JP2018020518A - 粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法 - Google Patents

粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018020518A
JP2018020518A JP2016154300A JP2016154300A JP2018020518A JP 2018020518 A JP2018020518 A JP 2018020518A JP 2016154300 A JP2016154300 A JP 2016154300A JP 2016154300 A JP2016154300 A JP 2016154300A JP 2018020518 A JP2018020518 A JP 2018020518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
measurement
powder bed
energy beam
temperature sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016154300A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6811982B2 (ja
Inventor
秀和 小清水
Hidekazu Koshimizu
秀和 小清水
誠治 早野
Seiji Hayano
誠治 早野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aspect Inc
Original Assignee
Aspect Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aspect Inc filed Critical Aspect Inc
Priority to JP2016154300A priority Critical patent/JP6811982B2/ja
Publication of JP2018020518A publication Critical patent/JP2018020518A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6811982B2 publication Critical patent/JP6811982B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

【課題】造形禁止領域を設けることなく、粉末材料の薄層の温度をより正確に測定できる粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法を提供すること。【解決手段】粉末材料を収容する造形用容器11と、粉末材料の表面の温度を検出する複数の温度センサと、エネルギービームの照射領域を表すスライスデータに基づいて粉末材料の表面にエネルギービームを照射して走査させるエネルギービーム源と、温度センサの測定データを解析する温度解析部とを備えた粉末床溶融結合装置において、温度センサの測定領域が前記エネルギービームの照射領域と重なる場合には、その測定データの補完を行って前記粉末材料の表面の温度分布を求めるようにした。【選択図】図3

Description

本発明は、粉末材料の薄層にエネルギービームを照射して3次元構造物を作製する粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法に関する。
従来より、高温環境に置かれたり、高い強度が要求されたりするような用途の製品は鋳造や切削加工などにより製造されてきた。
これに対し、近年、試作品又は少量多品種の量産部品などを作製する新たな方法として、レーザ光等のエネルギービームを粉末材料の薄層に照射して焼結し、又は溶融して固化させ、これを積層して造形する粉末床溶融結合方法が研究及び開発されている。
粉末床溶融結合方法では、予め粉末材料を融点近くまで加熱した条件の下でエネルギービームを照射して造形を行う。その際に、造形物に温度勾配があると、熱膨張による反りやひずみが発生して造形物の品質が低下してしまう。
そのため、原料となる粉末材料の薄層の温度分布を精度よく測定し、これを制御することが求められる。
そこで、従来の粉末床溶融結合装置では、粉末材料の薄層の上方に赤外輻射式の温度センサなどを設けて粉末材料の薄層の表面の温度を測定している。
特開2015−38237号公報
従来の粉末床溶融結合装置では、温度センサの測定領域にエネルギービームが照射されると、測定部位の温度が上昇してしまい、正確な温度分布を測定できなくなってしまう。
このような問題を回避するために、予め造形物を形成してはいけない造形禁止領域を設定しておき、温度センサの測定領域をその造形禁止領域に配置する方法も提案されている。
しかし、上記の方法では造形物を形成できない領域が発生するため、造形物の形状の自由度が低下してしまうという問題がある。
そこで、造形禁止領域を設けることなく、粉末材料の薄層の温度をより正確に測定できる粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法を提供することを目的とする。
下記開示の一観点によれば、粉末材料を収容する造形用容器と、前記粉末材料の表面の異なる部分の温度を検出する複数の温度センサと、エネルギービームの照射領域を表すスライスデータに基づいて前記粉末材料の表面にエネルギービームを照射して走査させるエネルギービーム源と、前記温度センサの測定領域が前記エネルギービームの照射領域と重なる場合には、その測定データを破棄して、他の温度センサの測定データ又は過去の測定データに基づいて当該破棄した測定データを補完する補完データを算出する温度解析部と、を備えた粉末床溶融結合装置が提供される。
また、別の一観点によれば、粉末材料の薄層を溶融し、積層して3次元構造物を作製する粉末床溶融結合造形方法であって、エネルギービームの照射領域を表すスライスデータに基づいて前記材料粉末の表面にエネルギービームを照射して走査させるステップと、前記エネルギービームを走査させる間に、材料粉末の表面の異なる部分の温度を複数の温度センサで測定するステップと、前記温度センサの測定領域が前記エネルギービームの照射領域と重複するか否かを判断するステップと、前記温度センサの測定領域が前記エネルギービームの照射領域と重なる場合には、その測定データを破棄して、他の温度センサの測定データに基づいて当該破棄した測定データを補完する補完データを算出するステップと、を有する粉末床溶融結合方法が提供される。
上記観点の粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法によれば、造形禁止領域を設けることなく、粉末材料の薄層の温度を正確に測定できる。
本発明の実施の形態である粉末床溶融結合装置の造形部の構成を示す図である。 実施形態に係る粉末床溶融結合装置のレーザ光出射部を示すブロック図である。 図1の粉末床溶融結合装置のチャンバ内の配置を示す図である。 図1の粉末床溶融結合装置の加熱手段と温度センサの配置を示す平面図である。 図1の粉末床溶融結合装置の制御部のブロック図である。 図5の温度センサの測定データの一例を示す図である。 図5の温度センサの測定データの補完が必要になる場合を示す図である。 図5の温度センサの測定データの補完方法を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態に係る粉末床溶融結合装置10は、図3に示すように、造形部101と、レーザ光出射部102と、制御部41とを備えている。
(1)粉末床溶融結合装置について
図1(a)は、実施形態に係る粉末床溶融結合装置10のうち、造形部101の構成を示す上面図である。なお、図1(a)ではレーザ光出射部102と制御部41は図示していない。図1(b)は図1(a)のI−I線に沿う断面図で、同図には造形部101の他に、その上方に配置されるレーザ光出射部102も示している。
(a)造形部の構成
造形部101には、図1(a)、(b)に示すように、レーザ光の照射により造形が行われる造形用容器11と、その両側に設置された第1の粉末材料収納容器12a及び第2の粉末材料収納容器12bとを備えている。
造形用容器11の内壁に囲まれた領域が造形領域11aである。粉末材料収納容器12a、12bに囲まれた領域が粉末材料15の収納領域である。
このうち、造形用容器11は、3次元造形物が作製される容器であり、例えば、四角い平面形状を有する筒状の容器とすることができる。
なお、本明細書において造形用容器11の中央とは、造形用容器11を上から見たときの容器の平面形状の中心の位置を意味するものとする。
造形用容器11の底部には、パートテーブル13aが設けられている。このパートテーブル13aの上で粉末材料の薄層15aが形成され、その粉末材料の薄層15aをレーザ光の照射により焼結又は溶融させて固化層15bが形成される。
パートテーブル13aには、ねじ溝が切られた支持軸13bが取り付けられており、その支持軸13bは駆動装置(不図示)に接続されている。この駆動装置を動作させることでパートテーブル13aが上下方向に移動する。
そして、パートテーブル13aを下方向に移動させて固化層15bを順次積層し、3次元造形物を作製する。
造形用容器11の幅及び奥行きの長さは、例えば40cm×40cm程度とすることができる。
第1及び第2の粉末材料収納容器12a、12bでは、それぞれフィードテーブル14aの上に粉末材料15が収納されている。
そのフィードテーブル14aには、それぞれ支持軸14bが取り付けられており、駆動装置(不図示)によってフィードテーブル14aが上下に移動するようになっている。
そして、フィードテーブル14aを上方に移動させることにより、粉末材料15を供給する。
造形用容器11及び第1、第2の粉末材料容器12a、12bの上には、リコーター16が設けられている。
このリコーター16は、第1の粉末材料容器12aと第2の粉末材料容器12bとの間を往復移動する。
そして、フィードテーブル14aの上昇により供給された粉末材料を造形領域11aまで運搬し、パートテーブル13a上に粉末材料の薄層15aを形成する。材料の薄層15aの厚さは、パートテーブル13aの下降量で決まる。
粉末材料としては、例えばポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂、ステンレス、チタン、アルミニウムなどの金属、その他、アルミナ等のセラミックスを用いることができる。
造形用容器11の中央部の上方には、レーザ光出射部102が設けられている。
(b)レーザ光出射部102の構成
図2は、実施形態に係る粉末床溶融結合装置10のレーザ光出射部102を示すブロック図である。
レーザ光出射部102は、図2に示すように、レーザ光を出射するレーザ光源23と、光走査素子21、フォーカス光学系21cとを備えている。これらの光出射部102は、チャンバ17の上の機器収容スペースに設置されている。
レーザ光源23は、例えば、波長1000nm程度の近赤外域のレーザ光を出射するYAGレーザ光源、又はファイバレーザ光源などを用いることができる。
なお、粉末材料の波長吸収率やコストパフォーマンス等を考慮して使用波長を適宜変更してもよく、例えば、波長10μm程度の遠赤外域のレーザ光を出射する高出力COレーザ光源を用いてもよい。
光走査素子21は、レーザ光に対する角度を変化させてレーザ光をX方向に走査するガルバノメータミラー(Xミラー)21aとレーザ光に対する角度を変化させてレーザ光をY方向に走査するガルバノメータミラー(Yミラー)21bとを有している。
この光走査素子21によって、レーザ光は造形領域11aの上をX方向及びY方向に走査される。
また、フォーカス光学系21cは、レーザ光の焦点距離を調整する機能を担っている。フォーカス光学系21cは、レーザ光の走査位置に応じて変わる焦点距離を粉末材料の薄層15aの表面に合わせるように動作する。
光走査素子21のXミラー21a、Yミラー21b及びフォーカス光学系21cは、XYZドライバ24の制御信号によって動作する。
XYZドライバ24は、コントローラ(制御装置)25により制御され、かつレーザ光源23のON(点灯)及びOFF(消灯)もコントローラ25により制御される。コントローラ25として、例えばCPU(Central Processing Unit)及び制御用のプログラムが格納されたメモリを備えたコンピュータを用いることができる。
レーザ光源23から出射したレーザ光は、順にフォーカス光学系21c、Xミラー21a、Yミラー21bという経路を経て造形部101のパートテーブル13a上の材料の薄層15aに照射される。
レーザ光はコントローラ25による光走査素子21の制御により走査されることにより、焼結又は溶融領域に選択的に照射されるようになっている。
さらに、レーザ光が走査されている間、レーザ光が粉末材料の薄層15aの表面に焦点を結ぶように絶えず光学系21cのレンズが動いて焦点距離が調整されるようになっている。
光走査素子21の制御は、作製すべき3次元造形物の各層毎に作製されたスライスデータ(描画パターン)に基づいて行われる。
(c)チャンバ17及び加熱手段の構成
図3は、粉末床溶融結合装置10のチャンバ17及びその周辺機器の構成を示す図である。
図3に示すように、造形用容器11及び第1、第2の粉末材料容器12a、12bは、粉末材料の酸化や劣化を防ぐために、密閉されたチャンバ17内に収められている。
チャンバ17には、不活性ガスの導入口17aと、排気口17bとが設けられており、造形中は不活性ガスで満たされている。
特に図示しないが、造形用容器11の周囲には、粉末材料及び造形物を予備加熱するためのヒータ11hが巻き付けられている。
さらに、造形用容器11の上方には、造形領域11aの4辺を囲むように配置された4つの赤外線ヒータ11bが設けられている。この赤外線ヒータ11bは、薄層15aの温度の精密な制御のために用いるためのものである。
赤外線ヒータ11bの発熱量は、赤外線ヒータ11bに供給する電力を調整することで個別に設定可能である。この赤外線ヒータ11bの発熱量の組み合わせを適宜調整することにより、造形領域11aの表面を均一な温度に保つ。
造形時には、赤外線ヒータ11bを使用することにより、造形領域11aの粉末材料を、その融点よりもやや低い温度に保つ。
造形用容器11の上方には、複数の温度センサ42が設けられている。この温度センサは、例えば粉末材料の表面の赤外線輻射強度からその温度を検出する非接触式の赤外温度センサを用いることができる。
(d)温度センサ42の配置
次に、温度センサ42の配置について説明する。
図4は、粉末床溶融結合装置10の赤外線ヒータ11bと温度センサ42の配置を示す平面図である。なお、造形用容器11を上から見て示すものであり、図の下側が造形用容器11を出し入れする扉側であり、図の上側がリコーター16の駆動機構などを収めた機械室(奥)側となっている。
チャンバ17の上方に設けられた複数の温度センサ42は、その直下の造形領域11aの直径3〜4cm程度の領域から放出される赤外線輻射を検出し、その強度に基づいて造形領域11aの表面の粉末材料の薄層15aの表面温度を検出する。
すなわち、各温度センサ42は、造形領域11aの表面の局所的な温度を測定結果として出力する。
図4に示す例では、3つの温度センサ42により、造形領域11aの異なる3つの測定領域A、B、Cの温度を測定する。
造形用容器11の奥には仕切壁を介してリコーター16の駆動機構などが収められており比較的熱が逃げにくい構造となっている。これに対し、扉のある手前側は、扉を介して熱が逃げやすい。このため、造形用容器11の奥行き方向について温度勾配が生じやすくなっている。
一方、造形用容器11の左右には、粉末材料容器12a(図1参照)が対称に設けられているが、これらの粉末材料容器12aを介した放熱は少なく、左右方向への温度勾配は比較的少ない。
そこで、本実施形態では、左右方向及び奥行き方向の温度分布を検出するために、左奥の測定領域Aと、中央付近の測定領域Bと、右手前の測定領域Cについて温度センサ42で測定する。
なお、温度センサ42の設置数は3つに限定されるものではなく、2以上であればよい。
各温度センサ42の測定データは、制御部41に入力される。
(e)温度制御系の構成
図5は、制御部41のブロック図である。
制御部41は、図示のように、測定データ処理部44を備え、その測定データ処理部44は温度センサ42と接続されている。測定データ処理部44は、温度センサ42の測定データに基づいて造形領域11aの温度分布を求める。
また、測定データ処理部44にはスライスデータ記憶部43と接続されており、スライスデータを参照して温度センサ42が正確な温度が測定できないと予測される場合、すなわち、スライスデータの照射領域と温度センサ42の測定領域とが重なる場合には、その温度センサ42の測定データに代えて補完データを作成する。
測定データ処理部44の測定データ及び補完データは、加熱手段制御回路45に送られる。加熱手段制御回路45は、その測定データに基づいて、造形用容器11の周囲の複数の赤外線ヒータ11bの駆動回路47に制御信号を送り、駆動回路47を介してヒータ11bの発熱量の制御を行う。
加熱手段制御回路45は、例えば、あらかじめ各ヒータ11bへの供給電力の比率を、温度分布が最も小さくなるように実験的に求めておき、その供給電力の比率に従って各ヒータ11bへ供給する電力を制御する。
また、加熱手段制御回路45は、各温度センサ42の検出温度に応じて各ヒータ11bの供給電力を制御してもよい。
(2)温度測定方法
図7(a)〜(c)は、測定データが不良となり得る補完が必要となる場合を示す図である。
図7(a)は、レーザ光の照射領域81が測定領域Aと重なっている。この場合には、走査されたレーザ光が測定領域Aを通過するタイミングで測定領域Aの温度が上昇する。
図6は、温度センサ42の測定データの推移の一例を示している。図中の曲線は、それぞれ図4の測定領域A、B、Cの温度センサ42の測定データに対応している。
図示の例では、レーザ光が測定領域Aを通過した時刻tにおいて測定領域Aの温度が急激に上昇する。その後、測定領域Aでのレーザ光の走査が終了し、時刻tにおいて元の温度に復帰する。
からtにかけての間、測定領域Aの温度測定データは、造形用容器11の表面の温度分布を代表しているものとはいえない。そのため、測定領域Aの値をそのまま用いて温度制御を行うと、意図せぬ外乱が温度のフィードバック制御系に入り込んでしまう。その結果、粉末材料の薄層15aが不適切な温度に加熱されたり、温度制御が発振して安定しなくなってしまい、結果として得られる造形物に歪などの不良が生じてしまう場合がある。
本願発明者は種々の検討を行い、測定領域A、B、Cの測定データの特徴を調査した結果、測定領域A〜Cの温度は、造形領域11aの温度分布を反映した温度差を生じつつも、一定の相関関係を維持しつつ推移することを見出した。
そこで、本実施形態の粉末床溶融結合装置10では、上記の相関関係に着目して、レーザ光の照射がいずれかの温度センサ42の測定領域と重なった場合に補完データを作成する。
相関関係を表す式は以下のようにして、造形を行う前に予め求めておく。
まず、粉末床溶融結合装置10の試験運転の際に、各赤外線ヒータ11bの出力の組み合わせを設定した後、様々な設定温度における各温度センサ42の測定データを取得する。
その後、各温度センサ42の測定領域A〜Cの温度の相関関係を求める。この相関関係は、例えば線形近似式を用いて表すことができる。
最初に、中央の測定領域Bの温度T(B)を基準とし、それに対する測定領域Aの温度T(A)及び測定領域Cの温度T(C)を表す下記の関係式の係数α1、α2及び切片β1、β2を実測値から求める。
T(A)=α1・T(B)+β1 …(式1)
T(C)=α2・T(B)+β2 …(式2)
上記の式によれば、測定領域Bの測定データの温度T(B)が得られれば、測定領域A及び測定領域Cの何れか若しくは両方がレーザ光の照射領域と重なった場合に補完データが求められる。
次に、測定領域Aを基準とする場合の関係式として以下のものを求める。
T(B)=α3・T(A)+β3 …(式3)
T(C)=α4・T(A)+β4 …(式4)
上記の式によれば、測定領域B及びCの何れか若しくは両方がレーザ光の照射領域81と重なっている場合の補完データが求まる。
次に、測定領域Cを基準とする場合の関係式として以下のものを求める。
T(A)=α5・T(C)+β5 …(式5)
T(B)=α6・T(C)+β6 …(式6)
上記の式によれば、測定領域A及びBの何れか若しくは両方がレーザ光の照射領域81と重なっている場合の補完データが求まる。
以下、図7(a)〜(c)を参照しつつ補完データの算出方法を示す。
例えば、図7(a)の場合には、1つの測定領域Aのみがレーザ光の照射領域81と重なっている。したがって、測定領域Bの測定データに基づく(式1)又は、測定領域Cの測定データに基づく(式5)を用いて補完データを算出すればよい。
また、図7(b)の場合では、測定領域A及び測定領域Bにおいてレーザ光の照射領域81と重なっている。この場合には、測定領域A及び測定領域Bの測定データを使用することができないため、測定領域Cの測定データに基づいて補完データを算出すればよい。
具体的には、測定領域Aの補完データは(式5)により求め、測定領域Bの補完データは(式6)により求める。
図7(c)は、測定領域A、測定領域B及び測定領域Cの何れもが照射領域81と重なっている場合を示している。図示のように、造形物の形状によっては、いずれの測定領域A〜Cもがレーザ光の照射領域81と重なっている場合がある。
この場合には、各測定領域A〜Cの測定値に所定の温度補償値を減算して補完データを求める。一定のレーザ光強度の下では、レーザ光の照射領域81は、それ以外の部分よりも4℃〜6℃程度高い一定の温度となるため、この温度差分を温度補償値として求める。
その温度補償値は、造形に先立って、各測定領域A〜Cが照射領域81に含まれる条件の下でレーザ光を照射して、実際の温度とレーザ照射の際の温度との差分を実験的に求めることができる。
以上の方法によれば、測定領域がレーザ光の照射領域81と重複していても、粉末材料の薄層15aの温度分布を求めることができ、その際に造形禁止領域を設ける必要もないので形状的な制約のない条件で造形物を作製できる。
以下、粉末床溶融結合装置10の温度測定データの補完動作について説明する。
図8は、図1の粉末床溶融結合装置における温度の測定データの補完方法を示すフローチャートである。
まず、図8のステップS10において、粉末床溶融結合装置10の制御部41の測定データ処理部44は、スライスデータ記憶部42に格納されたスライスデータを読み込む。
次に、ステップS20において、測定データ処理部44は、温度センサ42の各々の測定領域がスライスデータのレーザ光の照射領域81と重複するか否かを調べる。
ステップS20において、測定データ処理部44がいずれの測定領域も照射領域81と重複しないと判断された場合には、ステップS30に移行し、測定データをそのまま出力する。
また、ステップS20において、測定データ処理部44が一部の測定領域が照射領域81と重複すると判断した場合には、ステップS40に移行して、測定領域が照射領域81と重複している温度センサ42の測定データを除去する。
その後、ステップS50に移行して、測定データ処理部44が、測定データ間の相関関係に基づいて、除去した測定データの補完データを作成して補完データの作成処理を終了する。
一方、ステップS20において、測定データ処理部44が全ての測定領域が照射領域81と重複していると判断した場合には、ステップS60に移行する。
ステップS60において、測定データ処理部44が、各温度センサ42の測定データに対して温度補償値を加算して各温度センサ42の補完データを作成する。
以上のステップにより、造形用容器11の表面の温度分布を求めることができる。
以上のように本実施形態の粉末床溶融結合装置10によれば、造形用容器11の表面において温度センサ42の測定領域とレーザ光の照射領域81と重複した場合であっても、温度分布を求めることができる。
(その他の実施形態)
上記の実施形態では、温度センサ42の測定領域とレーザ光の照射領域81との重複をスライスデータを参照して検出していたが、本発明はこれに限定されるものではない。
図6に示すように、レーザ光が測定領域に照射された場合には、その温度センサ42の測定データの温度が急激に上昇する。この温度上昇を検出すればスライスデータを参照せずにレーザ光の照射領域との重複を検出できる。
例えば、温度制御部41の測定データ処理部44において温度センサ42の測定データを経時的に求めてゆき、その測定データの微分値を求めることで温度上昇速度を算出する。そして温度上昇速度が所定の基準値を上回った場合に、レーザ光の照射領域81との重複を検出し、測定データの補完を行うことができる。
10…粉末床溶融結合装置、11…造形用容器、11a…造形領域、11b…赤外線ヒータ、12a、12b…粉末材料容器、13a…パートテーブル、13b…支持軸、14a…フィードテーブル、14b…支持軸、15…粉末材料、15a…薄層、15b…固化層、16…リコーター、17…チャンバ、17a…導入口、17b…排出口、21…光走査素子、21a…Xミラー、21b…Yミラー、21c…フォーカス光学系、23…レーザ光源、24…XYZドライバ、25…光学系コントローラ、41…温度制御部、42…温度センサ、43…スライスデータ記憶部、44…測定データ処理部、45…加熱手段制御回路、47…駆動回路、81…照射領域、101…造形部、102…レーザ光出射部。

Claims (13)

  1. 粉末材料を収容する造形用容器と、
    前記粉末材料の表面の異なる部分の温度を検出する複数の温度センサと、
    エネルギービームの照射領域を表すスライスデータに基づいて前記粉末材料の表面にエネルギービームを照射して走査させるエネルギービーム源と、
    前記温度センサの測定領域が前記エネルギービームの照射領域と重なる場合には、その測定データを破棄して、他の温度センサの測定データ又は過去の測定データに基づいて当該破棄した測定データを補完する補完データを算出する温度解析部と、
    を備えたことを特徴とする粉末床溶融結合装置。
  2. 前記温度解析部は、予め測定して求めた前記複数の温度センサの温度の相関関係に基づいて前記破棄した測定データの補完データを算出することを特徴とする請求項1に記載の粉末床溶融結合装置。
  3. 前記温度解析部は、前記スライスデータと前記温度センサの測定領域とを比較することで前記温度センサの測定領域と前記エネルギービームの照射領域との重複を検出することを特徴とする請求項1に記載の粉末床溶融結合装置。
  4. 前記温度解析部は、前記各温度センサの測定データを経時的に求めるとともに、その測定領域の温度上昇速度が所定値以上に達した場合には前記温度センサの測定領域と前記エネルギービームの照射領域との重複を検出することを特徴とする請求項1に記載の粉末床溶融結合装置。
  5. 前記複数の温度センサは、前記造形用容器の中央付近及び周縁部の少なくとも3か所の温度を計測することを特徴とする請求項1に記載の粉末床溶融結合装置。
  6. 前記造形用容器の周囲に配置された複数の加熱手段と、
    前記温度解析部からのデータに基づいて前記加熱手段の出力を制御する加熱手段制御回路と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の粉末床溶融結合装置。
  7. 前記温度センサは、前記粉末材料の表面から放射される赤外線輻射に基づいて温度を検出することを特徴とする請求項1に記載の粉末床溶融結合装置。
  8. 粉末材料の薄層を溶融し、積層して3次元構造物を作製する粉末床溶融結合造形方法であって、
    エネルギービームの照射領域を表すスライスデータに基づいて前記材料粉末の表面にエネルギービームを照射して走査させるステップと、
    前記エネルギービームを走査させる間に、材料粉末の表面の異なる部分の温度を複数の温度センサで測定するステップと、
    前記温度センサの測定領域が前記エネルギービームの照射領域と重複するか否かを判断するステップと、
    前記温度センサの測定領域が前記エネルギービームの照射領域と重なる場合には、その測定データを破棄して、他の温度センサの測定データ又は過去の測定データに基づいて当該破棄した測定データを補完する補完データを算出するステップと、
    を有することを特徴とする粉末床溶融結合方法。
  9. 前記補完データを作成するステップでは、予め測定して求めた前記複数の温度センサの温度の相関関係に基づいて前記破棄した測定データの補完データを算出することを特徴とする請求項8に記載の粉末床溶融結合方法。
  10. 前記スライスデータと前記温度センサの測定領域とを比較することで前記温度センサの測定領域と前記エネルギービームの照射領域との重複を検出することを特徴とする請求項8に記載の粉末床溶融結合方法。
  11. 前記温度センサの温度を経時的に求めるとともに、温度上昇速度が所定値以上に達した場合には前記温度センサの測定領域と前記エネルギービームの照射領域との重複を検出することを特徴とする請求項8に記載の粉末床溶融結合方法。
  12. 前記温度センサにより、粉末材料の中央付近及び周縁部の少なくとも3か所の温度を検出することを特徴とする請求項8に記載の粉末床溶融結合方法。
  13. 前記粉末材料の表面の温度分布に基づいて前記粉末材料の表面を加熱する加熱手段の制御を行うステップを有することを特徴とする請求項8に記載の粉末床溶融結合方法。
JP2016154300A 2016-08-05 2016-08-05 粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法 Active JP6811982B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016154300A JP6811982B2 (ja) 2016-08-05 2016-08-05 粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016154300A JP6811982B2 (ja) 2016-08-05 2016-08-05 粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018020518A true JP2018020518A (ja) 2018-02-08
JP6811982B2 JP6811982B2 (ja) 2021-01-13

Family

ID=61166063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016154300A Active JP6811982B2 (ja) 2016-08-05 2016-08-05 粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6811982B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200130771A (ko) * 2019-04-30 2020-11-20 엘아이지넥스원 주식회사 열변형 현상을 감소시키기 위한 파우더 컨테이너 및 이를 포함하는 금속 프린터
CN112566774A (zh) * 2018-06-13 2021-03-26 株式会社尼康 运算装置、检测系统、造型装置、运算方法、检测方法、造型方法、运算程序、检测程序以及造型程序

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001234206A (ja) * 2000-02-19 2001-08-28 Daimlerchrysler Ag レーザ光線を用いて粉体を焼結するための機械および方法
JP2008037024A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Aspect Inc 粉末焼結積層造形装置及び粉末焼結積層造形方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001234206A (ja) * 2000-02-19 2001-08-28 Daimlerchrysler Ag レーザ光線を用いて粉体を焼結するための機械および方法
JP2008037024A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Aspect Inc 粉末焼結積層造形装置及び粉末焼結積層造形方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112566774A (zh) * 2018-06-13 2021-03-26 株式会社尼康 运算装置、检测系统、造型装置、运算方法、检测方法、造型方法、运算程序、检测程序以及造型程序
CN112566774B (zh) * 2018-06-13 2024-03-29 株式会社尼康 运算装置、检测系统、造型装置、运算方法、检测方法、造型方法、计算机可读取存储介质
KR20200130771A (ko) * 2019-04-30 2020-11-20 엘아이지넥스원 주식회사 열변형 현상을 감소시키기 위한 파우더 컨테이너 및 이를 포함하는 금속 프린터
KR102183858B1 (ko) 2019-04-30 2020-11-27 엘아이지넥스원 주식회사 열변형 현상을 감소시키기 위한 파우더 컨테이너 및 이를 포함하는 금속 프린터

Also Published As

Publication number Publication date
JP6811982B2 (ja) 2021-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105881896B (zh) 用于制造三维物体的装置和方法
US11760006B2 (en) Method for producing a three-dimensional component
US10682807B2 (en) Additive manufacturing system and process with precision substractive technique
JP6062940B2 (ja) 選択的に粒子状物質を結合するための方法及び機器
US10427218B2 (en) Powder bed fusion apparatus
JP6898458B2 (ja) 3次元の加工物を形成するために使用される照射システムを較正する装置及び方法
JP6855181B2 (ja) 3次元造形装置、および3次元造形物の製造方法
US9839960B2 (en) Three dimensional printer
US5427733A (en) Method for performing temperature-controlled laser sintering
JP6850945B2 (ja) 粉末床溶融結合装置
JP2019525991A (ja) 構造物データセットにおける位置を装置の構造物造形セクションにおける位置に対して関連付ける装置および方法
JP2016060063A (ja) 積層造形装置および積層造形方法
JP2006053127A (ja) レーザー焼結用非接触型温度センサーの連続校正
CN111168062A (zh) 用于检测增材制造处理中的错误的熔池监测系统和方法
JP2013532592A (ja) 三次元部品の製造方法
CN110650811B (zh) 内部缺陷检测系统和方法、以及三维层叠造形装置
JP2020073328A (ja) 三次元的な物体を付加的に製造するための装置
JP6811982B2 (ja) 粉末床溶融結合装置及び粉末床溶融結合方法
KR102182753B1 (ko) 3차원 물체 형성 기법
KR102022651B1 (ko) 비접촉식 온도 측정하는 에스엘에스 3d 프린터
US20210008795A1 (en) Powder bed fusion model and method of fabricating same
WO2018079626A1 (ja) 三次元造形装置及び三次元造形物の製造方法
JP6884807B2 (ja) 積層造形装置および積層造形方法
KR102022652B1 (ko) 비접촉식 온도 측정을 통한 알람 경고하는 에스엘에스 3d 프린터
US11865781B2 (en) Powder bed fusion apparatus with evaluation unit and multiple storage containers

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20181101

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190410

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6811982

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250