JP2006314761A - 歯科用修復金属材料の鋳造方法、電磁波発熱炉及び埋没材 - Google Patents

歯科用修復金属材料の鋳造方法、電磁波発熱炉及び埋没材 Download PDF

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Abstract

【課題】 例えば歯科医院において、歯科用修復金属材料の鋳造を、大気圧中で安価かつ簡易に行うことができ、また、鋳造の際の危険性も少なく取扱いの利便性に優れた歯科用修復金属材料の鋳造方法、電磁波発熱炉及び埋没材を提供することにある。
【解決手段】 電磁波が照射される電磁波照射室を有する電磁波照射装置(電子レンジ1)と、電磁波を吸収して発熱する電磁波発熱炉3と、を用いた歯科用修復金属材料の鋳造方法であって、歯科用修復金属材料が載置された埋没材4を電磁波発熱炉3に入れ、電磁波発熱炉3を前記電磁波照射室に入れた後、電磁波発熱炉3に電磁波を照射して歯科用修復金属材料を大気圧で鋳造する電磁波鋳造工程を含むことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、歯科用修復金属材料の鋳造方法、電磁波発熱炉及び埋没材に関し、特に、大気圧下で、安価かつ簡易に歯科用修復金属材料を鋳造することができるものに関する。
一般に、歯科用の修復材料として最適な材料は、耐摩耗性や耐腐食性の観点より、金属であることが知られている。そして、歯科用の修復材料を作るためには、金属を液体状態まで溶融し、その溶融物を遠心力や圧力を用いて鋳型に流し込む鋳造工程を経なければならない(例えば特許文献1参照)。遠心力を用いて鋳型に流し込む装置としては、例えば遠心鋳造機がある。また、圧力を用いて鋳型に流し込む装置としては、例えば真空加圧鋳造機がある。
遠心鋳造機は、溶融用のるつぼで溶融した歯科用材料を鋳型に流し込んだ後、鋳型を遠心鋳造機の回転ロッドの先端に取り付けて回転させ、遠心力によって、キャビティ内部の空気を排出しつつ、溶融物をキャビティの隅々まで行き渡らせるものである。また、真空加圧鋳造機は、まず、鋳型を真空容器内に配置し、歯科用の金属を鋳型のキャビティに連通する湯溜り部に載置した後、真空容器内部を真空状態として金属を加熱して溶融させる。そして、溶融した歯科用材料をキャビティ内部に加圧注入し、加圧しながら金属を鋳込み、キャビティ内部の空気を排出しつつ、溶融物をキャビティの隅々まで行き渡らせるものである。
このように、従来の鋳造工程は、遠心鋳造機や真空加圧鋳造機などを用いて、圧力を加えながら金属を鋳込むものが主流であった。
特開平11−9614号公報(段落番号[0002])
しかしながら、上述した遠心鋳造機は、遠心力を得るために鋳型を回転させる必要があり、装置全体が大型化してしまう傾向にある。また、高温の溶融物が鋳込まれた鋳型を回転させるので、溶融物が飛散するおそれがあり、危険性が高い。なお、装置の価格も一般的に高価である。
また、上述した真空加圧鋳造機は、真空状態を得るために極めて複雑な機構を必要とするので、装置全体が複雑化してしまう傾向にあり、取扱いの利便性に欠ける。例えば、真空容器には厳しい密閉性が要求されるため、鋳型の出し入れのときには細心の注意が必要となる。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えば歯科医院において、歯科用修復金属材料の鋳造を、大気圧中で安価かつ簡易に行うことができ、また、鋳造の際の危険性も少なく取扱いの利便性に優れた歯科用修復金属材料の鋳造方法、電磁波発熱炉及び埋没材を提供することにある。
以上のような課題を解決するため、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 電磁波が照射される電磁波照射室を有する電磁波照射装置と、電磁波を吸収して発熱する電磁波発熱炉と、を用いた歯科用修復金属材料の鋳造方法であって、歯科用修復金属材料が載置された埋没材を前記電磁波発熱炉に入れ、当該電磁波発熱炉を前記電磁波照射室に入れた後、前記電磁波発熱炉に電磁波を照射して歯科用修復金属材料を鋳造する電磁波鋳造工程を含むことを特徴とする歯科用修復金属材料の鋳造方法。
本発明によれば、マイクロ波などの電磁波が照射される電磁波照射室(加熱室)を有する電磁波照射装置(例えば電子レンジ)と、電磁波を吸収して発熱する電磁波発熱炉と、を用いて、例えば金銀パラジウム合金などの歯科用修復金属材料が載置された埋没材を電磁波発熱炉に入れて、その電磁波発熱炉を電磁波照射室(加熱室)に入れた後、電磁波発熱炉に電磁波を照射して歯科用修復金属材料を(特に、大気圧下で)鋳造することとしたから、例えば歯科医院において、歯科用修復金属材料の鋳造を、大気圧中で安価かつ簡易に行うことができる。
すなわち、歯科用修復金属材料が載置された埋没材を電磁波発熱炉に入れ、その電磁波発熱炉を電磁波照射装置の電磁波照射室に入れた後、電磁波照射装置のスイッチをONすると、電磁波照射室に電磁波が照射され、電磁波を電磁波発熱炉が吸収し、電磁波発熱炉が発熱するとともに、電磁波発熱炉の中に入れた歯科用修復金属材料が溶融して埋没材に鋳込まれる結果、上述した遠心鋳造機や真空加圧鋳造機などの特別な装置を用いなくても、歯科用修復金属材料の鋳造を電磁波照射室内で(大気圧中で)安価かつ簡易に行うことができる。
また、上述した遠心鋳造機や真空加圧鋳造機のように、高温の溶融物が鋳込まれた鋳型を回転させたり、真空状態で鋳型を加圧したりすることもないので、鋳造の際の危険性を少なくできるとともに、取扱いの利便性を向上させることができる。
(2) 前記電磁波発熱炉は、複数の板状電磁波発熱体を積層してなることを特徴とする(1)記載の歯科用修復金属材料の鋳造方法。
本発明によれば、上述した電磁波発熱炉は、複数の板状電磁波発熱体を積層してなることとしたから、例えば板状電磁波発熱体の数を多くすると電磁波発熱炉の発熱量が多くなる一方で、板状電磁波発熱体の数を少なくすると電磁波発熱炉の発熱量は少なくなるので、電磁波発熱炉の発熱量を所望の量に調節することができる。
(3) (1)又は(2)記載の歯科用修復金属材料の鋳造方法に用いる電磁波発熱炉であって、前記電磁波発熱炉は、亜鉛−マンガン系セラミックス若しくはSicより形成されることを特徴とする電磁波発熱炉。
本発明によれば、上述した歯科用修復金属材料の鋳造方法に用いる電磁波発熱炉を、亜鉛−マンガン系セラミックス若しくはSicより形成されることとしたから、炉内の温度を長い時間高温に保つことができる。従って、亜鉛−マンガン系セラミックス若しくはSicより形成された電磁波発熱炉を用いることによって、より確実に歯科用修復金属材料を鋳込むことができる。
(4) (1)又は(2)記載の歯科用修復金属材料の鋳造方法に用いる埋没材であって、前記埋没材の上面には歯科用修復金属材料の型となる凹部が形成されており、前記凹部の底面付近には、外部へ通じる空気抜け穴が形成されていることを特徴とする埋没材。
本発明によれば、上述した歯科用修復金属材料の鋳造方法に用いる埋没材の上面には、歯科用修復金属材料の型となる凹部が形成されているとともに、その凹部の底面付近には、外部へ通じる空気抜け穴が形成されていることとしたので、歯科用修復金属材料を鋳込む際に、溜まった空気を外部へ逃がすことができ、ひいてはより確実に歯科用修復金属材料を鋳込むことができる。
以上説明したように、本発明によれば、例えば歯科医院において、歯科用修復金属材料の鋳造を、大気圧中で安価かつ簡易に行うことができる。また、鋳造の際の危険性も少なくできるとともに、取扱いの利便性を向上させることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る歯科用修復金属材料の鋳造方法に用いられるものを示す図である。
図1において、歯科用修復金属材料の鋳造方法では、電子レンジ1と、電気炉2と、電磁波発熱炉3と、埋没材4と、を用いる。
電子レンジ1は、摩擦現象によって肉・魚等の冷凍食品や牛乳・お酒等の飲み物などの被加熱物を昇温させるために、マグネトロンにおいて発生した約2.45GHzのマイクロ波を、導波管の開口部から電磁波照射室に照射するものである。なお、電子レンジ1は、マイクロ波を照射しうるものであれば何でもよく、誘電加熱機能のみを備える装置のみならず、放射加熱機能や輻射加熱機能などの付加機能を備える装置であってもよい。
電気炉2は、電気の発熱作用を利用した炉であって、抵抗炉,アーク炉又は誘導炉などがある。電気炉2は、例えば石膏などの埋没材4に充填されたワックス10(図2(b)参照)を蒸発させるために用いられる。
電磁波発熱炉3は、四角柱形状の空洞を有する耐熱材の内部に、4枚の板状の電磁波発熱体を貼り付けたものである。なお、電磁波発熱体は、耐熱材の中に埋め込まれていてもよい。電磁波発熱体は、電磁波を実質的に熱エネルギーに変換するものであって、母材と充填材を組み合わせたものである。母材の具体例としては、例えば熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,合成ゴム,エラストマー,ペースト類などが挙げられる。一方、充填材の具体例としては、PAN系炭素繊維,ピッチ系炭素繊維,コイル状炭素繊維,炭化珪素繊維又はカーボンブラックなどの炭素系、アルミニウム繊維,ニッケル繊維,ステンレス繊維,銅繊維又は金属フレークなどの金属系、金属めっき繊維,金属コーティング繊維又は金属被服繊維などの金属複合系、軟磁性粉又は酸化亜鉛ウイスカーなどの磁性材料が挙げられる。なお、例えばサーモクロミックガラスなど、高温になると白濁化するガラスを用いて、電磁波発熱炉3の側面に窓を設けてもよい。このようにすることで、電磁波発熱炉3を電子レンジ1の中に入れたときでも、外部から電磁波発熱炉3の炉内の温度を視認することができるようになる。また、電磁波発熱炉3の肉の部分の内側と外側に、例えばサファイアガラス(1200℃に耐えられるものであれば如何なるものであってもよい)で覗き窓を設けるようにしてもよい。これにより、覗き窓からの光を用いて、放射温度計で炉内温度を測定することができる。また、覗き窓に可視光線用の遮光板を設けることで、その遮光板を透過した光度(光量)により、炉内温度を推定することもできる。一方で、電磁波発熱炉3の側面に設ける窓として、例えば、エドモンド・オプティクス・ジャパン(株)社製の「回転ステップ濃度フィルター」を用いることもできる。これによれば、窓が溶解するのを防ぎつつ、炉内温度を推定することができる。
このように、電子レンジ1内に、上述した様々な窓が設けられた電磁波発熱炉3を載置することによって、炉内温度を推定することができる。例えば、電磁波発熱炉3には、1000℃用の遮光板が設けられた覗き窓があり、その内部に融点950℃の合金があった場合に、遮光板を通して光が見えたら、電子レンジ1のスイッチをOFFし、しばらくして再度スイッチをONし、また光が見えたらスイッチをOFFする動作を繰り返すことによって、炉内温度を1000℃にキープすることができ、合金をオーバーヒートすることなく溶解することができる。
なお、上述したスイッチのON・OFFを自動的に行うこととしてもよい。すなわち、電子レンジ1に、照射温度計(これは、放射温度計であってもよい)を有するセンサを設けるとともに、このセンサによって遮光板を通過した光が検出されたときにはスイッチをOFFするとともに、所定時間経過した後にスイッチをONするような電子回路を組み込むこととしてもよい。これにより、スイッチのON・OFF操作に人為的操作が介在しないことから、電子レンジ1内における電磁波発熱炉3の炉内温度を自動調節することができる。
本実施形態に係る歯科用修復金属材料の鋳造方法では、亜鉛−マンガン系セラミックス若しくはSicを用いて電磁波発熱炉3を形成することが好ましく、特に、後者のSicを用いて電磁波発熱炉3を形成することが好ましい。これにより、炉内の温度を長い時間高温に保つことができる(詳細については、後述する実施例参照)。
図2は、図1に示す埋没材4の製造方法を説明するための工程説明図である。なお、ここでは説明の便宜上、円柱状の鋳物を作るための埋没材4の製造方法について説明する。
図2(a)において、フォーマー20には、ワックス(例えばレディキャスティングワックス)10の下端が焼き付けられている。また、ワックス10の上方には、エアーベントとしてのワックス10'の一端(上端)が焼き付けられている。このワックス10'は、歯科用修復金属材料を鋳込む際に空気を逃がすためのものである。ワックス10'の他端(下端)は、フォーマー20に焼き付けられている。
次に、図2(b)に示すように、埋没材(例えばリン酸塩系埋没材)4を用いて、図2(a)に示すワックス10及びワックス10'を埋没させる。埋没材4が硬化した後、フォーマー20を取り外し、上下を逆さまにすると、図2(c)のような埋没材4が得られる。
図2(c)において、埋没材4には、歯科用修復金属材料の型となる凹部(図2(c)ではワックス10が充填された円柱の部分)が形成されており、その凹部の底面付近(底に近い側面)には、空気抜け穴4aが形成されている。空気抜け穴4aから外部へ通じる通路(図2(c)ではワックス10'が充填されたパイプ部分)によって、歯科用修復金属材料を鋳込む際に空気を逃がすことができる。
図3は、本発明の実施の形態に係る歯科用修復金属材料の鋳造方法の流れを示す工程図である。
図3において、まず、電磁波発熱炉3を電子レンジ1の電磁波照射室内に入れる(図3(a))。そして、電子レンジ1のスイッチをONにして、電磁波発熱炉3に電磁波を照射して、予備加熱として炉内の温度が所定温度以上になるまで発熱させる。
一方で、図3(a)の工程と並行して、埋没材4を電気炉2の中にいれて加熱し(図3(b))、埋没材4の上面の凹部に充填されたワックス10(図2(c)参照)を蒸発させる。このとき、空気抜け穴4aから外部へ通じる通路に充填されたワックス10'(図2(c)参照)も蒸発させる。
次に、電気炉2から埋没材4を取り出し、埋没材4に、例えば歯科用修復金属材料として金銀パラジウム合金5を載置する(図3(c))。その後、金銀パラジウム合金5が載置された埋没材4を電磁波発熱炉3の中に入れ(図3(d))、その電磁波発熱炉3を電子レンジ1に入れた後(図3(e))、電子レンジ1のスイッチをONにして、電磁波発熱炉3に電磁波を照射する。
所定時間経過後、電磁波発熱炉3を電子レンジ1から取り出し、電磁波発熱炉3から埋没材4を取り出す。そうすると、埋没材4の上面に形成された凹部には、鋳物5'が発生する。すなわち、埋没材4の上面に載置した金銀パラジウム合金5が鋳込まれて、鋳物5'となる。最後に、埋没材4を十分冷ました後に、埋没材4を砕くことによって(図3(f))、鋳物5'を取り出す。
なお、図2(c)に示す埋没材4を用いれば、鋳物5'は円柱形状のものとなるが、説明の便宜上、図3(g)では、本実施形態に係る歯科用修復金属材料の鋳造方法によって、実際に製造するであろう歯科用修復金属材料としての鋳物5'を図示している。
このように、本実施形態に係る歯科用修復金属材料の鋳造方法によれば、遠心鋳造機や真空加圧鋳造機といった特別な装置を必要とすることなく、歯科用修復金属材料としての金銀パラジウム合金5の鋳造を、大気圧中で安価かつ簡易に行うことができる。
上述した実施形態に係る歯科用修復金属材料の鋳造方法を試用して、実際に金銀パラジウム合金5の鋳造を行った。電子レンジ1として、出力750W・松下電器産業製・NE−S12の電子レンジを用いた。電気炉2として、東京七宝サロン・七宝電気炉・銀河KI型の電気炉を用いた。金銀パラジウム合金5として、12%Au・20%Pd・52%Ag・15%Cu・その他1%・液相点970℃の歯科鋳造用金銀パラジウム合金を用いた。電磁波発熱炉3として、亜鉛−マンガン系セラミックスより形成されたものと、Sicより形成されたもの、の2個を用いた。なお、電磁波発熱炉3の炉内の温度を測定するために、Pt−Pt10%RhのR熱電対を用いた。
図4及び図5は、電磁波発熱炉3の保温性に関する第1実験結果を示す図である。より具体的には、電磁波発熱炉3を電子レンジ1に入れ、所定の時間だけ加熱する。その後、電磁波発熱炉3を取り出し、R熱電対で電磁波発熱炉3の温度を1分ごとに測定し、30分間、温度下降の推移を調べる。図4は、電磁波発熱炉3として亜鉛−マンガン系セラミックスより形成された炉を用いたときの平均冷却曲線を示し、図5は、電磁波発熱炉3としてSicより形成された炉を用いたときの平均冷却曲線を示している。
図4において、電子レンジ1での加熱時間が5分,10分,15分のときの平均冷却曲線によれば、始め約900℃〜約1200℃だった電磁波発熱炉3は、時間が30分経過すると、約200℃になることが分かる。一方で、図5において、電子レンジ1での加熱時間が10分,15分,20分のときの平均冷却曲線によれば、始め約900℃〜約1200℃だった電磁波発熱炉3は、時間が30分経過すると、約400℃〜600℃になることが分かる。
このように、第1実験結果によれば、電磁波発熱炉3としては、Sicより形成された炉の方が保温性に優れていることが分かる。
以上の第1実験結果を踏まえ、第2実験として、歯科鋳造用金銀パラジウム合金を鋳造してみた。鋳造方法の流れは図3を用いて説明したとおり、まず、電磁波発熱炉3を電子レンジ1の電磁波照射室内に入れ、1200℃になるまで予備加熱した(図3(a)(参照))。これと並行して、埋没材4を電気炉2に入れて、800℃で30分間加熱した(図3(b)参照)。そして、埋没材4を電気炉2から取り出し、歯科鋳造用金銀パラジウム合金10gを埋没材4の漏斗状のくぼみに乗せた後、それを電磁波発熱炉3の中に入れ、電子レンジ1を用いて所定時間加熱した。加熱後、埋没材4を電磁波発熱炉3から取り出して、十分に冷ましてから埋没材4を砕いて鋳物5'を取り出し、その鋳込み具合を調べた。
図6は、歯科用修復金属材料の鋳造方法に関する第2実験結果を示す図である。図6において、横軸は、電子レンジ1を用いて加熱した時間[分]を示し、縦軸は、埋没材4に鋳込まれた鋳物5'の重量[g]を示している。また、図6中のXは、電磁波発熱炉3として亜鉛−マンガン系セラミックスより形成された炉を用いたときにおける鋳物5'の重量を示し、図6中のYは、電磁波発熱炉3としてSicより形成された炉を用いたときにおける鋳物5'の重量を示している。
図6によれば、電子レンジ1での加熱時間が2分を経過しても、歯科鋳造用金銀パラジウム合金は何ら変化しなかった(すなわち、歯科鋳造用金銀パラジウム合金は全く鋳造されず、鋳物5'の重量は0gであった)。その後、電子レンジ1での加熱時間が3分を経過したとき、歯科鋳造用金銀パラジウム合金の鋳造に成功し、鋳物5'の重量はXで7.4g、Yで7.5gとなっていた。さらに、電子レンジ1での加熱時間が4分,5分と経過したとき、鋳物5'の重量はXで6.75g,7.65g、Yで7.5g,8.3gとなっていた。
以上より、図6に示す第2実験結果によれば、電子レンジ1を用いて電磁波発熱炉3を3分程度加熱することで、大気圧中において歯科鋳造用金銀パラジウム合金の鋳造が可能になることが分かった。また、電磁波発熱炉3としては、亜鉛−マンガン系セラミックスより形成された炉を用いたときより、Sicより形成された炉を用いたときの方が、より確実(より多く)鋳造できることが分かった。
本発明に係る歯科用修復金属材料、電磁波発熱炉及び埋没材の鋳造方法によれば、遠心鋳造機や真空加圧鋳造機などの特別な装置を用いなくても、歯科用修復金属材料の鋳造を大気圧中で安価かつ簡易に行うことができるものとして有用である。
本発明の実施の形態に係る歯科用修復金属材料の鋳造方法に用いられるものを示す図である。 図1に示す埋没材の製造方法を説明するための工程説明図である。 本発明の実施の形態に係る歯科用修復金属材料の鋳造方法の流れを示す工程図である。 電磁波発熱炉の保温性に関する第1実験結果を示す図である。 電磁波発熱炉の保温性に関する第1実験結果を示す図である。 歯科用修復金属材料の鋳造方法に関する第2実験結果を示す図である。
符号の説明
1 電子レンジ
2 電気炉
3 電磁波発熱炉
4 埋没材
5 金銀パラジウム合金
5' 鋳物
10,10' ワックス

Claims (4)

  1. 電磁波が照射される電磁波照射室を有する電磁波照射装置と、
    電磁波を吸収して発熱する電磁波発熱炉と、を用いた歯科用修復金属材料の鋳造方法であって、
    歯科用修復金属材料が載置された埋没材を前記電磁波発熱炉に入れ、当該電磁波発熱炉を前記電磁波照射室に入れた後、
    前記電磁波発熱炉に電磁波を照射して歯科用修復金属材料を鋳造する電磁波鋳造工程を含むことを特徴とする歯科用修復金属材料の鋳造方法。
  2. 前記電磁波発熱炉は、複数の板状電磁波発熱体を積層してなることを特徴とする請求項1記載の歯科用修復金属材料の鋳造方法。
  3. 請求項1又は2記載の歯科用修復金属材料の鋳造方法に用いる電磁波発熱炉であって、
    前記電磁波発熱炉は、亜鉛−マンガン系セラミックス若しくはSicより形成されることを特徴とする電磁波発熱炉。
  4. 請求項1又は2記載の歯科用修復金属材料の鋳造方法に用いる埋没材であって、
    前記埋没材の上面には歯科用修復金属材料の型となる凹部が形成されており、
    前記凹部の底面付近には、外部へ通じる空気抜け穴が形成されていることを特徴とする埋没材。
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