JP2016068238A - 駆動回転装置用工具接続構造、ソケット、切削部材および切削部材接続装置 - Google Patents

駆動回転装置用工具接続構造、ソケット、切削部材および切削部材接続装置 Download PDF

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【課題】駆動回転装置と工具との固定作業の容易化を図る。【解決手段】先端に差込角を有する駆動回転装置に取付可能な工具の接続構造であって、凹部と貫通孔とを備える。凹部は、差込角を差し込み可能であり、差し込まれた差込角における面に対して面接触する接触面を2対以上有する。2対以上の貫通孔は、互いに平行な凹部の接触面を対にしてそれぞれを貫通して設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、駆動回転装置用工具の接続構造に関する。
土木、建築、配管、その他工事の現場においては、複数の工具が用いられている。複数の工具としては、例えば、駆動回転装置に取り付けて使用する切削工具や締緩工具等が挙げられる。
駆動回転装置は、ソケット等の工具が取り付けられることにより、ボルトまたはナット等の締緩作業、あるいは対象物の切削作業を行うための装置である。駆動回転装置には、インパクトレンチ、インパクトドライバ、ドリルドライバ等の電動回転工具、あるいはエアインパクト等、様々な種類がある。
駆動回転装置は、内蔵バッテリー、商用電源またはエアコンプレッサー等から供給された電気や圧縮空気を動力源として、内蔵されたモーター等を回転させる。それにより、アンビル等を介してその先端部が回転され、当該先端部に接続された、ソケットやビット等が回転される。ビットの一端は駆動回転装置に嵌入され、他端には切削、研磨または締付等、用途に応じて、ドリルチャック、コアドリル、ステップドリル、ホールソー等の切削工具等が接続される。
駆動回転装置の動力源は、その想定される使用場所や用途に応じて異なる。例えば、自動車のタイヤの取り付け作業にエアインパクトが用いられる。エアインパクトは、エアコンプレッサーにホースを介して接続され、エアコンプレッサーからの気流に基づきモーターを回転させることにより、差込角に接続された締付部材(ソケット等)に回転トルクを与える。
しかしながら、このように駆動回転装置と動力源とが、ホースや電源ケーブルのような配線を介して接続される場合、駆動回転装置を使用する範囲が制限される。この点、バッテリーが内蔵された電動回転工具では、動力源が電動回転工具自体に内蔵されているので、その使用範囲が制限されにくい。このようなバッテリーが内蔵された駆動回転装置は、例えば高所作業で用いられる。
例えば高所作業等、作業者が作業場所を変えて作業が行われるような現場においては、作業者は、複数の工具を収納具により携帯し、状況に応じて駆動回転装置に接続する工具を取り替えて使用する。
例えばインパクトレンチによりボルトを締める作業の場合、締める対象のボルトのサイズが複数あれば、そのサイズに応じてソケットが取り替えられる。ソケットは、一端側に駆動回転装置の差込角(先端の突部)を受け容れる凹部を有し、他端側にナットやボルト等が挿入されることにより接続される。また差込角には、その回転軸と直交する方向に貫通孔が設けられている。またこれに対応してソケットの当該一端側(差込角挿入側)にも、ソケットの回転軸に直交する方向に貫通孔が設けられている。作業者は、インパクトレンチの差込角をソケットの凹部に差し込み、差込角の貫通孔とソケットの貫通孔とが位置合わせされた状態で固定部材(ピン等)により串刺し状に固定する。この固定により作業中にソケットがインパクトレンチから離脱することによるリスクを回避している。また、高所作業で駆動回転装置が用いられる場合においては、ソケット等が、高所から落下することにより他の作業者の安全に支障をきたすおそれを回避している。
特開平08−141919号公報 特開2002−254332号公報
ソケット等の工具において差込角を受け容れる凹部は、差込角の形状に対応して形成される。例えば差込角が正六面体状に形成されていれば、ソケットの凹部はその差込角を受け容れ、保持できるように正六面体状に形成される。
また駆動回転装置の差込角側に設けられた貫通孔は、1つであるため、それに応じて従来のソケット等の工具においても、貫通孔は1対設けられていた。
しかしながら、ソケット等の工具に駆動回転装置の差込角が差し込まれたとき、差込角における貫通孔が設けられている面と、工具の貫通孔とが対応しない場合がある。差込角側の貫通孔は1つであることから、差込角をソケット等の工具に差し込む角度によっては、それぞれの貫通孔の位置が対応しないことがあるためである。例えば立方体形状の差込角の場合であれば、差込角をソケット等の工具に差し込む角度を誤れば、工具の貫通孔と差込角の貫通孔とが略90°ずれてしまい、固定部材により串刺し状に固定することはできない。
作業者は、ソケット等に駆動回転装置の差込角を差し込み、それぞれの貫通孔が対応した位置にないことを確認すると、一旦ソケット等を外し、再度ソケット等を差込角に差し込み直してからピン等の固定部材を挿入する作業を行う。この作業は非常に煩雑であり、作業効率を損なう原因となる。
例えばソケットと駆動回転装置の差込角とをピンとOリングで固定する場合、作業者はソケット等に駆動回転装置の差込角を差し込み、ソケット側の貫通孔を塞ぐOリングをずらしたときに貫通孔が対応していないことに気づく。この場合、作業者はOリングを元に戻し、ソケットから駆動回転装置を外し、貫通孔の位置関係を確認してから再度ソケットに駆動回転装置の差込角を差し込み直す。その後、作業者はソケットのOリングをずらしてピンを貫通孔に挿入し、Oリングを元に戻すことになる。この取り付け直しの作業により、作業効率は大幅に悪化する。
また、高所作業の作業者は、インパクトレンチからソケットを取り外すときに、高所からソケットを落下させてしまうことに留意しなければならない。同様に、ソケットとインパクトレンチとの接続部品を落下させてしまうことに留意しなければならない。上記のような取り付け直しの作業により、このような落下のリスクが上昇する。
この発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、駆動回転装置と工具との固定作業の容易化を図ることである。
1つの実施形態は、先端に差込角を有する駆動回転装置に取付可能な工具の接続構造であって、凹部と貫通孔とを備える。凹部は、差込角を差し込み可能であり、差し込まれた差込角における面に対して面接触する接触面を2対以上有する。2対以上の貫通孔は、互いに平行な凹部の接触面を対にしてそれぞれを貫通して設けられる。
他の実施形態は、先端に差込角を有する駆動回転装置に取付可能なソケットであって、凹部と保持部とを備える。凹部は、差込角を差し込み可能である。保持部は凹部と反対側から締緩対象を挿入可能である。凹部には、差し込まれた差込角における面に対して面接触する接触面が2対以上設けられる。また凹部には、互いに平行な接触面を対にして、それぞれを貫通して設けられた2対以上の貫通孔が設けられる。
他の実施形態は、先端に差込角を有する駆動回転装置に取付可能な切削部材であって、凹部と、切削部とを備える。凹部は、差込角を差し込み可能である。切削部は、凹部と反対側の面に設けられる。また凹部には、差し込まれた差込角における面に対して面接触する接触面が2対以上設けられる。また凹部には、互いに平行な接触面を対にして、それぞれを貫通して設けられた2対以上の貫通孔が設けられる。
他の実施形態は、先端に差込角を有する駆動回転装置と切削部材とを接続する切削部材接続装置であって、凹部と、固定部とを備える。凹部は、差込角を差し込み可能である。固定部は凹部と反対側の面に設けられ、切削部材を固定する。また凹部には、差し込まれた差込角における面に対して面接触する接触面が2対以上設けられる。また凹部には、互いに平行な接触面を対にして、それぞれを貫通して設けられた2対以上の貫通孔が設けられる。
実施形態の駆動回転装置用工具接続構造では、2対以上の貫通孔が、互いに平行な凹部の接触面を対にしてそれぞれを貫通するように設けられる。例えばインパクトレンチの差込角が直方体形状または立方体形状であれば、4つ設けられる。したがって、当該接続構造による工具を用いる作業者は、工具に対し駆動回転装置の差込角をどのような角度で差し込んでも、差し込みを完了しさえすれば、差込角側の貫通孔と接続構造側の貫通孔の位置が対応する。つまり、取り付け直しの作業が生じる事態を回避することができる。その結果、作業効率が悪化する状況を回避することが可能となる。また、工具を用いた駆動回転装置による作業全体を簡便にすることが可能である。
さらに、ソケット等の工具の取り外しに伴って、高所から工具あるいは接続部材を落下させてしまうおそれを回避するという従来の工具にはない効果を有する。
第1実施形態のソケットの斜視図。 第1実施形態のソケットの正面図。 第1実施形態のソケットの左側面図。 図2の概略A−A’断面図。 第1実施形態のソケットの右側面図。 第1実施形態のソケットの使用状態を示す正面図。 第2実施形態における切削部材接続装置の一例を示す概略斜視図。 第2実施形態における切削部材接続装置の一例を示す概略上面図。 第2実施形態における切削部材接続装置の一例を示す概略正面図。 第2実施形態における切削部材接続装置の一例を示す概略左側面図。 第2実施形態における切削部材接続装置の一例を示す概略右側面図。 図9の概略B−B’断面図。 第3実施形態における切削部材接続装置の一例を示す概略斜視図。 第3実施形態における切削部材接続装置の一例を示す概略上面図。 第3実施形態における切削部材接続装置の一例を示す概略正面図。 第3実施形態における切削部材接続装置の一例を示す概略左側面図。 第3実施形態における切削部材接続装置の一例を示す概略右側面図。 図15の概略C−C’断面図。
[第1実施形態]
(概略構成)
図1〜図6を参照して、第1実施形態にかかるソケット100について説明する。ソケット100は、円筒形の筐体の内部に、保持部と接続部とを有する。保持部により、締緩作業の対象となるナットが保持される。接続部は、ソケット100をインパクトレンチIW(図6参照)に接続するための部位である。図1に示す例において説明すると、ソケット100は、上記筐体の内部に設けられた第1保持部10、第2保持部20、接続部30を含んで構成される。
また、ソケット100の外形を図1および図2に示す例において説明すると、ソケット100は、筐体において最も径が大きい円柱状部分10aと、当該円柱状部分10aと連続したテーパー部10bと、テーパー部10bと連続した接続部30とを含んで構成される。テーパー部10bは、円柱状部分10aとの境界部分から次第に径が小さくなっていくテーパー面を有する。
ソケット100における円柱状部分10aは、その内部において、円柱の軸方向(ソケット100の一端側と他端側とを結ぶ方向)に並んで、第1保持部10、第2保持部20を有する。他端側(インパクトレンチの差込角嵌入部H(図5)側)には、接続部30が設けられている。図1,図3〜図5に示すように、ソケット100には、その筐体の軸方向における一端部から他端部へ向かう方向に凹となる開口が設けられている。その開口から当該筐体の他端部側に向かった凹部が第1保持部10である。図1,図2および図4に示すように、筐体の当該開口は、第1保持部10が保持しようとするボルト等のナットの形状(図6等参照)に対応するように形成される(六角、十二角、サーフェイス等)。また図3および図4に示すように、ソケット100の一例において、円柱状部分10aの内側には第1保持部10と第2保持部20が設けられている。テーパー部10bの内側には、締緩対象の先端部(ピンテール等)の収容スペースが設けられている。また、図1に示すようにソケット100は、円柱状部分10aとテーパー部10bと接続部30とが一体的に形成されている。
(駆動回転装置)
また、以下においてソケット100に接続される対象として適宜、駆動回転装置の説明をする。この駆動回転装置は、インパクトレンチ、あるいはエアインパクト等、その先端部に差込角を有するものとする。このような駆動回転装置は、所定の駆動源からの駆動力(電気、圧縮空気等)により、当該差込角等を回転させる。以下、ソケット100の説明のため、駆動回転装置の一例として、バッテリーが内蔵されたインパクトレンチについて説明する。このようなインパクトレンチは、エアインパクト等と比較して、その使用場所、範囲が制限されないため、例えば高所作業等にも使用することができる。
駆動回転装置には、取り付けられるソケットや切削部材等を回転させるために、駆動源からの回転駆動力を受けて回転される先端部として、差込角が設けられている。差込角は、駆動回転装置から突出する凸形状に形成される。具体例として、差込角は、直方体、立方体等を象って形成される。このような駆動回転装置の差込角には、1/4インチ(約6.35mm)、3/8インチ(約9.5mm)、1/2インチ(約12.7mm)等の規格で定められたサイズによって様々な種類がある。例えば本実施形態のソケット100では、その耐久性等を鑑みて、例えば1/2インチ(約12.7mm)等の規格の差込角が接続されるように構成される。また、差込角には、ソケット100を保持するための、貫通孔が設けられている。詳細は後述する。なお、以下において駆動回転装置の例としてインパクトレンチを挙げて説明することがあるが、各実施形態において差込角を有するものであれば、駆動回転装置はインパクトレンチに限られない。
<第1保持部>
図4および図5に示すように第1保持部10は、ソケット100の軸方向に沿った側面(円柱状部分10aの内側の面;第1の側面1a)が、ほぼソケット100の筐体の開口部の形状を維持したまま、ほぼ勾配なく奥側に伸びていく形状を有する。第1保持部10を形成する当該第1の側面1aは所定の長さを有し、最奥端に当該側面と直交する第1の当接面1を有する。所定の長さとは、例えばソケット100の軸方向において、トルシア型高力ボルトのナットの長さより短い。したがって、第1の側面1aは、第1保持部10により保持しようとするナットの側面をすべて覆わず、ナットの先端部側を保持する。
第1の当接面1は、第1保持部10により保持しようとするナットの、先端面の少なくとも周縁部を保持するものである(図6参照)。すなわち、図1,図2および図4に示すように、第1の当接面1は、ソケット100の開口部とほぼ同じ形状の外周縁を有するとともに、当該開口部に対応し、当該開口部より一回り小さい形状の内周縁を有する。前記外周縁は、保持しようとするナットを嵌入可能なサイズを有する。また図3および図4に示すように第1の当接面1の内周縁の内側は、第2保持部20との境界部分であり、開口している。
なお、図3に示すように、ソケット100の開口および第1保持部10は、角部より辺が内側に窪んでいる。これは、第1保持部10により保持されるナットに対し、辺の部分でナットを保持しようとするものである。これにより角部分の摩耗を防止することができる。
<第2保持部>
図4に示すように第2保持部20は、第1保持部10より奥側に位置し、第1保持部10を一回り小さくしたサイズ(直径)で形成されている。第2保持部20は、ソケット100の軸方向に沿った第2の側面2aが、ほぼ第1保持部10の第1の開口の形状を維持したまま、ほぼ勾配なく奥側に伸びていく形状を有する。第2保持部20を形成する当該第2の側面2aは所定の長さを有し、最奥端に当該側面と直交する第2の当接面2を有する。第2の当接面2は、第2保持部20により保持しようとするナットの、先端面の少なくとも周縁部を保持するものである。すなわち、図1,図2および図4に示すように、第2の当接面2は、第1保持部10の第1の開口とほぼ同じ形状の外周縁を有するとともに、当該第1の開口に対応し、当該開口より一回り小さい形状の内周縁を有する。この外周縁は、保持しようとするナットを嵌入可能なサイズを有する。
なお、図3に示すように、第2保持部20は、角部より辺が内側に窪んでいる。これは、第1保持部10で説明した構成と同様の意図により構成されたものである。
<接続部>
図3〜図6に示すように接続部30は、ソケット100において、第1保持部10の第1の開口と反対側に位置し、インパクトレンチの差込角(1/2規格等)が差し込まれることにより、差込角を嵌合可能なサイズで形成されている。各図の例において、接続部30は、インパクトレンチの差込角の形状に対応した形状を有する。すなわち接続部30は、インパクトレンチの差込角が嵌合されることにより、ソケット100とインパクトレンチとを接続するための部位である。なお、接続部30は「凹部」の一例に相当する。
図3〜図6に示すように、接続部30は直方体または立方体等を象った箱型の凹形状に形成されている。すなわち、接続部30は、対向する長方形または正方形の内面の対が2対設けられ、これら対は互いに直交する。これら4つの内面が柱状をなし、それぞれインパクトレンチの差込角の面に面接触する。なお、接続部30は、インパクトレンチの差込角の形状が直方体または立方体である場合に対応するものであり、差込角が他の形状であれば、その形状に合わせて形成されるものである。
また接続部30の開口(差込角嵌入部H)を、角部より辺が内側に窪むように構成してもよい。これは、接続部30の接触面により保持される差込角に対し、角でなく面の部分で差込角を保持しようとするものである。これにより角部分の摩耗を防止することができる。
また接続部30には、インパクトレンチの差込角(突部)を固定するための貫通孔の対、すなわちピンホールph1の対と、ピンホールph2の対とが設けられている。図4に示すようにピンホールph1,ph1は、接続部30(ソケット100の他端側)の外周部を貫通し、ソケット100の回転軸方向に対し交差(例えば直交)するように設けられている。またピンホールph1,ph1は、ソケット100に対する貫通方向において対向している。また、ピンホールph1,ph1は、接続部30において互いに対向する内面(差込角に対する接触面)に対し、直交するように設けられる。
また、図1,図3に示すようにソケット100の接続部30には、ソケット100の回転軸方向およびピンホールph1の対と直交し、かつ接続部30の外周部を貫通するように、ピンホールph2,ph2が設けられる。またピンホールph1の対と同様に、ピンホールph2,ph2も対向しており、かつ接続部30において互いに対向する内面に対して直交するように設けられる。
ピンホールph1の対またはピンホールph2の対には、その一端側から他端側に通された円柱状の接続ピン、またはピンホールを通るサイズのワイヤ部材(いわゆるインパクトレンチ用Cリング)等、任意の接続部材(不図示)が通される。また、インパクトレンチの差込角にもピンホールph1およびピンホールph2に対応する貫通孔が設けられている。すなわち、当該接続部材がピンホールph1の対またはピンホールph2の対と、差込角の貫通孔との双方に通され、かつ接続部材がソケット100に対して固定されると、ソケット100とインパクトレンチとの相対的位置関係が保持される。
また、図示しないが、ソケット100とインパクトレンチの差込角とを、ピンとOリングで固定する場合、接続部30の外周部には、ピンホールph1およびピンホールph2を塞ぐOリングが巻回される。これにより、ソケット100とインパクトレンチの差込角との相対的位置関係を固定するピンがソケット100から離脱しないようにすることができる。
(使用例)
次に、実施形態のソケット100の使用例について図6を参照して説明する。以下においては、想定される使用の一例として、ソケット100とインパクトレンチとが先に接続され、その後、第1保持部10の開口から、トルシア型高力ボルト等が挿入されるものとして説明する。
<ソケットとインパクトレンチとの固定>
ソケット100における接続部30の差込角嵌入部H(図5)からインパクトレンチの差込角が挿入される。例えば作業者は差込角をソケット100に挿入してから、接続部30の外周部に巻回されているOリングをずらし、固定用のピンを、ピンホールph1の対またはピンホールph2の対と、差込角の貫通孔に挿入することができる。作業者はピンを挿入した後、Oリングを元に戻し、ピンをソケット100に固定する。これにより、ソケット100とインパクトレンチの差込角との相対的位置関係が保持される。
<ボルト/ナットの挿入>
上記例の第1段階として、ソケット100がインパクトレンチに接続される。さらに、トルシア型高力ボルト等の先端部(ピンテール等)側からソケット100の第1保持部10の開口に、トルシア型高力ボルト等が挿入される。
<大きいサイズのナットの締緩作業>
大きいサイズのナット等の締緩作業を行う場合、ナット等を、ソケット100の第1保持部10に保持させる。このとき、挿入されたナット等の側面は、第1保持部10の第1の側面1aに接触している。さらにナット等の先端面(ピンテール側の面)の外周側は、第1保持部10における第1の当接面1に接触している。また、第1保持部10にトルシア型高力ボルトのナット部分を保持させるときは、当該ナット部分がソケット100の第1保持部10の開口から外側へはみ出すように構成されている。
ソケット100の第1保持部10の第1の当接面1にトルシア型高力ボルトが嵌め込まれたら、作業者がインパクトレンチを操作して、その動力に応じてナットを締め付ける(図6参照)。
<小さいサイズのナットの締緩作業>
大きいサイズのトルシア型高力ボルトの締緩作業を行った後、それより小さいサイズの対応するトルシア型高力ボルトの締緩作業を行う場合、インパクトレンチに接続されたソケット100を上記大型のトルシア型高力ボルトから取り外す。本実施形態におけるソケット100では、ソケットの交換をすることなく、それより小さくしたサイズのトルシア型高力ボルトに使用することができる。すなわち作業者は、大型のトルシア型高力ボルトから外された、ソケット100およびインパクトレンチを、締緩作業の対象となる、小型のトルシア型高力ボルトの位置に合わせる。
次に作業者は、位置合わせをした小型のトルシア型高力ボルトをソケット100の第1保持部10の開口から挿入する。この場合、ナット等を、第2保持部20に保持させる。このとき、挿入されたナット等の側面は、第2保持部20の第2の側面2aに接触している。さらにナット等の先端面(ピンテール側の面)の外周側は、第2保持部20における第2の当接面2に接触している。また、第2保持部20にトルシア型高力ボルトのナット部分を保持させるときは、トルシア型高力ボルトのピンテールがテーパー部10bの内側に収容される。
作業者は、ソケット100の第2保持部20まで、小型トルシア型高力ボルトのナット部分を押し込み、当該ナット部分を第2保持部20に嵌め込んだら、インパクトレンチの駆動に応じて締緩作業を行うことができる。
以上、一例として大きいサイズのトルシア型高力ボルトの締緩作業を行ってから、小さいサイズのトルシア型高力ボルトの締緩作業を行う順序で使用例を説明したが、その逆の順序で、それぞれ締緩作業を行うことも可能である。
(作用・効果)
以上説明した実施形態にかかるソケット100の作用および効果について説明する。
以上説明したように、第1実施形態におけるソケット100の駆動回転装置用工具接続構造では、ピンホールph1の対と、ピンホールph2の対とが、互いに平行な接続部30の内面(差込角との接触面)を対にしてそれぞれを貫通するように設けられている。例えばインパクトレンチの差込角が直方体形状または立方体形状であれば、接続部30の外周まわりに90°間隔でピンホールが4つ設けられる。
したがって、当該ソケット100を用いる作業者は、ソケット100に対しインパクトレンチの差込角をどのような角度で差し込んでも、差し込みを完了しさえすれば、差込角側の貫通孔とソケット100側のピンホールの対の位置が合わせられた状態となる。つまり、取り付け直しの作業が生じる事態を回避することができる。さらに、このような接続構造を有する工具では、取付作業の度に、ソケット100のピンホールと差込角の貫通孔とが合うように視認してから取り付けなくても、ソケット100にインパクトレンチを取り付けるだけで、それぞれの位置が合わせられる。その結果、作業効率が悪化する状況を回避することが可能となる。また、工具を用いた駆動回転装置による作業全体を簡便にすることが可能である。
さらに、ソケットの取り外しに伴って、高所からソケットを落下させてしまうおそれを回避するという、従来のソケットにはない効果を有する。またソケットとインパクトレンチとの接続部品を落下させてしまうことも防止することができる。
なお、実施形態の説明の理解のために示した各図において、破線で示した部分がある。この部分は、任意の他の形状に置き換えることが可能である。ただし、高所作業の作業者はインパクトレンチ、ソケットおよびトルシア型高力ボルトの他にも複数の工具等を所持している場合がある。このような場合、ソケットが重ければ重いほど、高所作業に支障をきたすおそれがある。またソケットは、インパクトレンチの先端に接続されるため、先端が重くなればなるほど、締緩作業に支障をきたすおそれがある。
この点、上述の各図におけるソケット100においては、ソケット100の軽量化を図るためインパクトレンチとの接続部分に向かって徐々に細くなっていくように構成されている。このような構成によれば、ソケットの軽量化を図ることができ、上記のような問題を解消することが可能である。
[変形例1]
第1実施形態においては、第1保持部10および第2保持部20により、異なるサイズのナットを保持できるように構成されているが、本実施形態はこれに限られない。例えば、ナットの保持部は1つだけであってもよい。
[第2実施形態]
次に第2実施形態にかかる切削部材接続装置1000の全体構成について図7〜図12を参照して説明する。図7〜図11において、第2実施形態にかかる切削部材接続装置1000の、斜視、上面、正面、右側面、左側面の概略を示す。また図12において、切削部材接続装置1000の断面を示す。この図12に示す断面図は、切削部材接続装置1000の軸方向に沿ったものであり、具体的には、図9のB−B’断面である。
なお、当該各図および以下の説明において、切削部材接続装置1000に接続される切削部材の軸方向を左右方向とする。また、その左右方向を基準として上下方向、前後方向を説明する。また、切削部材接続装置1000の前側の面を「正面」、正面の反対側の面を「背面」と説明することがある。ただし、これら各方向は、実施形態の説明の便宜上設定されたものであり、切削部材接続装置1000の使用状態等を特定しようとするものではなく、上下、前後、左右は、その時の状態により適宜変更されうるものである。
(切削部材)
また、以下における切削部材としては、ドリルチャック、コアドリル、ステップドリル、ホールソー等が挙げられる。これら切削部材は、駆動回転装置と接続された状態で、駆動回転装置から出力された回転トルクを受けて回転されることにより、対象物の切削に用いることができる。また一例として、これら切削部材は、その軸方向と実質的に直交する方向の長さ(直径、幅)が、従来のビットやSDS等より、長い(大径である)ものとして説明する。
(切削部材接続装置の概要)
図7〜図10に示す例において、切削部材接続装置1000は、インパクトレンチ等の駆動回転装置と、切削部材とを接続するための接続部材である。切削部材接続装置1000は、本体部1100と、本体部1100に接続された固定部1110とを有する。本体部1100において駆動回転装置の差込角をその内部に受け容れることにより、切削部材接続装置1000と駆動回転装置とが接続される。固定部1110は、本体部1100における、駆動回転装置と接続される側と反対側に設けられ、切削部材接続装置1000と切削部材との接続に用いられる。
<本体部>
図7に示すように、切削部材接続装置1000の一例において、本体部1100は円柱状に形成されている。また図7〜図10に示すように、その円柱状の本体部1100の一端側には、切削部材を固定する固定部1110が設けられている。また本体部1100の他端側には、駆動回転装置の差込角を収容する収容部1120が設けられている。なお、下記の収容部1120は、本発明の「凹部」の一例に該当する。
《固定部》
固定部1110は、図8および図9等に示す例において、本体部1100の一端面から突出する雄ねじである。また図10に示すように、固定部1110は、駆動回転装置により回転される本体部1100の軸中心と、中心を共有している。このような固定部1110は、切削部材に設けられた雌ねじ部に螺合(螺着)することにより、切削部材の後端部を固定する。また、固定部1110のネジ山は、切削部材の回転方向と逆方向に設けられる。例えば、切削部材の回転方向が右回転であれば、ネジは左ねじとなる。
なお、固定部1110の構成としてはこのような構成に限られず、上記本体部1100の一端面に設けられた雌ネジ部であってもよい。ただし、固定部1110を雄ねじ部として構成する場合、固定部1110が雌ねじ部である構成と比較して、次のようなメリットがある。
例えば切削部材側に雄ねじを設けると、固定部1110に当該雄ねじに螺合する雌ねじを設ける必要が生じる。この点、図12を参照すると明らかなように、本体部1100に雌ねじ部を設けた分、切削部材接続装置1000の軸方向の長さが長くなる。作業者にとって、差込角から切削部材の先端に至るまでの長さが、長ければ長くなるほど、切削作業における取り回しが悪くなる。その結果、切削作業の効率が悪化、あるいは作業負担が増大する。
これに対し、回転軸方向において、切削部材は、切削部材接続装置1000に対して少なくとも2倍以上の長さを有する。したがって、切削部材側に雌ねじ部を設けても、差込角(すなわち切削部材接続装置1000の後端部(開口部)側)から、切削部材の先端部までの長さに影響しにくい。このような観点から、切削部材接続装置1000においては、固定部1110が雄ねじとして構成されている。その結果、図示の通り、収容部1120の最奥部と、固定部1110の基端とを近接させ、その長さをできる限り短くすることが可能である。
また、固定部1110の構成としてはこのような構成に限られず、上記切削部材接続装置1000と切削部材とをボールジョイント(鋼球の出没をばね部材で制御する構造。特願2014−185691号参照)により固定する構成であってもよい。
固定部1110と切削部材とが接続されると、本体部1100の切削部材側の面の少なくとも一部と、切削部材における本体部1100側の面とが面接触する。このような構成によれば、従来の軸部材で接続された切削部材接続装置と比較して、応力は接触面に分散し、局所的な応力集中を防止することが可能である。
《収容部》
上述のように、本体部1100における、固定部1110が設けられた一端面に対する他端面には、収容部1120が設けられている。例えば図8の破線部、図9の破線部および図11に示すように、本体部1100の他端面は開口しており、その開口から本体部1100の軸方向における当該一端面側(固定部1110の先端)へ向かう方向に窪んだ凹形状の空間が設けられている。この空間には、駆動回転装置の差込角が収容される。本体部1100において、この空間を画成する領域を収容部1120として説明する。
収容部1120の形状は、駆動回転装置の差込角の外形に対応するように形成される。上記の例のように、差込角が直方体形状であれば、収容部1120の形状は、直方体形状に応じた形状に形成される。ただし、本実施形態における切削部材接続装置1000においては、収容部1120の開口および内部空間を形成する側面が例えば、図11のように形成される。
この収容部1120の開口の形状について図7,図11および図12を参照して説明する。図7および図11に示すように、この開口は、角部より辺が内側に窪んでいる。具体的には、長方形の角部の角が取られて角が弧状に形成され、四辺の中央位置を中心に内側に湾曲している。これは、収容部1120に収容される差込角の側面を、角部でなく、辺あるいは面の部分で保持しようとするものである。これにより差込角の回転時に、差込角の角部が収容部1120の角部分に接触しがたく、収容部1120の角部の摩耗を防止することができる。
収容部1120は、この開口の形状を維持したまま、本体部1100の内側に凹んでおり、収容部1120の内部空間を形成する内側の4つの側面(正面側、背面側、上面側、下面側)は、本体部1100の軸方向に対し、ほぼ勾配なく平行に形成されている(図12参照)。当該軸方向における、これら内側の4つの側面の長さ(奥行)は、差込角が駆動回転装置から突出する長さに対応して形成される。
《溝部》
図7〜図9および図12に示すように、円柱状の本体部1100には、外周面に沿った溝部1100aが設けられている。また図7,図8および図12に示すように、本体部1100の溝部1100aには、本体部1100の軸方向に直交(実質的に直交)し、収容部1120を通り、反対側(対向する)面を貫通する貫通孔1200a、1200bの対と、貫通孔1200c、1200dの対とが設けられている。一般に、インパクトレンチ等の駆動回転装置の差込角の一側面およびその一側面と反対側の側面には、差込角の突出方向に直交する方向に、固定用の貫通孔が設けられている。したがって、切削部材接続装置1000の本体部1100の貫通孔1200a、1200bの対と、貫通孔1200c、1200dの対とは、収容部1120に収容された差込角における当該貫通孔に対応する位置に設けられる。
すなわち、図12に示すように貫通孔1200a、1200bは、溝部1100a(切削部材接続装置1000の左端側)の外周部を貫通し、切削部材接続装置1000の回転軸方向に対し交差(例えば直交)するように設けられている。また貫通孔1200a、1200bは、切削部材接続装置1000に対する貫通方向において対向している。また、図7に示すように貫通孔1200a、1200bは、収容部1120において互いに対向する内面(差込角に対する接触面)に対し、直交するように設けられる。
また、図7〜図9および図12に示すように切削部材接続装置1000の本体部1100の左端側には、切削部材接続装置1000の回転軸方向および貫通孔1200a、1200bの対と直交し、かつ接続部30の外周部を貫通するように、貫通孔1200c、1200dの対が設けられる。また貫通孔1200a、1200bの対と同様に、貫通孔1200c、1200dも対向しており、かつ収容部1120において互いに対向する内面に対して直交するように設けられる。
貫通孔1200aから貫通孔1200bまで、あるいは貫通孔1200cから貫通孔1200dまで、その右側から左側に通された円柱状の接続ピン等、任意の接続部材(不図示)が通される。
例えば、収容部1120に差込角が収容されている状態で、溝部1100aの貫通孔1200aの一方の開口から、差込角固定用のピンが通されると、対応する位置にある差込角の貫通孔にも当該ピンが通される。このピンは、差込角を通過し、貫通孔1200bまで到達する。この状態において、作業者等が、溝部1100aの形状に対応した円環状のピン固定部材(いわゆるOリング)を溝部1100aに嵌るように係合させると、溝部1100aごと貫通孔1200aが塞がれる。その結果、ピンが貫通孔1200aおよび貫通孔1200bに保持される。このようにしてピンが貫通孔1200aおよび貫通孔1200bに保持されることにより、切削部材接続装置1000と差込角との相対的位置関係が保持される。なお、上記円環状のピン固定部材は、ゴム等の弾性部材である。
また、切削部材接続装置1000と差込角との固定は、上記構成に限られない。例えば、貫通孔1200aおよび差込角の貫通孔を通るサイズのワイヤ部材(いわゆるインパクトレンチ用Cリング)を、貫通孔1200aおよび差込角の貫通孔に通して、両者の固定を行ってもよい。また、貫通孔による固定でなく、ボールジョイント(鋼球の出没をばね部材で制御する構造。特願2014−185691号参照)等の固定方法であってもよい。
駆動回転装置の差込角と、切削部材接続装置1000とは、少なくとも差込角の側面と、収容部1120の内側の面とで面接触するので、応力は分散し、局所的な応力集中を防止することが可能である。
(作用・効果)
第2実施形態における切削部材接続装置1000の駆動回転装置用工具接続構造では、貫通孔1200aおよび貫通孔1200bの対と、貫通孔1200c、1200dの対とが、互いに平行な収容部1120の内面(差込角との接触面)を対にしてそれぞれを貫通するように設けられている。例えばインパクトレンチの差込角が直方体形状または立方体形状であれば、収容部1120の外周まわり(溝部1100a)に90°間隔で貫通孔が4つ設けられる。
したがって、当該切削部材接続装置1000を用いる作業者は、切削部材接続装置1000に対しインパクトレンチの差込角をどのような角度で差し込んでも、差し込みを完了しさえすれば、差込角側の貫通孔と切削部材接続装置1000側の貫通孔の対の位置が合わせられた状態となる。つまり、取り付け直しの作業が生じる事態を回避することができる。さらに、このような接続構造を有する工具では、取付作業の度に、切削部材接続装置1000の貫通孔と差込角の貫通孔とが合うように視認してから取り付けなくても、切削部材接続装置1000にインパクトレンチを取り付けるだけで、それぞれの位置が合わせられる。その結果、作業効率が悪化する状況を回避することが可能となる。また、工具を用いた駆動回転装置による作業全体を簡便にすることが可能である。
さらに、切削部材接続装置1000の取り外しに伴って、高所から切削部材接続装置1000を落下させてしまうおそれを回避するという、従来の切削部材接続装置にはない効果を有する。また切削部材接続装置とインパクトレンチとの接続部品(ピン等)を落下させてしまうことも防止することができる。
また、第2実施形態の切削部材接続装置1000によれば、差込角を収容し、差込角の側面と面接触する収容部1120が設けられている。このような構成によれば、差込角と切削部材接続装置1000との間の接続において、局所的な応力集中を防止することが可能である。さらに切削部材接続装置1000によれば、切削部材における後端面と面接触しつつ固定部111で切削部材を固定できる。このような構成によれば、切削部材と切削部材接続装置1000との間の接続において、局所的な応力集中を防止することが可能である。
小径の軸部材であり、かつ駆動回転装置および切削部材との接触面が少ない、従来のようなビット、SDSといった軸部材では、構造的に局所的な応力集中を回避することが困難であった。そのため、従来は軸部材に特殊な加工、材料等を使用することで耐久性を確保しようとしており、コストがかかっていた。また、これらの解決手段では、軸部材の耐久性を確保することが困難であった。これに対し、本実施形態における切削部材接続装置1000は、構造的に応力集中を回避することができるため、接続構造の耐久性を大幅に向上させることが可能となった。
さらにビット等の軸部材は、切り欠き(くびれを含む)を有する。切欠きがあると、その部分に応力が集中し、大きくなる。すなわち、切欠きがないものより耐久性が低く、折れ等の破損が生じる原因となる。切削部材接続装置1000では駆動回転装置からの回転駆動力による応力がかかることが想定される箇所においては切り欠きを設ける必然性がない。この点においても、切削部材接続装置1000は、回転駆動力による応力集中等で破損するおそれを防止している。
さらに、従来の小径の軸部材では、局所的な応力集中を防ぐため、回転軸方向において所定の長さを確保する必要があった。これに対し、切削部材接続装置1000は回転軸方向の長さを確保しなくても、上述の通り構造的に局所的な応力集中を防止している。したがって、差込角から切削部材の先端までの長さを可能な限り短くできる。
これにより、切削作業における取り回しを改善し、作業効率の向上、作業負担の軽減を図ることができる。また、高所作業をする作業者は、破損等により、切削部材が駆動回転装置から外れてしまうことを想定し、切削部材と駆動回転装置とを粘着テープ等で巻回して固定している。従来は、高所作業中に破損等により、切削部材が駆動回転装置から外れてしまうと、巻かれた粘着テープを外し、さらに、折れたビット等の軸部材を、駆動回転装置から取り外す等の作業をしなければならなかった。これらの作業は非常に煩雑であり、高所作業の負担増大、作業効率の悪化を招いていた。しかしながら、本実施形態における切削部材接続構造においては、まず、破損等を従来の軸部材より大幅に軽減させており、またビット等の軸部材と異なり、駆動回転装置と切削部材接続構造との固定構造が簡易かつ確実である。したがって、従来のような高所作業の負担増大、作業効率の悪化は、この点においても、解消されている。
[第3実施形態]
第3実施形態にかかる切削部材200の全体構成について図13〜図18を参照して説明する。図13〜図17において、第3実施形態にかかる切削部材200の、斜視、上面、正面、右側面、左側面の概略を示す。また図18において、切削部材200の断面を示す。この図18に示す断面図は、切削部材200の軸方向に沿ったものであり、具体的には、図15のC−C’断面である。
なお、当該各図および以下の説明において、切削部材200の軸方向を左右方向とする。第2実施形態と同様に、その左右方向を基準として上下、左右、正面、背面の説明を行う場合がある。ただし、上下、前後、左右は、その時の状態により適宜変更されうるものである点も第2実施形態と同様である。
以下の説明において、第2実施形態と重複する説明は割愛する。
(切削部材)
第3実施形態における切削部材200は、切削部材接続装置1000のような、別体の接続構造(アタッチメント部材)を介さず、直接、駆動回転装置の差込角に接続される。すなわち、切削部材200は、切削部分と、駆動回転装置への接続構造部分とを有する。図13に示すように、切削部材200において接続構造部分と、切削部材とは、鍛造等により一体的に形成される。
《収容部》
図13〜図18に示すように、切削部材200において切削側部分の先端(図14および図15における切削部材200の左端)に対する他端面には、収容部212が設けられている。なお、収容部212は、第2実施形態における収容部1120と同様の構成を有するものである。したがって、切削部材200の後端面(駆動回転装置の差込角側の面)は、切削部材200の切削先端部に向かって開口しており、その開口から凹形状の空間が設けられ、駆動回転装置の差込角が収容される。
収容部212の形状は、駆動回転装置の差込角の外形に対応してするように形成される。上記の例のように、差込角が直方体形状であれば、収容部212の形状は、直方体形状に応じた形状に形成される。ただし、本実施形態における切削部材接続構造200においては、収容部212の開口および内部空間を形成する側面が、例えば図17のように形成される。この収容部212の開口の形状については、第2実施形態と同様である。つまり収容部212により収容される差込角の側面を、辺あるいは面の部分で保持しようとすることで、差込角の回転時に、差込角の角部が収容部212の角部分に接触しがたく、収容部212の角部の摩耗を防止することができる。また、収容部212の内部構造も第2実施形態の収容部1120と同様である。
《溝部》
図13〜図15および図18に示すように、切削部材200の接続構造側は円柱状に形成されている。その切削部材200の接続構造部分には、その外周面に沿った溝部210aが設けられている。また図13,図14および図18に示すように、当該接続構造部分の溝部210aには、軸方向に直交(実質的に直交)し、収容部212を通り、反対側(対向する)面を貫通する貫通孔220a、220bの対と、貫通孔220c、220dの対とが設けられている。これは貫通孔1200aおよび貫通孔1200bの対、貫通孔220c、220dの対と同様の構成を有するものである。
したがって、貫通孔220a等についても、上記のような各種変形が可能であり、ボールジョイント(鋼球の出没をばね部材で制御する構造。特願2014−185691号参照)等の固定方法であってもよい。
駆動回転装置の差込角と、切削部材200とは、少なくとも差込角の側面と、収容部212の内側の面とで面接触するので、応力は分散し、局所的な応力集中を防止することが可能である。
(作用・効果)
第3実施形態の切削部材200の駆動回転装置用工具接続構造では、貫通孔220a、220bの対と、貫通孔220c、220dの対とが、互いに平行な収容部212の内面(差込角との接触面)を対にしてそれぞれを貫通するように設けられている。例えばインパクトレンチの差込角が直方体形状または立方体形状であれば、収容部212の外周まわり(溝部210a)に90°間隔で貫通孔が4つ設けられる。
したがって、当該切削部材200を用いる作業者は、切削部材200に対しインパクトレンチの差込角をどのような角度で差し込んでも、差し込みを完了しさえすれば、差込角側の貫通孔と切削部材200側の貫通孔の対の位置が合わせられた状態となる。つまり、取り付け直しの作業が生じる事態を回避することができる。さらに、このような接続構造を有する工具では、取付作業の度に、切削部材200の貫通孔と差込角の貫通孔とが合うように視認してから取り付けなくても、切削部材接続装置1000にインパクトレンチを取り付けるだけで、それぞれの位置が合わせられる。その結果、作業効率が悪化する状況を回避することが可能となる。また、工具を用いた駆動回転装置による作業全体を簡便にすることが可能である。
さらに、切削部材200の取り外しに伴って、高所から切削部材200を落下させてしまうおそれを回避するという、従来の切削部材接続装置にはない効果を有する。また切削部材接続装置とインパクトレンチとの接続部品(ピン等)を落下させてしまうことも防止することができる。
また、第3実施形態の切削部材200には、切削部側の先端に対する後端側に、差込角を収容し、差込角の側面と面接触する収容部が設けられている。このような構成によれば、差込角と切削部材接続装置1000との間の接続において、局所的な応力集中を防止することが可能である。
さらに、切削部材と接続構造との固定にかかる構成が不要であるため、従来のビット等の軸部材については言うまでもなく、第2実施形態の切削部材接続装置1000と比較しても、軸方向における長さを低減することができ、かつ切削作業における取り回しを改善し、作業効率の向上、作業負担の軽減を図っている。
この発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば切削部材200としてはステップドリルを示したが、ドリルチャック、コアドリル、ステップドリル、ホールソー等に置き換えることが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 第1の当接面
1a 第1の側面
2 第2の当接面
2a 第2の側面
10 第1保持部
10a 円柱状部分
10b テーパー部
20 第2保持部
30 接続部
100 ソケット
IW インパクトレンチ
ph1〜2 ピンホール
1000 切削部材接続構造
1100 本体部
1100a,210a 溝部
1120,212 収容部
1200a〜d,220a〜d 貫通孔
200 切削部材

Claims (6)

  1. 先端に差込角を有する駆動回転装置に取付可能な工具の接続構造であって、
    前記差込角を差し込み可能であり、差し込まれた差込角における面に対して面接触する接触面を2対以上有する凹部と、
    互いに平行な前記接触面を対にして、それぞれを貫通するように設けられた2対以上の貫通孔と、を備えた
    駆動回転装置用工具接続構造。
  2. 前記差込角が直方体形状または立方体形状である場合に、前記凹部の4つの前記接触面の全てに前記貫通孔が設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の駆動回転装置用工具接続構造。
  3. 前記差込角が直方体形状または立方体形状である場合に、複数の前記貫通孔は、対向した2つの前記接触面に2対以上設けられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の駆動回転装置用工具接続構造。
  4. 先端に差込角を有する駆動回転装置に取付可能なソケットであって、
    前記差込角を差し込み可能な凹部と、
    前記凹部と反対側から締緩対象を挿入可能な保持部とを備え、
    前記凹部には、差し込まれた差込角における面に対して面接触する接触面が2対以上設けられ、かつ互いに平行な前記接触面を対にして、それぞれを貫通するように設けられた2対以上の貫通孔が設けられた
    ことを特徴とするソケット。
  5. 先端に差込角を有する駆動回転装置に取付可能な切削部材であって、
    前記差込角を差し込み可能な凹部と、
    前記凹部と反対側の面に設けられた切削部とを備え、
    前記凹部には、差し込まれた差込角における面に対して面接触する接触面が2対以上設けられ、かつ互いに平行な前記接触面を対にして、それぞれを貫通するように設けられた2対以上の貫通孔が設けられた
    ことを特徴とする切削部材。
  6. 先端に差込角を有する駆動回転装置と切削部材とを接続する切削部材接続装置であって、
    前記差込角を差し込み可能な凹部と、
    前記凹部と反対側の面に設けられ、前記切削部材を固定する固定部とを備え、
    前記凹部には、差し込まれた差込角における面に対して面接触する接触面が2対以上設けられ、かつ互いに平行な前記接触面を対にして、それぞれを貫通するように設けられた2対以上の貫通孔が設けられた
    ことを特徴とする切削部材接続装置。
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