JP2016069461A - ポリプロピレン系樹脂発泡シート及びポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡シート及びポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法 Download PDF

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和真 木村
Kazuma Kimura
和真 木村
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Abstract

【課題】引張強度が高いポリプロピレン系樹脂発泡シートを提供する。【解決手段】ポリプロピレン系樹脂発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂と、オレフィン系熱可塑性エラストマー及びポリエチレン系プラストマーの内の少なくとも1種とを特定の組成で有する樹脂組成物を発泡させることにより得られ、第1の表面部と発泡部と第2の表面部とがこの順で、発泡シートの厚み方向に並んで配置されており、発泡シートの厚み方向の断面において、前記発泡部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、前記第1の表面部及び前記第2の表面部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の各断面積よりも5%以上狭い。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物を用いて得られており、複数の気泡を有するポリプロピレン系樹脂発泡シートに関する。また、本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法に関する。
従来、熱可塑性樹脂を発泡成形することにより得られる熱可塑性樹脂発泡体が、様々な用途に用いられている。上記熱可塑性樹脂発泡体は、例えば、包装用緩衝材及び自動車用構造部材等に多く用いられている。
また、熱可塑性樹脂発泡体の中でも、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、加工性及び柔軟性に優れることから、電子・電気機器に用いられる粘着シート、及びシーリング材の基材等として用いられている。中でも、電子・電気機器に用いられる粘着シートでは、薄型化及び軽量化の要求が高まっている。
また、電子・電気機器に用いられる粘着シートでは、強度に優れていることも求められる。従来、熱可塑性樹脂発泡体を薄くするために、スライス加工が行われている。しかし、熱可塑性樹脂発泡体をスライス加工しただけでは、強度が低くなるという問題がある。
また、下記の特許文献1〜3には、ポリオレフィン系樹脂発泡体が開示されている。
特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂を含む壁により区画された複数の気泡を有するポリオレフィン系樹脂薄層発泡シートが開示されている。このポリオレフィン系樹脂薄層発泡シートでは、厚みが0.05〜0.5mm、発泡倍率が2〜15倍、連続気泡率が30〜95%、気泡破れ率が1〜30%である。
特許文献2では、熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、かつ発泡剤として二酸化炭素(炭酸ガス)を用いて、円環状ダイにより押出発泡成形を行うことにより得られるポリオレフィン系樹脂発泡体が開示されている。上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、(a)ポリオレフィン系樹脂と、(b)(b1)エラストマーおよび(b2)プラストマーとを含む。上記(a)と(b)との配合割合は、重量比で90/10〜10/90の範囲である。上記(b1)と(b2)との配合割合は、重量比で90/10〜10/90の範囲である。
特許文献3には、発泡体層と表面層とを有する樹脂発泡体が開示されている。上記発泡体層と上記表面層とは同一組成である。上記表面層の表面被覆率は40%以上である。上記発泡体層の密度は0.20g/cm以下である。特許文献3では、上記樹脂発泡体を構成する樹脂は熱可塑性樹脂であり、この熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂が例示されている。上記表面層は加熱溶融処理により形成されている。上記樹脂発泡体の厚みは0.2〜5mmである。上記樹脂発泡体は、電気・電子機器類に用いられる。
特開2014−062245号公報 特開2014−084341号公報 特開2013−147667号公報
特許文献1〜3に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体では、引張強度が低いことがある。このため、ポリオレフィン系樹脂発泡体に引張応力が付与されると、発泡体が破断することがある。
また、特許文献1〜3に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体では、厚みを薄くすると、発泡体の引張強度が更に低くなるという問題がある。
本発明の目的は、引張強度が高いポリプロピレン系樹脂発泡シートを提供することである。また、本発明の目的は、引張強度が高いポリプロピレン系樹脂発泡シートを得るポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、ポリプロピレン系樹脂と、オレフィン系熱可塑性エラストマー及びポリエチレン系プラストマーの内の少なくとも1種とを含み、かつ、前記ポリプロピレン系樹脂と前記オレフィン系熱可塑性エラストマーと前記ポリエチレン系プラストマーとの合計100重量%中、前記ポリプロピレン系樹脂の含有量が10重量%以上、90重量%以下かつ前記オレフィン系熱可塑性エラストマーと前記ポリエチレン系プラストマーとの合計の含有量が10重量%以上、90重量%以下である樹脂組成物を発泡させることにより得られ、発泡シートの厚みの1/3の中央の領域に、複数の気泡を有する発泡部と、発泡シートの厚みの1/3の第1の外側の領域に、複数の気泡を有するか又は気泡を有さない第1の表面部と、発泡シートの厚みの1/3の第2の外側の領域に、複数の気泡を有するか又は気泡を有さない第2の表面部とを備え、前記第1の表面部と前記発泡部と前記第2の表面部とがこの順で、発泡シートの厚み方向に並んで配置されており、発泡シートの厚み方向の断面において、前記発泡部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、前記第1の表面部及び前記第2の表面部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の各断面積よりも5%以上狭い、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが提供される。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートのある特定の局面では、発泡シートの厚み方向の断面において、前記発泡部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、前記第1の表面部及び前記第2の表面部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の各断面積よりも10%以上狭い。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートのある特定の局面では、発泡シートの厚み方向の断面において、前記発泡部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、10%以上、70%以下、前記第1の表面部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、30%以上、100%以下、前記第2の表面部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、30%以上、100%以下である。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートのある特定の局面では、発泡シートは、加熱溶融処理を経て得られ、他の特定の局面では、発泡シートは、圧縮処理及び加熱溶融処理を経て得られる。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートのある特定の局面では、前記発泡部における前記気泡の平均アスペクト比が1.1以上、6.0以下である。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートのある特定の局面では、前記発泡部において、複数の前記気泡の長さ方向を平均した方向が、発泡シートの厚み方向と直交する方向と平行であるか、又は、発泡シートの厚み方向と直交する方向に対して、30°以下で傾斜した方向である。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートのある特定の局面では、平均厚みが0.05mm以上、0.5mm以下である。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートのある特定の局面では、発泡シートは、溶融押出発泡成形工程を経て得られる。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートのある特定の局面では、溶融押出発泡成形工程における流れ方向における発泡シートの引張強度が1MPa以上、20MPa以下であり、溶融押出発泡成形工程における流れ方向と直交する方向における発泡シートの引張強度が0.5MPa以上、15MPa以下である。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートのある特定の局面では、前記第1の表面部の外側の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、20μm以下であり、前記第2の表面部の外側の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、20μm以下である。
本発明の広い局面によれば、上述したポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法であって、前記樹脂組成物を発泡成形して、複数の気泡を有する発泡成形体を得る工程と、前記発泡成形体を圧縮処理及び加熱溶融処理することで、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得る工程とを備える、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法が提供される。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法のある特定の局面では、前記発泡成形体の厚みが0.2mm以上、3mm以下であり、前記発泡成形体の発泡倍率が5倍以上、25倍以下であり、前記発泡成形体における複数の前記気泡の平均気泡径が0.02mm以上、0.2mm以下である。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法のある特定の局面では、前記圧縮処理時に、前記発泡成形体の厚みに対して、得られるポリプロピレン系樹脂発泡シートの厚みが10%以上、95%以下となるように、圧縮処理を行う。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法のある特定の局面では、前記加熱溶融処理時の加熱温度が40℃以上、160℃以下であり、前記圧縮処理時の圧力が0.1MPa以上、1MPa以下である。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法のある特定の局面では、前記発泡成形体を得る工程において、円環状ダイを用い、前記円環状ダイが、気泡を生成させる気泡生成部と、生成した気泡を成長させる気泡成長部とを有する。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂と、オレフィン系熱可塑性エラストマー及びポリエチレン系プラストマーの内の少なくとも1種とを含み、かつ、上記ポリプロピレン系樹脂と上記オレフィン系熱可塑性エラストマーと上記ポリエチレン系プラストマーとの合計100重量%中、上記ポリプロピレン系樹脂の含有量が10重量%以上、90重量%以下かつ上記オレフィン系熱可塑性エラストマーと上記ポリエチレン系プラストマーとの合計の含有量が10重量%以上、90重量%以下である樹脂組成物を発泡させることにより得られ、発泡シートの厚みの1/3の中央の領域に、複数の気泡を有する発泡部と、発泡シートの厚みの1/3の第1の外側の領域に、複数の気泡を有するか又は気泡を有さない第1の表面部と、発泡シートの厚みの1/3の第2の外側の領域に、複数の気泡を有するか又は気泡を有さない第2の表面部とを備え、上記第1の表面部と上記発泡部と上記第2の表面部とがこの順で、発泡シートの厚み方向に並んで配置されており、発泡シートの厚み方向の断面において、上記発泡部の断面積100%に占める上記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、上記第1の表面部及び上記第2の表面部の断面積100%に占める上記樹脂組成物に由来する樹脂部分の各断面積よりも5%以上狭いので、引張強度を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートを示す断面SEM画像である。 図2は、発泡シートを得るために用いる発泡成形体(圧縮処理前及び加熱溶融処理前)を示す断面SEM画像である。 図3(a)及び(b)は、樹脂部分の比率の評価方法を説明するための図である。 図4は、発泡成形体の平均気泡径の測定方法を説明するための斜視図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡シート(以下、発泡シートと略記することがある)は、樹脂組成物(ポリプロピレン系樹脂組成物)を発泡させることにより得られる。上記樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂と、オレフィン系熱可塑性エラストマー及びポリエチレン系プラストマーの内の少なくとも1種とを含む。上記樹脂組成物において、上記ポリプロピレン系樹脂と上記オレフィン系熱可塑性エラストマーと上記ポリエチレン系プラストマーとの合計100重量%中、上記ポリプロピレン系樹脂の含有量が10重量%以上、90重量%以下であり、上記オレフィン系熱可塑性エラストマーと上記ポリエチレン系プラストマーとの合計の含有量が10重量%以上、90重量%以下である。
本発明に係る発泡シートは、発泡シートの厚みの1/3の中央の領域に発泡部と、発泡シートの厚みの1/3の第1の外側の領域に第1の表面部と、発泡シートの厚みの1/3の第2の外側の領域に第2の表面部とを備える。上記発泡部は、複数の気泡を有する。上記第1の表面部及び上記第2の表面部はそれぞれ、複数の気泡を有するか又は気泡を有さない。上記第1の表面部及び上記第2の表面部はそれぞれ、複数の気泡を有していてもよく、気泡を有していなくてもよい。本発明に係る発泡シートでは、上記第1の表面部と上記発泡部と上記第2の表面部とがこの順で、発泡シートの厚み方向に並んで配置されている。本明細書では、発泡シートを厚み方向に3分割した3つの領域をそれぞれ、第1の表面部、発泡部及び第2の表面部とする。
本発明に係る発泡シートでは、発泡シートの厚み方向の断面において、上記発泡部の断面積100%に占める上記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積Aが、上記第1の表面部及び上記第2の表面部のそれぞれの断面積100%に占める上記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積B,Cよりも5%以上狭い。
本発明では、上述した構成が備えられているので、発泡シートの引張強度を高めることができる。本発明者は、発泡シートの引張強度を高めるためには、特定の組成を有する樹脂組成物を用い、かつ、特定の発泡部、第1の表面部及び第2の表面部を形成すればよいことを見出した。
また、本発明では、第1の表面部及び第2の表面部における樹脂成分が、発泡部における樹脂成分よりも少ないため、発泡シートの表面状態を良好にすることができる。さらに、本発明に係る発泡シートでは、発泡していないシートと比べて、発泡部があるために柔軟性が高くなる。
引張強度と発泡シートの表面状態との双方を効果的に良好にする観点からは、発泡シートの厚み方向の断面において、上記発泡部の断面積100%に占める上記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積Aが、上記第1の表面部及び上記第2の表面部の断面積100%に占める上記樹脂組成物に由来する樹脂部分の各断面積B,Cよりも10%以上狭いことが好ましく、20%以上狭いことがより好ましい。
引張強度をより一層高める観点からは、発泡シートの厚み方向の断面において、上記発泡部の断面積100%に占める上記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積Aは、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下、更に好ましくは80%以下である。
引張強度をより一層高める観点からは、発泡シートの厚み方向の断面において、上記第1の表面部及び上記第2の表面積の断面積100%に占める上記樹脂組成物に由来する樹脂部分の各断面積B,Cは、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、更に好ましくは40%以上、好ましくは100%(全体)以下、より好ましくは100%未満、更に好ましくは95%以下である。
上記発泡シートは、加熱溶融処理を経て得られることが好ましい。上記樹脂組成物は、上記の組成を有するので、加熱溶融処理により、特定の第1の表面部及び特定の第2の表面部を容易に形成することができる。樹脂組成物を発泡成形して得られる発泡成形体を、加熱溶融処理することで、上記発泡シートが得られることが好ましい。上記発泡成形体は、例えば、加熱溶融処理前のシートである。上記発泡シートは、圧縮処理及び加熱溶融処理を経て得られることが好ましい。この場合に、上記発泡成形体は、例えば、圧縮処理前及び加熱溶融処理前のシートである。加熱溶融時に、圧縮処理を行うことが好ましい。加熱溶融処理によって、特定の組成を有する樹脂組成物を用いて特定の第1の表面部及び特定の第2の表面部を容易に形成することができ、発泡シートをより一層薄型化できる。また、圧縮処理によって、特定の組成を有する樹脂組成物を用いて特定の第1の表面部及び特定の第2の表面部をより一層容易に形成することができ、発泡シートをより一層薄型化できる。また、圧縮処理によって、気泡が扁平になり、荷重が付与された際の反発力が小さくなる。
上記発泡部における上記気泡の平均アスペクト比は好ましくは1を超え、より好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上、特に好ましくは1.3以上、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.5以下、更に好ましくは5.0以下、特に好ましくは4.0以下である。平均アスペクト比が上記下限以上及び上記上限以下であると、荷重が付与された際の反発力が小さいため、発泡シートを電気・電子機器類に使用した際の隙間の発生を防ぎ、埃及び水の電気・電子機器類の内部への侵入を防ぐことができる。アスペクト比は長径/短径である。平均アスペクト比は、複数の気泡のそれぞれのアスペクト比を求め、アスペクト比を平均することにより求められる。
上記発泡部において、複数の上記気泡の長さ方向を平均した方向が、発泡シートの厚み方向と直交する方向と平行であるか、又は、発泡シートの厚み方向と直交する方向に対して、30°以下で傾斜した方向であることが好ましい。上記気泡の長さ方向を平均した方向が、発泡シートの厚み方向と直交する方向に対して傾斜している場合に、傾斜角度はより好ましくは25°以下、更に好ましくは20°以下、特に好ましくは15°以下である。なお、後述する実施例では、発泡部における気泡は、発泡シートの厚み方向と直交する方向に延びる扁平状であり、傾斜角度は30°以下であった。
上記発泡シートの平均厚みは、好ましくは0.03mm以上、より好ましくは0.05mm以上、更に好ましくは0.07mm以上、好ましくは0.55mm以下、より好ましくは0.50mm以下、更に好ましくは0.45mm以下である。上記発泡シートの平均厚みが上記下限以上であると、引張強度がより一層高くなる。上記発泡シートの平均厚みが上記上限以下であると、薄型化の要求に対応可能である。また、本発明では、上記発泡シートの厚みが薄くても、また上記発泡シートの平均厚みが上記上限以下であっても、引張強度を充分に高くすることができる。
上記発泡シートは、溶融押出発泡成形工程などを経て得られていてもよい。上記発泡シートの流れ方向(MD方向)における発泡シートの引張強度は好ましくは0.5MPa以上、より好ましくは1MPa以上、更に好ましくは1.5MPa以上である。上記MD方向における引張強度の上限は特に限定されない。上記MD方向における引張強度は好ましくは20MPa以下である。
溶融押出発泡成形工程における流れ方向と直交する方向(TD方向)における発泡シートの引張強度は、好ましくは0.3MPa以上、より好ましくは0.5MPa以上、更に好ましくは0.7MPa以上である。上記TD方向における引張強度は好ましくは15MPa以下である。
本発明に係る発泡シートの製造方法は、樹脂組成物を発泡成形して、複数の気泡を有する発泡成形体を得る工程と、上記発泡成形体を圧縮処理及び加熱溶融処理することで、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得る工程とを備えることが好ましい。
発泡シートの引張強度を効果的に高める観点からは、上記発泡成形体の厚みは好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.3mm以上、好ましくは3.5mm以下、より好ましくは3.0mm以下、更に好ましくは2.5mm以下である。
特定の組成を有する樹脂組成物を用いて引張強度を効果的に高める観点からは、上記発泡成形体の発泡倍率は好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上、更に好ましくは15倍以上、好ましくは25倍以下、より好ましくは24倍以下、更に好ましくは23倍以下である。
特定の組成を有する樹脂組成物を用いて引張強度を効果的に高める観点からは、上記発泡成形体における上記平均気泡径は好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02mm以上、更に好ましくは0.03mm以上、好ましくは0.3mm以下、より好ましくは0.2mm以下、更に好ましくは0.15mm以下である。
上記圧縮処理時に、上記発泡成形体の厚みに対して、得られる発泡シートの厚みが好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、更に好ましくは15%以上、好ましくは98%以下、より好ましくは95%以下、更に好ましくは93%以下となるように、圧縮処理を行う。上記の厚みとなるように圧縮を行うと、厚みが適度に薄くなり、かつ引張強度も十分に高くなる。
発泡シートの引張強度を効果的に高める観点からは、上記加熱溶融処理時の加熱温度は好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃以上、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは150℃以下である。
発泡シートの引張強度を効果的に高める観点からは、上記圧縮処理時の圧力は好ましくは0.05MPa以上、より好ましくは0.1MPa以上、更に好ましくは0.15MPa以上、好ましくは1.1MPa以下、より好ましくは1.0MPa以下、更に好ましくは0.9MPa以下である。
引張強度をより一層高くし、更に表面状態がより一層良好である発泡シートを得る観点からは、上記第1の表面部の外側の表面及び上記第2の表面部の外側の表面のそれぞれの算術平均粗さRaは好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.15μm以上、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、更に好ましくは13μm以下である。上記算術平均粗さRaは、JIS B0601:1994に準拠して測定される。
上記発泡成形体を得る工程において、円環状ダイを用いることが好ましい。上記円環状ダイは、気泡を生成させる気泡生成部と、生成した気泡を成長させる気泡成長部とを有することが好ましい。上記気泡成長部は、上記気泡生成部の下流に位置する。また、上記円環状ダイは、一般に、気泡成長部の下流に、シート成形を行う成形部を有する。上記気泡生成部は、樹脂組成物が流れる流路の幅が狭まった部分であることが好ましい。上記気泡成長部は、樹脂組成物が流れる流路の幅が狭まった部分の下流において、流路の幅が拡がる部分であることが好ましい。
次に、樹脂組成物の詳細について説明する。
(樹脂組成物の詳細)
樹脂組成物は、(A)ポリプロピレン系樹脂と、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー及び(C)ポリエチレン系プラストマーの内の少なくとも1種とを含む。
引張強度がより一層高く、表面状態がより一層良好である発泡シートを得る観点からは、樹脂組成物は、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーと(C)ポリエチレン系プラストマーとの双方を含むことが好ましい。
樹脂組成物は、(D)黒色顔料を含まないか又は含む。表面状態が良好である発泡シートにおいて、ヒダ(コルゲート)及び汚れをより一層目立たなくする観点からは、樹脂組成物は、(D)黒色顔料を含んでいてもよい。
(A)ポリプロピレン系樹脂、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー、(C)ポリエチレン系プラストマー及び(D)黒色顔料はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(A)ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマーを重合させることにより得られる。(A)ポリプロピレン系樹脂は重合体である。重合体には共重合体が含まれる。(A)ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンモノマーの単独重合体、並びにプロピレンモノマーを主成分とする重合成分の共重合体が挙げられる。上記プロピレンモノマーを主成分とする重合成分の共重合体では、重合可能な重合成分100重量%中、プロピレンモノマーの含有量は50重量%以上であり、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。また、共重合の形態は、ランダムであってもよく、ブロックであってもよい。
(A)ポリプロピレン系樹脂としては、具体的には、プロピレンホモポリマー、プロピレンランダムポリマー及びプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。(A)ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマーの単独重合体であることが好ましく、プロピレンホモポリマーであることが好ましい。
(A)ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイト(MFR)は、試験温度230℃及び荷重21.18Nの条件で、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.2g/10分以上、更に好ましくは0.3g/10分以上、好ましくは5g/10分以下である。(A)ポリプロピレン系樹脂のMFRが上記下限以上及び上記上限以下であると、引張強度がより一層高く、表面状態がより一層良好である発泡シートが得られる。
引張強度がより一層高く、表面状態がより一層良好である発泡シートを得る観点からは、(A)ポリプロピレン系樹脂の230℃での溶融張力は、好ましくは0.3cN以上、より好ましくは0.5cN以上、好ましくは35cN以下、より好ましくは20cN以下である。また、溶融張力が上記下限以上及び上記上限以下であると、気泡をより一層微細にすることができ、発泡シートの第1の表面部の外側の表面及び第2の表面部の外側の表面の粗度が効果的に小さくなり、発泡シートの両側の表面がより一層平滑になる。
(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントを組み合わせた構造を有することが好ましい。(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーは、常温(25℃)でゴム弾性を示し、高温では熱可塑性樹脂と同様に可塑化されて成形できるという性質を有する。
(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーは、一般的には、ハードセグメントがポリプロピレン又はポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂であり、ソフトセグメントがエチレン−プロピレン−ジエン共重合体又はエチレン−プロピレン共重合体などのゴム成分又は非結晶性ポリエチレンである。
(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントとなるモノマーとソフトセグメントとなるモノマーとの重合を多段階で行い、重合反応容器内において直接製造される重合タイプのエラストマー;バンバリーミキサー又は二軸押出機などの混練機を用いて、ハードセグメントとなるポリオレフィン系樹脂と、ソフトセグメントとなるゴム成分とを物理的に分散させて製造されたブレンドタイプのエラストマー;バンバリーミキサー又は二軸押出機などの混練機を用いて、ハードセグメントとなるポリオレフィン系樹脂と、ソフトセグメントとなるゴム成分とを物理的に分散させる際に、架橋剤を加えることによって、ポリオレフィン系樹脂マトリックス中に、ゴム成分を完全架橋又は部分架橋させ、ミクロ分散させて得られる動的架橋されたエラストマー等が挙げられる。
(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーとして、非架橋エラストマー及び架橋エラストマーの双方を用いることが可能である。発泡シートのリサイクル性を高める観点からは、ハードセグメントとなるポリオレフィン系樹脂と、ソフトセグメントとなるゴム成分とを物理的に分散させて製造された非架橋エラストマーが好ましい。また、このような非架橋エラストマーは、上記円環状ダイでの押出発泡成形に好適に用いることができる。また更に、このような非架橋エラストマーの使用により、発泡シートをリサイクルし、再び押出機へ供給して押出発泡成形をする場合でも、架橋ゴムによる発泡不良などが抑えられる。
(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、及び塩素化ポリエチレンなどのオレフィン系エラストマー;スチレン系エラストマー;ポリエステル系エラストマー;ポリアミド系エラストマー;ポリウレタン系エラストマー等が挙げられる。
(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーがエチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーである場合に、ジエン成分としては、例えばエチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、及びジシクロペンタジエン等が挙げられる。このようなエチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーは、上記円環状ダイでの押出発泡成形に好適に用いることができる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
引張強度がより一層高く、表面状態がより一層良好である発泡シートを得る観点からは、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーは、試験温度230℃及び荷重21.18Nの条件で、MFRを有することが好ましく、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーのMFRは、好ましくは1g/10分以上、好ましくは15g/10分以下である。(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーのMFRが上記下限以上及び上記上限以下であると、引張強度がより一層高く、表面状態がより一層良好である発泡シートが得られる。
(C)ポリエチレン系プラストマーとしては、ポリオレフィン系樹脂とα−オレフィンなどの共重合体成分とを含むポリエチレン系重合体等が挙げられる。
α−オレフィンとしては、炭素数4〜8のα−オレフィンが好ましく、1−ブテン、1−へキセン又は1−オクテンがより好ましい。
エチレン/α−オレフィン共重合体としては、例えば、住友化学社製「エスプレンNO416」(エチレン−1−ブテン共重合体)、日本ポリエチレン社製「カーネルKS240T」(エチレン−1−ヘキセン共重合体)及びダウ・ケミカル社製「アフィニティーEG8100」(エチレン−1−オクテン共重合体)等が挙げられる。
(C)ポリエチレン系プラストマーの密度は、好ましくは0.85g/cm以上、好ましくは0.91g/cm以下である。上記密度が上記下限以上であると、発泡シートの引張強度が効果的に高くなる。上記密度が上記上限以下であると、発泡シートの柔軟性がより一層高くなる。
引張強度がより一層高く、表面状態がより一層良好である発泡シートを得る観点からは、(C)ポリエチレン系プラストマーは、試験温度190℃及び荷重21.18Nの条件で、MFRを有することが好ましく、(C)ポリエチレン系プラストマーのMFRは、好ましくは1g/10分以上、好ましくは15g/10分以下である。
樹脂組成物において、(A)ポリプロピレン系樹脂と(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーと(C)ポリエチレン系プラストマーとの合計100重量%中、(A)ポリプロピレン系樹脂の含有量が10重量%以上、90重量%以下であり、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーと(C)ポリエチレン系プラストマーとの合計の含有量が10重量%以上、90重量%以下である。(A)ポリプロピレン系樹脂と(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーと(C)ポリエチレン系プラストマーとを上記の含有量で用いることにより、引張強度が高く、表面状態が良好である発泡シートを得ることができる。引張強度がより一層高く、表面状態がより一層良好である発泡シートを得る観点からは、(A)ポリプロピレン系樹脂と(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーと(C)ポリエチレン系プラストマーとの合計100重量%中、(A)ポリプロピレン系樹脂の含有量は好ましくは15重量%以上、より好ましくは20重量%以上、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下であり、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーと(C)ポリエチレン系プラストマーとの合計の含有量は好ましくは15重量%以上、より好ましくは20重量%以上、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。
樹脂組成物において、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーの含有量に対するポリエチレン系プラストマー(C)の含有量の重量比((C)の含有量/(B)の含有量)は、好ましくは5/95以上、より好ましくは10/90以上、更に好ましくは15/85以上、特に好ましくは20/80以上、好ましくは95/5以下、より好ましくは90/10以下、更に好ましくは85/10以下、特に好ましくは80/20以下である。上記重量比((C)の含有量/(B)の含有量)が上記下限以上及び上記上限以下であると、引張強度がより一層高く、表面状態がより一層良好である発泡シートが得られる。また、発泡倍率を効果的に高くすることができ、発泡シートの柔軟性をより一層高くすることができる。
樹脂組成物において、(A)ポリプロピレン系樹脂と(B)オレフィン系熱可塑性エラストマーと(C)ポリエチレン系プラストマーとの合計の含有量は好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、好ましくは100重量%(全量)以下である。
樹脂組成物において、(D)黒色顔料の含有量は好ましくは2重量%以上、より好ましくは4重量%以上、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下である。
樹脂組成物のメルトフローレイト(MFR)は、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.15g/10分以上、更に好ましくは0.2g/10分以上、特に好ましくは0.25g/10分以上、好ましくは5g/10分以下、より好ましくは4.5g/10分以下、更に好ましくは4.0g/10分以下である。樹脂組成物のMFRが上記下限以上及び上記上限以下であると、引張強度がより一層高く、表面状態がより一層良好である発泡シートが得られる。また、樹脂組成物のMFRが上記下限以上であると、押出機の負荷が小さくなり、発泡シートの生産性が高くなり、樹脂組成物が円環状ダイの樹脂流路を効率的に流れる。
(A)ポリプロピレン系樹脂、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー、(C)ポリエチレン系プラストマー及び樹脂組成物のMFRは、JIS K7210:1999のB法に準拠して、試験温度230℃又は190℃及び荷重21.18Nの条件で測定される。
引張強度がより一層高く、表面状態がより一層良好である発泡シートを得る観点からは、上記ポリプロピレン系樹脂組成物の230℃での溶融張力は、好ましくは0.2cN以上、より好ましくは0.5cN以上、好ましくは20cN以下、より好ましくは15cN以下である。また、溶融張力が上記下限以上及び上記上限以下であると、気泡をより一層微細にすることができ、発泡シートの第1の表面部の外側の表面及び第2の表面部の外側の表面の粗度が効果的に小さくなり、発泡シートの両側の表面がより一層平滑になる。
(A)ポリプロピレン系樹脂及び樹脂組成物の溶融張力は、試験温度230℃及び荷重21.18Nの条件で測定される。
樹脂組成物とともに、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、各種の添加剤を用いてもよい。上記添加剤としては、界面活性剤、分散剤、耐候性安定剤、光安定剤、顔料、染料、難燃剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、補強剤及び帯電防止剤等が挙げられる。界面活性剤の使用により、滑性及びアンチブロッキング性がより一層高くなる。分散剤の使用により、各配合成分の分散性が高くなる。分散剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル及び高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
(ポリプロピレン系樹脂発泡シート及びポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法の他の詳細)
発泡成形には、発泡剤として、炭酸ガス(二酸化炭素)が用いられる。
発泡成形時に、樹脂組成物において、海島構造が形成されていることが好ましく、(A)ポリプロピレン系樹脂が海部であり、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー及び(C)ポリエチレン系プラストマーの内の少なくとも1種が島部であることが好ましい。この場合に、樹脂組成物にせん断が付与されたときに、島部が伸び縮みすることで、樹脂組成物の粘度が適度に高くなる。(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー及び(C)ポリエチレン系プラストマーを良好な島部にするために、(A)ポリプロピレン系樹脂の硬度(デュロ硬度)が、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー及び(C)ポリエチレン系プラストマーの硬度(デュロ硬度)よりも高いことが好ましい。(A)ポリプロピレン系樹脂の硬度は好ましくはD50以上であり、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー及び(C)ポリエチレン系プラストマーの硬度はそれぞれ好ましくはD50未満である。樹脂組成物にせん断が付与されたときに、樹脂組成物の粘度を適度に高める観点からは、(B)オレフィン系熱可塑性エラストマー及び(C)ポリエチレン系プラストマーの硬度は好ましくはD10以上である。
上記円環状ダイは押出機の先端に取り付けられる。押出機内で樹脂組成物は溶融混練される。上記押出機としては、単軸押出機、二軸押出機及びタンデム型押出機等が挙げられる。押出条件の制御が容易であるので、タンデム型押出機が好ましい。
樹脂流路の上記気泡生成部における樹脂組成物の押出量は、好ましくは15kg/時間以上、好ましくは50kg/時間以下である。押出量が上記下限以上及び上記上限以下であると、引張強度がより一層高く表面状態がより一層良好である発泡シートが得られ、発泡倍率をより一層高くし、気泡をより一層微細にすることができ、かつ連続気泡率及び気泡破れ率が適度である発泡シートを得ることができる。
押出量は、円環状ダイから押出される押出物(ポリプロピレン系樹脂組成物及び発泡剤など)の総重量である。
発泡性を適度に高める観点からは、樹脂組成物の溶融温度は、(A)ポリプロピレン系樹脂の融点をT℃としたときに、好ましくはT+10℃以上、好ましくはT+30℃以下である。溶融温度が上記下限以上であると、(A)ポリプロピレン系樹脂の結晶化が始まりにくく、溶融物の過度の粘度上昇が抑えられる。溶融温度が上記上限以下であると、発泡後の固化速度と発泡速度とが適度になり、発泡倍率を適度に高めることができる。
発泡成形体及び発泡シートにおいて、厚み方向の気泡数は2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。すなわち、発泡成形体及び発泡シートの両側の表面を厚み方向に結ぶ直線上で、気泡が2個以上又は3個以上配置されていることが好ましい。厚み方向の気泡数が3個以上であると、発泡シートの柔軟性がより一層高くなる。厚み方向の気泡数の上限は、発泡成形体及び発泡シートの厚み及び平均気泡径などによって適宜調整でき、特に限定されない。厚み方向の気泡数は50個以下であってもよい。
発泡シートは一般に、表面側の見掛け密度が内側の見掛け密度よりも高くなる傾向がある。発泡シートは、二次加工されてもよい。発泡シートは、例えば切断又は切削されて用いられてもよい。例えばカッター及びスプリッティングマシン等を用いて表面部分を切断して除去したり、サンドブラストを用いて表面部分を切削して除去したりしてもよい。切断又は切削後に、発泡シートの表面に、気泡が露出していることが好ましい。この場合には、発泡シートの柔軟性がより一層高くなる。
発泡シートの用途は特に限定されない。発泡シートは、包装用緩衝材及び自動車用構造部材等に用いられる。また、発泡シートは、加工性及び柔軟性に優れることから、電子・電気機器に用いられる粘着シート、及びシーリング材の基材等として用いられる。発泡シートの表面に粘着剤層を配置することで、粘着シートを得ることができる。発泡シートは、粘着シートに用いられることが好ましい。粘着シートは、電子・電気機器用粘着シートであることが好ましい。また、発泡シートは、これら以外の用途にも用いることができる。
以下に実施例を掲げて、本発明を更に詳しく説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂(MFR:0.3g/10分、プライムポリマー社製「E110G」)60重量部に、熱可塑性エラストマー(MFR:1.5g/10分、プライムポリマー社製「R110E」)20重量部と、メタロセンプラストマーであるポリエチレン(MFR:2.2g/10分、日本ポリエチレン社製「KS240T」)20重量部とを加えて、配合樹脂組成物100重量部を調製した。
得られた配合樹脂組成物100重量部に、気泡核剤としてのタルク(平均粒子径13μm)7重量部と、顔料(トーヨーケム社製「PPM OYA164 BLK−FD」)10重量部とを混合させて、樹脂組成物を調製した。
口径が65mmの第一押出機の先端に、口径が75mmの第二押出機を接続したタンデム型押出機を用意した。得られた樹脂組成物を、タンデム型押出機の第一押出機に供給して溶融混練した。第一押出機の途中から発泡剤として超臨界状態の二酸化炭素を4.2重量部圧入して、溶融状態の樹脂組成物と二酸化炭素を均一に混合混練した上で、発泡剤を含む溶融樹脂組成物を第二押出機に連続的に供給して、溶融混練しつつ発泡に適した樹脂温度に冷却した。
その後、第二押出機の先端に取り付けた金型の円環ダイ(気泡生成部口径φ36mm、発泡体成形部の出口口径φ70mm)から、吐出量30kg/hr、溶融物温度176℃、円環ダイ手前での溶融物圧力11.5MPaの条件で押出発泡させることで、円筒状の発泡体を得た。円環ダイの発泡体成形部において成形された円筒状の発泡体を、冷却されているマンドレル上に添わせるとともに、その外面をエアリングからエアーを吹き付けて冷却した。冷却された円筒状の発泡体を、マンドレル上の一点でカッターにより切開して、平均厚み2.0mmの樹脂発泡シートを得た。
得られた樹脂発泡シートをスプリッティングマシンによりスライス加工して表皮を除去し、両面がスライス加工された平均厚み1.0mmの発泡成形体(加熱プレス前、シート原反)を得た。
次に、誘電加熱ロールを用意し、加熱温度(プレス温度)100℃、ニップロール圧力(プレス圧力)0.3MPa、及び速度1.0m/minの条件で、得られた発泡成形体を誘電加熱ロールとニップロールの間を通した。この工程を発泡成形体の両面について行い、両面が加熱プレスされた平均厚み0.3mmの発泡シート(加熱プレス後)を得た。
得られた発泡シートは、発泡成形体に対して、圧縮率70%で圧縮されている。容易に潰すことが可能であった。24時間後の厚みを観察したところ、経時での復元はなく、形状を維持していた。
(実施例2)
プレス温度を120℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、両面が加熱プレスされた平均厚み0.2mmの発泡シートを得た。
得られた発泡シートは、発泡成形体に対して、圧縮率80%で圧縮されている。容易に潰すことが可能であった。24時間後の厚みを観察したところ、経時での復元はなく、形状を維持していた。
(実施例3)
プレス温度を140℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、両面が加熱プレスされた平均厚み0.1mmの発泡シートを得た。
得られた発泡シートは、発泡成形体に対して、圧縮率90%で圧縮されている。容易に潰すことが可能であった。24時間後の厚みを観察したところ、経時での復元はなく、形状を維持していた。
(実施例4)
プレス温度を90℃、プレス圧力を0.4MPaに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、両面が加熱プレスされた平均厚み0.3mmの発泡シートを得た。
得られた発泡シートは、発泡成形体に対して、圧縮率70%で圧縮されている。容易に潰すことが可能であった。24時間後の厚みを観察したところ、経時での復元はなく、形状を維持していた。
(実施例5)
樹脂発泡シートを、平均厚みを0.5mmになるように片面スライス加工したこと以外は、実施例1と同様にして、両面が加熱プレスされた平均厚み0.2mmの発泡シートを得た。
得られた発泡シートは、発泡成形体に対して、圧縮率60%で圧縮されている。容易に潰すことが可能であった。24時間後の厚みを観察したところ、経時での復元はなく、形状を維持していた。
(実施例6)
樹脂発泡シートを、平均厚みを1.5mmになるように片面スライス加工したこと以外は、実施例1と同様にして、両面が加熱プレスされた平均厚み0.2mmの発泡シートを得た。
得られた発泡シートは、発泡成形体に対して、圧縮率87%で圧縮されている。容易に潰すことが可能であった。24時間後の厚みを観察したところ、経時での復元はなく、形状を維持していた。
(実施例7)
ポリプロピレン樹脂(MFR:0.3g/10分、プライムポリマー社製「E110G」)80重量部に、熱可塑性エラストマー(MFR:1.5g/10分、プライムポリマー社製「R110E」)10重量部と、メタロセンプラストマーであるポリエチレン(MFR:2.2g/10分、日本ポリエチレン社製「KS240T」)10重量部とを加えて、配合樹脂組成物100重量部を調製した。この配合組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、両面が加熱プレスされた平均厚み0.3mmの発泡シートを得た。
得られた発泡シートは、発泡成形体に対して、圧縮率70%で圧縮されている。容易に潰すことが可能であった。24時間後の厚みを観察したところ、経時での復元はなく、形状を維持していた。
(実施例8)
ポリプロピレン樹脂(MFR:2.4g/10分、ボレアリス社製「WB135」)60重量部に、熱可塑性エラストマー(MFR:2g/10分、プライムポリマー社製「R110MP」)25重量部と、メタロセンプラストマーであるポリエチレン(MFR:20g/10min、日本ポリエチレン社製「KC650T」)15重量部とを加えて、配合樹脂組成物100重量部を調製した。この配合組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、両面が加熱プレスされた平均厚み0.3mmの発泡シートを得た。
得られた発泡シートは、発泡成形体に対して、圧縮率70%で圧縮されている。容易に潰すことが可能であった。24時間後の厚みを観察したところ、経時での復元はなく、形状を維持していた。
(比較例1)
実施例1で得られた発泡成形体を加熱プレスせずに、比較例1の発泡シートとした。
(比較例2)
プレス温度を20℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、両面が加熱プレスされた平均厚み0.9mmの発泡シートを得た。
得られた発泡シートは、発泡成形体に対して、圧縮率10%で圧縮されている。
(比較例3)
ポリプロピレン樹脂(MFR:0.3g/10分、プライムポリマー社製「E110G」)60重量部に、熱可塑性エラストマー(MFR:1.5g/10分、プライムポリマー社製「R110E」)40重量部を加えて、配合樹脂組成物100重量部を調製した。この配合組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、両面が加熱プレスされた平均厚み0.4mmの発泡シートを得た。
得られた発泡シートは、発泡成形体に対して、圧縮率60%で圧縮されている。
(比較例4)
ポリプロピレン樹脂(MFR:0.3g/10分、プライムポリマー社製「E110G」)60重量部に、メタロセンプラストマーであるポリエチレン(MFR:2.2g/10分、日本ポリエチレン社製「KS240T」)40重量部を加えて、配合樹脂組成物100重量部を調製した。この配合組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、両面が加熱プレスされた平均厚み0.3mmの発泡シートを得た。
得られた発泡シートは、発泡成形体に対して、圧縮率70%で圧縮されている。
(評価)
(1)平均厚み
シックネスゲージ(ミツトヨ社製「NO.547−301」)及びサイズφ10mmの厚み測定器を用いて、発泡成形体及び発泡シートのそれぞれの幅方向(TD方向)の厚みを、無荷重状態で、30mm間隔で12点測定した。測定値の平均値を、発泡成形体及び発泡シートの平均厚み(mm)とした。
(2)発泡倍率
JIS K 7222:1999に記載の方法に準拠して、次の方法で測定された発泡成形体及び発泡シートの見掛け密度と樹脂組成物(発泡成形体及び発泡シートの構成材料)の密度とから算出された値を、発泡成形体及び発泡シートの発泡倍率(倍)とした。
具体的には、発泡成形体及び発泡シートを、元のセル(気泡)構造を変えないように10cm以上(半硬質および軟質材料の場合には100cm以上)の試験片に切断した。試験片の重量及び体積を測定して、次式により見掛け密度を算出した。
見掛け密度(g/cm)=試験片重量(g)/試験片体積(cm
得られた見掛け密度と樹脂組成物(ポリプロピレン系樹脂、熱可塑性エラストマー、及びポリエチレン系プラストマー)の密度とを用いて、次式により発泡倍率を算出した。
発泡倍率(倍)=樹脂組成物の密度(g/cm)/見掛け密度(g/cm
(3)平均気泡径
発泡成形体(シート)を幅方向中央部からMD方向(押出方向:図4の矢印X1)、TD方向(押出方向に垂直な幅方向:図4の矢印X2)に沿ってシート面に垂直に切リ出して、断面を露出させた。露出した断面を、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製「S−3000N」又は日立ハイテクノロジーズ社製「S−3400N」)を用いて、20〜100倍に拡大して撮影した。
このとき、印刷した写真の上に描いた60mmの直線上に存在する気泡の数が10〜20個程度となる様に、電子顕微鏡での拡大倍率を調整した。
撮影した画像をA4用紙上に4画像ずつ印刷し、それぞれの方向に平行及び垂直な任意の一直線上(長さ60mm)にある気泡数から気泡の平均弦長(t)を次式により算出した。
平均弦長t(mm)=60/(気泡数×写真の倍率)
但し、試験片の厚みが薄く、VD方向(発泡シートの厚み方向:図4の矢印X3)に60mm長さ分の気泡数を数えられない場合には、30mm又は20mm分の気泡数を数えて60mm分の気泡数に換算した。任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにし、接してしまう場合には気泡数に含めた。計測は1方向につき画像2枚を用いて、それぞれ3箇所、計6箇所とした。
ミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」を用いて、写真上のスケールバーを1/100mmまで計測し、次式により写真の倍率を求めた。
写真倍率=スケールバー実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)
次式により各方向における気泡径を算出した。
D(mm)=t/0.616
さらにそれらの積の3乗根を平均気泡径(mm)とした。
平均気泡径(mm)=(DMD×DTD×DVD1/3
MD:MD方向の気泡径(mm)
TD:TD方向の気泡径(mm)
VD:VD方向の気泡径(mm)
(4)算術平均粗さRa
発泡シートにおける第1の表面部及び第2の表面部のそれぞれの外側の表面の算術平均粗さRaを測定した。算術平均粗さRaは、JIS B0601:1991「表面粗さの定義及び表示」に準拠して測定した。
具体的には、表面の平らな試料(表面が湾曲している場合は、平らな台紙に張り付け平らにする)を準備し、算術平均粗さRaを測定した。
測定装置として、高精度レーザー測定器(キーエンス社製「LT−9000」)、粗さ測定システム(コムス社製「MAP−2DS」)を用いた。
(5)樹脂部分の比率
発泡シートにおいて、次の方法で測定された値を、発泡部における樹脂成分の比率A(%)、第1の表面部における樹脂成分の比率B(%)、及び第2の表面部における樹脂成分の比率C(%)とする。
発泡シートを、それぞれ厚み方向に平行な直線を含む任意の面で切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製「S−3000N」)を用いて倍率100〜200倍に拡大して、厚み方向に全体が写るように撮影した。断面を走査型電子顕微鏡で測定する際に、発泡シートは、第1の表面部(加熱面)が上になるように測定した。
次に、発泡体評価ソフト(ナノシステム社製「Nano Hunter NS2 K−Pro」)に切断面の画像を取り込み、測定範囲を厚み方向に全体が含まれるようにした。目視で樹脂部分と気泡部分を識別し、樹脂部分を白色に塗った。その際に、走査型電子顕微鏡写真の断面のみを塗り、背面の気泡壁などは塗らないように気をつけた。例えば、図3(a)及び(b)に示すMD方向における画像処理前の電子顕微鏡写真およびMD方向における画像処理後の電子顕微鏡写真のように、2値化を行った。
2値化した画像から、厚み方向に3分割した第1の表面部(第1の外側の領域(上側))、発泡部(中央の領域)、及び第2の表面部(第2の外側の領域外側(下側))における樹脂部分の比率を算出した。
(6)引張強度
テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)、万能試験機データ処理ソフトUTPS−458X(ソフトブレーン社製)を用いて、以下の方法で測定された値を、MD方向及びTD方向の発泡シートの引張強度(MPa)とした。
JIS K6251:2010に規定するダンベル状3号形の打抜き刃を用いて、発泡シートの流れ方向(MD方向:押出方向)に発泡シートを打ち抜き、5枚の試験片を得た。幅方向(TD方向:押出方向に直交する方向)に発泡シートを打ち抜き、5枚の試験片を得た。
試験片を、JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間以上かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下にて測定した。つかみ具間隔を50mm、試験速度500mm/minで測定し、JIS K6251:2010規定の方法により算出した。但し、伸びはつかみ具間の距離から算出した。引張強さTS(MPa)は次式により算出される。
TS=Fm/Wt
TS:引張強さ(MPa)
Fm:最大の力(N)
W:打抜き刃形の平行部分の幅(mm)
t:平行部分の厚さ(mm)
(7)IPコード
IPコードは、JIS C0920電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)によるIPコード測定方法に準拠して、以下のようにして測定した。
各厚みの発泡シートを幅2mm、縦150mm×横150mm(内径縦148mm×横148mm)に抜いた試験片を用い、厚みが3mm、縦200mm×横200mmのアクリル板で試験片を挟み、試験サンプルとした。試験片は、厚みの50%圧縮になるようにアクリル板の四隅を均一に挟んだ。
無保護なものをIP00、直径1.0mm以上の外来固形物の侵入に対して保護され、かつ、鉛直から60度以内の噴霧水による水によって有害な影響を受けないものをIP43、直径1.0mm以上の外来固形物の侵入に対して保護され、かつ、いかなる方向からの飛沫によっても有害な影響を受けないものをIP44とした。若干の粉塵の侵入があっても正常な運転を阻害しない、かつ、規定の圧力及び時間で水中に浸漬しても有害な影響を受けないものをIP57とした。
詳細及び結果を下記の表1に示す。
また、図1に、本発明の一実施形態に係る発泡シートの厚み方向における断面SEM(走査型電子顕微鏡)画像を示した。図2に、発泡シートを得るために用いる発泡成形体(圧縮処理前及び加熱溶融処理前)の厚み方向における断面SEM画像を示した。

Claims (16)

  1. ポリプロピレン系樹脂と、オレフィン系熱可塑性エラストマー及びポリエチレン系プラストマーの内の少なくとも1種とを含み、かつ、前記ポリプロピレン系樹脂と前記オレフィン系熱可塑性エラストマーと前記ポリエチレン系プラストマーとの合計100重量%中、前記ポリプロピレン系樹脂の含有量が10重量%以上、90重量%以下かつ前記オレフィン系熱可塑性エラストマーと前記ポリエチレン系プラストマーとの合計の含有量が10重量%以上、90重量%以下である樹脂組成物を発泡させることにより得られ、
    発泡シートの厚みの1/3の中央の領域に、複数の気泡を有する発泡部と、
    発泡シートの厚みの1/3の第1の外側の領域に、複数の気泡を有するか又は気泡を有さない第1の表面部と、
    発泡シートの厚みの1/3の第2の外側の領域に、複数の気泡を有するか又は気泡を有さない第2の表面部とを備え、
    前記第1の表面部と前記発泡部と前記第2の表面部とがこの順で、発泡シートの厚み方向に並んで配置されており、
    発泡シートの厚み方向の断面において、前記発泡部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、前記第1の表面部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積よりも5%以上狭く、
    発泡シートの厚み方向の断面において、前記発泡部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、前記第2の表面部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積よりも5%以上狭い、ポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  2. 発泡シートの厚み方向の断面において、前記発泡部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、前記第1の表面部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積よりも10%以上狭く、
    発泡シートの厚み方向の断面において、前記発泡部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、前記第2の表面部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積よりも10%以上狭い、請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  3. 発泡シートの厚み方向の断面において、前記発泡部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、10%以上、70%以下、前記第1の表面部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、30%以上、100%以下、前記第2の表面部の断面積100%に占める前記樹脂組成物に由来する樹脂部分の断面積が、30%以上、100%以下である、請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  4. 加熱溶融処理を経て得られる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  5. 圧縮処理及び加熱溶融処理を経て得られる、請求項4に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  6. 前記発泡部における前記気泡の平均アスペクト比が1.1以上、6.0以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  7. 前記発泡部において、複数の前記気泡の長さ方向を平均した方向が、発泡シートの厚み方向と直交する方向と平行であるか、又は、発泡シートの厚み方向と直交する方向に対して、30°以下で傾斜した方向である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  8. 平均厚みが0.05mm以上、0.5mm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  9. 溶融押出発泡成形工程を経て得られる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  10. 溶融押出発泡成形工程における流れ方向における発泡シートの引張強度が1MPa以上、20MPa以下であり、
    溶融押出発泡成形工程における流れ方向と直交する方向における発泡シートの引張強度が0.5MPa以上、15MPa以下である、請求項9に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  11. 前記第1の表面部の外側の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、20μm以下であり、
    前記第2の表面部の外側の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上、20μm以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法であって、
    前記樹脂組成物を発泡成形して、複数の気泡を有する発泡成形体を得る工程と、
    前記発泡成形体を圧縮処理及び加熱溶融処理することで、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得る工程とを備える、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法。
  13. 前記発泡成形体の厚みが0.2mm以上、3mm以下であり、
    前記発泡成形体の発泡倍率が5倍以上、25倍以下であり、
    前記発泡成形体における複数の前記気泡の平均気泡径が0.02mm以上、0.2mm以下である、請求項12に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法。
  14. 前記圧縮処理時に、前記発泡成形体の厚みに対して、得られるポリプロピレン系樹脂発泡シートの厚みが10%以上、95%以下となるように、圧縮処理を行う、請求項12又は13に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法。
  15. 前記加熱溶融処理時の加熱温度が40℃以上、160℃以下であり、
    前記圧縮処理時の圧力が0.1MPa以上、1MPa以下である、請求項12〜14のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法。
  16. 前記発泡成形体を得る工程において、円環状ダイを用い、
    前記円環状ダイが、気泡を生成させる気泡生成部と、生成した気泡を成長させる気泡成長部とを有する、請求項12〜15のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法。
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