JP2016069352A - 共役ジエンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応生成ガスの爆発危険を回避しつつ、触媒上へのコーキングを抑制し、より安定的に高い収率でブタジエン等の共役ジエンの製造を行うことができる方法を提供することを目的とする。【解決手段】炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合して得られる混合ガスを反応器に供給する工程と、触媒の存在下、前記炭素原子数4以上のモノオレフィンの酸化脱水素反応により生成した対応する共役ジエンを含む反応生成ガスを得る工程とを有する共役ジエンの製造方法において、反応生成ガス中のブタジエン濃度が3〜9.5容量%であって、酸素濃度が2.0〜8.0容量%、かつ、1容量%以上の二酸化炭素を含む事を特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、共役ジエンの製造方法にかかり、特にn−ブテン等の炭素原子数4以上のモノオレフィンの接触酸化脱水素反応により、ブタジエン等の共役ジエンを製造する方法に関する。
共役ジエンの製造方法としては、下記の各特許文献に記載の方法が知られている。
特許文献1には、モリブデン、ビスマス及び鉄を含む酸化物触媒の存在下で流動床反応器を用いて、炭素数4以上のモノオレフィンと酸素とを接触させて共役ジエンを製造する方法において、反応温度が300〜420℃であって、且つ反応器の出口ガス中の酸素濃度が0.05〜0.7体積%である共役ジエンの製造方法が記載されている。
特許文献2には、モリブデン、ビスマス、スズを含む触媒を用いてモノオレフィン濃度13.8容量%、空気をモノオレフィンに対し2.4〜7.1倍量で用いる共役ジオレフィンの製造方法が示されている。
特許文献3には、炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合して反応器に供給する工程と、触媒の存在下、前記炭素原子数4以上のモノオレフィンの酸化脱水素反応により生成した対応する共役ジエンを含む生成ガスを得る工程とを有する共役ジエンの製造方法において、反応器に供給されるガス中の可燃性ガスの濃度が爆発上限界以上であり、かつ、前記生成ガス中の酸素濃度が2.5容量%以上、8.0容量%以下である共役ジエンの製造方法が開示されている。
特許文献4には、反応希釈ガスとして、オフガス処理工程から循環するオフガスを使用するブタジエンの製造方法が示されている。
特許文献5には、酸化クロム担持触媒を用いて、二酸化炭素を含む雰囲気でアルカンを脱水素してアルケンを製造する方法が示されている。
特許文献6には、触媒存在下、モノオレフィンの酸化脱水素反応により共役ジエンを製造する方法において、触媒層の空隙率を制御することが示されている。
特許文献7には、10容量%以上のモノオレフィン、該モノオレフィンに対し2.4〜7.1倍量の空気及び残量の反応に不活性なガスからなる混合ガスを、触媒存在下、気相接触反応させる、炭素数4〜6の共役ジオレフィンの製造方法が示されている。
特許文献8には、低酸素分圧下で二酸化炭素の生成を抑制して、不飽和アルデヒド、ブタジエンを得ることが示されている。
特開2010−120933号公報 特開昭59−116235号公報 特開2011−6395号公報 特開昭60−126235号公報 特開2008−266286号公報 特開2012−77074号公報 特開昭60−58928号公報 特開2013−43125号公報
ところで、特許文献2、3に記載されているように、酸化脱水素反応においては、原料の炭化水素などの可燃性ガスと酸素とを含むガスを使用するため、反応中での爆発を回避しなければならない。爆発を回避する方法の一つとして、ガス中の可燃性ガス濃度を、可燃性ガスの組成、酸素及びイナートガスから決定される爆発範囲から外すことが考えられる。
さらに、反応生成ガスから共役ジエン類を吸収等の操作で反応ガスから分離する方法においては、特許文献3、4に示されるように、生成ガス中の限界酸素濃度の制約があるため、反応ガス中の酸素濃度を下げざるを得なかった。
一方で特許文献3に記載の方法を用いることにより、ある程度は触媒上へのコーキングが抑制できていたが、n−ブテンなどの原料ガス中の直鎖状のモノオレフィンの濃度が高い原料ガスを使用すると、触媒へのコーキングが発生することがあった。またコーキングを回避する為に酸素濃度を高くすると限界酸素濃度を超えて爆発危険が増大する問題があった。
本出願人は、爆発範囲を詳細に検討したところ、ガスの温度が高くなると爆発範囲が顕著に拡大し、反応条件によっては爆発危険が生じる事が解った。具体的にはn−ブテン等のモノオレフィンの接触酸化脱水素反応によりブタジエン等の共役ジエンを製造する方法において、反応器出口部分はガス温度が高く、かつ可燃性物質、酸素が存在するのでもっとも爆発危険が高い部位になる事が判明した。それは、特許文献2〜4に示される常温付近の爆発範囲では反応器出口の爆発安全は判定出来ない重要な問題がある事が判明した。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであって、n−ブテン等のモノオレフィンの接触酸化脱水素反応によりブタジエン等の共役ジエンを製造する方法において、反応生成ガスの爆発危険を回避しつつ、触媒上へのコーキングを抑制し、より安定的に高い収率でブタジエン等の共役ジエンの製造を行うことができる方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく反応ガスの爆発範囲に詳細に検討を行なった結果、ブタジエン−空気−イナートガスの爆発範囲を示した三成分図で示される爆発限界から決定される限界酸素濃度が、温度条件により大きく変化する事、また使用するイナートガスの種類によっては、この限界酸素濃度の領域も変化することがわかった。
そして、それによって、原料ガス中のn−ブテン等の直鎖状のモノオレフィン濃度が低い場合であっても、生成ガス中の酸素濃度を高めることが出来、コーキングを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の共役ジエンの製造方法に関する。
[1]炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合して得られる混合ガスを反応器に供給する工程と、触媒の存在下、前記炭素原子数4以上のモノオレフィンの酸化脱水素反応により生成した対応する共役ジエンを含む反応生成ガスを得る工程とを有する共役ジエンの製造方法において、前記反応生成ガス中のブタジエン濃度が3〜9.5容量%であって、酸素濃度が2.0〜8.0容量%、かつ、1容量%以上の二酸化炭素を含む事を特徴とする共役ジエンの製造方法。
[2]前記混合ガス中のn−ブテン濃度が14.0容量%以下であることを特徴とする[1]に記載の共役ジエンの製造方法。
[3]前記触媒が、少なくともモリブデン、ビスマス及びコバルトを含有する複合酸化物触媒であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の共役ジエンの製造方法。
[4]前記原料ガスが、エチレンの2量化により得られる1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン若しくはこれらの混合物を含有するガス、n−ブタンの脱水素若しくは酸化脱水素反応により生成するブテン留分、又は重油留分を流動接触分解する際に得られる炭素原子数が4の炭化水素を含むガスであることを特徴とする[1]又は[2]又は[3]に記載の共役ジエンの製造方法。
本発明によれば、炭素原子数4以上のモノオレフィンの酸化脱水素反応により共役ジエンを製造するにあたり、反応器出口部での爆発範囲を縮小させる事が出来るので、反応ガス中の酸素濃度を高く保つことが出来、反応器の爆発危険を回避し、かつ触媒にコークのような炭素分が蓄積するのを抑制でき、より安定的にブタジエン等の共役ジエンの製造が可能になる。
本発明の共役ジエンの製造方法の実施の形態を示すプロセス図である。 25℃におけるブタジエン−空気−イナートガス(窒素)の爆発範囲を示した三成分図である。 350℃におけるブタジエン−空気−イナートガス(二酸化炭素/二酸化炭素−窒素等モル混合物/窒素)の爆発範囲を示した三成分図である。 350℃におけるブタジエン−空気−イナートガス(二酸化炭素/二酸化炭素−窒素等モル混合物/窒素)の限界酸素濃度を二酸化炭素濃度との関係で示した図である。 350℃における酸素−ブタジエンの爆発範囲と本発明の製造例、参考例をプロットした図である。 参考例1〜6の触媒へのコーク付着量を反応生成ガス中のブタジエン濃度との関係で示した図である。 製造例1〜6、参考例7〜9の触媒へのコーク付着速度を反応生成ガス中のブタジエン濃度との関係で示した図である。
以下に本発明の共役ジエンの製造方法の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されない。
本発明では、炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを触媒層を有する反応器に供給し、酸化脱水素反応により対応する共役ジエンを製造する。
<炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガス>
本発明の原料ガスは、炭素原子数4以上のモノオレフィンを含むが、この炭素原子数4以上のモノオレフィンとしては、ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン等のn−ブテン、イソブテン)、ペンテン、メチルブテン、ジメチルブテン等の炭素原子数4以上、好ましくは炭素原子数4〜6のモノオレフィンが挙げられ、接触酸化脱水素反応による対応する共役ジエンの製造に有効に適用することができる。この中でも、n−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン等のn−ブテン)からのブタジエンの製造に最も好適に用いられる。
また、前記の炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスとしては、単離した炭素原子数4以上のモノオレフィンそのものを使用する必要はなく、必要に応じて任意の混合物の形で用いることができる。例えばブタジエンを得ようとする場合には高純度のn−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)を原料ガスとすることもできるが、前述のナフサ分解で副生するC4留分(BB)からブタジエン及びi−ブテン(イソブテン)を分離して得られるn−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)を主成分とする留分(BBSS)やn−ブタンの脱水素又は酸化脱水素反応により生成するブテン留分を使用することもできる。また、エチレンの2量化により得られる高純度の1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン又はこれらの混合物を含有するガスを原料ガスとして使用しても差し支えない。
なお、このエチレンは、エタン脱水素、エタノール脱水、又はナフサ分解などの方法で得られるエチレンを使用することができる。更に、石油精製プラントなどで原油を蒸留した際に得られる重油留分を、流動層状態で粉末状の固体触媒を使って分解し、低沸点の炭化水素に変換する流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking)から得られる炭素原子数4の炭化水素類を多く含むガス(以下、「FCC−C4」と略記することがある)をそのまま原料ガスとする、又は、FCC−C4からリンや砒素などの不純物を除去したものを原料ガスとして使用しても差し支えない。なお、ここでいう、主成分とは、原料ガスに対して、通常40体積%以上、好ましくは60体積%以上、より好ましくは75体積%以上、特に好ましくは99体積%以上含む成分を示す。
また、本発明の原料ガス中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、任意の不純物を含んでいても良い。n−ブテン(1−ブテン及び2−ブテン)からブタジエンを製造する場合、含んでいても良い不純物として、具体的には、イソブテンなどの分岐型モノオレフィン;プロパン、n−ブタン、i−ブタン、ペンタンなどの飽和炭化水素;プロピレン、ペンテンなどのオレフィン;1,2−ブタジエンなどのジエン;メチルアセチレン、ビニルアセチレン、エチルアセチレンなどのアセチレン類等が挙げられる。この不純物の量は、通常40%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、特に好ましくは1%以下である。この量が多すぎると、主原料である1−ブテンや2−ブテンの濃度が下がって反応が遅くなったり、目的生成物であるブタジエンの収率が低下する傾向にある。また、本発明では、原料ガス中の炭素原子数4以上の直鎖型モノオレフィンの濃度は、特に限定されないが、通常は、50.00〜99.99vol%であり、好ましくは、55.00〜99.9vol%、更に好ましくは、60.00〜99.9vol%である。
<酸化脱水素反応触媒>
次に、本発明で好適に用いられる酸化脱水素反応触媒について説明する。本発明で用いる酸化脱水素反応触媒は、少なくともモリブデン、ビスマス及びコバルトを含有する複合酸化物触媒であることが好ましい。そして、この中でも、下記一般式(1)で表される複合酸化物触媒であることがより好ましい。
MoBiCoNiFeSi (1)
なお、式中、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。Yはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)及びタリウム(Tl)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。Zはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。
さらに、a〜jはそれぞれの元素の原子比を表し、a=12のとき、b=0.5〜7、c=0〜10、d=0〜10(但しc+d=1〜10)、e=0.05〜3、f=0〜2、g=0.04〜2、h=0〜3、i=5〜48の範囲にあり、またjは他の元素の酸化状態を満足させる数値である。
また、この複合酸化物触媒は、この複合酸化物触媒を構成する各成分元素の供給源化合物を水系内で一体化して加熱する工程を経て製造する方法がよい。例えば、前記各成分元素の供給源化合物の全部を水系内で一体化して加熱してもよい。なお、供給源化合物とは、所定の成分元素を含む化合物であり、後述する熟成処理によって、触媒としてその元素を供給できる化合物をいう。
その中でも、モリブデン化合物、鉄化合物、ニッケル化合物及びコバルト化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種とシリカとを含む原料化合物の水溶液若しくは水分散液、又はこれを乾燥して得た乾燥物を加熱処理して触媒前駆体を製造する前工程と、この触媒前駆体、モリブデン化合物及びビスマス化合物を水性溶媒とともに一体化し、乾燥、焼成する後工程とを有する方法で製造するのが好ましい。この方法を用いると、得られた複合酸化物触媒は、高い触媒活性を発揮するので、高収率でブタジエン等の共役ジエンを製造することができ、アルデヒド類含有量の少ない反応生成ガスを得ることができる。なお、水性溶媒とは、水、若しくはメタノール、エタノール等の水と相溶性を有する有機溶媒、又はこれらの混合物をいう。
次に、本発明に好適な複合酸化物触媒の製造方法について説明する。
まず、この複合酸化物触媒の製造方法においては、前記前工程で用いられるモリブデンが、モリブデンの全原子比(a)の内の一部の原子比(a)相当のモリブデンであり、前記後工程で用いられるモリブデンが、モリブデンの全原子比(a)からaを差し引いた残りの原子比(a)相当のモリブデンであることが好ましい。そして、前記aが1<a/(c+d+e)<3を満足する値であることが好ましく、さらに、前記aが0<a/b<8を満足する値であることが好ましい。
前記成分元素の供給源化合物としては、成分元素の酸化物、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、水酸化物、カルボン酸塩、カルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、水素酸、アセチルアセトナート、アルコキシド等が挙げられ、その具体例としては、下記のようなものが挙げられる。
Moの供給源化合物としては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸等が挙げられる。
Feの供給源化合物としては、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、酢酸第二鉄等が挙げられる。
Coの供給源化合物としては、硝酸コバルト、硫酸コバルト、塩化コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルト等が挙げられる。
Niの供給源化合物としては、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル等が挙げられる。
Siの供給源化合物としては、シリカ、粒状シリカ、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられる。
Biの供給源化合物としては、塩化ビスマス、硝酸ビスマス、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス等が挙げられる。また、X成分(Mg,Ca,Zn,Ce,Smの1種又は2種以上)やY成分(Na,K,Rb,Cs,Tlの1種又は2種以上)を固溶させた、BiとX成分やY成分との複合炭酸塩化合物として供給することもできる。
例えば、Y成分としてNaを用いた場合、BiとNaとの複合炭酸塩化合物は、炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムの水溶液等に、硝酸ビスマス等の水溶性ビスマス化合物の水溶液を滴下混合し、得られた沈殿を水洗、乾燥することによって製造することができる。
また、BiとX成分との複合炭酸塩化合物は、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの水溶液等に、硝酸ビスマス及びX成分の硝酸塩等の水溶性化合物からなる水溶液を滴下混合し、得られた沈殿を水洗、乾燥することによって製造することができる。
前記炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの代わりに、炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムを用いると、Bi、Na及びX成分との複合炭酸塩化合物を製造することができる。
その他の成分元素の供給源化合物としては、下記のものが挙げられる。
Kの供給源化合物としては、硝酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カリウム、酢酸カリウム等を挙げることができる。
Rbの供給源化合物としては、硝酸ルビジウム、硫酸ルビジウム、塩化ルビジウム、炭酸ルビジウム、酢酸ルビジウム等を挙げることができる。
Csの供給源化合物としては、硝酸セシウム、硫酸セシウム、塩化セシウム、炭酸セシウム、酢酸セシウム等を挙げることができる。
Tlの供給源化合物としては、硝酸第一タリウム、塩化第一タリウム、炭酸タリウム、酢酸第一タリウム等を挙げることができる。
Bの供給源化合物としては、ホウ砂、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸等を挙げることができる。
Pの供給源化合物としては、リンモリブデン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸、五酸化リン等を挙げることができる。
Asの供給源化合物としては、ジアルセノ十八モリブデン酸アンモニウム、ジアルセノ十八タングステン酸アンモニウム等を挙げることができる。
Wの供給源化合物としては、パラタングステン酸アンモニウム、三酸化タングステン、タングステン酸、リンタングステン酸等を挙げることができる。
Mgの供給源化合物としては、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。
Caの供給源化合物としては、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム等が挙げられる。
Znの供給源化合物としては、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられる。
Ceの供給源化合物としては、硝酸セリウム、硫酸セリウム、塩化セリウム、炭酸セリウム、酢酸セリウム等が挙げられる。
Smの供給源化合物としては、硝酸サマリウム、硫酸サマリウム、塩化サマリウム、炭酸サマリウム、酢酸サマリウム等が挙げられる。
前工程において用いる原料化合物の水溶液又は水分散液は、触媒成分として少なくともモリブデン(全原子比aの内のa相当)、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくとも一方、及びシリカを含む水溶液、水スラリー又はケーキである。
この原料化合物の水溶液又は水分散液の調製は、供給源化合物の水性系での一体化により行われる。ここで各成分元素の供給源化合物の水性系での一体化とは、各成分元素の供給源化合物の水溶液あるいは水分散液を一括に、あるいは段階的に混合及び熟成処理のうち少なくとも一方を行うことをいう。即ち、(イ)前記の各供給源化合物を一括して混合する方法、(ロ)前記の各供給源化合物を一括して混合し、そして熟成処理する方法、(ハ)前記の各供給源化合物を段階的に混合する方法、(ニ)前記の各供給源化合物を段階的に混合・熟成処理を繰り返す方法、及び(イ)〜(ニ)を組み合わせる方法のいずれもが、各成分元素の供給源化合物の水性系での一体化という概念に含まれる。ここで、熟成とは、工業原料もしくは半製品を、一定時間、一定温度等の特定条件のもとに処理して、必要とする物理性、化学性の取得、上昇あるいは所定反応の進行等を図る操作をいい、一定時間とは、通常10分〜24時間の範囲であり、一定温度とは通常室温〜水溶液又は水分散液の沸点範囲をいう。
前記の一体化の具体的な方法としては、例えば、触媒成分から選ばれた酸性塩を混合して得られた溶液と、触媒成分から選ばれた塩基性塩を混合して得られた溶液とを混合する方法等が挙げられ、具体例としてモリブデン化合物の水溶液に、鉄化合物とニッケル化合物及びコバルト化合物のうち少なくとも一方との混合物を加温下添加し、シリカを混合する方法等が挙げられる。
このようにして得られたシリカを含む原料化合物の水溶液又は水分散液を60〜90℃に加温し、熟成する。
この熟成とは、前記触媒前駆体用スラリーを所定温度で所定時間、撹拌することをいう。この熟成により、スラリーの粘度が上昇し、スラリー中の固体成分の沈降を緩和し、とりわけ次の乾燥工程での成分の不均一化を抑制するのに有効となり、得られる最終製品である複合酸化物触媒の原料転化率や選択率等の触媒活性がより良好となる。
前記熟成における温度は、60〜90℃が好ましく、70〜85℃がより好ましい。熟成温度が60℃未満では、熟成の効果が十分ではなく、良好な活性を得られない場合がある。一方、90℃を超えると、熟成時間中の水の蒸発が多く、工業的な実施には不利である。更に100℃を超えると、溶解槽に耐圧容器が必要となり、また、ハンドリングも複雑になり、経済性及び操作性の面で著しく不利となる。
前記熟成にかける時間は、2〜12時間がよく、3〜8時間が好ましい。熟成時間が2時間未満では、触媒の活性及び選択性が十分に発現しない場合がある。一方、12時間を超えても熟成効果が増大することはなく、工業的な実施には不利である。
前記撹拌方法としては、任意の方法を採用することができ、例えば、撹拌翼を有する撹拌機による方法や、ポンプによる外部循環による方法等が挙げられる。
熟成されたスラリーは、そのままで、又は乾燥した後、加熱処理を行う。乾燥する場合の乾燥方法及び得られる乾燥物の状態については特に限定はなく、例えば、通常のスプレードライヤー、スラリードライヤー、ドラムドライヤー等を用いて粉体状の乾燥物を得てもよいし、また、通常の箱型乾燥器、トンネル型焼成炉を用いてブロック状又はフレーク状の乾燥物を得てもよい。
前記の原料塩水溶液又はこれを乾燥して得た顆粒あるいはケーキ状のものは、空気中で200〜400℃、好ましくは250〜350℃の温度域で短時間の熱処理を行う。その際の炉の形式及びその方法については特に限定はなく、例えば、通常の箱型加熱炉、トンネル型加熱炉等を用いて乾燥物を固定した状態で加熱してもよいし、また、ロータリーキルン等を用いて乾燥物を流動させながら加熱してもよい。
加熱処理後に得られた触媒前駆体の灼熱減量は、0.5〜5重量%であることが好ましく、1〜3重量%であるのがより好ましい。灼熱減量をこの範囲とすることで、原料転化率や選択率が高い触媒を得ることができる。なお、灼熱減量は、次式により与えられる値である。
灼熱減量(%)=[(W−W)/W]×100
・W:触媒前駆体を150℃で3時間乾燥して付着水分を除いたものの重量(g)。
・W:付着水分を除いた前記触媒前駆体を更に500℃で2時間熱処理した後の重量(g)。
前記の後工程では、前記の前工程において得られる触媒前駆体とモリブデン化合物(全原子比aからa相当を差し引いた残りのa相当)とビスマス化合物の一体化を、水性溶媒下で行う。この際、アンモニア水を添加するのが好ましい。X、Y、Z成分の添加もこの後工程で行うのが好ましい。また、この発明のビスマス供給源化合物は、水に難溶性ないし不溶性のビスマスである。この化合物は、粉末の形態で使用することが好ましい。触媒製造原料としてのこれら化合物は粉末より大きな粒子のものであってもよいが、その熱拡散を行わせるべき加熱工程を考えれば小さい粒子である方が好ましい。従って、原料としてのこれらの化合物がこのように粒子の小さいものでなかった場合は、加熱工程前に粉砕を行うべきである。
次に、得られたスラリーを充分に撹拌した後、乾燥する。このようにして得られた乾燥品を、押出し成型、打錠成型、あるいは担持成型等の方法により任意の形状に賦形する。次に、このものを、好ましくは450〜650℃の温度条件にて1〜16時間程度の最終熱処理に付す。以上のようにして、高活性で、かつ目的とする酸化生成物を高い収率で与える複合酸化物触媒が得られる。
<分子状酸素含有ガス>
本発明の分子状酸素含有ガスとは、通常、分子状酸素が10容量%以上、好ましくは、15容量%以上、更に好ましくは20容量%以上含まれるガスのことであり、具体的に好ましくは空気である。なお、分子状酸素含有ガスを工業的に用意するのに必要なコストが増加するという観点から、分子状酸素の含有量の上限としては、通常50容量%以下であり、好ましくは、30容量%以下、更に好ましくは25容量%以下である。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、分子状酸素含有ガスには、任意の不純物を含んでいても良い。
<ガス供給>
本発明では、反応器に原料ガスを供給するにあたり、原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合し、その混合されたガス(以下、「混合ガス」呼ぶことがある)を反応器に供給する必要がある。なお、本発明の混合ガス中の、原料ガスの割合としては、通常、3.0容量%以上であり、好ましくは5.0容量%以上、更に好ましくは6.0容量%以上である。この下限値が大きくなるほど、反応器のサイズを小さくでき、建設費および運転に要するコストが低減する傾向にある。また、一方、上限は、25.0容量%以下であり、好ましくは、20.0容量%以下、更に好ましくは、18.0容量%以下である。この上限値が小さくなるほど、原料ガス中の触媒上へのコーキングの起因物質も低減するため、触媒のコーキングが発生しにくく好ましい。
また、前記混合ガス中のn−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン等のn−ブテン)等の炭素数4以上の直鎖状モノオレフィンの割合としては、1.0容量%以上であり、好ましくは3.0容量%以上であり、更に好ましくは5.0容量%以上である。一方で、上限は、20.0容量%以下であり、好ましくは16.0容量%以下であり、より好ましくは14.0容量%以下である。この割合が1.0容量%を下回ると得られる共役ジエンの量が下がるため、好ましくない。また、この割合が大きくなるほど、得られる共役ジエンの量が増えるが、コーキングが発生しやすくなり、その上限は14.0容量%以下がより好ましい。
本発明では、上述の原料ガスと共に、窒素ガスと二酸化炭素を含む不活性ガスを反応器に供給する。二酸化炭素を含む不活性ガスを用いることで、窒素ガスのみを使用する場合に比べて、混合ガスが爆鳴気を形成しにくくなり生成ガスの爆発範囲の領域が従来よりも狭くなる。そのため、二酸化炭素を反応器に供給することで限界酸素濃度が高くなるので、酸素濃度を高くする事が可能になり触媒のコーキングを抑制する事が出来る。
二酸化炭素を加えることで、限界酸素濃度が高くなることは、後述の実施例における[不活性ガス−空気−可燃性ガス爆発範囲の測定]における実験結果からも明らかである。
すなわち、この実験において、反応器出口における高温状態を想定して350℃での限界酸素濃度を測定すると、図3に示すとおり、6.7%(不活性ガス:窒素のみ)と、25℃での10%(図2)に比べて限界酸素濃度が低くなってしまうが、不活性ガスを窒素:二酸化炭素=1:1(体積比)としたときは8.7%、不活性ガスを二酸化炭素100容量%としたときは10.4%と、二酸化炭素を不活性ガスの成分として加えることにより、限界酸素濃度を高くすることができるのである。
反応器に上記の不活性ガスを供給する場合、前記原料ガスの供給量に対して1〜50の比率(体積比)で導入することが好ましい。この比率が大きくなるほど、後工程の生成ガスを圧縮する工程の負荷が上がる傾向にあり、小さくなるほど、反応器に供給する水蒸気の使用量が増加する傾向にある。そのため、不活性ガスを前記原料ガスの供給量に対して、好ましくは、2〜40、更に好ましくは、5〜20の比率(体積比)で供給する。
この不活性ガス中の二酸化炭素の含有割合は、反応生成ガス中の濃度を基準に決定する必要があり、反応生成ガス中の濃度として1.0容量%以上がよく、2.0容量%以上が好ましい。より好ましくは2.5容量%以上とするのが好ましい。1.0容量%より少ないと、爆発限界を外すために、酸素濃度を低くする必要があり、コーキングが生じる場合がある。一方、含有割合の上限は特にないが、二酸化炭素濃度を高くするためには実用上新たに二酸化炭素を供給する一方、窒素をパージする必要があり経済性の観点から好ましくない。
実用的な二酸化炭素の供給方法としては、反応生成ガスから共役ジエン等と分離除去した後の窒素、酸素、二酸化炭素等を含むガスを反応器へ不活性ガスとして循環供給するのが望ましく、その場合の反応器出口での二酸化炭素の濃度は反応で生成する二酸化炭素の割合にもよるが、一般的には30容量%程度以下になる。もちろん経済的に許容できれば新たに二酸化炭素を供給して反応ガス中の二酸化炭素濃度を高くして限界酸素濃度を高くする(爆発範囲を縮小させる)ことも何ら問題ない。
また、上記の不活性ガスと共に水(水蒸気)を供給してもよい。反応器に水蒸気を供給する場合、前記原料ガスの供給量に対して0.5〜5.0の比率で導入することが好ましい。この比率が大きくなるほど、廃水量が増加する傾向にあり、小さくなるほど、目的生成物であるブタジエンの収率が低下する傾向にある。そのため、水蒸気を前記原料ガスの供給量に対して、好ましくは、0.8〜4.5であり、更に好ましくは、1.0〜4.0である。
原料ガスと分子状酸素含有ガスの混合ガス、及び必要により供給される不活性ガス、及び水(水蒸気)を供給する方法は特に限定されず、別々の配管で供給してもよいが、爆鳴気の形成を確実に回避するために、混合ガスを得る前に、予め不活性ガスを原料ガス、もしくは分子状酸素含有ガスに供給しておき、その状態で、原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合して混合ガスを得、該混合ガスを供給することが好ましい。
反応器に供給する混合ガスは、酸素と可燃性ガスの混合物であることから、爆発範囲に入らないように各々のガス(原料ガス、空気、及び必要に応じて窒素ガスと水(水蒸気))を供給する配管に設置された流量計にて流量を監視しながら、混合ガスの反応器入り口の組成制御を行い、上記のような混合ガス組成に調整することができる(C留分を用いた場合)。
なお、ここでいう爆発範囲とは、酸素と可燃性ガスを含むガスが何らかの着火源の存在下で着火するような組成を持つ範囲のことである。例えば、可燃性ガスとしてブタジエンを用い、これと空気及びイナートガス(Nガス)を用いた場合の爆発範囲は、後述する方法で測定した結果、図2に示す可燃性ガスブタジエン−空気−イナートガスの三成分図において、左下の方の網掛け部分となる。
一般的に、ガス中の可燃性ガスの濃度がある値より低いと着火源が存在しても着火しないことが知られており、この濃度を爆発下限界という。また、ガス中の可燃性ガスの濃度がある値より高いとやはり着火源が存在しても着火しないことが知られており、この濃度を爆発上限界という。各々の値はガス中の酸素濃度に依存しており、一般に酸素濃度が低いほど両者の値が近づき、酸素濃度がある値になったとき両者が一致する。このときの酸素濃度を限界酸素濃度と言い、酸素濃度がこれより低ければ可燃性ガスの濃度によらずガスは着火しない。
酸素濃度の管理については、労働安全衛生総合研究所技術指針、静電気安全指針2007、p73、(独立行政法人 労働安全衛生総合研究所発行)には限界酸素濃度に少なくとも2%のマージンを取る事(酸素濃度を、[限界酸素濃度(%)−2(%)]以下とすること)が記載されており、これを参考に爆発を回避した反応条件の設定が行われる。この2%のマージンについては、運転の安定性や計器精度も含め十分検討が行われ低減することは可能性であろう。
酸化脱水素反応では、酸化脱水素反応器に供給するガス中の可燃性ガスの濃度が爆発上限界以上であることが必要であるが、酸化脱水素反応を開始する際、予め反応器に供給する分子状酸素含有ガス、不活性ガス、水蒸気の量を調整して反応器入り口の混合ガス中の酸素濃度が限界酸素濃度以下になるようにしてから可燃性ガス(主に原料ガス)の供給を開始し、次いで混合ガス中の可燃性ガス濃度が爆発上限界よりも高くなるように可燃性ガス(主に原料ガス)と空気などの分子状酸素含有ガスの供給量を増やしていくのがよい。可燃性ガス(主に原料ガス)と分子状酸素含有ガスの供給量を増やしていくときに窒素及び水蒸気のうち少なくとも一方の供給量を減らして混合ガスの供給量が一定となるようにしてもよい。こうすることで、配管および反応器における混合ガスの滞留時間を一定に保ち、圧力の変動を抑えることができる。
本発明では反応生成ガス中の酸素濃度が2.0〜8.0容量%、ブタジエン濃度を3.0〜9.5容量%とすると共に二酸化炭素の濃度を1.0容量%以上にする必要がある。反応生成ガスとは触媒層において酸化脱水素反応された後のガスであり、具体的には流動床反応器であれば希薄層とよばれる反応器の上部部分、固定床反応器であれば触媒層を出た後の反応器の空間部分に存在するガスを言う。
この反応生成ガス中の酸素濃度が下限界以下となると触媒のコーキングが増加する傾向にあり、逆に高くなると爆発の危険性が増大する。
ブタジエン濃度が下限界以下になると生産効率が低下し経済的に不利となる傾向があり、上限界以上となると触媒のコーキングが増大する傾向がある。
二酸化炭素の濃度が下限界以下となると限界酸素濃度が低くなり、爆発危険が増大する問題がある。
生成ガス中の酸素濃度は、磁気ダンベル式などの公知の酸素濃度計やガスクロマトグラフィーを使用して測定することができる。ブタジエン濃度はガスクロマトグラフィーを使用して測定するのが一般的である。それぞれの測定は反応ガスを冷却して水分を凝縮分離した後で測定するのが一般的である。
<反応器>
本発明の酸化脱水素反応に用いられる反応器は特に限定されないが、具体的には、管型反応器、槽型反応器、又は流動床反応器が挙げられ、好ましくは、固定床反応器、より好ましくは固定床の多管式反応器やプレート式反応器であり、最も好ましくは固定床の多管式反応器である。
<反応条件>
本発明の酸化脱水素反応は発熱反応であり、反応により温度が上昇するが、本発明では、通常、反応温度は250〜450℃、好ましくは、320〜420℃の範囲に調整される。この温度が大きくなるほど、触媒活性が急激に低下しやすい傾向にあり、小さくなるほど、目的生成物である共役ジエンの収率が低下する傾向にある。反応温度は、熱媒体(例えば、ジベンジルトルエンや亜硝酸塩など)を使用して制御することができる。なお、ここでいう反応温度は熱媒体の温度のことである。
また、本発明における反応器内温度は、特に限定されないが、通常、250〜450℃、好ましくは、320〜420℃、更に好ましくは、340〜410℃である。触媒層の温度が450℃を超えると、反応を継続するに従って、急激に触媒活性が低下する恐れがある傾向にあり、一方、触媒層の温度が250℃を下回ると、目的生成物である共役ジエンの収率が低下する傾向にある。反応器内温度は、反応条件によって決定されるが、触媒層の希釈率や混合ガスの流量等で制御することができる。なお、ここでいう反応器内温度とは、反応器出口での生成ガスの温度、又は触媒層を有する反応器の場合は、その触媒層の温度のことである。
本発明の反応器内の圧力は、特に限定されないが、下限は、通常、0MPaG以上、好ましくは、0.001MPaG以上、更に好ましくは、0.01MPaG以上である。この値が大きくなるほど、反応器に反応ガスを多量に供給できるというメリットがある。一方、上限は、0.5MPaG以下であり、好ましくは0.3MPaG以下、更に好ましくは、0.1MPaGである。この値が小さくなるほど、爆発範囲が狭くなる傾向にある。
本発明における反応器の滞留時間は、特に限定されないが、下限は、通常0.36秒以上、好ましくは、0.80秒以上、更に好ましくは0.90秒以上である。この値が大きくなるほど、原料ガス中のモノオレフィンの転化率が高くなるというメリットがある。一方、上限は、3.60秒以下であり、好ましくは2.80秒以下、更に好ましくは、2.10秒である。この値が小さくなるほど、反応器が小さくなる傾向にある。
なお、本発明では、反応器の後段に後工程として、冷却工程、脱水工程、溶媒吸収工程、精製工程なども必要に応じて設けても良い。
[プロセスの実施形態]
以下に、図面を参照して、本発明の共役ジエンの製造方法に関するプロセスの実施形態について、ブタジエンを製造する例を挙げて説明する。
図1は本発明プロセスの実施の態様の一つである。この図1において、1は反応器(反応塔)、2はクエンチ塔、3,6,13は冷却器(熱交換器)、4,7,14はドレンポット、8A,8Bは脱水塔、9は加熱器(熱交換器)、10は溶媒吸収塔、11は脱気塔、12は溶媒分離塔を示し、符号100〜126は配管を示す。
なお、図1においては、原料としてBBSSを用い、得られる共役ジエンとしてブタジエンを用いた場合を示す。
原料となるn−ブテン或いは前述のBBSS等のn−ブテンを含む混合物を、気化器(図示せず)でガス化して、配管101より導入すると共に、配管102、103、104より、窒素ガス、空気(分子状酸素含有ガス)、及び水(水蒸気)をそれぞれ導入すると共に、配管102より二酸化炭素を導入し、これらの混合ガスを予熱器(図示せず)で150〜400℃程度に加熱した後、配管100より触媒が充填された多管式の反応器1(酸化脱水素反応器)に供給する。反応器1からの反応生成ガスは、配管105よりクエンチ塔2に送給され、20〜99℃程度に冷却される。
クエンチ塔2には、配管106より冷却水が導入され、生成ガスと向流接触する。そして、この向流接触で生成ガスを冷却した水は、配管107より排出される。なお、この冷却排水は、熱交換器(図示せず)で冷却されて再度クエンチ塔2において循環使用される。
クエンチ塔2で冷却された生成ガスは、塔頂から留出され、次いで配管108より冷却器3を経て室温に冷却される。冷却により発生した凝縮水は配管109よりドレンポット4に分離される。水分離後のガスは更に配管110を経て圧縮機5で0.1〜0.5MPa程度に昇圧され、昇圧ガスは配管111を経て冷却器6で再度10〜30℃程度に冷却される。冷却により発生した凝縮水は配管112よりドレンポット7に分離される。水分離後の圧縮ガスは、モレキュラーシーブ等の乾燥剤が充填された脱水塔8A,8Bに導入され脱水処理される。脱水塔8A,8Bは圧縮ガスの脱水と乾燥剤の加熱乾燥による再生とが交互に行われる。即ち、圧縮ガスは、まず、配管113,113aを経て脱水塔8Aに導入されて脱水処理され、配管114a,114を経て溶媒吸収塔10に送給される。
この間に、脱水塔8Bには、配管122、加熱器9、配管123,123a,123bを経て150〜250℃程度に加熱された窒素ガスが導入され、乾燥剤の加熱による水分の脱着が行われる。脱着した水分を含む窒素ガスは、配管124a,124b、124を経て冷却器13で室温まで冷却され、凝縮水が配管125よりドレンポット14に分離された後、配管126より排出される。
脱水塔8Aの乾燥剤が飽和に達したら、ガス流路を切り換え、脱水塔8Bで圧縮ガスの脱水処理を行い、脱水塔8A内の乾燥剤の再生を行う。
脱水工程における脱水塔内の乾燥剤の再生時間は、特に限定されないが、通常6〜48時間、好ましくは、12〜36時間、更に好ましくは18〜30時間である。
脱水塔8A,8Bからの脱水ガスは、必要に応じて冷却器(図示せず)で10〜30℃程度に冷却された後、溶媒吸収塔10に送給され、配管115からの溶媒(吸収溶媒)と向流接触される。これにより、脱水ガス中の共役ジエンや未反応の原料ガスが吸収溶媒に吸収される。吸収溶媒に吸収されなかった成分(offガス)は、溶媒吸収塔10の塔頂より配管117を経て排出され燃焼廃棄される。このとき、吸収溶媒として、トルエンのような比較的沸点の低い溶媒を用いると経済的に無視できない量の溶媒が配管117を経て揮散することがある。このような場合はより沸点の高い溶媒を用いて沸点の低い溶媒を回収する工程を配管117の先に設けてもよい。この溶媒吸収塔10で、ブタジエンや未反応の原料ガスを吸収溶媒に吸収した溶媒吸収液は、溶媒吸収塔10の塔底より抜き出され、配管116より脱気塔11に送給される。溶媒吸収塔10で得られるブタジエンの溶媒吸収液には、若干量の窒素、酸素も吸収されているため、次いでこの溶媒吸収液を脱気塔11に供給して加熱することにより、液中に溶存する窒素や酸素をガス化して除去する。
この際、ブタジエンや原料ガス、溶媒の中には、その一部がガス化することがあるため、この脱気塔11の塔頂に設けたコンデンサ(図示せず)でこれを液化して溶媒吸収液中に回収する。凝縮しなかった原料ガス、ブタジエン等は窒素、酸素の混合ガスとして配管118より抜き出され、共役ジエンの回収率を高めるために圧縮機5の入口側へ循環され再度処理が行われる。一方、溶媒吸収液を脱気した脱気処理液は配管119より溶媒分離塔12へ送給される。
溶媒分離塔12では、リボイラとコンデンサにより共役ジエンの蒸留分離が行われ、塔頂より配管120を経て粗ブタジエン留分が抜き出される。分離された吸収溶媒は塔底より配管121を経て抜き出され、溶媒吸収塔10の吸収溶媒として循環使用される。
[調製例1](複合酸化物触媒の調製)
パラモリブデン酸アンモニウム54gを純水250mlに70℃に加温して溶解させた。次に、硝酸第二鉄7.18g、硝酸コバルト31.8g及び硝酸ニッケル31.8gを純水60mlに70℃に加温して溶解させた。これらの溶液を、充分に撹拌しながら徐々に混合した。
次に、シリカ64gを加えて、充分に攪拌した。このスラリーを75℃に加温し、5時間熟成した。その後、このスラリーを加熱乾燥した後、空気雰囲気で300℃、1時間の熱処理に付した。
得られた触媒前駆体の粒状固体(灼熱減量:1.4重量%)を粉砕し、パラモリブデン酸アンモニウム40.1gを純水150mlにアンモニア水10mlを加え溶解した溶液に分散した。次に、純水40mlにホウ砂0.85g及び硝酸カリウム0.36gを25℃の加温下に溶解させて、上記スラリーに加えた。
次に、Naを0.45%固溶した次炭酸ビスマス58.1gを加えて、撹拌混合した。このスラリーを130℃、12時間加熱乾燥した後、得られた粒状固体を、小型成形機にて径5mm、高さ4mmの錠剤に打錠成型し、次に500℃、4時間の焼成を行って、触媒を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比を有する複合酸化物であった。Mo:Bi:Co:Ni:Fe:Na:B:K:Si=12:5:2.5:2.5:0.4:0.35:0.2:0.08:24
また、調製の際のモリブデンの原子比aとaは、それぞれ6.9と5.1であった。
[不活性ガス−空気−可燃性ガス爆発範囲の測定]
不活性ガス、空気、可燃性ガスの混合割合を種々変更した混合ガスを用意し、それらを点火プラグと圧力計を備えた1Lの耐圧容器に導入し、点火プラグでスパークを飛ばして爆発するかどうかを調べた。
爆発の判定は以下の基準で実施し、不爆または境界と判定された可燃物濃度をもって爆発範囲とした。
不活性ガスを窒素(99%以上の純度)とし、可燃性ガスをブタジエンとした場合の25℃における爆発範囲を図2に、不活性ガスを窒素と二酸化炭素の混合ガス(窒素:二酸化炭素=50:50)とし、可燃性ガスをブタジエンとした場合の350℃における爆発範囲を図3に示す。また、350℃におけるブタジエン−空気−イナートガス(二酸化炭素/二酸化炭素−窒素等モル混合物/窒素)の限界酸素濃度を二酸化炭素濃度との関係を図4に示す。
なお、爆発圧力上昇率=(△P/Po)×100の式で爆発圧力上昇率を測定した(△P=爆発圧力、Po=測定初期圧力)。
・不爆:爆発圧力上昇率が8%未満
・境界:爆発圧力上昇率が8%を超えて10%未満
・爆発:爆発圧力上昇率が10%を超える
[結果]
図3に示す通り、測定温度が350℃になる事で爆発範囲が図2の範囲に比べて大きく拡大する事が示され、反応器の爆発安全については、反応器出口での爆発を考慮する事が最も重要である事が解る。
図3に示す通り、反応器に供給する不活性ガスを窒素と二酸化炭素にすることで、生成ガスの爆発限界の領域が狭まることが分かった。
また、図4に示す如く、限界酸素濃度への二酸化炭素濃度の影響は、二酸化炭素濃度が1.0容量%高くなるごとに限界酸素濃度が0.037容量%高くなる(爆発範囲が縮小する)事が示された。
以下に、反応生成ガス中の二酸化炭素の濃度が爆発回避、触媒コーキング防止に如何に有効であるかを製造例で示す。
[参考例1〜6]
上部が内径6mm×長さ175mm、下部が内径4mm×長さ125mmのパイレックス製反応管の内径6mm部分に前記調製例1で調製した触媒を1.0g充填した。この反応管には外径1.6mmの挿入管を設置し、挿入管の中に熱電対を設置して反応器内温度を測定した。加熱源としては電気ヒータを利用した。
反応原料ガスとして表1に示す組成の1,3−ブタジエン濃度、水蒸気、酸素を窒素ガスと混合して供給した。原料ガスの流量は2L/hrとし、電気ヒータを330℃として反応を行った。
反応中の反応器出口からの生成ガスは冷却した後、ガスクロマトグラフィーで分析した。また冷却で凝縮した液成分を捕集し、微量のマレイン酸等の溶解はあるが全量が水としてガスクロマトグラフィーで得た組成と合わせて反応ガスの組成を求めた。
コーク量(触媒にコーキングした量)は、触媒約1.0gをメノー乳鉢で破砕し、80℃で3時間減圧乾燥した後、示差熱同時測定(TG−DTA)法(装置:METTLER社製:TGA/DSC1型、測定条件:空気50ml/分で流通しながら10℃/分で室温から900℃まで昇温)を用いて、触媒の重量減少量から次式にて求めた。
・コーク量[wt%]=(反応後抜き出し触媒の重量減少量/反応後抜き出し触媒の重量×100)−(未使用触媒の重量減少量/未使用触媒の重量×100)
・コーク生成速度[g/h]=(コーク量[wt%]/100×反応後抜き出し触媒の重量)/反応時間
反応条件と結果を表1に示す。また、図6に表1の結果を示す。
これより、ブタジエン濃度が9.5%を超えると急激にコーク量が増加する事が解る。また、ブタジエン濃度を13%以上に上げた場合でも、反応生成ガス中の酸素濃度を2.6%から4.2%に高くする事でコーク量が低下する事がわかる。つまり、コーク量を少なくするためには反応ガス中のブタジエン濃度が低く、酸素濃度は高い方が良い事が解る。
Figure 2016069352
[製造例1〜6、参考例7〜9]
表2に示す組成のBBSSを原料として用い、表3に示す条件で反応を行った。用いた反応装置、分析法は参考例1と同様に操作した。結果を表3、図7に示した。
Figure 2016069352
Figure 2016069352
製造例1〜6においては、コークの付着生成速度がほぼゼロであり、200時間の間全く問題なく安定に反応を行う事ができた。
一方、参考例7、8においては、反応生成ガス中の酸素濃度がそれぞれ1.9容量%、2.8容量%と低かったので触媒のコーク生成が多い事がわかる。また、参考例9においては、反応生成ガス中の酸素濃度を4.5容量%に高くしてもコーク生成が多かったことから、反応供給ガス中のブテン濃度が14容量%を超えるとコーク付着を抑制出来ない事が明確に示された。
[製造例7〜10]
表4に示す条件で製造例1と同じく反応を行った。製造例8〜10においては、窒素に変えて、窒素と二酸化炭素の混合ガスを用いる事で反応器供給ガス中に二酸化炭素を混合させて反応を行った。結果を表4に示す。
Figure 2016069352
製造例8〜10は、製造例7と比べて特段の変化が無く反応を行う事が出来た。触媒へのコーク付着も無視できる量であった。
[検討]
図5に、350℃における酸素−ブタジエンの爆発範囲と本発明の製造例、参考例の条件(二酸化炭素の条件を除く)をプロットした。コーク生成が微小であった好適な製造例を●で、コークの生成が多く、安定に運転出来なかった参考例を▲でプロットした。爆発範囲を実線で、限界酸素濃度に2容量%余裕を取った爆発範囲を点線で示した。
これによりコーキングが無く好適な範囲は、反応器出口の350℃の爆発範囲では限界酸素濃度に余裕を取ると爆発危険がある場合が多い事が示された。
一方、図3、図4に示した通り、限界酸素濃度は二酸化炭素の存在により高くなる(爆発範囲が縮小する)事が明確に示されており、製造例に示す好適な範囲も二酸化炭素を存在させれば限界酸素濃度が高くなる事で爆発危険が回避される事が示される。
ところで、二酸化炭素存在下での限界酸素濃度は図4より下記式(2)で示すことができる。
限界酸素濃度(容量%)=0.037×二酸化炭素濃度(容量%)+6.75 (2)
コーク生成が少なく好適な反応条件を実現する為には、式(2)をもとに、二酸化炭素濃度を下記の式(3)で示される濃度以上とする必要がある事は、明確である。
二酸化炭素濃度(容量%)=(反応生成ガス中の酸素濃度(容量%)−6.75+限界酸素濃度余裕代(容量%))/0.037 (3)
製造例2において、限界酸素余裕代を2%として、二酸化炭素濃度を計算すると、
二酸化炭素濃度=(5.2−6.75+2)/0.037=12.2(容量%)
となり、反応供給ガス中に二酸化炭素を供給する事で爆発危険を回避し、コーキングが少ない好適な反応を行う事が出来る事が示される。
表3に式(3)より算出される限界酸素濃度に2%余裕を持った酸素濃度を下回る為に必要な二酸化炭素濃度の計算値を示した。これにより、二酸化炭素を反応ガス中に30容量%も存在させれば好適な範囲が全てカバーできる事が解る。つまり、反応生成ガス中の二酸化炭素濃度を適切に管理する事で爆発危険を回避し、かつ触媒のコーキングも無く安定に酸化脱水素反応を行う事ができる。
これが本発明の本質であり、反応器出口部分での爆発現象を詳細に検討し、爆発範囲が二酸化炭素の存在で縮小する事を見いだした事で、触媒のコーキング無く安定した反応が行える条件を確立したものである。
1 反応器(反応塔)
2 クエンチ塔
3,6,13 冷却器
4,7,14 ドレンポット
5 圧縮機
8A,8B 脱水塔
9 加熱器(熱交換器)
10 溶媒吸収塔
11 脱気塔
12 溶媒分離塔
100〜126 配管

Claims (4)

  1. 炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合して得られる混合ガスを反応器に供給する工程と、
    触媒の存在下、前記炭素原子数4以上のモノオレフィンの酸化脱水素反応により生成した対応する共役ジエンを含む反応生成ガスを得る工程とを有する共役ジエンの製造方法において、
    前記反応生成ガス中のブタジエン濃度が3〜9.5容量%であって、酸素濃度が2.0〜8.0容量%、かつ、1容量%以上の二酸化炭素を含む事を特徴とする共役ジエンの製造方法。
  2. 前記混合ガス中のn−ブテン濃度が14.0容量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の共役ジエンの製造方法。
  3. 前記触媒が、少なくともモリブデン、ビスマス及びコバルトを含有する複合酸化物触媒であることを特徴とする請求項1又は2に記載の共役ジエンの製造方法。
  4. 前記原料ガスが、エチレンの2量化により得られる1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン若しくはこれらの混合物を含有するガス、n−ブタンの脱水素若しくは酸化脱水素反応により生成するブテン留分、又は重油留分を流動接触分解する際に得られる炭素原子数が4の炭化水素を含むガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
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