JP2016072081A - 燃料電池システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スタックの発電には、基準条件の下で発電制御を行う通常発電モードと、MEAが乾燥するように定められた乾燥条件の下で発電制御を行う乾燥発電モードと、基準条件よりも滞留水が多く排出されるように定められた排水発電条件の下で発電制御を行う排水発電モードと、の3つの発電モードが定義される。燃料電池システムの制御方法は、インピーダンス抵抗値に基づいて過加湿状態であるか否かを判定する過加湿判定工程と、過加湿判定工程によって過加湿状態であると判定されてから過加湿状態でないと判定されるまで乾燥発電モードで発電を行う乾燥発電工程と、乾燥発電工程が終わってからインピーダンス抵抗値が滞留水判定閾値を超えた状態が滞留水の排出待ち時間維持されるまで排出発電モードで発電を行う滞留水排出工程と、を備える。
【選択図】図8
Description
図1は、本実施形態に係る燃料電池システム1の構成を示す図である。
燃料電池システム1は、燃料電池スタック2と、燃料電池スタック2に反応ガスとしての水素を供給するアノード系3と、燃料電池スタック2に反応ガスとしての酸素を含んだ空気を供給するカソード系4と、燃料電池スタック2を冷却する冷却装置5と、燃料電池スタック2で発電した電力を蓄えるバッテリBと、燃料電池スタック2及びバッテリBからの電力の供給によってタイヤ(図示せず)を駆動する走行モータMと、これらの電子制御ユニットであるECU6と、を備える。なお、この燃料電池システム1は、上記タイヤを駆動輪とした燃料電池車両(図示せず)に搭載される。
湿潤条件は、基準条件よりも加湿器による空気の加湿量が多くなるように定められる。また乾燥条件は、基準条件よりも加湿器による空気の加湿量が少なくなるように定められる。なお、加湿器による空気の加湿量とは、具体的には加湿器によって空気に供給される水の単位時間当たりの量をいうものとする。従って加湿器のバイパス弁の開度は、湿潤条件の下で発電制御を行う場合、基準条件の下で発電制御を行う場合よりも閉弁側になるように制御され、乾燥条件の下で発電制御を行う場合、基準条件の下で発電制御を行う場合よりも開弁側になるように制御される。これにより湿潤発電モード中は通常発電モード中よりも湿った空気がスタックに供給され、乾燥発電モード中は通常発電モード中よりも乾いた空気がスタックに供給される。なお、乾燥条件の下では、加湿器のバイパス弁は全開とし、加湿器による空気の加湿量を最小にすることが好ましい。
湿潤条件は、基準条件よりもスタックのカソード流路を流れる空気の体積流量が少なくなるように定められる。一方乾燥条件は、基準条件よりも体積流量が多くなるように定められる。また排水条件は、基準条件及び乾燥条件よりも体積流量がさらに多くなるように定められる。したがって、エアコンプレッサから新たに供給される空気の供給量(すなわち、エアコンプレッサの回転数)は、湿潤条件の下では基準条件よりも小さくなるように制御され、乾燥条件の下では、基準条件よりも大きくなるように制御され、排水条件の下では、基準条件及び乾燥条件のどちらよりも大きくなるように制御される。また同時に、スタックのカソード流路内の圧力を調整する背圧弁の開度は、湿潤条件の下では、基準条件よりも閉側(増圧側)へ小さくなるように制御され、乾燥条件の下では、基準条件よりも開側(減圧側)へ大きくなるように制御され、排水条件の下では、基準条件及び乾燥条件のどちらよりも開側(減圧側)へ大きくなるように制御される。
湿潤条件は、基準条件よりも冷媒の循環量が多くなるように定められる。また乾燥条件は、基準条件よりも冷媒の循環量が少なくなるように定められる。なお、冷媒の循環量とは、具体的にはウォータポンプを駆動することによってスタックに供給される冷媒の単位時間当たりの量をいうものとする。従って湿潤条件の下で発電制御を行う場合、基準条件の下で発電制御を行う場合よりも冷媒の循環量が多くなるように、ウォータポンプの回転数を高めに設定する。また乾燥条件の下で発電制御を行う場合、基準条件の下で発電制御を行う場合よりも冷媒の循環量が少なくなるように、ウォータポンプの回転数を低めに設定する。なお、以上のようにして発電条件ごとに冷媒の循環量を変化させる場合、ウォータポンプの回転数を増減するかわりにウォータポンプの間欠運転におけるオフ時間とオン時間との比を増減させてもよい。
2…スタック(燃料電池)
3…カソード系(酸化剤ガス供給装置)
4…アノード系(燃料ガス供給装置)
24…インピーダンスセンサ(インピーダンス検出装置)
Claims (5)
- 酸化剤ガス及び燃料ガスが供給されると発電する燃料電池と、
前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、
前記燃料電池のインピーダンスを検出するインピーダンス検出装置と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料電池の発電には、
所定の基準発電条件の下で発電制御を行う通常発電モードと、
前記基準発電条件よりも前記燃料電池の膜が乾燥するように定められた乾燥発電条件の下で発電制御を行う乾燥発電モードと、
前記基準発電条件よりも前記燃料電池のガスの流路内の滞留水が多く排出されるように定められた排出発電条件の下で発電制御を行う滞留水排出発電モードと、の3つの発電モードが定義され、
前記インピーダンス検出装置の検出値に基づいて前記燃料電池が過加湿状態であるか否かを判定する過加湿判定工程と、
前記過加湿判定工程によって過加湿状態であると判定されてから過加湿状態でないと判定されるまで前記乾燥発電モードで発電を行う乾燥発電工程と、
前記乾燥発電工程が終わってから前記インピーダンス検出装置の検出値が所定の下限閾値を超えた状態が所定の待ち時間維持されるまで前記滞留水排出モードで発電を行う滞留水排出工程と、を備えることを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 前記燃料電池の出力に対する要求値を取得する要求取得工程をさらに備え、
前記滞留水排出工程では、前記取得した要求値が小さくなるほど前記待ち時間を長くすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御方法。 - 前記燃料電池の出力の低下率が所定の出力低下率閾値より大きいか否かを判定する出力低下率判定工程と、
前記低下率が前記出力低下率閾値より大きい場合には、前記過加湿判定工程の判定結果によらず前記滞留水排出モードで発電を行う排水優先工程と、をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システムの制御方法。 - 前記燃料電池の電圧が所定の電圧閾値以下であるか否かを判定する電圧低下判定工程と、
前記電圧が前記電圧閾値以下である場合には、前記過加湿判定工程の判定結果によらず前記滞留水排出モードで発電を行う排水優先工程と、をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システムの制御方法。 - 前記燃料電池の暖機が完了しているか否かを判定する暖機判定工程をさらに備え、
前記暖機が完了していない場合には、前記過加湿判定工程の判定結果によらず前記滞留水排出工程を行うことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の燃料電池システムの制御方法。
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