以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な第1表示手段としての演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置9の上方には、役物12が設けられている。役物12は、遊技盤6と演出表示装置9との間に位置し、役物モータ17によって位置を変位することが可能である。役物12は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置9の前方の位置)に移動する。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ17を駆動して役物12を動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図10は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、保留変化態様決定用のSR2、変化演出の内容の決定用のSR3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図11は、図10に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[保留変化演出]
次に、本実施の形態で実行される各種の演出について説明する。本実施の形態では、保留表示の表示態様を変化させることで、変化した保留表示の変動表示が開始される前にその保留表示の大当り期待度を示す保留変化演出が実行される。保留変化演出では、通常白色で表示されていた保留表示が青色、緑色、赤色のうちいずれかの色に変化する。大当り期待度は、白色<青色<緑色<赤色の順に高くなっている。
[保留変化演出の種類]
保留変化演出には、始動入賞が発生し保留表示が開始されるときや保留表示がシフトされるときに保留表示の色が変化する通常保留変化演出と、保留表示を変化させるための作用演出を実行した後に保留表示を変化させる作用演出による保留変化演出とが設けられている。
[作用演出]
作用演出では、保留表示の表示態様の変化に関わる示唆画像を当該保留表示の表示領域とは異なる領域に表示する。そして、作用演出では、その示唆画像を保留表示に作用させることにより保留表示の表示態様を変化させる。ここで作用させるとは、保留表示に対して何等かの影響を与えることであり、具体的な作用演出の例については、図12により説明する。また、示唆画像が表示されてから作用演出が実行されるまでには、所定期間が設けられている。そして、示唆画像が表示されてから作用演出が実行されるまでの期間において、示唆画像の表示態様が変化することがある。また、作用演出は、複数種類設けられている。本実施の形態では、第1パターン〜第3パターンの作用演出が設けられている。また、作用演出には、保留変化が起こらないガセ演出のパターンも設けられている。
図12は、作用演出を説明するための図である。図12(a)は、変動開始時の演出表示装置9の表示例を示す図である。図12(b),(d),(f)は、作用演出が実行されるときの示唆画像が表示された時点での演出表示装置9の表示例を示す図である。図12(c),(e),(g)は、それぞれ、第1パターン〜第3パターンの作用演出が実行されたときの演出表示装置9の表示例を示す図である。
図12(a)に示すように、左,中,右の演出図柄が変動表示中である状態が、3つの下向き矢印で示されている。また、図12(a)に示すように、演出表示装置9の表示領域において、3つの下向き矢印の下方には、第1保留記憶数と、第2保留記憶数との合計数を示す合算保留記憶表示部18cが形成される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別して表示してもよい。
また、合算保留記憶表示部18cでは、変動表示が開始される際に、最も古くから表示されている保留表示(最も左側の保留表示)が消去される。また、残りの保留表示は、左側に1つずつシフトされる。合算保留記憶表示部18cから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)を表示するアクティブ表示エリアAHAが演出表示装置9の表示領域における左下側の領域に形成される。アクティブ表示エリアAHAにおいては、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されていた保留画像が、たとえば、アクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ表示AHとして表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
図12(a)の状態から、新たな始動入賞が発生し、その始動入賞が保留変化演出を伴う(保留変化をしないガセ演出を含む)ものであったとする。このような保留表示を以下ではターゲット保留THとして説明する。図12(b)に示すように、ターゲット保留THが発生して合算保留記憶表示部18cに表示されると、示唆画像としての第1キャラクタ画像91が表示される。第1キャラクタ画像91は、人型をしており右手に矢印で示す画像を持った態様で表示される。
図12(b)の状態から、ターゲット保留THの変動表示が開始される1つ手前の変動表示の実行中に、図12(c)に示す第1パターンの作用演出が実行される。第1パターンの作用演出では、最初に表示された第1キャラクタ画像91がターゲット保留THに向かって、持っていた矢印画像を投げる演出が実行される。しかしながら、図12(c)に示すように、矢印画像は、ターゲット保留THまで届かずターゲット保留THに作用しないまま途中で失速する。このように、作用演出が実行されるが、実際は保留変化が起こらないガセの第1パターンの作用演出が、図12(b),(c)に示されている。
また、図12(a)の状態から、図12(d)に示すように、ターゲット保留THが発生して合算保留記憶表示部18cに表示されると示唆画像としての第2キャラクタ画像92が表示される。第2キャラクタ画像92は、人型をしており右手に矢印で示す画像を持った態様で表示され、第1キャラクタ画像91とは、たとえば、色が異なっている。
図12(d)の状態から、ターゲット保留THの変動表示が開始される1つ手前の変動表示の実行中に、図12(e)に示す第2パターンの作用演出が実行される。第2パターンの作用演出では、最初に表示された第2キャラクタ画像92がターゲット保留THに向かって、持っていた矢印画像を投げる演出が実行される。図12(e)に示すように、矢印画像は、ターゲット保留THに刺さることにより保留表示に対して作用し、ターゲット保留THの表示態様が通常の白色(図中の白丸)から大当り期待度の高い赤色(図中の黒丸)へと変化する。ターゲット保留THの表示態様が変化することで、当該保留表示が大当りとなることに期待を持たせることができる。
また、図12(a)の状態から、図12(f)に示すように、ターゲット保留THが発生して合算保留記憶表示部18cに表示されると示唆画像としての第1キャラクタ画像91が表示される。
図12(f)の状態から、ターゲット保留THの変動表示が開始される1つ手前の変動表示の実行中に、図12(g)に示す第3パターンの作用演出が実行される。第3パターンの作用演出では、最初に表示された第1キャラクタ画像91が矢印画像を投げる演出が実行されるまでの所定期間において、第1キャラクタ画像91から第2キャラクタ画像92へとキャラクタ画像が変化する。具体的には、ターゲット保留THの変動表示が開始される1つ手前の変動表示の実行中に、第1キャラクタ画像91から第2キャラクタ画像92へとキャラクタ画像が変化する。そして、第2キャラクタ画像92がターゲット保留THに向かって、持っていた矢印画像を投げる演出が実行される。図12(g)に示すように、矢印画像は、ターゲット保留THに刺さることにより保留表示に対して作用し、ターゲット保留THの表示態様が通常の白色(図中の白丸)から大当り期待度の高い赤色(図中の黒丸)へと変化する。
上述した作用演出の設定例について以下に説明する。図13は、保留変化態様決定テーブルを示す図である。保留変化態様決定テーブルでは、保留変化を行なうか否か、および、保留変化を行なうときには、保留表示の表示態様を青色、緑色、赤色のいずれにするかが決定される。保留変化態様決定テーブルには、図13(A)の大当り時保留変化態様決定テーブルと、図13(B)のはずれ時保留変化態様決定テーブルとが含まれている。これら各保留変化態様決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
図13(A)の大当り時保留変化態様決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果を大当り表示結果とすると決定されたときに用いられる。図13(B)のはずれ時保留変化態様決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果をはずれ表示結果とすると決定されたときに用いられる。
図13(A),(B)の各保留変化態様決定テーブルでは、保留変化態様決定用の乱数SR2(0〜110の数値範囲)の合計110個の数値が、変化なし(白色)の決定と、青色の決定と、緑色の決定と、赤色の決定とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
図13(A)の大当り時保留変化態様決定テーブルでは、保留態様決定用の乱数SR2の値によって、「変化ない(白)<青<緑<赤」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。また、図13(B)のはずれ時保留変化態様決定テーブルでは、保留態様決定用の乱数SR2の値によって、「変化ない(白)>青>緑>赤」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
図13に示すようなデータの設定により、大当り時には、はずれ時と比べて保留変化演出が実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、大当り時には、はずれ時と比べて「青<緑<赤」という大小関係となるように保留変化しやすい。よって、保留変化が実行された場合には、この順で大当り期待度が高い。
図14は、保留変化演出決定テーブルおよびガセ演出決定テーブルを示す図である。図14(A),(B)には大当り時とはずれ時とにおける保留変化演出決定テーブルが示されている。図14(C)には、ガセ演出決定テーブルが示されている。これらテーブルは、ROM102に記憶されている。
図14(A)の大当り時保留変化演出態決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果を大当り表示結果とすると決定されたときに用いられる。図14(B)のはずれ時保留変化演出決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果をはずれ表示結果とすると決定されたときに用いられる。また、図14(C)のガセ演出決定テーブルは、図13(B)において保留変化なしと決定された場合に、ガセ演出を実行するか否か、および、ガセ演出を実行する場合にはその内容を決定するときに用いられる。
図14(A),(B)の各保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出の内容決定用の乱数SR3(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が、通常保留変化演出の決定と、第1パターン作用演出の決定と、第2パターン作用演出の決定と、第3パターン作用演出の決定とに割振られている。また、図14(C)のガセ演出決定テーブルでは、ガセ演出の内容決定用の乱数SR3(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が、ガセ演出なしの決定と、ガセの第1パターン作用演出の決定と、ガセの第2パターン作用演出の決定と、ガセの第3パターン作用演出の決定とに割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
図14(A)の大当り時保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出決定用の乱数SR3の値によって、「通常保留変化演出<第1パターン作用演出<第2パターン作用演出<第3パターン作用演出」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。また、図13(B)のはずれ時保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出決定用の乱数SR3の値によって、「通常保留変化演出>第1パターン作用演出>第2パターン作用演出>第3パターン作用演出」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
また、図14(C)のガセ演出決定テーブルでは、ガセ演出決定用の乱数SR3の値によって、「ガセ演出なし<第1パターン作用演出(ガセ)<第2パターン作用演出(ガセ)<第3パターン作用演出(ガセ)」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
図14(A),(B)に示すようなデータの設定により、大当り時には、はずれ時と比べて通常保留変化演出よりも作用演出を伴う保留変化演出が実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、大当り時には、はずれ時と比べて「通常保留変化演出<第1パターン作用演出<第2パターン作用演出<第3パターン作用演出」という大小関係となるように保留変化演出の内容が決定されやすい。よって、保留変化演出が実行された場合には、この順で大当り期待度が高い。
また、図14(B),(C)に示すようなデータの設定により、はずれ時において第1パターン作用演出と、第2パターン作用演出と、第3パターン作用演出とは、第1パターン作用演出<第2パターン作用演出<第3パターン作用演出の割合で実行されやすい。また、第1パターン作用演出よりも第2パターン作用演出の方がガセ演出が実行されにくい。また、第1パターン作用演出よりも第3パターン作用演出の方がガセ演出が実行されにくい。つまり、第1パターン作用演出よりも第2パターン作用演出が実行された方が、保留表示が変化しやすく、第1パターン作用演出よりも第3パターン作用演出が実行された方が、保留表示が変化しやすい。保留表示の変化は、第1パターン作用演出<第2パターン作用演出<第3パターン作用演出の順に変化する割合が高い。より具体的には、第1パターン作用演出では、30/(30+20)=約60%で保留表示が変化し、第2パターン作用演出では、20/(20+10)=約66%で保留表示が変化し、第3パターン作用演出では、10/(10+1)=約90%で保留表示が変化する。
図15は、演出実行タイミング決定テーブルを表形式で示す図である。演出実行タイミング決定テーブルは、保留変化演出等の各種演出の実行タイミングを決定するためのテーブルである。各種演出には、図16において説明した通常保留変化演出、第1〜第3パターンの作用演出、第1〜第3パターンのガセ演出が含まれる。演出実行タイミング決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
図15の演出タイミング決定テーブルは、合算保留数が1〜8の場合における各種演出の実行タイミングを示している。本実施の形態では、合算保留記憶表示部18cに表示される保留記憶(保留情報)のうち最も左側の保留記憶から順番に消化されることにより、変動表示が順番に実行されていく。最も左側の保留記憶に基づく保留表示が消去されると、次の変動に基づく保留表示が最も左側へ表示される。このように、保留表示は所定のタイミングで次の保留表示の領域へ移動(シフト)する。そして、各種演出の実行タイミングは、保留表示がシフトした後に実行される変動表示中のタイミングである。よって、現在の合算保留記憶数と保留表示のシフト回数との関係により、各種演出が実行されるタイミングが決定される。図15のテーブルに示す数字は、各種演出を実行するタイミングがいずれのタイミングであるかを合算保留記憶数ごとにパーセントで示しており、「−」はこのタイミングでは各種演出が実行されないことを示している。
たとえば、合算保留記憶数が3個のときには、各種演出の実行タイミングは、保留表示が3から2へシフトする場合に30パーセント、保留表示が2から1へシフトする場合に70パーセントの実行割合で各種演出が行なわれる。なお、合算保留記憶数が2のときは、保留表示が2から1へシフトするときに100パーセントの実行割合で各種演出が実行される。図15に示すように、各種演出の実行タイミングは、ターゲットの変動表示開始から近いタイミングとなる程、実行される割合が高くなるように設定されている。なお、通常保留変化演出と作用演出とで、演出の実行タイミングを異ならせてもよい。また、大当り表示結果となるかはずれ表示結果となるかにより、各種演出の実行タイミングを異ならせてもよい。
図16は、先読み予告処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータが、RAM103に形成される演出制御バッファ設定部の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファには、合計保留記憶数の最大値(たとえば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、合算保留記憶数指定コマンドという4つのコマンドを1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および、合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる。
先読み予告処理において、演出制御用CPU101は、まず、新たに受信したコマンドが最新のコマンドであるかを確認するために、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし、合算保留記憶数指定コマンド、および変動種別コマンド(始動入賞時の変動パターン種別を指定するコマンド)の受信時であるか否かを判定する(S501)。これらのコマンドが、始動入賞時受信コマンドバッファの最新の領域(始動入賞時受信コマンドバッファの領域のうち、最も後に受信されたコマンド(最新のコマンド)を格納する領域)に無ければ処理を終了する(S501のN)。一方、これらのコマンドを受信したときであれば(S501のY)、変化演出制限フラグがセットされているか否かを判定する(S502)。変化演出制限フラグは、後述するS512の処理において設定されるフラグであり、ガセ演出も含めた保留表示を変化させることに関連する演出が実行されている場合には、それ以降に新たに始動入賞が発生した場合であっても変化演出の実行を制限するためのフラグである。変化演出制限フラグがセットされているときは処理を終了する(S502のY)。
変化演出制限フラグがセットされていないときは(S502のN)、現在の保留記憶数の合計数が2以上であるか否かを判定する(S503)。現在の保留記憶数の合計数が2以上であるか否かは、合算保留記憶数指定コマンドの値により判定する。現在の保留記憶数の合計数が2以上でなければ処理を終了する(S503のN)。本実施の形態では、現在実行されている変動表示の次の変動表示の開始以降(開始時)に、各種の演出が実行されるので、保留記憶数の合計数が2以上であることが必要である。なお、保留記憶数の合計数が1個のときに実行される1回の変動表示期間だけではなく、時短状態に制御されている場合など、変動時間が短縮しているときは、各種の演出を実行する時間が十分に取れないおそれがあるため、保留記憶数の合計数が2以上であることにより各種の演出を実行する時間を確保することができる。しかしながら、変動時間が長い場合には、保留記憶数の合計数が2未満であっても各種の演出を実行するようにしてもよい。
現在の保留記憶数の合計数が2以上の場合は(S503のY)、新たな保留記憶がリーチの変動パターン種別であるか否かを判定する(S504)。新たな保留記憶がリーチの変動パターン種別であるか否かは、始動入賞時受信コマンドバッファに記憶された変動種別コマンドに基づいて判定する。具体的には、たとえば、図6(b)に示すランダム2の数値範囲が180〜251の範囲内の変動パターン種別に基づく変動種別コマンドであれば、リーチと判定する。新たな保留記憶がリーチの変動パターン種別でない場合は、処理を終了する(S504のN)。新たな保留記憶がリーチの変動パターン種別である場合は(S504のY)、新たな保留記憶が大当りであるか否かを判定する(S505)。新たな保留記憶が大当りであるか否かは、変動種別コマンドや図柄指定コマンドに基づいて判定する。
S505において、新たな保留記憶が大当りと判定された場合には(S505のY)、SR2を抽出し、図13(A)に示す大当り時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様を決定し(S506)、S507の処理へ移行する。
S507では、S506で決定された保留変化の態様が保留変化するか否かを判定する。保留変化の態様として保留変化しないと決定されたときは処理を終了する(S507のN)。一方、保留変化すると決定されたときは(S507のY)、図14(A)に示す大当り時保留変化演出決定テーブルにより、保留変化演出の内容を決定し(S508)、S509の処理へ移行する。
S505において、新たな保留記憶が大当りではないと判定された場合には(S505のN)、SR2を抽出し、図13(B)に示すはずれ時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様を決定し(S514)、S515の処理へ移行する。
S515では、S514で決定された保留変化の態様が保留変化するか否かを判定する(S515)。保留変化の態様として保留変化すると決定されたときは(S515のY)、図14(B)に示すはずれ時保留変化演出決定テーブルにより、保留変化演出の内容を決定し(S516)、S509の処理へ移行する。
S509では、S508またはS516で決定された演出が作用演出であったか否かを判定する(S509)。作用演出を実行する場合は(S509のY)、示唆画像としてのキャラクタ画像を表示し(S510)する。次いでS511の処理へ移行する。一方、作用演出を実行しない場合は(S509のN)、通常保留変化演出が実行されるので、S510の処理を実行せずに、S511の処理へ移行する。S511においては、変化演出制限フラグをセットし、S512の処理へ移行する。変化演出制限フラグは、演出制御バッファ設定部の所定領域に記憶される。
S512では、図15に示す演出実行タイミング決定テーブルにより、各種演出の実行タイミングを決定し(S512)、決定された内容をRAM103に設けられた記憶領域(演出制御バッファ設定部)に保存し(S513)、処理を終了する。
また、S515において、S514で決定された保留変化の態様が保留変化しないと決定されていた場合は(S515のN)、図14(C)に示すガセ演出決定テーブルにより、ガセ演出の内容を決定する(S517)。次いで、作用演出(ガセ)を実行するか否かを判定する(S518)。作用演出(ガセ)を実行する場合は(S518のY)、S510の処理へ移行する。一方、S518において、作用演出(ガセ)を実行しない場合は(S518のN)、処理を終了する。
図16のS502において変化演出制限フラグがセットされている場合には、以降の処理を実行しないように制御される。このようにすれば、示唆画像としてのキャラクタ画像を用いた作用演出に対する注目度を高めることができる。
また、図16のS510,S512に示すように、キャラクタ画像を表示してから図15の演出実行タイミング決定テーブルにより、複数回の変動表示に亘る期間が作用演出の期間として決定される。このようにすれば、複数回の変動表示に亘る期間、遊技者を注目させることができる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態を説明する。第2実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100により、保留記憶情報に基づいて保留表示とアクティブ表示とを実行し、対象となる保留記憶情報に対応する保留表示期間および変動表示期間の期間中における複数のタイミング(たとえば、保留表示中とアクティブ表示中との複数のタイミング)のうちのいずれかのタイミングで保留等変化演出を実行させる場合において、変化対象の表示の種別が、通常表示態様とは異なる第1特定表示態様と第2特定表示態様とのいずれであるかに応じて、表示態様変化を実行するタイミングの選択割合が異なる例を説明する。ここで、保留等変化演出とは、保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる演出のことである。また、保留等変化演出が実行される変動表示を保留等変化演出実行変動と呼ぶ場合がある。
第2実施形態においては、新たに保留記憶情報が発生したときに、保留表示およびアクティブ表示の画像として、所定表示態様と、第1特定表示態様と、第2特定表示態様との3つのうちいずれかの表示態様の画像が選択され、選択された画像が表示される。たとえば、所定表示態様としては一般的な「円形」の形状の表示態様、第1特定表示態様としては「文字」を用いたアイコン形状の表示態様(文字アイコンとも呼ぶ)、第2特定表示態様としては、「動物キャラクタ」よりなる「キャラクタ」を用いたアイコン形状の表示態様(キャラクタアイコンとも呼ぶ)である。
第2実施形態では、新たに保留記憶情報が発生したときに、所定の保留表示選択テーブルを用いて、出現させる保留表示として、通常表示態様の画像と、第1特定表示態様の画像と、第2特定表示態様の画像とのいずかが選択される。たとえば、第1特定表示態様、および、第2特定表示態様は、はずれとなるときよりも大当りとなるときに選択される割合が高く設定されている。
図17は、文字アイコン選択テーブルおよびキャラクタアイコン選択テーブルを示す図である。図17(A)に文字アイコン選択テーブルが示され、図17(B)にキャラクタアイコン選択テーブルが示されている。
第2実施形態では、通常表示態様の画像は、画像の色が選択可能であり、かつ、保留等変化演出により画像の色が変化可能である。そして、図17(A)のように、第1特定表示態様の画像は、複数種類の文字のうちから文字の種類が選択可能であり、かつ、保留等変化演出により文字の種類が変化可能である。また、図17(B)のように、第2特定表示態様の画像は、複数種類のキャラクタ数のうちからキャラクタ数の種類が選択可能であり、かつ、保留等変化演出によりキャラクタ数の種類が変化可能である。
出現させる保留表示として第1特定表示態様が選択されたときには、図17(A)に示すように、出現時表示に「小」という文字が示された文字アイコン(小表示)が表示された後、文字アイコンが、第1変化表示として「中」という文字が示された文字アイコン(中表示)、または、第2変化表示として「大」という文字が示された文字アイコン(大表示)に変化可能である。対応する保留記憶情報に基づく変動表示の結果が大当り表示結果となる期待度は、小表示<中表示<大表示という関係が設定されている。
第2実施形態については、所定表示態様としての円形状の保留表示およびアクティブ表示と、第1特定表示態様としての文字アイコン形状の保留表示およびアクティブ表示と、第2特定表示態様としてのキャラクタアイコン形状の保留表示およびアクティブ表示とを用いる例を示す。第1特定表示態様と第2特定表示態様とのいずれであるかに応じて、その特定表示態様の表示態様変化を実行させるタイミングの選択割合が異なる例を説明する。
第2実施形態において、アクティブ表示にのみ用いる文字アイコンは、所定表示態様の保留表示(円形状の保留表示)、第1特定表示態様の保留表示(文字アイコン形状の保留表示)、および、第2特定表示態様の保留表示(キャラクタアイコン形状の保留表示)のうちのいずれから変化可能なものとしてもよい。また、アクティブ表示にのみ用いる文字アイコンは、所定表示態様の保留表示(円形状の保留表示)、第1特定表示態様の保留表示(文字アイコン形状の保留表示)、および、第2特定表示態様の保留表示(キャラクタアイコン形状の保留表示)のうちのいずれか1つからのみ変化可能なものとしてもよい。また、アクティブ表示にのみ用いる文字アイコンは、所定表示態様の保留表示(円形状の保留表示)、第1特定表示態様の保留表示(文字アイコン形状の保留表示)、および、第2特定表示態様の保留表示(キャラクタアイコン形状の保留表示)のうちのいずれか2つ(たとえば、第1特定表示、第2特定表示態様)から変化可能なものとしてもよい。
出現させる保留表示として第2特定表示態様が選択されたときには、図17(B)に示すように、出現時表示に「1匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(1匹表示)が表示された後、キャラクタアイコンが、第1変化表示として「2匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(2匹表示)、または、第2変化表示として「3匹」の動物キャラクタが示されたキャラクタアイコン(3匹表示)に変化可能である。対応する保留記憶情報に基づく変動表示の結果が大当り表示結果となる期待度は、1匹表示<2匹表示<3匹表示という関係が設定されている。
図18は、保留表示が文字アイコンまたはキャラクタアイコンのようなアイコン形状の表示態様に決定されたときにおいて、表示態様変化演出実行タイミング選択処理、表示態様変化演出種類選択処理、および、変化態様選択処理を実行するアイコン演出設定処理に用いられる各種データテーブルである。
図18(A)は、保留表示が文字アイコンの表示態様に決定されたときに用いる文字保留表示時変化演出タイミング選択テーブルである。図18(B)は、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様に決定されたときに用いるキャラクタ保留表示時変化演出タイミング選択テーブルである。図18(A),(B)では、保留表示中とアクティブ表示中という2種類の表示態様変化演出タイミングに、表示態様変化演出タイミング決定用の乱数値MR10が割振られている。
図18(A),(B)では、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。一方、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高い。これにより、表示態様変化演出の変化対象の表示種別(例えば、文字アイコン、キャラクタアイコンという表示種別)および表示態様変化のタイミング(例えば、保留表示中、アクティブ表示中というタイミング)に遊技者を注目させることができ、保留表示の態様を変化させる演出について遊技の興趣を向上させることができる。
また、文字アイコンの表示、および、キャラクタアイコンの表示については、後述する図18(E)〜(L)のように、表示態様変化演出実行後に、実際に表示態様が変化する割合が、保留表示中とアクティブ表示中とで等しい。したがって、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときは、キャラクタアイコンの表示態様であるときと比べて、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも表示態様変化演出が実行される割合が高く、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様であるときは、保留表示が文字アイコンの表示態様であるときと比べて、アクティブ表示中の方が保留表示よりも表示態様変化演出が実行される割合が高いことに基づけば、保留表示が文字アイコン表示と、キャラクタアイコンの表示とのいずれで表示されるかに応じて、保留表示中とアクティブ表示中とで、アイコンの表示態様が変化する頻度が異なるので、保留表示中とアクティブ表示中とのいずれで表示態様を変化させるかを選択する割合が異なる。これにより、アイコン形状で表示された保留表示の表示態様の変化とアクティブ表示の表示態様変化とについて、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、表示態様の変化について遊技の興趣を向上させることができる。
図18(C)は、保留表示が文字アイコンの表示態様に決定されたときに用いる文字保留変化演出種類選択テーブルである。文字アイコンによる保留表示が実行されるときの変化演出の種類としては、青色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第1変化演出と、赤色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第2変化演出とが、表示態様変化演出種類選択用の乱数値MR11の割振りにより選択可能に設けられている。
図18(D)は、保留表示がキャラクタアイコンの表示態様に決定されたときに用いるキャラクタ保留変化演出種類選択テーブルである。キャラクタアイコンによる保留表示が実行されるときの表示態様変化演出の種類としては、青色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第3変化演出と、赤色の矢印が保留表示またはアクティブ表示に作用する第4変化演出とが、表示態様変化演出種類選択用の乱数値MR11の割振りにより選択可能に設けられている。
図18(E)〜(H)は、文字アイコンによる保留表示の変化演出について、図18(A)および図18(B)のデータテーブルにより選択決定された表示態様変化演出タイミングと表示態様変化演出種類との組合せ別に、アイコン表示の変化態様を選択決定するときに用いる変化選択テーブルである。
保留表示中に第1変化演出が実行される決定がされたときには、図18(E)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第1変化演出が実行される決定がされたときには、図18(F)のテーブルが用いられる。保留表示中に第2変化演出が実行される決定がされたときには、図18(G)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第2変化演出が実行される決定がされたときには、図18(H)のテーブルが用いられる。保留表示中に第3変化演出が実行される決定がされたときには、図18(I)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第3変化演出が実行される決定がされたときには、図18(J)のテーブルが用いられる。保留表示中に第4変化演出が実行される決定がされたときには、図18(K)のテーブルが用いられる。アクティブ表示中に第4変化演出が実行される決定がされたときには、図18(L)のテーブルが用いられる。
図18(E)〜(H)の変化選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて「変化なし」と「中」表示と「大」表示とに、変化態様選択用の乱数値MR12(0〜99)の100個が、異なる選択割合で割振られている。また、図18(I)〜(L)の変化選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて「変化なし」と「2匹」表示と「3匹」表示とに、変化態様選択用の乱数値MR12(0〜99)の100個が、異なる選択割合で割振られている。
図18(E)〜(H)において、「変化なし」は、文字アイコンが変化しない態様を示し、「中」表示は、文字アイコンが「中」という文字のアイコンに変化する態様を示し、「大」表示は、文字アイコンが「大」という文字のアイコンに変化することを示す。
図18(E)〜(H)では、変化選択用の乱数値MR12が、大当り表示結果となるときに「変化なし<中+大(変化あり)」、ハズレ表示結果となるときに「変化なし>中+大(変化あり)」という関係の選択割合で割振られている。また、図18(E)〜(H)では、大当り表示結果となるときに「中<大」、ハズレ表示結果となるときに「中>大」という関係の選択割合で乱数値MR12が割振られている。これにより、文字アイコンが変化したときは、文字アイコンが変化しないときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。また、文字アイコンが「大」に変化したときは、文字アイコンが「中」に変化したときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。
文字アイコン表示については、図18(A),(B)のように、アクティブ表示中に保留表示中と比べて文字アイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、大当り表示結果となるときに、アクティブ表示中に保留表示中と比べて、「中」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い「大」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。
図18(I)〜(L)は、キャラクタアイコンによる保留表示の表示態様変化演出について、図18(A)および図18(B)のデータテーブルにより選択決定された表示態様変化演出タイミングと表示態様変化演出種類との組合せ別に、アイコン表示の変化態様を選択決定するときに用いる変化選択テーブルである。これら演出選択テーブルでは、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときと、ハズレ表示結果となるときに分けて、「変化なし」と「2匹」表示と「3匹」表示とに、変化選択用の乱数値MR12が、異なる選択割合で割振られている。
図18(I)〜(L)において、「変化なし」は、キャラクタアイコンが変化しない態様を示し、「2匹」表示は、キャラクタアイコンが「2匹」のアイコンに変化する態様を示し、「3匹」表示は、キャラクタが「3匹」のアイコンに変化することを示す。
図18(I)〜(L)では、大当り表示結果となるときに「2匹<3匹」、ハズレ表示結果となるときに「2匹>3匹」という関係の選択割合で乱数値MR12が割振られている。これにより、キャラクタアイコンが変化したときは、キャラクタアイコンが変化しないときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。また、キャラクタアイコンが「3匹」に変化したときは、キャラクタアイコンが「2匹」に変化したときと比べて、大当り表示結果となる期待度が高い。
キャラクタアイコン表示については、図18(B),(C)のように、保留表示中にアクティブ表示中と比べてキャラクタアイコンの表示態様変化が選択される割合が低いが、大当り表示結果となるときに、保留表示中にアクティブ表示中と比べて、「2匹」表示よりも大当りとなる期待度のレベルが高い「3匹」表示となる表示態様変化が選択される割合が高い。これにより、保留表示とアクティブ表示とついて、表示態様変化対象の表示種別と、選択される変化タイミングとより、アイコン表示の表示態様変化の態様に遊技者をより一層注目させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図12(f),(g)に示すように、作用演出が実行されるまでに、第1キャラクタ画像91を表示し、第1キャラクタ画像91から第2キャラクタ画像92にキャラクタ画像の表示態様を変更可能である。このようにすれば、作用演出を実行する前の過程について、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図12(f),(g)に示すように、作用演出が実行されるまでに第1キャラクタ画像91を表示し、第1キャラクタ画像91から第2キャラクタ画像92にキャラクタ画像の表示態様を変更可能である。また、図14(A),(B)に示すように、大当り時には、はずれ時よりもキャラクタ画像の表示態様を変更する第3パターンが選択され易くなっている。このようにすれば、作用演出を実行する前の過程について、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図16のS502において変化演出制限フラグがセットされている場合には、以降の処理を実行しないように制御される。このようにすれば、示唆画像としてのキャラクタ画像を用いた作用演出に対する注目度を高めることができる。
(4) 図12(b),(c)に示すように、第1キャラクタ画像91を表示してから矢印を保留表示に刺す第1パターンと、図12(d),(e)に示すように、第2キャラクタ画像92を表示してから矢印を保留表示に刺す第2パターンと、図12(f),(g)に示すように、第1キャラクタ画像91を表示した後、第2キャラクタ画像92に変化させてから矢印を保留表示に刺す第3パターンとが設けられている。このようにすれば、複数のパターンが実行可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図14(B),(C)に示すように、第1パターンよりも第2パターンの方が変化演出が実行されやすく(ガセ演出が選択され難く)、第1パターンよりも第3パターンの方が変化演出が実行されやすい(ガセ演出が選択され難い)。このようにすれば、いずれのパターンが実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(6) 図16のS510,S512に示すように、キャラクタ画像を表示してから図15の演出実行タイミング決定テーブルにより、複数回の変動表示に亘る期間が作用演出の期間として決定される。このようにすれば、複数回の変動表示に亘る期間、遊技者を注目させることができる。
(7) 第2実施形態において、図18(A),(B)のように、文字アイコン形状表示態様は保留表示中に変化演出実行割合が高い。そして、図18(E)〜(L)のように、変化演出実行時に実際に表示態様が変化する割合が、保留表示中と、アクティブ表示中とで等しい。したがって、文字アイコン形状表示態様と、動物キャラクタアイコン形状表示態様とのいずれであるかに応じて、保留表示中とアクティブ表示中とで、アイコンの表示態様が変化する頻度が異なり、保留表示中とアクティブ表示中とのいずれで表示態様を変化させるかを選択する割合が異なる。このようにすれば、保留表示態様変化と変動対応表示態様変化とについて、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、保留表示の態様の変化について遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、キャラクタ画像が表示されてから作用演出が実行されるまでの期間に応じて、保留表示が変化する期待度が異なるようにしてもよい。具体的には、キャラクタ画像が表示されてから、作用演出が実行されるまでの期間が長い程、保留表示が変化しやすいようにしてもよい。つまり、作用演出が実行されるまでの期間が長い程、ガセ演出が実行され難くしてもよい。このようにすれば、示唆画像としてのキャラクタ画像が表示されてから作用演出が実行されるまでの期間にも注目させることができる。また、逆にキャラクタ画像が表示されてから作用演出が実行されるまでの期間が短い程、保留表示が変化しやすいようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、作用演出が実行される第3パターンとして、示唆画像としてのキャラクタ画像が変化する場合を説明した。しかし、示唆画像が変化するのではなく、示唆画像の数が増加するようにしてもよい。具体的には、最初1人のキャラクタ画像が表示され、作用演出が実行されるまでに2人や3人とキャラクタ画像の数が増加するようにしてもよい。また、示唆画像が増加するタイミングにより、保留表示の変化期待度や大当り期待度が異なるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、保留表示を対象として、作用演出等が実行される場合を説明した。しかし、保留表示ではなく、アクティブ表示を対象として作用演出等が実行されるようにしてもよい。また、保留表示とアクティブ表示との両方において作用演出が実行されるようにしてもよい。また、保留表示の段階で示唆画像を表示し、当該保留表示がアクティブ表示にシフトした後に、作用演出が実行されるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、通常保留変化演出は作用演出よりも大当り期待度が低いものとして説明した。しかしながら、通常保留変化演出の方が作用演出よりも大当り期待度が高くなるように設定してもよい。また、通常保留変化演出は、シフト時に保留表示の色が変化するものとして説明したが、キャラクタが保留表示に作用することで、保留表示の表示態様を変化させるものでもよい。
(5) 前述した実施の形態では、第1パターン作用演出<第2パターン作用演出<第3パターン作用演出の順に保留表示の変化する期待度が高いものについて説明した。しかし、保留表示の変化する期待度は、全てのパターンで同じでもよく、示唆画像としてのキャラクタ画像が変化しない方が、変化する場合に比べ変化期待度が高くなるように設定してもよい。
(6) 前述した実施の形態では、作用演出が擬似連の複数回の変動に跨る期間において実行されるものでもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。このような擬似連は、擬似連の再変動の回数(擬似連図柄が停止してから再度変動が行なわれる回数)が多い程、大当り期待度が高いものが一般的である。このような擬似連の再変動が実行されている所定期間に亘り示唆画像を表示することで、所定期間が長い程、作用演出を実行した際にアクティブ表示の表示態様の変化期待度が高くなるようにしてもよい。なお、擬似連演出において示唆画像を表示し、当該擬似連演出が実行されている際に表示されているアクティブ表示ではなく、保留表示に対して作用演出が実行されるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、作用演出が実行される際に表示される示唆画像としてのキャラクタ画像は、1段階のみ変化する場合を説明した。しかし、示唆画像は2段階、3段階と複数段階変化するようにしてもよい。また、変化する際は、一度に2段階変化してもよいし、1段階の変化が2回実行されるようしてもよい。また、1段階の変化よりも2段階以上の変化の方が、変化期待度が高くなるようにしてもよい。また、一度に2段階変化する方が、1段階の変化が2回実行されるよりも変化期待度が高くなるようにしてもよいし、その逆であってもよい。
(8) 前述した実施の形態では、作用演出により保留表示の表示態様が変化しない場合は、必ずはずれ表示結果となる例を説明した。しかし、作用演出が実行され保留表示に矢が刺さらない演出が実行された場合であっても、大当り表示結果となる場合があってもよい。たとえば、作用演出が実行された際に保留表示に矢が刺さらない演出が実行された場合であっても、対象となる保留表示の変動が開始された後にリーチとなった場合には、大当り表示結果となる期待度が高くなるようにしてもよい。また、この場合の大当り期待度は、作用演出が実行されて保留表示の表示態様が変化する場合よりも高くしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、示唆画像の変化タイミングが複数種類設けられていてもよい。また、示唆画像の変化タイミングにより、保留表示の変化期待度が異なるようにしてもよい。具体的には、示唆画像が表示されてから示唆画像が変化するまでの期間が長い程、保留表示の変化期待度が高くなるようにしてもよい。また、示唆画像が表示されてから示唆画像が変化するまでの期間が短い程、保留表示の変化期待度が高くなるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、示唆画像の種類によって作用演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、示唆画像としてのキャラクタ画像として第1のキャラクタ画像が表示されるときには、第1のキャラクタ画像が持つ矢印は細い矢印の態様で表示され、第2のキャラクタ画像が表示されるときには、第2のキャラクタ画像が持つ矢印は、第1のキャラクタ画像が持つ矢印よりも太い矢印の態様で表示されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、示唆画像と作用演出との組合せの種類を複数種類設けてもよい。そして、示唆画像と作用演出との組合せの種類により、保留表示やアクティブ表示が変化する期待度、保留表示やアクティブ表示の変化が成功した場合の大当り期待度を異ならせてもよい。
(12) 前述した実施の形態に示した各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへの制御を示す演出として前述した各種演出を実行するようにしてもよい。たとえば、AT等に当選した契機(はずれの場合のガセ演出も含む)で保留表示やアクティブ表示を表示し、当該保留表示やアクティブ表示に対して前述したような作用演出が実行されるようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(14) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(15) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(17) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(18) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(19) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(20) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(21) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(22) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。