JP2016075634A - 静電気放電試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】微小ギャップを設けた気中放電を採用したときの試験再現性を向上させる。【解決手段】放電チップ10を供試機器に接触させて静電気放電を生じさせる静電気放電試験装置において、放電チップ10が、導電性を有し供試機器と接触する先端電極部11と、静電気放電発生用の電圧が印加される電圧印加部12と、導電性を有し電圧印加部12の被接合部分に接合している接合部13と、絶縁性を有し先端電極部11及び接合部13を保持する保持部14と、を有する。先端電極部11及び接合部13の双方は、当該双方の間にギャップ16を設けた状態で保持部14に保持され、ギャップ16は、大気と連通している。【選択図】図3

Description

本発明は、静電気放電試験装置に係り、特に、放電チップを供試機器に接触させて生じる静電気放電に対する供試機器の耐性を試験するための静電気放電試験装置に関する。
静電気放電(Electrostatic Discharge:以下、ESDという)に対する電子機器の耐性試験、すなわち、ESD試験は既に知られている。また、ESD試験用の装置(静電気放電試験装置)の構成も既に知られている。なお、ESD試験装置の構成としては、特許文献1に示すように、先端部に放電チップが組み付けられた放電ガンを備えているものが一般的である。
特開2011−185830号公報
ところで、ESD試験には2種類の方法があり、一つは、供試機器(Equipment Under Test:以下、EUTという)と放電チップとを直接接触させてESDを起こす接触放電方式である。もう一つは、帯電した放電チップをEUTに近付けて当該放電チップとEUTとの距離が所定距離(具体的には、放電チップの印加電圧に依存する距離であって、空気中で絶縁破壊が起きる距離)に達することにより放電させる気中放電方式である。これら2つの試験方式は、国際電気標準会議(International Electrotechnical Commision)の規格IEC61000−4−2で規定されている。ただし、試験再現性の見地から接触放電方式が主に適用される。
また、接触放電方式によるESD試験において、塗装や酸化被膜によってEUT(厳密には、EUTが有する筐体中の金属部分)に放電チップが確実に接してなく放電チップとEUTとの間に微小ギャップが形成された状態のまま、意図せずESDが起こる場合がある。このように微小ギャップを伴う接触放電方式(以下、微小ギャップ放電方式)では、正規の接触放電方式及び気中放電方式のいずれとも異なるESD現象が起こることになる。
ところで、試験条件の観点から言うと、接触放電方式よりも微小ギャップ放電方式の方がより厳しくなる。具体的に説明すると、図4に示すように、静電気放電によって生じる放電電流の大きさ(厳密には、ピーク時の電流の大きさ)を比べると、接触放電による放電電流よりも微小ギャップ放電による放電電流の方がより大きくなる。図4は、静電気放電によって生じる放電電流の波形を示す図であり、図中、接触放電による放電電流の波形を破線にて示し、微小ギャップ放電による放電電流の波形を実線にて示す。なお、微小ギャップ放電による放電電流の波形のうち、空隙のサイズが30μmであるときの波形を細実線にて、空隙のサイズが50μであるときの波形を太実線にて示している。
また、図4を見て分かるように、微小ギャップ放電では、放電電流の波形においてピークが発現するタイミング(各波形の立ち上がり時間)が、接触放電よりも早くなる。換言すると、微小ギャップ放電による放電電流は、接触放電による放電電流に比して、より高周波な成分を有することになる。
以上のように気中放電方式では接触放電方式に比較して試験条件がより厳しくなる。また、自然界で確認されるESDは気中放電であるが、接触放電させる際にネジなどの金属部分に印加された電圧が筐体内の微小なギャップにおいて上記の微小ギャップ放電を二次的に発生される場合がある。これらの事情を考慮すると、ESD試験において多様な状態での耐性を試験する観点では、微小ギャップ放電方式を含めることが望ましいと言える。
しかしながら、EUTと放電チップとの間の空隙を所定の大きさとなるように調整することは一般的に困難である。このため、微小ギャップ放電方式を採用してESD試験を行う場合には、上記の空隙の大きさを正確に調整し、試験再現性を向上させることが必要となる。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、気中放電方式を採用したときの試験再現性を向上させることが可能な静電気放電試験装置を提供することにある。
前記課題は、本発明の静電気放電試験装置によれば、放電チップを備え、該放電チップを供試機器に接触させて生じる静電気放電に対する前記供試機器の耐性を試験するための静電気放電試験装置であって、前記放電チップは、(A)導電性を有し、前記供試機器と接触する先端電極部と、(B)静電気放電を発生させる際に電圧が印加される電圧印加部と、(C)導電性を有し、前記電圧印加部の被接合部分に接合している接合部と、(D)絶縁性を有し、前記先端電極部及び前記接合部の双方の間にギャップを設けた状態で前記双方を保持する保持部と、を有し、前記ギャップは、大気と連通していることにより解決される。
上記のように構成された本発明の静電気放電試験装置では、保持部によって保持された先端電極部及び接合部の双方の間にギャップが設けている。したがって、放電チップを供試機器に接触させているものの、上記のギャップが設けられているので、静電気放電として微小ギャップ放電が生じることになる。また、先端電極部及び接合部は、その間に所定の大きさとなったギャップが形成された状態で保持部に保持されている。このように先端電極部及び接合部の間に所定の大きさのギャップが予め形成されているので、試験時には、放電チップを供試機器に接触させればよく、放電チップと供試機器との間にギャップ(空隙)を設ける手間を要しない。また、ギャップが大気と連通しているため、静電気放電によってギャップ内にイオンが発生したとしても直ちに換気されるようになり、当該イオンが試験結果に及ぼす影響を回避することが可能となる。
以上までに説明してきた作用により、本発明の静電気放電試験装置によれば、微小ギャップ放電方式による静電気放電試験を高い再現性にて実施することが可能となる。
また、上記の静電気放電試験装置において、前記保持部の先端部に前記先端電極部が取り付けられ、前記保持部に設けられた挿入穴に前記接合部が挿入され、前記保持部の先端部に取り付けられた前記先端電極部の後端と、前記挿入穴に挿入された前記接合部の先端と、の間に前記ギャップが設けられているとよい。
上記の構成によれば、保持部の先端部に取り付けられた先端電極部の後端と、保持部の挿入穴に挿入された接合部の先端との間のスペースを利用してギャップを効率よく設けることが可能となる。
また、上記の静電気放電試験装置において、前記保持部には、前記ギャップを通過する貫通穴が形成されていると更によい。
上記の構成によれば、上記の貫通穴が通気口として機能するので、ギャップ内の空気が貫通穴を通じて良好に換気されるようになる。
また、上記の静電気放電試験装置において、前記保持部の先端部は、先端に近付くほど縮径しているテーパ形状をなしており、前記先端電極部のうち、前記供試機器との当接部は、円錐形状をなし、前記供試機器との当接部中、先端部分の角度が鋭角であると尚よい。
上記の構成では、先端電極部のうち、供試機器との当接部が円錐形状をなし、その先端部分の角度が鋭角となっている。このような形状の先端電極部であれば、そのサイズを極力小さくすることが可能となる。
また、上記の静電気放電試験装置において、前記接合部は、変位可能な状態で前記保持部に保持されており、前記ギャップの大きさは、前記接合部を変位させることで調整されると尚一層よい。
上記の構成では、ギャップの大きさが可変となるので、様々なサイズのギャップにて静電気放電試験を行うことが可能となり、静電気放電試験装置としての汎用性が向上することとなる。
また、上記の静電気放電試験装置において、前記保持部には前記接合部が挿入される挿入穴が形成され、前記接合部は、回転することにより、回転量に応じた距離だけ前記先端電極部に対して近接又は離間するように前記挿入穴内を移動すると益々よい。
上記の構成では、接合部が回転させることで回転量に応じた距離だけ先端電極部に対して近接又は離間するように挿入穴内を移動する。これにより、ギャップの大きさをより容易に調整(変更)することが可能となる。
本発明の静電気放電試験装置では、保持部によって保持された先端電極部及び接合部の双方の間にギャップを設けている。これにより、微小ギャップ放電方式による静電気放電試験を行う際に放電チップを供試機器に接触させればよく、放電チップと供試機器との間でギャップ(空隙)の確保及び調整を行う必要がない。また、ギャップが大気と連通しているため、静電気放電によってギャップ内にイオンが発生したとしても直ちに換気され、当該イオンが試験結果に及ぼす影響を受け難くなる。以上の結果、微小ギャップ放電方式による静電気放電試験を高い再現性にて実施することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る静電気放電試験装置の外観を示す図である。 本発明の一実施形態に係る静電気放電試験装置の電気回路の簡略図である。 本実施形態の一実施形態に係る放電チップの構成を示す模式図である。 静電気放電によって生じる放電電流の波形を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る静電気放電試験装置(以下、ESD試験装置1)について図1乃至3を参照しながら説明する。図1は、ESD試験装置1の外観を示す図であり、図2は、ESD試験装置1の電気回路の簡略図であり、ESD試験装置1が備える放電チップ10の構成を示す模式図である。図3は、ESD試験装置1が有する放電チップ10の構成を示す模式図である。図3について言及しておくと、図示の都合上、放電チップ10の所定部位(例えば、後述のギャップ16)の大きさについては、実際の大きさよりも幾分大きく図示している。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
ESD試験装置1は、放電チップ10を備え、微小ギャップ放電による静電気放電に対する供試機器(以下、EUT9)の耐性を試験するためのものである。ESD試験装置1の構成については、放電チップ10を除き、公知のESD試験装置と同様である。ESD試験装置1の構成について概説すると、ESD試験装置1は、図1に図示したように、静電気発生器としての放電ガン2と、高電圧電源3と、放電ガン2及び高電源電圧3の間を繋ぐ高圧ケーブル4と、を備えている。
放電ガン2は、放電チップ10を備えており、また、グランドケーブル2aを介してグランドに接地されている。そして、試験者は、ESD試験の際に放電ガン2を握って放電チップ10の先端がEUT9と接触する位置まで移動させる。また、放電ガン2は、その内部にESD発生用の電気回路を備えている。かかる電気回路について図2を参照しながら説明すると、コンデンサ5と、充電抵抗6と、放電抵抗7と、リレースイッチ8とが組み込まれている。リレースイッチ8は、コンデンサ5の充電/放電を切り替えるためのものであり、充電時には図2中の接点cがオンとなり、放電時には図2中の接点dがオンとなる。
コンデンサ5の充電時には、コンデンサ5の+側端子と高電圧電源3の陽極とが通電状態となり、その間に配置された充電抵抗6を経由して電荷がコンデンサ5に蓄えられ、充電完了時点でコンデンサ5の端子間には所定の大きさの電圧が印加されるようになる。一方、コンデンサ5の放電時には、コンデンサ5の+側端子と放電ガン2の放電チップ10(より具体的には、後述の電圧印加部12)とが通電状態となり、その間に配置された放電抵抗7を経由して電荷が放電チップ10に移動するようになる。これにより、コンデンサ5に印加された電圧に相当する大きさの電圧が放電チップ10に印加されるようになる。
以上に説明したコンデンサ5の充電/放電の切り替え、すなわち、リレースイッチ8における接点の切り替えは、放電ガン2に設けられたトリガー2bを操作することで行われる。そして、コンデンサ5の充電完了後、放電チップ10の先端をEUT9に接触させた状態でトリガー2bをオンすると、ESDが発生するようになる。つまり、本実施形態に係るESD試験は、接触放電の如く放電チップ10をEUT9に接触させた状態で行われることになる。なお、本実施形態に係るESD試験では、放電チップ10をEUT9に接触させた状態でトリガー2bのオンオフ(換言すると、リレースイッチ8の接点c、dの切換)を繰り返す。
ところで、本実施形態においてESDを発生させると、放電チップ10の先端をEUT9に接触させているものの、接触放電ではなく微小ギャップ放電が発生する。すなわち、ESD試験装置1を上述した手順にて操作すると、絶縁破壊によりスパークが発生し、EUT9に放電電流が流れるようになる。そして、本実施形態に係る放電チップ10は、その内部で上記の絶縁破壊が起こるように構成されている。かかる点が本実施形態の特徴であり、以下、図3を参照しながら詳しく説明する。
本実施形態に係る放電チップ10は、図3に図示するように、先端部が尖った外形形状をなしている。ただし、これに限定されるものではなく、先端部が丸みを有していることとしてもよく、あるいは、先端が平坦面であってもよい。また、放電チップ10は、放電ガン2の本体部分(放電ガン2のうち、放電チップ10を除いた部分)に対して着脱自在に取り付けられる。
具体的に説明すると、放電ガン2の本体部分のうち、放電チップ10が取り付けられる部分には不図示の突起部が設けられている。一方、放電チップ10の基端部(放電ガン2の本体部分に取り付けられる側の端部)には、図3に示すように、上記突起を嵌め込むための嵌め込み穴12cが形成されている。そして、放電ガン2の本体部分の突起部を上記の嵌め込み穴12cに嵌め込むことにより、放電チップ10が放電ガン2の本体部分に装着される。
本実施形態に係る放電チップ10は、複数の部品、具体的には先端電極部11、電圧印加部12、接合部13及び保持部14を組み合わせることで構成されている。先端電極部11は、放電チップ10の先端部をなしており、導電性を有する部材、具体的には金属からなる。この先端電極部11は、図3に示すように、ESD試験の実施に際してEUT9と当接する当接部11aと、当接部11aの後端面から突出した舌状の突出部11bと、を有する。
当接部11aは、円錐形状をなしており、その先端部分の角度(先端部分を側方から見たときの角度)が鋭角となっている。本実施形態では、このような形状を適用することで当接部11aのサイズを極力小さくすることとしている。これは、当接部11aのサイズが大きくなると、ESDに対する浮遊容量の影響を受け易くなってしまうためである。かかる意味で、先端部分の角度が鋭角となるように当接部11aの形状を設計することは、ESD試験装置の性能上、好適であると言える。ちなみに、当接部11aの形状は、先端部分の角度が鋭角となっていればよく、円錐形状以外の形状(例えば、角錐形状)であってもよい。ただし、当接部11aの先端形状については、錐状に限定されるものではなく、例えば丸みを有する形状(具体的には半球形状)であってもよい。
突出部11bは、後述する保持部14の先端に形成された差し込み穴(不図示)に差し込まれて圧入されている。このように突出部11bが保持部14の差し込み穴に圧入されることで、先端電極部11が保持部14に取り付けられるようになる。
電圧印加部12は、放電チップ10の基端部をなしており、導電性を有する部材、具体的には金属からなる。この電圧印加部12は、同軸上に並んでいる互いに径が異なる2つの部分、すなわち大径部12a及び小径部12bからなる。大径部12aは、電圧印加部12においてより後方に位置し、その径方向中央部分には前述の嵌め込み穴12cが形成されている。すなわち、放電チップ10のうち、電圧印加部12の大径部12aが放電ガン2の本体部分に取り付けられることになる。そして、放電ガン2の本体部分に電圧印加部12が取り付けられた状態でコンデンサ5が放電すると、電圧印加部12に所定電圧(すなわち、ESD発生用の電圧)が印加されるようになる。
小径部12bは、電圧印加部12においてより前方に位置している。また、電圧印加部12には、嵌め込み穴12cと連続するように延出した挿入穴12dが形成されている。この挿入穴12dは、電圧印加部12の中心軸方向に沿って延出して小径部12bの先端位置まで達しており、その内部には接合部13が挿入されている。また、大径部12aには挿入穴12dと交差するように形成された止めネジ用穴12eが設けられている。この止めネジ用穴12eには、挿入穴12dに挿入された接合部13の位置を固定して接合部13の回転を抑制するための止めネジ15が挿入されている。なお、止めネジ15に代えて不図示のボールプランジャを用い、当該ボールプランジャ(厳密にはバネ部)が付与する予圧によって接合部13の位置を固定し接合部13の回転を抑制してもよい。
接合部13は、導電性を有する部材、具体的には金属からなり、電圧印加部12の所定部分に接合している。この接合部13は、先端部が尖った棒状の部材であり、その外表面には略全域に亘ってネジ山13aが一定ピッチで形成されている。
保持部14は、先端電極部11と電圧印加部12との間に挟まれた位置にあり、絶縁性を有する部材、具体的には絶縁樹脂からなる。ただし、材質については樹脂に限定されるものではなく、セラミックによって構成されていることとしてもよい。保持部14の形状に説明すると、保持部14の先端部14aは、先端に近付くほど縮径しているテーパ形状をなしている。一方、保持部14の後端部14bは、円柱形状となっている。
そして、保持部14は、先端電極部11、電圧印加部12及び接合部13を保持する。具体的に説明すると、保持部14の先端部14aには先端電極部11が取り付けられており、厳密には先端部14aに設けられた差し込み穴に先端電極部11の突出部11bが圧入されている。一方、保持部14の後端部14bのうちの径方向中央部分には、電圧印加部12の小径部12bと同じ形状の嵌合穴14dが形成されている。この嵌合穴14dに電圧印加部12の小径部12bが嵌合(圧入)されることで、電圧印加部12が保持部14に取り付けられている。
また、保持部14には、嵌合穴14dと連続するように延出した挿入穴14cが形成されている。この挿入穴14cは、電圧印加部12の小径部12bが嵌合穴14dに嵌合された状態では、電圧印加部12に形成された挿入穴12dと連通している。そして、連通している2つの挿入穴14c、12dに接合部13が挿入されることにより、保持部14が接合部13を保持するようになる。
なお、電圧印加部12に形成された挿入穴12dのうち、小径部12b内に位置する部分の内周面にはネジ山12fが形成されている。そして、挿入穴12dに接合部13が挿入されている状態では、挿入穴12dの内周面に形成されたネジ山12fと、接合部13の外周面に形成されたネジ山13aとが噛み合っている。これにより、接合部13は、電圧印加部12と接合するようになる。換言すると、電圧印加部12において挿入穴12dの内周面に形成されたネジ山12fは、被接合部分に相当する。
そして、電圧印加部12にESD発生用の電圧が印加されると、電圧印加部12に接合した接合部13にも同一の電圧が印加されるようになる。
一方、保持部14が先端電極部11、電圧印加部12及び接合部13を保持した状態において、接合部13の先端は、図3に示すように、先端電極部11の後端(具体的には突出部11bの端)よりも僅かに後方に位置している。すなわち、本実施形態において、保持部14は、先端電極部11の後端と接合部13の先端との間にギャップ16を設けた状態で、先端電極部11及び接合部13の双方を保持している。一方、上記のギャップ16は大気と連通している。具体的に説明すると、保持部14の先端部14aには、ギャップ16を通過する貫通穴14eが形成されている。
以上のように本実施形態では先端電極部11と接合部13との間にギャップ16が形成されている。そして、放電チップ10をEUT9に接触させた状態でコンデンサ5の蓄電電荷を放電すると、接触放電ではなく、微小ギャップ放電によるESDが発生することになる。
さらに、本実施形態では、微小ギャップ放電方式によるESD試験についての再現性を向上させることが可能である。具体的に説明すると、放電チップ10において保持部14によって先端電極部11及び接合部13の双方が保持されることで、当該双方の間には所定の大きさのギャップ16が形成されるようになる。このように先端電極部11及び接合部13の間に所定の大きさのギャップ16が予め形成されていれば、ESD試験時には放電チップ10の先端をEUT9に接触させればよく、放電チップ10とEUT9との間に空隙を設けて更に当該空隙の大きさを調整する手間を要さない。つまり、本実施形態に係るESD試験装置1であれば、同じ試験条件にてESD試験を複数回繰り返す場合、ギャップ16を保持しておけば再現よくESD試験を行うことが可能である。
また、ギャップ16が大気と連通しているため、ESDによってギャップ16内にイオンが発生したとしても直ちに換気されるので、当該イオンが試験結果に及ぼす影響を回避することが可能となる。なお、ギャップ16を大気と連通させるために形成された貫通穴14eは、ギャップ16内を視認するための穴としても機能する。
以上までに説明してきた作用により、ESD試験装置1によれば、微小ギャップ放電方式によるESD試験を高い再現性にて実施することが可能となる。
また、本実施形態において、接合部13は、変位可能な状態で保持部14に保持されている。そして、ギャップ16の大きさは、接合部13を変位させることで調整される。具体的に説明すると、接合部13は、保持部14に形成された挿入穴14c、及び、電圧印加部12に形成された挿入穴12dに挿入されている。また、接合部13の外表面に形成されているネジ山13aは、挿入穴12dのうち、電圧印加部12の小径部12b内に位置する範囲において、挿入穴12dの内周面に形成されたネジ山12fと噛み合っている。かかる状態で接合部13をその中心軸周りに回転させると、その回転量に応じた距離だけ先端電極部11に対して近接又は離間するように接合部13が挿入穴12d、14c内を移動するようになる。
以上のようにギャップ16の大きさが可変となっていることで、様々なサイズのギャップ16にてESD試験を行うことが可能となる。この結果、ESD試験装置1の汎用性が向上することとなる。また、本実施形態では、接合部13を回転させるだけでギャップ16の大きさが変えられるので、ギャップ16の大きさをより容易に調整することが可能である。なお、接合部13を回転させてギャップ16の大きさを変えられる構成としては、接合部13の回転量と変位量(中心軸方向における移動量)との対応関係が分かる構成、例えば、マイクロメータ等のように回転に伴う変位量を精度よく特定することが可能な構成を採用するのが望ましい。
なお、本実施形態では、ギャップ16の調整範囲が50μm〜500μmとなっている。ただし、調整範囲については上記の範囲に限定されるものではない。また、ギャップ16の大きさを調整する機構については、上記の構成に限定されるものではなく、適宜ギャップ16の大きさを変更することが可能なものである限り、他の構成を採用してもよい。
1 ESD試験装置(静電気放電試験装置)
2 放電ガン
2a グランドケーブル
2b トリガー
3 高電圧電源
4 高圧ケーブル
5 コンデンサ
6 充電抵抗
7 放電抵抗
8 リレースイッチ
9 EUT(供試機器)
10 放電チップ
11 先端電極部
11a 当接部
11b 突出部
12 電圧印加部
12a 大径部
12b 小径部
12c 嵌め込み穴
12d 挿入穴
12e 止めネジ用穴
12f ネジ山
13 接合部
13a ネジ山
14 保持部
14a 先端部
14b 後端部
14c 挿入穴
14d 嵌合穴
14e 貫通穴
15 止めネジ
16 ギャップ

Claims (6)

  1. 放電チップを備え、該放電チップを供試機器に接触させて生じる静電気放電に対する前記供試機器の耐性を試験するための静電気放電試験装置であって、
    前記放電チップは、
    導電性を有し、前記供試機器と接触する先端電極部と、
    静電気放電を発生させる際に電圧が印加される電圧印加部と、
    導電性を有し、前記電圧印加部の被接合部分に接合している接合部と、
    絶縁性を有し、前記先端電極部及び前記接合部の双方の間にギャップを設けた状態で前記双方を保持する保持部と、を有し、
    前記ギャップは、大気と連通していることを特徴とする静電気放電試験装置。
  2. 前記保持部の先端部に前記先端電極部が取り付けられ、
    前記保持部に設けられた挿入穴に前記接合部が挿入され、
    前記保持部の先端部に取り付けられた前記先端電極部の後端と、前記挿入穴に挿入された前記接合部の先端と、の間に前記ギャップが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の静電気放電試験装置。
  3. 前記保持部には、前記ギャップを通過する貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の静電気放電試験装置。
  4. 前記保持部の先端部は、先端に近付くほど縮径しているテーパ形状をなしており、
    前記先端電極部のうち、前記供試機器との当接部は、円錐形状をなし、
    前記供試機器との当接部中、先端部分の角度が鋭角であることを特徴とする請求項2又は3に記載の静電気放電試験装置。
  5. 前記接合部は、変位可能な状態で前記保持部に保持されており、
    前記ギャップの大きさは、前記接合部を変位させることで調整されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の静電気放電試験装置。
  6. 前記保持部には前記接合部が挿入される挿入穴が形成され、
    前記接合部は、回転することにより、回転量に応じた距離だけ前記先端電極部に対して近接又は離間するように前記挿入穴内を移動することを特徴とする請求項5に記載の静電気放電試験装置。
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