JP2016079070A - 溶液成長法によるSiC単結晶の製造装置及びSiC単結晶の製造方法 - Google Patents

溶液成長法によるSiC単結晶の製造装置及びSiC単結晶の製造方法 Download PDF

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亀井 一人
Kazuto Kamei
一人 亀井
楠 一彦
Kazuhiko Kusunoki
一彦 楠
岸田 豊
Yutaka Kishida
豊 岸田
寛典 大黒
Hironori Oguro
寛典 大黒
雅喜 土井
Masaki Doi
雅喜 土井
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Abstract

【課題】ウイスカーの発生を抑制できる溶液成長法によるSiC単結晶の製造装置及び製造方法の提供。【解決手段】断熱容器と、加熱装置と、シードシャフト6とを備え、断熱容器は、Si−C溶液7を含む坩堝を収納可能な筐体状であって、断熱容器の上蓋部41に貫通孔41Aを有し、シードシャフト6は貫通孔41Aを通り、下端にSiC種結晶8を取り付け可能となっており、シードシャフト6のうち、貫通孔41Aの内周面と対向する領域に断熱材10を配置した溶液成長法によるSiC単結晶の製造装置。貫通孔41Aとシードシャフト6との間の隙間を、断熱材10により保温できるため、この隙間において、ウイスカーの発生を抑制することができ、また、断熱材10はSi−C溶液の蒸発成分により劣化しやすく、劣化した断熱材のSi−C溶液7への落下を防止するため、断熱材10はシードシャフト6の下部には配置されないSiC単結晶の製造装置。【選択図】図2

Description

本発明は、単結晶の製造装置及び単結晶の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、溶液成長法によるSiC単結晶の製造装置及びSiC単結晶の製造方法に関する。
SiC単結晶の製造方法にはたとえば、溶液成長法がある。溶液成長法では、上蓋に貫通孔を有する筐体状の断熱容器内に、Si−C溶液の原料を含む坩堝を収納する。上記貫通孔にはシードシャフトが通される。シードシャフトの下端にSiC種結晶を取り付け、その後、シードシャフトを下降してSi−C溶液にSiC種結晶を浸漬させる。その後、シードシャフトを上昇してSiC種結晶を徐々に引き上げて、SiC単結晶を成長させる。
SiC単結晶を成長させやすくする方法が、特開2012−140267号公報(特許文献1)及び特開2013−147397号公報(特許文献2)に開示されている。
特許文献1に開示された製造装置及び製造方法は、SiC種結晶が取り付けられる保持軸の外周を断熱材で覆う。そのため、保持軸の温度上昇が抑制される。この製造方法により、SiC単結晶の凸上成長が抑制され、平坦性の高いSiC単結晶が得られる、と特許文献1には記載されている。
特許文献2に開示された製造装置及び製造方法は、SiC種結晶が取り付けられる保持軸の側面が、保持軸よりも大きい反射率を有する反射部材で覆われる。そのため、坩堝からの輻射熱による保持軸の温度上昇が抑制される。この製造方法により、結晶成長界面近傍を低温化することができ、単結晶の結晶成長速度を速くすることができる、と特許文献2には記載されている。
特開2012―140267号公報 特開2013―147397号公報
本発明者らは、以下の通り、従来の溶液成長法ではウイスカーが発生する場合があること、このウイスカーがSiC単結晶の成長を阻害する恐れのあること、を見出した。
上述のとおり、断熱容器の上蓋には貫通孔が形成され、シードシャフトは貫通孔に通される。製造工程中に昇降及び回転するシードシャフトとの干渉を避けるため、貫通孔の内径はシードシャフトの外径より大きい。
SiC単結晶の製造中、シードシャフトと貫通孔との間の隙間には、針状の結晶が生成する場合がある。本明細書では、この針状の結晶をウイスカーと呼ぶ。ウイスカーは、結晶成長中にSi−C溶液面に落下する場合がある。落下したウイスカーは、SiC単結晶の結晶成長面に付着しやすく、SiC単結晶の成長を阻害する。したがって、ウイスカーの生成を抑制できる方が好ましい。
本発明の目的は、ウイスカーの生成を抑制できるSiC単結晶の製造装置を提供することである。
本発明の実施形態によるSiC単結晶の製造装置は、断熱容器と、加熱装置と、シードシャフトとを備える。断熱容器は、Si−C溶液を含む坩堝を収納可能な筐体状であって、上蓋部に貫通孔を有する。加熱装置は、断熱容器の周りに配置され、坩堝とSi−C溶液とを加熱する。シードシャフトは、貫通孔を通り、断熱材を含み、下端にSiC種結晶を取り付け可能である。断熱材は、シードシャフトのうち、貫通孔の内周面と対向する領域に配置され、シードシャフトの下部に配置されない。
本発明によるSiC単結晶の製造装置は、ウイスカーの発生を抑制することができる。
図1は、本実施形態の製造装置の全体図である。 図2は、図1中の断熱容器の上蓋部の貫通孔近傍の拡大図である。 図3は、図2中のIII−III面での断面図である。 図4は、熱流動解析によるシミュレーション結果である。 図5は、本実施形態の製造装置で製造されたSiC単結晶の成長面の拡大図である。 図6は、断熱材を含まないシードシャフトを用いる製造装置で製造されたSiC単結晶の成長面の拡大写真である。
本発明の実施形態によるSiC単結晶の製造装置は、断熱容器と、加熱装置と、シードシャフトとを備える。断熱容器は、Si−C溶液を含む坩堝を収納可能な筐体状であって、上蓋部に貫通孔を有する。加熱装置は、断熱容器の周りに配置され、坩堝とSi−C溶液とを加熱する。シードシャフトは、貫通孔を通り、断熱材を含み、下端にSiC種結晶を取り付け可能である。断熱材は、シードシャフトのうち、貫通孔の内周面と対向する領域に配置され、シードシャフトの下部に配置されない。
本実施形態の製造装置では、シードシャフトのうち、貫通孔の内周面と対向する領域(以下、対向領域という)に断熱材が配置される。そのため、貫通孔とシードシャフトとの間の隙間を、断熱材により保温できる。そのため、この隙間において、ウイスカーの発生を抑制することができる。さらに、断熱材は、シードシャフトの下部には配置されない。シードシャフトの下部に断熱材が配置された場合、断熱材がSi−C溶液の蒸発成分により、劣化しやすい。劣化した断熱材はSi−C溶液に落下しやすい。本実施形態では、断熱材はシードシャフトの下部に配置されないため、劣化した断熱材がSi−C溶液に落下するのを抑制できる。
本実施形態のSiC単結晶の製造方法は、上述のSiC単結晶の製造装置を準備する準備工程と、加熱装置により、坩堝内のSi−C溶液の原料を加熱し、Si−C溶液を生成する生成工程と、シードシャフト下端に取り付けられたSiC種結晶をSi−C溶液に接触させ、SiC単結晶を成長させる成長工程とを備える。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[SiC単結晶の製造装置]
図1は、本実施の形態によるSiC単結晶の製造装置の全体図である。図1を参照して、製造装置1は、チャンバ2、断熱容器4、加熱装置5及びシードシャフト6を備える。チャンバ2は、坩堝3、断熱容器4、加熱装置5及びシードシャフト6を収容する。チャンバ2の上面は、シードシャフト6を通す貫通孔を有する。チャンバ2の底面は、回転部材90を通す貫通孔を有する。SiC単結晶が製造されるとき、チャンバ2は水冷される。
坩堝3は、Si−C溶液7を収容可能な容器である。坩堝3は、炭素を含有してもよい。この場合、坩堝3はSi−C溶液7への炭素供給源になる。坩堝3はたとえば、黒鉛製である。
断熱容器4は、筐体状の容器であり、坩堝3を収納可能である。断熱容器4の上蓋部41は、貫通孔41Aを有する。貫通孔41Aは、シードシャフト6を通す。断熱容器4の底部は、回転部材90を通す貫通孔を有する。
加熱装置5は、断熱容器4の周りに配置される。加熱装置5は、坩堝3及びSi−C溶液7を加熱する。加熱装置5はたとえば、高周波コイルである。
Si−C溶液7は、Si及び炭素(C)を溶融することにより生成される。Si−C溶液7の生成方法はたとえば、坩堝3にSi原料及びC原料を入れ、加熱する。原料は、Si単体であってもよいし、SiとSi以外の他の金属元素とを含有してもよい。他の元素はたとえば、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、バナジウム(V)、鉄(Fe)等である。坩堝8が黒鉛製である場合、C原料を坩堝8に収納しなくてもよい。坩堝8に含有されるCが融液に溶け出し、Si−C溶液になるからである。
Si−C溶液7はさらに、Crを含有するのが好ましい。クロム(Cr)は、Cの溶解を促進する。そのため、SiC単結晶の成長が促進される。Si−C溶液がCrを含む場合、ウイスカーが発生しやすい傾向がある。
駆動装置9は、チャンバ2の上方に配置される。駆動装置9は、シードシャフト6と連結され、シードシャフト6を昇降させる。駆動装置9はさらに、シードシャフト6を軸周りに回転させる。
シードシャフト6は、棒状であり、下端61及び上端62を含む。下端61は、SiC種結晶8を取り付け可能である。上端62は、駆動装置9に連結される。シードシャフト6は、炭素を含有してもよい。好ましくは、シードシャフト6は黒鉛製である。
[シードシャフト6の構成]
図2は、本実施の形態による断熱容器4の貫通孔41Aの近傍の拡大図である。図2を参照して、シードシャフト6は、断熱材10を含む。断熱材10は、シードシャフト6のうち、貫通孔41Aの内周面と対向する領域に、配置される。断熱材10は、シードシャフト6の下部に配置されない。ここで、シードシャフト6の下部は、貫通孔41Aの下端41Cより下方であり、かつ、シードシャフト6の軸方向において中央より下方の領域である。図2では、断面材10は、シードシャフト6の外表面に配置される。
図3は、図2中のIII−III面での断面図である。図2及び図3を参照して、本例では、断熱材10は、シードシャフト6の外周面の全周にわたり配置される。断熱材10はたとえば、円筒形状である。断熱材10の軸方向の長さは、上蓋部41の厚みより短くてもよいし、長くてもよい。断熱材10はたとえば、炭素繊維やグラファイト等の炭素材を基材とし成型されたシート(カーボンシート)である。断熱材10は、セラミックス又は樹脂を基材とし成型されたシートや、フェルトでもよい。要するに、断熱材10は、1000−2000℃の温度域で数十時間、その形状および断熱性能を維持し得る材質であれば良い。耐久性、経済性、取り扱い易さの観点から、炭素繊維を基材とするカーボンシートが好ましい。
単結晶成長中、加熱装置5は、Si−C溶液7を加熱して、Si−C溶液7を結晶成長温度に保持する。このとき、Si−C溶液7の一部は蒸発する。蒸発したSi−C溶液の成分は、断熱容器4内を漂い、貫通孔41Aに集まる。断熱容器4の上蓋41よりも上方の領域(以下、上方領域という)は、加熱装置5による加熱の影響を受けにくい。したがって、上方領域の温度は、断熱容器4内よりも低い。シードシャフト6のうち、貫通孔41Aに対向する領域(対向領域)も上方領域の温度の影響を受けるため、対向領域の温度も低くなる。そのため、蒸発したSi−C溶液成分が対向領域で再結晶して、針状のウイスカーが形成される。ウイスカーは、シードシャフト6の対向領域と、貫通孔41Aの内周面とに形成される。
シードシャフト6は、結晶成長中に稼働する。具体的には、シードシャフト6は、昇降したり、回転したりする。シードシャフト6の稼働により、貫通孔41A及び対向領域に形成されたウイスカーが、Si−C溶液7に落下する場合がある。この場合、落下したウイスカーは、Si−C溶液7の流れに沿って浮遊しSiC単結晶の結晶成長面8Aに付着する。この場合、SiC単結晶の成長が阻害される。
シードシャフト6の外表面の温度低下を抑制できれば、具体的には、対向領域及び貫通孔41Aの温度が、蒸発したSi−C溶液成分の再結晶温度以上であれば、ウイスカーの生成は抑制される。本実施形態では、シードシャフト6は、対向領域に断熱材10を含む。そのため、対向領域及び貫通孔41Aの温度が低下しにくい。その結果、ウイスカーが生成されにくい。
また、上述の通り、本実施形態の断熱材10は、シードシャフト6の下部には配置されない。単結晶成長時、シードシャフトの下部は、加熱されるSi−C溶液に近いため、温度が高い。シードシャフトの下部に断熱材がある場合、断熱材は蒸発したSi−C溶液の成分等により劣化する場合がある。劣化した断熱材は、Si−C溶液内に落下しやすく、落下した場合、SiC単結晶の成長が阻害される。本実施形態では、断熱材はシードシャフトの下部に配置されないため、劣化した断熱材のSi−C溶液への落下が抑制される。そもそも、シードシャフトの下部では温度が高いため、蒸発したSi−C溶液の成分等は再結晶しにくい。すなわち、シードシャフトの下部はウイスカーが発生しにくい。したがって、ウイスカーの発生を抑制するために断熱材をシードシャフト下部に配置する必要はない。
好ましくは、断熱材10は、少なくとも、シードシャフト6のうち、断熱材10が配置されない場合のSiC単結晶の成長中におけるシードシャフト6の表面温度が、800℃〜1100℃となる領域に配置される。
この場合、断熱材10は、より適切な場所に配置される。そのため、ウイスカーの生成がより抑制される。
図4は、断熱材10を含まないシードシャフト6を用いたSiC単結晶の製造装置の、熱流動解析による温度分布のシミュレーション結果である。図4は、次の方法により得られた。シミュレートの対象となるSiC単結晶の製造装置(以下、対象装置という)では、シードシャフト6が断熱材10を含まなかった。その他の対象装置の構成は、図1と同じとした。対象装置の加熱装置5は、高周波コイルとした。高周波コイルに印加する交流電流を6kHzとした。電流値は120Aとした。シミュレーションには、汎用の熱流動解析アプリケーション(COMSOL社製、商品名COMSOL Multiphysics)を用いた。
ウイスカーは、対向領域の近傍で発生しやすい。図4を参照して、対向領域の近傍は900〜1000℃であった。したがって、シードシャフト6のうち、断熱材10を配置しない状態で800〜1100℃の温度となる領域に断熱材10を配置すれば、ウイスカーの生成が抑制される。
シードシャフト6の表面温度が800℃以下の領域は、対向領域より上方であった。より、具体的には、シードシャフト6の上端近傍であった。蒸発したSi−C溶液の成分は、貫通孔41Aを通り抜けた後、チャンバ2内に拡散する。そのため、蒸発したSi−C溶液の成分の濃度は、対向領域の近傍と比べて低い。そのため、蒸発したSi−C溶液の成分は、再結晶しにくく、ウイスカーが発生しにくい。一方、シードシャフト6の表面温度が1100℃以上の領域は、蒸発したSi−C溶液の成分の再結晶温度より高い。そのため、ウイスカーは発生しにくい。
好ましくは、断熱材は、少なくとも、シードシャフト6のうち、貫通孔41Aの上端41Bから上方に100mm位置と、貫通孔41Aの下端41Cから下方に100mm位置との間の領域に配置される。
上端41Bから上方に100mm位置、及び下端41Cから下方に100mm位置の間の領域では、結晶成長中の温度が800〜1100℃となる領域に含まれる。そのため、この領域に断熱材10を配置すれば、ウイスカーの発生は抑制される。
貫通孔41Aの内周面とシードシャフト6の外周面との隙間は、20mm以下が好ましい。貫通孔41Aの内周面とシードシャフト6の外周面との隙間が広すぎれば、断熱容器4の密閉性が低い。この場合、熱が断熱容器4の外へ多量に逃げ、断熱容器4内の温度は低下する。上記隙間が20mm以下でれば、貫通孔41Aとシードシャフト6との間の隙間の温度が低下しにくい。そのため、ウイスカーの発生が抑制される。
好ましくは、断熱材10は、シードシャフト6の表面に埋め込まれる。たとえば、外周面の一部の外径を小さくし、シャフト表面の段差を少なくなるよう断熱材10を埋め込む。
上述したように、単結晶成長時、蒸発したSi−C溶液の成分等により、断熱材10は劣化する場合がある。断熱材10をシードシャフト6の表面に埋め込んだ場合、断熱材10の劣化はさらに抑制される。したがって、断熱材10の劣化をさらに防止することができる。
上述したように、本実施の形態のSiC単結晶の製造装置1は、シードシャフト6のうち、断熱容器4の貫通孔41Aの内周面との対向領域に、断熱材10が配置される。断熱材10は、貫通孔41A近傍の温度低下を抑制する。そのため、蒸発したSi−C溶液の成分が再結晶しにくい。したがって、ウイスカーの生成が抑制される。
[製造方法]
本実施の形態による製造方法は、上述の製造装置1を用いる。SiC単結晶の製造方法は、準備工程と、生成工程と、成長工程とを備える。準備工程では、製造装置1を準備して、SiC種結晶をシードシャフトに取り付ける。生成工程では、加熱装置を用いてSi−C溶液を生成する。成長工程では、SiC種結晶をSi−C溶液に接触させ、SiC単結晶を成長させる。以下、各工程を説明する。
[準備工程]
図1を参照して、準備工程では、上述の製造装置1を準備する。続いて、製造装置1のシードシャフト6の下端61にSiC種結晶8を取り付ける。
[生成工程]
生成工程では、坩堝6内のSi−C溶液7の原料を加熱し、Si−C溶液7を生成する。チャンバ2内の回転部材90の上に、坩堝3を配置する。坩堝3は、Si−C溶液7の原料を収容する。坩堝3は、回転部材90と同軸に配置されるのが好ましい。断熱容器4は、坩堝3の周りに配置される。加熱装置5は、断熱容器4の周りに配置される。
続いて、チャンバ2内に不活性ガスを充填する。不活性ガスはたとえば、ヘリウムやアルゴンである。加熱装置5は、坩堝3内のSi−C溶液7の原料を加熱する。加熱されたSi−C溶液7の原料は、融解し、Si−C溶液7が生成される。
[成長工程]
Si−C溶液が生成された後、SiC種結晶8をSi−C溶液7に浸漬する。具体的には、シードシャフト6を降下し、シードシャフト6の下端61に取り付けられたSiC種結晶8を、Si−C溶液7に浸漬する。SiC種結晶8をSi−C溶液に浸漬した後、加熱装置5は、Si−C溶液7を加熱して結晶成長温度に保持する。結晶成長温度は、Si−C溶液7の組成に依存する。一般的な結晶成長温度は1600〜2000℃である。
続いて、SiC種結晶8の近傍のSi−C溶液7部分を過冷却し、SiCを過飽和状態にする。たとえば、加熱装置5を制御して、SiC種結晶8の近傍の温度を、Si−C溶液7の他の部分の温度よりも低くする。SiC種結晶8の近傍を冷媒により冷却してもよい。具体的には、シードシャフト6の内部に冷媒を循環させる。冷媒はたとえば、アルゴンやヘリウムなどの不活性ガスである。
成長工程では、Si−C溶液7は加熱されるため、その成分が蒸発する。そのため、貫通孔41A近傍は、蒸発したSi−C溶液7の成分の濃度が高くなる。貫通孔41A近傍の温度が、蒸発したSi−C溶液7の成分の再結晶温度以下の場合、貫通孔41A近傍のシードシャフト6の対向領域にウイスカーが発生する。
本実施の形態のSiC単結晶の製造方法は、貫通孔41Aの内周面との対向領域に断熱材10が配置される。そのため、成長工程で、貫通孔41A近傍の温度低下が抑制され、ウイスカーの発生が抑制される。
後述する本発明例及び比較例の製造装置を用いて、SiC単結晶を製造した。製造後、断熱容器の貫通孔近傍及びシードシャフトの対向領域を目視で確認し、ウイスカーの生成の有無を確認した。さらに、製造されたSiC単結晶の結晶成長面を、光学顕微鏡を用いて観察し、ウイスカーの付着の有無を確認した。
[本発明例の製造装置]
図1に示す製造装置1と同じ構成の製造装置を用いて、SiC単結晶を製造した。シードシャフト6の外径は、70mmとした。断熱材10は、円筒形状の断熱材を用いた。断熱材10は、炭素繊維を基材とし成型されたカーボンシートを用いた。断熱材10の内径は、50mmであり、軸方向長さは100mmとした。断熱材10の外径は、シードシャフト6の外径と同一にした。断熱材10の軸方向の中間位置が、貫通孔41Aと対向するように配置した。シードシャフト6の表面の断熱材10が配置された領域以外の他の領域には、断熱材を配置しなかった。貫通孔41Aの軸方向長さは60mmとした。坩堝3は、黒鉛製の坩堝を使用した。加熱装置5は、高周波コイルを使用したSi−C溶液7の原料は、Si、C及びCrを含む原料を使用した。
[比較例の製造装置]
比較例の製造装置では、本発明例と比較して、シードシャフトが断熱材を含まなかった。比較例の製造装置のその他の構成は、本発明例と同じであった。
本発明例及び比較例の製造装置を用いて、同一の製造条件でSiC単結晶を製造した。結晶成長温度は1950℃、単結晶成長速度は0.11mm/hrであり、本発明例、比較例ともに、厚さ2.2mmのSiC単結晶を製造した。
[結果]
図5は、本発明例の製造装置により製造されたSiC単結晶の結晶成長面の拡大写真である。図5を参照して、結晶成長面にウイスカーの付着はなかった。また、SiC単結晶製造後の貫通孔近傍及びシードシャフトの対向領域には、ウイスカーの発生は確認されなかった。
図6は、比較例の製造装置により製造されたSiC単結晶の結晶成長面の拡大写真である。図6を参照して、結晶成長面にウイスカーの付着が確認された(図中灰白色の表面付着物)。また、製造後の貫通孔及びシードシャフトの対向領域近傍には、ウイスカーの発生が確認された。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
4 断熱容器
41 断熱容器の上蓋部
41A 貫通孔
41B 貫通孔の上端
41C 貫通孔の下端
5 加熱装置
6 シードシャフト
7 Si−C溶液
8 SiC種結晶
10 断熱材

Claims (7)

  1. 溶液成長法によるSiC単結晶の製造装置であって、
    Si−C溶液を収容可能な坩堝を収納可能な筐体状であって、上蓋部に貫通孔を有する断熱容器と、
    前記断熱容器の周りに配置され、前記坩堝及び前記Si−C溶液を加熱する加熱装置と、
    前記貫通孔を通り、断熱材を含み、下端にSiC種結晶を取り付け可能なシードシャフトとを備え、
    前記断熱材は、
    前記シードシャフトのうち、前記貫通孔の内周面と対向する領域に配置され、前記シードシャフトの下部に配置されない、SiC単結晶の製造装置。
  2. 請求項1に記載のSiC単結晶の製造装置であって、
    前記断熱材は、少なくとも、前記シードシャフトのうち、前記断熱材が配置されない場合の前記SiC単結晶の成長中における前記シードシャフトの表面温度が800℃〜1100℃となる領域に配置される、SiC単結晶の製造装置。
  3. 請求項1に記載のSiC単結晶の製造装置であって、
    前記断熱材は、少なくとも、前記シードシャフトのうち、前記貫通孔の上端から上方に100mm位置と、前記貫通孔の下端から下方に100mm位置との間の領域に配置される、SiC単結晶の製造装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置であって、
    前記貫通孔の内周面と前記シードシャフトの外周面との隙間は20mm以下である、SiC単結晶の製造装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置であって、
    前記断熱材は、前記シードシャフトの表面に埋め込まれる、SiC単結晶の製造装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のSiC単結晶の製造装置を準備する準備工程と、
    前記加熱装置により、前記坩堝内のSi−C溶液の原料を加熱し、前記Si−C溶液を生成する生成工程と、
    前記シードシャフト下端に取り付けられたSiC種結晶を前記Si−C溶液に接触させ、SiC単結晶を成長させる成長工程とを備える、SiC単結晶の製造方法。
  7. 請求項6に記載のSiC単結晶の製造方法であって、
    前記Si−C溶液がCrを含む、SiC単結晶の製造方法。
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