JP2016123696A - 遊技機 - Google Patents

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小倉 敏男
Toshio Ogura
敏男 小倉
慎悟 高林
Shingo Takabayashi
慎悟 高林
常夫 檜森
Tsuneo Hinokimori
常夫 檜森
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Abstract

【課題】変動表示の開始段階で遊技の興趣を低下させないようにすることが可能な遊技機を提供することである。
【解決手段】小当り表示結果となる特別図柄の変動表示の変動時間と、切替部材の動作状況とに基づいて、変動表示後に遊技球がV入賞領域に進入可能とならないと判定されたときに、変動表示の中断が案内され、遊技者により成立させることが可能な中断条件として、機械役物15への遊技球の入賞が成立したときに、特別図柄の変動表示を中断する。
【選択図】図10

Description

本発明は、遊技媒体を発射することにより遊技が行なわれ、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機に関する。
この種の遊技機としては、変動表示手段(特別図柄表示器)による変動表示の表示結果が所定表示結果(小当り表示結果)となったときに、可変入賞手段(可変入賞球装置)が遊技媒体(遊技球)が進入可能な状態に制御され、可変入賞手段内に回転する回転体に設けられた特定領域(進入口)に遊技媒体が進入したことに基づいて、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態)に制御可能とするパチンコ遊技機が知られている(特許文献1)。
特開2009−45120号公報(段落0038、0039、0088)
しかし、特許文献1に記載された遊技機では、可変入賞手段が遊技媒体が進入可能な状態に制御される変動表示結果となる変動表示が開始された時点で、変動表示時間と、可変入賞手段における特定領域の動作状態との関係から、変動表示の開始段階で、遊技媒体が特定領域に進入不可能となることが遊技者に認識可能となる場合があり、遊技の興趣を低下させるおそれがあった。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、変動表示の開始段階で遊技の興趣を低下させないようにすることが可能な遊技機を提供することである。
(1) 遊技媒体(遊技球等)を発射することにより遊技が行なわれ、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
始動領域に遊技媒体が進入したことに基づいて変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示手段(特別図柄表示器8a、演出表示装置9)と、
前記変動表示手段の表示結果が所定表示結果(小当り表示結果等)となったときに、遊技媒体が所定期間(1秒間等)において入賞可能となる可変入賞手段(図2の小当り可変入賞球装置87等)と、
前記可変入賞手段内に設けられ、遊技媒体が進入可能な特定領域(図2のV入賞領域71等)と、
前記可変入賞手段内に設けられ、前記特定領域(図2のV入賞領域71等)に遊技媒体が進入可能な状態(図2(B)のような許容状態)と、進入不可能な状態(図2(A)のような規制状態)とのいずれかに切替える切替え動作が可能な行先切替部材(図2の切替部材721等)と、
前記可変入賞手段内において前記特定領域に遊技媒体が進入したときに、前記有利状態(第2大当りの大当り遊技状態)に制御する有利状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図18のS448,S450、図12のS305〜S307等)と、
前記変動表示手段の表示結果が前記所定表示結果となる変動表示が実行されるときに、当該変動表示の変動時間(小当りの変動時間等)と、前記行先切替部材の動作状況とに基づいて、前記所定表示結果となった後に遊技媒体が前記特定領域に進入可能となるか否かを判定する判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図14のS97等)と、
遊技者により成立させることが可能な中断条件(機械役物15への遊技球の入賞)が成立したときに、前記変動表示手段の変動表示を中断させる中断手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図19のS152,S152、図20のS420〜S424、図21のS461〜S463、図12のS312〜S314の変動表示中断等)と、
前記判定手段により遊技媒体が前記特定領域に進入可能とならないと判定されたときに、変動表示の中断を案内する(図10(e)の変動中断右打ちナビ演出)案内手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図25のS504,S505、図23のS802等)とを備える。
このような構成によれば、変動表示の開始段階で遊技の興趣を低下させないようにすることができる。
(2) 前記(1)に記載の遊技機において、
前記可変入賞手段内に設けられ、前記可変入賞手段内に進入した遊技媒体を前記行先切替部材の手前側で保持可能な保持部材(図2の保持部材720)と、
前記保持部材を、遊技媒体を保持可能な第1状態と、遊技媒体を保持不可能な第2状態とのいずれかに制御する保持制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図12のS309,S310、図17のS433,S434、図18のS442〜S444)とをさらに備え、
前記保持部材が前記第1状態のときに、前記可変入賞手段内に進入した遊技媒体が前記行先切替部材に到達せずに前記特定領域に進入不可能となり(図2(A))、
前記保持部材が前記第2状態のときに、前記可変入賞手段内に進入した遊技媒体が前記行先切替部材を経て前記特定領域に進入可能となる(図2(B))。
このような構成によれば、可変入賞手段への遊技媒体の進入タイミングによらず、進入して保持部材に保持された遊技媒体の保持が解除されるタイミングにより、特定領域に進入可能とするタイミングを調整することができる。
(3) 前記(1)または(2)に記載の遊技機において、
遊技媒体が進入可能な中断条件成立領域(機械役物15の入賞領域)をさらに備え、
前記中断手段は、前記中断条件成立領域に遊技媒体が進入したことに基づいて前記中断条件が成立したと判断して前記変動表示手段の変動表示を中断させる(図19のS152,S152、図20のS420〜S424、図21のS461〜S463、図12のS312〜S314による変動表示の中断等)。
このような構成によれば、中断条件成立領域に遊技媒体を進入させるという、遊技者の発射操作により中断条件を成立させることができることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記案内手段による変動表示の中断の案内を許可する案内条件(図14のS97等によるV入賞可能性予測演算により所定回数V入賞不可能と判定されたという条件)が成立したか否かを判定する案内判定手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図25のS501〜S503等)をさらに備え、
前記案内手段は、前記案内判定手段により前記案内条件が成立したと判定されたときに、前記案内をする(図25のS504〜S507)。
このような構成によれば、変動表示の中断の案内がされるか否かについて、遊技者を遊技に注目させることができる。
(5) 前記(4)に記載の遊技機において、
前記案内判定手段は、前記始動領域とは異なる演出領域(演出用ゲート)に遊技媒体が進入したことに基づいて、前記案内条件が成立したか否かの判定をする(変形例の「演出用ゲートを用いた変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出の判定」等)。
このような構成によれば、案内条件が成立したか否かの判定をする遊技が単調となることを防止できる。
(6) 前記(1)〜(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記案内条件は、前記判定手段により遊技媒体が前記特定領域に進入可能とならないと判定されていないときでも前記案内をするときがある(変形例の「偽変動中断右打ちナビ演出等の偽ナビ演出の制御」等)。
このような構成によれば、変動表示の中断の案内と、遊技媒体の特定領域への進入との関係のバリエーションが増えることに基づいて遊技の興趣を向上させることができる。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 小当り可変入賞球装置の内部構成を正面から見た状態の縦断面図である。 当り種別表を示す図である。 主基板(遊技制御基板)等における回路構成の一例を示すブロック図である。 各乱数を示す説明図である。 当り判定テーブルを示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 V入賞可能予測例とV入賞不可能予測例とを示すタイミングチャートである。 小当り遊技状態においてV入賞可能であると予測されたときの遊技制御例を示すタイミングチャートである。 小当り遊技状態においてV入賞不可能であると予測されたときの遊技制御例を示すタイミングチャートである。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 V入賞可能性予測処理を示すフローチャートである。 小当り開放前処理(S308)を示すフローチャートである。 小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。 小当り終了処理(S309)を示すフローチャートである。 役物プロセス処理を示すフローチャートである。 役物開放前処理を示すフローチャートである。 役物開放中処理を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 小当り演出設定処理を示すフローチャートである。 演出図柄変動中処理を示すフローチャートである。 小当り時操作関連処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機1に設けられた小当り可変入賞球装置87の内部構成を正面から見た状態の縦断面図である。まず、以下においては、パチンコ遊技機1の全体構成から説明し、適宜、小当り可変入賞球装置87の内部構成を説明する。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠(図示せず)と、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2とを有する。
ガラス扉枠の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4、および遊技媒体としての遊技球を打球として発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の奥手には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技領域7には、多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域7の中央付近には、特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種の演出表示をすることが可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する変動表示手段として、特別図柄を変動表示する特別図柄表示器8aが設けられている。
特別図柄表示器8aは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されている。演出表示装置9の表示画面において、特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられている。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄とも呼ばれる)を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリア)が形成される。
特別図柄表示器8aは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄表示器8aで特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行すれば、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
この実施の形態では、特別図柄表示器8aと演出表示装置9とのそれぞれを変動表示部(可変表示部)と呼ぶ場合があり、これらをまとめて変動表示部(可変表示部)と呼ぶ場合がある。また、この実施の形態では、特別図柄表示器を1つのみ備える例を示すが、特別図柄表示器は、たとえば、2つ等の複数備えてもよい。
遊技領域7の下方には、大当り可変入賞球装置20が設けられている。大当り可変入賞球装置20は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口を備えており、大当りが発生すると、ソレノイド21の働きによって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れ、遊技球が進入(入賞)可能となる。大当り可変入賞球装置20に遊技球が入賞すると、1個ごとに所定個数の賞球が払出される。
このパチンコ遊技機1では、第1大当りと第2大当りとを含む複数種類の大当りを発生させることが可能である。第1大当りは、特別図柄表示器8aに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたときに発生する。このような大当り図柄は、始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、特別図柄表示器8aの変動表示後、変動表示結果として特別図柄表示器8aに導出表示される。このように、特別図柄表示器8aによる特別図柄の変動表示を経由して大当り遊技状態となることを、「特別図柄経由の大当り」と称する。
第2大当りは、小当り遊技状態となることによって小当り可変入賞球装置87における入賞口(以下、小当り入賞口と呼ぶ場合がある)が開放しているときに入賞した遊技球が、後述するV入賞領域71に進入した場合に発生する。小当り遊技状態は、特別図柄表示器8aに小当り図柄(小当り表示結果)が導出表示されたときに発生する。このような小当り図柄は、始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づく抽選により小当りとする決定がされたときに、特別図柄表示器8aの変動表示後、変動表示結果として導出表示される。このように、小当り遊技状態を経由して大当り遊技状態となることを、「小当り経由の大当り」と称する。
第1大当りおよび第2大当りのいずれも、同じ大当り遊技状態(大当り状態ともいう)を発生させる。大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、大当り可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、大当り可変入賞球装置20が開放(大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、大当り可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、大当り可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
大当り可変入賞球装置20の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。大当り可変入賞球装置20へは、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞させることが可能である。なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれか一方に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への入賞が可能となるように、障害釘やその他の構造物によって大入賞口への入賞ルートを制限してもよい。
遊技領域7の中央部に設けられる演出表示装置9の天辺から見て、左側の遊技領域7を左側遊技領域または第1遊技領域と称し、右側の遊技領域7を右側遊技領域または第2遊技領域と称する。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。打球操作ハンドル5の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域7に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へと誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へと誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域7のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球のみが進入可能な構造物として、始動入賞口13、および、機械式の可変入賞球装置としての機械役物15が設けられている。また、それぞれに進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、始動入賞口13の内部には始動口スイッチ13aが、機械役物15の内部には変動中断入賞スイッチ15aが、それぞれ設けられている。
一方、遊技領域7のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球のみが進入可能な構造物として、変動中断可能化入賞口14と、小当り可変入賞球装置87とが設けられている。変動中断可能化入賞口14に進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、変動中断条件成立スイッチ14aが設けられている。小当り可変入賞球装置87は、小当り遊技状態となったときに開放される可変入賞球装置であり、前方を透光性(透明性)を有するカバー体871で覆われた小当り可変入賞球ユニット870内に設けられており、内部構造が遊技者から視認可能に構成されている。小当り可変入賞球装置87に進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、小当りカウントスイッチ24AとV入賞スイッチ24Bと(図2参照)が設けられている。
始動入賞口13は、上部に開口部が形成され、特別図柄の変動表示を開始するための始動入賞球として、いつでも遊技球が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。変動中断可能化入賞口14は、始動入賞口13と同様に上部に開口部が形成され、変動表示結果が小当り表示結果となり小当り可変入賞球装置87が開放されたときにV入賞可能とならないと予測されたときに、V入賞可能にするために特別図柄の変動表示を中断させる条件(中断条件)を成立可能とするために、機械役物15を開放させるための遊技球がいつでも進入(入賞)可能な入賞口構造物である。小当り可変入賞球装置87は、特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて小当り遊技状態となると、一定期間(たとえば、1秒間)開成することによって、遊技者にとって不利な状態(閉状態)から有利な状態(開状態)に変化する入賞構造物である。
機械役物15は、遊技球が進入可能な遊技者にとって有利な状態と、遊技球が進入不可能な遊技者にとって不利な状態とに変化する可変入賞球装置としての役物であり、入口部分にチューリップ状の開成翼片(左右一対形状)を備え、開成翼片の上方に、開成翼片が閉鎖状態での遊技球の進入を制限するストッパ部材が設けられている。機械役物15は、変動中断可能化入賞口14と所定構造の連結部材17を介して機械的に接続され、開成翼片が連結部材17により駆動され得る。変動中断可能化入賞口14に遊技球が進入したときには、当該遊技球が連結部材17に作用して、連結部材17が機械役物15の入賞口(以下、作動口とも呼ぶ)を開放する機械的な動作が行なわれる。このような開放状態は、遊技球が機械役物15に進入するまで継続され、遊技球が機械役物15に進入すると、進入した遊技球の作用により機械役物15が機械的に閉鎖状態となる。小当り表示結果となる変動表示において、小当り可変入賞球装置87が開放されたときにV入賞可能とならないと予測されたときにV入賞可能とするために、機械役物15の作動口に遊技球が進入すると、特別図柄の変動表示の中断条件を成立させ、特別図柄の変動表示を中断させる制御が行なわれる。
始動入賞口13および機械役物15については、左遊技領域から遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら第1始動入賞口13および機械役物15に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。
変動中断可能化入賞口14および小当り可変入賞球装置87については、右遊技領域から遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら変動中断可能化入賞口14および小当り可変入賞球装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球は、右遊技領域の変動中断可能化入賞口14および小当り可変入賞球装置87のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。また、右遊技領域に打分けられた遊技球は、左遊技領域の始動入賞口13および機械役物15のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は左遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
ここで、図2を参照して、小当り可変入賞球装置87の構成を説明する。なお、以下の説明では、パチンコ遊技機1を正面からみたときの上下左右方向を基準として説明する。
小当り可変入賞球ユニット870(図1参照)は、遊技盤6における遊技領域7の右下方位置(変動中断可能化入賞口14の下方位置)に取付けられる基体と、その基体の前方を被覆するカバー体871(図1参照)とから構成され、基体には、図2に示すような小当り可変入賞球装置87を構成する各部位が一体的に設けられる。カバー体871は、透光性を有する合成樹脂材で構成されており、カバー体871の前側から、図2に示すような遊技球流路を含む小当り可変入賞球装置87の構成が視認可能であり、遊技球流路を流下する遊技球が視認可能である。
この実施の形態では、小当り可変入賞球ユニット870は、カバー体871が透光性を有する合成樹脂材で構成されることにより遊技球流路を流下する遊技球が視認可能であるが、これに限らず、非透光性の合成樹脂材からなるカバー体に遊技球が通過不能な孔部(窓部)等を設けることにより、流下する遊技球を視認可能とする構成を用いてもよいし、流下する遊技球を視認できないようにしてもよい。
小当り可変入賞球装置87は、基体の背面側に設けられるソレノイド(図4のソレノイド22)によって開閉駆動される入賞口扉711(図1に図示)を備え、その入賞口扉711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する小当り入賞口712を形成する。小当り入賞口712は、小当り可変入賞球装置87の上端部において上向きに開放するように形成されている。入賞口扉711は、ソレノイド22の駆動によって小当り入賞口712を閉鎖する第2状態(閉鎖状態)と小当り入賞口712を開放する第1状態(開放状態)との間で揺動可能に設けられている。小当り遊技状態において、小当り可変入賞球装置87は、入賞口扉711が所定時間(たとえば、1秒間)開放され、遊技球が小当り入賞口712に進入可能な状態となる。
小当り可変入賞球装置87では、入賞口扉用のソレノイド22がオン状態であるときに入賞口扉711が小当り入賞口712を開放状態として、遊技球が小当り入賞口712を通過(進入)し易くする。その一方で、入賞口扉用のソレノイド22がオフ状態であるときに入賞口扉711が小当り入賞口712を閉鎖状態として、遊技球が小当り入賞口712を通過(進入)できなくする。このように小当り入賞口712は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が小当り入賞口712を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が小当り入賞口712を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
小当り入賞口712を通過(進入)する遊技球は、小当り入賞口712内に設置された小当りカウントスイッチ24Aを通過することで、該小当りカウントスイッチ24A内によって検出される。小当りカウントスイッチ24Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払出される。こうして、小当り可変入賞球装置87において開放状態となった入賞口712を遊技球が通過(進入)したときには、例えば始動入賞口13のような、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払出される。したがって、小当り可変入賞球装置87において小当り入賞口712が開放状態となれば、その小当り入賞口712に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、小当り可変入賞球装置87において小当り入賞口712が閉鎖状態となれば、小当り入賞口712に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
カバー体871の背面には、図2に示すように、背面側に向けて突出する壁体603が形成されており、カバー体871が基体に取付けられることで、該壁体603とカバー体871と基体とで、小当り可変入賞球装置87において小当り入賞口712を通過した遊技球が流下可能な遊技球流路750を形成する。遊技球流路750は、上方から下方に向けて延設され、小当り入賞口712に進入した遊技球が壁体603の右側壁に沿うように流下する主経路740(図2中実線に沿う領域)と、該主経路740の途中から左側に分岐する分岐路741(図2中点線に沿う領域)と、を有する。また、主経路740と分岐路741との間には、後述する第3規制部材としての移動部材730が配設されており、主経路740における移動部材730の上流側に第1分岐部742が設けられ、移動部材730の下流側に第2分岐部743が設けられる。つまり、主経路740を流下する遊技球は、第1分岐部742または第2分岐部743から分岐路741側に移動可能とされている。
主経路740の最下流部には、最下流部遊技球が通過可能なV入賞スイッチ24Bが設置されており、遊技球は、該V入賞スイッチ24Bを通過することで、該V入賞スイッチ24Bによって検出される。このような主経路740の最下流部に設けられた領域がV入賞領域71を形成している。V入賞スイッチ24Bを通過した遊技球は、基体に形成されたV貫通孔610および遊技盤6に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤6の背面側に誘導される。また、分岐路741の最下流部に到達した遊技球は、基体601に形成された貫通孔611および遊技盤6に形成された図示しない貫通孔を介して、遊技盤6の背面側に誘導される。なお、基体の背面側において、V入賞せずに遊技盤6の背面側に誘導された遊技球を検出する非V入賞スイッチ24Cを設けてもよい。
主経路740における第2分岐部743の上流側には、1つの遊技球を保持可能であり遊技球のV入賞スイッチ24Bへ向けての流下を規制または許容する(遊技球通路の開閉をする)ための第1規制部材としての保持部材720が設けられている。該保持部材720は、帯板状に形成され、図5に示すソレノイド46の駆動によって主経路740内に突出することで、主経路740を流下する遊技球のV入賞スイッチ24Bへ向けての流下を規制する規制状態(図2(A)の閉状態参照)と、主経路740内から背面側に退避することで遊技球の主経路740でのV入賞スイッチ24Bへ向けての流下を許容する許容状態(図2(B)の開状態参照)と、の間で前後方向にスライド可能に設けられており、ソレノイド46がオフ状態のときに規制状態となり、オン状態のときに許容状態となる。保持部材720は、小当り入賞口712が閉鎖状態となったときから所定時間(たとえば、1秒間)にわたって許容状態に制御される。
小当り遊技中にV入賞した遊技球がV入賞スイッチ24Bによって検出されたことに基づき、小当り遊技終了後の遊技状態が大当りとなり、大当り遊技状態に制御される。このような小当りを経由した大当りは、特別図柄の変動表示に基づいて発生する第1大当りとは異なる大当りとして、第2大当りとばれる。
保持部材720の上面には、上方に向けて開口する凹部が形成されている。このため、保持部材720が規制状態であるときに主経路740を流下してきた遊技球は、保持部材720により流下が規制されるとともに、凹部内に載置されて安定して保持される。
また、主経路740における第2分岐部743の下流側(保持部材720の下流側)には、遊技球のV入賞スイッチ24Bへ向けての流下を規制および許容する(V入賞領域71を構成する遊技球通路の開閉をする)ことにより遊技球の行先を切替える第2規制部材として切替部材721が設けられている。切替部材721は、図4に示すソレノイド47の駆動によって主経路740内に突出することで、遊技球の主経路740でのV入賞スイッチ24Bへ向けての流下を規制する規制状態(図2(A)の閉状態)と、主経路740内から退避することで遊技球の主経路740でのV入賞スイッチ24Bへ向けての流下を許容する許容状態(図2(B)の開状態参照)と、の間で前後方向にスライド可能に設けられており、ソレノイド47がオフ状態のときに規制状態となり、オン状態のときに許容状態となる。
切替部材721の上部は平坦な平坦面に形成されているとともに、該平坦面721aは、正面視で分岐路741側に向けて下方に所定角度の傾斜を成すように主経路740に設けられている。このため、切替部材721が規制状態であるときに主経路740を遊技球が流下してくると、該遊技球は切替部材721の上部に形成された平坦面に沿って第2分岐部743を経由して分岐路741に向けて流下するように誘導される。
切替部材721は、パチンコ遊技機1の電源が投入され、パチンコ遊技機1の動作が開始されたときから継続して、所定間隔(例えば、2秒間隔)ごとに許容状態と規制状態とに切り替わる動作を繰り返すように制御される。
第2分岐部743には、前後方向を向く枢軸731によって第3規制部材としての移動部材730が回動可能に枢支されている。移動部材730は、上端が枢軸731により枢支された板状部材からなり、切替部材721の平坦面で誘導される遊技球が主経路740側から接触したときに主経路740側から分岐路741側へ通過可能となるように移動(回動)可能な部材である。具体的には、主経路740と分岐路741との間を開放するように傾斜する許容位置と、主経路740と分岐路741との間を閉鎖する規制位置との間で回動可能に設けられている。
基体の前面における枢軸731の下方位置にはリブ801が突設されているとともに、枢軸731の左側にはリブ802が突設されている。リブ801,802の突出寸法は、は、遊技球が遊技球流路750をリブ801,802に遮られること無く流下可能となるように制限されている。移動部材730は、規制位置において、上端から下端に向けて分岐路741側に向けて若干傾いた状態に維持されるため、平坦面で誘導される遊技球が移動部材730に当接することで容易に回動する。
リブ801は、移動部材730が規制位置にあるときに該移動部材730の主経路740側に当接することで、移動部材730の反時計回り方向への回動を規制する。このリブ801が移動部材730に当接する規制位置では、移動部材730の先端部と第2分岐部743の底面743aとの間の幅寸法が遊技球の直径よりも短寸である。
また、リブ802は、移動部材730が許容位置にあるときに該移動部材730の分岐路741側に当接することで、移動部材730の時計回り方向への回動を規制する。このリブ802が第3規制部材に当接する許容位置では、移動部材730の先端部と第2分岐部743の底面743aとの間の幅寸法が遊技球の直径よりも長寸に形成される。つまり、移動部材730の回動は、これらリブ801,802で規制されている。移動部材730のリブ801,802間での回動範囲はたとえば、約40度である。
移動部材730は、通常は自重により規制位置に配置されており、該規制位置では、平坦面721aで誘導される遊技球が主経路740側(正面視で右側)から当接することで、該遊技球により押されて許容位置を上限に正面視で時計回り方向に回動する。
このとき、移動部材730の先端部と第2分岐部743の底面743aとの間の上下幅寸法が遊技球の直径よりも短寸から、直径よりも長寸に変化し、主経路740側から分岐路741側への遊技球の移動が許容される。
一方、移動部材730が規制位置にあるときは、遊技球が分岐路741側(正面視で左側)から当接したとしても、リブ801により移動部材730の反時計回り方向への回動が規制される。このとき、移動部材730の先端部と第2分岐部743の底面743aとの間の上下幅寸法は、遊技球の直径Rよりも短寸且つ遊技球が通過不能な値に維持されるため、分岐路741側からV入賞スイッチ24Bが設けられている主経路740側への遊技球の移動が確実に規制される。
特別図柄の変動表示結果として小当り表示結果が導出表示されて小当りが発生すると小当り遊技状態に制御され、該小当り遊技状態において小当り入賞口712が1秒間開放される。この小当り入賞口712が開放されている状態で遊技球が小当り入賞口712に入賞(進入)すると、該遊技球は先ず、第2カウントスイッチ24Aを通過し、第2カウントスイッチ24Aで遊技球が検出されたことに基づいて、所定数の遊技球の払出が実行される。
第2カウントスイッチ24Aを通過した遊技球は、主経路740を流下していく。このとき、一部の遊技球は、第1分岐部742において分岐路741に進入し、そのまま分岐路741を流下していく。分岐路741を流下する遊技球は、最終的に遊技盤6の背面側に誘導される。一方、主経路740を分岐路741に進入せずに流下する遊技球は、規制状態である保持部材720で流下が規制され、小当り入賞口712が閉鎖されるまでの開放期間にわたって保持部材720の凹部内に載置されて保持される。保持部材720上に載置される遊技球は1球のみであり、既に保持部材720上に遊技球が載置されている場合は、後続の遊技球は保持部材720上に載置された遊技球により主経路740への流下が規制され、第1分岐部742で分岐路741に誘導されて該分岐路741を流下していく。
遊技球流路750は、たとえば、第2カウントスイッチ24Aを通過した遊技球のうち大半(例えば、約90%)は主経路740を流下し、一部(例えば、約10%)の遊技球が分岐路741を流下する構造とされている。なお、遊技球流路750に関し、遊技球が主経路740と分岐路741とに誘導される割合は流路構造を変更することで種々に変更可能である。
小当り入賞口712が閉鎖されると、図2(B)に示すように、該小当り入賞口712の閉鎖と同時に保持部材720が1秒間にわたって許容状態となり、保持部材720に載置され流下が規制されていた遊技球が主経路740を流下してく。そして、図2(B)に示すように、切替部材721が許容状態となるタイミングで保持部材720が規制状態から許容状態となり、該保持部材720に載置されていた遊技球がV入賞スイッチ24Bに向けて流下すると、遊技球はそのままV入賞スイッチ24Bを通過する。そして、V入賞スイッチ24Bが遊技球を検出したことに基づき、第2大当りとなり、大当り遊技状態の制御が実行される。
一方、切替部材721が規制状態となるタイミングで保持部材720が規制状態から許容状態となり、保持部材720に載置されていた遊技球がV入賞スイッチ24Bに向けて流下すると、遊技球は切替部材721で流下が規制され、遊技球のV入賞スイッチ24Bへの通過が阻止される。V入賞スイッチ24Bへの通過が阻止された遊技球は、第2分岐部743に向けて下方に所定角度傾斜する切替部材721の平坦面を第2分岐部743に向けて転動していき、移動部材730に右方(主経路740側)から当接する。そして、移動部材730に右方から当接した遊技球は、移動部材730を押し上げて分岐路741に向けて移動する。
次いで、遊技球が第2分岐部743から分岐路741内へ移動すると、遊技球が移動部材730から離間し、移動部材730は自重により正面視で反時計回りに回転して規制位置に戻る。このとき、主経路740側から分岐路741側に移動する遊技球に勢いがあることで、分岐路741を構成する壁体603の一部に衝突して分岐路741内で主経路740側に向けて跳ね返ったり、分岐路741を流下してきた後続球に衝突する等して遊技球が主経路740側に向けて跳ね返されたときには、既に移動部材730が規制位置に戻っているため、遊技球は、主経路740側に向けて跳ね返ることにより移動部材730に当接することはあっても、移動部材730を押し込んで分岐路741側から主経路740側に戻る、つまり、遊技球の流路の下流側から上流側に逆流することが防止されるため、分岐路741を流下する。第1分岐部742から分岐路741を流下してきた遊技球が主経路740側に逆流することも防止される。
このように、移動部材730は、遊技球流路750における第2分岐部743で主経路740側、つまり、遊技球流路750におけるV入賞スイッチ24Bが設けられた右側領域から、分岐路741側、つまり、遊技球流路750における左側領域へ移動しようとする遊技球に対しては、常に主経路740側から分岐路741側への移動を許容する許容位置に位置する許容状態となる一方で、分岐路741側から主経路740側へ移動しようとする遊技球に対しては、常に分岐路741側から主経路740側への移動を規制する規制位置に位置する規制状態となる。
また、移動部材730は、リブ802に当接することにより許容位置で回動規制されるようにする(許容位置方向への回動範囲を極力小さくする)ことで、例えば、主経路740側から誘導される遊技球に押されたときの衝撃により大きく回動して規制位置への戻りが遅くなることが防止される。つまり、バネ等の付勢部材を使用しなくても、遊技球の通過を許容した後、移動部材730の自重のみで極力早く規制位置側に復帰させることができる。
以上のように、パチンコ遊技機1では、特別図柄の変動表示結果が小当り表示結果となったことに基づいて、遊技球が進入不可能または進入し難い閉鎖状態から進入可能な開放状態に変化する小当り可変入賞球装置87に進入した遊技球が第1領域であるV入賞スイッチ24Bを通過したことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
また、小当り可変入賞球装置87には、主経路740側つまり、遊技球流路750におけるV入賞スイッチ24Bが設けられた右側領域から、分岐路741側、つまり、遊技球流路750におけるV入賞スイッチ24Bが設けられていない左側領域への移動は許容するが、分岐路741側から主経路740側からへの移動は許容しない通過防止手段としての移動部材730、リブ801、底面743aが設けられていることで、小当り可変入賞球装置87内に進入した遊技球は、通過防止手段により主経路740側から分岐路741側への通過は許容されるが、分岐路741側から主経路740側への通過は許容されない。
これにより、切替部材721により主経路740側から分岐路741側へ誘導されたにも関わらず、遊技盤6の裏面側へ誘導されずに分岐路741を構成する壁体603の一部に衝突して跳ね返ったり、あるいは、第1分岐部742から分岐路741に誘導された後続球等に衝突すること等によって、該主経路740側から分岐路741側へ誘導された遊技球が、分岐路741側から主経路740側へ逆流することが規制されるため、V入賞スイッチ24Bへの通過が規制されることにより、大当り遊技状態に制御されない(ハズレとなる)状態となるべく誘導された遊技球が逆流してV入賞スイッチ24Bを通過することが規制されるので、第2大当り遊技状態に過度に制御されることが防止される。
また、主経路740における第1分岐部742から分岐路741側に分岐誘導された遊技球が、その下流側の第2分岐部743で主経路740に合流してV入賞スイッチ24Bを通過することも防止される。
また、主経路740におけるV入賞スイッチ24Bの上流側近傍位置には、遊技球がV入賞スイッチ24Bを通過可能な開放状態である許容状態と通過不可能または通過し難い閉鎖状態である規制状態とに所定間隔(例えば、2秒間隔毎)で変化する可動部としての切替部材721が設けられていることで、小当り可変入賞球装置87内に進入した遊技球がV入賞スイッチ24Bを通過可能な開放状態に変化するタイミングでV入賞スイッチ24Bに到達するか否かに注目させることができるので、興趣が向上する。
また、図2(A),(B)等に示すように、小当り可変入賞球装置87に遊技球が進入したときに、保持部材720により保持され、保持部材720による保持が解除されたときにV入賞領域71に遊技球が進入可能となるので、小当り可変入賞球装置87への遊技球の進入タイミングによらず、進入して保持部材720に保持された遊技媒球の保持が解除されるタイミングにより、V入賞領域71に進入可能とするタイミングを調整することができる。
なお、本実施例では、切替部材721は、2秒間隔毎に許容状態と規制状態とに変化するように設定されていたが、所定間隔で変化するようになっていれば、2秒間隔毎に変化するようになっていてもよいし、第1時間(例えば、1秒)にわたり許容状態となった後、第2時間(例えば、2秒)にわたり規制状態となる一定の動作パターンを繰り返すようにしてもよい。また、このように所定間隔で変化するものに限定されるものではなく、例えば、小当り入賞口712の開放等に応じて所定の動作態様で動作するようにしてもよい。
また、保持部材720は、小当り入賞口712の閉鎖後に1秒間許容状態に変化するように設定されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小当り入賞口712の開放中から許容状態に変化していてもよいし、小当り入賞口712の閉鎖後、所定時間が経過してから許容状態に変化するようにしてもよい。また、切替部材721のように、所定間隔毎に許容状態と規制状態とに変化するように設定されていてもよい。
また、切替部材721は、規制状態において遊技球を分岐路741側に向けて誘導する傾斜誘導面としての平坦面を備えていることで、切替部材721が規制状態にあるときは、遊技球は平坦面721aにより分岐路741側に誘導され、許容状態となるまで遊技球が切替部材721に留まることが防止されるため、小当り可変入賞球装置87内に進入した遊技球がV入賞スイッチ24Bを通過可能な許容状態に変化するタイミングでV入賞スイッチ24Bに到達するか否かにより注目させることができる。
また、主経路740に保持部材720および切替部材721が設けられていたが、これら保持部材720および切替部材721は必ずしも設けなくてもよいし、切替部材721のみが設けられていてもよい。
また、通過防止手段は、遊技球が主経路740側から接触したときに該遊技球が分岐路741側へ通過可能となるように移動する移動部材としての移動部材730と、遊技球が分岐路741側から接触したときに該遊技球が主経路740側へ通過可能となるように移動部材730が正面視反時計回りに回動することを規制するリブ801と、から構成されていることで、移動部材730の回動をリブ801により規制する簡易な構成で、遊技球の分岐路741側から主経路740側への通過を防止することができる。
小当り可変入賞球装置87においては、内部が、V入賞領域71とそれ以外の領域とに分けられており、小当り遊技状態において入賞口扉711が開放されたときに、小当り可変入賞球装置87の入賞口から進入した遊技球のすべてが小当りカウントスイッチ24Aにより検出され、そのうち、V入賞領域71に進入した遊技球はV入賞スイッチ24Bによって検出される。遊技球が小当りカウントスイッチ24Aにより検出されると、1個ごとに所定個数の賞球が払出される。
また、小当り可変入賞球装置87においては、進入した遊技球を切替部材721の手前側で保持可能な保持部材720が設けられる。保持部材720が遊技球を保持可能な状態では、遊技球が保持部材720に保持されるか、または、分岐路741側に流下させられることにより、切替部材721の位置まで到達せずに、V入賞領域71に進入不可能となる。保持部材720が遊技球を保持不可能な状態では、たとえば保持されていた遊技球が切替部材721の位置まで到達し、切替部材721が主経路740内から退避した状態となっていれば、遊技球がV入賞領域71に進入可能となる。小当り遊技状態において遊技球がV入賞領域71に進入してV入賞スイッチ24Bによって検出されると、V入賞となり、第2大当りが発生し、大当り可変入賞球装置20が開放される大当り遊技状態に制御される。
変動中断可能化入賞口14および小当り可変入賞球装置87については、右遊技領域から遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら変動中断可能化入賞口14および小当り可変入賞球装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である始動条件(実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての始動入賞口13を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。また、始動入賞口13のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。
特別図柄表示器8aの上方には、始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
パチンコ遊技機1には、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図4参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図4参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図4参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図4参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図4参照)が設けられている。
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。
特に、パチンコ遊技機1は、左右の打分け遊技を経て第2大当りを発生可能とする遊技性を備えている。すなわち、まず、左打ちによって遊技球が始動入賞口13に進入するように遊技する。上手い具合に遊技球が始動入賞口13に進入すると、特別図柄表示器8aで特別図柄が変動表示を開始し、その表示結果が小当り表示結果となり、小当り遊技状態になれば、右遊技領域側の小当り可変入賞球装置87が開放する。すると、左打ちから右打ちに切替えて小当り可変入賞球装置87を狙い遊技球を発射する。小当り可変入賞球装置87は、開放回数が1回でしかも短い時間に限られているが、首尾よく小当り入賞口712から遊技球を進入させ、さらに、V入賞領域71に進入させてV入賞を得ることができれば、第2大当りが発生し、大当り可変入賞球装置20が開放する。すると、右打ちから左打ちに切替えて大当り可変入賞球装置20を狙い遊技球を発射する。このようにすれば、第2大当りの大当り遊技状態中における可変入賞球装置20への遊技球の入賞が得られ、その入賞に応じた賞球が払出される。
このように、パチンコ遊技機1では、「小当り経由の大当り」である第2大当りを発生させるために、左右の打分け遊技を必要としている。パチンコ遊技機1では、左打ちをすることに基づいて、特別図柄の変動表示をさせるが、変動表示の結果、小当り遊技状態となったときの小当り可変入賞球装置87の開放時間を、小当り表示結果が導出された段階(小当り可変入賞球装置87の開放する段階)で左打ちから右打ちに切替えたのでは、小当り可変入賞球装置87へ遊技球を入賞させることができない程度の短い時間(1秒間)に設定している。小当り遊技状態において小当り可変入賞球装置87に遊技球を入賞させなければ、第2大当りを発生させるためのV入賞を発生させることができない。このため、小当り経由の第2大当りを発生させるためには、特別図柄の小当り表示結果が導出される前に、それを察知して左打ちから右打ちに切替える動作が必要となる。もちろん、遊技者が直接これを察知することは不可能である。そこで、パチンコ遊技機1では、特別図柄の小当り表示結果が導出される前に、右打ちに切替えることを案内する発射案内演出であるV入賞ナビ演出が実行される。このようなV入賞ナビ演出は、右打ちナビ演出とも呼ばれる。遊技者は、このようなV入賞ナビ演出を頼りに左打ちから右打ちに切替えることによって、小当り遊技状態における小当り可変入賞球装置87の短い開放時間に間に合せて遊技球を小当り可変入賞球装置87の小当り入賞口712へ打込むことが可能となる。その結果、小当り経由の第2大当りが発生可能となる。なお、小当り遊技状態における小当り可変入賞球装置87は、小当り表示結果が表示されてから遊技者が右打ちをしても、遊技球を小当り可変入賞球装置87の小当り入賞口712へ打込むことが間に合うような開放態様で開放するようにしてもよい。
したがって、本実施の形態によれば、特別図柄経由の第1大当りの他に小当り経由の第2大当りを発生させることにより、バラエティに富んだ遊技を提供できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。しかも、小当り経由の第2大当りは、遊技者の左右の打分け遊技を必要とするため、単に打球操作ハンドルを一定角度で握って大当りの発生を待つ遊技性とは異なる、面白みのある遊技性を提供できる。さらには、左右の打分け遊技によって大当りを発生させるのみであれば、遊技技量が影響して射倖性の観点で好ましくない結果となる可能性もあるが、V入賞ナビ演出によって、遊技技量の影響をあまり受けずに小当り当り経由の大当りを発生させることが可能となるため、射倖性を担保できるという効果も奏される。
しかし、前述したように、小当り可変入賞球装置87においては、V入賞領域71の上部に、小当り可変入賞球装置87の開閉状態とは関係なく所定時間周期(2秒周期)で、V入賞領域71への遊技球の流下について規制状態と許容状態とに変化する切替部材721が設けられている。そして、その切替部材721の上方には、V入賞領域71への遊技球の流下について、遊技球を保持可能であり小当り可変入賞球装置87の開状態では規制状態(遊技球の流下を規制する閉状態)であり、その後小当り可変入賞球装置87が閉状態となったときに、特定時間(1秒間)許容状態(遊技球の流下を許容する開状態)とに変化する保持部材720が設けられている。
したがって、小当り遊技状態において、小当り可変入賞球装置87に遊技球が進入しても、その進入タイミングと、切替部材721の動作状態と、保持部材720の動作状態との相関関係により、遊技球がV入賞し得る場合(V入賞可能状態)と、遊技球がV入賞し得ない場合(V入賞不可能状態)とが生じ得る。そして、そのような遊技球がV入賞するか否かは、小当り表示結果となる変動表示の開始時点において、特別図柄の変動表示結果が小当り表示結果となるときの変動時間、小当り表示結果となるときの小当り表示結果が導出表示された直後に開放される小当り可変入賞球装置87の開放時間、小当り可変入賞球装置87の閉鎖後に閉状態(保持状態)から開状態(非保持状態)に変化する保持部材720の閉状態時間、および、小当り可変入賞球装置87における切替部材721の変動開始時の制御状態等の小当りに関する各種情報に基づいて、小当り遊技状態におけるV入賞の可能性を予測する演算としてのV入賞可能性予測演算をすることにより、判定することができる。
そこで、パチンコ遊技機1においては、このような小当り遊技状態において、明らかに遊技球がV入賞し得ない状況が生じるのを防ぐために、小当り表示結果となる変動表示の開始時点において、V入賞可能性予測演算を実行して、当該変動表示が、V入賞し得る(V入賞可能な)小当り遊技状態と、V入賞し得ない(V入賞不可能な)小当り遊技状態とのどちらになるかを予測する判定をする。そして、その判定結果がV入賞不可能な小当り遊技状態となるものであるときには、小当り表示結果となる変動表示を、所定の中断条件の成立に基づいて、予め定められた時間に亘り中断可能とすることにより、変動表示の終了時間を変化させることに伴なって、小当り可変入賞球装置87の開放状態のタイミング、および、保持部材720の許容状態のタイミングを変化させることにより、V入賞可能な小当り遊技状態に変更可能とする制御が行なわれる。このような制御は、変動中断制御と呼ばれる。
このような変動中断制御をするための中断条件を遊技者が成立させることができるようにするために、遊技領域7においては、前述した変動中断可能化入賞口14と機械役物15とが設けられる。前述のようなV入賞可能性予測演算の結果、V入賞不可能な小当り遊技状態となると判定されたときには、たとえば特別図柄の変動表示時から、変動表示の中断を案内する変動中断ナビ演出として、変動中断可能化入賞口14を狙った右打ちの発射案内をする変動中断右打ちナビ演出が実行される。変動中断右打ちナビ演出では、たとえば、「V入賞を狙う第1ステップのための右打ち!」というような変動表示の中断を可能化する第1段階のために右打ちの発射案内のメッセージが表示される。遊技者がこのような変動中断右打ちナビ演出に従って右打ちをして、変動中断可能化入賞口14に遊技球が進入すると、その進入に応じた機械的な連動により、機械役物15が開放状態となる。
機械役物15が開放状態となるとき、変動中断可能化入賞口14への遊技球の入賞が変動中断条件成立スイッチ14aにより検出されるが、その検出に基づいて、変動中断ナビ演出として、機械役物15を狙った左打ちの発射案内をする変動中断左打ちナビ演出が実行される。変動中断左打ちナビ演出では、たとえば、「V入賞を狙う第2ステップのための左打ち!」というような変動表示の中断を可能化する第2段階のために左打ちの発射案内のメッセージが表示される。遊技者がこのような変動中断左打ちナビ演出に従って左打ちをして、機械役物15に遊技球が進入すると、機械役物15が機械的に閉鎖される。機械役物15への遊技球の進入が変動中断入賞スイッチ15aにより検出され、その検出に基づいて、特別図柄の変動表示、および、それに対応する演出図柄の変動表示が所定時間(1秒間)に亘り中断される。
変動表示の中断中には、変動表示が中断されていることを特定可能に演出表示装置9等で報知する変動中断報知演出が実行される。変動中断報知演出では、たとえば、「変動中断中!」というような、変動表示の中断状態を特定可能な演出が実行される。このように変動表示が中断すると、変動表示の終了タイミングが、変動表示の中断時間分だけ変更される(遅れる)ので、変動中断制御により、小当り可変入賞球装置87の開放タイミングと、保持部材720の許容タイミング(遊技球がV入賞領域71へ向けて流下可能なタイミング)とが変更される(遅れる)。これにより、これらタイミングと、切替部材721の許容タイミングとが合って、遊技球がV入賞し得えないと予測された小当り遊技状態が、V入賞可能なタイミングに変更され得る。なお、変動中断報知演出を実行せずに、変動表示していることを示す画像を継続して表示するようにしてもよい。その場合においては、中断時間により実質的な変動表示の開始時から終了時までの制御時間が当初の予定よりも延びるが、その延びた制御時間分は、変動表示の停止時の演出時間として用いること、または、特別な演出を挿入するような演出の演出時間として用いることにより、時間合せをしてもよい。
以上に説明したように、変動中断可能化入賞口14と、機械役物15とは、変動中断制御に用いられる遊技球の進入領域であるが、変動中断制御に用いられるため、入賞に対して賞球は払出されない。しかし、これに限らず、変動中断可能化入賞口14と、機械役物15とのそれぞれは、入賞に対して賞球が払出されるようにしてもよい。
図3は、当り種別表を示す図である。当り種別表には、当りの種別ごとに、当り発生条件、当り後の変動時間(特別図柄の変動時間)、当りにおける開放回数(ラウンド数)、および当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、当り種別として、小当り、第1大当り、および第2大当りが設けられている。
小当りは、特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行なわれる(特別図柄当り判定)。小当りが発生すると、小当り可変入賞球装置87が開放し、小当り遊技状態となる。小当り可変入賞球装置87の開放回数は1回であり、開放時間は1秒である。この開放時間は、遊技者が、特別図柄の表示結果が小当り表示結果となったことを確認して、打ち方を左打ちから右打ちに切替えても遊技球を小当り可変入賞球装置87へ入賞させるのに間に合わない時間の例示である。この時間開放は、遊技球の発射から、その遊技球が小当り可変入賞球装置87に到達するまでの平均時間を算出して定めることができる。たとえば、その平均時間が3秒程度であれば、小当り可変入賞球装置87の開放時間を3秒未満に設定してやればよい。あるいは、一定時間で遊技球を発射し、その最短到達時間を割り出し、その時間よりも短い時間に設定してもよい。
第1大当りは、特別図柄の表示結果が大当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示の表示結果を大当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行なわれる(特別図柄当り判定)。第1大当りが発生すると、大当り可変入賞球装置20が開放し、大当り遊技状態となる。大当り可変入賞球装置20の開放回数は15回であり、1回のラウンドの開放時間は29秒である。大当り遊技状態が終了すると、特別図柄の変動表示時間が通常時の変動表示時間よりも短くされた時短状態となる。時短状態は、大当り遊技状態が終了してから特別図柄の変動回数が100回に達するまで継続する。
ここで、時短状態を説明する。時短状態は、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一例である。時短状態は、特別図柄(演出図柄)の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常状態)よりも短縮される制御状態である。このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
第2大当りは、小当り可変入賞球装置87が開放状態のときに小当り入賞口712から内部に進入した遊技球が、V入賞領域71に進入してV入賞スイッチ24Bにより検出されてV入賞が発生した場合に発生する「小当り経由の大当り」である。第2大当りに基づいた大当り遊技状態、および大当り遊技状態終了後の制御は、第1大当りが発生した場合と同じであるので、説明を省略する。
図4は、主基板(遊技制御基板)31等における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、様々な判定に用いられる乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、始動口スイッチ13a(始動入賞口13に対応)、カウントスイッチ23(大当り可変入賞球装置20に対応)、小当りカウントスイッチ24A(小当り可変入賞球装置87に対応)、V入賞スイッチ24B(小当り可変入賞球装置87に対応)、変動中断条件成立スイッチ14a(変動中断可能化入賞口14に対応)、および、変動中断入賞スイッチ15a(機械役物15に対応)のそれぞれからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。
また、大当り可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、小当り可変入賞球装置87の入賞口扉711を開閉するソレノイド22、小当り可変入賞球装置87の保持部材720を動作させるソレノイド46、および、小当り可変入賞球装置87の切替部材721を動作させるソレノイド47を、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
小当り可変入賞球装置87の切替部材721を動作させるソレノイド47を駆動させるためのコントローラ90が、出力回路59に接続されている。コントローラ90は、パチンコ遊技機1の起動時(電源投入時)に出力回路59を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から起動信号を受信することでソレノイド47の駆動制御を開始する。コントローラ90がソレノイド47を駆動することにより、切替部材721は、遊技状態にかかわらず、前述のような規制状態と許容状態とを2秒間毎に繰返す(図2参照)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する特別図柄表示器8a、および、特別図柄保留記憶表示器18aの表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
CPU560は、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、および、小当りカウントスイッチ24A等のスイッチのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を払出制御基板37へ出力する。払出制御基板37は、払出制御用マイクロコンピュータが搭載され、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動し、賞球を払出させる制御をする。
図5は、各乱数を示す説明図である。図5においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(ランダム1):第1大当りにするか、小当りにするか、はずれにするかを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダム1は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
(ランダム2):特別図柄(装飾用(演出用)の演出図柄)の変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。
(ランダム3):特別図柄(装飾用(演出用)の演出図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。
変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、非時短状態で選択される変動パターン種別に含まれる変動パターンよりも変動時間が短く設定された変動パターン種別に含まれる変動パターンから変動パターンが選択される制御が行なわれたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする特別図柄の保留記憶数(特別図柄ととの合算保留記憶数)が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御が実行される。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常状態(非保留数短縮制御状態)で選択される変動パターン種別に含まれる変動パターンよりも変動時間が短く設定された変動パターン種別に含まれる変動パターンから変動パターンが選択される制御が行なわれたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
また、変動パターン種別と変動パターンとを別々に設定し、2段階の抽選処理によって変動パターンを決定するのではなく、変動パターン種別を設けずに変動パターン判定用乱数のみを用いて、1段段階で変動パターンを決定するようにしてもよい。
図6は、当り判定テーブルを示す説明図である。当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値および小当り判定値が設定されているテーブルである。始動入賞口13において始動口スイッチ13aにより遊技球の入賞(進入)が検出されたタイミングで抽出されたランダム1の抽出値が、当り判定テーブルに設けられた大当り判定値(第1大当り判定値)と一致したときに第1大当りとすることが決定され、当り判定テーブルに設けられた小当り判定値と一致したときに小当りとすることが決定される。当り判定テーブルでは、第1大当りとすることが決定される確率が1/300の割合に設定され、小当りとすることが決定される確率が60/300の割合に設定されている。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御の内容の一例を示す説明図である。図7においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において特別図柄の変動表示に対応した演出を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)は、特別図柄の表示結果がはずれに決定されていることを示す表示結果指定コマンドである。これに対して、コマンド8C02(H)は、特別図柄の表示結果が第1大当りに決定されていることを示す表示結果指定コマンドである。コマンド8C03(H)は、特別図柄の表示結果が小当りに決定されていることを示す表示結果指定コマンドである。コマンド8D01(H)は、特別図柄の変動表示を開始することを示す変動指定コマンドである。これらのコマンド8C01(H)および8D01(H)は、特別図柄を変動開始させるタイミングで送信される。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。コマンド9000(H)は、初期化を指定するコマンドである。コマンド9200(H)は、停電の復旧を指定するコマンドである。コマンド9F00(H)は、客待ちのデモンストレーションを指定するコマンドである。
コマンドA001(H)は、第1大当りの開始タイミングを指定するコマンドであって、第1大当りの開始のタイミングに合せて送信される。コマンドA002(H)は、第2大当りの開始タイミングを指定するコマンドであって、第2大当りの開始のタイミングに合せて送信される。コマンドA003(H)は、小当りの開始タイミングを指定するコマンドであって、小当りの開始のタイミングに合せて送信される。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口(大当り可変入賞球装置20)の開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301(H)は、第1大当りの終了タイミングを指定するコマンドであって、第1大当りの終了のタイミングに合せて送信される。コマンドA302(H)は、第2大当りの終了タイミングを指定するコマンドであって、第2大当りの終了のタイミングに合せて送信される。コマンドA303(H)は、小当りの終了タイミングを指定するコマンドであって、小当りの終了のタイミングに合せて送信される。
コマンドA401(H)は、始動入賞(始動入賞口13への入賞)があったことを指定する始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する時短状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、保留記憶数を示すコマンドである。コマンドC100(H)は、保留記憶数が1減算されることを示すコマンドである。なお、保留記憶数が増加したときの保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。
コマンドC2××(H)は、始動入賞時の入賞時判定結果(表示結果)を指定するコマンドである。コマンドC3××(H)は、始動入賞時の入賞時判定結果(変動パターン種別)を指定するコマンドである。
コマンドC400(H)は、小当り遊技状態となって小当り可変入賞球装置87の開放を開始することを指定する「小当り開始指定コマンド」である。コマンドC401(H)は、小当り遊技状態となって小当り可変入賞球装置87の開放を終了することを指定する「小当り終了指定コマンド」である。コマンドC402(H)は、小当り遊技状態でのV入賞の発生により第2大当りとなることが決定されたことを指定する「第2大当り決定指定コマンド」である。
コマンドC403(H)は、小当り表示結果となる特別図柄の変動表示において変動表示を中断する予定がされたことを指定する「変動中断予定指定コマンド」である。このコマンドは、前述のV入賞可能性予測演算に基づく予測結果がV入賞不可能とされたタイミングで送信される。コマンドC404(H)は、V入賞不可能であると予測された小当り表示結果となる変動表示において変動中断条件が成立したことを指定する「変動中断条件成立指定コマンド」である。このコマンドは、V入賞可能性予測演算に基づく予測結果がV入賞不可能とされた小当り表示結果となる変動表示中に、変動中断可能化入賞口14への遊技球の入賞が変動中断条件成立スイッチ14aにより検出されたタイミングで送信される。なお、図14のS97、および、図15のS222で実行されるV入賞可能性予測演算によるV入賞可能性の判定を実行するために必要な情報を演出制御用マイクロコンピュータ100で収集し、遊技制御用マイクロコンピュータ560ではなく、演出制御用マイクロコンピュータ100で、これらV入賞可能性予測演算によるV入賞可能性の判定を行なうようにしてもよい。その場合には、「変動中断予定指定コマンド」を送信する必要がなくなる。また、その場合には、小当り可変入賞球装置87の入賞口扉711の動作タイミングを特定可能なコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信するようにしてもよい。
コマンドC405(H)は、前述のような小当り表示結果となる変動表示において特別図柄の変動表示の中断が開始されたことを指定する「変動中断開始指定コマンド」である。このコマンドは、小当り表示結果となることが決定された変動表示が実行されるときにおいて、機械役物15への遊技球の入賞が、変動中断入賞スイッチ15aにより検出され、大当り可変入賞球装置20が開放状態となったことに応じて、特別図柄の変動表示の中断(変動時間の計測を中断)が開始されるタイミングで送信される。コマンドC406(H)は、機械役物15への遊技球の入賞に基づき大当り可変入賞球装置20が開放状態となったことに応じた特別図柄の変動表示の中断(変動時間の計測を中断)の開始後に、所定時間(1秒間)が経過して大当り可変入賞球装置20が閉鎖状態となったことに応じて変動表示の中断の終了条件が成立したときに、変動表示の中断が終了することを指定する「変動中断終了指定コマンド」である。このコマンドは、機械役物15への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の中断が、中断後の所定時間(1秒間)の経過に基づく大当り可変入賞球装置20の閉鎖に応じて変動表示の中断状態が終了するタイミングで送信される。
次に、特別図柄の変動表示結果が小当り表示結果となるときに、V入賞可能性予測演算に基づいて、どのようにしてV入賞可能とV入賞不可能とが予測されるかを説明する。この実施の形態では、小当り表示結果となるときの特別図柄の変動表示の変動時間が、一定時間(たとえば、10秒間)に設定される。小当り表示結果となるときの特別図柄の変動表示の変動時間は常に一定時間であるが、特別図柄の変動表示結果がはずれ表示結果となるときにも同じ変動時間の変動表示が実行されるときがあるので、変動時間の長さに基づいて遊技者が容易に小当り表示結果となることが予測可能とならないように変動時間が設定されている。なお、小当り表示結果となるときの特別図柄の変動表示の変動時間については、複数種類設け、いずれかの変動時間で小当りとなる変動表示が実行されるように制御してもよい。
図8は、V入賞可能予測例とV入賞不可能予測例とを示すタイミングチャートである。図8(A)にはV入賞可能予測例が示され、図8(B)にはV入賞不可能予測例が示されている。図8(A),(B)では、(a)に特別図柄の小当り時変動表示の状態(変動、停止)、(b)に小当り可変入賞球装置87の小当り入賞口712の状態(開、閉)、(c)に小当り可変入賞球装置87の保持部材720の状態(開、閉)、(d)に小当り可変入賞球装置87の切替部材721の状態(開、閉)がそれぞれ示されている。
図8(A),(B)を参照して、(a)に示すように、特別図柄の変動表示結果が小当り表示結果となるときの変動時間は10秒間である。(d)に示すように、切替部材721は、特別図柄の変動表示、および、その他の部材の動作とは無関係に、2秒周期で、開状態(V入賞可能状態)と閉状態(V不可能状態)とが繰返される。
図8(A),(B)を参照して、小当り表示結果が導出表示されて小当り遊技状態となったときには、(b)に示すように、小当り可変入賞球装置87の小当り入賞口712が1秒間に亘り開状態にされる。そして、(c)に示すように、小当り可変入賞球装置87の小当り入賞口712が閉鎖されたときに、保持部材720が1秒間に亘り開状態にされることにより、たとえば保持部材720に保持されていた遊技球等がV入賞領域71に向けて流下する。遊技球が保持部材720の位置からV入賞領域71の位置まで流下する時間は、たとえば保持された平均して0.5秒前後の極めて短時間であって、パチンコ遊技機1の設計段階で特定流下時間として規定されている。たとえば、保持部材720に保持された遊技球は、保持部材720が開状態になっていく途中で流下し始め、平均的に、保持部材720が全開状態となってから約0.5秒経過後にはV入賞領域71の位置に到達する。また、保持部材720が全開状態となってからV入賞領域71の位置に到達する時間のばらつきは、平均値から±0.5秒の範囲と想定される。
遊技球がV入賞領域71に向けて流下するときに、遊技球がV入賞領域71に到達する時点で図8(A)の(d)のように切替部材721が開状態になっていると、遊技球がV入賞可能となる。一方、遊技球がV入賞領域71に向けて流下するときに、遊技球がV入賞領域71に到達する時点で図8(B)の(d)のように切替部材721が閉状態になっていると、遊技球がV入賞不可能となる。
このように、小当り表示結果となる変動表示の変動時間(10秒)と、小当り遊技状態における小当り可変入賞球装置87の小当り入賞口712の開状態時間(1秒)と、小当り遊技状態における小当り可変入賞球装置87の小当り入賞口712の閉鎖後の保持部材720の開状態時間(1秒)と、遊技球の保持部材720の位置からV入賞領域71の位置までの特定流下時間(0.5秒)と、保持部材720が全開状態となってからV入賞領域71の位置に到達する時間のばらつき時間(±0.5秒)を考慮すると、たとえば、小当り表示結果となる変動表示の開始時から12秒〜13秒経過時等の所定時間経過期間tに、V入賞領域71の位置に遊技球が到達するものと予測される。以下、このような所定時間経過期間tをV入賞球到達予測タイミングtと呼ぶ。
このような小当り表示結果となる変動表示の開始時から12秒〜13秒経過時のようなV入賞球到達予測タイミングtにおいて、切替部材721が開状態になっていると予測されれば、遊技球がV入賞可能となると予測することができる。V入賞球到達予測タイミングtにおける切替部材721の状態が開状態となるか閉状態となるかは、小当り表示結果となる変動表示の開始時における制御中の切替部材721の制御データを確認して、当該変動開始時における切替部材721の制御状態が制御パターンのうちのどの制御状態(2秒周期の開閉制御パターンのどの制御状態)にあるかを確認し、その制御状態から所定時間(12秒〜13秒)経過時のV入賞球到達予測タイミングtにおける切替部材721の制御状態を予測する演算をすることにより、予測することができる。このような演算により、予測されたV入賞球到達予測タイミングtにおいて、予測された切替部材721の制御状態が開状態となるときはV入賞可能と予測され、予測された切替部材721の制御状態が閉状態となるときはV入賞不可能と予測される。したがって、このような演算は、V入賞の可能性を予測できる演算であるので、V入賞可能性予測演算と呼ばれる。
V入賞可能性予測演算については、小当り遊技状態における小当り可変入賞球装置87の小当り入賞口712の開状態時間(1秒)と、小当り遊技状態における小当り可変入賞球装置87の小当り入賞口712の閉鎖後の保持部材720の開状態時間(1秒)と、遊技球の保持部材720の位置からV入賞領域71の位置までの特定流下時間(0.5秒)と、保持部材720が全開状態となってからV入賞領域71の位置に到達する時間のばらつき時間(±0.5秒)と、切替部材721の開閉周期とが、予め固定的に定められているので、変動開始時において、変動時間と切替部材721の制御状態とを確認することができれば、それらの値に基づきV入賞可能性予測演算を実行することにより、V入賞が可能か不可能かを予測することができる。また、本実施の形態の場合には、小当り表示結果となる変動表示の変動時間が10秒として予め定められているので、変動開始時において、変動時間と切替部材721の制御状態を確認することができれば、それらの値に基づきV入賞可能性予測演算を実行することにより、V入賞が可能か不可能かを予測することができる。
次に、このようなV入賞可能性予測演算を用いた小当り遊技状態におけるV入賞の可能性の予測結果に基づく遊技制御例として、V入賞可能であると予測されたときの遊技制御例と、V入賞不可能であると予測されたときの遊技制御例とを説明する。
図9は、小当り遊技状態においてV入賞可能であると予測されたときの遊技制御例を示すタイミングチャートである。図9では、小当り表示結果となる変動表示の開始時にV入賞可能性予測演算に基づいてV入賞可能であると予測され、変動中断制御が実行されずに、当初の予定通りの変動表示が実行され、その後の小当り遊技状態においてV入賞が発生して第2大当り遊技状態の大当り制御が実行された制御例が示されている。
図9においては、図8(a)〜(d)に示された制御事項の他に、(e)にV入賞ナビ演出の状態(実行、停止)、(f)に小当りカウントスイッチ24Aの状態(オン、オフ)、(g)にV入賞スイッチ24Bの状態(オン、オフ)、(h)に大当り可変入賞球装置20の状態(開、閉)が、それぞれ示されている。
図9(a)〜(d)に示すように、小当り表示結果となる変動表示が実行されるときにおいて、V入賞可能性予測演算に基づいてV入賞可能であると予測されたときには、当該変動表示において変動中断制御が実行されずに、当初の予定通りの変動表示が実行され、図9(b)のように小当り可変入賞球装置87が開放され、遊技球が進入可能な状態となる。その変動表示中においては、図9(e)のように、小当り表示結果が導出される前に、右打ちに切替えることを案内するV入賞ナビ演出が実行される。このようなV入賞ナビ演出に応じて遊技者が小当り可変入賞球装置87が開放される前に左打ちから右打ちに切替えれば、小当り可変入賞球装置87に遊技球が進入可能となる。
遊技球が小当り可変入賞球装置87に進入すると、図9(f)のように、小当りカウントスイッチ24Aがオン状態となる。そのように進入した遊技球は、図9(e)のように小当り可変入賞球装置87の開状態において、閉状態とされた保持部材720上に保持され得る。そして、小当り可変入賞球装置87が閉状態となると、図9(e)のように保持部材720が開状態となり、たとえば保持されていた遊技球が、V入賞領域71に向けて流下し、図9(g)のようにV入賞スイッチ24Bにより検出され、V入賞が発生する。V入賞が発生すると、第2大当りとなり、図9(h)のように大当り可変入賞球装置20が開状態に制御される。
このように、小当り可変入賞球装置87では、小当り遊技状態での開放中に入賞した遊技球が直ちにV入賞するのではなく、V入賞するまでにある程度の時間を要するため、V入賞スイッチ24Bにより遊技球のV入賞を検出する有効期間として、たとえば、小当り可変入賞球装置87が閉鎖してから2秒間というような特定期間が設定されている。なお、このような特定期間は、小当り可変入賞球装置87の閉鎖時からの期間として設定するのではなく、小当り可変入賞球装置87の開放時からの期間として設定してもよく、保持部材720の開状態時からの期間として設定してもよい。また、V入賞スイッチ24Bにより遊技球のV入賞の検出は、常に有効なものとなるようにしてもよい。
図10は、小当り遊技状態においてV入賞不可能であると予測されたときの遊技制御例を示すタイミングチャートである。図10では、小当り表示結果となる変動表示の開始時にV入賞可能性予測演算に基づいてV入賞不可能であると予測され、変動中断制御が実行されたことにより、V入賞可能な状態に変化した制御例が示されている。
図10においては、図8(a)〜(d)に示された制御事項の他に、(e)に変動中断右打ちナビ演出の状態(実行、停止)、(f)に変動中断条件成立スイッチ14aの状態(オン、オフ)、(g)に機械役物15の状態(開、閉)、(h)に変動中断左打ちナビ演出の状態(実行、停止)、(i)に変動中断入賞スイッチ15aの状態(オン、オフ)、(j)に変動中断のための大当り可変入賞球装置20の状態(開、閉)、(k)にV入賞ナビ演出の状態(実行、停止)が、それぞれ示されている。
図10(a)〜(d)に示すように、小当り表示結果となる変動表示が実行されるときにおいて、V入賞可能性予測演算に基づいてV入賞可能であると予測されたときには、当該変動表示において変動中断制御が実行されることにより、変動表示の終了タイミングが調整され、それにともない、小当り可変入賞球装置87の開閉タイミング、および、保持部材720の開閉タイミングが調整される。
図10の制御例では、変動開始時におけるV入賞可能性予測演算により予測されたV入賞球到達予測タイミングt0は、変動開始時から12秒〜13秒後のタイミングであるため、図10(d)に示すような切替部材721が開状態となると予測される約1秒前の閉状態となると予測されるタイミングであり、V入賞不可能なタイミングである。したがって、この制御例では、変動中断制御が実行されることにより変動表示の終了タイミングが調整される。具体的に、この制御例では、小当り表示結果となる変動表示の終了タイミングが1秒間程度遅くなるように調整されれば、変動中断後の再開時における入賞可能性予測演算により予測されるV入賞球到達予測タイミングt1は、変動開始時から13秒〜14秒後のタイミングであるため、V入賞可能なタイミングとなる。
小当り表示結果となる変動表示において変動中断制御が実行されるときには、V入賞が可能となる状態に変化させるための変動中断制御の実行の条件となる変動中断可能化入賞口14への打球発射を案内するために、図10(e)のように、変動表示の実行開始当初の所定期間において変動中断右打ちナビ演出が実行される。このような変動中断右打ちナビ演出に応じて遊技者が左打ちから右打ちに切替えれば、変動中断可能化入賞口14に遊技球が進入可能となる。
遊技球が変動中断可能化入賞口14に進入すると、図10(f)のように、変動中断条件成立スイッチ14aがオン状態となる。遊技球が変動中断可能化入賞口14に進入すると、前述のような機械的な連動に応じて、図10(g)のように機械役物15が開放状態となる。また、変動中断条件成立スイッチ14aがオン状態となったことに応じて、開状態となった機械役物15への打球発射を案内するために、変動中断左打ちナビ演出が実行される。このような変動中断左打ちナビ演出に応じて遊技者が右打ちから左打ちに切替えれば、機械役物15に遊技球が進入可能となる。
遊技球が機械役物15に進入すると、図10(g)のように機械役物15が機械的に閉状態となる。遊技球が機械役物15に進入すると、図10(i)のように変動中断入賞スイッチ15aがオン状態となり、それに応じて、図10(h)のように変動中断左打ちナビ演出が停止される。また、遊技球が機械役物15に進入して変動中断入賞スイッチ15aがオン状態となると、それに応じて、図10(j)のように変動中断をさせるために大当り可変入賞球装置20が所定時間(1秒間)に亘り開放状態に制御される。変動中断制御において大当り可変入賞球装置20が開放される所定時間中には、図10(a)のように特別図柄の変動表示が中断される。
このような変動表示の中断時においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560による変動表示の変動時間の計時も中断される。この例では、図10(a)のように、変動時間が10秒に設定された小当りの変動表示の変動開始時から5秒後に変動表示が中断され、1秒間の中断時間を経て、変動開始時から6秒後に残りの5秒間の変動表示が再開される例が示されている。。変動中断制御において大当り可変入賞球装置20が開放された後、所定時間(1秒間)が経過すると、図10(j)のように、大当り可変入賞球装置20が閉鎖状態にされ、それ応じて、図10(a)のように中断されていた特別図柄の変動表示が再開され、その後、残りの変動時間分の変動表示が実行される。
このような変動中断制御における変動表示の再開時には、再度、V入賞可能性予測演算が実行され、V入賞可能であるか否かが予測される。この例では、1秒間の変動中断により、変動表示の再開時に予測されたV入賞球到達予測タイミングt1が、図10(d)に示すように変動開始時から13秒〜14秒後のタイミングに調整されたことにより、V入賞可能となるため、その後、再度の変動中断制御を実行することなく、残りの変動時間(5秒)分の変動表示が実行される。
そして、再開後の変動表示においては、図9に示したような変動中断制御が実行されないときと同様に、小当り表示結果が導出される前に、右打ちに切替えることを案内するV入賞ナビ演出が実行される。このようなV入賞ナビ演出に応じて遊技者が小当り可変入賞球装置87が開放される前に左打ちから右打ちに切替えれば、変動中断制御が実行されないときと同様に、小当り可変入賞球装置87に遊技球が進入可能となり、遊技球がV入賞可能となる。
このような変動中断制御が行なわれると、図10(e)の変動中断右打ちナビ演出のように、小当り表示結果となる特別図柄の変動表示の変動時間と、切替部材721の動作状況とに基づいて、変動表示後に遊技球がV入賞領域71に進入可能とならないと判定されたときに、変動表示の中断が案内され、図10(i)に示すように、遊技者により成立させることが可能な中断条件として、機械役物15への遊技球の入賞が成立したときに、図10(a)に示すように特別図柄の変動表示が中断されるので、変動表示の開始段階で遊技球がV入賞領域71に進入不可能となっても、その後、V入賞領域71に進入可能となる場合が生じ得るので、変動表示の開始段階で遊技の興趣を低下させないようにすることができる。また、機械役物15の入賞領域のような中断条件成立領域に遊技球を進入させるという、遊技者の発射操作により中断条件を成立させることができることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファについて説明する。保留記憶バッファには、特別図柄の保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域(保留記憶数=1に対応する保存領域〜保留記憶数=4に対応する保存領域)が確保されている。保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。保留記憶バッファには、当り判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
始動入賞口13への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503、あるいはソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、保留記憶バッファにおける保存領域に順番(保留記憶数=1に対応する保存領域から保留記憶数=4に対応する保存領域までの順番)に保存(格納)する処理を実行する。
このように保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、および、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)等が実行される。
図11は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図11に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、各種スイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8a、特別図柄保留記憶表示器18aの表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。特別図柄表示器8aについては、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる各種判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8aおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次に、役物制御プロセス処理を行なう(S27)。役物制御プロセス処理では、大当り可変入賞球装置20(役物)の開閉状態を所定の順序で制御するための役物制御プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。この実施の形態では、役物制御プロセス処理が、前述したような変動中断制御を実行するために使用される。CPU56は、役物制御プロセス処理の値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、始動口スイッチ13a等の賞球の払出しを伴う各スイッチの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的に、CPU56は、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、および、小当りカウントスイッチ24A等のスイッチのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
その後、割込許可状態に設定し(S33)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図12は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8aおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。始動口スイッチ通過処理においては、始動口スイッチ13aがオン状態となったときに、保留記憶数が上限値(「4」)に達していなければ、保留記憶数カウンタの値を1加算更新し、ランダム1〜3の乱数を抽出して、保留記憶バッファにおける対応する保存領域(データが記憶されていない空の保存領域のうち最も古いデータを保存する領域)に、抽出したデータを記憶する。これにより、保留記憶バッファにおいては、始動入賞があるごとに、始動入賞が生じた順番に従った順番で、前述のような乱数の抽出値が記憶されていく。また、始動口スイッチ通過処理では、当該始動入賞に応じて抽出したデータに基づいて、新たに生じた始動入賞の保留記憶に対応する、表示結果、および、変動種別を先読みして判定し、その判定結果に基づいて、図柄指定コマンド、および、変動種別コマンドを送信する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、新たに生じた保留記憶がどのような表示結果および変動パターン種別となるかを、変動表示が実行される前に認識することが可能となる。また、始動口スイッチ通過処理においては、加算更新後の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、更新後の最新の保留記憶数を認識することが可能となる。
次に、役物制御プロセスフラグの値が役物開放中処理に応じた値である場合には(S312)、大当り可変入賞球装置20の大入賞口が開放中(1秒間の開放中)の遊技状態であれば、S313,S314(S314は実行されない場合もある)の処理を実行した後、特別図柄プロセス処理を終了する。この実施の形態では、前述したようなV入賞予測に基づいて変動中断制御をするときにのみ、役物制御プロセスにおいて役物開放中処理が実行されるので、S312で役物制御プロセスフラグの値が役物開放中処理に応じた値となっているときは、変動中断制御のために大当り可変入賞球装置20が開放されている状態であると認識される。一方、S312で、役物制御プロセスフラグの値が役物開放中処理に応じた値でない場合には、S315〜S317(S316,S317は実行されない場合もある)の処理を実行した後、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S313では、特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して変動待機指定コマンドを未送信であるか否かを確認する。特別図柄の変動中でない場合、または特別図柄の変動中であっても既に変動中断開始指定コマンドを送信している場合(たとえば、変動中断開始指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了する。一方、特別図柄の変動中であり、まだ変動中断開始指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して変動中断開始指定コマンドを送信した後に処理を終了する(S314)。このように、S312で役物制御プロセスフラグの値が役物開放中処理に応じた値となっているときは、S300〜S310のプロセス処理が実行されずに特別図柄プロセス処理が終了するので、特別図柄の変動表示中に、変動中断制御をするために役物制御プロセス処理により大当り可変入賞球装置20が所定時間(1秒間)開放されたときには、当該所定時間(1秒間)に亘り、特別図柄の変動表示が中断される。
また、S315では、変動中断開始指定コマンドを送信した後であるか否かを確認する。S315で変動中断開始指定コマンドを送信した後ではないときは、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、特別図柄プロセス処理のS300〜S310のうちいずれかの処理を行なう。一方、S315で変動中断開始指定コマンドを送信した後である場合には(たとえば、変動中断開始指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)、変動中断終了指定コマンドを送信する(S316)。
S316の後、変動中断制御後に再度V入賞可能性を予測し、小当りに関する変動時間を調整するためのV入賞可能性予測処理(S317)を実行する。V入賞可能性予測処理においては、変動中断制御を再度実行するときに、図15のS224に示すように、変動中断予定フラグがセットされることにより、再度変動中断制御が実行されることとなる。V入賞可能性予測処理(S317)の実行後は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、特別図柄プロセス処理のS300〜S310のうちいずれかの処理を行なう。
このように、特別図柄プロセス処理においては、変動表示中に、変動中断制御をするために役物制御プロセス処理により大当り可変入賞球装置20が所定時間(1秒間)開放されていなければ、S300〜S310のうちいずれかの処理が行なわれるので、変動表示が中断されない。一方、変動表示中に、変動中断制御をするために役物制御プロセス処理により大当り可変入賞球装置20が所定時間(1秒間)開放されているときは、S300〜S310の処理が行なわれずに、処理を終了するので、変動表示が中断される。
S312〜S317の処理によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、特別図柄の変動表示中に、変動中断制御を目的とした機械役物15への入賞に基づく役物プロセス処理により大当り可変入賞球装置20の大入賞口が開放した遊技状態が割り込んだ場合には、S312からS313に進むことによりS300〜S304による特別図柄の変動表示に関するプロセスが実行されないことにより、その実行中の特別図柄の変動表示を中断(変動時間の計測を中断)させる。その後、大当り可変入賞球装置20が所定時間(1秒間)の開放が終了して、役物プロセス処理により大当り可変入賞球装置20の大入賞口が閉鎖されたときには、S300〜S310の処理が行なわれるので、中断された変動表示が再開(変動時間の計測が再開)される。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、特別図柄の変動表示の中断が開始されたことに応じて変動中断開始指定コマンドを受信すると、特別図柄の変動表示に応じた演出図柄の変動表示を中断(変動時間の計測を中断)する。そして、演出制御用CPU101は、変動中断終了指定コマンドを受信すると、中断されている特別図柄の変動表示に応じた演出図柄の変動表示を再開(変動時間の計測を再開)する。なお、特別図柄の変動表示を中断するのではなく、そのまま強制的に特別図柄をはずれ図柄で停止表示するようにしてもよい。そして、その場合、大当り遊技が終了するまで新たな特別図柄の変動表示を開始しないように構成してもよい。そのように構成すれば、S315,S316の処理は不要となる。
特別図柄プロセス処理におけるS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当り(第1大当り)とするか否かの決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに特別図柄表示器8aにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。特別図柄停止処理(S304)においては、変動表示結果がはずれ表示結果となるときは特別図柄通常処理(S300)にプロセスを進める。また、特別図柄停止処理(S304)においては、変動表示結果が大当り表示結果となるときは大入賞口開放前処理(S305)にプロセスを進め、大当り可変入賞球装置20を開放させ、大当り遊技状態を開始させる。また、特別図柄停止処理(S304)においては、変動表示結果が小当り表示結果となるときは、小当り開放前処理(S308)にプロセスを進め、小当り可変入賞球装置87を開放させ、小当り遊技状態を開始させる。
大入賞口開放前処理(S305)は、第1大当りまたは第2大当りの大当り遊技状態となったときに、大当り可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、第1大当りまたは第2大当りの大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、第1大当りまたは第2大当りの大当り遊技状態の終了時の表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
小当り開放前処理(S308)においては、特別図柄の変動表示により小当り表示結果が導出表示されたときに、ソレノイド22を駆動して小当り可変入賞球装置87を開放状態に制御する。そして、小当り開始コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信し、特別図柄プロセスフラグを小当り開放中処理(S309)に応じた値に更新する。
小当り開放中処理(S309)においては、小当り可変入賞球装置87の開放時間が所定時間(1秒間)を経過したときに、ソレノイド22の駆動を停止して小当り可変入賞球装置87を閉鎖状態に制御するとともに、保持部材720を開状態(非保持状態)に制御する。これにより、小当り可変入賞球装置87内に進入した遊技球がV入賞領域71に進入可能な状態にされる。そして、小当り終了コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信し、特別図柄プロセスフラグを小当り終了処理(S310)に応じた値に更新する。
小当り終了処理(S310)においては、小当り可変入賞球装置87の閉鎖後の所定期間(1秒間)経過時に保持部材720を閉状態(保持状態)に制御するとともに、小当り可変入賞球装置87内に進入した遊技球が、小当り可変入賞球装置87の閉鎖後の特定期間中(たとえば2秒間)に、V入賞スイッチ24Bにより検出され、V入賞が発生したときは、大当り開始2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信し、特別図柄プロセスフラグを大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する。このように、小当り遊技状態においてV入賞が発生した場合には、第2大当りが発生する。一方、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなかったときは、特別図柄プロセスフラグを特別図柄通常処理(S300)に応じた値に更新する。このようにV入賞が発生しなかった場合には、第2大当りが発生しない。
第1大当りの大当り遊技状態は、特別図柄プロセス処理のプロセスにしたがって、特別図柄通常処理(S300)〜特別図柄停止処理(S304)が実行されて特別図柄が大当り表示結果となった後、大入賞口開放前処理(S305)〜大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り可変入賞球装置20を開放する制御である。一方、第2大当りの大当り遊技状態は、特別図柄通常処理(S300)〜特別図柄停止処理(S304)が実行されて特別図柄が小当り表示結果となった後、小当り開放前処理(S308)〜小当り終了処理(S310)の実行により小当り可変入賞球装置87を開放する小当り遊技状態において、V入賞が生じたことに基づいて、大入賞口開放前処理(S305)〜大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り可変入賞球装置20を開放する制御である。
このように、第1大当りによる大当り遊技状態と第2大当りによる大当り遊技状態とは、どちらも特別図柄プロセス処理におけるプロセスに従って実行される遊技制御として実行されるので、第1大当りと、第2大当りとは、重複して発生することがないように制御される。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、RAM55の保留記憶バッファにおいて、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出す(S51)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S52)。すなわち、CPU56は、保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S53)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
次に、CPU56は、ランダム1の値が第1大当りの大当り判定値であるか否かを判定することより、第1大当りと一致するか否かを判定する(S54)。S54で第1大当りの大当り判定値と一致する場合には、第1大当りとする判定がされたときであり、第1大当りとすることが決定され、第1大当りフラグがセットされ(S55)、S58に進む。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S54で第1大当りの大当り判定値でない場合には、ランダム1の値が小当り判定値と一致するか否かを判定することより、小当りとするか否かを判定する(S56)。S56で小当り判定値と一致する場合には、小当りとする判定がされたときであり、小当りとすることが決定され、小当りフラグがセットされ(S57)、S58に進む。一方、S56で小当り判定値と一致しない場合には、はずれとする判定がされたときであり、はずれとすることが決定され、S58に進む。
S58では、S54による大当り判定の判定結果、または、S56による小当りの判定結果に応じた特別図柄の停止図柄を設定する(S58)。S58では、大当りとする判定がされたときは、予め定められた判定結果と特別図柄の停止図柄との関係に基づいて、大当り図柄を停止図柄として設定し、小当りとする判定がされたときは、小当り図柄を停止図柄として設定し、はずれとする判定がされたときは、はずれ図柄を停止図柄として設定する。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応する値に更新し(S59)、処理を終える。
図14は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。第1大当りフラグがセットされている場合は、第1大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報に応じて、大当り表示結果となる変動表示の変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用する判定テーブルを選択する(S92)。そして、S114に移行する。ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。
S91で第1大当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合は、小当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、小当り表示結果となる変動表示の変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用する判定テーブルを選択する(S94)。そして、S114に移行する。この実施の形態では、小当り表示結果となる変動表示の変動パターン種別および変動パターンは、前述したような10秒間の変動表示が実行される1種類の変動パターン種別および変動パターンであり、その1種類の変動パターン種別および変動パターンを選択するための判定テーブルがS92では選択される。なお、小当り表示結果となる変動表示の変動パターン種別および変動パターンは、複数種類設け、それらのうちからランダムに選択されるようにしてもよい。また、小当り表示結果となる変動表示の変動パターン種別および変動パターンは、時短状態であるか否かに応じて複数種類設け、そのうちから選択されるようにしてもよい。
S93で小当りフラグがセットされていない場合は、消去的判断により、はずれとすることが決定されているときであり、CPU56は、前述の時短情報等(保留記憶数情報の情報も含まれてもよい)に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、はずれ表示結果となる変動表示の変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用する判定テーブルを選択する(S95)。そして、S114に進む。S92,S94またはS95で選択される判定テーブルは、変動パターン種別を選択する変動パターン種別テーブル部と、変動パターン種別を選択する変動パターンテーブル部とにより構成されている。なお、判定テーブルとしては、変動パターン種別を選択するテーブルと、選択された変動パターン種別に対応して変動パターンを選択するテーブルとの2種類のテーブルを用いてもよい。
次いで、S114において、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S92,S94またはS95の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、変動パターン種別を選択決定する(S114)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S92,S94またはS95の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出せず、S114で変動パターン種別を決定するときに、ランダム2を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、特別図柄表示器において、前述のように変動表示を開始させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、開始フラグを参照して特別図柄の変動表示を開始するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。
次に、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S119)。小当りフラグがセットされていないときには、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S120)。一方、小当りフラグがセットされているときには、現在の小当り可変入賞球装置87における切替部材721の制御状態を確認する(S96)。そして、S96により確認した切替部材721の制御状態、および、小当り表示結果となるときの変動表示の変動時間(10秒)等のデータを用い、前述したV入賞可能性予測演算を実行し、V入賞の可能性(V入賞可能、V入賞不可能)を判定する(S97)。
次に、S97でのV入賞の可能性判定により予測結果がV入賞可能であると判定された否かを確認する(S98)。S98でV入賞不可能であると判定されたときは、変動表示を中断可能とする変動中断予定フラグをセットし(S99)、変動中断予定指定コマンドを送信し(S100)、S120に進む。これにより、V入賞の可能性判定においてV入賞不可能であると判定されたときは、変動中断制御が実行可能な状態とされ、前述のような遊技者の打球発射操作に応じて、変動表示の中断が実行され得る。一方、S98でV入賞可能であると判定されたときは、変動表示を中断可能とする変動中断予定フラグのセット、および、変動中断予定指定コマンドの送信をせずに、S120に進む。これにより、V入賞の可能性判定においてV入賞可能であると判定されたときは、変動中断制御が実行可能な状態とされず、前述のような変動表示の中断が実行され得ない。
図15は、特別図柄プロセス処理におけるV入賞可能性予測処理(S317)を示すフローチャートである。V入賞可能性予測処理(S317)において、CPU56は、以下のような処理を行なう。
まず、現在の小当り可変入賞球装置87の切替部材721の制御状態を確認する(S221)。そして、S221により確認した切替部材721の制御状態、および、小当り表示結果となるときの変動表示の残りの変動時間等のデータを用い、前述したV入賞可能性予測演算を実行し、再度、V入賞の可能性(V入賞可能、V入賞不可能)を判定する(S222)。これにより、変動中断後の変動再開時において、再度、V入賞の可能性が予測されて判定される。
次に、S222でのV入賞の可能性判定により予測結果がV入賞可能であると判定された否かを確認する(S223)。S223でV入賞不可能であると判定されたときは、変動表示を中断可能とする変動中断予定フラグをセットし(S224)、変動中断予定指定コマンドを送信し(S225)、処理を終了する。これにより、変動再開後のV入賞の可能性判定においてS235でV入賞不可能であると判定されたときは、再度、変動中断制御が実行可能な状態とされ、前述のような遊技者の打球発射操作に応じて、再度の変動表示の中断が実行され得る。一方、S235でV入賞可能であると判定されたときは、変動表示を中断可能とする変動中断予定フラグのセット、および、変動中断予定指定コマンドの送信をせずに、処理を終了する。したがって、変動再開時のV入賞の可能性判定においてV入賞可能であると判定されたときは、変動中断制御が実行可能な状態とされず、再度の変動表示の中断が実行され得ない。
図16は、小当り開放前処理(S308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、以下のような処理をする。
まず、小当りにおける小当り可変入賞球装置87の入賞口扉711の開放時間(1秒)に相当するデータを、小当り遊技状態での開放時間を計測するための小当り開放時間タイマにセットする(S411)。次に、ソレノイド22を制御することにより入賞口扉711を開放して、小当り可変入賞球装置87を開放状態に制御する(S412)。次に、小当り開始コマンドを送信するための処理をするとともに(S413)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(S309)に対応した値に更新し(S414)、処理を終了する。このように、機械役物15への遊技球の入賞に基づいて、プロセスが小当り開放前処理から小当り開放中処理に進む。
図17は、小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、以下のような処理を行なう。
まず、S411でセットされた小当り開放時間タイマを1減算し(S430)、小当り開放時間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S431)。小当り開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、処理を終了する。一方、小当り開放時間時間タイマがタイムアウトしていれば、小当り可変入賞球装置87の入賞口扉711を閉鎖状態に制御することにより小当り入賞口712を閉鎖し(S432)、保持部材720を非保持状態である開状態に制御する(S433)。具体的には、ソレノイド22の駆動を停止して小当り可変入賞球装置87の入賞口扉711を閉鎖状態にし、ソレノイド46をオン状態とすることにより保持部材720を開状態、すなわち、遊技球の非保持状態にする。これにより、小当り可変入賞球装置87の開放状態において小当り入賞口712から内部に進入した遊技球のうち、保持部材720により保持されていた遊技球がV入賞領域71に流下可能となる。
そして、保持部材720の開状態(非保持状態)時間(1秒間)に相当するデータを、保持部材720の開状態(非保持状態)時間を計時するための保持部材非保持タイマにセットする(S434)。これにより、保持部材720を開状態に制御する時間(1秒間)の計時が開始される。さらに、小当り可変入賞球装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間(2秒間)に相当するデータをV入賞有効期間タイマにセットし(S435)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S310)に対応した値に更新し(S436)、処理を終了する。これにより、小当り可変入賞球装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間(2秒間)の計時が開始される。
図18は、小当り終了処理(S309)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、以下のような処理を行なう。
まず、保持部材非保持タイマがタイムアップしたときにセットされる保持部材非保持タイマ終了フラグがセットされているか否かを確認する(S441)。S441で保持部材非保持タイマ終了フラグがセットされているときには、後述するS446に進む。一方、S441で保持部材非保持タイマ終了フラグがセットされていないときは、S434でセットされた保持部材非保持タイマを1減算し(S442)、保持部材非保持タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S443)。
S443で保持部材非保持タイマがタイムアウトしていなければ、S435でセットされたV入賞有効期間タイマを1減算し(S443)、V入賞有効期間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S447)。一方、S443で保持部材非保持タイマがタイムアウトしていれば、ソレノイド46をオフ状態とすることにより保持部材720を閉状態、すなわち、遊技球の保持状態にする(S444)。これにより、小当り可変入賞球装置87において、主経路740に存在する遊技球がV入賞領域71に進入不可能な状態となる。そして、保持部材非保持タイマ終了フラグをセットし(S445)、S446に進む。保持部材非保持タイマ終了フラグがセットされるとS442,S443による保持部材非保持タイマの計時に関する処理が実行されなくなる。
S446では、S435でセットされたV入賞有効期間タイマを1減算し(S446)、V入賞有効期間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S447)。
S447でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしていなければ、V入賞の有効期間中であるので、V入賞スイッチ24Bからの入力される信号に基づいて、V入賞スイッチ24Bがオンとなったか否かを確認する(S448)。V入賞スイッチ24Bがオンしていないときは、処理を終了する。一方、V入賞スイッチ24Bがオンしたとき、すなわち小当り可変入賞球装置87内に進入した遊技球のうちV入賞領域71に入賞した遊技球が検出されたときは、小当り終了指定コマンドを送信する(S449)。さらに、第2大当りフラグをセットし(S450)、第2大当り決定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行なう(S451)。そして、V入賞有効期間タイマをクリアする(S452)。
次いで、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S453)。時短フラグがセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、S455に移行する。一方、時短フラグがセットされていれば(すなわち、時短状態であれば)、時短フラグをリセットし(S454)、S455に移行する。すなわち、小当り可変入賞球装置87内のV入賞領域71へのV入賞が発生して第2大当り遊技状態が発生する場合であるので、時短フラグをリセットして時短状態を終了する。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態であるか時短状態であるかにかかわらず、小当り可変入賞球装置87内のV入賞領域71へのV入賞が発生すれば第2大当りを発生させる場合を示しているが、時短状態中に小当り可変入賞球装置87内のV入賞領域71へのV入賞が発生した場合にのみ第2大当りを発生させるようにしてもよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始2指定コマンドを送信する制御を行なう(S455)。そして、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、たとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当するデータを設定する(S456)。また、大当り遊技状態における大入賞口の開放回数(本例では、ラウンド数)をカウントするための開放回数カウンタに開放回数(たとえば、15回)をセットすること、および、1回の開放時間をセットする等、第2大当りの大当り遊技状態での開放態様をセットする(S457)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(S310)に対応した値に更新し(S458)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態において、V入賞が生じたときには、図12のS305〜S307が実行されることにより、第2大当りによる大当り遊技状態で大当り可変入賞球装置20の開放制御が実行される。
なお、小当り可変入賞球装置87内に進入した遊技球の数とV入賞領域71等から排出された遊技球の数とをカウントするようにし、小当り可変入賞球装置87を閉鎖状態に制御した後、進入した遊技球の数と排出された遊技球の数とが一致するまで、V入賞領域71等への入賞を監視するようにしてもよい。すなわち、遊技球の数が一致するまでは小当り可変入賞球装置87内に遊技球が残っている状態であるので、遊技球の数が一致するまでに入賞すれば有効な入賞として扱うようにしてもよい。
また、S447でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしていれば、V入賞の有効期間が終了したので、小当り終了指定コマンドを送信し(S459)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S460)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態において、V入賞が生じなかったときには、図12のS300に戻ることにより、第2大当りによる大当り遊技状態とならず、特別図柄の変動表示が可能な状態となる。
図19は、役物制御プロセス処理(S27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。役物制御プロセス処理では、変動中断制御において機械役物15への遊技球の入賞があったときに、変動中断制御における変動表示の中断をさせるために大当り可変入賞球装置20を所定時間(1秒間)開放させる処理が行なわれる。
役物制御プロセス処理において大当り可変入賞球装置20を所定時間(1秒間)開放させることにより変動表示が中断されるのは、図12のS312〜S314等に示すように、役物プロセス処理が役物開放中処理(大当り可変入賞球装置20を開放させる処理)のプロセスであるときに、S300〜S303による特別図柄の変動表示を進行させるためのプロセスが実行されないからである。役物制御プロセス処理において、CPU56は、以下のような処理を行なう。
特別図柄プロセスフラグの値が大入賞口開放前処理(S305)〜小当り終了処理(S310)のいずれかに応じた値である場合には(S150)、すなわち大当り遊技状態中または小当り遊技状態中であれば、そのまま役物制御プロセス処理を終了する。そうでない場合には、役物制御プロセスフラグの値に応じて、S151とS152とのうちのいずれかの処理を行なう。
役物開放前処理(S151):役物制御プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動中断制御が実行される予定のときに、変動中断入賞スイッチ15aにより機械役物15の作動口への遊技球の入賞を検出すると、特別図柄の変動表示を中断させるために、ソレノイド21を駆動して大当り可変入賞球装置20の開放を開始させる。そして、役物制御プロセスフラグを役物開放中処理(S152)に応じた値(この例では1)に更新する。
役物開放中処理(S152):役物制御プロセスフラグの値が1であるときに実行される。役物開放中処理では、大当り可変入賞球装置20の開放時間が所定時間(1秒間)を経過したときに、ソレノイド21の駆動を停止して大当り可変入賞球装置20を閉鎖状態に制御し、役物制御プロセスフラグを役物開放前処理(S151)に応じた値(この例では0)に更新する。
図20は、役物開放前処理(S151)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、以下のような処理をする。
まず、機械役物15の変動中断入賞スイッチ15aがオン状態となったか否かを確認することにより、機械役物15への変動中断入賞検出があったか否かを確認する(S420)。S420により変動中断入賞検出がなかったときは、処理を終了する。一方、S420により変動中断入賞検出があったときは、変動中断制御が実行可能な状態であるか否かを確認するために、前述の変動中断予定フラグがセットされているか否かを確認する(S421)。
S421で変動中断予定フラグがセットされているときは、変動中断制御が実行可能な状態であり、演出制御用マイクロコンピュータ100により、変動表示の中断を遊技者に示唆するために、前述の変動中断右打ちナビ演出が実行されることにより、変動中断可能化入賞口14への打球発射が案内され、遊技者が変動中断右打ちナビ演出に応じた発射操作をすれば変動中断可能化入賞口14に遊技球が進入し、それに応じて機械役物15が開放されることにより機械役物15への遊技球の進入が可能となっている状況となる。S2421は、このような状況を想定して、変動中断入賞スイッチ15aがオン状態となったときに、変動中断予定フラグがセットされているか否かを確認することにより、変動表示を中断させるか否かを判定するために実行される。
S421により変動中断予定フラグがセットされていないときは、処理を終了する。これにより、変動中断制御が実行不可能な状態であるときは、機械役物15への入賞が検出されても、変動表示は中断されない。一方、S421により変動中断予定フラグがセットされているときは、機械役物15への入賞が検出されたことに応じて変動表示を中断させるために、S422以降の処理を実行する。S422では、変動中断制御が実行可能な状態において機械役物15への入賞が検出されたことにより、遊技者の発射操作に基づいて変動表示を中断させる最終的な条件が成立したので、変動中断予定フラグをリセットする(S422)。そして、変動中断時間(1秒間)に相当するデータを役物開放時間タイマにセットする(S423)。特別図柄S226でセットされる役物開放時間タイマは、大入賞口が開放状態となることに基づいて変動表示が中断される時間(大入賞口を開放状態とする時間)をダウンカウントする計時手段である。
次に、ソレノイド21を制御することにより大入賞口を開放して、大当り可変入賞球装置20を開放状態に制御する(S424)。そして、役物プロセスフラグの値を、役物開放中処理(S152)に対応した値に更新し(S425)、処理を終了する。これにより、変動中断制御が実行可能な状態において機械役物15への入賞が検出されたときには、変動表示を中断させるために、大当り可変入賞球装置20が開放状態に制御されることとなる。
図21は、役物開放中処理(S152)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、以下のような処理を行なう。
まず、S423でセットされた役物開放時間タイマを1減算し(S461)、役物開放時間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S462)。役物開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、処理を終了する。一方、役物開放時間タイマがタイムアウトしていれば、ソレノイド21を制御することにより大入賞口を閉鎖して、大当り可変入賞球装置20を閉鎖状態に制御する(S463)。そして、役物プロセスフラグの値を、役物開放前処理(S151)に対応した値に更新し(S464)、処理を終了する。
このように変動中断制御が実行可能な状態において機械役物15への入賞が検出されたときには、変動表示を中断させるために、役物制御プロセス処理により大当り可変入賞球装置20が所定時間(1秒間)開放状態に制御される。そして、そのように役物制御プロセス処理により大当り可変入賞球装置20が所定時間(1秒間)開放状態に制御されたことに応じて、図12のS312〜S317に示すように、特別図柄の変動表示が当該所定時間(1秒間)に亘り中断される。
図22は、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。たとえば、コマンド解析処理においては、変動パターンコマンドが受信されたときに、RAM103に形成された変動パターンコマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、コマンド解析処理においては、表示結果指定コマンドが受信されたときに、RAM103に形成された表示結果指定コマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、その他、各種の演出制御コマンドが受信されたときに、当該コマンドを受信したことを示すフラグがセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容に従って演出表示装置9での特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、変動パターンコマンドにより特定される変動表示時間が経過したとき、または、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させるようにしてもよい。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、および、変動表示結果等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定可能なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄を変動表示させる演出制御を実行するときの停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別を行なうことに基づいて決定する。
図23は、図22に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S700の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理においては、以下のような処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、特別図柄の変動表示の変動パターンに対応する演出が実行される。
小当り演出処理(S700):小当り遊技状態において、小当り開始コマンドを受信したことに応じて、小当りにより、小当り可変入賞球装置87が開放したことを報知する演出を実行する。小当り終了コマンドを受信したことに応じて、小当り可変入賞球装置87の開放状態が終了したことを報知する演出を実行する。そして、V入賞の発生に基づいて第2大当り決定指定コマンドを受信したことに応じて、V入賞が発生したことを報知する演出を実行する。このような小当りに関する演出を実行することにより、小当り遊技状態、および、小当り遊技状態から第2大当り遊技状態への移行について、遊技の興趣を向上させることができる。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):特別図柄の変動表示に対応する演出である変動時演出が開始されるように制御する。受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、実行する演出時間を計時する演出時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):演出パターンを構成する各状態の切替えタイミング等を制御するとともに、演出時間タイマにより計時される演出時間が終了したか否かを監視する。そして、演出時間が終了したか、または、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、変動時演出を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):変動時演出を停止し、特別図柄の変動表示結果(停止図柄)に対応した演出結果を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):大当り(第1大当りまたは第2大当り)が発生したときに、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):大当り(第1大当りまたは第2大当り)のラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):大当り(第1大当りまたは第2大当り)のラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り(第1大当りまたは第2大当り)遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置9の表示状態が制御され、特別図柄の変動表示に対応した変動時演出が開始され、特別図柄の変動表示結果に対応した演出結果が表示される。演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、変動時演出の演出結果を決定する。
演出制御プロセス処理では、S804〜S807の大当りに関する処理が、第1大当りおよび第2大当りの双方において実行される。また、第1大当りと第2大当りとで大当り遊技状態中の演出態様を異ならせる演出制御が行なわれる。なお、第1大当りと第2大当りとで大当り遊技状態中の演出態様を同じとする演出制御が行なわれてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、たとえば、時短状態指定コマンドに基づいて時短状態であることを認識できるので、演出表示装置9等の演出装置により、時短状態に応じて特有の演出を行なうことができる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
図24は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、左演出図柄決定用のランダムカウンタ、中演出図柄決定用のランダムカウンタ、および、右演出図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングで、左演出図柄決定用のランダムカウンタ、中演出図柄決定用のランダムカウンタ、および、右演出図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングで左演出図柄決定用のランダムカウンタ、中演出図柄決定用のランダムカウンタ、および、右演出図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、左演出図柄決定用のランダムカウンタから抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、中演出図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(第1大当りまたは小当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、第1大当りと、小当りとのうちから、当りの種別を判定し、第1大当りとするときには、第1大当りの当り図柄の組合せとして予め定められた図柄の組合せを停止図柄として決定する。小当りとするときには、小当りの当り図柄の組合せとして予め定められた図柄の組合せを停止図柄として決定する。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、大当りの変動表示、小当りの変動表示、はずれの変動表示に関する演出等の各種演出を設定するための処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容のうち、小当りの変動表示に関する処理については、図25を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図25は、前述の演出設定処理(S616)における一部の処理として、小当り表示結果となる変動表示に関する演出の設定をする小当り演出設定処理を示すフローチャートである。ここでは、演出設定処理に含まれる各種演出を設定するための処理のうち、小当り演出設定処理を説明する。
小当り演出設定においては、まず、今回の変動表示を実行する際に受信した変動パターンコマンドの種類を確認することに基づいて、今回の変動表示が小当り表示結果となる変動表示であるか否かを確認する(S500)。S500で今回の変動表示が小当り表示結果となる変動表示ではないときは、処理を終了する。一方、S500で今回の変動表示が小当り表示結果となる変動表示ではあるときは、今回の変動表示を実行する際に変動パターンコマンドの受信後に、変動中断予定指定コマンドを受信したか否かを確認する(S501)。
S501で変動中断予定指定コマンドを受信していないときは、前述の変動中断制御を実行する必要がない変動表示であるので、図9(e)に示すような小当り表示結果となる変動表示途中のタイミングでV入賞ナビ演出を実行するための設定(演出の実行タイミング、演出態様等の設定)をし(S508)、処理を終了する。
一方、S501で変動中断予定指定コマンドを受信しているときは、前述の変動中断制御を実行する必要がある変動表示であり、次のように、変動中断右打ちナビ演出に関する演出の設定をする。小当り表示結果となる変動表示についてV入賞不可能と判定された変動表示の回数を計数する計数手段としての「V入賞不可能判定回数カウンタ」の計時値を+1加算更新する(S502)。「V入賞不可能判定回数カウンタ」では、パチンコ遊技機1の電源投入時に「0」に初期設定され、変動中断制御が実行されるごとに+1ずつ加算更新されることにより、小当り表示結果となる変動表示についてV入賞不可能と判定された変動表示の回数を計数する。
次に、「V入賞不可能判定回数カウンタ」の計時値(カウンタ値)が「5」になっているか否かを確認する(S503)。S503で計時値が「5」になっているときには、前述の変動中断右打ちナビ演出を実行することを決定する(S504)。そして、図10(e)に示すような小当り表示結果となる変動表示の開始当初のタイミングで変動中断右打ちナビ演出を実行するための設定(演出の実行タイミング、演出態様等の設定)をする。このような設定がされることにより、変動表示が実行されるときに、変動表示の開始当初のタイミングで変動中断右打ちナビ演出の実行が開始される。次に、「V入賞不可能判定回数カウンタ」の計時値をリセットし(S506)、変動中断右打ちナビ演出を実行することを示す第1ナビ演出フラグをセットする(S507)。これにより、小当り表示結果となる変動表示において、変動中断制御を実行するための変動中断右打ちナビ演出が実行されることとなる。その後、図10(k)に示すような小当り表示結果となる変動表示途中のタイミングでV入賞ナビ演出を実行するための設定(演出の実行タイミング、演出態様等の設定)をし(S508)、処理を終了する。
このように、V入賞可能性予測演算により所定回数V入賞不可能と判定されたという、変動表示の中断の案内条件が成立したと判定されたときに、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出により変動表示の中断の案内がされるので、変動表示の中断の案内がされるか否かについて、遊技者を遊技に注目させることができる。
一方、S503で計時値が「5」になっていないときには、前述の変動中断右打ちナビ演出を実行することを決定する処理をせず、図10(k)に示すような小当り表示結果となる変動表示途中のタイミングでV入賞ナビ演出を実行するための設定(演出の実行タイミング、演出態様等の設定)をし(S508)、処理を終了する。これにより、小当り表示結果となる変動表示において、変動中断制御を実行するための変動中断右打ちナビ演出が実行されないこととなる。
このような小当り演出設定処理で設定された演出は、S617での演出制御パターンの決定において、演出制御パターンとして決定され、演出図柄変動中処理(S802)にお実行されることとなる。
このように、パチンコ遊技機1では、小当り表示結果となる変動表示が実行されるときに、変動中断右打ちナビ演出を実行するか否かが選択され、実行することが決定されたときに変動中断右打ちナビ演出が実行されるので、遊技の演出に意外性が生じること等により、遊技の興趣を向上させることができる。なお、小当り表示結果となる変動表示が実行されるときには、必ず変動中断右打ちナビ演出が実行されるように設定してもよい。
図26は、演出図柄変動中処理を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。まず、変動中断演出フラグがセットされているか否かを確認する(S840)。変動中断演出フラグは、後述する小当り時操作関連処理(S846)において変動中断開始コマンドを受信したと判断したときにセットされ、変動中断終了コマンドを受信したと判断したときにリセットされるフラグである。つまり、変動中断演出フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560において特別図柄の変動表示が中断されているときにセットされる。S840で変動中断演出フラグがセットされているときは、後述するS843に進む。一方、S840で変動中断演出フラグがセットされていないときは、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動表示の実行時間を計時するためのタイマである変動表示時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。このように、変動中断演出フラグがセットされているとき、すなわち、特別図柄の変動表示が中断されているときには、演出制御用マイクロコンピュータ100での変動表示に関する変動表示時間タイマおよびプロセスタイマの計時が中断されることにより、演出図柄の変動表示も中断されることとなる。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843のN)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843のY)、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S845)。
次に、小当り表示結果となる変動表示において遊技者による特定の打球操作に応じて、前述したような変動表示中の特定の演出を実行するための小当り時操作関連処理が行なわれる(S846)。
次に、変動表示時間タイマの値に基づいて、変動表示時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S847)。変動表示時間タイマがタイムアウトしていれば(S847でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S849)。一方、変動表示時間タイマがタイムアウトしていないときは(S847N)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S848)。図柄確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S848のN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、図柄確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S848のY)、S849に移行する。このように、変動表示時間タイマがタイムアウトしていなくても(S847のN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動表示を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動表示を終了させることができる。
図27は、演出図柄変動中処理における小当り時操作関連処理(S846)を示すフローチャートである。小当り時操作関連処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。
まず、今回の変動表示を実行する際に受信した変動パターンコマンドの種類を確認することに基づいて、今回の変動表示が小当り表示結果となる変動表示であるか否かを確認する(S900)。S900で今回の変動表示が小当り表示結果となる変動表示ではないときは、処理を終了する。一方、S900で今回の変動表示が小当り表示結果となる変動表示であるときは、変動表示が中断されているときにS916でセットされるフラグである変動中断演出フラグがセットされているか否かを確認する(S901)。
S901で変動中断演出フラグがセットされていないときは、変動中断左打ちナビ演出を実行するときにS911でセットされるフラグである第2ナビ演出フラグがセットされているか否かを確認する(S902)。S902で第2ナビ演出フラグがセットされていないときは、前述の第1ナビ演出フラグがセットされているか否かを確認する(S903)。S903で、第1ナビ演出フラグがセットされていないときは、前述のように変動中断右打ちナビ演出を実行しないときであるので、処理を終了する。
一方、S903で第1ナビ演出フラグがセットされているときは、前述のように変動表示の開始当初から変動中断右打ちナビ演出の実行が開始されているときであるので、変動中断可能化入賞口14への遊技球の進入に基づく機械役物15の開放に応じて変動中断左打ちナビ演出の実行条件が成立するか否かを判定するために、変動中断可能化入賞口14への遊技球の入賞が変動中断条件成立スイッチ14aにより検出されたことに応じて送信される変動中断条件成立指定コマンドを受信しているか否かを確認する(S904)。
S904で変動中断条件成立指定コマンドを受信していないときは、変動中断右打ちナビ演出の実行を継続させるために処理を終了する。一方、S904で変動中断条件成立指定コマンドを受信しているときは、変動中断右打ちナビ演出の実行を終了させ(S905)、第1ナビ演出フラグをリセットする(S906)。そして、変動中断可能化入賞口14への遊技球の進入に基づいて開放状態とされた機械役物15に遊技球を発射する案内をするために、変動中断左打ちナビ演出を実行させる(S907)。これにより、図10(e)のように変動中断右打ちナビ演出が終了し、図10(h)のように変動中断左打ちナビ演出が開始される。そして、第2ナビ演出フラグをセット(S908)し、処理を終了する。
また、前述のS902で第2ナビ演出フラグがセットされているときは、前述のように機械役物15の開放に応じて変動中断左打ちナビ演出の実行が開始されているときであるので、機械役物15への遊技球の進入に基づく変動表示の中断の開始条件が成立しているか否かを判定するために、機械役物15への遊技球の入賞が変動中断入賞スイッチ15aにより検出されたことに応じて送信される変動中断開始指定コマンドを受信しているか否かを確認する(S909)。
S909で変動中断開始指定コマンドを受信していないときは、処理を終了する。一方、S909で変動中断開始指定コマンドを受信しているときは、変動中断左打ちナビ演出の実行を終了させ(S910)、第2ナビ演出フラグをリセットする(S911)。そして、演出図柄の変動表示を中断させる変動中断演出を実行させる(S912)。これにより、図10(h)のように変動中断左打ちナビ演出が終了し、図10(a)の特別図柄と同様に演出図柄の変動表示が中断される。S912の変動中断演出においては、変動表示が中断されていることを特定可能に演出表示装置9等で報知する変動中断報知演出も実行される。これにより、遊技者は、変動中断状態中であることを容易に認識することができる。そして、変動中断演出が実行されていることを示す変動中断演出フラグをセットし(S913)、処理を終了する。
また、前述のS901で変動中断演出フラグがセットされているときは、前述のように演出図柄の変動表示が中断されているときであるので、予め定められた中断時間(1秒間)の経過に応じて変動中断演出の終了条件が成立するか否かを判定するために、変動表示の中断時間が終了したときに送信される変動中断終了指定コマンドを受信しているか否かを確認する(S914)。S914で変動中断終了指定コマンドを受信していないときは、処理を終了する。一方、S914で変動中断終了指定コマンドを受信しているときは、変動中断演出を終了させる(S915)。これにより、図10(a)のように変動表示が中断した後、1秒間という中断時間が経過すると、中断されていた演出図柄の変動表示が再開される。そして、変動中断演出フラグをリセットし(S916)、処理を終了する。
なお、変動中断右打ちナビ演出等(変動中断右打ちナビ演出、変動中断左打ちナビ演出、および、V入賞ナビ演出を含む前述の各種ナビ演出)は、演出表示装置9での画像で行なうことに代えて、あるいは、これに加えて、その他の報知手段を用いてもよい。たとえば、ナビ演出専用のランプを右遊技領域やその他の場所に設けて、ランプを点灯させてもよい。あるいは、音声で報知してもよい。さらに、スティックコントローラ122や打球操作ハンドル5を振動させてもよい。または、スティックコントローラ122を右方向に傾けてもよい。
〔変形例〕
次に、変形例を説明する。
〔変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出の抽選〕
前述した実施の形態では、変動中断右打ちナビ演出等(変動中断右打ちナビ演出、変動中断左打ちナビ演出、および、V入賞ナビ演出を含む前述の各種ナビ演出。以下、同様。)のナビ演出を実行するときに、小当り表示結果となる変動表示についてV入賞不可能と判定された変動表示の回数が所定回数となったときに、ナビ演出を実行することを決定する選択をする例を示した。しかし、これに限らず、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出は、実行するか否かを所定の決定割合で抽選により決定してもよい。また、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出は、演出表示装置9での演出において所定条件が成立したときに遊技者に付与される所定のアイテムについての獲得個数が予め定められた数となったときに、実行することを決定してもよい。また、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出は、特別図柄の変動表示の表示結果がはずれ表示結果となった連続回数が所定回数となったときに、実行することを決定してもよい。また、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出は、演出表示装置9での特定の演出がボタン等の操作手段を連打することにより、所定の演出態様となるものである場合において、所定時間中に操作手段が連打された回数が所定回数以上となったときに、実行することを決定してもよい。また、年月日および時分秒等の日時を計時可能なリアルタイムクロックが備えられたパチンコ遊技機1において、所定の時刻または所定の日時等の所定のタイミングとなったときに、実行することを決定してもよい。また、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出は、抽選等の選択によらず、必ず毎回実行されるようにしてもよい。
〔演出用ゲートを用いた変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出の判定〕
変動中断右打ちナビ演出等(変動中断右打ちナビ演出、変動中断左打ちナビ演出、および、V入賞ナビ演出を含む前述の各種ナビ演出。以下、同様。)のナビ演出を実行するか否かの判定を抽選により選択決定する構成としては、遊技領域7において、始動入賞口13とは異なる演出領域を設け、その演出領域に遊技球が進入したことに基づいて、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出を実行する条件が成立したか否かの判定をするようにしてもよい。たとえば、遊技領域7の所定箇所に、演出領域として、遊技球が進入(通過)可能な演出用ゲートを設ける。そして、その演出用ゲートを遊技球が通過したことが遊技球センサにより検出されると、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出を実行するか否かの判定をする。その場合のナビ演出を実行するか否かの判定については、抽選により所定の割合でナビ演出を実行するような判定をしてもよく、前述したようなV入賞不可能と判定された変動表示の回数が所定回数となったときに実行するような判定等のその他の判定をしてもよい。また、その場合のナビ演出を実行するか否かの判定については、100%の割合で実行すると決定する判定であってもよい。このようにすることにより、始動領域とは異なる演出領域に遊技球が進入したことに基づいて、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出を実行するか否かの判定がされるので、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出を実行するか否かの判定をする遊技が単調になることを防止できる。
なお、演出用ゲートは、遊技球が通過するごとに、所定の演出口保留記憶表示部において、演出口保留記憶を示す演出口保留記憶画像(たとえば、○)が増加更新表示され、その演出口保留記憶に基づいて実行するものとしてもよい。演出口保留記憶表示部は、演出表示装置9に画面表示してもよい。
〔変動中断右打ちナビ演出時以外で右打ちをした場合の制御〕
変動中断右打ちナビ演出が実行されていないにも関わらず、遊技者が右打ちをした場合には、その後の所定期間に亘り変動中断右打ちナビ演出を実行しないようにするか、あるいは、変動中断右打ちナビ演出が実行される確率を低下させるようにしてもよい。このようにすることにより、変動中断右打ちナビ演出に従わない遊技者が有利になることを抑制できる。
たとえば、変動中断右打ちナビ演出の実行期間でないときに、打球操作ハンドル5の操作角度が右遊技領域に遊技球を打込む程度の角度である状態が一定期間継続したとき、あるいは、右遊技領域に設けた遊技球検出センサで遊技球が一定頻度で検出されたとき、ナビ演出期間外での右打ちが継続されていると判定する。この判定は、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、その判定結果をコマンドとして演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、一定期間、変動中断右打ちナビ演出の抽選を実行しないように制御する。変動中断右打ちナビ演出が実行されていないにも関わらず、遊技者が右打ちをしている場合には、このようなナビ制限制御を実行するようにしてもよい。なお、変動中断右打ちナビ演出の実行期間でないときに、普通電動役物15への入賞、または、V入賞領域71への入賞が検出されたときに、ナビ制限制御を実行するようにしてもよい。
また、変動中断右打ちナビ演出を制限するときに、変動中断右打ちナビ演出に従わない回数(たとえば、一定時間、右打ちしては左打ちし、また、一定期間の右打ちをすることを繰返す回数)を計数し、その回数が一定回数に達したときにナビ制限制御を実行するものとしてもよい。そのときには、あと1回変動中断右打ちナビ演出に従わなければ、変動中断右打ちナビ演出を制限する旨を、事前に警告する報知をするようにしてもよい。また、変動中断右打ちナビ演出を制限する期間は、所定回数の変動回数が実行されたとき、または、所定の遊技時間が経過したときのように自動的に解除されるようなものであってもよく、また、遊技店の店員が解除操作をしなければ解除されないような手動で解除されるようなものであってもよい。
なお、変動中断左打ちナビ演出、および、V入賞ナビ演出についても、ナビ演出がされていないにもかかわらずナビ演出が案内する打球発射がされたときに、前述した変動中断右打ちナビ演出がされていないにもかかわらずナビ演出が案内する打球発射がされたときに、所定期間に亘り当該ナビ演出を実行しない等、前述したような趣旨の制御を実行するようにしてもよい。
〔偽変動中断右打ちナビ演出等の偽ナビ演出の制御〕
前述した実施形態で実行する変動中断右打ちナビ演出等(変動中断右打ちナビ演出、変動中断左打ちナビ演出、および、V入賞ナビ演出を含む前述の各種ナビ演出。以下、同様。)のナビ演出は、偽(所謂ガセ)のナビ演出が実行されるようにしてもよい。つまり、遊技球がV入賞領域71に進入可能とならないと判定されていないとき(たとえば、変動表示結果が小当り表示結果とならないとき)でも、(ガセ)のナビ演出が実行されることがあるようにしてもよい。たとえば、変動表示結果が小当り表示結果とならないにも関わらず、偽変動中断右打ちナビ演出が実行されるようにしてもよい。このような偽ナビ演出をすることにより、遊技球がV入賞領域71に進入可能とならないと判定されていないときでもナビ演出による案内をするときがあるので、その案内と、遊技球のV入賞領域71への進入との関係のバリエーションが増えることに基づいて遊技の興趣を向上させることができる。なお、このような偽ナビ演出は、前述したような変動中断右打ちナビ演出が実行されていないにも関わらず遊技者が右打ちをしたことを条件として、その制裁(ペナルティ)として実行されるようにしてもよい。また、S97によりV入賞可能と判定された場合にも、偽変動中断右打ちナビ演出が実行されるようにしてもよい。この場合、変動表示が中断してもV入賞可能であることが変わらない場合にだけ、偽変動中断右打ちナビ演出を実行されるようにすることが望ましい。また、変動中断右打ちナビ演出が実行されていないにも関わらず遊技者が右打ちをしたことを条件として制裁(ペナルティ)が課されるときには、S97によりV入賞可能と判定された場合に、偽変動中断右打ちナビ演出を実行させることによりV入賞不可能な状態に変化させることによる制裁をするようにしてもよい。
〔普通図柄、高ベース状態、確変状態の導入〕
上記の実施の形態では、遊技領域7の所定位置に、遊技球が通過(進入)可能なゲートを設け、当該ゲートを遊技球が通過したことが検出されたときに、変動表示を開始し、その変動表示結果が当り表示結果となったときに、前述した始動入賞口13(たとえば、第1始動口と呼ぶ)とは別に設けられた第2始動入賞口上に備えられた電動チューリップ型の可変入賞球装置(普通電動役物と呼ぶ)を所定期間開放する制御が行なわれる普通図柄表示器を設けてもよい。この普通電動役物は、遊技球が進入可能な遊技者にとって有利な状態と、遊技球が進入不可能な遊技者にとって不利な状態とに変化する可変入賞球装置としての役物であり、入口部分にチューリップ状の開成翼片(左右一対形状)を備え、開成翼片の上方に、開成翼片が閉鎖状態での遊技球の進入を制限するストッパ部材が設けられている。この開成翼片は、ソレノイドにより駆動される。普通電動役物は、普通図柄の表示結果が当りになると一定期間(たとえば、1秒間)開成することによって、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。このような普通図柄は、特別図柄の変動表示結果が予め定められた特定の大当り表示結果となったときに、通常状態よりも、遊技球が進入しやすくする制御をしてもよい。普通図柄は、数字の図柄を変動表示させてもよく、当り図形図柄(たとえば、○図形)と、はずれ図形図柄(たとえば、×図形)とを交互に表示することによる変動表示を実行させるものであってもよい。その場合においては、特別図柄として数字図柄の変動表示が実行され、普通図柄として図形図柄の変動表示が実行される。また、それとは逆に、特別図柄として図形図柄の変動表示が実行され、普通図柄として数字図柄の変動表示が実行されるようにし、普通図柄の方を特別図柄よりも目立たせるようにしてもよい。

上記実施の形態では、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一例として、時短状態を説明した。しかしながら、特別遊技状態として、時短状態に加えて、高ベース状態を採用してもよい。つまり、第1大当りまたは第2大当りによる大当り遊技状態が終了した後、時短状態かつ高ベース状態に制御してもよい。このような時短状態かつ高ベース状態は、たとえば、大当り遊技状態が終了してから特別図柄の変動回数が100回に達するまで継続するものとする。特別図柄の変動回数が100回に達すると、特別図柄の変動時間を元に戻し、また、高ベースの制御を終了して低ベース状態とする。
「ベース」とは、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である。この割合を高める積極的な制御が行なわれる状態が「高ベース状態」である。一方、このような制御が行なわれない状態が「低ベース状態」である。このような制御は、たとえば、特別図柄の変動開始の契機となる始動入賞の発生を高める制御として実現される。このため、変形例として前述したような始動入賞口が2つ設けられた場合において、第1始動入賞口または第2始動入賞口の少なくともいずれか一方を可変入賞球装置(普通電動役物)により構成し、その可変入賞球装置の開放頻度や開放回数を増加させ、あるいは1回の開放時間を長くすることによって、その可変入賞球装置への入賞を容易化する制御として実現できる。このような制御は、「電チューサポート制御」とも呼ばれる。つまり、高ベース状態とは、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置が開状態になる頻度を高くすることにより、その可変入賞球装置に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置への入賞が容易化(高進入化、高頻度化)される制御状態である。
さらに、高ベース制御(電チューサポート制御)について詳述する。高ベース制御(電チューサポート制御)としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置(普通電動役物)の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置が開状態となっている時間比率が高くなるので、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器や演出表示装置における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。
なお、特別遊技状態としては、時短状態に制御せずに、高ベース状態に制御される場合があるようにしてもよく、高ベース状態に制御せずに、時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。さらに、特別遊技状態としては、大当りの当選確率が通常よりも高くなる確変状態を導入してもよい。また、第2始動入賞口上に電動チューリップ型の可変入賞球装置を設け、第1始動入賞口への始動入賞に基づいて変動表示する第1特別図柄よりも、第2始動入賞口への始動入賞に基づいて変動表示する第2特別図柄の方が、小当りに当選しやすくし、高ベース中は、電動チューリップ型の可変入賞球装置が開放しやすくなることによ基づいて、第2特別図柄が第1特別図柄よりも頻繁に変動表示することにより、小当りが発生しやすくなり、遊技者が有利な状態となるようにしてもよい。
〔第1大当りの制御と第2大当りの制御との関係〕
上記実施の形態では、特別図柄経由の第1大当りと、小当り経由の第2大当りとを同じ特別図柄プロセス処理内で実行することにより、これら大当りが同時に発生しないものとした。特別図柄経由の第1大当りと、小当り経由の第2大当りとは、別のプロセス処理において実行可能としてもよい。その場合には、これら大当りを同時に発生させない制御として、第2大当りが発生したときには、特別図柄の変動が開始することを差し控えるようにすること、また、第1大当りが発生したときには、第2大当りを発生させるためのナビ演出をしない制御をすることが考えられる。あるいは、ゲート32を遊技球が通過しても、第1大当り遊技状態のときには、その大当り遊技の終了まで普通図柄の当り判定を保留して待ち状態とするものとしてもよい。なお、特別図柄経由の第1大当りと、小当り経由の第2大当りとを同時に発生させないための制御としては、第1大当りが発生しているときには、変動中断入賞スイッチ15aの検出の無効化、または、V入賞スイッチ24Bの検出の無効化をすること等の小当り経由の第2大当りを実行するプロセス制御を中断させない制御を実行することにより、第1大当りと第2大当りとを同時に発生させないようにする制御を実行してもよい。また、特別図柄経由の第1大当りと、小当り経由の第2大当りとを同時に発生させないための制御としては、第1大当りが発生しているときには、このような小当り経由の第2大当りを実行するプロセス制御を中断させない制御と、当該プロセス制御を中断させる制御との両方を実行するようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図10(e)の変動中断右打ちナビ演出のように、小当り表示結果となる特別図柄の変動表示の変動時間と、切替部材721の動作状況とに基づいて、変動表示後に遊技球がV入賞領域71に進入可能とならないと判定されたときに、変動表示の中断が案内され、図10(i)に示すように、遊技者により成立させることが可能な中断条件として、機械役物15への遊技球の入賞が成立したときに、図10(a)に示すように特別図柄の変動表示が中断されるので、変動表示の開始段階で遊技球がV入賞領域71に進入不可能となっても、その後、V入賞領域71に進入可能となる場合が生じ得るので、変動表示の開始段階で遊技の興趣を低下させないようにすることができる。
(2) 図2(A),(B)等に示すように、小当り可変入賞球装置87に遊技球が進入したときに、保持部材720により保持され、保持部材720による保持が解除されたときにV入賞領域71に遊技球が進入可能となるので、小当り可変入賞球装置87への遊技球の進入タイミングによらず、進入して保持部材720に保持された遊技媒球の保持が解除されるタイミングにより、V入賞領域71に進入可能とするタイミングを調整することができる。
(3) 図19のS152,S152、図20のS420〜S424、図21のS461〜S463、図12のS312〜S314による変動表示の中断等に示すように、機械役物15の入賞領域のような中断条件成立領域に遊技球を進入させるという、遊技者の発射操作により中断条件を成立させることができることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図25のS501〜S507に示すように、V入賞可能性予測演算により所定回数V入賞不可能と判定されたという、変動表示の中断の案内条件が成立したと判定されたときに、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出により変動表示の中断の案内がされるので、変動表示の中断の案内がされるか否かについて、遊技者を遊技に注目させることができる。
(5) 変形例として「演出用ゲートを用いた変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出の判定」で説明したように、始動領域とは異なる演出領域に遊技球が進入したことに基づいて、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出を実行するか否かの判定がされるので、変動中断右打ちナビ演出等のナビ演出を実行するか否かの判定をする遊技が単調になることを防止できる。
(6) 変形例として「偽変動中断右打ちナビ演出等の偽ナビ演出の制御」で説明したように、遊技球がV入賞領域71に進入可能とならないと判定されていないときでもナビ演出による案内をするときがあるようにすれば、その案内と、遊技球のV入賞領域71への進入との関係のバリエーションが増えることに基づいて遊技の興趣を向上させることができる。
〔その他の変形例〕
次に、その他の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、遊技球を遊技領域7の下部に設けられた打球発射装置から遊技領域7に発射する構成例を示したが、これに限らず、遊技球を遊技領域7の上部に設けられた打球発射装置から遊技領域7へ遊技球を発射する構成を採用してもよい。このようにすれば、遊技者が右打ちを容易に行なうことが可能となる。
(2) 前述の実施の形態では、始動入賞口が、遊技球の進入(入賞)に応じて賞球が払出される入賞領域である例を示したが、これに限らず、始動入賞口は、遊技球が進入しても賞球が払出されないゲートとして用いてもよい。
(3) 演出用ゲートを設ける上記の変形例において、そのような演出ゲートを複数種類設けてもよい。その場合には、第1の演出ゲートと、それよりも遊技球が通過しにくい第2の演出ゲートとを設け、第2の演出ゲートに遊技球が進入したときに第1演出ゲートを通過したときと比べて高い割合で、各種ナビ演出を実行する判定がされるようにしてもよい。
(4) 前述の実施の形態では、変動中断右打ちナビ演出、変動中断左打ちナビ演出、および、V入賞ナビ演出を含む前述の各種ナビ演出を実行するか否かを所定確率で判定する場合において、ナビ演出有と判定する判定確率が通常状態の判定確率(基準確率)よりも高い高確率状態を設け、遊技においてたとえば、時短状態となったとき等の所定条件が成立したときに当該高確率状態での各種ナビ演出の判定をするようにしてもよい。
(5) 変動中断右打ちナビ演出、変動中断左打ちナビ演出、および、V入賞ナビ演出を含む前述の各種ナビ演出を実行するか否かを所定確率で判定する場合において、ナビ演出の判定でナビ演出有と判定する確率は、変化可能としてもよい。たとえば、各種ナビ演出の判定でナビ演出有となったときに、次回のナビ演出の判定における右打ちナビ演出有と判定する確率を変化させる(増加させる、または、低下させる)ようにしてもよい。
(6) 第1大当りと第2大当りとで、大当り遊技状態の内容を異ならせてもよい。たとえば、ラウンド回数、開放時間、大当り遊技状態終了後の時短、高ベース、確変の有無を異ならせることが考えられる。
(7) 前述した変動中断制御が実行されるときに、変動表示の中断状態において開放される専用の可変入賞球装置を設けてもよい。その専用の可変入賞球装置については、遊技球が進入(入賞)しても賞球の払出しがされないように制御するか、または、遊技球が進入(入賞)したら賞球の払出しをするが1回の入賞に対して払出す賞球数が他の入賞口に賞球したときの1回の入賞に対して払出す賞球数よりも少ない賞球数とすることが望ましい。
(8) 前述した実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100により、小当り経由の第2大当りが発生したときに、開放する大当り可変入賞球装置20への入賞を遊技者に狙わせるために、遊技球を打込む方向を、小当り遊技状態での右打ちから、左打ちに変更することを案内する左打ちナビ演出を実行させるようにしてもよい。
(9) 前述した実施形態では、小当り遊技状態における小当り可変入賞球装置87の開放制御について、特定時間(1秒間)に亘り開放状態されたときに、遊技球の入賞数とは関係なく、閉鎖状態にする制御例を示した。しかし、これに限らず、小当り遊技状態における小当り可変入賞球装置87の開放制御について、所定時間(5秒間)に亘り開放されたときに、遊技球の入賞数が所定個数に達したときには、所定時間が経過する前でも遊技球とは関係なく、閉鎖状態にする制御をしてもよい。
(10) 図14のS97、および、図15のS222で実行されるV入賞可能性予測演算によるV入賞可能性の判定を実行するために必要な情報を演出制御用マイクロコンピュータ100で収集し、遊技制御用マイクロコンピュータ560ではなく、演出制御用マイクロコンピュータ100で、これらV入賞可能性予測演算によるV入賞可能性の判定を行なうようにしてもよい。
(11) 高ベース状態に制御可能なパチンコ遊技機において、変動中断右打ちナビ演出、変動中断左打ちナビ演出、および、V入賞ナビ演出を含む前述の各種ナビ演出を実行するか否かを所定確率で判定する場合には、高ベース状態においては、このようなナビ演出の抽選による決定を実行しないようにしてもよい。あるいは、高ベース状態においては、たとえば、はずれとなる変動表示が100回実行される期間等の所定期間は、各種ナビ演出の抽選を実行しないようにしてもよい。また、高ベース状態においては、各種ナビ演出を、抽選によらず必ず実行するようにしてもよい。また、各種ナビ演出については、演出を実行する回数を予め抽選により決定して記憶することによりストックしておき、当該ストックされた演出実行回数が消化されるまで、各種ナビ演出を抽選によらず必ず実行するようにしてもよい。また、大当りの種別として、大当り遊技状態の終了後に低ベース状態となる大当り(当該大当り発生時に高ベース状態であったときには低ベース状態に移行する大当り)を選択可能とした場合においては、高ベース状態において、当該低ベース状態となる大当りにより低ベース状態に移行するまで各種ナビ演出を実行するようにしてもよい。
(12) なお、普通図柄および演出用ゲートが設けられたパチンコ遊技機において、演出用ゲートを通過する遊技球が検出されるごとに、右打ちナビ演出をするか否かの抽選をする場合には、演出用ゲートを通過する遊技球が検出されるごとに、右打ちナビ演出等の各種ナビ演出をするか否かの抽選をし、各種ナビ演出をする抽選結果となるごとに、各種ナビ演出を実行する回数を、加算更新して記憶することによりストックしておき、当該ストックに基づいて、各種ナビ演出を実行するようにしてもよい。
(13) 変動中断右打ちナビ演出、変動中断左打ちナビ演出、および、V入賞ナビ演出を含む前述の各種ナビ演出を実行するか否かを所定確率で判定する場合には、抽選結果により各種ナビ演出を実行しない場合も生じるが、抽選結果により各種ナビ演出を実行しない場合には、演出表示装置9で変動表示される演出図柄を小当り表示結果とする決定がされたときであっても、演出図柄については、はずれ表示結果を特定する図柄を停止表示させる制御を行なうようにしてもよい。
(14) 前述した実施形態に示した変動中断可能化入賞口14、機械役物15、小当り可変入賞球装置87、および、大当り可変入賞球装置20等の構造物の配置は、一例であり、次のような、異なる配置を採用してもよい。たとえば、大当り可変入賞球装置20は、右遊技領域に設けてもよい。また、大当り可変入賞球装置20の内部にV入賞領域を設け、その大当り可変入賞球装置20が、大当り用の可変入賞球装置と、小当り用の可変入賞球装置とを1つの可変入賞球装置で兼用するようにしてもよい。また、たとえば変動中断可能化入賞口14を左遊技領域に設け、小当り可変入賞球装置87を右遊技領域に設ける等、これらを別の遊技領域に設けることにより、これらに入賞させるときに、遊技球を左右に打ち分けるような構造を採用してもよい。
(15) 前述した実施形態では、小当り可変入賞球装置87のV入賞領域71に遊技球が入賞したときに、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20のみが開放する例を示したが、これに限らず、その大当り遊技状態において、小当り可変入賞球装置87も所定の開放態様で開放されるようにしてもよく、小当り可変入賞球装置87のみが所定の開放態様で開放されるようにしてもよい。また、特別図柄経由の大当りを発生させない構成を採用する場合には、大当り可変入賞球装置20を設けず、小当り可変入賞球装置87のV入賞領域に遊技球が入賞したときの大当り遊技状態において小当り可変入賞球装置87を所定の開放態様で開放させる制御を行なうようにしてもよい。
(16) 前述した実施形態では、小当り遊技状態において小当り可変入賞球装置87内のV入賞領域71に遊技球が入賞したら大当り遊技状態に制御される例を示したが、これに限らず、小当り遊技状態と同様の動作が実行される大当り遊技状態の制御により、このような遊技状態の動作を実行させるようにしてもよい。たとえば、大当り遊技状態が開始され、当該大当り遊技状態の第1ラウンドの制御として、小当り可変入賞球装置87を開放させ、その後のラウンド制御を実行させ、一方、その小当り可変入賞球装置87において遊技球がV入賞領域に入賞したときに、大当り遊技状態の第2ラウンドの制御として、大当り可変入賞球装置20を開放させ、遊技球がV入賞領域に入賞しなかったときに、大当り遊技状態を第1ラウンドで終了させる制御を実行させるようにしてもよい。
(17) 前述した実施形態では、大当り遊技状態の終了後において時短状態に制御される遊技制御例を示したが、これに限らず、大当り遊技状態の終了後においては時短状態に制御されないようにしてもよい。
(18) 前述した実施形態では、通常状態と時短状態とを設けることにより、遊技者にとって有利度が異なる状態を切替える制御例を示したが、抽選により変動中断右打ちナビ演出等の各種ナビ演出を実行すると選択決定する確率が異なる複数種類の制御モードを設け、その制御モードを所定条件に基づいて切替える制御を実行してもよい。たとえば、100%の割合で各種ナビ演出を実行する決定をする第1制御モードと、50%の割合で各種演出を実行する決定をする第2制御モードと、10%の割合で各種ナビ演出を実行する決定をする第3制御モードとを設け、これらの制御モードを切替える制御をすることにより、第2大当りの発生しやすさが異なる複数種類の制御状態を切替え可能とすることができる。また、このような第1制御モード〜第3制御モードのうちのいずれの制御モードとするかは、大当りが発生したとき、特別図柄の変動表示が実行されるとき、および、各種ナビ演出が実行されるとき等の所定の条件が成立したときに、抽選により、いずれの制御モードに切替えるかを選択決定し、決定された制御モードに移行させる制御を実行させてもよい。また、特別図柄の変動表示回数等の特定の変動表示の変動表示回数等のその他の条件が成立したときに、制御モードを移行させるようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、図20のS420,S421に示すように、小当りとなる場合においてV入賞不可能と判定されたときに変動表示を中断させるために大当り可変入賞球装置20を1秒間開放する制御をする例をしめした。しかし、これに限らず、V入賞可能と判定されたときでも機械役物15に遊技球が入賞したら大当り可変入賞球装置20を1秒間開放する制御をしてもよい。また、小当りとなる変動表示以外の変動表示が実行されるときでも、機械役物15に遊技球が入賞したら可変入賞球装置20を1秒間開放する制御をしてもよい。その場合には、変動表示の中断が不必要なときでも大当り可変入賞球装置20を開放させるために機械役物15に遊技球を入賞させることにより、遊技者が短期間の開放中に入賞を狙って賞球を稼ごうとすることが考えられる。そこで、このような機械役物15に遊技球が入賞したことに基づいて大当り可変入賞球装置20を短期間開放するときの開放時間は、たとえば、0.001秒等の遊技球の入賞が実質的に不可能な開放時間に設定することが望ましい。
(20) 前述した実施の形態では、図12のS317のように、変動表示を中断させるごとに、再度V入賞可能性予測演算によるV入賞可能性の判定をする例を示した。しかし、これに限らず、再度V入賞可能性予測演算によるV入賞可能性の判定をするときには、変動表示を何度中断させればV入賞可能となるかまでを演算により判定し、その回数を遊技者に画像等により報知してもよい。または、変動表示を中断させることが必要である旨だけを遊技者に報知するようにし、何度中断させればV入賞可能となるかについては遊技者に推測させるようにしてもよい。また、そのような報知をするときには、前述したような各種ナビ演出を抽選するときのような抽選により、そのような報知をするか否かを抽選により決定し、その抽選に当選したときにのみ、そのような報知(回数報知、変動表示中断必要性報知等)をするようにしてもよい。また、小当りとなる変動表示におけるV入賞可能性予測演算によるV入賞可能性の判定は、S97のような変動開始時における判定のみ実行して、変動表示中における再度の判定は実行しないようにしてもよい。その場合には、変動開始時におけるV入賞可能性予測演算によるV入賞可能性の判定において、変動表示を何度中断させればV入賞可能となるかまでを演算により判定し、その回数を遊技者に画像等により報知してもよい。または、変動表示を中断させることが必要である旨だけを遊技者に報知するようにし、何度中断させればV入賞可能となるかについては遊技者に推測させるようにしてもよい。また、そのような報知をするときには、前述したような各種ナビ演出を抽選するときのような抽選により、そのような報知をするか否かを抽選により決定し、その抽選に当選したときにのみ、そのような報知(回数報知、変動表示中断必要性報知等)をするようにしてもよい。
(21) 図2の切替部材721は、たとえば、停電等により電源断状態となったときに、電源断状態となったときの動作状態を、バックアップ電源によってバックアップされるRAM55の記憶領域等に記憶させておき(この場合、変動表示経過時間等の各種遊技制御に関する状態もバックアップ記憶される)、電源供給が再開(復旧時)されたときに、その記憶情報に基づいて、電源供給の再開と同時(遊技制御の動作開始と同時)に電源断時の動作状態から動作を再開させるようにしてもよい。そのようにすれば、電源断により、V入賞の可能性の判定結果と実際のV入賞可能性との間にズレが生じてしまうのを抑制することができる。また、停電等により電源断状態となったときには、電源供給の再開と同時(遊技制御の動作開始と同時)に切替部材721の動作を開始させ、電源供給が再開(復旧時)されたときに、再度V入賞可能性を判定し、その判定結果に基づいて、各種ナビ演出を実行するようにしてもよい。
(22) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(23) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。
その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(24) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
(25) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラムおよびデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(26) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの大当りのみを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、複数種類のラウンド数の大当り種別を設け、V入賞の検出に応じて、大当りとすることが決定されたときに、実行するラウンド数の大当り種別を選択するようにしてもよい。また、その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、の方が特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(27) 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
(28) 遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り遊技状態、時短状態、高ベース状態、および、大当り遊技後の遊技状態が通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態等、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であればどのような遊技状態であってもよい。
(29) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および球払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は球払出装置等の基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は「持点」に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末等の「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
(30) 上記実施の形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示(変動表示)する例を示した。しかし、特別図柄表示器8aにおいて表示される可変表示結果(変動表示結果)や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。たとえば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(たとえばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、たとえば「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」等)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示又はスクロール表示すること等も飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すこと等も普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
(31) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、8a 特別図柄表示器、9 演出表示装置、87 小当り可変入賞球装置、71 V入賞領域、721 切替部材、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、15 機械役物、100 演出制御用マイクロコンピュータ、720 保持部材。

Claims (1)

  1. 遊技媒体を発射することにより遊技が行なわれ、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
    始動領域に遊技媒体が進入したことに基づいて変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示手段と、
    前記変動表示手段の表示結果が所定表示結果となったときに、遊技媒体が所定期間において入賞可能となる可変入賞手段と、
    前記可変入賞手段内に設けられ、遊技媒体が進入可能な特定領域と、
    前記可変入賞手段内に設けられ、前記特定領域に遊技媒体が進入可能な状態と、進入不可能な状態とのいずれかに切替える切替え動作が可能な行先切替部材と、
    前記可変入賞手段内において前記特定領域に遊技媒体が進入したときに、前記有利状態に制御する有利状態制御手段と、
    前記変動表示手段の表示結果が前記所定表示結果となる変動表示が実行されるときに、当該変動表示の変動時間と、前記行先切替部材の動作状況とに基づいて、前記所定表示結果となった後に遊技媒体が前記特定領域に進入可能となるか否かを判定する判定手段と、
    遊技者により成立させることが可能な中断条件が成立したときに、前記変動表示手段の変動表示を中断させる中断手段と、
    前記判定手段により遊技媒体が前記特定領域に進入可能とならないと判定されたときに、変動表示の中断を案内する案内手段とを備える、遊技機。
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