施形態においてこの加熱温度は、端子102が有する半田層104を構成する半田成分の融点よりも、たとえば、20℃以上低い温度で行う。なお、本明細書中において「加熱温度」とは、昇温の際、端子表面が到達する実温を指す。
このような温度条件を採用することにより、端子間に存在する樹脂組成物中のフィラーが排除されずに残存しやすくなる。
なお、本実施形態において接合部105の「内部」とは、接合部105の絶縁層120との界面を「表面」としたときに、この接合部105の「表面」から接合部105断面における中心位置に向かって線を引き、その線の「表面」側の5%を除した部分を指す。
また、このように、半田成分の融点よりも20℃以上低い温度で加熱を行うことにより、樹脂成分の劣化を抑制することができる。また、加熱温度条件を半田成分の融点よりも25℃以上低い温度に設定することが好ましく、30℃以上低い温度に設定することがより好ましく、35℃以上低い温度に設定することがさらに好ましく、40℃以上低い温度に設定することが特に好ましい。このような温度条件を採用することによって、さらに樹脂成分の劣化を抑制することができる。
なお、加熱温度の下限値は特に制限されるものではないが、たとえば40℃である。
ここで、半田成分の融点よりも20℃以上低い温度で接合した場合、樹脂組成物は硬化等の熱変性が起こりにくく、加圧条件を組み合わせることで、効果的に樹脂組成物内のボイドを低減させることができる。さらに、半田成分の融点よりも5℃以上低い温度で接合した場合、接合時における基材の間からの樹脂組成物のはみ出しを効果的に抑制するができる。
上記接合工程を実施する方法としては、特に限定されないが、圧着装置、フリップチップボンダー等を用いて行うことができる。接合する条件は、特に限定されないが、温度条件は上述した温度域で実施することが好ましい。時間は0.1秒間以上60秒間以下が好ましく、1秒間以上60秒間以下が特に好ましい。圧力は0.005MPa以上とすることが好ましく、0.05MPa以上とすることがさらに好ましい。また、2MPa以下とすることが好ましく、0.5MPa以下とすることがさらに好ましい。このような圧力条件を採用することにより、フィラーを接合部105に残存させつつ、より信頼性の高い電気的接合を行うことができる。
なお、この積層体を加熱する工程においては、積層体を流体で加圧しながら加熱することもできる。これにより、樹脂組成物の層110におけるボイド発生を抑制することができ、また、精度高く端子同士を接合させることができる。
なお、流体で加圧しながら加熱する方法により実施する場合、具体的な加圧力としては、特に限定されないが、0.1MPa以上、10MPa以下の条件を採用することができ、より好ましくは0.5MPa以上、5MPa以下の条件を採用することができる。このような圧力条件を採用することにより、フィラーを接合部105に残存させつつ、より信頼性の高い電気的接合を行うことができる。
この接合工程に関し、従来は、より確実に接合を行うために、比較的高い荷重にて接合を行う傾向があったが、本実施形態においては、この荷重を抑えつつ、他の条件も調節することで接合部105にフィラーを残存させることができた。
さらに、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、フィラーのみでなく、樹脂組成物を構成する他の成分についても、接合部105に存在すると考えられる。樹脂組成物は好ましくはフラックス活性を有しているので、フィラー表面にフラックス活性を有する樹脂組成物が存在することになり、これにより、フィラーと半田成分との親和性が高まり、接合部105内部においてフィラーが好適に分散して存在することができると考えられる。
そして、図2のb)からd)までの工程を繰り返すことにより、図2のe)に示したよ
うに、基板100上に複数の半導体チップ103が接合された半導体装置150を得ることができる。
このようにして接合工程を経た半導体装置は、さらに、樹脂組成物の層110を硬化させるキュア工程を実施することができる。
キュア工程における温度条件としては特に限定されないが、例えば100℃以上であり、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上とすることができる。また、例えば300℃以下であり、好ましくは280℃以下、さらに好ましくは250℃以下とすることができる。
キュア工程に要する時間条件としては、特に限定されないが、たとえば10分間以上であり、好ましくは30分間以上であり、より好ましくは60分間以上である。このような時間条件を採用することにより、確実に樹脂組成物を硬化させることができる。キュア工程に要する時間の上限値は特に制限されないが、たとえば8時間以下である。
上記キュア工程は、流体により積層体を加圧しながら実施することもできる。加圧する条件としては特に限定されないが、例えば、0.1MPa以上、10MPa以下の条件を採用することができ、より好ましくは0.5MPa以上、5MPa以下の条件を採用することができる。
流体として使用できるものとしては、空気、窒素のような不活性ガスであることが好ましい。
以上の工程を経ることにより、端子101と端子102とが接合部105を介して接合されるとともに、基板100と半導体チップ103との間に樹脂組成物の硬化物による絶縁層が形成された半導体装置150を得ることができる。
なお、図2 e)の工程を行った後、半田リフロー工程を行うことができる。これにより、基材間の接続信頼性を一層向上させることができる。
なお、このような半導体装置150は適宜個片化することもできる。
上述のようにして得られた半導体装置150は、たとえば、他の部材を組み合わせることで電子部品とすることができる。
このようにして製造された電子部品は、一つのパッケージ内に搭載することができる半導体装置の集積密度を高めることができるので、電子機器の高機能化および小型化に対応することができる。
なお、本実施形態の電子部品は、例えば、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プリンタ等に広く用いることができる。
なお、本実施形態においては、基板上に半導体チップを積層させる半導体装置の製造方法について述べたが、本発明はこれに限られるものではない。
すなわち、半導体ウエハと半導体ウエハとを接続して得られる半導体装置を製造する場合においても本発明の方法は適用できるものであり、同様に半導体チップ同士、半導体チップと半導体ウエハとを接続して半導体装置を製造する場合においても、本発明は適用できる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[樹脂フィルム(樹脂層)の作製]
フェノールノボラック樹脂9g(住友ベークライト株式会社製、型番:PR−55617)と、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂26.7g(DIC株式会社製、型番:EPICLON−840S)と、4−ヒドロキシ安息香酸9g(東京化成工業株式会社製)と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂14.7g(新日化エポキシ製造株式会社製、型番:YP−50)と、2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.1g(四国化成工業株式会社製、型番:2P4MZ)と、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン0.5g(信越化学工業株式会社製、型番:KBM−403)と、球状シリカフィラー40g(株式会社アドマテックス製、型番:SC1050、平均粒径250nm)を、メチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の樹脂ワニスを得た。
この樹脂ワニスを、ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、型番:ルミラー)に塗布し、100℃/5minの条件で乾燥し、樹脂厚み35μmの樹脂フィルムを得た。
[実装試験]
ダイシングフィルムが形成された8インチシリコンウエハを準備した。
ダイシングフィルムが形成された面とは反対側の面には、φ25μm、高さ35μmの銅バンプが形成されており、その上に厚み10μmの錫−銀半田成分(融点:221℃)から構成される半田層が形成されている。
真空ラミネーター(株式会社名機製作所製、型番:MVLP−500/600−2A)を用い、95℃/30sec/0.8MPaの条件で、銅バンプが形成された面側の8インチシリコンウエハに上記で得られた樹脂フィルムをラミネートした。
次に、ダイシング装置(株式会社ディスコ製、型番:DFD−6340)を用い、以下の条件で(ダイシングフィルム/シリコンウエハ/樹脂フィルム)積層体をダイシングし、サイズが10mm角の半導体チップを得た。
<ダイシング条件>
ダイシングサイズ :10mm×10mm角
ダイシング速度 :10mm/sec
スピンドル回転数 :40000rpm
ダイシング最大深さ :60μm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:50μm
別途、銅の配線パターンを備えたプリント配線基板を用意し、当該プリント配線基板に対して、上記で得られた半導体チップを積層させた。このとき、プリント配線基板に設けられたパターンに対し、上記半導体チップの銅バンプが樹脂フィルムを介して対向するように配置した。
フリップチップボンダーを用いて、ステージ温度110℃、ツール温度180℃(実温165℃)、0.2MPa、時間は10秒間の条件でプリント配線基板と半導体チップとの接合を行い、電子部品を得た。
(実施例2)
フィラーとして、球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、型番:SC1050、平均粒径250nm)の代わりに、球状シリカフィラー(トクヤマ株式会社製、型番:NSS−3N、平均粒径125nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂フィルム、半導体チップ、及び、電子部品を製造した。
(実施例3)
半導体チップとプリント配線基板との接合時、フリップチップボンダーにおける圧力条件を、0.05MPaとした以外は、実施例1と同様にして、樹脂フィルム、半導体チップ、及び、電子部品を製造した。
(実施例4)
半導体チップとプリント配線基板との接合時、フリップチップボンダーにおける温度条件を、ステージ温度110℃、ツール温度210℃(実温195℃)とした以外は、実施例1と同様にして、樹脂フィルム、半導体チップ、及び、電子部品を製造した。
(比較例1)
フィラーとして、球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、型番:SC1050、平均粒径250nm)の代わりに、球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、型番:SO−E3、平均粒径800nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂フィルム、半導体チップ、及び、電子部品を製造した。
(比較例2)
半導体チップとプリント配線基板との接合時、フリップチップボンダーにおける温度条件を、ツール温度280℃(実温260℃)とした以外は、実施例1と同様にして、樹脂フィルム、半導体チップ、及び、電子部品を製造した。
<接合部の観察>
上記実施例、比較例で得られた積層型の半導体装置について、電子顕微鏡写真(SEM画像)の観察により接続部を確認した。実施例1〜4においてはプリント配線基板の備えるパターンと半導体チップの銅バンプとを接合する接合部にシリカ粒子が観察されたが、比較例1〜2においては、シリカ粒子は観察されなかった。なお、実施例1については、接合部のSEM画像を図3に示した(図3に示されるように、接合部の下部にシリカ粒子が複数存在している。)。
<接続信頼性>
各実施例および比較例の樹脂フィルム、半導体チップを用いて得られた電子部品の各々20個ずつについて、−55℃の条件下に30分間、125℃の条件下に30分間ずつ交互に晒すことを1サイクルとする、温度サイクル試験を100サイクル行い、試験後の半導体装置について、半導体チップと回路基板の接続抵抗値をデジタルマルチメーターで測定し、接続信頼性を評価した。結果を表1に示す。各符号は、以下の通りである。
◎:初期接続抵抗に対して試験後の抵抗値上昇率が10%以内であった。
○:初期接続抵抗に対して試験後の抵抗値上昇率が20%未満であった。
×:初期接続抵抗に対して試験後の抵抗値上昇率が20%以上であった。
<接続性>
X線を用いて電子装置を観察し、隣接する接合部間の接触の発生の有無を確認した。結果を表1に示す。各符号は、以下の通りである。
○:発生なし。
×:1箇所以上、隣接する接合部間で接触が観察された。
<接続時ツール汚染性>
接続試験の際、チップ間の組成物がはみ出してフリップチップボンダーのツールを汚染するかどうかを確認した。結果を表1に示す。各符号は、以下の通りである。
○:汚染なし
×:汚染あり
<端子間距離>
接続試験後の電子部品を抜き取り、断面研摩を実施し、デジタル顕微鏡(株式会社ハイロックス製、KH−7700)を用いて端子間距離を計測した。結果を表1に示す。各符号は、以下の通りである。
◎:3μm以上
○:1μm以上、3μm未満
×:1μm未満、接続不良
Figure 2016079411
この結果、実施例で得られた電子装置は、プリント配線基板の備えるパターンと半導体チップの銅バンプとを接合する接合部にシリカ粒子が観察され、接続性、接続信頼性に優れたものであることが明らかになった。
本発明の半導体装置によれば、基材間が樹脂組成物で充填されているとともに、端子間に存在する接合部の内部にフィラーが含まれ、これにより十分な接続性、接続信頼性を発現することができる。このような半導体装置はその高い接続信頼性から、例えば、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プリンタ等の幅広い電子部品に対して用いることができる。
30 電子部品
31 半導体チップ
32 配線パターン
33 接合部
34 導電部
35 絶縁部
40 基板
60 バンプ
100 基板
101 端子
102 端子
103 半導体チップ
104 半田層
105 接合部
110 樹脂組成物の層
120 絶縁層
150 半導体装置

Claims (1)

  1. 第1の端子を備えた第1の基材と、絶縁樹脂層と、第2の端子を備えた第2の基材と、前記第1の端子と前記第2の端子とを接合する接合部と、を備えた半導体装置であって、
    前記絶縁樹脂層は、少なくともフィラーを含む樹脂組成物から形成されたものであり、
    前記接合部の内部に、前記樹脂組成物に由来する前記フィラーが含まれることを特徴とする、半導体装置。
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