JP2016072258A - エッチング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エッチングレートを向上可能なエッチング装置を提供する。
【解決手段】第1電極81は、+Z側と+X側との間の第1方向を法線方向とする第1傾斜面810を有する。このため、第1傾斜面810の周辺に存在するアルゴンイオンおよび電子は、第1電極81への印加電圧によって第1方向に沿って加速され飛翔される。また、第2電極82は、+Z側と−X側との間の第2方向を法線方向とする第2傾斜面820を有する。このため、第2傾斜面820の周辺に存在するアルゴンイオンおよび電子は、第2電極82への印加電圧によって第2方向に沿って加速され飛翔される。これにより、アルゴンイオンおよび電子は、X方向について第1電極81と第2電極82との間でかつ+Z側に収束される。その結果、基板Sの主面S1におけるエッチング処理が効率よく進行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、搬送方向に沿って搬送される基材の主面に処理を施すエッチング装置に関する。
処理ガスをチャンバー内に導入するとともに、チャンバー内の電極に高周波電力を印加して高周波電界を形成し、この高周波電界により処理ガスのプラズマを生成して、基材の主面に処理を施すエッチング装置が知られている。
例えば、特許文献1には、誘導結合アンテナを備え、該誘導結合アンテナによって生成した誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma、以下ICPと略称)を用いて基材の主面に処理を施すエッチング装置が開示されている。
特許第3751909号公報 特開2010−205967号公報
この種のプラズマエッチング技術においては、一般に、エッチングレートの向上が技術課題とされている。例えば、特許文献2には、チャンバー内に導入される処理ガスの条件(処理ガスの種類、複数の処理ガスの混合比、等)を調節することによって、エッチングレートを向上する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献2のようにエッチングレート向上の観点から処理ガスの条件を設定する態様においては、他の観点から処理ガスの条件を変更した場合にエッチングレートが低下する事態が生じる。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、処理ガスの条件等に依らず、エッチングレートを向上可能なエッチング装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかるエッチング装置は、搬送方向に沿って搬送される基材の主面に処理を施すエッチング装置であって、チャンバーと、前記チャンバー内に設けられ、一方側が開放された処理空間を規定する仕切りと、前記処理空間内にガスを供給するガス供給部と、前記処理空間内にプラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマ生成部に高周波電力を供給する高周波電力供給部と、前記処理空間の前記一方側に前記主面が配されるように前記基材を保持しつつ、該基材を前記主面に平行な搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、電気的な絶縁部材を介して前記チャンバー内に支持され、前記処理空間のうち前記搬送方向の上流側に配される第1電極と、電気的な絶縁部材を介して前記チャンバー内に支持され、前記処理空間のうち前記搬送方向の下流側に配される第2電極と、前記第1電極および前記第2電極に時間平均値が正となる電位を印加する印加部と、を備え、前記第1電極は前記一方側と前記下流側との間の第1方向を法線方向とする第1傾斜面を有し、前記第2電極は前記一方側と前記上流側との間の第2方向を法線方向とする第2傾斜面を有することを特徴とする。
本発明の第2の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第1の態様にかかるエッチング装置であって、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面は、前記仕切りよりも前記一方側に配されることを特徴とする。
本発明の第3の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第1の態様または第2の態様にかかるエッチング装置であって、前記処理空間内で前記搬送方向の中央に位置する仮想的な面に対して、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とが対称配置されていることを特徴とする。
本発明の第4の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第3の態様にかかるエッチング装置であって、前記第1傾斜面に対しその中央位置を通過する第1法線と、前記第2傾斜面に対しその中央位置を通過する第2法線とが、前記搬送方向に沿って搬送される前記基材の前記主面上で交わることを特徴とする。
本発明の第5の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第1の態様ないし第4の態様のいずれかにかかるエッチング装置であって、前記第1電極は、前記仕切りの内側でかつ前記搬送方向の上流側に配される第1内壁部を有し、前記第2電極は、前記仕切りの内側でかつ前記搬送方向の下流側に配される第2内壁部を有し、前記プラズマ生成部の少なくとも一部が、前記第1内壁部と前記第2内壁部との間に配されることを特徴とする。
本発明の第6の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第5の態様にかかるエッチング装置であって、前記第1内壁部は該第1内壁部から前記搬送方向の下流側に向けて突設された第1凸部を有し、前記第2内壁部は該第2内壁部から前記搬送方向の上流側に向けて突設された第2凸部を有することを特徴とする。
本発明の第7の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第6の態様にかかるエッチング装置であって、第1凸部における前記一方側の外面が前記第1傾斜面の一部を構成し、第2凸部における前記一方側の外面が前記第2傾斜面の一部を構成することを特徴とする。
本発明の第8の態様にかかるエッチング装置は、搬送方向に沿って搬送される基材の主面に処理を施すエッチング装置であって、チャンバーと、電気的な絶縁部材を介して前記チャンバー内に設けられ処理空間のうち前記搬送方向の上流側に配される導電性の第1仕切り部材と、電気的な絶縁部材を介して前記チャンバー内に設けられ前記処理空間のうち前記搬送方向の下流側に配される導電性の第2仕切り部材と、を有し、一方側が開放された前記処理空間を規定する仕切りと、前記処理空間にガスを供給するガス供給部と、前記処理空間内にプラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマ生成部に高周波電力を供給する高周波電力供給部と、前記処理空間の前記一方側に前記主面が配されるように前記基材を保持しつつ、該基材を前記主面に平行な前記搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、前記第1仕切り部材および前記第2仕切り部材に時間平均値が正となる電位を印加する印加部と、を備え、前記第1仕切り部材は前記一方側と前記下流側との間の第1方向を法線方向とする第1傾斜面を有し、前記第2仕切り部材は前記一方側と前記上流側との間の第2方向を法線方向とする第2傾斜面を有することを特徴とする。
本発明の第9の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第8の態様にかかるエッチング装置であって、前記第1傾斜面は前記第1仕切り部材における前記一方側の端部に設けられ、前記第2傾斜面は前記第2仕切り部材における前記一方側の端部に設けられることを特徴とする。
本発明の第10の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第8の態様または第9の態様にかかるエッチング装置であって、前記処理空間内で前記搬送方向の中央に位置する仮想的な面に対して、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とが対称配置されていることを特徴とする。
本発明の第11の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第10の態様にかかるエッチング装置であって、前記第1傾斜面に対しその中央位置を通過する第1法線と、前記第2傾斜面に対しその中央位置を通過する第2法線とが、前記搬送方向に沿って搬送される前記基材の前記主面上で交わることを特徴とする。
本発明の第12の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第8の態様ないし第11の態様のいずれかにかかるエッチング装置であって、前記第1仕切り部材は該第1仕切り部材から前記搬送方向の下流側に向けて突設された第1凸部を有し、前記第2仕切り部材は該第2仕切り部材から前記搬送方向の上流側に向けて突設された第2凸部を有することを特徴とする。
本発明の第13の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第12の態様にかかるエッチング装置であって、第1凸部における前記一方側の外面が前記第1傾斜面の一部を構成し、第2凸部における前記一方側の外面が前記第2傾斜面の一部を構成することを特徴とする。
本発明の第14の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第1の態様ないし第13の態様のいずれかにかかるエッチング装置であって、前記基材を電気的に接地させる基材接地部、を備えることを特徴とする。
本発明の第15の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第14の態様にかかるエッチング装置であって、前記基材接地部は、前記基材の前記主面のうち前記処理の対象とならない非処理領域に電気的に接触するアース電極と、前記基材に対して前記アース電極を押圧する方向に付勢された絶縁性のシール部と、一端が前記アース電極に接続され他端が接地されたアース線と、を備えることを特徴とする。
本発明の第16の態様にかかるエッチング装置は、本発明の第1の態様ないし第15の態様のいずれかにかかるエッチング装置であって、前記プラズマ生成部は、未周回の少なくとも1つの誘導結合アンテナを有することを特徴とする。
本発明の第1の態様ないし第7の態様のエッチング装置は、チャンバー内に設けられ一方側が開放された処理空間を規定する仕切りと、処理空間の一方側にその主面が配されるように基材を保持しつつ該基材を前記主面に平行な搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、電気的な絶縁部材を介してチャンバー内に支持され処理空間のうち搬送方向の上流側に配される第1電極と、電気的な絶縁部材を介してチャンバー内に支持され処理空間のうち搬送方向の下流側に配される第2電極と、第1電極および第2電極に時間平均値が正となる電位を印加する印加部と、を備える。
第1電極は前記一方側と前記下流側との間の第1方向を法線方向とする第1傾斜面を有する。このため、第1傾斜面の周辺に存在するプラズマ中のイオンおよび電子は、第1電極への印加電圧によって第1方向に沿って加速され飛翔される。第2電極は前記一方側と前記上流側との間の第2方向を法線方向とする第2傾斜面を有する。このため、第2傾斜面の周辺に存在するプラズマ中のイオンおよび電子は、第2電極への印加電圧によって第2方向に沿って加速され飛翔される。これにより、イオンおよび電子は、搬送方向について第1電極と第2電極との間でかつ前記一方向側に収束される。その結果、搬送される基板の主面におけるエッチング処理が効率よく進行する。
本発明の第8の態様ないし第16の態様のエッチング装置は、電気的な絶縁部材を介してチャンバー内に設けられ処理空間のうち搬送方向の上流側に配される導電性の第1仕切り部材と電気的な絶縁部材を介して前記チャンバー内に設けられ処理空間のうち搬送方向の下流側に配される導電性の第2仕切り部材とを有し、チャンバー内に設けられ一方側が開放された処理空間を規定する仕切りと、処理空間の一方側にその主面が配されるように基材を保持しつつ該基材を前記主面に平行な搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、第1仕切り部材および第2仕切り部材に時間平均値が正となる電位を印加する印加部と、を備える。
第1仕切り部材は前記一方側と前記下流側との間の第1方向を法線方向とする第1傾斜面を有する。このため、第1傾斜面の周辺に存在するプラズマ中のイオンおよび電子は、第1電極への印加電圧によって第1方向に沿って加速され飛翔される。第2仕切り部材は前記一方側と前記上流側との間の第2方向を法線方向とする第2傾斜面を有する。このため、第2傾斜面の周辺に存在するプラズマ中のイオンおよび電子は、第2電極への印加電圧によって第2方向に沿って加速され飛翔される。これにより、イオンおよび電子は、搬送方向について第1仕切り部材と第2仕切り部材との間でかつ前記一方向側に収束される。その結果、搬送される基板の主面におけるエッチング処理が効率よく進行する。
第1実施形態に係るエッチング装置1の概略構成を模式的に示す側面図である。 エッチング装置1のうち処理空間Vの周辺部を示す部分斜視図である。 エッチング装置1のうち、処理空間Vの周辺を示す部分側面図である。 エッチング装置1Aのうち、処理空間Vの周辺を示す部分側面図である。 エッチング装置1Bのうち、処理空間Vの周辺を示す部分側面図である。 基板Sおよび基板Sに取付けられる接地部120の構成を示す分解図である。 接地部120が基板Sに取付けられた状態を示す下面図である。 図7のA−A断面から見た端面図である。 図7のB−B断面から見た端面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図面では同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付され、下記説明では重複説明が省略される。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。また、図面においては、理解容易のため、各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。また、図面には、方向を説明するためにXYZ直交座標軸が付されている。該座標軸における+Z方向は鉛直上方向を示し、XY平面は水平面である。
<1 第1実施形態>
<1.1 エッチング装置1の構成>
図1は、第1実施形態に係るエッチング装置1の概略構成を模式的に示す側面図である。図2は、エッチング装置1のうち処理空間Vの周辺部を示す部分斜視図である。
エッチング装置1は、チャンバー100内に形成された処理空間Vにプラズマを生成し、該プラズマを用いて基板S(基材)の一方主面S1に処理を施す装置である。以下では、処理対象たる基板Sの上記主面S1にITO膜が形成されている場合について説明する。
エッチング装置1は、主たる構成として、チャンバー100と、チャンバー100内において基板Sを搬送する搬送機構2と、チャンバー100内において処理空間Vの範囲を規定する仕切り3と、処理空間V内でプラズマを発生させるプラズマ処理部4と、チャンバー100の底板上面と仕切り3の底板下面との間に配される絶縁板5と、処理空間V内の陽イオン(例えば、アルゴンイオン)や電子を加速させ基板Sに衝突させる加速部8と、を備える。また、エッチング装置1は、該装置の各部を統括制御する制御部9を備える。
処理空間Vは、後述する誘導結合アンテナ41によってプラズマ処理が実行される空間である。本実施形態では、一方側(+Z側)が開放された箱状の仕切り3によってチャンバー100内が仕切られ、処理空間Vの範囲が規定されている。仕切り3は、電気的な絶縁部材たる絶縁板5を介してチャンバー100内に支持され、プラズマ処理部4にて発生するプラズマ範囲(処理空間Vの範囲)を制限するシールドとしての機能を有する。
チャンバー100内には、水平な搬送経路面Lが仕切り3の上方に規定されている。搬送経路面Lの延在方向はX軸方向であり、搬送機構2は、基板Sの主面S1を下向きにした状態で搬送経路面Lに沿って基板Sを搬送する。
チャンバー100のうち搬送経路面Lの−X側の端部には、基板Sをチャンバー100内に搬入するためのゲート160が設けられる。他方、チャンバー100のうち搬送経路面Lの+X側の端部には、基板Sをチャンバー100外に搬出するためのゲート161が設けられている。また、チャンバー100のX方向両端部には、ロードロックチャンバーや、アンロードロックチャンバーなどの他のチャンバーの開口部が気密を保った形態で接続可能に構成されている。各ゲート160、161は、開閉の切替可能に構成される。
搬送機構2は、基板Sを保持搬送するための機構であり、チャンバー100内でY方向において搬送経路面Lを挟んで対向配置された複数対の搬送ローラ21と、これらを同期させて回転駆動する駆動部(図示省略)とを含んで構成される。搬送ローラ21は、搬送経路面Lの延在方向であるX方向に沿って複数対設けられる。なお、図1では、6対の搬送ローラ21における図示手前側(−Y側)に位置する6つのローラが描かれている。
基板Sがゲート160を介してチャンバー100内に搬入されると、各搬送ローラ21が該基板Sの端縁(±Y側の端縁)付近に下方から当接する。そして、駆動部(図示省略)によって各搬送ローラ21が同期回転されることによって、基板Sが各搬送ローラ21上に保持され搬送経路面Lに沿って搬送される。本実施形態では、各搬送ローラ21が図示時計回りに回転して基板Sが+X方向に搬送される態様について説明する。なお、他の態様として、各搬送ローラ21が図示時計回りおよび反時計回りに回転可能であり基板Sが±X方向に往復搬送される態様が採用されても構わない。
搬送経路面Lは、プラズマ処理部4に対向し処理空間Vを通過する箇所である被処理箇所Pを含む。このため、搬送機構2によって搬送される基板Sが被処理箇所Pに配される期間中は、主面S1のうち被処理箇所Pに配される部分でエッチング処理が行われる。他方、基板Sが被処理箇所Pに配されない期間中は、主面S1でのエッチング処理が行わることはない。チャンバー100内でのエッチング処理を完了した基板Sは、ゲート161を介してチャンバー100から搬出される。
また、エッチング装置1は、チャンバー100内を搬送される基板Sを加熱または冷却する温調部(図示せず)を備えてもよい。温調部は、例えば、搬送経路面Lの上方に配置される。
プラズマ処理部4は、誘導結合タイプの高周波アンテナである複数の誘導結合アンテナ41(プラズマ生成部)を備える。本実施形態では、処理空間V内で−Z側に、6個の誘導結合アンテナ41がY方向に沿って間隔をあけて(好ましくは等間隔で)配列される。各誘導結合アンテナ41は、石英(石英硝子)などからなる誘電体の保護部材によって覆われて、チャンバー100の底板を貫通して設けられる。より詳細には、各誘導結合アンテナ41は、金属製のパイプ状導体をU字形に曲げたものであり、「U」の字を上下逆向きにした状態でチャンバー100の底板を貫通して処理空間Vの内部に突設されている(図2)。各誘導結合アンテナ41は、内部に冷却水を循環させるなどして、適宜、冷却されている。誘導結合アンテナ41は、LIA(Low Inductance Antenna:株式会社イー・エム・ディーの登録商標)とも称される。
各誘導結合アンテナ41の一端は、給電器42およびマッチングボックス43を介して、高周波電源44に接続されている。また、各誘導結合アンテナ41の他端は接地されている。この構成において、高周波電源44から各誘導結合アンテナ41に高周波電流(例えば、13.56MHzの高周波電流)が流されると、誘導結合アンテナ41の周囲の電界(高周波誘導電界)により電子が加速されて、誘導結合プラズマが発生する。本実施形態では、給電器42、マッチングボックス43、および、高周波電源44によって実現される構成が、誘導結合アンテナ41に高周波電力を供給するための高周波電力供給部として機能する。
上述したとおり、誘導結合アンテナ41は、U字形状を呈している。このようなU字形状の誘導結合アンテナ41は、巻数が未周回の誘導結合アンテナに相当し、巻数が1回以上の誘導結合アンテナよりもインダクタンスが低いため、誘導結合アンテナ41の両端に発生する高周波電圧が低減され、生成するプラズマへの静電結合に伴うプラズマ電位の高周波揺動が抑制される。このため、対地電位へのプラズマ電位揺動に伴う過剰な電子損失が低減され、プラズマ電位が特に低く抑えられる。
また、エッチング装置1は、処理空間Vに不活性ガスであるアルゴンガスを供給するガス供給部6を備える。ガス供給部6は、例えば、アルゴンガスの供給源であるガス供給源611と、ガス供給源611から供給されたガスを送給する配管612と、配管612を通じて送給されたガスを処理空間V内に供給するノズル614と、を有する。また、配管612の経路途中には、管内を流れるガスの流量を自動調整するマスフローコントローラ613が設けられる。以上のような構成となっているので、制御部9による制御下で処理空間Vに所望のアルゴン雰囲気が形成される。このアルゴン雰囲気においてプラズマ処理部4がプラズマを生成することにより、処理空間Vにはアルゴンイオンと電子とを含むアルゴンプラズマ雰囲気が形成される。なお、本実施形態とは異なる態様として、種々のガス(例えば、酸素ガス等)を処理ガスとして採用することができる。
図3は、エッチング装置1のうち、処理空間Vの周辺を示す部分側面図である。なお、図3では、第1電極81および第2電極82に接続される導線など、一部の構成が省略されている。
加速部8は、処理空間Vのうち搬送方向の上流側(−X方向側)に配される第1電極81と、処理空間Vのうち搬送方向の下流側(+X方向側)に配される第2電極82と、第1電極81および第2電極82に時間平均値が正となるパルス電圧を繰り返して印加する印加部83と、を有する。
このため、プラズマ処理部4によってプラズマが生成された状態で、第1電極81および第2電極82に正電圧が印加される期間では、正に帯電した第1電極81および第2電極82と正に帯電したアルゴンイオンとの間で斥力が生じ、処理空間V内のアルゴンイオンが箱状の仕切り3の上方開口から上向きに加速して飛翔される。他方、第1電極81および第2電極82に負電圧が印加されている期間では、負に帯電した第1電極81および第2電極82と負に帯電した電子との間で斥力が生じ、処理空間V内の電子が箱状の仕切り3の上方開口から上向きに加速して飛翔される。
第1電極81および第2電極82は、電気的な絶縁部材(図示せず)を介してチャンバー100内に支持される。例えば、第1電極81および第2電極82は、セラミックのワッシャーを介して絶縁材料を含んで構成されるネジで貫通され、仕切り3の内壁に締付け固定されている。これにより、第1電極81および第2電極82にパルス電圧が印加されたとしても、第1電極81および第2電極82からチャンバー100内の他の部材に電流が流れることが防止される。
第1電極81は、一方側(+Z側)と搬送下流側(+X側)との間の第1方向を法線方向とする第1傾斜面810を有する。このため、第1傾斜面810の周辺に存在するアルゴンイオンおよび電子は、第1電極81への印加電圧によって第1方向に沿って加速され飛翔される。また、第2電極82は、一方側(+Z側)と搬送上流側(−X側)との間の第2方向を法線方向とする第2傾斜面820を有する。このため、第2傾斜面820の周辺に存在するアルゴンイオンおよび電子は、第2電極82への印加電圧によって第2方向に沿って加速され飛翔される。これにより、アルゴンイオンおよび電子は、X方向について第1電極81と第2電極82との間でかつ+Z側に収束される。その結果、基板Sの主面S1におけるエッチング処理が効率よく進行する。
第1傾斜面810は処理空間V内でX方向の中央に位置する仮想的な面に対して図示反時計回り方向に45度だけ傾斜し、第2傾斜面820は上記仮想的な面に対して図示時計回り方向に45度だけ傾斜し、両者は上記仮想的な面に対する対称配置とされている。さらに、第1傾斜面810に対しその中央位置を通過して第1方向に沿って伸びる第1法線811と、第2傾斜面820に対しその中央位置を通過して第2方向に沿って伸びる第2法線821とが、搬送される基板Sの主面S1上で交差する。これにより、処理空間Vから飛翔するイオンまたは電子は、搬送される基板Sの主面S1上でより密に収束される。その結果、基板Sの主面S1におけるエッチング処理が効率よく進行する。
第1電極81はY方向に沿うどのXZ断面においても同一形状であり、第2電極82もY方向に沿うどのXZ断面においても同一形状である。また、第1電極81および第2電極82のY方向長さは、搬送される基板SのY方向長さよりも長い。このため、処理空間Vから飛翔するイオンまたは電子は、搬送される基板Sの主面S1上でY方向について均一とされる。その結果、基板Sの主面S1におけるエッチング処理が均一に進行する。
第1電極81は、仕切り3の内側でかつ搬送方向の上流側に配される第1内壁部812を有する。また、第2電極82は、仕切り3の内側でかつ搬送方向の下流側に配される第2内壁部822を有する。そして、誘導結合アンテナ41の少なくとも一部(本実施形態では、+Z側の端部)が、第1内壁部812と第2内壁部822との間に配される。このため、誘導結合アンテナ41によって生成されたプラズマが発する熱が、第1内壁部812および第2内壁部822を通じて第1電極81の全体および第2電極82の全体に伝導する。その結果、第1電極81および第2電極82からの輻射熱により処理空間V内においてプラズマ中の活性種が失活することが有効に抑制され、エッチングレートが向上しうる。
第1内壁部812は、該第1内壁部812から搬送方向の下流側(+X側)に向けて突設された第1凸部813を有する。また、第2内壁部822は該第2内壁部822から搬送方向の上流側(−X側)に向けて突設された第2凸部823を有する。第1凸部813および第2凸部823は、第1内壁部812および第2内壁部822に衝突して失活した活性種がその失活した状態のまま基板Sの主面S1に到達するのを防ぐストッパーとして機能する。これにより、エッチングレートが向上しうる。
図1に戻って、エッチング装置1は、チャンバー100の内部空間を真空状態に減圧可能な排気部7を備える。排気部7は、例えば、それぞれ図示省略の真空ポンプと、一端が真空ポンプに接続され他端がチャンバー100の内部空間に開口した排気配管と、を有する。また、該排気配管の経路途中には、排気バルブ(図示せず)が設けられる。排気バルブは、排気配管を流れるガスの流量を自動調整できるバルブである。この構成では、真空ポンプが作動された状態で排気バルブが開放されることによって、処理空間V内の雰囲気が排気される。この際、排気バルブとマスフローコントローラ(図示せず)とが協働することによって、処理空間Vが所定のプロセス圧に保たれる。
エッチング装置1が備える各構成要素は制御部9と電気的に接続されており、当該各構成要素は制御部9により制御される。制御部9は、具体的には、例えば、各種演算処理を行うCPU、プログラム等を記憶するROM、演算処理の作業領域となるRAM、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスク、LAN等を介したデータ通信機能を有するデータ通信部等がバスラインなどにより互いに接続された、一般的なFAコンピュータにより構成される。また、制御部9は、各種表示を行うディスプレイ、キーボードおよびマウスなどで構成される入力部等と接続されている。エッチング装置1においては、制御部9の制御下で、基板Sに対して定められた処理が実行される。
<1.2 エッチング処理>
以下、本実施形態におけるエッチング処理の流れについて説明する。
まず、ガス供給部6が、処理空間Vに不活性ガスであるアルゴンガスを供給する。これにより、処理空間Vには、アルゴン雰囲気が形成される。
高周波電源44が各誘導結合アンテナ41に高周波電力を供給し、処理空間V内に誘導結合プラズマが生成される。これにより、処理空間Vに流入されたアルゴンガスがプラズマ化して、処理空間V内にアルゴンイオンと電子とが生成される。
印加部83は、第1電極81および第2電極82に対して、正電圧を含むパルス電圧を繰り返して印加する。例えば、−20V(ボルト、以下同様。)の負電圧および+100Vの正電圧が、0.33msec(ミリ秒、以下同様)の周期において1対2のデューティー比で交互に繰り返して印加される。なお、正電圧値、負電圧値、周期、デューティー比などの各数値は、処理条件によって適宜変更可能である。
その結果、上述した原理によって、処理空間V内のアルゴンイオンおよび電子が箱状の仕切り3の上方開口から被処理箇所Pに向けて加速して飛翔される。未処理の基板Sがゲート160を介してチャンバー100内に搬入されると、搬送機構2は該基板Sを水平姿勢で保持しつつ処理空間Vの+Z側に規定される搬送経路面Lに沿って+X方向に搬送する。そして、プラズマ処理部4によって生成されたプラズマ中の電子およびイオンが加速部8によって加速された状態において、基板Sが搬送経路面Lの被処理箇所Pを通過する。これにより、基板Sの主面S1のうち被処理箇所Pが配される部分に上向きに加速して飛翔したアルゴンイオンが衝突し、該部分においてのエッチング処理が進行する。
被処理箇所Pを通過して主面S1の全体においてエッチング処理が施された基板Sは、ゲート161を介してチャンバー100から搬出される。これにより、1枚の基板Sについてエッチング装置1での処理が完了する。
<2 第2実施形態>
図4は、エッチング装置1Aのうち、処理空間Vの周辺を示す部分側面図である。なお、図4では、第1電極81Aおよび第2電極82Aに接続される導線など、一部の構成が省略されている。以下では、図4を参照しつつ第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し重複説明を省略する。
第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、第1電極81Aおよび第2電極82Aにかかる構成のみである。具体的には、第1電極81Aでは、第1凸部813Aにおける+Z側の外面が第1傾斜面810Aの一部を構成する。また、第2電極82Aでは、第2凸部823Aにおける+Z側の外面が第2傾斜面820Aの一部を構成する。
このため、第2実施形態では、第1傾斜面810Aと第1凸部813Aとを別個に設ける必要が無い。また、第2傾斜面820Aと第2凸部823Aとを別個に設ける必要が無い。
この他にも、第2実施形態において第1実施形態と同様の構成を有する部分については、第1実施形態と同様の効果を有する。具体的には、第1電極81Aが第1方向を法線方向とする第1傾斜面810Aを有し、第2電極82Aが第2方向を法線方向とする第2傾斜面820Aを有することによって、基板Sの主面S1におけるエッチング処理が効率よく進行する。また、第1傾斜面810Aおよび第2傾斜面820Aは上記仮想的な面に対する対称配置とされ、第1法線811Aと第2法線821Aとが搬送される基板Sの主面S1近傍で交差することによって、エッチング処理が効率よく進行する。また、第1電極81Aおよび第2電極82AはY方向に沿うどのXZ断面においても同一形状であり、第1電極81Aおよび第2電極82AのY方向長さが搬送される基板SのY方向長さよりも長いことによって、処理空間Vから飛翔するイオンまたは電子は搬送される基板Sの主面S1上でY方向について均一とされる。また、誘導結合アンテナ41の少なくとも一部が第1内壁部812Aと第2内壁部822Aとの間に配されることによって、第1電極81Aおよび第2電極82Aからの輻射熱により処理空間V内においてプラズマ中の活性種が失活することが有効に抑制され、エッチングレートが向上しうる。また、第1凸部813Aおよび第2凸部823Aが、失活した活性種が基板Sの主面S1に到達するのを防ぐストッパーとして機能することにより、エッチングレートが向上しうる。
<3 第3実施形態>
図5は、エッチング装置1Bのうち、処理空間Vの周辺を示す部分側面図である。なお、図5では、第1電極81Bおよび第2電極82Bに接続される導線など、一部の構成が省略されている。以下では、図5を参照しつつ第3実施形態について説明するが、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し重複説明を省略する。
第3実施形態が第1実施形態と異なるのは、仕切り3Bにかかる構成のみである。具体的には、仕切り3Bが、絶縁板5を介してチャンバー100内に設けられ処理空間Vのうち搬送方向の上流側(−X側)に配される導電性の第1仕切り部材と、絶縁板5を介してチャンバー100内に設けられ処理空間Vのうち搬送方向の下流側(+X側)に配される導電性の第2仕切り部材と、を有する。第3実施形態において、第1仕切り部材は第1電極81Bとして機能し、第2仕切り部材は第2電極82Bとして機能する。
第1傾斜面810Bは第1仕切り部材における+Z側の端部に設けられ、第2傾斜面820Bは第2仕切り部材における+Z側の端部に設けられる。また、第1電極81Bでは、第1凸部813Bにおける+Z側の外面が第1傾斜面810Bの一部を構成する。第2電極82Bでは、第2凸部823Bにおける+Z側の外面が第2傾斜面820Bの一部を構成する。
このように、第3実施形態では、仕切り3Bが処理空間Vを規定する機能と電極としての機能とを兼用するため、第1電極、第2電極、および仕切りを別個に設ける必要が無い。
この他にも、第3実施形態において第1実施形態と同様の構成を有する部分については、第1実施形態と同様の効果を有する。具体的には、第1電極81Bが第1方向を法線方向とする第1傾斜面810Bを有し、第2電極82Bが第2方向を法線方向とする第2傾斜面820Bを有することによって、基板Sの主面S1におけるエッチング処理が効率よく進行する。また、第1傾斜面810Bおよび第2傾斜面820Bは上記仮想的な面に対する対称配置とされ、第1法線811Bと第2法線821Bとが搬送される基板Sの主面S1近傍で交差することによって、エッチング処理が効率よく進行する。また、第1電極81Bおよび第2電極82BはY方向に沿うどのXZ断面においても同一形状であり、第1電極81Bおよび第2電極82BのY方向長さが搬送される基板SのY方向長さよりも長いことによって、処理空間Vから飛翔するイオンまたは電子は搬送される基板Sの主面S1上でY方向について均一とされる。また、誘導結合アンテナ41が第1内壁部812Bと第2内壁部822Bとの間に配されることによって、第1電極81Bおよび第2電極82Bからの輻射熱により処理空間V内においてプラズマ中の活性種が失活することが有効に抑制され、エッチングレートが向上しうる。また、第1凸部813Bおよび第2凸部823Bが、失活した活性種が基板Sの主面S1に到達するのを防ぐストッパーとして機能することにより、エッチングレートが向上しうる。
この他にも、第3実施形態において第2実施形態と同様の構成を有する部分については、第1実施形態と同様の効果を有する。具体的には、第1凸部813Bにおける+Z側の外面が第1傾斜面810Bの一部を構成することによって、第1傾斜面810Bと第1凸部813Bとを別個に設ける必要が無い。同様に、第2凸部823Bにおける+Z側の外面が第2傾斜面820Bの一部を構成することによって、第2傾斜面820Bと第2凸部823Bとを別個に設ける必要が無い。
<4 第4実施形態>
図6は、基板Sおよび基板Sに取付けられる接地部120(基材接地部)の構成を示す分解図である。図7は、接地部120が基板Sに取付けられた状態を示す下面図である。図8は、図7のA−A断面から見た端面図である。図9は、図7のB−B断面から見た端面図である。
以下では、図6〜図9を参照しつつ第4実施形態について説明するが、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し重複説明を省略する。
第4実施形態が第1実施形態と異なるのは、処理対象の基板Sが接地部120によって接地されている点のみである。したがって、以下、この相違点について主に説明する。
接地部120は、基板Sの主面S1のうちエッチング処理の対象とならない非処理領域に電気的に接触するアース電極121と、基板Sに対してアース電極121を押圧する方向に付勢された絶縁性のシール部122と、一端がアース電極121に接続され他端が接地されたアース線123と、を有する。
本実施形態では基板Sが水平面視において矩形であるので、主面S1の非処理領域(例えば、水平面視における端縁)に配設されるアース電極121は矩形環状に形成される。シール部122は基板Sの下面側においてアース電極121を覆う部分であるので、シール部122はアース電極121よりも幅の広い矩形環状に形成される。
また、接地部120は、基板S、アース電極121、および、シール部122の相対位置関係を固定する複数の固定部材124を有する。各固定部材124は、基板S、アース電極121、および、シール部122の各部を固定保持するための凹部125を有する。具体的には、上記各部が上下方向に重ねられた状態で上記各部の側方が凹部125に嵌め合わされることで、該凹部125と上記各部とが固定される。本実施形態では、4つの固定部材124の各凹部125が、水平面視における上記各部の四隅に取付けられる。
これにより、基板S、アース電極121、シール部122、および、4つの固定部材124が一体化した基板ユニットSUが形成される。また、基板ユニットSUのアース電極121にはアース線123が接続されているので、基板Sはアース電極121およびアース線123を通じて接地される。
第4実施形態では、搬送機構2によって搬送される基板ユニットSUの主面S1に対してエッチング処理が実行される。このため、エッチング処理で基板Sの主面S1にイオンおよび電子が衝突することによって基板Sが帯電したとしても、アース電極121およびアース線123を通じて基板S上の電荷が取り除かれる。これにより、エッチング処理中に基板Sの主面S1に向けて飛翔されるイオンや電子が主面S1における帯電との斥力によって減速されることが有効に防止され、エッチングレートが向上しうる。
また、既述の通り、アース電極121の下面には絶縁性のシール部122が付勢されている。このため、エッチング処理で基板Sの主面S1に向けて飛翔するイオンおよび電子が直接アース電極121に流れることを防止でき、基板Sの主面S1にイオンおよび電子をより衝突させることができる。その結果、エッチングレートが向上しうる。同様の観点から、基板Sの周辺に配される搬送ローラ21(図1)の外周にも絶縁加工が施されることが望ましい。
<5 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
上記各実施形態では、第1傾斜面および第2傾斜面が仕切りよりも一方側(+Z側)に配される態様について説明したが、これに限られるものではない。例えば、第1傾斜面および第2傾斜面が仕切りの内側に配される態様でも構わない。ただし、基板Sの主面S1に近い位置でイオンおよび電子を加速すればより効率的にエッチングレートが向上しうるので、この観点からいえば、上記各実施形態のように第1傾斜面および第2傾斜面が仕切りよりも一方側(+Z側)に配されることが望ましい。
また、上記各実施形態では、印加部83が第1電極および第2電極に時間平均値が正となるパルス電圧を印加する態様について説明したが、これに限られるものではない。例えば、印加部83が正の直流電圧を印加する態様でも構わない。
上記第4実施形態では、アース電極121およびシール部122が矩形環状である態様について説明したが、これに限られるものではない。第4実施形態と同様に矩形の基板Sを接地する場合において、例えば、上記矩形の対辺の双方にアース電極およびシール部を設けてもよい。また、第4実施形態とは異なる他の種々の方法で基板Sを接地したとしても、エッチング処理中に基板Sの主面S1に向けて飛翔されるイオンや電子が主面S1における帯電との斥力によって減速されることが有効に防止する、という効果を奏することは可能である。
また、上記各実施形態では、上側が開放された箱状の仕切りによってチャンバー100内が仕切られて処理空間Vの範囲が規定され、搬送機構2が基板Sの主面S1を下向きにした状態で搬送経路面Lに沿って基板Sを搬送する態様について説明したが、これに限られるものではない。例えば、下側が開放された箱状の仕切りによってチャンバー100内が仕切られて処理空間Vの範囲が規定され、搬送機構2が基板Sの主面S1を上向きにした状態で搬送経路面Lに沿って基板Sを搬送する態様でもよい。
また、上記各実施形態では、第1電極または第1仕切り部材によって構成される第1傾斜面、および、第2電極または第2仕切り部材によって構成される第2傾斜面、の双方が、平面である場合について説明したが、これに限られるものではない。第1傾斜面および第2傾斜面は、凹面や凸面などの曲面で構成されてもよい。
以上、実施形態およびその変形例に係るエッチング装置について説明したが、これらは本発明に好ましい実施形態の例であって、本発明の実施の範囲を限定するものではない。本発明は、その発明の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 エッチング装置
100 チャンバー
2 搬送機構
3 仕切り
4 プラズマ処理部
41 誘導結合アンテナ
5 絶縁板
6 ガス供給部
7 排気部
8 イオン加速部
81、81A、81B 第1電極
82、82A、82B 第2電極
83 印加部
L 搬送経路面
P 被処理箇所
S 基板
V 処理空間

Claims (16)

  1. 搬送方向に沿って搬送される基材の主面に処理を施すエッチング装置であって、
    チャンバーと、
    前記チャンバー内に設けられ、一方側が開放された処理空間を規定する仕切りと、
    前記処理空間内にガスを供給するガス供給部と、
    前記処理空間内にプラズマを生成するプラズマ生成部と、
    前記プラズマ生成部に高周波電力を供給する高周波電力供給部と、
    前記処理空間の前記一方側に前記主面が配されるように前記基材を保持しつつ、該基材を前記主面に平行な搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、
    電気的な絶縁部材を介して前記チャンバー内に支持され、前記処理空間のうち前記搬送方向の上流側に配される第1電極と、
    電気的な絶縁部材を介して前記チャンバー内に支持され、前記処理空間のうち前記搬送方向の下流側に配される第2電極と、
    前記第1電極および前記第2電極に時間平均値が正となる電位を印加する印加部と、
    を備え、
    前記第1電極は前記一方側と前記下流側との間の第1方向を法線方向とする第1傾斜面を有し、前記第2電極は前記一方側と前記上流側との間の第2方向を法線方向とする第2傾斜面を有することを特徴とするエッチング装置。
  2. 請求項1に記載のエッチング装置であって、
    前記第1傾斜面および前記第2傾斜面は、前記仕切りよりも前記一方側に配されることを特徴とするエッチング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のエッチング装置であって、
    前記処理空間内で前記搬送方向の中央に位置する仮想的な面に対して、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とが対称配置されていることを特徴とするエッチング装置。
  4. 請求項3に記載のエッチング装置であって、
    前記第1傾斜面に対しその中央位置を通過する第1法線と、前記第2傾斜面に対しその中央位置を通過する第2法線とが、前記搬送方向に沿って搬送される前記基材の前記主面上で交わることを特徴とするエッチング装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエッチング装置であって、
    前記第1電極は、前記仕切りの内側でかつ前記搬送方向の上流側に配される第1内壁部を有し、
    前記第2電極は、前記仕切りの内側でかつ前記搬送方向の下流側に配される第2内壁部を有し、
    前記プラズマ生成部の少なくとも一部が、前記第1内壁部と前記第2内壁部との間に配されることを特徴とするエッチング装置。
  6. 請求項5に記載のエッチング装置であって、
    前記第1内壁部は該第1内壁部から前記搬送方向の下流側に向けて突設された第1凸部を有し、前記第2内壁部は該第2内壁部から前記搬送方向の上流側に向けて突設された第2凸部を有することを特徴とするエッチング装置。
  7. 請求項6に記載のエッチング装置であって、
    第1凸部における前記一方側の外面が前記第1傾斜面の一部を構成し、第2凸部における前記一方側の外面が前記第2傾斜面の一部を構成することを特徴とするエッチング装置。
  8. 搬送方向に沿って搬送される基材の主面に処理を施すエッチング装置であって、
    チャンバーと、
    電気的な絶縁部材を介して前記チャンバー内に設けられ処理空間のうち前記搬送方向の上流側に配される導電性の第1仕切り部材と、電気的な絶縁部材を介して前記チャンバー内に設けられ前記処理空間のうち前記搬送方向の下流側に配される導電性の第2仕切り部材と、を有し、一方側が開放された前記処理空間を規定する仕切りと、
    前記処理空間にガスを供給するガス供給部と、
    前記処理空間内にプラズマを生成するプラズマ生成部と、
    前記プラズマ生成部に高周波電力を供給する高周波電力供給部と、
    前記処理空間の前記一方側に前記主面が配されるように前記基材を保持しつつ、該基材を前記主面に平行な前記搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、
    前記第1仕切り部材および前記第2仕切り部材に時間平均値が正となる電位を印加する印加部と、
    を備え、
    前記第1仕切り部材は前記一方側と前記下流側との間の第1方向を法線方向とする第1傾斜面を有し、前記第2仕切り部材は前記一方側と前記上流側との間の第2方向を法線方向とする第2傾斜面を有することを特徴とするエッチング装置。
  9. 請求項8に記載のエッチング装置であって、
    前記第1傾斜面は前記第1仕切り部材における前記一方側の端部に設けられ、前記第2傾斜面は前記第2仕切り部材における前記一方側の端部に設けられることを特徴とするエッチング装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載のエッチング装置であって、
    前記処理空間内で前記搬送方向の中央に位置する仮想的な面に対して、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とが対称配置されていることを特徴とするエッチング装置。
  11. 請求項10に記載のエッチング装置であって、
    前記第1傾斜面に対しその中央位置を通過する第1法線と、前記第2傾斜面に対しその中央位置を通過する第2法線とが、前記搬送方向に沿って搬送される前記基材の前記主面上で交わることを特徴とするエッチング装置。
  12. 請求項8ないし請求項11に記載のエッチング装置であって、
    前記第1仕切り部材は該第1仕切り部材から前記搬送方向の下流側に向けて突設された第1凸部を有し、前記第2仕切り部材は該第2仕切り部材から前記搬送方向の上流側に向けて突設された第2凸部を有することを特徴とするエッチング装置。
  13. 請求項12に記載のエッチング装置であって、
    第1凸部における前記一方側の外面が前記第1傾斜面の一部を構成し、第2凸部における前記一方側の外面が前記第2傾斜面の一部を構成することを特徴とするエッチング装置。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のエッチング装置であって、
    前記基材を電気的に接地させる基材接地部、を備えることを特徴とするエッチング装置。
  15. 請求項14に記載のエッチング装置であって、
    前記基材接地部は、
    前記基材の前記主面のうち前記処理の対象とならない非処理領域に電気的に接触するアース電極と、
    前記基材に対して前記アース電極を押圧する方向に付勢された絶縁性のシール部と、
    一端が前記アース電極に接続され他端が接地されたアース線と、
    を備えることを特徴とするエッチング装置。
  16. 請求項1ないし請求項15のいずれかに記載のエッチング装置であって、
    前記プラズマ生成部は、未周回の少なくとも1つの誘導結合アンテナを有することを特徴とするエッチング装置。
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