JP2016075517A - 透視歪の測定装置および透視歪の測定方法 - Google Patents

透視歪の測定装置および透視歪の測定方法 Download PDF

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【課題】一方向に延在する細かな歪を測定することができる透視歪の測定装置および透視歪の測定方法を提供すること。
【解決手段】明暗パタンとして、一方向に延在する明暗交互の複数のストライプからなる複数のストライプパタン画像を表示するパタン表示部2と、パタン表示部2によって表示される複数の明暗パタンを、測定対象を介して撮像する撮像部1と、撮像部1による複数の撮像結果に基づいて、測定対象面の透視歪を算出する透視歪算出部3bと、を備え、透視歪算出部3bは、撮像部1による複数の撮像結果から、撮像部1の各画素に対応した撮像領域をストライプパタン画像に応じた粗い領域に分割することにより、粗い領域の境界である第1の境界部を算出し、第1の境界部と予め設定された基準となる第2の境界部とに基づいて透視歪を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光透過性を有するガラスや樹脂等の被測定物の歪度合を測定する、透視歪の測定装置および透視歪の測定方法に関する。
一般に、自動車用窓ガラスや建築用窓ガラスには光透過性を有するガラス等が用いられ、自動二輪車用フードやモニタの画面には光透過性を有する樹脂等が用いられる。このような光透過性を有するガラスや樹脂等において歪度合いが大きい場合、ガラスや樹脂等を介して見える外部の景観や表示された画像が歪んでしまう。そこで、これらのガラスや樹脂等によって生ずる歪が、許容範囲内にあるか否かを評価する必要がある。
例えば、特許文献1には、スクリーンに表示された所定間隔に配置された複数の表示点を、透明物体を透過させて撮影し、撮影された表示点の検査位置座標と、予め記憶された表示点の基準位置とから変位量を算出することにより透視歪を検査する、歪検査装置が開示されている。
また例えば、特許文献2には、所定角度をなす複数の線分から構成されるターゲットを、板状体を通して撮像することで各線分の長さを測定し、測定結果と板状体を外した状態における各線分の基準長さとを比較することで、透視歪を検出する透視歪検出方法が開示されている。
国際公開第2008/149712号 特開平06−144006号公報
しかし、特許文献1に記載の歪検査装置および特許文献2に記載の透視歪検出方法は、複数の表示点(発光点)を基に歪を測定している。このため、特許文献1および特許文献2では、樹脂製の透明な板材をプレス成型する際に生じる細い皺のように、表示点間の隙間に入るような細かな歪を測定することが難しい。またこのような場合に、表示点を小さくし且つ表示点が並んだ間隔を短くすることが考えられるが、歪みによって複数の表示点が重なったり、つぶれて撮像できなかったりするため、一つ一つの表示点を識別することが困難となる。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、高い空間分解能で透視歪を測定することができる透視歪の測定装置および透視歪の測定方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る透視歪の測定装置は、明暗パタンとして、一方向に延在する明暗交互の複数のストライプからなる複数のストライプパタン画像を順に表示するパタン表示部と、パタン表示部によって表示される複数の明暗パタンを、測定対象を介して撮像する撮像部と、撮像部による複数の撮像結果に基づいて、測定対象面の透視歪を算出する透視歪算出部と、を備え、透視歪算出部は、複数の撮像結果のうち複数のストライプパタン画像の撮像結果から、明暗の出現順序である第1の明暗出現順序を撮像部の画素毎に抽出し、第1の明暗出現順序からパタン表示部上の座標値を示す第1のコード値を画素毎に算出することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る透視歪の測定方法は、明暗パタンとして、一方向に延在する明暗交互の複数のストライプからなる複数のストライプパタン画像を順に表示するパタン表示工程と、パタン表示工程において表示される複数の明暗パタンを、測定対象を介して撮像する撮像工程と、撮像工程による複数の撮像結果に基づいて、測定対象面の透視歪を算出する透視歪算出工程と、を備え、透視歪算出工程の際に、複数の撮像結果のうち複数のストライプパタン画像の撮像結果から、明暗の出現順序である第1の明暗出現順序を画素毎に抽出し、第1の明暗出現順序からパタン表示部上の座標値を示す第1のコード値を画素毎に算出することを特徴とする。
さらに、本発明の一態様に係る表面品質検査方法は、射出成型、プレス成型、部品取付、組み立て、熱処理、完成品検査のいずれか少なくとも1つの処理による透視歪に由来した樹脂またはガラス成形品の品質不具合を上記の透視歪の測定方法を用いて検査することを特徴とする。
本発明に係る透視歪の測定装置、透視歪の測定方法および表面品質検査方法によれば、高い空間分解能で透視歪を測定することができる。
本発明の第1の実施形態に係る透視歪の測定装置を示す装置構成図である。 ストライプパタン画像を示す説明図である。 本実施形態の透視歪の測定方法を示すフローチャートである。 第1のコード値の算出方法を説明するための図である。 第1の基準コード値による領域分けを示す説明図である。 第1のコード値による領域分けを示す説明図である。 第1のコード値および第1の基準コード値による境界部のズレを示す説明図である。 y軸方向に並んだ画素に対する第1の基準コード値を示すグラフである。 y軸方向に並んだ画素に対する第1のコード値を示すグラフである。 y軸方向に並んだ画素に対する第1のコード値と第1の基準コードとの差分を示すグラフである。 ストライプパタン画像およびマルチスリットパタンを示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る透視歪の測定方法を示すフローチャートである。 第2のコード値の算出方法を示す説明図である。 第2の基準コード値の算出方法を示す説明図である。 コード値の差分の算出方法を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る透視歪の測定方法を示すフローチャートである。 装置構成の変形例を示す構成図である。 装置構成の変形例を示す構成図である。 ストライプパタン画像およびマルチスリットパタンの変形例を示す説明図である。 実施例において、スクリーンを背景として測定対象を撮像したときの写真を示す図である。 実施例1におけるスリットパタン画像およびマルチスリットパタンが投影されたときの写真を示す画像である。 実施例1における第2のコード値と第2の基準コード値との差分を算出する経過を示す説明図である。 実施例1における第2のコード値と第2の基準コード値との差分をマッピングした結果を示す図である。 図23のI−I位置における第2のコード値および第2の基準コード値を示すグラフである。 図24の第2のコード値と第2の基準コード値との差分値を示すグラフである。 実施例1において、第3の実施形態を適用した際の、第2のコード値および第2の基準コード値を示すグラフである。 図26の第2のコード値と第2の基準コード値との差分値を示すグラフである。 実施例1において、第3の実施形態を適用した際の、第2のコード値と第2の基準コード値との差分をマッピングした結果を示す図である。 実施例2におけるスリットパタン画像およびマルチスリットパタンが投影されたときの写真を示す画像である。 実施例2における第2のコード値と第2の基準コード値との差分を算出する経過を示す説明図である。 実施例2における第2のコード値と第2の基準コード値との差分をマッピングした結果を示す図である。 図31のII−II位置における第2のコード値および第2の基準コード値を示すグラフである。 図32の第2のコード値と第2の基準コード値との差分値を示すグラフである。 実施例2において、第3の実施形態を適用した際の、第2のコード値および第2の基準コード値を示すグラフである。 図34の第2のコード値と第2の基準コード値との差分値を示すグラフである。 実施例2において、第3の実施形態を適用した際の、第2のコード値と第2の基準コード値との差分をマッピングした結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
<1.第1の実施形態>
[1−1.装置構成]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る透視歪の測定装置について説明する。本実施形態に係る透視歪の測定装置は、測定対象4の透視歪を測定する装置であり、図1に示すように、撮像部1と、パタン表示部2と、制御部3とを備える。
撮像部1は、CCD素子等を用いたビデオカメラ等の撮像装置であり、パタン表示部2に表示される複数の明暗パタンを、測定対象4を介して撮像する。また、撮像部1は、少なくとも測定対象4の透視歪を測定する箇所を全て含む撮像対象領域を撮像する。撮像部1は、撮像した複数の明暗パタンにそれぞれ対応した複数の撮像画像を制御部3に送る。
パタン表示部2は、投影機2aと、スクリーン2bとからなる。投影機2aは、プロジェクタ等のスクリーン2bに画像を表示する表示装置である。投影機2aは、後述する制御部3から複数の明暗パタンを取得し、取得した複数の明暗パタンを平坦なスクリーン2bに順に表示させる。なお、撮像部1の撮像画素数および投影機2aの投影画素数は、目的とする測定精度に応じて適宜選択することができる。例えば、撮像部1の撮像画素数を640画素×480画素とし、投影機2aの投影画素数を1024画素×768画素としてもよい。また、双方の精度のバランスの観点から、撮像画素数に対して投影画素数を縦横それぞれ1〜2倍程度としてもよい。
本実施形態では、図1に示すように、撮像部1と測定対象4とスクリーン2bとが、z軸方向に一直線に並んで設けられる。なお、スクリーン2bは、平坦な表示面がx−y平面と平行に設けられる。また、投影機2aは、明暗パタンとして、x軸方向に延在し、y軸方向に等間隔で明暗交互に並ぶ複数のストライプからなるストライプパタン画像をスクリーン2b上に表示する。
制御部3は、シーケンスコントローラ3aと、透視歪演算部3bと、パタン投影部3cと、画像バッファ3dとを有する。画像バッファ3dは、撮像部1により撮像された複数の撮像画像を取得し、記憶する。パタン投影部3cは、複数の明暗パタンとして複数のストライプパタン画像を記憶し、シーケンスコントローラ3aの指示に基づいて、表示させるストライプパタン画像を複数のストライプパタン画像から選択し、投影機2aに送信する。透視歪演算部3bは、撮像部1により撮像され、画像バッファ3dに記憶された複数の撮像画像から、透視歪を算出する。シーケンスコントローラ3aは、パタン投影部3cの投影機2aへの明暗パタンの送信動作、画像バッファ3dへの撮像画像の取り込み動作、透視歪演算部3bへの撮像画像の画像データの転送動作、および透視歪演算部3bの歪量の算出動作をそれぞれ制御する。
ここで、本実施形態では、パタン投影部3cは、明暗パタンとして、図2に示す5種類のストライプパタン画像6a〜6eを記憶し、各ストライプパタン画像6a〜6eを順にパタン表示部2に表示させる。ストライプパタン画像6a〜6eは、x軸方向に延在し、明暗交互にy軸方向に2等分されたストライプ状の画像である。ストライプパタン画像6a〜6eは、領域が2,4,8,16,32個にそれぞれy軸方向に等分される。
測定対象4は、光透過性を有するガラスや樹脂等からなる。また、測定対象4は、射出成型、プレス成型、部品取付、組み立て、熱処理、完成品検査のうち少なくとも一つの処理が行われたものであってもよい。
[1−2.透視歪の測定方法]
次に、図1〜図7を参照して、本実施形態に係る透視歪の測定方法について詳細に説明する。
まず、図2に示すように、シーケンスコントローラ3aは、明暗パタンとしてはじめに表示するストライプパタン画像6aをパタン投影部3cに選択させる(S100)。
次いで、投影機2aは、パタン投影部3cで選択されたストライプパタン画像6a〜6eをスクリーン2bに投影することで、ストライプパタン画像6a〜6eをスクリーン2b上に表示させる(S102)。このとき、直前に行われた処理がステップS100である場合には、選択されたストライプパタン画像6aが表示される。また、直前に行われた処理が後述するステップS108である場合には、選択されたストライプパタン画像6b〜6eが表示される。
さらに、撮像部1は、ステップS102で表示されたストライプパタン画像6a〜6eを撮像する(S104)。このとき、撮像部1とスクリーン2bとの間には、測定対象4が設けられている。このため、撮像部1は、測定対象を透過して観察されるストライプパタン画像6a〜6eを撮像する。ステップS104で撮像された撮像画像は、画像バッファ3dに記憶される。
その後、シーケンスコントローラ3aは、投影及び撮像すべきストライプパタン画像を制御しており、すべてのストライプパタン画像6a〜6eが撮像されたか否かを判断する(S106)。
ステップS106において、すべてのストライプパタン画像6a〜6eが撮像されていない場合、シーケンスコントローラ3aは、直前のステップS102で表示されたストライプパタン画像6a〜6dの次の表示順のストライプパタン画像6b〜6eを選択する(S108)。本実施形態では、図2に示す5種類のストライプパタン画像6a〜6eが順に表示され、撮像される。
一方、ステップS106において、すべてのストライプパタン画像6a〜6eが撮像された場合、透視歪演算部3bは、シーケンスコントローラ3aの指示に基づいて、画像バッファ3dに記憶された複数の撮像結果から第1のコード値を算出する(S110)。このとき、透視歪演算部3bは、画像バッファ3dに記憶された5種類のストライプパタン画像6a〜6eに基づいて画像の各画素を2値化し合成することでコード化し、各画素について32個の領域を示す第1のコード値を算出する。第1のコード値は、スクリーン2b上の座標を示す値であり、スクリーン2bをy方向に等間隔に32分割した領域を示す値である。
各画素のコード化について、図4を参照して説明する。図4では、説明を簡略化するため、ストライプパタン画像6a〜6cを用いて各画素を2値化し、各画素について第1のコード値を算出する場合について示す。図4に示した例では、1次パタンであるストライプパタン画像6a、2次パタンであるストライプパタン画像6bおよび3次パタンであるストライプパタン画像6cの撮像画像について、各画素の撮像結果が明るかった場合を1とし、撮像結果が暗かった場合を0として2値化した。さらに、1次パタン〜3次パタンでの値を出現順に合成することにより、各画素のコード値を求めy方向に8領域(図4の0〜7で示す第1のコード値)に領域分けすることができる。なお、本実施形態では、透視歪演算部3bは、ストライプパタン画像6a〜6eの撮像結果から領域分けを行うため、各画素を32個の領域に区分する。
第1のコード値は、図4に図示した例のように、投影される画像に応じてスクリーン2bをy方向に等間隔な8領域に分割した際に、分割された各領域を示す値である。このため、撮像部1の撮像視野とスクリーン2b上の画像が投影される領域とが一致し、撮像部1とスクリーン2bとの間に光を歪ませるような物体がない場合、各画素の第1のコード値が算出されることにより、各画素はy方向に等間隔に領域分けされる。一方、図1に示すように撮像部1とスクリーン2bとの間に透視歪を有する物体がある場合には、算出される第1のコード値により分けられる各画素の領域は、歪量に応じて移動または変形する。したがって、算出される第1のコード値によって分けられる領域が、y方向に等間隔に分割された領域か否かを判断することで、透視歪の有無を判断することができる。
図5および図6に第1のコード値による領域分けの一例を示す。なお、図5および図6では、説明を簡略化するため、撮像部1の撮像視野とスクリーン2b上の画像が投影される領域とが一致している前提で、図4と同様に各画素がストライプパタン画像6a〜6cに基づいて算出される第1のコード値によって8領域に分けられた状態を示す。図5では測定対象4に透視歪がない場合、図6では測定対象4に透視歪がある場合をそれぞれ示す。また、図5および図6において、符号10は画像全体、符号40は測定対象4を示す画像上の領域、符号11A〜11H,12A〜12Hは第1のコード値に対応する領域、符号11a〜11g,12a〜12gは隣接する各領域11A〜11H,12A〜12H同士の境界部をそれぞれ示す。
図5に図示した例のように、スクリーン上のパターン投影部と視野が一致しており、かつ測定対象4に透視歪がない場合、第1のコード値により分けられる領域12A〜12Hは、画像全体10をy軸方向に8等分した形状となり、縦横の長さがそれぞれ等しい矩形となる。このため、境界部12a〜12hは、x軸方向に水平な直線となる。一方、図6に図示した例のように、測定対象4に透視歪がある場合、第1のコード値により分けられる領域11A〜11Hは、画像全体10をy軸方向に8等分された矩形の形状とはならず、透視歪の位置や歪量に応じて、図5の状態から面積や形状が変化したものとなる。このため、境界部11a〜11hは、例えば図6に示した例においては、x軸方向に平行な直線にならず、y軸方向に歪みを有する曲線となる。なお、本実施形態では、図示しないが、各画素は32個の区分に領域分けされる。このように、ステップS110で算出される第1のコード値は、各画素に対する第1のコード値の分布を評価することにより、透視歪の有無や発生位置を判断することができる。例えば、各画素に対する第1のコード値の分布により分けられた各領域の形状が、y軸方向に等分された矩形形状か否かを評価することで透視歪の有無を判断することができる。また、このような透視歪の判断は、x軸方向に連続して画素単位で行われるため、高い空間分解能で透視歪を測定することができる。
ステップS110の後、透視歪演算部3bは、第1のコード値と、予め算出される第1の基準コード値とから透視歪の発生位置および発生量を算出する(S112)。第1の基準コード値は、第1のコード値と同様にスクリーン2b上の座標を示す値であり、透視歪がない状態における基準となる領域を示すものである。本実施形態では、第1の基準コード値は、測定対象4がない状態で、ステップS100〜ステップS110の処理が行われることで算出される。また、第1のコード値と同様に、第1の基準コード値により、各画素は複数の領域に分割される。このとき、測定対象4がない状態は、透視歪がなく透過性を有する測定対象4がある状態と同じである。このため、ステップS100〜ステップS110の処理を行うことで、第1の基準コード値により分割された領域は、例えば図5に示した例と同様に、y方向に等間隔に分割された矩形状の領域となる。
ここで、ステップS112では、第1のコード値と第1の基準コード値とが同じ領域について、画素毎に比較することにより、領域の形状の違いから透視歪の発生位置および発生量を算出する。例えば、図7は、図6に示した第1のコード値から得られる実線で分割された領域と、図5に示した第1の基準コード値から得られる破線で分割された領域とを比較した場合の説明図である。図7に図示した例では、測定対象4のx軸方向中央部等には透視歪があるため、測定対象4を示す領域40のx軸方向中央部等において、第1のコード値から得られる境界部と第1の基準コード値から得られる境界部とではズレが生じる。このズレの量は、透視歪の歪量に相当するものであるため、ズレの大きさを検出することで、歪量を測定することができる。
ステップS112について、図7〜図10を用いてさらに具体的に説明する。図8〜図10は、図7の符号14で示すx軸方向の1画素の領域における、y軸方向に並ぶ各画素に対する第1のコード値、第1の基準コード値および第1のコード値と第1の基準コード値との差分をそれぞれ示すグラフである。図8および図9では、0〜7の数値で示される第1のコード値および第1の基準コード値により、y軸方向の画素が境界部12a〜12g,11a〜11gで区分された8領域12A〜12H,11A〜11Hにそれぞれ分けられる。
図10では、第1のコード値と第1の基準コード値との差分が、境界部11aと境界部12aとの間、境界部11bと境界部12bとの間、境界部11cと境界部12cとの間、境界部11dと境界部12dとの間、境界部11eと境界部12eとの間、境界部11fと境界部12fとの間および境界部11fと境界部12fとの間でそれぞれ生じる。したがって、差分が生じた境界部で区切られた領域において透視歪が生じていることを確認することができ、さらに上記の第1のコード値と第1の基準コード値との境界部間のズレの大きさが歪量として算出される。
本実施形態では、図9に示す透視歪の発生位置および歪量をx軸方向に画素単位で連続して測定することができる。このような測定装置および測定方法は、x軸方向に対して高い空間分解能で透視歪を測定することができるため、複数の表示点を基に歪を測定する方法では測定が難しかった、細かな皺による透視歪を測定することができる。
<2.第2の実施形態>
[2−1.装置構成]
次に、図11を参照して、本発明の第2の実施形態に係る透視歪の測定装置の構成について説明する。本実施形態に係る透視歪の測定装置は、明暗パタンとして、ストライプパタン画像6a〜6eおよびマルチスリットパタン6fを用いて測定対象4の透視歪を測定する。本実施形態に係る透視歪の測定装置は、図1で説明した第1の実施形態と同様に、撮像部1と、パタン表示部2と、制御部3とを備える。
撮像部1およびパタン表示部2の構成は、第1の実施形態と同じである。
制御部3は、シーケンスコントローラ3aと、透視歪演算部3bと、パタン投影部3cと、画像バッファ3dとを有する。
パタン投影部3cは、複数の明暗パタンとして、複数のストライプパタン画像と、マルチスリットパタンとを記憶する。また、パタン投影部3cは、複数のストライプパタン画像をシーケンスコントローラ3aの指示に基づいて、表示させるストライプパタン画像を複数のストライプパタン画像から選択し、投影機2aに送信する。その後、パタン投影部3cは、シーケンスコントローラ3aの指示に基づいて、マルチスリットパタンを投影機2aに送信する。さらに、パタン投影部3cは、シーケンスコントローラ3aに指示に基づいて走査させたマルチスリットパタンを投影機2aに送信する。マルチスリットパタンの走査の詳細については、後述する。
画像バッファ3dは、撮像部1により撮像された複数の撮像画像を取得し、記憶する。透視歪演算部3bは、撮像部1により撮像され、画像バッファ3dに記憶された複数の撮像画像から、透視歪を算出する。シーケンスコントローラ3aは、パタン投影部3cの投影機2aへの明暗パタンの送信動作、画像バッファ3dへの撮像画像の取り込み動作、透視歪演算部3bへの撮像画像の画像データの転送動作、および透視歪演算部3bの歪量の算出動作をそれぞれ制御する。
ここで、本実施形態では、パタン投影部3cは、明暗パタンとして、図11に示す5種類のストライプパタン画像6a〜6eおよびマルチスリットパタン6fを記憶し、各ストライプパタン画像6a〜6eおよびマルチスリットパタン6fを順にパタン表示部2に表示させる。ストライプパタン画像6a〜6eは、第1の実施形態と同じである。マルチスリットパタン6fは、x軸方向に延在し、且つy方向に等間隔に並ぶ複数のストライプである。また、マルチスリットパタン6fのストライプの幅は、ストライプパタン画像6a〜6eのうちストライプの幅が最小となるストライプパタン画像6よりも小さい。マルチスリットパタン6fの複数のストライプが並ぶ間隔は、ストライプパタン画像6eのストライプの幅と同じ距離となる。
本実施形態に係る透視歪の測定装置は、上記以外の構成については、第1の実施形態と同じである。
[2−1.透視歪の測定方法]
次に、図11〜図15を参照して、本実施形態に係る透視歪の測定方法について詳細に説明する。
まず、図12に示すように、シーケンスコントローラ3aは、明暗パタンとしてはじめに表示するストライプパタン画像6aをパタン投影部3cに選択させる(S200)。ステップS200は、第1の実施形態のステップS100と同様に行われる。
次いで、投影機2aは、パタン投影部3cで選択されたストライプパタン画像6a〜6eをスクリーン2bに投影することで、ストライプパタン画像6a〜6eをスクリーン2b上に表示させる(S202)。ステップS202は、第1の実施形態のステップS102と同様に行われる。
さらに、撮像部1は、ステップS202で表示されたストライプパタン画像6a〜6eを撮像する(S204)。ステップS204は、第1の実施形態のステップS104と同様に行われる。
その後、シーケンスコントローラ3aは、投影及び撮像すべきストライプパタン画像を制御しており、全てのストライプパタン画像6a〜6eが撮像されたか否かを判断する(S206)。ステップS206は、第1の実施形態のステップS106と同様に行われる。
ステップS206において、すべてのストライプパタン画像6a〜6eが撮像されていない場合、シーケンスコントローラ3aは、直前のステップS202で表示されたストライプパタン画像6a〜6dの次の表示順のストライプパタン画像6b〜6eを選択する(S208)。ステップS208は、第1の実施形態のステップS108と同様に行われる。
ステップS208の後、ステップS202の処理が行われ、ステップS208で選択されたストライプパタン画像6b〜6eがパタン表示部2に投影される。なお、ステップS202〜ステップS208の処理は、ストライプパタン画像6eが撮像されるまで繰り返し行われる。
一方、ステップS206において、すべてのストライプパタン画像6a〜6eが撮像された場合、シーケンスコントローラ3aは、パタン投影部3cにマルチスリットパタン6fを選択させる(S210)。
次いで、投影機2aは、パタン投影部3cで選択されたマルチスリットパタン6fをスクリーン2bに投影することで、マルチスリットパタン6fをスクリーン2b上に表示させる(S212)。
さらに、パタン投影部3cは、マルチスリットパタン6fをy方向に走査させる(S214)。このとき、撮像部1は、マルチスリットパタン6fの走査と同時に、スクリーン2bに表示され、y方向に走査するマルチスリットパタン6fを一定時間間隔で連続的に撮像する。このとき、撮像結果には、撮像されたマルチスリットパタン6fの画像と撮像タイミングとが同時に記憶される。マルチスリットパタンの走査は、マルチスリットパタン6fのストライプが並ぶ間隔だけ走査が行われることで終了する。また、撮像部1による撮像は、マルチスリットパタン6fの走査の終了に伴い終了する。ステップS214で撮像された撮像画像は、画像バッファ3dに記憶される。
ステップS214の後、透視歪演算部3bは、画像バッファ3dに記憶された複数の撮像結果うちストライプパタン画像6a〜6eの撮像結果から、画素毎に第1のコード値を算出する(S216)。第1のコード値の算出方法は、第1の実施形態のステップS110と同様である。ステップS216では、透視歪演算部3bは、算出される第1のコード値毎に各画素を領域分けする。
その後、透視歪演算部3bは、第1のコード値と、画像バッファ3dに記憶された複数の撮像結果のうちマルチスリットパタン6fの撮像結果から第2のコード値を算出する(S218)。第2のコード値は、第1のコード値と同様に、スクリーン2b上の座標を示す値であるが、第1のコード値よりも精細な座標である。本実施形態では、第2のコード値は、y軸方向のスクリーン上の画素単位の座標を示す。
第2のコード値は、第1のコード値と、連続して撮像されたマルチスリットパタン6fの複数の撮像画像と、各撮像画像の撮像タイミングに基づいて算出される。具体的には、透視歪演算部3bは、複数の撮像画像の画素毎の輝度を撮像された順に評価していき、輝度が最大輝度となる撮像タイミング、すなわちビデオカメラで撮像しているスクリーン上の対応点にスリット光が投影されたタイミングを画素毎に抽出し、抽出された撮像タイミングをスクリーン上でのスリットの移動画素数に対応した値に変換することで中間コード値を算出する。
次に、算出された中間コード値が、第1のコード値で分けられた領域単位で合成されることにより、スクリーン上のy軸方向の画素毎に単調変化する第2のコード値が算出される(S218)。
第2のコード値の算出方法について、図13を参照して具体的に説明する。図13に図示した例では、説明を簡略化するため、明部となる8本のストライプからなるマルチスリットパタン6fを用いた場合について説明する。図13は、図7に示した例の領域14における第2のコード値の算出方法を示す説明図である。
まず、最大輝度となる撮像タイミングが画素毎にそれぞれ抽出され、抽出された撮像タイミングがスクリーン上でのスリットの移動画素数に対応した値に変換されることで、図13の上側のグラフに示す中間コード値が算出される。マルチスリットパタン6fはスクリーン上を一定速度走査し、初期状態で次のスリットパタンが存在していたところで停止しているので、撮像タイミングの変換は、撮像タイミングである時間に、マルチスリットパタン6fの全体の走査時間が画像のy軸方向の総画素数の1/8となるような係数を乗じることで行われる。ここで、マルチスリットパタン6fの各ストライプは、走査されることで、第1のコード値で分けられる領域11A〜11H内をそれぞれ移動する。このため、図13の上側のグラフに示すように、コード値(中間コード値)は、各領域11A〜11Hにおいて、y軸負方向側端部の画素で0となり、そこからy軸の正方向側に移るに従い徐々に大きくなり、y軸正方向側端部の画素で走査が終了した時間に対応したコード値となる。次に、第1のコード値で分けられる領域11A〜11H単位で、算出された中間コード値と第一のコード値との合成、すなわち第一のコード値に画像のy軸方向の総画素数の1/8となるような係数を乗じこれを加算することが行われることで、図13の下側のグラフに示す連続した第2のコード値が算出される。
ステップS218の後、透視歪演算部3bは、第2のコード値と予め設定された第2の基準コード値とから透視歪の発生位置および発生量を算出する(S220)。第2の基準コード値は、透視歪がない状態における基準となるコード値を示すものである。本実施形態では、第2の基準コード値は、測定対象4がない状態で、ステップS200〜ステップS218の処理が行われることで算出され、ステップS218において第2のコード値として算出される値である。図14は、第2の基準コード値の算出結果の一例を示す説明図であり、図7の領域14に対応するy軸方向にならんだ画素について、抽出される撮像タイミングを変換して得られた中間コード値(図14の上側に図示)と、中間コード値を合成して得られる第2の基準コード値(図14の下側に図示)とをそれぞれ示す。このとき、撮像部1は透視歪みがない状態を撮像しているため、図14に示すように、各領域12A〜12Hのy軸方向の画素数は同じとなる。また、第2の基準コード値は直線となる。
ステップS220では、各画素について、第2のコード値から第2の基準コード値を差し引くことにより、その差分から各画素に対応する領域における透視歪の発生量を算出することができる。
ステップS220について、図15を参照して具体的に説明する。図15の上側には、第2のコード値および第2の基準コード値を示すグラフ、下側には第2のコード値と第2の基準コード値とのコード値の差分をそれぞれ示す。なお、図15の下側のグラフは、上側のグラフに比べ縦軸の縮尺を拡大させて示す。図15に示すように、第2のコード値と第2の基準コード値とには、透視歪に起因したコード値の差が生じる。このようなコード値の差が発生した画素から透視歪の発生位置を算出することができ、またコード値の差の大きさから発生した透視歪の発生量を算出することができる。
例えば、第2の基準コード値の1画素当たりの変化量を予め求めておき、第2のコード値から第2の基準コード値を差し引いた値をスクリーン上の1画素当たりのコード値の変化量で割ることで、測定対象4の領域40において、スクリーン2b上の視点が何画素ずれたかを検出できる。さらに、撮像部1、測定対象4、パタン表示部2の各幾何学的条件を加算すれば測定対象の各点での透視歪を定量的に測定することが出来る。このように、本実施形態では、透視歪を、x軸方向およびy軸方向に対して撮像部1およびパタン表示部2の画素数に応じた分解能で測定することができるため、高い空間分解能で透視歪を測定することができる。また、本実施形態では、細かい局所的な透視歪に加え、測定対象がない状態である第2の基準コードと、第2のコードとを比較するため、例えば測定対象4が大きな曲率をもつ加工部を有している場合において、加工部による変化が緩やかな透視歪も測定することができる。
ステップS220の後、透視歪演算部3bは、ステップS220で算出した透視歪に基づいてカラー又は濃淡による透視歪のマップを作成する(S222)。ステップS222では、各画素に対応した撮像領域について、透視歪の発生量に応じてカラー又は濃淡で透視歪をマッピングする。
<3.第3の実施形態>
次に、図16を参照して、本発明の第3の実施形態に係る透視歪の撮像方法について説明する。本実施形態に係る透視歪の撮像方法では、第2の実施形態と同じ構成の透視歪の撮像装置を用いて透視歪を測定する。
本実施形態に係る透視歪の撮像方法では、まず、シーケンスコントローラ3aは、明暗パタンとしてはじめに表示するストライプパタン画像6aをパタン投影部3cに選択させる(S300)。ステップS300は、第2の実施形態のステップS200と同様に行われる。
次いで、投影機2aは、パタン投影部3cで選択されたストライプパタン画像6a〜6eをスクリーン2bに投影することで、ストライプパタン画像6a〜6eをスクリーン2b上に表示させる(S302)。ステップS302は、第2の実施形態のステップS202と同様に行われる。
さらに、撮像部1は、ステップS302で表示されたストライプパタン画像6a〜6eを撮像する(S304)。ステップS304は、第2の実施形態のステップS204と同様に行われる。
その後、シーケンスコントローラ3aは、投影及び撮像すべきストライプパタン画像を制御しており、すべてのストライプパタン画像6a〜6eが撮像されたか否かを判断する(S306)。ステップS306は、第2の実施形態のステップS206と同様に行われる。
ステップS306において、すべてのストライプパタン画像6a〜6eが撮像されていない場合、シーケンスコントローラ3aは、直前のステップS302で表示されたストライプパタン画像6a〜6dの次の表示順のストライプパタン画像6b〜6eを選択する(S308)。ステップS308は、第2の実施形態のステップS208と同様に行われる。
ステップS308の後、ステップS302の処理が行われ、ステップS308で選択されたストライプパタン画像6b〜6eがパタン表示部2に投影される。なお、ステップS302〜ステップS308の処理は、ストライプパタン画像6eが撮像されるまで繰り返し行われる。
一方、ステップS306において、すべてのストライプパタン画像6a〜6eが撮像された場合、シーケンスコントローラ3aは、パタン投影部3cにマルチスリットパタン6fを選択させる(S310)。ステップS310は、第2の実施形態のステップS210と同様に行われる。
次いで、投影機2aは、パタン投影部3cで選択されたマルチスリットパタン6fをスクリーン2bに投影することで、マルチスリットパタン6fをスクリーン2b上に表示させる(S312)。ステップS312は、第2の実施形態のステップS212と同様に行われる。
さらに、パタン投影部3cは、マルチスリットパタンをy方向に走査させる(S314)。ステップS314は、第2の実施形態のステップS214と同様に行われる。
その後、透視歪演算部3bは、画像バッファ3dに記憶された複数の撮像結果のうちストライプパタン画像6a〜6eの撮像結果から、画素毎に第1のコード値を算出する(S316)。ステップS316は、第2の実施形態のステップS216と同様に行われる。
次いで、透視歪演算部3bは、第1のコード値と、画像バッファ3dに記憶された複数の撮像結果のうちマルチスリットパタン6fの撮像結果から第2のコード値を算出する(S318)。ステップS318は、第2の実施形態のステップS218と同様に行われる。
さらに、透視歪演算部3bは、マルチスリットパタンの走査方向に第2のコード値の移動平均値を算出し、第2のコード値から算出した平均値を差し引くことにより、測定される透視歪から局所的な透視歪を抽出する(S320)。ステップS320では、撮像された画像の位置(x,y)における第2のコード値の移動平均値Ca(x,y)は、移動平均をとる画素の幅をm、平均化前の第2のコード値をC(x,y)とすると、下記(1)式で算出される。本実施形態では、第2のコード値について移動平均値との差分を抽出することにより、移動平均値が算出される方向に緩やかに変化するような透視歪の影響を除外することができる。このため、第2の実施形態で検出されるような、測定対象4が大きな曲率の加工部を持つことにより生じる場合においても、加工部による透視歪の影響を除外することができ、局所的な透視歪のみを測定することができる。
ステップS320の後、透視歪演算部3bは、ステップS320で算出した局所的な透視歪に基づいてカラー又は濃淡による透視歪のマップを作成する(S322)。ステップS322は、第2の実施形態のステップS222と同様に行われる。
<4.変形例>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、ストライプパタン画像6a〜6eはy方向に延在する複数のストライプからなるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、図13に示すように、ストライプパタン画像7a〜7eは、x方向に延在する複数のストライプであってもよい。これにより、x方向に変化する細かい歪を検出することができる。なお、このような場合において、マルチスリットパタン7fは、y方向に延在するストライプとなる。さらに、本発明に係る透視歪の測定装置および測定方法では、ストライプパタン画像6a〜6eおよび7a〜7eを用いて、異なる方向における透視歪をそれぞれ測定してもよい。この際、マルチスリットパタン6fおよび7fを用いて、異なる方向における第1のコードをそれぞれ算出し、透視歪を測定してもよい。
また、第1の実施形態では、各画素を第1のコード値により32領域に分けて処理するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、32等分よりも分割数を増やしたストライプパタン画像をさらに用いて、各画素を32領域よりも多い領域数に分けて処理してもよい。これにより、第1の実施形態においては、空間分解能を向上させることができ、第2および第3の実施形態においては、マルチスリットパタンを走査させる距離を短くすることができるため測定時間を短縮することができる。
さらに、第2および第3の実施形態では、ストライプパタン画像6a〜6eを5種類としたが、2分割の形式であればかかる例に限定されない。例えば、ストライプパタン画像は、6a〜6dの4種類でも、また、それ以上の分割パタンであってもよい。この際、マルチスリットパタンのストライプの数は、ストライプパタン画像のうち最小幅となる明暗パタンのストライプの数と同じになる。ストライプパタン画像の分割数を幾つにするかは、測定対象の歪みの大きさによって選択すれば良く、歪が小さな場合には、第1のコード値により分割される領域数が多くなるように、多くの種類のストライプパタン画像を用いてもよい。これにより、マルチスリットパタンの走査範囲を狭めることができるため、短時間での測定が可能となる。一方、歪が大きな場合には、第1のコード値により分割される領域数が少なくなるように、少ない種類のストライプパタン画像を用いてもよい。これにより、ストライプパタン画像を用いた場合では、測定が難しい歪量の大きな透視歪みを精度よく測定することができる。
さらに、第2および第3の実施形態では、ステップS214において、マルチスリットパタン6fをマルチスリットパタン6fのストライプが並ぶ間隔だけ走査させるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。マルチスリットパタン6fを、マルチスリットパタン6fのストライプが並ぶ間隔よりも広めに走査させてもよい。これにより、境界部での歪みを確実に検出することができる。
さらに、第3の実施形態では、ステップS320において、局所的な透視歪を抽出する際に、第2のコード値の移動平均を用いたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、第2のコード値の2階差分処理を行うことにより、局所的な透視歪が抽出されてもよい。撮像された画像の位置(x,y)における第2のコード値の2階差分値Cd(x,y)は、差分する画素の幅をm、差分する前の第2のコード値をC(x,y)とすると、下記(2)式で算出される。
さらに、上記実施形態では、図1に示すように、撮像部1と、測定対象4と、スクリーン2bが順に一直線上に並ぶ構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、図17に示すように、投影機2aと、測定対象4と、スクリーン2bとが順に一直線上に並び、投影機2aから照射される光に当たらないように、且つスクリーン2bに表示された画像を撮像できる位置に撮像部1が設けられてもよい。
さらに、上記実施形態では、図1に示すように、パタン表示部2は投影機2aとスクリーン2bとからなるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、パタン表示部2は、図18に示すように、フラットディスプレイ2c等の画面上に画像を直接表示することが可能な装置であってもよい。
さらに、本発明は、上記実施形態に示す透視歪の測定方法を用いて、射出成型、プレス成型、部品取付、組み立て、熱処理、完成品検査のいずれか少なくとも1つの処理による透視歪に由来した樹脂またはガラス成形品の品質不具合を検査する透視歪の検査方法であってもよい。
さらに、上記実施形態では、第1の基準コード値や第2の基準コード値は、測定対象4がない状態で、第1のコード値や第2のコード値の測定が行われることで算出されるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、第1の基準コード値や第2の基準コード値は、パタン表示部2と撮像部1との位置関係から幾何学的に算出されてもよい。また、第1の基準コード値や第2の基準コード値は、透視歪の基準となる測定対象を設置した状態で、第1のコード値や第2のコード値の測定が行われることで算出されてもよい。
また、本発明は、図1に示した構成に加え、透視歪の測定結果や透視歪のマップ等を表示可能な表示装置が制御部3に接続されてもよい。
<5.まとめ>
(1)本発明に係る透視歪の測定装置は、明暗パタンとして、一方向に延在する明暗交互の複数のストライプからなる複数のストライプパタン画像を順に表示するパタン表示部と、前記パタン表示部によって表示される複数の前記明暗パタンを、測定対象を介して撮像する撮像部と、前記撮像部による複数の撮像結果に基づいて、測定対象面の透視歪を算出する透視歪算出部と、を備え、前記透視歪算出部は、複数の前記撮像結果のうち複数の前記ストライプパタン画像の撮像結果から、明暗の出現順序である第1の出現順序を前記撮像部の画素毎に抽出し、前記第1の出現順序から前記パタン表示部上の座標値を示す第1のコード値を前記画素毎に算出する。上記の構成によれば、一方向に対して連続して透視歪を測定することにより、一方向に対して画素単位の高い空間分解能で透視歪を測定することができる。このため、細かな皺のような歪を測定することができる。
(2)前記透視歪算出部は、前記第1のコード値と予め設定された基準となる第1の基準コード値との差分から透視歪を算出し、前記第1の基準コード値は、前記測定対象がない状態で観察される前記ストライプパタン画像に対応した前記パタン表示部上の座標を示す。
(3)前記第1の基準コード値は、前記測定対象がない状態で前記撮像部により撮像される複数の撮像結果から予め算出される。
(4)前記第1の基準コード値は、前記パタン表示部と前記撮像部との位置関係から幾何学的に算出される。上記構成によれば、予め第1の基準コード値を測定する必要がないため、測定にかかる時間を短縮することができる。
(5)前記第1の基準コード値は、透視歪の基準となる測定対象が設置された状態で前記撮像部により撮像される複数の撮像結果から予め算出される。
(6)前記パタン表示部は、前記一方向に延在するストライプからなる複数種の前記ストライプパタン画像と、前記一方向に直行する方向に延在するストライプからなる複数種のストライプパタン画像と、をそれぞれ表示し、前記透視歪算出部は、前記一方向に直行する方向および前記一方向について、透視歪をそれぞれ算出する。
(7)前記パタン表示部は、前記明暗パタンとして、複数種の前記ストライプパタン画像のストライプの最小幅よりも幅が小さく、前記一方向に延在する複数本のストライプからなるマルチスリットパタンを、前記ストライプパタン画像のストライプが延在する方向と垂直な方向に前記最小幅以上だけ走査させてさらに表示し、前記透視歪算出部は、複数の前記撮像結果のうち前記マルチスリットパタンの撮像結果から、各画素毎に輝度が最大となるタイミングを中間コード値として求め、(そのタイミングからスリット光のスクリーン上での移動距離を算出し、)前記第一のコード値と合成することにより前記第1のコード値よりも精細な前記パタン表示部上の座標値を示す第2のコード値を算出する。
上記構成によれば、マルチスリットパタンを用いることにより、ストライプが延在する方向と、該方向に垂直な方向について、撮像部1の1画素単位の高い空間分解能で透視歪を測定することができる。また、このような測定方法は、マルチスリットパタンが複数のストライプからなるため、ストライプを走査させる距離を短くすることができる。つまり、(6)に記載の測定方法と同様の測定精度で透視歪を測定するために、一本の細いストライプを、パタン表示部2の一端から対向する他端まで走査させるような場合に比べ、測定時間を短くすることができる。
(8)前記透視歪算出部は、前記第2のコード値と予め設定された基準となる第2の基準コード値とから透視歪を算出し、前記第2の基準コード値は、前記測定対象がない状態で観察される前記マルチスリットパタンに対応した前記パタン表示部上の座標を示す。上記構成によれば、大きな曲率をもつ加工部のような歪みを測定することができる。
(9)前記第2の基準コード値は、前記測定対象がない状態で前記撮像部により撮像される前記マルチスリットパタンの撮像結果から予め算出される。
(10)前記第2の基準コード値は、前記パタン表示部と前記撮像部との位置関係から幾何学的に算出される。上記構成によれば、予め第2の基準コード値を測定する必要がないため、測定にかかる時間を短縮することができる。
(11)前記第2の基準コード値は、透視歪の基準となる測定対象が設置された状態で前記撮像部により撮像される複数の撮像結果から予め算出される。
(12)前記透視歪算出部は、前記第2のコード値の移動平均値を算出し、算出された前記移動平均値を、前記第2のコード値から差し引くか、もしくは、2階差分値を求めることにより透視歪を算出する。上記構成によれば、大きな曲率をもつ加工部のような歪みを除外することができ、局所的な歪のみを測定することができる。
(13)前記透視歪算出部は、前記透視歪の発生位置および発生量を画像表示させる。
(14)前記パタン表示部は、任意のパタンを投影可能なプロジェクタとスクリーンとからなる。
(15)前記パタン表示部は、任意のパタンを表示可能なフラットディスプレイからなる。
(16)また、本発明に係る透視歪の測定方法は、明暗パタンとして、一方向に延在する明暗交互の複数のストライプからなる複数のストライプパタン画像を順に表示するパタン表示工程と、前記パタン表示工程において表示される複数の前記明暗パタンを、測定対象を介して撮像する撮像工程と、前記撮像工程による複数の撮像結果に基づいて、測定対象面の透視歪を算出する透視歪算出工程と、を備え、前記透視歪算出工程の際に、複数の前記撮像結果のうち複数の前記ストライプパタン画像の撮像結果から、明暗の検出順序である第1の検出順序を画素毎に抽出し、前記第1の検出順序から前記パタン表示部上の座標値を示す第1のコード値を前記画素毎に算出することを特徴とする。
(17)前記パタン表示工程の際に、前記明暗パタンとして、複数種の前記ストライプパタン画像のストライプの最小幅よりも幅が小さく、前記一方向に延在する複数本のストライプからなるマルチスリットパタンを、前記ストライプパタン画像のストライプが延在する方向と垂直な方向に前記ストライプパタン画像のストライプの最小幅以上走査させてさらに表示し、前記透視歪算出工程の際に、複数の前記撮像結果のうち前記マルチスリットパタンの撮像画像および前記撮像画像の撮像タイミングと、前記第1のコード値とに基づいて、前記第1のコード値よりも精細な前記パタン表示部上の座標値を示す第2のコード値を算出する。
(18)前記透視歪算出工程の際に、前記第2のコード値と予め設定された基準となる第2の基準コード値とから透視歪を算出し、前記第2の基準コード値は、前記測定対象がない状態で観察される前記マルチスリットパタンに対応した前記パタン表示部上の座標を示す。
(19)前記透視歪算出工程の際に、前記第2のコード値の移動平均値を算出し、算出された前記移動平均値を、前記第2のコード値から差し引くか、もしくは、2階差分値を求めることにより透視歪を算出する。
(20)また、本発明に係る表面品質検査方法は、射出成型、プレス成型、部品取付、組み立て、熱処理、完成品検査のいずれか少なくとも1つの処理による透視歪に由来した樹脂またはガラス成形品の品質不具合を(16)〜(19)のいずれかに記載の透視歪の測定方法を用いて検査することを特徴とする。
<実施例1>
次に、本発明者らが行った実施例1を説明する。
実施例1では、第2および第3の実施形態に係る透視歪の測定方法を用いて測定対象4の透視歪の測定を行った。実施例1では、図20に図示したように、x軸方向の左右に円弧状に、内側が折り曲げられた透明なアクリル板を測定対象4とした。また、実施例1では、ストライプが撮像対象領域の横方向であるx軸方向に平行に伸びるストライプパタン画像およびマルチスリットパタンを用いて透視歪を測定した。
実施例1における、第2の実施形態に係る透視歪の測定方法による透視歪の測定結果について説明する。
まず、ステップS200〜S214の処理を行い、ストライプパタン画像およびマルチスリットパタンを投影し、撮像した。実施例1では、図11(a)〜(e)に示したストライプパタン画像として用いることで、図21(a)〜(e)に示す5枚の撮像画像を得た。さらに、図11(f)に示したマルチスリットパタンを投影し、走査させながら連続的に撮像することで、図21(f)〜(i)に示すような複数の撮像画像を得た。撮像画像の縦横の画素は、640画素×480画素とした。
次いで、ステップS216〜S222の処理を行うことで、歪量として第2のコード値と第2の基準コード値との差分を算出し、歪量のマップを作成した。図22(a)は、ステップS216で算出された第1のコード値を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。図22(b)は、ステップS218で第2のコード値を算出する際に、最大輝度となる画素毎の撮像タイミングを変換することで得られる中間コード値を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。図22(c)は、ステップS218で算出される第2のコード値を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。図22(d)は、第2の実施形態において予め算出された第2の基準コード値を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。図22(e)は、ステップS222で作成される、第2のコード値と第2の基準コード値との差分から算出される歪量を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。
実施例1では、図22(a),(b)のように、第1のコード値で分けられた境界部が分かる状態から、第2のコード値を算出することにより図22(c)のように滑らかなコード値の分布が得られることが確認できた。また、図22(e)に示すように、第2のコード値と第2の基準コード値との差分を算出することにより、透視歪を測定できることを確認した。
図23は、図22(e)を拡大した図である。図23のI−I線で示した領域は、y軸方向に並ぶx軸方向の中心付近の1画素を示す。図24は、図22(c),(d)における図23のI−I線で示した領域でのコード値の分布を示すグラフであり、図25は、図23のI−I線で示した領域での図24の横軸の各画素における第2のコード値と第2の基準コード値との差分を示す。図24では、第2の基準コード値のグラフと異なり、横軸が200画素付近において第2のコード値が変動しており、この位置で透視歪が発生していることが確認できた。さらに、図25では、横軸が200画素付近の歪みに加え、130画素付近においても小さな歪みが発生していることが確認できた。実施例1の測定結果では、x軸方向およびy軸方向の透視歪を画素単位で検出することができるため、高い空間分解能で透視歪を測定できることが確認できた。
次に、実施例1における、第3の実施形態に係る透視歪の測定方法による透視歪の測定結果について説明する。実施例1の第3の実施形態に係る測定では、上記の第2の実施形態と同様に測定を行い、ステップS320では移動平均から算出される第2の基準コード値を用いることで、局所歪を抽出した。図26は、図23のI−I線の領域と同じ領域における、第3の実施形態を用いて算出された第2のコード値と第2の基準コード値とを示すグラフである。図27は、図26の横軸の各画素における第2のコード値と第2の基準コード値との差分を示すグラフである。図28は、ステップS322で作成される歪量のマップであり、第2のコード値と第2の基準コード値との差分から算出される歪量を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。図26〜図28に示すように、第3の実施形態に係る測定方法においても、第2の実施形態と同様に、高い空間分解能で透視歪を測定できることが確認できた。
<実施例2>
次に、本発明者らが行った実施例2を説明する。
実施例2では、図19に示したように、y軸方向に平行に伸びるストライプパタン画像およびマルチスリットパタンを用いたことが実施例1と異なるが、それ以外は実施例1と同様の条件で透視歪を測定した。
実施例1における、第2の実施形態に係る透視歪の測定方法による透視歪の測定結果について説明する。
まず、ステップS300〜S314の処理を行い、ストライプパタン画像およびマルチスリットパタンを投影し、撮像した。実施例1では、図19(a)〜(e)に示したストライプパタン画像として用いることで、図29(a)〜(e)に示す5枚の撮像画像を得た。さらに、図19(f)に示したマルチスリットパタンを投影し、走査させながら連続的に撮像することで、図29(f)〜(i)に示すような複数の撮像画像を得た。
次いで、ステップS316〜S322の処理を行うことで、歪量として第2のコード値と第2の基準コード値との差分を算出し、歪量のマップを作成した。図30(a)は、ステップS316で算出された第1のコード値を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。図30(b)は、ステップS318で第2のコード値を算出する際に、最大輝度となる画素毎の撮像タイミングを変換することで得られる中間コード値を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。図30(c)は、ステップS318で算出される第2のコード値を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。図30(d)は、第2の実施形態において予め算出された第2の基準コード値を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。図30(e)は、ステップS322で作成される、第2のコード値と第2の基準コード値との差分から算出される歪量を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。
実施例2では、図30(a),(b)のように、第1のコード値で分けられた境界部が分かる状態から、第2のコード値を算出することにより図30(c)のように滑らかなコード値の分布が得られることが確認できた。また、図30(e)に示すように、第2のコード値と第2の基準コード値との差分を算出することにより、透視歪を測定できることを確認した。さらに、図30(e)では、測定対象4が撮像された領域全体が、x軸方向にコード値の分布を持つことが確認できた。これは、測定対象4が円弧状に大きな曲率で折り曲げられた形状を有するために生じた透視歪を測定したものである。
図31は、図30(e)を拡大した図である。図31のII−II線で示した領域は、x軸方向に並ぶy軸方向の中心付近の1画素を示す。図32は、図30(c),(d)における図31のII−II線で示した領域でのコード値の分布を示すグラフであり、図33は、図31のII−II線で示した領域での、図33の横軸の各画素における第2のコード値と第2の基準コード値との差分を示す。図32では、第2の基準コード値のグラフと異なり、横軸が300画素付近において第2のコード値が変動しており、この位置で透視歪が発生していることが確認できた。さらに、図33では、横軸が300画素付近の歪みに加え、100画素〜500画素付近の範囲において、全体的に歪みが発生していることが確認できた。実施例2の測定結果では、x軸方向およびy軸方向の透視歪を画素単位で検出することができるため、高い空間分解能で透視歪を測定できることが確認できた。さらに、測定対象4自体が大きな曲率で湾曲しているために生じる透視歪も測定できることが確認できた。
次に、実施例2における、第3の実施形態に係る透視歪の測定方法による透視歪の測定結果について説明する。実施例2の第3の実施形態に係る測定では、上記の第2の実施形態と同様に測定を行い、ステップS320では移動平均から算出される第2の基準コード値を用いることで、局所歪を抽出した。図34は、図31のII−II線の領域と同じ領域における、第3の実施形態を用いて算出された第2のコード値と第2の基準コード値とを示すグラフである。図35は、図26の横軸の各画素における第2のコード値と第2の基準コード値との差分を示すグラフである。図36は、ステップS322で作成される歪量のマップであり、第2のコード値と第2の基準コード値との差分から算出される歪量を、白黒の濃淡で画素毎にマッピングした画像を示す図である。図34に示すように、第3の実施形態に係る測定方法においても、第2の実施形態と同様に、高い空間分解能で透視歪を測定できることが確認できた。さらに、図35および図36に示すように、第3の実施形態では第2の実施形態と異なり、測定対象4が撮像された領域全体が歪むような大きな曲率による透視歪が観測されないことを確認した。これは、移動平均値を用いることにより、大きな曲率による一定の緩やかな歪の変化の影響が除外されたためである。このため、第3の実施形態に係る測定方法によれば、測定対象4が大きな曲率を持つ加工部を有する場合においても、加工部による透視歪への影響を除外することができ、局所的な透視歪のみを測定することができることが確認できた。
1 :撮像部
2 :パタン表示部
2a :投影機
2b :スクリーン
2c :フラットディスプレイ
3 :制御部
3a :シーケンスコントローラ
3b :透視歪演算部
3c :パタン投影部
3d :画像バッファ
4 :測定対象
6a〜6e:ストライプパタン画像
6f :マルチスリットパタン
7a〜7e:ストライプパタン画像
7f :マルチスリットパタン
11A〜11H:領域
11a〜11g:境界部
12A〜12H:領域
12a〜12f:境界部
14 :領域
40 :領域

Claims (10)

  1. 明暗パタンとして、一方向に延在する明暗交互の複数のストライプからなる複数のストライプパタン画像を順に表示するパタン表示部と、
    前記パタン表示部によって表示される複数の前記明暗パタンを、測定対象を介して撮像する撮像部と、
    前記撮像部による複数の撮像結果に基づいて、測定対象面の透視歪を算出する透視歪算出部と、
    を備え、
    前記透視歪算出部は、
    複数の前記撮像結果のうち複数の前記ストライプパタン画像の撮像結果から、明暗の出現順序を前記撮像部の画素毎に抽出し、
    前記出現順序から前記パタン表示部上の座標値を示す第1のコード値を前記画素毎に算出することを特徴とする透視歪の測定装置。
  2. 前記透視歪算出部は、前記第1のコード値と予め設定された基準となる第1の基準コード値との差分から透視歪を算出し、
    前記第1の基準コード値は、前記測定対象がない状態で観察される前記ストライプパタン画像に対応した前記パタン表示部上の座標を示すことを特徴とする請求項1に記載の透視歪の測定装置。
  3. 前記パタン表示部は、前記一方向に延在するストライプからなる複数種の前記ストライプパタン画像と、前記一方向に直行する方向に延在するストライプからなる複数種のストライプパタン画像と、をそれぞれ表示し、
    前記透視歪算出部は、前記一方向に直行する方向および前記一方向について、透視歪をそれぞれ算出することを特徴とする請求項1または2に記載の透視歪の測定装置。
  4. 前記パタン表示部は、前記明暗パタンとして、複数種の前記ストライプパタン画像のストライプの最小幅よりも幅が小さく、前記一方向に延在する複数本のストライプからなるマルチスリットパタンを、前記ストライプパタン画像のストライプが延在する方向と垂直な方向に前記ストライプパタン画像のストライプの最小幅以上走査させてさらに表示し、
    前記透視歪算出部は、複数の前記撮像結果のうち前記マルチスリットパタンの撮像画像および前記撮像画像の撮像タイミングと、前記第1のコード値とに基づいて、前記第1のコード値よりも精細な前記パタン表示部上の座標値を示す第2のコード値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透視歪の測定装置。
  5. 前記透視歪算出部は、前記第2のコード値と予め設定された基準となる第2の基準コード値とから透視歪を算出し、
    前記第2の基準コード値は、前記測定対象がない状態で観察される前記マルチスリットパタンに対応した前記パタン表示部上の座標を示すことを特徴とする請求項4に記載の透視歪の測定装置。
  6. 前記透視歪算出部は、前記第2のコード値の移動平均値を算出し、算出された前記移動平均値を、前記第2のコード値から差し引くか、もしくは、2階差分値を求めることにより透視歪を算出することを特徴とする請求項4に記載の透視歪の測定装置。
  7. 明暗パタンとして、一方向に延在する明暗交互の複数のストライプからなる複数のストライプパタン画像を順に表示するパタン表示工程と、
    前記パタン表示工程において表示される複数の前記明暗パタンを、測定対象を介して撮像する撮像工程と、
    前記撮像工程による複数の撮像結果に基づいて、測定対象面の透視歪を算出する透視歪算出工程と、
    を備え、
    前記透視歪算出工程の際に、
    複数の前記撮像結果のうち複数の前記ストライプパタン画像の撮像結果から、明暗の出現順序である第1の出現順序を画素毎に抽出し、
    前記第1の出現順序から前記パタン表示部上の座標値を示す第1のコード値を前記画素毎に算出することを特徴とする透視歪の測定方法。
  8. 前記パタン表示工程の際に、前記明暗パタンとして、複数種の前記ストライプパタン画像のストライプの最小幅よりも幅が小さく、前記一方向に延在する複数本のストライプからなるマルチスリットパタンを、前記ストライプパタン画像のストライプが延在する方向と垂直な方向に前記ストライプパタン画像のストライプの最小幅以上走査させてさらに表示し、
    前記透視歪算出工程の際に、複数の前記撮像結果のうち前記マルチスリットパタンの撮像画像および前記撮像画像の撮像タイミングと、前記第1のコード値とに基づいて、前記第1のコード値よりも精細な前記パタン表示部上の座標値を示す第2のコード値を算出することを特徴とする請求項7に記載の透視歪の測定方法。
  9. 前記透視歪算出工程の際に、前記第2のコード値と予め設定された基準となる第2の基準コード値とから透視歪を算出し、
    前記第2の基準コード値は、前記測定対象がない状態で観察される前記マルチスリットパタンに対応した前記パタン表示部上の座標を示すことを特徴とする請求項8に記載の透視歪の測定方法。
  10. 前記透視歪算工程の際に、前記第2のコード値の移動平均値を算出し、算出された前記移動平均値を、前記第2のコード値から差し引くか、もしくは、2階差分値を求めることにより透視歪を算出することを特徴とする請求項8に記載の透視歪の測定方法。
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