以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。)で表示される。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りであるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば30秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果が導出表示されたとき、特定遊技状態に制御される。特定表示結果とは予め定められた表示結果であり、例えば、本実施の形態では、大当り図柄がある。特定遊技状態とは、遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変化可能な可変入賞手段を第1状態に変化させることであり、本実施の形態では、開状態と閉状態とに変化可能な特別可変入賞球装置20を開状態とする大当り遊技状態がある。例えば、特定表示結果として大当り図柄が導出表示されたとき、特定遊技状態として大当り遊技状態に制御される。各特定遊技状態において、閉状態とされている開閉版がソレノイド21によって開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる高ベース状態へ移行することがある。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、15R確変大当りまたは4R確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。また、音声合成用IC703は演出制御基板80から所定の要求を受け付けた場合に音声を生成しスピーカ27に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図5は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
ステップS24の後、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチしない場合に使用される非リーチPA1−2の変動パターンは、短縮変動用の変動パターンであり、演出図柄の変動時間が短い時間(本例では、3.0秒)に短縮される。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4の変動パターンが用意されている。
また、図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、4R確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、4R確変大当り)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「4R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「15R確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で15R確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「15R確変大当り」に対して30個の判定値が割り当てられている(40分の30の割合で15R確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合よりも、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合の方が、「15R確変大当り」と決定される割合が高い。
この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」および「4R確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび4ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」および「4R確変大当り」の2種類である場合を示しているが、2種類にかぎらず、例えば、3種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が2種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として1種類のみ設けられていてもよい。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。以下、確変状態と時短状態とに制御されている遊技状態を「高確率高ベース状態」、確変状態および時短状態のいずれにも制御されていない状態を「低確率低ベース状態」ということがある。
「4R確変大当り」とは、4ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。)。そして、可変表示を所定回(50回)実行するまで、確変状態および時短状態が継続する。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」および「4R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9および図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9および図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドのいずれかが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「4R確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。
コマンドA301(H)、A302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド、大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「4R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図9および図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図9および図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1215)。なお、ステップS1215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図13は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図13に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図13参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1221)。なお、ステップS1221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図14および図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS62に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当りまたは4R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミング、または50回の特別図柄の変動表示を終了するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、そのままステップS66に移行する。
ステップS62では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS63)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「4R確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS64)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1215,S1221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS65)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「4R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS66)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「4R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS67)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS98に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。なお、確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当りまたは4R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングまたは50回の可変表示が終了するタイミングでリセットされる。確変フラグがセットされていれば(ステップS93のY)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS98に移行する。
確変フラグがセットされていなければ(ステップS93のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS94)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS94のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS95)。そして、ステップS98に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS94のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、変動時間短縮時のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS96)。そして、ステップS98に移行する。
この実施の形態では、ステップS93〜S96の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、変動時間短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態である場合には、確変用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS98の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS99の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、確変状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、遊技状態が確変状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS93でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92,S83,S97,S95またはS96の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS98)。なお、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS98の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS99)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS101)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS102)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS103)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS104)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS93〜S96,S98の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図17は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS105)。セットされていない場合には、ステップS109に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106,S107)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「4R確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106,S108)。なお、「4R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS105のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS109)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS110)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグをリセットする(ステップS132)。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が4R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が15R確変大当りまたは4R確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU56は、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。なお、大入賞口開放前タイマは、大当り遊技中に大入賞口を開放するまでの時間を計測するためのタイマである。具体的には、大当り遊技の開始時には、ステップS134において、変動表示を停止してから第1ラウンドが開始されるまでに要する時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動表示を停止し大当り図柄を停止表示してから第1ラウンドが開始されるまでのファンファーレ演出を行う時間に相当)が大入賞口開放前タイマに設定される。また、第1ラウンド以降については、各ラウンド間のインターバル時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側でラウンド間のインターバル演出を行う時間に装置)が大入賞口開放前タイマに設定される。
また、CPU56は、開放回数カウンタに大当り種別に応じた開放回数をセットする(ステップS135)。例えば、15R確変大当りであれば15回を、4R確変大当りであれば4回をそれぞれ開放回数カウンタにセットする。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS141)、セットされていない場合、すなわち、通常状態である場合にはステップS150へ移行する。確変フラグがセットされている場合、すなわち、確変状態である場合、確変回数カウンタの値を1減算し(ステップS142)、確変回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(ステップS143)。0となっていない場合はステップS150へ移行する。0となった場合は確変フラグをリセットし(ステップS144)、ステップS150へ移行する。これにより、所定回数(50回)の変動をおこなうことを契機に確変状態から通常状態へ移行することとしている。ステップS150において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
図19は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、15R確変大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、4R確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS167)。そして、確変回数カウンタに「50」をセットし(ステップS168)、ステップS171に移行する。
そして、ステップS171において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図20は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS36)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否か(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否か(すなわち、特別図柄停止処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図21は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
ステップS706の後、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図22は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9および図10参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図23および図24は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果10指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618A)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS679)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS680)。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS683)。
また、受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS685)、演出制御用CPU101は、30秒後に演出表示装置9に客待ちデモ画面を表示するよう制御をおこなう(ステップS687)。具体的には、30秒を計測するタイマをセットし、該タイマがタイムアウトした際に客待ちデモ画面を演出表示装置9に表示する。なお、計測中に変動パターンコマンドなどを受信した場合には、該タイマをリセットし、計測を終了する。ステップS687の後、各保留記憶数保存領域に格納する保留記憶数をクリアする(ステップS688)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図25は、図21に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、操作受付処理をおこなう(ステップS800A)。操作受付処理とは、操作演出における有効期間中の処理であり、その詳細は図26に後述する。
ここで、操作演出について説明する。操作演出とは、遊技者によるプッシュボタン120への操作を検出したことにもとづいて行われる演出である。操作演出は2段階の演出から構成されており、以下、第1段階の操作演出を第1操作演出、第2段階の操作演出を第2操作演出ということがある。
まず、第1操作演出としては、変動が開始されてから5.0秒が経過するまでの間、プッシュボタン120への操作を検出する度に加算ポイント画像を演出表示装置9に表示する演出が行われる。加算ポイント画像とは、所定のポイント(以下、「加算ポイント」ということがある)が付された画像である。具体的には、キャラクタによって加算ポイントが付された玉を籠に入れる玉入れが行われる画像が表示される(図36参照)。
次に、第2操作演出としては、変動開始から5.0秒が経過するまでにプッシュボタン120への操作を検出した場合(すなわち、第1操作演出を1回以上実行した場合)に、変動開始から5.0秒が経過した時点から1秒間に亘り、遊技者に有利な価値を付与すること(大当りが発生すること)に対する期待度を示すポイントが付された合計ポイント画像を表示する演出が行われる。ここで表示される合計ポイント画像に付されるポイント(以下、「合計ポイント」ということがある)とは、第1操作演出において表示された加算ポイント画像に付された加算ポイントの累計値である。具体的には、変動開始から5.0秒が経過するまでにプッシュボタン120への操作を3回検出し、第1操作演出にて表示された加算ポイント画像に付された加算ポイントが「5」、「5」、「10」であれば、合計ポイントとして「20」が付された合計ポイント画像が表示される。なお、合計ポイントとして大きい値が表示されるほど、大当りが発生することに対する期待度が高いことを示すものである。
また、上述したように、本実施の形態において第2操作演出は変動開始から5.0秒が経過した時点から1.0秒間に亘って行われるものであるが、変動パターンが非リーチPA1−2である場合には変動時間が3.0秒であるため、第2操作演出をおこなう前に変動が終了するものであり、第1操作演出が行われた場合であっても第2操作演出は行われない。
なお、本実施の形態では、演出内容の異なる演出モードとして通常モードと特殊モードとが設けられており、変動終了時に所定の割合で演出モードを移行することとしている。また、特殊モードは操作演出を行うための演出モードであり、特殊モード中の全ての変動において操作演出が行われる。
ステップS800Aの後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図26は、操作受付処理を示すフローチャートである。操作受付処理において、演出制御用CPU101は、有効期間フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2601)、セットされていない場合にはそのまま操作受付処理を終了する。有効期間フラグとは、プッシュボタン120への操作を有効とする有効期間中であることを示すフラグである。有効期間フラグがセットされている場合、すなわち有効期間中である場合には、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120への操作を検出したか否かを判定する(ステップS2602)。すなわち、プッシュセンサ124から、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号が入力されたか否かを判定する。
プッシュボタン120への操作を検出した場合、演出制御用CPU101は、操作回数Pに「1」を加算する(ステップS2603)。操作回数Pは、有効期間中にプッシュボタン120への操作を検出した回数を示す値である。そして、演出制御用CPU101は、予め決定された上限ポイントに応じて加算ポイント決定テーブルを選択する(ステップS2604)。上限ポイントとは、第2操作演出において表示される合計ポイント画像に付される合計ポイントの上限値であり、操作演出をおこなう変動開始時に決定される。加算ポイント決定テーブルは、加算ポイントを決定するために用いられるテーブルであり、詳細は図27を用いて説明する。その後、演出制御用CPU101は、操作回数Pと、選択した加算ポイント決定テーブルとを用いて加算ポイントを決定する(ステップS2605)。
図27は、加算ポイント決定テーブルについて示す説明図である。図27に示す加算ポイント決定テーブルには、操作回数毎に加算ポイントが対応付けられている。ステップS2604においては、上限ポイントが「100」であれば図27(a)に示す第1加算ポイント決定テーブルが、上限ポイントが「500」であれば図27(b)に示す第2加算ポイント決定テーブルが、上限ポイントが「1000」であれば図27(c)に示す第3加算ポイント決定テーブルが、それぞれ選択される。
例えば、図27(a)に示す第1加算ポイント決定テーブルでは、操作回数Pが1または2であれば加算ポイントとして「5」が決定され、操作回数Pが3〜11のいずれかであれば加算ポイントとして「10」が決定され、操作回数Pが12〜20のいずれかであれば加算ポイントとして「0」が決定される。
また、図27(b)に示す第2加算ポイント決定テーブルでは、操作回数Pが1または2であれば加算ポイントとして「5」が決定され、操作回数Pが3〜11のいずれかであれば加算ポイントとして「10」が決定され、操作回数Pが12〜15のいずれかであれば加算ポイントとして「100」が、操作回数Pが16〜20のいずれかであれば加算ポイントとして「0」が決定される。
また、図27(c)に示す第3加算ポイント決定テーブルでは、操作回数Pが1または2であれば加算ポイントとして「5」が決定され、操作回数Pが3〜11のいずれかであれば加算ポイントとして「10」が決定され、操作回数Pが12〜20のいずれかであれば加算ポイントとして「100」が決定される。
このように、本実施の形態では、いずれの加算ポイント決定テーブルが選択された場合においても、操作回数Pが1または2であれば加算ポイントとして「5」が決定され、操作回数Pが3〜11のいずれかであれば加算ポイントとして「10」が決定されることとなる。したがって、11回目までの操作では、いずれの上限値であるかが遊技者に認識されにくいよう構成されている。同様に、上限ポイントが「500」である場合に選択される第2加算ポイント決定テーブルと、上限ポイントが「1000」である場合に選択される第3加算ポイント決定テーブルとのうちいずれの加算ポイント決定テーブルが選択された場合においても、15回目までの操作では、上限値が「500」であるか「1000」であるかが遊技者に認識されにくいよう構成されている。これにより、興趣の向上を図っている。
なお、本実施の形態では、各加算ポイント決定テーブルにおいて加算ポイントとして「0」が決定され得る構成としたが、これに限るものではなく、全ての加算ポイント決定テーブルにおいて上限回数である20回目まで「1」以上の加算ポイントが割り振られていることとしてもよい。
また、本実施の形態では、加算ポイントとして「0」を決定した後には1以上の値を決定しない構成の加算パターンテーブルを設けたが、加算ポイントとして「0」を決定した後には1以上の値を決定する構成の加算パターンテーブルを設けることしてもよい。例えば、上限回数を超えた遊技者の操作について0ポイントを加算することを示す加算ポイント画像を表示可能な構成において、加算ポイントとして「0」を決定した後には1以上の値を決定する構成の加算パターンテーブルを設けた場合、該上限回数を超えた後であっても、再度1以上のポイントを加算する加算ポイント画像が表示されることに対する期待感を遊技者に与えることができる。
なお、本実施の形態における加算ポイント決定テーブルを用いて操作演出をおこなった場合、遊技者は、12回目の操作をおこなった場合に上限ポイントが「100」であるか否かを遊技者が認識可能であり、16回目の操作をおこなった場合に上限ポイントが「500」であるか「1000」であるかを認識可能であるが、上限ポイントがいずれの値であるかを遊技者に認識させにくくするように加算ポイント決定テーブルを設けることとしてもよい。
例えば、ほとんどの加算ポイントとして「5」や「10」のように上限ポイントに対して小さい値が設けられているものとすれば、いずれの上限ポイントであるかを遊技者に認識させにくくすることができる。
また、例えば、本例では操作回数Pの増加に伴って加算ポイントの値が大きくなるとともに、合計ポイントが上限ポイントに達すると加算ポイントが「0」になるように各加算ポイント決定テーブルを構成しているが、操作回数Pに対する加算ポイントの対応順を不規則なものにすることで、いずれの上限ポイントであるかを遊技者に認識させにくくすることができる。
また、例えば、本例では加算ポイントとして「0」が付された加算ポイント画像が表示された時点で上限ポイントとして「1000」ではないことが遊技者に認識されることとなってしまうが、上限ポイントが「1000」である場合にも加算ポイントとして「0」が選択されるパターンを含めることで、上限ポイントを認識させにくくすることができる。
また、例えば、本例では加算ポイントとして「100」が付された加算ポイント画像が表示された時点で上限ポイントとして「100」ではないことが遊技者に認識されることとなってしまうが、上限ポイントが「100」である場合にも加算ポイントとして「100」が選択されるパターンを含めることで、上限ポイントを認識させにくくすることができる。なお、その場合は加算ポイントとして1回の「100」以外全ての加算ポイントとして「0」を選択することとなってしまうが、加算ポイントとして負の数を選択可能なこととすれば、加算ポイントとして「100」と「0」以外の正の値も選択可能なものとなるため、より遊技者に上限ポイントを認識させにくくすることができる。
また、例えば、より多くの加算ポイント決定テーブルが設けられているものとすれば、加算ポイントが決定されるパターンが増加するため、いずれの上限ポイントが選択されているかを遊技者に認識させにくくすることができる。具体的には、より多くのパターンの上限ポイントが設けられているものとすれば、加算ポイント決定テーブルを増加させることができ、いずれの上限ポイントが選択されているかを遊技者に認識させにくくすることができる。また、同一の上限ポイントであっても加算ポイントの決定パターンが異なる複数の加算ポイント決定テーブルが設けられていることとすれば、加算ポイント決定テーブルを増加させることができ、加算ポイントの決定パターンが複雑になるため、いずれの上限ポイントが選択されているかを遊技者に認識させにくくすることができる。
なお、本実施の形態では、加算ポイント決定テーブルにもとづいて加算ポイントが決定される構成とするが、これに限るものではなく、例えば、所定の抽選によって加算ポイントが決定されることとしてもよい。具体的には、動作を1回検出する毎に複数の加算ポイントから一の加算ポイントを決定する抽選を行うこととしてもよいし、複数回分の加算ポイントを1回の抽選によって決定する(例えば、動作を3回検出する毎に、3回分の加算ポイントを決定する抽選を1回行う)こととしてもよい。その際、上限ポイントが大きい値である程、大きい値の加算ポイントが決定されやすいこととしてもよいし、または上限ポイントを予め定めることなく、大当りであるか否かや変動パターンにもとづいて異なる割合にて加算ポイントを決定することとしてもよい。
ステップS2605の後、演出制御用CPU101は、ステップS2605において決定した加算ポイントを合計ポイントTに加算する(ステップS2606)。合計ポイントTは、加算ポイントの累計値であり、操作演出が行われる変動開始時に「0」にリセットされ、遊技者の操作を検出する度に加算ポイントが加算されていく。
その後、演出制御用CPU101は、決定された加算ポイントが付された加算ポイント画像を演出表示装置9に表示し(ステップS2607)、操作回数Pが「20」であるか否かを判定し(ステップS2608)、「20」である場合には有効期間フラグをリセットする(ステップS2609)。これにより、操作を検出した回数が20回に達することを契機として有効期間が終了することとなる。なお、操作の上限回数を設けることなく、合計ポイント画像を表示するタイミング(変動開始から5.0秒経過時点)まで有効期間が継続することとしてもよい。
ステップS2608において操作回数Pが「20」でない場合、またはステップS2609の後、演出制御用CPU101は、検出済フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2610)。検出済フラグは、有効期間中に遊技者の操作を1回以上検出したことを示すフラグである。セットされていない場合、すなわち、検出した操作が1回目の操作であった場合には、検出済フラグをセットして(ステップS2611)操作受付処理を終了する。セットされている場合にはそのまま操作受付処理を終了する。
図28は、図25に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図29は、図25に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、擬似連を指定する変動パターンも用いる場合に、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図30は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図30に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「4R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出を設定するための予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。ここでは、例えば、開始する変動が大当りであるか否か、大当りである場合はいずれの大当り種別であるか、または読み出した変動パターンなどにもとづいて、所定の予告演出(例えば、大当りに対する信頼度に応じた段階まで発展するステップアップ予告、遊技者から操作部材への操作を受け付けることにより演出画面が切り替わるボタン演出など)の実行の有無について決定する。
そして、演出制御用CPU101は、特殊モードに制御されていることを示す特殊モードフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3910)、セットされていない場合、すなわち特殊モードではない場合(通常モードである場合)、ステップS8004へ移行する。セットされている場合、すなわち特殊モードに制御されている場合、有効期間フラグをセットする(ステップS3911)。このように、特殊モードフラグがセットされているときにのみ有効期間フラグがセットされることにより、操作演出を特殊モード中の演出としている。これにより、特殊モードの興趣を向上させることができる。
ステップS3911の後、上限ポイントを決定するための上限ポイント決定処理をおこなう(ステップS3912)。上限ポイント決定処理では、具体的に、図31に示す上限ポイント決定テーブルを用いて上限ポイントを決定する。
図31は、上限ポイント決定テーブルを示す説明図である。上限ポイント決定テーブルには、大当りおよびはずれ毎に、上限ポイントに対応する判定値が割り当てられているが、図31に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、上限ポイント決定用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
従って、図31に示す上限ポイント決定テーブルでは、大当りである場合、上限ポイントとして、「100」が20/100の割合で、「500」が30/100の割合で、「1000」が50/100の割合で選択される。また、はずれである場合、上限ポイントとして、「100」が50/100の割合で、「500」が30/100の割合で、「1000」が20/100の割合で選択される。これにより、大当りである場合の方がはずれである場合よりも高い割合で上限ポイントとして高ポイントが選択されやすい構成となっている。すなわち、上限ポイントが高ポイントであるほど、大当りに対する期待度が高い構成となっている。
なお、本実施の形態では、大当りであるか否かにもとづいて異なる割合にて上限ポイントを決定することとしたが、これに限るものではなく、開始する変動の変動パターンにもとづいて異なる割合にて上限ポイントを決定することとしてもよい。例えば、大当りに対する信頼度の高いリーチであるほど高ポイントを上限ポイントとして選択しやすい構成としたり、変動時間が長いほど高ポイントを上限ポイントとして選択しやすい構成としたりすれば、操作演出によって大当りに対する信頼度を報知可能な構成とすることができる。
ステップS3912の後、演出制御用CPU101は、操作回数Pおよび合計ポイントTに「0」をセットし(ステップS3913,S3914)、ステップS8004へ移行する。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図32は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図32に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8004などの処理で予告演出を実行することに決定された場合には、予告演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
ステップS8005の後、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LEDおよび役物)を制御する(ステップS8006)。
ステップS8006の後、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図33は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、有効期間フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS8100A)、セットされていない場合、ステップS8100Dへ移行する。セットされている場合、すなわち有効期間中である場合には変動開始から5.0秒が経過したか否かを判定する(ステップS8100B)。変動開始から5.0秒が経過していない場合、ステップS8100Dへ移行する。5.0秒が経過した場合、演出制御用CPU101は、有効期間フラグをリセットすることで有効期間を終了させる(ステップS8100C)。
その後、演出制御用CPU101は、検出済フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS8100D)。検出済フラグがセットされている場合、すなわち、有効期間中に1回以上の遊技者の操作を検出した場合、変動開始から5.0秒が経過したか否かを判定する(ステップS8100J)。5.0秒が経過した場合には、合計ポイント画像の表示を開始する(ステップS8100E)。ここでは、操作された回数によって異なる合計ポイントが付された合計ポイント画像が表示される。従って、操作された回数によって合計ポイント画像の表示における大当りが発生することに対する信憑性が異なることとなり、興趣を向上させることができる。具体的には、操作された回数が多いほど、合計ポイント画像の表示における大当りが発生することに対する信憑性が高まることとなり、興趣を向上させることができる。なお、操作された回数によって合計ポイント画像の表示における大当りが発生することに対する信憑性を異ならせることができるものであれば、これに限るものでなく、例えば、操作された回数が所定回数に近いほど合計ポイント画像の表示における大当りが発生することに対する信憑性が高まる(すなわち、所定回数に対する操作回数の過不足が大きいほど信憑性が低下する)よう構成されているものであってもよい。なお、本実施の形態では、検出済フラグがセットされているか否かによって有効期間中に1回以上の遊技者の操作を検出したか否かを判定することとしているが、操作回数Pが1以上であれば有効期間中に遊技者の操作を検出したと判定し、操作回数Pが0であれば有効期間中に遊技者の操作を検出していないと判定することとしてもよい。
そして、検出済フラグをリセットし(ステップS8100F)、ステップS8100Gへ移行する。また、ステップS8100Dにおいて検出済フラグがリセットされていない場合(すなわち、有効期間が終了するまで遊技者の操作を検出しなかった場合)、またはステップS8100Jにおいて変動開始から5.0秒が経過していない場合、ステップS8100Gへ移行する。
ステップS8100Gでは、演出制御用CPU101は、合計ポイント画像の表示中であるか否かを判定する(ステップS8100G)。具体的には、合計ポイント画像の表示を開始した際に、合計ポイント画像の表示中であることを示すフラグをセットしておき、該フラグがセットされているか否かによってステップS8100Gをおこなうこととすればよい。合計ポイント画像の表示中である場合、演出制御用CPU101は、合計ポイント画像の表示を開始してから1秒が経過したか否かを判定する(ステップS8100H)。具体的には、合計ポイント画像の表示を開始した際にタイマをスタートさせ、該タイマが1秒を示すか否かを判定すること、または変動開始から6.0秒が経過したか否かを判定することにより、ステップS8100Hをおこなう。
合計ポイント画像の表示を開始してから1秒が経過した場合、演出制御用CPU101は、合計ポイント画像の表示を終了する(ステップS8100I)。また、ステップS8100Gにおいて合計ポイント画像の表示中でない場合、またはステップS8100Hにおいて合計ポイント画像の表示を開始してから1秒が経過していない場合には、ステップS8101へ移行する。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8112)。
図34は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS867に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS866で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS868で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS861で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS862の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS867に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS862)。なお、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS862で大当り図柄を表示する場合には(ステップS863のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS866)、ファンファーレフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)がセットされたか否か確認する(ステップS867)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS867のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS868)とともに、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS869)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS870)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS871)。
また、ステップS863で大当り図柄を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS863のN)は、演出制御用CPU101は、演出モードを移行するか否かを決定するための演出モード移行抽選をおこなう(ステップS3201)。具体的に、演出制御用CPU101は、図35に示す演出モード移行抽選テーブルを用いて演出モードを移行するか否かを決定する。
図35は、演出モード移行抽選テーブルを示す説明図である。演出モード移行抽選テーブルには、演出モードの移行の有無に対応する判定値が割り当てられているが、図35に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、演出モード移行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
従って、図35に示す演出モード移行抽選テーブルでは、演出モードを移行することが1/50の割合で、演出モードを移行しないことが49/50の割合で決定される。
ステップS3201の後、演出モードを移行することが決定されていない場合(ステップS3202のN)、ステップS864へ移行する。演出モードを移行することが決定された場合(ステップS3202のY)、特殊モードフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3203)、セットされていれば特殊モードフラグをリセットすることにより通常モードへ移行し(ステップS3204)、セットされていなければ特殊モードフラグをセットすることにより特殊モードへ移行する(ステップS3205)。このようにすることで、変動停止時に演出モードを移行可能な構成としているが、変動開始時に同様の処理をおこなうことにより演出モードを移行可能な構成としてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS864)。例えば、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。また、セットされていれば、有効期間フラグおよび検出済フラグもリセットする。ステップS864において有効期間フラグがセットされている場合とは、特殊モード中において第2操作演出を実行するタイミング(変動開始から5.0秒後)よりも短い変動時間を有する変動(非リーチPA1−2)であった場合である。また、ステップS864において検出済フラグがセットされている場合とは、特殊モード中において第2操作演出を実行するタイミング(変動開始から5.0秒後)よりも短い変動時間を有する変動(非リーチPA1−2)であり、有効期間中に遊技者の操作を1回以上検出した場合である。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS865)。
図36は、変動パターン毎の操作演出の表示例を示す説明図である。図36に示す表示例は、変動パターンが非リーチPA1−2以外である場合の変動と、変動パターンが非リーチPA1−2である場合の変動とについて、操作演出を実行する際の演出表示装置9の表示例を示すものである。
まず、変動パターンが非リーチPA1−2以外である場合、変動が開始されてから5.0秒が経過するまでの間に、遊技者によるプッシュボタン120への操作を複数回検出し、検出する度に加算ポイント画像を表示する。図示する例では、加算ポイントとして「5」が付された加算ポイント画像と「100」が付された加算ポイント画像が表示される例を示しているが、この間に複数回の操作が検出されているものである。そして、変動開始から5.0秒が経過したことを契機に、合計ポイントとして「400」が付された合計ポイント画像の表示が開始され、変動開始から6.0秒後に合計ポイント画像の表示が終了する。そして、変動パターンに応じた変動時間Teが経過した場合に、変動を停止する。なお、図36には、はずれ図柄を停止表示する例を示しているが、大当りである場合には大当り図柄が停止表示されるものである。
次に、変動パターンが非リーチPA1−2である場合、変動が開始されてから遊技者によるプッシュボタン120への操作を検出し、加算ポイント画像を表示する。図示する例では、加算ポイントとして「5」が付された加算ポイント画像を表示する例を示している。そして、変動開始から3.0秒が経過した時点で、演出図柄をはずれ図柄で停止表示する。このとき、変動開始から合計ポイント画像の表示が完了するはずの時点までの時間(6.0秒)よりも変動時間(3.0秒)の方が短い時間であるため合計ポイント画像の表示は行われないが、遊技者の操作を検出した際に加算ポイント画像を表示することにより、演出が間延びしてしまうこと抑制できるとともに、変動時間が短い変動であることを遊技者に認識させにくくすることができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技者の動作を検出する検出手段(本例では、プッシュボタン120への操作を検出するプッシュセンサ124)を備え、遊技者の動作が検出されたことにもとづいて、第1演出(本例では、第1操作演出)を実行し、該第1演出の実行後に遊技者に有利な価値を付与すること(本例では、大当り遊技状態に制御すること)に対する期待度を報知する第2演出(本例では、第2操作演出)を実行可能である(本例では、ステップS2607を実行することにより第1操作演出を実行し、遊技者の動作を検出した場合に、ステップS8100Eを実行することにより第2操作演出を実行する)。また、遊技者の動作が検出された場合、動作態様にかかわらず、識別情報の可変表示が開始されてから所定期間(本例では、6.0秒)が経過するまでに、第2演出を実行し(本例では、操作を検出したことを示す検出済フラグがセットされていれば、操作回数にかかわらずステップS8100Eを実行し)、識別情報を可変表示させる可変表示期間が所定期間より短い場合(本例では、変動時間が3.0秒である変動)であっても第1演出を実行する(本例では、いずれの変動時間の変動であるかにかかわらずステップS2607を実行する)こととした。これにより、動作態様にかかわらず識別情報の可変表示が開始されてから所定期間が経過した時点で第2演出を実行することにより演出が間延びしてしまうことを抑制することができる。また、第2演出の実行条件が成立する前に第1演出を実行可能とすることにより演出が間延びしてしまうことを抑制することができるとともに、所定期間より短い可変表示期間を有する識別情報の可変表示であっても所定期間以上の可変表示期間を有する識別情報の可変表示と同様に第1演出を実行することにより、所定期間より短い可変表示期間を有する識別情報の可変表示であることが早期に遊技者に認識されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施の形態においては、遊技者の動作としてプッシュボタン120に対する操作を検出することとしたが、これに限るものではない。例えば、プッシュボタン120への別の態様における操作(例えば、長押し、連打)を検出することとしてもよい。また、プッシュボタン120とは異なる操作部材(例えば、トリガボタン121、スティックコントローラ122)に対する操作や、赤外線センサのような非接触式センサやカメラなどにより検出可能な動作を検出することとしてもよい。
また、本実施の形態では、第1演出として加算ポイント画像を表示することとしたが、これに限るものではない。例えば、加算ポイントが付されていない画像を表示する(具体的には、内部的に対応付けられている加算ポイントに応じて表示態様が異なる画像を表示する)こととしてもよいし、所定の演出用可動部材(いわゆる役物)を動作させたり、所定の発光部材を発光させたり、所定の音声を出力することとしてもよい。
また、本実施の形態では、遊技者に有利な価値を付与することに対する期待度を報知する第2演出として、大当り遊技状態に制御することに対する期待度を報知する演出(第2操作演出)を実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、遊技状態が高ベース状態や確変状態に制御されることに対する期待感(例えば、確変状態に移行する確変大当りと確変状態に移行しない通常大当りとが設けられている遊技機であれば、確変大当りとなることに対する期待度)を報知する演出を実行することとしてもよいし、大当り遊技状態とは異なるが遊技者にとって有利な特殊遊技状態(いわゆる、小当り遊技状態)に制御することに対する期待感を報知する演出を実行することとしてもよい。また、小当り遊技状態と同様の挙動を示すとともに確変状態へ移行する大当り(いわゆる、突然確変大当り)に制御することに対する期待感を報知する演出を実行することとしてもよい。また、小当り遊技状態または突然確変大当りに制御した後に確変状態へ移行したか否かを遊技者に認識させにくくする演出モード(いわゆる、潜伏モード)に移行する遊技機であれば、潜伏モードに移行することに対する期待感を報知する演出を実行することとしてもよい。また、潜伏モード中に、確変状態であるか否かに対する期待感を報知する演出を実行することとしてもよい。
また、「識別情報の可変表示が開始されてから所定期間が経過するまでに第2演出を実行する」とは、識別情報の可変表示が開始されてから所定期間が経過するまでに第2演出を実行し終えるという意味と、識別情報の可変表示が開始されてから所定期間が経過するまでに第2演出の実行を開始するという意味とを含む概念である。すなわち、「所定期間」とは、識別情報の可変表示が開始されてから第2演出の実行が開始されるまでの期間と、識別情報の可変表示が開始されてから第2演出の実行が終了するまでの期間とを含む概念である。
また、本実施の形態では、識別情報を可変表示させる可変表示期間が所定期間より短い場合においては第2演出を実行しないこととした。その際、識別情報の可変表示を開始してから第2演出の実行を終了するまでの時間である6.0秒を「所定期間」としたが、識別情報の可変表示を開始してから第2演出の実行を開始するまでの時間を「所定期間」として、可変表示期間が所定期間より短い場合においては第2演出を実行しないこととしてもよい。例えば、本実施の形態のように識別情報の可変表示を開始してから第2演出の実行を終了するまでの時間である6.0秒を「所定期間」とした場合、可変表示期間が5.5秒であっては第2演出を実行しないこととなるが、識別情報の可変表示を開始してから第2演出の実行を開始するまでの時間を「所定期間」とした場合、可変表示期間が5.5秒であっても第2演出を実行することとなるものである。
また、この実施の形態によれば、遊技者の動作が検出されたことに応じて複数の所定画像(本例では、加算ポイント画像)を表示する第1演出を実行し、表示された所定画像にもとづいた値(本例では、加算ポイント画像に対応付けられた値の累計値)を報知する第2演出を実行する(本例では、加算ポイント画像に対応付けられた値の累計値である合計ポイントが付された合計ポイント画像を表示する)こととした。これにより、複数の所定画像を表示していく過程で遊技者に第2演出の内容を推測させることができ、興趣を向上させることができる。また、動作を検出するほど上限ポイントに近づくため、遊技者の動作意欲を向上することができ、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、検出された遊技者の動作の動作態様(本例では、操作回数P)にもとづいて異なる期待度を報知する第2演出を実行する(本例では、操作回数Pが多いほど、多くの値が加算された合計ポイントが付された合計ポイント画像を表示する)こととした。これにより、遊技者の動作を検出する度に合計ポイントが予め内部的に定められた上限ポイントに近づくため、動作態様に応じて第2演出の信憑性を異ならせることができ、興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態において、演出内容の異なる複数の演出モード(本例では、通常モード、特殊モード)から一の演出モードに制御し(本例では、ステップS3201〜S3205を実行する)、複数の演出モードのうち特定の演出モード(本例では、特殊モード)に制御されているときに第1演出および第2演出を実行する(本例では、ステップS3910のYである場合にのみ操作演出を実行する)こととした。これにより、特定の演出モードにおける興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、演出モードの移行の有無を所定の抽選にもとづいて決定することとしたが、遊技状態が移行することに応じて演出モードを移行させたり、特定回数の変動を終了することにもとづいて演出モードを移行させたりすることとしてもよい。
また、本実施の形態では、特定の演出モードの全ての変動において第1演出および第2演出を実行可能なこととしたが、特定の演出モードの一部の変動において第1演出および第2演出を実行可能なこととしてもよい。例えば、特定の演出モードにおいて所定の変動パターンの変動をおこなうときのみ第1演出および第2演出を実行可能なこととしてもよい。
また、本実施の形態では、遊技者の動作を検出しなかった場合には第2演出を実行しないこととしたが、これに限るものではなく、遊技者の動作を検出しなかった場合においても第2演出を実行することとしてもよい。具体的には、ステップS8100Cの後、ステップS8100DをおこなうことなくステップS8100J,S8100Eをおこなう(合計ポイントとして「0」が付された合計ポイント画像を表示する)こととしてもよい。
また、本実施の形態では説明を省略したが、遊技者に動作を促すための動作促進演出をおこなうこととしてもよい。例えば、プッシュボタン120に設けられた発光部材を発光させたり、演出表示装置9に動作を促す画像を表示したりすることにより、動作促進演出をおこなうこととしてもよい。
なお、本実施の形態において、有効期間中における遊技者の操作を検出する上限回数(20回)設け、該上限回数の操作を検出した場合には有効期間を終了させることにより遊技者の動作の無効化を図るものとしたが、これに限るものではない。例えば、所定回数(例えば、21回)以上の遊技者の動作を検出した場合には、0ポイントを加算することを示す加算ポイント画像を表示することとしてもよいし、少ないポイント(例えば、1ポイント)を加算することを示す加算ポイント画像を表示することとし、合計ポイントが予め決定しておいた上限ポイントを超えることとしてもよい。
また、本実施の形態では、有効期間中に遊技者の操作を検出した場合に第1操作演出として加算ポイント画像を表示することとしたが、これに限るものではない。例えば、有効期間中に遊技者の操作を検出した場合に第1操作演出として、遊技者に有利な価値を付与する保留記憶(以下、「特定保留記憶」ともいう)が記憶されていることに対する期待度を報知する演出をおこなうこととしてもよい。具体的には、以下の変形例を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
この変形例では、上述した大当りの他に、小当りが設けられている。小当りは、特別図柄が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(例えば「135」)が停止表示されることによって発生する遊技状態である。具体的には、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。この変形例では、ステップS1215,S1221で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)が所定の小当り判定値(例えば、通常状態では54000〜54217のいずれか、確変状態では54000〜54022のいずれか)と一致した場合に小当り遊技状態に制御されるものである。
図37は、変形例における入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理は、変形例における始動入賞時(例えば、ステップS1212のY〜S1216の間、ステップS1218のY〜S1222の間)に行われる処理である。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1215,S1221で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りの信頼度を予告する演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。なお、この変形例で示す高確率フラグとは、上述した実施の形態における確変フラグと同じフラグである。高確率フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1215,S1221で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、4R確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(ステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1215,S1221で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。図柄指定コマンドは、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンドである。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が確変状態であるか否か(具体的には、高確率フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、4R確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(ステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。変動カテゴリコマンドは、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンドである。
例えば、CPU56は、遊技状態が確変状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には、始動入賞時に確変状態ではずれ且つ乱数値が1〜219になると判定したことを指定する変動カテゴリコマンドのEXTデータを設定すると判定する。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には、始動入賞時に確変状態ではずれ且つ乱数値が220〜251になると判定したことを指定する変動カテゴリコマンドのEXTデータを設定すると判定する。こうして設定される変動カテゴリコマンドが送信されることにより、演出制御用CPU101は保留記憶に対していずれの変動パターンが選択されるかを該保留記憶に対する変動が開始されるよりも前に認識可能となる。遊技状態が通常状態であると判定した場合においても、同様にしてはずれ用の各閾値を設定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、始動入賞時に小当り且つ乱数値が1〜251になると判定したことを指定する変動カテゴリコマンドのEXTデータを設定すると判定するものとする。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1215,S1221で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、図8(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、または「4R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合には、図8(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、または「4R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「4R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「4R確変大当り」となることを示すEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、ステップS226,S228と同様にして大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じた値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
入賞時演出処理において設定された図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信される。そして、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンド(以下、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを「始動入賞時コマンド」と総称することがある。)にもとづいて、発生した保留記憶が、大当りとなる特定保留記憶であるか否か、およびいずれの変動パターンに対応する保留記憶であるかを認識可能なこととなる。なお、演出制御用CPU101は、受信した始動入賞時コマンドを所定の記憶領域に記憶するとともに、該始動入賞時コマンドに対応する演出図柄の変動をおこなう毎に該始動入賞時コマンドを記憶領域から消去することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560において記憶されている保留記憶と同数の始動入賞時コマンドが、演出制御用マイクロコンピュータ100に記憶されることとなる。
図38は、変形例における演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。変形例における演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、ステップS3910において特殊モードフラグがセットされている場合、保留数が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS3920)。具体的に、演出制御用CPU101は、1セット以上の始動入賞時コマンドを記憶している場合には、保留数が「1」以上であると判定する。保留数が「1」以上でない場合、すなわち、保留記憶が記憶されていない場合には、演出制御用CPU101は、ステップS3911へ移行する。
保留数が「1」以上である場合、すなわち、保留記憶が記憶されている場合には、演出制御用CPU101は、開始する変動の変動パターンが非リーチPA1−2であるか否かを判定し(ステップS3921)、非リーチPA1−2である場合にはステップS3925へ移行する。非リーチPA1−2でない場合、演出制御用CPU101は、保留数が「3」以上であるか否かを判定し(ステップS3922)、「3」未満である場合にはステップS3911へ移行する。「3」以上である場合には、操作演出種別を選択するための操作演出種別選択処理をおこなう(ステップS3923)。具体的に、演出制御用CPU101は、図39(1)に示す操作演出種別選択テーブルを用いて操作演出種別を選択する。
図39(1)は、変形例における操作演出種別選択テーブルを示す説明図である。図39(1)に示す操作演出種別選択テーブルには、操作演出種別毎に判定値が割り当てられているが、図39(1)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、操作演出種別選択用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
従って、図39(1)に示す操作演出種別選択テーブルでは、操作演出種別として「ポイント操作演出」が40/50の割合で、「先読み操作演出」が10/50の割合で選択される。なお、「ポイント操作演出」は、上述した実施の形態のように、遊技者の操作を検出する度に加算ポイント画像を表示する第1操作演出を実行し、変動開始から5.0秒経過時点から合計ポイント画像を表示する第2操作演出を実行する演出種別である。「先読み操作演出」は、遊技者の操作を検出する度に特定保留記憶が記憶されていることに対する期待度を示す期待度画像を表示する演出種別である。
ステップS3923の後、演出制御用CPU101は、操作演出種別として先読み操作演出が選択されたか否かを判定し(ステップS3924)、先読み操作演出が選択されていない場合、すなわち、ポイント操作演出が選択された場合、ステップS3911へ移行する。先読み操作演出が選択された場合、演出制御用CPU101は、先読み操作演出を実行することを示す先読み操作フラグをセットし(ステップS3925)、ステップS8004へ移行する。なお、先読み操作フラグは、所定時間経過後にリセットされることとしてもよいし、変動終了時にリセットされることとしてもよい。
ステップS3925においてセットされた先読み操作フラグがセットされているときに遊技者の操作を検出した場合に、演出制御用CPU101は、記憶している始動入賞時コマンドにもとづいて、先読み操作演出における期待度画像を表示することとなる。具体的には、図39(2)に示す期待度画像表示態様選択テーブルを用いて期待度画像の表示態様(以下「期待度画像態様」ともいう)を決定し、決定した期待度画像態様に応じた期待度画像を演出表示装置9に表示する。
図39(2)は、変形例における期待度画像表示態様選択テーブルを示す説明図である。期待度画像表示態様選択テーブルには、特定保留記憶の有無毎に、期待度画像態様に対応する判定値が割り当てられているが、図39(2)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、期待度画像表示態様選択用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
従って、図39(2)に示す期待度画像表示態様選択テーブルでは、特定保留記憶が記憶されている場合には、期待度画像態様として「第1表示態様」が80/100の割合で、「第2表示態様」が20/100の割合で選択される。また、特定保留記憶が記憶されていない場合には、期待度画像態様として「第1表示態様」が30/100の割合で、「第2表示態様」が70/100の割合で選択される。このように、第1表示態様の方が第2表示態様よりも特定保留記憶が記憶されていることに対する期待度が高くなるよう構成されている。なお、第1表示態様における期待度画像としては演出表示装置9に「チャンスが近い」と表示され、第2表示態様における期待度画像としては演出表示装置9に「・・・」と表示されるものである。なお、特定保留記憶が記憶されているか否かについては、大当りを示す変動カテゴリコマンドまたは図柄指定コマンドが記憶されているか否かにもとづいて判断される。
これにより、開始する変動の変動パターンが非リーチPA1−2である場合(ステップS3921のY)、先読み操作演出を実行することとしている。また、上述したように、非リーチPA1−2が選択されうる条件下(保留数が「3」以上である状態)であれば、開始する変動の変動パターンが非リーチPA1−2でない場合(ステップS3921のN)であっても、先読み操作演出を実行可能であることとしている。なお、非リーチPA1−2でない変動パターンの変動において先読み操作演出を実行する場合、変動開始から5.0秒後から第2操作演出として、大当りに対する期待度を報知する演出をおこなうこととしてもよいし、特定保留記憶が記憶されているか否かを報知する演出をおこなうこととしてもよい。
以上に説明したように、本変形例において、開始条件(本例では、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの可変表示も実行されておらず、かつ大当り遊技状態でもないこと)が成立したことにもとづいて識別情報の可変表示を実行し(本例では、ステップS300〜S304を実行する)、開始条件が成立していない識別情報の可変表示を保留記憶として記憶し(本例では、ステップS1215,S1221を実行する)、保留記憶が遊技者に有利な価値を付与する特定保留記憶であるか否かを、該保留記憶に対する識別情報の可変表示が開始される前に判定する(本例では、ステップS220〜S222を実行する)こととした。また、識別情報を可変表示させる可変表示期間が所定期間より短い場合、判定結果にもとづいて特定保留記憶が記憶されていることに対する期待度を報知する第1演出を実行する(本例では、ステップS3921のYである場合にステップS3925へ移行して先読み操作フラグをセットし、該先読み操作フラグがセットされているときに遊技者の操作を検出したことにもとづいて期待度画像を表示する)こととした。これにより、所定期間より短い可変表示期間を有する識別情報の可変表示における興趣を向上させることができる。
また、本変形例において、所定数(本例では、3個以上)の保留記憶を記憶していることを条件として、所定期間より短い可変表示期間を有する識別情報の可変表示を実行可能であり(本例では、ステップS94のYである場合にステップS96へ移行してステップS98〜S100,S303を実行する)、所定数の保留記憶が記憶されており、所定期間以上の長さの可変表示期間を有する識別情報の可変表示が実行される場合、特定保留記憶が記憶されていることに対する期待度を報知する第1演出を実行する(本例では、ステップS3921のNであるとともにステップS3922のYである場合に、ステップS3925へ移行可能である)こととした。これにより、所定期間より短い可変表示期間を有する識別情報の可変表示であることが遊技者に認識されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施の形態では、1回の変動につき、ポイント操作演出および先読み操作演出のうちいずれか一方を第1演出として実行可能な構成としたが、これに限るものではない。例えば、1回の変動において、ポイント操作演出と先読み操作演出とを実行可能な構成としてもよい。具体的には、遊技者の操作を検出した際に加算ポイント画像を表示する場合と、遊技者の操作を検出した際に期待度画像を表示する場合とが、1回の変動中に混在していることとしてもよい。その場合、操作回数Pにもとづいて加算ポイント画像および期待度画像のうちいずれの画像を表示するかを決定することとしてもよいし、操作を検出する度にいずれの画像を表示するかを抽選によって決定することとしてもよい。また、遊技者の操作を検出した際に、加算ポイント画像と期待度画像とを同時に表示することとしてもよい。
なお、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において適用することとしてもよい。
また、本実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。その場合、第1演出または第2演出として、遊技者にとって有利な特定遊技状態への移行を伴う特別役(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、メダルなどの遊技用価値の付与を伴う小役、または遊技用価値を用いずにゲームを行うことが可能な再遊技の付与を伴う再遊技役に確定したことに対する期待度を報知する演出を実行することとしてもよい。また、所定の当選役が当選したときにこの当選役を入賞させることが可能になるストップスイッチの操作態様(押下順序や押下タイミング)を報知するAT(アシストタイム)への移行、またはリプレイの当選確率が異なるRT(リプレイタイム)への移行に対する期待度を報知する演出や、メダルの払い出し率の設定を示唆する演出を実行することとしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。