以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の右方には、可動部材である演出用役物127が設けられている。演出用役物127は、可動部材用モータ128の回転軸に取り付けられ、可動部材用モータ128が回転すると移動する。演出表示装置9を用いた演出を行う場合、演出用役物127等の可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われることがある。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置20には、遊技球が入賞したときに点灯表示される大入賞口LED20Aが設けられている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けられている大入賞口LED20Aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して、演出用役物127を動作させるために可動部材用モータ128を駆動する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や大入賞口LED20Aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図5は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常入賞報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
次いで、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。なお、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある。)
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放が少なく1回あたりの開放時間も極めて短い(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が他の大当りと比較して少なく1回あたりの開放時間も極めて短い(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りや小当りとなった場合に、1回あたりの開放時間を短くするとともに、大入賞口の開放回数を通常大当りや確変大当りより少ない場合を示しているが、そのいずれか一方であってもよい。例えば、突然確変大当りや小当りとなった場合には、大入賞口の15秒間の開放を2回だけ行うように制御してもよい。また、例えば、突然確変大当りや小当りとなった場合に、大入賞口の0.1秒間の開放を15回だけ行うように制御してもよい。そのように、突然確変大当りや小当りとなる場合には、通常大当りや確変大当りと比較して、大入賞口の開放回数を少なくしたり、または1回あたりの大入賞口の開放時間を短くしたりすることによって、少なくとも通常大当りや確変大当りと比較して大入賞口への遊技球の入賞数が少なくなるものであればよい。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、1.5秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。
また、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する。
なお、突然確変大当りの態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや突然確変大当りと同じ15回(15ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9および図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9および図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」や「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」や「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図9および図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図9および図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図13は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図13に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図13参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS221)。なお、ステップS221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図14および図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされておらず、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグのいずれもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、遊技価値の高い(1回あたりの大入賞口の開放時間が29秒と長く射幸性が高い)通常大当りや確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「08」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「通常大当り」に決定した場合には「2」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS80)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS81)。そして、ステップS89に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS82)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS83)。そして、ステップS89に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS84)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当り、または突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS84のY)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS85)。そして、ステップS89に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS84のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS86)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS86のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS87)。そして、ステップS89に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS86のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、変動時間短縮時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS88)。そして、ステップS89に移行する。
この実施の形態では、ステップS84〜S88の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、変動時間短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)には、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS89の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS91の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS84でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS81,S83,S85,S87またはS88の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS89)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS89の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS90)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS90の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS91)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS93)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS94)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS95)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS84〜S88,S89の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図17は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図18は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図19および図20は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果10指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
なお、この実施の形態では、ステップS622,S624でセットされる大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、および小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS653)。
また、受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS655)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS656)。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS658)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS659)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS660)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS661)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS662)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS663)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS664)。そして、ステップS611に移行する。
図21は、図18に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。また、小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図22は、図21に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図23は、図21に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。このとき、変動パターンコマンドで大当りが指定されている場合には、左図柄、中図柄、右図柄として同一の図柄を決定する。その際、例えば、通常大当りであれば偶数の図柄を決定する一方、確変大当りであれば奇数の図柄を決定するようにしてもよい。また、変動パターンコマンドでリーチはずれが指定されている場合には、左図柄および右図柄に同一の図柄を決定するとともに、中図柄には該同一の図柄とは異なる図柄を決定する。また、変動パターンコマンドでリーチ無しはずれが指定されている場合には、全図柄とも一致しないような図柄を決定する。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
次いで、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄の変動表示中に演出表示装置9において特定演出の実行の有無および示唆演出の態様を決定する特定演出設定処理(図25に後述)を実行する(ステップS8003)。特定演出は、大当りの発生に対する信頼度を示す演出である。本実施の形態における特定演出には、一発告知演出(以下、一発告知ともいう)と、役物演出と、ウィンドウ演出とがある。一発告知は、大当りが発生する旨を遊技者に告知する演出であり、本実施の形態では、演出表示装置9に「勝ったな・・・」といった文字情報を表示するものとするが、いずれの演出部材を用いるものであってもよい。例えば、打球操作ハンドル5内に設けられたLEDを点灯させたり、スピーカ27から特殊な音声を出力したり、演出用役物127に特定の動作をさせたり、いずれの演出であってもよい。役物演出は、演出用役物127を動作させる演出であり、具体的には、可動部材用モータ128を駆動することにより演出用役物127を動作させる演出である。ウィンドウ演出は、演出表示装置9にウィンドウを表示する演出であり、大きなウィンドウを表示するウィンドウ(大)と、小さなウィンドウを表示するウィンドウ(小)とがあり、表示されるウィンドウが大きいほど大当りの発生に対する信頼度が高いものである。なお、ウィンドウの色や、ウィンドウの枠の色や、ウィンドウ内に表示されるキャラクタやセリフなどによって大当りの発生に対する信頼度が異なるものとしてもよい。また、1回の変動中には、これらの特定演出を3回まで実行可能であり、且つ、複数の特定演出を同時に実行しないようになっている。すなわち、1回の変動中には、上述した4つの特定演出(一発告知、役物演出、ウィンドウ(大)、ウィンドウ(小))のうち3つを上限とした特定演出を実行可能である。
また、示唆演出は、特定演出の発生タイミングを該特定演出の発生タイミングよりも所定時間前から示唆する演出であり、本実施の形態では、特定演出が発生するタイミングまでの残り時間を、特定演出の発生タイミングよりも5秒前から演出表示装置9に表示する演出(以下、カウントダウン演出ともいう)である。このカウントダウン演出を行ったときには、残り時間を示すカウンタがゼロになった時点で、いずれかの特定演出が発生する。なお、カウントダウン演出の開始タイミングは特定演出の発生タイミングの5秒前に限らず、5秒前よりも前であっても後であってもよい。また、複数種類の開始タイミングから一の開始タイミングを選択して実行するものとしてもよい。例えば、特定演出の発生タイミングの3秒前、5秒前、7秒前からいずれかの開始タイミングを抽選によって選択し、実行するものとしてもよい。なお、本実施の形態では、演出表示装置9に表示するカウンタの大きさが異なる示唆演出の態様として、カウンタを大きく表示する「大表示」と、「大表示」よりもカウンタを小さく表示する「小表示」とが設けられている。なお、詳細は後述するが、本実施の形態では、大当りであるか否かに基づいて特定演出の実行の有無および実行する場合には特定演出の種類を決定するとともに、実行する特定演出の種類に基づいて示唆演出の態様を決定し、決定した示唆演出と特定演出とを所定のタイミングで実行する構成としてある。以下、特定演出と示唆演出とを「予告演出」と総称することがある。なお、ステップS8003では、更に、示唆演出や特定演出とは異なる他の演出(例えば、ステップアップ演出)の実行の有無や態様を設定する処理を行うこととしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図24は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図24に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8003の処理で予告演出を実行することに決定されている場合には、予告演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
その後、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容に従って全ての演出装置を制御する(ステップS8006)。その後、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図25は、特定演出設定処理を示すフローチャートである。特定演出設定処理において、まず、演出制御用CPU101は、特定演出を実行可能な変動パターンであるか否かを判定する(ステップS2501)。具体的には、変動時間が所定時間(3回の示唆演出および特定演出が実行できる程度の予め定められた時間)以上であるか否かを判定することにより、特定演出の実行が可能な変動パターンであるか否かを判定するが、これに限るものではない。例えば、開始する変動の変動パターンが、予め定められた変動パターンであるか否かを判定することにより、特定演出を実行可能な変動パターンであるか否かを判定することとしてもよい。
特定演出の実行が可能であると判定した場合、演出制御用CPU101は、大当りであるか否かを判定し(ステップS2502)、大当りである場合、大当り用特定演出パターン抽選テーブルを選択し(ステップS2503)、はずれの場合、はずれ用特定演出パターン抽選テーブルを選択し(ステップS2504)、複数の特定演出のうちいずれの特定演出を実行するかを決定する特定演出パターン抽選を行う(ステップS2505)。ステップS2505では、具体的には、特定演出を選択するための乱数を取得するとともに、取得した乱数値と、ステップS2503またはS2504にて選択した特定演出パターン抽選テーブルに含まれる判定値とを比較し、特定演出パターンを選択することにより、いずれの特定演出を実行するかを決定する。特定演出パターンとは、1回の変動中に実行する特定演出の組み合わせがパターン化されたものである。なお、乱数値を取得するタイミングはいずれのタイミングであってもよく、入賞タイミングなどであってもよい。
ここで、図26および図27を用いて、特定演出パターン抽選テーブルについて説明する。特定演出パターン抽選テーブルは、上述したように、特定演出パターン抽選(ステップS2505)に用いるためのテーブルである。特定演出パターン抽選テーブルには、大当り用特定演出パターン抽選テーブルと、はずれ用特定演出パターン抽選テーブルとがあり、各特定演出パターン抽選テーブルには、特定演出パターン毎に、各特定演出の実行の有無(実行する場合は「○」、実行しない場合は「×」)と選択割合とが含まれている。
図26は、はずれ用特定演出パターン抽選テーブルを示す説明図である。図26に示すはずれ用特定演出パターン抽選テーブルには、特定演出パターン1〜特定演出パターン8についての各特定演出の実行の有無と、選択割合とが含まれている。例えば、特定演出パターン1は、いずれの特定演出も実行しない演出パターンであり、選択割合は40/200である。また、特定演出パターン5は、ウィンドウ(小)およびウィンドウ(大)を実行する演出パターンであり、選択割合は24/200である。他の特定演出パターンの詳細については、図示の通りである。
図27は、大当り用特定演出パターン抽選テーブルを示す説明図である。図27に示す大当り用特定演出パターン抽選テーブルには、特定演出パターン11〜特定演出パターン25についての各特定演出の実行の有無と、選択割合とが含まれている。例えば、特定演出パターン11は、いずれの特定演出も実行しない演出パターンであり、選択割合は1/200である。また、特定演出パターン25は、ウィンドウ(大)、役物演出、一発告知を実行する演出パターンであり、選択割合は5/200である。他の特定演出パターンの詳細については、図示の通りである。
図26および図27によれば、はずれ用特定演出パターン抽選テーブルではいずれの特定演出パターンにおいても一発告知を実行しないよう設定されている一方、大当り用特定演出パターン抽選テーブルでは特定演出パターン19〜特定演出パターン25において一発告知を実行するよう設定されている。これにより、一発告知は大当りであるときのみ発生する演出であるため、一発告知を実行することにより、遊技者に大当りの発生に対する期待感を与えることができる。
ここで、はずれ用特定演出パターン抽選テーブルにおけるウィンドウ(小)を含む特定演出パターンの選択割合の合計は89/200である一方、大当り用特定演出パターン抽選テーブルにおけるウィンドウ(小)を含む特定演出パターンの選択割合の合計は86/200である。また、はずれ用特定演出パターン抽選テーブルにおけるウィンドウ(大)を含む特定演出パターンの選択割合の合計は79/200である一方、大当り用特定演出パターン抽選テーブルにおけるウィンドウ(大)を含む特定演出パターンの選択割合の合計は115/200である。これにより、ウィンドウ(大)の方がウィンドウ(小)よりも大当りに対する信頼度の高い演出としてある。同様にして、大当りに対する信頼度が最も高い特定演出が一発演出であり、役物演出、ウィンドウ(大)、ウィンドウ(小)の順に大当りに対する信頼度が低くなっていくよう設定されている。本実施の形態において、選択された特定演出パターンに含まれる特定演出は、各特定演出パターンに含まれる特定演出の実行タイミング(以下、特定演出タイミングともいう)にて、大当りに対する信頼度の低い特定演出から順に実行されるものである。
なお、特定演出の実行タイミングおよび実行順については、これに限るものではない。例えば、特定演出の実行タイミングについては、特定演出の種類毎に予め固定のタイミング(例えば、役物演出の実行タイミングは変動開始時、ウィンドウ演出の実行タイミングは変動開始から3秒後など)が設定されていてもよいが、いずれのタイミングでどの特定演出が発生し得るかが遊技者に認識された場合、遊技者に退屈感を与えてしまうことがある。そのため、特定演出の発生タイミングおよび発生順をランダムに決定することにより、いずれのタイミングでどの特定演出が発生し得るかを遊技者に認識させ難くすることが望ましい。例えば、本実施の形態において、特定演出の実行タイミングに関する情報は各特定演出パターンに含まれているものとするが、特定演出の実行タイミングに関する情報が含まれない特定演出パターンを決定した後に、特定演出の実行タイミングを複数の候補の中から抽選によって決定するものであってもよい。
また、大当りに対する信頼度がそれぞれ異なる複数の特定演出を含む特定演出パターンが選択された場合、本実施の形態に示すように、大当りに対する信頼度の低い特定演出から順に実行することにより、遊技者の期待感を煽ることが望ましい。例えば、本実施の形態における特定演出パターン25が選択された場合、1回目の特定演出の実行タイミングにてウィンドウ(大)を行い、2回目の特定演出の実行タイミングにて役物演出を行い、3回目の特定演出の実行タイミングにて一発告知を行うことにより、遊技者の期待を徐々に煽ることができ、興趣を向上させることができる。なお、各特定演出の有する大当りに対する信頼度が僅差である場合、いずれの順序にて特定演出を実行するものであってもよいが、発生順を遊技者に認識させ難くするよう、特定演出の実行順の情報が含まれない特定演出パターンを選択した後に、該実行順を抽選によって決定するものであってもよい。また、特定演出の組み合わせが同一であり、且つ、特定演出の実行順が異なる複数の特定演出パターンから、一の特定演出パターンを選択する特定演出パターン選択抽選を行うようなものであってもよい。これにより、いつ、どの特定演出が発生するかを遊技者に期待させ、演出に注視させることができる。
図25のステップS2505の後、演出制御用CPU101は、選択した特定演出パターンを記憶し(ステップS2506)、選択した特定演出パターンが特定演出を含む特定演出パターンであるか否かを判定する(ステップS2507)。ここでは、特定演出パターン1または特定演出パターン11が選択されている場合、特定演出を含む特定演出でないと判定する。特定演出を含む特定演出パターンでない場合、そのまま特定演出設定処理を終了する。選択した特定演出パターンが、特定演出を含む特定演出パターンである場合、パラメータKに1をセットし(ステップS2508)、K個目の示唆演出の態様を決定する(ステップS2509)。K個目の示唆演出とは、選択した特定演出パターンにおいて、実行順がK番目である特定演出を示唆する示唆演出である。例えば、特定演出パターン20におけるK番目の示唆演出は、K=1であればウィンドウ(小)に対する示唆演出であり、K=2であれば一発告知に対する示唆演出である。示唆演出の態様を決定するとは、具体的には、示唆演出の態様を選択するための乱数を取得するとともに、取得した乱数値と、示唆演出態様抽選テーブルに含まれる判定値とを比較することにより、特定演出の前に実行する示唆演出の態様を複数の態様から選択することである。なお、乱数値を取得するタイミングはいずれのタイミングであってもよく、入賞タイミングなどであってもよい。
図28は、示唆演出態様抽選テーブルを示す説明図である。示唆演出態様抽選テーブルは、特定演出毎に、対応する示唆演出の判定値および選択割合が含まれている。例えば、特定演出がウィンドウ(小)である場合、取得した乱数値が0〜49のいずれかであれば小表示が選択され、その割合は50/50である。すなわち、特定演出がウィンドウ(小)であれば示唆演出として小表示を選択するようになっている。また、特定演出がウィンドウ(大)である場合、取得した乱数値が0〜29のいずれかであれば小表示が選択され、その割合は30/50である。また、取得した乱数値が30〜49のいずれかであれば大表示が選択され、その割合は20/50である。特定演出が役物演出である場合、取得した乱数値が0〜19のいずれかであれば小表示が選択され、その割合は20/50である。また、取得した乱数値が20〜49のいずれかであれば大表示が選択され、その割合30/50である。特定演出が一発告知である場合、取得した乱数値が0〜49のいずれかであれば大表示が選択され、その割合は50/50である。すなわち、特定演出が一発告知であれば示唆演出として大表示を100%の割合で選択するようになっている。
なお、小表示の示唆演出は、上述した4つの特定演出のうち一発告知を除くいずれかの特定演出の発生を示唆する一方、大表示の示唆演出は、ウィンドウ(小)を除くいずれかの特定演出の発生を示唆するものである。これにより、小表示の示唆演出よりも大表示の示唆演出を実行した方が、遊技者に期待感を与えることができるようになっている。
ステップS2509の後、演出制御用CPU101は、示唆演出の態様として、大表示を選択したか否かを判定する(ステップS2510)。大表示を選択していない場合、選択された示唆演出の演出態様が特定演出パターンにおける最後の特定演出に対応する示唆演出であるか否か、すなわち、全ての特定演出に対応する示唆演出の態様を選択し終わったか否かを判定する(ステップS2511)。例えば、具体的には、特定演出パターン毎にパラメータKの最大値Kmaxが設定されており、Kの値が各特定演出パターンに対するKmaxと一致する場合に、全ての特定演出に対応する示唆演出の態様を選択したと判定する。なお、各特定演出パターンにおける最大値Kmaxは、該当する特定演出パターンに含まれる特定演出の数が設定されており、例えば、2個の特定演出を含む特定演出パターン20におけるKmaxは「2」である。
ステップS2511において、最後の特定演出に対応する示唆演出でない場合(ステップS2511のN)、パラメータKに「1」を加算して(ステップS2512)、ステップS2509へ移行する。ステップS2510において、示唆演出の態様として大表示を選択した場合(ステップS2510のY)、演出制御用CPU101は、以降の示唆演出の態様として大表示を選択する(ステップS2513)。以降の示唆演出の態様とは、当該変動において、未だ示唆演出態様抽選を行っていない分の特定演出に対する示唆演出の態様である。
ステップS2513の後、またはステップS2511において全示唆演出の態様を選択したと判定した場合(ステップS2511のY)、選択した示唆演出の態様を記憶し(ステップS2514)、特定演出設定処理を終了する。
図29は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してスタートさせる(ステップS8104)。
次に、演出制御用CPU101は、その次に設定されている表示制御実行データ、およびランプ制御実行データ(すなわち、音番号データ以外)にもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。ステップS8103においてプロセスタイマがタイムアウトしてなかった場合、またはステップS8105を行った後、演出制御用CPU101は特定演出を実行するために予め設定された特定演出タイミングであるか否かを判定する(ステップS8106)。特定演出タイミングである場合、記憶した特定演出パターンを読み出して(ステップS8107)、該特定演出パターンに含まれる特定演出を実行する(ステップS8108)。
ステップS8106において、特定演出タイミングでない場合(ステップS8106のN)、またはステップS8108の後、演出制御用CPU101は、示唆演出を実行するために予め設定された示唆演出タイミングであるか否かを判定し(ステップS8109)、示唆演出タイミングである場合、記憶した示唆演出の態様を読み出して(ステップS8110)、示唆演出を実行する(ステップS8111)。
ステップS8109において、特定演出タイミングでない場合(ステップS8109のN)、またはステップS8111の後、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8112)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8113)。
図30は、本実施の形態における示唆演出および特定演出の表示例である。この表示例には、タイミング毎の演出表示装置9の表示例を示している。例えば、変動中のタイミング(A1)にて、特定演出の発生までの残り時間が5秒であることを示唆する小表示の示唆演出が表示される。このとき、大当りに対する信頼度の高くない特定演出が発生することに対する不安感を遊技者に与え、興趣の向上を図ることができる。そして、タイミング(A1)の5秒後であるタイミング(A2)にて、ウィンドウ(小)が発生する。
また、例えば、変動中のタイミング(B1)にて、特定演出の発生までの残り時間が5秒であることを示唆する大表示の示唆演出が表示される。このとき、大当りに対する信頼度の高い特定演出が発生することに対する期待感を遊技者に与え、興趣の向上を図ることができる。そして、タイミング(B1)の5秒後であるタイミング(B2)にて、ウィンドウ(大)が発生する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、複数の示唆演出のうちいずれかの示唆演出を行うとともに、大当りに対する信頼度の異なる複数の特定演出のうちいずれかの特定演出を、実行した示唆演出によって異なる割合で実行する構成とした。これにより、演出のバリエーションを増やすことができ、いずれの態様の示唆演出が発生するかを遊技者に期待させるとともに、示唆演出が発生した際にも、いずれの特定演出が発生するかを遊技者に期待させることができる。したがって、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態において、図28に示した通り、示唆演出の態様が小表示である場合、大当りに対する信頼度が他の特定演出よりも低いウィンドウ(小)を特定演出として実行可能である一方、示唆演出の態様が大表示である場合、ウィンドウ(小)を特定演出として実行しないものとした。これにより、大表示の方が小表示よりも、大当りに対する信頼度の高い示唆演出の態様とすることができる。したがって、大表示の示唆演出を実行した際に、遊技者に大当りに対する期待感を与えることができる。
また、本実施の形態において、変動中に、大当りに対する信頼度が小表示よりも高い大表示の示唆演出を一度実行した場合、該変動中における以降の示唆演出の態様として大表示を選択する構成とした。これにより、同一変動中に大表示の示唆演出を行った後に小表示の示唆演出を行うことによる、期待感の低減を防止することができる。
なお、本実施の形態では、態様の異なる複数の示唆演出として、表示する大きさの異なる示唆演出を設けるものとしたが、態様が異なるものであればこれに限るものではない。例えば、文字や背景の色が異なるものや、特定演出の発生までの時間をカウントダウンする開始時間の異なるものや、スピーカ27から出力する音声の異なるものや、LEDの点灯態様(色や点灯間隔など)の異なるものなど、いずれのものであってもよい。また、本実施の形態では、2種類の示唆演出を設けるものとしたが、3種類以上の示唆演出を設けるものとしてもよい。
また、本実施の形態では、示唆演出が発生した場合には必ず特定演出が発生する構成としたが、発生した場合にもいずれの特定演出の発生しないパターンの示唆演出を設けてもよい。そうすることにより、示唆演出を実行した場合にも、特定演出の実行の有無に対する期待感および不安感を遊技者に与えることができる。そういった場合、例えば、最後まで実行しても特定演出を実行しないパターンの示唆演出や、途中で途切れる(中断する)パターンの示唆演出などを設けるものとしてもよい。
また、本実施の形態では、特定演出が発生する場合には必ず示唆演出を実行する構成としたが、必ずしも全ての特定演出に対して示唆演出を実行しないものであってもよい。例えば、特定演出パターンを選択することにより実行が決定した特定演出に対して示唆演出を実行する回数を決定し、示唆演出を1回以上実行することが決定されれば、いずれの特定演出に対する示唆演出を実行するかと、示唆演出態様とを決定するようなものであってもよい。なお、その際、実行が決定した特定演出に対して示唆演出を実行する回数は、抽選によって決定されるものであってもよいし、特定演出パターンに予め設定されているものであってもよい。また、例えば、特定演出パターンにより実行が決定されたそれぞれの特定演出に対して、示唆演出を実行するか否かを抽選によって決定し、実行することが決定された特定演出に対して、図28の示唆演出態様抽選テーブルを用いて示唆演出態様を決定するものとしてもよい。また、例えば、示唆演出態様の候補として、示唆演出を実行しない「非実行」が含まれるものとし、他の示唆演出態様(大表示、小表示)と非実行とから一の示唆演出態様を選択して実行するものとしてもよい。その場合、大当りに対する信頼度の低い特定演出であるほど非実行の選択割合が高く、大表示の選択割合が低くなるよう設定することにより、大表示の方が非実行よりも大当りに対する信頼度が高い示唆演出であるものとしてもよい。具体的には、大当りに対する信頼度の低いウィンドウ(小)であれば非実行の選択割合が最も高く、次に小表示の選択割合が高く、大表示の選択割合が最も低くするとともに、大当りに対する信頼度の高い一発告知であれば非実行の選択割合が最も低く、次に小表示の選択割合が低く、大表示の選択割合が最も高くすることとしてもよい。
また、本実施の形態では、一変動中に示唆演出および特定演出を実行可能な機会が3回設けられているものとしたが、これに限るものではなく、2回以下や4回以上設けられているものであってもよい。
また、本実施の形態では、特定演出パターンを決定した後に示唆演出の態様を決定する構成としたが、これに限るものではない。例えば、先に示唆演出の態様を決定するようなものであってもよい。具体的には、まず大当りであるか否かに基づいて示唆演出の実行の有無を決定し、実行する場合には示唆演出の態様を決定し、決定した示唆演出の態様に基づいていずれの特定演出を実行するかを決定するものであってもよい。また、例えば、各特定演出パターンに予め特定演出および該特定演出に対する示唆演出の態様が設定されており、特定演出パターン抽選を行うことにより、一括して特定演出と示唆演出の態様とを決定するものとしてもよい。なお、その場合、上述したステップS2508以降の処理が不要となり、処理負担を軽減することができる。
また、本実施の形態では、特定演出パターンおよび示唆演出の態様を決定するタイミングを変動開始時としたが、これに限るものではなく、例えば、入賞時や、変動中であってもよい。変動中に決定するとは、具体的には、予め定められた示唆演出タイミングになったときに示唆演出および特定演出を選択し、実行するようなものであってもよい。
また、本実施の形態において、いずれの変動パターンの変動であるかにかかわらず、特定演出パターンを抽選で決定することとしたが、これに限るものではなく、例えば、変動パターンに対応した特定演出パターンが予め定められているようなものであってもよい。また、一の変動パターンに対して複数の特定演出パターンが設けられており、該複数の特定演出パターンから一の特定演出パターンを選択するものとしてもよい。
また、本実施の形態では、3回の特定演出が実行可能な変動時間を有する変動パターンであるときのみ特定演出を実行することとしたが、1回以上の特定演出を実行可能な変動時間を有する変動パターンであれば、変動時間に応じた回数の特定演出を実行するものとしてもよい。例えば、1回の示唆演出および特定演出の実行の所要時間が7秒であれば、7秒以上14秒未満の変動時間を有する変動パターンでは、示唆演出および特定演出を1回行うこととしてもよい。
また、本実施の形態では、変動時間(変動開始から変動停止までの時間)をもって特定演出および示唆演出の実行が可能であるか否かを判定するものであるが、これに限るものではなく、例えば、変動開始からリーチになるまでの時間をもって判定するようなものであってもよいし、変動開始からリーチ演出を経由して更にスーパーリーチへ発展するまでの時間をもって判定するようなものであってもよい。
また、変動パターンに限らず示唆演出および特定演出の実行を開始し、示唆演出または特定演出の実行が完了する前に変動停止する場合には、変動停止時に強制的に示唆演出または特定演出の実行を中止するようなものであってもよい。
また、本実施の形態では、示唆演出として、特定演出の発生する時点より5秒前の時点からカウントダウンする演出を実行することとしたが、特定演出の発生タイミングを示唆する演出であれば、これに限るものではない。例えば、カウントダウンする時間が異なるもの(特定演出の発生する3秒前や10秒前からカウントダウンするもの)であってもよい。また、変動が開始されていない保留記憶における特定演出の有無を先読みする先読み機能を搭載したタイプの遊技機であれば、保留記憶の変動を開始するよりも前の変動から複数回の変動に亘って示唆演出を行うようなものであってもよい。例えば、保留記憶が消化される度に、「3」、「2」、「1」などと残り変動数がカウントダウンされ、残り変動数がゼロになった変動にて特定演出が発生するものであってもよい。そうすることにより、より長い期間、遊技者に期待感を与えることができる。
また、複数種類の示唆演出が設けられているものであってもよく、例えば、特定演出を実行するまでにカウントダウンする示唆演出において、カウントダウンを開始する開始時点が複数設けられており、開始時点によっていずれの特定演出を実行するかを示唆するようなものであってもよい。具体的には、特定演出の発生の3秒前からカウントダウンする示唆演出と、特定演出の発生の10秒前からカウントダウンする示唆演出とが設けられ、大当りに対する信頼度の高い特定演出の実行が決定しているときほど、3秒前からカウントダウンする示唆演出よりも10秒前からカウントダウンする示唆演出を実行し易いようなこととすれば、より長い時間、遊技者に期待感を与えることができる。
また、本実施の形態では、特定演出を含まない特定演出パターンが設けられていることとしたが、これに限るものではなく、全ての特定演出パターンに一つ以上の特定演出が含まれるよう構成するものであってもよい。その場合、特定演出を実行するか否かを決定する抽選を行った上で、特定演出を実行することが決定された場合に、一つ以上の特定演出が含まれる複数の特定演出パターンから一の特定演出パターンを選択して実行するようなものであってもよいし、また、毎変動で特定演出を必ず実行するようなものであってもよい。
また、本実施の形態では、一の変動中に、同じ種類の特定演出を複数回実行しない構成としたが、同じ種類の特定演出を複数回実行可能とするものであってもよい。例えば、一変動中に役物演出を3回行うようなものであってもよい。
また、本実施の形態において、特定演出パターン抽選を行うことにより、一変動中に行う複数の特定演出の実行の有無を一括して決定することとしたが、これに限るものではなく、各特定演出の実行の有無を抽選によって決定するようなものであってもよい。例えば、まずウィンドウ(小)の実行の有無を決定し、次にウィンドウ(大)の実行の有無を決定し、更に役物演出の実行の有無を決定し、最後に一発告知の実行の有無を決定するようなものであってもよい。その場合、実行することが決定した特定演出の数が、特定演出の実行可能タイミングの上限回数に達した際には、以降の特定演出の実行の有無を決定する処理は省略してもよい。例えば、特定演出の実行可能タイミングが変動中に3回あり、ウィンドウ(小)と、ウィンドウ(大)と、役物演出とを実行することを決定した場合、一発告知の実行の有無を決定する処理を省略してもよい。
また、本実施の形態では、大当り用特定演出パターン抽選テーブルと、はずれ用特定演出パターン抽選テーブルとで異なる特定演出パターンを含む構成としたが、これに限るものではない。例えば、大当りであるか否かによって選択割合が異なるものであれば、一発告知を含まない特定演出パターンが、大当り用特定演出パターン抽選テーブルおよびはずれ用特定演出パターン抽選テーブルに共通して設けられているものであってもよい。その場合、大当りである場合のみ、一発告知の実行の有無を決定する抽選を行うようなものであってもよい。
また、本実施の形態では、特定演出の種類にかかわらず、所定の態様(大表示、小表示)の示唆演出を実行するものとしたが、これに限るものではなく、各特定演出に応じた示唆演出を実行するものとしてもよい。例えば、示唆演出の表示領域毎に示唆する特定演出が異なるものであってもよく、具体的には、ウィンドウ(小)を示唆する場合は演出表示装置9の右上にカウンタを表示する演出を、ウィンドウ(大)を示唆する場合は演出表示装置9の右下にカウンタを表示する演出を、役物演出を示唆する場合は演出表示装置9の左上にカウンタを表示する演出を、一発告知を示唆する場合は演出表示装置9の左下にカウンタを表示する演出を、それぞれの示唆演出とするようなものであってもよい。そういった場合、例えば、各示唆演出に用いるカウンタを常に停止表示させておき、いずれのカウンタのカウントダウンが開始されるかを遊技者に期待させるようなものであってもよい。また、複数の示唆演出を同時に実行するようなものであってもよい。具体的には、複数の示唆演出を同時に実行し、中断することなくカウントダウンを完了した示唆演出に対応する特定演出を実行するようなものとすれば、いずれの特定演出が発生するかを遊技者に期待させ、演出に注視させることができる。なお、複数の示唆演出を同時に実行する場合、複数のカウンタ表示が重なって遊技者による視認の妨げにならないよう、カウンタを通常の位置からずらして表示するようにしてもよい。また、複数の示唆演出を同時に実行する場合、各示唆演出はそれぞれ異なるタイミングに開始されるものであってもよいし、同時に開始されるものであってもよい。各示唆演出に対応する特定演出の実行タイミングが異なるものであれば、各示唆演出のカウンタの数値は異なるものとなる。具体的には、複数の示唆演出を同時に開始する時点Tが、特定演出Aの実行開始より3秒前であり、且つ、特定演出Bの実行開始より7秒前である場合、時点Tにおいて、特定演出Aに対する示唆演出Aのカウンタの数値は3秒であり、特定演出Bに対する示唆演出Bのカウンタの数値は7秒である。また、カウントダウンを完了したカウンタについては、そのまま継続して表示するものであってもよいし、消去するものであってもよい。
また、本実施の形態では、上述したように、一の示唆演出態様に対して発生し得る特定演出の候補が複数存在する構成としたが、一の示唆演出態様に対して発生し得る特定演出の候補は一つであってもよい。例えば、示唆演出Aに対して100%の割合で特定演出Aが発生するとともに、示唆演出Bに対して100%の割合で特定演出Bが発生するように構成してもよい。また、発生し得る特定演出の候補が一つである示唆演出態様と、発生し得る特定演出の候補が複数である示唆演出態様とが混在しているものであってもよい。例えば、上述した示唆演出Aおよび示唆演出Bに加え、70%の割合で特定演出Aが、30%の割合で特定演出Bが発生する示唆演出Cが設けられているものであってもよい。
また、本実施の形態では、図25に示したように、大表示の示唆演出を選択した場合、以降の当該変動中の示唆演出態様として大表示を必ず選択することとしたが、以降の当該変動中の示唆演出態様として大表示を高い割合で選択するものとすれば、これに限るものではない。ここで、高い割合とは、小表示の選択割合よりも高い割合という意味と、通常時に大表示を選択する割合(すなわち、図28に示した各特定演出に対して大表示を選択する割合)よりも高い割合という意味とを含む概念である。例えば、2個目の示唆演出態様抽選で大表示が選択され、3個目の特定演出が役物演出である場合、通常時に大表示を選択する割合(30/50)よりも高い割合(40/50)で大表示を選択するものであってもよい。
また、本実施の形態では、特定演出の種類として、ウィンドウ演出と役物演出と一発告知演出とを設けるものとしたが、これに限るものではない。例えば、擬似連演出や、スーパーリーチ演出や、大当り演出や、可変入賞球装置15の開放を示唆するルーレット演出や、保留記憶の表示形態を変更させる保留予告演出などを特定演出として実行するものであってもよい。ルーレット演出とは、可変入賞球装置15を開放するか否かを演出表示装置9上に可変表示したルーレットの挙動で示唆する演出である。
例えば、示唆演出が示唆するタイミング(例えば、カウントダウンが0になったタイミング)に、擬似連図柄(いわゆる、チャンス目)を仮停止させたり、再変動を開始することにより、擬似連演出を特定演出として実行するものであってもよい。また、例えば、示唆演出が示唆するタイミングに、スーパーリーチのストーリーに発展することにより、スーパーリーチ演出を特定演出として実行するものであってもよい。また、例えば、示唆演出が示唆するタイミングに、演出図柄を大当り態様で停止表示させることにより、大当り演出を特定演出として実行するものであってもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560が特別図柄を大当り図柄(例えば、「777」)で導出表示し、大当り遊技状態へ移行するものである。また、例えば、示唆演出が示唆するタイミングに、ルーレットの可変表示を開始したり、停止表示したりすることにより、ルーレット演出を特定演出として実行するものであってもよい。また、例えば、示唆演出が示唆するタイミングに、ルーレットが所定の挙動(例えば、ピエロ柄で停止表示)を示し、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、可変入賞球装置15を開放するものであってもよい。
ここで、変動中の保留記憶の表示形態を変更させる保留予告演出を特定演出として実行する変形例1を、図31〜図35を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。変形例1において、演出表示装置9上には、実行中の可変表示に対応する保留表示を可変表示対応保留表示として表示する保留ボックスの表示領域がある。ここでは、保留ボックスにおける可変表示対応保留表示の表示形態を変更させる保留予告演出を特定演出として実行するものである。
図31は、変形例1における、保留予告処理を示すフローチャートである。保留予告処理は、上述した演出制御プロセス処理において演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う前に実行される処理である。保留予告処理において、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS6001)。なお、第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したか否かを判定するために、例えば、図20に示すステップS664の処理でコマンドを受信したことを示すフラグをセットする。そして、ステップS6001の処理で、当該フラグがセットされているか否かによって、第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したか否か確認可能である。
第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合には、入賞時判定結果コマンドにもとづいて保留予告演出の決定を行う(ステップS6002)。なお、ステップS6002の処理で使用する入賞時判定結果コマンドは、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドに対応するコマンドである。すなわち、入賞時判定結果記憶バッファにおいて、最後にコマンドが格納された格納領域(最新のコマンドが格納されている格納領域)に格納されている入賞時判定結果コマンドである。
図32は、変形例1における、ステップS6002の処理で使用される保留予告演出決定テーブルの一例を示す説明図である。図32に例示する保留予告演出決定テーブルには、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の保留表示の態様、およびリーチ後の保留表示の態様と、判定値とが、対応して設定されている。なお、図32には、判定値数が示されている。
図32に示す例において、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の保留表示の態様、リーチ後の保留表示の態様が、「青」、「青」、「青」のパターンは、保留予告を実行しないことに対応するパターンである。「青」は、保留表示の通常態様だからである。
「青」、「青」、「黄」のパターンは、リーチ演出中(リーチ後)にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。「青」、「黄」、「黄」のパターンは、リーチ前にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。「黄」、「黄」、「黄」のパターンは、始動入賞時にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。「赤」、「赤」、「赤」のパターンも、始動入賞時にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。
「黄」、「赤」、「赤」のパターンは、始動入賞時およびリーチ前に保留予告を実行することに対応するパターンである。「青」、「赤」、「赤」のパターンは、リーチ前にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。「黄」、「黄」、「赤」のパターンは、始動入賞時およびリーチ演出中に保留予告を実行することに対応するパターンである。「青」、「黄」、「赤」のパターンは、リーチ前およびリーチ演出中に保留予告を実行することに対応するパターンである。
なお、この変形例1では、入賞時判定結果コマンドが大当りを示すコマンドである場合に使用される保留予告演出決定テーブル(大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブル)と、入賞時判定結果コマンドがスーパーリーチ(はずれ)を示すコマンドである場合に使用される保留予告演出決定テーブル(スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブル)とがある。
また、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに比べて、始動入賞時に保留表示の表示態様が「赤」になるパターン(パターン5)に多くの判定値が割り当てられている。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示が開始される前に特定表示結果になると判定した場合と特定表示結果にならないと判定した場合とで、異なる割合で特定態様で保留表示を表示する。
また、「赤」の態様に着目すると、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに対して、遅いタイミング(この例では、「リーチ演出中」)で「赤」の態様に変化するパターン(パターン8,9)に、早いタイミング(この例では、「始動入賞時」および「リーチ前」)で「赤」の態様に変化するパターン(パターン6,7)に比べて、多くの判定値が割り当てられている(割り当てられている判定値の割合が高い)。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かに応じて、複数のタイミングのうちいずれのタイミングで特定態様に変化させるかの割合を異ならせる。
また、「赤」の態様に着目すると、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに対して、始動入賞時に「赤」の態様に変化するパターン(パターン5)に、可変表示開始中(具体的には、「リーチ前」および「リーチ演出中」)に「赤」の態様に変化するパターン(パターン6,7,8,9)に比べて、少ない判定値が割り当てられている(割り当てられている判定値の割合が低い)。すなわち、可変表示中に保留表示の態様が特定態様に変化するときと、可変表示開始前に保留表示の態様が特定態様に変化するときとで、可変表示の表示結果が特定表示結果になる割合が異なる。
また、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでも保留予告演出決定テーブルでも、可変表示開始後(具体的には、「リーチ前」および「リーチ演出中」)に着目すると、可変表示開始前の保留表示の態様が「黄」である場合に比べて、「青」である場合の方が、高い割合で、可変表示開始後に、保留表示の態様が変化する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示が開始される前の保留表示の態様に応じて、保留表示の態様を変化させる割合を異ならせる。
なお、図32に示す保留予告演出決定テーブルにおける判定値の割り当て方は一例であり、他の例を用いてもよい。その場合、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに比べて、最終的に「赤」の態様(特定態様)になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が高く、最終的に「黄」の態様になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が中程度であり、最終的に「青」の態様(特定態様)になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が最も低いことが好ましい。
また、可変表示開始前では、保留表示の態様を「赤」の態様(特定態様)にしないようにしてもよい。
また、この変形例1では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示開始前に(一例として、始動入賞時に)、全ての時期(始動入賞時、リーチ前、リーチ後)における保留表示の態様を決定するが、入賞時判定結果コマンドにもとづいて可変表示が開始されるまでの態様を可変表示開始前に決定し、可変表示開始時に、例えば表示結果指定コマンドにもとづいて可変表示中(リーチ前、リーチ後)の態様を決定するようにしてもよい。
始動入賞時と可変表示開始前との各々において、あらかじめ決められている割合にもとづいて別個に決定する場合には、保留表示の態様が変化するタイミングの割合を異ならせることができる。さらに、可変表示開始前に、リーチ前の態様とリーチ後の態様とをあらかじめ決められている割合にもとづいて別個に決定するようにしてもよい。その場合にも、保留表示の態様が変化するタイミングの割合を異ならせることができる。
演出制御用CPU101は、ステップS6002の処理で、保留予告決定用乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値(保留予告演出決定テーブルに設定されている判定値)に対応するパターンを、保留表示を変化させるパターンとして決定する。なお、入賞時判定結果指定コマンドが大当りを示している場合には大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルを用い、スーパーリーチはずれを示している場合にはスーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルを用いる。入賞時判定結果指定コマンドは、入賞時判定結果(始動入賞が生じたときに実行される判定処理の結果)の内容を示す演出制御コマンドである。例えば、入賞時判定結果1指定コマンドは非リーチはずれ、入賞時判定結果2指定コマンドはノーマルリーチはずれ、入賞時判定結果3指定コマンドはスーパーリーチはずれ、入賞時判定結果4指定コマンドは通常大当り、入賞時判定結果5指定コマンドは確変大当り、入賞時判定結果6指定コマンドは突然確変大当りと判定したことを示している。
なお、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンドが大当りを示しているかまたはスーパーリーチはずれを示している場合(入賞時判定結果3指定コマンド、入賞時判定結果4指定コマンド、賞時判定結果5指定コマンド、または入賞時判定結果6指定コマンドを受信している場合)以外の場合(入賞時判定結果1指定コマンド、または入賞時判定結果2指定コマンドを受信している場合)には、保留予告の態様(パターン)をパターン1(図32参照)に決定して、ステップS6009に移行する。パターン1は、保留予告を実行しないパターンである。
また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数加算指定コマンドが受信されていた場合には(ステップS6004)、保留予告開始制限フラグがセットされていないことを条件に(ステップS6005)、ステップS6002の処理で決定した態様(「始動入賞時」の態様)で第1保留記憶表示部18cにおける保留表示を1増やす(ステップS6006)。保留予告開始制限フラグは、スーパーリーチ演出の開始タイミングにセットされ、スーパーリーチ演出の終了タイミングまたは変動終了タイミングにリセットされるフラグである。なお、保留予告開始制限フラグがセットされる契機は、スーパーリーチ演出の開始に限るものではなく、他の特定の演出(例えば、大当りに対する信頼度の高い演出)が実行される際にセットされるものであってもよい。
演出制御用CPU101は、保留予告開始制限フラグがセットされている場合には、通常態様(「青」の態様)で第1保留記憶表示部18cにおける保留表示を1増やす(ステップS6007)。また、通常態様フラグをセットする(ステップS6008)。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS6002の処理で決定したパターンを入賞時判定結果バッファにおける保留予告パターン格納領域に格納する(ステップS6009)。
第1保留記憶数加算指定コマンドが受信されていない場合(第2保留記憶数加算指定コマンドが受信されていた場合)には、演出制御用CPU101は、保留予告開始制限フラグがセットされていないことを条件に(ステップS6015)、ステップS6002の処理で決定した態様(「始動入賞時」の態様)で第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1増やす(ステップS6016)。
演出制御用CPU101は、保留予告開始制限フラグがセットされている場合には、通常態様(「青」の態様)で第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1増やす(ステップS6017)。また、通常態様フラグをセットする(ステップS6018)。そして、ステップS6019に移行する。
図33は、変形例1における、図21に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、通常態様フラグがセットされているか否か確認する(ステップS815)。なお、通常態様フラグは、これから開始する可変表示に対応したものである。すなわち、入賞時に抽出した乱数を記憶しておく入賞時判定結果記憶バッファの格納領域1における通常態様フラグである。
通常態様フラグがセットされている場合には、通常態様フラグをリセットし(ステップS816)、保留表示を、決定されている表示態様(「青」、「黄」または「赤」)にする(ステップS817)。
また、演出制御用CPU101は、保留表示を保留ボックスに移動させるような表示制御を行う(ステップS818)。すなわち、保留ボックス内で保留表示を行い、通常の表示領域における保留表示を1減らす。なお、入賞時判定結果記憶バッファの格納領域1に第1保留記憶数加算指定コマンドが格納されている場合には、第1保留記憶表示部18cの保留表示を1減らし、第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されている場合には、第2保留記憶表示部18dの保留表示を1減らす。
また、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの格納領域1における保留予告パターン格納領域に格納されている保留予告のパターン(図32参照)を読み出して、RAMの所定領域に記憶する(ステップS819)。
また、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの格納領域1に記憶されている入賞時判定結果指定コマンド等を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(ステップS820)。すなわち、格納領域n(n:2〜8)の内容を、格納領域(n−1)にシフトする。次いで、演出制御用CPU101は、図23に示したステップS8001の処理へ移行する。
図34は、変形例1における、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。タイムアウトしていない場合には、ステップS844に移行する。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS842)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS843)。
また、演出制御用CPU101は、リーチ前の保留表示の態様の変更タイミング(例えば、変動開始から4秒後)になったか否か確認する(ステップS844)。なお、リーチ前の保留表示の態様の変更タイミングになったか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。
リーチ前の保留表示の態様の変更タイミングになった場合には、演出制御用CPU101は、ステップS819の処理でRAMに記憶した保留予告のパターン(図32参照)に従って、保留ボックス内の保留表示の態様を変更する(ステップS845)。ただし、ステップS845の処理で保留表示の態様が変化しないことがある(パターン1,2,4,5,8の場合)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、RAMにいずれの保留予告のパターンが記憶されている場合でもステップS844,S845の処理を実行するが、保留表示の態様が変化しない保留予告のパターン(パターン1,2,4,5,8)が記憶されている場合には、ステップS844,S845の処理を実行しないようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、保留予告のパターンがパターン1,4,5(可変表示中に保留表示の態様が変化しないパターン)以外である場合には、リーチ前の保留表示の態様の変更タイミングになる直前(例えば、2秒前)に、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像を表示する制御を開始する。また、演出制御用CPU101は、キャラクタ画像が表示されているときには、キャラクタ画像が動くような表示制御を行う。
そして、ステップS845の処理で保留表示の態様が変化したときに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面からキャラクタ画像を消去する。ただし、リーチ前とリーチ後の双方において保留表示の態様を変化させる場合(パターン9の場合)には、ステップS847の処理で保留表示の態様が変化したときに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面からキャラクタ画像を消去する。なお、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像を表示する制御を開始した場合に、いずれの保留予告のパターンが使用されているときでも、ステップS846の処理で「Y」になったときに演出表示装置9の表示画面からキャラクタ画像を消去するようにしてもよい。そのような制御を行う場合には、リーチ前に「青」から「黄」に変化した後(パターン3,9が使用されている場合)に、キャラクタ画像の表示が継続することによって、リーチ演出中に「赤」に変化することへの期待感を遊技者に持続させることができる。
また、演出制御用CPU101は、リーチ演出中の保留表示の態様の変更タイミング(例えば、変動開始から13秒後)になったか否か確認する(ステップS846)。なお、リーチ演出中の保留表示の態様の変更タイミングになったか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。
リーチ演出中の保留表示の態様の変更タイミングになった場合には、演出制御用CPU101は、ステップS819の処理でRAMに記憶した保留予告のパターン(図32参照)に従って、保留ボックス内の保留表示の態様を変更する(ステップS847)。ただし、ステップS847の処理で保留表示の態様が変化しないことがある(パターン1,3,4,5,6,7の場合)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、RAMにいずれの保留予告のパターンが記憶されている場合でもステップS846,S847の処理を実行するが、保留表示の態様が変化しない保留予告のパターン(パターン1,3,4,5,6,7)が記憶されている場合には、ステップS846,S847の処理を実行しないようにしてもよい。
また、キャラクタ画像が未だ表示されているときには、ステップS847の処理で、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面からキャラクタ画像を消去する。
また、演出制御用CPU101は、予告実行フラグがセットされている場合に(ステップS851)、通常予告演出の開始タイミング(例えば、変動開始から5秒後)になったか否か確認する(ステップS852)。なお、通常予告演出の開始タイミングになったか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。
通常予告演出の開始タイミングになった場合には、保留予告開始制限フラグをセットする(ステップS854)。
なお、複数種類の通常予告演出がある場合には、大当りにするときに高い割合で実行される予告演出を対象にして、ステップS852の処理を実行するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ演出の開始タイミング(例えば、変動開始から22秒後)になったか否か確認する(ステップS853)。なお、スーパーリーチ演出の開始タイミングになったか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。スーパーリーチ演出の開始タイミングになった場合には、ステップS854に移行する。また、ステップS854を行った場合、またはステップS853のNである場合、図23に示したステップS8106へ移行する。
図35は、変形例1における、保留表示の変化の例を示す説明図である。図35の左側には、演出図柄の可変表示(変動)が開始された後であってリーチになる前に保留表示の態様が変化するリーチ前態様変化の例が示されている。
図35[左側]に示す例では、可変表示を開始可能な状態になると(図35[左側](A)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、可変表示を開始するときに、開始される可変表示に対応する保留表示(保留表示Bとする。)を保留ボックス9Fの内部に表示する(図35[左側](B)参照)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常の表示領域から保留表示Bを消去する。
図35、リーチになる前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示する(図35[左側](C)参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる(図35[左側](C)参照)。
そして、リーチになった後、最終停止図柄が導出表示される(図35[左側](D,E)参照)。
図35[右側]に示す例では、可変表示を開始可能な状態になると(図35[右側](A)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、可変表示を開始するときに、開始される可変表示に対応する保留表示(保留表示Cとする。)を保留ボックス9Fの内部に表示する(図35[右側](B)参照)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常の表示領域から保留表示Cを消去する。
その後、リーチになる前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示する(図35[右側](C)参照)。この時点では、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様は変化しない。
そして、リーチになった後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる(図35[右側](D,E)参照)。
なお、可変表示開始時を起点として、図35[右側]においてキャラクタ画像9aの表示が開始される時点は、図35[左側]においてキャラクタ画像9aの表示が開始される時点と同じである。
また、この実施の形態では、キャラクタ画像9aのみが使用されるが、複数種類のキャラクタ画像から選択して使用するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りになる場合に、はずれになる場合に比べて、特定のキャラクタ画像を高い割合で選択する。また、キャラクタ画像の違いに応じて、保留表示の態様を変化させる割合を異ならせてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタ画像9aを表示した場合に、リーチになる前またはリーチになった後に保留表示の態様が必ず変化するように制御するが、すなわち、保留表示の態様を変化させない場合(図32におけるパターン1,4,5参照)にはキャラクタ画像9aを表示しないが、リーチになる前およびリーチになった後に保留表示の態様を変化させない場合にも、キャラクタ画像9aを表示するようにしてもよい。
このように、特定演出として、保留記憶の形態を変化させる保留予告演出を実行可能とすることにより、変動開始以降の保留記憶表示に遊技者を注目させることができ、興趣の向上を図ることができるとともに、演出のバリエーションを豊富にすることで興趣性を向上させることができる。
また、遊技盤上の構成は上述した実施の形態の構成に限るものではない。ここで、流入した遊技球を振り分けるための振分装置200が遊技盤上に設けられている変形例2について、図36〜図40を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
図36は、変形例2における、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(この変形例2では、遊技球が第2始動入賞口14または第3始動入賞口17を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、第2保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置9の下方には、流入した遊技球を振り分けるための振分装置200が設けられている。また、演出表示装置9の下方には、左右に並ぶように第1始動入賞口13および第2始動入賞口14が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
また、第2始動入賞口14には、開放状態と閉鎖放状態とに変化可能な可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開放状態とされる。可変入賞球装置15が開放状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に始動入賞し易くなり、遊技者にとって有利な状態になる。なお、この変形例2では、可変入賞球装置15が閉鎖放状態の場合であっても、開放状態と比較すると入賞しにくいものの振分装置200を経由して第2始動入賞口14に入賞可能であるように構成する場合を示しているが、可変入賞球装置15が開放状態である場合にのみ第2始動入賞口14に始動入賞可能に構成してもよい。
また、この変形例2では、遊技状態が時短状態である場合に、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高められ第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなる。そのため、この変形例2では、遊技状態が時短状態に制御されている場合には、遊技者は遊技領域7の右方を狙って遊技球を発射するように発射操作を行う(いわゆる右打ち)方が有利になる。なお、遊技状態が時短状態に制御された場合には、例えば、演出表示装置9に「右を狙え!」などと表示して右打ちを示唆する表示を行うようにすることが望ましい。
さらに、振分装置200の上方、演出表示装置9の下部ステージ上には、第3始動入賞口17が設けられている。第3始動入賞口17に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第3始動口スイッチ17aによって検出される。
以下、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14および第3始動入賞口17を総称して始動入賞口または始動口ということがある。
次に、振分装置200について説明する。図37は、変形例2における、振分装置200を説明するための説明図である。図37に示すように、振分装置200上部には、遊技球が流入可能な流入口201が設けられている。また、振分装置200内部には、流入口201から振分装置200内に流入した遊技球を左側通路203と右側通路204とのいずれかに振り分けるための振分部材202が設けられている。また、振分装置200の下部には、左側通路203を通過した遊技球が振分装置200から流出可能な左側流出口205と、右側通路204を通過した遊技球が振分装置200から流出可能な右側流出口206とが設けられている。
図37(a)に示す例では、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技球が左側通路203を通過可能な状態が示されている。図37(a)に示す状態において遊技球が流入口201から振分装置200内に流入すると、図37(b)に示すように、流入口201から流入した遊技球は振分部材200によって左側通路203に振り分けられ、左側通路203を通過して左側流出口205から流出する。そして、左側流出口205の下方には第1始動入賞口13が位置しているので、左側流出口205から流出した遊技球は、第1始動入賞口13に入賞する。
また、遊技球が左側通路203を通過するときに、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技球があたり、遊技球の自重によって羽根部202aが押されることによって、図37(a)および図37(b)に示すように、振分部材202が右側に倒れている状態から左側に倒れている状態に変化する。そのように変化することにより、図37(b)に示すように、振分部材202によって振分装置200内の左側通路203が遮蔽され、遊技球が右側通路204を通過可能な状態となる。
次いで、そのような状態において、図37(c)に示すように、遊技球が流入口201から振分装置200内に流入すると、図37(d)に示すように、流入口201から流入した遊技球は振分部材200によって右側通路204に振り分けられ、右側通路204を通過して右側流出口206から流出する。そして、右側流出口206の下方には第2始動入賞口14が位置しているので、右側流出口206から流出した遊技球は、第2始動入賞口14に入賞する。
また、遊技球が右側通路204を通過するときに、振分部材204の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技球があたり、遊技球の自重によって羽根部202aが押されることによって、図37(c)および図37(d)に示すように、振分部材202が左側に倒れている状態から右側に倒れている状態に変化する。そのように変化することにより、図37(d)に示すように、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技球が左側通路203を通過可能な状態となる。
図37に示すような動作をすることにより、この変形例2では、振分部材202によって振分装置200に流入した遊技球が左側通路203と右側通路204とに交互に振り分けられ、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに交互に入賞可能となる。なお、この変形例2では、振分装置200の振分部材202の状態にかかわらず、可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときにも第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な構成となっている。具体的には、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技球が左側通路203を通過可能な状態(右側通路204は通過不能または通過困難な状態)であっても、可変入賞球装置15が開放状態に制御されていれば、振分装置200の右方から遊技球が進入し第2始動入賞口14に入賞することが可能な構成となっている。
また、この変形例2では、振分装置200の下方に第1始動入賞口13および第2始動入賞口14を設けるように構成することによって、左側通路203に振り分けられた遊技球は略100%で第1始動入賞口13に入賞し、右側通路204に振り分けられた遊技球は略100%で第2始動入賞口14に入賞する場合を示したが、左側通路203や右側通路204に振り分けられた遊技球が振分装置200の外にこぼれる場合があるように構成し、左側通路203や右側通路204に振り分けられても必ずしも第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞しない場合があるようにしてもよい。例えば、図37では左側流出口205および右側流出口206からダイレクトに真下に遊技球が落下するように構成したが、左側流出口205および右側流出口206に底面部材を設けて遊技者から見て奥側に一旦誘導されてから第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に遊技球が流れるように構成するとともに、左側通路203や右側通路204の外側側面に開口部を設けて、左側通路203や右側通路204に振り分けられた遊技球の一部がその開口部から振分装置200の外にこぼれて第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞しない場合があるように構成してもよい。
また、この変形例2では、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14が振分装置200の外部に設けられている(具体的には、図37に示すように、振分装置200の下方に設けられている)場合を示したが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14が振分装置200の内部に含まれているように構成してもよい。
また、この変形例2では、振分装置200に2つの通路203,204が設けられている場合を示したが、2つである場合にかぎらず、3以上の通路が設けられていてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14のいずれか一方または両方に入賞可能な通路が複数存在するように構成してもよい。
また、この変形例2では、振分装置200の振分部材202が遊技球の自重によって物理的に左右に切り替わる場合を示したが、例えば、振分部材202を駆動するためのソレノイドやモータを設け、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの制御によって振分部材202を交互に切り替えるように構成してもよい。
また、逆に、この変形例2では、第2始動入賞口14に設けられた可変入賞球装置15についてはソレノイド16を駆動制御することにより開閉動作を行う場合を示しているが、可変入賞球装置15に振分部材202と類似の機構を適用して遊技球の自重により開閉動作を行うように構成するなど、可変入賞球装置15を遊技制御用マイクロコンピュータ560による制御によらずに物理的に開閉動作するように構成してもよい。この場合、例えば、可変入賞球装置15の開放状態を検出するためのセンサ(例えば、光センサ)を設けるようにし、そのセンサからの入力にもとづいて可変入賞球装置15が開放状態であるか否かを判定するようにすればよい。
図38および図39は、変形例2における、始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、遊技球が第1始動入賞口13に連続して入賞した回数をカウントするための第1入賞回数カウンタの値を1加算する(ステップS1212)。また、CPU56は、遊技球が第2始動入賞口14に連続して入賞した回数をカウントするための第2入賞回数カウンタの値をクリアする(ステップS1213)。すなわち、この場合には、それ以前に第2始動入賞口14に遊技球がある程度連続して入賞して第2入賞回数カウンタの値が2以上となっていた場合であっても、第1始動入賞口13への始動入賞が発生して第2始動入賞口14への連続入賞が途切れた場合であるから、第2入賞回数カウンタの値をクリアする。
なお、第1始動口スイッチ13aがオン状態であることにもとづいて直ちにステップS1212,S1213の処理を実行して第1入賞回数カウンタの値をカウントするのではなく、さらに第1保留記憶数が上限値(本例では4)に達していないことを条件に第1入賞回数カウンタの値をカウントするようにしてもよい(すなわち、有効始動入賞のみをカウントするようにしてもよい)。具体的には、ステップS1214でNと判定した後にステップS1212,S1213の処理を実行するようにしてもよい。また、逆に、第1保留記憶数が上限値(本例では4)に達している場合のみ第1入賞回数カウンタの値をカウントするようにしてもよい(すなわち、無効始動入賞のみをカウントするようにしてもよい)。
次いで、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1214)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1215)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1216)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14(第3始動入賞口17を含む)への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1217)。
この変形例2では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)または第3始動口スイッチ17aがオン状態となった場合(すなわち、第3始動入賞口17に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aまたは第3始動口スイッチ17aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1218)。なお、ステップS1218の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この変形例2では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1222)。時短フラグがセットされていれば(すなわち、時短状態(高ベース状態)であれば)、ステップS1224に移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS1223)。この変形例2では、普通図柄プロセスフラグの値が3であれば(普通図柄プロセス処理の普通電動役物作動処理が実行されている場合には)、ステップS1224に移行する。
ステップS1222で時短フラグがセットされていた場合、またはステップS1223で普通図柄プロセスフラグの値が3である場合には、CPU56は、第2入賞回数カウンタの値をクリアする(ステップS1224)。すなわち、時短フラグがセットされているということは、時短状態(高ベース状態)に制御され、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高められているのであるから、振分装置200の状態にかかわらず第2始動入賞口14に連続して入賞しやすい。そのため、この場合には第2入賞回数カウンタの値をクリアして、入賞順異常と判定しないように制御している。また、普通図柄プロセスフラグの値が3であり、普通図柄プロセス処理の普通電動役物作動処理が実行されているということは、可変入賞球装置15が開放状態に制御されるのであるから第2始動入賞口14に連続して入賞しやすい。そのため、この場合にも第2入賞回数カウンタの値をクリアして、入賞順異常と判定しないように制御している。そして、ステップS1226に移行する。
なお、この変形例2では、時短状態(すなわち、高ベース状態)であるか否かの判定と可変入賞球装置15が開放中であるか否かの判定との両方を実行する場合を示しているが、いずれか一方のみを実行するようにしてもよい。具体的には、ステップS1222の判定処理とステップS1223の判定処理とのいずれか一方のみを実行するようにしてもよい。
普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、第2入賞回数カウンタの値を1加算する(ステップS1225)。また、CPU56は、第1入賞回数カウンタの値をクリアする(ステップS1226)。すなわち、この場合には、それ以前に第1始動入賞口13に遊技球がある程度連続して入賞して第1入賞回数カウンタの値が2以上となっていた場合であっても、第2始動入賞口14への始動入賞が発生して第1始動入賞口13への連続入賞が途切れた場合であるから、第1入賞回数カウンタの値をクリアする。そして、ステップS1228に移行する。
なお、第2始動口スイッチ14aがオン状態であることにもとづいて直ちにステップS1222〜S1226の処理を実行して第2入賞回数カウンタの値をカウントするのではなく、さらに第2保留記憶数が上限値(本例では4)に達していないことを条件に第2入賞回数カウンタの値をカウントするようにしてもよい(すなわち、有効始動入賞のみをカウントするようにしてもよい)。具体的には、ステップS1221でYと判定した後にステップS1228と同様の判定処理を行ってNと判定した後にステップS1222〜S1226の処理を実行するようにしてもよい。また、逆に、第2保留記憶数が上限値(本例では4)に達している場合のみ第2入賞回数カウンタの値をカウントするようにしてもよい(すなわち、無効始動入賞のみをカウントするようにしてもよい)。
また、この変形例2では、第1入賞回数カウンタについては時短状態(すなわち、高ベース状態)中であるか否かや可変入賞球装置15が開放中であるか否かにかかわらずカウントを継続し、時短状態(すなわち、高ベース状態)中や可変入賞球装置15の開放中の期間も通して第1始動入賞口13への遊技球の連続入賞を検出したことにもとづいて入賞順異常と判定する場合を示したが、時短状態(すなわち、高ベース状態)中や可変入賞球装置15の開放中の期間は第1入賞回数カウンタのカウントを中断するようにしてもよい。そして、時短状態(すなわち、高ベース状態)中や可変入賞球装置15の開放中の期間をまたがって第1始動入賞口13への遊技球の連続入賞を検出したときに入賞順異常と判定するようにしてもよい。具体的には、例えば、第1始動入賞口13に連続して2球入賞した後に時短状態(すなわち、高ベース状態)や可変入賞球装置15が開放状態となった場合に一旦カウントを中断し、その時短状態(すなわち、高ベース状態)や可変入賞球装置15の開放状態を終了した後にさらに第1始動入賞口13に連続して2球入賞した場合に(その時短状態(すなわち、高ベース状態)中や可変入賞球装置15の開放中に第2始動入賞口14への入賞もなく)、合計で4球連続して第1始動入賞口13に入賞したと判定して入賞順異常と判定するようにしてもよい。
第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、CPU56は、第3始動口スイッチ17aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1227)。第3始動口スイッチ17aもオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。
ステップS1226で第1入賞回数カウンタの値をクリアすると、またはステップS1227で第3始動口スイッチがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1228)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1229)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1230)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1231)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1232)。なお、ステップS1232の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1233)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1234)。
図40は、変形例2における、入賞順異常報知処理を示すフローチャートである。入賞順異常報知処理は、上述したタイマ割込み処理にてステップS21の後に行われる処理である。入賞順異常報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、第1入賞回数カウンタの値が4以上であるか否かを確認する(ステップS250)。第1入賞回数カウンタの値が4以上となっていれば、CPU56は、第1入賞回数カウンタの値をクリアし(ステップS251)、ステップS254に移行する。第1入賞回数カウンタの値が4以上でなければ、CPU56は、第2入賞回数カウンタの値が4以上であるか否かを確認する(ステップS252)。第2入賞回数カウンタの値が4以上となっていれば、CPU56は、第2入賞回数カウンタの値をクリアし(ステップS253)、ステップS254に移行する。第2入賞回数カウンタの値も4以上でなければ、そのまま処理を終了する。
次いで、CPU56は、入賞順異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS254)。また、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS255)。この変形例2では、ステップS255でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、情報出力処理(S31参照)が実行されることによって、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。すなわち、第1入賞回数カウンタまたは第2入賞回数カウンタの値が4以上である場合には(ステップS250,S252のY)、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に連続して4以上の入賞が発生したことにより入賞順異常が発生したと判定して、入賞順異常報知を行うために入賞順異常報知指定コマンドを送信する制御を行うとともに、セキュリティ信号を所定期間(本例では、30秒)外部出力するための処理を行う。
このように、変形例2では、高頻度状態に制御されているときは第2始動入賞口14に連続した入賞が可能であるよう構成するとともに、高頻度状態に制御されていないときには第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに交互に入賞するよう構成した。そして、高頻度状態に制御されていないときに第2始動口14に連続して所定数の遊技媒体の入賞を検知した場合、エラー報知をする構成である。これにより、振り分け装置の異常をエラーとして判定できるので、正常な遊技を行えなくなることを防止することができる。
また、この変形例2では、第1入賞回数カウンタや第2入賞回数カウンタと比較する判定値が4である場合を示したが、この変形例2で示した値にかぎらず、例えば、ステップS250,S252において第1入賞回数カウンタや第2入賞回数カウンタの値が5以上であるかを判定するなど、判定値として他の値を用いてもよい。また、ステップS250,S252において第1入賞回数カウンタや第2入賞回数カウンタの値が2以上であるか否かを判定するようにして、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に1球でも連続して入賞したら直ちに入賞順異常と判定するようにしてもよい。ただし、この変形例2では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に4球連続して入賞したことを条件に入賞順異常と判定することによって、判定基準に多少のマージンをもたせることにより誤判定を防止するようにしている。
なお、この変形例2では、第1始動入賞口13に連続して入賞した場合と第2始動入賞口14に連続して入賞した場合との両方について入賞順異常と判定する場合を示したが、第1始動入賞口13に連続して入賞した場合と第2始動入賞口14に連続して入賞した場合とのいずれか一方の場合についてのみ入賞順異常と判定するように構成してもよい。
また、この変形例2では、第1始動入賞口13に連続して入賞して入賞順異常となった場合と第2始動入賞口14に連続して入賞して入賞順異常となった場合とで、入賞順異常報知指定コマンドとして共通のコマンドを送信する場合を示したが、第1始動入賞口13に連続して入賞して入賞順異常となった場合と第2始動入賞口14に連続して入賞して入賞順異常となった場合とを区別可能に入賞順異常報知指定コマンドを送信するようにしてもよい。具体的には、第1始動入賞口13に連続して入賞して入賞順異常となった場合には第1入賞順異常報知指定コマンドを送信するようにし、第2始動入賞口14に連続して入賞して入賞順異常となった場合には第2入賞順異常報知指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この変形例2では、入賞順異常の判定を遊技制御用マイクロコンピュータ560側で実行する場合を示しているが、演出制御用マイクロコンピュータ100側で実行するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13に新たな始動入賞があったことを示すコマンドや第2始動入賞口14に新たな始動入賞があったことを示すコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、それらのコマンドを受信したことにもとづいてステップS1212,S1213,S1222〜S1226と同様の処理を実行することによって第1始動入賞口13への連続入賞数や第2始動入賞口14への連続入賞数をカウントし、入賞順異常報知処理と同様の処理を行って入賞順異常を判定するようにすればよい。
なお、変形例2では、入賞順異常を判定した場合、セキュリティ信号を外部出力することとしたが、これに限るものではなく、遊技機が異常報知をおこなうこととしてもよい。例えば、入賞順異常を判定した場合、所定のLEDを発光させたり所定の音声を出力させたりすることにより、異常報知をおこなうものとしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、主な実施例と、変形例1と、変形例2とを個別に記載したが、各実施例の記載事項のうち、一部または全ての事項が組み合わされて実施されるものであってもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。