以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、図1に示された特別可変入賞球装置22を示す説明図である。図3は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、遊技媒体としての遊技球を打球として発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域7には、中央に設けられる演出表示装置9の天辺からみて、左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域と、第2遊技領域である右遊技領域は、たとえば遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列などにより区分けされていればよい。打球操作ハンドル5の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域7に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へと誘導不可能または誘導困難となり、また右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へと誘導不可能または誘導困難となる。
パチンコ遊技機1では、遊技領域7のうちの左遊技領域において遊技球を進入させることが可能な構造物として、ゲート32、および、演出ゲート61が設けられている。ゲート32は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物であり、後述する普通図柄の変動表示等のために用いられる。演出ゲート61は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物であり、後述するナビ演出の抽選表示等のために用いられる。このようなゲート32、および、演出ゲート61に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。
パチンコ遊技機1では、遊技領域7のうちの右遊技領域において遊技球を進入させることが可能な構造物として、特別可変入賞球装置22が設けられている。特別可変入賞球装置22は、後述するような遊技者にとって有利な遊技状態である小当り遊技状態および大当り遊技状態のそれぞれとなったときに、遊技球が入賞可能な状態に制御される構造物である。このような特別可変入賞球装置22に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、遊技領域7のうち中央部に、遊技球を進入させることが可能な構造物として、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14が設けられている。これら第1始動入賞口13および第2始動入賞口14は、後述する変動表示手段としての特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を開始するための始動入賞球として、遊技球が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。このパチンコ遊技機1の例では、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14について、左遊技領域から遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されていることにより、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。
なお、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14については、右遊技領域から遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設することにより、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者が、遊技球を右打ちするように構成してもよい。
また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14については、左遊技領域側に設けることにより、遊技者が、遊技球を左打ちすることで進入を狙うことが可能となるようにしてもよい。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14については、右遊技領域側に設けることにより、遊技者が、遊技球を右打ちすることで進入を狙うことが可能となるようにしてもよい。
遊技領域7における左遊技領域に遊技球を打込む発射態様は、左打ちと呼ばれる。また、遊技領域7における右遊技領域に遊技球を打込む打込み態様は、右打ちと呼ばれる。このパチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左打ちと右打ちとを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。そして、パチンコ遊技機1では、たとえば、左打ちおよび右打ちのような遊技球の発射に関する発射案内をする演出として、ナビ演出と呼ばれる発射案内演出が実行される。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図4参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図4参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図4参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図4参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図4参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿および下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の取付位置を、上皿および下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種の演出表示をすることが可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する変動表示手段として、第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されている。なお、演出表示装置9の表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域を設けるようにしてもよい。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。なお、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行すれば、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに所定表示結果としての小当り表示結果(小当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに所定表示結果としての小当り表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときには、可変入賞手段としての特別可変入賞球装置22が、遊技球が入賞可能な開放状態となる小当り遊技状態に制御される。特別可変入賞球装置22が小当り遊技状態により開放状態となるときには、遊技球の発射案内をするナビ演出として、右打ちナビ表示が実行される場合がある。なお、小当り表示結果が導出表示されたときに、演出表示装置9においても、所定表示結果としての小当り表示結果(小当り図柄の組合せ)を導出表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、小当り遊技および大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、可変入賞球装置15は、始動領域に遊技媒体が進入しやすい第1状態と、遊技媒体が進入しにくいまたは進入しない第2状態とに変化可能な可変始動手段として構成されればよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第1特別図柄保留記憶表示器18aのさらに上方には、現在の遊技状態が右打ちであることを示すLEDよりなる右打ちランプ50が設けられている。右打ちランプ50が点灯した状態は、遊技球の発射に関する発射案内として、右打ちナビ演出をしていることに該当する。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始される。すなわち、第1特別図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。なお、演出表示装置9においては、第1特別図柄の変動表示の開始に対応して、演出図柄の変動表示が開始されるようにしてもよい。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始される。すなわち、第2特別図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。なお、演出表示装置9においては、第2特別図柄の変動表示の開始に対応して、演出図柄の変動表示が開始されるようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
ゲート32は、遊技球が通過可能なゲート状の構造物であり、遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、ゲート32の下方には、演出ゲート61が設けられている。演出ゲート61は、遊技球が通過可能なゲート状の構造物であり、ゲート32よりも多くの遊技球を受入れ可能とするために、ゲート構造の入側の幅がゲート32よりも広く構成されている。たとえば、ゲート32の入側の幅は遊技球が1個程度進入可能な幅であるが、演出ゲート61の入側の幅は遊技球が複数個進入可能な幅で形成されている。演出ゲート61では、流下してきた遊技球を中央部に誘導するために、内側へ向かい緩やかに傾斜した傾斜面が形成されている。演出ゲート61へ流下してきた遊技球は、傾斜面で誘導され、演出ゲート61の中央部に形成された開口を通過する。その際、演出ゲート61の中央部に設けられた演出ゲートスイッチ60により遊技球の通過(遊技球の進入)が検出される。
なお、演出ゲート61は、ゲート32と同様に入側の幅が遊技球が1個程度進入可能な形状で構成されてもよい。また、ゲート32は、演出ゲート61と同様に、入側の幅が遊技球が複数個進入可能な形状で構成されてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の右方には、特別可変入賞球装置22が設けられている。この特別可変入賞球装置22には、特別可変入賞球装置22の上部に開口する態様で形成された大入賞口を開閉する開閉部としての底面部材22e(具体例は図2参照)が設けられている。
特別可変入賞球装置22は、底面部材22eが設けられた上部が傾斜した状態で左右方向に延在されている。特別可変入賞球装置22では、板状の底面部材22eが、遊技球が流下する流路の底面として形成される。特別可変入賞球装置22では、底面部材22eを前後方向に進退移動させることにより、大入賞口が開閉される。大入賞口の下部(特別可変入賞球装置22の内部)には、底面部材22eの下方に位置する態様で、遊技球が進入して入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域22aと、特定領域以外の入賞領域22bとが設けられている。入賞領域22bは、V入賞領域22aの両側に設けられている。
特別可変入賞球装置22では、底面部材22eが前方向に移動した状態で大入賞口が閉鎖状態となって遊技球の進入が不可能とされ、一方、底面部材22eが後方向に移動した状態で大入賞口が開放状態となって遊技球の進入が可能とされる。底面部材22eは、底面部材22eに連結部材を介して連動連結されたソレノイド21を駆動制御することにより移動させる。
この実施の形態では、ソレノイド21に通電しない状態では、連結部材に設けられた弾性部材の弾性力に基づいてソレノイド21が面部材22eを前方へ付勢する状態にすることにより、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態とされる。一方、ソレノイドに通電した状態では、連結部材に設けられた弾性部材の弾性力に抗してソレノイドを動作させることに基づいて底面部材22eを後方へ動作させることにより、特別可変入賞球装置22が開放状態とされる。
なお、特別可変入賞球装置22は、ソレノイド21への通電パターンを変化させることにより、特別可変入賞球装置22を開閉するように制御してもよい。たとえば、第1通電パターンでソレノイド21を通電したときにソレノイド21が底面部材22eを前方へ付勢する状態とすることにより、特別可変入賞球装置22を閉鎖状態とし、第1通電パターンとは逆の第2の通電パターンでソレノイド21を通電したときにソレノイド21が面部材22eを後方へ付勢する状態とすることにより、特別可変入賞球装置22を閉鎖状態とするようにしてもよい。
特別可変入賞球装置22で大入賞口が開放状態となったときに、大入賞口から内部に進入(落下)した遊技球は、V入賞領域22aと、V入賞領域22a以外の入賞領域22bとの何れかに進入して入賞する。
特別可変入賞球装置22の内部においては、大入賞口の下方(底面部材22eが前方向に移動した状態における底面部材22eの位置の下方)に、大入賞口から特別可変入賞球装置22の内部に進入した遊技球を受け、その遊技球を一列に並べて、正面から見て斜め左下方へ向けて誘導する誘導通路(図示省略)が設けられている。この誘導通路には、大入賞口から特別可変入賞球装置22の内部に進入した遊技球のすべてを1個ずつ順番に検出可能(通過を検出可能)な役物入賞スイッチ25aが設けられている。大入賞口から特別可変入賞球装置22の内部に進入したすべての遊技球は、役物入賞スイッチ25aにより検出される。誘導通路の終端部には、壁部が設けられている。その壁部の正面から見て斜め右下方(誘導通路の下方)には、V入賞領域22aおよび入賞領域22bの上方の空間が形成されている。誘導通路上を誘導され、役物入賞スイッチ25aの設置箇所を通過した遊技球は、誘導通路の終端部の壁部に衝突し、V入賞領域22aおよび入賞領域22bの上方の空間の方に向けて跳ね返り、V入賞領域22aまたは入賞領域22bの方へ放出されて落下する。これにより、特別可変入賞球装置22の内部に進入した遊技球は、V入賞領域22aまたは入賞領域22bに進入する。
特別可変入賞球装置22は、第1特別図柄表示器8aに小当り図柄が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示されたときのそれぞれで生起する小当り遊技状態において、底面部材22eを前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材22eを後方に向けて後退移動させ、V入賞領域22aおよび入賞領域22bを所定時間(0.5秒間)に亘り1回開放するように制御される。V入賞領域22aには、V入賞スイッチ24が設けられており、特別可変入賞球装置22の開状態において、V入賞領域22aを遊技球が通過することによりV入賞スイッチ24が遊技球を検出すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態へと移行する。このようにV入賞領域22aを遊技球が通過して入賞することは、V入賞と呼ばれる。また、小当り遊技状態を経由して大当り遊技状態となることを、以下において、小当り経由の大当りと呼ぶ場合がある。
大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、特別可変入賞球装置22が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置22が開放(大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
この実施の形態では、小当り遊技状態において、特別可変入賞球装置22が1回開放状態にする開放制御がされ、当該開放状態で、遊技球がV入賞領域22aを通過してV入賞が検出されれば、小当り遊技状態の後に大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置22が開放状態とされることを複数回(たとえば、15回)繰返す開放制御が複数ラウンド分実行される。
特別可変入賞球装置22の下方には、V入賞領域22aおよび入賞領域22bのそれぞれに入賞した遊技球を検出可能な検出手段として、役物排出スイッチ25bが設けられている。V入賞領域22aまたは入賞領域22bに入賞した遊技球は、役物排出スイッチ25bにより検出される。役物排出スイッチ25bによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、役物としての特別可変入賞球装置22から排出された遊技球が認識される。役物入賞スイッチ25aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、役物入賞スイッチ25aに入賞した遊技球が認識され、1個の入賞球ごとに所定個数(たとえば15個)の遊技球が賞球として払出される。ここで、開放状態となった特別可変入賞球装置22においてV入賞領域22aおよび入賞領域22bを遊技球が通過(進入)したときには、たとえば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払出される。したがって、特別可変入賞球装置22が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置22が閉状態となれば、V入賞領域22aおよび入賞領域22bに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
以上に説明したような特別可変入賞球装置22では、遊技球が流下する流路の底面として形成される底面部材22eの動作により、遊技球が入賞可能となるので、発射された遊技球に対する特別可変入賞球装置22に入賞する遊技球の割合を向上させ、興趣を向上させることができる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
始動入賞領域としての第1始動入賞口13は、演出表示装置9の直下に設けられているが、左遊技領域を狙って遊技球を打込む左打ちを行なった場合に遊技球が入賞し易く、右遊技領域を狙って遊技球を打込む右打ちを行なった場合には、遊技球の流下経路上に設けられる遊技釘の配置によって遊技球が入賞し難くなっているため、左打ちを行なった方が入賞が得られやすい。
また、始動入賞領域としての第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15は、第1始動入賞口13の下方に設けられているが、遊技者が左打ちをして遊技球がゲート32を通過したこと(ゲートスイッチ32aにより検出される)に基づいて開放状態となる。
大当り遊技状態が終了した後には、遊技者にとって有利な特別遊技状態として、所定期間に亘り、時短状態および高ベース状態に制御される場合がある。時短状態は、特別図柄(演出図柄)の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常状態)よりも短縮される制御状態である。このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
高ベース状態は、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞が容易化(高進入化、高頻度化)される制御状態である。ここで、「ベース」は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合であるが、このような制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」とも呼ばれる。
ここで、高ベース制御(電チューサポート制御)について説明する。高ベース制御(電チューサポート制御)としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
この実施の形態では、なお、特別遊技状態としては、時短状態に制御せずに、高ベース状態に制御される場合があるようにしてもよく、高ベース状態に制御せずに、時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
一般的に、遊技者は、通常状態(低ベース状態)では、特別可変入賞球装置22が開放されず、ゲート32に遊技球を通過させても可変入賞球装置15が高頻度では開放されないため、より多くの始動入賞を発生させるために、左遊技領域を狙って遊技球を打込む左打ちを行ない、遊技球を第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14(主に第1始動入賞口13)に入賞(始動入賞)させ、特別図柄の変動表示を実行させる。
そして、特別図柄の変動表示の結果、小当り表示結果となって小当りに当選し、小当り遊技状態により特別可変入賞球装置22が開放状態となった場合に、遊技者は、特別可変入賞球装置22(特にV入賞領域22a)を狙うために右打ちをする。小当り遊技状態においてV入賞領域22aに遊技球に遊技球が入賞した場合(V入賞スイッチ24により遊技球が検出された場合)には、大当り遊技状態が開始される。大当り遊技状態中は、特別可変入賞球装置22が複数回開放状態とされるので、遊技者は、特別可変入賞球装置22を狙うために右打ちをし、V入賞領域22aおよび入賞領域22bに遊技球を入賞させる。
大当り遊技後に高ベース状態が付与される場合には、ゲート32に遊技球を通過させると可変入賞球装置15が高頻度で開放される。つまり、遊技者は、小当り遊技状態および大当り遊技状態以外のときにおける、低ベース状態、および、高ベース状態では、ともに左打ちをし、小当り遊技状態、および、大当り遊技状態のときには、右打ちをする。
図2(a)においては、遊技球Pが、特別可変入賞球装置22の上部を転がる様子が示されている。また、図2(b)は、遊技球Pが特別可変入賞球装置22の上部に複数個滞留したときの様子を示している。
特別可変入賞球装置22は、上部に大入賞口が形成される可変入賞球手段であり、装置の基台となる部材として、左右方向に長い矩形板状のベース板部22gを備えている。特別可変入賞球装置22は、このベース板部22gが遊技領域7にたとえば螺子などで固定されることで、特別可変入賞球装置22が遊技領域7に固定支持される。ベース板部22gの略中央領域には、特別可変入賞球装置22の内部構造領域であるV入賞領域22aおよび入賞領域22bが設けられている。ベース板部22gにおいては、V入賞領域22aおよび入賞領域22bの周囲を壁部で囲む態様で前方に向けて突出した流路形成台部22fが形成されている。
流路形成台部22fの上壁部の左右方向の中央部には、大入賞口を形成する開口部が形成されている。その開口部の長さは、遊技球が複数個(たとえば、5,6個程度)連なった長さと同様の長さに設定されている。流路形成台部22fの上壁部近傍には、流路形成台部22fの上壁部における開口部において、遊技機1の前後方向に移動することにより大入賞口を開閉可能な可動部材としての底面部材22eが進退可能に設けられている。流路形成台部22fの上壁部のうち、開口部以外の部分は、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態であるときに、開口部に位置した底面部材22eとともに遊技球の流路を形成する流路部22cが形成されている。このように、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態であるときに、特別可変入賞球装置22上部の流路を形成する流路部22cおよび底面部材22eは、正面から見て、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり方向に傾斜した態様で形成されている。このような構成により、特別可変入賞球装置22においては、V入賞領域22aおよび入賞領域22bの上方の位置に、開閉式の大入賞口が形成されている。
底面部材22eは、ベース板部22gの背面側(後方)に設けられた開閉駆動機構を介して、駆動源としてのソレノイド21と連動連結されており、そのソレノイド21により駆動されることにより、前進方向または後退方向に動作させられ、大入賞口を開閉可能である。
流路形成台部22fの前面側(遊技者側)には、流路形成台部22fの壁部で囲まれた特別可変入賞球装置22の内部構造物を前面側から覆う透明の被覆部22hが形成されている。この被覆部22hは、特別可変入賞球装置22の内部構造物を前面側から覆うとともに、特別可変入賞球装置22の上壁部を構成する流路部22cおよび底面部材22eの前面側端部上に所定高さ(たとえば、遊技球の直径と同様の高さ)で突出する形状で構成される。
特別可変入賞球装置22では、被覆部22hが透明であることにより、特別可変入賞球装置22内に進入した遊技球がV入賞領域22aに入ったか否か等のような、特別可変入賞球装置22の内部における遊技者の状態を容易に遊技者が視認することができる。また、特別可変入賞球装置22において、被覆部22hが流路部22cおよび底面部材22eの前面側端部上に突出形成されていることにより、流路部22cおよび底面部材22e上を流下する遊技球がガラス扉枠2側に跳ねてしまうことを防ぐことができる。
図2(a),(b)に示されるように、特別可変入賞球装置22では、流路形成台部22fの上部において、ベース板部22gと被覆部22hとの間に、左右方向に延在する流路が形成される。その流路においては、図2(a),(b)に示されるように、流路を流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片22dが形成されている。
図2(a),(b)に示されるように、特別可変入賞球装置22では、流路形成台部22fの上部において、ベース板部22gと被覆部22hとの間に、左右方向に延在する流路が形成される。その流路においては、図2(a),(b)に示されるように、遊技球Pが流下可能である。図2(a)では、1個の遊技球Pが通路上を流下している状態が示されている。図2(b)では、複数個の遊技球Pが通路上を流下している状態、または、複数個の遊技球Pが通路上で滞留している状態が示されている。
規制片22dは、ベース板部22gおよび被覆部22hのそれぞれに一体形成され、ベース板部22gから前方に突出する態様、または、被覆部22hから後方に突出する態様で、リブ状に形成されている。複数の規制片22dは、通路上を流下する遊技球Pに干渉することで、正面から見て左方に向けて流下する遊技球Pを正面から見て前後方向成分の動きをもって蛇行する(所謂ジグザグ動作する)ように、遊技球Pの流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片22dがない場合よりも遅延させる。これら複数の規制片22dは、流路における遊技球Pの流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部22gおよび被覆部22hに交互に形成されている。また、規制片22dは、底面部材22eの前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球Pが通過可能な幅寸法に設定されている。なお、このような規制片22dの数は、特段限定されるものではない。
以上のような規制片22dの配置により、図2(a)に示すように、特別可変入賞球装置22では、流路を流下しようとする遊技球Pが、流路上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路が形成される特別可変入賞球装置22の閉鎖状態では、遊技球PがV入賞領域22aおよび入賞領域22bに入賞せずに、特別可変入賞球装置22を基本的に通過する。
また、図2(b)に示すように、大入賞口が閉鎖状態であるときに、底面部材22eは、同時にたとえば最大6個の遊技球Pが流下可能な面積を有している。したがって、底面部材22eが後退移動して大入賞口が開放状態となったときには、特別可変入賞球装置22の一度の開放制御によって大入賞口が短時間開放されたときであっても、同時に6個の遊技球がV入賞領域22aおよび入賞領域22bに落下することが可能となっている。このように、特別可変入賞球装置22は、大入賞口が閉鎖状態であるときに流路上に遊技球Pが複数個載ることが可能な構造となっている。したがって、この実施の形態の特別可変入賞球装置22では、底面部材22eが後退移動して大入賞口が開放状態となったときには、落下した遊技球PがV入賞領域22aに進入する確率が高い。なお、遊技球Pが底面部材22e上に複数個滞留している状態(図2(b)のような状態)で大入賞口が開放状態となれば、遊技球Pがほぼ100%の割合でV入賞領域22aを通過するようにしてもよい。
このような構成の特別可変入賞球装置22では、たとえば、後述するような小当り遊技状態となるときにナビ演出が実行されて右打ちする発射案内がされて遊技球が右打ちされたときには、遊技球が特別可変入賞球装置22の上部の通路上を多数同時に通過するかまたは通路上で多数貯留されるような態様となることにより、小当り遊技状態における大入賞口の開放状態において、多数の遊技球を特別可変入賞球装置22の内部に進入させることが可能となる。
なお、特別可変入賞球装置22の上部の通路を形成する流路部22cと、底面部材22との間に所定の段差を設けて、一時的に遊技球が貯留しやすくなるような構成を採用してもよい。このようにすれば、たとえば、後述するような小当り遊技状態となるときにナビ演出が実行されて右打ちする発射案内がされて遊技球が右打ちされたときには、遊技球が特別可変入賞球装置22の上部の通路に多数の遊技球が貯留されるような態様となることにより、小当り遊技状態における大入賞口の開放状態において、確実に多数の遊技球を特別可変入賞球装置22の内部に進入させることが可能となる。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図3の当り種別表においては、当りの種別ごとに、当り判定、大当り後ベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、当り種別として第1小当り、第2小当り、および、大当りが設けられている。
この実施の形態では、第1小当りまたは第2小当りは、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞した際の当り判定において、いずれかの小当りとすることが決定(当選)した場合に発生する。第1小当りまたは第2小当りとすることが決定されて小当り遊技状態に制御されたときには、所定時間(たとえば、0.5秒間)に亘り、特別可変入賞球装置22が開放状態に制御される。特別可変入賞球装置22が開放状態に制御されているときに遊技球がV入賞領域22aにV入賞すると、小当り遊技状態後に大当りが発生し、大当り遊技状態に制御される。具体的に、小当り遊技状態における特別可変入賞球装置22の基本的な開放時間は、たとえば、0.5秒間であり、開放回数は、たとえば、1回である。ただし、小当り遊技状態において、特別可変入賞球装置22が開放を開始してから0.5秒間が経過する前に、遊技球がV入賞領域22aにV入賞したとき、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が特別可変入賞球装置22に入賞したことが検出されたときには、その時点で、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御される。
第1小当りとなったときには、小当り遊技状態時にV入賞領域22aへのV入賞により大当り遊技状態が発生すると、その後のベースが低ベース状態となり、変動時間が非時短状態となる。第2小当りとなったときには、小当り遊技状態時にV入賞領域22aへのV入賞により大当り遊技状態が発生すると、その後のベースが高ベース状態となり、変動時間が時短状態となる。このような高ベース状態および時短状態は、その後に、はずれとなる変動表示が100回実行されるまで継続される。その後のはずれとなる変動表示が100回実行される前に小当りとなる変動表示が実行されると、このような高ベース状態および時短状態は一旦終了する。
ここで、第1小当り後および第2小当り後のベースは、小当り遊技状態中にV入賞領域22aへのV入賞が生じなければ(大当りが発生しないときは)、第1小当りおよび第2小当りの発生前のベースと変化しない。したがって、低ベース状態中よりも第2特別図柄が変動表示しやすい高ベース状態中においては、後述する図6(A)に示すように小当りに決定することが1/1の割合で決定されるが、たとえば第1小当りまたは第2小当りのいずれかの小当り遊技状態中において、V入賞領域22aへのV入賞が生じなければ、小当り遊技状態後のベースは高ベース状態で維持される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置22が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置22の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
なお、小当り時のV入賞領域22aへの入賞による大当りの他に、第1始動入賞口または第2始動入賞口に入賞した際に、直接大当りとなる直撃大当りを設けるようにしてもよい。具体的には、当り判定において、大当りとするか否かの判定をし、大当りとすることが決定されたときに、小当り遊技状態に制御されずに、直接的に大当り遊技状態に制御されるようにすればよい。
この実施の形態においては、第2小当り時のV入賞(V入賞領域22aへの遊技球の入賞)により、大当り遊技状態に制御された後は、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、時短状態、および、高ベース状態に制御される。大当り遊技状態後の高ベース状態は、特別図柄の変動表示(はずれ表示結果となる変動表示)が所定回数(たとえば、100回)実行されるという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのどちらかが成立するまでの期間継続し、その後、低ベース状態に移行する。
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により小当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ24、役物入賞スイッチ25a、および、役物排出スイッチ25bのそれぞれからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置22を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御、右打ちランプ50の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、演出ゲートスイッチ60から、演出ゲート61を遊技球が通過(演出ゲート61に遊技球が進入)したことを検出した情報を示す情報信号としての演出ゲート通過検出信号が、I/Oポート部105を介して入力する。
図5は、各乱数を示す説明図である。図5においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):小当りの種類(第1小当りまたは第2小当りのいずれかの種別)および小当り図柄を決定する(小当り種別判定用、小当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、第1小当りまたは第2小当りという複数の種別が含まれている。したがって、小当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、小当りとする決定がされたときには、小当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、小当りの種別が、これらいずれかの小当り種別に決定される。さらに、小当りの種別が決定されるときに、同時に小当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、小当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、小当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、非時短状態で選択される変動パターン種別に含まれる変動パターンよりも変動時間が短く設定された変動パターン種別に含まれる変動パターンから変動パターンが選択される制御が行なわれたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする特別図柄の保留記憶数(第1特別図柄と第2特別図柄との合算保留記憶数)が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御が実行される。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常状態(非保留数短縮制御状態)で選択される変動パターン種別に含まれる変動パターンよりも変動時間が短く設定された変動パターン種別に含まれる変動パターンから変動パターンが選択される制御が行なわれたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
また、変動パターン種別と変動パターンとを別々に設定し、2段階の抽選処理によって変動パターンを決定するのではなく、変動パターン種別を設けずに変動パターン判定用乱数のみを用いて、1段段階で変動パターンを決定するようにしてもよい。
図6は、小当り判定テーブルおよび小当り種別判定テーブルを示す説明図である。図6(A)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示での当り判定において用いられる第1特別図柄用小当り判定テーブルと、第2特別図柄の変動表示での当り判定において用いられる第2特別図柄用小当り判定テーブルとがある。
第1特別図柄用小当り判定テーブルには、図6(A)の左欄に記載されている各数値が小当り判定値として設定され、第2特別図柄用小当り判定テーブルには、図6(A)の右欄に記載されている各数値が小当り判定値として設定されている。第1特別図柄用小当り判定テーブルでは、小当りとすることが決定される確率が1/10の割合に設定されている。一方、第2特別図柄用小当り判定テーブルでは、小当りとすることが決定される確率が1/1の割合に設定されている。これにより、第2特別図柄の変動表示が実行されるときには、第1特別図柄の変動表示が実行されるときと比べて、小当りとなる割合が高いので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに小当りとすることが100%の確率で決定されるが、これに限らず、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに小当りとする確率は、第1特別図柄の変動表示が実行されるときに小当りとすることが決定される確率よりも高い確率に設定されればよく、100%の確率で決定されないようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示が実行されるときに小当りとすることが決定される確率と、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに小当りとすることが決定される確率とが同じとなるように設定してもよい。また、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに小当りとする確率が、第1特別図柄の変動表示が実行されるときに小当りとすることが決定される確率よりも低い確率に設定されるようにしてもよい。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を小当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、小当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当り(第1小当り、または、第2小当り)にすることに決定する。なお、図6(A)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。
図6(B)は、ROM54に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。図6(B)は、遊技球が第1始動入賞口13または遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶または第2保留記憶ともいう)を用いて小当り種別を決定する場合(第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる特別図柄小当り種別判定テーブルである。
図6(B)の特別図柄小当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、小当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、小当りの種別を「第1小当り(低ベース)」、「第2小当り(高ベース)」のいずれかに決定するとともに、小当り図柄を決定するために参照される。
図6(B)の特別図柄小当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「第1小当り(大当りが発生するとその後低ベースとなる)」、「第2小当り(大当りが発生するとその後高ベースとなる)」のそれぞれに対応した判定値(小当り種別判定値)が設定されている。図6(B)の特別図柄小当り種別判定テーブルでは、「第1小当り(大当りが発生するとその後低ベースとなる)」と決定される確率が7/10、「第2小当り(大当りが発生するとその後高ベースとなる)」と決定される確率が3/10の割合に設定されている。これにより、小当りが発生したときに、小当り種別が第2小当り(大当りが発生するとその後高ベースとなる)となる割合は、第1小当り(大当りが発生するとその後低ベースとなる)となる割合よりも低い。そのため、第1小当りに比べて有利な第2小当りが発生したことを認識することができる発射案内演出(詳細については後述する)の重要性を高くすることができる。
また、図6(B)に示すように、小当り種別判定値は、第1特別図柄または第2特別図柄の小当り図柄を決定する判定値(小当り図柄判定値)としても用いられる。「第1小当り」に対応した判定値は、第1特別図柄または第2特別図柄の小当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「第2小当り」に対応した判定値は、第1特別図柄または第2特別図柄の小当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような小当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、小当り種別として、ランダム1の値が一致した小当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、小当り図柄として、ランダム1の値が一致した小当り図柄を決定する。これにより、小当り種別と、小当り種別に対応する小当り図柄とが同時に決定される。
なお、小当り種別判定テーブルは、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の小当り種別判定テーブルを使用したが、第1特別図柄と第2特別図柄とで小当り種別判定テーブルを別々に設けるようにしてもよい。また、そのように第1特別図柄と第2特別図柄とで小当り種別判定テーブルを別々に設けた場合には、第1特別図柄用の小当り種別判定テーブルと、第2特別図柄用の小当り種別判定テーブルとで乱数の割振りを異ならせてもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において特別図柄の変動表示に対応した演出を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、小当りとするか否か、および、小当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A003(H)は、当りの種別(第1小当り、第2小当り、大当り)ごとに当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドである。第1小当りの小当り遊技状態が開始されるときには、当り開始1指定コマンドが送信される。第2小当りの小当り遊技状態が開始されるときには、当り開始2指定コマンドが送信される。大当り遊技状態が開始されるときには、当り開始3指定コマンドが送信される。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A303(H)は、当りの種別(第1小当り、第2小当り、大当り)ごとに当り遊技状態の終了を指定する当り終了指定コマンドである。第1小当りの小当り遊技状態が終了されるときには、当り終了1指定コマンドが送信される。第2小当りの小当り遊技状態が終了されるときには、当り終了2指定コマンドが送信される。大当り遊技状態が終了されるときには、当り終了3指定コマンドが送信される。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドである。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、保留記憶数を減算するときに、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC200(H)は、V入賞があったことを指定するV入賞指定コマンドである。
なお、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における小当り判定、小当り種別判定、および、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドを設けるようにしてもよい。具体的には、入賞時判定結果として、小当りとなるか否か、および、小当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドを設けてもよい。また、入賞時判定結果として、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドを設けてもよい。このような始動入賞時における各種判定結果を指定するコマンドを用いるときには、演出制御用マイクロコンピュータ100において、当該コマンドに基づいて、特別図柄の実際の変動表示順番よりも前のタイミングにおいて、将来の変動表示の表示結果を先読みし、当該先読みに基づいて、たとえば、小当りが発生することの予告(所謂先読み予告)を実行するようにしてもよい。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である小当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である小当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、役物入賞スイッチ25a、および、役物排出スイッチ25bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および小当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよび役物入賞スイッチ25aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。 特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を小当りとするか否かの決定、および、小当りとする場合の小当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当り遊技状態となったときに、特別可変入賞球装置22において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態の終了時の表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
小当り開放前処理(S308)は、小当り遊技状態となったときに、特別可変入賞球装置22において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。小当り開放中処理(S309)は、特別可変入賞球装置22内のV入賞領域22aに遊技球がV入賞したか否かを確認し、V入賞したときにV入賞指定コマンドを送信する処理、および、小当りの終了タイミングとなったときに小当りの種別に応じた当り終了指定コマンドを送信する処理等の処理を行なう処理である。
小当り終了処理(S310)は、特別可変入賞球装置22内のV入賞領域22aに遊技球がV入賞したときに、大当り遊技状態に移行させるための処理(当り開始1指定コマンドの送信、大当り表示時間の設定、大当り開放態様の設定、大入賞口開放前処理のプロセスフラグの移行設定等)を実行し、一方、当該V入賞がされていないときに、大当り遊技状態に移行させずに、特別図柄通常処理(S300)に移行させるための処理を実行する処理である。
図11は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、小当り判定用乱数(ランダムR)、小当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。
そして、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S215)。入賞時演出処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、始動入賞時に、小当りとなるか否か、小当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかが判定すされる。次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S216)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。なお、入賞時演出処理(S215)を設けずに、S214の処理の後にS216の処理が実行されるようにしてもよい。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S216で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
そして、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S225)。次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行ない(S226)処理を終了する。なお、入賞時演出処理(S225)を設けずに、S224の処理の後にS226の処理が実行されるようにしてもよい。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(小当り判定用乱数)を読出し、小当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した小当り判定用乱数を読出し、小当り判定を行なう。小当り判定モジュールは、予め決められている小当り判定値(図6参照)と小当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、小当り判定の処理を実行するプログラムである。
小当り判定の処理では、第2特別図柄の変動表示が実行されるときの方が、第1特別図柄の変動表示が実行されるときよりも、小当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、小当り判定テーブルとしては、第1特別図柄用小当り判定テーブル(ROM54における図6(A)の左側の数値が設定されているテーブル)と、小当り判定値の数が第1特別図柄用小当り判定テーブルよりも多く設定されている第2特別図柄用小当りテーブル(ROM54における図6(A)の右側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。CPU56は、変動表示させる図柄が第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらであるか否かを確認し、第1特別図柄であるときは、第1特別図柄用小当り判定テーブルを使用して小当りの判定の処理を行ない、第2特別図柄であるときは、第2特別図柄用小当り判定テーブルを使用して小当りの判定の処理を行なう。具体的に、CPU56は、小当り判定用乱数(ランダムR)の値が変動表示をさせる特別図柄の種類に応じて使用する小当り判定テーブルに設定された小当り判定値のいずれかに一致すると、変動表示させる特別図柄に関して小当りとすることに決定する。小当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、小当りとするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を小当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かの確認は、時短フラグがセットされているか否かにより行なわれる。時短フラグは、遊技状態を時短状態(高ベース状態)に移行するときにセットされ、時短状態(高ベース状態)を終了するときにリセットされる。具体的に、時短フラグは、第2小当りによる小当り遊技状態においてV入賞が生じたことに基づいて開始される大当り遊技状態(以下、第2小当り経由の大当りと呼ぶ場合がある)での大当り遊技状態を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示(はずれとなる変動表示)が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのうち、いずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミング、または、当該大当り遊技状態終了時にリセットされる。
小当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの小当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。
S60において小当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの小当り判定値に一致すればCPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(S71)。小当りフラグは、小当り遊技状態が終了するときにリセットされる。そして、小当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図6(B)の小当り種別判定用テーブルを選択する(S72)。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した小当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した小当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された小当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した小当り種別および小当り図柄を決定する(S73)。
図6(B)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、小当り種別ごとに小当り図柄が異なるように小当り種別と小当り図柄との関係が設定されており、小当り種別と小当り図柄とが同時に決定されるので、小当り図柄と、小当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した小当りの種別を示す小当り種別データをRAM55における当り種別バッファに記憶する(S74)。たとえば、小当り種別が「第1小当り」の場合には、小当り種別データとして「01」が記憶される。小当り種別が「第2小当り」の場合には、小当り種別データとして「02」が記憶される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された小当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、小当り種別が「第1小当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。小当り種別が「第2小当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、小当りフラグがセットされているか否かを判定し(S133)、小当りフラグがセットされていない場合には、S137に移行する。
小当りフラグがセットされている場合、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された小当りの種別に応じて、当り開始1指定コマンド、または、当り開始2指定コマンドのいずれかのコマンド(当り開始指定コマンド)をセットする(S134)。
これにより、セットされた当り開始指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、小当りの種別が第1小当りである場合には当り開始1指定コマンドを送信する。小当りの種別が第2小当りである場合には当り開始2指定コマンドを送信する。小当りの種別が第1小当りと第2小当りとのいずれに該当するかは、RAM55に記憶されている小当り種別を示すデータ(当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、小当り開放待ち時間(小当り遊技状態開始のための大入賞口の開放を待つ時間)に相当する値を設定する(S135)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新し(S136)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態に移行する。
前述のS133により小当りフラグがセットされていないと判断された場合、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S139)。本実施の形態では、当該時短フラグがセットされているとき、すなわち、時短状態は、前述したように、高ベース状態でもある。また、本実施の形態では、第2小当り状態におけるV入賞に基づいて発生した大当り(以下、第2経由の大当りと呼ぶ場合がある)の大当り遊技状態の終了後においては、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)実行されるまで(はずれとなる変動表示が100回継続するまでに大当りが発生したときを除く)は、高ベース状態および時短状態が継続されるので、時短フラグがセットされている。S137で、時短フラグがセットされていない場合(低ベース状態の場合)には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S142)、処理を終了する。これにより、時短フラグがセットされていない低ベース状態において、はずれとなる変動表示が終了したときには、低ベース状態が継続される。一方、時短フラグがセットされている場合(高ベース状態の場合)には、時短状態(高ベース状態)における特別図柄の変動表示可能回数(残り回数)を示す時短回数カウンタの値を−1する(S138)。
次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認する(S139)、時短回数カウンタの値が0になっていないときには、時短状態(高ベース状態)を継続させるために、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S142)、処理を終了する。これにより、時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)実行されるまで(はずれとなる変動表示が100回継続するまでに大当りが発生したときを除く)、高ベース状態および時短状態が継続される。一方、時短回数カウンタの値が0になったときには時短フラグをリセットすることにより(S140)、非時短状態(低ベース状態)に移行する。これにより、第2小当り経由の大当り遊技状態の終了後に高ベース状態による時短状態となったときには、はずれとなる変動表示が連続して所定回数(100回)実行されると、低ベース状態および非時短状態に移行する。
そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S141)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S142)、処理を終了する。これにより、高ベース状態による時短状態において、はずれとなる変動表示が連続して所定回数(100回)実行されたときには、高ベース状態および時短状態が終了し、低ベース状態および非時短状態に移行する。
図14は、小当り開放前処理(S308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、特別可変入賞球装置22の開放時間(0.5秒)を、特別可変入賞球装置22の開放時間を計測するための小当り開放時間タイマにセットする(S1511)。
次いで、CPU56は、ソレノイド21を制御することにより特別可変入賞球装置22を開放状態に制御する(S1512)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(S309)に対応した値に更新する(S1513)。
図15は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、小当り開放時間タイマを−1減算更新し(S1520)、小当り開放時間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S1521)。
S1521で小当り開放時間タイマがタイムアウトしていないときは、大入賞口から特別可変入賞球装置22の内部に遊技球が進入したか否かを判定するために、役物入賞スイッチ25aがオン状態となっているか否かを判定する(S1522)。S1522でオン状態となっていないときは、後述するS1524に進む。一方、S1522でオン状態となっているときは、特別可変入賞球装置22の内部に存在している遊技球の個数を計数するための役物内遊技球個数カウンタ(大入賞口開放前の初期値は「0」)を+1加算更新し(S1523)、さらに、入賞個数を計数するための入賞個数カウンタ(大入賞口開放前の初期値は「0」)を+1加算更新し(S1523A)、S1524に進む。
S1524では、特別可変入賞球装置22の内部に進入した遊技球が特別可変入賞球装置22から排出されたか否かを判定するために、役物排出スイッチ25bがオン状態となっているか否かを判定する(S1524)。S1524でオン状態となっていないときは、後述するS1526に進む。一方、S1524でオン状態となっているときは、前述の役物内遊技球個数カウンタを−1減算更新し(S1525)、S1526に進む。
このように、役物内遊技球個数カウンタは、特別可変入賞球装置22内に遊技球が進入したことが検出されたときに+1加算更新され、特別可変入賞球装置22内から遊技球が排出されたことが検出されたときに−1減算更新されるので、その計数値に基づいて、特別可変入賞球装置22内に遊技球が残存しているか否かを認識することが可能である。
S1526では、V入賞領域22aに遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ24がオン状態となっているか否かを判定する(S1526)。S1526でオン状態となっていないときは、後述するS1526Cに進む。一方、S1526でオン状態となっているときは、V入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S1527)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S1528)、S1529に進む。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が発生したことを認識することができる。
S1521で小当り開放時間タイマがタイムアウトしたときは、小当りの開放時間が終了したときであり、S1529に進む。S1529において、CPU56は、ソレノイド21を制御して特別可変入賞球装置22(大入賞口)を閉鎖状態に制御する(S1529)。これにより、小当りの開放時間が経過する前にV入賞が検出されたときには、その時点で大入賞口が閉鎖され、小当りの開放時間が経過するまでにV入賞が検出されなかったときには、小当りの開放時間が経過した時点で大入賞口が閉鎖される。次に、入賞個数カウンタをクリアし、計数値を「0」に初期化する(S1529A)。
次に、大入賞口が閉鎖状態にされた後、CPU56は、実行中の小当りの種別(当り種別バッファに記憶されている小当り種別データに基づいて小当りの種別を判断する)に応じて、当り終了1指定コマンド、または、当り終了2指定コマンドのいずれかのコマンド(当り終了指定コマンド)を送信するための処理をする(S1530)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当り遊技状態が終了した小当りの種別を認識することができる。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S310)に対応した値に更新し(S1531)、処理を終了する。
このように、小当り遊技状態において、特別可変入賞球装置22(大入賞口)は、基本的に所定時間(0.5秒間)に亘り開放された後に閉鎖されるが、その開放中にV入賞が検出されると、所定時間(0.5秒間)の経過を待たずに、閉鎖される。このようにすれば、遊技制御の進行にメリハリをつけることができる。
なお、V入賞が検出されたときには、大当り遊技状態という遊技状態にとって有利な状態に移行するために、V入賞が検出されたか否かにかかわらず、小当りの開放時間の経過を待って、小当り終了処理に進むようにしてもよい。
前述のS1526でV入賞スイッチ24がオン状態となっていないと判定されてS1526Cに進んだときは、入賞個数カウンタの値が入賞上限個数として設定された所定値(たとえば、10個)となっているか否かを判定する(S1526C)。入賞個数カウンタが所定値となっていないときは、処理を終了する。一方、入賞個数カウンタが所定値となっているときは、前述のS1529に進み、前述したS1529〜S1531の処理が実行されることにより、ソレノイド21を制御して特別可変入賞球装置22(大入賞口)を閉鎖状態に制御し、小当り終了処理に進むこととなる。これにより、小当りの開放時間が経過する前、および、V入賞が発生する前に、所定個数の遊技球が入賞したときには、その時点で大入賞口が閉鎖される。
また、この実施の形態では、小当り遊技状態として、特別可変入賞球装置22(大入賞口)が短時間(0.5秒)開放する例を示したが、これに限らず、比較的に長時間に亘り特別可変入賞球装置22(大入賞口)を開放させる制御をしてもよい。また、小当り遊技状態として、特別可変入賞球装置22(大入賞口)を1回のみ開放する例を示したが、これに限らず、複数回開放させるようにしてもよい。このようにすれば、小当り遊技状態において、V入賞が生じる確率を向上させることができる。
図16は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(S310)を示すフローチャートである。小当り終了後処理において、CPU56は、小当り遊技状態の終了時における特別可変入賞球装置22の閉鎖状態で特別可変入賞球装置22の内部に遊技球が残留しているか否かを確認するために、前述の役物内遊技球個数カウンタの値が「0」になっているか否かを判定する(S1534)。ここで、特別可変入賞球装置22の閉鎖状態で特別可変入賞球装置22の内部に残留している遊技球は、小当り遊技状態における特別可変入賞球装置22の開放後の閉鎖間際に特別可変入賞球装置22の大入賞口から内部に進入した遊技球であると考えられる。小当り終了処理においては、小当り遊技状態での特別可変入賞球装置22における大入賞口の開放後の閉鎖時において、まだV入賞が生じていないときに、特別可変入賞球装置22の内部に遊技球が残留していない状態となるまでV入賞の判定を可能とするために、S1534により役物内遊技球個数カウンタの値が「0」になっているか否かを判定する。
S1534により役物内遊技球個数カウンタの値が「0」ではないと判定されたとき、すなわち、特別可変入賞球装置22の内部に遊技球が残留しているときは、後述するS1535に進む。一方、S1534により役物内遊技球個数カウンタの値が「0」であると判定されたとき、すなわち、特別可変入賞球装置22の内部に遊技球が残留していないときは、小当り遊技状態中においてV入賞が生じたか否かを確認するために、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S1549A)。
S1549AでV入賞フラグがセットされているときは、大当り遊技状態に制御するために、後述するS1541に進む。一方、S1549AでV入賞フラグがセットされていないときは、小当り遊技状態の終了に応じて、小当りフラグをリセットし(S1550)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S1551)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じなかったときには、大当り遊技状態に移行しない。
また、前述のS1534により役物内遊技球個数カウンタの値が「0」ではないと判定されたとき、すなわち、特別可変入賞球装置22の内部に遊技球が残留しているときは、特別可変入賞球装置22の内部から遊技球が排出されたか否かを判定するために、役物排出スイッチ25bがオン状態となっているか否かを判定する(S1535)。S1535でオン状態となっていないときは、後述するS1537に進む。一方、S1535でオン状態となっているときは、役物内遊技球個数カウンタを−1減算更新し(S1536)、S1537に進む。
このように、役物内遊技球個数カウンタが「0」になっていないときは、役物排出スイッチ25bにより遊技球の排出が検出されたことに応じて、役物内遊技球個数カウンタが減算更新されることにより、特別可変入賞球装置22の内部に残留した遊技球が排出されると、S1534により役物内遊技球個数カウンタの値が「0」となったことが判定されて、S1549Aに進むこととなる。
S1537に進んだときには、V入賞領域22aに遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ24がオン状態となっているか否かを判定する(S1537)。S1537でオン状態となっていないときは、後述するS1540に進む。一方、S1537でオン状態となっているときは、V入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S1527)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S1539)、S1540に進む。
これにより、小当り遊技状態での特別可変入賞球装置22における大入賞口の開放後の閉鎖時において、まだV入賞が生じていないときであっても、特別可変入賞球装置22の内部に遊技球が残留しているときには、その残留した遊技球がV入賞すれば、大当り遊技状態に制御されることとなる。
S1540に進んだときには、小当り遊技状態中においてV入賞が生じたか否かを確認するために、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S1540)。S1540でV入賞フラグがセットされていないときは、処理を終了する。一方、S1540でV入賞フラグがセットされているときは、大当り遊技状態に制御するために、S1541に進む。
S1541に進んだときには、小当り遊技状態の終了に応じて、小当りフラグをリセットし(S1541)、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S1542)。S1542で時短フラグがセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、S1545に進む。一方、S1542で時短フラグがセットされていれば(すなわち、時短状態であれば)、CPU56は、時短フラグをリセットする(S1543)。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じ、大当り遊技状態に制御されるときには、高ベース状態および時短状態が一旦終了する。そして、通常状態指定コマンドを送信するための処理を行なう(S1544)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータでは、通常状態(低ベース状態および非時短状態)であることを認識することができる。次に、V入賞フラグをリセットする(S1545)。
次に、大当り遊技状態が開始することを示す当り開始3指定コマンドを送信する(S1546)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態が開始することを認識することができる。次に、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S1547)。
また、前述したROM54に記憶されている大当りの開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、15回)、開放時間(たとえば、29秒)、インターバル時間(ラウンド間の大入賞口閉鎖時間)等の開放態様を示す開放パターンデータを所定の記憶領域にセットする(S1548)。このようなデータのうち、開放回数のデータ(15回)は、S1548において、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S1549)、処理を終了する。
以上に説明したように、小当り終了処理においては、小当り遊技状態中にV入賞が生じたときには大当り遊技状態に移行し、小当り遊技状態中にV入賞が生じなかったときには次の保留記憶情報に基づく特別図柄の変動表示待ち状態に移行する制御が行なわれる。
図17は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、開始するラウンド数に応じた大入賞口開放中指定コマンドを送信し(S403)、ソレノイド21を制御して大入賞口(特別可変入賞球装置22)を開放する制御を行なう(S404)。そして、開放回数カウンタの値を−1減算更新する(S405)。大当り遊技状態においては、S1548により開放回数カウンタの値が「15」に設定され、S401により各ラウンドが実行開始されるごとに開放回数カウンタの値が減算更新されていくため、前述したS403においては、開放回数カウンタの値に基づいて、開始するラウンド数を把握する。
次いで、CPU56は、S1548により記憶された大当り遊技状態の開放パターンデータ(開放時間のデータ)に基づいて、大入賞口制御タイマに、大入賞口が開放可能な最大時間(大入賞口開放時間)に応じた大入賞口開放時間(29秒)に対応する値を設定する(S406)。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新し(S407)、処理を終了する。
図18は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口開放前処理において設定された大入賞口制御タイマの値を−1減算更新する(S420)。
そして、CPU56は、S406によりセットされた開放時間に対応する大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは、開放時間が経過したときであるので、開放中の大入賞口を閉鎖するために、S435以降の処理に進む。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、開放時間が経過していないときであるので、大当り遊技状態での開放中の処理をするために、S432以降の処理に進む。
S421で大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、役物入賞スイッチ25aがオンしたか否か確認し(S432)、役物入賞スイッチ25aがオンしていなければ、処理を終了する。一方、役物入賞スイッチ25aがオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S436)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。一方、入賞個数カウンタの値が所定数になっていれば、開放中の大入賞口を閉鎖するために、S435に進む。
S435に進んだときには、大当り遊技状態のラウンドにおける大入賞口の閉鎖条件がしているので、ソレノイド21を制御して、開放中の大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値が「0」になっているか否かを判定する(S438)。具体的に、S438では、開放回数カウンタの値を確認することにより、大当り遊技状態における最終ラウンドであるか否かが判定される。
S438で開放回数カウンタの値が「0」でない場合には、まだ最終ラウンドではないので、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S440)。具体的に、インターバル時間としては、S1548により記憶された開放パターンデータ(インターバル時間のデータ)に基づいてインターバル時間のデータが設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新し(S441)、処理を終了する。
また、S438で開放回数カウンタの値が0である場合は、最終ラウンドであるので、CPU56が、大当り遊技状態が終了することを示す当り終了3指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S440)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、大当り遊技状態が終了することを認識することができる。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する演出を行なう時間)に相当する値を設定し(S443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S444)、処理を終了する。
このように、大当り遊技状態では、大入賞口を開放する制御が、遊技球が10個入賞するか、または、開放時間が29秒経過するかのいずれかの条件が成立するまで実行され、このような大入賞口を開放する制御が15回繰返し実行される。
図19は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了時間が設定された大入賞口制御タイマの値を−1減算する(S153)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か(大当り終了時間が経過したか否か)を確認する(S154)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ処理を終了する。一方、大入賞口制御タイマの値が0になっていれば、大当り遊技状態の終了タイミングであるので、当該大当りが、第2小当り経由の大当りであるか否かを判定する(S153)。具体的に、S153では、当り種別バッファに第2小当りを示すデータが設定されているときには、第2小当り経由の大当りであると判定する。
S153で第2小当り経由の大当りでないとき、すなわち、第1小当り経由の大当りであるときは、大当りフラグをリセットし(S157)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に応じた値に更新し(S158)、処理を終了する。これにより、第2小当り経由の大当りではないとき、すなわち、第1小当り経由の大当りであるときは、低ベース状態となる。
一方、S153で第2小当り経由の大当りであるときは、時短フラグをセットする(S154)。これにより、第2小当り経由の大当りの大当り遊技状態の終了後に、遊技状態が時短状態、および、高ベース状態に移行する。そして、時短回数カウンタに「100」をセットする(S155)。これにより、第2小当り経由の大当りの大当り遊技状態の終了後には、次回の小当りが発生しなければ、はずれ表示結果となる変動表示が100回実行されるまでの期間(第1小当り経由の大当りが発生したときはそのときまで)に亘り継続して時短状態および高ベース状態に制御されることとなる。本実施の形態では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において時短状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。
次に、時短状態指定コマンドを送信するための処理を行なう(S156)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、高ベース状態および時短状態に制御されていることを認識することができる。そして、大当りフラグをリセットし(S157)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に応じた値に更新し(S158)、処理を終了する。
次に、演出表示装置9により実行される演出のうち、発射案内演出を具体的に説明する。図20は、演出表示装置9で実行される発射案内演出を時間経過に従って示す表示画面図である。発射案内演出は、以下に説明するナビ抽選演出およびナビ演出を含む。
演出ゲート61を通過した遊技球が演出ゲートスイッチ60により検出されるごとに、図20(a)に示すように演出口保留記憶表示部9aにおいて、演出口保留記憶を示す演出口保留記憶画像(図中「○」)が増加更新表示される。
演出口保留記憶とは、演出ゲート61のような演出領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だナビ抽選演出のような演出の開始条件が成立していない演出表示について、所定の上限数(この例では「8」)の範囲内で情報を記憶することが演出口保留記憶と呼ばれる。また、このような演出口保留記憶という用語は、保留記憶された演出の情報を示す(特定する)場合にも用いられる。
そして、ナビ抽選演出の開始条件が成立するごとに、演出口保留記憶画像が1つずつ減少更新され、演出口保留記憶に基づいて、図20(b)〜(e)に示すようなナビ抽選演出が実行される。
ナビ抽選演出は、演出口保留記憶の消化に応じて実行される演出であり、この実施の形態では、図20(b)に示すように、キャラクタ画像を表示する演出制御が行われる。また、図20(c)〜(e)に示すように、ナビ抽選で当りとなることを示唆するバトル演出が行われることもある。なお、バトル演出が行われない場合には、例えば、図20(b)に示すように味方キャラクタ9bが登場した後に、敵キャラクタ9cと遭遇することなく、ナビ抽選演出が終了する表示制御が行われる。バトル演出では、図20(c)のように、遊技者の味方となる味方キャラクタ9bと、遊技者の敵となる敵キャラクタ9cとが対決する表示が実行される。バトル演出において、ナビ抽選で当りとなるときは、図20(d)のような味方キャラクタ9bが敵キャラクタ9cに勝利する演出結果となる演出が実行される。バトル演出において、ナビ抽選ではずれとなるときには図20(e)のような味方キャラクタ9bが敵キャラクタ9cに敗北する演出結果となる演出が実行される。これにより、ナビ演出の判定結果が当りとはずれとのどちらとなるかを遊技者に直感的に把握させることができる。
この実施の形態では、バトル演出の結果として、図20(f)のような「引き分け!」の文字が表示され、図20(g)のような次の演出口保留記憶に基づいて、バトル演出が継続して実行されることを示す表示制御が行われる演出がある。つまり、バトル演出の結果を引き分けとすることによって、次回以降のナビ抽選演出で当りとなる可能性があることが示唆されることになる。この実施の形態では、このような、結果が引き分けとなり、次回以降のナビ抽選演出で当りとなる可能性があることを示唆するバトル演出を前兆演出という。前兆演出は、ナビ演出の判定結果が当りまたははずれのいずれであるかを示すナビ抽選演出に代えて実行される。
ナビ抽選演出において、図20(e)のようなナビ抽選ではずれとなる演出が実行されたときは、次の演出口保留記憶に基づく、次のナビ抽選演出が実行されていくこととなる。また、図20(f),(g)のような前兆演出が実行されたときは、次回以降のナビ抽選演出においてバトル演出が継続して実行されていくこととなる。一方、ナビ抽選演出で図20(d)のようなナビ抽選で当りとなる演出が実行されたときは、図21(h)に示すように、「ナビGET!」というような、ナビ抽選によりナビ演出を実行する権利を獲得した(ナビ抽選に当った)ことを報知するナビ当り報知画像9eが演出表示装置9に表示されることにより、ナビ演出の判定結果が当りとなったことが報知される。これにより、ナビ演出の判定結果が当りとなったことを遊技者に明確に把握させることができる。
ナビ当り報知画像9eが表示された後は、「待機中」というような、ナビ表示の待機状態であることを報知する待機中報知画像9fが演出表示装置9に表示されることにより、ナビ演出の待機中であることが報知される。これにより、ナビ表示が実行可能な状態であることを遊技者に容易に把握させることができる。このような待機中報知画像9fは、大当りが発生した後に高ベースとなる第2小当りが発生したという特定の小当り状態となるときまで、継続して表示される。
待機中報知画像9fは、大当りが発生した後に高ベースとなる第2小当りが発生したという特定の小当り状態となるとき以外は、変化せずに継続表示される。一方、第2小当りを発生させることが決定されて、特別可変入賞球装置22で大入賞口が開放状態となるときには、図21(j)に示すように、「右を狙え」とい右打ちを案内する右打ちナビ報知をするナビ演出が実行される。遊技者は、このような右打ちナビ報知にしたがって、右打ちをすれば、小当り遊技状態で開放状態に制御された特別可変入賞球装置22の大入賞口に遊技球を入賞させることが可能となる。
右打ちナビ表示9gのようなナビ演出による発射案内により、小当り遊技状態においてV入賞したことに基づいて大当り遊技状態に制御された後に高ベース状態に制御されるときに発射案内がされるので、発射案内に従うことにより高ベース状態に制御されることが可能となり、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
第2小当りのような小当り遊技状態において、特別可変入賞球装置22の大入賞口に受入れられた遊技球がV入賞領域22aに進入してV入賞スイッチ24により検出されると、図21(k)に示すように、「V入賞GET!」というような、V入賞が発生したことを報知するV入賞報知表示9hが実行される。その後、大当りが発生したことを報知する大当り表示演出(ファンファーレ演出)が実行され、大当り遊技状態の制御が開始される。
本例では、演出口保留記憶として、上限値8個のデータを記憶可能であるが、たとえば、上限数16個というような極めて多い個数のデータを記憶可能とし、そのデータに基づいて、図20および図21に示したようなナビ抽選演出が数多く実行されるようしてもよい。このようにすることで、演出表示による遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図20および図21に示したような発射案内演出が実行されるときにおける演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御のタイミングを説明する。図22は、発射案内演出が実行されるときの演出制御用マイクロコンピュータ100による演出制御のタイミングチャートである。
図22においては、ナビ演出の判定、前兆演出の判定、前兆演出、ナビ抽選演出、待機中表示、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14a)、特別図柄の当り判定、特別図柄の変動表示、大入賞口、および、ナビ演出のそれぞれの状態が時間経過に応じて示されている。
まず、演出ゲート61に遊技球が進入して演出ゲートスイッチ60がON状態となって遊技球が検出されると、(A)のように演出制御用マイクロコンピュータ100において、ナビ演出の当り判定(抽選)が行なわれる。ナビ演出の判定の判定結果が当りとなったときは、(B)のように演出制御用マイクロコンピュータ100において、前兆演出の有無、実行する場合の実行回数の判定が行なわれる。なお、詳細については後述するが、ナビ演出の判定の判定結果が当りとならなかったときにも、演出制御用マイクロコンピュータ100において、前兆演出の有無、実行する場合の実行回数の判定は行なわれる。
この実施の形態では、前兆演出の実行回数を決定することにより、ナビ演出の判定結果が当りとなったことを報知する当り報知のタイミングが決定される。例えば、前兆演出を2回実行すると決定すると、前兆演出(バトル演出(引き分け))を2回実行した後に、ナビ抽選演出(バトル演出(勝利))を実行し、そのナビ抽選演出の終了時に当り報知を行うことになる。そのため、前兆演出の実行回数を決定することにより当り報知のタイミングが決定されることになる。このように、当り報知のタイミングを決定できることで、報知が単調になることを防ぎ、遊技興趣を高めることができる。
前兆演出を実行すると決定されると、前兆演出(バトル演出(引き分け))の実行が開始される。そして、(C)のように、決定された回数の前兆演出(バトル演出(引き分け))が、演出口保留記憶に基づいて、実行される(図20(f),(g)参照)。次いで、(D)のように、ナビ抽選演出(バトル演出(勝利))の実行が開始され、そのナビ抽選演出の終了時において、当り表示結果を報知する図21(h)のような当り報知が行なわれる。また、ナビ演出の判定結果が当りとなったときは、ナビ抽選演出で当り報知が行なわれるときに、ナビ演出の判定結果が当りとなったことを示すナビ演出フラグがON状態にセットされ、ナビ演出が実行可能状態となって、(E)のように「待機中」表示(図21(i))が行なわれる。
そして、(F)のように第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14aが始動入賞した遊技球を検出すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、(G)のように当り判定が実行される。前述のナビ演出フラグがON状態にセットされているときに、当り判定の判定結果が第2小当りであるときには、(H)のように特別図柄の変動表示が実行された後、第2小当り表示結果が導出表示され、(I)のように大入賞口が0.5秒間開放される小当り遊技状態に制御される。
このように第2小当りとなるときには、(J)のように、図21(j)のような右打ちナビ報知をするナビ演出が実行される。このような右打ちナビ報知に従って遊技者が右打ちをすれば、遊技球を大入賞口に入賞させることが容易となる。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。
図23は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。たとえば、コマンド解析処理においては、変動パターンコマンドが受信されたときに、RAM103に形成された変動パターンコマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、コマンド解析処理においては、表示結果指定コマンドが受信されたときに、RAM103に形成された表示結果指定コマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、その他、各種の演出制御コマンドが受信されたときに、当該コマンドを受信したことを示すフラグがセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させるようにしてもよい。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、および、変動表示結果(小当り表示結果、はずれ表示結果、小当りの種別)等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄を変動表示させる演出制御を実行するときの停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、小当りとなるかの判別、および、小当りとなるときの小当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
次に、ナビ演出の当り判定に用いられるナビ演出判定テーブルについて説明する。図24は、ナビ演出判定テーブルを表形式で示す図である。図24のナビ演出判定テーブルは、ROM102に記憶され、低ベース状態において、ナビ演出の判定に用いられる。
図24のナビ演出判定テーブルにおいては、ナビ演出当り(ナビ演出を実行する)と、ナビ演出はずれ(ナビ演出を実行しない)とのそれぞれに、ナビ演出当り判定用のSR1(0〜499の数値範囲)の合計500個の値が割振られている。SR1の割振りについては、説明を明確化するために、SR1の割振られた個数が各テーブルに示されている。図24のナビ演出判定テーブルでは、「ナビ演出当り<ナビ演出はずれ」という割合の関係で、データが設定されている。
次に、前兆演出の有無、実行する場合の実行回数を判定するために用いられる前兆演出判定テーブルについて説明する。図25は、前兆演出判定テーブルを表形式で示す図である。図25(a)の前兆演出判定テーブル(当り時)は、ROM102に記憶され、ナビ演出の判定で当り判定がされたときに、前兆演出の有無、実行する場合の実行回数を判定するために用いられる。また、図25(b)の前兆演出判定テーブル(はずれ時)は、ROM102に記憶され、ナビ演出の判定ではずれ判定がされたときに、前兆演出の有無、実行する場合の実行回数を判定するために用いられる。なお、前兆演出判定テーブル(当り時)を用いて前兆演出を実行すると決定された場合には、決定された回数の前兆演出が実行された後、ナビ抽選演出が実行され、そのナビ抽選演出の終了時において、当り報知(図20(d))がなされる。また、前兆演出判定テーブル(はずれ時)を用いて前兆演出を実行すると決定された場合には、決定された回数の前兆演出が実行された後、ナビ抽選演出が実行され、そのナビ抽選演出の終了時において、はずれ報知(図20(e))がなされる。
図25の前兆演出判定テーブル(当り時)および前兆演出判定テーブル(はずれ時)においては、決定事項の「実行しない」、「実行する(実行回数:1)」〜「実行する(実行回数:7)」のそれぞれに、前兆演出判定用の判定値が割振られている。図25に示す例では、説明を明確化するために、判定値が割り振られた割合が示されている。すなわち、「実行しない」、「実行する(実行回数:1)」〜「実行する(実行回数:7)」の各決定事項に決定される決定割合が示されている。
図25に示すように、この実施の形態では、前兆演出判定テーブル(はずれ時)に比べて、前兆演出判定テーブル(当り時)の方が、前兆演出を実行する割合が高く、実行回数も多くなるように、判定値が割り当てられている。このように構成されることによって、前兆演出が実行される方が、また前兆演出が継続して実行される回数が多い方が当り報知される割合が高くなるため、前兆演出の有無や実行回数に着目させることができ、遊技興趣を高めることができる。
なお、この実施の形態では、演出口保留記憶数が0のときには、前兆演出を実行しないように構成されているが、演出口保留記憶数が0のときにも実行可能としてもよい。ただし、演出口保留記憶数が0のときには、次のナビ抽選演出が実行されることが確定していないため、複数の演出に亘る一連の演出を実行すると、演出が途中で途切れてしまい、違和感が生じるおそれがある。具体的には、前兆演出としてバトル演出(引き分け)が実行されても、演出口保留記憶が無いために次のナビ抽選演出(または前兆演出)によるバトル演出(再戦に相当)が直ぐに開始されず、演出が途中で途切れたように感じさせてしまうおそれがある。そのため、演出口保留記憶数が0のときには、前兆演出を実行しないことが望ましい。なお、演出口保留記憶数が0のときにも前兆演出を実行可能とする場合には、例えば、テーブル等を用いてあらかじめ実行回数を決定しておくようにしてもよいし、遊技球が演出ゲート61を通過する度に抽選して前兆演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
図26は、図23に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S500の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動パターンに対応する演出が実行されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
ナビ抽選演出処理(S500):ナビ抽選演出に関する処理を行なう。S500の具体的な処理内容については、図27〜図29を用いて詳述する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出開始処理(S801)に対応した値に変更する。
変動時演出開始処理(S801):演出表示装置9において、たとえば、図21(j)に示すナビ演出のような、特別図柄の変動表示に対応する演出である変動時演出が開始されるように制御する。また、特別図柄の表示結果に対応して、たとえば、図21(j)に示すナビ演出のような変動時演出の演出結果を決定する。受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、実行する演出時間を計時する演出時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S802)に対応した値に更新する。
変動時演出中処理(S802):演出パターンを構成する各状態の切替えタイミング等を制御するとともに、演出時間タイマにより計時される演出時間が終了したか否かを監視する。そして、演出時間が終了したか、または、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、変動時演出を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出停止処理(S803)に対応した値に更新する。
変動時演出停止処理(S803):変動時演出を停止し、特別図柄の変動表示結果(停止図柄)に対応した演出結果を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時演出時間の終了後、V入賞領域22aへのV入賞に応じて大当りが発生したときに、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):大当りのラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):大当りのラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置9の表示状態が制御され、特別図柄の変動表示に対応した変動時演出が開始され、特別図柄の変動表示結果に対応した演出結果が表示される。演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、変動時演出の演出結果を決定する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、たとえば、時短状態指定コマンドに基づいて時短状態であることを認識できるので、演出表示装置9等の演出装置により、時短状態に応じて特有の演出を行なうことができる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、変動時演出の演出結果を決定するようにしてもよい。
次に、図26に示されるナビ抽選演出処理(S500)の具体的な処理内容を説明する。図27、図28および図29は、ナビ抽選演出処理を示すフローチャートである。ナビ抽選演出処理においては、演出制御用マイクロコンピュータ100が以下のような処理を実行する。
まず、演出ゲートスイッチ60がオン状態となって演出ゲート61への遊技球の進入が検出された否かを判定する(S510)。S510で演出ゲートスイッチ60がオン状態となっていないときは、後述するS514に進む。一方、S510で演出ゲートスイッチ60がオン状態となっているときは、演出口保留記憶数が上限値(たとえば、8個)となっているか否かを判定する(S511)。
S511で演出口保留記憶数が上限値となっていないときは、ナビ演出当り判定用の乱数値SR1を抽出し、当該抽出値を演出口保留記憶情報として、RAM103に設けられた演出口保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)するともに、演出口保留記憶数を+1加算する(S512)。演出口保留記憶バッファは、ナビ抽選演出に用いる乱数値等のデータを演出口保留記憶情報として複数記憶可能な保存領域(保留記憶バッファ)であり、遊技制御用マイクロコンピュータ560に設けられた保留記憶バッファと同様の構成を有する記憶領域である。演出口保留記憶バッファには、演出口保留記憶数の上限値(この例では8)に対応した保存領域が設けられている。演出口保留記憶バッファでは、複数の保存領域において記憶順番にしたがってデータが順番に記憶されていき、記憶されたデータが、記憶時期が古いデータから順番に読出される。次に、演出口保留記憶表示を+1加算表示(S513)し、S514に進む。一方、S511で演出口保留記憶数が上限値となっているときは、演出口保留記憶を増やすことができないので、S514に進む。
S514では、現在が低ベース状態であるか否かを判定する(S514)。演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御状態が、低ベース状態(通常状態)と、高ベース状態とのうちのどちらであるかを認識するための遊技状態データをRAM103の処理領域に記憶する処理をコマンド解析処理において行なう。具体的に、このような遊技状態データは、初期状態において低ベース状態(非時短状態)を特定する値に設定されており、時短状態指定コマンドを受信したときに遊技状態データを高ベース状態(時短状態)を特定する値に設定し、通常状態指定コマンドを受信したときに遊技状態データを低ベース状態(非時短状態)を特定する値に設定する処理が行なわれる。S514では、このような遊技状態データの値を確認することにより、現在が低ベース状態であるか否かを判定する。
次に、S514で低ベース状態ではないとき、すなわち、高ベース状態であるときは、特定のムービー画像(たとえば、ナビ抽選演出に出現するキャラクタが特定のストーリに基づいて動作する動画等の画像)を表示する、高ベース中演出処理をし(S537)、処理を終了する。これにより、高ベース状態では、ナビ演出の判定が行なわれず、ナビ抽選演出が実行されない。なお、S537で特定のムービー画像を表示する高ベース中演出処理においては、特別図柄の変動表示に基づいて小当りとなるか否かを示唆する演出をすることが望ましい。このような特別図柄の変動表示に基づいて小当りとなるか否かを示唆する演出の一例として、たとえば、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、演出表示装置9の隅部等の比較的小さい表示領域において、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての小型の演出図柄(所謂小図柄)を変動表示させて小当りとなるか否かを示唆することが可能な表示結果を表示する演出を行なうようにしてもよい。
一方、S514で低ベース状態であるときは、ナビ抽選演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S515)。ナビ抽選演出実行中フラグは、ナビ抽選演出が実行されるときに、S548によりセットされるフラグである。S515でナビ抽選演出実行中フラグがセットされているときは、後述するS531に進む。一方、S515でナビ抽選演出実行中フラグがセットされていないときは、前兆演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S515a)。前兆演出実行中フラグは、前兆演出が実行されるときに、S546によりセットされるフラグである。S515aで前兆演出実行中フラグがセットされているときは、後述するS560に進む。S515aで前兆演出実行中フラグがセットされていないときは、ナビ演出フラグがセットされているか否かを判定する(S516)。ナビ演出フラグは、ナビ演出の判定により当りと判定されたときに、ナビ抽選演出の終了タイミングでS535によりセットされるフラグである。
S516でナビ演出フラグがセットされているときは、現段階ではナビ抽選を実行する必要がないので、処理を終了する。一方、S516でナビ演出フラグがセットされていないときは、ナビ演出の抽選を実行するために、S517以降の処理に進む。
S517では、演出口保留記憶情報があるか否かを判定する(S517)。演出口保留記憶情報がないときは、ナビ演出の判定対象となる演出口保留記憶情報が存在しないので、処理を終了する。一方、演出口保留記憶情報があるときは、前兆演出を実行することが決定されていることを示す前兆演出実行決定フラグがセットされているか否かを判定する(S517a)。前兆演出実行決定フラグがセットされていれば、後述するS539に移行する。前兆演出実行決定フラグがセットされていなければ、ナビ演出を実行するか否かを抽選により判定するナビ演出の判定を行なう(S518)。S518では、演出口保留記憶バッファから最も古い時期に記憶された演出口保留記憶情報としてのナビ演出当り判定用の乱数値SR1のデータを読出し、そのデータと図24のナビ演出判定テーブルとを用いて、ナビ演出を実行するか否かの抽選をする処理が行なわれる。そして、演出口保留記憶数を−1減算し(S519)、演出表示装置9の演出口保留記憶表示部9aで表示する演出口保留記憶表示数を−1減算更新する(S520)。S519では、演出口保留記憶数を−1減算するときに、演出口保留記憶バッファにおいて読出された最も古いデータを保存領域において消去し、残ったデータについて、古いデータから順番に各保存領域の内容を1つずつ先に進めて記憶する領域を変更することにより、残ったデータのうち最も古いデータが次に読出すデータとなるように保存領域のデータをシフトする。
次に、S518のナビ演出の判定の判定結果が当りであるか否かを判定する(S540)。S540で当りであると判定した場合、図25(a)に示す前兆演出判定テーブル(当り時)を用いて、前兆演出を実行するか否か、実行する場合の実行回数を判定する(S541)。一方、S540ではずれであると判定した場合、図25(b)に示す前兆演出判定テーブル(はずれ時)を用いて、前兆演出を実行するか否か、実行する場合の実行回数を判定する(S542)。この実施の形態では、ナビ演出の判定の判定結果に応じて、異なる割合で前兆演出を実行するか否か、実行する場合の実行回数を判定するため、前兆演出の有無や実行回数に着目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
S541またはS542で前兆演出を実行すると決定した場合には(S543のY)、同時に判定した実行回数を、前兆演出を実行する残り回数を示す前兆演出残回数カウンタにセットするとともに(S544)、前兆演出実行決定フラグをセットする(S544a)。そして、前兆演出(バトル演出(引き分け))の実行を開始させる処理を行い(S544)、前兆演出実行中フラグをセットする(S545)。
S541またはS542で前兆演出を実行しないと決定した場合には(S543のN)、ナビ抽選演出の実行を開始させる処理を行ない(S547)、ナビ抽選演出実行中フラグをセットする(S548)。例えば、S540において判定結果を記憶しておき、S547では、S540において記憶された判定結果に基づいて、ナビ抽選演出の内容(例えば、バトル演出なし、バトル演出(勝利)またはバトル演出(敗北)のいずれか)を決定し、実行させるようにしてもよい。
また、S517aで前兆演出実行決定フラグがセットされていると判定した場合には、演出口保留記憶数を1減算し(S549)、演出表示装置9の演出口保留記憶表示部9aで表示する演出口保留記憶表示数を1減算更新する(S550)。次いで、前兆演出残回数カウンタの値が0でなければ(S552のN)、ステップS545に移行して、前回に続いて前兆演出の実行を開始させる処理を行う。一方、前兆演出残回数カウンタの値が0であれば(S552のY)、前兆演出実行決定フラグをリセットし(S553)、ステップS547に移行して、ナビ抽選演出の実行を開始させる処理を行う。
また、前述したS515でナビ抽選演出実行中フラグがセットされているときは、ナビ抽選演出実行中処理を実行する(S531)。ナビ抽選演出実行中処理では、図20(b)〜(e)のようなナビ抽選演出の表示が実行される。S531では、ナビ抽選用のプロセスタイマの計時に応じて予め定められたバトル演出を実行するためのデータ(ナビ演出の判定結果が当りの場合のデータとはずれの場合のデータとがROM102に記憶されており、ナビ演出の判定結果に応じて選択される)を用い、ナビ抽選演出処理が実行されるごとに、ナビ抽選用のプロセスタイマの計時に応じたデータを用いることで、バトル演出が実行される。
そして、ナビ抽選演出用のプロセスタイマの計時が実行中のナビ抽選演出の終了時間に達したか否かを確認することに基づいて、ナビ抽選演出の終了タイミングであるか否かを判定する(S532)。S532でナビ抽選演出の終了タイミングではないときは、ナビ抽選演出を継続するために、処理を終了する。一方、S532でナビ抽選演出の終了タイミングであるときは、ナビ抽選演出を終了し、ナビ抽選演出実行中フラグをリセットする(S533)。そして、実行を終了したナビ抽選演出の演出結果が当り演出結果であるか否かを判定し(S534)、はずれのときは処理を終了し、一方、当りのときは前述のナビ演出フラグをセットする(S535)ことによりナビ演出の判定結果が当りになったことを示し、さらに、図21(h)の「ナビGET!」のようなナビ当り報知画像9eを表示した後、図21(i)の「待機中」のような待機中報知画像9fを表示し(S536)、処理を終了する。
また、前述したS515でナビ抽選演出実行中フラグがセットされているときは、ナビ抽選演出実行中処理を実行する(S531)。ナビ抽選演出実行中処理では、図20(b)〜(e)のようなナビ抽選演出の表示が実行される。S531では、ナビ抽選用のプロセスタイマの計時に応じて予め定められたバトル演出を実行するためのデータ(ナビ演出の判定結果が当りの場合のデータとはずれの場合のデータとがROM102に記憶されており、ナビ演出の判定結果に応じて選択される)を用い、ナビ抽選演出処理が実行されるごとに、ナビ抽選用のプロセスタイマの計時に応じたデータを用いることで、バトル演出が実行される。
そして、ナビ抽選演出用のプロセスタイマの計時が実行中のナビ抽選演出の終了時間に達したか否かを確認することに基づいて、ナビ抽選演出の終了タイミングであるか否かを判定する(S532)。S532でナビ抽選演出の終了タイミングではないときは、ナビ抽選演出を継続するために、処理を終了する。一方、S532でナビ抽選演出の終了タイミングであるときは、ナビ抽選演出を終了し、ナビ抽選演出実行中フラグをリセットする(S533)。そして、実行を終了したナビ抽選演出の演出結果が当り演出結果であるか否かを判定し(S534)、はずれのときはバトル演出で敗北したことを示す画像を表示し(S535a)、処理を終了する。一方、当りのときは、バトル演出で勝利したことを示す画像を表示する(S535b)。そして、前述のナビ演出フラグをセットする(S535)ことによりナビ演出の判定結果が当りになったことを示し、さらに、図21(h)の「ナビGET!」のようなナビ当り報知画像9eを表示した後、図21(i)の「待機中」のような待機中報知画像9fを表示し(S536)、処理を終了する。
また、前述したS515aで前兆演出実行中フラグがセットされているときは、前兆演出実行中処理を実行する(S560)。前兆演出実行中処理では、図20(b),(c),(f),(g)のような前兆演出の表示が実行される。S560では、プロセスタイマの計時に応じて予め定められた前兆演出(バトル演出(引き分け))を実行するためのデータを用い、前兆演出実行中処理が実行されるごとに、プロセスタイマの計時に応じたデータを用いることで、前兆演出(バトル演出(引き分け))が実行される。
そして、プロセスタイマの計時が実行中の前兆演出の終了時間に達したか否かを確認することに基づいて、前兆演出の終了タイミングであるか否かを判定する(S561)。S561で前兆演出の終了タイミングではないときは、前兆演出を継続するために、処理を終了する。一方、S561で前兆演出の終了タイミングであるときは、前兆演出を終了し、前兆演出実行中フラグをリセットする(S562)。そして、バトル演出の演出結果として引き分けになったことを示す画像を表示し(S563)、前兆演出残回数カウンタの値を1減算して(S564)、処理を終了する。
なお、ナビ演出判定テーブルを用いたナビ演出の判定は、低ベース状態に限らず、高ベース状態において実行するようにしてもよい。
また、前兆演出実行決定フラグがセットされているときには、ナビ演出の判定を行わないように構成されているが、例えば、前兆演出判定テーブル(はずれ時)を用いて前兆演出の実行が決定された場合(すなわち、前兆演出後にバトル演出で敗北するナビ抽選演出が実行されることが決定されている場合)には、ナビ演出の判定を行うことができるようにしてもよい。また、その結果、当りとなった場合には、前兆演出後にバトル演出で勝利するナビ抽選演出が実行される(すなわち前兆演出後のナビ抽選演出の内容が切り替えられる)ようにしてもよい。また、このように前兆演出後のナビ抽選演出の内容が切り替えられたときには、通常態様とは異なる演出態様で前兆演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、前兆演出とナビ抽選演出とでバトル演出が実行されるように構成されているが、前兆演出とナビ抽選演出とで異なる演出が実行されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ナビ演出フラグがセットされ、待機中になると、ナビ演出の判定を行わないように構成されているが、行うようにしてもよい。この場合、待機中に当りと判定されると待機中の表示を通常態様とは異なる態様で行うようにしてもよい。また、待機中に当りと判定された場合には、ナビ演出を行う権利をストックできるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、前兆演出を開始する前に決定されたナビ演出の判定結果を、前兆演出の後に実行されるナビ抽選演出の終了時に報知するように構成されているが、例えば、前兆演出の後に実行されるナビ抽選演出の開始時に、改めてナビ演出を行うか否かの判定を行うようにしてもよい。
図30は、演出制御プロセス処理における変動時演出開始処理(S801)を示すフローチャートである。変動時演出開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、次のような処理を行なう。
変動時演出開始処理においては、演出表示装置9での演出パターンを設定するための演出設定処理を実行する(S604)。演出設定処理においては、たとえば、変動パターンコマンドで指定される変動時間に応じて演出表示装置9で実行する演出について、ナビ演出のような所定の演出を実行するか否か、および、ナビ演出のような所定の演出を実行するときの演出内容が決定される。演出設定処理の内容については、図31を用いて説明する。
次に、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうち、いずれかに設定する(S605)。演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動時間、および、S605の処理で決定した演出パターン等により指定された演出制御パターン(演出動作)に応じて、演出制御パターンテーブルに格納されている複数種類の演出制御パターンのうち、指定された演出パターンに対応する演出制御パターンを、今回の特別図柄の変動表示時における演出表示装置9の演出表示に使用する演出制御パターンとして選択決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されてから表示結果が停止表示されるまでの変動表示期間における、演出表示装置9の表示領域における演出表示といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、変動時演出制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各変動時演出制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、特別図柄の変動表示に対応した演出等の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、演出制御用CPU101は、S604で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S606)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S607)。
演出制御用CPU101は、S609の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S608)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S609)、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S802)に対応した値にする(S610)。
次に、変動時演出開始処理のS604により実行される演出設定処理を説明する。図31は、演出設定処理を示すフローチャートである。図31においては、演出設定処理においてナビ演出の設定を行なう処理を代表例として説明し、それ以外の演出の設定に関する処理内容については省略する。演出設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU101)は、次のような処理を行なう。
まず、ナビ演出フラグがセットされているか否かを判定する(S631)。S631でナビ演出フラグがセットされていないときは、後述するS639に進む。一方、S631でナビ演出フラグがセットされているときは、今回の変動表示は第2小当り(V入賞に基づく大当り後に高ベース状態となる)となるものであるか否かを判定する(S637)。具体的に、S637では、今回の特別図柄の変動表示に際して受信した演出制御コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド)に基づいて、今回実行する変動表示が、第2小当りとなるか否かが判定される。
S637で、第2小当りとなるときは、第1ナビ演出を実行するための演出実行設定をし(S638)、ナビ演出フラグをリセットして(S642)、処理を終了する。第1ナビ演出は、演出表示装置9において図21(j)の右打ちナビ表示9gと、右打ちランプ50の点灯との両方をナビ演出として実行する演出である。このように、第2小当りとなるときは、演出表示装置9および右打ちランプ50の両方を用いて、ナビ演出が実行されることとなる。図31に示す例では、S638でナビ演出が1回実行されると、S642でナビ演出フラグがリセットされるため、新たにナビ演出判定において抽選結果が当りとなるまで、ナビ演出が実行されなくなる。つまり、1回のナビ演出判定の当りにつき、ナビ演出が1回実行され得る。
S637で、第2小当りとならないとき(第1小当りまたははずれのとき)は、S639に進む。S639では、今回の変動表示は第1小当り(V入賞に基づく大当り後に低ベース状態となる)または第2小当り(S631から直接S639に進む場合に該当する場合があるが、S637からS639に進む場合は該当しない)となるものであるか否かを判定する(S639)。具体的に、S639では、今回の特別図柄の変動表示に際して受信した演出制御コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド)に基づいて、今回実行する変動表示が、第1小当りまたは第2小当り(ナビ演出フラグがセットされていないときの第2小当り)となるか否かが判定される。
S639で、第1小当りまたは第2小当り(ナビ演出フラグがセットされていないときの第2小当り)となるときは、第2ナビ演出を実行するための演出設定をし(S640)、処理を終了する。第2ナビ演出は、右打ちランプ50の点灯のみをナビ演出として実行する演出である。このように、第1小当りとなるとき、および、ナビ演出フラグがセットされていないときの第2小当りとなるときは、右打ちランプ50のみを用いて、ナビ演出が実行されることとなる。一方、S639で、第1小当りまたは第2小当りとならないとき、すなわち、はずれとなるときは、ナビ演出を実行しない演出設定をし(S641)、処理を終了する。これにより、特別図柄の変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、ナビ演出が実行されない。
演出設定処理においては、ナビ演出フラグがセットされていないときには、S639に進むことにより、第2小当りに対応する第1ナビ演出が実行される可能性がないので、ナビ演出として、右打ちナビ表示9gが実行されることはない。
また、ナビ演出フラグがセットされているときには、必ずS637に進むことにより、第2小当りに対応する第1ナビ演出が実行される可能性がある。
このような演出設定処理によれば、S638に示すように、大当り後に高ベースとなる第2小当りとすることが決定されたというような、特定条件が成立したときに、第1案内手段としての演出表示装置9の右打ちナビ表示9gにより発射案内がされるが、図31のS638,S640に示されるように、このような特定条件が成立したか否かにかかわらず第2案内手段としての右打ちランプ50の点灯により発射案内がされるので、第1案内手段により発射案内がされないときでも、第2案内手段により発射案内がされることにより、特別可変入賞球装置22の遊技球が入賞可能な状態を遊技者が確実に把握することができる。
また、このような図31の演出設定処理では、たとえば、ナビ演出フラグがリセット中に第2小当り経由の大当りが発生して高ベースになったときのように、ナビ演出に従わずに所定の遊技がされたときに、遊技者へのペナルティ(罰則)として、その後のナビ演出の実行を制限する機能が含まれている。
このような図31の演出設定処理では、たとえば、ナビ演出フラグがリセット中に第2小当り経由の大当りが発生して高ベースになったときのように、ナビ演出に従わずに所定の遊技がされたときに、遊技者へのペナルティとして、その後のナビ演出の実行を制限する機能が含まれている。
具体的に、図31のS631でナビ演出フラグがリセット状態であれば、第2小当りとなるときのナビ演出態様を決定するS637,S638に進まずに、第1小当りとなるとき、または、はずれとなるときのナビ演出態様を決定するS639〜S641に進み、結果的にS641でナビ演出なしに設定されることにより、ナビ演出を制限する制御が行なわれる。これにより、ナビ演出フラグがリセット中に第2小当り経由の大当りが発生して高ベースになったときのように、ナビ演出に従わずに所定の遊技がされたときには、ナビ演出がまったく実行されなくなる。また、ナビ演出を制限する制御としては、右打ちランプ50の点灯のみという演出を実行するようにしてもよい。
このようなナビ演出の実行を制限する制御が行なわれことにより、ナビ演出のような発射案内に従わずに遊技がされたときに、発射案内が制限されるので、発射案内に従わない遊技者が有利となってしまうことを抑制することができる。
なお、ナビ演出を制限するときには、たとえば、演出表示装置9において、ナビ演出を制限する旨をメッセージ表示により報知する等、ナビ演出を制限することを報知するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ナビ演出フラグがリセット中に第2小当り経由の大当りが発生して高ベースになったときを対象として、ナビ演出に従わずに所定の遊技がされたときに、遊技者へのペナルティとして、その後のナビ演出の実行を制限する例を示した。しかし、これに加えて、ナビ演出フラグがリセット中に第1小当り経由の大当りが発生して低ベースになったときを対象として、ナビ演出に従わずに所定の遊技がされたときに、遊技者へのペナルティとして、その後のナビ演出の実行を制限する制御を行なうようにしてもよい。
また、ナビ演出を制限する制御としては、演出設定処理とは別にナビ演出制御処理を設け(たとえば、演出制御プロセス処理において、S500、S800〜S807とは別にナビ演出制御処理と設ければよい)、そのナビ演出制御処理において、たとえば、ナビ演出フラグがリセット中に第2小当り経由の大当りが発生して高ベースになっているというナビ演出の制限条件が成立したか否かを判定し、当該条件が成立したときに、たとえば、演出設定処理において、ナビ演出なしとする処理を実行する等、その後のナビ演出の実行を制限するようにしてもよい。
以上に説明したような演出設定処理において、S637により第1ナビ演出を実行する設定がされたときは、当該設定に基づいて、変動時演出中処理において、図22(J)に示したようなタイミングで、第1ナビ演出が実行されることとなる。また、S640により第2ナビ演出を実行する設定がされたときは、当該設定に基づいて、変動時演出中処理において、図22(J)に示したようなタイミングで、第2ナビ演出が実行されることとなる。また、S641によりナビ演出なしとする設定がされたときは、当該設定に基づいて、変動時演出中処理において、ナビ演出が実行されないこととなる。
図32は、演出制御プロセス処理における変動時演出停止処理(S803)を示すフローチャートである。変動時演出停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU101)は、以下のような処理を行なう。
まず、第1小当りの開始指定コマンド(当り開始1指定コマンド)を受信したときにコマンド解析処理(704)によりセットされる当り開始1指定コマンド受信フラグ、または、第2小当りの開始指定コマンド(当り開始2指定コマンド)を受信したときに、コマンド解析処理(704)によりセットされる当り開始2指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S730)。
S730で、いずれかの小当りの当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていない場合、すなわち、特別図柄の変動表示結果がはずれとなったときには、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値に更新し(S740)、処理を終了する。一方、S730で、いずれかの小当りの当り開始指定コマンドフラグがセットされている場合は、変動時演出中処理(S804)の終了時(特別図柄の変動表示の終了時に相当)に小当り開放中でのV入賞待ち期間に相当する値にセットされたプロセスタイマを−1減算し(S731)、小当り遊技状態においてV入賞が生じたことを指定するV入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定することにより、V入賞が生じたか否かを判定する(S732)。
S732でV入賞指定コマンド受信フラグがセットされているときは、小当り遊技状態中にV入賞が生じた場合であり、演出表示装置9において、図21(k)に示すようなV入賞報知表示9hを実行するための処理をし(S733)、S734に進む。これにより、小当り遊技状態中にV入賞が生じたときには、その旨が報知されるので、遊技者が、大当り遊技状態となることを容易に把握することができるようになる。一方、S732でV入賞指定コマンド受信フラグがセットされていないときは、そのままS734に進む。
S734では、小当り遊技状態においてV入賞が生じたことに基づいて大当りが発生したときにおける大当りの開始指定コマンド(当り開始3指定コマンド)を受信したときにコマンド解析処理(704)によりセットされる当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S734)。
S734で、当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされていないときは、S731で減算更新後のプロセスタイマの値が「0」になったか否かを確認することに基づいて特別図柄の変動表示停止後に所定期間(たとえば、小当り遊技状態における大入賞口の開放時間に、図16の小当り終了処理における、小当り遊技状態中での開放状態が終了した後に、特別可変入賞球装置22内の遊技球がすべて排出されると考えられる所定の残留球排出遅延待ち時間を加えたV入賞待ち期間)が経過したか否かを判定する(S739)。
S739で所定期間が経過したと判定されたときは、小当り遊技状態中にV入賞が生じなかった場合であり、大当りが発生しないので、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値に更新し(S740)、処理を終了する。一方、S739で所定期間が経過していないと判定されたときは、小当り遊技状態中でのV入賞待ち期間が終了するまで待つために、処理を終了する。なお、S739としては、小当り遊技状態での特別可変入賞球装置22の開放状態が終了した後に、特別可変入賞球装置22内の遊技球がすべて排出されたか否かを判定し、当該遊技球のすべてが排出されたことを条件として、S740に進む処理をするようにしてもよい。
また、S734で、当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされているときは、大当り表示処理(S804)を実行する大当り表示演出(ファンファーレ演出)をするためのプロセステーブルを選択する(S735)。これにより、大当り遊技状態の遊技開始画面を表示する制御が行なわれる。次に、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S736)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S737)。これにより、S735により設定された大当り表示演出の実行が開始される。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新し(S738)、処理を終了する。
以上に説明したように、この実施の形態では、有利状態(例えば、時短状態)に制御するか否かを決定する第1決定手段(例えば、小当り種別の判定)と、有利状態に関する情報を報知可能とするか(例えば、第1ナビ演出を実行可能とするか)否かを決定する第2決定手段(例えば、ナビ演出の判定)と、第2決定手段によって報知可能とすると決定されたことにもとづいて、報知を実行する報知手段と、第2決定手段によって報知可能とすると決定されてから報知手段によって報知が実行されるまでの期間に、特定演出(例えば、バトル演出)を実行可能な特定演出実行手段とを備えるように構成されている。そのように構成されることによって、報知のタイミングまでに特定演出を行うことで、報知が単調にならないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、有利状態とは、この実施の形態で示した大当り遊技後に制御される時短状態に限れない。例えば、有利度が異なる(例えば、ラウンド数(出玉)が異なる)複数の大当り遊技状態を設け、小当り種別によりV入賞後にいずれかの大当り遊技状態に制御されるかが決定されるように構成する場合には、より有利な大当り遊技状態に制御されることも有利状態に含まれる。また、有利状態に関する情報とは、この実施の形態で示した第1ナビ演出に限らず、有利状態に関連するものであればよい。例えば、V入賞口を狙うべきタイミングや、V入賞後に移行される大当りの有利度(ラウンド数(出玉)や、大当り遊技後に時短状態に制御されるか否かなど)を示すものであってもよい。また、例えば、有利度が低い大当り(例えば、ラウンド数(出玉)が少ないものや、大当り遊技後に時短状態に制御されないものなど)に移行されることを回避するために、V入賞口を狙うべきではないタイミングを示すものであってもよい。
また、特定演出には、有利状態に関する情報を報知可能とすると決定されてから、報知が実行されるまでの期間に、一連の演出として、演出が複数回継続して行われるものや、一回毎に完結する演出が行われるものが含まれる。特定演出として、一連の演出を行う場合には、例えば、前兆演出(バトル演出、演出結果は引き分け)が1回または複数回実行された後に、ナビ抽選演出(バトル演出、演出結果は勝利)が実行される。すなわち、バトルが開始され、勝敗が判明するまでの一連の演出が特定演出となる。また、特定演出として、一回毎に完結する演出を行う場合には、例えば、ナビ抽選演出(バトル演出、演出結果は勝利(または敗北))が実行される。特定演出は、有利状態に関する情報を報知可能とすると決定されてから、報知が実行されるまでに、少なくともどこか一部のタイミングで実行されればよい。
また、この実施の形態では、遊技媒体を発射することにより遊技を行う遊技機であって、始動領域(例えば、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14)と、始動領域とは異なる演出領域(例えば、演出ゲート61)とを備え、第1決定手段は、始動領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて、有利状態に制御するか否かを決定し、第2決定手段は、演出領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて、報知可能とするか否かを決定するように構成されている。そのように構成されることによって、報知が単調にならないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、未だ開始されていない第2決定手段による決定を保留記憶として記憶する保留記憶手段を備え、特定演出実行手段は、保留記憶が所定数以上(例えば、1以上)ある場合に、特殊特定演出(例えば、前兆演出(バトル演出(引き分け)))を実行可能であるように構成されている。そのように構成されることによって、特定演出による演出効果により、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、報知手段は、第2決定手段によって報知可能とすると決定されたことにもとづいて、特定タイミングで報知を実行可能であり、特定演出は、第2決定手段によって報知可能とすると決定された後に開始され、該決定にもとづいて報知手段によって特定タイミングで報知が実行されると終了するように構成されている。そのように構成されることによって、連続的な特定演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、特定演出を実行するか否かを決定する第3決定手段(例えば、前兆演出の判定)を備え、特定演出実行手段は、第3決定手段によって特定演出を実行すると決定されたことにもとづいて、特定演出を実行するように構成されている。そのように構成されることによって、特定演出が実行されるか否かにも着目させることで、報知が単調にならないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前述した発射案内の制御については、以下に列挙するような変形例を適用してもよい。
ナビ抽選演出が所定回以上実行された場合には、必ずナビ演出判定で当りとなるようにしてもよい。また、遊技機の設定によりナビ演出判定で当りとなる確率が異なるようにするとともに、管理者が設定の変更を行うことができるようにしてもよい。
前兆演出が実行されている期間、すなわち前兆演出実行中フラグがセットされている期間にも、ナビ演出判定を行うように構成してもよい。この場合、判定結果は、必ずはずれとなるようにしてもよいし、逆に当りやすくなるように制御してもよい。例えば、前兆演出実行中フラグがセットされている場合に用いるナビ演出判定テーブルを別途設けておくことによって実現できる。
第2小当り経由の大当り遊技状態の終了後の高ベース状態においては、ナビ抽選演出を実行しないようにしてもよい。
第2小当り経由の大当り遊技状態の終了後の高ベース状態においては、たとえば、はずれとなる変動表示が100回実行される期間等の所定期間は、ナビ抽選演出を実行しないようにしてもよい。
前述の実施の形態では、遊技球を遊技領域7の下部に設けられた打球発射装置から遊技領域7に発射する構成例を示したが、これに限らず、遊技球を遊技領域7の上部に設けられた打球発射装置から遊技領域7へ遊技球を発射する構成を採用してもよい。このようにすれば、遊技者が右打ちを容易に行なうことが可能となる。
前述の実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14が、遊技球の進入(入賞)に応じて賞球が払出される入賞領域である例を示したが、これに限らず、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14は、遊技球が進入しても賞球が払出されないゲートとして用いてもよい。
前述の実施の形態では、ナビ演出の判定に用いられる演出領域の一例として、遊技球が進入しても賞球が払出されない演出ゲート61を示した。しかし遊技球が進入したときに賞球が払出される入賞口を、ナビ演出の判定に用いられる演出領域として用いるようにしてもよい。
前述の実施の形態では、V入賞領域22aが設けられた可変入賞手段として、特別可変入賞球装置22を用いる例を示した。しかし、これに限らず、V入賞領域22aが設けられた可変入賞手段としては、特別可変入賞球装置22とは別に設けてもよい。V入賞領域22aが設けられた可変入賞手段を特別可変入賞球装置22とは別に設ける場合において、当該可変入賞手段については、遊技球の進入に応じて、賞球が払出されるようにしてもよく、賞球が払出されないようにしてもよい。
前述の実施の形態において、発射案内としては、図20の右打ちナビ表示9gのような演出表示装置9の表示画面に表示されること、右打ちランプ50のようなLED等のランプで表示すること、スピーカ27からの音声出力で案内すること等、遊技者に発射案内であることを認識させることができるものであればどのような態様で発射案内を実行してもよい。また、演出表示装置9の表示画面上で発射案内を表示するときには、文字、図形、記号、キャラクタ等のいずれにより、発射案内をしてもよい。
前述の実施の形態では、小当り遊技状態となるときに、右打ちナビ表示をするのみであり、その他の演出を実行しない例を示した。しかし、これに限らず、演出表示装置9の表示画面において、右打ちナビ表示以外に、小当りとなることを報知する表示をするようにしてもよい。
前述の実施の形態では、遊技領域7において、演出ゲート61を複数種類設けてもよい。その場合には、第1の演出ゲートと、それよりも遊技球が通過しにくい第2の演出ゲートとを設け、第2の演出ゲートに遊技球が進入したときに第1演出ゲートを通過したときと比べて高い割合で、ナビ演出を実行する判定がされるようにしてもよい。
前述の実施の形態では、ナビ演出の判定の高確率ゾーンを設けてもよい。ナビ演出の判定の高確率ゾーンでは、ナビ演出の判定が当りとなる当選確率をその通常状態よりも向上させ、演出口保留記憶画像を通常状態と異なるような表示にしてもよい。また、ナビ演出の判定の高確率ゾーンでは、演出口保留記憶画像を表示しないようにしてもよい。ナビ演出の判定の高確率ゾーンへの突入契機は、特別図柄の変動表示の回数が所定回数に到達したときであってもよい。ナビ演出の判定の高確率ゾーンへの突入契機は、演出ゲート61での遊技球の進入に基づくナビ演出の判定回数が所定の判定回数に到達したときであってもよい。ナビ演出の判定の高確率ゾーンへの突入契機は、たとえば、ナビ演出の判定をするごとに、ナビ演出の判定を高確率ゾーンに突入させるか否かを抽選し、その抽選に当選したとき、であってもよい。ナビ演出の判定の高確率ゾーンへの突入契機は、小当り遊技状態においてV入賞ができなかったときであってもよい。ナビ演出の判定の高確率ゾーンへの突入契機は、大当り遊技状態の終了後の所定期間経過時であってもよい。なお、ナビ演出の判定の高確率ゾーンへの突入契機は、第1小当りとする判定がされたときであってもよい。
前述の実施の形態では、演出ゲート61を第1始動入賞口13および第2始動入賞口14よりも上部の位置に配置し、これら始動入賞口13,14へ入賞する遊技球が必ず演出ゲート61を通過する配置としてもよい。このようにすれば、たまたま演出ゲート61を通過せず、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14のみに遊技球が進入し、第2小当りに当選したにもかかわらず、発射案内が行なわれないような状況を防ぐことが可能となる。
演出ゲート61での遊技球の検出に応じた演出口保留記憶画像は、ナビ演出の判定の期待度に応じて表示態様を異ならせてもよい。たとえば、ナビ演出の判定の期待度が低ければ青表示、高ければ赤表示、発射案内が確定する場合はレインボー表示としてもよい。このような場合には、演出ゲート61における遊技球の進入を演出ゲートスイッチ60が検出したときに予め定めナビ演出の判定をして、判定結果を記憶しておき、その判定結果を先読みして実行するようにしてもよい。
前述したように演出ゲート61における遊技球の進入を演出ゲートスイッチ60が検出したときに予め定めナビ演出の判定をして、判定結果を記憶しておき、その判定結果を先読みして演出口保留記憶画像の表示態様の変更を実行するときには、演出口保留記憶画像の表示態様が遊技の進行中に変化するようにしてもよい。その場合は、遊技者がプッシュボタン120等の操作手段を操作することで、表示態様が変化するようにしてもよい。
前述の実施の形態では、第2小当りとなるときにナビ演出に従わずに右打ちをした場合等、ナビ演出に従わずに右打ちをした場合は、警告音と警告表示をすることにより、左打ちをすることを促すようにしてもよい。
前述の実施の形態では、ナビ演出の判定の当りの割合が一定である例を示した。しかし、これに限らず、ナビ演出の判定の当りの割合は、変化可能としてもよい。たとえば、ナビ演出の判定に当りとなったときに、次回のナビ演出の判定における当り判定割合を変化させる(増加させる、または、低下させる)ようにしてもよい。
前述の実施の形態では、左遊技領域にゲート32を設けた例を示したが、これに限らず、右遊技領域にゲート32を設け、高ベース状態中は、右遊技領域のゲート32を狙って右打ちをさせるようにし、大当り遊技状態後に低ベース状態となる第1小当りが発生するときに、「発射を止めろ」というようなメッセージを演出表示装置9に表示して右打ちナビ表示を実行するようにしてもよい。
前述の実施の形態では、ナビ演出の判定の当りの確率として、高確率状態と、低確率状態とのいずれかに設定されるものとし、低確率状態において、ナビ演出の判定が実行されるごとに、確率移行抽選をし、当選したときに、低確率状態から高確率状態に移行する制御を行なうようにしてもよい。このような高確率状態は、所定回数のナビ演出の判定がされたとき、または、所定時間が経過したとき等の所定の終了条件が成立したときに終了し、低確率状態に移行するようにすればよい。
前述の実施の形態では、演出ゲートスイッチ60の検出信号を演出制御用マイクロコンピュータ100に入力する例を示した。しかし、これに限らず、演出ゲートスイッチ60の検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力する構成とし、演出ゲートスイッチ60から入力された検出信号に基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、発射案内に関する処理を実行して、当該処理に基づく発射案内制御内容を演出制御コマンドにより演出制御用マイクロコンピュータ100に指示し、当該指示に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が前述のような発射案内に関する演出制御を行なうようにしてもよい。
前述の実施の形態に示したナビ抽選演出としては、バトル演出の代わりに、または、バトル演出に加えて、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)させる演出を実行可能としてもよい。演出図柄としては、たとえば、左図柄、中図柄、および、右図柄というような、左右方向に並ぶ3つの表示領域で演出図柄(たとえば、数字図柄等)を所定時間変動表示した後、表示結果を表示し、ナビ抽選で当りとなるときに、その表示結果が特定表示結果(たとえば左図柄、中図柄、および、右図柄がゾロ目の表示結果)となり、ナビ抽選ではずれとなるときに、その表示結果が特定表示結果以外の表示結果となるような演出を実行するようにしてもよい。そのような演出をするときには、特定表示結果の種類によってナビストック数を示唆する演出(たとえば、左,中,右図柄の停止図柄が7,7,7というゾロ目となるときには、それ以外のゾロ目となるときよりもナビストック数が多いことを示唆する演出等)を実行するようにしてもよい。
前述の実施の形態では、小当り遊技状態となったときに、0.5秒間というような短い開放時間で特別可変入賞球装置22を開放する制御を行なうことにより、ナビ演出が実行されないときに、遊技者が、小当り遊技状態での特別可変入賞球装置22の開放に合せて右打ちをしても、特別可変入賞球装置22に遊技球を入賞させることが困難となるようにしている。具体的には、小当り遊技状態となったときに、たとえば0.5秒間というような短い開放時間で特別可変入賞球装置22が開放されると、その開放状態を遊技者が確認してから右打ちをしても、特別可変入賞球装置22への遊技球の到達が間に合わない。また、この実施の形態では、遊技球が流下する流路の底面として形成される底面部材22eの動作により、多数の遊技球の入賞が見込める構成の特別可変入賞球装置22を小当り遊技状態において開放させることにより、小当り遊技状態となったときに、0.5秒間というような短い開放時間で特別可変入賞球装置22を開放する制御を行なうときであっても、ナビ演出が実行されるときには、多数の遊技球を特別可変入賞球装置22に入賞させることが可能となり、V入賞が発生しやすい構成としている。
前述の実施の形態では、高ベース状態中において、高ベース状態が継続可能な変動表示回数を特定可能な情報、および、ナビストック数を特定可能な情報を演出表示装置9において表示するようにしてもよい。
前述の実施の形態では、高ベース状態中において、特別図柄の変動表示に対応する演出として、前述した演出図柄の変動表示を演出表示装置9において実行するようにしてもよい。たとえば、左図柄、中図柄、および、右図柄というような、左右方向に並ぶ3つの表示領域で演出図柄を所定時間変動表示した後、表示結果を表示し、特別図柄の表示結果が小当り表示結果となるときに、その表示結果が特定表示結果(たとえば左図柄、中図柄、および、右図柄がゾロ目の表示結果)となり、特別図柄の表示結果がはずれ表示結果となるときに、その表示結果が特定表示結果以外の表示結果(はずれ表示結果)となるような演出を実行するようにしてもよい。
前述した特別図柄の変動表示に対応する演出として演出図柄の変動表示を演出表示装置9において実行するときには、当該変動表示と、前述のようなナビ抽選演出(前述のバトル演出でもよく、変動表示演出でもよい)とが同時に表示可能となるような演出を実行するようにしてもよい。
前述した実施の形態では、ナビ抽選をするための保留記憶情報(演出口保留記憶情報)の記憶数について、上限値を設けた例を示した。しかし、これに限らず、このような上限数は設けなくてもよい。
前述の実施の形態において、発射案内をする案内手段としては、演出表示装置9のように右打ちナビ表示9gによる発射案内をする第1案内手段と、右打ちランプ50の点灯による発射案内をする第2案内手段とを示した。この第2案内手段としては、右打ちランプ50のようなLED等のランプで表示すること、スピーカ27からの音声出力で案内すること、演出表示装置9よりも小型の画像表示装置(たとえば、液晶表示装置等のどのような画像表示装置であってもよい)で特定の画像表示をする等、遊技者に発射案内であることを認識させることができるものであればどのような態様で発射案内を実行してもよい。また、第2案内手段としては、演出表示装置9の表示画面上で、第1案内手段とは異なる画像表示(たとえば、右打ちナビ表示9gよりも小型の画像で発射案内をする画像表示)をすることによる発射案内をするようにしてもよい。つまり、第2案内手段としては、第1案内手段よりも目立たない発射案内をするものであれば、どのようなものを用いるようにしてもよい。
前述の実施の形態において、発射案内をする第2案内手段としては、右打ちランプ50のようなパチンコ遊技機1に設けられた装置により案内をする例を示した。しかし、これに限らず、第2案内手段としては、パチンコ遊技機1とは別に設けられた情報表示装置(たとえば、パチンコ遊技機1上に設けられ、大当り回数等の遊技情報を表示する装置)を用いて、発射案内(たとえば、発射案内画像の表示、発射案内ランプの点灯等の各種発射案内)をするようにしてもよい。その場合には、発射案内をするための情報を、パチンコ遊技機1から外部装置(たとえば、遊技店内の各種遊技機を管理するホール管理用コンピュータ等)に出力し、その外部装置が、情報表示装置により発射案内をさせる演出制御を実行するようにしてもよい。
前述の実施の形態において、小当り遊技状態としては、特別可変入賞球装置22が開放を開始してから所定時間(0.5秒間)が経過したときという第1閉鎖条件が成立する前に、遊技球がV入賞領域22aにV入賞したときという第2閉鎖条件、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が特別可変入賞球装置22に入賞したことが検出されたという第3閉鎖条件が成立したときに、その時点で、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御される例を示したが、これに限らず、特別可変入賞球装置22が開放を開始してから所定時間(0.5秒間)が経過したときにのみ、特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御されるようにしてもよい。また、第1閉鎖条件と、第2閉鎖条件とのいずれかが成立したときに特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御されるようにしてもよい。また、第1閉鎖条件と、第3閉鎖条件とのいずれかが成立したときに特別可変入賞球装置22が閉鎖状態に制御されるようにしてもよい。
前述の実施の形態において右打ちランプ50の点灯のみをナビ演出として実行する第2ナビ演出の実行タイミングは、特別可変入賞球装置22の開放前のタイミングであってもよく、特別可変入賞球装置22の開放中のタイミングであってもよく、特別可変入賞球装置22の開放後にしばらくしてから(開放時から比較的短い所定時間経過後)のタイミングであってもよい。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(3) 上記実施の形態においては、演出ゲート61に進入した遊技球の検出に基づいてナビ抽選演出を実行し、特別図柄の変動表示が実行されるときに、演出表示装置9において、演出図柄等の図柄の変動表示をせずに、ナビ演出を実行するというような発射案内を実行する例を示した。しかし、このような発射案内をするときには、演出表示装置9において、特別図柄の変動表示と同期する態様で、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示させる演出(可変表示ともいう)を実行可能としてもよい。たとえば、このような発射案内をするときには、演出図柄を変動表示しない演出モードと、演出図柄を変動表示する演出モードとのいずれかの演出モードが選択され、選択された演出モードが実行されるようにしてもよい。そして、このようなナビ抽選演出およびナビ演出を含む発射案内は、すべての小当りが発生するまでのすべての遊技状態において実行する例を示した。しかし、これに限らず、このようなナビ抽選演出およびナビ演出を含む発射案内は、複数種類の演出モードのうちの一部の演出モード(たとえば、発射演出モード)が選択されたときに実行されるようにしてもよい。つまり、このような発射演出モード以外の演出モードにおいては、特別図柄の発射案内を実行しないようにしてもよい。
(4) 演出表示装置9において、演出図柄を変動表示するときには、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する。ここで、演出表示装置9において、リーチとは、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態をいう。また、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。このように演出表示装置9において演出図柄を変動表示するときの変動パターンを通知するためには、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信するようにしてもよく、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(5) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
(6) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラムおよびデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(7) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの大当りのみを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、複数種類のラウンド数の大当り種別を設け、V入賞の検出に応じて、大当りとすることが決定されたときに、実行するラウンド数の大当り種別を選択するようにしてもよい。また、その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(8) 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
(9) 前述した実施の形態では、大当り遊技状態の終了後において、高ベース状態となる場合と、低ベース状態になる場合との2種類の遊技状態が選択される例を示した。しかし、これに限らず、大当り遊技状態の終了後において、当り判定により小当りとすることが決定される確率が通常状態よりも向上した高確率状態(確率変動状態)に制御するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、特別図柄プロセス処理において、小当り遊技状態の制御をするプロセスと、大当り遊技状態の制御をするプロセスとを分けて設けた例を示した。しかし、前述した実施の形態では、小当り遊技状態と大当り遊技状態とで開放する可変入賞装置を共通化(特別可変入賞球装置22)したため、これに限らず、たとえば、開放前処理、開放中処理、および、開放終了処理を共通のプロセス処理で実行可能とするようにてしてもよい。その場合においては、開放前処理、開放中処理、および、開放終了処理のそれぞれプロセス処理において、小当り遊技状態用の処理と、大当り遊技状態用の処理とを設け、小当り遊技状態であるか、大当り遊技状態であるかに応じて、各プロセス内の処理を使い分けるようにすればよい。
(11) 前述の実施の形態では、遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り状態、時短状態、高ベース状態、および、大当り遊技後の遊技状態が通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態等、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であればどのような遊技状態であってもよい。
(12) 前述した実施の形態では、特別可変入賞球装置22における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(13) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末などの「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
(14) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。