JP2016074997A - 製紙用シームフェルト及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 厚みを有する製紙用シームフェルトを簡単な構成で実現する。【解決手段】 製紙用シームフェルト1であって、丈方向に延在する経糸7A及び幅方向に延在する緯糸7Bを含む織布が平板状に折り畳まれることによって、丈方向における両端に幅方向に延びる外側折曲部7Cがそれぞれ形成され、外側折曲部のそれぞれに経糸からなるシーム用ループ4が形成された外側基布7と、丈方向に延在する経糸8A及び幅方向に延在する緯糸8Bを含む織布が平板状に折り畳まれることによって、丈方向における両端に幅方向に延びる内側折曲部8Cがそれぞれ形成され、外側基布の内側に配置された内側基布8と、外側基布及び内側基布を含む基布2に結合されたバット繊維層3とを有し、内側折曲部のそれぞれは、対応する外側折曲部よりも丈方向において内側に配置されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、製紙機の、湿紙から水分を搾水するプレスパートにおいて使用される製紙用シームフェルト及びその製造方法に関する。
製紙機のプレスパートでは、湿紙の運搬及び搾水を行うために、基布と基布に積層一体化されたバット繊維層とを有する無端状の製紙用フェルトが使用されている。この無端状の製紙用フェルトには、袋織りによって無端状に製織された基布を使用し、当初から無端状に形成されるものがある。このような製紙用フェルトは、構造が各部において均質になるため、転写マークを発生させ難いという長所があるが、基布を製織するために大型の織機が必要となる、また製紙機への掛け入れ作業に時間がかかるという短所がある。
製紙用フェルトには、平板状をなし、丈方向における両端部に複数の経糸によるループを備えた製紙用シームフェルトがある(例えば、特許文献1)。このような製紙用シームフェルトは、平板状の状態で製紙機に掛け入れられた後に、両端部のループ同士が互いに整合され、各ループに共通の芯線が挿通されることによって無端状に連結されるため、製紙機への掛け入れ作業が容易である。この製紙用シームフェルトのループは、基布の製織時に織機によって形成することができる。しかしながら、製織時からループを備えた基布は構造が複雑であり、コストが増加する。また、このような基布を織機によって形成する場合、比較的大型な織機が必要になる。
製紙用シームフェルトを簡易に製造する方法として、平板状に製織された基布を幅方向に延びる2つの折曲部で折り畳み、各折曲部の緯糸を抜き取ることによって、丈方向における両端部に複数の経糸によるループを形成する手法がある(例えば、特許文献2)。このような製紙用シームフェルトは、小型の織機によって基布を製織することができる等の利点がある。
製紙用シームフェルトを、例えば白板抄造やパルプ抄造等のプレスパートやシュープレスパートといった湿紙からの脱水量が多い部分で使用する場合、空隙体積が大きいことが好ましい。製紙用シームフェルトの空隙体積を増加させるには、基布の目付を大きくする、基布を構成する糸を径が大きいモノフィラメントにする等の手法があるが、バット繊維層との結合性等の観点から限界がある。他の手法としては、基布の厚みを増加させ、空隙体積を増加させるという手法がある。例えば、丈方向における両端にシームを有する基布を2枚重ねて基布を構成する手法(いわゆる、ラミネートシーム)や、基布を3重織により製織する手法(いわゆる3重織シーム)等がある。しかしながら、ラミネートシームや3重織シームは、基布の構成が複雑であり、製造コストが高いという問題がある。
比較的簡単な構成で基布の厚みを増加させた製紙用シームフェルトとして、幅方向に延びる2つの折曲部で折り畳むことによって平板状にする外側基布の内側に1枚の内側基布を配置し、基布を三層構造にしたものがある(例えば、特許文献3)。この製紙用シームフェルトでは、内側基布及び外側基布は丈方向における両端部に経糸が形成するループを有する。そして、内側基布のループは、外側基布の各ループ間を通過して外方に突出するように配置され、シームを形成するための結合用ループとして機能する。
特開2004−149986号公報 特許第2838547号公報 特開2000−80584号公報
特許文献2に係る製紙用シームフェルトは、内側基布のループが外側基布のループを通過できるようにするために、少なくとも内側基布及び外側基布の経糸の間隔を合わさなければならず、内側基布及び外側基布の構成を自由に選択することができないという問題がある。また、内側基布及び外側基布は、丈方法において高い寸法精度が要求される。その他、外側基布及び内側基布の両方にループを形成しなければならず、製造工数が多いという問題がある。
本発明は、以上の背景を鑑み、厚みを有する製紙用シームフェルトを簡単な構成で実現することを課題とする。また、厚みを有する製紙用シームフェルトの簡単な製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、製紙用シームフェルト(1)であって、丈方向に延在する経糸(7A)及び幅方向に延在する緯糸(7B)を含む織布が平板状に折り畳まれることによって、丈方向における両端に幅方向に延びる外側折曲部(7C)がそれぞれ形成され、前記外側折曲部のそれぞれに経糸からなるシーム用ループ(4)が形成された外側基布(7)と、経糸(8A)及び緯糸(8B)を含む織布が平板状に折り畳まれることによって、丈方向における両端に幅方向に延びる内側折曲部(8C)がそれぞれ形成され、前記外側基布の内側に配置された内側基布(8)と、前記外側基布及び前記内側基布を含む基布(2)に結合されたバット繊維層(3)とを有し、前記内側折曲部のそれぞれは、対応する前記外側折曲部よりも丈方向において内側に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、製紙用シームフェルトの空隙体積を簡単な構成で増加させることできる。また、外側基布がシーム用ループを形成し、内側基布が外側基布の内側に配置されるため、外側基布及び内側基布の丈方向寸法に誤差に関わらず、シーム用ループが適切に形成される。また、内側基布及び外側基布の織組織、糸の構造(モノフィラメント、マルチフィラメント、及びそれらの撚糸等)、糸の材質、糸径、糸密度等の構成を、互いに自由に設定することができる。また、内側基布の丈方向における両端部には、経糸の遊端(端部)ではなく、経糸のループ構造が配置されるため、バット繊維層のニードリング時にニードル針で突かれることによる経糸や緯糸の解れや、熱セット時の経糸の収縮に伴う経糸及び緯糸の解れが防止される。また、内側基布の丈方向端部を内側折曲部とし、経糸が遊端を形成しないようにしたため、外側折曲部の内側に際糸を挿入する場合に、内側基布の経糸と際糸との引っ掛かりが起き難くなり、際糸の挿入が容易になる。
上記の発明において、前記外側折曲部の内側かつ前記内側折曲部の外側には、幅方向に延びる際糸(11)が配置されているとよい。
この構成によれば、際糸(充填糸)が配置されることによって、バット繊維層が際糸に絡まることができるため、基布のシーム用ループ付近とバット繊維層との結合性が向上する。特に、本発明のようにシーム用ループを形成する外側基布の内側に内側基布が介装されている基布では、シーム用ループが大きくなり、バット繊維層との結合性が低下するため、際糸をシーム用ループ付近に配置し、際糸にバット繊維層を結合させることが有効である。
上記の発明において、前記際糸は、モノフィラメントの撚糸、及びマルチフィラメントの少なくとも1つを含むとよい。
この構成によれば、際糸とバット繊維層との結合性が向上する。
上記の発明において、前記外側基布の構成と、前記内側基布の構成とが互いに相違するとよい。
この構成によれば、基布が実現し得る特性の選択自由度が向上する。例えば、シーム用ループを形成する外側基布の糸径を大きくして耐久性を確保しつつ、内側基布の糸径を細くしてバット繊維層との結合性を向上させる等、単一構成の基布では実現が難しい特性を基布に具現することができる。また、外側基布及び内側基布の構成が相違することによって、外側基布の表面の凹凸及び内側基布の表面の凹凸が互いに嵌合できなくなり、凹凸に起因する隙間が維持されるため、基布の空隙体積が増加する。
上記の発明において、前記外側基布の前記経糸及び前記緯糸はモノフィラメントを含み、前記内側基布の前記経糸はモノフィラメント及びモノフィラメントの撚糸の少なくとも一方を含み、前記内側基布の前記緯糸はモノフィラメントを含むとよい。
この構成によれば、外側基布によって基布の耐久性及び空隙体積が高められる一方、内側基布によって基布とバット繊維層との結合性が高められる。
上記の発明において、前記内側基布の糸密度は、前記外側基布の糸密度よりも高いとよい。ここで、糸密度とは、単位長さ当りの糸の本数をいう。丈方向に経糸が延在し、幅方向に緯糸が延在する場合、経糸の密度は幅方向における単位長さ(例えば1インチ)当りの経糸の本数をいい、緯糸の密度は丈方向における単位長さ(例えば1インチ)当りの緯糸の本数をいう。
この構成によれば、外側基布によって基布の空隙体積が高められる一方、内側基布によって基布のバット繊維層との結合性が高められる。
また、本発明の他の側面は、製紙用シームフェルト(1)の製造方法であって、丈方向に延在する経糸(7A)及び幅方向に延在する緯糸(7B)を含む織布から構成される外側基布(7)を平板状に折り畳み、丈方向における両端に幅方向に延びる外側折曲部(7C)をそれぞれ形成する工程と、経糸(8A)及び緯糸(8B)を含む織布から構成される内側基布(8)を平板状に折り畳み、丈方向における両端に幅方向に延びる内側折曲部(8C)をそれぞれ形成する工程と、折り畳まれた前記外側基布の内側に折り畳まれた前記内側基布を配置し、前記外側基布及び前記内側基布が積層された基布(2)を形成する工程と、前記外側折曲部から緯糸を抜き取り、経糸からなるシーム用ループ(4)を形成する工程と、ニードリングによってバット繊維層を前記基布に結合する工程とを有することを特徴とする。
この構成によれば、折り畳んだ外側基布の内側に折り畳んだ内側基布を配置し、外側基布によってシーム用ループを形成するため、外側基布及び内側基布は高い寸法精度を必要とせず、製造が容易である。
上記の発明において、前記外側基布及び前記内側基布が積層された前記基布を形成する工程と、前記ニードリングを行う工程との間に、前記シーム用ループを雑布(20)に形成されたループ(21)に整合させ、前記シーム用ループ及び前記雑布の前記ループに共通の芯線(25)を挿通する工程を更に有するとよい。
この構成によれば、ニードリングを行うときに、各シーム用ループが雑布のループと結合されて位置が固定されているため、ニードリングに伴う経糸の引っ張りに抗することができ、シーム用ループの形状が維持される。また、基布の両端のシーム用ループ同士を互いに連結するのではなく、シーム用ループを雑布と結合させることによって、製紙用シームフェルトを平板状としたままニードリングを行うことができる。
上記の発明において、前記シーム用ループ及び前記結合用ループに前記芯線を挿通する工程と、前記ニードリングを行う工程との間に、前記外側折曲部の内側であって、前記内側折曲部の外側かつ前記結合用ループの外側に、際糸を幅方向に挿入する工程を更に有するとよい。
この構成によれば、外側折曲部の内側かつ内側折曲部の外側に、バット繊維層の基布への結合性を向上させる際糸を配置することができる。際糸を挿入するときには結合用ループ及び芯線がシーム用ループに取り付けられているため、芯線が通過するためのスペースが際糸によって埋められることが防止される。
以上の構成によれば、厚みを有する製紙用シームフェルトを簡単な構成で実現することができる。また、厚みを有する製紙用シームフェルトの簡単な製造方法を提供することができる。
実施形態に係る製紙用シームフェルトを示す斜視図 実施形態に係る製紙用シームフェルトを示す断面図 (A)〜(C)実施形態に係る製紙用シームフェルトの製造手順を示す説明図 (D)〜(H)実施形態に係る製紙用シームフェルトの製造手順を示す説明図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態に係る製紙用シームフェルト1は、製紙機において湿紙を運搬する搬送手段として用いられ、湿紙の加圧脱水工程等に使用される。
図1及び図2に示すように、製紙用シームフェルト1は、基布2にバット繊維層3をニードリングにより積層一体化したものである。基布2は、丈方向において有端であり、丈方向における各端部にシーム用ループ4を有する。製紙用シームフェルト1は、シーム用ループ4が互いに分離された状態で平板状の形態となり(図1参照)、シーム用ループ4が芯線5によって互いに結合された状態で無端環状の形態となる(図2参照)。製紙用シームフェルト1は、平板状の形態で製紙機に掛け入れられ、その後、芯線5を介して各シーム用ループ4が互いに結合されることによって無端環状の形態で使用される。
基布2は、互いに積層された外側基布7と内側基布8とを有する。外側基布7及び内側基布8は、それぞれ丈方向に延在する経糸7A、8Aと、幅方向に延在する緯糸7B、8Bとを互いに織り合わせた織布として形成されている。外側基布7及び内側基布8は、丈方向及び幅方向においてそれぞれ端部7D、8Dを有する平板状(帯状)に形成され、幅方向に対して丈方向が長く形成されている。
外側基布7及び内側基布8は、任意の構成を適用することができる。外側基布7及び内側基布8の構成には、織組織、経糸7A、8A及び緯糸7B、8Bの構造(形状)、材質、太さ、糸密度(幅方向における単位長さ(例えば1インチ)当りの経糸7A、8Aの本数、丈方向における単位長さ(例えば1インチ)当りの緯糸7B、8Bの本数)、目付等が含まれる。
経糸7A、8A及び緯糸7B、8Bは、モノフィラメントや、モノフィラメントの撚糸、芯鞘繊維等の公知の糸を適用することができ、その材質は、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂であってよい。例えば、モノフィラメントを使用すると、基布2の空隙体積を増加させることができると共に、基布2の耐久性を向上させることができる。また、モノフィラメントの撚糸や芯鞘繊維を使用すると、バット繊維層3との結合性を高めることができる。
外側基布7及び内側基布8の構成は、互いに同じであってもよいし、互いに相違していてもよい。例えば、外側基布7は、後述するように経糸7Aがシーム用ループ4を形成するため、内側基布8よりも耐久性が高い構成が適用されることが好ましい。そのため、外側基布7は、耐久性が高い糸から形成されることが好ましい。例えば、外側基布7の経糸7A及び緯糸7Bは、耐久性を高めるために、モノフィラメントであることが好ましい。また、内側基布8は、外側基布7よりもバット繊維層3との結合性が高い構成が適用されることが好ましい。内側基布8は、バット繊維層3との結合性を高めるために、例えば経糸7A及び緯糸7Bの少なくとも一方がモノフィラメントの撚糸を含むことが好ましい。また、内側基布8の経糸8A及び緯糸8Bの糸密度は、外側基布7の経糸7A及び緯糸7Bの糸密度より高いことが好ましい。また、外側基布7の経糸7A及び緯糸7Bは、耐久性の観点から内側基布8の経糸8A及び緯糸8Bよりも太い(直径が大きい)ことが好ましい。本実施形態では、外側基布7の経糸7A及び緯糸7Bがモノフィラメントから構成され、内側基布8の経糸8Aがモノフィラメント又はモノフィラメントの撚糸から構成され、緯糸8Bがモノフィラメントから構成されている。
外側基布7及び内側基布8は、平組織(平織り)や綾組織(綾織り)等の公知の織組織を有する。本実施形態では、外側基布7及び内側基布8は、平組織を有する。
外側基布7は、外側基布7の丈方向における2箇所において、それぞれ折り目が幅方向に延在するように折り畳まれ、幅方向に延在する2つの外側折曲部7Cが形成されている。外側基布7は、折り畳まれることによって、厚み方向に2層に積層された構造を有する。折り畳まれた外側基布7は、丈方向が幅方向に対して長い平板状に形成され、2つの外側折曲部7Cは折り畳まれた外側基布7の丈方向における両端部をなす。外側基布7は、2つの外側折曲部7Cにおいて外側基布7の一方の面側(同じ面側)に折り曲げられている。
2つの外側折曲部7Cの丈方向における端部間の距離は、外側基布7を1層に展開したときの丈方向における長さの略1/2となっている。そのため、展開された形態における外側基布7の丈方向における一対の端部7Dは、外側基布7が折り畳まれた形態で、互いに近接して配置される。外側基布7は、丈方向における両端部7Dが互いに結合されて、環状に形成されてもよい。両端部7Dの結合は、両端部7D同士の溶着や、両端部7Dを互いに織り込むことによって行われるとよい。
内側基布8は、内側基布8の丈方向における2箇所において、それぞれ折り目が幅方向に延在するように折り畳まれ、幅方向に延在する2つの内側折曲部8Cが形成されている。内側基布8は、折り畳まれることによって、厚み方向に2層に積層された構造を有する。折り畳まれた内側基布8は、丈方向が幅方向に対して長い平板状に形成され、2つの内側折曲部8Cは折り畳まれた内側基布8の丈方向における両端部をなす。本実施形態では、内側基布8は、2つの内側折曲部8Cにおいて内側基布8の一方の面側(同じ面側)に折り曲げられている。
2つの内側折曲部8Cの丈方向における距離は、内側基布8を1層に展開したときの丈方向における長さの略1/2となっている。そのため、展開された形態における内側基布8の丈方向における一対の端部8Dは、内側基布8が折り畳まれた形態で、丈方向に互いに近接して配置される。内側基布8は、丈方向における両端部8Dが互いに結合されて、環状に形成されてもよい。両端部8Dの結合は、両端部8D同士の溶着や、両端部8Dを互いに織り込むことによって行われるとよい。
他の実施形態では、内側基布8は、一対の内側折曲部8Cが緯糸8Bの延在方向(経糸8Aと直交する方向)に対して傾斜するように折り畳まれてもよい。このように傾斜して折り畳まれた内側基布8は、内側折曲部8Cの延在方向が幅方向となり、内側折曲部8Cの延在方向と直交する方向が丈方向となる。このように折り畳むと、内側基布8の幅方向における側縁が傾斜するため、側縁を切断することによって丈方向に沿う側縁を形成する。これにより、傾斜して折り畳まれた内側基布8は、丈方向に長辺が延在し、幅方向に短辺が延在する長方形となる。傾斜して折り畳まれた内側基布8では、経糸8Aが丈方向に対して傾斜し、緯糸8Bが幅方向に対して傾斜する。
折り畳まれた内側基布8の丈方向の長さは、折り畳まれた外側基布7の丈方向の長さよりも短く形成されている。これにより、折り畳まれた外側基布7の内側に内側基布8を配置することが可能になる。丈方向において、内側折曲部8Cのそれぞれは、対応する外側折曲部7Cよりも外側基布7の内側(丈方向における中央側)に配置されるように、内側基布8の外側基布7に対する位置が定められる。
折り畳まれた外側基布7の内側に折り畳まれた内側基布8が配置された状態において、外側基布7の両端部7Dと内側基布8の両端部8Dとは丈方向にオフセットしていることが好ましい。
基布2は、折り畳まれた外側基布7の内側に折り畳まれた内側基布8が配置されることによって、厚み方向に外側基布7が2層、内側基布8が2層積層されて、合計4層の構造となる。本実施形態では、外側基布7の両端部7Dを含む層と、内側基布8の両端部8Dを含む層とが隣り合って配置されているが、他の実施形態では、外側基布7の両端部7Dを含む層と、内側基布8の両端部8Dを含む層との間に内側基布8の両端部8Dを含まない層が配置されてもよい。
各外側折曲部7Cでは、複数本の緯糸7Bが抜き取られ、各経糸7Aが外部に露出する。外側折曲部7Cにおける各経糸7Aは、折り曲げられてU字形状を呈し、シーム用ループ4を構成する。各シーム用ループ4は、その内側に幅方向に向けて開口するループ孔を形成する。一方の外側折曲部7Cにおいて、各シーム用ループ4は幅方向に等間隔に配置され、かつそれぞれのループ孔が幅方向から見た場合に互いに整合するように配置されてシーム用ループ列4Aを形成する。同様に他方の外側折曲部7Cにおいても、各シーム用ループ4は幅方向に等間隔に配置され、かつそれぞれのループ孔が幅方向から見た場合に互いに整合するように配置されてシーム用ループ列4Bを形成する。
製紙用シームフェルト1を環状にする場合には、一方の外側折曲部7Cのシーム用ループ列4Aと、他方の外側折曲部7Cのシーム用ループ列4Bとが、互いに噛み合わされる。シーム用ループ列4A、4Bが互いに噛み合わされた状態では、シーム用ループ列4Aのシーム用ループ4とシーム用ループ列4Bのシーム用ループ4とが、幅方向に交互に現れ、かつそれぞれのループ孔が幅方向から見た場合に互いに整合する。この状態で、全てのシーム用ループ4に、幅方向に延在する共通の芯線5が挿入されることによって両外側折曲部7Cは互いに結合される。芯線5は、モノフィラメントやモノフィラメントの撚糸、マルチフィラメント、芯鞘繊維等の公知の糸を適用することができ、その材質は、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂であってよい。
外側折曲部7Cの内側かつ内側折曲部8Cの外側の部分、詳細には、丈方向において内側折曲部8Cと外側折曲部7Cとの間には、幅方向に延在する際糸(充填糸)11が配置されている。際糸11は、モノフィラメントやモノフィラメントの撚糸、マルチフィラメント、芯鞘繊維等の公知の糸を適用することができ、その材質は、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂であってよい。際糸11は、バット繊維層3との結合性が高い構造を有することが好ましく、例えばモノフィラメントの撚糸やマルチフィラメントであることが好ましい。際糸11は、例えば0.2mmのモノフィラメントを2本撚り合せて形成した撚糸を5本撚り合せたモノフィラメントの撚糸や、0.12mmのモノフィラメントを6本撚り合せて形成した撚糸を3本撚り合せたモノフィラメントの撚糸であってよい。
際糸11の本数は任意であり1本以上であればよい。際糸11は、シーム用ループ4が形成するループ孔の内、芯線5が通過する部分を埋めないように配置される。すなわち、シーム用ループ4が形成するループ孔の内で、内側折曲部8C側に配置されている。際糸11は、内側基布8の複数の経糸8Aに織り込まれていてもよい。際糸11が内側基布8の経糸8Aに織り込まれることによって、際糸11の位置ずれ及び抜け出しが抑制される。
バット繊維層3は、ニードリングによって基布2の製紙面及び走行面に結合される。バット繊維層3は、繊維集合体であり、その材料にはポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等が適用される。また、バット繊維層3には、芯部と、芯部を被覆する鞘部とからなる芯鞘複合型繊維を適用してもよい。バット繊維層3に、鞘部が低融点の芯鞘型複合繊維を適用することで、後述する熱セットによって基布2との結合性を高めることができる。バット繊維層3のニードリングによって、基布2を構成する外側基布7及び内側基布8にバット繊維層3が交絡し、外側基布7及び内側基布8が互いに結合される。基布2の丈方向における一側の端部の製紙面側のバット繊維層3は、シーム用ループ列4Aの製紙面側に突出し、シーム用ループ列4Aの製紙面側を覆うフラップ12を形成する。また、基布2の丈方向における他側の端部の製紙面側のバット繊維層3には、シーム用ループ列4Bの製紙面側においてフラップ12を受容可能な凹部13が形成されている。
以上のように構成した製紙用シームフェルト1は、図2に示すように、バット繊維層3の製紙面側の面が外周面となるように無端状(環状)に配置され、基布2の丈方向における両端部に設けられたシーム用ループ4を互いに噛み合わせてループ孔を一致させ、ループ孔に芯線5を挿通することによって、両端部が互いに結合される。製紙用シームフェルト1の両端部の結合は、製紙用シームフェルト1を製紙機のフェルトランに引き込んだ上で行われる。バット繊維層3の製紙面は湿紙を支持する面となり、裏側の走行面は製紙機のロール等に接触する面となる。フラップ12は、シーム用ループ列4A、4Bの製紙面側を覆い、製紙面に段差が生じないようにする。
以下に、図3(A)〜(C)及び図4(D)〜(G)を参照して製紙用シームフェルト1の製造方法について説明する。図3(A)に示すように、最初に、丈方向に延びる経糸7Aと幅方向に延びる緯糸7Bとから織製された平板状の織布である外側基布7と、丈方向に延びる経糸8Aと幅方向に延びる緯糸8Bとから織製された平板状の織布である内側基布8とが用意される。外側基布7及び内側基布8は、丈方向が幅方向に対して長く形成されている。外側基布7は、内側基布8に対して、幅方向における長さが等しく、丈方向における長さが若干長く設定されている。
図3(A)に示すように、外側基布7は、幅方向に延びる2つの外側折曲部7Cで、外側基布7の一方の面側に折り畳まれ、2層に重ねられた平板状となる。これにより、2つの外側折曲部7Cは、折り畳まれた外側基布7の丈方向における両端部を構成し、外側基布7の両端部7Dは互いに近接した状態となる。各外側折曲部7Cは、ハンディドライヤー等によって熱を加えられながら外側基布7の厚み方向にアイロン等を使用してプレスされる。これにより、外側基布7の経糸7Aが、各外側折曲部7CにおいてU字状に屈曲された形態に成形され、外側折曲部7Cの形態が安定する。
同様に、内側基布8は、幅方向に延びる2つの内側折曲部8Cで、内側基布8の一方の面側に折り畳まれ、2層に重ねられた平板状となる。これにより、2つの内側折曲部8Cは、折り畳まれた内側基布8の丈方向における両端部を構成し、内側基布8の両端部8Dは互いに近接した状態となる。各内側折曲部8Cは、アイロン等によって熱を加えられながら内側基布8の厚み方向にプレスされる。これにより、内側基布8の経糸8Aが、各内側折曲部8CにおいてU字状に屈曲された形態に成形され、内側折曲部8Cの形態が安定する。
図3(B)に示すように、折り畳まれた内側基布8は、折り畳まれた外側基布7の内側に配置される。これにより、外側基布7及び内側基布8を含む基布2が形成される。このとき、外側基布7の両端部7Dを含む層と、内側基布8の両端部8Dを含む層とが隣り合って配置される。また、外側基布7の両端部7Dと内側基布8の両端部8Dとは、丈方向にオフセットして配置される。
折り畳まれた内側基布8は、折り畳まれた外側基布7の内側に配置される前又は後に、両端部8Dが互いに溶着等によって結合されてもよい。また、折り畳まれた外側基布7は、折り畳まれた内側基布8が内側に配置される前又は後に、両端部7Dが互いに結合されてもよい。また、折り畳まれた外側基布7は、折り畳まれた内側基布8が内側に配置された後に、両端部7Dが内側基布8の一方の面に結合されてもよい。
次に、図3(C)に示すように、各外側折曲部7Cに配置された複数の緯糸7Bが外側基布7から抜き取られる。これにより、外側折曲部7Cに含まれるU字状に折曲された複数の経糸7Aが外部に露出し、シーム用ループ4が形成される。なお、外側折曲部7Cからの緯糸7Bの抜き取り工程の順番は、このタイミングに限らず、外側折曲部7Cを形成した直後等、他のタイミングで行ってもよい。
次に、外側基布7の各シーム用ループ列4A、4Bに、雑布20に形成された結合用ループ列21を結合させる。雑布20は、各シーム用ループ列4A、4Bのシーム用ループ4の形状を整えるために使用される。雑布20は、基布2と等しい幅方向の長さを有する一方、丈方向における長さが短く形成されている。結合用ループ列21は、雑布20の丈方向における一方の端部に形成され、幅方向に列設された複数個のループを含む。結合用ループ列21のループは、結合用ループ列21とシーム用ループ列4A、4Bと結合可能なように、シーム用ループ4と同一の形状に形成され、かつ幅方向に同一の間隔に配置されている。雑布20は、丈方向に延びる経糸と、幅方向に延びる緯糸とを含む織布を、幅方向に延びる折り目で折り返すことによって形成され、結合用ループ列21の各ループは織布の折り目に配置されるU字状に折曲された経糸によって形成されている。雑布20の構成は、外側基布7の構成と同一であることが好ましい。雑布20と基布2との厚みを同一にするために、折り畳まれた雑布20の各層間には折り畳まれた内側基布8と同等の厚みを有する織布や不織布等が介装されているとよい。
図4(D)に示すように、雑布20は、基布2の丈方向における各端部に対応して2つ設けられる。一方の雑布20の結合用ループ列21は、基布2の丈方向における一方の端部のシーム用ループ列4Aと結合される。詳細には、一方の雑布20の結合用ループ列21は、基布2の丈方向における一方の端部のシーム用ループ列4Aと噛み合わされ、結合用ループ列21の各ループ孔とシーム用ループ列4Aの各ループ孔とが幅方向に整合され、結合用ループ列21の各ループ孔及びシーム用ループ列4Aの各ループ孔に共通の芯線25が挿通される。同様に、他方の雑布20の結合用ループ列21は、基布2の丈方向における他方の端部のシーム用ループ列4Bと結合される。基布2のシーム用ループ列4A、4Bの各シーム用ループ4は、芯線25を介して雑布20の結合用ループ列21に結合することによって、幅方向に一定間隔で整列されると共に、丈方向における突出量が一定に規制され、適正位置に互いの相対位置が固定される。2つの雑布20が結合された基布2は、平板状の形態に維持される。
次に、図4(E)に示すように、各外側折曲部7Cの内側であって、内側折曲部8Cの外側かつ結合用ループ列21の外側における空間に、際糸11が幅方向に挿入される。際糸11は、1本以上挿入される。シーム用ループ4に結合用ループ列21の各ループ及び芯線25が取り付けられた状態で際糸11が挿入されるため、際糸11がシーム用ループ4の芯線5が通過するためのスペースを埋めることが防止される。
際糸11が挿入された後、図4(F)に示すように、内側基布8及び外側基布7は仮縫合糸15に互いに接合され、相対位置が固定される。仮縫合糸15は、例えばミシン等によって縫い込まれるとよい。仮縫合糸15は、折り畳まれた外側基布7の丈方向における端部近傍であって、内側基布8及び外側基布7による層が4層となる部分に縫い込まれるとよい。仮縫合糸15の材質は特に限定されないが、水溶性フィラメントであることが好ましい。他の実施形態では、仮縫合糸15による縫合工程は省略してもよい。
次に、図4(G)に示すように、折り畳まれた外側基布7及び内側基布8を含む基布2に、ニードリングによって、バット繊維層3が結合される。バット繊維層3は、際糸11が配置された部分、及び一方のシーム用ループ列4Aが配置された部分にも行われる。これにより、バット繊維層3によって外側基布7、内側基布8及び際糸11が互いに結合される。シーム用ループ4に結合用ループ列21及び芯線25が取り付けられた状態でニードリングが行われるため、ニードリングを行うニードルが経糸7A、8Aに接触し、経糸7A、8Aに張力が加わる場合にもシーム用ループ4の形状が維持される。また、基布2のシーム用ループ列4A、4B同士を結合させるのではなく、各シーム用ループ列4A、4Bを互いに分離された2つの平板状の雑布20の結合用ループ列21に結合させるため、シーム用ループ4を結合させた状態で基布2を環状ではなく平板状にすることができる。これにより、基布2のニードリングマシンへの掛け入れが容易になる。また、本実施形態に係る基布2は、4層構造であり、屈曲させると各層間にずれが生じ易いため、平板状でニードリングを行うことによって、基布2の層間のずれによって生じる弛みを抑制することができる。
基布2にバット繊維層3がニードリングされた後は、熱セットを行い、バット繊維層3、基布2、及び際糸11の結合性を高める。その後、芯線25が引き抜かれ、雑布20が基布2から取り除かれる。また、仮縫合糸15を基布2から抜き取る。なお、仮縫合糸15を水溶性フィラメントとした場合には、製紙用シームフェルト1の水洗時に仮縫合糸15が溶解するため、取り除く手間が省略される。また、一方のシーム用ループ列4A付近のバット繊維層を除去してフラップ12を形成すると共に、他方のシーム用ループ列4B付近のバット繊維層を除去してフラップ12を受容可能な凹部13を形成する。以上の工程によって、図4(H)に示すようにシームフェルト1が完成する。
次に、実施形態に係る製紙用シームフェルト1の効果について説明する。製紙用シームフェルト1は、折り畳んだ外側基布7の内側に折り畳んだ内側基布8を配置するという簡単な構成で製紙用シームフェルト1の空隙体積を増加させることできる。また、外側基布7がシーム用ループ4を形成し、内側基布8が外側基布7の内側に配置されるため、外側基布7及び内側基布8の丈方向寸法に誤差に関わらず、シーム用ループ4が適切に形成される。
また、製紙用シームフェルト1では、外側基布7及び内側基布8の織組織、糸の構造(モノフィラメント、マルチフィラメント等)、糸の材質、糸径、糸密度等の構成を、互いに自由に設定することができる。特に、外側基布7及び内側基布8の構成を互いに相違させることによって、基布2が実現し得る特性の選択自由度が向上する。例えば、シーム用ループ4を形成する外側基布7の糸径を大きくして耐久性を確保しつつ、内側基布8の糸径を細くしてバット繊維層3との結合性を向上させる等、単一構成の基布では実現が難しい特性を基布に具現することができる。
また、外側基布7及び内側基布8の構成が相違することによって、外側基布7及び内側基布8の表面の凹凸が互いに嵌合し難くなるため、基布2の空隙体積及び空隙率が増加する。特に、経糸8Aが丈方向に対して傾斜するように折り畳まれた内側基布8を、経糸7Aが丈方向に延在するように折り畳まれた外側基布7の内側に配置した場合、外側基布7及び内側基布8の表面の凹凸が一層互いに嵌合し難くなり、基布2の空隙体積及び空隙率が増加する。
外側基布7の経糸7A及び緯糸7Bがモノフィラメントから構成され、内側基布8の経糸8Aがモノフィラメントの撚糸から構成され、緯糸8Bがモノフィラメントから構成されることによって、外側基布7によって基布2の耐久性及び空隙体積が高められ、内側基布8によって基布2とバット繊維層3との結合性が高められる。また、内側基布8を構成する経糸8A及び緯糸8Bの糸密度が、外側基布7を構成する経糸7A及び緯糸7Bの糸密度より高くされることによって、外側基布7によって基布2の空隙体積が高められ、内側基布8によって基布2のバット繊維層3との結合性が高められる。
また、折り畳まれた内側基布8の丈方向における両端部は内側折曲部8Cとなり、経糸8Aの遊端ではなく、経糸8Aのループ構造が配置されるため、バット繊維層3のニードリングや熱セット時の経糸8Aの収縮に伴う経糸8A及び緯糸8Bの解れが防止される。また、折り畳まれた内側基布8の丈方向における端部を内側折曲部8Cとし、経糸8Aが遊端を形成しないようにしたため、外側折曲部7Cの内側に際糸11を挿入する場合に、内側基布8の経糸8Aと際糸11との引っ掛かりが起き難く、際糸11の挿入が容易になる。
際糸11が外側折曲部7Cの内側かつ内側折曲部8Cの外側に配置されることによって、バット繊維層3が際糸11に絡まることができるため、基布2のシーム用ループ4付近とバット繊維層3との結合性が高められる。また、際糸11をモノフィラメントの撚糸又はマルチフィラメントにすることによって、際糸11とバット繊維層3との結合性が一層向上する。
以下に上記実施形態の好適な実施例を例示する。
(第1実施例)
外側基布7は、経糸7Aに、材質がナイロン、直径が0.4mmのモノフィラメントを使用し、緯糸7Bに、材質がナイロン、直径が0.4mmのモノフィラメントを使用し、織組織を平組織とした。経糸7Aの糸密度(幅方向1インチ当りの本数)を20本/in、緯糸7Bの糸密度(丈方向1インチ当りの本数)を20本/inとした。内側基布8は、経糸8Aに、材質がナイロン、直径が0.28mmのモノフィラメントを使用し、緯糸8Bに、材質がナイロン、直径が0.25mmのモノフィラメントを使用し、織組織を平組織とした。経糸8Aの糸密度を35本/in、緯糸8Bの糸密度を30本/inとした。
(第2実施例)
外側基布7は、経糸7Aに、材質がナイロン、直径が0.4mmのモノフィラメントを使用し、緯糸7Bに、材質がナイロン、直径が0.4mmのモノフィラメントを使用し、織組織を2/2崩し(経糸7Aが2本の緯糸7Bを連続して跨いだ後、次の2本の緯糸7Bを連続して潜る基本パターンを繰り返し、経糸7Aが2本の緯糸7Bを連続して跨ぐ部分が分散されるようにした組織)とした。経糸7Aの糸密度を28本/in、緯糸7Bの糸密度を16本/inとした。内側基布8は、経糸8Aに、材質がナイロン、直径が0.2mmのフィラメントを2本撚り合せて形成したフィラメントを3本撚り合せたモノフィラメントの撚糸を使用し、緯糸8Bに、材質がナイロン、直径が0.35mmのモノフィラメントを使用し、織組織を平組織とした。経糸8A(撚糸)の糸密度を20本/in、緯糸8Bの糸密度を15本/inとした。
(第3実施例)
外側基布7は、経糸7Aに、材質がナイロン、直径が0.4mmのモノフィラメントを使用し、緯糸7Bに、材質がナイロン、直径が0.4mmのモノフィラメントを使用し、織組織を平組織とした。経糸7Aの糸密度を20本/in、緯糸7Bの糸密度を20本/inとした。内側基布8は、経糸8Aに、材質がナイロン、直径が0.28mmのモノフィラメントを使用し、緯糸8Bに、材質がナイロン、直径が0.25mmのモノフィラメントを使用し、織組織を平組織とした。経糸8Aの糸密度を35本/in、緯糸8Bの糸密度を30本/inとした。また、内側基布8は、経糸8Aが丈方向に対して傾斜するように折り畳まれている。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。上記実施形態では、外側基布7及び内側基布8に、平板状に製織された織布を使用したが、袋織りによって当初から無端状に製織された織布を使用してもよい。
1...製紙用シームフェルト、2...基布、3...バット繊維層、4...シーム用ループ、4A、4B...シーム用ループ列、5...芯線、7...外側基布、7A...経糸、7B...緯糸、7C...外側折曲部、7D...端部、8...内側基布、8A...経糸、8B...緯糸、8C...内側折曲部、8D...端部、11...際糸、12...フラップ、15...仮縫合糸、20...雑布、21...結合用ループ列、25...芯線

Claims (9)

  1. 丈方向に延在する経糸及び幅方向に延在する緯糸を含む織布が平板状に折り畳まれることによって、丈方向における両端に幅方向に延びる外側折曲部がそれぞれ形成され、前記外側折曲部のそれぞれに経糸からなるシーム用ループが形成された外側基布と、
    経糸及び緯糸を含む平板状に折り畳まれることによって、丈方向における両端に幅方向に延びる内側折曲部がそれぞれ形成され、前記外側基布の内側に配置された内側基布と、
    前記外側基布及び前記内側基布を含む基布に結合されたバット繊維層とを有し、
    前記内側折曲部のそれぞれは、対応する前記外側折曲部よりも丈方向において内側に配置されていることを特徴とする製紙用シームフェルト。
  2. 前記外側折曲部の内側かつ前記内側折曲部の外側には、幅方向に延びる際糸が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の製紙用シームフェルト。
  3. 前記際糸は、モノフィラメントの撚糸、及びマルチフィラメントの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の製紙用シームフェルト。
  4. 前記外側基布の構成と、前記内側基布の構成とが互いに相違することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の製紙用シームフェルト。
  5. 前記外側基布の前記経糸及び前記緯糸はモノフィラメントを含み、前記内側基布の前記経糸はモノフィラメント及びモノフィラメントの撚糸の少なくとも一方を含み、前記内側基布の前記緯糸はモノフィラメントを含むことを特徴とする請求項4に記載の製紙用シームフェルト。
  6. 前記内側基布の糸密度は、前記外側基布の糸密度よりも高いことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の製紙用シームフェルト。
  7. 丈方向に延在する経糸及び幅方向に延在する緯糸を含む織布から構成される外側基布を平板状に折り畳み、丈方向における両端に幅方向に延びる外側折曲部をそれぞれ形成する工程と、
    経糸及び緯糸を含む織布から構成される内側基布を平板状に折り畳み、丈方向における両端に幅方向に延びる内側折曲部をそれぞれ形成する工程と、
    折り畳まれた前記外側基布の内側に折り畳まれた前記内側基布を配置し、前記外側基布及び前記内側基布が積層された基布を形成する工程と、
    前記外側折曲部から緯糸を抜き取り、経糸からなる複数のシーム用ループを形成する工程と、
    ニードリングによってバット繊維層を前記基布に結合する工程とを有することを特徴とする製紙用シームフェルトの製造方法。
  8. 前記外側基布及び前記内側基布が積層された前記基布を形成する工程と、前記ニードリングを行う工程との間に、前記シーム用ループを雑布に形成された結合用ループに整合させ、前記シーム用ループ及び前記雑布の前記結合用ループに共通の芯線を挿通する工程を更に有することを特徴とする請求項7に記載の製紙用シームフェルトの製造方法。
  9. 前記シーム用ループ及び前記結合用ループに前記芯線を挿通する工程と、前記ニードリングを行う工程との間に、前記外側折曲部の内側であって、前記内側折曲部の外側かつ前記結合用ループの外側に、際糸を幅方向に挿入する工程を更に有することを特徴とする請求項8に記載の製紙用シームフェルトの製造方法。
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