JP2016077251A - 苗移植機 - Google Patents

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竹田 裕一
Yuichi Takeda
裕一 竹田
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Abstract

【課題】作溝器で形成した溝を確実に埋めることができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】フロートと、該フロートに取り付けられる作溝器と、該作溝器で形成した溝内に施肥又は播種する作業装置とを備える苗移植機に関する。前記作溝器の後方には、該作溝器の側面から連続する側面を有する作溝補助板が固定されるとともに、該作溝補助板の機体幅方向の断面形状を下方かつ後方に向けて徐々に広がるように形成したことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、作溝器で形成した溝内に肥料を施す又は種子を播く作業装置を備える苗移植機に関する。
特許文献1及び2には、田植機に備えられる施肥装置が開示されている。特許文献3には、田植機に備えられる播種装置が開示されている。これらの作業装置において、作溝器は、フロートの下方に突出するように取り付けられており、作溝器によって形成された溝に施肥又は播種が行われる。
例えば、田植機に備えられた施肥装置では次のような一連の作業が行われる。まず、フロートに取り付けられた作溝器によって溝を形成し、タンクに貯溜される肥料を所定量繰り出して溝内に供給する。そして、田植機の植付作業機によって苗を植え付ける、若しくは、播種機によって種子を播く作業が行われ、それらの作業後、フロート後部に固定された覆土板を用いて土を被せることで溝を埋めている。
特開2011−97848号公報 特開2011−72243号公報 特開2008−29262号公報
土の硬さによってはフロートに固定された覆土板の取付角度を調整して、覆土板の当たりを変えて強制的に覆土させる必要があった。例えば、覆土板の角度調整を行わずに硬い圃場で作業を行う場合、作溝された溝を十分に崩すことができずに、溝を埋めることができない状況が発生し得た。
本発明は、作溝器で形成した溝を確実に埋めることができる技術を提供する。
本発明は、フロートと、該フロートに取り付けられる作溝器と、該作溝器で形成した溝内に施肥又は播種する作業装置とを備える苗移植機に関する。
本発明の一実施形態は、前記作溝器の後方には、該作溝器の側面から連続する側面を有する作溝補助板が固定されるとともに、該作溝補助板の機体幅方向の断面形状を下方かつ後方に向けて徐々に広がるように形成したことを特徴とする。
作溝器及び作溝補助板によって形成される溝は、下部の幅が上部の幅よりも大きくなることから、溝の表面側が自然に崩れやすくなり、溝を確実に埋めることができる。
本発明の別実施形態は、前記フロートの作溝器取り付け部分の両側方において、該フロートの下面の一部を上方に向けて凹ませたことを特徴とする。
フロート下面を上方に向けて凹ませることで、作溝器によって形成される溝の上端部から上方に向けた土塊が形成される。この土塊は、不安定な状態で溝の表面から上方に突出するように形成されることから、溝の表面側となる上部が自然に崩れやすくなり、溝を確実に埋めることができる。
前記フロートの後端部から後方に向けて突出して設けられ、かつ、前記作溝器によって形成された溝に覆土する覆土器をさらに備え、前記覆土器は、圃場との接触によって回転可能な円盤状部材を備えることが好ましい。
前記円盤状部材は、その回転軸の高さ、傾斜角度、及び/又は、左右位置を調整可能であることがより好ましい。
本発明の苗移植機によれば、作溝器で形成した溝を確実に埋めることができる。
苗移植機の一実施形態である田植機の側面図である。 フロートに取り付けられる施肥装置の一部を示す拡大側面図である。 フロートに取り付けられる施肥装置の一部を示す分解斜視図である。 作溝器及び作溝補助板の端面形状を示す図である。 作溝器及び作溝補助板によって形成される溝を示す図である。 フロートの作溝器取り付け部分の両側方に凹みを設けた実施形態を示す背面図である。 作溝器及びフロートの凹みによって形成される溝を示す図である。 作溝器、作溝補助板及びフロートの凹みによって形成される溝を示す図である。 覆土器の上面斜視図である。 覆土器の下面斜視図である。
以下、図1を参照して、苗移植機の一実施形態である田植機1の全体構成ついて説明する。田植機1は、走行機体2と、その後部に装着される植付作業機3とを備え、走行機体2によって走行しつつ植付作業機3によって植付作業を行う。
走行機体2は、エンジン4、エンジン4からの動力を変速するトランスミッション5、エンジン4及びトランスミッション5を支持する機体フレーム6、エンジン4及びトランスミッション5から伝達される動力によって駆動される前輪7及び後輪8等を備える。
エンジン4及びトランスミッション5からの動力は、それぞれフロントアクスルケース9、リアアクスルケース10に伝達される。フロントアクスルケース10は、機体フレーム6の前部に支持されるとともに、その左右両端部に前輪6が支承される。同様に、リアアクスルケース10は、機体フレーム6の後部に支持されるとともに、その左右両端部に後輪8が支承される。機体フレーム6の上部は、ステップ11によって被覆されており、オペレータは、ステップ11上を移動可能である。
走行機体2の前後中途部に運転席12が配置され、その前方に操向ハンドル13、操作ペダル14、及び、ダッシュボード15等が設けられる。ダッシュボード15には、操向ハンドル13に加えて各種操作用の操作具、表示装置が配置されている。
植付作業機3は、走行機体2に対して、昇降リンク機構20を介して連結されている。昇降リンク機構20は、左右一対の上リンク21及び下リンク22、昇降シリンダ等を備える。昇降シリンダによって下リンク22、上リンク21を回動させて植付作業機3を昇降させる。
植付作業機3は、植付アーム31、植付爪32、苗載台33、フロート34等を備える。植付爪32は、植付アーム31に取り付けられている。植付作業機3は、トランスミッション5から後方に向けて延出されるPTO軸16によって駆動される。より詳細には、PTO軸16から植付作業機3に設けられる植付伝動ケース35に動力が伝達されて、植付伝動ケース35から植付アーム31、植付爪32に動力が分配される。
植付アーム31は、植付伝動ケース35から伝達される動力によって回転する。植付爪32には、苗載台33から苗が供給される。植付アーム31の回転運動に伴って、植付爪32が圃場内に挿入され、所定の植え付け深さとなるように苗が植え付けられる。なお、本実施形態では、ロータリ式の植付爪を採用しているが、クランク式のものを用いても良い。
[施肥装置]
施肥装置40は、肥料タンク41、肥料タンク41内の肥料を所定量ずつ繰り出す繰り出し機構42、フロート34にそれぞれ取り付けられ、田面に肥料を供給するための溝を形成する作溝器43、作溝器43の背面に固定され、後方が開口する作溝補助板44、繰り出し機構42の繰出口と、作溝補助板44の開口とを接続する供給ホース45等を備える。肥料タンク41及び繰り出し機構42は、走行機体2の後端部に配置されている。フロート34における作溝補助板44の後方には、覆土板46が取り付けられる。覆土板46は、フロート34の側面から側方に突出するようにして取り付けられる板状の部材であり、フロート34に対して角度調整可能に取り付けられる。覆土板46によって、作溝器43及び作溝補助板44によって形成される溝に土が被せられる。
肥料タンク41内の肥料は、繰り出し機構42によって適量繰り出された後、供給ホース45を通じて作溝器43に向けて移送されて、作溝器43及び作溝補助板44により田面に形成された溝中に放出される。
図3及び図4に示すように、作溝器43及び作溝補助板44の断面形状は、作溝器43の幅が一定であることに対して、作溝補助板44の幅は、下方かつ後方に向けて徐々に広がるように形成されている。具体的には、作溝器43の端面AからCでは、一定の幅を有しつつ深くなり、作溝補助板44の端面Dから端面Fにかけて後方にいくに従って徐々に下方に大きくテーパーするようになっている。言い換えれば、作溝補助板44の下部が後方に向けた末広がりに形成されている。
図5に示すように、作溝器43及び作溝補助板44によって最終的に形成される溝Gは、中途部から下方が裾広がりとなり、上部の幅が下部の幅よりも狭くなっている。これにより、溝Gの表面側となる上部が内側に向けて突出した形状となり、その形状により自然に崩れやすくなり、作溝された溝を容易に埋めることができる。従って、土の状況によらずに溝を埋めやすくすることができ、土の状況に応じた覆土板46の角度調整等が不要になる。
また、作溝器43の幅を一定として、作溝補助板44の幅が下方に向けて末広がり、かつ、後方に向けて徐々に広がるように設定している。つまり、作溝器全体(作溝器43及び作溝補助板44)に対して部分的に傾斜部分を設けていることとなる。これにより、作溝器43及び作溝補助板44の側方に土が溜まりにくくなり、作溝器全体に付着する土の量が少なくなる。さらに、土が固まって付着した場合でも、直線部分から傾斜部分に変わる際に作溝中の土から受ける反力の方向が変わることに起因して、機体進行中に土が外れやすくなり、作溝器43及び作溝補助板44によって安定した溝を形成しやすくなる。
以上の実施形態では、作溝器43の後方に固定される作溝補助板44によって溝の断面形状を裾広がりとすることで、作溝された溝Gを崩れやすくしている。
以下では、溝の断面形状を変更する以外の方法によって溝を崩れやすくする実施形態について説明する。
図6に示すように、フロート34の作溝器43の取り付け部分の両側方において、下面の一部を上方に向けて折り曲げることで、凹み50が形成される。凹み50は、作溝器43の側方に位置しており、作溝器43の側面から連続するように凹んで設けられる。凹み50は、作溝器43が固定されている前後方向の長さ全域に亘って設けられており、作溝器43による作溝と同時に凹み50が作用するようにしている。
図7に示すように、凹み50によって、作溝器43によって形成される溝Gの表面から上方に突出するように土塊Hが形成される。溝Gの表面に不安定な土塊Hが存在することで、土塊Hが溝内に自然に崩れやすくなり、作溝された溝を容易に埋めることができる。
そして、作溝補助板44の外周形状に沿って形成される溝Gの断面形状による効果に加えて、フロート34の下面の凹み50に沿って形成される土塊Hを溝Gの表面に形成することによって、溝Gの表面側の重量を増やし、自然崩落効果をより向上できる。
つまり、図8に示すように、下方、かつ、後方に向けて徐々に広がる外周形状を有する作溝補助板44によって形成される溝Gの表面側に、フロート34の下面に設けられる凹み50による土塊Hが乗った状態となる。このように、溝Gは上下中途部より下方側が徐々に広がる断面形状を有するとともに、溝Gの表面両縁部に土塊Hが形成される。これにより、溝Gは自然に崩れやすくなり、より確実に溝を埋めることが可能となる。
図9及び図10に示すように、覆土板46に換えて覆土器60を設けても良い。
覆土器60は、フロート34の後端から後方に突出するように配置されている。覆土器60は、圃場と接触することで回転するディスク61と、ディスク61を回転自在に支持する支持部材62とを備える。ディスク61は、覆土板として機能する円盤状部材であり、フロート34の後端部中央から支持部材62を介して両側方に向けて延出して配置されている。ディスク61は、その平面部分をフロート34の側方に向けるように支持されており、圃場との接触によって後方回転する。
このように、覆土器60の覆土板を回転ディスク61として構成することにより、圃場に藁が堆積した状態でも覆土器60に藁が付着し固まることを防止できる。
支持部材62は、ディスク61の回転軸を支持し、その高さ、傾斜角度、及び、左右位置を調整可能に構成される。
支持部材62は、フロート34の後端部に固定され、後方に向けて延出されるステー63と、ステー63の後端に設けられる左右の長穴63aに締結固定されるブラケット64・64と、各ブラケット64の下面から下方に向けて延出される縦軸65と、縦軸65に対して軸方向に移動可能(高さ調整可能)、かつ、縦軸65に対して回転可能(角度調整可能)に取り付けられる横軸66と、横軸66に対して軸方向に移動可能(前後左右位置調整可能)、かつ、横軸66に対して回転可能(角度調整可能)に取り付けられる回転支軸67とを備える。ディスク61は、回転支軸67に回転自在に支持される。
これらの軸間の位置調整機能及び角度調整機能は、例えば、縦軸65に対して近接離間する締結部材を有する筒を縦軸65に配置して、その筒に横軸66を固定することで、筒の固定位置及び固定角度を変更することで実現可能である。
ブラケット64は、機体幅方向に沿って設けられる長穴63aへの固定位置を変更することができる。これにより、ディスク61の左右位置を調整可能となる。つまり、ディスク61と作溝された溝Gとの距離を調整可能であり、溝Gに対して覆土する量を調整できる。
横軸66は、上下方向に設けられる縦軸65への固定位置を変更することができる。これにより、ディスク61の高さを調整可能となる。また、横軸66の縦軸65への固定部分は、縦軸65に対して回転可能である。これにより、ディスク61の傾斜角度(より詳細には、ディスク61の進行方向に対する傾斜角度)を調整可能となる。つまり、ディスク61の圃場に対して当たる面積を調整することが可能であり、ディスク61を進行方向に対して角度を大きく付けた場合は覆土量が多くなり、他方、角度を小さくした場合は、圃場に溜まる藁を拾いにくくなる。
回転支軸67は、横軸66への固定位置を変更することができる。これにより、ディスク61の左右位置及び前後位置を調整可能となる。また、回転支軸67の横軸66への固定部分は、横軸66に対して回転可能である。これにより、ディスク61の傾斜角度(より詳細には、ディスク61の圃場に対する傾斜角度)を調整可能となる。つまり、ディスク61の圃場から受ける抵抗を調整することが可能であり、ディスク61を寝かせた状態では圃場からの抵抗が小さくなり覆土量が少なくなる。他方、ディスク61を立てた状態では圃場との抵抗が大きくなり覆土量が多くなる。
以上のように、ディスク61の回転支軸67の高さ、傾斜角度、及び、左右位置を調整可能とすることで、圃場条件、作業条件等に応じて最適な覆土を実施できる。
以上の実施形態では、作業装置として施肥装置40を備える田植機1について説明したが、施肥装置40に換えて、同様の作溝構造を有する播種装置を備える他の苗移植機についても本発明を適用することは可能である。
1:田植機、34:フロート、40:施肥装置(作業装置)、43:作溝器、44:作溝補助板、46:覆土板、50:凹み、60:覆土器、61:ディスク(円盤状部材)

Claims (5)

  1. フロートと、該フロートに取り付けられる作溝器と、該作溝器で形成した溝内に施肥又は播種する作業装置とを備える苗移植機であって、
    前記作溝器の後方には、該作溝器の側面から連続する側面を有する作溝補助板が固定されるとともに、該作溝補助板の機体幅方向の断面形状を下方かつ後方に向けて徐々に広がるように形成したことを特徴とする苗移植機。
  2. 前記フロートの作溝器取り付け部分の両側方において、該フロートの下面の一部を上方に向けて凹ませた請求項1に記載の苗移植機。
  3. フロートと、該フロートに取り付けられる作溝器と、該作溝器で形成した溝内に施肥又は播種する作業装置とを備える苗移植機であって、
    前記フロートの作溝器取り付け部分の両側方において、該フロートの下面の一部を上方に向けて凹ませたことを特徴とする苗移植機。
  4. 前記フロートの後端部から後方に向けて突出して設けられ、かつ、前記作溝器によって形成された溝に覆土する覆土器をさらに備え、
    前記覆土器は、圃場との接触によって回転可能な円盤状部材を備える請求項1から3の何れか一項に記載の苗移植機。
  5. 前記円盤状部材は、その回転軸の高さ、傾斜角度、及び/又は、左右位置を調整可能である請求項4に記載の苗移植機。
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