JP2016069430A - 混合型クロロプレンゴム系接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯蔵中におけるポットライフの短縮が抑制され、かつ接着性に優れる混合型クロロプレンゴム系接着剤を提供する。【解決手段】カルボキシル変性クロロプレンゴムを含む主剤(A)と、金属酸化物と溶解度パラメータが7.5〜8.5であるゴム又は熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物とを含む硬化剤(B)と、を有する、混合型クロロプレンゴム系接着剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、混合型クロロプレンゴム系接着剤に関する。
各種のゴム系接着剤のうち、クロロプレンゴム(以下、単に「CRゴム」ともいう)をベースとする混合型CRゴム系接着剤は様々な用途に用いられている。混合型CRゴム系接着剤は、溶剤にCRゴムを溶解させた主剤と、溶剤にイソシアネート化合物を溶解させた硬化剤とに分かれており、使用直前に主剤および硬化剤を混合して用いられる。混合型CRゴム系接着剤は、混合により均一な混合液となり、CRゴムとイソシアネート化合物との反応により硬化することで、接着性を発現する(例えば、特許文献1を参照)。
一般に、主剤には、接着性を向上させる目的で、酸化マグネシウム等の金属酸化物が配合される。金属酸化物は、主剤および硬化剤の混合によりCRゴムが硬化するときに、CRゴムの分子鎖に作用して架橋させることで接着性を向上させる。
また、接着性を向上させるため、CRゴムとして、カルボキシル基を有するカルボキシル変性クロロプレンゴム(以下、単に「カルボキシル変性CRゴム」ともいう)を用いることが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。カルボキシル基は極性基であるため、カルボキシル基を有するカルボキシル変性CRゴムは、カルボキシル基を有さないCRゴムよりも極性が高く、凝集力の大きなゴムである。そのため、硬化したときの接着性を向上させることができる。
特開昭63−27534号公報 特開平9−255928号公報
ところで、混合型CRゴム系接着剤では、主剤と硬化剤とを混合した後、塗布が可能な程度の粘度を維持している時間(いわゆるポットライフ)が適度な時間となるように調整されている。しかしながら、接着性を向上させるため、特許文献2に示すカルボキシル変性CRゴムを主剤に用いると、主剤の貯蔵安定性が低くなるため、貯蔵中にポットライフが短縮することがある。具体的に説明すると、主剤に含まれるカルボキシル変性CRゴムと金属酸化物とは反応性が高いため、これらが貯蔵中に徐々に反応することで主剤が硬化してしまう。その結果、貯蔵後に主剤と硬化剤とを混合して使用するときには、すでに硬化が進行しているため、ポットライフが短くなってしまう。ポットライフが短くなると、接着剤を塗布する作業時間が制限されるため、取り扱い性が低くなる。
本発明の目的は、貯蔵中におけるポットライフの短縮が抑制され、かつ接着性に優れる混合型クロロプレンゴム系接着剤を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、
カルボキシル変性クロロプレンゴムを含む主剤(A)と、
金属酸化物と溶解度パラメータが7.5〜8.5であるゴム又は熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物とを含む硬化剤(B)と、を有する、混合型クロロプレンゴム系接着剤が提供される。
本発明によれば、貯蔵中におけるポットライフの短縮が抑制され、かつ接着性に優れる混合型クロロプレンゴム系接着剤が得られる。
上述したように、混合型クロロプレンゴム系接着剤の接着性を向上させる観点からは、主剤に金属酸化物を配合するとともにCRゴムとしてカルボキシル変性CRゴムを用いるとよい。しかし、主剤にカルボキシル変性CRゴムと金属酸化物とが配合されていると、貯蔵中にカルボキシル変性CRゴムが金属酸化物により凝集して硬化することでポットライフが短くなってしまう。本発明者らの検討によると、カルボキシル変性CRゴムではCRゴムよりも極性が高く、金属酸化物との反応性がより高くなるので、凝集が生じやすく、ポットライフが短くなりやすいことが分かった。凝集を抑制するには、例えば配合する金属酸化物を減量することが考えられるが、金属酸化物の配合量が少なくなると、接着性が低くなるおそれがある。このように、主剤にカルボキシル変性CRゴムと金属酸化物とを一体的に配合する場合、高い接着性を維持しつつ、ポットライフの短縮を抑制するのは困難である。
このことから、上述の課題を解決するには、カルボキシル変性CRゴムと金属酸化物とを別体とするとよいことが見出された。すなわち、金属酸化物を、カルボキシル変性CRゴムを含む主剤(A)ではなく、イソシアネート化合物を含む硬化剤(B)に配合するとよいことが見出された。
ただし、金属酸化物は硬化剤(B)に配合されても凝集してしまうため、硬化剤(B)には金属酸化物を分散させるようなバインダ(結着成分)を配合する必要がある。このようなバインダとしては、カルボキシル変性CRゴムのような極性の高い成分では、金属酸化物と反応してしまうおそれがあるので、カルボキシル変性CRゴムよりも極性の低い成分を用いる必要がある。このような極性の低い成分について検討したところ、極性の指標である溶解度パラメータ(以下、単に「sp値」ともいう)で7.5〜8.5の範囲にあるゴム又は熱可塑性樹脂がよいことが見出された。このようなゴム又は熱可塑性樹脂は、金属酸化物が一緒に配合された場合であっても凝集しにくく、硬化しにくい。しかも、イソシアネート化合物とも反応しないので、貯蔵安定性を損ねることがない。
このように、カルボキシル変性CRゴムと金属酸化物とを別体とすることで、金属酸化物によるカルボキシル変性CRゴムの凝集およびそれに伴うポットライフの短縮を抑制できる。しかも、別体とすることでポットライフが短くなるおそれがないので、例えば、接着性を向上させるため、金属酸化物の配合量を増やしたり、カルボキシル基含量がより多いカルボキシル変性CRゴムを用いたりすることができる。
本発明は、上述の知見に基づいて成されたものである。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係る混合型クロロプレンゴム系接着剤について説明をする。
本実施形態に係る混合型クロロプレンゴム系接着剤は、主剤(A)と硬化剤(B)とを有する2液混合型の接着剤である。
主剤(A)はカルボキシル変性CRゴムと溶剤とを含み、カルボキシル変性CRゴムを溶剤に溶解することで形成されている。
カルボキシル変性CRゴムは、1分子中にカルボキシル基が導入されたCRゴムであって、CRゴムよりも高い極性を有している。そのため、凝集力が大きく、接着性に優れている。このようなカルボキシル変性CRゴムとしては、例えば、2−クロロ−1,3−ブタジエンとアクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーとを公知の方法で共重合あるいはグラフト重合することにより得られる。
カルボキシル変性CRゴムは、カルボキシル基の含量が多くなるほど極性が高くなるので、凝集力が高く、接着性に優れることになる。ただし、カルボキシル変性CRゴムの極性が高くなるにつれて、2液を混合した混合液の硬化反応(ゲル化)が速くなるため、適度なポットライフを確保できないおそれがある。したがって、高い接着性を維持しつつ、適度なポットライフを確保する観点からは、カルボキシル変性CRゴムのカルボキシル基の含有量は、好ましくは0.01質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上3.0質量%以下である。
主剤(A)に用いる溶剤としては、カルボキシル変性CRゴムを溶解できるものであれば特に限定されない。溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられ、これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶剤の配合量は、主剤(A)の固形分の濃度、つまり主剤(A)におけるカルボキシル変性CRゴムの濃度、に応じて適宜変更するとよい。固形分の濃度が高すぎると、2液を混合したときにカルボキシル変性CRゴムとイソシアネート化合物とが反応しやすくなるため、硬化反応が速くなり、適度なポットライフを確保できなくなるおそれがある。一方、固形分の濃度が低すぎると、硬化反応が遅くなり、接着性を発現するまでの時間が長くなるため、取り扱い性が低くなるおそれがある。したがって、溶剤は、固形分の濃度が20質量%以上35質量%以下となるように配合することが好ましい。このような配合量とすることにより、2液を混合したときに適度なポットライフを得ることができる。しかも、このような濃度であれば、混合するのに適した粘度となる。
硬化剤(B)は、金属酸化物と、sp値が7.5〜8.5であるゴム又は熱可塑性樹脂と、イソシアネート化合物と、溶剤とを含み、溶剤に所定のsp値のゴム又は熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物とを溶解させ、溶液中に金属酸化物を分散させることで形成されている。
金属酸化物は、カルボキシル変性CRゴムを架橋させ、カルボキシル変性CRゴムの硬化を促進させる助剤として作用する。金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
金属酸化物の配合量は、特に限定されない。上述したように、本実施形態では、カルボキシル変性CRゴムと金属酸化物とが別体となるように構成しているので、これらが貯蔵中に反応することがない。そのため、金属酸化物の配合量を自由に変更することができる。金属酸化物の配合量は、高い接着性を得る観点からは多いほどよいが、配合量の増加に応じて2液を混合したときの硬化反応が速くなるため、多すぎると、適度なポットライフを確保できないおそれがある。したがって、高い接着性とともに、適度なポットライフを得る観点からは、金属酸化物の配合量は、カルボキシル変性CRゴム100質量部に対して、好ましくは1質量部以上12質量部以下であり、より好ましくは3質量部以上10質量部以下である。
硬化剤(B)に含まれるゴム又は熱可塑性樹脂は、バインダとして作用し、金属酸化物を硬化剤(B)中に分散させるものである。本実施形態では、硬化剤(B)に配合するゴム又は熱可塑性樹脂として、金属酸化物と反応しにくく、反応により凝集して硬化しないような極性の低い成分を用いる。具体的には、sp値で7.5〜8.5である低極性の成分を用いる。sp値が8.5よりも大きな成分は、上述したカルボキシル変性CRゴムと同様に極性が高いため、金属酸化物と混合して一体となったときに反応により硬化助剤(B)が硬化してしまうおそれがある。その結果、2液を混合しにくく、硬化反応が十分に進行しないため、高い接着性を得られなくなる。なお、溶解度パラメータ(SP値)とは、Fedors法により測定され、物質(樹脂)の蒸発エネルギーおよびモル体積から算出される値である。
上述のゴム又は熱可塑性樹脂としては、sp値が7.5〜8.5のものであれば、特に限定されない。ゴムとしては、例えば、天然ゴム(sp値7.9〜8.4)、ブチルゴム(sp値7.7〜8.1)、イソプレンゴム(sp値7.9〜8.4)などを用いることができる。
低極性の成分としては、特に、天然ゴムが好ましい。天然ゴムは、ゴムや熱可塑性樹脂の中でも粘着性に優れており、2液を混合した混合液に粘着性を付与できる。粘着性により混合液はべた付くため、混合液が硬化して接着性を発現するまでの付着性を得られる。これにより、例えば、2液を混合した混合液を接着面に塗布し、被着体同士を貼り合わせたときに、これらを付着させて位置ずれ等を抑制でき、接着処理の作業性を向上させることができる。
低極性のゴム又は熱可塑性樹脂の配合量は、カルボキシル変性CRゴム100質量部に対して、好ましくは5質量部以上20質量部以下、より好ましくは7質量部以上15質量部以下である。5質量部未満であると、配合量が少ないため、硬化剤(B)中に金属酸化物を良好に分散できないおそれがある。20質量部を超えると、2液を混合したときに、混合物に占める低極性の成分の割合が過度に大きくなり、カルボキシル変性CRゴムなどの割合が小さくなるため、接着性が低下するおそれがある。
イソシアネート化合物は、カルボキシル変性CRゴムのカルボキシル基などと反応し、カルボキシル変性CRゴムを硬化させる。イソシアネート化合物としては、例えば、トリフェニルメタン−トリイソシアネート、チオリン酸トリス−(p−イソシアネート−フェニル)エステル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤(B)に用いる溶剤としては、所定のsp値のゴム又は熱可塑性樹脂などを溶解できるものであれば特に限定されず、上述した有機溶剤を用いることができる。硬化剤(B)に用いる溶剤は、主剤(A)に用いる溶剤と同じでもよく、異なってもよい。
なお、主剤(A)および硬化剤(B)には、接着剤の用途または要求される性能に応じて、増粘剤、充填剤、顔料、着色剤、酸化防止剤など、その他の添加剤が配合されてもよい。
また、主剤(A)および硬化剤(B)は、従来公知の方法により調製することができる。例えば、主剤(A)は、カルボキシル変性CRゴムと、必要に応じてその他の添加剤等を溶剤に溶解させることで調製される。また、硬化剤(B)は、ゴム又は熱可塑性樹脂と金属酸化物やその他の添加剤とを予め混練し、得られた混練物を溶剤に溶解させることにより調製するとよい。
本実施形態に係る混合型CRゴム系接着剤を用いた接着処理は、例えば、以下のように行うことができる。まず、使用直前に主剤(A)および硬化剤(B)の2液を混合する。得られた混合物を2つの被着体の接着面に塗布する。続いて、接着面を貼り合わせ、2つの被着体を圧着して常温に放置する。これにより、溶剤を乾燥させるとともに、カルボキシル変性CRゴムとイソシアネート化合物との反応、そしてカルボキシル変性CRゴムと金属酸化物との反応を進行させて硬化させることで、高い接着性を得ることができる。なお、硬化させるときに、加温や加圧をすることにより、反応を促進させ、接着性を発現するまでの時間を短縮し、接合処理に要する時間を短縮することもできる。
本実施形態に係る混合型CRゴム系接着剤は、様々な材質の被着体を接着するのに用いることができる。例えば、金属や、ゴム(天然ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴムなど)、樹脂(ポリウレタンやEVAなど)などの被着体を接着することができる。これらの中でも、ニトリルゴムやクロロプレンゴムなどの高い極性の材質からなる被着体の接着に好適に用いることができる。なお、接着は、同種の被着体同士に限定されず、異種の被着体同士でも行うことができる。
<本発明の一実施形態に係る効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、混合型CRゴム系接着剤は、カルボキシル変性CRゴムを含む主剤(A)と、金属酸化物とsp値が7.5〜8.5であるゴム又は熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物とを含む硬化剤(B)と、を有する。カルボキシル変性CRゴムと金属酸化物とを別体とすることで、これらが貯蔵中に反応してしまうことを抑制し、ポットライフの短縮を防止することができる。また、別体とすることで、金属酸化物の配合量を自由に変更することができるので、例えば、接着性の向上のために配合量を多くすることもできる。また、カルボキシル変性CRゴムは極性が大きく、凝集力に優れるので、2液を混合して硬化させたときに高い接着性を得られる。
(b)硬化剤(B)は、ゴムとして天然ゴムを含有する。天然ゴムは粘着性に優れているので、2液を混合した混合物の粘着性を向上させ、混合物にべた付きを付与する。混合物は、べた付きを有することで、硬化して粘着性を発現するまでの付着性を得られる。これにより、例えば、被着体を貼り合わせたときに付着させて位置ずれなどを抑制しつつ、接着できるので、接着処理の作業性を向上させることができる。
(c)硬化剤(B)は、金属酸化物を、主剤(A)に含まれるカルボキシル変性CRゴム100質量部に対して1〜12質量部含有する。1質量部以上とすることにより、高い接着性を得ることができる。12質量部以下とすることにより、2液を混合した混合物の反応による硬化速度を過度に速くならないように調整し、適度なポットライフを確保することができる。したがって、1〜12質量部とすることにより、2液を混合して硬化させるときに適度なポットライフを確保できるとともに、硬化後には高い接着性を得ることができる。
(d)カルボキシル変性CRゴムは、カルボキシル基の含有量が0.01〜5.0質量%である。0.01%以上とすることにより、高い接着性を得ることができる。5.0質量%以下とすることにより、2液を混合した混合物の反応による硬化速度を過度に速くならないように調整し、適度なポットライフを確保することができる。したがって、0.01〜5.0質量%とすることにより、2液を混合して硬化させるときに適度なポットライフを確保できるとともに、硬化後には高い接着性を得ることができる。
次に、本発明の実施例を説明する。
<材料>
本実施例で用いた材料は次のとおりである。
・カルボキシル変性クロロプレンゴム(東ソー株式会社製「スカイプレン510、スカイプレン510L」)
・金属酸化物として、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛
・低極性のゴムとして天然ゴム(DAU TIENG RUBBER CORPORATION 製「SVR−CV60」、sp値:8.13)
・イソシアネート化合物として、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート
・溶剤として、トルエンおよび酢酸エチル
・その他の添加剤として、東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールVN3」、DIC株式会社製「フェノライトTD−773」、およびモノクロロベンゼン
<接着剤の調製>
〔実施例1〕
実施例1では、以下に示す表1に基づいて材料を配合して主剤(A)よび硬化剤(B)を調製し、2液混合型接着剤を得た。
具体的には、まず、トルエン341.6質量部にカルボキシル変性クロロプレンゴムを100質量部と、その他の添加剤を39.5質量部とを添加して溶解させ、固形分濃度が29質量%である主剤(A)を調製した。
続いて、トルエン36質量部に、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛を合計で6.3質量部と、天然ゴムを11質量部と、酢酸エチルを37.9質量部と、イソシアネート化合物(トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート)を14質量部と、その他の添加剤を1.6質量部と、を添加して、酸化マグネシウム等を溶液中に分散させることにより、硬化剤(B)を調製した。なお、硬化剤(B)における固形分の濃度は29.3質量%であり、そのうち、金属酸化物は5.9質量%、天然ゴムは10.3質量%、イソシアネート化合物は13.1質量%であった。
これにより、実施例1の2液混合型接着剤を得た。
Figure 2016069430
〔比較例1〕
実施例1では、カルボキシル変性クロロプレンゴムと金属酸化物とを別体として主剤(A)および硬化剤(B)を調製したが、比較例1では、これらを別体とせずに一体として調製し、主剤(A´)と硬化剤(B´)とを有する2液混合型接着剤を調製した。
具体的には、まず、以下の表2に示すように、トルエン585.4質量部に、カルボキシル変性クロロプレンゴムを100質量部と、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛を合計で11.5質量部と、その他の添加剤を40.4質量部と、を添加して、ゴムを溶解させるとともに金属酸化物を分散させることにより、主剤(A´)を調製した。
続いて、トルエン52.3質量部に、イソシアネート化合物(トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート)を19.3質量部と、その他の添加剤を2.1質量部と、を添加して溶解させ、硬化剤(B´)を調製した。
Figure 2016069430
<評価方法>
実施例1,2および比較例1の接着剤について、接着性およびポットライフを測定し、評価した。
(接着性)
被着体として加硫ゴム2枚を用い、2液を混合した混合液をそれぞれに塗布し、互いに貼り合わせて、幅20mm、長さ165mmの試験片を作製した。そして、試験片を室温環境下に放置し、所定時間が経過した後、試験片に180°剥離試験を行うことにより各接着剤の接着力を測定した。
(ポットライフ)
各接着剤について、主剤や硬化剤等を所定量混合してガラス棒で撹拌し、ガラス棒を引き上げたときに混合液が追従しなくなるまでの時間を測定した。この時間が短いほど、ポットライフが短く、作業性が低いことを示す。
<評価結果>
実施例1の接着剤は、96時間放置した後の接着力が2.84N/mmであり、十分な接着性を有していることが確認された。また、カルボキシル変性クロロプレンゴムと金属酸化物とを別体としたため、ポットライフが1時間以上であり、ポットライフの短縮を抑制できることが確認された。
比較例1の接着剤は、48時間後の接着力が3.95N/mmであり、実施例1,2と同様に十分な接着性を有していることが確認された。一方、ポットライフは29分25秒であり、実施例1,2よりも短いことが確認された。これは、カルボキシル変性クロロプレンゴムと金属酸化物とを一体としたことで、主剤(A´)と硬化剤(C´)とが混合前に徐々に反応してしまったためと考えられる。
以上のように、カルボキシル変性クロロプレンゴムと金属酸化物とを別体とし、2液混合型のゴム系接着剤と構成することにより、高い接着性を維持しつつ、金属酸化物によるポットライフの短縮を抑制することができる。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
[付記1]
本発明の一態様によれば、
カルボキシル変性クロロプレンゴムを含む主剤(A)と、
金属酸化物と溶解度パラメータが7.5〜8.5であるゴム又は熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物とを含む硬化剤(B)と、を有する、混合型クロロプレンゴム系接着剤が提供される。
[付記2]
付記1の混合型クロロプレンゴム系接着剤において、好ましくは、
前記硬化剤(B)は、前記ゴムとして天然ゴムを含有する。
[付記3]
付記1又は2の混合型クロロプレンゴム系接着剤において、好ましくは、
前記硬化剤(B)は、前記金属酸化物を、前記主剤(A)に含まれる前記カルボキシル変性クロロプレンゴム100質量部に対して、1質量部以上12質量部以下含有する。
[付記4]
付記1〜3のいずれかの混合型クロロプレンゴム系接着剤において、好ましくは、
前記カルボキシル変性クロロプレンゴムは、カルボキシル基の含有量が0.01質量%以上5.0質量%以下である。
[付記5]
付記1〜4のいずれかの混合型クロロプレンゴム系接着剤において、好ましくは、
前記主剤(A)の固形分の濃度が20質量%以上35質量%以下である。

Claims (5)

  1. カルボキシル変性クロロプレンゴムを含む主剤(A)と、
    金属酸化物と溶解度パラメータが7.5〜8.5であるゴム又は熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物とを含む硬化剤(B)と、を有する、混合型クロロプレンゴム系接着剤。
  2. 前記硬化剤(B)は、前記ゴムとして天然ゴムを含有する、請求項1に記載の混合型クロロプレンゴム系接着剤。
  3. 前記硬化剤(B)は、前記金属酸化物を、前記主剤(A)に含まれる前記カルボキシル変性クロロプレンゴム100質量部に対して、1質量部以上12質量部以下含有する、請求項1または2に記載の混合型クロロプレンゴム系接着剤。
  4. 前記カルボキシル変性クロロプレンゴムは、カルボキシル基の含有量が0.01質量%以上5.0質量%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の混合型クロロプレンゴム系接着剤。
  5. 前記主剤(A)の固形分の濃度が20質量%以上35質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の混合型クロロプレンゴム系接着剤。
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