JP2016069082A - 包装容器 - Google Patents

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亮介 丸尾
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昇司 山戸
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Abstract

【課題】発泡樹脂層の独立気泡の気泡扁平度や、独立気泡の面積を制御することによって、独立気泡が破れ難い包装容器を提供する。
【解決手段】この包装容器は、発泡樹脂層60と基材20とを備え、厚さZ方向とこれに垂直な平面XY方向とを有するシート状の発泡積層体100によって一部又は全部が構成されている。発泡樹脂層60は独立気泡61を有しており、独立気泡61の幅方向の径が大きい順に前記独立気泡を5個選択した場合に、独立気泡61の厚さ方向径に対する幅方向径の比である気泡扁平度P(P=幅方向径/厚さ方向径)の平均値Paveが、0.7≦Pave≦1.6である。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば紙製包装容器などの包装容器に関し、更に詳しくは、発泡層によって断熱効果を有する断熱発泡包装容器に関する。
従来から、例えば、紙カップやカップ麺などの包装容器においては、内容物として高温の液体を入れた際の断熱性を付与するために、包装容器本体を形成する紙基材などの表面側(外面側)に発泡層を形成することが行われている。
このような包装容器において発泡層を形成する方法として、例えば紙基材を用いる場合には、紙基材の有する水分を利用して紙基材に隣接配置されるポリエチレン樹脂層を発泡させる、いわゆる水蒸気発泡が知られている(特許文献1参照)。
また、発泡壁紙などの分野においては、あらかじめ発泡させたい樹脂層中に発泡剤を含有させ、後に加熱などで発泡させて発泡層を形成する技術も知られており、この際に、発泡前のマトリックス樹脂に電子線を照射して架橋させることも知られている(特許文献2参照)。
特開2008−087783号公報 特開2012−206498号公報
特許文献1のような水蒸気発泡においては、紙自体が含有する水分を利用して発泡させるものであるために、気泡は紙基材側から発泡樹脂層の表面側に向かって、厚さ方向に延びるように気泡が発生する。このため、気泡の大きさやバラツキの制御は困難であり、発泡面の凹凸も発生し易く、場合によっては気泡が発泡樹脂層を構成するポリエチレンなどのマトリックス樹脂を突き破って破裂してしまう場合もあり得る。
特許文献2の発泡樹脂層は、発泡剤を含有し、あらかじめ電子線照射によって発泡前の樹脂層を架橋させるものであるが、やはり、気泡の大きさやバラツキの制御については開示されていない。また、特許文献2の用途は壁紙などであるために、その実施例においても発泡剤以外に、発泡助剤や架橋助剤を併用しているが、これらは衛生性の観点から食品用途では使用できないものを含んでいる。このため、このまま食品などの包装用途に適用することはできない。
本発明は上記の課題に鑑み、発泡樹脂層を有する包装容器において、独立気泡が破れ難い包装容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、発泡樹脂層の独立気泡の気泡扁平度又は独立気泡の面積を適切な範囲内に制御することによって、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 発泡樹脂層と基材とを備え、厚さ方向とこれに垂直な平面方向とを有するシート状の発泡積層体によって一部又は全部が構成されている包装容器であって、
前記発泡樹脂層は独立気泡を有しており、
前記発泡樹脂層の前記厚さ方向の断面視における、前記平面方向の幅5mm内の領域において、前記独立気泡の幅方向の径が大きい順に前記独立気泡を5個選択した場合に、
前記独立気泡の厚さ方向径に対する幅方向径の比である気泡扁平度P(P=幅方向径/厚さ方向径)の平均値Paveが、0.7≦Pave≦1.6である、包装容器。
(2) 前記発泡樹脂層の平均厚さが300μm以上1500μm以下である、(1)に記載の包装容器。
(3) 前基材が紙である、(1)又は(2)に記載の包装容器。
(4) 前記発泡樹脂層を構成するマトリックス樹脂がオレフィン系樹脂である、(1)から(3)のいずれかに記載の包装容器。
(5) 前記発泡積層体は、前記発泡樹脂層とのその両外側に配置される前記非発泡樹脂層を含む多層フィルムを備える、(1)から(4)のいずれかに記載の包装容器。
(6) 前記多層フィルムがインフレーション法によって共押出し成形されている、(5)に記載の包装容器。
(7) 前記基材が紙であり、該基材と前記発泡樹脂層との間には、水蒸気移行防止層が形成されている(1)から(6)のいずれかに記載の包装容器。
(8) 前記水蒸気移行防止層がクレー層である(7)に記載の包装容器。
(9) 前記基材に対して、前記包装容器の内面側に前記発泡樹脂層が配置され、前記包装容器の外面側には表示層が配置されており、前記表示層と前記基材の間には、平滑化層が形成されている(1)から(8)のいずれかに記載の包装容器。
(10) 前記平滑化層がクレー層である(9)に記載の包装容器。
本発明の包装容器は、発泡樹脂層の独立気泡の気泡扁平度又は独立気泡の面積を適切な範囲内に制御することによって、独立気泡が破れ難い包装容器を提供できる。
本発明の一実施形態である包装容器を構成する、発泡積層体の積層構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態である包装容器を構成する、発泡積層体の積層構成の他の例を示す概略図である。 実施例1における発泡積層体のZX方向断面図である。 実施例2における発泡積層体のZX方向断面図である。 実施例3における発泡積層体のZX方向断面図である。 実施例4における発泡積層体のZX方向断面図である。 実施例1における発泡樹脂層のXY方向断面図である。 比較例1における発泡積層体のZX方向断面図である。 比較例2における発泡積層体のZX方向断面図である。 比較例3における発泡積層体のZX方向断面図である。 比較例4における発泡積層体のZX方向断面図である。 比較例1における発泡樹脂層のXY方向断面図である。
以下、本願発明の一実施形態について、図面を用いて以下に詳しく説明する。尚、本願発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本願発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<発泡積層体の構成>
図1は、本発明の一実施形態である包装容器を構成する、発泡積層体の積層構成の一例を示す概略図である。本発明の包装容器は、発泡樹脂層と基材とを備え、厚さ方向とこれに垂直な平面方向とを有するシート状の発泡積層体100によって、包装容器の一部又は全部が構成されている。
図1に示す発泡積層体100の構成は、いわゆる内面発泡構成であり、発泡樹脂層60は、基材20に対して包装容器の内容物面側に形成されている。
ここで、本明細書中においては、図面中のシート状の発泡積層体100について、便宜的にXYZ直交座標を用いて、シートの厚さ方向をZ方向とし、シートの平面方向(面内方向)をXY方向、と規定する。X方向はTD方向(長尺の場合の幅方向であって、気泡の短軸が多い方向)であり、Y方向はMD方向(長尺の場合の長手方向であって、気泡の長軸が多い方向)である。
この発泡積層体100は、最外層から順に、表示層10、基材20、クレー層30、接着層40、非発泡樹脂層50、発泡樹脂層60、非発泡樹脂層70、が順次積層されており、非発泡樹脂層50と発泡樹脂層60と非発泡樹脂層70とが多層フィルム80を構成している。
表示層10は、文字や絵柄や凹凸などが従来公知の印刷法やエンボス法などで形成されている層であり、特に限定されない、表示層10は基材20上の全部に形成されていてもよく一部に形成されていてもよい。
基材20は、紙、プラスチック(フィルムやシートであってもよく、成形品であってもよい)、金属、木材など特に限定されないが、紙であることが好ましく、この場合には、本発明の包装容器は、いわゆる紙製包装容器となる。
紙としては、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものを使用することができる。紙としては、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙基材を使用することができる。基材は、これらの紙を複数層重ねたものであってもよい。また、紙は、坪量80〜600g/m、好ましくは坪量100〜450g/mであり、厚さ110〜860μm、好ましくは140〜640μmのものを使用することができる(〜は以上以下を意味する)。
クレー層30は、本発明における水蒸気移行防止層の一例であり、特に基材20が紙である場合に、紙中の水分が発泡樹脂層60側に移行して、制御不能の発泡となるのを抑制するために形成されている層である。このクレー層30によって、紙基材中の水分は表示層10側に抜けていく。なお、本発明においては、水蒸気移行防止層としては、クレー層30に限らず、所定の厚みを有するオレフィン系樹脂などの樹脂層などであってもよい。
クレーとしては、一般的にクレー、粘土と呼ばれるものであれば、特に限定されないが、カオリン、タルク、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、緑泥石、木節粘土、ガイロメ粘土、ハロイサイト、マイカ等が用いられる。クレーとしては、このうちカオリン、タルクを用いることが好ましく、カオリンは隠蔽性・吸水性に優れ、タルクは硬度が低く(モース硬度1)、耐熱性に優れるため、耐熱性の向上や成型時の寸法安定性の向上が期待できる。
クレー層30の塗工量や厚さは、特に限定されないが、通常、乾燥後の坪量が5〜40g/mであり、好ましくは10〜40g/mである。乾燥後の坪量が5g/m未満であると、紙中の水分が発泡樹脂層60側に移行して発泡してしまい、制御不能の発泡となるので好ましくない。乾燥後の坪量が40g/mを超えると、発泡積層体100が厚くなり過ぎ、製造適性が悪くなる場合がある。
接着層40は、後述する多層フィルム80を積層するための接着層の役割をし、従来公知の接着剤や樹脂層であり、具体的には、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)などが好ましく用いられる。
なお、本発明においては、図1のように、表示層10が容器の外面側となる場合には、表示層10と基材20との間に、平滑化層を設けてもよく、この場合の平滑化層としては、上記のクレー層の他、白インキ層、アンカーコート層、オーバープリントニス層、UV硬化型樹脂層、印刷後に熱プレスするプレスコート層、樹脂層、などを用いることができる。この平滑化層により基材20の表面を平滑化でき、印刷等の表示層20の意匠性(印刷性)を高めることができる。
<多層共押出しフィルム>
この実施形態においては、非発泡樹脂層50と発泡樹脂層60と非発泡樹脂層70とが本発明の多層フィルムの一例である多層共押出しフィルム80を構成している。ここで、発泡樹脂層60はコア層を構成し、非発泡樹脂層50と非発泡樹脂層70とがスキン層を形成する。これらは従来公知の多層インフレーション法や多層Tダイ法にて形成することができる。それぞれの樹脂層を構成する樹脂は同一であってもよく異なっていてもよく特に限定されないが、オレフィン系樹脂であることが好ましい。オレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)などを適宜用いることができ特に限定されない。また、スキン層とコア層の厚さ比は例えば1:10から10:10の範囲などで適宜設定可能である。なお、多層共押出しフィルムは3層には限定されず、スキン層とコア層との2層でもよく、4層や5層以上の構成であってもよい。本発明においては必ずしも多層共押出しフィルムの存在は必須でなく、発泡樹脂層60単独であってもよく本発明の範囲内である。
<他の実施形態>
本発明においては、図1の内面発泡構成に限らず、図2に示すような外面発泡の構成としてもよい。なお、図2において、図1と同様の構成については同じ図番を付してその説明を省略する。
図2に示す発泡積層体200の構成は、図2の積層構成は、最外層から順に、表示層10、非発泡樹脂層50、発泡樹脂層60、非発泡樹脂層70、接着層40、クレー層30、基材20、内面樹脂層90、が順次積層されており、非発泡樹脂層50と発泡樹脂層60と非発泡樹脂層70とが多層共押出しフィルム80を構成している。
すなわち、この発泡積層体200の構成は、いわゆる外面発泡構成であり、発泡樹脂層60は、基材20に対して包装容器の外側(非内容物面側)に形成されている。上記の内面発泡構成のみならず、このような外面発泡構成ももちろん本発明の範囲内である。
また、図示されていないが、基材20と発泡樹脂層60(又は多層共押出しフィルム80)のと間には、金属箔、金属蒸着フィルム、無機酸化物(金属酸化物)蒸着フィルムなどの酸素、水蒸気バリア層や延伸されたプラスチックフィルムが積層配置されていてもよい。金属箔としてはアルミ箔などが例示でき、金属蒸着フィルムとしてはアルミ蒸着フィルムなどが例示でき、無機酸化物(金属酸化物)蒸着フィルムとしは、シリカ蒸着フィルムやアルミナ蒸着フィルムなどが例示できる。また、延伸されたプラスチックフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリアミドフィルム(PA)などが例示できる。
<発泡樹脂層>
次に、本発明の特徴である発泡樹脂層60について説明する。発泡樹脂層60は、上記のように、例えばLDPEなどのオレフィン系樹脂で構成されるマトリックス樹脂62中に、複数の独立気泡61が形成されている。この独立気泡61は、後述する発泡剤が加熱によって発泡して独立気泡を形成したものである。
マトリックス樹脂62は、後述するように電離放射線によって架橋されており、これによって樹脂の流動性が適度に抑制されて、本発明の範囲内の制御された独立気泡が形成されている。
図3から図6は、本発明の実施例1〜4における、発泡積層体100の厚さZ方向の断面視であるZX断面図である。ここで図中のX方向はTD方向である。図に示すように、発泡樹脂層60中には、マトリックス樹脂62の隔壁で区画された独立気泡61が複数観察される。
なお、この独立気泡の観察は、例えばSEM(電子顕微鏡)観察などの手法によっても可能であるが、断面における独立気泡の存在状況を正確に把握するために、後述の実施例における測定のように、CTスキャンによる非接触計測で行うことが好ましい。これによれば、SEMの切断面作成の際に気泡が潰れてしまうことを防止でき、発泡径の大きさやバラツキを正確に測定できる。
発泡樹脂層60の平均厚さは図3から図6の断面視から計算でき、好ましくは300μm以上1500μm以下、より好ましくは500μm以上1200μm以下、特に好ましくは500μm以上1000μm以下である。なお、本発明における発泡樹脂層60の平均厚さとは、発泡樹脂層60の平面方向(図3におけるX方向)の幅5mm内の領域を6等分し、7点の平均値を取ったものである。
本発明においては、発泡樹脂層60の平面方向(図3におけるX方向)の幅5mm内の領域において、独立気泡61の幅方向(図3におけるX方向)の径が大きい順に独立気泡61を5個選択した場合に、独立気泡61の厚さ方向径に対する幅方向径の比である気泡扁平度P(P=幅方向径/厚さ方向径)の平均値Paveが、0.7≦Pave≦1.6である。ここで、独立気泡の厚さ方向径とは、断面視における発泡樹脂層60厚さ方向(図3におけるZ方向)の径であって幅方向径の中点を通る径を意味する。独立気泡の幅方向径とは、断面視における独立気泡の平面方向(図3におけるX方向)の最大径を意味する。
気泡扁平度P(P=幅方向径/厚さ方向径)の平均値Paveが0.7未満であると、厚さ方向径に比して幅方向径が小さい、すなわち、図3において縦長形状の楕円となる。この場合は水蒸気発泡の態様である。水蒸気発泡においては、紙の水分由来の独立気泡は、紙基材側から成長して自動的に表面側に到達するので、一般に独立気泡の長径が厚さZ方向となり、発泡樹脂層の厚さに応じて長径が大きくなる傾向がある。水蒸気発泡においては、発泡の大きさと成長は紙の含有水分に依存するので基本的に制御不可能である。この場合、独立気泡の長径が大きくなると、表層側の凹凸が大きくなり、また、表層のマトリックス樹脂を突き破って独立気泡が破れてしまうリスクが増大する。なお、表層側とは、内面発泡構成においては非発泡樹脂層70側を指し、外面発泡構成においては非発泡樹脂層50側を指す。
気泡扁平度P(P=幅方向径/厚さ方向径)の平均値Paveが1.6を超えると、厚さ方向径に比して幅方向径が大きい、すなわち、図3において横長形状の楕円となる。このことは、独立気泡の径が発泡樹脂層の厚さに近づいて、厚さZ方向において、独立気泡が潰れた状態で存在していることを意味する。
この場合、独立気泡の大きさ=発泡樹脂層の厚さ、に近づいて、厚さZ方向において独立気泡が1個のみでマトリックス樹脂の隔壁が存在しない状態が存在し始め、厚さ方向に隔壁が存在しないために発泡樹脂層の強度が低下する。また、隔壁が薄くなって隔壁が破れる恐れもある。特に図1のような内面発泡の構成で使用し、内容物に液体が含まれる場合、独立気泡の隔壁が破れると、液体が独立気泡内に浸入するので断熱性の低下はもちろん、更に紙基材へ浸入して容器そのものの強度を低下させることになる。このため、独立気泡の気泡扁平度又は独立気泡の面積の制御が非常に重要な意味を持つことになる。
具体的に、後述する実施例の図3と比較例の図8とを比較すると、図10においては発泡樹脂層の厚さZ方向において独立気泡が一つしかない箇所がある。この場合には隔壁が薄くなっているので、上記のような発泡樹脂層の強度低下や独立気泡の隔壁破壊が極めて生じやすくなるので好ましくない。一方、実施例の図1では、本発明の範囲内の所定の気泡扁平度Pであるので、独立気泡は断面視で球形に近く、任意の厚さZ方向において複数の独立気泡が存在している(すなわち任意の厚さZ方向において3か所以上の隔壁が存在している)。このような状態に独立気泡を制御することで、断熱性を発揮しつつも、表面凹凸状態を良好に維持し、かつ、独立気泡の隔壁破壊を効果的に防止できる。
別の表現で言うと、幅X方向におけるほぼすべての範囲、具体的には80%以上の領域で、厚さZ方向においてマトリックス樹脂の隔壁が3カ所以上存在すれば、厚さZ方向において独立気泡の数が複数個、つまり層状に複数列存在することになり、これにより、独立気泡が破れ難くなり、液体等の内容物が破れた独立気泡を介して紙基材側に入り込んで容器強度を下げることを効果的に防止できる。
本発明によれば、独立気泡の気泡扁平率又は独立気泡の面積を制御することで、表面凹凸が小さく、マトリックス樹脂が破れ難く強度に優れる発泡樹脂層を形成できる。特に、容器の内面発泡をとして用い場合には、独立気泡の強度が重要であり、独立気泡の大きさとバラツキを制御することで、液体等の内容物が破れた独立気泡を介して紙基材側に入り込んで容器強度を下げることを効果的に防止できる。
独立気泡の気泡扁平率又は独立気泡の面積の制御は、後述する電離放射線の照射強度によるマトリックス樹脂架橋度のみならず、発泡樹脂層を構成するマトリックス樹脂のMFR、発泡樹脂層の厚さ、発泡剤や添加剤の種類と量、発泡工程における温度時間条件、などを適宜調整することにより最適化することできる。
なお、発泡樹脂層60の平面方向(図3におけるX方向)の幅5mm内の領域において、独立気泡の幅方向径が大きい順に、独立気泡を5個選択した場合に、該5個の前記幅方向径の平均値が100μm以上、より好ましくは300μm以上、740μm未満であり、かつ、該5個の前記幅方向径の変動係数が40%以下であることが好ましい。変動係数が40%以下であることで、独立気泡の大きさにバラツキが小さくなるので、表面凹凸が良好になる。なお、変動係数は、母集団の母標準偏差 と母平均 との比率であり、CV値ともいい、変動係数(%)=100×(標準偏差/平均値)で求められる。つまり、幅方向径の変動係数とは、100×(幅方向の標準偏差/幅方向径の平均値)である。なお、独立気泡の長径が大きい順に、独立気泡を5個選択した場合に、該5個の前記長径の平均値が100μm以上730μm以下であることが好ましく、100μm以上700μm以下であることがさらに好ましい。
また、本発明においては、発泡樹脂層60の平面方向(図3におけるX方向)の幅5mm内の領域において、前記独立気泡数が30個以上100個以下、好ましくは40個以上70個以下である。独立気泡数が100個を超えると、独立気泡の径が小さくなり、マトリックス樹脂の割合が大きくなって独立気泡の占有体積が小さくなるので断熱効果が低下する。30個未満であると、独立気泡の径が大きくなり、マトリックス樹脂の割合が小さくなる。この場合、独立気泡の径が発泡樹脂層の厚さに近づいて、厚さZ方向において独立気泡が1個のみでマトリックス樹脂の隔壁が存在しない状態が存在し始める。
<包装容器の製造方法>
本発明の包装容器は、例えば、以下の工程により製造できる。
(1)発泡剤含有樹脂層と基材とを備える未発泡積層体を形成する未発泡積層体形成工程。
(2)上記の未発泡積層体形成工程の前後に、少なくとも発泡剤含有樹脂層に電離放射線を照射する樹脂架橋工程。
(3)樹脂架橋工程後の未発泡積層体を用いて、発泡剤含有樹脂層が基材に対して前記包装容器の内容物面側又は外面側に配置されるように、未発泡包装容器を成形する未発泡包装容器成型工程。
(4)未発泡包装容器を加熱し、発泡剤含有樹脂層を発泡させる発泡樹脂層形成工程。
<(1)未発泡積層体形成工程>
本工程では、発泡剤含有樹脂層と基材とを備える未発泡積層体を形成する。発泡剤含有樹脂層は、少なくとも樹脂成分と発泡剤とを含有する。基材としては、上記の紙基材などが適宜使用できる。
発泡剤含有樹脂層を構成するマトリックス樹脂成分としては特に限定されないが、オレフィン系樹脂であることが好ましい。オレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−αオレフィン共重合体である直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(EMAA)などのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン(PP)及びポリプロピレン共重合体などのポリプロピレン系樹脂などを単独又は2種類以上混合して用いることができる。
ポリエチレン又はエチレン共重合体の場合のMFRは1〜20g/10分が好ましく、より好ましくは1〜10g/10分である。この範囲のMFRを採用することにより、インフレーション法による製膜性が向上する。なお、実施例を含む本明細書記載のMFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6760記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」を採用したものである。
発泡剤としては熱分解型発泡剤が好ましく、この場合には発泡剤含有樹脂層は加熱により発泡して発泡樹脂層となる。熱分解型発泡剤としては公知の発泡剤から選択することができ、有機系、無機系、マイクロカプセルのいずれも選択可能であるが、食品用途に用いる場合には、衛生性の観点から、使用を制限される場合がある。
具体的には、無機系の発泡剤としては、重曹(炭酸水素ナトリウム)などが好ましく用いられ、有機系の発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミドなどが好ましく用いられ、これらの混合物も好ましく用いられる。また、マイクロカプセルとしては、内部に液体炭化水素などを含み、外殻に塩化ビニリデン、アクリロニトリルコポリマーなどを用いたものが好ましく用いられる。発泡剤は、樹脂成分100質量部に対して、3〜20質量部とすることが好ましい。
なお、発泡温度は重要であり、(1)から(3)の工程では発泡せず、(4)の工程にて発泡する必要があるので、発泡温度は100℃以上250℃以下であることが好ましく、100℃以上200℃以下であることがより好ましい。
本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じ、従来公知の造核剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、発泡助剤、フィラー、架橋助剤などを添加できるが、食品用途においては、架橋助剤や一部の発泡助剤は使用を制限されるので含有しないことが好ましい。
発泡剤含有樹脂層は、インフレーション法、Tダイ法などの従来公知の成膜方法により形成できる。発泡剤含有樹脂層の厚みは限定的ではないが、非発泡状態(発泡前)で30μm〜100μmが好ましい。発泡後は300μm〜1500μmが好ましい。発泡倍率としては5倍〜20倍が好ましく、5倍〜10倍がより好ましい。なお、発泡は(4)発泡樹脂層形成工程で行うために、この(1)工程においては発泡させないことが好ましく、この観点からは、より低温で製膜できるインフレーション法を用いることが好ましい。
発泡剤含有樹脂層の一方又は両面には、更に非発泡樹脂層を形成してもよい。この非発泡樹脂層は、主として発泡剤含有樹脂層由来の独立気泡の破れなどを保護するものである。非発泡樹脂層を構成する樹脂は、上記の発泡剤含有樹脂層を構成する樹脂と同様であるので、その説明を省略するが、非発泡樹脂層を構成する樹脂は、発泡剤含有樹脂層を構成する樹脂と同一でもよく異なっていてもよい。積層構成としては、発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層の2層構成、非発泡樹脂層/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層の3層構成、または4層以上の構成であってもよく特に限定されない。積層方法は、多層インフレーション法、多層Tダイ法などの従来公知の多層共押出し法が適宜使用できる。
上記の基材層と発泡剤含有樹脂層(又はこれを含む多層フィルム)との積層は、従来公知の溶融押出し法やドライラミネート法や加熱加圧法などを適宜用いることができ限定しない、例えば、図1における接着層40として溶融した低密度ポリエチレン(LDPE)を用い、いわゆるサンドイッチラミネートなどの溶融押出し積層法により積層することができる。
<(2)樹脂架橋工程>
(2)工程では、(1)未発泡積層体形成工程の前後に、少なくとも発泡剤含有樹脂層に電子線などの電離放射線を照射する。電離放射線の照射は、(1)未発泡積層体形成工程前の、発泡剤含有樹脂層(又はこれを含む多層フィルム)であってもよく、(1)未発泡積層体形成工程後、未発泡積層体に対して行ってもよい。
電離放射線の照射により、発泡剤含有樹脂層を樹脂架橋させることができる。これにより樹脂の流動性を制御し、発泡径の大きさやばらつきを効果的に制御することができる。
電子線照射の条件としては、50kV〜250kV、10KGy〜100KGyが好ましく、10KGy〜50KGyがより好ましく、20KGy〜50KGyがさらに好ましく、30KGy〜50KGyが最も好ましい。電子線は、発泡剤含有樹脂層の表裏面のいずれかから照射してもよく、両面から照射してもよい。
<(3)未発泡包装容器成型工程>
本工程では、樹脂架橋工程後の未発泡積層体を一部又は全部に用いて、発泡剤含有樹脂層が基材に対して前記包装容器の内容物面側又は外面側に配置されるように、未発泡包装容器を成形する。包装容器は従来公知の包装容器を対象とすることができ特に限定されないが、断熱性と意匠性を重要視する、基材を紙とした紙製包装容器などに特に好ましく適用できる。紙製包装容器の具体的な用途としては、後の使用時において高温の液体が注がれる紙カップやカップ麺などの容器、あらかじめ食品などの液体が密封充填されている液体容器などが例示できる。
なお、発泡積層体によって一部が構成されているとは、例えば、容器の胴部など、断熱性が要求される場所には本発明の発泡積層体を使用し、底部などの断熱性が要求されない場所には他の包装材料を使うような態様も本発明の範囲内とする意味である。また、容器の胴部において、胴部の一部が発泡積層体によって構成されている態様も本発明の範囲内とする意味である。
<(4)発泡樹脂層形成工程>
本工程では、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成する。なお、本発明では、加熱に先立って電子線照射により発泡剤含有樹脂層を樹脂架橋させているため、発泡剤含有樹脂層の溶融張力が調整され、所望の発泡倍率を得られ易い。また、発泡径のバラツキを抑えて、本発明の範囲の均一な独立気泡を形成することができる。
加熱条件は、発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は150℃〜300℃が好ましく、180℃〜250℃がより好ましい。加熱時間は10秒〜180秒が好ましく、20秒〜90秒がより好ましい。
以下に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1から6>
[多層フィルムの製造]
3種3層のインフレーション製膜機を用いて、非発泡樹脂層20μm/発泡剤含有樹脂層90μm/非発泡樹脂層20μmで多層フィルムを製膜した。押出し条件は、非発泡樹脂層の樹脂温度は120℃、発泡剤含有樹脂層の樹脂温度は120℃であった。各層の材料構成は以下の通りである。
非発泡樹脂層:LDPE(密度0.923g/cm、融点111℃、MFR3.7g/10分)
発泡剤含有樹脂層:LDPE(密度0.923g/cm、融点111℃、MFR3.7g/10分)の100質量部に対して、重曹含有発泡剤(メーカー名;永和化成工業株式会社、品名;ポリスレンEE515)を13質量部含有
次に、多層フィルムの一方の面側から、電子線(195kV,20KGy)を照射して、上記多層フィルムを樹脂架橋させた。
[紙基材との積層]
坪量260g/mの原紙からなる基材の一方の面に、カオリンクレー及び炭酸カルシウムを含有するクレー層用塗工液からなるクレー層をエアナイフコート法により形成した。クレー層は坪量20g/mであった。
基材におけるクレーコート層が形成された面側に、上記の多層フィルムを、溶融した低密度ポリエチレン樹脂(密度0.923g/cm、融点111℃、MFR3.6g/10分)の20μmを介してポリサンドラミして図1の構成(ただし発泡剤含有樹脂層は未発泡)の未発泡積層体を得た。このようにして、外側から、紙260g/m/クレー層20g/m /LDPE20μm/LDPE20μm/発泡剤含有LDPE90μm/LDPE20μm、の順に積層された未発泡積層体を製造した。
次いで、この未発泡積層体を胴部に用いて、発泡剤含有樹脂層が基材に対して包装容器の内容物面側に配置されるように(内面発泡)、未発泡の紙カップを成形した(口径100mm、高さ109.5mm)。
最後に、未発泡の紙カップを230℃で60秒間加熱することにより、発泡剤含有樹脂層を発泡させて実施例の包装容器を製造した。実施例の製造は同条件で6回行い、それぞれの実施例1〜実施例6とした。なお、実施例における発泡樹脂層の厚さは600μm〜1200μmの範囲内であった。
<実施例7から10>
3種3層のインフレーション製膜機を用いて、非発泡樹脂層20μm/発泡剤含有樹脂層90μm/非発泡樹脂層20μmで多層フィルムを製膜した。押出し条件は、非発泡樹脂層の樹脂温度は120℃、発泡剤含有樹脂層の樹脂温度は120℃であった。各層の材料構成は以下の通りである。
非発泡樹脂層:LDPE(密度0.923g/cm、融点109℃、MFR3.7g/10分)
発泡剤含有樹脂層:LDPE(密度0.918g/cm、融点103℃、MFR8.0g/10分)の100質量部に対して、重曹含有発泡剤(メーカー名;永和化成工業株式会社、品名;ポリスレンEE515)を13質量部含有
次に、多層フィルムの一方の面側から、電子線(195kV,20〜50KGy)を照射して、上記多層フィルムを樹脂架橋させた。
[紙基材との積層]
坪量260g/mの原紙からなる基材の両面に、カオリンクレー及び炭酸カルシウムを含有するクレー層用塗工液からなるクレー層をエアナイフコート法により形成した。クレー層は坪量20g/mであった。
基材におけるクレーコート層が形成された面側に、上記の多層フィルムを、溶融した低密度ポリエチレン樹脂(密度0.923g/cm、融点111℃、MFR3.6g/10分)の20μmを介してサンドイッチラミネートして図1の構成(ただし発泡剤含有樹脂層は未発泡)の未発泡積層体を得た。このようにして、外側から、クレー層20(g/m)/紙250(g/m)/クレー層20(g/m)/LDPE15μm/PET12μm/LDPE15μm/LDPE20μm/発泡剤含有LDPE90μm/LDPE20μm、の順に積層された未発泡積層体を製造した。
次いで、この未発泡積層体を胴部に用いて、発泡剤含有樹脂層が基材に対して包装容器の内容物面側に配置されるように(内面発泡)、未発泡の紙カップを成形した(口径100mm、高さ109.5mm)。
最後に、未発泡の紙カップを220℃で60秒間加熱することにより、発泡剤含有樹脂層を発泡させて実施例の包装容器を製造した。電子線の照射線量を表6に記載のように変更した。なお、実施例における発泡樹脂層の厚さは600μm〜1200μmの範囲内であった。
<比較例1から6>
多層フィルムへの電子線の照射を行わなかった以外は実施例1〜6と同様にして、比較例1〜比較例6の包装容器を得た。
<比較例7>
多層フィルムへの電子線の照射を行わなかった以外は実施例7〜10と同様にして、比較例7の包装容器を得た。
<比較例8>
断熱性評価用の包装容器として、断熱2重紙カップ(大日本印刷株式会社製:HI−500、口径100mm、高さ109.5mm)を比較例8の包装容器とした。
<評価>
[CTスキャンによる断面観察]
実施例1から4、7から10、比較例1から4及び7の包装容器について、CTスキャンを用いて(装置メーカー名;ヤマト科学、型番;TDM1000−IW、測定条件;管電圧35kV,管電流23μA,拡大軸52mm)、実施例の発泡樹脂層100及び比較例の発泡樹脂層500について、厚さZ方向の断面視を測定した。実施例1から6の断面視を図3から図8に、比較例1から6の断面視を図10から図15に示す。図3から図8の実施例において、61は独立気泡であり、62はマトリックス樹脂である。また、図10から図15の比較例において、561は独立気泡であり、562はマトリックス樹脂である。
次に、上記断面視(ZX面)における、平面方向(図3におけるX方向)の幅5mm内の領域において、独立気泡の幅方向(X軸方向)の長径が大きい順に前記独立気泡を5個選択し、幅方向径及び厚さ方向径を測定し(単位mm)、ここから独立気泡の幅方向径に対する厚さ方向径の比である気泡扁平度P(P=幅方向径/厚さ方向径)の平均値Paveを算出した。これらの結果を表1に示す。なお、上述のように、幅方向径とはX軸方向の長径を指し、厚さ方向径とはZ軸方向の径であって幅方向径の中点を通る径である。
また、上記断面視(ZX面)における、平面方向(図3におけるX方向)の幅5mm内の領域における、径が50μm以上の独立気泡数を測定した結果を表2に示す。
また、発泡樹脂層60の厚さとして、実施例1、4、6、及び比較例1、4、6、7について、上記断面視(ZX面)における、平面方向(図3におけるX方向)の幅5mm内の領域を6等分し、7点の平均値を測定した結果を表3に示す(単位mm)。
また、実施例1及び比較例1の包装容器について、同じくCTスキャンを用いて、発泡樹発泡樹脂層の平面方向の断面視を測定した。実施例1の断面視を図7に、比較例1の断面視を図12に示す。
次に、上記断面視(XY平面)における、幅5mm×5mm内の領域において、上記同様に、独立気泡の長径が大きい順に独立気泡を10個選択し、楕円換算の長径及び短径を測定した(単位mm)。これらの結果を表4に示す。
表1及び表2の結果より、実施例においては、気泡扁平度の平均値Paveが、本発明の範囲内である0.7≦Pave≦1.6であった。一方、比較例においては、独立気泡数がPaveが1.6超であった。
[外観観察]
実施例及び比較例について、包装容器の内容物面側(図1における多層フィルム面側)から目視で凹凸を観察した結果、実施例においては表面凹凸が小さく、独立気泡の破れも認められなかった。一方、比較例においては表面凹凸が大きく、一部に独立気泡の破れが認められた。
[断熱性評価]
実施例7及び比較例8の包装容器について断熱性評価を行った。具体的には、包装容器に約90℃のお湯を注ぎ、外側からプッシュフルゲージにて150gf押したときの外層温度を経時で測定した。測定結果を表5に示す。
表5より、比較例8に係る断熱2重紙カップの包装容器よりも実施例7包装容器は、外層温度が低く、従来の包装容器と同等以上の断熱性を有していることが認められた。
本発明の包装容器は、熱い液体などを内容物とし、断熱性が必要な種々の包装容器に適用できる。なかでも、紙カップやカップ麺などの食品用の包装容器において特に好ましく適用できる。
10 表示層
20 基材
30 クレー層
40 接着層
50 非発泡樹脂層
60 発泡樹脂層
61 独立気泡
62 マトリックス樹脂
70 非発泡樹脂層
80 多層共押出しフィルム
100 発泡積層体

Claims (10)

  1. 発泡樹脂層と基材とを備え、厚さ方向とこれに垂直な平面方向とを有するシート状の発泡積層体によって一部又は全部が構成されている包装容器であって、
    前記発泡樹脂層は独立気泡を有しており、
    前記発泡樹脂層の前記厚さ方向の断面視における、前記平面方向の幅5mm内の領域において、前記独立気泡の幅方向の径が大きい順に前記独立気泡を5個選択した場合に、
    前記独立気泡の厚さ方向径に対する幅方向径の比である気泡扁平度P(P=幅方向径/厚さ方向径)の平均値Paveが、0.7≦Pave≦1.6である、包装容器。
  2. 前記発泡樹脂層の平均厚さが300μm以上1500μm以下である、請求項1に記載の包装容器。
  3. 前基材が紙である、請求項1又は2に記載の包装容器。
  4. 前記発泡樹脂層を構成するマトリックス樹脂がオレフィン系樹脂である、請求項1から3のいずれかに記載の包装容器。
  5. 前記発泡積層体は、前記発泡樹脂層とのその両外側に配置される前記非発泡樹脂層を含む多層フィルムを備える、請求項1から4のいずれかに記載の包装容器。
  6. 前記多層フィルムがインフレーション法によって共押出し成形されている、請求項5に記載の包装容器。
  7. 前記基材が紙であり、該基材と前記発泡樹脂層との間には、水蒸気移行防止層が形成されている請求項1から6のいずれかに記載の包装容器。
  8. 前記水蒸気移行防止層がクレー層である請求項7に記載の包装容器。
  9. 前記基材に対して、前記包装容器の内面側に前記発泡樹脂層が配置され、前記包装容器の外面側には表示層が配置されており、前記表示層と前記基材の間には、平滑化層が形成されている請求項1から8のいずれかに記載の包装容器。
  10. 前記平滑化層がクレー層である請求項9に記載の包装容器。
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