以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置、球発射手段)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。また、遊技領域8aは、左打ち領域(第1遊技領域)及び右打ち領域(第2遊技領域)を含んでおり、遊技者はハンドルユニット16を操作することで左打ち領域又は右打ち領域に向けて遊技球を打ち込むことができる。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄(普通図柄又は特別図柄)の変動中や普通図柄当りの確定表示中、高確率状態での遊技中等の様々な状況に応じて各種の演出(予告演出、期待度示唆演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図5)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動ゲート20(第1始動ゲート)や右始動ゲート21(第2始動ゲート)、普通入賞口(入賞装置)22,24,25、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が分布して設置されている。このうち中始動ゲート20は遊技領域8aの下部分の中央に位置しており、右始動ゲート21は遊技領域8aの右側部分でその上部寄りに位置している。また、3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分でその下寄りに位置しており、他の1つの普通入賞口24は中始動ゲート20の下方に位置している。残るもう1つの普通入賞口25は、遊技領域8aの右側部分にあって、右始動ゲート21の下方に位置しており、その直下方に可変入賞装置30が配置されている。また、可変始動入賞装置28は遊技領域8aの右側部分でその下寄りに位置し、中始動ゲート20の右方に並んで配置されている。このため、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30は、左打ち領域を流下する遊技球が入球困難な位置であって右打ち領域を流下する遊技球が入球可能な位置に配置されていることになる。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動ゲート20や右始動ゲート21を通過したり、普通入賞口22,24,25に入球(入賞)したり、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入球(入賞)したりする。なお、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動ゲート20を通過するか、もしくは普通入賞口22,24に入球(入賞)する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に右始動ゲート21を通過するか、普通入賞口25に入球(入賞)するか、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入球(入賞)する可能性がある。中始動ゲート20や右始動ゲート21を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、普通入賞口22,24,25や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入球(入賞)した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って始動入賞口28aへの入球(入賞)を可能にする(普通電動役物、可変入球手段)。可変始動入賞装置28は、例えば1つの開閉部材28bを有しており、この開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材28bは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき始動入賞口28aへの入球は不能(始動入賞口28aが閉鎖中)である。可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28bがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、始動入賞口28aを開放する(開放状態)。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が不能ではない状態、つまり入球が可能な開放状態となり、始動入賞口28aへの入賞という事象(抽選契機)を発生させることができる(可変入賞手段)。なお、このとき開閉部材28bは始動入賞口28aへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(作動時の始動入賞口28a)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の可変始動入賞装置28に必ず流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また、上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で規定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、大入賞口30bへの入球(入賞)を可能にする(特別電動役物、特別遊技実行手段)。可変入賞装置30は例えば左右一対の開閉部材30aを有しており、これら開閉部材30aもまた、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に実線で示されるように、左右の開閉部材30aは各先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき大入賞口30bへの入球(入賞)は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変入賞装置30が作動すると、左右の開閉部材30aはそれぞれ閉止位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して大入賞口30bを開放する。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、大入賞口30bへの入球(入賞)を発生させることができる(可変入賞手段)。ここでも同様に、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変入賞装置30(開放時の大入賞口30b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変入賞装置30(大入賞口30b)に必ず流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24,25や可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)、可変入賞装置30(大入賞口30b)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、特別図柄表示装置34及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する(図柄表示手段、第1図柄表示手段)。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、特別図柄表示装置34は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第2図柄表示手段)。本実施形態では1つの特別図柄を使用しているため、特別図柄表示装置34として1個の7セグメントLEDを設ければよいが、図4に示されるように、予め2個の7セグメントLEDを実装しておくことで、2つの特別図柄を使用する他の機種にも同じハードウェア構成(統合表示基板89)を適用することができる。なお、本実施形態において特別図柄に対応する作動記憶ランプや作動記憶数表示装置は設けられていない。また、1つの特別図柄を2個の7セグメントLEDで表示してもよい。その他、特別図柄表示装置34は複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
遊技状態表示装置38には、例えば高確率状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38d、発射位置指定表示ランプ38e(発射位置指定表示手段)にそれぞれ対応する3つのLEDが含まれている。なお、図4中、特に参照符号を付していない他のランプ(LED)は未使用(ブランク)のものである。本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤ユニットのその他の構成:図3を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40c,40k,40m等を備えている。装飾部品40b,40c,40k,40mはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器、演出表示手段)が設置されており、この液晶表示器42には普通図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eは例えば上下2段に形成されており、このうち上段が遊技者からみて奥に位置し、下段が遊技者からみて手前に位置する。上下2段とも、それぞれ転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがてその下段から下方の遊技領域8a内に流下する。
また、転動ステージ40eの略中央位置には流入通路40gが形成されており、この流入通路40gには上段の転動ステージ40eから遊技球が無作為に流入し得る。流入通路40gは演出ユニット40の下縁部を下方に延びた後、手前側へL字形状に屈曲して形成されており、その終端に球放出口40hが形成されている。球放出口40hは前面に向けて開口しており、その開口位置が中始動ゲート20の真上に位置している。このため転動ステージ40e上から流入通路40g内に流入した遊技球は、球放出口40hから放出されて、その真下にある中始動ゲート20を通過しやすくなる(ただし、常に通過するわけではない。)。
その他に演出ユニット40には、演出用の可動体40f(例えばハート形の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。なお、可動体40fを用いた演出例については後述する。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した中始動ゲート20及び右始動ゲート21には、それぞれ遊技球の通過を検出するための中ゲートスイッチ78及び右ゲートスイッチ80が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して始動入賞口スイッチ82(検出手段)及びカウントスイッチ84(検出手段)が装備されている。このうち始動入賞口スイッチ82は、可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,24,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、入賞口スイッチ86は全ての普通入賞口22,24,25について共通のものを用いてもよいし、普通入賞口22,24,25のそれぞれに別々の入賞口スイッチ86を設置してもよい。例えば、盤面の左右と中央にそれぞれ別の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22に対する遊技球の入賞を検出し、中央の入賞口スイッチ86では盤面の中央に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出し、そして右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態では中ゲートスイッチ78、右ゲートスイッチ80、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信されるものとなっている。パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,38及びランプ33aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,38及びランプ33aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド(特別電動役物ソレノイド)90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を作動(開放)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
特に図示していないが、遊技盤ユニット8には磁気センサや振動センサも設置されており、このうち磁気センサは、その設置位置で遊技盤ユニット8に飛来してくる磁束を検出し、その密度(磁気強度)に応じた検出信号を出力する。また、振動センサは、その設置位置で遊技盤ユニット8に加えられる加速度(振動)を検出し、その大きさに応じた検出信号を出力する。これら磁気センサや振動センサの検出信号は、例えばパネル中継端子板87を通じて主制御装置70(主制御CPU72)に入力されている。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。演出制御CPU126には、主制御CPU72よりも高速(高クロック周波数)で、データバス幅が広い(例えば64ビット)タイプのものを使用することができる。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46,48,50,52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46,48,50,52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作すると、それぞれ接点信号(押し込み操作時)又は回転角信号(回転操作時)がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体ソレノイド57が接続されている。可動体ソレノイド57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体ソレノイド57にそれぞれ印加されている。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。なお、バックライトにLEDアレイを用いる場合、インバータ基板158に代えてLED駆動基板(図示していない)を設置することができる。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56、可動体40fを用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(例えば24ビットカラー画素)を個別に駆動する。
ここで、画像ROM154(画像記憶手段)は、演出用の複数の画像(演出図柄の画像や大当り中の画像、背景画像等)を予め記憶しているとともに、後述する発射位置指定演出に用いられる画像(左打ち演出用の画像や右打ち演出用の画像)を他の演出用の画像から独立した画像として記憶している。
このように、本実施形態によれば、発射位置指定演出に用いられる画像(左打ち演出用の画像や右打ち演出用の画像)を他の演出用の画像から独立した画像として記憶しているので、大当り用の画像等に左打ちや右打ち用の画像を組み込む必要がなく、結果として画像容量を軽減させることができる。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる(電源制御手段)。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図6及び図7は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72は、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、時間短縮状態指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、普通図柄作動記憶数コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド、発射位置指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、時間短縮状態に対応した演出状態、内部確率状態に対応した演出状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる(遊技状態復帰手段)。
ここで、発射位置指定コマンドは、バックアップされている発射位置ステータスの値に基づいて生成される。具体的には、発射位置ステータスの値が左打ちを示す値(0)である場合、主制御CPU72は、左打ちを示す発射位置指定コマンドを生成する。これに対して、発射位置ステータスの値が右打ちを示す値(1)である場合、主制御CPU72は、右打ちを示す発射位置指定コマンドを生成する。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、時間短縮機能作動/非作動状態、大当り遊技状態/非大当り遊技状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる(遊技状態復帰手段)。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図7に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートバッファをクリアし、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、特別図柄に対応する大当り決定乱数(ハードウェア乱数)及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、当り図柄乱数、大当り図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。なお、特別図柄に対応するリーチグループ決定乱数やリーチモード決定乱数については必要に応じて発生させることができ、使用しない場合は乱数発生の処理を省略することができる。いずれにしても、これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図8中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図8中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図8)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図8は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76の乱数カウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、中ゲートスイッチ78及び右ゲートスイッチ80からの検出信号や、始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:ここで主制御CPU72は、セキュリティ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の入力処理(ステップS203)でリードした入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)に基づいて、入球を有効なものとして扱うか否か(入賞が有効であるか否か)の判定を行う(入賞有効判定手段)。そして、主制御CPU72は入賞が有効であると判定した場合は入賞検出信号を保持するが、入賞が無効であると判定した場合、主制御CPU72は不正入賞エラーコマンドを生成したり、不正入賞による入賞検出信号のビットをON→OFFへ書き換えたりする。また、セキュリティ管理処理において、主制御CPU72は、上記の磁気センサや振動センサ(図示されていない)による不正行為の監視を行ったり、過度な入賞や中始動ゲート20又は右始動ゲート21の通過が発生しているか否かの判定を行ったりする。なお、セキュリティ管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80からの通過検出信号や始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80から通過検出信号が入力された場合に実行される処理や始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS206,ステップS207:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS207)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS205)の中で中始動ゲート20又は右始動ゲート21の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段、抽選実行手段、第1段階抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(抽選契機発生動作手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。なお、普通図柄遊技処理の詳細についても、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力し、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する(入賞特典付与手段)。なお、賞球払出処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS209:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる(ただし、本実施形態では小当りを用いていない。)。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209a:主制御CPU72は、発射位置指定フラグ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じて遊技球の発射位置を決定する処理を実行する(発射位置決定手段)。なお、具体的な処理の詳細については別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS210:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する(外部信号生成手段、外部信号送信手段)。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。なお、具体的な処理の詳細については別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS211:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS206)や普通図柄遊技処理(ステップS207)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS212:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS209)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS213:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS214:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS206〜ステップS213の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS215:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS216,ステップS217:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔セキュリティ管理処理〕
図9は、割込管理処理の中で実行されるセキュリティ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿ってセキュリティ管理処理の内容を説明する。
ステップS220:先ず主制御CPU72は、入賞有効判定処理を実行する。この処理では、例えば先の入力処理でリードした入賞検出信号の入力状態が「ON」のものについて、入賞が有効であるか否かを判定する(入賞有効判定手段)。なお、有効判定は、始動入賞口28aと大入賞口30bのそれぞれについて行われる。
〔「入球」,「入賞」の意義〕
ここで、本実施形態における「入球」と「入賞」の意義について説明する。
可変始動入賞装置28や可変入賞装置30については、それぞれが開放状態となって始動入賞口28a又は大入賞口30bに遊技球が流入することを「入球」とする。
「入球」した遊技球が始動入賞口スイッチ82又はカウントスイッチ84の貫通孔(検出部)を通過すると、各スイッチ82,84の入賞検出信号が「ON」になり、始動入賞口28a又は大入賞口30bへの「入球」が検出されたことになる。
ただし、検出された「入球」には適正でないものもある。検出された「入球」が適正でない例として、何らかの不正な手段によって可変始動入賞装置28や可変入賞装置30に遊技球が流入した場合が挙げられる。このため、入賞有効判定処理(ステップS220)では、検出された「入球」をセキュリティ上、有効なものとして扱うか否かの判定を行う。
そして、入賞有効判定処理において主制御CPU72が「入球」を有効なものとして扱うと判定した場合、そこで初めて「入賞」が発生したことになり、各スイッチ82,84の入賞検出信号は、以降の制御処理において引き続き有効なものとして使用される。逆に、「入球」は検出されたが、主制御CPU72がその「入球」を有効なものと扱わない(無効とする)と判定した場合、そもそも「入賞」が発生したことにはならない。この場合、各スイッチ82,84の入賞検出信号は無効化され、以降の制御処理(抽選や賞球の処理)には用いられない。
本実施形態では便宜上、入賞有効判定処理において「検出された『入球』を有効なものとして扱うと判定する」ことを「入賞が有効であると判定する」とも表現し、「検出された『入球』を有効なものと扱わないと判定する」ことを「入賞が有効でない(無効)と判定する」とも表現する。
〔判定条件〕
入賞有効判定処理において、主制御CPU72は、以下の条件に基づいて入賞が有効であるか否かを判定する。
〔始動入賞口28aについての有効判定〕
(1)可変始動入賞装置28(普通電動役物)に係る一連の動作中及び動作終了後から所定時間(例えば最長4秒程度)が経過するまでの期間以外に検出された始動入賞口28aへの入球ではないこと。
〔大入賞口30bについての有効判定〕
(2)可変入賞装置30(特別電動役物)に係る一連の動作中及び動作終了後から所定時間(例えば15秒程度)が経過するまでの期間以外に検出された大入賞口30bへの入球ではないこと。
上記の条件(1)を用いた判定は、例えば始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号(ON)が入力された割込周期において、普通遊技管理ステータスの値や各種の入賞有効タイマの値を参照して行うことができる。条件(1)を満たす場合、主制御CPU72は始動入賞口28aへの「入球」を有効なものとして扱うと判定し、始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号を以降の制御処理においても有効に使用する。一方、条件(1)を満たさない場合、主制御CPU72は始動入賞口28aへの入球を有効なものと扱わないと判定し、始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号を無効化する処理を行う。なお、普通遊技管理ステータスは、普通図柄に対応する遊技の進行状況に応じて主制御CPU72が制御上でセットする内部情報である。また、入賞有効タイマの値は、可変始動入賞装置28の閉鎖時間経過後、遊技球の停滞(いわゆる球噛み)を考慮して設定される(例えば2〜4秒程度)。
また、条件(2)を用いた判定は、例えばカウントスイッチ84からの入賞検出信号(ON)が入力された割込周期において、特別遊技管理ステータスの値や入賞有効タイマの値を参照して行うことができる。条件(2)を満たす場合、主制御CPU72は大入賞口30bへの「入球」を有効なものとして扱うと判定し、カウントスイッチ84からの入賞検出信号を以降の制御処理においても有効に使用する。一方、条件(2)を満たさない場合、主制御CPU72は大入賞口30bへの入球を有効なものとして扱わないと判定し、カウントスイッチ84からの入賞検出信号を無効化する処理を行う。なお、特別遊技管理ステータスは、特別図柄に対応する遊技の進行状況に応じて主制御CPU72が制御上でセットする内部情報である。ここでいう入賞有効タイマもまた、可変入賞装置30の閉鎖時間経過後に球噛み等を考慮して設定されている(例えば2〜4秒程度)。
入賞検出信号を無効化する処理では、条件(1),(2)のそれぞれについて割込周期ごとに判定を行い、入賞検出信号を無効化するごとに無効入賞カウンタの値をインクリメントする。そして、各条件(1),(2)について無効入賞カウンタの値が規定値(例えば5個)に達すると、主制御CPU72は内部情報として不正入賞エラーフラグをON(=1)にする。これにより、パチンコ機1において「不正入賞エラー」が発生することになる。
ステップS222:以上の入賞有効判定処理を終えると、次に主制御CPU72は、磁気検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の磁気センサ(図示されていない)からの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「磁石ゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為に相当する程度の磁束が検出された場合、主制御CPU72はセキュリティエラーフラグをON(=1)にする。これにより、パチンコ機1においてその他の「セキュリティエラー」が発生することになる。
ステップS224:また、主制御CPU72は、振動検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の振動センサ(図示されていない)からの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「ドツキゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為と認められる程度の振動が検出された場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。
ステップS226:次に主制御CPU72は、入賞超過検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は一定時間(例えば1分間)あたりの入賞発生回数をカウントし、不正行為に相当する程度の入賞超過が発生しているか否かを判断する。入賞超過と判断した場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。
ステップS228:また、主制御CPU72は、通過口超過検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は一定時間(例えば1分間)あたりの始動ゲート20の通過発生回数をカウントし、不正行為に相当する程度の超過が発生しているか否かを判断する。超過と判断した場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。
ステップS230:そして主制御CPU72は、上記の「不正入賞エラーフラグ」や「セキュリティエラーフラグ」の値をチェックする。いずれかのエラーフラグがON(=1)にセットされた場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS232を実行する。なお、いずれのエラーフラグもONにセットされなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS232を実行しない。
ステップS232:この場合、主制御CPU72はエラーコマンド処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して送信するエラーコマンド(エラー状態指定コマンド)を生成し、その値をコマンド送信バッファに転送する。なお、エラーコマンドは、発生したエラー別に異なる値をセットすることができる。例えば、「不正入賞エラーフラグ」がONの場合は「不正入賞エラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットし、「セキュリティエラーフラグ」がONの場合は「セキュリティエラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットする。なお、ここで生成されたエラーコマンドは、この後の演出制御出力処理(図11中のステップS213)で演出制御装置124に送信される。
ステップS234:また、主制御CPU72は、ここで不正入賞マスク処理を実行する。この処理では、先の入賞有効判定処理(ステップS220)で不正入賞エラーと判定したか否かに関わらず、主制御CPU72は有効でないと判定した全ての入賞検出信号をONからOFFに書き換える。これにより、同じ割り込み周期内で以降は入賞検出信号が「OFF(入賞は発生しなかったもの)」として扱われ、特別図柄の変動や賞球払い出し等は行われなくなる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
次に図10は、スイッチ入力イベント処理(図8中のステップS205)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、特別図柄に対応する始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS11に進んで特別図柄記憶処理を実行する。なお、特別図柄記憶処理(ステップS11)の具体的な内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS12に進む。
ステップS12:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS13に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:主制御CPU72は、普通図柄に対応する中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理(ステップS16)の具体的な内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図8)に復帰する。
〔普通図柄記憶更新処理〕
次に、上記の普通図柄記憶更新処理(図10中のステップS16)について説明する。図11は、普通図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。以下、普通図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS20:ここでは先ず、主制御CPU72は普通図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値の4未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている普通図柄当り決定乱数の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は普通図柄について4つのセクション(例えば各1バイト)に分けられており、各セクションには普通図柄当り決定乱数を1個ずつ記憶可能である。このとき、作動記憶数カウンタの値が上限値(最大値)に達していれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が上限値(最大値)未満であれば(No)、主制御CPU72は次のステップS21に進む。
ステップS21:主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1つ加算する。普通図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS211)で普通図柄作動記憶ランプ33aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS22:そして主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から普通図柄当り決定乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから普通図柄当り決定乱数値をリードすると、これを普通図柄当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。なお、普通図柄当り決定乱数値は、例えばRAM76の当り乱数カウンタ領域から取得することとしてもよい。この場合、主制御CPU72は、指定したアドレスから普通図柄当り決定乱数値をリードすると、これを普通図柄に対応する当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS23:主制御CPU72は、セーブした普通図柄当り決定乱数を普通図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これを領域内の空きセクションに記憶させる(抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に当り決定乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に当り決定乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO形式である。
ステップS24:そして主制御CPU72は、普通図柄演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は例えば普通図柄の始動音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するための設定を行う。なお、主制御CPU72はこの処理の前に例えば先読み判定処理を行ってもよい。この場合、主制御CPU72は先読み判定処理において抽選の当否を事前に判定し、その結果に基づいて普図先判定演出コマンドを生成する。そして、主制御CPU72はステップS24で普図先判定演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するための設定を行うことができる。
以上の手順を終えるか、もしくは普通図柄作動記憶数が4(最大値)に達していた場合(ステップS20:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
〔普通図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理中に実行される普通図柄遊技処理(図8中のステップS207)の詳細について説明する。
図12は、普通図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。普通図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1001)、普通図柄変動前処理(ステップS2001)、普通図柄変動中処理(ステップS3001)、普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)、可変始動入賞装置管理処理(ステップS5001)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って普通遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1001:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2001〜ステップS5001のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして普通図柄遊技処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(普通遊技管理ステータスの値)によって異なる。例えば、未だ普通図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動前処理(ステップS2001)を選択する。一方、既に普通図柄変動前処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動中処理(ステップS3001)を選択し、普通図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
〔普通遊技管理ステータス〕
主制御CPU72は、普通図柄に対応する遊技の進行状況(1)〜(8)に応じて普通遊技管理ステータスの値(カギ括弧内)を以下のようにセットする。
(1)普通図柄変動待ち状態:「00H」
(2)普通図柄変動表示中状態:「01H」
(3)普通図柄停止図柄表示中状態:「02H」
(4)可変始動入賞装置(普通電動役物)開放待ち状態:「03H」
(5)可変始動入賞装置(普通電動役物)開放状態:「04H」
(6)可変始動入賞装置(普通電動役物)閉鎖状態:「05H」
(7)可変始動入賞装置(普通電動役物)閉鎖後有効状態:「06H」
(8)可変始動入賞装置(普通電動役物)作動終了時間中状態:「07H」
ここで、主制御CPU72は、普通遊技管理ステータスの値を設定又は更新した場合、その値を反映させた普通遊技管理ステータスコマンドを生成する。普通遊技管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理(図8中ステップS213)において演出制御装置124に送信される。
ステップS2001:普通図柄変動前処理では、主制御CPU72は普通図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3001:普通図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。具体的には、普通図柄表示装置33を構成する2つのLEDに対してそれぞれON又はOFFの駆動信号を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって普通図柄の変動表示が行われる。なお、本実施形態では2つのLEDを交互に点灯及び消灯させることで、普通図柄の変動表示を行うため、駆動信号のパターンをシンプルに(例えば2パターンで)構成することができ、それだけ主制御CPU72の負荷を軽減することができる。
ステップS4001:普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。ここでも同様に、2つのLEDに対してそれぞれON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより普通図柄の停止表示が行われる。なお、本実施形態では上下2つのLEDのうち、例えば上のLEDを点灯させた状態で当選時の停止表示を行い、下のLEDを点灯させた状態で非当選時の停止表示を行うことができる(上下の論理は逆でもよい。)。また、主制御CPU72は、この普通図柄停止表示中処理にて、普通図柄に対応する図柄停止時コマンドを生成する。図柄停止時コマンドは、演出制御出力処理(図8中ステップS213)において演出制御装置124に送信される。
ステップS5001:可変始動入賞装置管理処理は、先の普通図柄停止表示中処理において当りの態様(例えば上のLEDが点灯)で普通図柄が停止表示された場合に選択される。普通図柄が当りの態様で停止表示されると、この処理において主制御CPU72は作動条件が満たされたものとして、可変始動入賞装置28を作動させる。なお、可変始動入賞装置28についての作動条件についてはさらに後述する。
可変始動入賞装置28の作動中は、先の実行選択処理(ステップS1001)においてジャンプ先が可変始動入賞装置管理処理(ステップS5001)にセットされ、普通図柄の変動表示は行われない。また、可変始動入賞装置管理処理においては、普通電動役物ソレノイド88が所定時間、規定回数(例えば1回)だけ励磁され、これにより可変始動入賞装置28が設定されたパターンで作動し、始動入賞口28aへの入賞の発生が可能となる(抽選契機発生動作手段)。なお、本実施形態においては、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄遊技処理も進行していくが、以下では便宜上、先に普通図柄遊技処理についての説明を一通り行うものとする。
〔普通図柄変動前処理〕
次に図13は、普通図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6100:先ず主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS6500のデモ設定処理を実行する。
ステップS6500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図8中のステップS213)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は普通図柄遊技処理に復帰する。
これに対し、普通図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6200を実行する。
ステップS6200:主制御CPU72は、普通図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(普通図柄当り決定乱数)を読み出し、これを例えば別の共通記憶領域に保存する。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は第1セクションから順に乱数を読み出し、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。共通記憶領域に保存された各乱数は、以降の当り判定処理で作動抽選に使用される。
ステップS6250:次に主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を1つ減算し、減算後の値を「普通図柄変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図8中のステップS213)の中で普通図柄作動記憶ランプ33による記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS6300を実行する。
ステップS6300:主制御CPU72は、当り判定処理(作動抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(作動抽選実行手段)。このとき設定される普通図柄当り値の範囲は、非時間短縮状態(時間短縮機能が非作動時)と時間短縮状態(時間短縮機能作動時)とで異なり、時間短縮状態では非時間短縮状態よりも当り値の範囲が拡大されることで、作動抽選の当選確率が非時間短縮状態に比較して極端に高く設定される。そして、このとき読み出した乱数値が当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は普通図柄当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS6400に進む。なお、本実施形態ではプログラム上で当り値の範囲を設定して当り判定を行っているが、予め当り判定テーブルをROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら当り判定を行うプログラミング例もある。また、状態別の具体的な当選確率については別の図面を用いてさらに後述する。
ステップS6400:主制御CPU72は、先の当り判定処理で当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6404を実行する。
ステップS6404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄指定コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS213)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、普通図柄表示装置33に2つのLEDを用いているため、例えば上記のように、はずれ時の停止図柄の表示態様をいずれか1つ(下側)のLEDの点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。このような考え方は、普通図柄表示装置33に7セグメントLEDを用いた場合も同様に適用することができる。
ステップS6406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄についてはずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、変動パターンの種類を区別したり、そのときの変動時間を規定したりするものであり、例えば主制御CPU72による乱数抽選で決定される。すなわち主制御CPU72は、この処理において例えば後述する変動パターン決定テーブルを参照し、このテーブル上で普通図柄当り乱数(非当選のもの)に対応する変動パターン番号を選択する。また、テーブルには、変動パターン番号に対応する変動時間(例えば6.0秒〜180秒)が予め設定されており、主制御CPU72は選択した変動パターン番号に対応する変動時間をテーブルから取得することができる。
なお、本実施形態では、はずれリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は、例えばステップS6250で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて設定される。また、変動時間については、非時間短縮状態と時間短縮状態とで設定が異なり、非時間短縮状態では上記のように選択した変動パターン番号に基づいて変動時間が設定されるが、時間短縮状態では固定値(例えば0.6秒)に設定される。なお、状態別の変動時間の設定についても、別の図面を使用してさらに後述するものとする。
また、本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図14は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン7,8(変動パターン番号「7」,「8」)に関しては、比較的長めの変動時間(例えば1分以上)が設定されており、「特定種類の変動パターン」として規定されており、例えば、通常のリーチ演出よりも比較的長めのスーパーリーチ演出が実行される。なお、このような変動パターン選択テーブルは、この処理時ではなく、当該変動前に(例えば、始動ゲート20を遊技球が通過した際に)事前に当りかはずれかを判定する事前判定処理においても使用される(大当り時も同様)。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔図13:普通図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS6404,ステップS6406は、当り判定結果がはずれ時の制御手順であるが、判定結果が当り(ステップS6400:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
ステップS6410:主制御CPU72は、当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄番号を決定する。ただし本実施形態では、普通図柄について複数の当選図柄が設けられていないため、基本的に主制御CPU72は、1種類の停止図柄番号を選択することになる。
ステップS6412:次に主制御CPU72は、当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、後述する当り時変動パターン選択テーブルを参照し、例えばRAM76のカウンタ領域からリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数を取得すると、それらの値に基づいて普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。本実施形態のパチンコ機1による遊技では、基本的に、普通図柄の当り時には図柄演出を含めて当り時のリーチ変動を行うため、ここでは最終的に当り時リーチ変動パターンが選択される。なお、一般的に当り時のリーチ変動の場合、はずれ通常変動時よりも長い変動時間が決定される。また、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数は、このステップS6412で取得する以外に、例えば先の普通図柄記憶更新処理(図11)の中で取得してもよい。この場合、主制御CPU72は普通図柄記憶更新処理のステップS23において、取得した普通図柄変動用乱数を当り決定乱数とセットで記憶させるものとする。また、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数を記憶しておく態様であれば、それらの記憶内容を用いて当該変動前に変動パターンの先読みに基づく予告演出を発生させることが可能である。
〔当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図15は、当り時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、当りに当選した場合に使用するテーブルである。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「13」〜「20」が割り当てられている。
ここで、変動パターン番号「13」〜「19」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。また、変動パターン番号「20」は、リーチ演出が行わずに当りとなる変動パターンに対応している。このため、変動パターン番号「13」〜「19」が選択された場合は、リーチ演出が実行されるので比較的長めの変動時間(例えば30秒以上)で当りとなるが、変動パターン番号「20」が選択された場合は、リーチ演出が行われないため、比較的短い変動時間(10秒〜20秒程度)で当りとなる。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「14」を選択する。
〔図13:普通図柄変動前処理を参照〕
ステップS6413:主制御CPU72は、当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄番号に基づいて、普通図柄表示装置33による停止図柄(当り図柄)の表示態様を決定する。ただし、上記のように本実施形態では停止図柄番号が1種類であるため、主制御CPU72は1つの表示態様(上側のLEDを点灯)を決定する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理(図8中のステップS213)において演出制御装置124に送信される。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、普通図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に普通図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は普通図柄遊技処理に復帰する。
〔図12:普通図柄変動中処理,普通図柄停止表示中処理〕
普通図柄遊技処理に復帰すると、主制御CPU72は普通図柄変動中処理(ステップS3001)を次のジャンプ先に設定する。普通図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数、又は割込カウンタのカウント数)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように普通図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を次のジャンプ先に設定する。
普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄決定処理(図13中のステップS6404,ステップS6410)で決定した停止図柄に基づいて普通図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、普通図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変始動入賞装置管理処理について説明する。
図16は、可変始動入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変始動入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5101)、開放パターン設定処理(ステップS5201)、開閉動作処理(ステップS5301)、閉鎖処理(ステップS5401)、終了処理(ステップS5501)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5101:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5201〜ステップS5501のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変始動入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変始動入賞装置28の作動を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として開放パターン設定処理(ステップS5201)を選択する。一方、既に開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として開閉動作処理(ステップS5301)を選択し、開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を選択する。また、開閉動作処理及び閉鎖処理を実行すると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔開放パターン設定処理〕
ステップS5201:開放パターン設定処理では、主制御CPU72は可変始動入賞装置28の開放パターンとして、例えば作動時間(開放時間)と作動回数(開放回数)を設定する。なお、本実施形態では、非時間短縮状態又は時間短縮状態のいずれにおいても、可変始動入賞装置28の作動時間及び作動回数は共通に設定される。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先として開閉動作処理(ステップS5301)を設定する。
ステップS5301:次の開閉動作処理では、主制御CPU72は先のステップS5201で設定した作動時間に基づいて普通電動役物ソレノイド212を駆動する。これにより、実際に可変始動入賞装置28の作動(開放)が行われる。また、主制御CPU72は、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を設定する。
ステップS5401:閉鎖処理では、主制御CPU72は作動時間の経過をタイマカウンタ値に基づいてカウントする。そして、タイマカウンタの値が0以下になれば、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド212を非作動状態(OFF)に切り替える。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を設定する。
ステップS5501:終了処理では、主制御CPU72は可変始動入賞装置28の作動を終了する際の条件を整える。例えば、主制御CPU72は普通電動役物作動フラグの値(01H)をリセットする。そして主制御CPU72は、普通図柄遊技処理の中の実行選択処理(図12中のステップS1001)でのジャンプ先を普通図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変始動入賞装置管理処理に復帰する。
〔普通図柄作動条件設定テーブル〕
図17は、普通図柄作動条件設定テーブルの構成例を示す図である。この普通図柄作動条件設定テーブルは、非時間短縮状態(通常中)と時間短縮状態(時短中)とで普通図柄の当り確率や変動時間を異なる設定とし、また、当り時の可変始動入賞装置28の開放パターン(作動時間及び作動回数)を設定するためのものである。
図17中の見出し行を除く上段に示されているように、本実施形態においては、非時間短縮状態(時間短縮機能の非作動時)で行われる作動抽選に際して、通常の当り確率(例えば1/99)が適用される。また、非時間短縮状態で行われる普通図柄の変動表示については、上記のように普通図柄変動用乱数を用いて設定された変動時間が適用される。
一方、図17中の見出し行を除く下段に示されているように、時間短縮状態(時間短縮機能の作動時)で行われる作動抽選に際しては、通常に比較して高い当り確率(例えば98/99≒1/1.01)が適用される。これにより、時間短縮状態では非時間短縮状態よりも高い頻度で作動抽選に当選する(作動条件が満たされる)ことから、それだけ高い頻度で可変始動入賞装置28への入賞が発生しやすくなる。また、時間短縮状態で行われる普通図柄の変動表示については、上記のように予め設定された固定の変動時間(例えば0.6秒)が適用されることになる。ただし本実施形態では、非時間短縮状態又は時間短縮状態のいずれについても、作動時間は共通(例えば6.0秒)に設定されており、また、作動回数(1回)についても共通に設定されている。
以上が普通図柄遊技処理(図8中のステップS207)を通して行われる作動抽選や可変始動入賞装置28を作動させるための制御手法の概要である。次に、可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への入賞に伴う特別図柄記憶処理(図10中のステップS11)及びその入賞の発生を契機として進行する特別図柄遊技処理(図8中のステップS206)の内容について説明する。
〔特別図柄記憶処理〕
図18は、特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。以下、特別図柄記憶処理について、手順例に沿って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は特別遊技管理ステータスの値が「00H」であるか否かを確認する。特別遊技管理ステータスは、特別図柄に対応する遊技の進行状況に応じて別途、主制御CPU72が以下のように設定している。
〔特別遊技管理ステータス〕
すなわち、主制御CPU72は、特別図柄に対応する遊技の進行状況(1)〜(8)に応じて特別遊技管理ステータスの値(カギ括弧内)を例えば以下のようにセットする。
(1)特別図柄変動待ち状態:「00H」
(2)特別図柄変動表示中状態:「01H」
(3)特別図柄停止図柄表示中状態:「02H」
(4)可変入賞装置(特別電動役物)開放待ち状態:「03H」
(5)可変入賞装置(特別電動役物)開放状態:「04H」
(6)可変入賞装置(特別電動役物)閉鎖状態:「05H」
(7)可変入賞装置(特別電動役物)閉鎖後有効状態:「06H」
(8)可変入賞装置(特別電動役物)作動終了時間中状態:「07H」
ここで、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスの値を設定又は更新した場合、その値を反映させた特別遊技管理ステータスコマンドを生成する。特別遊技管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理(図8中ステップS213)において演出制御装置124に送信される。
特別遊技管理ステータスの値が「00H」以外、つまり、現在の遊技の進行状況が特別図柄変動待ち状態(00H)以外である場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、特別遊技管理ステータスの値が「00H」である場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS32に進む。
ステップS32:主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを大当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、特別図柄の変動条件に関する乱数値として、例えば変動パターン決定乱数を取得する。この乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスから変動パターン決定乱数を取得すると、これを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS36:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数をともに特別図柄に対応する乱数記憶領域(この時点で空き状態)に転送し、これら乱数をセットで記憶させる。
ステップS38:そして主制御CPU72は、特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、例えば始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信する設定を行うためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは特別図柄作動記憶が既にあった場合(ステップS30:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図8)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。
図19は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。また、この処理において、主制御CPU72は確率変動機能に関して「リミッタ回数」を設定したり、その減算処理を行ったりする。なお、処理の具体的な内容や「リミッタ回数」の意義についてはさらに後述する。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90がある程度の時間(例えば最長で6.0秒間又は1個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば2回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(可変入賞手段)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を入球(入賞)させることで、遊技者には賞球(例えば1個の入賞に対して6個の賞球払出)を獲得する機会が与えられる(入賞特典付与手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が2回であれば、これらを「2ラウンド」と総称することがある。ただし、本実施形態では1回あたりの開放時間が比較的短時間(6.0秒)であり、また、1ラウンド内のカウント数が最小(例えば1個)であるため、一般的な15ラウンド大当り(例えば1ラウンド29秒開放、カウント数9個)と比較すると、1回の大当り(2ラウンド)で獲得できる賞球数は少なくなっている。
いずれにしても、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開放動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開放動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数(この例では2回)に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技(可変入賞装置30の開放動作)を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも高くなる(高確率状態移行手段)。本実施形態では、確率変動機能が非作動の「低確率状態」であっても、内部抽選での当選確率は2分の1程度の高い値(例えば65536分の32768程度)に設定されており、ここから「高確率状態」に移行した場合、当選確率はより高確率(例えば65536分の65535程度)に設定される。
また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率(例えば99分の1→99分の98)になり、普通図柄の変動時間が短縮して設定(例えば0.6秒程度に固定して設定)される。合わせて特別図柄の変動時間についても、非時間短縮状態より短縮して設定(例えば0.6秒程度に固定して設定)される。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。また、「低確率状態」又は「高確率状態」、「非時間短縮状態」又は「時間短縮状態」といった内部状態の変化の仕組みについては、特別図柄の当選図柄(当選種類)やパチンコ機1におけるゲームシステムと合わせてさらに後述する。
〔特別図柄変動前処理〕
図20は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、RAM76の乱数記憶領域に特別図柄作動記憶があるか否かを確認する。あるいは、ここで主制御CPU72は作動記憶数カウンタの値を参照し、特別図柄に対応する作動記憶数が0以外(=1)であるかを確認してもよい。なお、特別図柄の作動記憶は、上記のようにスイッチ入力イベント処理において可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への入賞の発生を契機として発生するものである。このとき、未だ変動を開始するべき特別図柄の作動記憶がないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図19)に復帰する。これに対し、特別図柄の作動記憶があることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、先ず主制御CPU72は、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出す。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存され、乱数記憶領域からは作動記憶が消去(消費)される。次に主制御CPU72は大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段、抽選実行手段、第2段階抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なる。いずれにしても、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄表示装置34によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS213)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、特別図柄表示装置34に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にはずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば0.6秒程度)に設定される。「時間短縮状態」でなければ、はずれ時の変動時間は例えば変動パターン決定乱数に基づいて決定される。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2406は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。本実施形態では低確率状態でも当選確率が2分の1と高い値であり、低確率状態でも変動時の2回に1回は以下の処理が選択されることになる。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別について今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2300で読み出した変動パターン決定乱数に基づいて特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。大当り時の変動時間についても、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくる。このため、主制御CPU72は遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。そして「時間短縮状態」であれば、基本的に大当り時であっても変動時間は短縮された時間(例えば0.6秒程度)に設定される。「時間短縮状態」でなければ、大当り時の変動中演出を行う時間を確保するため、ある程度の長い変動時間(例えば30秒〜90秒程度)に対応する変動パターンが設定される。また、本実施形態では、「非時間短縮状態」のはずれ時であっても、特別図柄の変動中に「はずれリーチ演出」を実行するため、ある程度の長い変動時間に対応する変動パターンが設定される。いずれにしても、主制御CPU72は、決定した変動時間(大当り時)の値を変動タイマにセットするとともに、大当り時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
ステップS2413:主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)がいずれかの確変図柄に該当する場合、例えば遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットし、合わせて回数切りカウンタ値(例えば10000回)をセットする。また、主制御CPU72は、そのとき決定した当選図柄に対応する時間短縮機能作動回数が付加されている場合、遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットし、あわせて回数切りカウンタ値(100回又は10000回)をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄に対応して付加された時間短縮機能作動回数の値に基づき、時間短縮機能作動回数コマンド(回数切りカウンタ数コマンドでもよい)を生成する。ここで生成された時間短縮機能作動回数コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、当選図柄の種類や時間短縮機能作動回数の付加については、具体例を挙げてさらに後述する。
また、ステップS2413の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて特別図柄表示装置34による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。また、主制御CPU72は、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図19:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図20中のステップS2404,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。なお、特別図柄停止表示中処理の手順についてはさらに別のフローチャートを用いて後述する。
〔大当り時の当選図柄〕
次に、先の大当り時停止図柄決定処理(図20中のステップS2410)で決定される当選図柄の種類について説明する。本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて以下の3種類が用意されている。3種類の内訳は、例えば「2ラウンド通常図柄1」、「2ラウンド確変図柄1」及び「2ラウンド確変図柄2」である。なお、本実施形態ではラウンド数の異なる当選図柄は設けられていないため、以下ではラウンド数を表記せずに「通常図柄1」、「確変図柄1」、「確変図柄2」等と適宜省略する。また、これらは好ましい例示に過ぎず、上記3種類の当選図柄は全てを網羅したものではない。
図21は、大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は先の大当り時停止図柄決定処理(図20中のステップS2410)において、図21に示される大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定することができる(当選種類決定手段)。また、主制御CPU72は、決定した当選図柄別にその時点での遊技状態(非時間短縮状態、時間短縮状態、低確率状態、高確率状態)に応じて時間短縮機能作動回数を決定することができる。
図21に示される大当り時停止図柄選択テーブル中、左端カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「2」,「55」,「43」は、それぞれ分母を100とした場合の割合(選択比率)に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「通常図柄1」、「確変図柄1」及び「確変図柄2」が示されている。すなわち、内部抽選での大当り時には、「通常図柄1」が選択される割合は100分の2(=2%)であり、また、「確変図柄1」が選択される割合は100分の55(=55%)であり、そして、「確変図柄2」が選択される割合は100分の43(=43%)となっている。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。ここでいう「通常図柄1」は、大当り後において確率変動機能を作動させることとならない当選図柄(非確変図柄)である。このため、本実施形態では全体として確変図柄の選択比率は98%であり、大当り時は極めて高い比率で「確変図柄」が選択されることになる。
〔初回リミッタ〕
次に、図21に示されるテーブル中、左から3番目のカラムには、大当り時の当選図柄別に設定される「初回リミッタ」の回数(上限回数)が示されている。「初回リミッタ」は、「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合に設定されるものであり、本実施形態では「確変図柄1」及び「確変図柄2」についてはいずれも「17回」となっている。また、「通常図柄1」については当然に「初回リミッタ」が設定されることはない(図中に「なし」と表記)。
〔時間短縮機能作動回数(時短回数)〕
次に、当選図柄(当選種類)別及び当選時の状態別に付加される時間短縮機能作動回数の違いについて説明する。本実施形態では、上述した3種類の当選図柄について、その当選時の状態に応じて付加される時間短縮機能作動回数が異なっている。以下、具体的に説明する。
(1)低確率非時短中
図21中の左から3番目のカラムに示されているように、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」であり、普通図柄(作動抽選)に関して「非時間短縮状態」である場合(確変中でもなく時短中でもない通常時)を想定する。この場合、当選図柄が「通常図柄1」に該当すると100回の時間短縮機能作動回数が付加される。なお、「通常図柄1」に該当した場合、大当り終了後の状態は「低確率状態」となる。
また、当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると、いずれについても10000回の時間短縮機能作動回数が付加される。なお、「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれに該当した場合であっても、大当り終了後の状態は「高確率状態」となる。
このように本実施形態では、低確率非時短中から特別図柄に対応する内部抽選で当選(確率2分の1)すると、当選図柄に関わらず、大当り遊技の終了後に「時間短縮状態」となる。したがって、「高確率非時短中」という状態には移行せず、大当り終了後は必ず「時間短縮状態」となる。また、「時間短縮状態(時短中)」で付加される時短回数の違いは、以下のように設定されている。
〔リミッタ回数の設定〕
先ず本実施形態においては、特別図柄(内部抽選)に関して当選時の内部状態が「低確率状態」であり、そこから「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかで当選(初回当選)すると、上記のように「リミッタ回数(初回リミッタ)」を設定することとしている(連続回数設定手段、制限回数設定手段)。この「リミッタ回数」は、「高確率状態」での当選時に主制御CPU72が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると連続して決定することができる限度(連続回数)を意味する。
〔初回リミッタ回数の選択〕
さらに本実施形態では、「リミッタ回数(初回リミッタ)」の設定に際して、上記のように「17回」を選択することとしている。この選択は、「低確率状態」からの当選時に「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれに該当したかによって決定することができる。すなわち、「低確率状態」から「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかで当選(初回当選)すると、先の特別図柄停止表示中処理(図19中のステップS4000)において、「初回リミッタ(リミッタ回数)」の設定に際して17回(1回目を含む)が選択される(連続回数設定手段、制限回数設定手段)。
〔リミッタ回数の減算〕
いずれにしても、「低確率状態」からの初当り時に設定された「リミッタ回数(初回リミッタ)」は、「高確率状態」での当選時に続けて「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれか(「通常図柄1」以外)に該当すると、その度ごとに1ずつ減算され、その残り回数(制限回数)が少なくなっていく。ただし、「リミッタ回数」が残り0回に達しない(残りが1回以上ある)間は、主制御CPU72は先の大当り時停止図柄決定処理(図20中のステップS2410)において、「高確率状態」での当選時に連続して「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると決定することが可能である。そこで先ず、「リミッタ回数」に1回以上の残りがある場合(リミッタ到達前)について説明する。
(2)リミッタ到達前高確率時短中
例えば、図21中の右から3番目のカラムに示されているように、特別図柄(内部抽選)に関して「高確率状態」であり、かつ、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」である場合を想定する。すなわち、上記(1)の低確率非時短中に「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合、大当り終了後は高確率時短中の状態となる。そしてこの場合でも、当選図柄に関わらず時間短縮機能作動回数が付加される。詳細には、当選図柄が「通常図柄1」に該当した場合、100回の時間短縮機能作動回数が付加される。また、当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると、いずれの場合も10000回の時間短縮機能作動回数が付加される。この場合、「高確率状態」で「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに連続当選しているため、上記のように「リミッタ回数」は1減算される。また、「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれに該当しても、大当り終了後の状態は「高確率状態」となり、合わせて「時間短縮状態」となる。一方、「通常図柄1」に該当した場合、大当り終了後の状態は特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」に復帰するが、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」は維持され、以下の「(3)低確率時短中」となる。
(3)低確率時短中
例えば、図21中の右から2番目のカラムに示されているように、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」であり、かつ、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」である場合を想定する。上記(1)の低確率非時短中に「通常図柄1」に該当するか、又は上記(2)のリミッタ到達前高確率時短中に「通常図柄1」に該当した場合、低確率時短中の状態となる。そして、この場合も同様に、3種類あるいずれの当選図柄についても、必ず時間短縮機能作動回数が付加される(第2段階抽選結果制限手段)。詳細には、当選図柄が「通常図柄1」に該当した場合、100回の時間短縮機能作動回数が付加される。また、当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると、いずれの場合も10000回の時間短縮機能作動回数が付加される。この場合、「低確率状態」から「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに初当選していることになるため、「リミッタ回数」は再設定される。また、この再設定に際して、当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」であれば17回が選択される。そして、「確変図柄1又は「確変図柄2」のいずれに該当しても、大当り終了後の状態は「高確率状態」となり、かつ「時間短縮状態」となるため、結果的に上記(2)のリミッタ到達前高確率時短中が再開されることになる。一方、「通常図柄1」に該当した場合、大当り終了後の状態が特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」に復帰するが、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」は維持される。
〔リミッタ到達時〕
「高確率状態」で連続して「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに当選し(選択比率98%)、その度ごとに「リミッタ回数」が減算された結果、上記の「リミッタ回数」が残り0回に到達した場合を想定する。
そして、「リミッタ回数」が残り0回に到達すると、「高確率状態」での当選時に主制御CPU72は「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると決定することができなくなる。具体的には、大当り図柄乱数が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに対応していたとしても、最終的な当選図柄は「通常図柄1」又は「通常図柄2」のいずれかへ強制的に変更される(当選種類規制手段、第2段階抽選結果制限解除手段)。
(4)リミッタ到達時高確率時短中
当選図柄の強制的な変更については、図21中の右端カラムに示されている。すなわち、「高確率状態」かつ「時間短縮状態」で「リミッタ回数」の残りが0回に達すると、テーブル上で「確変図柄1」(選択比率55%)に該当した場合であっても、最終的な当選図柄は「通常図柄1」に強制的に変更される(合成選択比率は57%)。あるいは、テーブル上で「確変図柄2」(選択比率43%)に該当した場合であっても、最終的な当選図柄は「通常図柄2」に強制的に変更されることになる。このような当選図柄の強制的な変更(規制)が行われる結果、「リミッタ回数」の残りが0回に達した後の「高確率状態」は継続されなくなり、大当り終了後に一度は「低確率状態」に強制的に復帰されることになる。さらに、当選図柄として「通常図柄1」が普通に選択された場合と、強制的に「通常図柄1」が選択された場合(合成選択比率57%)については、いずれも100回の時間短縮機能作動回数が付加されるが、強制的に「通常図柄2」が選択された場合(選択比率43%)は時間短縮機能作動回数が付加されない(0回=時短なし)。これはつまり、「リミッタ回数」が残り0回に到達すると、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」に必ず復帰するが、そのとき「時間短縮状態」から「非時間短縮状態」にも復帰する割合が全体の43%あり、残り57%の割合で「時間短縮状態」が維持されることを意味する(第2段階抽選結果制限解除手段)。
以上のように本実施形態では、当選時の状態別、リミッタ残数別(到達前・到達時)によって付加される時間短縮機能作動回数が異なっていることが分かる。特に本実施形態では、「(4)リミッタ到達時高確率時短中」において、強制的に「通常図柄2」が選択された場合にのみ「非時間短縮状態」となり、それ以外の場合は「時間短縮状態」となることが分かる。なお、本実施形態では、時間短縮機能作動回数が付加される場合を「第1区分の通常図柄(通常当選種類)」とし、時間短縮機能作動回数が付加されない場合を「第2区分の通常図柄(通常当選種類)」とする。また、本実施形態では、当選時の状態別やリミッタ残数別(到達前・到達時)に関わらず、「時間短縮状態」に移行される場合を、特定の条件を適用する旨の抽選結果が得られた場合としており、「時間短縮状態」に移行されない場合を、特定の条件を適用しない旨の抽選結果が得られた場合としている。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に、図22は、特別図柄停止表示中処理(図19中のステップS3000)の手順例を示すフローチャートである。以下に、特別図柄停止表示中処理の具体的な手順と合わせて、上記の「リミッタ回数」の設定(初回リミッタ17回の選択)や減算処理を行う手法について説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(例えば割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図19中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4310を実行する。
ステップS4310:主制御CPU72は、今回の当選図柄が確変図柄であるか否かを確認する。この確認は、大当り時停止図柄番号に基づいて行うことができる。すなわち、今回の大当り時停止図柄番号が上記の「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当する場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4320に進む。
〔確変図柄選択時〕
ステップS4320:主制御CPU72は、今回の当選時が「高確率状態」であるか否かを確認する。今回の当選時が「低確率状態」である場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4332を実行する。
ステップS4332:当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかである場合、主制御CPU72は「リミッタ回数(初回リミッタ)」として17回を設定する(連続回数設定手段及び連続回数設定手段としての処理、制限回数設定手段)。具体的には、主制御CPU72は「リミッタ回数」の値として17回(リミッタ残数=17)を例えばRAM76の残数カウンタ領域にセーブする。
ステップS4340:主制御CPU72は、先のステップS4332で設定した初回の「リミッタ回数」を1減算する。これは、「リミッタ回数」が「低確率状態」からの初回確変当選時を含むためである。なお、本実施形態では初回確変当選(1回目)を含めた「リミッタ回数」を設定することとしているが、「リミッタ回数」に1回目を含めない設定(例えば16回)とする場合、ステップS4340をスキップするロジックを採用してもよい。
以上は、今回の当選時が「低確率状態」である場合の手順例であるが、今回の当選時が「高確率状態」であった場合(ステップS4320:Yes)、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
〔初回リミッタ17回の減算〕
ステップS4340:初回リミッタが17回であった場合、主制御CPU72は「リミッタ回数」を減算(−1)し、その減算後の値を残数カウンタ領域にセーブ(更新)する。すなわち、初回に「リミッタ回数」が17回に設定された後の「高確率状態」であって、今回の当選が「確変図柄1」又は「確変図柄2」の2連続目であった場合、既に1回目の当選時に「リミッタ回数」が16回に減算されているので、主制御CPU72は2回目で「リミッタ回数」をさらに1つ減算し、その残りを15回として「リミッタ回数」を更新する。あるいは、今回の当選が「確変図柄1」又は「確変図柄2」の3連続目であった場合、2回目で15回に減算された「リミッタ回数」をさらに3回目で1つ減算し、その残りを14回として「リミッタ回数」を更新する。これにより、初回の「リミッタ回数」が17回に設定された後の「高確率状態」での大当り時に「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに連続して該当すると、その度ごとに「リミッタ回数」の残りが減少していくことになる(連続回数減算手段)。
この後、当選の度ごとに17回目まで連続して「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合、16回目で残り1回に減算された「リミッタ回数」をさらに17回目で1つ減算すると、その残りは0回に到達する。この場合、主制御CPU72が次回の当選時に先の大当り時停止図柄決定処理(図20中のステップS2410)を実行すると、図21のテーブルを用いた当選図柄の決定に際して「リミッタ回数」が残り0回に達しているため、上記のように「確変図柄1」は「通常図柄1」に強制的に変更され、「確変図柄2」は「通常図柄2」に強制的に変更されることになる。
〔通常図柄選択時〕
これに対し、先のステップS4310で今回の大当り時停止図柄番号が上記の「通常図柄1」に該当するか、もしくは強制的に決定された「通常図柄1」又は「通常図柄2」のいずれかに該当する場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4345に進む。
ステップS4345:この場合、主制御CPU72は「リミッタ回数」の値を0回にクリア(リミッタ残数=0)する。なお、主制御CPU72は、例えば先の大当り時停止図柄決定処理(図20中のステップS2410)において、今回の当選図柄として「通常図柄1」又は「通常図柄2」を選択した場合(強制を含む)、そこで「リミッタ回数」の値をクリアすることとしてもよい。
ステップS4346:いずれにしても、以上の手順を実行すると、次に主制御CPU72は、現在の「リミッタ回数」に基づいてリミッタ残数コマンドを生成する。ここで生成したリミッタ残数コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS213)で演出制御装置124に出力される。
ステップS4350:次に主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4355:また、主制御CPU72は、回数切り機能作動時フラグをリセットする。これにより、大当り遊技開始前に時間短縮機能又は確率変動機能の少なくとも一方が作動していた場合、当該機能は非作動となる。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域又は時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定されている。また、「時間短縮状態」の場合についても、上記のように当選図柄によって10000回の作動回数が付加される場合もある。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」や「時間短縮状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「時間短縮状態」の作動回数として100回が付加された場合、回数切りカウンタの値は100回に設定されるが、本実施形態では「時間短縮状態」での普通図柄(作動抽選)の当選確率は略1分の1(98/99)であるため、100回でも次回まで「時間短縮状態」が継続することは確率的に保証されている。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグを消去する。消去されるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはなく、同様に「時間短縮状態」で回数切りカウンタの値が0になることも実質的にない。ただし理論的には発生し得るので、もしも実際に回数切りカウンタの値が0になった場合、対応する確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグは消去される。これにより、特別図柄の停止表示を経て「高確率状態」又は「時間短縮状態」が終了する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔賞球払出処理〕
図23は、賞球払出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS1300:主制御CPU72は、可変始動入賞装置28に対応する始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1310及びステップS1320を実行する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS1310及びステップS1320を実行しないで、次にステップS1330を実行する。
ステップS1310:主制御CPU72は、第1利益に対応する賞球指示コマンドを生成する。ここで、第1利益とは、可変始動入賞装置28での1回の入賞の発生に対する賞球数を示しており、例えば9個の遊技球の払い出しによる利益とすることができる。ここで生成された賞球指示コマンドは、払出制御装置92に対して出力される。
ステップS1320:主制御CPU72は、第1利益に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、演出制御出力処理(図8中ステップS213)において演出制御装置124に送信される。
ステップS1330:主制御CPU72は、可変入賞装置30に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1340及びステップS1350を実行する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS1340及びステップS1350を実行しないで、次にステップS1360を実行する。
ステップS1340:主制御CPU72は、第2利益に対応する賞球指示コマンドを生成する。ここで、第2利益とは、可変入賞装置30での1回の入賞の発生に対する賞球数を示しており、例えば6個の遊技球の払い出しによる利益とすることができる。ここで生成された賞球指示コマンドは、払出制御装置92に対して出力される。
ステップS1350:主制御CPU72は、第2利益に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、演出制御出力処理(図8中ステップS213)において演出制御装置124に送信される。
ステップS1360:主制御CPU72は、普通入賞口22,24,25に対応する入賞口スイッチ86から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1370及びステップS1380を実行する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS1370及びステップS1380を実行しないで割込管理処理(図8)に復帰する。
ステップS1370:主制御CPU72は、第3利益に対応する賞球指示コマンドを生成する。ここで、第3利益とは、普通入賞口22,24,25での1回の入賞の発生に対する賞球数を示しており、例えば10個の遊技球の払い出しによる利益とすることができる。ここで生成された賞球指示コマンドは、払出制御装置92に対して出力される。
ステップS1380:主制御CPU72は、第3利益に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、演出制御出力処理(図8中ステップS213)において演出制御装置124に送信される。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込管理処理(図8)に復帰する。
図24は、発射位置指定フラグ管理処理で用いる右打ち条件の一覧を示す表である。
図中左カラムには、主制御CPU72が右打ちであると判断する際の条件が示されている。具体的には、第1条件から第4条件までの4つの条件が示されている。
主制御CPU72は、これらの4つの条件が規定されている右打ち条件テーブル(発射位置指定条件規定手段)を参照しながら、これらの4つの条件が満たされているか否かを判定する。そして、主制御CPU72は、第1条件から第4条件までの4つの条件のうち、いずれか1つの条件でも満たしている条件がある場合に右打ちであると判断する。なお、主制御CPU72は、すべての条件を満たしている場合は当然ながら右打ちであると判断する。
一方、図中右カラムには各条件の詳細が示されている。以下、各条件の詳細を順番に説明する。
〔第1条件〕
第1条件は、「可変入賞装置(特別電動役物)が作動中であること」である。第1条件を満たしているか否かについては、特別遊技管理ステータスの値により判断することができる。具体的には、特別遊技管理ステータスの値が「03H」〜「07H」である場合、主制御CPU72は、第1条件を満たしていると判断することができる。
〔第2条件〕
第2条件は、「非時短中に可変始動入賞装置(普通電動役物)が作動中であること(終了時間中を除く)」である。第2条件を満たしているか否かについては、非時間短縮状態における普通遊技管理ステータスの値により判断することができる。具体的には、非時間短縮状態において、普通遊技管理ステータスの値が「03H」〜「06H」である場合、主制御CPU72は、第2条件を満たしていると判断することができる。
〔第3条件〕
第3条件は、「時短中に普通図柄が変動表示中であること」、「時短中に普通図柄が停止表示中であること」、「時短中に可変始動入賞装置(普通電動役物)が作動中であること(終了時間中を除く)」である。なお、これらの条件を1つでも満たしている場合、主制御CPU72は、第3条件を満たしていると判断する。また、本実施形態では、「時短中に普通図柄が変動表示中であること」という条件に当選時の普通図柄の変動、及び非当選時の普通図柄の変動の両方を含ませている。
第3条件を満たしているか否かについては、時間短縮状態における普通遊技管理ステータスの値により判断することができる。具体的には、時間短縮状態において、普通遊技管理ステータスの値が「01H」〜「06H」である場合、主制御CPU72は、第3条件を満たしていると判断することができる。
〔第4条件〕
第4条件は、「時短中に普通図柄の作動記憶が存在していること」である。第4条件を満たしているか否かについては、時間短縮状態における普通図柄の作動記憶数を確認することにより判断することができる。具体的には、時間短縮状態において、普通図柄の作動記憶数が「1以上」である場合、主制御CPU72は、第4条件を満たしていると判断することができる。
そして、主制御CPU72は、これらの4つの条件を参照しながら、以下の発射位置指定フラグ管理処理において、左打ちか右打ちかを決定する。
〔発射位置指定フラグ管理処理〕
図25は、発射位置指定フラグ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS1100:主制御CPU72は、発射位置指定フラグの前回状態を保存する。ここで、発射位置指定フラグとは、主制御CPU72による発射位置の決定内容を記憶する(遊技球の発射位置に関する状態を保持する)変数でありRAM76に記憶されている(決定内容記憶手段)。発射位置指定フラグにセットされる値は、「00H」、「01H」又は「03H」のいずれかである。そして、この処理において、主制御CPU72は、発射位置指定フラグの値を、発射位置指定フラグとは別のフラグ(例えば前回状態記憶フラグ)にコピーする。これにより、主制御CPU72は、発射位置指定フラグの前回状態を保存することができる。前回状態を保存する理由は、以下の制御処理にて発射位置指定フラグを上書きする処理が発生することから、前回の状態がいずれの状態であったのかが不明となることを回避するためである。
ステップS1102:主制御CPU72は、発射位置指定フラグに「00H」をセットする。ここで、発射位置指定フラグに「00H」をセットするということは、左打ちであるということを意味しているため、発射位置指定フラグに「00H」をセットすることにより、左打ちであるという情報が発射位置指定フラグに記憶されることになる。
ステップS1104:主制御CPU72は、内部状態が時間短縮状態であるか否かを確認する。時間短縮状態であるか否かは、時間短縮機能作動フラグにより確認することができる。
その結果、内部状態が時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1106を実行する。一方、内部状態が時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1114を実行する。
ステップS1104:主制御CPU72は、第4条件を満たすか否かを確認する。第4条件の詳細は上述した通りである。
その結果、第4条件を満たすことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1108を実行する。一方、第4条件を満たすことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1108を実行しない。
ステップS1108:主制御CPU72は、発射位置指定フラグに「03H」をセットする。ここで、発射位置指定フラグに「03H」をセットするということは、特殊状況下以外の右打ちであるということを意味しているため、発射位置指定フラグに「03H」をセットすることにより、通常の右打ちであるという情報が発射位置指定フラグに記憶されることになる。
ステップS1110:主制御CPU72は、第3条件を満たすか否かを確認する。第3条件の詳細は上述した通りである。
その結果、第3条件を満たすことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1112を実行する。一方、第3条件を満たすことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1112を実行せずに、ステップS1118を実行する。
ステップS1112:主制御CPU72は、発射位置指定フラグに「03H」をセットする。ここで、発射位置指定フラグに「03H」をセットするということは、特殊状況下以外の右打ちであるということを意味しているため、発射位置指定フラグに「03H」をセットすることにより、通常の右打ちであるという情報が発射位置指定フラグに記憶されることになる。
ステップS1114:主制御CPU72は、第2条件を満たすか否かを確認する。第2条件の詳細は上述した通りである。
その結果、第2条件を満たすことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1116を実行する。一方、第2条件を満たすことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1116を実行せずに、ステップS1118を実行する。
ステップS1116:主制御CPU72は、発射位置指定フラグに「03H」をセットする。ここで、発射位置指定フラグに「03H」をセットするということは、特殊状況下以外の右打ちであるということを意味しているため、発射位置指定フラグに「03H」をセットすることにより、通常の右打ちであるという情報が発射位置指定フラグに記憶されることになる。
ステップS1118:主制御CPU72は、特殊状況であるか否かを確認する(特殊発射位置決定手段)。
ここで、「特殊状況」とは、リミッタの残り回数(制限回数)が規定値(「0」)の1つ前の値(「1」)に達した場合であって、確変図柄に当選することによりリミッタの残り回数が再設定されなかった場合、リミッタの残り回数が規定値の1つ前の値に達した際の可変入賞装置30の作動終了後からリミッタの残り回数が規定値に達した際の可変入賞装置30の作動開始までの間である。
具体的には、特殊状況とは、いわゆるリミッタ機において、作動確率が高い値で役物連続作動装置の作動が連続し、リミッタ機能が作動するまでの初回を含めた役物連続作動装置の作動回数がx回の場合に、高確率状態が(x−2)回継続し、(x−2)回目の高確率時において特定図柄による(x−1)回目の条件装置の作動によって役物連続作動装置が作動した場合の当該役物連続作動装置の作動終了後から、x回目の条件装置が作動するまでの間(いわゆる「リミッタ作動時」)である。
その結果、特殊状況であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1120を実行する。一方、特殊状況であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1120を実行しない。
ステップS1120:主制御CPU72は、発射位置指定フラグに「01H」をセットする。ここで、発射位置指定フラグに「01H」をセットするということは、特殊状況下での右打ちであるということを意味しているため、発射位置指定フラグに「01H」をセットすることにより、通常とは異なる状況での右打ちであるという情報が発射位置指定フラグに記憶されることになる。
ステップS1122:主制御CPU72は、第1条件を満たすか否かを確認する。第1条件の詳細は上述した通りである。
その結果、第1条件を満たすことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1124を実行する。一方、第1条件を満たすことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1124を実行しない。
ステップS1124:主制御CPU72は、発射位置指定フラグに「03H」をセットする。ここで、発射位置指定フラグに「03H」をセットするということは、特殊状況下以外の右打ちであるということを意味しているため、発射位置指定フラグに「03H」をセットすることにより、通常の右打ちであるという情報が発射位置指定フラグに記憶されることになる。
ステップS1126:主制御CPU72は、発射位置指定フラグの前回状態と、現状の発射位置指定フラグとを比較する。なお、発射位置指定フラグの前回状態は、先のステップS1100において前回状態記憶フラグに記憶されている。
ステップS1128:そして、主制御CPU72は、BIT0(最下位ビット)が変化しているか否かを確認する。具体的には、前回状態記憶フラグの最下位ビットが「0」であり、現状の発射位置指定フラグの最下位ビットが「1」である場合、又は、前回状態記憶フラグの最下位ビットが「1」であり、現状の発射位置指定フラグの最下位ビットが「0」である場合、BIT0が変化したと判断する。
ステップS1130:主制御CPU72は、現状の発射位置指定フラグの最下位ビット(BIT0)を抽出する処理を実行する。例えば発射位置指定フラグが「00H」である場合には、BIT0として「0」が抽出され、発射位置指定フラグが「01H」又は「03H」である場合には、BIT0として「1」が抽出される。
ステップS1132:主制御CPU72は、コマンド後続値決定処理を実行する。具体的には、先のステップS1130にて抽出したBIT0の値に基づいてコマンド後続値を決定する処理を実行する。ここで、抽出したBIT0の値が「0」である場合、左打ち用の後続値として「00H」が選択され、抽出したBIT0の値が「1」である場合、右打ち用の後続値として「01H」が選択される。
ステップS1134:主制御CPU72は発射位置指定コマンドを生成する処理を実行する。具体的には、コマンドの先行値として発射位置指定コマンドであること示す識別子(例えば「E0H」)をセットし、コマンドの後続値として先のステップS1132で選択した後続値をセットして、発射位置指定コマンドを生成する。そして、ここで生成した発射位置指定コマンドは、送信バッファに格納され、演出制御出力処理(図8中のステップS213)で演出制御装置124に出力される(発射位置指定情報通知手段)。
このように、本実施形態では、発射位置の指定方向が変化した場合に限定して発射位置指定コマンドを通知するため、発射位置指定コマンドを送信する側の主制御装置70や、発射位置指定コマンドを受信する側の演出制御装置124の双方の通信負担を相乗的に軽減させることができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は割込管理処理(図8)に復帰する。
図26は、発射位置指定フラグの詳細を示す概念図である。
図中左カラムに示されるように、発射位置指定フラグにセットされる値は、「00H」、「01H」、又は「03」Hのいずれかの値である。
発射位置指定フラグに「00H」がセットされた場合、図中の中カラムに示されるように、「左打ちである」ということを意味している。
また、発射位置指定フラグに「01H」がセットされた場合、図中の中カラムに示されるように、「特殊状況下での右打ちである」ということを意味している。
さらに、発射位置指定フラグに「03H」がセットされた場合、図中の中カラムに示されるように、「通常(特殊状況下以外)の右打ちである」ということを意味している。
一方、図中右カラムには、発射位置指定フラグを2進数で示した値が示されている。発射位置指定フラグは1バイト(8ビット)の情報からなり、最上位ビットのBIT7から最下位ビットのBIT0により構成されている。
そして、発射位置指定フラグに「00H」セットされた場合、最上位ビットのBIT7から最下位ビットのBIT0には、2進数の情報として「00000000」が格納される。
また、発射位置指定フラグに「01H」セットされた場合、最上位ビットのBIT7から最下位ビットのBIT0には、2進数の情報として「00000001」が格納される。
さらに、発射位置指定フラグに「03H」セットされた場合、最上位ビットのBIT7から最下位ビットのBIT0には、2進数の情報として「00000011」が格納される。
そして、発射位置指定フラグにおける最下位ビットのBIT0の情報は、「発射位置指定信号1」、「発射位置指定コマンド」、及び「発射位置指定表示ランプ」の制御に用いられる。
一方、発射位置指定フラグにおける下から2番目のBIT1の情報は、「発射位置指定信号2」の制御に用いられる。
〔試験信号処理〕
図27は、試験信号処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS1150:主制御CPU72は、通常試験信号生成処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。
ステップS1152:主制御CPU72は、発射位置指定フラグの確認処理を実行する。具体的には、RAM76に記憶されている発射位置指定フラグをロードする処理を実行する。
ステップS1154:主制御CPU72は、発射位置指定フラグのBIT0に基づく発射位置指定信号1(第1外部信号)を生成する処理を実行する。具体的には、発射位置指定フラグのBIT0が「1」の値を示している場合、主制御CPU72は発射位置指定信号1をONにセットする。一方、発射位置指定フラグのBIT0が「0」の値を示している場合、主制御CPU72は発射位置指定信号1をOFFにセットする。
ステップS1156:主制御CPU72は、発射位置指定フラグのBIT1に基づく発射位置指定信号2(第2外部信号)を生成する処理を実行する。具体的には、発射位置指定フラグのBIT1が「1」の値を示している場合、主制御CPU72は発射位置指定信号2をONにセットする。一方、発射位置指定フラグのBIT1が「0」の値を示している場合、主制御CPU72は発射位置指定信号2をOFFにセットする。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は割込管理処理(図8)に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図28は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図8中のステップS213)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように特別図柄表示装置34、普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
また、状態表示設定処理(ステップS1220)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。なお、状態表示設定処理の詳細については別のフローチャートを用いて後述する。
〔状態表示設定処理〕
図29は、状態表示設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS1221:主制御CPU72は、電源投入時において確率変動機能作動フラグがONであるか否かを確認する。
その結果、電源投入時において確率変動機能作動フラグがONであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1222を実行する。一方、電源投入時において確率変動機能作動フラグがONであることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1223を実行する。
ステップS1222:主制御CPU72は、確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38cは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われて確率変動機能がOFF(非作動)にされるまで点灯し続け、その後、非表示に(消灯)切り替えられる。
ステップS1223:主制御CPU72は、確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して消灯信号を出力する。
ステップS1224:主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグがONであるか否かを確認する。
その結果、時間短縮機能作動フラグがONであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1225を実行する。一方、時間短縮機能作動フラグがONであることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1226を実行する。
ステップS1225:主制御CPU72は、時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、時短状態表示ランプ38dは、特に電源投入時であるか否かに関わらず点灯される。
ステップS1226:主制御CPU72は、時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して消灯信号を出力する。
ステップS1227:主制御CPU72は、発射位置指定表示ランプ管理処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、発射位置指定表示ランプ38eに対応するLEDを制御する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は表示出力管理処理(図28)に復帰する。
〔発射位置指定表示ランプ管理処理〕
図30は、発射位置指定表示ランプ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS1160:主制御CPU72は、発射位置指定フラグの最下位ビット(BIT0)を抽出する処理を実行する。例えば発射位置指定フラグが「00H」である場合には、BIT0として「0」が抽出され、発射位置指定フラグが「01H」又は「03H」である場合には、BIT0として「1」が抽出される。
ステップS1162:主制御CPU72は、ステップS1160にて抽出した抽出値が「1」であるか否かを確認する。
その結果、抽出値が「1」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1164を実行する。一方、抽出値が「1」であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1166を実行する。
ステップS1164:主制御CPU72は、発射位置指定表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38eは、特に電源投入時であるか否かに関わらず点灯される。
ステップS1164:主制御CPU72は、発射位置指定表示ランプ38eに対応するLEDに対して消灯信号を出力する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は状態表示設定処理(図29)に復帰する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図31は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開放動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。
ステップS5200:大入賞口開放パターン設定処理では、主制御CPU72は1ラウンド中の開放時間、閉鎖時間、インターバル及びラウンド数ごとの開放パターンを設定する。なお、本実施形態では、1ラウンドの開放時間が最大で例えば「6.0秒」、閉鎖時間は例えば「0.5秒程度」また、ラウンド数は「2ラウンド」に予め固定されている。これにより、開放タイマ、閉鎖タイマ、インターバルタイマ、ラウンド数カウンタにそれぞれ値がセットされることになる。そして主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。ただし、上記の開放パターンはあくまで一例であり、これに限定されるものではない。
ステップS5300:次に大入賞口開閉動作処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の開閉動作(開放動作)を制御する。具体的には、主制御CPU72は大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30の開閉部材30aが閉止位置から開放位置に変位し、大入賞口30bへの入球(入賞)の発生が可能な状態になる。また、主制御CPU72は、開放タイマのカウントダウンを実行し、開放タイマの値が0以下になっていなければ、次に入賞球数のカウントを実行する。開放時間が終了するか、もしくはカウント数が所定数(例えば1個)に達したことを確認すると、主制御CPU72は大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
この後、主制御CPU72は閉鎖タイマのカウントダウンを実行し、閉鎖タイマの値が0以下になると、続いてインターバルタイマのカウントダウンを実行する(1ラウンド目のみ)。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定する。2ラウンド目では、主制御CPU72は閉鎖タイマの値が0以下になると、次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定する。
ステップS5400:大入賞口閉鎖処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりする。すなわち、現在の遊技状態が大当り中(大役中)であれば、主制御CPU72は上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値が増加する。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定すると、入賞球数カウンタをリセットする。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後に主制御CPU72が再び大入賞口閉鎖処理を実行することで、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。そして、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。また、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図32は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。
ステップS5504:また、主制御CPU72は、ここで内部的に大役中の状態を終了する。
ステップS5505:次に主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域を参照し、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図20中のステップS2413)でセットされるものである。
ステップS5506:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5505:Yes)、主制御CPU72は確率変動機能に対応する回数切り機能作動時フラグをセットする。これにより、大当り遊技終了後の内部状態が「高確率状態」に設定される。
ステップS5507:そして主制御CPU72は、確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、高確率(65536分の65535程度)では非当選が10000回も連続することは確率的にほとんどないので、実質的に次回の当選まで高確率状態が続くことになる。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5505:No)、主制御CPU72はステップS5506,S5507を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域を参照し、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この時間短縮機能作動フラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図20中のステップS2413)においてセットされるものである。時間短縮機能作動フラグがセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5511を実行する。
ステップS5511:時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮機能に対応する回数切り機能作動時フラグをセットする。これにより、大当り遊技終了後の内部状態が「時間短縮状態」に設定される(時間短縮状態移行手段又は時間短縮状態継続手段としての処理)。
ステップS5512:また、主制御CPU72は、今回の当選図柄に対応する時間短縮機能作動回数(100回又は10000回)に基づき、時間短縮機能に対応する回数切りカウンタの値を設定する。設定した回数切りカウンタの値は、上述したRAM76の時短カウント領域に格納される。なお、時間短縮機能作動フラグがセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5511,S5514を実行しない。この場合、大当り終了後に「時間短縮状態」には移行しない(非時間短縮状態復帰手段としての処理)。
ステップS5514:主制御CPU72は、ここで状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセットに伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動回数に基づいて回数切りカウンタの値を設定した場合は内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動回数に基づいて回数切りカウンタの値を設定した場合、内部状態として「時間短縮状態」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS213)において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:大当り時に以上の手順を経ると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図19中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
以上が主制御装置70(主制御CPU72)による各種の制御処理の内容である。主制御CPU72がこれら処理を実行することで、パチンコ機1による遊技が具体的に進行することとなる。
〔ゲームフロー〕
次に図33は、本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れを一例として示すゲームフロー図である。パチンコ機1による遊技は、遊技者の操作に応じて遊技球を遊技領域8a内に打ち込む(発射する)ことで進行する。以下、遊技球の打ち出しを前提とした遊技の流れについて説明する。なお、以下の説明では、適宜、図中の参照符号F1〜F47等を括弧付きで示す。また、以下の説明で用いる「入賞」は、「検出された入球が有効なものとして扱われること」を意味している。
〔F1〕通常遊技中
例えば、遊技者がパチンコ機1で遊技を開始した当初は、パチンコ機1の内部状態が「通常遊技中」の状態となっているものとする。本実施形態において「通常遊技中」の状態は、普通図柄(作動抽選)に関して「非時間短縮状態(普図低確率)」であり、かつ、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態(特図低確率)」であることを意味する。
〔F2〕普通図柄非当選
〔F1〕通常遊技中において、中始動ゲート20(又は右始動ゲート21)を遊技中が通過すると、これを契機として上記の作動抽選が実行される。作動抽選の結果が非当選の場合、特に内部的な状態の変化は発生せず、そのまま〔F1〕通常遊技中が継続される。
〔F3〕通常遊技中の普通図柄当り
一方、〔F1〕通常遊技中に作動抽選で当選すると、ゲームフローが次の段階に進む。
〔F4〕可変始動入賞装置作動
この場合、可変始動入賞装置28が作動し、上記のように始動入賞口28aへの入賞の発生が可能な状態となる。なお、遊技領域8a(盤面)の構成上、普通図柄(作動抽選)の当選後は遊技領域8a内の右側部分に向けて遊技球を打ち込むことが遊技を進行させる上で必要となる。
〔F5〕入賞なし
可変始動入賞装置28の作動中(作動時間6.0秒)に始動入賞口28aへの入賞が発生しなかった場合、ゲームフローは〔F1〕通常遊技中に戻る。この場合、ゲームフローはまた作動抽選から再開される。
〔F6〕始動口入賞
これに対し、可変始動入賞装置28の作動中(作動時間6.0秒)に始動入賞口28aへの入賞が発生した場合、ゲームフローがさらに次の段階に進む。なお、内部抽選の契機となる入賞は1回だけが有効となるが、可変始動入賞装置28の作動中に複数回の入賞(平均して7〜8個の入賞)が発生すると、その都度、入賞特典(例えば入賞球1個につき12個の賞球払出)が遊技者に付与される。
〔F7〕特別図柄変動
始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F8〕非当選
内部抽選で非当選となった場合、特別図柄が非当選の態様で停止表示される。この場合、ゲームフローは〔F1〕通常遊技中に戻り、また作動抽選から再開される。
〔F11〕通常図柄1当選
内部抽選で当選し、今回の当選図柄が上記の「通常図柄1」に該当した場合、特別図柄が「通常図柄1」を表す態様で停止表示される。この場合、ゲームフローはさらに次の段階に進む。
〔F12〕可変入賞装置作動(大役中)
特別図柄(内部抽選)での当選により可変入賞装置30が開放動作し、その開放回数は2回(2ラウンド)である。「通常図柄1」に該当した場合、確率変動機能作動フラグはセットされないが、時間短縮機能作動回数は100回に設定される。このため、可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは〔F1〕通常遊技中ではなく、〔F31〕時短中の段階に進むことになる。なお、〔F31〕時短中からのゲームフローについては後述する。
〔F16〕確変図柄1,2当選
一方、当選図柄が上記の「確変図柄1」に該当した場合、特別図柄は「確変図柄1」を表す態様で停止表示される。あるいは当選図柄が上記の「確変図柄2」に該当した場合、特別図柄は「確変図柄2」を表す態様で停止表示される。いずれの場合についても、ゲームフローは以下の段階に進む。
〔F14〕リミッタ残数セット
〔F1a〕通常中からの当選に該当する場合、内部的に「リミッタ回数」が残り16回(初回リミッタ17回から1減算後の値)にセットされる(リミッタ残数=16)。
〔F18〕可変入賞装置作動(大役中)
特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。また、「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合、確率変動機能作動フラグがセットされるとともに、合わせて時間短縮機能作動回数が10000回に設定されるため、可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは確変中(高確率時短中:F19)に進むことになる。
〔F19〕確変中(高確率時短中)
本実施形態において、一度ゲームフローが〔F19〕確変中に突入すると、確率上でみて〔F19〕確変中が継続しやすくなっている。以下、この点について具体的に説明する。
〔F20〕普通図柄非当選
〔F19〕確変中においては、普通図柄(作動抽選)の当選確率が略1分の1(98/99)に設定されるため、確率的に非当選になることはほとんどない。ただし、理論上は非当選もあり得るため、もし非当選となった場合は〔F19〕確変中でのゲームが続行されることになる。
〔F21〕確変中の普通図柄当り
本実施形態では遊技領域8a(盤面)の構成上、〔F19〕確変中は遊技領域8a内の右側部分に遊技球が打ち込まれること(いわゆる「右打ち」)を想定している。これにより、右始動ゲート21を遊技球が通過すると、ほとんど1回の普通図柄の変動で当選する。また、変動時間は、上記のように短縮(0.6秒)されているため、極めて短時間のうちにゲームフローは次の段階に進む。
〔F22〕可変始動入賞装置作動
普通図柄(作動抽選)当選によって可変始動入賞装置28が作動し、始動入賞口28aへの入賞の発生が可能な状態となる。なお、本実施形態では、「時間短縮状態」においても可変始動入賞装置28の作動時間は一定(6.0秒)である。ただし、遊技領域8a内の右側部分に遊技球が打ち込まれていれば、そのままの流れで作動中の可変始動入賞装置28に向かって遊技球が流下していく。
〔F23〕入賞なし
何らかの原因(球切れ、球詰まり、発射操作不良等)で可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生しなかった場合であっても、ゲームフローは〔F19〕確変中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。
〔F24〕始動口入賞
〔F19〕確変中の「右打ち」の流れにより、可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生すると、ゲームフローが次の段階に進む。
〔F25〕特別図柄変動
ここでも同様に、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F26〕非当選
特別図柄(内部抽選)に関して、「高確率状態」の当選確率は略1分の1(65535/65536)であるため、確率的に非当選はほとんど発生しない。ただし、極希に内部抽選で非当選となった場合、特別図柄が非当選の態様で停止表示される。この場合、ゲームフローは〔F19〕確変中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。また、時間短縮機能作動回数は最大10000回に設定されているので、たとえ1回の非当選が発生しても、未だ充分に時短回数が残っている。
〔F27〕確変図柄1,2当選
本実施形態では、上記のように確変比率が全体の98%であるため、当選時は高い頻度で確変図柄が選択される。そして、〔F19〕確変中に当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合、上記のように時間短縮機能作動回数として10000回が付加されるため、この時点で内部的に〔F19〕確変中の継続が確定している。
〔F28〕リミッタ残数−1
そしてこの場合、「高確率状態」で連続的に確変当選しているため、内部的に「リミッタ回数」が減算される(リミッタ残数−1)。
〔F18〕可変入賞装置作動(大役中)
同様に、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれに該当した場合についても、確率変動機能作動フラグがセットされるとともに、合わせて時間短縮機能作動回数が10000回に設定されるため、ここで実際に可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは確変中(高確率時短中:F19)が継続される。
〔確変突入によるチャンスゾーン〕
以上のように、一度ゲームフローが〔F19〕確変中に移行すると、〔F21〕普通図柄当りから〔F22〕可変始動入賞装置作動、〔F24〕始動口入賞、〔F25〕特別図柄変動、〔F27〕確変図柄1,2当選、〔F28〕リミッタ残数−1、そして〔F18〕可変入賞装置作動を経て〔F19〕確変中にループするというゲームフローが最も高い頻度(又は確率、割合、比率)で発生しやすくなる。この場合、1回のループ内で可変始動入賞装置28が1回作動し、また、可変入賞装置30が2ラウンド開放動作を行うため、基本的に遊技領域8a内の右側部分に遊技球が打ち込まれていれば、そのままの流れで始動入賞口28aへの入賞発生及び大入賞口28bへの入賞発生に対する賞球の払い出しが行われる(入賞特典付与手段)。
なお、上記のループが1回行われるごとに〔F28〕リミッタ残数−1で「リミッタ回数」の残りが減少していくが、残り0回に到達するまでの間は、依然として高い頻度で同じループを繰り返すことになる。
〔F29〕確変中の通常図柄1当選
一方、〔F19〕確変中に当選図柄が「通常図柄1」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合、確変図柄ではないため「高確率状態」は維持されないが、時間短縮機能作動回数として100回が付加されるため、この時点で内部的に「時間短縮状態」の継続が約束されている。
〔F30〕可変入賞装置作動(大役中)
同じく特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。なお、図示していないが、上記のように主制御CPU72の制御処理上で特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされている(リミッタリセット)。
〔F31〕時短中
〔F19〕確変中から「通常図柄1」に該当すると、確率変動機能作動フラグはクリアされるが、時間短縮機能作動回数は100回に設定されるため、可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは時短中(低確率時短中)に移行する(連続回数再設定契機発生手段)。
〔F20〕普通図柄非当選
〔F31〕時短中は、普通図柄(作動抽選)の当選確率が略1分の1(98/99)に設定されるため、確率的に非当選になることはほとんどない。ただし、理論上は非当選もあり得るため、もし非当選となった場合は〔F31〕時短中でのゲームが続行されることになる。
〔F32〕時短中の普通図柄当り
〔F31〕時短中においても、そのまま「右打ち」の流れで右始動ゲート21を遊技球が通過すると、ほとんど1回の普通図柄の変動で当選する。また、変動時間は、上記のように短縮(0.6秒)されているため、極めて短時間のうちにゲームフローは次の段階に進む。
〔F33〕可変始動入賞装置作動
普通図柄(作動抽選)当選によって可変始動入賞装置28が作動し、始動入賞口28aへの入賞の発生が可能な状態となる。
〔F34〕入賞なし
同様に、何らかの原因(球切れ、球詰まり等)で可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生しなかった場合であっても、ゲームフローは〔F31〕時短中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。
〔F35〕始動口入賞
〔F31〕時短中の「右打ち」の流れにより、可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生すると、ゲームフローが次の段階に進む。
〔F36〕特別図柄変動
ここでも同様に、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F37〕非当選
〔F31〕時短中の特別図柄(内部抽選)に関して、「低確率状態」の当選確率は2分の1(32768/65536)であるため、確率的に非当選が発生することもあり、その場合は特別図柄が非当選の態様で停止表示される。ただしこの場合、ゲームフローは〔F31〕時短中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。また、時間短縮機能作動回数は100回に設定されているので、たとえ1回の非当選が発生しても、未だ充分に時短回数(99回)が残っている。したがって、〔F31〕時短中は比較的容易に内部抽選で当選が得られることになる。
〔F38〕時短中の確変図柄1,2当選
そして、上記のように確変比率が全体の98%であるため、同じく当選時は高い頻度で確変図柄が選択される。そして、〔F31〕時短中から当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合、上記のように時間短縮機能作動回数として10000回が付加される。
〔F39〕リミッタ残数=16
そしてこの場合、〔F31〕時短中の「低確率状態」から1回目の確変当選に該当することとなるため、内部的にはここで「リミッタ回数」が再設定されることになる(リミッタ残数=16)。さらに、この場合は確変当選であるため、以下のゲームフローが進行することになる。
〔F18〕可変入賞装置作動(大役中)
特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。〔F31〕時短中から「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれに該当した場合についても、確率変動機能作動フラグがセットされるとともに、合わせて時間短縮機能作動回数が10000回に設定されるため、ここで実際に可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは確変中(高確率時短中:F19)が再開(再突入、復帰)されることになる。
〔確変中の通常当選によるリミッタ上乗せ〕
以上のゲームフローは、先の〔F19〕確変中のループを繰り返す中で「リミッタ回数」がある程度まで減算されていたとしても、途中に「通常図柄1」で当選すると、それによって「リミッタ回数」がリセットされ、「確変図柄1」又は「確変図柄2」の当選によって「リミッタ回数」がまた最大値に再設定されることを意味している(連続回数再設定契機発生手段)。
これにより、たとえ〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に到達しつつあったとしても、その前に「通常図柄1」に当選(選択比率2%)すれば、それによって「リミッタ回数」が再設定されるため、それだけ〔F19〕確変中のループ回数を延ばしていくことができるというゲーム性が実現されることになる。
〔F40〕時短中の通常図柄1当選
なお、〔F31〕時短中に続けて当選図柄が「通常図柄1」に該当した場合、またそこで時間短縮機能作動回数として100回が付加される。したがってゲームフローは、〔F30〕可変入賞装置作動の後に〔F31〕時短中が継続されることになる。
以上は、〔F19〕確変中に「リミッタ回数」が残り0回に到達する前に発生し得るゲームフローである。これに対し、〔F19〕確変中に上記のループを繰り返した結果、「リミッタ回数」の残りが0回に到達した場合は以下のゲームフローとなる。
〔リミッタ到達時のゲームフロー〕
図34は、「リミッタ回数」が残り0回に到達した場合の遊技の流れを示すゲームフロー図である。例えば、〔F19〕確変中に「リミッタ回数」が残り0回に到達した状態で、〔F21〕普通図柄当り、〔F22〕可変始動入賞装置作動、そして〔F24〕始動口入賞が発生した場合を想定する。
〔F41〕特別図柄変動
ここでも同様に、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F42〕非当選
「リミッタ回数」に関わらず、特別図柄(内部抽選)に関して「高確率状態」の当選確率は略1分の1(65535/65536)であるため、確率的に非当選はほとんど発生しない。ただし、極希に内部抽選で非当選となった場合、特別図柄が非当選の態様で停止表示される。この場合、ゲームフローは〔F19〕確変中が継続されるが、「リミッタ回数」は残り0回のままである。なお、時間短縮機能作動回数は最大10000回に設定されているので、たとえ非当選が発生しても、未だ充分に時短回数は残っている。
〔F43〕通常図柄1当選
〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に達した状態で、当選図柄が「通常図柄1」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合、確変図柄ではないため「リミッタ回数」の残数は特に関係なく、そのまま時間短縮機能作動回数として100回が付加される。
〔F44〕可変入賞装置作動(大役中)
そして、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。また、この時点で「リミッタ回数」の残りは0回に達しているが、上記のように主制御CPU72の制御処理上で特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされる。
〔チャンスゾーン継続〕
この場合、ゲームフローは〔F31〕時短中に戻り、そこからまた「時間短縮状態」で〔F32〕普通図柄当り、〔F33〕可変始動入賞装置作動、〔F35〕始動口入賞、〔F36〕特別図柄変動といったゲームフローが進行する。そして、〔F38〕確変図柄1,2当選に進むと〔F39〕リミッタ残数=16で「リミッタ回数」が再設定された上で、ゲームフローは再び〔F19〕確変中に移行する。
〔F45〕確変図柄1当選→強制通常図柄1
また、〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に達した状態で、当選図柄が「確変図柄1」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合、既に「リミッタ回数」が残り0回に到達しているため、主制御CPU72の制御処理上で確変図柄を選択することができず、上記のように強制的に「通常図柄1」が選択されることになる。この場合、確率変動機能作動フラグはクリアされるが、時間短縮機能作動回数として100回が付加されるため、「時間短縮状態」は継続することになる。
〔F44〕可変入賞装置作動(大役中)
そして、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。同様に、この時点で「リミッタ回数」の残りは0回に達しているが、特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされる。
〔チャンスゾーン継続〕
この場合も同様に、ゲームフローは〔F31〕時短中に戻り、そこからまた「時間短縮状態」で〔F32〕普通図柄当り、〔F33〕可変始動入賞装置作動、〔F35〕始動口入賞)、〔F36〕特別図柄変動といったゲームフローが進行する。そして、〔F38〕確変図柄1,2当選に進むと〔F39〕リミッタ残数=16で「リミッタ回数」が再設定された上で、ゲームフローは再び〔F19〕確変中に移行する。
〔F46〕確変図柄2当選→強制通常2
これに対し、〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に達した状態で、当選図柄が「確変図柄2」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合についても、既に「リミッタ回数」が残り0回に到達しているため、主制御CPU72の制御処理上で確変図柄を選択することができない。そして「確変図柄2」については、上記のように強制的に「通常図柄2」へ変更されることになる。この場合、確率変動機能作動フラグがクリアされるとともに、時間短縮機能作動回数として0回(=時短なし)が設定されるため、時間短縮機能作動フラグもクリアされることになる。
〔F47〕可変入賞装置作動(大役中)
そして、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。同様に、この時点で「リミッタ回数」の残りは0回に達しているが、特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされる。
〔チャンスゾーン終了〕
そしてこの場合、ゲームフローは〔F1〕通常遊技中(通常中)に戻り、「非時間短縮状態」かつ「低確率状態」となる。
〔ゲームフローのまとめ〕
以上より、本実施形態において一度ゲームフローが〔F19〕確変中に移行した場合に以下の特徴が明らかとなっている。
図35及び図36は、本実施形態におけるゲームフローのパターンを分類して示す概念図である。以下、順を追って説明する。
(1)基本パターン
図35中(A):「確変図柄1」又は「確変図柄2」の当選を経て、一度ゲームフローが〔F19〕確変中に移行した場合、基本的には極めて高い割合(選択比率98%)で確変当選が連続して発生する。したがって、1回目(初回)の確変当選前の「リミッタ回数」を便宜的に17回(1回目を含めて連続17回まで)と考えると、2回目の連続当選時に「リミッタ回数」は残り16回であり、次の連続3回目の確変当選時は1減算されて15回となっている。さらに、連続4回目の確変当選時にはさらに1減算されて14回(図示していない)となっている。
この後、確変当選が連続して発生する度ごとに「リミッタ回数」が減算されていき、1回目から数えて連続17回目の確変当選が発生すると、そこで1減算されて「リミッタ回数」は残り0回に到達する。この場合、次回の当選時は確変図柄が通常図柄に強制的に変更されるため、確変当選は連続17回までで強制終了となる。
(2)リミッタ上乗せパターン
図35中(B):上記(1)の基本パターン中、「リミッタ回数」が残り0回に到達する前、例えば1回目から連続n回の確変当選を経て、「リミッタ回数」が(17−n)回だけ残っている状態で「通常図柄1」に該当した場合(選択比率2%)を考える。この場合、時間短縮機能作動回数として100回が付加される。
図35中(C):すると、大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行するため、普通図柄(作動抽選)当選を経て次回の特別図柄(内部抽選)で「確変図柄1」又は「確変図柄2」で当選(合成選択比率98%)することにより、そこで「リミッタ回数」が再設定される。この場合の確変当選は通常当選後の1回目に該当するため、この1回目を含めてさらに連続17回の確変当選の可能性が新たに発生する。この場合の「リミッタ回数」には、今回新たに発生した17回から、ここまでの残り(17−n)回を除いた分(つまりn回)が上乗せされたことになる。
このような上乗せは繰り返し可能であり、「リミッタ回数」が再設定された状態でも、再設定後に「リミッタ回数」が残り0回に到達する前に再度、「通常図柄1」に該当すると、時間短縮機能作動回数として100回が付加される。
図35中(D):すると、同じように大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行するため、普通図柄(作動抽選)当選を経て次回の特別図柄(内部抽選)で「確変図柄1」又は「確変図柄2」で当選(合成選択比率98%)することにより、そこで「リミッタ回数」が再設定される。同様に、この場合の確変当選は通常当選後の1回目に該当するため、この1回目を含めてさらに連続17回の確変当選の可能性が新たに発生したことになる。
以上のように本実施形態のパチンコ機1は、初回リミッタ17回を選択した後の〔F19〕確変中のリミッタ到達前に通常当選すると、次回の確変当選時に「リミッタ回数」が再設定(リミッタがリセット)されて〔F19〕確変中が再開される結果、あたかも見かけ上は「リミッタ回数」が次々と上乗せされていくかのようなゲーム性を実現することができる。ただし、遊技制御上で「リミッタ回数」を増加させているわけではなく、間に通常図柄当選を必ず挟んでいるため、極端に遊技の射幸性を高めてしまうことはない。また、上乗せ回数はあくまで「17回−現在の残り回数」であり、上乗せが発生した時点でそれまでの残り回数は破棄される。
(3)リミッタ到達後の継続パターン(リミッタ到達後の上乗せパターン)
図36中(E):一方、初回リミッタ17回を選択後、リミッタ到達前の上乗せが発生せず、上記(1)の基本パターンにしたがって「リミッタ回数」が残り0回に到達した場合、連続18回目で「確変図柄1」に該当しても、強制的に「通常図柄1」に変更される。
図36中(F):ただし、この場合の強制的に変更された「通常図柄1」には時間短縮機能作動回数として100回が付加されるため、大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行する。そして、普通図柄(作動抽選)当選を経て次回の特別図柄(内部抽選)で「確変図柄1」又は「確変図柄2」で当選(合成選択比率98%)すると、そこで「リミッタ回数」が改めて設定される。この場合の確変当選は確変終了後の1回目に該当するため、この1回目を含めて連続17回の確変当選の可能性が付加されたことになる。
この場合、ゲームフローとしてはリミッタ到達によって〔F19〕確変中が一旦は終了するが、リミッタ到達時の当選図柄が「通常図柄1(100回時短あり)」に強制的に変更された場合、〔F31〕時短中から次回の確変当選時に「リミッタ回数」が新たに設定されて〔F19〕確変中が再開される。なお、リミッタ到達後にたまたま「通常図柄1」に該当していれば、同じく時間短縮機能作動回数として100回が付加されているため、大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行する。したがって、リミッタ到達後に〔F31〕時短中に移行する割合は、「通常図柄1」及び「確変図柄1」の各選択比率を合成した57%となる。
いずれにしても、リミッタ到達後に「時短あり通常図柄」で当選することにより、見かけ上は「リミッタ回数」があたかも上乗せ(この場合は+17回)されたかのようなゲーム性を実現することができる。ここでも遊技制御上で確変の「リミッタ回数」を増加させているわけではなく、間にリミッタ到達による強制的な通常図柄当選(又は純粋な通常図柄当選)を発生させているため、極端に遊技の射幸性を高めてしまうことはない。
(4)終了パターン
図36中(G):これに対し、リミッタ到達後に連続18回目で「確変図柄2」に該当すると、今度は強制的に「通常図柄2」に変更される。この場合の強制的に変更された「通常図柄2」には時間短縮機能作動回数が付加されないため(0回=時短なし)、大役終了後は上記の〔F1〕通常遊技中に移行し、〔F19〕確変中の遊技は終了する。
次に、いくつかのタイミングチャートを例示して、発射位置指定フラグや発射位置指定表示ランプ、発射位置指定信号1,2等の関係について説明する。
図37は、普通図柄初当り時の普通図柄に対応する遊技の進行状況の時間的な変化を示すタイミングチャートである。以下、時系列に沿って説明する。
〔当初〕
図37中(A):例えば当初、普通遊技管理ステータスの値は「01H」である。
図37中(B):時間短縮機能はOFFである。
図37中(C):普通図柄は変動中である。
図37中(F):非時間短縮状態では「左打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「00H」である。
図37中(G):「左打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態である。
図37中(H):「左打ち」の状態では、発射位置指定信号1はOFFである。
図37中(I):「左打ち」の状態では、発射位置指定信号2はOFFである。
〔時刻t1〕
図37中(C):普通図柄抽選で当選の結果が得られている場合、この後、普通図柄の変動時間が経過すると、普通図柄が当りの態様で停止表示される。
図37中(A):これにより、普通遊技管理ステータスの値は「02H」となる。
〔時刻t2〕
図37中(A):普通図柄の停止表示時間が経過すると、可変始動入賞装置28(普通電動役物)が開放待ち状態となるため、普通遊技管理ステータスの値は「03H」となる。
図37中(F):また、可変始動入賞装置28が開放待ち状態となったことを契機として、発射位置指定フラグの値は「03H」となる。
図37中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態となる。
図37中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにONとなる。
〔時刻t3〕
図37中(D):可変始動入賞装置28の開放待ち時間が経過すると、普通電動役物ソレノイド88がONになり、可変始動入賞装置28が閉鎖状態から開放状態に変化する。可変始動入賞装置28は、所定の開放時間(6秒程度)にわたって開放される(時刻t3〜時刻t4)。
図37中(A):また、普通遊技管理ステータスの値は「04H」となる。
〔時刻t3〜時刻t4〕
図37中(E):そして、可変始動入賞装置28の開放時間の最中に、複数個(この例では2個)の遊技球が始動入賞口28aに入球している。この場合、その都度、始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)(2)を付した波形)。なお、特に図示していないが、可変始動入賞装置28に遊技球が入球したことを契機として特別図柄抽選の抽選契機が発生し、それによって特別図柄が変動を開始する。
〔時刻t4〕
図37中(D):可変始動入賞装置28の開放時間が経過すると、普通電動役物ソレノイド88がOFFになり、可変始動入賞装置28は開放状態から閉鎖状態に復帰する。
図37中(A):これにより、可変始動入賞装置28は開放動作を終了して閉鎖状態となり、普通遊技管理ステータスの値が「05H」となる。
〔時刻t5〕
図37中(A):可変始動入賞装置28の閉鎖時間(例えば2秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「06H」となる。
〔時刻t6〕
図37中(A):可変始動入賞装置28の閉鎖後有効時間(例えば2秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「07H」となる。
図37中(F):また、可変始動入賞装置28の閉鎖後有効時間が経過したことを契機として、発射位置指定フラグの値は「00H」となる。
図37中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態となる。
図37中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにOFFとなる。
〔時刻t7〕
図37中(A):可変始動入賞装置28の終了時間(例えば2秒程度〜50秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「00H」となり、次の普通図柄の変動の開始が許容される。
このように、本実施形態では、普通図柄初当り時において、可変始動入賞装置28の開放待ち状態(普通遊技管理ステータス「03H」)が開始されてから可変始動入賞装置28の閉鎖後有効時間が終了するまで(普通遊技管理ステータス「06H」)の間は、発射位置指定表示ランプ38eを点灯させるため、遊技者に対して適切に右打ちを示唆することができる。
一方、普通図柄初当り時において、可変始動入賞装置28の終了時間中(普通遊技管理ステータス「07H」)は、発射位置指定表示ランプ38eを消灯させるため、可変始動入賞装置28が開放していない状態で遊技者に対して右打ちを示唆することを回避することができる。
図38は、普通図柄初当り時の特別図柄抽選にて当選の結果が得られた場合の特別図柄に対応する遊技の進行状況の時間的な変化を示すタイミングチャートである。以下、時系列に沿って説明する。
〔当初〕
図38中(A):例えば当初、特別遊技管理ステータスの値は「01H」である。
図38中(B):時間短縮機能はOFFである。
図38中(C):特別図柄は変動中である。
図38中(F):非時間短縮状態では「左打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「00H」である。
図38中(G):「左打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態である。
図38中(H):「左打ち」の状態では、発射位置指定信号1はOFFである。
図38中(I):「左打ち」の状態では、発射位置指定信号2はOFFである。
〔時刻t1〕
図38中(C):特別図柄抽選で当選の結果が得られている場合、この後、特別図柄の変動時間が経過すると、特別図柄が当りの態様で停止表示される。
図38中(A):これにより、特別遊技管理ステータスの値は「02H」となる。
〔時刻t2〕
図38中(A):特別図柄の停止表示時間が経過すると、可変入賞装置30(特別電動役物)が開放待ち状態となるため、特別遊技管理ステータスの値は「03H」となる。
図38中(F):また、可変入賞装置30が開放待ち状態となったことを契機として、発射位置指定フラグの値は「03H」となる。
図38中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態となる。
図38中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにONとなる。
〔時刻t3〕
図38中(D):時刻t2から開放待ち時間の経過後、特別電動役物ソレノイド90がONになり、可変入賞装置30が閉鎖状態から開放状態に変化する。可変入賞装置30は、2ラウンドの大当りに対応して2回開放するため、ここでは1ラウンド目の開放が行われている。可変入賞装置30は、遊技球の入球が発生しない限り、所定の開放時間(6秒程度)にわたって開放される。
図38中(A):また、特別遊技管理ステータスの値は「04H」となる。
〔時刻t3〜時刻t5〕
図38中(D)(E):そして、可変入賞装置30による1回目の開放動作の実行中に(1ラウンド目の実行中に)、1個の遊技球が大入賞口30bに入球している。可変入賞装置30に遊技球が入球したことを契機として大当り遊技の1ラウンド目が終了し、その後のラウンド間インターバル時間が経過すると、時刻t4にて特別電動役物ソレノイド90がONになり、大当り遊技の2ラウンド目が開始される。可変入賞装置30による2回目の開放動作の実行中に(2ラウンド目の実行中に)、1個の遊技球が大入賞口30bに入球している。この場合、その都度、カウントスイッチ84から入賞検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)(2)を付した波形)。
〔時刻t5〕
図38中(A):可変入賞装置30の2ラウンド目の開放時間が経過するか、2ラウンド目に1個の遊技球の入球があった場合、可変入賞装置30は2ラウンド目の開放動作を終了し、特別遊技管理ステータスの値が「05H」となる。
図38中(D):このとき、特別電動役物ソレノイド90がOFFになり、可変入賞装置30は開放状態から閉鎖状態に復帰する。
〔時刻t6〕
図38中(A):可変入賞装置30の閉鎖時間(例えば2秒程度)が終了すると、特別遊技管理ステータスの値は「06H」となる。
〔時刻t7〕
図38中(A):可変入賞装置30の閉鎖後有効時間(例えば2秒程度)が終了すると、特別遊技管理ステータスの値は「07H」となる。
〔時刻t8〕
図38中(A):可変入賞装置30の終了時間(例えば2秒程度)が終了すると、特別遊技管理ステータスの値は「00H」となり、次の特別図柄の変動の開始が許容される。
図38中(F):また、可変入賞装置30の終了時間が経過したことを契機として、発射位置指定フラグの値は「00H」となる。なお、ここでの「00H」はあくまで特別図柄の遊技状態に基づく「00H」であるため、他の要因(普通図柄の遊技状態)に基づいて発射位置指定フラグの値に「03H」が設定される場合もある。
図38中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態となる。
図38中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにOFFとなる。
図38中(B):また、可変入賞装置30の終了時間が終了すると、可変入賞装置30の動作が終了するため、時間短縮機能はONとなる。本タイミングチャートは、初当り時の特別図柄抽選にて当選の結果が得られた場合のタイミングチャートを示しているため、時刻t8にて時間短縮機能がONとなる。
このように、本実施形態では、特別図柄の当選時において、可変入賞装置30の開放待ち状態(特別遊技管理ステータス「03H」)が開始されてから可変入賞装置30の終了時間が終了するまで(特別遊技管理ステータス「07H」)の間は、発射位置指定表示ランプ38eを点灯させるため、遊技者に対して適切に右打ちを示唆することができる。
一方、特別図柄の当選時において、特別図柄の変動中や停止中(特別遊技管理ステータス「01H」,「02H」)は、発射位置指定表示ランプ38eを消灯させるため、可変入賞装置30が開放していない状態で遊技者に対して右打ちを示唆することを回避することができる。
図39は、普通図柄初当り時の特別図柄抽選にて非当選の結果が得られた場合の特別図柄に対応する遊技の進行状況の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
〔当初〕
図39中(A):例えば当初、特別遊技管理ステータスの値は「01H」である。
図39中(B):時間短縮機能はOFFである。
図39中(C):特別図柄は変動中である。
図39中(F):非時間短縮状態では「左打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「00H」である。
図39中(G):「左打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態である。
図39中(H):「左打ち」の状態では、発射位置指定信号1はOFFである。
図39中(I):「左打ち」の状態では、発射位置指定信号2はOFFである。
〔時刻t1〕
図39中(C):特別図柄抽選で当選の結果が得られていない場合(非当選の結果が得られている場合)、この後、特別図柄の変動時間が経過すると、特別図柄がはずれの態様で停止表示される。
図39中(A):これにより、特別遊技管理ステータスの値は「02H」となる。
〔時刻t2〕
図39中(A):本タイミングチャートは、普通図柄初当り時の特別図柄抽選にて非当選の結果が得られた場合のタイミングチャートを示しているため、特別図柄の停止表示時間が経過しても、可変入賞装置30を作動させる契機とはならない。このため、特別図柄の停止表示時間が経過すると、特別遊技管理ステータスの値は「00H」となり、次の特別図柄の変動の開始が許容される。
図39中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態を維持する。
図39中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにOFFの状態のままである。
〔時刻t3〕
図39中(A)(C):そして、例えば時刻t3に特別図柄抽選の抽選契機が発生すると、特別図柄抽選が実行され、特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動中は、特別遊技管理ステータスの値が「01H」となる。
このように、本実施形態では、特別図柄の非当選時において、特別図柄の変動前や変動中、停止中(特別遊技管理ステータス「00H」,「01H」,「02H」)は、発射位置指定表示ランプ38eを消灯させるため、可変入賞装置30が開放していない状態で遊技者に対して右打ちを示唆することを回避することができる。
図40は、普通図柄の記憶が存在している状況でのリミッタ到達前(リミッタ到達1回前を除く)の普通図柄に対応する遊技の進行状況の時間的な変化を示すタイミングチャートである。以下、時系列に沿って説明する。
〔当初〕
図40中(A):例えば当初、普通遊技管理ステータスの値は「01H」である。
図40中(B):時間短縮機能はONである。
図40中(C):普通図柄は変動中である。
図40中(F):時間短縮状態にて普通図柄の記憶が存在している場合は「右打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「03H」である。
図40中(G):「右打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態である。
図40中(H):「右打ち」の状態では、発射位置指定信号1はONである。
図40中(I):「右打ち」の状態では、発射位置指定信号2はONである。
〔時刻t1〕
図40中(C):普通図柄抽選で当選の結果が得られている場合、この後、普通図柄の変動時間が経過すると、普通図柄が当りの態様で停止表示される。
図40中(A):これにより、普通遊技管理ステータスの値は「02H」となる。
〔時刻t2〕
図40中(A):普通図柄の停止表示時間が経過すると、可変始動入賞装置28(普通電動役物)が開放待ち状態となるため、普通遊技管理ステータスの値は「03H」となる。
〔時刻t3〕
図40中(D):可変始動入賞装置28の開放待ち時間が経過すると、普通電動役物ソレノイド88がONになり、可変始動入賞装置28が閉鎖状態から開放状態に変化する。可変始動入賞装置28は、所定の開放時間(6秒程度)にわたって開放される(時刻t3〜時刻t4)。
図40中(A):また、普通遊技管理ステータスの値は「04H」となる。
〔時刻t3〜時刻t4〕
図40中(E):そして、可変始動入賞装置28の開放時間の最中に、複数個(この例では2個)の遊技球が始動入賞口28aに入球している。この場合、その都度、始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)(2)を付した波形)。なお、特に図示していないが、可変始動入賞装置28に遊技球が入球したことを契機として特別図柄抽選の抽選契機が発生し、それによって特別図柄が変動を開始する。
〔時刻t4〕
図40中(D):可変始動入賞装置28の開放時間が経過すると、普通電動役物ソレノイド88がOFFになり、可変始動入賞装置28は開放状態から閉鎖状態に復帰する。
図40中(A):これにより、可変始動入賞装置28は開放動作を終了して閉鎖状態となり、普通遊技管理ステータスの値が「05H」となる。
〔時刻t5〕
図40中(A):可変始動入賞装置28の閉鎖時間(例えば2秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「06H」となる。
〔時刻t6〕
図40中(A):可変始動入賞装置28の閉鎖後有効時間(例えば2秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「07H」となる。
〔時刻t7〕
図40中(A):可変始動入賞装置28の終了時間(例えば10秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「00H」となり、次の普通図柄の変動の開始が許容される。
〔時刻t8〕
図40中(A):そして、このタイミングチャートの例では、普通図柄の記憶が途切れずに存在しているため、時刻t8にて普通図柄の変動が開始され、普通遊技管理ステータスの値は「01H」となる。
このように、本実施形態では、普通図柄の記憶が途切れずに存在している限り、発射位置指定表示ランプ38eを点灯させるため、遊技者に対して適切に右打ちを示唆することができる。
図41は、普通図柄の記憶が存在していない状況でのリミッタ到達前(リミッタ到達1回前を除く)の普通図柄に対応する遊技の進行状況の時間的な変化を示すタイミングチャートである。以下、時系列に沿って説明する。
〔当初〕
図41中(A):例えば当初、普通遊技管理ステータスの値は「01H」である。
図41中(B):時間短縮機能はONである。
図41中(C):普通図柄は変動中である。なお、この変動を除いて、普通図柄の記憶は存在していないものとする。
図41中(F):時間短縮状態にて普通図柄が変動中である場合は「右打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「03H」である。
図41中(G):「右打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態である。
図41中(H)(I):「右打ち」の状態では、発射位置指定信号1,2はともにONである。
〔時刻t1〕
図41中(C):普通図柄抽選で当選の結果が得られている場合、この後、普通図柄の変動時間が経過すると、普通図柄が当りの態様で停止表示される。
図41中(A):これにより、普通遊技管理ステータスの値は「02H」となる。
図41中(F):時間短縮状態にて普通図柄が停止中である場合は「右打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「03H」である。
図41中(G):「右打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態である。
図41中(H)(I):「右打ち」の状態では、発射位置指定信号1,2はともにONである。
〔時刻t2〕
図41中(A):普通図柄の停止表示時間が経過すると、可変始動入賞装置28(普通電動役物)が開放待ち状態となるため、普通遊技管理ステータスの値は「03H」となる。
図41中(F):時間短縮状態にて可変始動入賞装置28(普通電動役物)が作動中である場合(ただし終了時間を除く)は「右打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「03H」である。すなわち、普通遊技管理ステータスの値が「03H」から「07H」までの間は可変始動入賞装置28(普通電動役物)が作動中となるため、基本的には「右打ち」となるが、作動中であってもその例外として終了時間中は「左打ち」となる。ただし、これらは普通図柄の記憶が存在しない場合に限られ、普通図柄の記憶が存在している場合には、時間短縮状態である限り「右打ち」となる。
図41中(G):「右打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態である。
図41中(H)(I):「右打ち」の状態では、発射位置指定信号1,2はともにONである。
〔時刻t3〕
図41中(D):可変始動入賞装置28の開放待ち時間が経過すると、普通電動役物ソレノイド88がONになり、可変始動入賞装置28が閉鎖状態から開放状態に変化する。可変始動入賞装置28は、所定の開放時間(6秒程度)にわたって開放される(時刻t3〜時刻t4)。
図41中(A):また、普通遊技管理ステータスの値は「04H」となる。
〔時刻t3〜時刻t4〕
図41中(E):そして、可変始動入賞装置28の開放時間の最中に、複数個(この例では2個)の遊技球が始動入賞口28aに入球している。この場合、その都度、始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)(2)を付した波形)。なお、特に図示していないが、可変始動入賞装置28に遊技球が入球したことを契機として特別図柄抽選の抽選契機が発生し、それによって特別図柄が変動を開始する。
〔時刻t4〕
図41中(D):可変始動入賞装置28の開放時間が経過すると、普通電動役物ソレノイド88がOFFになり、可変始動入賞装置28は開放状態から閉鎖状態に復帰する。
図41中(A):これにより、可変始動入賞装置28は開放動作を終了して閉鎖状態となり、普通遊技管理ステータスの値が「05H」となる。
〔時刻t5〕
図41中(A):可変始動入賞装置28の閉鎖時間(例えば2秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「06H」となる。
〔時刻t6〕
図41中(A):可変始動入賞装置28の閉鎖後有効時間(例えば2秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「07H」となる。
図41中(F):また、普通図柄の記憶が存在していない場合、時間短縮状態での可変始動入賞装置28の終了時間中は「左打ち」となるため、可変始動入賞装置28の閉鎖後有効時間が経過したことを契機として、発射位置指定フラグの値は「00H」となる。
図41中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態となる。
図41中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにOFFとなる。
〔時刻t7〕
図41中(A):可変始動入賞装置28の終了時間(例えば10秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「00H」となり、次の普通図柄の変動の開始が許容される。ただし、このタイミングチャートの例では、普通図柄の記憶が存在していない状態であるため、次の普通図柄の抽選契機が発生するまで(遊技球が始動ゲートを通過するまで)、普通図柄の変動待ちの状態が維持される。
図41中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態が維持される。
図41中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにOFFの状態のままである。
このように、本実施形態では、時間短縮状態において普通図柄の記憶が存在していない場合、可変始動入賞装置28の開放待ち状態(普通遊技管理ステータス「03H」)が開始されてから可変始動入賞装置28の閉鎖後有効時間が終了するまで(普通遊技管理ステータス「06H」)の間は、発射位置指定表示ランプ38eを点灯させるため、遊技者に対して適切に右打ちを示唆することができる。
一方、時間短縮状態において普通図柄の記憶が存在していない場合、可変始動入賞装置28の終了時間中(普通遊技管理ステータス「07H」)は、発射位置指定表示ランプ38eを消灯させるため、可変始動入賞装置28が開放していない状態(可変始動入賞装置28が開放しそうにもない状態)で遊技者に対して右打ちを示唆することを回避することができる。
図42は、普通図柄の記憶が存在していない状況でのリミッタ到達1回前の特別図柄抽選にて確変図柄当選の結果が得られた場合のタイミングチャートである。以下、時系列に沿って説明する。
〔当初〕
図42中(A):例えば当初、普通遊技管理ステータスの値は「01H」である。
図42中(B):時間短縮機能はONである。
図42中(C):普通図柄は変動中である。なお、この変動を除いて、普通図柄の記憶は存在していないものとする。
図42中(F):時間短縮状態にて普通図柄が変動中である場合は「右打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「03H」である。
図42中(G):「右打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態である。
図42中(H)(I):「右打ち」の状態では、発射位置指定信号1,2はともにONである。
〔時刻t1〕
図42中(C):普通図柄抽選で当選の結果が得られている場合、この後、普通図柄の変動時間が経過すると、普通図柄が当りの態様で停止表示される。
図42中(A):これにより、普通遊技管理ステータスの値は「02H」となる。
図42中(F):時間短縮状態にて普通図柄が停止中である場合は「右打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「03H」である。
図42中(G):「右打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態である。
図42中(H)(I):「右打ち」の状態では、発射位置指定信号1,2はともにONである。
〔時刻t2〕
図42中(A):普通図柄の停止表示時間が経過すると、可変始動入賞装置28(普通電動役物)が開放待ち状態となるため、普通遊技管理ステータスの値は「03H」となる。
図42中(F):時間短縮状態にて可変始動入賞装置28(普通電動役物)が作動中である場合(ただし終了時間を除く)は「右打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「03H」である。
図42中(G):「右打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態である。
図42中(H)(I):「右打ち」の状態では、発射位置指定信号1,2はともにONである。
〔時刻t3〕
図42中(D):可変始動入賞装置28の開放待ち時間が経過すると、普通電動役物ソレノイド88がONになり、可変始動入賞装置28が閉鎖状態から開放状態に変化する。可変始動入賞装置28は、所定の開放時間(6秒程度)にわたって開放される(時刻t3〜時刻t4)。
図42中(A):また、普通遊技管理ステータスの値は「04H」となる。
〔時刻t3〜時刻t4〕
図42中(E):そして、可変始動入賞装置28の開放時間の最中に、複数個(この例では2個)の遊技球が始動入賞口28aに入球している。この場合、その都度、始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)(2)を付した波形)。なお、特に図示していないが、可変始動入賞装置28に遊技球が入球したことを契機として特別図柄抽選の抽選契機が発生し、それによって特別図柄が変動を開始する。そして、この特別図柄抽選では当選の結果が得られ、当選種類が確変図柄(「2ラウンド確変図柄1」又は「2ラウンド確変図柄2」)に該当したものとする。そうすると、可変入賞装置30の作動終了後には特殊状況下での右打ちとなる。なお、「特殊状況」については先に説明した通りである。
〔時刻t4〕
図42中(D):可変始動入賞装置28の開放時間が経過すると、普通電動役物ソレノイド88がOFFになり、可変始動入賞装置28は開放状態から閉鎖状態に復帰する。
図42中(A):これにより、可変始動入賞装置28は開放動作を終了して閉鎖状態となり、普通遊技管理ステータスの値が「05H」となる。
〔時刻t5〕
図42中(A):可変始動入賞装置28の閉鎖時間(例えば2秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「06H」となる。
〔時刻t6〕
図42中(A):可変始動入賞装置28の閉鎖後有効時間(例えば2秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「07H」となる。
図42中(F):また、普通図柄の記憶が存在していない場合、時間短縮状態での可変始動入賞装置28の終了時間中は「左打ち」となるため、可変始動入賞装置28の閉鎖後有効時間が経過したことを契機として、発射位置指定フラグの値は「00H」となる。
図42中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態となる。
図42中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにOFFとなる。
〔時刻t7〕
図42中(A):可変始動入賞装置28の終了時間(例えば10秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「00H」となり、次の普通図柄の変動の開始が許容される。ただし、このタイミングチャートの例では、普通図柄の記憶が存在していない状態であるため、次の普通図柄の抽選契機が発生するまで(遊技球が始動ゲートを通過するまで)、普通図柄の変動待ちの状態が維持される。
図42中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態が維持される。
図42中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにOFFの状態のままである。
〔時刻t8〕
図42中(A):そして、時刻t8にて普通図柄の抽選契機が発生すると、普通図柄の変動が開始され、普通遊技管理ステータスの値は「01H」となる。
図42中(F):この場合、特殊状況下での右打ちとなるため、発射位置指定フラグの値は「01H」となる。
図42中(G):また、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態となる。
図42中(H)(I):そして、発射位置指定フラグの値が「01H」であるため、発射位置指定信号1はONの状態となるが、発射位置指定信号2はOFFの状態となる。
このように、本実施形態では、特殊状況下での右打ちとなった場合に、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態とし、発射位置指定信号1はONの状態とするが、発射位置指定信号2はOFFの状態とすることができるので、外部装置(試験装置)のニーズに合わせた発射位置指定信号を生成することができる。
図43は、普通図柄の記憶が存在していない状況でのリミッタ到達1回前の特別図柄抽選にて通常図柄当選の結果が得られた場合のタイミングチャートである。以下、時系列に沿って説明する。
〔当初〕
図43中(A):例えば当初、普通遊技管理ステータスの値は「01H」である。
図43中(B):時間短縮機能はONである。
図43中(C):普通図柄は変動中である。なお、この変動を除いて、普通図柄の記憶は存在していないものとする。
図43中(F):時間短縮状態にて普通図柄が変動中である場合は「右打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「03H」である。
図43中(G):「右打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態である。
図43中(H)(I):「右打ち」の状態では、発射位置指定信号1,2はともにONである。
〔時刻t1〕
図43中(C):普通図柄抽選で当選の結果が得られている場合、この後、普通図柄の変動時間が経過すると、普通図柄が当りの態様で停止表示される。
図43中(A):これにより、普通遊技管理ステータスの値は「02H」となる。
図43中(F):時間短縮状態にて普通図柄が停止中である場合は「右打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「03H」である。
図43中(G):「右打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態である。
図43中(H)(I):「右打ち」の状態では、発射位置指定信号1,2はともにONである。
〔時刻t2〕
図43中(A):普通図柄の停止表示時間が経過すると、可変始動入賞装置28(普通電動役物)が開放待ち状態となるため、普通遊技管理ステータスの値は「03H」となる。
図43中(F):時間短縮状態にて可変始動入賞装置28(普通電動役物)が作動中である場合(ただし終了時間を除く)は「右打ち」となるため、発射位置指定フラグの値は「03H」である。
図43中(G):「右打ち」の状態では、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態である。
図43中(H)(I):「右打ち」の状態では、発射位置指定信号1,2はともにONである。
〔時刻t3〕
図43中(D):可変始動入賞装置28の開放待ち時間が経過すると、普通電動役物ソレノイド88がONになり、可変始動入賞装置28が閉鎖状態から開放状態に変化する。可変始動入賞装置28は、所定の開放時間(6秒程度)にわたって開放される(時刻t3〜時刻t4)。
図43中(A):また、普通遊技管理ステータスの値は「04H」となる。
〔時刻t3〜時刻t4〕
図43中(E):そして、可変始動入賞装置28の開放時間の最中に、複数個(この例では2個)の遊技球が始動入賞口28aに入球している。この場合、その都度、始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)(2)を付した波形)。なお、特に図示していないが、可変始動入賞装置28に遊技球が入球したことを契機として特別図柄抽選の抽選契機が発生し、それによって特別図柄が変動を開始する。そして、この特別図柄抽選では当選の結果が得られ、当選種類が通常図柄(「2ラウンド通常図柄1」)に該当したものとする。そうすると、可変入賞装置30の作動終了後には通常の右打ち(特殊状況下以外での右打ち)となる。
〔時刻t4〕
図43中(D):可変始動入賞装置28の開放時間が経過すると、普通電動役物ソレノイド88がOFFになり、可変始動入賞装置28は開放状態から閉鎖状態に復帰する。
図43中(A):これにより、可変始動入賞装置28は開放動作を終了して閉鎖状態となり、普通遊技管理ステータスの値が「05H」となる。
〔時刻t5〕
図43中(A):可変始動入賞装置28の閉鎖時間(例えば2秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「06H」となる。
〔時刻t6〕
図43中(A):可変始動入賞装置28の閉鎖後有効時間(例えば2秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「07H」となる。
図43中(F):また、普通図柄の記憶が存在していない場合、時間短縮状態での可変始動入賞装置28の終了時間中は「左打ち」となるため、可変始動入賞装置28の閉鎖後有効時間が経過したことを契機として、発射位置指定フラグの値は「00H」となる。
図43中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態となる。
図43中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにOFFとなる。
〔時刻t7〕
図43中(A):可変始動入賞装置28の終了時間(例えば10秒程度)が終了すると、普通遊技管理ステータスの値は「00H」となり、次の普通図柄の変動の開始が許容される。ただし、このタイミングチャートの例では、普通図柄の記憶が存在していない状態であるため、次の普通図柄の抽選契機が発生するまで(遊技球が始動ゲートを通過するまで)、普通図柄の変動待ちの状態が維持される。
図43中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態が維持される。
図43中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにOFFの状態のままである。
〔時刻t8〕
図43中(A):そして、時刻t8にて普通図柄の抽選契機が発生すると、普通図柄の変動が開始され、普通遊技管理ステータスの値は「01H」となる。
図43中(F):この場合、通常の右打ち(特殊状況下以外での右打ち)となるため、発射位置指定フラグの値は「03H」となる。
図43中(G):また、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態となる。
図43中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにONの状態となる。
このように、本実施形態では、特殊状況下での右打ちとなり得る状態であっても当選種類が通常図柄(「2ラウンド通常図柄1」)に該当して通常の右打ち(特殊状況下以外での右打ち)となった場合、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態とし、発射位置指定信号1,2はONの状態とすることができるので、外部装置(試験装置)のニーズに合わせた発射位置指定信号を生成することができる。
図44は、リミッタ到達時の特別図柄抽選にて時短有り図柄に該当した場合の特別図柄に対応する遊技の進行状況の時間的な変化を示すタイミングチャートである。以下、時系列に沿って説明する。このタイミングチャートの例では、普通図柄の記憶が存在していないものとする。
〔当初〕
図44中(A):例えば当初、特別遊技管理ステータスの値は「01H」である。
図44中(B):時間短縮機能はONである。
図44中(C):特別図柄は変動中である。
図44中(F):普通図柄の記憶が存在しておらず、時間短縮状態にて特別図柄が変動中である場合は、原則として「左打ち」(発射位置指定フラグの値は「00H」)となるとなるが、ここでは特殊状況下での右打ちとなるため、発射位置指定フラグの値は「01H」となる。
図44中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態となる。
図44中(H)(I):そして、発射位置指定フラグの値が「01H」であるため、発射位置指定信号1はONの状態となるが、発射位置指定信号2はOFFの状態となる。
〔時刻t1〕
図44中(C):特別図柄抽選で当選の結果が得られている場合、この後、特別図柄の変動時間が経過すると、特別図柄が当りの態様で停止表示される。ここでは時短有り図柄(純粋な「2ラウンド通常図柄1」の選択、又は「2ラウンド確変図柄1」からの強制的な「2ラウンド通常図柄1」の選択)に該当したものとする。
図44中(A):これにより、特別遊技管理ステータスの値は「02H」となる。
〔時刻t2〕
図44中(A):特別図柄の停止表示時間が経過すると、可変入賞装置30(特別電動役物)が開放待ち状態となるため、特別遊技管理ステータスの値は「03H」となる。
図44中(F):また、可変入賞装置30が開放待ち状態となったことを契機として、発射位置指定フラグの値は「03H」となる。
図44中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eの点灯状態は維持される。
図44中(H)(I):発射位置指定信号1はONの状態が維持され、発射位置指定信号2はこのタイミングでONとなる。
〔時刻t3〕
図44中(D):時刻t2から開放待ち時間の経過後、特別電動役物ソレノイド90がONになり、可変入賞装置30が閉鎖状態から開放状態に変化する。可変入賞装置30は、2ラウンドの大当りに対応して2回開放するため、ここでは1ラウンド目の開放が行われている。可変入賞装置30は、遊技球の入球が発生しない限り、所定の開放時間(6秒程度)にわたって開放される。
図44中(A):また、特別遊技管理ステータスの値は「04H」となる。
〔時刻t3〜時刻t5〕
図44中(D)(E):そして、可変入賞装置30による1回目の開放動作の実行中に(1ラウンド目の実行中に)、1個の遊技球が大入賞口30bに入球している。可変入賞装置30に遊技球が入球したことを契機として大当り遊技の1ラウンド目が終了し、その後のラウンド間インターバル時間が経過すると、時刻t4にて特別電動役物ソレノイド90がONになり、大当り遊技の2ラウンド目が開始される。可変入賞装置30による2回目の開放動作の実行中に(2ラウンド目の実行中に)、1個の遊技球が大入賞口30bに入球している。この場合、その都度、カウントスイッチ84から入賞検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)(2)を付した波形)。
〔時刻t5〕
図44中(A):可変入賞装置30の2ラウンド目の開放時間が経過するか、2ラウンド目に1個の遊技球の入球があった場合、可変入賞装置30は2ラウンド目の開放動作を終了し、特別遊技管理ステータスの値が「05H」となる。
図44中(D):このとき、特別電動役物ソレノイド90がOFFになり、可変入賞装置30は開放状態から閉鎖状態に復帰する。
〔時刻t6〕
図44中(A):可変入賞装置30の閉鎖時間(例えば2秒程度)が終了すると、特別遊技管理ステータスの値は「06H」となる。
〔時刻t7〕
図44中(A):可変入賞装置30の閉鎖後有効時間(例えば2秒程度)が終了すると、特別遊技管理ステータスの値は「07H」となる。
〔時刻t8〕
図44中(A):可変入賞装置30の終了時間(例えば2秒程度)が終了すると、特別遊技管理ステータスの値は「00H」となり、次の特別図柄の変動の開始が許容される。
図44中(F):また、可変入賞装置30の終了時間が経過したことを契機として、発射位置指定フラグの値は「00H」となる。
図44中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態となる。
図44中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにOFFとなる。
図44中(B):また、可変入賞装置30の終了時間が終了すると、可変入賞装置30の動作が終了するため、時間短縮機能はONとなる。
このように、本実施形態では、特殊状況下での右打ち(発射位置指定フラグ「01H」)から通常の右打ち(発射位置指定フラグ「03H」)に切り替わった際には、発射位置指定表示ランプ38eの点灯状態を維持するため、遊技者に対しては特殊状況下での右打ちという状況を意識させずに右打ちを示唆することができる。
また、リミッタ到達時の特別図柄抽選にて時短有り図柄に該当した場合、可変入賞装置30の動作が終了した後には時間短縮機能がONとなるが、普通図柄の記憶が存在していない場合には、発射位置指定表示ランプ38eを消灯状態とすることにより、可変入賞装置30が開放していない状態(可変入賞装置30が開放しそうにもない状態)で遊技者に対して右打ちを示唆することを回避することができる。
図45は、リミッタ到達時の特別図柄抽選にて時短無し図柄に該当した場合の特別図柄に対応する遊技の進行状況の時間的な変化を示すタイミングチャートである。以下、時系列に沿って説明する。このタイミングチャートの例では、普通図柄の記憶が存在していないものとする。
〔当初〕
図45中(A):例えば当初、特別遊技管理ステータスの値は「01H」である。
図45中(B):時間短縮機能はONである。
図45中(C):特別図柄は変動中である。
図45中(F):普通図柄の記憶が存在しておらず、時間短縮状態にて特別図柄が変動中である場合は、原則として「左打ち」(発射位置指定フラグの値は「01H」)となるとなるが、ここでは特殊状況下での右打ちとなるため、発射位置指定フラグの値は「01H」となる。
図45中(G):また、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態となる。
図45中(H)(I):そして、発射位置指定フラグの値が「01H」であるため、発射位置指定信号1はONの状態となるが、発射位置指定信号2はOFFの状態となる。
〔時刻t1〕
図45中(C):特別図柄抽選で当選の結果が得られている場合、この後、特別図柄の変動時間が経過すると、特別図柄が当りの態様で停止表示される。ここでは時短無し図柄(「2ラウンド確変図柄2」からの強制的な「2ラウンド通常図柄2」の選択)に該当したものとする。
図45中(A):これにより、特別遊技管理ステータスの値は「02H」となる。
〔時刻t2〕
図45中(A):特別図柄の停止表示時間が経過すると、可変入賞装置30(特別電動役物)が開放待ち状態となるため、特別遊技管理ステータスの値は「03H」となる。
図45中(F):また、可変入賞装置30が開放待ち状態となったことを契機として、発射位置指定フラグの値は「03H」となる。
図45中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eの点灯状態は維持される。
図45中(H)(I):発射位置指定信号1はONの状態が維持され、発射位置指定信号2はこのタイミングでONとなる。
〔時刻t3〕
図45中(D):時刻t2から開放待ち時間の経過後、特別電動役物ソレノイド90がONになり、可変入賞装置30が閉鎖状態から開放状態に変化する。可変入賞装置30は、2ラウンドの大当りに対応して2回開放するため、ここでは1ラウンド目の開放が行われている。可変入賞装置30は、遊技球の入球が発生しない限り、所定の開放時間(6秒程度)にわたって開放される。
図45中(A):また、特別遊技管理ステータスの値は「04H」となる。
〔時刻t3〜時刻t5〕
図45中(D)(E):そして、可変入賞装置30による1回目の開放動作の実行中に(1ラウンド目の実行中に)、1個の遊技球が大入賞口30bに入球している。可変入賞装置30に遊技球が入球したことを契機として大当り遊技の1ラウンド目が終了し、その後のラウンド間インターバル時間が経過すると、時刻t4にて特別電動役物ソレノイド90がONになり、大当り遊技の2ラウンド目が開始される。可変入賞装置30による2回目の開放動作の実行中に(2ラウンド目の実行中に)、1個の遊技球が大入賞口30bに入球している。この場合、その都度、カウントスイッチ84から入賞検出信号が主制御CPU72に入力される(図中括弧書きで(1)(2)を付した波形)。
〔時刻t5〕
図45中(A):可変入賞装置30の2ラウンド目の開放時間が経過するか、2ラウンド目に1個の遊技球の入球があった場合、可変入賞装置30は2ラウンド目の開放動作を終了し、特別遊技管理ステータスの値が「05H」となる。
図45中(D):このとき、特別電動役物ソレノイド90がOFFになり、可変入賞装置30は開放状態から閉鎖状態に復帰する。
〔時刻t6〕
図45中(A):可変入賞装置30の閉鎖時間(例えば2秒程度)が終了すると、特別遊技管理ステータスの値は「06H」となる。
〔時刻t7〕
図45中(A):可変入賞装置30の閉鎖後有効時間(例えば2秒程度)が終了すると、特別遊技管理ステータスの値は「07H」となる。
〔時刻t8〕
図45中(A):可変入賞装置30の終了時間(例えば2秒程度)が終了すると、特別遊技管理ステータスの値は「00H」となり、次の特別図柄の変動の開始が許容される。
図45中(F):また、可変入賞装置30の終了時間が経過したことを契機として、発射位置指定フラグの値は「00H」となる。
図45中(G):この場合、発射位置指定表示ランプ38eは消灯状態となる。
図45中(H)(I):発射位置指定信号1,2はともにOFFとなる。
図45中(B):また、可変入賞装置30の終了時間が終了すると、可変入賞装置30の動作が終了するため、時間短縮機能はOFFの状態が維持される。
このように、本実施形態では、特殊状況下での右打ち(発射位置指定フラグ「01H」)から通常の右打ち(発射位置指定フラグ「03H」)に切り替わった際には、発射位置指定表示ランプ38eの点灯状態を維持するため、遊技者に対しては特殊状況下での右打ちという状況を意識させずに右打ちを示唆することができる。
また、リミッタ到達時の特別図柄抽選にて時短無し図柄に該当した場合、可変入賞装置30の動作が終了した後には時間短縮機能のOFFの状態が維持されるため、可変入賞装置30が開放していない状態で遊技者に対して右打ちを示唆することを回避することができる。
〔発射位置指定信号のまとめ〕
図46は、本実施形態におけるゲームフローのパターンとともに、発射位置指定信号の状態を示す概念図である。以下、順を追って説明する。
(1)基本パターン
図46中(A):「確変図柄1」又は「確変図柄2」の当選を経て、一度ゲームフローが〔F19〕確変中に移行した場合、基本的には極めて高い割合(選択比率98%)で確変当選が連続して発生する。そして、ここでは、チャンスゾーン中に上乗せが発生せず、リミッタ到達時に時短無し図柄に該当した場合を想定する。また、時間短縮状態においては、普通図柄の記憶が途切れずに存在しているものとする。
図46中(B):この場合、発射位置指定信号1は、時間短縮状態に移行してから、リミッタ到達時の可変入賞装置30の終了時間が終了するまでONの状態を維持する。
図46中(C):一方、発射位置指定信号2は、時間短縮状態に移行してからリミッタ到達1回前の確変図柄当選による可変入賞装置30の終了時間が終了するまでONの状態を維持し、リミッタ到達1回前の確変図柄当選による可変入賞装置30の終了時間が終了してからリミッタ到達時の可変入賞装置30の作動が開始されるまでOFFの状態を維持し、リミッタ到達時の可変入賞装置30の作動が開始してからリミッタ到達時の可変入賞装置30の終了時間が終了するまでONの状態となる。
(2)リミッタ上乗せパターン
図46中(D):上記(1)の基本パターン中、「リミッタ回数」が残り1回に到達した際に「通常図柄1」に該当した場合(選択比率2%)を考える。この場合、時間短縮機能作動回数として100回が付加される。
図46中(E):すると、大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行するため、普通図柄(作動抽選)当選を経て次回の特別図柄(内部抽選)で「確変図柄1」又は「確変図柄2」で当選(合成選択比率98%)することにより、そこで「リミッタ回数」が再設定される。この場合の確変当選は通常当選後の1回目に該当するため、この1回目を含めてさらに連続17回の確変当選の可能性が新たに発生する。
図46中(F):この場合、発射位置指定信号1は、時間短縮状態に移行してから、リミッタ到達時の可変入賞装置30の終了時間が終了するまでONの状態を維持する。
図46中(G):一方、発射位置指定信号2は、時間短縮状態に移行してからリミッタ到達1回前の確変図柄当選による可変入賞装置30の終了時間が終了するまでONの状態を維持し、リミッタ到達1回前の確変図柄当選による可変入賞装置30の終了時間が終了してからリミッタ到達時の可変入賞装置30の作動が開始されるまでOFFの状態を維持し、リミッタ到達時の可変入賞装置30の作動が開始してからリミッタ到達時の可変入賞装置30の終了時間が終了するまでONの状態となる。
このため、発射位置指定信号2は、リミッタ到達1回前の普通図柄当選による可変入賞装置30の終了時間が終了した場合にOFFの状態となることはない。このように、発射位置指定信号2は、リミッタ到達1回前に必ずOFFになるのではなく、リミッタ到達1回前に普通図柄で当選した場合に限ってOFFの状態となる。
本実施形態のパチンコ機1によるゲームフローの顕著なパターン(1)〜(4)の概要は、図35及び図36にて説明した通りであるが、特に上記(2)のリミッタ上乗せパターン、(3)のリミッタ到達後の継続パターンについては、それぞれのゲームフローが発生したことで遊技者の利益が増加する。ただし、上記(2)及び(3)のパターンはあくまで主制御CPU72による制御処理の上で行われているものであり、その流れを直接的に遊技者が感得することは難しい。
もちろん、特別図柄表示装置34の表示態様を注意深く観察していれば、遊技中にどのような当選図柄に該当したかを遊技者が確認することは可能である。しかし、特別図柄表示装置34そのものは7セグメントLEDであり、いずれの当選図柄についても、その表示態様はある程度記号的(例えば「巳」、「己」、「L」、「¬」、「Γ」、「日」等)となるため、そのような表示態様から瞬時に当選図柄の種類を判別することは困難である。
また、「リミッタ回数」については内部的な制御上の変数であり、特に遊技状態表示装置38で表示されるものではないことから、遊技中に「リミッタ回数」の上乗せが発生したことや、「リミッタ回数」が残り0回に到達したこと、あるいは、リミッタ到達後に時短あり通常図柄に当選したこと等の制御情報を遊技者が直接知ることは難しい。
そこで本実施形態では、上記(1)〜(4)のパターンに沿ってゲームフローが進行していることを遊技者に分かりやすく伝達するための演出手法を採用している。以下、本実施形態で採用している演出手法について、いくつかの例を挙げて説明する。なお、これらはあくまで例示であり、演出図柄や演出画像の内容について特に限定する意図ではない。
〔普通図柄はずれ演出〕
先ず図47は、上記の〔F2〕普通図柄非当選時に実行される演出例を示す連続図である。この演出例は、普通図柄の変動表示及び停止表示に対応させたものであり、具体的には演出図柄による変動表示演出及び停止表示演出(結果表示演出)の一例である。このうち変動表示演出は、普通図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、普通図柄が停止表示したことと、そのときの作動抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。上記のように、普通図柄表示装置33そのものは2つのLEDによる点灯・点滅表示であるため、それだけでは見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、基本的に演出図柄を用いた変動表示演出と停止表示演出が行われている。また、普通図柄の停止時もあくまでシンプルな態様(例えば上側のランプが1つ点灯)で表示されるだけであるため、演出図柄による停止表示演出からでなければ、当選したかどうかも遊技者は気付きにくい。これは逆に、遊技者は基本的に演出の内容から作動抽選の結果を判断する傾向にあることを意味し、それだけにゲームフロー上で演出が重要な役割を担っているといえる。
ここで、本実施形態では、演出図柄として4種類の演出図柄が用意されている。4種類の内訳は、普通図柄に対応する擬似演出図柄、普通図柄に対応する真の演出図柄、普通図柄に対応する第4図柄、特別図柄に対応する特別図柄の演出図柄である。
〔擬似演出図柄(キャラクター図柄、メインの演出図柄)〕
擬似演出図柄は、普通図柄に対応する擬似的な演出図柄であり、例えば女性キャラクターを模した絵柄により構成される演出図柄である(参照符号GE)。擬似演出図柄には、左演出図柄及び右演出図柄の2つが含まれている。これらは液晶表示器42の画面上で左右に並んで表示される。擬似演出図柄には、配列の順番を示す数字画像等は付されておらず、女性キャラクターが身にまとっている衣服の柄により各図柄を識別することになる。
そして、左演出図柄や右演出図柄により構成される図柄列は、画面上の左領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。なお、擬似演出図柄は、縦方向に流れる変動表示の態様ではなく、左右方向に回転する変動表示の態様であってもよい。
〔真の演出図柄〕
真の演出図柄は、普通図柄に対応する本来の演出図柄であり、例えば数字画像及び形状画像により構成されている(参照符号SE)。真の演出図柄には、上演出図柄、中演出図柄、下演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の右下端の画面上で上・中・下に並んで小さく表示される。
ここで、上演出図柄及び中演出図柄は、例えば算用数字の「1」〜「9」の画像により構成されているが、下演出図柄は、算用数字ではなく形状の画像により構成されている。そして、上・中・下演出図柄により構成される図柄列は、画面上の右端領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
〔第4図柄〕
第4図柄は、普通図柄に対応する演出図柄であり、液晶表示器42の画面下部に表示されている(参照符号FZ)。この第4図柄FZは、上記の上・中・下演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、普通図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄FZは、単純なマーク(例えば菱形「◇」の図形)に色彩を付したものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。
また、第4図柄FZについては、はずれに対応する態様(例えば白表示色の菱形の図形)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に作動抽選の結果が「当り」であれば、それに対応する態様(例えば赤表示色)で第4図柄FZは停止表示される。
〔特別図柄の演出図柄〕
特別図柄の演出図柄は、特別図柄に対応する演出図柄であり、液晶表示器42の画面下部に表示されている(参照符号TZ)。特別図柄の演出図柄は、特別図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、特別図柄の演出図柄は、単純なマーク(例えば丸印「○」の画像やハイフン「ー」の画像等)により構成したものであり、例えばその形状の画像の表示を切り替えることで変動表示を表現することができる。
また、特別図柄の演出図柄TZについては、はずれに対応する態様(例えばハイフン「ー」の画像)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に作動抽選の結果が「当り」であれば、それに対応する態様(例えば丸印「○」の画像)で特別図柄の演出図柄TZは停止表示される。
なお、これらの演出図柄を構成する各構成図柄の詳細については後述する。
図47は、普通図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の普通図柄の変動について、各演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、普通図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、普通図柄が停止表示されたことと、そのときの作動抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図47中(A):例えば、普通図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内の中央部分には2本の擬似演出図柄GEの列が大きく表示されている。また、真の演出図柄SEは、はずれの態様で停止表示されている(「1」−「1」−「×」)。これに合わせて、普通図柄に対応する第4図柄FZも、はずれの態様で停止表示されている(白表示色の菱形の図形)。なお、この時点で特別図柄は変動しないが、特別図柄に対応する演出図柄は、はずれの態様で停止表示されている(「−」)。
また、液晶表示器42の画面下部には、普通図柄の作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1を付す)が表示されるものとなっている。このマーカM1は、それぞれの表示個数が対応する普通図柄の作動記憶数(普通図柄作動記憶ランプ33による作動記憶数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1は、視覚的な判別を容易にするため普通図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示されている。なお、図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで普通図柄の作動記憶数が4個であることを表している(記憶数表示演出実行手段)。
さらに、液晶表示器42の画面下部の中央付近には、演出用のオブジェクトが表示されている(参照符号Y1)。図示の例では、演出用のオブジェクトは水晶を模した画像であり、普通図柄の変動が終了したことを示すために用いられる。このため、演出用のオブジェクトは普通図柄の変動中には、特段の演出が実行されることはない。なお、特に図示はしていないが、演出用のオブジェクトを予告演出として用いることにより(例えば演出用のオブジェクトの表示色を変化させたり、演出用のオブジェクトを変形させたりすることにより)、当りに対する期待度を示唆してもよい。
〔変動表示演出開始〕
図47中(B):例えば、普通図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で2つの擬似演出図柄GEがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。すなわち、普通図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、右演出図柄が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。図中、擬似演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には擬似演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば「砂浜」や「海」、「山」等の画像をモチーフとした海岸の背景画像となっている。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、上記の変動時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右端部では真の演出図柄SEが変動表示されており、普通図柄の第4図柄FZも変動表示されている。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、変動開始に伴って普通図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ非表示となり、作動抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、普通図柄に関して作動記憶数が減少したことを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔左演出図柄停止〕
図47中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、星柄のワンピースを着た女性キャラクターにより表現された左演出図柄が停止している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔右演出図柄停止、停止表示演出〕
図47中(D):普通図柄の停止表示に同期して(完全に同時でなくてもよい)、右演出図柄が変動を停止する。今回の作動抽選の結果が非当選であって、普通図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、各演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。この例では、花柄のワンピースを着た女性キャラクターにより表現された演出図柄が停止している。
本実施形態では、擬似演出図柄GEについては、同一柄のワンピースを着た女性キャラクターが左右に停止されると、リーチ状態となってその後のリーチ演出に発展していく。一方、異なる柄のワンピースを着た女性キャラクターが左右に停止されると、今回の変動は「はずれ」に該当していることになる。このため、遊技者としては、同一柄の女性キャラクターによる演出図柄が左右に停止されるかが最初の注目点となる。
図示の例では、異なる柄のワンピースを着た女性キャラクターによる演出図柄が左右に停止しているため、この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しており、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は花柄のワンピースを着た女性キャラクターにより表現された演出図柄が停止した後、右側の図柄列が所定の図柄分すべって星柄のワンピースを着た女性キャラクターにより表現された演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。
このとき、真の演出図柄SEは、はずれに対応する態様(「2」−「5」−「×」)で停止表示される。また、第4図柄FZも、はずれに対応する態様(例えば白表示色の菱形の図形)で停止表示される。
〔補助演出〕
また、普通図柄の変動が終了した場合には、補助演出が実行される。補助演出は、普通図柄が停止表示されたことを補助的に教示するための演出である。
図示の例では、演出用のオブジェクトY1がキラリと光る演出(光の画像が表示される演出)が実行され、普通図柄の停止表示音がスピーカ54,55,56から出力される演出が実行される(参照符号Y2)。なお、以下の説明においても、普通図柄の変動が終了した場合には、補助演出が実行される。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に作動抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上記の例は非当選時についてのものであるが、当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において各演出図柄が当りの態様で停止表示される。
〔擬似演出図柄の詳細〕
図48は、擬似演出図柄の詳細について説明するための図である。
図48には、擬似演出図柄の2本の図柄列のうち、左側の図柄列を構成する8つの演出図柄(参照符号A1〜A8)と、右側の図柄列を構成する8つの演出図柄(参照符号B1〜B8)とが横一列に並べられた状態で示されている。以下、擬似演出図柄の構成例について適宜、参照符号を付しながら説明する。
擬似演出図柄は、左側の図柄列を構成する8つの演出図柄と、右側の図柄列を構成する8つの演出図柄とで構成されているため、合計で16個の演出図柄により構成されている。
そして、各演出図柄は、基本的にはワンピースを着た女性キャラクターにより表現されているが、個々に異なった人物が表現されており、外見上で髪形や顔つき装飾品等の違いが表されることにより、そこには各キャラクターとしての個性(人物としての個性)が表現されている。
ここで、16人の女性キャラクターは、それぞれ個性を有しているが、その中で同一の柄のワンピースを着ているキャラクター同士がペアとなる。
例えば、演出図柄A1と演出図柄B1とにより表現されている女性キャラクターは、ともに白色の無地のワンピースを着ているため、この2人はペアとなる。そして、変動表示演出の実行中に、ペアとなる2人が揃えばリーチ演出が実行される。
そして、実際の変動表示演出においては、左右の図柄列がスクロールすることにより変動表示演出が実行される。
左側の図柄列については、演出図柄A1が表示された後に演出図柄A2が表示され、演出図柄A2が表示された後に演出図柄A3が表示されていく。そして最終の演出図柄A8が表示された後には再び演出図柄A1が表示され、このような表示がループして繰り返し実行される。
右側の図柄列も同様に、演出図柄B1が表示された後に演出図柄B2が表示され、演出図柄B2が表示された後に演出図柄B3が表示されていく。そして最終の演出図柄B8が表示された後には再び演出図柄B1が表示され、このような表示がループして繰り返し実行される。
なお、このような演出図柄の構成要素となる各種画像データは、例えば予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている(演出図柄要素規定手段)。
〔普通図柄の演出図柄、普通図柄の第4図柄、特別図柄の演出図柄の詳細〕
図49は、普通図柄の演出図柄、普通図柄の第4図柄、特別図柄の演出図柄の詳細について説明するための図である。
図中左カラムには、普通図柄の演出図柄(真の演出図柄)、普通図柄の第4図柄、特別図柄の演出図柄が示されている。
〔普通図柄の演出図柄〕
普通図柄の演出図柄は、複数の構成図柄の組み合わせにより停止表示の態様を表現する図柄である。例えば、構成図柄の組み合わせが、「7」−「7」−「笑顔のマーク」となれば当りである。
また、複数の構成図柄は、上演出図柄及び中演出図柄に対応する図柄列が数字画像により表示され、下演出図柄に対応する図柄列が形状画像により表示される。
普通図柄の演出図柄は、はずれ時の停止中(停止表示演出中)に表示される画像として、上・中演出図柄は「1」〜「9」のいずれかの画像が表示され、下演出図柄は「バツ印(×)」の画像が表示される。ここで、「1」〜「9」の画像と「バツ印(×)」の画像とは、変動表示演出及び停止表示演出に用いられる非当選用画像である。ただし、「7」の画像については、当選用画像も兼用している。
また、普通図柄の演出図柄は、当り時の停止中(停止表示演出中)に表示される画像として、上・中演出図柄はともに「7」の画像が表示され、下演出図柄は「笑顔のマーク」の画像が表示される。ここで、「7」の画像と「笑顔のマーク」の画像とは、変動表示演出及び停止表示演出に用いられる当選用画像である。
さらに、普通図柄の演出図柄は、変動中(変動表示演出中)に表示される画像として、上・中演出図柄は「1」〜「9」の画像が順番に表示され、下演出図柄は「バツ印(×)」の画像、「笑顔のマーク」の画像、「菱形(◇)」の画像、「星印(☆)」の画像が順番に表示される。ここで、「菱形(◇)」の画像と、「星印(☆)」の画像とは、変動表示演出に用いられ停止表示演出に用いられない変動表示専用画像である。
〔普通図柄の第4図柄〕
普通図柄の第4図柄は、構成図柄の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合により停止表示の態様を表現する図柄である。例えば、第4図柄が「赤表示色の菱形(◇)」の画像で停止表示されると当りである。
普通図柄の第4図柄は、はずれ時の停止中(停止表示演出中)に表示される画像として、「白表示色の菱形(◇)」の画像が表示される。ここで、「白表示色の菱形(◇)」の画像は、変動表示演出及び停止表示演出に用いられる非当選用画像である。
また、普通図柄の第4図柄は、当り時の停止中(停止表示演出中)に表示される画像として、「赤表示色の菱形(◇)」の画像が表示される。ここで、「赤表示色の菱形(◇)」は、変動表示演出及び停止表示演出に用いられる当選用画像である。
さらに、普通図柄の第4図柄は、変動中(変動表示演出中)に表示される画像として、「白表示色の菱形(◇)」の画像、「赤表示色の菱形(◇)」画像、「緑表示色の菱形(◇)」の画像、「青表示色の菱形(◇)」の画像、「橙表示色の菱形(◇)」の画像、「紫表示色の菱形(◇)」の画像、「黒表示色の菱形(◇)」の画像が順番に表示される。
ここで、「緑表示色の菱形(◇)」の画像、「青表示色の菱形(◇)」の画像、「橙表示色の菱形(◇)」の画像、「紫表示色の菱形(◇)」の画像、「黒表示色の菱形(◇)」の画像は、変動表示演出に用いられ停止表示演出に用いられない変動表示専用画像である。
本実施形態では、普通図柄の第4図柄について、当選用画像と非当選用画像とを同一の形状の画像として規定しているため(両者とも「◇」の画像であるため)、当選用画像の数(1個)と非当選用画像の数(1個)とを加算した数(2個)よりも多い数(5個)の変動表示専用画像を規定している。
普通図柄の第4図柄については、当選用画像と非当選用画像とが同一の形状の画像(両者とも「◇」の画像)であるため、遊技者にとっては当選用画像と非当選用画像とを見分けにくい。当選用画像と非当選用画像とを見分けにくいということは、演出図柄を見誤ってしまうという誤認の可能性も多くなる。このため、誤認の可能性の多い演出図柄に関しては、変動表示専用画像の導入数を比較的多く設定することにより、誤認防止の効果を高めることができる。
〔特別図柄の演出図柄〕
特別図柄の演出図柄は、構成図柄の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合により停止表示の態様を表現する図柄である。例えば、特別図柄の演出図柄が「丸印(○)」の画像で停止表示されると当りである。
特別図柄の演出図柄は、はずれ時の停止中(停止表示演出中)に表示される画像として、「ハイフン(−)」の画像が表示される。ここで、「ハイフン(−)」の画像は、変動表示演出及び停止表示演出に用いられる非当選用画像である。
また、特別図柄の演出図柄は、当り時の停止中(停止表示演出中)に表示される画像として、「丸印(○)」の画像が表示される。ここで、「丸印(○)」の画像は、変動表示演出及び停止表示演出に用いられる当選用画像である。
さらに、特別図柄の演出図柄は、変動中(変動表示演出中)に表示される画像として、「ハイフン(−)」の画像、「丸印(○)」の画像、「三角(△)」の画像、「四角(□)」の画像が順番に表示される。ここで、「三角(△)」の画像と、「四角(□)」の画像とは、変動表示演出に用いられ停止表示演出に用いられない変動表示専用画像である。
本実施形態では、特別図柄の演出図柄について、当選用画像(例えば「○」の画像)と非当選用画像(例えば「−」の画像)とを異なる形状の画像として規定しているため、当選用画像の数(1個)と非当選用画像の数(1個)とを加算した数(2個)と同一の数(2個)の変動表示専用画像(例えば「△」の画像、及び「□」の画像)を規定している。
特別図柄の演出図柄については、当選用画像(例えば「○」の画像)と非当選用画像(例えば「−」の画像)とが異なる形状の画像であるため、遊技者にとっては当選用画像と非当選用画像とを直感的に見分けやすい。当選用画像と非当選用画像とを見分けやすいということは、演出図柄を見誤ってしまうという誤認も少なくなる。このため、誤認の少ない演出図柄に関しては、変動表示専用画像の導入数も必要最低限の数に抑えることにより、画像容量を削減することができる。
いずれにしても、本実施形態では、変動表示専用画像(太字の破線の枠内に表示された画像)は、変動表示演出には用いられるが、停止表示演出には用いられない画像である。すなわち、変動表示専用画像は、変動中にのみ出現する画像であり、停止表示中に出現する画像ではない。
そして、このような演出図柄の構成要素となる各種画像データは、例えば予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている(演出図柄要素規定手段)。
〔普通図柄当り演出〕
次に、図50〜図54は、上記の〔F3〕普通図柄当り時又は非当選時に実行される演出例を示す連続図である。なお、図47においては、はずれとなる演出例について説明したが、図50〜図54では、スーパーリーチ演出を経て当選(当り)又ははずれ(非当選)となる演出例について説明する。
〔変動表示演出〕
図50中(A):ここでも同様に、普通図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で擬似演出図柄GE(左演出図柄及び右演出図柄)の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
また、普通図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右端部では真の演出図柄SEが変動表示されており、普通図柄の第4図柄FZも変動表示されている。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図50中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図50中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチかしら」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先のリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図50中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて擬似演出図柄GEの左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置にボーダー柄のワンピースを着た女性キャラクターの演出図柄が停止している。
〔右演出図柄の停止〕
図51中(D):そして左演出図柄に続き、擬似演出図柄GEの右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、「Hの文字」が付されたワンピースを着た女性キャラクターの演出図柄が停止している。この場合、左右の女性キャラクターの柄が一致していないため、通常であれば非当選であることを意味している。
〔すべり演出〕
図51中(F):ここで、右演出図柄に対してすべり演出が発生する。すべり演出は、一旦停止した演出図柄を別の演出図柄に変更するための演出である。図示の例では、左側に表示されたボーダー柄のワンピースを着た女性キャラクターがくしゃみをするとともに、画面上に「ハクション」の文字情報が表示される。そして、このくしゃみのアクションに基づいて右演出図柄が再び変動を開始する。
〔リーチ状態の発生〕
図51中(G):すべり演出によって先の右演出図柄とは異なる右演出図柄の変動表示が停止される。図示の例では、画面の右側位置にボーダー柄のワンピースを着た女性キャラクターの演出図柄が停止していることから、画面上に横一線状(1本のライン上)のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。
リーチ状態の発生後は、以下のスーパーリーチ演出が実行される。スーパーリーチ演出では、ボーダー柄のワンピースを着たペアの女性キャラクターにより、リーチ演出が実行される。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図51中(H):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図52中(I):リーチ発生後予告演出が実行された後もリーチ状態は継続しており、これ以降はスーパーリーチ演出が進行していく。図示の例では、ボーダー柄のワンピースを着た2人の女性キャラクターが飛行機に乗り込む演出が実行されている。そして、飛行機に乗り込んだ2人の女性キャラクターが「出発(しゅっぱーつ)!!」という台詞を発する演出が実行される。
図52中(J):ついで、2人の女性キャラクターが乗り込んだ飛行機が斜面を滑り落ちていく演出が実行される。斜面の先端は、ジャンプ台となっている。
図52中(K):そして、2人の女性キャラクターが乗り込んでいる飛行機が斜面の先端に設置されたジャンプ台を通過して空中に飛び出す演出が実行される。ジャンプ台を利用して上手く飛び立てない場合には、飛行機が前方の海に落下して、はずれとなる展開もある。
図52中(L):ジャンプ台を上手く利用して離陸に成功すると、空中に飛び出した飛行機が空高く上昇し、2人の女性キャラクターを乗せた飛行機が目的地を目指して飛んでいく演出が実行される。
図53中(M):そして、ある程度の飛行時間が経過すると、飛行機の目的地となる島が表示される。島の中央部分には「GOAL」の文字を付した旗が掲げられており、着地地点の明確化を図っている。この状態で飛行機がゴール地点となる島に無事に着陸すれば当りとなり、飛行機がゴール地点となる島に着陸することができなければはずれとなる展開である。したがって、この局面はスーパーリーチ演出の最終段階であり、遊技として最も盛り上がる部分である。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図53中(N):スーパーリーチ演出が最終段階を迎えたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示されるカットイン予告演出が実行される。図示の例では、画面上を斜めにカットされた領域の中に3人の女性キャラクターが表示され、すべての女性キャラクターが両手を合わせて祈りをささげている情景が表示されている。
〔当選時〕
図53中(O):今回の普通図柄の変動が当選に該当している場合、ゴール地点となる島に飛行機が無事に着陸する演出が実行される。飛行機が無事に着陸する演出が実行されると、当り(当選)であることを意味している。
図53中(P):そして、普通図柄の停止表示に略同期して、普通図柄に対応する演出図柄についても停止表示演出が行われる。擬似演出図柄GEに関しては、女性キャラクターによる左・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。また、真の演出図柄SEに関しては、予め当りに対応付けられた当選の態様(「7」−「7」−「笑顔のマーク」)で停止表示される。さらに、普通図柄の第4図柄FZは、当りに対応する態様(例えば赤表示色の菱形の画像)で停止表示される。
このような確定停止表示を行うことで、「普通図柄当り」が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。ただし、本実施形態では普通図柄(作動抽選)の当りがそのまま上記の〔F19〕高確率中や〔F31〕時短中を確約するものではないため、あまり大々的に「当り」をアピールする内容となっていない。すなわち、ここでは左演出図柄と右演出図柄とを揃えるだけの表示にとどめたり、下演出図柄の表示態様を上演出図柄や中演出図柄と異なる「笑顔のマーク」の画像としたりすることで、一般に採用されている「三つ揃い」のイメージをある程度緩和させている。
〔非当選時〕
図54中(Q):今回の普通図柄の変動が非当選に該当している場合であっても、スーパーリーチ演出が実行されることもある。そして、スーパーリーチ演出の実行中に、飛行機の目的地となる島が表示される点は先に説明した演出例と同様である。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図54中(R):スーパーリーチ演出が最終段階を迎えたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示されるカットイン予告演出が実行される。図示の例では、画面上を斜めにカットされた領域の中に1人の女性キャラクターが表示され、その女性キャラクターが両手を合わせて祈りをささげている情景が表示されている。このカットイン予告演出は、3人の女性キャラクターにより実行された先の演出例とは異なり1人の女性キャラクターにより実行される演出となるため、当りに対する期待度が先ほどよりも高くないということを遊技者に対して伝達することができる。
図54中(S):今回の普通図柄の変動がはずれに該当している場合、ゴール地点となる島に飛行機が着陸できずに、手前の海に飛行機が落下する演出が実行される。手前の海に飛行機が落下する演出が実行されると、はずれ(非当選)であることを意味している。
図54中(T):そして、普通図柄の停止表示に略同期して、普通図柄に対応する演出図柄についても停止表示演出が行われる。擬似演出図柄GEに関しては、女性キャラクターによる左・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。また、真の演出図柄SEに関しては、はずれの態様(「1」−「2」−「×」)で停止表示される。さらに、普通図柄の第4図柄FZは、はずれに対応する態様(例えば白表示色の菱形の画像)で停止表示される。
〔可変始動入賞装置作動時演出〕
次に図55は、上記の〔F4〕可変始動入賞装置作動時に実行される演出例を示す図である。
図55中(A):この例では、例えば液晶表示器42の画面内に女性キャラクターが出現するとともに、「じゃんけんバトルに勝利すれば」といった台詞を発する演出が行われている。このような演出により、この後に「じゃんけんバトル」という演出が実行されるということを遊技者に教示することができる。
また、液晶表示器42の画面内には、例えば背景画像とともに「右打ち」の文字情報が表示されるとともに、遊技領域8a内の右側部分を指示する矢印記号が表示される(発射位置指定演出)。図示の例では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
ここで、真の演出図柄SEに関しては、予め当りに対応付けられた当選の態様(「7」−「7」−「笑顔のマーク」)で停止表示されている。また、普通図柄の第4図柄FZは、当りに対応する態様(例えば赤表示色の菱形の画像)で停止表示されている。さらに、特別図柄の演出図柄TZは、はずれに対応する態様(「ハイフン(−)」の画像)で停止表示されている。なお、普通図柄に関しては、抽選要素の作動記憶がある場合、次の変動を開始させてもよいが、普通図柄の終了時間をある程度長めに設定する(例えば可変入賞装置30の終了時間が経過する時間よりも遅く普通図柄の終了時間が終了するように設定する)ことにより、可変入賞装置30での遊技が終了するまで普通図柄の変動の開始を抑制することができる。
図55中(B):先の台詞演出に続けて、女性キャラクターが「チャンスゾーンに突入よ!!」といった台詞を発する演出が行われる。これにより、この後行われる「じゃんけんバトル」の勝敗により移行されるモードが異なることを遊技者に教示することができ、そして、勝利した場合には「チャンスゾーン」といった有利なモードに移行するといったことを遊技者に教示することができる。
また、液晶表示器42の画面上部では、帯状の領域を用いて右打ちを示唆する発射位置指定演出が継続されている。
図55中(C):その後、作動中の可変始動入賞装置28に遊技球が入球し、特別図柄の変動が開始されると、画面内に「じゃんけんバトル開始!!」といった文字が表記された画像が表示される演出が行われる。また、特別図柄の演出図柄TZは、変動表示されている。
一方、可変始動入賞装置28の作動が終了し、可変始動入賞装置28の終了時間が開始されると、発射位置指定演出は実行されなくなる。具体的には、右打ちを示唆する帯状の画像が消去される。これ以降は、次に可変入賞装置30が作動するまで特に右打ちを実行する必要がなくなるため、右打ちを示唆する発射位置指定演出を実行しないことにより、無駄球の打ち出しを回避することができる。
〔特別図柄変動時演出〕
図56及び図57は、上記の〔F7〕特別図柄変動時(変動時間内)に実行される演出例を示す連続図である。なお、この例では、〔F7〕の特別図柄変動から確率2分の1で当選し、〔F16〕の確変図柄1,2当選又は〔F11〕の通常図柄1当選のいずれかに進むゲームフローを想定している。
例えば図56中(D)に示されているように、この演出の初期では、味方の女性キャラクター(左側)と敵方のキャラクター(右側)の画像が並んで表示されるとともに、お互いが睨み合い、真ん中で火花を散らしている様子が動画像によって演出的に表現されている。また、適宜、表示画面内に「勝負」等の文字が表示されることで、遊技者に対して「いよいよこれから2人の勝負が始まるぞ」といった観念を想起させることができる。また、このとき合わせて各キャラクターの台詞(例えば「絶対に勝つ!」「かかって来なさい!」等)が音響出力される態様であってもよい。この場合、例えば台詞の内容で期待度を示唆することができる(台詞の内容が積極的なほど期待度が高い等。)。
図56中(E):演出の中期には、2名のキャラクターが表示画面から一旦消えて、「じゃんけん」という文字情報が大きく表示される。これにより、遊技者に対して「キャラクター同士がじゃんけんで勝負するのだな」という観念を想起させることができる。なお、合わせて「じゃんけんで勝負」といった掛け声や効果音、BGM等が音響出力される態様であってもよい。
図56中(F):演出の中後期には、2名のキャラクターが「それぞれじゃんけんの手を出す」という内容の動画像が表示される。この例では、画面の左から味方のキャラクターの手「チョキ」が出現し、また、画面の右から敵方のキャラクターの手「パー」が出現するまでの一連の様子が表現されている。このとき、各キャラクターの動作に合わせて、「じゃーんけーんーぽん!」といった掛け声が音響出力される態様であってもよい。
図57中(G):演出の終期には、勝負の結果、見事に味方のキャラクターが勝利を収めたことが表示される。この例では、見事勝利した味方のキャラクターが表示画面の中央に大写しとなり、顔の横で勝利のVサインを見せている様子が演出的に表現されている。また、表示画面内には、「勝った!!」という文字が表示されることで、遊技者に対して「じゃんけんに勝利した」という観念を想起させることができる。
図57中(H):その後、じゃんけんバトルにおいて勝利したことにともない、女性キャラクターが登場し、「チャンスゾーン突入!!」といった文字が表記された画像が表示される演出が行われる。これにより、「今回の大当りで確変中への移行が確定した」ということを教示することができる。また、特別図柄の演出図柄TZは、当りに対応する態様(「丸印(○)」の画像)で停止表示されている。
そして、特別図柄の停止表示時間が経過して可変入賞装置30が開放待ち状態に移行すると、液晶表示器42の画面上部では、帯状の領域を用いて右打ちを示唆する発射位置指定演出が再開される(発射位置指定演出)。これにより、遊技者に対して再び「右打ち」を促し、可変入賞装置30に遊技球を入球させることを促進させることができる。
図57中(I):そして、女性キャラクターが「右打ちを開始してね!!」といった台詞を発する遊技説明演出が実行される。これにより、モードが「チャンスゾーン」である場合には、遊技球を盤面の右側を流動させて遊技を進行させることを遊技者に対して明確に教示することができる。このような遊技説明演出により、「チャンスゾーン」における遊技方法は、遊技球を右始動ゲート21に通過させるか、可変始動入賞装置28又は可変入賞装置30に遊技球を入球(入賞)させる遊技方法であるといったことを遊技者に教示することができる。
〔特別図柄非当選時演出例〕
図58は、チャンスゾーンに突入しない場合の特別図柄変動時(変動時間内)に実行される演出例を示す連続図である。具体的には、〔F7〕の特別図柄変動から〔F8〕の非当選に進む場合は、例えば以下の演出例が実行される。
図58中(J):この例では、画面の左から味方のキャラクターの手「チョキ」が出現し、また、画面の右から敵方のキャラクターの手「グー」が出現するまでの一連の様子が表現されている。また、特別図柄の演出図柄TZは、変動表示されている。
図58中(K):勝負の結果、残念ながら味方のキャラクターが敗北してしまったことが表示される。この例では、敗北した味方のキャラクターが表示画面の中央に大写しとなり、がっかりした様子が演出的に表現されている。また、表示画面内には、「負けた・・・」という文字が表示されることで、遊技者に対して「じゃんけんに敗北した」という観念を想起させ、「今回はチャンスゾーンに突入することができなかった」ということを教示することができる。また、特別図柄の演出図柄TZは、はずれに対応する態様(「ハイフン(−)」の画像)で停止表示されている。
図58中(L):その後、特別図柄の停止表示時間が経過して特別図柄の変動待ち状態に移行すると、女性キャラクターが「また挑戦してね!!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、モードが「通常モード」に戻るということを遊技者に対して教示することができる。
〔確変中演出〕
次に図59は、上記の〔F18〕可変入賞装置作動から〔F19〕の確変中にゲームフローが進行する場合に実行される演出例を示す図である。なお、ここでは「確変中演出」としているが、〔F19〕確変中と〔F31〕時短中を合わせたチャンスゾーンにゲームフローが進行する場合に実行される演出例としてもよい。
図59中(A):例えば〔F18〕の可変入賞装置作動時において、液晶表示器42の画面内には、例えば背景画像とともに「右打ち」の文字情報が表示されるとともに、遊技領域8a内の右側部分を指示する矢印記号が表示される(発射位置指定演出)。図示の例では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促し、可変始動入賞装置28又は可変入賞装置30の開放動作に伴う入賞が発生することを意識させることができる。なお、このとき背景画像には、例えば先の演出例で勝利した女性キャラクターがリラックスして腰掛けている様子が表現されている。
また、画面内の下部上段位置には、チャンスゾーン中に払出制御装置92によって払い出された遊技球の合計数が払い出しポイント(参照符号P)として表示されている。この払い出しポイントPは、チャンスゾーンに滞在している状況において、現時点での賞球による払い出しの数を示している。なお、払い出しポイントPは、純粋な遊技球の払い出し数を示しているが、実際にはチャンスゾーンにて遊技球の打ち出しも行っているため、本来の獲得出球数は払い出しポイントPよりも少ない値(例えば、8割程度の値)となる。
そして、図示の例では、払い出しポイントPとして「00000pt」が表示されており、現時点では1つの賞球も得られていないことが表現されている。この後、可変始動入賞装置28や可変入賞装置30、普通入賞口22,24,25に遊技球が入球すると払い出しポイントPの数値は次第に上昇していく。
さらに、画面内の下部下段位置には、例えば「リミッタ回数」の残りに対応するリミッタ残数メータ(参照符号M)が表示されており、このリミッタ残数メータMには、現時点での「リミッタ回数」の残り回数が棒グラフのような態様で表示される。この例では、リミッタ残数メータMの矩形枠内において、その右端の1つを除いた縦長のブロックが17個点灯した状態で「リミッタ回数」が残り17回(最大18回)であることを表している。なお、この後、〔F18〕の可変入賞装置作動から〔F19〕の確変中にゲームフローが進行すると、リミッタ残数メータMの表示は1つ減って16回となる。
ここで、〔F19〕確変中と〔F31〕時短中においては、真の演出図柄SE、普通図柄の第4図柄FZ、特別図柄の演出図柄TZは、画面内の左端部位置に表示される(以下同様)。ここではいずれの演出図柄も、当りの態様により停止表示されている。
〔リミッタ残数メータ演出〕
図59中(B):上記の〔F19〕確変中でループを繰り返している間、画面内には引き続き背景画像とともに「右打ち」の文字情報が表示され、合わせて遊技領域8a内の右側部分を指示する矢印記号が表示される。一方、リミッタ残数メータMについては、確変当選が発生する度ごとに1つずつ点灯ブロックが減少していく態様で表示される。このようなリミッタ残数メータMの表示態様により、遊技者に対して「確変中のリミッタ残数が次第に減少してきている」ということを想起させ、実際のゲームフロー上で使用されている内部情報(「リミッタ回数」)を遊技者に伝達(教示、示唆)することができる。
また、払い出しポイントPとしては、「00240pt」の文字情報が表示されている。これは、この時点までに240個の遊技球が払い出されたことを表している。このような払い出しポイントPの表示態様により、遊技者に対して「チャンスゾーンにて着実に利益が得られている」ということを伝達し、さらなる利益を得ようとする意欲を向上させることができる。
〔発射位置指定演出及び払い出し演出の詳細〕
図60〜図65は、発射位置指定演出及び払い出し演出の詳細について説明するための連続図である。ここでは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球した場合、可変入賞装置30に遊技球が入球した場合、普通入賞口25に遊技球が入球した場合を順番に説明する。
図60中(A):チャンスゾーン(低確率時間短縮状態又は高確率時間短縮状態等)にて可変始動入賞装置28が作動する場合、液晶表示器42の画面上部では、帯状の領域を用いて右打ちを示唆する発射位置指定演出が実行される。この発射位置指定演出は、普通図柄の記憶が存在する限り継続するが、普通図柄の記憶が存在しなくなった場合、可変始動入賞装置28の作動中においては可変始動入賞装置28の終了時間に突入するまで継続する。また、ここでは払い出しポイントPとして「00000pt」が表示されており、現時点では1つの賞球も得られていないことが表現されている。
そして、図示の例では、普通図柄抽選にて当選の結果が得られており、普通図柄が当選の態様で停止表示されているため、可変始動入賞装置28の開閉部材28bはその下端縁をヒンジとして前面側へ倒れ込むようにして開位置に変位し、始動入賞口28aを開放する。これにより、始動入賞口28aへの入球の発生が可能となる。
図60中(B):チャンスゾーンでの遊技が進行し、液晶表示器42の表示画面では、チャンスゾーン中演出が継続されている。
ここで、可変始動入賞装置28の開閉部材28bは、開放状態で遊技球300を案内する部材として機能し、開放中の可変始動入賞装置28の上方から流下してきた遊技球300は、開閉部材28bに受け止められて案内され、始動入賞口28aに入球する。可変始動入賞装置28に入球した遊技球300は、可変始動入賞装置28に設けられた始動入賞口スイッチ82で検出される。
図60中(C):遊技球300が始動入賞口スイッチ82で検出されたことを契機として遊技球の払い出し処理が実行される。具体的には、払出制御装置92によって9個の遊技球が払い出される処理が実行される。また、ここでは払い出しポイントPとして「00009pt」が表示されており、9個の賞球が得られたことが表現されている。
また、遊技球300が始動入賞口スイッチ82で検出されたことを契機として特別図柄の変動が開始される。図示の例では、特別図柄の演出図柄TZが変動表示されている。
ここで、普通図柄の記憶が存在しなくなったものとする。そうすると、可変始動入賞装置28の終了時間中は、発射位置指定演出は実行されなくなる。具体的には、右打ちを示唆する帯状の画像が消去される(表示されなくなる)。普通図柄の記憶が存在しない場合は、普通入賞口の配置や普通入賞口の数により、右打ち領域(第2遊技領域)よりも左打ち領域(第1遊技領域)の方が有利となるため、発射位置指定演出を実行し続けないことにより、より正確に遊技者の利益が大となる方向を指定することができる。
図61中(D):特別図柄が当選の態様で停止表示されると、特別図柄の演出図柄TZが当選の態様で停止表示され、合わせてリミッタ残数メータMが1つ減少する演出が実行される。また、特別図柄抽選にて当選の結果が得られると、特別図柄が当選の態様で停止表示され、左右一対の開閉部材30aはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、大入賞口30bの開口幅を左右に拡大する。
そして、特別図柄の停止表示時間が経過して可変入賞装置30が開放待ち状態に移行すると、液晶表示器42の画面上部では、帯状の領域を用いて右打ちを示唆する発射位置指定演出が再開される(発射位置指定演出)。これにより、遊技者に対して再び「右打ち」を促し、可変入賞装置30に遊技球を入球させることを促進させることができる。そして、右打ちを示唆する発射位置指定演出は、可変入賞装置30の終了時間が経過するまで継続される。
図61中(E):可変入賞装置30が開放状態に移行すると、遊技球300の流入が可能な状態となり、大入賞口30bに遊技球を入球させることができる。図示の例では、可変入賞装置30にいまにも遊技球300が入球しそうな状態である。可変入賞装置30の左右の開閉部材30aは、開放状態で遊技球300を案内する部材として機能し、開放中の可変入賞装置30の上方から流下してきた遊技球300は、開閉部材30aに受け止められて案内され、大入賞口30bに入球する。
図61中(F):可変入賞装置30に設けられたカウントスイッチ84で遊技球300の入球が検出されたことを契機として、現在実行中のラウンド(1ラウンド目)が終了し、可変入賞装置30は閉鎖状態となる。したがって、この状態では、遊技球300が大入賞口30bに入球することはない。
そして、遊技球300がカウントスイッチ84で検出されたことを契機として遊技球の払い出し処理が実行される。具体的には、払出制御装置92によって6個の遊技球が払い出される処理が実行される。また、ここでは払い出しポイントPとして「00015pt」が表示されており、チャンスゾーン中に合計で15個の賞球が得られたことが表現されている。
図62中(G):液晶表示器42の表示画面では、チャンスゾーン中演出が継続されている。また、次のラウンド(2ラウンド目)が開始されると、可変入賞装置30は再び開放状態となる。
図62中(H):可変入賞装置30が開放状態に移行すると、遊技球300の流入が可能な状態となり、大入賞口30bに遊技球を入球させることができる。図示の例では、可変入賞装置30にいまにも遊技球300が入球しそうな状態である。
図62中(I):可変入賞装置30が開放している状態で、可変入賞装置30に設けられたカウントスイッチ84で遊技球300の入球が検出されると、現在実行中のラウンド(2ラウンド目)が終了し、可変入賞装置30は閉鎖状態となる。
そして、遊技球300がカウントスイッチ84で検出されたことを契機として遊技球の払い出し処理が実行される。具体的には、払出制御装置92によって6個の遊技球が払い出される処理が実行される。また、ここでは払い出しポイントPとして「00021pt」が表示されており、チャンスゾーン中に合計で21個の賞球が得られたことが表現されている。
図63中(J):液晶表示器42の表示画面では、チャンスゾーン中演出が継続されている。そして、本実施形態の払い出しポイントPでは、普通入賞口に遊技球が入球した場合も加算表示が実行される。図示の例では、普通入賞口25の上方の釘に遊技球300が弾かれている。
ここで、可変入賞装置30の終了時間が経過し、かつ、普通図柄の記憶が存在していないものとする。そうすると、可変入賞装置30の終了時間の経過後は、発射位置指定演出は実行されなくなる。具体的には、右打ちを示唆する帯状の画像が消去される。普通図柄の記憶が存在しない場合は、普通入賞口の配置や普通入賞口の数により、右打ち領域(第2遊技領域)よりも左打ち領域(第1遊技領域)の方が有利となるため、発射位置指定演出を実行し続けないことにより、より正確に遊技者の利益が大となる方向を指定することができる。
図63中(K):液晶表示器42の表示画面では、チャンスゾーン中演出が継続されている。そして、今度は遊技球300が普通入賞口25上方の釘の間に進入してきている。
図63中(L):液晶表示器42の表示画面では、チャンスゾーン中演出が継続されている。そして、最終的には、遊技球300が普通入賞口25に入球している。普通入賞口25に入球した遊技球300は、入賞口スイッチ86で検出される。
遊技球300が入賞口スイッチ86で検出されたことを契機として遊技球の払い出し処理が実行される。具体的には、払出制御装置92によって10個の遊技球が払い出される処理が実行される。また、ここでは払い出しポイントPとして「00031pt」が表示されており、チャンスゾーン中に合計で31個の賞球が得られたことが表現されている。
このように、本実施形態によれば、可変始動入賞装置28や、可変入賞装置30だけでなく、普通入賞口25での利益も含めた正確な利益を遊技者に教示することができる。普通入賞口25に遊技球が入球することは稀なことではあるが、そのような状況も含めた利益を遊技者に伝達することにより、チャンスゾーンにて得られた利益を正確に遊技者に教示することができる。
図64中(M):液晶表示器42の表示画面では、チャンスゾーン中演出が継続されている。ここでは、未だ普通図柄の記憶が存在していないものとする。この場合、時間短縮状態であるにも関わらず、右打ちを示唆する発射位置指定演出は実行されない。
また、普通図柄表示装置33では、上のLEDを点灯させた状態(当りの態様)で停止表示が継続されている。また、普通図柄の記憶が存在していないため、普通図柄作動記憶ランプ33aは消灯状態となっている。さらに、発射位置指定表示ランプ38eも消灯状態となっている。ただし、チャンスゾーンは時間短縮状態であるため、時短状態表示ランプ38dは点灯状態となっている。
図64中(N):液晶表示器42の表示画面では、チャンスゾーン中演出が継続されている。ここで遊技者が左打ちを実行し、遊技球が中始動ゲート20を通過し、普通図柄抽選の抽選契機が発生したものとする。そうすると、普通図柄表示装置33では、2つのランプを交互に点灯させて普通図柄が変動表示される。また、液晶表示器42の表示画面では、真の演出図柄SE及び普通図柄の第4図柄FZが変動表示されている。さらに、時間短縮状態において普通図柄が変動中となるため、発射位置指定表示ランプ38eは点灯状態となる。
そして、普通図柄が変動を開始すると、液晶表示器42の画面上部では、帯状の領域を用いて右打ちを示唆する発射位置指定演出が再開される(発射位置指定演出)。これにより、遊技者に対して再び「右打ち」を促し、可変始動入賞装置28に遊技球を入球させることを促進させることができる。
図64中(O):液晶表示器42の表示画面では、チャンスゾーン中演出が継続されている。ここで、普通図柄抽選にて当選の結果が得られ、普通図柄の変動時間が終了したものとする。そうすると、普通図柄表示装置33では、上下2つのランプのうち、上のランプを点灯させることで当選時の停止表示が行われる。また、液晶表示器42の表示画面では、真の演出図柄SEが当選の態様(「7」−「7」−「笑顔のマーク」)で停止表示され、普通図柄の第4図柄FZが当選の態様(例えば赤表示色の菱形の画像)で停止表示される。
そして、普通図柄の停止表示中は、液晶表示器42の画面上部にて、帯状の領域を用いて右打ちを示唆する発射位置指定演出が継続される(発射位置指定演出)。これにより、遊技者に対して「右打ち」を促し、可変始動入賞装置28に遊技球を入球させることを促進させることができる。
図65中(P):液晶表示器42の表示画面では、チャンスゾーン中演出が継続されている。また、ここでは払い出しポイントPとして「00031pt」が表示されており、これまでに31個の賞球が得られたことが表現されている。
そして、図示の例では、普通図柄抽選にて当選の結果が得られており、普通図柄が当選の態様で停止表示されているため、可変始動入賞装置28の開閉部材28bはその下端縁をヒンジとして前面側へ倒れ込むようにして開位置に変位し、始動入賞口28aを開放する。これにより、始動入賞口28aへの入球の発生が可能となる。
また、チャンスゾーンにて可変始動入賞装置28が作動する場合、液晶表示器42の画面上部では、帯状の領域を用いて右打ちを示唆する発射位置指定演出が実行される。
図65中(Q):チャンスゾーンでの遊技が進行し、液晶表示器42の表示画面では、チャンスゾーン中演出が継続されている。
ここで、可変始動入賞装置28の開閉部材28bは、開放状態で遊技球300を案内する部材として機能し、開放中の可変始動入賞装置28の上方から流下してきた3つの遊技球300は、開閉部材28bに受け止められて案内され、始動入賞口28aに入球する。可変始動入賞装置28に入球した3つの遊技球300は、可変始動入賞装置28に設けられた始動入賞口スイッチ82で検出される。
図65中(R):遊技球300が始動入賞口スイッチ82で検出されたことを契機として遊技球の払い出し処理が実行される。具体的には、払出制御装置92によって27個(3個入球×9個賞球)の遊技球が払い出される処理が実行される。また、ここでは払い出しポイントPとして「00058pt」が表示されており、これまでに58個の賞球が得られたことが表現されている。
また、遊技球300が始動入賞口スイッチ82で検出されたことを契機として特別図柄の変動が開始される。図示の例では、特別図柄の演出図柄TZが変動表示されている。
そして、ここでは、普通図柄の記憶が存在しているものとする。そうすると、可変始動入賞装置28の終了時間中であっても、発射位置指定演出は継続される。時間短縮状態にて普通図柄の記憶が存在する場合は、すぐに可変始動入賞装置28が作動することから、左打ちよりも右打ちの方が有利となるため、発射位置指定演出を実行し続けることにより、より正確に遊技者の利益が大となる方向を指定することができる。
〔リミッタ上乗せ演出〕
次に図66は、確変中の通常当選によるリミッタ上乗せが発生した場合に実行される演出例を示す図である。ただし、実際の上乗せ回数はその発生時点でのリミッタ残数との関係で大小に異なるし、遊技者にとってはどの段階で実際の上乗せが発生したかを外見上で判別することは困難であるため、これを演出上で表現する場合の演出手法(見せ方)には様々な態様が考えられる。
図66中(A):例えば、内部的には「リミッタ回数」に10回の上乗せが発生していても、これを5回分ずつに分けて2回の上乗せ演出を実行することができる。この場合、画面内に比較的小型なハートの図形を模した画像が表示されるとともに、その内側に例えば「+5」の上乗せ回数情報が表示される。また、合わせてリミッタ残数メータMの表示を5度数増加させる演出が行われる(図示していない)。これにより、遊技者に対して「リミッタ回数の残りが5回上乗せされた」ということを伝達することができる。そしてこの後、例えばリミッタ残数メータMの表示が残り少なくなった段階で、さらに5回分の上乗せ演出が実行される。これにより、演出1回あたりの上乗せ回数は少なくなるものの、数多くの上乗せ演出を発生させることで、遊技者に対して意外感や驚きの感覚を抱かせることができる。なお、ここでは払い出しポイントPとして「00540pt」が表示されており、チャンスゾーン中に合計で540個の賞球が得られたことが表現されている。
図66中(B):あるいは、既にリミッタ残数メータMの表示が残り少なくなった状態で実際に15回分の上乗せが発生した場合、これを一度の上乗せ演出で表現することもできる。この場合、画面内に比較的大型なハートの図形を模した画像が表示されるとともに、その内側に例えば「+15」の上乗せ回数情報が表示される。また、合わせてリミッタ残数メータMの表示を一気に15度数増加させる演出が行われる(図示していない)。これにより、遊技者に対して「リミッタ回数の残りが一気に15回上乗せされた」ということを伝達することができる。また、リミッタ残数メータMの表示が残り少なくなった時点で上乗せが発生したことにより、それまでの「リミッタがなくなるかもしれない」という緊張感を解きほぐし、上乗せによる安堵感や喜びの感情を抱かせることができる。なお、ここでは払い出しポイントPとして「00840pt」が表示されており、チャンスゾーン中に合計で840個の賞球が得られたことが表現されている。
〔リミッタ到達後演出〕
次に図67は、リミッタ到達後に実行される演出例を示す図である。例えばゲームフロー上で「リミッタ回数」の残りが0回に達した場合、以下の演出例が実行される。
〔終了演出〕
図67中(A):この場合、画面内に例えば「チャンスゾーン終了」の文字情報が表示されるとともに、リミッタ残数メータMの表示数が0となる。これにより、遊技者に対して「確変中の終了」を教示し、また次回の確変突入に向けて意欲を維持させることに寄与する。
〔継続(復活)演出〕
図67中(B):一方、実際のゲームフロー上でリミッタ到達後に〔F31〕時短中へ移行する場合、上記の終了演出に続いて継続演出が実行される。この場合、液晶表示器42の手前側に上記の可動体40fを落下させる演出が行われる。また、合わせて背景画像中の女性キャラクターがあたかも可動体40fの落下に驚いているかのような様子が演出的に表現される。そして画面内の下部位置では、例えばリミッタ残数メータMの表示数が満杯(満タン)(18個)に復帰する演出が行われる。特に図示していないが、この後に可動体40fが元の位置に復帰し、例えば画面内に「チャンスゾーン継続」といった文字が表示される態様であってもよい。いずれにしても、このような継続演出を実行することにより、遊技者に対して大きな驚きを与えることができる。また、可動体40fを用いることで視覚的な訴求力を高め、その演出効果を最大に発揮させることができる。なお、ここでは払い出しポイントPとして「001020pt」が表示されており、チャンスゾーン中に合計で1020個の賞球が得られたことが表現されている。
〔背景チェンジ演出〕
その他に本実施形態では、例えばゲームフロー上で「リミッタ回数」が減少していくと、その残り回数に応じて背景画像を変化させる演出が行われる。
図68は、ゲームフローの進行に伴って変化していく背景画像の例を示した図である。
〔初期ステージ演出〕
図68中(A):例えば、ゲームフロー上で〔F19〕確変中に移行したばかりの初期において、背景画像を先の「浴衣を着こなした女性キャラクター」とし、これを例えば「初期ステージ」とする。この場合、背景画像の内容が比較的落ち着いたものであるため、確変中に移行したばかりの安定した印象を演出で表現することができる。なお、ここでは図示していないが、表示画面内には上記のリミッタ残数メータMや「右打ち」の文字表示等が表示されているものとする(これ以降も同様とする。)。
〔浴衣ステージ演出〕
図68中(B):ゲームフローの進行に伴い、「リミッタ回数」の残りがある程度減少してくると(例えば残り17回〜14回)、演出制御上の抽選に基づいて背景画像を変化させる演出が行われる。この例では、例えば表示画面内に大きく「浴衣を着こなした女性キャラクター」が表示されており、これを例えば「浴衣ステージ」とする。このように、それまでの「初期ステージ」から「浴衣ステージ」へ変化させる演出(ステージチェンジ演出)を実行することにより、遊技者に対する視覚的なインパクトを高め、〔F19〕確変中での遊技の継続に対する実感や緊張感を与えることができる。
〔花火ステージ演出〕
図68中(C):さらにゲームフローが進行し、「リミッタ回数」が次第に少なくなっていくと(例えば残り8回〜5回)、演出制御上の抽選に基づいて、さらに背景画像を変化させる演出が行われる。この例では、例えば表示画面が「夜空に花火を打ち上げる風景」に変化し、「別の女性キャラクターが花火を見上げる様子」が演出的に表示されている。本実施形態では、これを例えば「花火ステージ」とする。このような「花火ステージ」へ変化させる演出を実行することにより、いよいよ〔F19〕確変中の遊技がクライマックスに差し掛かっていることを遊技者に実感させることができる。
〔お祭りステージ演出〕
図68中(D):この例は、背景画像を「お祭りの風景」に変化させるものであり、本実施形態ではこれを「お祭りステージ」とする。この「お祭りステージ」は、例えば「リミッタ回数」の残りが僅か(例えば4回〜1回)になっていることを表すものである。このような「お祭りステージ」へ変化させる演出を実行することにより、遊技者に対して〔F19〕確変中の遊技が残り少なくなっていることを実感させたり、リミッタ到達時(又は到達前)に上乗せによる継続が発生するかどうかへの緊張感を抱かせたりすることができる。
〔リミッタ到達後演出〕
次に図69は、リミッタ到達後にチャンスゾーンに再突入しない場合(通常遊技中に復帰する場合)に実行される演出例を示す図である。例えばゲームフロー上で「リミッタ回数」の残りが0回に達した場合、以下の演出例が実行される。
〔終了演出〕
図69中(A):この場合、画面内に例えば「チャンスゾーン終了」の文字情報が表示されるとともに、リミッタ残数メータMの表示数が0となる。これにより、遊技者に対して「確変中の終了」を教示し、また次回の確変突入に向けて意欲を維持させることに寄与する。なお、ここでは払い出しポイントPとして「003180pt」が表示されており、チャンスゾーン中に合計で「3180個」の賞球が得られたことが表現されている。
ここで「3180個」の詳細は、リミッタを1つ消化するたびに平均で60個の出球を獲得できるとした場合、初回の1セットはリミッタ回数が17回であるため、「17回×60個=1020個」であり、2回目以降の1セットではリミッタ回数が0に到達するまでに途中の上乗せがないと仮定するとリミッタ回数が18回であるため、「18回×60個=1080個」である。そして、リミッタ到達時に通常図柄当選によってリミッタ回数が18回に2度復帰(エンド復活)したものとすると、2セット分の出球数は「1080個×2回=2160個」であり、最終的な合計出球数は、「1020個+2160個=3180個」となる。
〔遊技説明演出〕
図69中(B):そして、実際のゲームフロー上でリミッタ到達後に〔F1〕通常遊技中へ移行する場合、上記の終了演出に続いて遊技説明演出が実行される。この例では、液晶表示器42の画面内に女性キャラクターが出現するとともに、「また挑戦してね」といった台詞を発する演出が行われている。また、遊技領域8a内の左側部分を指示する矢印記号が表示される(発射位置指定演出)。図示の例では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に左打ちの文字情報と左向きの矢印記号とを表示している。このような演出を実行することで、遊技者に対して「左打ち」を促し、チャンスゾーンが終了したことを意識させることができる。なお、このとき表示画面上で台詞を文字情報として表示するのに合わせて、スピーカ54,55,56から音声を発生させてもよい。
図62〜図66は、チャンスゾーン終了後に実行される取得利益教示演出の演出例を示す連続図である。
〔変動表示前〕
図62中(A):チャンスゾーン終了後、普通図柄の1回目の変動が開始する前の状態で、液晶表示器42の画面内の中央部分には2本の擬似演出図柄GEの列が大きく表示されている。また、真の演出図柄SEは、チャンスゾーン終了直後の状態であるため、当りの態様で停止表示されている(「7」−「7」−「笑顔のマーク」)。これに合わせて、普通図柄に対応する第4図柄FZも、当りの態様で停止表示されている(赤表示色の菱形の図形)。また、特別図柄に対応する演出図柄TZも、チャンスゾーン終了後の状態であるため、当りの態様で停止表示されている(「○」)。
また、液晶表示器42の画面下部では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで普通図柄の作動記憶数が4個であることを表している。チャンスゾーンの終了時において、普通図柄の作動記憶は、最大で4個まで記憶されるが、図示の例ではその最大数が記憶されている。
〔取得利益教示演出〕
また、液晶表示器42の画面上部では、取得利益教示演出が実行されている。
ここで、取得利益教示演出とは、チャンスゾーンの終了後に、4変動分の普通図柄の変動時間を利用してチャンスゾーン中に得られた利益に関する情報を遊技者に対して教示する演出である。図示の例では、取得利益教示演出として、液晶表示器42の画面上部の帯状領域に、「結果」,「53マス」,「3180pt」という文字情報が表示されている。
これは、チャンスゾーンでの遊技結果が「53回分のリミッタを消費して3180個の出球が得られた」ということを意味している。したがって、この取得利益教示演出により、チャンスゾーンでの出球の状況や連荘回数(継続回数)を確認することができる。なお、このような文字情報は、帯状の領域で横方向にスクロールさせて表示してもよいが、携帯電話機での撮影を考慮すると停止させた状態で表示させ続けてもよい。
このように、本実施形態によれば、チャンスゾーンにて得られたトータルの利益だけでなく、何回分のリミッタを消費したかということまで確認することができ、取得利益教示演出として遊技者に教示する内容をバリエーションに富んだものとしつつ、遊技者に対して満足感や納得感を与えることができる。
また、本実施形態では、液晶表示器42の表示画面の中心を含む主領域MA1以外の副領域(遊技結果表示領域)SA1で取得利益教示演出を実行している。副領域SA1は、表示画面の上端の帯状領域としている。
ここで、取得利益教示演出は、普通図柄の変動中に実行される演出となるため、あまりにも大々的に実行すると、擬似演出図柄GEによる変動表示演出を遮ってしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、取得利益教示演出を主領域MA1以外の副領域SA1で実行することにより、取得利益教示演出が演出の中核を担う変動表示演出の邪魔をすることがなくなり、それぞれの演出の役割を踏まえつつ、両方の演出を両立させて実行することができる。
〔変動表示演出開始〕
図62中(B):チャンスゾーン終了後、普通図柄の1回目の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で2つの擬似演出図柄GEがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
また、普通図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右端部では真の演出図柄SEが変動表示されており、普通図柄の第4図柄FZも変動表示されている。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
〔左演出図柄停止〕
図62中(C):ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、水玉模様のワンピースを着た女性キャラクターにより表現された左演出図柄が停止している。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、変動開始に伴って普通図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。ここでは、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。
〔右演出図柄停止、停止表示演出〕
図62中(D):普通図柄の停止表示に同期して(完全に同時でなくてもよい)、右演出図柄が変動を停止する。今回の作動抽選の結果が非当選であって、普通図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、各演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。この例では、チェック模様のワンピースを着た女性キャラクターにより表現された演出図柄が停止している。
このとき、真の演出図柄SEは、はずれに対応する態様(「1」−「2」−「×」)で停止表示される。また、第4図柄FZも、はずれに対応する態様(例えば白表示色の菱形の図形)で停止表示される。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
〔変動表示前〕
図63中(E):チャンスゾーン終了後、普通図柄の2回目の変動が開始する前の状態で、液晶表示器42の画面内の中央部分には2本の擬似演出図柄GEの列が大きく表示されている。また、真の演出図柄SEは、はずれの態様で停止表示されている(「1」−「2」−「×」)。これに合わせて、普通図柄に対応する第4図柄FZも、はずれの態様で停止表示されている(白表示色の菱形の図形)。
また、液晶表示器42の画面下部では、マーカM1が3つ点灯表示されることで普通図柄の作動記憶数が3個であることを表している。液晶表示器42の画面上部では、取得利益教示演出が継続して実行されている。
〔変動表示演出開始〕
図63中(F):チャンスゾーン終了後、普通図柄の2回目の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で2つの擬似演出図柄GEがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
また、普通図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右端部では真の演出図柄SEが変動表示されており、普通図柄の第4図柄FZも変動表示されている。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
〔左演出図柄停止〕
図63中(G):ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、チェック模様のワンピースを着た女性キャラクターにより表現された左演出図柄が停止している。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、変動開始に伴って普通図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。ここでは、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが2個になったため、画面上に残った2つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。
〔右演出図柄停止、停止表示演出〕
図63中(H):普通図柄の停止表示に同期して(完全に同時でなくてもよい)、右演出図柄が変動を停止する。今回の作動抽選の結果が非当選であって、普通図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、各演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。この例では、「Peaceの文字」が付されたワンピースを着た女性キャラクターにより表現された演出図柄が停止している。
このとき、真の演出図柄SEは、はずれに対応する態様(「3」−「4」−「×」)で停止表示される。また、第4図柄FZも、はずれに対応する態様(例えば白表示色の菱形の図形)で停止表示される。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
〔変動表示前〕
図64中(I):チャンスゾーン終了後、普通図柄の3回目の変動が開始する前の状態で、液晶表示器42の画面内の中央部分には2本の擬似演出図柄GEの列が大きく表示されている。また、真の演出図柄SEは、はずれの態様で停止表示されている(「3」−「4」−「×」)。これに合わせて、普通図柄に対応する第4図柄FZも、はずれの態様で停止表示されている(白表示色の菱形の図形)。
また、液晶表示器42の画面下部では、マーカM1が2つ点灯表示されることで普通図柄の作動記憶数が2個であることを表している。液晶表示器42の画面上部では、取得利益教示演出が継続して実行されている。
〔変動表示演出開始〕
図64中(J):チャンスゾーン終了後、普通図柄の3回目の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で2つの擬似演出図柄GEがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
また、普通図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右端部では真の演出図柄SEが変動表示されており、普通図柄の第4図柄FZも変動表示されている。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
〔左演出図柄停止〕
図64中(K):ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、「Peaceの文字」が付されたワンピースを着た女性キャラクターにより表現された左演出図柄が停止している。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、変動開始に伴って普通図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。ここでは、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが1個になったため、画面上に残った1つのマーカM1が1個分一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。
〔右演出図柄停止、停止表示演出〕
図64中(L):普通図柄の停止表示に同期して(完全に同時でなくてもよい)、右演出図柄が変動を停止する。今回の作動抽選の結果が非当選であって、普通図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、各演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。この例では、花柄のワンピースを着た女性キャラクターにより表現された演出図柄が停止している。
このとき、真の演出図柄SEは、はずれに対応する態様(「5」−「6」−「×」)で停止表示される。また、第4図柄FZも、はずれに対応する態様(例えば白表示色の菱形の図形)で停止表示される。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
〔変動表示前〕
図65中(M):チャンスゾーン終了後、普通図柄の4回目の変動が開始する前の状態で、液晶表示器42の画面内の中央部分には2本の擬似演出図柄GEの列が大きく表示されている。また、真の演出図柄SEは、はずれの態様で停止表示されている(「5」−「6」−「×」)。これに合わせて、普通図柄に対応する第4図柄FZも、はずれの態様で停止表示されている(白表示色の菱形の図形)。
また、液晶表示器42の画面下部では、マーカM1が1つ点灯表示されることで普通図柄の作動記憶数が1個であることを表している。液晶表示器42の画面上部では、取得利益教示演出が継続して実行されている。
〔変動表示演出開始〕
図65中(N):チャンスゾーン終了後、普通図柄の4回目の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で2つの擬似演出図柄GEがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
また、普通図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右端部では真の演出図柄SEが変動表示されており、普通図柄の第4図柄FZも変動表示されている。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、変動開始に伴って普通図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。ここでは、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りがなくなっている。
〔左演出図柄停止〕
図65中(O):ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、花柄のワンピースを着た女性キャラクターにより表現された左演出図柄が停止している。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
〔右演出図柄停止、停止表示演出〕
図65中(P):普通図柄の停止表示に同期して(完全に同時でなくてもよい)、右演出図柄が変動を停止する。今回の作動抽選の結果が非当選であって、普通図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、各演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。この例では、星柄のワンピースを着た女性キャラクターにより表現された演出図柄が停止している。
このとき、真の演出図柄SEは、はずれに対応する態様(「7」−「8」−「×」)で停止表示される。また、第4図柄FZも、はずれに対応する態様(例えば白表示色の菱形の図形)で停止表示される。取得利益教示演出は、継続して実行されている。
図66中(Q):液晶表示器42の画面上では、非当選の結果を表す態様で停止表示演出が継続して行われている。そして、このとき普通図柄の作動記憶数は0個であり、マーカM1は非表示(表示数0)となっている。
そして、この状態で普通図柄抽選の抽選契機が発生しなければ、普通図柄の変動表示を開始する条件は満たされないため、そのまましばらくの間は表示画面上で目立った変化が生じることはない。したがってこの場合、前回の変動に対応した停止表示演出が表示されたままの状態となる。
図66中(R):そして、この状態においても、取得利益教示演出は継続して実行されているため、取得利益教示演出の撮影を希望する遊技者は、カメラ機能が付属されている携帯電話機202を用いて、パチンコ機1の液晶表示器42に表示されている遊技結果を撮影することができる。
図66中(S):次の普通図柄の抽選契機が発生しない限り、液晶表示器42の画面上では、非当選の結果を表す態様で停止表示演出が行われており、取得利益教示演出も継続して実行されている。
〔変動表示演出開始〕
図66中(T):そして、取得利益教示演出による遊技結果を充分に確認した後には、再び遊技球の打ち出しを開始し、遊技球が中始動ゲート20を通過すると、チャンスゾーン終了後5回目の普通図柄の変動が開始される。普通図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で2つの擬似演出図柄GEがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
また、普通図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右端部では真の演出図柄SEが変動表示されており、普通図柄の第4図柄FZも変動表示されている。そして、今まで継続して実行されてきた取得利益教示演出は、普通図柄の5変動目の開始時点で終了となる。
このように、本実施形態では、チャンスゾーンの終了時に取得利益教示演出を実行するのではなく、チャンスゾーンの終了後における普通図柄の変動時間を利用して取得利益教示演出を実行しているので、チャンスゾーンによって得られた取得利益を遊技者が確認する機会を逃してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、チャンスゾーンの終了後の普通図柄の4変動を利用して取得利益教示演出を実行しているため、取得利益教示演出の演出尺をその分長く確保することができ、遊技者が取得利益を確認する機会を増加させることができる。
さらに、本実施形態では、普通図柄の5変動の開始を契機として取得利益教示演出を終了させているため、遊技者の遊技の仕方次第によっては、いつまでも取得利益教示演出を継続させることができる。すなわち、チャンスゾーンの終了時に遊技球の打ち出しを停止すれば、普通図柄の5変動目に達することはないので、取得利益教示演出を継続させたい場合には、チャンスゾーンが終了したらハンドルユニット16から手を離してそのまま待っていればよいということになる。このため、チャンスゾーンの終了時に遊技球の打ち出しを停止する遊技方法を遊技者が選択した場合、いつまでも取得利益教示演出を継続させることができるので、遊技者が取得利益を確認する機会を逃してしまうという事態を回避することができる。
そして、本実施形態では、普通図柄の変動回数が5回に達した場合には、取得利益教示演出を積極的に終了させることにしているので、取得利益教示演出の終了時点の明確化を図り、取得利益教示演出を積極的に終了させることにより、遊技者に対しては次なる当選を目指すという新たな遊技意欲を掻き立てることができる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した普通図柄はずれ演出(図47,図54)や普通図柄当り演出(図50〜図53,図43)、可変始動入賞装置作動時演出(図55)、特別図柄変動時演出(図56,図57,図58)、確変中演出(図59)、リミッタ上乗せ演出(図66)、リミッタ到達後演出(図67,図69)、背景チェンジ演出(図68)、発射位置指定演出(図59等)、補助演出(図47中(D))等は、以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図70は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、発射位置指定演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、普通図柄当り後演出管理処理(ステップS404)、表示出力処理(ステップS405)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば始動ゲート通過コマンド、普通図柄作動記憶数コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、時間短縮機能作動回数コマンド(回数切りカウンタ数コマンド)、リミッタ残数コマンド、エラー通知コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、特別遊技管理ステータスコマンド、普通遊技管理ステータスコマンド、賞球内容コマンド等がある。
ステップS401:発射位置指定演出管理処理では、演出制御CPU126は発射位置指定演出の内容を制御する(発射位置指定演出実行手段)。この処理において、上記の発射位置指定演出(図59等)の内容が制御される。なお、発射位置指定演出管理処理の詳細については別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御する。この処理において、上記の普通図柄はずれ演出(図47)や普通図柄当り演出(図50〜図53)等の内容が制御される。
ステップS404:普通図柄当り後演出管理処理では、演出制御CPU126は普通図柄抽選(作動抽選)で当選した後の演出を制御する。例えば、演出制御CPU126は可変始動入賞装置28の作動時の演出内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。この処理では、上記の可変始動入賞装置作動時演出(図55)、特別図柄変動時演出(図56,図57,図58)、確変中演出(図59等)、リミッタ上乗せ演出(図66)、リミッタ到達後演出(図67,図69)、背景チェンジ演出(図68)の内容が制御される。なお、普通図柄当り後演出管理処理の内容については別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS405:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、普通図柄の作動記憶数、変動演出パターン番号、予告演出番号、演出モード番号、リミッタ上乗せ演出パターン番号、リミッタ残数メータ表示数パターン番号、背景チェンジ演出パターン番号、復活演出パターン番号、終了演出パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(各種の演出実行手段としての機能を果たす。)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46,48,50,52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば各種演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体ソレノイド57を駆動源として動作し、上記のように液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される発射位置指定演出管理処理の内容について説明する。
〔発射位置指定演出管理処理〕
図71は、発射位置指定演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS420:演出制御CPU126は、発射位置指定コマンドをロードする。発射位置指定コマンドは、RAM130のコマンドバッファ領域に保存されている。
ステップS422:演出制御CPU126は、発射位置指定コマンドの内容が右打ちを示しているか否か(第2遊技領域に遊技球を発射すべきであることを示しているか否か)を確認する。
その結果、発射位置指定コマンドの内容が右打ちを示していることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS426を実行する。一方、発射位置指定コマンドの内容が右打ちを示していることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS424を実行する。
ステップS424:演出制御CPU126は、リミッタ到達時の特別図柄抽選にて非時短図柄(「2ラウンド確変図柄2」→「2ラウンド通常図柄2」に強制)に該当し、その後一定期間内であるか否かを確認する。ここで、一定期間とは、大当り遊技終了後、普通図柄が数変動(例えば4変動)するまでとすることができる。これらの確認は、普通遊技管理ステータスコマンドや特別遊技管理ステータスコマンド、停止図柄コマンド、変動開始コマンド、図柄停止時コマンド等を用いることにより実現することができる。
その結果、リミッタ到達時の特別図柄抽選にて非時短図柄に該当し、その後一定期間内であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS428を実行する。
一方、リミッタ到達時の特別図柄抽選にて非時短図柄に該当し、その後に普通図柄が変動待ちの状態であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図70)に復帰する。これにより、右打ち示唆演出を実行している場合には、その右打ち示唆演出を終了させることができる。
ステップS426:演出制御CPU126は、右打ち示唆演出(帯状領域を用いて実行する右打ち演出)を選択する処理を実行するを選択する処理を実行する。具体的には、図59等に示す演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS428:演出制御CPU126は、左打ち示唆演出(帯状領域を用いて実行する左打ち演出)を選択する処理を実行する。具体的には、図69中(B)等に示す演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は演出制御処理(図70)に復帰する。
次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理及び普通図柄当り後演出管理処理の内容について説明する。
〔演出図柄管理処理〕
図72は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS450)、演出図柄変動前処理(ステップS452)、演出図柄変動中処理(ステップS454)、及び、演出図柄停止表示中処理(ステップS456)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS450:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS452〜ステップS456のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS452)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS454)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS456)を選択する。なお、可変始動入賞装置が作動(開閉動作時、終了処理時等)している場合は、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS452〜ステップS456のいずれか)のジャンプ先を選択せず、この演出図柄管理処理を終了する。
ステップS452:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う(図柄演出実行手段)。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS454:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS456:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、普通図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は演出制御処理(図70)に復帰する。
〔演出図柄変動前処理〕
図73は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図70中のステップS405)、ランプ駆動処理(図70中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、すなわち、今回の変動が当りであることを確認した場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。なお、今回の変動がはずれか否か(当り)の確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS610:演出制御CPU126は、当り時擬似演出図柄変動演出パターン選択処理を実行する(第1演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は普通図柄の変動表示中に行われる擬似演出図柄に関する演出、リーチ演出、先読み演出等の内容(スケジュール、演出の実行タイミング)を選択的に決定し、決定した内容の設定を実行する。
具体的には、どの女性キャラクターでリーチ演出を発生させるかを決定し、そこから逆算して左演出図柄や右演出図柄の変動表示態様を決定し、最終的に2つの擬似演出図柄を当選の態様(同一柄のキャラクターが左右に表示される態様)で停止表示させる演出パターンを選択する。なお、当り時擬似演出図柄変動演出パターン選択処理の詳細については別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS612:演出制御CPU126は、当り時真の演出図柄変動演出パターン選択処理を実行する(第2演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は普通図柄の変動表示中に行われる真の演出図柄に関する演出(変動演出パターン等)を選択的に決定し、決定した内容の設定を実行する。
具体的には、上・中・下演出図柄を最初は低速で変動させ、徐々に高速で変動させ、最終的に真の演出図柄を当選の態様(「7」−「7」−「笑顔のマーク」)で停止表示させる演出パターンを選択する。
ステップS614:演出制御CPU126は、当り時第4図柄変動演出パターン選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は普通図柄の変動表示中に行われる第4図柄に関する演出を選択的に決定し、決定した内容の設定を実行する。
具体的には、第4図柄の表示色を高速で切り替え(白→赤→緑→青→橙→紫→黒)、最終的に第4図柄を当選の態様(赤表示色の菱形の図形)で停止表示させる演出パターンを選択する。
ステップS616:演出制御CPU126は、はずれ時擬似演出図柄変動演出パターン選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は普通図柄の変動表示中に行われる擬似演出図柄に関する演出、リーチ演出、先読み演出等の内容(スケジュール、演出の実行タイミング)を選択的に決定し、決定した内容の設定を実行する。
具体的には、どの女性キャラクターで非リーチ演出やリーチ演出を実行するかを決定し、そこから逆算して左演出図柄や右演出図柄の変動表示態様を決定し、最終的に2つの擬似演出図柄を非当選の態様(同一柄のキャラクターや異なる柄のキャラクターが左右に表示される態様)で停止表示させる演出パターンを選択する。
ステップS618:演出制御CPU126は、はずれ時真の演出図柄変動演出パターン選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は普通図柄の変動表示中に行われる真の演出図柄に関する演出を選択的に決定し、決定した内容の設定を実行する。
具体的には、上・中・下演出図柄を最初は低速で変動させ、徐々に高速で変動させ、最終的に真の演出図柄を非当選の態様(「1〜9のいずれか」−「1〜9のいずれか」−「バツ印(×)」)で停止表示させる演出パターンを選択する。
ステップS620:演出制御CPU126は、はずれ時第4図柄変動演出パターン選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は普通図柄の変動表示中に行われる第4図柄に関する演出を選択的に決定し、決定した内容の設定を実行する。
具体的には、第4図柄の表示色を高速で切り替え(白→赤→緑→青→橙→紫→黒)、最終的に第4図柄を非当選の態様(白表示色の菱形の図形)で停止表示させる演出パターンを選択する。
以上のステップS614又はステップS620のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS622を実行する。
ステップS622:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば、内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
ステップS624:演出制御CPU126は、補助演出パターン選択処理を実行する(補助演出実行手段)。具体的には、普通図柄に対応する図柄停止時コマンドの受信を契機として演出用のオブジェクト(参照符号Y1)を発光させる演出パターン、普通図柄の停止表示音(参照符号Y2)をスピーカ54,55,56から出力させる演出パターンを選択する(図47中(D)参照)。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図72)に復帰する。
〔当り時擬似演出図柄変動演出パターン選択処理〕
図74は、上記の当り時擬似演出図柄変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:演出制御CPU126は、演出制御CPU126は、変動パターンコマンドをロードする。変動パターンコマンドは、RAM130のコマンドバッファ領域に保存されている。
ステップS702:演出制御CPU126は、変動パターンコマンドの内容が「リーチ後当り変動パターン」であることを示しているか否かを確認する。
その結果、変動パターンコマンドの内容が「リーチ後当り変動パターン」であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS704を実行する。一方、変動パターンコマンドの内容が「リーチ後当り変動パターン」でないことを確認した場合、すなわち、変動パターンコマンドの内容が「非リーチ当り変動パターン」であることを確認した場合合(No)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。
ステップS704:演出制御CPU126は、リーチ演出パターン選択処理を実行する(リーチ演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は、リーチ演出を経由して当りとなる演出パターンを選択する。具体的には、図50〜図53等に示す演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS706:演出制御CPU126は、非リーチ演出パターン選択処理を実行する(特殊当選時演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は、リーチ演出を経由しないで当りとなる演出パターンを選択する。具体的には、図43に示す演出パターンを選択する処理を実行する。
そして、ステップS704又はステップS706の処理を終えると、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図73)に復帰する。
このように本実施形態では、当選時には基本的にはステップS704が実行され、リーチ演出を経て当選となるが、「非リーチ当り変動パターン」が選択されている場合には、ステップS706が実行され、リーチ演出を経由しないで当選となることもある。そして、リーチ演出を経由しないで当選とする演出も含ませておくことにより、遊技者に対しては、意外性や驚きを与えることができる。ただし、この場合も、真の演出図柄SEは特定の当選態様(「7」−「7」−「笑顔のマーク」)で停止表示されるため、注意深い遊技者であればリーチ演出を経由しない特殊な当選であってもそのことに気付くことができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
〔普通図柄当り後演出管理処理〕
図75は、普通図柄当り後演出管理処理の構成例を示すフローチャートである。普通図柄当り後演出管理処理は、例えば実行選択処理(ステップS500)、初回可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)、特別図柄変動時演出処理(ステップS504)、大役開始後演出処理(ステップS506)、終了演出処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして普通図柄当り後演出管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、演出制御CPU126は最初のジャンプ先として初回可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)を選択する。一方、既に初回可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)が完了し、かつ、特別図柄の変動パターンコマンド(始動口入賞音制御コマンドでもよい)を受信していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として特別図柄変動時演出処理(ステップS504)を選択する。また、特別図柄変動時演出処理(ステップS504)が完了し、かつ、特別図柄(内部抽選)の当選コマンドを受信していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として大役開始後演出処理(ステップS506)を選択する。そして演出制御CPU126は、大役開始後演出処理の中で終了フラグをセットした場合、次のジャンプ先として終了処理(ステップS508)を選択する。なお、初回可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)及び特別図柄変動時演出処理(ステップS504)は、「時間短縮状態」を表す状態指定コマンドを受信した場合はジャンプ先として選択されない。これは、ゲームフローが一度「時間短縮状態」(〔F19〕確変中又は〔F31〕時短中)に移行した場合、演出内容の中心が上記の確変中演出(図59)やリミッタ上乗せ演出(図66)、リミッタ到達後演出(図67)、背景チェンジ演出(図68)等に移行することから、この間に可変始動入賞装置作動時演出(図55)や特別図柄変動時演出(図56,図57)を実行する必要がないためである。
ステップS502:初回可変始動入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は普通図柄(作動抽選)の初当り後に可変始動入賞装置28を作動させる場合の演出を制御する。ここで制御される演出の内容は、上述した可変始動入賞装置作動時演出(図55中(B),(C)等)と同様であり、遊技者に対してゲームフロー上の進捗状況を案内する。このような演出を実行することで、遊技者が漫然と遊技を消化するのを防止し、目的意識を再確認させて遊技意欲の低下を防止することができる。
ステップS504:この特別図柄変動時演出処理において、演出制御CPU126は特別図柄の変動表示や停止表示に対応させた内容の演出を行うことができる。ここで制御される演出の内容は、上述した特別図柄変動時演出(図56,図57)と同様である。このような演出を実行することで、普通図柄(作動抽選)の初回当選後の特別図柄(内部抽選)変動で確変(チャンスゾーン)に突入できるか否かの期待感を遊技者に抱かせ、ハラハラドキドキとした興趣性を提供することができる。
また、この特別図柄変動時演出処理において、演出制御CPU126は特別図柄の変動表示や停止表示に対応させて特別図柄の演出図柄の変動演出パターンも制御する。
具体的には、特別図柄の演出図柄の画像を高速で切り替え(「ハイフン(−)」→「丸印(○)」→「三角(△)」→「四角(□)」)、当りであれば最終的に特別図柄の演出図柄を当選の態様(丸印(○)の画像)で停止表示させる演出パターンを選択し、はずれであれば最終的に特別図柄の演出図柄を非当選の態様(「ハイフン(−)の画像」で停止表示させる演出パターンを選択する。
ステップS506:大役開始後演出処理では、演出制御CPU126は上記のように確変中演出(図59)、リミッタ上乗せ演出(図66)、リミッタ到達後演出(図67)、背景チェンジ演出(図68)等の内容を制御する。これにより、ゲームフローが〔F19〕確変中又は〔F31〕時短中に移行した後の遊技の流れや進行状況についての情報を遊技者に伝達したり、「リミッタ回数」の上乗せ発生を強く訴求したりすることができる。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS508:終了演出処理では、演出制御CPU126は〔F19〕確変中の終了に伴う演出の内容を制御する。ここで制御される演出の内容は、上述したリミッタ到達後演出のうち、「チャンスゾーン終了」を表す態様(図67中(A))と同様である。このような演出を実行することで、ゲームフロー上で一旦は〔F19〕確変中が終了したことを遊技者に伝達し、また次回の〔F19〕確変中への移行に向けて遊技意欲を維持させることができる。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は演出制御処理(図70)に復帰する。
〔大役開始後演出処理〕
図76は、大役開始後演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
〔リミッタ数管理処理〕
ステップS7000:演出制御CPU126は、リミッタ数管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はこの処理において演出で必要なリミッタ値の管理を行う。リミッタ値は、主制御CPU72から演出制御CPU126に送信されたリミッタ残数コマンドに対応する値であり、演出制御CPU126はリミッタ値をRAM150に記憶する。
〔チャンスゾーン演出管理処理〕
ステップS7200:演出制御CPU126は、チャンスゾーン演出管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は画面内で実行されるチャンスゾーン中演出の内容を設定する。例えば、女性キャラクターが長椅子に腰掛けている様子を表す確変中演出等の演出パターンを選択する。
〔メータ演出管理処理〕
ステップS7400:演出制御CPU126は、メータ演出管理処理を実行する。このメータ演出管理処理において、演出制御CPU126は、リミッタ残数コマンド(残り回数情報,RAM150に記憶されているリミッタ値)に基づいて、リミッタ残数メータMによる残り回数伝達演出を実行する演出パターンを選択する。なお、リミッタ残数コマンドは特別図柄の停止表示中に送信されるコマンドである。
ここで、演出制御CPU126は、リミッタ残数メータMの目盛りを1つ減少させる演出を実行した場合、RAM150に記憶されている消費リミッタ数を1つ加算する処理を実行する。消費リミッタ数の初期値は「0」であり、チャンスゾーン中にインクリメントされていき、取得利益教示演出が終了した際にリセットされる。
〔ポイント演出管理処理〕
ステップS7600:演出制御CPU126は、ポイント演出管理処理を実行する。このポイント演出管理処理において、演出制御CPU126は賞球内容コマンドに基づいて、払い出しポイントPによる合計ポイント数を教示する演出パターンを選択する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は普通図柄当り後演出管理処理(図75)に復帰する。
〔ポイント演出管理処理〕
図77は、ポイント演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS900:演出制御CPU126は、主制御CPU72から賞球内容コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、賞球内容コマンドが保存されているか否かを確認する。
その結果、賞球内容コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS902を実行し、賞球内容コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は大役開始後演出処理(図76)に復帰する。
ステップS902:演出制御CPU126は、賞球内容コマンドの内容が第1利益に対応するものであるか否かを確認する。
その結果、賞球内容コマンドの内容が第1利益に対応するものであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS906を実行し、賞球内容コマンドの内容が第1利益に対応するものであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS904を実行する。
ステップS904:演出制御CPU126は、賞球内容コマンドの内容が第2利益に対応するものであるか否かを確認する。
その結果、賞球内容コマンドの内容が第2利益に対応するものであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS908を実行し、賞球内容コマンドの内容が第2利益に対応するものであることを確認できない場合(No)、すなわち、賞球内容コマンドの内容が第3利益に対応するものであることを確認した場合、演出制御CPU126はステップS910を実行する。
ステップS906:演出制御CPU126は、第1増加演出パターン選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、第1利益に対応する賞球指示コマンドを受信した場合、払い出しポイントPの合計ポイント数を9ポイント増加する演出パターンを選択する(図60中(C)参照)。
ステップS908:演出制御CPU126は、第2増加演出パターン選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、第2利益に対応する賞球指示コマンドを受信した場合、払い出しポイントPの合計ポイント数を6ポイント増加する演出パターンを選択する(図61中(F)参照)。
ステップS910:演出制御CPU126は、第3増加演出パターン選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、第3利益に対応する賞球指示コマンドを受信した場合、払い出しポイントPの合計ポイント数を10ポイント増加する演出パターンを選択する(図63中(L)参照)。
ステップS906〜ステップS910のいずれかの処理を実行した場合、演出制御CPU126は、次にステップS912を実行する。
ステップS912:演出制御CPU126は、合計ポイント数更新処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、ステップS906〜ステップS910のいずれかの処理で実行したポイント増加演出に対応させて(払い出しポイントPの合計ポイント数の増加数に応じて)、RAM150に記憶されている合計ポイント数を増加させる処理を実行する。合計ポイント数の初期値は「0」であり、チャンスゾーンでの賞球のたびに更新されていき、取得利益教示演出が終了した際にリセットされる。
〔演出手法のまとめ〕
上述した演出手法の例によれば、パチンコ機1におけるゲームフローの進行に即して遊技者に有益な情報を演出として提供することができる。具体的には、(1)普通図柄当りにより「右打ち」の必要性が発生したこと、(2)可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への入賞により内部抽選(特図変動)が実行されたこと、(3)内部抽選で当選(初当り時は時短付きとなる)が得られたこと、(4)ゲームフローが〔F19〕確変中又は〔F31〕時短中に移行(突入)したこと、(5)〔F19〕確変中に「リミッタ回数」の残りが減少していくこと、(6)「リミッタ回数」に上乗せが発生したこと、(7)リミッタ到達後に〔F31〕時短中を経て〔F19〕確変中へ復活する契機が発生したこと、逆に(8)リミッタ到達によって〔F19〕確変中が終了し、ゲームフローが〔F1〕通常遊技中に戻ったこと等の情報を演出によって遊技者に分かりやすく提供(伝達、教示、示唆)することができる。また、上記(3)に関して、逆に内部抽選で確変図柄での当選が得られなかったことも情報として提供することができる。
これにより、ゲームフローの進捗状況が遊技者に理解されないまま遊技が漫然と行われるのを防止しつつ、本実施形態のパチンコ機1によるゲーム性を十二分に遊技者に堪能させることができる。また、実際にゲームフロー上で「リミッタ回数」の上乗せが発生したことを演出内容から明確に実感させることで、遊技者に対して自己の遊技成果(〔F19〕確変中に2%の通常当選を引き当てたこと)を実感させ、それによって一定の満足感や達成感を遊技者に抱かせることができる。あるいは、ゲームフロー上でリミッタ到達後に復活が発生したことを演出内容から明確に実感させることで、ここでも遊技者に対して自己の遊技成果(リミッタ到達後に57%で時短あり通常当選を引き当てたこと)実感させ、それによって一定の満足感や達成感を遊技者に抱かせることができる。
特に内部的なゲームフロー上、上記(6)や(7)の仕組みについては、実際の制御処理の内容が複雑であるが、本実施形態ではこれを演出情報として遊技者に分かりやすく伝達することができ、その点でゲームフローだけでなく演出手法もまた秀逸である。
〔ゲームフロー上の有用性〕
加えて本実施形態では、本来のゲームフローそのものに以下の有用性がある。
(1)例えば、〔F1〕通常遊技中からの〔F16〕確変図柄1,2当選により、1回目を含めて連続17回の〔F19〕確変中のループを発生させる権利(可能性)が発生する。これにより、ループごとに〔F22〕可変始動入賞装置作動と〔F18〕可変入賞装置作動を通じて賞球が得られる機会を遊技者に付与し、その利益を増加させることができる。
(2)さらに、〔F19〕確変中のループ途中で〔F29〕通常図柄1当選を引き当てると、〔F31〕時短中を経て〔F38〕確変図柄1,2当選(確変比率98%)が発生しやすく、それによって〔F19〕確変中への再ループが発生する。そして、この場合は上記のように「リミッタ回数」が再設定(リセット)されているため、先のループ中に消化し終わった分に対して新たな「リミッタ回数」の上乗せが発生することになる。これにより、上乗せ分でさらに〔F22〕可変始動入賞装置作動と〔F18〕可変入賞装置作動を通じて賞球が得られる機会を遊技者に付与し、その利益をさらに増加させることができる。
(3)また、〔F19〕確変中のループ中に上乗せが発生せず、「リミッタ回数」の残りが0回に到達した場合であっても、そこで〔F43〕通常図柄1当選又は〔F45〕確変図柄1当選→強制通常図柄1に該当する(合成選択比率57%)ことで、そこから〔F31〕時短中を経て〔F19〕確変中のループを再開させることができる。そして、この場合も同じく「リミッタ回数」が再設定(リセット)されているため、リミッタ到達前のループ中に消化し終わった分に対して新たな「リミッタ回数」の上乗せが発生することになる。これにより、上乗せ分でさらに〔F22〕可変始動入賞装置作動と〔F18〕可変入賞装置作動を通じて賞球が得られる機会を遊技者に付与し、その利益をさらに増加させることができる。
(4)また、上記(2)又は(3)の利益は特別図柄(内部抽選)の結果に応じてランダムに発生する可能性があるため、上記(2),(3)が連鎖的に発生していけば、その都度、出玉を上乗せしていくことが可能なゲーム性を実現することができる。
(5)加えて、従来この種のパチンコ遊技では、基本的に確変図柄を引くことが利益の連続性(いわゆる連チャン)を発生させるものであり、通常図柄を引くと、それによって利益の連続性が終了するというのが遊技の常識であった。しかしながら、本実施形態では〔F19〕確変中に敢えて通常図柄を引くことで利益の連続性に上積みを発生させており、従来とは逆転の発想を用いたゲーム性を実現している点で大きな有用性を発揮している。
(6)その上で、本実施形態では、右打ち条件に関する第1条件から第4条件までの4つの条件のうち、いずれか1つの条件を満たしている場合に右打ちであると判断するため、可変入賞装置や可変始動入賞装置に遊技球が入球しない状況(入球しそうにない状況)においては、右打ちを示唆しないことができ、大当り状態や時間短縮状態であれば一律に右打ちを示唆する制御方法と比較して、より適切に発射位置の指定を行うことができる。
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、各種の変形を採用することができる。例えば、各種演出手法の例として挙げた画像や動作はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。
また、実施形態で挙げた抽選の確率や図柄の変動時間、可変始動入賞装置28や可変入賞装置30の開放時間、閉鎖時間、開放回数、賞球数等の条件はあくまで例示であり、これらは適宜に変形してもよい。また、遊技領域8内の各種始動ゲート20,21、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等の配置は種々に変形して実施してもよい。
上述した実施形態では、変動表示専用画像は、当選用画像及び非当選用画像に対して2つ以上設定する例で説明したが、当選用画像及び非当選用画像に対して1つだけ設定してもよい。また、上述した実施形態では、変動表示専用画像は、最大で5つ設定する例で説明したがそれよりも少ない数や多い数の設定であってもよい。
上述した実施形態では、普通図柄に対して擬似演出図柄及び真の演出図柄を設定する例で説明したが、特別図柄に対して擬似演出図柄及び真の演出図柄を設定してもよい。
その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。