以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、所定の遊技(以下に示すような遊技)を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2および図3はサブ表示装置の動作を説明するための図である。図4は可動体落下装置の動作を説明するための図である。図5は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、所定の遊技を行なうことが可能であり、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図6参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図6参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図6参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図6参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図6参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
なお、本実施の形態においては、演出表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、その他の画像表示式のものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数を表示する保留記憶表示部が設けられる。これにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
パチンコ遊技機1には、演出表示装置9とは別にサブ表示装置152が設けられる。サブ表示装置152は、小型の有機EL(Electro-Luminescence)等の薄型の表示装置よりなり、演出表示装置9の下方の位置に移動可能に設けられる。サブ表示装置152は、演出表示装置9の下方に遊技者に視認できないように形成される収納空間に設けられる。収納空間の上部は、開放されており、収納空間の手前側は遊技盤6や遊技盤6に設けられる構成部品によって遊技者に視認できないようになっている。そのため、サブ表示装置152が図1の破線に示す位置にある場合には、遊技者はサブ表示装置152を視認できない。
サブ表示装置152は、特定の演出が実行される場合に図1の破線に示す位置から図2に示すように上方へと移動を開始し、最終的に図3に示す位置まで移動する。サブ表示装置152には、駆動モータ150やギヤ等を含む所定の昇降装置が設けられている。すなわち、サブ表示装置152の昇降動作は、駆動モータ150を駆動させることによって行なわれる。なお、サブ表示装置152は、カウントダウン演出後、所定のタイミングで下方へと移動し、最終的には図1の破線に示す位置まで移動する。
なお、本実施の形態においては、サブ表示装置152は、有機EL等の表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、プラズマ表示や液晶表示あるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、その他の画像表示式のものであってもよい。
本実施の形態においては、カウントダウン演出が実行される場合がある。カウントダウン演出は、第1特定値から第2特定値までカウントし、カウントされる値を報知する演出である。本実施の形態において、カウントダウン演出において、カウントされる値は、サブ表示装置152に表示されるものとする。第1特定値は、「3」であり、第2特定値は、「0」である。また、カウントダウン演出において、カウントされる毎にカウントされる値が更新表示されるものとする。すなわち、サブ表示装置152には、カウントダウン演出が開始されると、「3」から「2」および「1」が順番に表示された後に最後に「0」が表示されてカウントダウン演出が終了する。カウントダウン演出は、たとえば、演出表示装置9における演出図柄の変動表示中に行なわれる。
可動体落下装置154は、遊技盤6の上方に設けられる。本実施の形態において、可動体落下装置154は、役物である可動体156(図4参照)を遊技盤6の上方の位置で保持する。可動体落下装置154は、演出制御用マイクロコンピュータ100(図6参照)から制御信号を受信するタイミングで可動体156の保持状態を解除する。可動体156は、保持状態が解除されると、自重によりパチンコ遊技機1の下部の図4に示す所定の位置まで落下する。可動体156には、たとえば。「激アツ」等の大当りの期待度が高い状態であること示す表示が行なわれる。図4において、可動体156は、星型の形状を有するものを一例として示しているが特に星型の形状に限定されるものではない。
可動体落下装置154は、落下した可動体156を遊技盤6の上方の位置まで移動するためのモータおよびギヤ等を用いた所定の移動手段を含む。
たとえば、可動体156とリールとが糸状の部材で結ばれる。リールには、回転軸を共通するギヤが設けられ、当該ギヤにはモータの回転軸に設けられるギヤと噛み合わされる。演出制御用マイクロコンピュータ(図6参照)から制御信号を受信することによりモータが駆動することによってモータの駆動力がギヤを経由してリールに伝達し、リールが回転する。リールが回転すると糸状の部材がリールに巻かれる。その結果、可動体156とリールとの距離が縮小していくことにより、可動体156は、遊技盤6の上方の位置まで移動する(引き上げられる)。可動体156が遊技盤6の上方の位置まで移動すると、可動体156の位置を遊技盤6の上方の位置で保持するロック機構が作動する。ロック機構は、たとえば、可動体156の移動を規制することによって落下を防止する機構である。可動体156を落下させる場合には、たとえば、リールに設けられるギヤとモータの回転軸に設けられるギヤとの噛み合いを解除するとともに、ロック機構による可動体156の移動の規制を解除する。これにより、可動体156が遊技盤6の上方の位置から自重で落下することとなる。
本実施の形態において、遊技者に視認可能となる位置(図4におけるサブ表示装置152の位置)まで移動したサブ表示装置152のカウントされる値の表示領域と可動体156(可動体156の移動可能範囲)とは、遊技者が双方を同一の視線で視認困難な位置に設けられる。具体的には、遊技者に視認可能となる位置まで移動したサブ表示装置152の表示領域と可動体156とは、可動体156が、遊技盤6の上方で保持される位置、落下動作後の位置、および、落下途中の位置のうちのいずれかの位置であるときに、遊技者がサブ表示装置152の表示領域と可動体156との両方を同一視線で視認することが困難となるような位置関係となる。
図5の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図5に示すように、この実施の形態では、ラウンド数が異なる大当り遊技状態として、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に大入賞口に入賞することが不可能であり、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。本実施の形態では、15ラウンドの確変大当りを「確変大当り」と呼び、2ラウンドの確変大当りを後述するような理由で「突確大当り」と呼ぶ。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、大当り遊技状態に制御された後、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図5に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、突然確変大当り(以下、突確大当りという略称で呼ぶ)が設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りの大当り遊技状態後の高ベース状態は、特別図柄および演出図柄の変動表示(はずれ表示結果となる変動表示)が所定回数(たとえば、100回)実行されるという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのどちらかが成立するまでの期間継続し、その後、低ベース状態に移行する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
突確大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。突確大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
なお、確変大当りと突確大当りとの両方またはいずれか一方は、高確高ベース状態が、特別図柄および演出図柄の変動表示(はずれ表示結果となる変動表示)が所定回数実行されるという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのどちらかが成立するまでの期間継続するようにしてもよい。
突確大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合に、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」と呼ばれる。また、「突然確変大当り」は、「突確」という略称で呼ばれる場合もある。突確大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に第入賞口への入賞が得られず賞球が得られない当りである。また、突確大当りの代わりに、実質的に賞球が得られる開放パターンで大入賞口が開放される2ラウンドの確変大当りを設けてもよい。
なお、大当りの他に、突確大当りと同様の開放回数および開放時間による開放パターンで大入賞口を開放する小当りを設けてもよい。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベースとがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されないようにする。このような小当りを設ければ、突確大当りと小当りとのそれぞれの当り遊技状態の終了後に確変状態となっているか否かを報知しないときには、開放パターンを見て突確大当りと小当りとのいずれが実行されたことが遊技者に認識されてしまったときでも、同じ開放パターンとなる当りが2種類あるので、確変状態となっているか否かが遊技者にとって把握しにくいものとなるため、実際には確変状態となっていないときでも遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図6は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示せず)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、サブ表示装置152の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。さらに、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介して駆動モータ150に駆動信号を出力することにより、サブ表示装置152を動作させる。なお、各種モータの駆動回路は、演出制御基板80に内蔵されてもよいし、演出制御基板80とは別に設けられてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してサブ表示装置152に制御信号を出力することにより、所定の情報を表示させる。さらに、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介して可動体落下装置154に駆動信号を出力することにより、可動体落下装置154を動作させる。
図7は、各乱数を示す説明図である。図7においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする特別図柄の保留記憶数(第1特別図柄と第2特別図柄との合算保留記憶数)が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御が実行される。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでもノーマルリーチのような変動時間が短いリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図8は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図8(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図8(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図8(B)、および、図8(C)の特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図8(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「突確大当り」に対応した判定値は、第2特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとでは、高確率状態となる大当りに決定される割合が同じであるが、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、大当り遊技状態におけるラウンド数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高く、また、大当り遊技状態における実質的な入賞可能数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高い。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利度合いが高い(たとえば、実質的に入賞可能なラウンド数が多い、実質的な入賞可能数が多い等)有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
なお、この実施の形態では、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいて、突確大当りが選択されない例を示した。しかし、これに限らず、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、突確大当りが選択可能であるが、図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも突確大当りの選択割合が高くなるようにデータを設定してもよい。
図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図9に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図9のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A003(H)は、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突確大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A303(H)は、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突確大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。コマンドC2XX(H)の「XX」の部分は、たとえば、入賞時判定結果がはずれであることを指定する場合は「00」であり、入賞時判定結果が通常大当りであることを指定する場合は「01」であり、入賞時判定結果が確変大当りであることを指定する場合は「02」であり、入賞時判定結果が確変大当りであることを指定する場合は「03」であり、入賞時判定結果が突確大当りであることを指定する場合は「04」である。
また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。コマンドC3XX(H)の「XX」の部分は、たとえば、変動パターンが非リーチである場合は「00」であり、変動パターンがノーマルリーチである場合は「01」であり、変動パターンがスーパーリーチである場合は「02」である。なお、ノーマルリーチあるいはスーパーリーチは、それぞれ複数種類あってもよい。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図14参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
なお、認識された変動パターンを用いる場合に、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の選択割合を一定にする(保留記憶数にかかわらず判定値を共通にする)。このような保留数短縮制御をするときに共通の判定値を用いる場合には、入賞時判定結果を先読みするための先読み用のコマンド(図柄指定コマンドおよび変動種別コマンド)を送信するが、このような先読み用のコマンドに基づいて、共通の判定値に合致する変動パターンであるとき、または、表示結果が大当りとなるとき等に先読み予告が実行されてもよい。なお、合算保留記憶数に代えて、たとえば、第1保留記憶数あるいは第2保留記憶数に基づいて保留数短縮制御を実行してもよい。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図10(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図10(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図10(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図10(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図10(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図10(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。また、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられることも可能である。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図11は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図11に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)および大当り種別判定用乱数(ランダム1)等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数(ランダム4初期値決定用乱数等)、および、表示用乱数(ランダム2,3)を生成するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図12は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図13は、S311の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図10で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図10に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図10(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図10(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図10(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図14は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、および大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)を決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターンを先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果を予測し、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告を実行することが可能となる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S223)。これにより、「はずれ」となることを示す図柄指定コマンドが始動入賞時に出力されることとなる。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S224)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」、または、「突確大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、または、「確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S225)。たとえば、「通常大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「突確大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「突確大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。これにより、大当りとなるときは、始動入賞時に、「通常大当り」、「確変大当り」、または、「突確大当り」となることを示す図柄指定コマンドが出力されることとなる。
次に、CPU56は、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて、S223、S225で設定された各表示結果、および、遊技状態に応じた変動パターンを判定する(S226)。たとえば、この実施形態では、大当りとなるか否か、および、時短状態であるか否かに応じて、変動パターン種別を決定するために用いるテーブルが異なっているので、S226では、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグ(時短状態に制御されるときにセットされるフラグ)のような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識し、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターンを判定する。
そして、CPU56は、決定結果に応じたEXTデータを変動種別コマンドに設定する処理を行なう(S227)。これにより、始動入賞時には、変動種別を示す変動種別コマンドが出力されることとなる。
なお、大当りの判定対象となる保留記憶データについて、確変回数カウンタ、および、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、大当り種別判定用乱数(ランダムR)を用いて大当り判定をするようにしてもよい。
また、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を判定するようにしてもよい。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図10(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値から「1」を減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタの値から「1」を減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタの値から「1」を減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値から「1」を減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値から「1」が減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りまたは突確大当りとなったときに、大当り終了処理(図12のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図8(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。大当り種別が「突確大当り」の場合には、大当り種別データとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「突確大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。
図16は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。
コマンド解析処理において、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
また、コマンド解析処理において、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出図柄の大当り図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、演出表示装置9での保留記憶表示の表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、受信した変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、リーチ演出の有無、リーチ演出を実行するときのリーチ種別(ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の種別)、および、変動表示結果(大当り、はずれ、大当りの種別)等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
図17は、図16に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S500およびS550の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み判定処理(S500):先読み判定の処理を行なう。先読み判定処理においては、新たに発生した保留記憶が大当り表示結果となるかを始動入賞時に先読みする態様で判定する。たとえば、上述のS1217やS1228における入賞時演出処理における判定結果として送信される大当り表示結果となるコマンド(図柄指定コマンド)を受信した場合に先読み予告演出が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を演出図柄の停止図柄決定用の乱数に基づいて決定する。受信した変動パターンコマンドに対応して、演出図柄の変動表示時の演出パターンを選択し、実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が開始され、演出図柄の停止図柄が導出表示される。演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、次のようにこの演出図柄の停止図柄を決定する。演出図柄変動開始処理(S801)においては、表示結果に応じて、演出図柄の停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3のうちから各種表示結果を決定するために必要な種類の乱数値を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。この実施の形態では、演出制御基板80の側において、左演出図柄(左図柄)決定用の乱数値SR1−1、中演出図柄(中図柄)決定用の乱数値SR1−2、右演出図柄(右図柄)決定用の乱数値SR1−3等のそれぞれを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような乱数値SR1−1〜SR1−3等のそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて設定された所定の数値範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。すなわち、抽出した乱数値と同じ数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。なお、以下の説明において、リーチ状態となった後にはずれ表示結果となることを「リーチはずれ」といい、リーチ状態とならずにはずれ表示結果となることを「非リーチはずれ」というものとする。
非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブル(乱数値とはずれ図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。また、このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。このように決定された非リーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄が、リーチ状態を形成する各演出図柄(左,右演出図柄)の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出された乱数に対応する図柄が、最後に停止する演出図柄(中演出図柄)の停止図柄として決定される。このように決定されたリーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。たとえば、確変大当りとなるときには、確変大当りを想起させるような確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。また、通常大当りとなるときには、通常大当りを想起させるような通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。また、突確大当りとなるときは、チャンス目図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」というような特定のはずれ図柄の組合せ)を選択決定する。
確変大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された確変大当り図柄決定用テーブル(乱数値と確変大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの奇数図柄で揃った組合せを選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された確変大当り図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された通常大当り図柄決定用テーブル(乱数値と通常大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの偶数図柄で揃った組合せを選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された通常大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、突確大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶されたチャンス目図柄決定用テーブル(乱数値とチャンス目になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、チャンス目図柄の組合せを選択決定する。チャンス目図柄決定用テーブルは、複数種類のチャンス目図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。チャンス目図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、チャンス目図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、チャンス目図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された突確大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、確変状態指定コマンドに基づいて確変状態であることを認識でき、時短状態指定コマンドに基づいて時短状態であることを認識できるので、演出表示装置9等の演出装置により、確変状態および時短状態に応じて特有の演出を行なうことができる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
本実施の形態においては、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示中に、複数種類の演出(演出A〜演出E)の各々の実行の有無を決定する。本実施の形態において、演出A〜演出Eの各々は、変動開始時点から各々所定のタイミングで実行される。
図18に示すように、演出Aは、たとえば、ステップアップ予告演出である。演出Aは、変動開始時点から所定時間aが経過した時点で開始され、開始されてから実行期間TAが経過した時点で終了する演出である。
ステップアップ予告とは、1の始動入賞に対して実行される図柄の変動表示中に実行される予告の1種であり、特に予告の態様(表示、音、ランプ、可動物等)が複数段階に変化(ステップアップ)するような予告を指す。一般的には、変化する回数(ステップ数)が多い程、予告対象に対する信頼度(期待度)が高くなる。予告の対象となるのは、大当りまたはリーチとなる旨を予告するものが多いが、確変大当り、特定のリーチ、確変への昇格を予告する対象も変化するものであってもよい。たとえば、ステップ1〜5のステップのうち、ステップ1からステップ3までステップアップすると「リーチ確定」、ステップ4までステップアップすると「スーパーリーチ確定」、ステップ5までステップアップすると「大当り確定」となるようなものでもよい。予告の態様の変化(ステップアップ)とは、異なるキャラクタが順番に登場することで、ステップアップするようなものであってもよいし、1のキャラクタの形状または色等が変化することで、ステップアップするようなものでもよい。つまり、遊技者から見て、予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであれば、上記例に限らずステップアップ予告であるといえる。ここで、キャラクタとは、人間、動物、および、植物等の生物、ならびに、何らかのシンボル、文字、および、記号等の生物以外の物を示す映像(これらをそのまま示す画像およびこれらをモチーフとした画像を含む)をいい、遊技者が、図柄(演出図柄)とは異なる画像として認識できるものであれば、あらゆる画像が含まれる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出Aであるステップアップ予告演出の実行を決定する場合には、いずれのステップまで実行するかを決定する(たとえば、ステップ1からステップ5まである予告演出のうちのステップ1からいずれのステップまで実行するかを決定する)。
演出Bは、たとえば、群予告である。演出Bは、変動開始時点から所定時間bが経過した時点で開始され、開始されてから実行期間TBが経過した時点で終了する演出である。
群予告とは、所定のキャラクタ画像の群を表示することにより予告をする予告演出をいう。群予告としては、たとえば、大当りとなる信頼度に応じて複数種類の群キャラクタ(群を構成するキャラクタ)を設けることにより、複数の予告パターンが設けられている。そして、群予告を行なうことが決定されたときには、複数の予告パターンのうちから、大当りとなる予告対象である今回の変動表示が実行されるときに、今回の変動表示の結果が大当りとなるかはずれとなるかで異なる割合で、予告パターンを選択し、選択した予告パターンで予告演出が行なわれる。
群予告としてキャラクタが異なる複数種類の演出態様が設けられる場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出Bである群予告の実行を決定するとともに、いずれの演出態様の群予告を実行するかを決定する。
演出Cは、たとえば、カットイン予告である。演出Cは、変動開始時点から所定時間cが経過した時点で開始され、開始されてから実行期間TCが経過した時点で終了する演出である。
カットイン予告とは、所定のキャラクタ画像が画面に大きくカットインすることにより予告をする予告演出をいう。
カットイン予告としてキャラクタが異なる複数種類の演出態様が設けられる場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出Cであるカットイン予告の実行を決定するとともに、いずれの演出態様の群予告を実行するかを決定する。
演出Dは、たとえば、擬似連図柄停止予告である。演出Dは、変動開始時点から所定時間dが経過した時点で開始され、開始されてから実行期間TDが経過した時点で終了する演出である。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
擬似連図柄停止予告とは、変動表示中に通常の演出状態において表示される図柄列に含まれない仮停止用の擬似連図柄(たとえば、数字以外の文字等を含む図柄)を、左、中、右の全ての図柄表示領域において、あるいは、左、中、右の一部の図柄表示領域において停止することにより予告をする予告演出をいう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出Dである擬似連図柄停止予告の実行を決定する場合には、変動パターンコマンドで擬似連の実行が指定されているか否かにより、擬似連の変動パターンであるか否かを判定し、擬似連の変動パターンである場合に演出Dの実行を最終的に決定する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100側で擬似連の実行の有無を決定するものである場合には(すなわち、擬似連を実行するか否かを遊技制御用マイクロコンピュータ560で決定せずに、擬似連を実行するか否かを指定しない共通の変動パターンコマンドを受信したときに、擬似連の実行の有無を抽選により決定する場合には)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、擬似連の実行が可能であるか否かを判定し、擬似連の実行が可能であれば、演出Dである擬似連図柄停止予告の実行の決定が可能となるようにしてもよい。
演出Eは、たとえば、可動体落下演出である。演出Eは、変動開始時点から所定時間eが経過した時点で開始され、開始されてから実行期間TEが経過した時点で終了する演出である。演出Eは、他の演出A〜演出Dよりも遊技者にとって有利度が高い演出であって、大当り決定時に選択される割合が他の演出A〜演出Dよりも高い演出である。
可動体落下演出は、図4を用いて説明したとおり、可動体落下装置154から可動体156を落下させる動作を行なう演出である。なお、可動体落下演出の前にカウントダウン演出が実行される場合には、カウントダウン演出において、サブ表示装置152において表示される値が「0」になった時点ではなく、当該時点が経過した後に可動体156の落下動作が開始するように実行されるものとする。なお、演出A〜演出Dの各々においてカウントダウン演出が実行されることが決定された場合には、カウントダウン演出において、サブ表示装置152において表示される値が「0」になった時点で演出A〜演出Dの各々が開始されるものとする。
具体的には、たとえば、変動表示開始後の演出図柄の高速変動中(演出図柄を視認し難いような高速度で変動表示をさせている状態)にカウントダウン演出と演出Aであるステップ予告演出とを実行することが決定される場合には、カウントダウン演出においてサブ表示装置152に表示される値が「0」になった時点(カウントゼロの時点)でステップアップ予告演出が開始される。
一方、変動表示開始後の演出図柄の高速変動中にカウントダウン演出と演出Eである可動体落下演出とを実行することが決定される場合には、カウントダウン演出においてサブ表示装置152に表示される値が「0」になった時点から所定の遅延時間(たとえば、1秒未満、0.5秒等)が経過した後に可動体156が落下する可動体落下演出が実行される。
カウントダウン演出後に可動体156を落下させる場合に、遅延時間を設けることにより、遊技者は、サブ表示装置152において表示される値が「0」になることに注目した後に、可動体156の動作に注目することができるため、カウントダウン演出後に実行されるカウントダウン後演出の演出効果を向上させることができる。
本実施の形態においては、図18に示すように、演出A,演出C、演出B、演出E、演出Dの順で演出の開始タイミングが早いものとして説明するが、特にこのような順に限定されるものではない。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出A〜演出Eの各々について実行するか否かを決定し、実行される演出の前にカウントダウン演出を実行するか否かを決定する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、カウントダウン演出が実行されることが決定された場合には、カウントダウン演出の実行期間(何秒間カウントするか)を決定する。本実施の形態においては、演出制御用マイクロコンピュータ100は、たとえば、「3秒」、「7秒」、「10秒」および「20秒」のうちからいずれからの実行期間を決定する。
ところで、複数の演出A〜演出Eの各々においてカウントダウン演出の実行の有無を決定する場合には、カウントダウン演出の実行期間が重複する可能性がある。たとえば、図19に示すように、演出Aおよび演出Bの各々においてカウントダウン演出を実行することが決定され、かつ、演出Aの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間として「3秒」が決定され、演出Bの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間として「10秒」が決定される場合を想定する。このとき、演出Bのカウントダウン演出の実行期間中に演出Aのカウントダウン演出が開始されるため、演出Aの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間と、演出Bの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間とが重複することから、カウントダウン演出の実行の有無および実行期間を適切に決定する必要がある。
そこで、本実施の形態においては、演出制御用マイクロコンピュータ100は、カウントダウン演出の実行期間が重複しないように、複数種類の演出A〜演出Eのうちの遊技者にとって有利度が高い特定演出である演出Eの前に実行されるカウントダウン演出を演出A〜演出Dよりも優先して実行することを決定するものとする。
図20は、演出選択処理(S503)における演出実行の決定およびカウントダウン期間の決定に用いられる各種テーブルを示す。
図20(A)は、演出制御基板80の側においてカウントされる乱数値SR3,SR4を例示する説明図である。図20(A)においては、乱数値の種別、計数範囲および用途が示されている。
図20(A)に示すように、この実施の形態では、演出制御基板80の側において、演出実行決定用の乱数値SR3およびカウントダウン期間決定用の乱数値SR4を示す数値データがカウント可能に制御される。
このような乱数値SR3,SR4は、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェア(図16のS706)によりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図20(A)において対応付けられた範囲内で巡回更新され、定められたタイミングで抽出されることにより乱数値として用いられる。
次に演出選択処理において行なわれる演出実行の決定について説明する。図20(B)は、演出選択処理において用いられる、演出実行決定用テーブルを表形式で示す図である。当該テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM102に記憶されている。また、当該テーブルにおける演出種別は、「演出A」と、「演出B」と、「演出C」と、「演出D」と、「演出E」とを含み、各種別に対して当り時(大当り決定時)とはずれ時(はずれ決定時)とにの各々において、「実行」と「非実行」とに分けてそれぞれ所定の割合で乱数値SR3が割り振られている。
たとえば、演出Aにおいては、当り時には、「実行」に「10」、「非実行」に「90」の割合で乱数値SR3が割り振られ、はずれ時には、「実行」に「20」、「非実行」に「80」の割合で乱数値SR3が割り振られる。すなわち、演出Aは、当り時よりもはずれ時に実行されやすい演出であるといえる。
演出Bにおいては、当り時には、「実行」に「30」、「非実行」に「70」の割合で乱数値SR3が割り振られ、はずれ時には、「実行」に「10」、「非実行」に「90」の割合で乱数値SR3が割り振られる。すなわち、演出Bは、はずれ時よりも当り時に実行されやすい演出であるといえる。
演出Cにおいては、当り時には、「実行」に「50」、「非実行」に「50」の割合で乱数値SR3が割り振られ、はずれ時には「実行」に「5」、「非実行」に「95」の割合で乱数値が割り振られる。すなわち、演出Cは、はずれ時よりも当り時に実行されやすい演出であるといえる。
演出Dにおいては、当り時には、「実行」に「70」、「非実行」に「30」の割合で乱数値SR3が割り振られ、はずれ時には、「実行」に「3」、「非実行」に「97」の割合で乱数値SR3が割り振られる。すなわち、演出Dは、はずれ時よりも当り時に実行されやすい演出であるといえる。
演出Eにおいては、当り時には、「実行」に「90」、「非実行」に「10」の割合で乱数値SR3が割り振られ、はずれ時には、「実行」に「1」、「非実行」に「99」の割合で乱数値SR3が割り振られる。すなわち、演出Dは、はずれ時よりも当り時に実行されやすい演出であるといえる。
また、当り時においては、演出A<演出B<演出C<演出D<演出Eという関係で実行されやすく、はずれ時においては、上記関係とは逆の関係で実行されやすくなるように割合が設定される。
また、図20(B)に示すように、演出A〜演出Eには、実行開始タイミングa〜e、実行期間TA〜TE、および、優先順位「5」〜「1」がそれぞれ対応づけられる。優先順位は、カウントダウン演出を実行する演出の数が上限数「3」を超える場合に、カウントダウン演出を実行する演出の数を上限数「3」に制限するために用いられる。図20(B)に示すように、「演出A」が最も優先順位が低く(優先順位の値が最も大きく)、「演出E」が最も優先順位が高く(優先順位の値が最も小さく)、「演出E」>「演出D」>「演出C」>「演出B」>「演出A」という関係で優先順位が高くなるように優先順位が予め定められる。本実施の形態において、優先順位は、たとえば、遊技者にとっての有利度が高いほど高く、有利度が低いほど低くなるように定められるものとする。なお、図20(B)に示す優先順位の設定は、一例であり、特に、図20(B)に示す優先順位に限定されるものではない。
なお、本実施の形態においては、抽出される乱数値SR3に基づいて、演出A〜演出Eの実行の有無が決定される(抽出される一つの乱数値から演出A〜演出Eの各々の実行の有無が一意に決定される)ものとして説明したが、演出A〜演出Eの各々に異なる乱数値を所定の割合で割り振ることにより、演出A〜演出Eの各々の実行の有無を他の演出とは独立して決定するようにしてもよい。
次に演出選択処理において行なわれるカウントダウン期間の決定について説明する。図20(C)は、演出選択処理において用いられる、カウントダウン期間決定用テーブルを表形式で示す図である。当該テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM102に記憶されている。また、当該テーブルにおける実行期間は、「3秒」、「7秒」、「10秒」および「20秒」とを含み、各期間に対して当り時(大当り時)とはずれ時とに分けてそれぞれ所定の割合で乱数値SR4が割り振られている。
特に当り時においては、実行期間として最も長い「20秒」が最も選択されやすく、実行期間としても最も短い「3秒」が最も選択されにくくなるように、乱数値SR4が割り振られている。すなわち、当り時においては、「20秒」>「10秒」>「7秒」>「5秒」という関係で選択されやすくなるように乱数値SR4が割り振られている。
はずれ時においては、「20秒」が最も選択されにくく、「3秒」が最も選択されやすくなるように、乱数値SR4が割り振られている。すなわち、はずれ時においては、「20秒」>「10秒」>「7秒」>「3秒」という関係で選択されにくくなるように(逆の順序で選択されやすくなるように)乱数値SR4が割り振られている。
次に、図17に示される演出図柄変動開始処理(S801)の具体的な処理内容を説明する。図21は、演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S501)。次いで、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S502)。このとき、変動パターンコマンドで大当りが指定されている場合には、左図柄、中図柄、右図柄として同一の図柄を表示結果として決定する。その際、たとえば、通常大当りであれば偶数の図柄を決定する一方、確変大当りであれば奇数の図柄を決定するようにしてもよい。また、変動パターンコマンドでリーチはずれが指定されている場合には、表示結果として、左図柄および右図柄に同一の図柄を決定するとともに、中図柄には当該同一の図柄とは異なる図柄を決定する。また、変動パターンコマンドで非リーチはずれが指定されている場合には、全図柄とも一致しないような図柄を決定する。なお、変動パターンコマンドでは、擬似連が実行される変動パターンが指定される場合があるが、このような場合には、演出制御用CPU101は、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(たとえば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ(あるいは、このような組み合わせに代えて、通常の演出状態において表示される図柄列に含まれない仮停止用の擬似連図柄(たとえば、数字以外の文字等を含む図柄)が含まれる図柄の組み合わせでもよい))も決定する。仮停止図柄とは、擬似連中に変動が停止しているように見せるときに表示される演出図柄をいう。
演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出選択処理を実行する(S503)。演出制御用CPU101は、演出選択処理においては、演出図柄の変動表示が開始してから演出図柄の変動表示が停止するまでの間に演出を実行するか否かを決定し、演出を実行すると決定された場合には、実行する演出の種類を選択する。演出選択処理の詳細については後述する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S504)。演出制御用CPU101は、予告演出を実行する場合には変動パターンコマンドに応じた演出を実行することに付加して、予告演出を実行するプロセスデータを選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S505)。
プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROM102に格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、S503の処理で演出を実行することに決定されている場合には、実行する演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、演出を実行しないことに決定されている場合には、演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
プロセスタイマをスタートさせた後、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(S506)。S506の後、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S507)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S508)。
次に、図21に示される演出選択処理(S503)の具体的な処理内容を説明する。図22は、演出選択処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、演出Aを実行するか否かを決定する(S601)。演出制御用CPU101は、乱数値SR3の値を抽出し、大当りの有無と、乱数値SR3の抽出値と、図20(B)に示す演出実行決定用テーブルとに基づいて、演出Aを実行するか否かを決定する。制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータに基づいて大当りの有無を判定する。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始から演出Aの終了時点(図18に示す時間a+実行期間TA)までの期間が、変動パターンコマンド格納領域に格納されているコマンドに基づく変動期間(変動が開始してから終了するまでの期間)を超える場合には、乱数値SR3が「実行」を示す値であるか否かに関わらず、演出Aの「非実行」を決定する。
演出制御用CPU101は、演出Bを実行するか否かを決定する(S602)。演出制御用CPU101は、乱数値SR3の値を抽出し、大当りの有無と、乱数値SR3の抽出値と、図20(B)に示す演出実行決定用テーブルとに基づいて、演出Bを実行するか否かを決定する。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始から演出Bの終了時点(図18に示す時間b+実行期間TB)までの期間が、変動パターンコマンド格納領域に格納されているコマンドに基づく変動期間を超える場合には、乱数値SR3が「実行」を示す値であるか否かに関わらず、演出Bの「非実行」を決定する。
演出制御用CPU101は、演出Cを実行するか否かを決定する(S603)。演出制御用CPU101は、乱数値SR3の値を抽出し、大当りの有無と、乱数値SR3の抽出値と、図20(B)に示す演出実行決定用テーブルとに基づいて、演出Cを実行するか否かを決定する。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始から演出Cの終了時点(図18に示す時間c+実行期間TC)までの期間が、変動パターンコマンド格納領域に格納されているコマンドに基づく変動期間を超える場合には、乱数値SR3が「実行」を示す値であるか否かに関わらず、演出Cの「非実行」を決定する。
演出制御用CPU101は、演出Dを実行するか否かを決定する(S604)。演出制御用CPU101は、乱数値SR3の値を抽出し、大当りの有無と、乱数値SR3の抽出値と、図20(B)に示す演出実行決定用テーブルとに基づいて、演出Dを実行するか否かを決定する。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始から演出Dの終了時点(図18に示す時間d+実行期間TD)までの期間が、変動パターンコマンド格納領域に格納されているコマンドに基づく変動期間を超える場合には、乱数値SR3が「実行」を示す値であるか否かに関わらず、演出Dの「非実行」を決定する。
演出制御用CPU101は、演出Eを実行するか否かを決定する(S605)。演出制御用CPU101は、乱数値SR3の値を抽出し、大当りの有無と、乱数値SR3の抽出値と、図20(B)に示す演出実行決定用テーブルとに基づいて、演出Eを実行するか否かを決定する。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始から演出Eの終了時点(図18に示す時間e+実行期間TE)までの期間が、変動パターンコマンド格納領域に格納されているコマンドに基づく変動期間を超える場合には、乱数値SR3が「実行」を示す値であるか否かに関わらず、演出Eの「非実行」を決定する。
演出制御用CPU101は、演出A〜演出Eのうち実行することが決定された演出の各々についてカウントダウン演出を実行するか否かを決定する(S606)。演出制御用CPU101は、たとえば、所定数(たとえば、102個)の乱数値が所定の割合(たとえば、「実行」に「51」、「非実行」に「51」)で割り振られ、抽出された乱数値に基づいてカウントダウン演出を実行するか否かを決定する。なお、演出A〜演出Eに応じて所定の割合が異なるものであってもよいし、同じものであってもよい。また、所定の割合は、「実行」に「51」、「非実行」に「51」に限定されるものではなく、「実行」が選択されやすい割合(たとえば、「実行」に「72」、「非実行」に「30」)であってもよいし、「非実行」が選択されやすい割合(たとえば、「実行」に「30」、「非実行」に「72」)であってもよい。また、演出A〜Eのうち期待度が高い演出ほど実行されやすくなるように演出A〜Eの種類によって「実行」および「非実行」の選択割合を異ならせてもよい。あるいは、当り時とはずれ時とによって「実行」および「非実行」の選択割合を異ならせてもよい。
演出制御用CPU101は、実行することが決定されたカウントダウン演出の数(決定数)が3よりも大きいか否かを判定する(S607)。演出制御用CPU101は、カウントダウン演出の決定数が3よりも大きい場合(S607のYES)、カウントダウン演出制限処理(S608)を実行する。演出制御用CPU101は、カウントダウン演出制限処理において、カウントダウン演出の決定数を3に制限する。演出制御用CPU101は、上述した図20(B)の演出実行決定用テーブルに設定された優先順位の上位3つの演出(演出A〜演出Eのうち非実行が決定された演出は除く)に対してカウントダウン演出を実行することを決定する。
演出制御CPU101は、カウントダウン演出の決定数が3以下の場合(S607のNO)や、カウントダウン演出制限処理(S608)において、カウントダウン演出の決定数が3に制限された場合には、カウントダウン時間決定処理を実行する(S609)。
演出制御用CPU101は、カウントダウン時間決定処理において、演出A〜演出Eのうちのカウントダウン演出とともに実行されることが決定される演出の各々についてカウントダウン演出の実行期間を決定する。
演出制御用CPU101は、実行する演出毎にカウントダウン演出の実行期間を抽選して決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、大当りの有無と、乱数値SR4と、図20(C)に示す実行期間決定用テーブルとに基づいて、カウントダウン演出を実行することが決定される演出の各々についてカウントダウン演出の実行期間を決定する。なお、図20(C)において、演出A〜Eの種類に関わらず、実行期間の選択割合は同じものであるが、演出A〜Eの種類に応じて実行期間の選択割合を異ならせてもよい。たとえば、演出Aよりも演出Eの方が長い実行期間が選択されやすくなるようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、実行期間が決定されたカウントダウン演出が重複するか否かを判定する(S610)。
演出制御用CPU101は、たとえば、カウントダウン演出が複数実行される場合に、各カウントダウン演出の開始タイミングと終了タイミングとを特定する。
演出制御用CPU101は、たとえば、複数のカウントダウン演出のうちのいずれか一つの第1カウントダウン演出の開始タイミングと終了タイミングとの間に、他の第2カウントダウン演出の開始タイミングおよび終了タイミングの少なくともいずれかが存在する場合には、第1カウントダウン演出と第2カウントダウン演出とが重複すると判定する。
演出制御用CPU101は、たとえば、複数のカウントダウン演出のうちのいずれか一つの第1カウントダウン演出の開始タイミングと終了タイミングとの間に、他の第2カウントダウン演出の開始タイミングおよび終了タイミングのいずれも存在しない場合には、第1カウントダウン演出と第2カウントダウン演出とは重複しないと判定する。
なお、演出制御用CPU101は、たとえば、カウントダウン演出の決定数が1や0である場合には、カウントダウン演出は重複しないと判定する。
演出制御用CPU101は、カウントダウン演出の実行期間が重複すると判定された場合(S610のYES),カウントダウン演出の実行期間が重複する演出のうちの一方の演出が可動体落下演出(演出E)であるか否かを判定する(S611)。カウントダウン演出の実行期間が重複しないと判定される場合には(S610のNO)、演出選択処理は終了する。
なお、演出制御用CPU101は、3つのカウントダウン演出が重複する場合には、カウントダウン演出後に実行される演出に可動体落下演出(演出E)が含まれるか否かを判定する。
重複する演出の一方が可動体落下演出である場合(S611のYES)、演出制御用CPU101は、可動体落下演出を優先側に決定する(S612)。重複する演出の一方が可動体落下演出でない場合(S611のNO)、演出制御用CPU101は、カウントダウン演出の開始タイミングが早い一方の演出を優先側に決定する(S613)。
演出制御用CPU101は、カウントダウン演出の実行期間の調整により非優先側の演出が実行される前のカウントダウン演出(以下、非優先側のカウントダウン演出と記載する)が実行可能であるか否かを判定する(S614)。
演出制御用CPU101は、たとえば、優先側の演出の開始タイミングが非優先側の演出の開始タイミングよりも早い場合には、優先側の演出が実行される前のカウントダウン演出(以下、優先側のカウントダウン演出と記載する)が終了するタイミング(優先側の演出の開始タイミング)から非優先側の演出が開始されるタイミングまでの時間が所定時間(たとえば、3秒)以上である場合に、カウントダウン演出の実行期間の調整により非優先側のカウントダウン演出が実行可能であると判定する。
あるいは、演出制御用CPU101は、たとえば、優先側の演出の開始タイミングが非優先側の演出の開始タイミングよりも遅い場合には、非優先側のカウントダウン演出が終了するタイミング(非優先側の演出の開始タイミング)から優先側の演出が開始されるタイミングまでの時間が所定時間(たとえば、3秒)以上である場合にも、カウントダウン演出の実行期間の調整により非優先側のカウントダウン演出が実行可能であると判定する。
演出制御用CPU101は、カウントダウン演出の実行期間の調整により非優先側のカウントダウン演出が実行可能であると判定された場合(S614のYES)、カウントダウン演出実行期間調整処理を実行する(S615)。
具体的には、演出制御用CPU101は、たとえば、優先側の演出の開始タイミングが非優先側の開始タイミングよりも早い場合には、優先側のカウントダウン演出が終了するタイミングから非優先側の演出が開始されるタイミングまでの期間に応じて、非優先側のカウントダウン演出の実行期間を調整する。
演出制御用CPU101は、優先側のカウントダウン演出が終了してから非優先側の演出が開始されるタイミングまでの時間がn秒以上n+1秒未満のときに非優先側のカウントダウン演出の実行期間をn秒(nは整数)以内の期間とする。演出制御用CPU101は、たとえば、優先側のカウントダウン演出が終了してから非優先側の演出が開始されるタイミングまでの時間が5秒以上6秒未満であれば、非優先側のカウントダウン演出の実行期間を5秒とし、6秒以上7秒未満であれば非優先側のカウントダウン演出の実行期間を6秒とする。なお、演出制御用CPU101は、たとえば、優先側のカウントダウン演出が終了してから非優先側の演出が開始されるタイミングまでの時間がn秒以上n+1秒未満であれば、実行期間をn秒以内の期間(すなわち、1秒〜n秒のいずれかの期間)としてもよい。
同様に、演出制御用CPU101は、たとえば、優先側の演出の開始タイミングが非優先側の開始タイミングよりも遅い場合には、非優先側のカウントダウン演出が終了するタイミングから優先側の演出が開始されるタイミングまでの期間に応じて、優先側のカウントダウン演出の実行期間を調整する。
演出制御用CPU101は、非優先側のカウントダウン演出が終了してから優先側の演出が開始されるタイミングまでの時間がn秒以上n+1秒未満のときに優先側のカウントダウン演出の実行期間をn秒(nは整数)とする。
演出制御用CPU101は、カウントダウン演出の実行期間の調整により非優先側のカウントダウン演出が実行可能でないと判定された場合(S614のNO)、非優先側の演出におけるカウントダウン演出を「非実行」に決定する(S616)。
次に、図23〜図25を用いてカウントダウン演出の実行期間が重複する場合の実行期間の調整の具体例について説明する。
図23は、一方のカウントダウン演出の実行期間の調整によりカウントダウン演出の実行期間の重複を回避する動作を説明するための図である。
たとえば、演出A実行決定処理において、演出Aが実行されることが決定され(S601)、演出B実行決定処理において、演出Bが実行されることが決定され(S602)、演出C実行決定処理、演出D実行決定処理および演出E実行決定処理において、演出C〜演出Eのいずれも非実行とすることが決定された場合を想定する(S603〜S605)。
また、演出Aおよび演出Bの各々においてカウントダウン演出を実行することが決定され(S606)、カウントダウン演出の決定数が3以下であることにより(S607のNO)、カウントダウン時間決定処理が実行されるものとする(S609)。
カウントダウン時間決定処理の実行により、たとえば、演出Aの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間が「3秒」として決定され、演出Bの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間が「10秒」として決定される場合、演出Aの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間と、演出Bの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間とが重複すると判定される(S610のYES)。演出Aおよび演出Bは、いずれも可動体落下演出ではないため(S611のNO)、カウントダウンの開始タイミングの早い演出Bが優先側に決定される(S613)。
非優先側の演出Aのカウントダウン演出が終了するタイミングから優先側の演出Bが開始されるタイミングまでの時間が所定時間以上であるため、カウントダウン演出の実行期間の調整により非優先側のカウントダウン演出が実行可能であると判定される(S614のYES)。そのため、カウントダウン演出実行期間調整処理が実行され(S615)、非優先側の演出Aの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間が「3秒」として決定され、優先側の演出Bの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間が「6秒」として決定される。
図24は、一方のカウントダウン演出の非実行によりカウントダウン演出の実行期間の重複を回避する動作を説明するための図である。
たとえば、演出A実行決定処理において、演出Aが実行されることが決定され(S601)、演出C実行決定処理において、演出Cが実行されることが決定され(S603)、演出B実行決定処理、演出D実行決定処理および演出E実行決定処理において、演出B、DおよびEのいずれもが非実行とすることが決定された場合を想定する(S602,S604およびS605)。
また、演出Aおよび演出Cの各々においてカウントダウン演出を実行することが決定され(S606)、カウントダウン演出の決定数が3以下であることにより(S607のNO)、カウントダウン時間決定処理が実行されるものとする(S609)。
カウントダウン時間決定処理の実行により、たとえば、演出Aの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間および演出Cの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間の各々がいずれも「3秒」と決定される場合、演出Aの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間と、演出Cの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間とが重複すると判定される(S610のYES)。演出Aおよび演出Cは、いずれも可動体落下演出ではないため、カウントダウンの開始タイミングの早い演出Aが優先側に決定される(S613)。
優先側の演出Aのカウントダウン演出が終了するタイミングから非優先側の演出Cが開始されるタイミングまでの時間が所定時間よりも少ないため、カウントダウン演出の実行期間の調整により非優先側のカウントダウン演出が実行可能でないと判定される(S614のNO)。そのため、非優先側の演出Cのカウントダウン演出の非実行が決定される(S616)。
図25は、可動体落下演出のカウントダウン演出を優先して実行することによりカウントダウン演出の実行期間の重複を回避する動作を説明するための図である。
たとえば、演出B実行決定処理において、演出Bが実行されることが決定され(S602)、演出E実行決定処理において、演出Eが実行されることが決定され(S605)、演出A実行決定処理、演出C実行決定処理および演出D実行決定処理において、演出A、CおよびDのいずれもが非実行とすることが決定された場合を想定する(S601,S603およびS604)。
また、演出Bおよび演出Eの各々においてカウントダウン演出を実行することが決定され(S606)、カウントダウン演出の決定数が3以下であることにより(S607のNO)、カウントダウン時間決定処理が実行されるものとする(S609)。
カウントダウン時間決定処理の実行により、たとえば、演出Bの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間および演出Eの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間の各々がいずれも「3秒」と決定される場合を想定する。このとき、演出Bの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間と、演出Eの前に実行されるカウントダウン演出の実行期間とが重複する(S610)。重複する演出の一方が可動体落下演出であるため(S611)、可動体落下演出である演出Eが優先側に決定される(S612)。
非優先側の演出Bのカウントダウン演出が終了するタイミングから優先側の演出Eが開始されるタイミングまでの時間が所定時間よりも少ないため、カウントダウン演出の実行期間の調整により非優先側のカウントダウン演出が実行可能でないと判定する(S614のNO)。そのため、非優先側の演出Bのカウントダウン演出の非実行が決定される(S616)。
次に、図26を用いて変動表示が開始された後に実行されるカウントダウン演出とカウントダウン演出後の実行される演出との具体例を説明する。図26は、カウントダウン演出とその後に実行される演出の動作を説明するための図である。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞した場合には、特別図柄および演出図柄の変動表示が開始される。変動表示が開始されると、演出表示装置9における表示画面の左、中、右の3箇所の図柄表示領域の各々において、演出図柄が変動表示状態となる。
変動表示が開始してから所定時間経過後に図26(a)に示すように、サブ表示装置152が、表示領域が遊技者にとって視認可能となる所定位置まで上昇する。
演出A実行決定処理において、たとえば、演出Aを実行することが決定され(S601)、かつ、カウントダウン演出の実行が決定され(S606)、カウントダウン演出の実行期間を「3秒」として決定される場合、図26(b)に示すように、演出Aが開始されるタイミングaの3秒前のタイミングで第1特定値である「3」からカウントダウンが開始される。カウントされる値の各々は、カウントダウン毎にサブ表示装置152に更新表示される。カウントダウン演出は、図26(c)に示すようにサブ表示装置152に表示される値が第2特定値である「0」になるまで継続される。
サブ表示装置152に表示される値が「0」となると、図26(d)に示すように、サブ表示装置152に「0」が表示された時点から、遅延することなく、演出A(ステップアップ予告演出)が実行される。
また、演出B実行決定処理において、たとえば、演出Bを実行することが決定され(S602)、かつ、カウントダウン演出の実行が決定され(S606)、カウントダウン演出の実行期間を「3秒」として決定される場合、上述のように図26(b)および図26(c)を用いて説明したとおり、カウントダウン演出は、演出Bが開始されるタイミングbの3秒前のタイミングで開始され、サブ表示装置152に表示される値が「0」になるまで継続される。
サブ表示装置152に表示される値が「0」となると、図26(e)に示すように、サブ表示装置152に「0」が表示された時点から遅延することなく、演出B(群予告)が実行される。
一方、演出E実行決定処理において、たとえば、演出Eを実行することが決定され(S605)、かつ、カウントダウン演出の実行が決定され(S606)、カウントダウン演出の実行期間を「3秒」として決定される場合、上述のように図26(b)および図26(c)を用いて説明したとおり、カウントダウン演出は、演出Eが開始されるタイミングeの3秒前のタイミングで開始され、サブ表示装置152に表示される値が「0」になるまで継続される。
サブ表示装置152に表示される値が「0」になると、図26(f)に示すように、サブ表示装置152に「0」が表示された時点が経過し、さらに、当該時点から所定の遅延時間が経過した後に可動体156が自重で落下する動作が行なわれる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、サブ表示装置152に表示されるカウントダウン演出の実行期間が重複しないように、複数種類の演出のうちの遊技者によって有利度が高い特定演出(演出E)に対する報知を優先して実行することを決定するので、カウントダウン演出の実行の有無および実行期間を適切に決定することができるとともに、サブ表示装置152にカウントダウン演出が表示されたときにその後に演出Eが実行される期待感を向上させることができる。
(2) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、サブ表示装置152に表示されるカウントダウン演出の実行期間が重複することを実行期間を調整することによって回避させるので、カウントダウン演出の実行頻度の低下を防止できるため、カウントダウン演出の演出効果を向上させることができる。
(3) 遊技者にとって有利度の高い特定演出は、可動体の動作を含むので、サブ表示152にカウントダウン演出が表示されたときにその後に可動体の動作が行なわれる期待感を向上させることができる。
(4) カウントダウン演出においてサブ表示装置152に表示される値が「0」になった時点の経過後に可動体156の動作が開始されるように可動体落下演出が実行されるため、遊技者は、サブ表示装置152において表示される値が「0」になることに注目した後に、可動体156の動作に注目することができる。そのため、カウントダウン演出後の可動体を落下させる演出による演出効果を向上させることができる。
(5) サブ表示装置152のカウントダウン演出においてカウントされる値を表示する表示領域と可動体156とは、遊技者が双方を同一の視線で視認困難な位置に設けられる。具体的には、サブ表示装置152はパチンコ遊技機1の中央に設けられ、可動体落下装置154は、落下動作の開始時にパチンコ遊技機1の上部に位置する。そのため、サブ表示装置152に表示される値が「0」になった時点を経過した後に可動体156を落下させる動作を開始するように可動体落下演出(遅延あり)を実行することによって、遊技者は、サブ表示装置152において表示される値が「0」になることに注目した後に、可動体156の動作に注目することができる。そのため、カウントダウン演出後の可動体を落下させる演出による演出効果を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、可動体落下演出である演出Eが実行される前にカウントダウン演出が実行される場合があるものとして説明したが、たとえば、演出Eの実行前のカウントダウン演出のさらに実行前に、カウントダウン演出の実行を示唆する示唆演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。このようにすると、示唆演出が実行されたときに、カウントダウン演出が実行される期待感を向上させることができる。
(2) 前述の実施の形態では、カウントダウン演出の実行期間を図20(C)に示す共通のテーブルを用いて決定するものとして説明したが、たとえば、演出の種類に応じて「3秒」「7秒」「10秒」および「20秒」の各実行期間に割り振られる乱数値の個数を異なるテーブルを用いてカウントダウン演出の実行期間を決定してもよい。
(3) 前述の実施の形態では、カウントダウン演出の後に演出Eを実行する場合に、カウントダウン演出の終了時点(サブ表示装置152に表示される値が第2特定値である「0」になった時点)の経過後に可動体156の動作が開始されるように可動体落下演出を実行するものとして説明したが、遊技者の操作に応じて可動体156を動作させる可動体落下演出を実行する場合には、遊技者の操作の時点で可動体156の動作が開始されるように可動体落下演出を実行してもよい。遊技者の操作に応じて可動体156を動作させる可動体落下演出においては、遊技者は、可動体156が落下することを願っているため、可動体156の動作に注目しており、遊技者の操作が検出された時点で可動体156の落下動作が開始されることによって、可動体156の落下動作を適切なタイミングで実行することができる。
なお、遊技者の操作に応じて可動体156を動作させる可動体落下演出を実行する場合には、たとえば、当り時であって、かつ、遊技者の操作が検出された場合に、遊技者の操作が検出された時点で可動体156の落下動作を開始させ、はずれ時においては、遊技者の操作が検出されても可動体156の落下動作を行なわないようにしてもよい。
(4) 前述の実施の形態では、演出制御用CPU101は、カウントダウン演出実行期間調整処理(S615)において、優先側の演出の開始タイミングが非優先側の開始タイミングよりも早い場合には、優先側のカウントダウン演出が終了してから非優先側の演出が開始されるタイミングまでの時間がn秒以上n+1秒未満のときに非優先側のカウントダウン演出の実行期間をn秒(nは整数)とするものとして説明したが、たとえば、非優先側のカウントダウンの実行期間を「3秒」、「7秒」および「10秒」のうちの実行可能な最大の期間を選択してもよい。
(5) 前述の実施の形態では、演出制御用CPU101は、カウントダウン演出実行期間調整処理(S615)において、優先側の演出の開始タイミングが非優先側の開始タイミングよりも遅い場合には、非優先側のカウントダウン演出が終了してから優先側の演出が開始されるタイミングまでの時間がn秒以上n+1秒未満のときに優先側のカウントダウン演出の実行期間をn秒(nは整数)とするものとして説明したが、たとえば、優先側のカウントダウンの実行期間を「3秒」、「7秒」および「10秒」のうちの実行可能な最大の期間を選択してもよい。
(6) 前述の実施の形態では、演出A〜演出Eとして、ステップアップ予告、群予告、カットイン予告、擬似連図柄の停止予告および可動体落下演出を行なうことを一例として説明したが、それらの演出のいずれかに代えてボタン予告等の演出を行なうようにしてもよい。
(7) 前述の実施の形態では、演出A〜演出Eの各々に対応付けられる優先順位は、遊技者にとっての有利度に基づいて定められるものとして説明したが、たとえば、優先順位は、演出の視認しやすさ(演出の派手さ)や、演出の出現頻度の高低に応じて定められるものであってもよい。また、優先順位は、演出A〜演出Eの各々に一意に決定されていてもよいし、あるいは、上述の有利度に基づいて定められる優先順位と、演出の視認しやすさに基づいて定められる優先順位と、演出の出現頻度の構成に応じて定められる優先順位とを切り替えて用いてもよい。
(8) 前述の実施の形態では、演出A〜演出Eの各々の実行の有無を決定するものとして説明したが、たとえば、変動表示中の演出の実行数をまず決定した後に、決定された実行数の演出を演出A〜演出Eの中から抽選することによって、演出A〜演出Eの実行の有無を決定してもよい。
(9) 前述の実施の形態では、カウントダウン演出の実行期間を図20(C)に示すテーブルを用いて決定するものとして説明したが、たとえば、演出A〜演出Eの各々に対応するカウントダウン演出の実行期間は、固定値であって、他の演出のカウントダウン演出の実行期間と重複しないように予め調整された値であってもよい。このようにすると、実行期間が重複する毎に実行される、カウントダウン演出の実行期間を調整する処理を省略することができる。
(10) 前述の実施の形態では、演出A〜演出Eのうちのいずれか1つの演出の実行期間は、他の演出の実行期間と重複する部分があるものとして説明したが、演出A〜演出Eのうちの少なくとも一つの演出の実行期間が、他の演出の実行期間と重複しないようにしてもよい。
(11) 前述の実施の形態では、演出Eである可動体落下演出の実行が決定され、カウントダウン演出の実行が決定された場合には、他の演出の前に実行されるカウントダウン演出と実行期間が重複しても、他の演出の前に実行されるカウントダウン演出の開始タイミングに関わらず演出Eの前に実行されるカウントダウン演出を他の演出前の前に実行されるカウントダウン演出よりも優先して実行するものとして説明したが、演出Eとは別の演出の前に実行されるカウントダウン演出を、実行期間が重複する他の演出(演出Eを含む)の前に実行されるカウントダウン演出よりも優先して実行してもよい。
(12) 前述の実施の形態では、演出A〜Eの開始タイミングは、全て異なるものとして説明したが、演出A〜Eの一部の演出あるいは全部の演出の開始タイミングが同じタイミングであってもよい。このようにすると、演出の実行タイミングを把握している遊技者でもカウントダウン演出が終了するまでどの演出が実行されるかが分からないため遊技者の期待感を維持することができる。
(13) 前述の実施の形態では、演出A〜Eの各々は、変動種別に関わらず決定されるものとして説明したが、たとえば、演出A〜Eのうちの一部の演出については、実行されるとリーチ状態以上の遊技者にとって有利な状態になることが確定するように選択割合を変動の種別に応じて振り分けるようにしてもよい。たとえば、演出A〜Eのうちの演出Eについて、非リーチはずれ時に選択割合をゼロにしてもよい。
(14) 前述の実施の形態では、演出制御用CPU101は、カウントダウン演出の開始タイミングが早い方の演出を優先側に決定するものとして説明したが、たとえば、カウントダウン演出の後に実行される演出の開始タイミングに代えてカウントダウン演出後に実行される演出の開始タイミングが早い方あるいは遅い方の演出を優先側に決定してもよい。
(15) 前述の実施の形態では、演出A〜Eとして、ステップアップ予告、群予告、カットイン予告、擬似連図柄停止予告、可動体落下演出を一例として説明したが、これらの種類の予告に限定されるものではなく、たとえば、大当り表示結果等の変動表示に関する情報を先読み判定した結果に基づいて、保留表示変化演出、背景変化演出、あるいは、複数回の変動表示に亘って連続的に実行される連続予告演出におけるターゲット変動での演出A〜Eを予告対象として行なうようにしてもよい。
保留表示変化演出は、たとえば、変動表示中等の所定のタイミングにおいて、保留表示の表示態様を通常表示態様から特別表示態様(色の変更や画像の付加等、通常表示態様と異なる表示態様)に変化させる演出である。たとえば、大当り表示結果となる保留表示があるときに、大当り表示結果となる保留表示がないときよりも、高い確率で、保留表示変化演出を実行することが決定される。
先読み判定結果に基づいて、保留表示変化演出を実行する予定があることを確認したときには、当該保留表示変化演出が実行されるまでの複数回の変動表示に亘り、カウントダウンをするカウントダウン演出を実行すればよい。
背景変化演出は、たとえば、変動表示中の所定のタイミングにおいて、背景画像の表示態様を通常表示態様から特別表示態様に変化させる演出が複数回の変動表示に亘り行なわれる演出である。なお、背景変化演出において、背景画像を表示中の背景画像と異なる画像に変更してもよい。たとえば、大当り表示結果となる保留表示があるときに、大当り表示結果となる保留表示がないときよりも、高い確率で、背景変化演出を実行することが決定される。
先読み判定結果に基づいて、複数回の変動表示に亘り背景変化演出を実行する予定があることを確認したときには、当該背景変化演出が実行される前にカウントダウン演出を実行すればよい。なお、この場合におけるカウントダウン演出を複数回の変動表示に亘り実行してもよい。
連続予告演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100により、先読み判定処理(図17のS500)において保留記憶データのそれぞれについて、大当りとなる変動表示をすることとなるデータであるかどうかを事前に認識し、その保留記憶データに基づいて、大当りとなる変動表示の表示結果が導出表示される、予告対象となるターゲット変動表示以前の複数回の変動表示に亘って大当りとなることを予告する演出である。
また、連続予告演出について、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み判定処理において保留記憶データの数が所定個数以上となったことを条件として、保留記憶データのそれぞれについて、大当りとなる変動表示をすることとなるデータであるかどうかを事前に確認し、連続予告演出を実行するか否かを所定の確率で決定する。その決定においては、大当り表示結果となる保留記憶データがあるときに、大当り表示結果となる保留記憶データがないときよりも、高い確率で、連続予告演出を実行することを決定する。そして、連続予告演出を実行すると決定したときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、連続予告の対象となるターゲット変動表示において、演出A〜Eのうち少なくともいずれかが実行されると先読み判定により確認したときに、当該演出に対するカウントダウン演出を、連続予告演出として、複数回の変動表示に亘って実行する。
なお、連続予告演出を実行するときには、連続予告演出を行なう変動表示の回数を、予め定められた回数に設定してもよく、また、ランダムに決定した回数に設定してよい。また、連続予告を実行するか否かの判断は、遊技制御用マイクロコンピュータ560で行なうようにしてもよい。
連続予告演出の実行が決定された場合のカウントダウン演出は、連続予告演出として実行する一連の変動表示のうちの最初の保留表示に対応する変動が開始されてから大当り表示結果となる変動表示が開始されるまでの間、複数の変動表示に亘って第1特定値から第2特定値(ゼロ)までカウントされる態様で実行すればよい。
このような複数の変動表示に亘る連続予告演出においてカウントダウン演出を行なう場合には、保留記憶データの個数によっては、変動表示が短縮されたり、短縮されなかったりする場合があるため、大当り表示結果となる変動表示よりも前の変動表示の各々において短縮された変動時間で変動表示が行なわれることを前提として、大当り表示結果となる変動表示よりも前の変動表示の各々の変動時間が足し合わされて第1特定値が決定される。そして、変動表示が短縮されない場合には、表示されるカウントの値に変動時間が短縮されないことによる変動時間の増加分が加算されるような演出を行なうようにしてもよい。
(16) 前述の実施の形態では、演出表示装置9とは別に設けられたサブ表示装置152にカウントダウン演出中にカウントされる値を表示するものとして説明したが、演出表示装置9においてカウントダウン演出中にカウントされる値を表示してもよい。この場合、通常は、カウントダウン演出中にカウントされる値を演出表示装置9の表示画面の下部に表示し、可動体156を落下させる場合には、可動体156を落下させる前に必ず、あるいは、高い割合で演出表示装置9の表示画面の上部に表示位置を変更してもよい。このようにすると、遊技者は、カウントされる値と可動体156との双方を注目することができるため、可動体156の落下動作を見逃しにくくすることができる。なお、このように演出表示装置9においてカウントダウン演出中にカウントされる値の表示位置を変更する場合には、当該変更を可動体156の落下動作を遅延させる制御とともに行なってもよいし、あるいは、可動体156の落下動作を遅延させる制御に代えて行なってもよい。
(17) 前述の実施の形態では、抽選(所定の乱数値を用いた抽選)によって演出A〜演出Eが実行される前にカウントダウン演出を実行するか否かを決定するものとして説明したが、たとえば、変動パターンコマンドでスーパーリーチ演出(たとえば、演出E)の実行が指定されている場合には、必ずカウントダウン演出が実行されることが決定され、スーパーリーチ演出の実行が指定されていない場合には、カウントダウン演出が実行されないことが決定されてもよい。
(18) 前述の実施の形態では、カウントダウン演出において、第1特定値(「3」、「7」、「10」および「20」のいずれか)から第2特定値(「0」)になるまで1つずつカウントダウンし、カウントされる値の各々を表示するものとして説明したが、第1特定値および第2特定値が少なくとも表示されればよく、第1特定値と第2特定値との間の値の表示を省略してもよい。
(19) 前述の実施の形態では、カウントダウン演出においては、整数の単位(1の位の単位)でカウントするものとして説明したが、たとえば、小数点以下の値を用いてカウントダウンし、カウントされる値を表示してもよい。
(20) 前述の実施の形態では、第1特定値(「3」、「7」、「10」および「20」のいずれか)から第2特定値(「0」)までカウントダウンし、カウントされる値をサブ表示装置152に表示するカウントダウン演出を一例として説明したが、当該カウントダウン演出に代えて、たとえば、カウントされる値を増加させるように表示するカウントアップ演出を実行してもよい。
(21) 前述の実施の形態では、演出Eが実行される前にカウントダウン演出が実行される場合には、サブ表示装置152に表示される値が「0」になった時点から所定時間経過後に可動体156の落下動作を開始するものとして説明したが、たとえば、実行開始時点を遅延させる演出を複数種類設けてもよい。
(22) 実行開始時点を遅延させる演出が複数種類設けられる場合には、演出の種類に応じて遅延させる時間を変更してもよい。
(23) 前述の実施の形態では、可動体156は、自重により落下動作を行なうものとして説明したが、たとえば、可動体156は、自重による落下動作に代えてモータ等の動力を用いて上方位置から下方位置まで下降する下降動作を行なうものであってもよいし、下方位置から上方位置まで上昇する上昇動作を行なうものであってもよい。
(24) 前述の実施の形態では、カウントゼロの時点から所定の遅延時間経過後に可動体の落下動作を開始するものとして説明したが、可動体の落下動作が開始する時点が決定されている場合には(たとえば、演出図柄が変動表示を開始した時点を基準として可動体の落下動作が開始する時点が決定されている場合には)、可動体の落下動作が開始する時点よりも所定期間前の時点でカウントゼロになるようにカウントダウン演出を実行してもよい。
(25) 前述の実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。すなわち、「割合が異なる」とは、たとえば、AおよびBがそれぞれ70%および30%あるいは30%および70%のような関係であることからAとBとの割合が異なるというものだけに限らず、100%および0%のような関係であることからAとBとの割合が異なるというものも含まれる。
(26) 可動体落下装置としては、図27〜図30に示すような可動体落下装置300を用いてもよい。図27に示すように、可動体落下装置300は、板状の可動体(以下、演出可動体と記載する)302と、演出可動体302の移動可能方向を鉛直方向に規制するガイドレールを有する左右の側辺部301L,301Rとを含む。
図28および図29に示すように、可動体落下装置300は、合成樹脂材等により形成された板状のベース部材301と、該ベース部材301に対し上下方向に移動可能に設けられた移動体としての演出可動体302と、該演出可動体302を上下方向に移動させる移動手段303と、図28(A)に示す上方位置まで移動させた演出可動体302を該上方位置にて保持するための第1保持手段304及び第2保持手段305と、から主に構成されている。
ベース部材301は、左右方向に延設される上辺部301Hと、該上辺部301Hの左右端部から下方に延設される側辺部301L,301Rと、により正面視略下向きコ字形に形成されており、上辺部301Hは、上方位置に保持された演出可動体302の上面及び背面を被覆するように背面側に膨出して形成されている。
演出可動体302は、ベース部材301に対し、この上辺部301Hに沿うように配置される上方位置(図28(B)参照)と、該上方位置よりも下方で側辺部301L,301Rの上下方向略中央位置に配置される下方位置(図28(B)中2点鎖線位置参照)と、の間で上下方向に移動可能に設けられている。
図29に示すように、右側の側辺部301Rの背面には、演出可動体302を駆動させるための昇降用モータ306が、駆動軸306aを前面側に突出させるように固定されている。側辺部301Rの前面側には、該側辺部301Rの前面側に突出された昇降用モータ306の駆動軸306aに固着された第1ギヤ307と、該第1ギヤ307に噛合され側辺部301Rの前面に突設された前後方向を向く回動軸308aを中心として回動可能に設けられた第2ギヤ308と、該第2ギヤ308に噛合され側辺部301Rの前面に突設された前後方向を向く回動軸309aを中心として回動可能に設けられた第3ギヤ309と、が配設されている。また、第3ギヤ309の上方位置には、後述する第1保持手段304が配設されている。
左右の側辺部301L,301Rの前面内側辺には、演出可動体302を上下方向に移動案内するガイドレール310L,310Rが上下方向に向けて取り付けられている。ガイドレール310L,310Rは、平面視前向きコ字形に形成され、後述するラック341及びガイド部材342を前方に逸脱不能、かつ、上下方向に摺動可能に支持するもので、側辺部301L,301Rの上端よりやや下方の位置から中央よりやや下方の位置に向けて延設されている。
尚、ガイドレール310L,310Rの上端から側辺部301L,301Rの上端までの間と、ガイドレール310L,310Rの下端から側辺部301L,301Rの下端までの間とにはガイドレールは存在しないが、演出可動体302の上方位置と下方位置との移動範囲内においてラック341及びガイド部材342は常に一部がガイドレール310L,310Rにより支持されるようになっている。このようにガイドレール310L,310Rは、演出可動体302の上方位置と下方位置との移動範囲内において常にラック341及びガイド部材342を全長にわたり支持しないように形成されていることで、成型誤差等によりラック341及びガイド部材342とガイドレール310L,310Rとの摩擦抵抗が大きくなり自重による落下がスムーズに行われなくなることが防止されている。
尚、側辺部301L,301Rの前面下部には、該側辺部301L,301Rの前面に対し所定の間隔を隔ててカバー部材311L,311RがネジN1により取り付けられている。該カバー部材311L,311Rの背面内側辺部には、上下方向に延びる複数列のガイド突条が形成されており、カバー部材311L,311RをネジN1により側辺部301L,301Rの前面下部に取り付けたときに、ガイドレール310L,310Rの略下部位置から側辺部301L,301Rの下端にかけてガイド突条が配設されることで、ガイドレール310L,310Rの下端より下方に移動したラック341及びガイド部材342の下部前面側が支持されるようになっている。
また、カバー部材311L,311Rは、側辺部301L,301Rの前面下部に取り付けられたときに、第1ギヤ307、第2ギヤ308、第3ギヤ309や後述する第1ギヤ321、第2ギヤ322、第3ギヤ323の前面側に配置されて回動軸からの各ギヤの逸脱を規制する。
また、側辺部301L,301Rの背面におけるガイドレール310L,310Rの下端に対応する位置には第1落下規制部(ガイドレール310Lに対応する第1落下規制部312Lのみ図示)が形成されている。第1落下規制部は、上向きに開口する箱状に形成されており、該第1落下規制部内には、後述するように演出可動体302の自重による落下を下方位置にて当接規制するとともに、当接したときの衝撃を緩衝する第1緩衝部材(第1落下規制部312Lに設けられる第1緩衝部材313Lのみ図示)が設けられている。
また、側辺部301L,301Rの前面下部におけるガイドレール310L,310Rの鉛直下方位置には第2落下規制部314L,314Rが形成されている。第2落下規制部314L,314Rは、側辺部301L,301Rの下辺から前向きに突出される突出片にて形成されており、該第2落下規制部314L,314Rの上面には、後述するようにラック341及びガイド部材342の下端を下方位置にて当接規制するとともに、当接したときの衝撃を緩衝する第2緩衝部材315L,315Rが設けられている。尚、第2緩衝部材315L,315Rは、第1緩衝部材と同一素材にて構成されているが、第1緩衝部材よりも肉薄に形成されている。
これら第1緩衝部材および第2緩衝部材は、弾性変形可能なゴム材等により構成され、衝撃を緩衝するとともに衝撃音の発生を抑制する。尚、第1緩衝部材および第2緩衝部材はゴム材に限定されるものでなく、衝撃を緩衝できるものであれば圧縮バネ等他の部材を代用してもよい。
図29に示すように、左側の側辺部301Lの背面には、演出可動体302を上方位置にて保持するための保持用モータ320が、駆動軸320aを前面側に突出させるように固定されている。側辺部301Lの前面側には、該側辺部301Lの前面側に突出された保持用モータ320の駆動軸320aに固着された第1ギヤ321と、該第1ギヤ321に噛合され側辺部301Lの前面に突設された前後方向を向く回動軸322aを中心として回動可能に設けられた第2ギヤ322と、該第2ギヤ322に噛合され側辺部301Lの前面に突設された前後方向を向く回動軸323aを中心として回動可能に設けられた第3ギヤ323と、が配設されている。
また、第3ギヤ323の前面側には、左右方向に延設される第2保持片324の左端部が側辺部301Lの前面に突設された前後方向を向く揺動軸324aに揺動可能に軸支されている。第2保持片324の右端部には、正面視略L字形をなす保持部325が形成されており、演出可動体302が上方位置にあるときに後述するガイド部材342の下端を下方から受支できるようになっている。また、第2保持片324には長孔326が形成されており、長孔326には第3ギヤ323の前面周縁に突設された連結軸323bが摺動可能に挿入されている。
このように第2保持片324は、連結軸323bが回動軸323aの直上に位置することにより略水平に保持され、演出可動体302が上方位置に位置するときにガイド部材342の下端の第2被保持部に当接可能となる第2保持位置と、連結軸323bが回動軸323aの直下に位置することにより右下がりに傾斜する傾倒姿勢に保持され、ガイド部材342の下端の第2被保持部に接触しない位置に退避した第2退避位置と、の間で揺動可能に軸支されており、保持用モータ320により第1ギヤ321、第2ギヤ322、第3ギヤ323が回動されることにより、第2保持位置と第2退避位置との間で移動する。また、第2保持片324の上方位置には位置検出センサが設けられており、第2保持片324が第2保持位置に位置したときに該第2保持片324に形成された検出片327を検出するようになっている。
このように、これら保持用モータ320、第1ギヤ321、第2ギヤ322、第3ギヤ323、連結軸323b、長孔326により第2保持手段305が構成されている。この第2保持手段305は、第2保持位置において連結軸323bが回動軸323aの直上に位置することにより、演出可動体302の荷重が保持部325に加わっても第3ギヤ323が回動しにくいため、保持用モータ320の負荷だけでなく、第3ギヤ323の連結軸323bによっても演出可動体302の荷重の一部が支えられる。
図29に示すように、演出可動体302は、本体部340からなり、その右側部には移動手段303の一部を構成するラック341が取り付けられるとともに、本体部340の左側部にはガイド部材342が取り付けられている。ラック341とガイド部材342とは、本体部340の左右側部から下方に延設される四角柱状の部材にてほぼ同形に形成されてなり、ラック341の右側面における上端よりやや下方の下方位置から複数の歯部341Aが下端に向けて形成されており、ガイド部材342には歯部は形成されていない。
図29に示すように、右側の側辺部301Rの前面上部には、演出可動体302を上方位置にて保持するための第1保持手段304が固定されている。第1保持手段は、保持用ソレノイド330と第1保持片334とを含む。
通常は、保持用ソレノイド330の励磁が解除されており、この状態においてはバネ等の弾性部材の付勢力により第1保持片334が第1保持位置で保持される。第1保持位置は、第1保持片334がラック341側に突出した位置である。第1保持片334の位置が第1保持位置である場合、ラック341の下方向の移動が第1保持片334によって規制される。
そして、保持用ソレノイド330が励磁されると、付勢力の抗して第1保持片334がラック341側から離れる方向に移動する。この第1保持片334は、演出可動体302の下方向の移動の規制を解除する第1退避位置まで移動する。
このような構成を有する可動体落下装置300の動作について説明する。図30(A)に示すように、演出可動体302は、通常は上方位置に位置するため、該上方位置が駆動初期位置とされている。この状態において、ラック341の歯部341Aにおける最下端の歯部341aと第3ギヤ309の歯部350における歯部350aとが噛合されているため、演出可動体302の自重がラック341を介して第3ギヤ309に作用する。よって、第3ギヤ309に正面視反時計回りの回転力が作用し、該回転力が第2ギヤ308、第1ギヤ307を介して昇降用モータ306に伝達され、昇降用モータ306の負荷によって第1ギヤ307、第2ギヤ308、第3ギヤ309の回動が抑止されることで、ラック341の歯部と第3ギヤ309の歯部350aとの噛合状態が維持される。
つまり、本実施の形態では、演出可動体302の自重によりかかる下向きの力よりも昇降用モータ306の負荷の方が大きく設定されていることで、昇降用モータ306の負荷により演出可動体302を上方位置に保持することができるため、昇降用モータ306をoffとすることができる。また、演出可動体302が上方位置にあるとき、ラック341は第1保持手段304及び第2保持手段305により該上方位置に保持される。
具体的には、第1保持手段304は、保持用ソレノイド330の励磁が解除されていることで、第1保持片334は第1保持位置に位置している。このとき、第1被保持部346が第1保持片334よりも上方、詳しくは、第1被保持部346の下端が第1保持片334の上辺334aに当接または近接する位置にあり、ラック341の下方への移動(落下)が規制されている。
また、第2保持手段305の第2保持片324は第2保持位置に位置している。このとき、第2被保持部342aが保持部325よりも上方、詳しくは、第2被保持部342aの下端が保持部325の上辺に当接または近接する位置にあり、ガイド部材342の下方への移動(落下)が規制されている。
このように、演出可動体302が上方位置にあるとき、演出可動体302は昇降用モータ306の負荷により上方位置に保持されるだけでなく、第1保持手段304によりラック341の下方への移動(落下)が規制され、かつ、第2保持手段305によりガイド部材342の下方への移動(落下)が規制されることによっても上方位置に保持される。
すなわち、本実施の形態では、演出可動体302の荷重よりも昇降用モータ306による負荷の方が大きいため、ラック341と第3ギヤ309とが噛合状態であれば、昇降用モータ306によって演出可動体302を上方位置にて保持することができるが、演出可動体302を上下方向に移動させる移動手段303を構成する昇降用モータ306、第1ギヤ307、第2ギヤ308、第3ギヤ309、ラック341とは別個に設けられた第1保持手段304や第2保持手段305によっても演出可動体302を上方位置に保持することができる。よって、例えば、パチンコ遊技機1に生じる振動等の要因により演出可動体302に昇降用モータ306の負荷を上回る下向きの力が加わったり、演出可動体302の自重が昇降用モータ306の負荷より上回るように設定されたり、あるいは、パチンコ遊技機1に生じる振動等の要因により演出可動体302が上方位置にて浮き上がることによりラック341と第3ギヤ309との噛合状態が解除されて自重により落下可能な状態となってしまう場合でも、第1保持手段304や第2保持手段305によって演出可動体302を上方位置に保持することができる。
また、本実施の形態では、演出可動体302は、通常、図30(A)に示す上方位置、つまり、第1被保持部346の下端が第1保持片334の上辺334aに当接または近接するとともに、第2被保持部342aの下端が保持部325の上辺に当接または近接する位置に保持されるが、この位置からさらに上方に移動可能に設けられている。すなわち、上方位置は、第1被保持部346の下端が第1保持片334の上辺334aに当接または近接するとともに、第2被保持部342aの下端が保持部325の上辺に当接または近接する第1上方位置と、該第1上方位置より上方の第2上方位置とを含む。尚、この第2上方位置は、ラック341と第3ギヤ309との噛合状態第1上方位置より所定距離(例えば、約1cm)上方に離れた位置であり、ラック341と第3ギヤ309との噛合状態が解除される位置とされている。
このように本実施の形態では、演出可動体302は、ベース部材301に対し、下方位置と第2上方位置との間の移動範囲内で移動可能に設けられているが、駆動初期位置は、上記移動範囲の上限である第2上方位置よりも下方の第1上方位置とされ、該第1上方位置にて第1保持手段304や第2保持手段305によって保持される。
次に、演出可動体302を上方位置から下方位置まで移動(落下)させる場合について説明する。演出可動体302を上方位置から下方位置まで移動(落下)させる場合、昇降用モータ306を駆動して演出可動体302を僅かに上昇させラック341と第3ギヤ309との噛合状態を解除することで、自重により落下させる。つまり、演出可動体302が落下する際には昇降用モータ306の負荷は一切かからない。
具体的には、昇降用モータ306により第1ギヤ307を正面視時計回りに所定角度回動させることで、第2ギヤ308が正面視反時計回りに回動し、第3ギヤ309が正面視時計回りに回動する。このとき、ラック341と第3ギヤ309とは噛合状態であるため演出可動体302は第1上方位置から第2上方位置まで移動(上昇)する。
また、昇降用モータ306を駆動した後、ラック341を第1上方位置から第2上方位置まで移動(上昇)させるのとほぼ同時に、保持用ソレノイド330を励磁して第1保持片334を第1保持位置から第1退避位置まで移動させるとともに、保持用モータ320を駆動して第2保持片324を第2保持位置から第2退避位置まで移動させる。このように、昇降用モータ306を駆動した後に第1保持片334を第1保持位置から第1退避位置まで移動させるとともに、第2保持片324を第2保持位置から第2退避位置まで移動させる。よって、演出可動体302の自重が第1保持片334や第2保持片324に作用している状態で第1保持片334や第2保持片324を退避させることにより保持用ソレノイド330や保持用モータ320に負荷がかかることがない。
次いで、演出可動体302が第2上方位置に到達すると、ラック341と第3ギヤ309との噛合状態が解除され、第3ギヤ309の歯部が欠落した部分がラック341の歯部341Aと対向することになるため、これにより演出可動体302の自重による落下が開始される。そして、第1保持片334や第2保持片324も第1保持位置、第2保持位置から退避されているので、演出可動体302は、上方位置から下方位置に向けて自重により落下していく。
演出可動体302が下方位置に到達するとき、該演出可動体302の本体部340の左右側の下端所定箇所が第1落下規制部312L,312Rの第1緩衝部材にて受支されるとともに、ラック341及びガイド部材342の下端が第2落下規制部314L,314Rの第2緩衝部材にて受支されることで、落下による衝撃は緩衝されるとともに、下方への移動が第1緩衝部材および第2緩衝部材により規制されて下方位置に維持される。
次に、演出可動体302を下方位置から上方位置に戻す場合について説明する。演出可動体302が下方位置にあるときに、昇降用モータ306により第1ギヤ307を正面視時計回りに回動させることで、第2ギヤ308が正面視反時計回りに回動し、第3ギヤ309が正面視時計回りに回動する。このとき、第3ギヤ309の回動に応じてラック341が上昇を開始してから、ラック341の歯部341Aと第3ギヤ309の歯部350とが噛合状態になる。昇降用モータ306により第3ギヤ309が回動してラック341が上昇する。図30に示すように、演出可動体302が上方位置(第1上方位置)まで移動したときに、昇降用モータ306の駆動が停止(off)され、昇降用モータ306の負荷によって第1ギヤ307、第2ギヤ308、第3ギヤ309の回動が抑止されることで、ラック341の歯部341Aと第3ギヤ309の歯部350との噛合状態が維持されるとともに、第1保持手段304及び第2保持手段305により、演出可動体302の上方位置からの落下が規制されることで、演出可動体302は上方位置に保持される。
(27) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(28) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図6に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(29) 上記実施の形態においては、変動表示において実行するカウントダウン演出とともにあるいはカウントダウン演出に伴わずに実行される演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。
(30) 上記実施の形態においては、変動表示において実行するカウントダウン演出とともにあるいはカウントダウン演出に伴わずに実行される演出として、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(31) 上記実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(32) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
(33) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(34) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りと2ラウンドの確変大当りを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(35) 前述した実施の形態は、スロットマシンにも適用することができる。
スロットマシンは、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出表示させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出表示された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。具体的には、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンであってもよい。
しかし、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(36) 上記(1)〜(35)で開示した変形例は、その全部または一部を組み合わせて実施してもよい。
(37) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。