JP2838547B2 - 抄紙用シームフェルト - Google Patents

抄紙用シームフェルト

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JP2838547B2 JP23098889A JP23098889A JP2838547B2 JP 2838547 B2 JP2838547 B2 JP 2838547B2 JP 23098889 A JP23098889 A JP 23098889A JP 23098889 A JP23098889 A JP 23098889A JP 2838547 B2 JP2838547 B2 JP 2838547B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は抄紙用シームフェルトに関するものであ
る。
〔従来の技術〕
抄紙用フェルトはその構成により、 エンドレスフェルト シームフェルト に大別される。このうちエンドレスフェルトは、その表
面に継目がないため紙に転写マークが発生せず、高品質
の抄紙が可能となる長所を持つ。しかしその反面、抄紙
機への掛替え作業に時間がかかるという短所も有してい
た。
これに対しシームフェルトは継目を有するものの、オ
ープンエンド基布の両端縁に設けたシーム用ループに芯
線を挿通することで簡単にエンドレス構成にできるた
め、抄紙機への掛入れも容易であるという利点を有して
いる。このため、抄紙用フェルト分野におけるシームフ
ェルトの重要性が、徐々に増大しつつある。
しかし、従来のシームフェルトは、 基布を製織した後にループを作るシームフェルトは、
ループ製織作業に多くの工数と時間を要し、しかもルー
プ強度が低い ループ付きで基布を製作するシームフェルトは、フェ
ルトの丈の1/2相当の幅の織機が必要である。従って、
織機の大きさにより製造可能な丈が制約を受け、任意の
寸法にすることができない。
厚手の基布の製織(2重織や3重織など)には超重織
機と呼ばれる特殊で大型の織機が必要になる。
という問題点を有していた。これらの問題点は、シーム
フェルトのコスト性と利便性を損なうものであり、シー
ムフェルトの普及を妨げる要因となっていた。
そこで、本願発明者らは先に、無端状織布を偏平にし
てなる2重基布の両端折曲部に、ヨコ糸を引き抜いてな
るシーム用ループを形成し、簡易組織の織布を2重にし
て厚手の基布を構成するとともに、糸を引き抜くだけで
シーム用ループが形成できるようにした抄紙用シームフ
ェルトを提案してきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の抄紙用シームフェルトは、その簡易性と低コス
ト性において格段に優れたものであるが、特に、シーム
強度を高めるために太いフィラメントで製織した場合な
どに、織目マークが生じやすくなる傾向があった。ま
た、搾水性や通気性を適宜設定しようとする場合も、織
目マークに影響が及びやすく、対応が困難であった。
この発明は上記の点に鑑み、特に、薄紙や上質紙に対
しても織目マークを生ぜず、かつ搾水性や通気性を多様
に設定でき、しかもシーム強度と耐久性に優れた抄紙用
シームフェルトを提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するためこの発明の抄紙用シームフ
ェルトは、帯状織布の両端縁を縫合した無端状織布を偏
平にしてなる2重基布の両端折曲部に、ヨコ糸(幅方向
の糸)を引き抜いてなるシーム用ループを形成した抄紙
用シームフェルトにおいて、前記2重基布の表面と裏面
を異なる組織に製織し、簡易かつ低コストな織布を用い
ながらも、湿紙に接する平滑表面と、脱水に寄与する搾
水側裏面が各々に好適な織組織となるようにしたもので
ある。
また、前記2重基布の間に調整部材を介装し、湿紙の
性質、抄紙機のパート、抄紙スピードなど要求特性に応
じてフェルトの厚さや搾水性を自在に調整できるように
したものである。
〔実施例〕
以下、この発明を添付図面に示す一実施例に基づいて
説明する。
第1図は、この発明の抄紙用シームフェルトの構成を
示す斜視図、第2図(a),(b)は帯状織布と、帯状
織布を縫合した無端状織布で2重基布を構成する過程を
示す説明図、第3図は2重基布の間に調整布を介装した
例を示す斜視図である。
図において、1はこの発明の抄紙用シームフェルト本
体である。2は無端状織布で、該織布2は簡易組織(例
えば平織)の無端帯に構成されている。該織布2は通常
の製織法で帯状に織成した織布3を縫合して無端帯とし
て、その両端縁3a、3aを縫合し、縫合部Hを形成したも
のである。ここで、帯状織布3は、 長さ=40m、 幅 =約5m であり、長さ=20mの織布2が構成できるようになって
いる。
該織布2は、チューブを押しつぶすように偏平押圧す
ることにより、2重基布4が構成できるようになってい
る(縫合部Hが屈曲によって強度低下を起こしたり、転
写マーク発生の原因になるのを防ぐため、縫合部Hが両
端縁の屈曲部に一致しないよう偏平押圧される)。即
ち、帯状織布3の全長をLとすれば、長さ=L/2の中央
領域R1が表面4a、長さ=L/4の両端縁寄り領域R1、R2
裏面4bとするよう偏平押圧し、縫合部Hは裏面中央に位
置するようになっている。
また、このようにして構成された偏平2重基布4の表
面4a(=領域R1)と、裏面4b(=領域R2、R2)は異なる
組織となるよう製織されている(第2図)。帯状織布3
のタテ糸(長手方向の糸、ポリアミド・モノフィラメン
ト)は全領域R1、R2で共通だが、ヨコ糸(幅方向の糸、
ポリアミド・モノまたはマルチフィラメント)は領域R1
では密に、領域R2では疎に製織されている。
即ち、全領域で共通なタテ糸は、 太さ=1540d 密度=40本/in である。
また、ヨコ糸は、 領域R2において、 太さ=880d 密度=32本/in 領域R1において、 太さ=2000d 密度=20本/in となっている。
5、5はシーム用ループで、該ループ5は前記2重基
布4の両端折曲部S、Sから、ヨコ糸を1本ないしは複
数本引き抜いた時に残るタテ糸によって形成してある。
即ち、ヨコ糸を何本引き抜くかによってループ5の径が
決定する。ここでは各折曲部S、Sにおいて、表面4a側
のヨコ糸(880d)を8本、裏面4b側のヨコ糸(2000d)
を5本、それぞれ引き抜いてループを形成してある。ま
た、該ループ5を安定させるため、その近傍適所に、表
面4aと裏面4bを縫着してなるかがり部K、Kを設けてあ
る。
6は調整部材で、該調整部材6は2重基布4の中間に
介装されている。該調整部材6は織布またはバット(ウ
エッブや不織布)などよりなり、その厚さや組織を適宜
に設定することにより、フェルトFを支持する2重基布
4のクッション性や搾水性、通気性などをコントロール
できるようになっている。
しかして、織布2を偏平にして構成した2重基布4の
間に調整布6を介装した後、該2重基布4を縫合部Hを
内側にして環状に湾曲させ、両端折曲部S、Sに形成し
たループ5、5を互いに同芯に重ね合わせ共通芯線Iを
挿通してシームし、さらにニードリング処理によって外
表面にフェルトFを設ければ、第1図のようなエンドレ
スのシームフェルトを構成することができる。
ここで基布4は、2枚重ね構造なので強度が高く、し
かも空隙が多いために通水抵抗は小さくなっており、脱
水量の多い抄紙などに好適な基布となっている。
(実験例) 上記実施例の抄紙用シームフェルトと従来シームフェ
ルトの性能を比較するため、そのマーク転写性と通水性
の比較実験を行った所、表1のような結果を得た。
ここで、従来フェルトの基布は、 タテ糸太さ=2000d タテ糸密度=40本/in ヨコ糸太さ=1320d ヨコ糸密度=40本/in であり、いずれのフェルトにおいても、 目付け=1350g/m2 となっている。
そして、フェルト表面にカーボン紙を載せて一対の挟
圧ロール(上側=スチールロール、下側=硬度90゜のゴ
ムロール)で加圧し、織目マークがカーボン紙に転写さ
れる圧力と、3の水が流出するのに要する時間を計測
した。但し、 水圧=3kg/cm2、 フェルトへの加圧=30kg/cm2 である。
この表1より、本願抄紙用シームフェルトは、マーク
発生の恐れがない上、通水性にも優れていることが確認
された。
次に、クラフトライナー紙抄造マシンの第2プレス
に、本願フェルトと従来フェルトを適用、その寿命を測
定し、表2のような結果を得た。但し、実験条件は、 抄速=420m/min プレス圧=90kg/cm クラフト紙目付け=210g/m2 抄速低下率=標準抄速に対する取り外し時抄速 などとなっている。
この結果から、本願フェルトは搾水性がよいため寿命
が従来フェルトより30%も長く、しかも取り外し時の抄
速低下もほとんどないことが確認できた。
さらに、一枚構成の基布(多重織で厚さは上記の二重
基布と同程度)を使用した場合と比べ、長時間運転後の
フェルト部のヘタリ現象が小さくなり、大幅に長寿命化
することが分かった。
〔発明の効果〕
上記のようにこの発明の抄紙用シームフェルトは、帯
状織布の両端縁を縫合した無端状織布を偏平にしてなる
2重基布の両端折曲部に、ヨコ糸を引き抜いてなるシー
ム用ループを形成した抄紙用シームフェルトにおいて、
前記2重基布の表面と裏面を異なる組織に製織したこと
を特徴としているので、簡易製織の織布からなる高強度
の2重基布にシーム用ループが容易に形成でき、しかも
湿紙側の基布を緻密でマーク発生しにくい組織に、反対
側の基布組織を通水性の高いものに設定することができ
る。このため特別な織機を使用することなく、高強度で
均一性に優れたシーム用ループを備えた抄紙用シームフ
ェルトを簡易かつ低コストに提供できる。
また、前記2重基布の間に、調整布を介装することに
より、通気性や通水性を使用目的に応じて自在に調整し
たり、加圧条件に応じたフェルト厚さを選択することが
できる。
この結果、抄紙用シームフェルトの強度と耐久性向上
に加え、通水性なども改善でき、抄紙工程の生産性向上
とシームフェルトの普及に資するところ大であり、効果
は抜群である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の抄紙用シームフェルトの構成を示
す斜視図、第2図(a),(b)は帯状織布と、帯状織
布を縫合した無端状織布で2重基布を構成する過程を示
す説明図、第3図は2重基布の間に調整布を介装した例
を示す斜視図である。 1……抄紙用シームフェルト本体 2……無端状織布 3……帯状織布 3a、3b……帯状織布縁部 4……2重基布 4a……表面 4b……裏面 5……シーム用ループ 6……調整部材 S、S……両端折曲部 H……縫合部 I……共通芯線 K……かがり部 R1……中央領域(高密度) R2……両端縁寄り領域(低密度) F……フェルト

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状織布の両端縁を縫合した無端状織布を
    偏平にしてなる2重基布の両端折曲部に、ヨコ糸を引き
    抜いてなるシーム用ループを形成した抄紙用シームフェ
    ルトにおいて、前記2重基布の表面と裏面を異なる組織
    に製織したことを特徴とする抄紙用シームフェルト。
  2. 【請求項2】前記2重基布の間に、調整部材を介装した
    ものである特許請求の範囲第1項記載の抄紙用シームフ
    ェルト。
JP23098889A 1989-09-06 1989-09-06 抄紙用シームフェルト Expired - Lifetime JP2838547B2 (ja)

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