JP2016070587A - 温水暖房装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温水暖房装置Aの制御部4は、オリフィス6が設けられているバイパス流路52の熱媒流量もしくはこれに対応する熱媒量、およびバイパス流路52の熱媒温度を監視し、かつこれらの熱媒流量および熱媒温度が、予め定められたキャビテーション発生条件に該当するか否かを判断し、キャビテーション発生条件に該当すると判断したときには、ポンプPの吐出流量を減少させ、または熱媒加熱装置1による熱媒加熱量を減少させる制御を実行する。
【選択図】 図1
Description
同文献に記載された温水暖房装置は、バーナおよび熱交換器を利用して加熱された熱媒を、ポンプによって暖房端末に送り込み、かつこの暖房端末を通過した後の熱媒を、ポンプに戻すようにした熱媒循環流路を備えている。ただし、この熱媒循環流路にはバイパス流路が設けられ、ポンプによって送り出された熱媒が暖房端末を迂回して熱媒循環流路の一部を流れることが可能とされている。バイパス流路には、オリフィスが設けられている。
このような構成によれば、暖房端末をオンとし、ポンプから暖房端末に熱媒を供給させる際に、余剰分の熱媒をバイパス流路に流れさせ、ポンプ吐出流量を確保することができる。ポンプ吐出流量が過小になると、熱交換器において熱媒が所定温度以上に加熱されるなどの不具合があるが、バイパス流路を設けたことによってそのような不具合を回避することが可能である。また、オリフィスは、バイパス流路に適度な流路抵抗を生じさせ、ポンプから吐出された熱媒が、暖房端末に供給されることなく、バイパス流路側へ集中して流れるといった不具合をなくすのに役立つ。
すなわち、温水暖房装置の運転中において、バイパス流路に流れる熱媒が所定以上に高温となり、かつその流量も所定以上に多くなって、オリフィスの設置箇所にキャビテーションが発生する虞が生じた際には、ポンプの吐出流量を減少させる制御、あるいは熱媒加熱手段による熱媒加熱量を減少させる制御がなされるために、バイパス流路に流れる熱媒流量が減少し、あるいはその熱媒の温度が低くなる。したがって、キャビテーションが発生しないようにし、それに伴う異音の発生も解消することが可能である。
すなわち、前記構成においては、バイパス流路の熱媒流量に対応するパラメータとして、熱媒加熱手段を通過する熱媒流量を求め、この値に基づいて、キャビテーション発生条件に該当するか否かの判断が行なわれているが、熱媒加熱手段を通過する熱媒流量は、流量センサを用いることなく、制御部による演算により求められている。したがって、流量センサを用いない分だけ、装置の製造コストを低減することが可能となる。また、バイパス流路の熱媒流量を検知するためのセンサを具備しない既存の温水暖房装置に対しては、ハード構成に変更を加えることなく、制御部に組み込まれるプログラムソフトに一部修正を加えるだけで、本発明の意図する機能を具備させることが可能となる。なお、前記第1
および第2の温度センサに相当する温度センサは、通常の温水暖房装置には殆んど場合に備えられており、そのような温度センサをそのまま利用すればよい。
一方、前記暖房端末として、前記熱媒加熱手段の下流側に接続された暖房端末のみを運転させる際においては、前記第2の条件は、前記ポンプが所定の定常運転にある状態において前記熱媒加熱手段を通過する熱媒流量が所定流量以下であることとされている。
低温暖房端末2Aは、たとえば床暖房用のパネル装置であり、高温暖房端末2Bは、たとえば浴室乾燥機やファンコンベクタなどである。
戻り流路51は、往き流路50を通過した熱媒を、2次熱交換器12および膨張タンク39を経由させてポンプPに戻すための流路である。熱媒は、2次熱交換器12を通過する際にも加熱される。
温水暖房装置Aにおいては、流量センサScを利用した制御と、利用しない制御とが可能であり、これらを図2〜図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
本制御は、図2に示すような制御である。一例として、高温暖房端末2Bを運転する場合について説明する。
まず、ポンプPの駆動、熱動弁Vbの開動作、およびバーナ10の燃焼駆動のそれぞれを開始させる(S1:YES,S2〜S4)。既述したように、熱動弁Vbが十分に開状態となる迄の間は、ポンプPから吐出された熱媒はバイパス流路52を通過して一定の経路を循環する。熱動弁Vbが開状態になると、高温暖房端末2Bへの熱媒供給がなされる。この場合、熱媒は高温暖房端末2B側の分岐流路53bとバイパス流路52との双方に分岐して流れる。
なお、熱媒加熱装置1による熱媒の加熱量を減少させる制御とは、たとえばバーナ10の燃焼火力を弱める動作が該当する。また、バーナ10の燃焼火力が既に最小の状態に弱められている場合には、バーナ10の燃焼駆動をオン・オフ切り替えし、かつその際の燃焼駆動のオフ時間を長くする制御が該当する。図面には示されていないが、ポンプPの回転数を下げる制御、または熱媒加熱装置1による熱媒の加熱量を減少させる制御を実行した後に、バイパス流路52の熱媒流量または温度が十分と考えられる所定の値だけ低下したときには、ポンプPの回転数または熱媒加熱装置1による熱媒加熱量を元の定常状態に復帰させればよい。
本制御は、図3に示すような制御である。
まず、図3のステップS1a〜S5は、ステップS1a,S3aを除き、図2に示したステップS1〜S5と同様であり、その説明は省略する。制御部4は、低温暖房端末2Aの運転が開始され、バイパス流路52の熱媒温度が所定温度以上であると(S5:YES
)、1次熱交換器11を通過する熱媒流量Laを算出する(S6a)。この流量Laは、第1および第2の温度センサSa,Sbを利用して検出される1次熱交換器11の入口側と出口側との温度の差分ΔTと、熱媒加熱装置1による熱媒の加熱量Qに基づき、概略的には、La=Q/ΔT で求めることができる。加熱量Qは、バーナ10における燃料消費量、および燃料の発熱量(単位体積当たりの発熱量)に基づいて算出可能である。
ここで、低温暖房端末2Aは、1次熱交換器11の上流側に接続されている。一方、バイパス流路52は、1次熱交換器11の下流側に接続されている。このため、低温暖房端末2Aのみが運転されている際には、1次熱交換器11を通過する熱媒流量Laと、バイパス流路52の熱媒流量とは、基本的には同一の関係にある。したがって、1次熱交換器11の熱媒流量Laが所定値以上であることは、バイパス流路52も所定値以上の高温にあり、オリフィス6の設置箇所にキャビテーションが発生することの1つ根拠とすることができる。
本制御は、図4に示すような制御である。
まず、図4のステップS1〜S5は、図2のステップS1〜S5と同様であり、その説明は省略する。制御部4は、高温暖房端末2Bの運転が開始され、バイパス流路52の熱媒温度が所定温度以上であると(S5:YES)、1次熱交換器11を通過する熱媒流量Laを算出する(S6a)。この流量Laの算出の仕方は、図3の動作処理手順で実行され流量Laの算出の仕方と同じである。
ここで、前記第2の条件について説明すると、まず高温暖房端末2Bは、低温暖房端末2Aとは異なり、1次熱交換器11の下流側に分岐接続されている。このため、高温暖房端末2Bのみが運転されている場合には、既述したように、熱媒は高温暖房端末2B側とバイパス流路52側とに分岐して流れる。この場合、その流量比は、高温暖房端末2B側
の流路抵抗とバイパス流路52の流路抵抗との逆比に対応したものとなるが、高温暖房端末2B側の流路抵抗は、一様ではなく、温水暖房装置Aの設置条件によって異なってくる。すなわち、高温暖房端末2Bの設置条件は様々であって、高温暖房端末2Bに繋がった流路長(配管長さ)が長くされることにより、高温暖房端末2B側の流路抵抗が大きくなる場合がある。すると、その分だけバイパス流路52の熱媒流量が多くなる。一方、流路全体の流路抵抗が大きくなると、ポンプPが一定の回転数で運転し続けられていたとしても、1次熱交換器11を通過する熱媒流量Laは、本来の熱媒流量よりも減少する。したがって、ポンプPが定常運転にあり、所定の回転数で運転されているにも拘わらず、1次熱交換器11の流量Laが所定値以下に少なくなっている現象は、バイパス流路52の熱媒流量が多いことを間接的に示すものとなる。このようなことから、1次熱交換器11の流量Laが所定値以下であることは、オリフィス6の設置箇所にキャビテーションが発生することの1つ根拠とすることができる。
キャビテーション発生条件の具体的な内容や、その条件に該当するか否かの判断基準値などは、オリフィスの内径、ポンプの能力、暖房端末の種類や数など、種々の条件を考慮して適宜に決定し得る事項であり、特定の数値に限定されるものではない。
キャビテーション発生条件に該当すると判断された場合、ポンプの吐出流量を減少させる制御と、熱媒加熱手段による熱媒加熱量を減少させる制御との双方が実行されるように構成してもよいことは勿論である。媒体加熱装置は、媒体加熱機能を備えた装置であればよく、たとえば貯湯タンクの湯水を利用し、この湯水と熱媒との熱交換により熱媒を加熱可能な熱交換器を用いた構成とすることもできる。
熱媒加熱手段による熱媒の加熱量を減少させる制御には次のものも含まれる。すなわち、制御部4は、第2の温度センサSbで検出された温度(熱交換器11の温度)が異常高温になった場合に温水煖房装置を停止させるハイカット機能を備えている。このハイカット機能の閾値を下げることにより、実質的に熱媒加熱量を減少させる。
P ポンプ
Sa 第1の温度センサ
Sb 第2の温度センサ(温度センサ)
Sc 流量センサ
1 熱媒加熱装置(熱媒加熱手段)
2A 低温暖房端末(暖房端末・熱媒加熱手段の上流側に接続された暖房端末)
2B 高温暖房端末(暖房端末・熱媒加熱手段の下流側に接続された暖房端末)
4 制御部
5A,5B 熱媒循環流路
52 バイパス流路
6 オリフィス
Claims (5)
- 熱媒加熱手段を利用して加熱された熱媒がポンプによって暖房端末に送られ、かつこの暖房端末を通過した後の熱媒が前記ポンプに戻されるように、前記熱媒を一定の経路で循環可能とする熱媒循環流路と、
前記ポンプから送り出された熱媒が前記暖房端末を迂回した状態で前記熱媒循環流路の一部を流れて前記ポンプに戻すことが可能に前記熱媒循環流路に接続されたバイパス流路と、
このバイパス流路に設けられたオリフィスと、
を備えている、温水暖房装置であって、
前記バイパス流路の熱媒流量もしくはこの熱媒流量に対応して変化する前記バイパス流路以外の箇所の熱媒流量、および前記バイパス流路の熱媒温度を監視し、かつこの監視対象の熱媒流量および熱媒温度が、予め定められたキャビテーション発生条件に該当するか否かを判断し、前記キャビテーション発生条件に該当すると判断したときには、前記ポンプの吐出流量を減少させる制御、および前記熱媒加熱手段による熱媒加熱量を減少させる制御のうち、少なくとも一方の制御を実行する制御部を、さらに備えていることを特徴とする、温水暖房装置。 - 請求項1に記載の温水暖房装置であって、
前記バイパス流路の熱媒温度および熱媒流量を検出するための温度センサおよび流量センサを備えており、
前記キャビテーション発生条件は、第1条件として、前記温度センサを利用して検出される熱媒温度が所定温度以上であること、および第2条件として、前記流量センサを利用して検出される熱媒流量が所定流量以上であることとされている、温水暖房装置。 - 請求項1に記載の温水暖房装置であって、
前記熱媒加熱手段の上流側の熱媒温度を検出するための第1の温度センサと、
前記バイパス流路の熱媒温度を検出するための第2の温度センサと、
を備えており、
前記バイパス流路は、前記熱媒加熱手段の下流側に分岐接続されており、
前記キャビテーション発生条件は、第1条件として、前記第2の温度センサを利用して検出される熱媒温度が所定温度以上であること、および第2条件として、前記熱媒加熱手段を通過する熱媒流量が所定の範囲外の流量にあることとされており、
前記熱媒加熱手段を通過する熱媒流量は、前記第1および第2の温度センサを利用して検出される熱媒温度の差分、および前記熱媒加熱手段による熱媒の加熱量に基づき、前記制御部によって演算されるように構成されている、温水暖房装置。 - 請求項3に記載の温水暖房装置であって、
前記暖房端末として、前記熱媒加熱手段の上流側に接続された暖房端末のみを運転させる際においては、前記第2の条件は、前記熱媒加熱手段を通過する熱媒流量が所定流量以上であることとされている、温水暖房装置。 - 請求項3または4に記載の温水暖房装置であって、
前記暖房端末として、前記熱媒加熱手段の下流側に接続された暖房端末のみを運転させる際においては、前記第2の条件は、前記ポンプが所定の定常運転にある状態において前記熱媒加熱手段を通過する熱媒流量が所定流量以下であることとされている、温水暖房装置。
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