JP2016075503A - タイヤの転がり抵抗の評価用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり抵抗の温度依存性を精度良く測定するための評価方法の提供。【解決手段】本発明に係るタイヤの転がり抵抗の温度依存性の評価方法は、(1)一定の雰囲気温度Taの環境おいてタイヤをドラム型試験機にて転動させて、タイヤが平衡状態となったときのタイヤの温度Ttを測定する工程、(2)上記タイヤを上記温度Tt以下である温度Tiまで冷却する工程、(3)上記冷却したタイヤについて、温度測定と転がり抵抗試験機による転がり抵抗測定とを時系列で連続して行うことで、上記タイヤの温度と転がり抵抗との関係を測定する工程及び(4)上記(3)の工程で得られたタイヤの温度と転がり抵抗との関係から、上記温度Ttにおける転がり抵抗を求め、この転がり抵抗の値を、雰囲気温度Taの環境において上記タイヤを転動させたときの転がり抵抗の値とする工程を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、タイヤの転がり抵抗の評価用方法に関する。詳細にはタイヤの転がり抵抗の温度依存性の評価用方法に関する。
環境への配慮から、近年、車輌の低燃費化に対する要求は特に強くなっている。タイヤによる低燃費化を達成するには、タイヤの転がり抵抗を減らすことが重要である。タイヤを構成するゴムの硬度、伸び率、強度等の諸特性は、温度により変動する。タイヤの転がり抵抗も、温度により変動する。温度による変動も含めて、タイヤの転がり抵抗を精度よく測定することが求められている。
転がり抵抗の測定方法は、ISO28580に規定されている。この規定によればタイヤの転がり抵抗は、20℃以上30℃以下の雰囲気温度で測定される。雰囲気温度25℃における測定値が、25℃における転がり抵抗Fr25となる。25℃以外の雰囲気温度tambでの転がり抵抗Fは、以下の温度補正式を用いて計算される。
r25=F×{1+k×(tamb−25)}
この式において、kは温度補正係数であり、以下の値となる。
=0.008(℃−1): 乗用車用のタイヤの場合
=0.010(℃−1): トラック、バス用のタイヤ(LI≦121)の場合
=0.006(℃−1): トラック、バス用のタイヤ(LI≧122)の場合
上の式で、LIはタイヤのロードインデックスである。ロードインデックスLIは、JATMA規格で定められる使用条件下でタイヤに負荷しうる最大の質量を表す記号である。
タイヤの性能の温度依存性を測定することを目的とした装置が特開2014−66608公報に開示されている。この装置は、ドラムとドラムの温度を調整する空調機とを備えている。この装置では、転がり抵抗の温度依存性も測定できるとされている。
特開2014−66608公報
さらに正確に転がり抵抗の温度依存性を測定したいという要求が強い。転がり抵抗の温度依存性の測定には、ISO28580に準拠した専用の転がり抵抗試験機を使用する方法と、タイヤの諸特性を測定するための汎用のドラム型試験機を使用する方法とが考えられる。専用の転がり抵抗試験機では、精度よく転がり抵抗を測定できる雰囲気温度の範囲が狭い。例えば、雰囲気温度20℃より低い温度で、転がり抵抗を正確に測定することは困難である。一方、汎用のドラム型試験機は、動作可能な温度範囲は広い。しかし、汎用のドラム型試験機では、ISO28580で要求される転がり抵抗の測定精度(誤差±1.0N以下)を満足させることはできない。広い温度範囲において高い精度で転がり抵抗を測定できる装置を新たに開発するには、大きな費用と期間とが必要となる。
本発明の目的は、既存の設備を使用して転がり抵抗の温度依存性を精度良く測定するための評価方法の提供である。
本発明に係るタイヤの転がり抵抗の温度依存性の評価方法は、
(1)一定の雰囲気温度Taの環境おいてタイヤをドラム型試験機にて転動させて、タイヤが平衡状態となったときのタイヤの温度Ttを測定する工程
(2)上記タイヤを上記温度Tt以下である温度Tiまで冷却する工程
(3)上記冷却したタイヤについて、温度測定と転がり抵抗試験機による転がり抵抗測定とを時系列で連続して行うことで、上記タイヤの温度と転がり抵抗との関係を測定する工程
及び
(4)上記(3)の工程で得られたタイヤの温度と転がり抵抗との関係から、上記温度Ttにおける転がり抵抗を求め、この転がり抵抗の値を、雰囲気温度Taの環境において上記タイヤを転動させたときの転がり抵抗の値とする工程
を含む。
好ましくは、上記温度Tiは、上記温度Ttより10℃低い温度以下であって、タイヤに用いられているゴムのガラス転移温度以上である。
好ましくは、上記(3)の工程で転がり抵抗を測定する際の雰囲気の温度は20℃以上30℃以下であり、この雰囲気の湿度は60%以下である。
好ましくは、上記(3)の工程でタイヤの温度を測定するときは、タイヤの複数の場所で温度が測定され、これらの平均温度がタイヤの温度とされる。
好ましくは、上記タイヤのトレッド面、溝底、サイドウォール表面、内面上及び内部の少なくとも一箇所以上において温度が測定される。
本発明に係るタイヤの転がり抵抗の温度依存性の評価装置は、所定の雰囲気温度の中で稼働できるドラム型試験器と、タイヤを冷却する冷却庫と、タイヤの転がり抵抗を測定する転がり抵抗試験機と、タイヤの温度を測定する温度測定器とを備える。この装置では、一定の雰囲気温度Taの環境おいてタイヤを上記ドラム型試験機にて転動させて、このタイヤが平衡状態となったときのこのタイヤの温度Ttが測定される。このタイヤが上記冷却庫で温度Tt以下である温度Tiまで冷却される。上記温度測定器による温度測定と上記転がり抵抗試験機による転がり抵抗測定とを、時系列で連続して行うことで上記タイヤの温度と転がり抵抗との関係が測定される。上記タイヤの温度と転がり抵抗との関係から、上記温度Ttにおける転がり抵抗を求め、この転がり抵抗の値が、雰囲気温度Taの環境において上記タイヤを転動させたときの転がり抵抗の値とされる。
本発明に係る転がり抵抗の測定方法では、まず所定の雰囲気温度Taの環境おいてタイヤをドラム型試験機にて転動させて、タイヤが平衡状態となったときのタイヤの温度Ttが測定される。次に、タイヤが温度Tt以下の温度まで冷却される。このタイヤについて、温度測定と転がり抵抗試験機による転がり抵抗測定とが時系列で連続して行われる。測定中に、冷却されたタイヤは徐々に温度が上昇する。これによりタイヤ温度と転がり抵抗との関係が測定される。タイヤの温度Ttにおける転がり抵抗が得られる。この転がり抵抗の値が、雰囲気温度Taの環境において上記タイヤを転動させたときの転がり抵抗とされる。この方法によれば、雰囲気温度Taでの転がり抵抗を得るために、転がり抵抗試験機を稼働させる雰囲気温度を温度Taとする必要はない。転がり抵抗試験機は精度よく動作できる雰囲気温度で稼働されうる。転がり抵抗試験機を精度よく動作できる雰囲気温度で稼働させながら、雰囲気温度Taでの転がり抵抗が測定できる。この方法によれば、転がり抵抗の温度依存性が精度良く測定できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る転がり抵抗の温度依存性を測定する方法において、一定の雰囲気温度の環境でタイヤを転動させたときの、タイヤ温度の時間変化が示された図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る転がり抵抗の温度依存性を測定する方法において、転がり抵抗を測定する状態が示された模式図である。 図3は、タイヤ温度及び図2の測定により得られる転がり抵抗係数の、時間変化が示された図である。 図4は、図3の転がり抵抗係数とタイヤ温度との関係が示された図である。 図5は、本発明の実施例で測定された、一定の雰囲気温度の環境でタイヤを転動させたときのタイヤ温度の時間変化が示された図である。 図6は、本発明の実施例で測定された転がり抵抗係数の時間変化が示された図である。 図7は、本発明の実施例で測定されたタイヤ温度の時間変化が示された図である。 図8は、図6の転がり抵抗係数と図7のタイヤ温度との関係が示された図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。以下の実施形態では、雰囲気温度Taにおけるタイヤの転がり抵抗係数が計測される。雰囲気温度Taは、少なくとも転がり抵抗試験機が精度良く動作できる下限の温度よりも低い温度である。
本発明に係る転がり抵抗の温度依存性の測定方法は、
(1)雰囲気温度Taの環境においてタイヤを転動させ平衡状態になったときのタイヤ温度を測定する工程、
(2)タイヤを冷却する工程、
(3)転がり抵抗とタイヤ温度との関係を測定する工程、
及び
(4)雰囲気温度Taの環境においてタイヤを転動させたときの転がり抵抗の値が得られる工程
を備えている。
上記(1)の工程では、まずタイヤがリムに組み込まれる。タイヤに空気が充填される。この工程では、汎用のドラム型試験機(図示されず)が使用される。ドラム型試験機が設置されている部屋の温度は、一定の温度Taに保たれる。ドラム型試験機の雰囲気温度は、一定の温度Taに保たれる。温度Taは、転がり抵抗を測定しようとする雰囲気温度である。前述のとおり、雰囲気温度Taは、少なくとも転がり抵抗試験機が精度良く動作できる下限の温度よりも低い温度である。雰囲気温度Taは、ドラム型試験機が正常に動作できる範囲内の温度である。タイヤには温度センサが取り付けられる。タイヤは、温度Taになるまでこの環境の中で保持される。その後タイヤは、ドラム型試験機にセットされる。この試験機のドラムの外周面とタイヤのトレッド面とが接触される。タイヤにはドラムに向けて一定の荷重が負荷される。この荷重は、後述する転がり抵抗試験機でタイヤに負荷する荷重Fzと同じである。ドラムが一定の速度で回転する。これに伴いタイヤも一定の速度で転動する。この転動速度は、後述する転がり抵抗試験機でタイヤを転動させる速度Vと同じである。
タイヤが転動させられ、タイヤ温度が連続して時系列で測定される。この測定結果の例が図1に示されている。図で示されるように、時間が経過するにつれて、転動による発熱により、タイヤの温度は上昇する。この上昇率は徐々に小さくなる。やがてこのタイヤは平衡状態となる。このときタイヤは一定の温度Ttとなる。この図では、雰囲気温度Taの環境において、荷重Fzを負荷して速度Vでタイヤを転動させたとき、タイヤの平衡状態においてはタイヤの温度はTtになることが示されている。
上記(2)の工程では、このタイヤが冷却庫の中に入れられる。タイヤ全体が温度Tt以下の温度Tiになるまで、タイヤが冷却される。温度Tiは、次の(3)の工程で転がり抵抗を測定する際の、タイヤの初期温度である。温度Tiは、(3)の工程で測定されるタイヤ温度と転がり抵抗との関係における、タイヤ温度の下限値である。
上記(3)の工程では、上記(2)の工程で冷却されたタイヤが、ISO28580に準拠した専用の転がり抵抗試験機に装着される。このときの雰囲気温度は、転がり抵抗試験機が精度よく動作できる温度に設定される。この温度は、通常は25℃近辺である。また、タイヤには、温度センサが取り付けられる。この温度センサは、タイヤの温度を一定の時間間隔で記録できるものである。
図2は、転がり抵抗試験機で転がり抵抗を測定する状態が示された模式図である。転がり抵抗試験機はドラム2を備える。このドラム2の外周面4とタイヤ6のトレッド面とが接触される。タイヤ6にはドラム2に向けて一定の荷重Fzが負荷される。ドラム2が回転軸Oを中心として、一定の速度で矢印Aの方向に回転する。これに伴いタイヤ6も一定の速度Vで矢印Bの方向に転動する。タイヤ6のトレッド面において回転方向に働く力Fxが測定される。この力Fxが転がり抵抗である。この転がり抵抗試験機では、誤差±0.5N以下の精度で転がり抵抗が測定できる。転がり抵抗Fxを荷重Fzで割った値(Fx/Fz)が転がり抵抗係数である。この明細書では、測定結果は全て転がり抵抗係数で表される。
タイヤ6が転動させられ、タイヤ6の温度とタイヤ6の転がり抵抗係数とが連続して時系列で測定される。この測定結果の例が図3に示されている。この図では、タイヤ6温度及び転がり抵抗係数の時間変化が示されている。前述の通り、測定が開始されるときのタイヤ6の温度は、初期温度Tiである。図に示されるとおり、時間が経過するにつれて、雰囲気から伝わる熱と転動による発熱とにより、タイヤ6の温度は徐々に上昇する。タイヤ6の温度が上昇するにつれ、転がり抵抗係数は減少する。この図から、タイヤ温度と転がり抵抗係数との関係をプロットした結果が図4である。この図で横軸はタイヤ温度であり、縦軸はその温度での転がり抵抗係数である。この方法により、タイヤ温度と転がり抵抗係数との関係が測定されている。この方法により、転がり抵抗のタイヤ温度依存性が測定されている。
上記(4)の工程では、上記(1)の工程で測定したタイヤ温度Ttにおける転がり抵抗係数が、上記(3)で測定したタイヤ温度と転がり抵抗係数との関係から求められる。図4に、この様子が示されている。この図では、タイヤ温度Ttとのきの転がり抵抗係数はCtである。この転がり抵抗係数はCtが、雰囲気温度Taの環境内で、タイヤ6を転動させたときの転がり抵抗係数とされる。これにより、転がり抵抗係数と雰囲気温度との関係が得られる。これにより、転がり抵抗の雰囲気温度依存性が得られる。
以下、本発明の作用効果が説明される。
より正確に転がり抵抗の温度依存性を求めたいという要求が強い。ISO28580に準拠した専用の転がり抵抗試験機では、精度よく転がり抵抗を測定できる雰囲気温度の範囲が狭い。例えば、雰囲気温度20℃より低い温度で、転がり抵抗を正確に測定することは困難である。一方、汎用のドラム型試験機は、動作可能な温度範囲は広い。しかし、汎用のドラム型試験機では、ISO28580で要求される転がり抵抗の測定精度(誤差±1.0N以下)を満足させることはできない。
本発明に係る転がり抵抗の測定方法では、まず所定の雰囲気温度Taの環境おいてタイヤをドラム型試験機にて転動させて、タイヤが平衡状態となったときのタイヤの温度Ttを測定する。次に、タイヤ6が温度Tt以下の温度まで冷却される。このタイヤ6について、温度測定と転がり抵抗試験機による転がり抵抗係数の測定とが時系列で連続して行われる。測定中に、冷却されたタイヤ6は徐々に温度が上昇する。これによりタイヤ温度と転がり抵抗との関係が測定される。タイヤ6の温度Ttにおける転がり抵抗係数Ctが得られる。この転がり抵抗係数Ctが、雰囲気温度Taの環境においてタイヤ6を転動させたときの転がり抵抗係数Ctとされる。この方法によれば、雰囲気温度Taでの転がり抵抗を得るために、転がり抵抗試験機を稼働させる雰囲気温度を温度Taとする必要はない。転がり抵抗試験機は精度よく動作できる雰囲気温度で稼働されうる。転がり抵抗試験機を精度よく動作できる雰囲気温度で稼働させながら、雰囲気温度Taでの転がり抵抗が測定できる。この方法によれば、転がり抵抗の温度依存性が精度良く測定できる。
この方法では、まず工程(1)で温度Ttが測定され、工程(2)においてタイヤ6の初期温度Tiは、温度Tt以下に設定される。初期温度Tiを温度Tt以下に設定することで、温度Ttを上記(3)の工程で測定される温度範囲に入れることができる。タイヤ温度Ttにおける転がり抵抗係数が精度良く測定できる。これにより、雰囲気温度Taでタイヤ6を転動させたときの転がり抵抗係数を精度よく求めることができる。
工程(1)を工程(3)の後に実施する方法も考えられる。この場合は、(2)でタイヤ6を冷却する際には、まだ温度Ttは測定されていない。雰囲気温度Taでの転がり抵抗係数を精度よく求めるには、温度Ttが工程(3)で測定される温度範囲に入ることが必要である。温度Ttをこの温度範囲に入るようにするために、初期温度Tiは、想定される温度Ttよりも十分小さい値が選択されることになる。工程(3)で測定を終了する温度は、想定される温度Ttよりも十分大きい値が選択されることになる。
本発明に係る転がり抵抗の測定方法では、まず温度Ttが工程(1)で測定されている。初期温度Tiは、温度Tt以下であって温度Ttに近い温度に設定できる。工程(3)で、タイヤ温度が温度Ttを越えた時点で測定を終了することができる。すなわち、工程(3)では、温度Ttの近辺のみを測定することができる。これにより、工程(3)の測定時間を短くすることができる。
この方法で使用している機器は、汎用のドラム型試験器、ISO28580に準拠した専用の転がり抵抗試験機、タイヤを冷却する冷却庫及び温度測定器である。これらは既存の機器である。この方法では、既存の機器を使用して、転がり抵抗試験機が精度良く動作できる下限の温度よりも低い雰囲気温度Taでの転がり抵抗係数が、精度良く測定できる。
初期温度Tiは、温度Ttより10℃低い温度以下であることがより好ましい。タイヤ6は、工程(1)で温度Tiまで冷却される。工程(2)で転がり抵抗係数の測定が開始されるまでに、このタイヤ6の温度が上昇してしまうことがある。初期温度Tiを温度Ttより10℃低い温度以下とすることで、上記(2)の工程において、温度Ttを測定範囲に入れることができる。これにより、タイヤ温度Ttにおける転がり抵抗係数が精度良く測定できる。これにより、雰囲気温度Taでタイヤ6を転動させたときの転がり抵抗係数を精度よく求めることができる。
初期温度Tiは、タイヤ6に用いられているゴムのガラス転移温度Tg以上であることが好ましい。初期温度Tiをガラス転移温度Tg以上とすることで、この測定によりタイヤ6がダメージを受けることが防止されている。このタイヤ6は、この測定後も高い品質を維持している。
前述のとおり、工程(3)で転がり抵抗係数を測定する際の雰囲気温度は、転がり抵抗試験機が精度よく動作できる温度に設定される。このときの雰囲気温度は、20℃以上30℃以下が好ましい。雰囲気温度を20℃以上30℃以下とすることで、転がり抵抗係数が精度よく測定できる。この観点から雰囲気温度は23℃以上27℃以下がより好ましく、25℃がさらに好ましい。
工程(3)で転がり抵抗を測定する際の雰囲気の湿度は60%以下が好ましい。雰囲気の湿度を60%以下とすることで、転がり抵抗測定係数を測定する際に、タイヤ6の表面に結露が付着することが抑制されうる。これにより、転がり抵抗係数がより精度よく測定できる。
工程(3)でタイヤ6の温度を測定する際には、タイヤ6の複数の箇所で温度を測定し、その平均をタイヤ6の温度とするのが好ましい。工程(3)では、冷却されたタイヤ6の温度は、時間が経つにつれて、徐々に高くなる。このとき、タイヤ6の上昇の度合いは、タイヤ6の部分により異なることが起こりうる。複数の場所でタイヤ6の温度を測定しその平均をとることで、より精度よくタイヤ温度と転がり抵抗係数との関係が測定できる。
上記でタイヤ6の温度を測定する場所は、タイヤ6のトレッド面、タイヤ6の溝底、タイヤ6のサイドウォール表面、タイヤ6の内面上及びタイヤ6の内部の少なくとも一箇所を含むことが好ましい。これらを含むことで、より精度よくタイヤ温度と転がり抵抗係数との関係が測定できる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[転がり抵抗試験機の仕様]
この実施例では、ISO28580に準拠した転がり抵抗試験機が使用された。この試験機の転がり抵抗Fxの測定誤差は±0.5N以下である。これはISO28580に規定された転がり抵抗測定の要求精度を満たす。この装置が精度良く動作できる温度範囲は、18℃以上30℃以下である。この温度範囲を超えた雰囲気温度での転がり抵抗の測定は、この試験機だけではできない。
[ドラム型試験機の仕様]
この実施例では、汎用のドラム型試験機が使用された。このドラム型試験機は、インサイド型である。この試験機の動作温度範囲は、−10℃以上40°以下である。このドラム型試験機の転がり抵抗Fxの測定誤差は±20N以下である。これは、ISO28580に規定された転がり抵抗測定の要求精度を満たさない。また、精度よく転がり抵抗を測定するために負荷する必要のあるスキム荷重(100N程度)が、過小のために負荷できない。このドラム型試験機だけでは、要求精度を満たす転がり抵抗の測定はできない。
[タイヤの準備]
評価に使用するタイヤが準備された。このタイヤのサイズは、195/65R15 91Sである。このタイヤを標準リム(サイズ=15×6.0)に組み込んだ。このタイヤの内圧は210kPaとされた。
[実施例1]
本発明に係る方法により、転がり抵抗の温度依存性の評価を実施した。まず、上記のドラム型試験機を使用して、雰囲気温度Taである環境でタイヤを転動させ、平衡状態になったときのタイヤ温度Ttが測定された。このときの試験条件は以下の通りである。
雰囲気温度Ta:0℃
荷重:4.82kN
転動速度:80km/h
次に、上記タイヤを冷却庫で初期温度Tiが−10℃となるまで冷却した。このタイヤの転がり抵抗係数を、上記の転がり抵抗試験機を用いて測定した。この転がり抵抗係数の測定とともに、タイヤ温度が測定された。タイヤの温度は、トレッド面、タイヤの溝底、サイドウォール表面、タイヤの内面上及びタイヤの内部において測定し、その平均値をタイヤ温度とした。これにより、タイヤ温度と転がり抵抗係数との関係が測定された。転がり抵抗のタイヤ温度依存性が測定された。転がり抵抗係数測定の試験条件は以下の通りである。
雰囲気温度:25℃
荷重Fz:4.82kN
転動速度V:80km/h
タイヤ温度Ttにおける転がり抵抗係数Ctが、タイヤ温度と転がり抵抗係数との関係から求められた。この値が、雰囲気温度Taを0℃とした環境でタイヤを転動させたときの転がり抵抗係数とされた。
[実施例2]
雰囲気温度Taを10℃にした他は実施例1と同様にして、平衡状態になったときのタイヤ温度Ttが測定された。さらにこのタイヤ温度Ttにおける転がり抵抗係数Ctが、実施例1で測定したタイヤ温度と転がり抵抗係数との関係から求められた。この値が、雰囲気温度Taを10℃とした環境でタイヤを転動させたときの転がり抵抗係数とされた。
[平衡状態でのタイヤ温度]
雰囲気温度Taの環境でタイヤを転動させたときの、タイヤ温度の時間による変化が図5に示されている。この図では、雰囲気温度Taが0℃及び10℃の場合が示されている。この測定結果により得られた、平衡状態でのタイヤ温度Ttが表1に示されている。
[転がり抵抗係数のタイヤ温度依存性]
実施例1で測定された、転がり抵抗係数の時間による変化が図6に示されている。この転がり抵抗測定時の、タイヤ温度の時間による変化が図7に示されている。これらの測定結果より求めた、タイヤ温度と転がり抵抗係数との関係が、図8に示されている。図8は、転がり抵抗係数のタイヤ温度依存性を示している。
[転がり抵抗係数の雰囲気温度依存性]
上記方法により得られた雰囲気温度Taにおける転がり抵抗係数が表1に示されている。表1は、転がり抵抗係数の雰囲気温度依存性を示している。
Figure 2016075503
表1に示されるように、実施例の方法では、転がり抵抗係数の温度依存性が広い温度範囲で測定できている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、種々のタイヤの転がり抵抗の評価に用いられうる。
2・・・ドラム
4・・・外周面
6・・・タイヤ
8・・・トレッド面

Claims (6)

  1. (1)一定の雰囲気温度Taの環境おいてタイヤをドラム型試験機にて転動させて、タイヤが平衡状態となったときのタイヤの温度Ttを測定する工程
    (2)上記タイヤを上記温度Tt以下である温度Tiまで冷却する工程
    (3)上記冷却したタイヤについて、温度測定と転がり抵抗試験機による転がり抵抗測定とを時系列で連続して行うことで、上記タイヤの温度と転がり抵抗との関係を測定する工程
    及び
    (4)上記(3)の工程で得られたタイヤの温度と転がり抵抗との関係から、上記温度Ttにおける転がり抵抗を求め、この転がり抵抗の値を、雰囲気温度Taの環境において上記タイヤを転動させたときの転がり抵抗の値とする工程
    を含むタイヤの転がり抵抗の温度依存性の評価方法。
  2. 上記温度Tiが、上記温度Ttより10℃低い温度以下であって、上記タイヤに用いられているゴムのガラス転移温度以上である請求項1に記載の転がり抵抗の温度依存性の評価方法。
  3. 上記(3)の工程で転がり抵抗を測定する際の雰囲気の温度が20℃以上30℃以下であり、この雰囲気の湿度が60%以下である請求項1又は2に記載の転がり抵抗の温度依存性の評価方法。
  4. 上記(3)の工程でタイヤの温度を測定するときは、このタイヤの複数の場所で温度が測定され、これらの平均温度がこのタイヤの温度とされる請求項1から3のいずれかに記載の転がり抵抗の温度依存性の評価方法。
  5. 上記タイヤのトレッド面、溝底、サイドウォール表面、内面上及び内部の少なくとも一箇所以上において温度が測定される請求項4に記載の転がり抵抗の温度依存性の評価方法。
  6. 所定の雰囲気温度の中で稼働できるドラム型試験器と、タイヤを冷却する冷却庫と、タイヤの転がり抵抗を測定する転がり抵抗試験機と、タイヤの温度を測定する温度測定器とを備え、
    一定の雰囲気温度Taの環境おいてタイヤを上記ドラム型試験機にて転動させて、このタイヤが平衡状態となったときのこのタイヤの温度Ttを測定し、
    このタイヤを上記冷却庫で温度Tt以下である温度Tiまで冷却し、
    上記温度測定器による温度測定と上記転がり抵抗試験機による転がり抵抗測定とを、時系列で連続して行うことで上記タイヤの温度と転がり抵抗との関係を測定し、
    上記タイヤの温度と転がり抵抗との関係から、上記温度Ttにおける転がり抵抗を求め、この転がり抵抗の値を、雰囲気温度Taの環境において上記タイヤを転動させたときの転がり抵抗の値とする転がり抵抗の温度依存性の評価装置。
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