JP2016069851A - タンクの構築方法、及びタンク - Google Patents

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Abstract

【課題】効率性が高く、工期も短縮可能なタンクの構築方法等を提供する。【解決手段】工事用の開口部20を残した状態でLNGタンク100の防液堤2をコンクリートにより構築し、防液堤2の開口部20を除く部分に通された周方向PC鋼材17a、鉛直方向PC鋼材17bを緊張して防液堤2にプレストレスを導入する。その後、開口部20を閉塞する。PC鋼材17a、17bの少なくとも一部は、開口部20の縁部に一端を有し、プレストレスの導入時、一端が開口部20の縁部で定着される。【選択図】図4

Description

本発明は、タンクの構築方法、及びタンクに関する。
LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)などの液体を貯留する設備として、PC(プレストレストコンクリート)タンクがある。図9は、PCタンクとして、LNGを貯留するLNGタンク100の例を示したものである。図9のLNGタンク100は、地盤7中の杭4で支持された底版5上に防液堤2を設け、その内側に鋼板等による内槽3aと外槽3bを設置したものである。外槽3bの屋根部は鋼製または鉄筋コンクリート製であり、側部はライナープレート(薄鉄板)を防液堤2に貼り付けた形となっている。LNGは内槽3aにて貯留し、内槽3aと外槽3bの間に断熱材を配置して保冷を行う。
防液堤2はプレストレストコンクリートによる側壁であり、通常円筒状である。防液堤2は、内槽3aが破損した場合にLNGの外部への液漏れを防ぐために設けられる。防液堤2はLNGの液圧に耐え得る構造とする必要があり、そのために周方向および鉛直方向の緊張材(不図示)によるプレストレスが導入される。また、液圧に対する耐力向上のため、防液堤2の底部は底版5に固定され、一体化されるのが一般的である。
防液堤2の構築方法としては、防液堤2が底版5に対し移動可能な状態で、防液堤2に周方向のプレストレスを導入する例が知られている(例えば特許文献1参照)。この場合、周方向のプレストレス導入時に防液堤2が内側に移動するので、その後防液堤2を底版5に固定し、鉛直方向のプレストレスを導入する。これにより、底版5による拘束が無い状態で防液堤2に周方向のプレストレスを効果的に導入でき、緊張材の量を低減できる等の点で有利である。
この作業では、例えば図10(a)に示すように、底版5にスライド部21を設け、防液堤2をその上に構築する。スライド部21は、周方向のプレストレス導入時に防液堤2を内側にスライド可能とするものであり、例えば敷砂等の除去式型枠である。
防液堤2や底版5には、緊張材を挿通するためのシース管(不図示)や補強用の鉄筋(不図示)が埋設される。防液堤2内では、シース管や鉄筋が防液堤2の周方向及び鉛直方向に埋設される。なお、底版5には緊張材を定着するための定着体170も埋設される。
防液堤2は、工事用の開口部20を設けた状態で構築される。開口部20は、側壁鋼板など内槽構築用の資材搬入、その他の工事用の小型資機材の搬入、作業員の出入り等に用いられる。これにより、内槽3aの構築等を防液堤2の構築と並行して効率良く行うことができる。
図の例では、定着体170に、緊張材である鉛直方向PC鋼材17bの下端部が取り付けられており、防液堤2内の開口部20の上方を除く部分では、この下端部から連続して防液堤2の頂部あるいは開口部20の下縁部まで鉛直方向PC鋼材17bが通されている。開口部20の上方では、開口部20の上縁部から防液堤2の頂部まで鉛直方向PC鋼材17bが通される。鉛直方向PC鋼材17bは、シース管内に通して配置される。
開口部20は内槽3aの工事が概ね終わった段階で閉塞され、その後緊張材の緊張が行われる。開口部20の閉塞及び緊張材の緊張は、例えば以下の手順で行われる。すなわち、開口部20に周方向及び鉛直方向のシース管と鉄筋(不図示)を配置して防液堤2内のシース管、鉄筋とそれぞれ接続する。また、別の鉛直方向PC鋼材をシース管に通して開口部20に配置し、開口部20の上下の鉛直方向PC鋼材17bにつなぎ込み、これらを連続させて一本の鉛直方向PC鋼材17bとする。そして、図10(b)に示すように開口部20にコンクリート22を打設する。
その後、図11(a)に示すように、周方向PC鋼材17aをシース管に通して防液堤2内に設け、矢印aに示すように緊張して両端をピラスター(不図示)に定着し、防液堤2に周方向のプレストレスを導入する。ピラスターは、PC鋼材の定着用に設けられた防液堤2の突出部である。
周方向のプレストレスを導入すると円筒状の防液堤2全体が内側に移動するので、その後、図11(b)に示すように防液堤2の底部をグラウト等の充填材23によって底版5に固定する。以下、鉛直方向PC鋼材17bを矢印bに示すように緊張し、防液堤2に鉛直方向のプレストレスを導入する。この時、鉛直方向PC鋼材17bの上端は定着体171によって防液堤2の頂部に定着される。
この例では防液堤2を底版5に対しスライド可能としたが、防液堤2を底版5にピン結合しておく場合もある。また、特許文献2には、前記と同様、タンクの側壁内に設けた緊張材に、側壁の開口部で別の緊張材をつなぎ込み、コンクリートによる開口部の閉塞後、緊張材の緊張により側壁にプレストレスを導入することが記載されている。特許文献3には、小寸法の開口部をタンクの側壁の緊張材を避けた位置に残した状態で、緊張材の緊張によるプレストレスを側壁に導入することが記載されている。
特開2009-203787号公報 特開昭63-31634号公報 特許第4964346号
前記した従来の方法では、内槽3aの構築等を終えた後、開口部20を閉塞し、防液堤2に緊張材を配置して周方向の緊張を行い、防液堤2の底部を固定し、鉛直方向の緊張を行う流れがクリティカルとなり、内槽3aの構築等を終えた後の作業期間が長く、全体工程が長くなりがちであった。
これに対し、特許文献3の方法では、開口部を残した状態で側壁のプレストレスを早期に導入できる。ただし、開口部は緊張材を避けた位置とするので小さくならざるを得ない。そのため、例えば内槽3aの側壁鋼板をタンク内に搬入するような作業はできず、開口部を利用して行える工種には制限があり、より効率性の高い手法が求められる。
本発明は、効率性が高く、工期も短縮可能なタンクの構築方法等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、プレストレストコンクリートによる側壁を有するタンクの構築方法であって、工事用の開口部を残した状態で前記側壁を構築し、前記側壁の前記開口部を除く部分に通された緊張材を緊張して前記側壁にプレストレスを導入する工程(a)と、前記開口部を閉塞する工程(b)と、を具備し、前記緊張材の少なくとも一部は、前記開口部の縁部に一端を有し、前記緊張材によるプレストレスの導入時、前記一端が前記開口部の縁部で定着されることを特徴とするタンクの構築方法である。
前記タンクの内槽を構築した後、前記工程(b)において前記開口部を閉塞することが望ましい。
また、前記工程(b)において、前記開口部にコンクリートを打設し、当該コンクリートに、追加緊張材の緊張によるプレストレスを導入することが望ましい。
この時、前記追加緊張材の一端は、前記開口部の縁部に一端を有する緊張材の当該一端に接続され、前記追加緊張材の他端は、前記追加緊張材によるプレストレスの導入時、前記開口部の近傍で前記側壁に定着されることが望ましい。あるいは、前記追加緊張材の両端が、前記追加緊張材によるプレストレスの導入時、前記開口部の近傍で前記側壁に定着されることも望ましい。
また、前記工程(a)においてプレストレスを導入する際、前記側壁の周方向の緊張材を緊張して前記側壁に周方向のプレストレスを導入し、前記側壁が内側に移動した後、前記側壁を底版に固定し、その後、鉛直方向の緊張材を緊張して前記側壁に鉛直方向のプレストレスを導入することが望ましい。
第2の発明は、プレストレストコンクリートによる側壁を有するタンクであって、前記側壁の所定領域を除く部分に通された緊張材の緊張によって前記側壁にプレストレスが導入され、前記緊張材の少なくとも一部は、前記所定領域の縁部に一端を有し、前記一端が前記所定領域の縁部で定着されたことを特徴とするタンクである。
また、前記所定領域に追加緊張材が設けられ、前記所定領域に、前記追加緊張材の緊張によるプレストレスが導入されることが望ましい。
本発明によれば、開口部を残した状態で早期に側壁のプレストレスを導入でき、内槽の構築等を終えた後は、開口部を閉じれば側壁の構築を完了できる。この手順では、内槽の構築等を終えた後の作業に時間もかからず全体工程の短縮を図ることができる。
加えて、本発明では緊張材を避けて開口部を設けるのではなく、開口部に緊張材を定着する。従って、比較的大きな開口部を側壁に残すことができ、開口部を介して内槽の側壁鋼板の搬入等も可能で、開口部を利用して様々な工種を行うことができる。また、開口部の側方や上方、下方にも緊張材を配置できるので、側壁のプレストレスをムラなく均等に導入でき、側壁を好適に構築できる。これにより、本発明の手法では、効率良く好適にタンクを構築でき、工期短縮が可能になる。
また本発明では、コンクリートによって閉塞した開口部の領域に、追加緊張材を用いてプレストレスを導入することで、当該領域の補強が好適に行われる。この時、追加緊張材の一端を緊張材に接続して他端を開口部の近傍で定着したり、あるいは追加緊張材の両端を開口部の近傍で定着することで、追加緊張材を適切に配置できる。
さらに本発明では、側壁を底版に対して移動可能に配置し、周方向のプレストレス導入によって側壁が内側に移動した後、側壁を底版に固定して鉛直方向のプレストレスを導入する。これにより、底版による拘束が無い状態で側壁に周方向のプレストレスを効果的に導入でき、且つ完成時には側壁が底版に固定され、液圧に対する耐力に優れたタンクが構築できる。
本発明により、効率性が高く、工期も短縮可能なタンクの構築方法等を提供することができる。
タンクの構築方法を示す図 タンクの構築方法を示す図 タンクの構築方法を示す図 タンクの構築方法を示す図 タンクの構築方法を示す図 タンクの構築方法を示す図 追加PC鋼材19aの配置を示す図 補強用鋼材25を示す図 LNGタンク100を示す図 タンクの構築方法を示す図 タンクの構築方法を示す図
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1〜図6は、本発明の実施形態に係るタンクの構築方法を示す図である。本実施形態は、図9で説明したLNGタンク100の防液堤2(側壁)等を構築する例を挙げて説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態では、図10(a)の例と同様、底版5にスライド部21を設け、防液堤2をその上に構築する。ここでは、防液堤2のコンクリートを、3.5-4.0m程度の高さごとの数ロットに分けて下から順に打設し、防液堤2を全高さ分構築する。
スライド部21は、前記と同様、後述する周方向のプレストレス導入時に防液堤2を径方向の内側(中心方向)にスライド可能とするものであり、例えば敷砂等の除去式型枠を用いることができる。ただし、これに限ることはない。
防液堤2や底版5には、前記と同様のシース管や鉄筋が埋設される。底版5には前記した定着体170も埋設される。なお、図1(a)ではシース管や鉄筋の図示を省略している。他の図も同様である。
防液堤2は、工事用の開口部20を下部に設けた状態で構築される。開口部20は底版5から所定高さ上方に形成される。例えば、開口部20は下から2、3ロット部分のコンクリートの位置で形成され、開口部20の下端が、1ロットのコンクリートの高さ分(例えば4.0m程度)、底版5の上方に位置する。図1(b)はこの開口部20の水平方向断面を示す図である。後述する図2(b)、図5(b)、図6(b)、図7も同様である。
防液堤2の開口部20を除く部分には、緊張材として鉛直方向PC鋼材17b(以下、PC鋼材17bという)が前記と同様に通される。PC鋼材17bは防液堤2の周方向に間隔を空けて複数設けられ、防液堤2の全周に渡って配置される。PC鋼材17bは鉛直方向のシース管内に通される。
図1(a)に示すように、少なくとも一部のPC鋼材17b(開口部20の上方及び下方のPC鋼材17b)は、開口部20の縁部に一端を有する。また、開口部20の上方のPC鋼材17bを除いて、PC鋼材17bの下端部は底版5内の定着体170に取り付けられる。
本実施形態では、定着体170にPC鋼材17bの下端部を先行して取り付けておき、その後防液堤2を構築するとよい。例えば、底版5は、定着体170及び定着体170に取り付けたPC鋼材17bの下端部を埋め込んだ状態で構築し、PC鋼材17bの残りの部分は仮置きしておく。そして、防液堤2の構築に先立ってPC鋼材17bの残りの部分を所定位置に移動させ、鉛直方向に設置した状態でコンクリートの打設を行う。
なお、開口部20の上方では、開口部20の上縁部から防液堤2の頂部までPC鋼材17bが通されるが、このPC鋼材17bは、例えば、防液堤2を構築した後、防液堤2内のシース管に通して配置することができる。
図1(b)に示すように、開口部20の右側近傍では、防液堤2に定着用突起2aが設けられる。定着用突起2aは、防液堤2から外側へと突出する。定着用突起2aは、後述する追加PC鋼材を定着するために用いられる。なお、本実施形態では開口部20の下側近傍にも同様の定着用突起2aを設ける。
こうして防液堤2を構築した後、防液堤2の開口部20を除く部分に周方向PC鋼材(緊張材)を通して配置し、周方向PC鋼材を緊張して防液堤2に周方向のプレストレスを導入する。図2(a)、(b)はこの状態を示す図である。
ここでは、周方向PC鋼材17a(以下、PC鋼材17aという)が鉛直方向に間隔を空けて複数設けられ、防液堤2の全高さに渡って配置される。PC鋼材17aは周方向のシース管内に通される。図2(a)、(b)に示すように、少なくとも一部のPC鋼材17a(開口部20の側方のPC鋼材17a)は、開口部20の縁部に一端を有する。
各PC鋼材17aは図2(a)の矢印A1、A2に示すように緊張され、定着した端部から防液堤2に周方向のプレストレスが導入される。PC鋼材17aは例えば両引きにより緊張されるが、片引きでもよい。
この時、上記した一部のPC鋼材17aの一端は、定着体172を用いて開口部20の縁部に定着する。他端は例えば防液堤2のピラスターに定着する。その他のPC鋼材17aは、例えば、両端をピラスターに定着する。
こうして周方向のプレストレスを導入すると、円筒状の防液堤2全体が、図3(a)の矢印に示すように防液堤2の径方向の内側(中心方向)へ向かって移動する。移動量は防液堤2の全周に渡って均等であり、例えば10-30mm程度である。防液堤2の移動後、スライド部21を除去し、図3(b)に示すように、防液堤2の底部をグラウト等の充填材23によって底版5に剛結し固定する。
その後、鉛直方向のPC鋼材17bを緊張して防液堤2に鉛直方向のプレストレスを導入する流れとなる。図4はこの状態を示す図である。
各PC鋼材17bは図4の矢印B1、B2に示すように緊張され、定着した端部から防液堤2に鉛直方向のプレストレスが導入される。PC鋼材17bは、例えば上部を引いて片引きにより緊張するが、開口部20の上方のPC鋼材17bは、両引きで緊張してもよい。
この時、開口部20の縁部に一端を有するPC鋼材17bの当該一端は、定着体172を用いて開口部20の縁部に定着する。他端は、防液堤2の頂部に定着体171で定着する(開口部20の上方のPC鋼材17bの場合)か、底版5内で定着体170によって定着される(開口部20の下方のPC鋼材17bの場合)。
その他のPC鋼材17bは、定着体171によって一端を防液堤2の頂部に定着する。他端は定着体170によって底版5内に定着される。
このように、本実施形態では、防液堤2が開口部20を設けた状態で構築されるので、防液堤2の構築と並行して、開口部20を利用して内槽3aの構築等を行うことができる。また開口部20を残した状態で、PC鋼材17a、17bにより防液堤2に早期にプレストレスを導入できる。
さらに、PC鋼材17a、17bを避けて開口部20を設けるのではなく、開口部20にPC鋼材17a、17bを定着するので、防液堤2に比較的大きな開口部20を残すことができる。従って、側壁鋼板など内槽構築用の資材搬入、その他の工事用の小型資機材の搬入、作業員の出入り等に開口部20を用い、内槽3aの構築等を効率良く行うことができる。
本実施形態では、内槽3aの構築等を終えた後、開口部20の閉塞を行う。開口部20を閉塞する際は、開口部20に周方向及び鉛直方向のシース管や鉄筋(不図示)を配置する。これらのシース管や鉄筋は、防液堤2内のシース管や鉄筋に接続される。
また、図5(a)、(b)に示すように、追加緊張材として、周方向追加PC鋼材19a(以下、追加PC鋼材19aという)と鉛直方向追加PC鋼材19b(以下、追加PC鋼材19bという)を開口部20に配置する。追加PC鋼材19a、19bは開口部20のシース管(不図示)内に通される。ただし、追加PC鋼材19a、19bにアンボンドケーブルを用いる場合、上記のシース管は省略可能である。
前記したように、少なくとも一部のPC鋼材17a、17bは開口部20の縁部に一端を有するが、この一端に、追加PC鋼材19a、19bの一端がカプラ等の接続治具191を用いて接続される。図の例では、追加PC鋼材19aの一端が、開口部20の左縁部でPC鋼材17aの一端に接続され、追加PC鋼材19bの一端が、開口部20の上縁部でPC鋼材17bの一端に接続される。
図5(b)に示すように、追加PC鋼材19aの他端は開口部20の右側近傍の定着用突起2aの位置にある。同様に、追加PC鋼材19bの他端は開口部20の下側近傍の定着用突起2aの位置にある。防液堤2では、追加PC鋼材19a、19bの他端を通すため、開口部20から定着用突起2aの位置に至るシース管(不図示)も予め埋設されている。
こうして開口部20に追加PC鋼材19a、19b等を配置した後、図6(a)、(b)に示すように開口部20にコンクリート22を打設し、追加PC鋼材19a、19bを緊張して開口部20の領域(所定領域)のコンクリート22にプレストレスを導入する。
ここでは、コンクリート22の硬化後、追加PC鋼材19a、19bを図6(a)の矢印C、Dに示すように緊張して他端を定着用突起2aの位置で定着し、コンクリート22に防液堤2の周方向及び鉛直方向のプレストレスを導入する。追加PC鋼材19a、19bの定着は定着体192を用いて行われる。
こうして防液堤2の開口部20が閉塞される。その他必要な工事を行うことで、図9に示したLNGタンク100が構築される。
以上説明したように、本実施形態によれば、開口部20を残した状態で早期に防液堤2のプレストレスを導入でき、内槽3aの構築等を終えた後は、開口部20を閉じれば防液堤2の構築を完了できる。この手順では、内槽3aの構築後の作業に時間もかからず全体工程の短縮を図ることができる。
加えて、本実施形態ではPC鋼材17a、17bを避けて開口部20を設けるのではなく、開口部20にPC鋼材17a、17bを定着する。従って、比較的大きな開口部20を防液堤2に残すことができ、開口部20を介して内槽3aの側壁鋼板の搬入等も可能で、開口部20を利用して様々な工種を行うことができる。また、開口部20の側方や上方、下方にもPC鋼材17a、17bを配置できるので、防液堤2のプレストレスをムラなく均等に導入でき、防液堤2を好適に構築できる。これにより、本実施形態の手法では、効率良く好適にタンクを構築でき、工期短縮が可能になる。
また、コンクリート22によって閉塞した開口部20の領域には、追加PC鋼材19a、19bを用いてプレストレスを導入するので、当該領域の補強が好適に行われる。この時、追加PC鋼材19a、19bの一端を、開口部20の縁部にあるPC鋼材17a、17bの一端に接続し、他端を開口部20の近傍の定着用突起2aに定着することで、追加PC鋼材19a、19bを適切かつ容易に配置できる。
また本実施形態では、防液堤2を底版5に対して移動可能に配置し、周方向のプレストレス導入によって防液堤2が内側に移動した後、防液堤2を底版5に固定して鉛直方向のプレストレスを導入するので、底版5による拘束が無い状態で防液堤2に周方向のプレストレスを効果的に導入でき、且つ完成時には防液堤2が底版5に固定され、液圧に対する耐力に優れたタンクが構築できる。
しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、本実施形態では防液堤2を全高さ分構築した後、周方向のプレストレスを導入したが、施工時の防液堤2の安定性などの問題から、防液堤2の途中の高さまで構築した段階で周方向のプレストレスを導入することも可能である。例えば、コンクリートの数ロット分(例えば、4ロット分)の高さまで防液堤2を構築した後、その高さ分に対応するPC鋼材17aを緊張する。その他、PC鋼材17a、17bの配置なども本実施形態で説明したものに限らない。例えば、鉛直方向のPC鋼材17bは、底版5内で定着するのに代えて、底版5内でU字状に折り曲げるように配置し、両端を防液堤2の頂部や開口部20の下縁部に定着することも可能である。
さらに、本実施形態では開口部20のコンクリート22にプレストレスを導入したが、開口部20の幅、高さが例えば2m以下と比較的小さい場合には、開口部20の上下左右の近傍で防液堤2のPC鋼材17a、17bの量を増やして、開口部20にはPC鋼材を配置せず鉄筋とコンクリート22によるRC構造とすることもある。
また本実施形態では、防液堤2を底版5に対しスライド可能として周方向のプレストレスを導入したが、防液堤2をピン構造にて底版5と連結して周方向のプレストレスを導入し、その後防液堤2を底版5に剛結して固定してもよい。あるいは最初から防液堤2を底版5に固定した状態で周方向のプレストレスを導入することも可能である。
また、本実施形態では防液堤2の開口部20の右側近傍と下側近傍に定着用突起2aを設けたが、その位置はこれに限らない。さらに、図7に示すように、周方向の追加PC鋼材19aの両端を、開口部20の左右近傍に設けた定着用突起2aに定着することも可能である。鉛直方向の追加PC鋼材19bについても同様、開口部20の上下近傍に設けた定着用突起2aに両端を定着することが可能である。これによっても追加PC鋼材19a、19bを適切に配置できる。
また、図8に示すように、開口部20近傍の防液堤2内に補強用鋼材25を埋設し、これにより開口部20近傍の補強を行うことも可能である。図の例では開口部20の四隅の近傍に孔開き板等のL字型鋼材を埋設するが、補強用鋼材25の位置や形状はこれに限らない。
さらに、以上の実施形態はタンクとしてLNGタンク100の防液堤2等を構築する例を挙げて説明したが、本発明は、LPGを貯留するLPGタンクを始め、その他のタンクにも適用可能である。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
2;防液堤
2a;定着用突起
3a;内槽
3b;外槽
4;杭
5;底版
7;地盤
17a;周方向PC鋼材
17b;鉛直方向PC鋼材
19a;周方向追加PC鋼材
19b;鉛直方向追加PC鋼材
20;開口部
21;スライド部
22;コンクリート
23;充填材
25;補強用鋼材
100;LNGタンク
170、171、172、192;定着体
191;接続治具

Claims (8)

  1. プレストレストコンクリートによる側壁を有するタンクの構築方法であって、
    工事用の開口部を残した状態で前記側壁を構築し、前記側壁の前記開口部を除く部分に通された緊張材を緊張して前記側壁にプレストレスを導入する工程(a)と、
    前記開口部を閉塞する工程(b)と、
    を具備し、
    前記緊張材の少なくとも一部は、前記開口部の縁部に一端を有し、前記緊張材によるプレストレスの導入時、前記一端が前記開口部の縁部で定着されることを特徴とするタンクの構築方法。
  2. 前記タンクの内槽を構築した後、
    前記工程(b)において前記開口部を閉塞することを特徴とする請求項1記載のタンクの構築方法。
  3. 前記工程(b)において、
    前記開口部にコンクリートを打設し、当該コンクリートに、追加緊張材の緊張によるプレストレスを導入することを特徴とする請求項1または請求項2記載のタンクの構築方法。
  4. 前記追加緊張材の一端は、前記開口部の縁部に一端を有する緊張材の当該一端に接続され、
    前記追加緊張材の他端は、前記追加緊張材によるプレストレスの導入時、前記開口部の近傍で前記側壁に定着されることを特徴とする請求項3に記載のタンクの構築方法。
  5. 前記追加緊張材の両端は、前記追加緊張材によるプレストレスの導入時、前記開口部の近傍で前記側壁に定着されることを特徴とする請求項3に記載のタンクの構築方法。
  6. 前記工程(a)においてプレストレスを導入する際、
    前記側壁の周方向の緊張材を緊張して前記側壁に周方向のプレストレスを導入し、前記側壁が内側に移動した後、前記側壁を底版に固定し、その後、鉛直方向の緊張材を緊張して前記側壁に鉛直方向のプレストレスを導入することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のタンクの構築方法。
  7. プレストレストコンクリートによる側壁を有するタンクであって、
    前記側壁の所定領域を除く部分に通された緊張材の緊張によって前記側壁にプレストレスが導入され、
    前記緊張材の少なくとも一部は、前記所定領域の縁部に一端を有し、前記一端が前記所定領域の縁部で定着されたことを特徴とするタンク。
  8. 前記所定領域に追加緊張材が設けられ、前記所定領域に、前記追加緊張材の緊張によるプレストレスが導入されたことを特徴とする請求項7記載のタンク。
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