最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機は、光ビーコン用路側通信機から赤外線信号を受信する受信部と、上記受信部によって受信された上記赤外線信号に含まれる提供情報を取得してナビゲーション装置へ転送する転送部とを備え、上記転送部は、上記提供情報のうち、同じ上記光ビーコン用路側通信機から送信された情報であって同じ種別の情報の上記ナビゲーション装置への転送を制限する。
このような構成により、同じ光ビーコン用路側通信機から受信する提供情報において、同じ内容の提供情報をナビゲーション装置へ繰り返し転送することを防ぐことができるので、ナビゲーション装置へ転送する提供情報のデータ量を低減することができる。
これにより、たとえば、光ビーコン用車載通信機において、光ビーコン用路側通信機から単位時間当たりに受信するデータ量が、ナビゲーション装置へ単位時間当たりに送信するデータ量より多くなり、提供情報を一時的に保持するためのバッファが必要な場合においても、小さい容量のバッファを用いてナビゲーション装置へ提供情報を適切に転送することができる。すなわち、より小型かつ低コストの構成で、光ビーコン用路側通信機から受信した提供情報をナビゲーション装置へ適切に転送することができる。
(2)好ましくは、上記提供情報は、複数のフレームに分割して上記光ビーコン用路側通信機から送信され、上記転送部は、上記複数のフレームの取得を完了した場合に上記提供情報の上記ナビゲーション装置への転送を開始する。
このように、複数のフレームに分割して含まれる提供情報の全体を取得した後に当該提供情報のナビゲーション装置への転送を開始する構成により、フレーム単位で提供情報の分割部分がナビゲーション装置へ転送されたか否かを管理する必要がないので、複数のフレームに分割して含まれる提供情報のナビゲーション装置への転送を簡易な処理で制限することができる。
(3)より好ましくは、上記転送部は、上記複数のフレームのうちの先頭フレームを取得した場合に、上記複数のフレームに含まれる上記提供情報の保持を開始し、上記複数のフレームの取得を完了した場合に、保持した情報を含む上記提供情報の上記ナビゲーション装置への転送を開始する。
このように、複数のフレームのうちの先頭フレームを取得した場合に、複数のフレームに分割して含まれる提供情報の保持を開始する構成により、当該提供情報の取得処理を簡略化することができるので、複数のフレームに分割して含まれる提供情報のナビゲーション装置への転送をより簡易な処理で制限することができる。
(4)好ましくは、上記転送部は、上記赤外線信号が上記受信部において所定時間以上受信されなくなったか否かに基づいて、上記受信部によって受信された上記赤外線信号に含まれる提供情報が同じ上記光ビーコン用路側通信機から受信された提供情報であるか否かを判断する。
このような構成により、赤外線信号に含まれる提供情報が同じ光ビーコン用路側通信機から受信された提供情報であるか否かを簡易な処理で判断することができる。
(5)好ましくは、上記赤外線信号に含まれる提供情報には、上記赤外線信号を送信した上記光ビーコン用路側通信機の識別子が含まれ、上記転送部は、上記識別子に基づいて、上記受信部によって受信された上記赤外線信号に含まれる提供情報が同じ上記光ビーコン用路側通信機から受信された提供情報であるか否かを判断する。
このような構成により、赤外線信号に含まれる提供情報が同じ光ビーコン用路側通信機から受信された提供情報であるか否かをより確実に判断することができる。
(6)好ましくは、上記転送部は、上記受信部において新たな上記光ビーコン用路側通信機からの上記赤外線信号の受信が開始された場合、上記提供情報の上記ナビゲーション装置への転送の制限状態を未制限の状態に戻す。
このように、提供情報の送信元の光ビーコン用路側通信機が切替わるごとに、提供情報のナビゲーション装置への転送の制限状態を未制限の状態に戻す構成により、切替わる前の光ビーコン用路側通信機から送信された提供情報と同じ種別の提供情報が、切替わった後の光ビーコン用路側通信機からナビゲーション装置へ転送されない事態が生ずることを回避することができる。
(7)好ましくは、上記転送部は、上記赤外線信号に含まれる提供情報のうち、上記ナビゲーション装置から設定された種別の情報を転送対象とする。
このように、ナビゲーション装置が必要とする種別の情報に限定して転送対象とする構成により、提供情報を一時的に保持するためのバッファが必要な場合においても、より小さい容量のバッファを用いてナビゲーション装置へ提供情報を適切に転送することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る車載装置は、光ビーコン用車載通信機と、ナビゲーション装置とを備え、上記光ビーコン用車載通信機は、光ビーコン用路側通信機から赤外線信号を受信する受信部と、上記受信部によって受信された上記赤外線信号に含まれる提供情報を取得して上記ナビゲーション装置へ転送する転送部とを含み、上記転送部は、上記提供情報のうち、同じ上記光ビーコン用路側通信機から送信された情報であって同じ種別の情報の上記ナビゲーション装置への転送を制限する。
このような構成により、同じ光ビーコン用路側通信機から受信する提供情報において、同じ内容の提供情報をナビゲーション装置へ繰り返し転送することを防ぐことができるので、ナビゲーション装置へ転送する提供情報のデータ量を低減することができる。
これにより、たとえば、光ビーコン用車載通信機において、光ビーコン用路側通信機から単位時間当たりに受信するデータ量が、ナビゲーション装置へ単位時間当たりに送信するデータ量より多くなり、提供情報を一時的に保持するためのバッファが必要な場合においても、小さい容量のバッファを用いてナビゲーション装置へ提供情報を適切に転送することができる。すなわち、より小型かつ低コストの構成で、光ビーコン用路側通信機から受信した提供情報をナビゲーション装置へ適切に転送することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
図1は、本発明の実施の形態に係る赤外線伝送システムを側方から見たイメージを示す図である。図2は、本発明の実施の形態に係る赤外線伝送システムを上方から見たイメージを示す図である。図3は、本発明の実施の形態に係る赤外線伝送システムの構成を示す図である。
図1〜図3を参照して、赤外線伝送システム201は、光ビーコン用路側通信機151と、車載装置102とを備える。車載装置102は、光ビーコン用車載通信機101と、ナビゲーション装置171とを含む。光ビーコン用路側通信機151は、投受光部1を含む。
光ビーコン用車載通信機101およびナビゲーション装置171は、たとえば、1つの筐体に収容される構成であってもよいし、別個の筐体に収容される構成であってもよい。
図2に示すように、道路Rd1には、走行車線CL1、および車線マークLM1を隔てて走行車線CL1と隣接する隣接車線NL1が設けられる。走行車線CL1には、自動車11が走行すべき方向である走行方向Dcが定められている。
光ビーコン用路側通信機151は、たとえば道路Rd1の近傍に設置された支柱P1を介して道路Rd1の上方に設けられる。より詳細には、光ビーコン用路側通信機151における投受光部1は、たとえば、赤外線を照射しかつ赤外線を受光する。投受光部1は、道路Rd1の路面からたとえば5.5メートルの高さの位置に設けられる。
光ビーコン用路側通信機151は、ナビゲーション装置171へ提供するための提供情報を含む赤外線信号を所定空間Sir1およびSir2へ投受光部1を介して照射するすなわち送信する。また、赤外線信号に含まれる情報には、たとえば当該赤外線信号を送信した光ビーコン用路側通信機151の識別子が含まれる。具体的には、提供情報には、当該提供情報を送信した光ビーコン用路側通信機151の識別子であるID情報が含まれる。
光ビーコン用路側通信機151は、たとえば80ミリ秒周期で提供情報を繰り返し送信する。また、異なる光ビーコン用路側通信機151からは、たとえば異なる提供情報が送信される。
ここで、所定空間Sir1は、たとえば以下のように規定される。すなわち、所定空間Sir1は、底面Bir1および上面Uir1を有する。底面Bir1および上面Uir1は、道路Rd1の路面からそれぞれ1.0メートルおよび1.5メートルの高さに位置する。
底面Bir1は、たとえば、道路Rd1の幅方向の長さとして3.5メートルを有し、かつ、投受光部1の鉛直下方の位置から走行方向Dcの反対方向へ0.70メートルの位置から当該反対方向へ2.70メートルの長さを有する。また、上面Uir1は、たとえば、道路Rd1の幅方向の長さとして3.1メートルを有し、かつ、投受光部1の鉛直下方の位置から走行方向Dcの反対方向へ0.63メートルの位置から当該反対方向へ2.40メートルの長さを有する。
また、所定空間Sir2は、たとえば以下のように規定される。すなわち、所定空間Sir2は、底面Bir2および上面Uir2を有する。底面Bir2および上面Uir2は、道路Rd1の路面からそれぞれ1.0メートルおよび1.5メートルの高さに位置する。
底面Bir2は、たとえば、道路Rd1の幅方向の長さとして3.5メートルを有し、かつ、投受光部1の鉛直下方の位置から走行方向Dcの反対方向へ3.40メートルの位置から当該反対方向へ2.64メートルの長さを有する。また、上面Uir2は、たとえば、道路Rd1の幅方向の長さとして3.1メートルを有し、かつ、投受光部1の鉛直下方の位置から走行方向Dcの反対方向へ3.03メートルの位置から当該反対方向へ2.34メートルの長さを有する。
したがって、所定空間Sir1およびSir2は、当該反対方向に沿って所定空間Sir1およびSir2の順に隣接する。
光ビーコン用車載通信機101およびナビゲーション装置171は、たとえば自動車11に設けられる。より詳細には、光ビーコン用車載通信機101は、たとえば自動車11におけるフロントガラスの下方であって、道路Rd1の路面から1.0メートル〜1.5メートルの高さに設けられる。
たとえば、自動車11が速度vで走行車線CL1を走行方向Dcに沿って走行する場合において、光ビーコン用車載通信機101が所定空間Sir1,Sir2を通過する間、光ビーコン用車載通信機101は、光ビーコン用路側通信機151から赤外線信号を受光するすなわち受信する。光ビーコン用車載通信機101は、たとえば、受信した赤外線信号に含まれる提供情報をナビゲーション装置171へ転送する。
ナビゲーション装置171は、たとえば、光ビーコン用車載通信機101から提供情報を受信すると、受信した提供情報を自動車11内における人間に提供する。また、ナビゲーション装置171は、光ビーコン用路側通信機151へ送信すべき情報である送信情報を生成し、生成した送信情報を光ビーコン用車載通信機101へ送信する。
光ビーコン用車載通信機101は、たとえば、ナビゲーション装置171から送信情報を受信すると、受信した送信情報を含む赤外線信号を送信する。光ビーコン用路側通信機151は、たとえば光ビーコン用車載通信機101が所定空間Sir2を通過する間に送信した赤外線信号を受信可能である。
図4は、本発明の実施の形態に係る赤外線伝送システムにおける光ビーコン用車載通信機が赤外線信号を受信可能な期間の一例を示す図である。
図4を参照して、光ビーコン用路側通信機151は、たとえば走行方向Dcに沿って複数設けられる。また、光ビーコン用路側通信機151は、たとえば少なくとも500メートルの間隔で設けられる。
したがって、たとえば、自動車11が70キロメートル毎時の速度で走行車線CL1を走行する場合、光ビーコン用車載通信機101は、少なくとも26秒周期で赤外線信号を受信することが可能である。
具体的には、たとえば、光ビーコン用路側通信機151である光ビーコン用路側通信機151A、151Bおよび151Cが、走行方向Dcに沿って500メートルの間隔で順に設けられる。以下、光ビーコン用路側通信機151A、151Bおよび151Cの各々を光ビーコン用路側通信機151とも称する。
この場合において、自動車11が70キロメートル毎時の速度で走行車線CL1を走行するとき、光ビーコン用車載通信機101が赤外線信号を受信可能な受信期間P1,P2,P3は以下のようになる。
すなわち、光ビーコン用車載通信機101は、時刻t1から時刻t2までの259ミリ秒の受信期間P1において光ビーコン用路側通信機151Aから赤外線信号を受信可能であり、受信期間P1が満了する時刻t2から25.741秒経過する時刻t3まで赤外線信号を受信しない。
そして、光ビーコン用車載通信機101は、時刻t3から時刻t4までの259ミリ秒の受信期間P2において光ビーコン用路側通信機151Bから赤外線信号を受信可能であり、受信期間P2が満了する時刻t4から25.741秒経過する時刻t5まで赤外線信号を受信しない。
そして、光ビーコン用車載通信機101は、時刻t5から時刻t6までの259ミリ秒の受信期間P3において光ビーコン用路側通信機151Cから赤外線信号を受信可能である。
上述したように、光ビーコン用路側通信機151は、80ミリ秒周期で提供情報を繰り返し送信しているので、光ビーコン用車載通信機101は、受信期間P1,P2,P3の各々において同じ提供情報を複数回受信することが可能である。
[フレームの構成]
図5は、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用路側通信機および光ビーコン用車載通信機間でやり取りされるフレームの一例を示す図である。
図5を参照して、フレーム401は、たとえば、送信される順に第1同期領域、ヘッダ領域、実データ領域、アイドル領域、CRC領域および第2同期領域により構成される。
第1同期領域は、たとえば1バイトの大きさを有し、7EHの値が格納される。以下、「H」で終わる数字は、「H」より前の数字が16進数で表されていることを意味する。
ヘッダ領域は、たとえば、フレーム401が光ビーコン用路側通信機151から光ビーコン用車載通信機101へ送信されるダウンリンクで用いられる場合、5バイトの大きさを有し、また、フレーム401が光ビーコン用車載通信機101から光ビーコン用路側通信機151へ送信されるアップリンクで用いられる場合、10バイトの大きさを有する。ヘッダ領域には、フレーム401の内容を表すヘッダ情報が格納される。
実データ領域は、たとえば、フレーム401がダウンリンクで用いられる場合、123バイトの大きさを有し、また、フレーム401がアップリンクで用いられる場合、最大で59バイトの大きさを有する。実データ領域には、各アプリケーションで規定される実データ情報が格納される。ヘッダ領域および実データ領域に含まれる情報が、たとえば提供情報に相当する。
アイドル領域は、たとえば1バイトの大きさを有し、AAHの値が格納される。CRC領域は、たとえば2バイトの大きさを有し、ヘッダ領域、実データ領域およびアイドル領域に格納された値の誤りを検定するためのCRC情報が格納される。第2同期領域は、たとえば1バイトの大きさを有し、7EHの値が格納される。
図6は、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機が正常に受信できたフレームの内容の一例を示す図である。
図6には、たとえば、光ビーコン用車載通信機101が正常に受信できた1フレーム目〜17フレーム目のフレーム401において、ヘッダ領域の先頭から1バイト目の領域〜9バイト目の領域に格納される値が16進数で示されている。以下、ヘッダ領域の先頭からnバイト目の領域を先頭nバイト目とも称する。
図6に示すフレーム401はダウンリンクで用いられるフレームであるので、先頭1バイト目〜先頭5バイト目がヘッダ領域に相当する。また、先頭6バイト目〜先頭128バイト目の領域が実データ領域に相当する。
先頭1バイト目には、対応のフレーム401に含まれる情報の種別を示す値(以下、種別値とも称する。)が格納される。具体的には、図6に示す場合において、「1e」、「1b」、「02」および「01」の4つの種別の情報が光ビーコン用路側通信機151から送信される。
また、提供情報は、たとえば、複数のフレーム401に分割して光ビーコン用路側通信機151から送信される場合がある。より詳細には、たとえば、同じ種別の情報が、複数に分割され、当該複数個のフレーム401(以下、フレーム群402とも称する。)によって光ビーコン用路側通信機151から送信される場合がある。
具体的には、「02」および「1b」の種別値に対応する情報が3つに分割され、3つのフレーム401によって光ビーコン用路側通信機151から送信される。これは、「02」および「1b」の種別値に対応する情報を示すデータがたとえば1つのフレーム401に格納するには大きすぎるためである。なお、種別値が「01」および「1e」に対応する情報は、単一のフレーム401によって光ビーコン用路側通信機151から送信される。
フレーム群402における各フレーム401は、先頭4バイト目の値(以下、フレーム番号とも称する。)に基づいて識別することが可能である。
ここで、フレーム番号の下位7ビットの値は、たとえば、フレーム群402におけるフレーム401の順番を示す。より詳細には、たとえば、複数に分割された情報は、当該複数個のフレーム401すなわちフレーム群402において、フレーム番号の下位7ビットの値の順に先頭から格納される。したがって、たとえば、フレーム番号の下位7ビットの値がAのフレーム401に格納される情報の続きは、フレーム番号の下位7ビットの値が(A+1)のフレーム401に格納される。
以下、フレーム群402において、フレーム番号の下位7ビットの値が1H、2Hおよび3Hのフレーム401をそれぞれ第1フレーム501、第2フレーム502および第3フレーム503とも称する。
また、フレーム番号の上位1ビットの値は、たとえば、最終フレームであるか否かを示す。ここで、最終フレームは、複数に分割された情報のうち最後尾の情報を含むフレーム401である。具体的には、たとえば、フレーム番号の下位7ビットの値が(A+1)のフレーム401に含まれる情報が最後尾の情報であるため当該情報の続きが無い場合、すなわち、当該フレーム401の順番が最後である場合、当該フレーム401は最終フレームである。
フレーム401が最終フレームである場合、当該フレーム401におけるフレーム番号の上位1ビットの値は、1Hである。また、フレーム401が最終フレームでない場合、当該フレーム401におけるフレーム番号の上位1ビットの値は0Hである。
具体的には、たとえば、種別値として「1b」または「02」を含むフレーム401において、フレーム番号の値が01Hである第1フレーム501に含まれる情報の続きは、フレーム番号の値が02Hである第2フレーム502に含まれる。また、第2フレーム502に含まれる情報の続きは、フレーム番号の値が83Hの最終フレームである第3フレーム503に含まれる。
また、たとえば、種別値およびフレーム番号の値が一致するフレーム401には、同じ内容が含まれる。
上述したように、光ビーコン用路側通信機151は、80ミリ秒周期で提供情報を繰り返し送信しているが、1周期内で、たとえば同じ内容のフレーム401を複数回送信する。
たとえば、光ビーコン用車載通信機101は、図6に示すように、1,2,4,5,8,16フレーム目、15,17フレーム目、3,14フレーム目、6,9フレーム目、および7,11フレーム目において、それぞれ同じ内容のフレーム401を受信する。
また、光ビーコン用路側通信機151は、情報を複数に分割し、分割した情報を当該複数個のフレーム401によって送信する場合、たとえばフレーム番号の順に連続してフレーム401を送信する。
具体的には、光ビーコン用路側通信機151は、たとえば、種別値「1b」または「02」に対応する情報を3つに分割し、分割した情報を3つのフレーム401すなわち第1フレーム501、第2フレーム502および第3フレーム503によって送信する場合、第1フレーム501、第2フレーム502および第3フレーム503の順に連続で送信する。
たとえば、光ビーコン用車載通信機101は、図6に示すように、種別値として「1b」を含むフレーム401をたとえば3フレーム目および12フレーム目〜14フレーム目において正常に受信する。
より詳細には、光ビーコン用車載通信機101は、3フレーム目において種別値として「1b」を含む第3フレーム503を正常に受信する。また、光ビーコン用車載通信機101は、12フレーム目、13フレーム目および14フレーム目において種別値として「1b」を含む第1フレーム501、第2フレーム502および第3フレーム503をそれぞれ正常に受信する。
2フレーム目において種別値が「1e」のフレーム401が正常に受信された後、3フレーム目において種別値が「1b」の第3フレーム503のみが正常に受信されたのは、たとえば、光ビーコン用車載通信機101が第1フレーム501および第2フレーム502の受信に失敗したためである。
また、たとえば、光ビーコン用車載通信機101は、図6に示すように、種別値として「02」を含むフレーム401をたとえば6フレーム目、7フレーム目および9フレーム目〜11フレーム目において正常に受信する。
より詳細には、光ビーコン用車載通信機101は、6フレーム目および7フレーム目において種別値として「02」を含む第1フレーム501および第3フレーム503をそれぞれ正常に受信する。また、光ビーコン用車載通信機101は、9フレーム目、10フレーム目および11フレーム目において種別値として「02」を含む第1フレーム501、第2フレーム502および第3フレーム503をそれぞれ正常に受信する。
5フレーム目において種別値が「1e」のフレーム401が正常に受信された後、6フレーム目および7フレーム目において種別値として「02」を含む第1フレーム501および第3フレーム503が正常に受信されたのは、たとえば、光ビーコン用車載通信機101が第2フレーム502の受信に失敗したためである。
また、たとえば、「01」、「02」、「1b」および「1e」の4つの種別値に対応するフレーム401のうち、「02」の種別値に対応する第1フレーム501には、当該第1フレーム501を含む赤外線信号を送信した光ビーコン用路側通信機151のID情報が含まれる。
より詳細には、ID情報は、「02」の種別値に対応する第1フレーム501における先頭6バイト目〜先頭8バイト目に格納される。具体的には、たとえば、図6に示す6フレーム目および9フレーム目の第1フレーム501における先頭6バイト目〜先頭8バイト目に格納された値である471006Hが、ID情報である。
[課題]
たとえば、光ビーコン用路側通信機151および光ビーコン用車載通信機101間の通信において、ダウンリンクおよびアップリンクの通信速度は、それぞれ1Mbps(bits per second)および256kbpsである。
一方、たとえば、光ビーコン用車載通信機101およびナビゲーション装置171間の通信では、通信速度が38.4kbpsである。このため、光ビーコン用車載通信機101において、光ビーコン用路側通信機151から単位時間当たりに受信するデータ量が、ナビゲーション装置171へ単位時間当たりに送信するデータ量より多くなる。
このため、光ビーコン用車載通信機101では、ナビゲーション装置171へ転送すべき提供情報を一時的に保持するための転送待機バッファが設けられる。光ビーコン用車載通信機101を小型かつ低コストな構成にするためには、この転送待機バッファの容量が小さいほど好ましい。
そこで、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機101では、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
[光ビーコン用車載通信機の構成]
図7は、本発明の実施の形態に係る赤外線伝送システムにおける光ビーコン用車載通信機の構成を示す図である。
図7を参照して、光ビーコン用車載通信機101は、ホトダイオード(受信部)21と、増幅回路22と、FPGA(Field−Programmable Gate Array)23と、駆動回路24と、LED(Light Emitting Diode)25とを備える。
ホトダイオード21は、たとえば赤外線を検出可能な受光面を有する。ホトダイオード21は、たとえば、当該受光面が光ビーコン用路側通信機151から送信された赤外線信号を自動車11におけるフロントガラスを介して受光できるように設置される。
たとえば、図1に示すように、自動車11に設けられた光ビーコン用車載通信機101が所定空間Sir1,Sir2を通過する際、ホトダイオード21は、光ビーコン用路側通信機151が送信した赤外線信号を上記受光面において受信する。そして、ホトダイオード21は、たとえば、上記受光面において受信した赤外線信号の強度に応じた電流を生成し、生成した電流を電気信号として増幅回路22へ出力する。
増幅回路22は、ホトダイオード21から受ける電気信号すなわち電流を増幅回路22における抵抗で受けて、当該抵抗において発生する電圧を増幅する。そして、増幅回路22は、増幅後の電圧を電気信号としてFPGA23へ出力する。
FPGA23は、たとえば、増幅回路22から受ける電気信号に基づいて、光ビーコン用路側通信機151が送信した赤外線信号に含まれる提供情報を取得し、取得した提供情報をナビゲーション装置171へ送信するすなわち転送する。
ナビゲーション装置171は、FPGA23から提供情報を受信すると、受信した提供情報に応じた処理を行う。
FPGA23は、たとえば、ナビゲーション装置171から送信情報を受信すると、受信した送信情報を一時的に保持する。
駆動回路24は、LED25を駆動する。より詳細には、駆動回路24は、FPGA23において一時的に保持されている送信情報を電気信号として取得し、取得した電気信号に応じてLED25に電力を供給することにより、たとえばLED25の滅灯を制御して、送信情報を含む赤外線信号をLED25から照射する。
[FPGAの構成]
図8は、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機におけるFPGAの構成を示す図である。
図8を参照して、FPGA23は、転送部31と、受信処理部32と、送信待機バッファ33とを含む。転送部31は、ゲート部34と、転送待機バッファ35と、送信処理部36とを含む。
受信処理部32は、たとえば、ナビゲーション装置171から受信した電気信号から送信情報を取得する。そして、受信処理部32は、たとえば、取得した送信情報を含むフレーム401を生成し、生成したフレーム401を送信待機バッファ33へ出力する。
送信待機バッファ33は、受信処理部32から受けるフレーム401を一時的に保持する。送信待機バッファ33に保持されるフレーム401は、駆動回路24によって取得された後、消去される。
転送部31は、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報を取得してナビゲーション装置171へ転送する。
図9は、本発明の実施の形態に係るFPGAにおけるゲート部の構成を示す図である。
図9を参照して、ゲート部34は、提供情報取得部41と、提供情報処理部42と、バッファ43と、バッファ制御部44とを含む。提供情報処理部42は、ヘッダ情報処理部46と、転送制限部47と、ID情報取得部48とを含む。
転送部31におけるゲート部34は、増幅回路22から受ける電気信号からフレーム401に含まれる提供情報を取得して処理する。
より詳細には、ゲート部34における提供情報取得部41は、たとえば、増幅回路22から受ける電気信号に含まれる情報を監視し、フレーム401における第1同期領域に格納された7EHを検出する。
提供情報取得部41は、たとえば、検出した7EHに基づいて、第1同期領域に続くヘッダ領域、実データ領域、アイドル領域およびCRC領域にそれぞれ格納された値をヘッダ情報、実データ情報、AAHおよびCRC情報として取得する。
提供情報取得部41は、ヘッダ情報、実データ情報、AAHおよびCRC情報を取得すると、たとえば、取得したCRC情報を用いてヘッダ領域、実データ領域およびアイドル領域に格納された値の誤りを検定する。
提供情報取得部41は、検定結果が正常を示す場合、たとえば、ヘッダ領域および実データ領域にそれぞれ格納されたヘッダ情報および実データ情報、すなわち提供情報をバッファ43に保持するとともに、提供情報取得信号を提供情報処理部42へ出力する。一方、提供情報取得部41は、検定結果が異常を示す場合、たとえば取得したヘッダ情報、実データ情報、AAHおよびCRC情報を破棄する。
提供情報処理部42は、たとえば、提供情報取得部41から提供情報取得信号を受けると、提供情報取得部41によってバッファ43に保持された提供情報を処理する。
図10は、本発明の実施の形態に係る提供情報処理部におけるヘッダ情報処理部の構成を示す図である。
図10を参照して、ヘッダ情報処理部46は、情報種別取得部61と、フレーム番号取得部62とを含む。
提供情報処理部42におけるヘッダ情報処理部46は、たとえば、提供情報取得部41から提供情報取得信号を受けると、バッファ43に保持されたヘッダ情報を処理する。
より詳細には、ヘッダ情報処理部46における情報種別取得部61は、たとえば、提供情報取得部41から提供情報取得信号を受けると、バッファ43に保持されたヘッダ情報の最初から1バイト目の値すなわち種別値を取得し、取得した種別値をID情報取得部48および転送制限部47へ出力する。
フレーム番号取得部62は、たとえば、提供情報取得部41から提供情報取得信号を受けると、バッファ43に保持されたヘッダ情報の最初から4バイト目の値すなわちフレーム番号を取得し、取得したフレーム番号をID情報取得部48および転送制限部47へ出力する。
再び図9を参照して、提供情報処理部42におけるID情報取得部48は、たとえば、ヘッダ情報処理部46から受ける種別値およびフレーム番号を監視し、図6に示す6フレーム目および9フレーム目のフレーム401のように、監視結果において種別値およびフレーム番号がそれぞれ「02」および「01」を示す場合、以下の処理を行う。
すなわち、ID情報取得部48は、たとえば、バッファ43に保持された実データ情報の最初から1バイト目〜3バイト目の値すなわちID情報を取得し、取得したID情報を転送制限部47へ出力する。
図11は、本発明の実施の形態に係るゲート部における転送制限部の構成を示す図である。
図11を参照して、転送制限部47は、フラグ判定部51と、転送判断部54と、フラグ保持部55と、制限状態設定部56と、提供元判断部57と、カウンタ58とを含む。
転送制限部47は、提供情報のうち、同じ光ビーコン用路側通信機151から送信された情報であって同じ種別の情報のナビゲーション装置171への転送を制限する。
[提供情報の新規の提供元の判断]
より詳細には、転送制限部47における提供元判断部57は、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報が同じ光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かを判断する。
言い換えると、提供元判断部57は、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報が新たな光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かを判断する提供元判断処理を行う。
具体的には、提供元判断部57は、たとえば、ID情報取得部48から受けるID情報に基づいて、当該赤外線信号に含まれる提供情報が新たな光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かを判断する。
たとえば、提供元判断部57は、ID情報取得部48からID情報を受けると、受けたID情報を保持する。そして、提供元判断部57は、たとえば、ID情報取得部48から新たなID情報を受けると、今回受けたID情報と前回保持したID情報とを比較する。
提供元判断部57は、たとえば、比較結果が今回受けたID情報と前回保持したID情報とが異なることを示す場合、今回ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報が新たな光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であると判断し、新規提供元検知信号を制限状態設定部56へ出力する。
また、提供元判断部57は、たとえば、比較結果が今回受けたID情報と前回保持したID情報とが同じであることを示す場合、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号の送信元の光ビーコン用路側通信機151に変化がないと判断し、提供元維持信号を制限状態設定部56へ出力する。
また、提供元判断部57は、たとえば、赤外線信号がホトダイオード21において所定時間以上受信されなくなったか否かに基づいて、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報が同じ光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かを判断する。
具体的には、提供元判断部57は、たとえば、赤外線信号がホトダイオード21において所定時間以上受信されなくなった後、新たに受信された赤外線信号に含まれる提供情報を新たな光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であると判断する。
より詳細には、カウンタ58は、たとえば、水晶振動子を用いた発振回路等により生成されるクロックパルスをカウントし、カウントした値を保持する。提供元判断部57は、たとえば、提供情報取得部41から提供情報取得信号を受けるごとにカウンタ58におけるカウント値を参照し、参照したカウント値を保持する。そして、提供元判断部57は、たとえば、提供情報取得部41から新たな提供情報取得信号を受けると、前回保持したカウント値と今回保持したカウント値との差分を取得する。
提供元判断部57は、たとえば、取得した差分が所定値以上である場合、すなわち赤外線信号がホトダイオード21において所定時間以上受信されていない場合、今回ホトダイオード21によって新たに受信された赤外線信号に含まれる提供情報を新たな光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であると判断する。そして、提供元判断部57は、たとえば新規提供元検知信号を制限状態設定部56へ出力する。
また、提供元判断部57は、たとえば、取得した差分が所定値より小さい場合、すなわち赤外線信号がホトダイオード21において所定時間より短い時間内に繰り返し受信されている場合、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報の送信元の光ビーコン用路側通信機151に変化がないと判断し、提供元維持信号を制限状態設定部56へ出力する。
[転送対象の設定]
転送制限部47は、たとえば、赤外線信号に含まれる提供情報のうち、ナビゲーション装置171から設定された種別の情報を転送対象とする。
より詳細には、ナビゲーション装置171は、たとえば、光ビーコン用路側通信機151から送信される提供情報のうち、必要な提供情報の種別を示す種別値を含む種別登録情報を光ビーコン用車載通信機101における制限状態設定部56へ送信する。
転送制限部47における制限状態設定部56は、ナビゲーション装置171から受ける種別登録情報に基づいて、ナビゲーション装置171へ転送すべき提供情報の種別を登録する。
具体的には、フラグ保持部55は、たとえば、光ビーコン用路側通信機151から受信した提供情報をナビゲーション装置171へ転送すべきか否かを示すフラグを種別値ごとに保持する。
たとえば、フラグがオン状態であることは、当該フラグに対応する種別の提供情報が、光ビーコン用路側通信機151からナビゲーション装置171へ転送すべき転送対象であることを意味する。また、たとえば、フラグがオフ状態であることは、当該フラグに対応する種別の提供情報が、破棄すべき破棄対象であることを意味する。
制限状態設定部56は、たとえば、フラグ保持部55におけるフラグにおいて、種別登録情報に含まれる種別値に対応するフラグをオン状態に設定し、かつ種別登録情報に含まれない種別値に対応するフラグをオフ状態に設定するフラグリセット処理を行うことで、ナビゲーション装置171へ転送すべき提供情報の種別を登録する。
[フラグのリセット]
転送制限部47は、たとえば、ホトダイオード21において新たな光ビーコン用路側通信機151からの赤外線信号の受信が開始された場合、提供情報のナビゲーション装置171への転送の制限状態を未制限の状態に戻す。
具体的には、転送制限部47における制限状態設定部56は、たとえば、提供元判断部57から新規提供元検知信号を受けると、フラグリセット処理を行うことにより提供情報のナビゲーション装置171への転送の制限状態を未制限の状態に戻すとともに提供元判断完了信号をフラグ判定部51へ出力する。
また、制限状態設定部56は、たとえば、提供元判断部57から提供元維持信号を受けると、提供情報のナビゲーション装置171への転送の制限状態を維持するとともに提供元判断完了信号をフラグ判定部51へ出力する。
[転送対象取得処理]
フラグ判定部51は、たとえば、ヘッダ情報処理部46における情報種別取得部61から種別値を受け、かつ制限状態設定部56から提供元判断完了信号を受けると、フラグ保持部55におけるフラグのうち、情報種別取得部61から受けた種別値に対応するフラグの状態を確認する。
フラグ判定部51は、たとえば、当該フラグがオン状態である場合、転送対象信号を転送判断部54へ出力する。また、フラグ判定部51は、たとえば、当該フラグがオフ状態である場合、破棄対象信号を転送判断部54へ出力する。
[転送制限処理]
図12は、本発明の実施の形態に係る転送制限部における転送判断部の構成を示す図である。
図12を参照して、転送判断部54は、単一フレーム取得処理部71と、フレーム群取得処理部72と、フレーム処理制御部73と、モード設定部74と、フレーム群種別値保持部75と、フレーム順保持部76とを含む。単一フレーム取得処理部71は、単一フレーム判定部81と、単一フレーム取得判断部82と、第1フレーム判定部83とを含む。フレーム群取得処理部72は、フレーム群取得判断部86と、フレーム群取得完了判定部87と、種別値変化判定部88とを含む。
転送部31は、たとえば、複数に分割された同じ種別の提供情報を含む当該複数個のフレーム401の取得を完了した場合に当該複数個のフレーム401に含まれる提供情報のナビゲーション装置171への転送を開始することで、提供情報の転送を制限する。
具体的には、転送部31は、たとえば、当該複数個のフレーム401のうちの先頭フレームすなわち第1フレーム501を取得した場合に、当該複数個のフレーム401に含まれる提供情報の保持を開始する。
そして、転送部31は、たとえば、当該複数個のフレーム401の取得を完了した場合に、保持した情報を含む当該複数個のフレーム401に含まれる提供情報のナビゲーション装置171への転送を開始することで、提供情報の転送を制限する。
より詳細には、転送部31における転送判断部54は、フレーム群402によって複数個に分割されて送信される提供情報および単一のフレーム401によって送信される提供情報をナビゲーション装置171へ転送するか否かを判断する。
転送判断部54におけるモード設定部74は、たとえば、デフォルトで単一フレーム取得モードを設定し、また、単一フレーム取得処理部71およびフレーム群取得処理部72からそれぞれ受けるモード変更信号に応じてフレーム群取得モードおよび単一フレーム取得モード間の設定変更を行う。
フレーム処理制御部73は、たとえば、フラグ判定部51から転送対象信号または破棄対象信号を受け、情報種別取得部61から種別値を受け、かつフレーム番号取得部62からフレーム番号を受けると、以下の処理を行う。
すなわち、フレーム処理制御部73は、たとえば、モード設定部74によって設定されたモードを確認し、単一フレーム取得モードが設定されている場合、単一フレーム取得処理部71に単一フレーム処理開始信号を出力する。また、フレーム処理制御部73は、たとえば、フレーム群取得モードが設定されている場合、フレーム群取得処理部72にフレーム群処理開始信号を出力する。
また、フレーム処理制御部73は、たとえば、フレーム群取得判断部86からリセット信号を受けると、単一フレーム取得処理部71に単一フレーム処理開始信号を出力する。
フレーム群種別値保持部75は、たとえば転送すべきか否かの判断対象であるフレーム群402の種別を示すフレーム群種別値を保持する。フレーム順保持部76は、たとえばフレーム群402におけるフレーム401の順番を示すフレーム順kを保持する。
[単一フレーム取得処理]
単一フレーム取得処理部71は、たとえば、フレーム処理制御部73から単一フレーム処理開始信号を受けると、単一フレーム取得処理を開始する。
単一フレーム取得処理部71における単一フレーム判定部81は、たとえば、フレーム番号取得部62から受けるフレーム番号に基づいて、提供情報が複数のフレーム401に分割して光ビーコン用路側通信機151から送信されたか否かを判定する。
具体的には、単一フレーム判定部81は、たとえば、受けたフレーム番号の値が81H以外である場合、提供情報が複数のフレーム401に分割して光ビーコン用路側通信機151から送信されたと判定し、フレーム群信号を単一フレーム取得判断部82へ出力する。
一方、単一フレーム判定部81は、たとえば、受けたフレーム番号の値が81Hである場合、提供情報が単一のフレーム401によって光ビーコン用路側通信機151から送信されたと判定し、単一フレーム信号を単一フレーム取得判断部82へ出力する。
第1フレーム判定部83は、たとえば、フレーム番号取得部62から受けるフレーム番号に基づいて、提供情報取得部41によって取得された提供情報を格納していたフレーム401が第1フレーム501であるか否かを判定する。
具体的には、第1フレーム判定部83は、たとえば、受けたフレーム番号の値が01H以外である場合、提供情報取得部41によって取得された提供情報を格納していたフレーム401が第1フレーム501でないと判定し、第1フレーム否定信号を単一フレーム取得判断部82へ出力する。
一方、第1フレーム判定部83は、たとえば、受けたフレーム番号の値が01Hである場合、提供情報取得部41によって取得された提供情報を格納していたフレーム401が第1フレーム501であると判定し、第1フレーム肯定信号を単一フレーム取得判断部82へ出力する。
単一フレーム取得判断部82は、たとえば、フラグ判定部51、単一フレーム判定部81および第1フレーム判定部83からそれぞれ受ける信号に基づいて、フレーム401に含まれる提供情報の取得に関する判断処理を行う。
より詳細には、単一フレーム取得判断部82は、たとえば、フラグ判定部51から転送対象信号を受ける場合において、単一フレーム判定部81および第1フレーム判定部83からそれぞれフレーム群信号および第1フレーム否定信号を受けるとき、またはフラグ判定部51から破棄対象信号を受ける場合、以下の処理を行う。
すなわち、単一フレーム取得判断部82は、たとえば、転送対象であるがフレーム群402における第1フレーム501に含まれる提供情報でないため、または破棄対象の提供情報であるため、バッファ43に保持された提供情報を破棄すべきと判断する。そして、単一フレーム取得判断部82は、たとえば、情報種別取得部61から受ける種別値とともに破棄命令信号をバッファ制御部44へ出力する。
また、単一フレーム取得判断部82は、たとえば、フラグ判定部51から転送対象信号を受ける場合において、単一フレーム判定部81および第1フレーム判定部83からそれぞれ単一フレーム信号および第1フレーム否定信号を受けるとき、以下の処理を行う。
すなわち、単一フレーム取得判断部82は、たとえば、単一のフレーム401によって送信された転送対象の提供情報であるため、バッファ43に保持された提供情報を転送すべきと判断する。そして、単一フレーム取得判断部82は、たとえば、情報種別取得部61から受ける種別値とともに転送命令信号をバッファ制御部44へ出力する。そして、単一フレーム取得判断部82は、たとえば当該種別値を制限状態設定部56へ出力する。
また、単一フレーム取得判断部82は、たとえば、フラグ判定部51から転送対象信号を受ける場合において、単一フレーム判定部81および第1フレーム判定部83からそれぞれフレーム群信号および第1フレーム肯定信号を受けるとき、以下の処理を行う。
すなわち、単一フレーム取得判断部82は、たとえば、フレーム群402における第1フレーム501に含まれる転送対象の提供情報であるため、第2フレーム502以降のフレーム401に含まれる提供情報を保持すべきと判断し、モード変更信号をモード設定部74へ出力する。これにより、光ビーコン用車載通信機101では、モードが単一フレーム取得モードからフレーム群取得モードへ切り替わる。
そして、単一フレーム取得判断部82は、たとえば、情報種別取得部61から受ける種別値をフレーム群種別値としてフレーム群種別値保持部75に保持するとともに、フレーム順kとして2Hをフレーム順保持部76に保持する。
[フレーム群取得処理]
フレーム群取得処理部72は、たとえば、フレーム処理制御部73からフレーム群処理開始信号を受けると、フレーム群取得処理を開始する。
フレーム群取得処理部72における種別値変化判定部88は、たとえば、情報種別取得部61から受ける種別値に基づいて、種別値の変化が発生したか否かを判定する。
具体的には、種別値変化判定部88は、たとえば、フレーム群種別値保持部75に保持されるフレーム群種別値と情報種別取得部61から受ける種別値とを比較し、両者が一致する場合、種別値維持信号をフレーム群取得判断部86およびフレーム群取得完了判定部87へ出力する。
一方、種別値変化判定部88は、たとえば、両者が一致しない場合、種別値変化信号をフレーム群取得判断部86およびフレーム群取得完了判定部87へ出力する。
フレーム群取得完了判定部87は、たとえば、種別値変化判定部88から種別値維持信号を受けると、フレーム番号取得部62から受けるフレーム番号に基づいて、フレーム群402における各フレーム401の取得を完了したか否かを判定する。
具体的には、フレーム群取得完了判定部87は、たとえば、フレーム順保持部76に保持されるフレーム順kとフレーム番号の下位7ビットの値とを比較し、両者が一致する場合、以下の処理を行う。
すなわち、フレーム群取得完了判定部87は、たとえば、フレーム番号の上位1ビットの値が1Hでないとき、フレーム群402における各フレーム401の取得を完了していないと判定し、フレーム順保持部76に保持されるフレーム順kをインクリメントする。
また、フレーム群取得完了判定部87は、たとえば、フレーム番号の上位1ビットの値が1Hであるとき、フレーム群402における各フレーム401の取得を完了したと判定し、フレーム群取得完了信号をフレーム群取得判断部86へ出力する。
一方、フレーム群取得完了判定部87は、たとえば、フレーム順kおよびフレーム番号の下位7ビットの値が一致しない場合、フレーム群402における各フレーム401の取得に失敗したと判定し、フレーム群取得失敗信号をフレーム群取得判断部86へ出力する。
フレーム群取得判断部86は、たとえば、種別値変化判定部88およびフレーム群取得完了判定部87からそれぞれ受ける信号に基づいて、フレーム群402に含まれる提供情報の取得に関する判断処理を行う。
より詳細には、フレーム群取得判断部86は、たとえば、種別値変化判定部88から種別値変化信号を受ける場合、フレーム群402における各フレーム401に分割して含まれる提供情報の全体を取得する前に異なる種別の提供情報を取得したと判断し、バッファ43に保持された提供情報を破棄すべきと判断する。そして、フレーム群取得判断部86は、たとえば、フレーム群種別値保持部75に保持されるフレーム群種別値を取得し、取得したフレーム群種別値とともに破棄命令信号をバッファ制御部44へ出力する。
そして、フレーム群取得判断部86は、たとえば、モード変更信号をモード設定部74へ出力するとともに、リセット信号をフレーム処理制御部73へ出力する。これにより、光ビーコン用車載通信機101では、モードがフレーム群取得モードから単一フレーム取得モードへ切り替わり、単一フレーム取得処理が行われる。
また、フレーム群取得判断部86は、たとえば、種別値変化判定部88から種別値維持信号を受ける場合において、フレーム群取得完了判定部87からフレーム群取得失敗信号を受けるとき、以下の処理を行う。
すなわち、フレーム群取得判断部86は、たとえば、フレーム群402における各フレーム401に分割して含まれる提供情報の分割部分が欠落したと判断し、バッファ43に保持された提供情報を破棄すべきと判断する。そして、フレーム群取得判断部86は、たとえば、フレーム群種別値保持部75に保持されるフレーム群種別値を取得し、取得したフレーム群種別値とともに破棄命令信号をバッファ制御部44へ出力する。
そして、フレーム群取得判断部86は、たとえば、モード変更信号をモード設定部74へ出力する。これにより、光ビーコン用車載通信機101では、モードがフレーム群取得モードから単一フレーム取得モードへ切り替わる。
また、フレーム群取得判断部86は、たとえば、種別値変化判定部88から種別値維持信号を受ける場合において、フレーム群取得完了判定部87からフレーム群取得完了信号を受けるとき、以下の処理を行う。
すなわち、フレーム群取得判断部86は、たとえば、フレーム群402における各フレーム401に分割して含まれる提供情報の全体を正しく取得したと判断し、バッファ43に保持された提供情報を転送すべきと判断する。そして、フレーム群取得判断部86は、たとえば、フレーム群種別値保持部75に保持されるフレーム群種別値を取得し、取得したフレーム群種別値とともに転送命令信号をバッファ制御部44へ出力する。
そして、フレーム群取得判断部86は、たとえば、当該フレーム群種別値を制限状態設定部56へ出力するとともに、モード変更信号をモード設定部74へ出力する。これにより、光ビーコン用車載通信機101では、モードがフレーム群取得モードから単一フレーム取得モードへ切り替わる。
[フラグの更新]
再び図11を参照して、制限状態設定部56は、たとえば、転送判断部54における単一フレーム取得判断部82から種別値を受けると、受けた種別値に対応するフラグ保持部55におけるフラグをオフ状態に設定する。
また、制限状態設定部56は、たとえば、転送判断部54におけるフレーム群取得判断部86からフレーム群種別値を受けると、受けたフレーム群種別値に対応するフラグ保持部55におけるフラグをオフ状態に設定する。
[バッファ43に保持された提供情報の処理]
再び図9を参照して、バッファ制御部44は、転送制限部47における転送判断部54からの信号に基づいて、バッファ43に保持された提供情報を処理する。
具体的には、バッファ制御部44は、たとえば、種別値とともに転送命令信号を転送判断部54における単一フレーム取得判断部82から受けると、バッファ43に保持された提供情報のうち、受けた種別値を含む提供情報の転送待機バッファ35への移動を開始する。
また、バッファ制御部44は、たとえば、フレーム群種別値とともに転送命令信号を転送判断部54におけるフレーム群取得判断部86から受けると、バッファ43に保持された提供情報のうち、受けたフレーム群種別値を含む提供情報の転送待機バッファ35への移動を開始する。
また、バッファ制御部44は、たとえば、種別値とともに破棄命令信号を単一フレーム取得判断部82から受けると、バッファ43に保持された提供情報のうち、受けた種別値を含む提供情報をバッファ43から消去する。
また、バッファ制御部44は、たとえば、フレーム群種別値とともに破棄命令信号をフレーム群取得判断部86から受けると、バッファ43に保持された提供情報のうち、受けたフレーム群種別値を含む提供情報をバッファ43から消去する。
再び図8を参照して、送信処理部36は、たとえばゲート部34から転送待機バッファ35に移動された提供情報を所定のプロトコルに従ってナビゲーション装置171へ送信する。
[動作]
図13は、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機がナビゲーション装置へ転送する提供情報を制限する際の動作手順を定めたフローチャートである。赤外線伝送システム201における光ビーコン用車載通信機101は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。この装置のプログラムは、外部からインストールすることができる。この装置のプログラムは、記録媒体に格納された状態で流通する。
図13を参照して、まず、たとえば、光ビーコン用車載通信機101が設けられた自動車11が道路Rd1における走行車線CL1を走行する状況を想定する。また、光ビーコン用車載通信機101において、単一フレーム取得モードが設定されている状況を想定する。
光ビーコン用車載通信機101は、フレーム401を含む赤外線信号を光ビーコン用路側通信機151から受信するまで待機する(ステップS102でNO)。光ビーコン用車載通信機101は、所定空間Sir1およびSir2に進入することにより赤外線信号を受信できるようになると、赤外線信号に含まれるフレーム401から提供情報を取得する(ステップS102でYES)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、取得した提供情報から種別値およびフレーム番号を取得する(ステップS104)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、新たな光ビーコン用路側通信機151から提供情報を取得したか否かを判断する提供元判断処理を行う(ステップS106)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、取得した提供情報のナビゲーション装置171への転送を制限する転送制限処理を行う(ステップS108)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、フレーム401を含む赤外線信号を光ビーコン用路側通信機151から受信できなくなるまで提供情報の取得を継続し(ステップS102でYES)、赤外線信号を光ビーコン用路側通信機151から受信できなくなると、フレーム401を含む赤外線信号を光ビーコン用路側通信機151から受信できるまで待機する(ステップS102でNO)。
なお、提供元判断処理(ステップS106)を、種別値およびフレーム番号の取得処理(ステップS104)の前で行ってもよい。
図14は、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機が提供元判断処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。図14は、図13のステップS106における提供元判断処理の動作の詳細を示している。
図14を参照して、まず、光ビーコン用車載通信機101は、前回提供情報を取得してから今回提供情報を取得するまでに所定時間以上経過している場合(ステップS202でYES)、フラグ保持部55におけるフラグのうちナビゲーション装置171へ転送すべき種別値に対応するフラグをすべてオン状態に設定するフラグリセット処理を行う(ステップS210)。
一方、光ビーコン用車載通信機101は、前回提供情報を取得してから今回提供情報を取得するまでに所定時間以上経過していない場合(ステップS202でNO)、以下の処理を行う。
すなわち、光ビーコン用車載通信機101は、提供情報にID情報が含まる場合(ステップS204でYES)、提供情報からID情報を取得し、取得したID情報と前回取得したID情報とを比較する(ステップS206)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、比較結果において2つのID情報が異なる場合(ステップS208でYES)、フラグリセット処理を行う(ステップS210)。
一方、光ビーコン用車載通信機101は、比較結果において2つのID情報が同じである場合(ステップS208でNO)、新たな光ビーコン用路側通信機151から提供情報を取得していないと判断する。
また、光ビーコン用車載通信機101は、提供情報にID情報が含まれない場合(ステップS204でNO)、新たな光ビーコン用路側通信機151から提供情報を取得していないと判断する。
図15は、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機が転送制限処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。図15は、図13のステップS108における転送制限処理の動作の詳細を示している。
図15を参照して、まず、光ビーコン用車載通信機101は、単一フレーム取得モードが設定されている場合(ステップS302でYES)、単一フレーム取得処理を行う(ステップS304)。
一方、光ビーコン用車載通信機101は、フレーム群取得モードが設定されている場合(ステップS302でNO)、フレーム群取得処理を行う(ステップS306)。
図16は、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機が単一フレーム取得処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。図16は、図15のステップS304における単一フレーム取得処理の動作の詳細を示している。
図16を参照して、まず、光ビーコン用車載通信機101は、フラグ保持部55におけるフラグのうち、取得した種別値に対応するフラグの状態を確認し、当該フラグがオン状態を示す場合(ステップS402でYES)、以下の処理を行う。
すなわち、光ビーコン用車載通信機101は、フレーム番号の値が81Hでなく01Hである場合(ステップS404でNOおよびステップS406でYES)、フレーム群取得モードに遷移する(ステップS408)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、フレーム順kを2Hに設定する(ステップS410)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、取得した種別値をフレーム群種別値として保持する(ステップS412)。
また、光ビーコン用車載通信機101は、フレーム番号の値が81Hである場合(ステップS404でYES)、取得した種別値に対応する提供情報をバッファ43から転送待機バッファ35へ移動する(ステップS416)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、フラグ保持部55におけるフラグのうち、取得した種別値に対応するフラグをオフ状態に設定する(ステップS418)。
また、光ビーコン用車載通信機101は、フレーム番号の値が81Hおよび01H以外である場合(ステップS404でNOおよびステップS406でNO)、取得した種別値に対応する提供情報をバッファ43から消去する(ステップS414)。
また、光ビーコン用車載通信機101は、上記フラグがオフ状態を示す場合(ステップS402でNO)、取得した種別値に対応する提供情報をバッファ43から消去する(ステップS414)。
なお、光ビーコン用車載通信機101は、フレーム群取得モードに遷移する処理(ステップS408)、フレーム順kを2Hに設定する処理(ステップS410)、および取得した種別値をフレーム群種別値として保持する処理(ステップS412)を並行に行ってもよいし、これらの処理の順番を入れ替えて行ってもよい。
また、光ビーコン用車載通信機101は、取得した種別値に対応する提供情報を転送待機バッファ35へ移動する処理(ステップS416)、および取得した種別値に対応するフラグをオフ状態に設定する処理(ステップS418)を並行に行ってもよいし、これらの処理の順番を入れ替えて行ってもよい。
図17は、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機がフレーム群取得処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。図17は、図15のステップS306におけるフレーム群取得処理の動作の詳細を示している。
図17を参照して、まず、光ビーコン用車載通信機101は、取得した種別値とフレーム群種別値とが同じ場合(ステップS502でYES)、以下の処理を行う。
すなわち、光ビーコン用車載通信機101は、フレーム番号の下位7ビットの値がフレーム順kであり、かつフレーム番号の上位1ビットの値が1Hである場合(ステップS504でYESおよびステップS506でYES)、フレーム群種別値に対応する提供情報をバッファ43から転送待機バッファ35へ移動する(ステップS508)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、フラグ保持部55におけるフラグのうち、フレーム群種別値に対応するフラグをオフ状態に設定する(ステップS510)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、単一フレーム取得モードに遷移する(ステップS522)。
また、光ビーコン用車載通信機101は、フレーム番号の下位7ビットの値がフレーム順kで、かつフレーム番号の上位1ビットの値が1Hでない場合(ステップS504でYESおよびステップS506でNO)、フレーム順kをインクリメントする(ステップS512)。
また、光ビーコン用車載通信機101は、フレーム番号の下位7ビットの値がフレーム順kでない場合(ステップS504でNO)、フレーム群種別値に対応する提供情報をバッファ43から消去する(ステップS520)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、単一フレーム取得モードに遷移する(ステップS522)。
また、光ビーコン用車載通信機101は、取得した種別値とフレーム群種別値とが同じでない場合(ステップS502でNO)、フレーム群種別値に対応する提供情報をバッファ43から消去する(ステップS514)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、単一フレーム取得モードに遷移する(ステップS516)。
次に、光ビーコン用車載通信機101は、単一フレーム取得処理を行う(ステップS518)。
なお、フレーム群種別値に対応する提供情報を転送待機バッファ35へ移動する処理(ステップS508)、およびフレーム群種別値に対応するフラグをオフ状態に設定する処理(ステップS510)を並行に行ってもよいし、これらの処理の順番を入れ替えて行ってもよい。
また、フレーム群種別値に対応する提供情報をバッファ43から消去する処理(ステップS514)、および単一フレーム取得モードに遷移する処理(ステップS516)を並行に行ってもよいし、これらの処理の順番を入れ替えて行ってもよい。
なお、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機は、光ビーコン用路側通信機151から受信する提供情報のうち、同じ光ビーコン用路側通信機151から送信された情報であって同じ種別の情報をナビゲーション装置171へ1回転送する、すなわち転送回数を1回に制限する構成であるとしたが、これに限定するものではない。光ビーコン用車載通信機101は、たとえば、上記提供情報のうち、同じ光ビーコン用路側通信機151から送信された情報であって同じ種別の情報のナビゲーション装置171への転送回数を複数回に制限する構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機は、提供情報が複数のフレーム401に分割して光ビーコン用路側通信機151から送信される場合において、当該複数のフレーム401から提供情報を抽出し、抽出した提供情報をナビゲーション装置171へ転送する構成であるとしたが、これに限定するものではない。光ビーコン用車載通信機は、たとえば、上記場合において、上記複数のフレーム401をそのままナビゲーション装置171へ転送する構成であってもよいし、上記複数のフレーム401を異形式のフレームに変換して転送する構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機では、提供元判断処理として、ID情報に基づいて、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報が同じ光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かを判断する処理、および赤外線信号がホトダイオード21において所定時間以上受信されなくなったか否かに基づいて、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報が同じ光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かを判断する処理の両方を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。光ビーコン用車載通信機101は、上記2つの処理のいずれか一方を行う構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機では、赤外線信号に含まれる提供情報のうち、ナビゲーション装置171から設定された種別の情報を転送対象とする構成であるとしたが、これに限定するものではない。光ビーコン用車載通信機101は、光ビーコン用路側通信機151から受信可能な提供情報の種別のうちのすべての種別を転送対象とする構成であってもよい。
ところで、特許文献1に記載の受信データ処理方式では、DMA手法を用いる構成により、光ビーコン用路側通信機から受信した情報を外部記憶装置に格納する処理が行われる。このような特許文献1に記載の技術を超えて、より小型かつ低コストの構成で、光ビーコン用路側通信機から受信した情報をたとえばナビゲーション装置へ転送する光ビーコン用車載通信機が求められている。
これに対して、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機では、ホトダイオード21は、光ビーコン用路側通信機151から赤外線信号を受信する。転送部31は、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報を取得してナビゲーション装置171へ転送する。そして、転送部31は、提供情報のうち、同じ光ビーコン用路側通信機151から送信された情報であって同じ種別の情報のナビゲーション装置171への転送を制限する。
このような構成により、同じ光ビーコン用路側通信機151から受信する提供情報において、同じ内容の提供情報をナビゲーション装置171へ繰り返し転送することを防ぐことができるので、ナビゲーション装置171へ転送する提供情報のデータ量を低減することができる。
これにより、たとえば、光ビーコン用車載通信機101において、光ビーコン用路側通信機151から単位時間当たりに受信するデータ量が、ナビゲーション装置171へ単位時間当たりに送信するデータ量より多くなり、提供情報を一時的に保持するためのバッファが必要な場合においても、小さい容量のバッファを用いてナビゲーション装置171へ提供情報を適切に転送することができる。すなわち、より小型かつ低コストの構成で、光ビーコン用路側通信機151から受信した提供情報をナビゲーション装置171へ適切に転送することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機では、提供情報は、複数のフレーム401に分割して光ビーコン用路側通信機151から送信される。転送部31は、複数のフレーム401の取得を完了した場合に当該提供情報のナビゲーション装置171への転送を開始する。
このように、複数のフレーム401に分割して含まれる提供情報の全体を取得した後に当該提供情報のナビゲーション装置171への転送を開始する構成により、フレーム401単位で提供情報の分割部分がナビゲーション装置171へ転送されたか否かを管理する必要がないので、複数のフレーム401に分割して含まれる提供情報のナビゲーション装置171への転送を簡易な処理で制限することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機では、転送部31は、複数のフレーム401のうちの第1フレーム501を取得した場合に、複数のフレーム401に含まれる提供情報の保持を開始し、複数のフレーム401の取得を完了した場合に、保持した情報を含む提供情報のナビゲーション装置171への転送を開始する。
このように、複数のフレーム401のうちの第1フレーム501を取得した場合に、複数のフレーム401に分割して含まれる提供情報の保持を開始する構成により、当該提供情報の取得処理を簡略化することができるので、複数のフレーム401に分割して含まれる提供情報のナビゲーション装置171への転送をより簡易な処理で制限することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機では、転送部31は、赤外線信号がホトダイオード21において所定時間以上受信されなくなったか否かに基づいて、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報が同じ光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かを判断する。
このような構成により、赤外線信号に含まれる提供情報が同じ光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かを簡易な処理で判断することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機では、転送部31は、赤外線信号がホトダイオード21において所定時間以上受信されなくなった後、新たに受信された赤外線信号に含まれる提供情報を新たな光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であると判断する。
このような構成により、赤外線信号に含まれる提供情報が新たな光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かを簡易な処理で判断することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機では、赤外線信号に含まれる提供情報には、当該赤外線信号を送信した光ビーコン用路側通信機151の識別子であるID情報が含まれる。そして、転送部31は、ID情報に基づいて、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報が同じ光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かを判断する。
このような構成により、赤外線信号に含まれる提供情報が同じ光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かをより確実に判断することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機では、赤外線信号に含まれる提供情報には、当該赤外線信号を送信した光ビーコン用路側通信機151の識別子であるID情報が含まれる。そして、転送部31は、ホトダイオード21によって受信された赤外線信号に含まれる提供情報が新たな光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かをID情報に基づいて判断する。
このような構成により、赤外線信号に含まれる提供情報が新たな光ビーコン用路側通信機151から受信された提供情報であるか否かをより確実に判断することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機では、転送部31は、ホトダイオード21において新たな光ビーコン用路側通信機151からの赤外線信号の受信が開始された場合、提供情報のナビゲーション装置171への転送の制限状態を未制限の状態に戻す。
このように、提供情報の送信元の光ビーコン用路側通信機151が切替わるごとに、提供情報のナビゲーション装置171への転送の制限状態を未制限の状態に戻す構成により、切替わる前の光ビーコン用路側通信機151から送信された提供情報と同じ種別の提供情報が、切替わった後の光ビーコン用路側通信機151からナビゲーション装置171へ転送されない事態が生ずることを回避することができる。
また、本発明の実施の形態に係る光ビーコン用車載通信機では、転送部31は、赤外線信号に含まれる提供情報のうち、ナビゲーション装置171から設定された種別の情報を転送対象とする。
このように、ナビゲーション装置171が必要とする種別の情報に限定して転送対象とする構成により、提供情報を一時的に保持するためのバッファが必要な場合においても、より小さい容量のバッファを用いてナビゲーション装置171へ提供情報を適切に転送することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
光ビーコン用路側通信機から赤外線信号を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記赤外線信号に含まれる提供情報を取得してナビゲーション装置へ転送する転送部とを備え、
前記転送部は、前記提供情報のうち、同じ前記光ビーコン用路側通信機から送信された情報であって同じ種別の情報の前記ナビゲーション装置への転送を制限し、
前記受信部は、ホトダイオードであり、
前記提供情報は、フレームに含まれ、
前記転送部は、前記ホトダイオードによって受信された前記赤外線信号に含まれる前記フレームから前記提供情報を取得してバッファに保持し、
前記転送部は、前記バッファに保持された前記提供情報が、前記同じ光ビーコン用路側通信機から送信された情報であって前記ナビゲーション装置へ転送した種別の情報である場合、前記バッファに保持された前記提供情報を消去し、
前記転送部は、前記バッファに保持された前記提供情報が、前記同じ光ビーコン用路側通信機から送信された情報であって前記ナビゲーション装置へ転送していない種別の情報である場合、前記バッファに保持された前記提供情報を前記ナビゲーション装置へ転送する、光ビーコン用車載通信機。
[付記2]
光ビーコン用車載通信機と、
ナビゲーション装置とを備え、
前記光ビーコン用車載通信機は、
光ビーコン用路側通信機から赤外線信号を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記赤外線信号に含まれる提供情報を取得して前記ナビゲーション装置へ転送する転送部とを含み、
前記転送部は、前記提供情報のうち、同じ前記光ビーコン用路側通信機から送信された情報であって同じ種別の情報の前記ナビゲーション装置への転送を制限し、
前記受信部は、ホトダイオードであり、
前記提供情報は、フレームに含まれ、
前記転送部は、前記ホトダイオードによって受信された前記赤外線信号に含まれる前記フレームから前記提供情報を取得してバッファに保持し、
前記転送部は、前記バッファに保持された前記提供情報が、前記同じ光ビーコン用路側通信機から送信された情報であって前記ナビゲーション装置へ転送した種別の情報である場合、前記バッファに保持された前記提供情報を消去し、
前記転送部は、前記バッファに保持された前記提供情報が、前記同じ光ビーコン用路側通信機から送信された情報であって前記ナビゲーション装置へ転送していない種別の情報である場合、前記バッファに保持された前記提供情報を前記ナビゲーション装置へ転送する、車載装置。