JP2016078054A - 連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法及び連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置 - Google Patents

連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法及び連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】未溶融のモールドパウダーに対してマイクロ波を効率良く吸収させ、モールドパウダー溶融層を均一に生成すること。
【解決手段】本発明に係る連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法は、連続鋳造鋳型内に投入されたモールドパウダーに対してマイクロ波を照射し、照射された当該マイクロ波によって前記モールドパウダーを加熱する加熱方法であり、マイクロ波発振器から発振され前記連続鋳造鋳型の上部空間へ照射される入射マイクロ波強度と、前記モールドパウダーに吸収されずに反射し前記マイクロ波発振器に戻ってくる反射マイクロ波強度と、を測定し、測定した前記入射マイクロ波強度及び前記反射マイクロ波強度に基づいてマイクロ波の反射率を算出しながら、前記マイクロ波を照射する。
【選択図】図4

Description

本発明は、連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法及び連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置に関する。
一般に、鋳片の連続鋳造においては、連続鋳造鋳型(以下、単に「鋳型」ともいう。)内に供給された溶鋼の湯面に対して連続鋳造用モールドパウダー(以下、単に「モールドパウダー」ともいう。)を投入し、湯面を被覆することが行われている。投入されたモールドパウダーは、連続鋳造鋳型内において溶鋼に接する部分から溶融して、溶鋼に近い側から順に、モールドパウダー溶融層、モールドパウダー焼結層、モールドパウダー粉末層を形成し、湯面の酸化抑制、介在物の捕捉、鋳型と凝固シェル間への溶融層の流入による潤滑を図っている。モールドパウダーの溶融が不十分な場合、モールドパウダー溶融層の鋳型−凝固シェル間への流入不良が生じ、鋳型からの抜熱が不均一になり、鋳片の品質不良を引き起こす。
一方、モールドパウダーは室温のまま鋳型内に投入され、湯面の最上端であるメニスカス部を冷却することになる。メニスカス部の温度が低下すると、ピンホール等の鋳片表面欠陥の原因となることが知られている。
このようなモールドパウダーの溶融不良や、メニスカス部の温度低下を防止する方法として、モールドパウダーを溶鋼からの熱だけではなく、異なる加熱手段によって積極的に加熱する方法があり、次のようなモールドパウダー加熱方法が提案されている。
例えば、以下の特許文献1〜8に開示されているように、加熱炉、高温ガス又はマイクロ波を用いてモールドパウダーを加熱した後、加熱されたモールドパウダーを鋳型内に投入する方法がある。
また、例えば以下の特許文献9に開示されているように、鋳型内のモールドパウダーの溶融層に黒鉛電極を挿入して通電し、モールドパウダーの抵抗熱によってメニスカス部を加熱する方法がある。
また、例えば以下の特許文献10、11に開示されているように、鋳型内のモールドパウダーにマイクロ波を照射し、モールドパウダーを加熱する方法がある。
特開昭57−19142号公報 特開昭57−52556号公報 特開平4−143053号公報 特開平5−42350号公報 特開平5−200510号公報 特開平5−200511号公報 特開平5−200512号公報 特開平11−129059号公報 特開平7−132352号公報 特開平8−1294号公報 特開平11−277202号公報
しかしながら、上記特許文献1〜8に開示されている方法では、パウダーを鋳型に投入する前に予熱するため、モールドパウダーを搬送する間の放熱による、パウダー温度の低下は不可避である。搬送路に発熱抵抗体を設置し保温したり、モールドパウダーを鋳型に投入する直前に加熱したりする方法も提案されているが、モールドパウダーを鋳型内へ投入する際に空気に触れるため、いずれにしても放熱によるモールドパウダー温度の低下を招き、最適温度を保持することは困難である。
また、上記特許文献9に開示されている方法では、黒鉛電極を高温の溶融パウダー層に挿入するため、鋳型内のモールドパウダーや溶鋼へ電極の黒鉛が溶け込んでしまう。その結果、溶鋼の成分が変化してしまい、鋳片の品質不良を引き起こす。
また、上記特許文献10に開示されている方法は、鋳型内のモールドパウダーを全体にわたって加熱する方法であるが、全体を加熱するためのマイクロ波発振器の出力が多く必要になり、設備が高価になる。また、モールドパウダーの温度を測定しマイクロ波出力制御を行っているが、モールドパウダー内の温度変動が大きいため、測定位置のずれにより測定温度は大きく変化し、モールドパウダーを狙った温度に保持するための出力制御が困難になる可能性もある。
また、上記特許文献11に開示されている方法は、浸漬ノズル近傍のモールドパウダーを加熱する方法であるが、現実の操業においては鋳型内の溶鋼流動が複雑であり、溶融不良部は浸漬ノズル近傍に存在するとは限らない。更に、同文献の実施例においては遮蔽板を用いて浸漬ノズル近傍にマイクロ波を閉じ込め加熱しているが、遮蔽板の材質である金属が鋳型内のモールドパウダーや溶鋼へ溶け込むことで溶鋼の成分が変化してしまい、鋳片の品質不良を引き起こす。更に、鋳型内のような高温溶融物の近傍でも溶融、酸化、変形せず、かつマイクロ波を閉じ込めることのできる遮蔽板の材質は、高融点の金属以外になく、このような金属を用いることはコストが高くなるため、現実的ではない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、未溶融のモールドパウダーに対してマイクロ波を効率良く吸収させ、モールドパウダー溶融層を均一に生成することが可能な、連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法及び連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、連続鋳造鋳型内に投入されたモールドパウダーに対してマイクロ波を照射し、照射された当該マイクロ波によって前記モールドパウダーを加熱する連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法であって、マイクロ波発振器から発振され前記連続鋳造鋳型の上部空間へ照射される入射マイクロ波強度と、前記モールドパウダーに吸収されずに反射し前記マイクロ波発振器に戻ってくる反射マイクロ波強度と、を測定し、測定した前記入射マイクロ波強度及び前記反射マイクロ波強度に基づいてマイクロ波の反射率を算出しながら、前記マイクロ波を照射する、連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法が提供される。
前記加熱方法では、前記入射マイクロ波強度と前記反射マイクロ波強度とを測定し、前記反射率を算出する反射率算出ステップと、算出された反射率に応じて、前記マイクロ波発振器から発振される前記マイクロ波の強度を制御する強度制御ステップと、を含み、前記強度制御ステップでは、算出された前記反射率が所定の閾値以上に増加した場合に、前記反射マイクロ波強度の検出限界値となるまで、前記マイクロ波発振器から発振される前記マイクロ波の強度を低下させてもよい。
前記加熱方法では、前記入射マイクロ波強度と前記反射マイクロ波強度とを測定し、前記反射率を算出する反射率算出ステップと、算出された反射率に応じて、前記マイクロ波発振器から発振される前記マイクロ波の強度を制御する強度制御ステップと、を含み、前記強度制御ステップでは、算出された前記反射率が所定の閾値以上に増加した場合に、前記反射マイクロ波強度の検出限界値となるまで、前記マイクロ波発振器から前記マイクロ波を間欠的に発振させてもよい。
前記加熱方法では、前記入射マイクロ波強度と前記反射マイクロ波強度とを測定し、前記反射率を算出する反射率算出ステップと、算出された反射率に応じて、前記マイクロ波発振器から発振される前記マイクロ波の強度を制御する強度制御ステップと、を含み、前記強度制御ステップでは、算出された前記反射率が所定の閾値以上となった場合に、前記マイクロ波発振器からの前記マイクロ波の発振を停止させてもよい。
前記強度制御ステップでは、算出された前記反射率が5%以上となった場合に、前記マイクロ波発振器の制御を行ってもよい。
前記強度制御ステップでは、算出された前記反射率が前記マイクロ波の照射開始時に対して1.11倍以上となった場合に、前記マイクロ波発振器の制御を行ってもよい。
前記加熱方法では、前記連続鋳造鋳型に対して前記モールドパウダーが投入される毎に前記マイクロ波の照射が開始され、照射される前記マイクロ波の強度が、算出される前記反射率に応じて制御されることが好ましい。
前記モールドパウダーは、酸化カルシウム及び酸化ケイ素を主成分とし、炭素を含有しないモールドパウダーであることが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、連続鋳造鋳型内に投入されたモールドパウダーに対してマイクロ波を照射し、照射された当該マイクロ波によって前記モールドパウダーを加熱する連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置であって、前記連続鋳造鋳型の上部空間に対して、所定強度のマイクロ波を照射するマイクロ波発振器と、前記マイクロ波発振器から発振され前記上部空間へ照射される入射マイクロ波強度と、前記モールドパウダーに吸収されずに反射し前記マイクロ波発振器側に戻ってくる反射マイクロ波強度と、を測定する強度測定器と、前記強度測定器により測定された前記入射マイクロ波強度及び前記反射マイクロ波強度に基づいて、前記マイクロ波の反射率を算出するとともに、算出した前記反射率に基づき、前記マイクロ波発振器の制御を行う演算処理装置と、を備える、連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置が提供される。
前記マイクロ波発振器から照射された前記マイクロ波は、前記連続鋳造鋳型の上部を覆うように設けられたマイクロ波反射体により、前記上部空間へと閉じ込められることが好ましい。
前記演算処理装置は、算出した前記反射率が所定の閾値以上であった場合に、前記強度測定器において検出される前記反射マイクロ波強度が当該強度測定器の検出限界値となるまで、前記マイクロ波発振器から発振される前記マイクロ波の強度を低下させてもよい。
前記演算処理装置は、算出した前記反射率が所定の閾値以上であった場合に、前記強度測定器において検出される前記反射マイクロ波強度が当該強度測定器の検出限界値となるまで、前記マイクロ波発振器から前記マイクロ波を間欠的に発振させてもよい。
前記演算処理装置は、算出した前記反射率が所定の閾値以上であった場合に、前記マイクロ波発振器からの前記マイクロ波の発振を停止させてもよい。
前記演算処理装置は、算出した前記反射率が5%以上となった場合に、前記マイクロ波発振器の制御を行ってもよい。
前記演算処理装置は、算出した前記反射率が前記マイクロ波の照射開始時に対して1.11倍以上となった場合に、前記マイクロ波発振器の制御を行ってもよい。
前記演算処理装置は、前記連続鋳造鋳型に対して前記モールドパウダーが投入される毎に、前記マイクロ波発振器からのマイクロ波の照射を開始させ、照射される前記マイクロ波の強度を、算出される前記反射率に応じて制御することが好ましい。
前記モールドパウダーは、酸化カルシウム及び酸化ケイ素を主成分とし、炭素を含有しないモールドパウダーであることが好ましい。
以上説明したように本発明によれば、測定した入射マイクロ波強度及び反射マイクロ波強度に基づいてマイクロ波の反射率を算出しながらマイクロ波の照射が行われるため、未溶融のモールドパウダーに対してマイクロ波を効率良く吸収させ、モールドパウダー溶融層を均一に生成することが可能となる。
連続鋳造鋳型内におけるモールドパウダーの状態について模式的に示した説明図である。 モールドパウダーにマイクロ波を照射する実験について説明するための説明図である。 モールドパウダーの温度及び反射率とマイクロ波の照射時間との関係を示したグラフ図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置の構成を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る加熱装置が有するマイクロ波照射装置の構成を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る加熱装置が有する演算処理装置の構成の一例を示したブロック図である。 モールドパウダーの反射率の変化についてのシミュレーション条件を説明するための説明図である。 同実施形態に係る連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法の流れの一例を示した流れ図である。 本発明の実施形態に係る演算処理装置のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(連続鋳造鋳型内におけるモールドパウダーの状態について)
本発明の実施形態に係る連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法及び連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置について詳細に説明するに先立ち、連続鋳造鋳型内におけるモールドパウダーの状態について、簡単に説明する。図1は、連続鋳造鋳型内におけるモールドパウダーの状態について模式的に示した説明図である。
図1に示したように、タンディッシュ(図示せず。)から浸漬ノズル(図示せず。)を介して連続鋳造鋳型へと溶鋼が供給されると、溶鋼は、鋳型に近い部分から抜熱されて凝固していき、凝固シェルが形成されていく。また、鋳型に供給された溶鋼の湯面には、かかる湯面を被覆するように、モールドパウダーが投入される。連続鋳造鋳型へと供給される溶鋼は1500℃以上の高温を有しているため、供給されたモールドパウダーは、鋳型内において溶鋼に接する部分から溶融していき、図1に示したように、溶鋼に近い順から、モールドパウダー溶融層、モールドパウダー焼結層、モールドパウダー粉末層(以下、それぞれ「溶融層」、「焼結層」、「粉末層」ともいう。)が形成される。
モールドパウダーが湯面へと投入されることで、湯面が酸化されることを抑制するとともに、溶鋼内に存在している介在物を捕捉したり、鋳型と凝固シェルとの間に溶融層が流入することで凝固シェルの潤滑性を担保したりする。
しかしながら、モールドパウダーの溶融が不十分な場合、溶融層の鋳型−凝固シェル間への流入不良が生じ、鋳型からの抜熱が不均一になり、鋳片の品質不良を引き起こしてしまう。そのため、鋳片の安定的な鋳造のためには、モールドパウダーを均一に十分な量溶融させることが求められる。モールドパウダーの流入不良を生じない溶融層の厚みは、鋳造条件によっても変化するが、通常15〜20mm程度の範囲となる。
ここで、モールドパウダーは、室温のまま鋳型内に投入されると、湯面の最上端であるメニスカス部を冷却することになる。メニスカス部の温度が低下すると、ピンホール等の鋳片表面欠陥の原因となることが知られている。すなわち、十分な厚みの溶融層を確保するためモールドパウダーを鋳型内に多く投入すれば、その分メニスカス部の温度が低下することになる。
そこで、上記特許文献10や特許文献11に開示されているように、モールドパウダーの溶融不良や、メニスカス部の温度低下を防止する方法として、鋳型内に投入されたモールドパウダーを、溶鋼からの熱だけではなくマイクロ波によって積極的に加熱する方法が提案されている。
しかしながら、上記のように、特許文献10及び特許文献11に開示された方法においても、未溶融のモールドパウダーに対してマイクロ波を効率良く吸収させることは困難であり、モールドパウダー溶融層を均一に生成することが可能な方法が希求されていた。
そのため、本発明者らは、鋳型内のモールドパウダーをマイクロ波で効率良く加熱することで、溶鋼品質に影響を及ぼさずにモールドパウダー溶融層を均一に生成し、鋳片の品質欠陥の発生を抑制可能な方法について鋭意検討を行った。
(マイクロ波によるモールドパウダーの加熱処理についての検討)
本発明者らは、まず、図2に示した装置を利用して、モールドパウダーのマイクロ波加熱特性を調査した。調査に利用した装置は、図2に示したように、周波数2.45GHzのマイクロ波を発生させることが可能なマイクロ波発振器と、マイクロ波の進行制御を行うサーキュレータと、パワーモニタとを有している。
ここで、サーキュレータは、例えば磁石を利用したマイクロ波の進行制御を行うことで、サーキュレータに入力されるマイクロ波を、マイクロ波発振器から出力された入射波と、モールドパウダー側から戻ってきた反射波とに分離する。サーキュレータは、反射マイクロ波をアイソレータの側へと導波して、反射マイクロ波をアイソレータ内に設けられたダミー負荷(例えば、水など)に吸収させる。
パワーモニタは、マイクロ波発振器から発振されたマイクロ波(入射マイクロ波)の強度を測定するとともに、モールドパウダー側から戻ってきたマイクロ波(反射マイクロ波)の強度を測定する装置である。
また、実際の操業に用いられるモールドパウダーを約80g利用し、かかるモールドパウダーを坩堝に充填したうえで、常圧・N雰囲気下のマイクロ波加熱チャンバー内に設置した。この検証に利用したモールドパウダーは、C(炭素)を含有している発熱型のモールドパウダーではなく、酸化カルシウム及び酸化ケイ素を主成分とし、かつ、Cを含有していない非発熱型のモールドパウダーである。
本検証では、マイクロ波加熱チャンバーの上部から熱電対を挿入し、マイクロ波照射に伴うモールドパウダーの中心温度を測定した。
また、パワーモニタにより測定した入射マイクロ波の強度及び反射マイクロ波の強度を利用して、以下の式11に基づき、反射率(単位:%)を算出した。
反射率=(反射マイクロ波強度/入射マイクロ波強度)×100 ・・・(式11)
出力1.5kWの一定値でマイクロ波を照射し、モールドパウダーを加熱した際の中心温度の変化と、パワーモニタで測定したマイクロ波の反射マイクロ波強度より求めた反射率とを、図3に示した。ここで、図3において、中心温度の変化は破線で示しており、反射率の変化は実線で示している。
図3から、モールドパウダーの加熱開始直後は、マイクロ波の反射率が約18%と大きく、中心温度の上昇度合いも緩やかであることが分かる。中心温度が200℃以上となったところから中心温度は急上昇を始めるとともに、反射率は約4%まで低下している。更にマイクロ波による加熱を継続すると、中心温度が1100℃付近から昇温速度は再び緩やかになり、反射率は9%まで増加することが明らかとなった。
モールドパウダーの成分にも依るが、モールドパウダーが溶融を開始する温度は1100℃程度である。つまり、図3に示した結果は、溶融を開始した非発熱型のモールドパウダーは、未溶融のモールドパウダーに比べてマイクロ波をあまり吸収しないことを示唆している。
一方、鋳型内に投入されたモールドパウダーのうち、溶融不良となっている部分の温度は、200〜1100℃の間にあると考えられる。図3から、かかる温度範囲では、反射率の値は4%程度と小さな値となっている一方で、モールドパウダーの中心温度は急激に上昇している。すなわち、図3に示した測定結果は、溶融不良となっているモールドパウダーは、溶融したモールドパウダーに比べてマイクロ波の吸収量が大きいことを示唆している。
以上説明したような昇温速度及び反射率の変化は、モールドパウダーの誘電率の温度依存性によると考えられる。
すなわち、物質に吸収される単位体積あたりのマイクロ波のエネルギーPabsは、以下の式13のように表される。以下の式13を参照するとわかるように、加熱される物質(被加熱物質)に吸収される単位体積あたりのマイクロ波のエネルギーPabsは、被加熱物質の導電率、誘電率及び透磁率に依存している。従って、下記式13で表されるPabsは、被加熱物質のマイクロ波の吸収効率に関係する量であるともいえる。マイクロ波は、誘電損失により物質に吸収されると、マイクロ波のエネルギーが熱に変換され、結果的にマイクロ波を吸収した物質が加熱されることとなる。
Figure 2016078054
ここで、上記式13において、
σ :被加熱物質の導電率 [S/m]
f :マイクロ波の周波数 [Hz]
ε:真空中の誘電率 [F/m]
ε”:被加熱物質の比誘電率の虚数部
μ:真空中の透磁率 [H/m]
μ”:被加熱物質の比透磁率の虚数部
E :マイクロ波により形成される電界強度 [V/m]
H :マイクロ波により形成される磁界強度 [A/m]
π :円周率
である。
このように、マイクロ波加熱によるモールドパウダーの温度上昇は、モールドパウダーの比誘電率の虚数部ε”に依存している。図3に示した結果は、室温以上200℃未満、及び、1100℃以上のモールドパウダーに比べて、200℃以上1100℃未満のモールドパウダーは誘電率(より詳細には、比誘電率の虚数部)が大きいためマイクロ波の吸収量が大きいことを示している。これらの混合物にマイクロ波を照射した場合には、誘電率の大きい200℃以上1100℃未満のモールドパウダーに対して、選択的にマイクロ波が吸収される。
なお、比誘電率の虚数部ε”は、温度Tとモールドパウダーの相状態に依存している。図3に示した検証結果において、中心温度が1100℃付近から昇温速度が再び緩やかになる理由としては、温度変化に応じた比誘電率の虚数部ε”の変化よりも、相状態(すなわち、固体状態から液体状態への相状態の変化)に応じた比誘電率の虚数部ε”の変化の方が支配的になっているためと考えられる。
また、非発熱型のモールドパウダーは、一般的に、先だって示したモールドパウダーと同様に、酸化カルシウム及び酸化ケイ素が主たる成分であり、非発熱型のモールドパウダーの成分の違いは、マイクロ波の非吸収体であるAlやMgOの含有量にある。従って、非発熱型のモールドパウダーであれば、図3に示したものと同様の挙動を示すこととなる。一方、発熱型のモールドパウダーは、マイクロ波の吸収体であるCを含有しているが、Cの含有量が比誘電率の虚数部ε”の変化に影響を与えない程度(より具体的には、Cの含有量が3質量%未満)であれば、図2に示したような測定装置により中心温度及び反射率の挙動を測定した場合、図3と同様の挙動を示すこととなる。
しかしながら、200℃以上1100℃未満と、1100℃以上と、のモールドパウダーの比誘電率の虚数部ε”の差は、Cを含有しない場合に最も大きくなり、マイクロ波吸収量の変化も最大となる。後述するマイクロ波の反射率に応じた出力制御は、マイクロ波吸収量の変化が最大の場合に最も容易となるため、用いるモールドパウダーはCを含有しないものであることが好ましい。
図3に示した測定結果から、以下のような知見を得ることができる。
すなわち、連続鋳造鋳型の内部に供給される溶鋼は温度が約1500℃以上と高温であるため、常温で投入されたモールドパウダーの温度は、直ちに200℃以上まで上昇し、反射率は低下した状態へと移行すると考えられる。モールドパウダーが投入された直後からマイクロ波の照射を開始してモールドパウダーをマイクロ波で加熱しつつ反射率を連続的に測定し、反射率が小さい(すなわち溶融不良部が存在する)間はマイクロ波を照射することで、溶融不良部を選択的に加熱することが可能となる。また、反射率が大きくなった(すなわち全体で溶融が始まった)タイミングで、マイクロ波の照射を停止したり、マイクロ波の照射強度を十分に弱めたりすれば、均一に溶融しているモールドパウダーに対して更に余剰のマイクロ波エネルギーを供給することを防止できる。このように、図3に示した結果から、マイクロ波の照射を停止する(もしくはマイクロ波の照射強度を弱める)タイミングを決定するための知見が得られたこととなる。
以上より、マイクロ波の反射波を測定し、反射率が設定した閾値以上となったときにマイクロ波の照射を停止したり強度を弱めたりすれば、モールドパウダーの溶融不良部に効果的にエネルギーを与えつつ、必要以上のエネルギー供給を防ぎ、操業コストの増加を抑制することができる。
なお、図2及び図3に示した結果は、実験室レベルの規模での測定結果であるが、実際の操業に用いられる連続鋳造鋳型の内部においても、同様の挙動を示すと考えられる。これは、モールドパウダーのマイクロ波吸収特性は、モールドパウダーに固有の物性値である誘電率に依存し、装置の大きさには依らないと考えられるからである。
本発明者らは、以上のような知見に基づいて更なる検討を行った結果、以下で説明するような連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置及び連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法に想到したのである。
(使用するマイクロ波について)
続いて、本発明の実施形態に係る連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法及び連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置(以下、単に、「加熱方法」、「加熱装置」ともいう。)で用いられるマイクロ波について、簡単に説明する。
マイクロ波は、一般的には、波長1mm〜1m、周波数300MHz〜300GHzの電磁波をいう。しかしながら、本実施形態に係る加熱方法及び加熱装置で着目しているように、マイクロ波を加熱手段として用いる(いわゆるマイクロ波加熱を行う)場合には、マイクロ波とは、いわゆるISM(Industry−Science−Medical)バンドに属する周波数帯域の電磁波を指す。
以下で説明する本発明の実施形態では、電磁波の周波数は特に限定されず、例えば、ISMバンドである2.45GHz帯(2.40GHz〜2.50GHz)、5.8GHz帯(5.725GHz〜5.875GHz)、及び、24GHz帯(24.0GHz〜24.25GHz)に属する周波数、又は、北米におけるISMバンドである915MHz帯(902MHz〜928MHz)等を適宜選択することが可能である。しかしながら、マイクロ波の被加熱物内部への浸透はマイクロ波の波長に比例するため、上記のマイクロ波では、915MHz帯、2.45GHz帯の浸透深さが大きく、モールドパウダー粉末層の奥深くまで到達することができる。また、915MHz、2.45GHzという周波数のマイクロ波は、装置が安価である点や、発振器1台で数十kWまでの大出力の放射が可能である点などから、kWクラスの大出力が求められる本発明の設備コストとしても、安価に導入することができる。このため、本発明に用いるマイクロ波発振器としては、915MHz、又は、2.45GHzのマイクロ波を発振可能なものが好ましい。
(第1の実施形態)
<加熱装置の構成について>
次に、図4〜図7を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る加熱装置の構成について、詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る加熱装置の構成を模式的に示した説明図である。図5は、本実施形態に係る加熱装置が有するマイクロ波照射装置の構成を模式的に示した説明図である。図6は、本実施形態に係る加熱装置が有する演算処理装置の構成の一例を示したブロック図である。図7は、モールドパウダーの反射率の変化についてのシミュレーション条件を説明するための説明図である。
本実施形態に係る加熱装置10は、図4に示したように、マイクロ波照射装置100と、演算処理装置200と、を主に備える。これら加熱装置10から射出されるマイクロ波は、図4に示したように、連続鋳造鋳型の上部の空間Sへと放射される。マイクロ波照射装置100から射出されたマイクロ波は、モールドパウダー粉末層、モールドパウダー焼結層及びモールドパウダー溶融層へと浸透していくが、マイクロ波の波長の大きさの関係で、鋳型と凝固シェルとの間の空隙には浸透していかない。
なお、図4に模式的に示したように、連続鋳造鋳型の上部を覆うように設けられたマイクロ波反射体300により、マイクロ波照射装置100から射出されたマイクロ波を、上部空間Sへと閉じ込めることが好ましい。マイクロ波反射体300は、マイクロ波を反射させることが可能な素材を用いて形成すればよく、その形状についても特に限定されるものではない。また、マイクロ波反射体300は、中実な構造であってもよいし、例えば金網のような空隙を有する構造であってもよい。
マイクロ波照射装置100は、後述する演算処理装置200の制御のもとで、連続鋳造鋳型の上部空間Sに対して、所定強度のマイクロ波を照射する。これにより、マイクロ波照射装置100から照射されたマイクロ波は、溶融不良となっているモールドパウダーに対して選択的に吸収されて、モールドパウダー溶融層を均一に生成させる。また、マイクロ波照射装置100は、上部空間Sに対して射出される入射マイクロ波強度と、モールドパウダーには吸収されずに上部空間S側から戻ってくる反射マイクロ波強度と、をそれぞれ測定して、後述する演算処理装置200へと出力する。
かかるマイクロ波照射装置100の詳細な構成については、以下で改めて説明する。
演算処理装置200は、マイクロ波照射装置100により測定された入射マイクロ波強度及び反射マイクロ波強度に基づいて、マイクロ波の反射率を算出するとともに、算出した反射率に基づき、マイクロ波照射装置100の制御を行う。すなわち、図3を参照しながら説明したように、演算処理装置200は、算出した所定の閾値未満である間は、マイクロ波照射装置100からマイクロ波を照射させて溶融不良部を選択的に加熱するとともに、反射率が所定の閾値以上となったタイミングで、マイクロ波照射装置100からのマイクロ波の照射を停止させたり、マイクロ波の照射強度を十分に弱めたりさせる。
かかる演算処理装置200の詳細な構成についても、以下で改めて詳細に説明する。
[マイクロ波照射装置の構成について]
次に、図5を参照しながら、本実施形態に係る加熱装置10で利用可能なマイクロ波照射装置100の構成の一例について、詳細に説明する。
本実施形態に係るマイクロ波照射装置100は、図5に示したように、マイクロ波発振器101と、サーキュレータ103と、強度測定器の一例であるパワーモニタ107と、マイクロ波照射部材109と、を主に備え、これらの機器が導波管111により接続されている。なお、図5では、マイクロ波照射部材109や導波管111等といった各部材を支持する支持機構は、図示していない。
マイクロ波発振器101は、周波数300MHz〜300GHzのマイクロ波を発振可能な機器である。このマイクロ波発振器101は、kWクラスの出力を有するマイクロ波を発振可能な機器であることが好ましい。このマイクロ波発振器101により、例えば915MHzや2.45GHz帯に属する周波数のマイクロ波が、後述するサーキュレータ103へと出力されることとなる。このマイクロ波発振器101は、公知のものを適宜選択して使用することが可能である。かかるマイクロ波発振器101は、後述する演算処理装置200によって、マイクロ波発振のオン/オフや、発振するマイクロ波の強度等が制御されている。
サーキュレータ103は、例えば磁石を利用したマイクロ波の進行制御を行うことで、サーキュレータ103に入力されるマイクロ波を、マイクロ波発振器101から出力された入射波と、後述するパワーモニタ107側から戻ってきた反射波とに分離する。サーキュレータ103は、分離した入射マイクロ波を後述するパワーモニタ107側へと導波するとともに、反射マイクロ波を、アイソレータ105の側へと導波する。これにより、反射マイクロ波は、アイソレータ105内に設けられたダミー負荷(例えば、水など)に吸収され、マイクロ波発振器101側に戻らないようにすることができる。このようなサーキュレータ103を設けることにより、本実施形態に係るマイクロ波照射装置100では、安定したマイクロ波の出力を行うことができる。このサーキュレータ103は、公知のものを適宜選択して使用することが可能である。
パワーモニタ107は、強度測定器の一例であり、マイクロ波発振器101から発振され上部空間Sへ照射される入射マイクロ波強度と、モールドパウダーに吸収されずに反射しマイクロ波発振器101側に戻ってくる反射マイクロ波強度と、を測定する。パワーモニタ107によって測定された入射マイクロ波強度及び反射マイクロ波強度に関する情報は、演算処理装置200に出力される。なお、このパワーモニタ107は、公知のものを適宜選択して使用することが可能である。
マイクロ波照射部材109は、連続鋳造鋳型の上部の空間Sに対してマイクロ波を照射する部材である。連続鋳造鋳型の上部空間Sにマイクロ波が照射されることで、連続鋳造鋳型の内部に投入されたモールドパウダーに対してマイクロ波を吸収させることが可能となる。このマイクロ波照射部材109には、マイクロ波照射部材109の先端から連続鋳造鋳型内に存在する粉塵等が逆流してこないように、窒素、アルゴン等の不活性ガスが所定の流量・流速となるように供給されていてもよい。この場合、マイクロ波照射部材109内に供給される不活性ガスは、連続鋳造鋳型の内部の温度低下を防止するために、加熱されたガスとすることが好ましい。また、マイクロ波照射部材109とパワーモニタ107とを連結する導波管111には、連続鋳造鋳型内に存在する粉塵等がパワーモニタ107に流入しないように、防塵ガラスが設けられることが好ましい。このようなマイクロ波照射部材109としては、各種のアンテナや導波管や同軸ケーブルなど公知のあらゆるものを利用することが可能である。
導波管111は、マイクロ波を導波して所望の箇所へと導く管である。この導波管111の形状については、マイクロ波の導波特性等を考慮して適宜決定すればよく、導波管111自体についても、使用するマイクロ波の周波数や出力強度等に応じて、公知のものを適宜選択することができる。
なお、本実施形態に係るマイクロ波照射装置100は、入射マイクロ波強度のみならず、反射マイクロ波強度をも測定する装置であるため、反射マイクロ波を低減するための装置である自動整合器(オートチューナ)を設けないことが好ましい。かかる自動整合器を設ける場合には、測定される反射マイクロ波強度が、モールドパウダーの誘電率の変化を反映した値とならないため、マイクロ波の照射タイミングを良好に制御することが困難となる。
以上、図5を参照しながら、マイクロ波照射装置100の詳細な構成について、説明した。
[演算処理装置の構成について]
次に、図6を参照しながら、本実施形態に係る加熱装置10が備える演算処理装置200の構成について、詳細に説明する。
本実施形態に係る演算処理装置200は、図6に模式的に示したように、強度情報取得部201と、反射率算出部203と、マイクロ波発振器制御部205と、記憶部207と、を主に備える。
強度情報取得部201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信装置等により実現される。強度情報取得部201は、マイクロ波照射装置100のパワーモニタ107から出力される、入射マイクロ波強度及び反射マイクロ波強度に関するマイクロ波強度情報を取得する。強度情報取得部201は、取得したマイクロ波強度情報を、後述する反射率算出部203へと出力する。マイクロ波照射装置100のパワーモニタ107は、入射マイクロ波強度及び反射マイクロ波強度に関する情報を連続的に測定して、マイクロ波強度情報を生成する。従って、強度情報取得部201は、パワーモニタ107から出力されるマイクロ波強度情報を随時取得して、反射率算出部203へと出力することとなる。
反射率算出部203は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。反射率算出部203は、強度情報取得部201から出力されたマイクロ波強度情報を利用して、モールドパウダーからのマイクロ波の反射率を算出する。より詳細には、反射率算出部203は、マイクロ波強度情報に含まれる、入射マイクロ波強度の値と、反射マイクロ波強度の値と、を利用して、上記式11により反射率を随時算出する。反射率算出部203は、算出した反射率の値に関する情報を、後述するマイクロ波発振器制御部205へと出力する。
マイクロ波発振器制御部205は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。マイクロ波発振器制御部205は、反射率算出部203によって算出された反射率の値に基づいて、マイクロ波発振器の発振制御を行う。より詳細には、マイクロ波発振器制御部205は、反射率が所定の閾値未満である場合には、図3等を参照しながら説明した知見に基づき、マイクロ波発振器101からのマイクロ波発振を継続させる。そのために、マイクロ波発振器制御部205は、マイクロ波の発振を継続する旨を表わす制御情報を、マイクロ波発振器101に対して出力する。
また、マイクロ波発振器制御部205は、反射率が所定の閾値以上である場合には、図3等を参照しながら説明した知見に基づき、マイクロ波発振器101からのマイクロ波発振を停止させる。そのために、マイクロ波発振器制御部205は、マイクロ波の発振を停止する旨を表わす制御情報を、マイクロ波発振器101に対して出力する。
実際の操業においては、モールドパウダーを複数回に分けて鋳型内に投入するため、モールドパウダーが投入されるたびにマイクロ波の照射を開始し、反射率が閾値以上となったときにマイクロ波の照射を停止するという作業を繰り返すことにより、効率良くモールドパウダーの加熱処理を行うことが可能となる。
なお、マイクロ波発振器制御部205は、反射率が所定の閾値以上である場合に、マイクロ波発振器101からのマイクロ波発振を停止させるのではなく、パワーモニタ107において検出される反射マイクロ波強度が当該パワーモニタ107の検出限界値となるまで、マイクロ波発振器101から発振されるマイクロ波の強度を低下させてもよい。発振されるマイクロ波の強度をこのような状況まで低下させることで、マイクロ波発振器101では、マイクロ波が発振可能なぎりぎりの状況まで、装置に供給されるエネルギーが抑制された状態となる。マイクロ波発振器101からのマイクロ波発振を完全に停止させてしまうと、次回マイクロ波の発振を開始する際には、マイクロ波発振器101の立ち上げ操作が行われることとなり、安定的なマイクロ波発振を実現するまでにタイムラグが生じる可能性もある。しかしながら、反射マイクロ波強度がパワーモニタ107の検出限界値となるまでマイクロ波発振器101から発振されるマイクロ波の強度を低下させることにより、余剰なマイクロ波エネルギーがモールドパウダーに供給されることを抑制しつつ、マイクロ波発振器101の次回起動時におけるタイムラグをなくすことが可能となる。
ここで、パワーモニタ107の検出限界値を与える程度の強度の具体的な値は、特に限定されるものではないが、例えば、マイクロ波発振器101の定格値の10%程度の値を挙げることができる。
なお、上記の説明では、マイクロ波発振器制御部205が、マイクロ波発振器101から連続的にマイクロ波を発振させるとともに、反射率に応じてマイクロ波の出力強度を制御する場合について説明したが、マイクロ波発振器制御部205は、マイクロ波発振器101から間欠的(パルス的)にマイクロ波を発振させるように制御を行ってもよい。より詳細には、マイクロ波発振器制御部205は、マイクロ波発振器101の発振制御機構として設けられたスイッチング素子を断続的に開閉させることで、マイクロ波発振器101からマイクロ波をパルス状に発振させ、パルス状に出力されたマイクロ波の平均出力がパワーモニタ107の検出限界値となるまでスイッチング素子を開閉させる周期を長くしてもよい。
なお、マイクロ波発振器制御部205がマイクロ波発振器101の発振制御を行う基準となる閾値は、操業に用いられる非発熱型のモールドパウダーのマイクロ波加熱特性を事前に検証することで、適宜設定すればよい。このような事前の検証として、操業に用いられるモールドパウダーをマイクロ波により実際に加熱してもよいし、操業に用いられるモールドパウダーの比誘電率を実際に測定した上で、有限要素法による電磁場解析等のシミュレーションを実施してもよい。これらの検証により設定される閾値の具体例は、特に限定されるものではないが、例えば、反射率=5%という具体的な値、又は、算出される反射率がマイクロ波照射開始時における反射率の1.11倍になったという変化量を、閾値とすることができる。反射率が上記閾値以上となることで、完全に溶融していないモールドパウダーに対して選択的にマイクロ波が吸収されてモールドパウダーが完全に溶融したことを、容易に把握することが可能となる。
なお、閾値の具体例として挙げた反射率=5%、及び、反射率の変化量=1.11倍という値は、操業に用いられるモールドパウダーの比誘電率を実際に測定した上で、市販の有限要素法プログラムによる電磁場解析を行うことで、得られた値である。より詳細には、図7に模式的に示したような実際の操業に用いられる鋳型と同様の大きさを有するモデルを考え、溶鋼と鋳型とマイクロ波反射体とで囲まれた空間内において、溶鋼上に設けられたモールドパウダーに対して、空間の上部に設けられた導波管からマイクロ波が照射される場合を想定した。
照射されるマイクロ波の周波数は2.45GHzとし、出力は、1.5kWとした。また、実際の操業に用いられるモールドパウダーの比誘電率のε’(実部)及びε”(虚部)の値は、周波数2.45GHzのマイクロ波の場合、パウダー成分の違いに伴い、以下の表1に示した範囲であった。
Figure 2016078054
ここで、上記のマイクロ波の条件(2.45GHz)で、上記の実験に用いたモールドパウダーの場合、具体的な比誘電率の値は、200℃以上1100℃未満において、ε’=2.3、ε”=0.24であり、1100℃以上において、ε’=2.3、ε”=0.01であった。
有限要素法による電磁場解析により得られたマイクロ波の反射率は、以下の表2に示した値の通りであった。以下の表2に示した結果に基づき、上記では、反射率の閾値を5%とし、反射率の変化量の閾値を、最小の変化量から5%÷4.5%=1.11とした。
Figure 2016078054
なお、上記の電磁場解析結果は、マイクロ波の周波数や出力を上記の条件から変えた場合であっても、同様であり、電磁場解析結果から得られる閾値の値も同様であった。
マイクロ波発振器制御部205は、以上のような基準に基づいて随時マイクロ波発振器101の制御情報を生成・出力することで、マイクロ波発振器101におけるマイクロ波の発振を制御する。
なお、マイクロ波発振器制御部205は、マイクロ波発振器101からのマイクロ波の発振を継続する場合に、マイクロ波発振器101からのマイクロ波の出力強度が常に一定となるように制御を行ってもよいが、マイクロ波の出力強度を反射率に応じて動的に変化させるように制御を行ってもよい。図3に示したようなマイクロ波加熱特性は、マイクロ波の出力強度(すなわち、入射マイクロ波強度)が一定値であっても、また、動的に変化した場合であっても、同様の挙動を示す。しかしながら、入射マイクロ波強度を動的に変化させる(より詳細には、反射率の値が小さな値を示している場合ほど、入射マイクロ波強度が大きくなるように制御する)ことで、上部空間Sへのマイクロ波の照射時間を短縮し、より早くモールドパウダーを溶融させることが可能となる。
記憶部207は、例えば本実施形態に係る演算処理装置200が備えるRAMやストレージ装置等により実現される。記憶部207には、本実施形態に係る演算処理装置200が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、又は、各種のデータベースやプログラム等が、適宜記録される。この記憶部207は、強度情報取得部201、反射率算出部203、マイクロ波発振器制御部205等が、自由にデータのリード/ライト処理を行うことが可能である。
以上、本実施形態に係る演算処理装置200の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係る演算処理装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
<加熱方法の流れについて>
次に、図8を参照しながら、本実施形態に係る加熱装置10を用いて実施される加熱方法の流れの一例について、簡単に説明する。図8は、本実施形態に係る加熱方法の流れの一例を示した流れ図である。
本実施形態に係る加熱方法では、連続鋳造鋳型内に溶鋼が供給され、メニスカス部に非発熱型のモールドパウダーが投入された後、マイクロ波照射装置100から所定強度のマイクロ波の照射が開始される(ステップS101)。ここで、マイクロ波照射装置100は、マイクロ波の照射を開始するとともに、マイクロ波の入射強度及び反射強度をパワーモニタ107により連続的にモニタし(ステップS103)、測定した強度を表わすマイクロ波強度情報を、演算処理装置200に出力する。
演算処理装置200の強度情報取得部201は、マイクロ波照射装置100のパワーモニタ107から連続的に出力されるマイクロ波強度情報を随時取得して、反射率算出部203へと出力する。反射率算出部203は、強度情報取得部201から随時伝送されるマイクロ波強度情報を利用して、マイクロ波の反射率を連続的に算出し(ステップS105)、マイクロ波発振器制御部205へと出力する。
マイクロ波発振器制御部205は、反射率算出部203から出力される反射率の値を利用した閾値判断を随時実施して、算出された反射率が所定の閾値以上に増加したか否かを判断する(ステップS107)。
算出された反射率が所定の閾値未満であった場合には、マイクロ波発振器制御部205は、マイクロ波発振器101に対してマイクロ波の発振を継続させる旨の制御情報を出力する。その結果、マイクロ波照射装置100は、所定強度のマイクロ波の発振を継続することとなり、加熱装置10全体としては、ステップS103へと戻って処理が継続されることとなる。
一方、算出された反射率が所定の閾値以上であった場合には、マイクロ波発振器制御部205は、マイクロ波発振器101に対して、マイクロ波の発振を停止する旨の制御情報、又は、マイクロ波の発振強度を低下させる旨の制御情報を出力する(ステップS109)。これにより、均一に溶融しているモールドパウダーに対して過剰なマイクロ波エネルギーが供給されることを防止することができる。
その後、マイクロ波発振器制御部205は、連続鋳造鋳型を含む連続鋳造ラインを制御している制御コンピュータ等と連携したり、算出される反射率が所定の閾値以上となったか否かを判断したりしながら、連続鋳造鋳型に対して新たにモールドパウダーが投入されたか否かを判断する(ステップS111)。
新たなモールドパウダーの投入がなされたと判断されなかった場合には、マイクロ波発振器制御部205は、ステップS109に戻って、マイクロ波発振器101に対して、マイクロ波の発振を停止する旨の制御情報、又は、マイクロ波の発振強度を低下させる旨の制御情報を出力する。
一方、新たなモールドパウダーの投入がなされたと判断された場合には、マイクロ波発振器制御部205は、マイクロ波の発振強度を所定強度まで増加させる旨の制御情報を生成して、マイクロ波発振器101へと出力する(ステップS113)。その結果、マイクロ波照射装置100は、所定強度のマイクロ波の発振を再開することとなり、加熱装置10全体としては、ステップS103へと戻って処理が継続されることとなる。
以上説明したような加熱処理が、連続鋳造ラインを用いた連続鋳造処理が継続している間、実施される。
以上、図8を参照しながら、本実施形態に係る加熱方法の流れについて、簡単に説明した。
(ハードウェア構成について)
次に、図9を参照しながら、本発明の実施形態に係る演算処理装置200のハードウェア構成について、詳細に説明する。図9は、本発明の実施形態に係る演算処理装置200のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
演算処理装置200は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、演算処理装置200は、更に、バス907と、入力装置909と、出力装置911と、ストレージ装置913と、ドライブ915と、接続ポート917と、通信装置919とを備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置913、またはリムーバブル記録媒体921に記録された各種プログラムに従って、演算処理装置200内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるバス907により相互に接続されている。
バス907は、ブリッジを介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バスに接続されている。
入力装置909は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置909は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、演算処理装置200の操作に対応したPDA等の外部接続機器923であってもよい。さらに、入力装置909は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。演算処理装置200のユーザは、この入力装置909を操作することにより、演算処理装置200に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置911は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置911は、例えば、演算処理装置200が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、演算処理装置200が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置913は、演算処理装置200の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置913は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置913は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ915は、記録媒体用リーダライタであり、演算処理装置200に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体921は、例えば、CDメディア、DVDメディア、Blu−ray(登録商標)メディア等である。また、リムーバブル記録媒体921は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体921は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
接続ポート917は、機器を演算処理装置200に直接接続するためのポートである。接続ポート917の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS−232Cポート等がある。この接続ポート917に外部接続機器923を接続することで、演算処理装置200は、外部接続機器923から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器923に各種のデータを提供したりする。
通信装置919は、例えば、通信網925に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置919は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置919は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置919は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置919に接続される通信網925は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、社内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
以上、本発明の実施形態に係る演算処理装置200の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置
100 マイクロ波照射装置
101 マイクロ波発振器
103 サーキュレータ
105 アイソレータ
107 パワーモニタ
109 マイクロ波照射部材
200 演算処理装置
201 強度情報取得部
203 反射率算出部
205 マイクロ波発振器制御部
300 マイクロ波反射体

Claims (17)

  1. 連続鋳造鋳型内に投入されたモールドパウダーに対してマイクロ波を照射し、照射された当該マイクロ波によって前記モールドパウダーを加熱する連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法であって、
    マイクロ波発振器から発振され前記連続鋳造鋳型の上部空間へ照射される入射マイクロ波強度と、前記モールドパウダーに吸収されずに反射し前記マイクロ波発振器に戻ってくる反射マイクロ波強度と、を測定し、測定した前記入射マイクロ波強度及び前記反射マイクロ波強度に基づいてマイクロ波の反射率を算出しながら、前記マイクロ波を照射する、連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法。
  2. 前記入射マイクロ波強度と前記反射マイクロ波強度とを測定し、前記反射率を算出する反射率算出ステップと、
    算出された反射率に応じて、前記マイクロ波発振器から発振される前記マイクロ波の強度を制御する強度制御ステップと、
    を含み、
    前記強度制御ステップでは、算出された前記反射率が所定の閾値以上に増加した場合に、前記反射マイクロ波強度の検出限界値となるまで、前記マイクロ波発振器から発振される前記マイクロ波の強度を低下させる、請求項1に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法。
  3. 前記入射マイクロ波強度と前記反射マイクロ波強度とを測定し、前記反射率を算出する反射率算出ステップと、
    算出された反射率に応じて、前記マイクロ波発振器から発振される前記マイクロ波の強度を制御する強度制御ステップと、
    を含み、
    前記強度制御ステップでは、算出された前記反射率が所定の閾値以上に増加した場合に、前記反射マイクロ波強度の検出限界値となるまで、前記マイクロ波発振器から前記マイクロ波を間欠的に発振させる、請求項1に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法。
  4. 前記入射マイクロ波強度と前記反射マイクロ波強度とを測定し、前記反射率を算出する反射率算出ステップと、
    算出された反射率に応じて、前記マイクロ波発振器から発振される前記マイクロ波の強度を制御する強度制御ステップと、
    を含み、
    前記強度制御ステップでは、算出された前記反射率が所定の閾値以上となった場合に、前記マイクロ波発振器からの前記マイクロ波の発振を停止させる、請求項1に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法。
  5. 前記強度制御ステップでは、算出された前記反射率が5%以上となった場合に、前記マイクロ波発振器の制御を行う、請求項2〜4の何れか1項に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法。
  6. 前記強度制御ステップでは、算出された前記反射率が前記マイクロ波の照射開始時に対して1.11倍以上となった場合に、前記マイクロ波発振器の制御を行う、請求項2〜4の何れか1項に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法。
  7. 前記連続鋳造鋳型に対して前記モールドパウダーが投入される毎に前記マイクロ波の照射が開始され、照射される前記マイクロ波の強度が、算出される前記反射率に応じて制御される、請求項1〜6の何れか1項に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法。
  8. 前記モールドパウダーは、酸化カルシウム及び酸化ケイ素を主成分とし、炭素を含有しないモールドパウダーである、請求項1〜7の何れか1項に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱方法。
  9. 連続鋳造鋳型内に投入されたモールドパウダーに対してマイクロ波を照射し、照射された当該マイクロ波によって前記モールドパウダーを加熱する連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置であって、
    前記連続鋳造鋳型の上部空間に対して、所定強度のマイクロ波を照射するマイクロ波発振器と、
    前記マイクロ波発振器から発振され前記上部空間へ照射される入射マイクロ波強度と、前記モールドパウダーに吸収されずに反射し前記マイクロ波発振器側に戻ってくる反射マイクロ波強度と、を測定する強度測定器と、
    前記強度測定器により測定された前記入射マイクロ波強度及び前記反射マイクロ波強度に基づいて、前記マイクロ波の反射率を算出するとともに、算出した前記反射率に基づき、前記マイクロ波発振器の制御を行う演算処理装置と、
    を備える、連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置。
  10. 前記マイクロ波発振器から照射された前記マイクロ波は、前記連続鋳造鋳型の上部を覆うように設けられたマイクロ波反射体により、前記上部空間へと閉じ込められる、請求項9に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置。
  11. 前記演算処理装置は、算出した前記反射率が所定の閾値以上であった場合に、前記強度測定器において検出される前記反射マイクロ波強度が当該強度測定器の検出限界値となるまで、前記マイクロ波発振器から発振される前記マイクロ波の強度を低下させる、請求項9又は10に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置。
  12. 前記演算処理装置は、算出した前記反射率が所定の閾値以上であった場合に、前記強度測定器において検出される前記反射マイクロ波強度が当該強度測定器の検出限界値となるまで、前記マイクロ波発振器から前記マイクロ波を間欠的に発振させる、請求項9又は10に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置。
  13. 前記演算処理装置は、算出した前記反射率が所定の閾値以上であった場合に、前記マイクロ波発振器からの前記マイクロ波の発振を停止させる、請求項9又は10に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置。
  14. 前記演算処理装置は、算出した前記反射率が5%以上となった場合に、前記マイクロ波発振器の制御を行う、請求項11〜13の何れか1項に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置。
  15. 前記演算処理装置は、算出した前記反射率が前記マイクロ波の照射開始時に対して1.11倍以上となった場合に、前記マイクロ波発振器の制御を行う、請求項11〜13の何れか1項に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置。
  16. 前記演算処理装置は、前記連続鋳造鋳型に対して前記モールドパウダーが投入される毎に、前記マイクロ波発振器からのマイクロ波の照射を開始させ、照射される前記マイクロ波の強度を、算出される前記反射率に応じて制御する、請求項9〜15の何れか1項に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置。
  17. 前記モールドパウダーは、酸化カルシウム及び酸化ケイ素を主成分とし、炭素を含有しないモールドパウダーである、請求項9〜15の何れか1項に記載の連続鋳造用モールドパウダーの加熱装置。
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