JP2016078466A - 磁気式吸着走行車および磁石式建築・土木構造物点検装置 - Google Patents

磁気式吸着走行車および磁石式建築・土木構造物点検装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気式吸着走行車において、構造物を走行するときに、磁石の吸着力が不足することを回避する。
【解決手段】車体ベース7と、車体ベース7に回転自在に設けられている車輪本体部9と、平面状部13とこの平面状部13の端に形成された直線状の稜部15とを備え車輪本体部9が回転することで構造物17に平面状部13もしくは直線状の稜部15が吸着するように車輪本体部9の外周に設けられている磁石11とを有する磁気式吸着走行車3である。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気式吸着走行車および磁石式建築・土木構造物点検装置に係り、特に、車輪に設けられている磁石の吸着力によって構造物で走行可能なものに関する。
首都高速道路では、美装化対策として化粧板やアルミ製のルーバー(以下、ルーバー)が桁側面から桁下に設置されている箇所が多く存在するが、化粧板・ルーバーの耐力不足や安全面の問題から、対象橋梁の床版や桁の接触点検を人の目視等によって行うことが困難な場合が多い。このため、点検用(歩行用)の足場の設置や美装化対策部材の撤去・更新が検討されているが、それまでの期間、構造物の安全性を評価する点検手法がもとめられている。
特に、景観を考慮した駅前のペデストリアンデッキなどでは、橋梁にカバーを設置している例が多く、これらの鋼桁点検のために橋梁に人が容易に近づけない状況になっている。
このような状況における点検手法の1つとして、ロボットを用いた点検が考えられる。さらに、鋼橋等の鋼で構成されている構造物を点検対象とする場合、磁石式ロボット(磁石式建築・土木構造物点検装置)の利用が有利であると考えられる。
そこで、従来、図8、図9で示すような車輪301を備えた磁気式吸着走行車にカメラを設けた磁石式鋼橋点検装置(図示せず)が知られている。従来の磁気式吸着走行車の車輪301は、車輪本体部303の外周に、背の低い円柱状の複数の永久磁石305を設けてある。
図8で示す状態では、永久磁石305の円形状の吸着面307が、構造物309の平面に吸着している。
また、図8に示す状態から車輪301が回転し、図9に示す状態になると、吸着面307が構造物309から離れ、吸着面307の外周の部位311のみが構造物309に吸着する。
なお、従来の技術に関する文献として、たとえば、特許文献1を掲げることができる。
特開2009−35238号公報
ところで、車輪301を備えた磁気式吸着走行車は、図8で示す状態では、円形状の吸着面307が、構造物309の平面に面接触して吸着しているので、十分な吸着力を確保することができる。一方、車輪301を備えた磁気式吸着走行車は、図9に示す状態では、永久磁石305の円形状の吸着面307の外周の1点311のみが構造物309に点接触するので、吸着力が不足してしまうという問題がある。
本発明は、車体ベースとこの車体ベースに回転自在に設けられている車輪本体部とこの車輪本体部の外周に設けられている磁石とを有する磁気式吸着走行車および磁石式建築・土木構造物点検装置において、磁気式吸着走行車および磁石式建築・土木構造物点検装置が構造物を走行するときに、磁石の吸着力が不足することを回避することができるものを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、車体ベースと、前記車体ベースに回転自在に設けられている車輪本体部と、平面状部とこの平面状部の端に形成された直線状の稜部とを備え、前記車輪本体部が回転することで、構造物に前記平面状部もしくは前記直線状の稜部が吸着するように、前記車輪本体部の外周に設けられている磁石を有する磁気式吸着走行車である。
請求項2に記載の発明は、車体ベースと、前記車体ベースに回転自在に設けられている車輪本体部と、前記車輪本体部の外周に設けられている複数の磁石とを有し、前記磁石は、構造物に吸着する平面状部と、この平面状部の両端に形成されている一対の直線状の稜部とを備えて構成されており、前記各磁石のそれぞれは、前記平面状部が前記車輪本体部の回転中心軸と平行になっていて前記車輪本体部の外側を向き、前記直線状の稜部が車輪本体部の回転中心軸と平行になるようにして、前記車輪本体部の周方向にならんで設けられている磁気式吸着走行車である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の磁気式吸着走行車において、前記磁石は、磁力が透過可能なシート状のマスキング材で覆われている磁気式吸着走行車である。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の磁気式吸着走行車において、前記車輪本体部は、前記車体ベースに複数設けられており、前記各車輪本体部がアクチュエータと動力伝達部とによって回転駆動するように構成されており、前記各車輪本体部のうちの少なくとも一部の車輪本体部がこの回転方向で機械的コンプライアンスを備えていることで、前記各車輪本体部が回転駆動するときに、前記各車輪本体部のうちの一部の車輪本体部においてのみ、前記磁石の直線状の稜部が前記構造物に吸着し、残りの複数の車輪本体部では、前記磁石の平面状部が前記構造物に吸着するように構成されている磁気式吸着走行車である。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の磁気式吸着走行車において、前記車輪本体部は、前記車体ベースの幅方向の一方の側に複数設けられており、前記車体ベースの幅方向の他方の側にも複数設けられており、前記車輪本体部のうちの少なくとも一部の車輪本体部は、高さ方向で機械的コンプライアンスを備えている磁気式吸着走行車である。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の磁気式吸着走行車において、前記車体ベースを複数備えており、前記各車体ベースは、この走行方向にならんでおり、お互いが隣接している車体ベース同士は、接続部材を介してつながっている磁気式吸着走行車である。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の磁気式吸着走行車と、前記車体ベースに設けられた撮影装置とを有する磁石式建築・土木構造物点検装置である。
本発明によれば、車体ベースとこの車体ベースに回転自在に設けられている車輪本体部とこの車輪本体部の外周に設けられている磁石とを有する磁気式吸着走行車および磁石式建築・土木構造物点検装置において、磁気式吸着走行車および磁石式建築・土木構造物点検装置が構造物を走行するときに、磁石の吸着力が不足することを回避することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る磁石式建築・土木構造物点検装置の平面図である。 図1におけるII矢視図である。 図1におけるIII―III矢視図である。 図1におけるIV―IV矢視図である。 図1におけるV矢視図である。 本発明の実施形態に係る磁石式建築・土木構造物点検装置の車輪の走行状態を示す図であり、図の下方に描いてある四角形は1つの磁石の平面図である。 本発明の実施形態に係る磁石式建築・土木構造物点検装置の車輪の走行状態を示す図であり、図の下方に描いてある四角形は1つの磁石の平面図である。 従来の磁気式吸着走行車の車輪を示す図である。 従来の磁気式吸着走行車の車輪を示す図である。 変形例に係る磁石式建築・土木構造物点検装置の平面図である。 変形例に係る磁石式建築・土木構造物点検装置の側面図である。 (a)は別の変形例に係る磁石式建築・土木構造物点検装置の平面図であり、(b)は(a)におけるXIIB矢視図である。
本発明の実施形態に係る磁石式建築・土木構造物点検装置(磁石式建築構造物点検装置もしくは磁石式土木構造物点検装置;たとえば、磁石式鋼橋点検装置)1は、従来のものと同様に人が容易には近づけない建築・土木構造物(建築構造物もしくは土木構造物)等の表面をこの点検のために走行することができるようになっており、図1〜図5で示すように、磁気式吸着走行車3と撮影装置5とを備えて構成されている。
磁気式吸着走行車3は、車体ベース7と車輪本体部9とを備えている。車輪本体部9は、車体ベース7に回転自在に設けられている。また、車輪本体部9には、磁石(たとえば、ネオジム磁石等の強磁性の永久磁石)11が設けられている。
磁石11には、平面状部13とこの平面状部13の端に形成された(たとえば両端に一対で形成された)直線状の稜部(稜線部)15とが設けられており、車輪本体部9の外周で車輪本体部9に一体的に設けられている。そして、車輪本体部9が回転することで、鋼等の磁性体で構成された構造物17(構造物一部が鋼等の磁性体で構成されている場合には、この磁性体で構成されている部位;たとえば、鋼橋の桁等の構成部材の平面状の部位)に、平面状部13もしくは直線状の稜部15が吸着するようになっている(主な吸着力を発揮するようになっている)。
磁石11は複数設けられており(たとえば1つの車輪に12個設けられており)、各磁石11のそれぞれは、平面状部13が車輪本体部9の回転中心軸と平行になっていて車輪本体部9の外側(磁石11と車輪本体部9との接合部位を間にして車輪本体部9の回転中心軸とは反対側)を向いている。また、各磁石11は、直線状の稜部15が車輪本体部9の回転中心軸と平行になるようにして、車輪本体部9の周方向に、たとえば一定の間隔をあけて(等ピッチで)ならんでいる。
なお、磁気式吸着走行車3の車輪19は、すでに理解されるように、車輪本体部9と複数の磁石11とを備えて構成されている。
各磁石11の構造物17への吸着の態様についてさらに説明すると、各磁石11のうちの1つの磁石(1つ目の磁石)11Aの平面状部13のみが構造物17に吸着している状態(主に吸着力を発揮している状態;図6参照)から車輪19(車輪本体部9)が回転すると、1つ目の磁石11Aの平面状部13が構造物17から離れて1つ目の磁石11Aの直線状の稜部15(1つの目の磁石11Aに隣接している他の1つの磁石である2つ目の磁石11B側の直線状の稜部のみ)が、1つ目の磁石11Aの平面状部13に代わって構造物17に吸着するようになっている(主に吸着力を発揮するようになっている;図7参照)。
なお、図6や図7では、後述するマスキング材23の表示を省略している。
次に、1つ目の磁石11Aに隣接している2つ目の磁石11Bの直線状の稜部15(1つ目の磁石11A側の直線状の稜部)が、1つ目の磁石11Aの直線状の稜部15とともに構造物17に吸着するようになっている。
次に、1つ目の磁石11Aの直線状の稜部15が構造物17から離れて2つ目の磁石11Bの直線状の稜部15(1つ目の磁石11A側の直線状の稜部のみ)が構造物17に吸着するようになっている。
次に、2つ目の磁石11Bの平面状部13のみが、2つ目の磁石11Bの直線状の稜部15に代わって構造物17に吸着するようになっている。
なお、上記説明では、車輪本体部9(車輪19)が回転して、構造物17への吸着が1つ目の磁石11Aから2つ目の磁石11Bに移る場合を例に掲げているが、構造物17への吸着が2つ目の磁石11Bから3つ目磁石(1つ目の磁石11Aとは反対側で2つ目の磁石11Bに隣接している3つ目磁石)11Cに移る場合やそれ以後の場合も、吸着の態様が同様に変化するようになっている。
すなわち、車輪本体部9の外周にn個の磁石11が設けられており、m番目の磁石11の平面状部13のみが構造物17に吸着している状態から車輪19が回転すると、m番目の磁石11の平面状部13が構造物17から離れてm番目の磁石11の直線状の稜部(m+1番目の磁石側の直線状の稜部)15のみが構造物17に吸着し、次に、m+1番目の磁石11の直線状の稜部(m番目の磁石側の直線状の稜部)15が、m番目の磁石11の直線状の稜部(m+1番目の磁石側の直線状の稜部)15とともに構造物17に吸着し、次に、m番目の磁石11の直線状の稜部(m+1番目の磁石側の直線状の稜部)15が構造物17から離れてm+1番目の磁石11の直線状の稜部(m番目の磁石側の直線状の稜部)15のみが構造物に吸着し、次に、m番目の磁石11の平面状部13のみが構造物17に吸着するようになっている。ただし、「n」、「m」は自然数であって、n>m≧1とする。
車輪19がほぼ1回転してn番目の磁石11の平面状部13のみが構造物に吸着している状態から車輪19がさらに回転すると、n番目の磁石11の平面状部13が構造物17から離れてn番目の磁石11の直線状の稜部(1つ目の磁石側の直線状の稜部)15のみが構造物17に吸着し、次に、1つ目の磁石11Aの直線状の稜部(n番目の磁石側の直線状の稜部)15が、n番目の磁石11の直線状の稜部15とともに構造物17に吸着し、次に、n番目の磁石11の直線状の稜部(1つ目の磁石側の直線状の稜部)15が構造物17から離れて1つ目の磁石11Aの直線状の稜部(n番目の磁石側の直線状の稜部)15のみが構造物17に吸着し、次に、1つ目の磁石11Aの平面状部13のみが構造物17に吸着するようになっている。
これにより、車輪19の各磁石11のいずれかの平面状部13や直線状の稜部15が次々に構造物17に吸着し、磁気式吸着走行車3が、重力の存在にかかわらず、車輪19の回転で構造物17の表面に任意の姿勢で吸着し任意の方向に走行することができるようになっている。
ところで、磁石11は、たとえば、背の低い四角柱状になっている。さらに具体的には、磁石11は、縦寸法の値と横寸法の値とがお互い等しく、高さ寸法(厚さ寸法)の値が、縦寸法の値や横寸法に値よりも小さい四角柱状になっている。
車輪本体部9は、背の低い円柱状になっている。さらに、車輪本体部9は、高さ寸法(幅寸法)の値が、半径の値よりも小さい円柱状になっている。なお、円柱の高さ寸法の値は、磁石11の縦寸法の値や横寸法の値よりも僅かに大きくなっている。
また、車輪本体部9には、図6、図7で示すように、複数の磁石11と同数の平面状の磁石設置部21が設けられている。そして各磁石設置部21のそれぞれに各磁石11のそれぞれが、たとえば、ボルト等を用いて設置されるようになっている。
磁石設置部21は、車輪本体部9の円柱の外周の一部を切り欠いた態様で形成されている。磁石設置部21は矩形な平面状に形成されており、磁石設置部21の中心を通り磁石設置部21に直交している直線が、車輪本体部9の中心を通るようになっている。また、各磁石設置部21のそれぞれは、一定の間隔をあけてお互いが離れ、車輪本体部9の外周に設けられている。
磁石設置部21に磁石11が設置された状態では、磁石11の厚さ方向の一方の面が磁石設置部21に面接触しており、磁石11の中心を通り磁石11の厚さ方向の両面に直交する直線が、磁石設置部21の中心を通り磁石設置部21に直交している直線と一致しており、車輪本体部9の中心を通るようになっている。
さらに、磁石設置部21に磁石11が設置された状態では、磁石11の厚さ方向の他方の面が平面状部13になっている。磁石設置部21に磁石11が設置された状態では、磁石11の厚さ方向の他方の面(平面状部13)の両端の一対の直線状の稜部15が、車輪本体部9の中心軸(回転中心軸)と平行になっている。また、磁石設置部21に磁石11が設置された状態では、車輪19の径方向で各磁石11が車輪本体部9よりも外側に位置しており、構造物17に車輪本体部9が干渉することがないようになっている。
また、磁気式吸着走行車3では、磁石11が、磁力が透過可能なシート状のマスキング材23で覆われている。
すなわち、シート状のマスキング材23は、所定の幅で細長い矩形状になっている。そして、マスキング材23の厚さ方向が車輪19の径方向と一致し、マスキング材23の長手方向が車輪19の周方向と一致するようにして、細長いシート状のマスキング材23が車輪19の外周に巻き付けられている。そして、磁石11の平面状部13と直線状の綾部15とを含む車輪19の外周が、少なくとも一重のマスキング材23で覆われている。
また、マスキング材23は、たとえば、粘着層を介して車輪19に貼り付いている。なお、図6や図7で示すように、マスキング材23を実際に削除してもよい、
車輪本体部9(車輪19)は、1つの車体ベース7に複数(たとえば4つ)設けられており(図1参照)、各車輪本体部9(総ての車輪本体部9もしくは一部の複数の車輪本体部9)がモータ等のアクチュエータ25とこのアクチュエータ25の動力を伝達する動力伝達部27とを介して回転駆動するように構成されている。
また、各車輪本体部9のうちの少なくとも一部の車輪本体部9が、この回転方向で機械的コンプライアンス(MECHANICAL COMPLIANCE;物体の伸縮性・可塑性を定量化した物理量であって、バネ定数の逆数)を備えている。
これにより、各車輪本体部9が回転駆動するときに、各車輪本体部9のうちの1つの車輪本体部9においてのみ、磁石11の直線状の稜部15が構造物17に吸着し、残りの3つの車輪本体部9では、磁石11の平面状部13が構造物17に吸着するように構成されている。
なお、各車輪本体部9が回転駆動するときに、各車輪本体部9のうちの2つの車輪本体部9においてのみ、磁石11の直線状の稜部15が構造物17に吸着し、残りの2つの車輪本体部9では、磁石11の平面状部13が構造物17に吸着するように構成されていてもよい。
さらに、各車輪本体部9が回転駆動するときに、各車輪本体部9のうちの一部の車輪本体部においてのみ、磁石11の直線状の稜部15が構造物17に吸着し、残りの複数の車輪本体部では、磁石11の平面状部15が構造物17に吸着するように構成されていてもよい。
各車輪本体部9(車輪19)は、お互いが同じ形状に形成されていて、車体ベース7の幅方向で対称に配置されており、各回転中心軸がお互いに平行になっており、お互いが同方向に回転することで、磁気式吸着走行車3が、構造物17の表面に沿って走行するようになっている。
各車輪本体部9の機械的コンプライアンスについてさらに説明する。車輪本体部9は、上述したように、モータ(たとえば、株式会社タミヤ製;FA130)25とこのモータ25の動力を伝達する動力伝達部27とを介して回転駆動するように構成されている。車輪本体部9からは、軸部材29が延出している。軸部材29は小径の円柱状に形成されており、軸部材29の外径は車輪本体部9の外径に比べて小さくなっている。軸部材29は、車輪本体部9の幅方向の一方の側から延出しており、車輪本体部9の中心軸(回転中心軸)と軸部材29の中心軸(回転中心軸)とはお互いが一致している。
そして、軸部材29が車体ベース7に一体的に設けられている軸受け部材31に係合することで、車体ベース7に対して車輪本体部9が回転(自転)するようになっている。
また、軸部材29は、動力伝達部27を構成している減速機(たとえば株式会社マブチ製)33とベルト35を介して、モータ25の回転出力軸につながっており、モータ25の回転出力軸が回転することで、車輪本体部9が回転するようになっている。
ここで、仮にモータ25の回転出力軸を車体ベース7に固定しモータ25の回転出力軸が回転しないようにした状態で、回転方向で機械的コンプライアンスを備えている車輪本体部9に回転モーメントを加えると、車輪本体部9が弾性を伴って反力を発生しつつある程度回転するが、上記回転モーメントを取り去ると車輪本体部9がこの回転方向で復元し元の回転位置(回転モーメントを加える前の位置)に戻るようになっている。
図1に示す磁石式鋼橋点検装置1(磁気式吸着走行車3)では、上述したように、1つの車体ベース7に車輪本体部9が4つ設けられている。
4つの車輪本体部9のうちで磁気式吸着走行車3の幅方向の一方の側にあって走行方向の一方の側にある車輪本体部9Aが、1つ目のモータ25Aと1つ目の減速機33Aを介して回転駆動するようになっている。4つの車輪本体部9のうちで磁気式吸着走行車の幅方向の一方の側にあって走行方向の他方の側にある車輪本体部9Bが、1つ目のモータ25Aと1つ目の減速機33Aと1つ目のベルト35Aとを介して回転駆動するようになっている。これにより、磁気式吸着走行車3の幅方向の一方の側で走行方向の一方の側にある車輪本体部9Aは、減速機33Aのバックラッシュを無視すれば、この回転方向で機械的コンプライアンスをほとんど有していないが、磁気式吸着走行車3の幅方向の一方の側で走行方向の他方の側にある車輪本体部9Bは、たとえば、1つ目のベルト35Aが弾性的に伸縮することに応じてこの回転方向で機械的コンプライアンスを有している。
また、4つの車輪本体部9のうちで磁気式吸着走行車3の幅方向の他方の側にあって走行方向の一方の側にある車輪本体部9Cが、2つ目のモータ25Bと2つ目の減速機33Bを介して回転駆動するようになっている。4つの車輪本体部9のうちで磁気式吸着走行車の幅方向の他方の側にあって走行方向の他方の側にある車輪本体部9Dが、2つ目のモータ25Bと2つ目の減速機33Bと2つ目のベルト35Bとを介して回転駆動するようになっている。
これにより、磁気式吸着走行車3の幅方向の他方の側で走行方向の一方の側にある車輪本体部9Cは、減速機33Bのバックラッシュを無視すれば、この回転方向で機械的コンプライアンスをほとんど有していないが、磁気式吸着走行車3の幅方向の他方の側で走行方向の他方の側にある車輪本体部9Dは、たとえば、2つ目のベルト35Bが弾性的に伸縮することに応じてこの回転方向で機械的コンプライアンスを有している。
磁石式鋼橋点検装置1についてさらに詳しく説明する。説明の便宜のために、磁気式吸着走行車3の走行方向と幅方向(走行方向に対して直交する所定の一方向)に対して直交する方向を高さ方向とする。なお、幅方向は、走行方向に対して直交する所定の一方向である。
車体ベース7は、矩形な平板状に形成されており、厚さ方向が高さ方向になり、矩形の長手方向が磁石式鋼橋点検装置1の走行方向になり、矩形の他の一方向が磁石式鋼橋点検装置1の幅方向になっている。なお、車体ベース7として、必要な強度を備えできるだけ軽量である必要性に鑑み、たとえば、株式会社タミヤ製のユニバーサルプレートが採用されている。
車輪本体部9は、図6、図7で示すように、たとえば、木製のリング状の外輪部37と、合成樹脂製のスポーク部39と薄い板状でリング状に形成された合成樹脂製の一対の側板部41とを備えて背の低い円柱状に形成されている。
外輪部37は、この周方向に対して直交する平面による断面が、正方形に近い矩形状になっている。スポーク部39は、外輪部37の内側で外輪部37に一体的に設けられている。平面状の磁石設置部21は、外輪部37の外周に形成されている。
なお、外輪部37を木製にしたことで、軽量化をはかることができるとともに、磁石11の固定に木ねじを使用することができ、磁石11の車輪本体部9への取付けが容易になっている。
側板部41の内径は、外輪部37の外径よりも小さくなっており、側板部41の外径は、外輪部37の外径よりも大きくなっている。一方の側板部41は、外輪部37(車輪本体部9)の中心軸の延伸方向の一方の面に設置されており、他方の側板部41は、外輪部37(車輪本体部9)の中心軸の延伸方向の他方の面に設置されている。側板部41の中心軸と外輪部37の中心軸とはお互いが一致している。
一対の側板部41間の寸法は、磁石11の幅寸法とほぼ等しくなっており、磁石11が、一対の側板部41の間に入り込むことで、各磁石11の姿勢(一対の直線状の稜部15が車輪本体部9の回転中心軸と平行である姿勢)を容易に得ることができるようになっている。また、すでに理解されるように、車輪19の径方向で各磁石11が側板部41よりも外側に位置しており、構造物17に側板部41が干渉することがないようになっている。
車輪19の外周に巻き付けられているマスキング材23は、この断面形状(周方向に対して直交する平面による断面の形状)が「コ」字状になっている。そして、「コ」字の一方の端部の直線状の部位が、一方の側板部41の外周側の部位をリング状になって覆っており、「コ」字の他方の端部の直線状の部位が、他方の側板部41の外周側の部位をリング状になって覆っており、「コ」字の中央の直線状の部位が、一対の側板部41の間で磁石11をリング状になって覆っている。
金属製の軸部材29は、スポーク部39の中央から一方の側に突出している。
車体ベース7の上面であって4つの角部の近傍には、軸受け部材31が一体的に設けられている。そして、4つの車輪19それぞれの軸部材29が4つの軸受け部材31のそれぞれに係合することで、車輪19が車体ベース7に対して回転自在になっている。なお、各車輪19の回転中心軸は、磁石式鋼橋点検装置1の幅方向に延びている。
4つの車輪19のそれぞれは、磁石式鋼橋点検装置1の幅方向で車体ベース7の両端部から突出している。
また、車輪19の外径は80mm程度になっており、車体ベース7の下面には突出物が無くなっている。そして、車輪19の磁石11が構造物17に吸着し、磁石式鋼橋点検装置1が走行等しているときには、構造物17の平面状部(車輪19が接している平面状部)と車体ベース7との間の距離は25mm程度になっている。
これにより、図5で示すように、構造物17に添接板43やHTボルト(高力ボルト)45があっても、磁石式鋼橋点検装置1が、添接板43やHTボルト45を跨ぐことができるようになっている。
車輪19Aは、磁石式鋼橋点検装置1の走行方向および幅方向では一方の側にあり、車体ベース7の上面に設置されている減速機33Aを介して、モータ25Aにより回転駆動するようになっている。なお、磁石11の平面状部13を、構造物17の平面状部に吸着している状態から離すためには、大きなトルクが必要であるので、減速機33Aは減速比が高くなっている。
また、減速機33Aの一部にウォームギヤを用いることで、モータ25Aにブレーキが無くても、車輪19が逆転等することが防止されるようになっている。すなわち、モータ25Aが停止している状態で、車輪19Aに回転モーメントが加わっても、車輪19Aの回転がウォームギヤによってロックされ、車輪19Aは回転しないようになっている。
車輪19Aの軸部材29には、プーリ(スプロケット)47が設けられている。プーリ47は、軸受け部材31と車輪19Aとの間に設けられている。プーリ47の外径は、車輪19Aの外径よりも小さくなっている。
車輪19Bは、磁石式鋼橋点検装置1の走行方向では他方の側にあり、幅方向では一方の側にある。車輪19Bの軸部材29にも、車輪19Aと同様なプーリ47が設けられている。そして、車輪19Aのプーリ47と車輪19Bのプーリ47とには、ベルト(プラスチック製のラダーチェーンもしくは歯付きベルト)35が巻き掛けられており、車輪19Aが回転駆動すると、ベルト35を介して車輪19Bが同速度で回転するようになっている。
車輪19Cと車輪19Dは、車体ベース7の中心を通り幅方向に直交する平面に対して、車輪19A,19Bと対称に配置されている。そして、減速機33Bやプーリ47やベルト35を介して、モータ25Bにより、車輪19A、車輪19Bと同様に回転駆動するようになっている。
磁石式鋼橋点検装置1(磁気式吸着走行車3)が直進するときには、各モータ25で4つの車輪19を同速度で回転駆動し、磁石式鋼橋点検装置1(磁気式吸着走行車3)が左方向もしくは右方向に旋回するときには、たとえば、モータ25Bを停止しておいて、モータ25Aだけを駆動することで、信地旋回する。なお、信地旋回ではなく、超信地旋回で磁石式鋼橋点検装置1が旋回してもよい。
なお、磁石式鋼橋点検装置1が、図10で示すように、1つのモータで左右一対の車輪19もしくは4つの車輪19を回転駆動させることで走行し、旋回するときに左右一対の車輪19を傾けるように構成されていてもよい(二点鎖線参照)。
また、磁石式鋼橋点検装置1において、ベルト35とプーリ47とを削除し、車輪19Aと車輪19Bとにキャタピラを巻き掛け、車輪19Cと車輪19Dとに別のキャタピラを巻き掛けてもよい。
磁石式鋼橋点検装置1の電源49としては、磁石式鋼橋点検装置1が屋外で使用されること、直流で軽量な電源が適していること、入手が容易なことから、たとえば、乾電池が使用される。なお、電源49は、車体ベース7の上部に設けられている。
磁石式鋼橋点検装置1は、鋼構造物の損傷を外観から点検する一次スクリーニングが目的であるから、撮影装置5として100万画素程度の動画用カメラ(自動焦点式カメラ)を採用している。また、オペレータが画像を見ながら作業を行うことから、制御部(CPUを含む)51の制御の下、送受信部53によって画像を即時に、操作装置(たとえば、携帯端末)に、たとえば無線電送(送信)することができるようになっている。制御部51、送受信部53も、車体ベース7の上部に設けられている。
また、撮影装置5は動画だけでなく静止画も撮影することができるようになっている。さらに、撮影装置5が光学ズーム機能を備えていてもよい。送信された映像や画像は、オペレータの手元にある携帯端末で受信され、表示され、記憶されるようになっている。
カメラ5は、車体ベース7の上側でカメラ駆動装置55を介して車体ベース7に支持されており、ターンとチルトできるようになっている。すなわち、高さ方向に延びた軸まわり、幅方向に延びた軸まわりで、カメラ5が車体ベース7に対して回動位置決め自在になっている。
また、モータ25の駆動、停止、カメラ5での撮影、カメラ駆動装置55によるカメラ5の回動は、オペレータの手元にある操作装置により、無線で遠隔操作可能になっている。この場合、操作装置と磁石式鋼橋点検装置1との間の距離が50m程度までになっても、無線電送や遠隔操作が可能になっている。なお、無線に代えて有線により磁石式鋼橋点検装置1を遠隔操作等するようになっていてもよい。
また、カメラ5の位置は、図1〜図4では、磁石式鋼橋点検装置1の走行方向の他端側に設けられていて磁石式鋼橋点検装置1の走行方向の他端側を撮影するようになっているが、カメラ5の位置を図4に2点鎖線で示すように、磁石式鋼橋点検装置1の走行方向の他端からさらに他端側に突出したところに位置させてもよい。
また、鋼橋の桁17等が外装板で覆われていて磁石式鋼橋点検装置1が暗い場合や、夜間規制中に磁石式鋼橋点検装置1で点検を行うことがあるので、LEDライト等を使用した照明装置が必要である。この照明装置で、カメラ5が撮影する範囲を照らすようになっている。
次に、磁石式鋼橋点検装置1の動作について説明する。
図5に示すように、磁石式鋼橋点検装置1を構造物17に設置する。このときの磁石式鋼橋点検装置1の姿勢は、幅方向が鋼橋の上下方向になっているが必ずしもこの姿勢になっている必要はない。
次に、携帯端末から無線で指令を発し、この指令に応じて、磁石式鋼橋点検装置1が適宜走行するとともに、カメラ5で鋼橋17の所望の部位を撮影し、この撮影で得られた画像や映像を形態端末に送信する。
磁石式鋼橋点検装置1によれば、磁石11が平面状部13と直線状の稜部15とを備えており、車輪本体部9が回転することで、構造物17に平面状部13もしくは直線状の稜部15が吸着するように構成されているので、平面状部13が構造物17に吸着しているときは勿論のこと、直線状の稜部15が構造物17に吸着しているときであっても吸着力が不足することが無く、十分な吸着力を得ることができ、磁石式鋼橋点検装置1が、重力等によって構造物17から落下することがなく、構造物17の表面を走行することができる。
また、磁石式鋼橋点検装置1によれば、複数の磁石11のそれぞれが、平面状部13が車輪本体部9の回転中心軸と平行になっていて車輪本体部9の外側を向いており、直線状の稜部15が車輪本体部9の回転中心軸と平行になるようにして、車輪本体部9の周方向にならんで設けられているので、車輪19が回転する間に、複数の磁石11のそれぞれの平面状部13と直線状の稜部15とが順に構造物17に接触し、車輪19の回転角度にかかわらず、磁石11による十分な吸着力を得ることができる。
また、磁石式鋼橋点検装置1によれば、磁石11が、磁力が透過可能なシート状のマスキング材23で覆われているので、細かい磁性のある粉塵が磁石11に直接くっつくことが防止される。また、マスキング材23を交換することで、車輪19を簡単に掃除することができる。
また、磁石式鋼橋点検装置1によれば、車輪本体部9がこの回転方向で機械的コンプライアンスを備えていることで、各車輪本体部9が回転駆動するときに、各車輪本体部9のうちの一部の車輪本体部9(たとえば9A)においてのみ、磁石11の直線状の稜部15が構造物17に吸着し、残りの車輪本体部9(たとえば、9B,9C,9D)では、磁石11の平面状部13が構造物17に吸着するように構成されている。つまり、各車輪19が回転しても、一部の車輪19でのみ直線状の稜部15が構造物17に吸着し、他の車輪19では、平面状部13が構造物17に吸着するようになっているので、各車輪19の回転による磁石11のトータルの吸着力の減少量を極力小さくすることができ、磁石11による十分な吸着力を一層確実に得ることができる。
次に、変形例に係る磁石式鋼橋点検装置1Aについて、図11を参照しつつ説明する。
図11に示す磁石式鋼橋点検装置1Aは、車輪本体部9が1つの車体ベース7の幅方向の一方の側に複数(たとえば3つ以上;2つでもよい)設けられており、車体ベース7の幅方向の他方の側に複数(たとえば3つ以上;2つでもよい)設けられている。
また、複数の車輪本体部9のうちの少なくとも一部の車輪本体部は、高さ方向(磁気式吸着走行車3の走行方向と車体ベース7の幅方向とに対して直交するする方向)で機械的コンプライアンスを備えている。
たとえば、車輪本体部9は、車体ベース7の幅方向の一方の側で、磁気式吸着走行車3の走行方向にならんで3つ設けられており、車体ベース7の幅方向の他方の側で、磁気式吸着走行車3の中心を通り磁気式吸着走行車3の幅方向に直交している平面に対して対称に、磁気式吸着走行車3の走行方向にならんで3つ設けられている。
そして、車体ベース7の幅方向の一方の側で、磁気式吸着走行車3の走行方向で中央にある一対の車輪本体部9E(軸受け部材31)のそれぞれが、リニアガイドベアリングもしくはリンク機構等(図示せず)を介して車体ベース7に支持されており、車体ベース7に対して高さ方向で移動自在になっている。
また、車体ベース7に対して高さ方向で移動自在になっている車輪本体部9E(軸受け部材31)は、バネ等の弾性体57により高さ方向で付勢されている。
常態(たとえば、磁石式鋼橋点検装置1Aが構造物17の平面状の部位にあってこの平面状の部位を走行している状態)では、車体ベース7に対して、6つの車輪本体部9の高さ位置がお互いに等しくなっている。
一方、車体ベース7を何かに固定しておいて、各車輪本体部9(車輪19)の高さ方向に力を加えると、車体ベース7の4隅のところにある4つの車輪本体部9は、高さ方向にはほとんど移動しないが、磁石式鋼橋点検装置1Aの走行方向で中央にある一対の車輪本体部9Eのそれぞれは、弾性体57が弾性変形することで、加えた力の方向に移動し、上記力を取り去ると、元の位置に戻るようになっている(図11(a)の二点鎖線参照)。
なお、中央にある一対の車輪本体部9Eが機械的コンプライアンスを備えていることに代えてもしくは加えて、他の車輪本体部9の一部もしくは総てが機械的コンプライアンスを備えていてもよい。
磁石式鋼橋点検装置1Aによれば、車輪本体部9が、高さ方向で機械的コンプライアンスを備えているので、構造物17の表面に添接板43やボルトの頭部等があっても、図11(b)、(c)で示すように、これを乗り越えることができる。
次に、別の変形例に係る磁石式鋼橋点検装置1Bについて、図12を参照しつつ説明する。
図12に示す磁石式鋼橋点検装置1Bは、磁気式吸着走行車3(車体ベース7)を複数備えており、各車体ベース7は、磁石式鋼橋点検装置1Bの走行方向で所定の間隔をあけてならんでおり、お互いが隣接している車体ベース7同士は、接続部材59を介してつながっている。なお、図12に破線で示すように、お互いが隣接している磁気式吸着走行車3同士が、複数列(たとえば2列)の接続部材59を介してつながっていてもよい。
そして、車体ベース7と接続部材59との接合部では、車体ベース7(磁石式鋼橋点検装置1B)の幅方向に延びている軸(図12(b)で紙面に直交する方向に延びている軸)を回動中心にして、車体ベース7に対して接続部材59が回動自在になっている。
磁石式鋼橋点検装置1Bによれば、車体ベース7を複数備えており、各車体ベース7が、この走行方向にならんでおり、お互いが隣接している車体ベース7同士が接続部材59を介してつながっているので、構造物17の表面に添接板43やボルトの頭部、その他の障害物等があっても、図11(b)、(c)で示す場合と同様にして、これを乗り越えることができる。
さらに、車体ベース7と接続部材59との接合部で、磁石式鋼橋点検装置1Bの走行方向に延びている軸を回動中心にして、車体ベース7に対して接続部材59が回動自在になっていてもよいし、磁石式鋼橋点検装置1Bの高さ方向に延びている軸を回動中心にして、車体ベース7に対して接続部材59が回動自在になっていてもよい。
1 磁石式建築・土木構造物点検装置
3 磁気式吸着走行車
5 撮影装置
7 車体ベース
9 車輪本体部
11 磁石
13 平面状部
15 直線状の稜部
17 構造物
23 マスキング材
25 アクチュエータ
27 動力伝達部
59 接続部材

Claims (7)

  1. 車体ベースと、
    前記車体ベースに回転自在に設けられている車輪本体部と、
    平面状部とこの平面状部の端に形成された直線状の稜部とを備え、前記車輪本体部が回転することで、構造物に前記平面状部もしくは前記直線状の稜部が吸着するように、前記車輪本体部の外周に設けられている磁石と、
    を有することを特徴とする磁気式吸着走行車。
  2. 車体ベースと、前記車体ベースに回転自在に設けられている車輪本体部と、前記車輪本体部の外周に設けられている複数の磁石とを有し、
    前記磁石は、構造物に吸着する平面状部と、この平面状部の両端に形成されている一対の直線状の稜部とを備えて構成されており、
    前記各磁石のそれぞれは、前記平面状部が前記車輪本体部の回転中心軸と平行になっていて前記車輪本体部の外側を向き、前記直線状の稜部が車輪本体部の回転中心軸と平行になるようにして、前記車輪本体部の周方向にならんで設けられていることを特徴とする磁気式吸着走行車。
  3. 請求項2に記載の磁気式吸着走行車において、
    前記磁石は、磁力が透過可能なシート状のマスキング材で覆われていることを特徴とする磁気式吸着走行車。
  4. 請求項2または請求項3に記載の磁気式吸着走行車において、
    前記車輪本体部は、前記車体ベースに複数設けられており、前記各車輪本体部がアクチュエータと動力伝達部とによって回転駆動するように構成されており、
    前記各車輪本体部のうちの少なくとも一部の車輪本体部がこの回転方向で機械的コンプライアンスを備えていることで、前記各車輪本体部が回転駆動するときに、前記各車輪本体部のうちの一部の車輪本体部においてのみ、前記磁石の直線状の稜部が前記構造物に吸着し、残りの複数の車輪本体部では、前記磁石の平面状部が前記構造物に吸着するように構成されていることを特徴とする磁気式吸着走行車。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の磁気式吸着走行車において、
    前記車輪本体部は、前記車体ベースの幅方向の一方の側に複数設けられており、前記車体ベースの幅方向の他方の側にも複数設けられており、
    前記車輪本体部のうちの少なくとも一部の車輪本体部は、高さ方向で機械的コンプライアンスを備えていることを特徴とする磁気式吸着走行車。
  6. 請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の磁気式吸着走行車において、
    前記車体ベースを複数備えており、
    前記各車体ベースは、この走行方向にならんでおり、お互いが隣接している車体ベース同士は、接続部材を介してつながっていることを特徴とする磁気式吸着走行車。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の磁気式吸着走行車と、
    前記車体ベースに設けられた撮影装置と、
    を有することを特徴とする磁石式建築・土木構造物点検装置。
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