JP2016068148A - 金属の接合装置および接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造・設備コストを低減させ、広い産業分野に普及できる接合装置を提供する。【解決手段】一方の被接合物の接合面Wfと他方の被接合物の接合面Wfとを接合する金属の接合装置10であって、一方の被接合物を保持する加振台14と、他方の被接合物の接合面Wfを加振方向と平行に保持する保持部材4と、他方の被接合物を保持する保持部材4を介して加圧する第1加圧手段6および第2加圧手段7と、第1加圧手段6による加圧状態で、一方の被接合物を保持する加振台14が振動する振動制御手段8と、加振台14により、微小振幅の振動を与える微小振動制御手段9と、を備え、大気圧中で、加熱のない室温で、微小振幅の振動を与えながら、第2加圧手段7によりさらに加圧して全面接合することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、金属の接合装置およびこの装置を使用した接合方法に関する。
従来、金属間接合方法は、高真空中でアルゴンイオンミーリングによって酸化膜層を除去して表面を活性化した後、接合部同士を当接して高圧を加えて拡散接合させる方法、例えば、表面活性化拡散接合(Surface Activated Bonding:SAB)が知られている。
金属の表面には酸化膜やコンタミネーション(汚れ)または、パーティクル(微粒子)が付着しているため、このSAB法は、CMP(ケミカル・メカニカル・ポリシング)でナノレベル(2nm)の平面度に研磨して、真空装置に入れ、接合面を個別にアルゴンイオンミーリングして汚れを取り除き、真空中で接合面同士を重ね合わせて加圧し、拡散接合する方法である。これにより、このSAB法は、十分な接合強度が得られることが知られている。
さらに、類似の接合方法として、特許文献1、特許文献2が開示されている。
特開2005−229005号公報(図1、図5) 特開2012−151183号公報
しかしながら、SAB法は、半導体や電子部品等の小型部品に採用されているが、まだ広く産業分野には普及していない。その理由は、真空装置内での真空中による接合となるため、生産性が悪い上に製造・設備コストが高価であるという問題があった。
そこで、本発明は、SAB法の問題点を解消するとともに、製造・設備コストを低減させ、広い産業分野に普及できる接合装置および接合方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る接合装置の発明は、一方の被接合物の接合面と他方の被接合物の接合面とを接合する金属の接合装置であって、前記一方の被接合物を保持する加振台と、前記他方の被接合物の接合面を加振方向と平行に保持する保持部材と、前記他方の被接合物を保持する保持部材を介して加圧する第1加圧手段および第2加圧手段と、前記第1加圧手段による加圧状態で、一方の被接合物を保持する加振台が振動する振動制御手段と、前記加振台により、微小振幅の振動を与える微小振動制御手段と、を備え、大気圧中で、加熱のない室温で、前記微小振幅の振動を与えながら、前記第2加圧手段によりさらに加圧して全面接合することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の金属の接合装置であって、前記加振台が振動する振動制御手段は、無死点リサジューの2次元研磨を行うリサジュー制御手段であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の金属の接合装置であって、前記加振台はXYテーブルであり、前記加振台のXテーブルの下面およびYテーブルの下面にはX軸ガイドおよびY軸ガイドとなるV−Vの山形凸部が形成され、または、前記加振台のXテーブルの下面およびYテーブルの下面にはX軸ガイドおよびY軸ガイドとなるV−フラットの組み合わせで少なくとも一方にVの山形凸部が形成され、X軸およびY軸駆動はリニアモータであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の金属の接合装置であって、前記第1加圧手段は、空圧シリンダによる空圧駆動であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の金属の接合装置であって、前記第2加圧手段は、油圧シリンダによる油圧駆動であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項2に記載の金属の接合装置であって、前記無死点リサジューの2次元研磨は、前記Xテーブルと前記Yテーブルとの同期制御によることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項2または請求項6に記載の金属の接合装置であって、前記無死点リサジューの2次元研磨の振幅は、±10mmの範囲であり、接合時の前記無死点リサジューの微小振動の振幅は、±1mmの範囲であることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1に記載の金属の接合装置であって、前記被接合物の接合部には、覆いをする間仕切りが装着されることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1に記載の金属の接合装置を使用した接合方法であって、前記一方の被接合物にリサジュー掃引を与えながら接合面を平行なカップル研磨により活性化を行うカップル研磨工法の第1工程と、大気圧中の室温で、微小振幅の振動を与えながら一気に加圧して全面接合する第2工程と、を含むことを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の接合方法であって、前記第1工程の前処理として、界面活性剤に前記接合面を浸し、超音波洗浄により表面活性化処理をするB工程を設けることを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項9に記載の接合方法であって、前記B工程の前処理として、前記接合面にショット・ピーニング加工を施すA工程を設けることを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項9に記載の接合方法であって、前記第1工程の前工程に、前記接合面の間に媒介材を挿入するC工程を設けることを特徴とする。(真空なし、加熱なしの室温)
請求項13に係る発明は、請求項9に記載の接合方法であって、前記被接合物がシリンダブロックの場合、シリンダヘッドの上にシリンダボアを重ね、シリンダボアとシリンダヘッドの接合面を全面接合することを特徴とする。
請求項14に係る発明は、請求項9に記載の接合方法であって、前記第1加圧手段による加圧力は、30KPa(0.03kgf/cm)〜1MPa(10kgf/cm)であり、前記第2加圧手段による加圧力は、1MPa(10kgf/cm)〜30MPa(300kgf/cm)であることを特徴とする。
請求項15に係る発明は、請求項9に記載の接合方法であって、前記リサジュー掃引は、
XYテーブルがリサジュー制御手段によって無死点リサジュー図形を描きながら摺動する
ことを特徴とする。
請求項16に係る発明は、請求項9に記載の接合方法であって、前記被接合物の接合面の少なくとも一方の平行度は、前記被接合物の底面または上面に対し±0.010mmであることを特徴とする。
請求項1に係る金属の接合装置によれば、一方の被接合物を保持する加振台と、前記他方の被接合物の接合面を加振方向と平行に保持する保持部材と、前記他方の被接合物を保持する保持部材を介して加圧する第1加圧手段および第2加圧手段と、前記第1加圧手段による加圧状態で、一方の被接合物を保持する加振台が振動する振動制御手段と、前記加振台により、微小振幅の振動を与える微小振動制御手段とを備え、大気圧中で、加熱のない室温で、前記微小振幅の振動を与えながら、前記第2加圧手段により、製造コストを低減させた金属の接合装置を提供することができる。
また、従来の接合装置に必要とされた真空中での条件を大気圧中に改良し、加熱の条件を常温に改良して接合装置の製造コストを低減させ、さらに、被接合物同士を当接させる平行なカップル研磨により活性化を行う極めて効率的なカップル研磨工法の採用によって、産業分野に広く普及できる金属の接合装置を提供することができる。
請求項2に係る金属の接合装置によれば、加振台が振動する振動制御手段が、無死点リサジューの2次元研磨を行うリサジュー制御手段であることにより、無死点(停止)のない所望のリサジュー図形を制御して加振台を振動させ、2次元研磨を行うことができる。
請求項3に係る金属の接合装置によれば、加振台はXYテーブルであり、前記加振台のXテーブルの下面およびYテーブルの下面にはX軸ガイドおよびY軸ガイドとなるV−Vの山形凸部が形成され、または、前記加振台のXテーブルの下面およびYテーブルの下面にはX軸ガイドおよびY軸ガイドとなるV−フラットの組み合わせで少なくとも一方にVの山形凸部が形成され、X軸およびY軸駆動はリニアモータであることを特徴とする加振台のXテーブル下面のX軸ガイドは複数のV溝とV形凸部が形成され、加振台のYテーブル下面のY軸ガイドにも複数のV溝とV形凸部が形成され、X軸およびY軸駆動はリニアモータであることから、このXYテーブルの剛性は高く、かつ、駆動バックラッシュが極めて小さいため、精度が高く、リニアモータによる無死点リサジューの2次元研磨が容易にでき、
全面接合が容易にできる。
請求項4に係る金属の接合装置によれば、第1加圧手段は、空圧シリンダによる空圧駆動により、保持部材を下方へ移動させ、接合面の活性化のための平行研磨に必要な所定の軽荷重の加圧力を与えることができる。
請求項5に係る金属の接合装置によれば、第2加圧手段は、油圧シリンダによる油圧駆動により、全面接合の際に所定の重荷重の加圧力を与えることができる。
請求項6に係る金属の接合装置によれば、無死点リサジューの2次元研磨は、XテーブルとYテーブルとの同期制御により、全面に亘り高精度の平面度が達成できる研磨をすることができる。
請求項7に係る金属の接合装置によれば、無死点リサジューの2次元研磨の振幅は、±10mmの範囲であることから、拡散接合を抑えながら、研磨をすることができる。また、接合時の前記無死点リサジューの微小振動の振幅は、±1mmの範囲とすることにより、座りのよい全面接合ができる。なお、振幅が±10mmの範囲とは、−10〜+10の計20mmの振幅の範囲をいい、±1mmの範囲とは、−1〜+1の計2.0mmの振幅の範囲をいう。
請求項8に係る金属の接合装置によれば、被接合物の接合部には、覆いをする間仕切りが装着されることにより、間仕切り内に窒素ガスまたは不活性ガスが供給され、酸素ガスが排除され、接合面の活性化を維持できるため、接合面の全面接合ができる。
XYテーブルの加振台によるリサジュー2次元研磨の際、全面接合の際には、有効である。
請求項9に係る接合方法によれば、請求項1に記載の金属の接合装置を使用した接合方法は、一方の被接合物にリサジュー掃引を与えながら接合面を2次元研磨であるカップル研磨により活性化を行うカップル研磨工法の第1工程と、大気圧中の室温で、加熱しない室温で、微小振幅の振動を与えながら一気に加圧して全面接合する第2工程と、を含む接合方法により、従来、接合方法の必須要件とされた真空中を、大気圧中に改良し、加熱の条件を常温とする改良を行うことにより、製造および設備コストを低減させ、産業分野に広く普及できる接合方法を提供することができる。また、被接合物同士を当接させ、平行なカップル研磨により活性化を行うカップル研磨工法の第1工程によって、極めて効率的にカップル研磨を行うことができる。
請求項10に係る接合方法によれば、第1工程の前処理として、界面活性剤に接合面を浸し、超音波洗浄により表面活性化処理をするB工程を設けることにより、接合面の表面の汚れ(コンタミネーション)を取り除き、接合面を活性化することができる。
請求項11に係る接合方法によれば、B工程の前処理として、接合面にショット・ピーニング加工を施すA工程を設けることにより、接合面に圧縮残留応力ができて、材料の強度を高めることができる。また、例えば、Al−Si材同士の接合の場合、Al−Si材の接合面にショット・ピーニング加工をすることにより、Al−Si材の表面に塑性流動層ができ、研磨及び接合を阻害するSiが押し潰されて表面から奥へ押し込められるため、接合界面に於いてボイドの少ない高品質の接合ができる。
請求項12に係る接合方法によれば、第1工程の前工程に、接合面の間に媒介材を挿入するC工程を設けることにより、Al−Si材同士のカップル・平行研磨を阻害するSiの影響を低減することで容易に全面接合ができる。
なお、ショットピーリング処理の行った接合面Wfには、媒介材は不要である。
請求項13に係る接合方法によれば、被接合物がシリンダブロックの場合、シリンダヘッドの上にシリンダボアを重ね、シリンダボアとシリンダヘッドの接合面を全面接合することにより、従来のボルト、ボルト締め作業、ボルトの座、ボルトの通し穴とネジ穴が不要にできる。また、ボルトの締結力によるシリンダ穴の変形がないため、ピストンの摺動抵抗が軽減し、エンジンの燃費の向上ができる。さらに、摩擦熱による発熱が軽減できるので、エンジンの冷却用フィンが不要にできるため、さらに、エンジンのシリンダブロックWcの軽量化ができる。
請求項14に係る接合方法によれば、第1加圧手段による加圧力は、30KPa(0.03kgf/cm)〜1MPa(10kgf/cm)であり、第2加圧手段による加圧力は、1MPa(10kgf/cm)〜30MPa(300kgf/cm)であることから、第1加圧手段は空圧シリンダが好適であり、第2加圧手段は油圧シリンダが好適である。また、従来の加圧力より低圧であるため、接合装置の剛性を持たせつつ、より軽量化ができる。
請求項15に係る接合方法によれば、リサジュー掃引は、XYテーブルのXテーブル、Yテーブルの動作を制御するリサジュー制御手段により、リサジュー図形の選定および振幅の大小の制御が容易にできる。
請求項16に係る接合方法によれば、少なくとも一方の被接合物の接合面の平行度は、被接合物の底面または上面に対し±0.010mmであることから、リサジュー掃引の研磨加工が偏りのない接合面の全面に亘り行われ、全面接合ができる。
接合装置の正面図である。 接合装置の側面図である。 間仕切りの装着を示し、(a)は間仕切りの開状態、(b)は間仕切りの閉状態を示す説明図である。 図1に示すA−A線の拡大断面図である。 ワーク例であるシリンダブロックの従来の組み立て方法を示す説明図である。 (a)は、本発明の接合装置と接合方法により改良されたシリンダブロックの組み立て方法を示す説明図、(b)は、媒介材の形状を示す斜視図である。 リサジューの2次元図形を示す図表である。 接合方法を示し、(a)は本発明の接合方法のブロック図、(b)は本発明である第1工程と第2工程の前工程としてA工程とB工程を追加したブロック図である。 媒介材を挿入するもう一つの接合方法のブロック図である。 ショット・ピーニング加工の原理を示す模式図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、門形形状の接合装置の正面図、図2は側面図である。図1、図2に示すように、接合するワークWとしてこの実施形態では、自動車のガソリンエンジンのシリンダブロックWcを構成するシリンダボアWaとシリンダヘッドWbを例にして説明する。
なお、接合面Wfが加振台14により近い配置をとる関係上、シリンダヘッドWbを下にする。
図1、図2に示すように、接合装置10の架台は、剛性と平面度、直角度等の精度を高めたベッド1とポスト2,2と、ポスト2,2を繋ぐビーム3とにより門形形状を形成し、各連結部は溶接およびボルトによって固定されている。また、門形形状の開口部2bは、シリンダブロックWcの交換作業、また、マテリアルハンドロボットによるシリンダブロックWcの搬入、搬出に備えて、広く開口している。さらに、ベッド1上には加振台(XYテーブル)14が配置され、加振台(XYテーブル)14の真上のビーム3には、第1加圧手段6と第2加圧手段7が配置されている。
つまり、接合装置10は、ベッド1の上面に一方のシリンダヘッドWbを保持する加振台14が配置されている。また、保持部材のスライドヘッド4は他方のシリンダボアWaを保持する、また、スライドヘッド4を介して接合部Weを加圧する第1加圧手段6および第2加圧手段7と、第1加圧手段6による加圧状態で、シリンダヘッドWbを保持する加振台14が振動する振動制御手段8と、加振台14により、微小振動を与える微小振動制御手段9と、を備えている。
<ワークW>
図5は、従来の自動車エンジンのシリンダブロックの組み立て方法を示す説明図である。図5に示すように、従来のシリンダブロックWγは、シリンダボアWαの上面にシリンダヘッドWβを重ね合わせ、4本のボルトWδによって一体に締結するボルト固定方式が採用されている。
また、自動車エンジンの材質は軽量化のためアルミ(Al)製であるが、純アルミは摩耗しやすいため、耐摩耗性を向上させるためにシリコン(Si)を混入し、Al−Si系合金を採用している。したがって、従来のシリンダブロックWγは、AL合金の鋳物である。また、従来のシリンダブロックWγには、外周に放熱用としてフィンが設けられている。
しかしながら、4本のボルトWδによってシリンダボアWαとシリンダヘッドWβを締結すると、高精度に加工されたシリンダ穴が変形し、シリンダ穴の真円度を低下させる。結果として、燃費効率を低下させ、排ガスのCO削減にも影響を与えている。
図6の(a)は、本発明の接合装置と接合方法により改良されたシリンダブロックの組み立て方法を示す説明図である。
図6(a)に示すように、ワークWであるシリンダボアWaとシリンダヘッドWbの外観には、フィンが無く、また、ボルト通し穴も存在しない。4本のボルトWδ自体が不要な点が、図5とは大きく相違する。
シリンダボアWaとシリンダヘッドWbとは、4本のボルトWδによる締結に代わり、金属の接合部の原子の拡散によって一体に接合されるため、高精度に加工されたシリンダ穴が変形することなく、シリンダ穴の真円度が維持される。その結果、燃費効率が向上し、排ガスのCO削減にも効果を発揮する。また、ピストンの摩擦熱の発生も少なくできるため、空冷用フィンも不要にできるため、シリンダブロックWcの軽量化が可能になる。
上段のシリンダボアWaと、下段のシリンダヘッドWbの材質は、前記同様、シリコンが混入されたAl−Si系合金同士であり、この2つを全面接合する。
シリンダボアWaとシリンダヘッドWbは、位相を合わせて重ねた状態で図示しないクリップ等によって固定され、接合装置10に搬入される。
なお、図1に示すように、シリンダボアWaとシリンダヘッドWbを上下方向で反転した理由は、シリンダボアWaとシリンダヘッドWbの厚みを比較すると、シリンダヘッドWbの方の厚みが薄い。接合部Weを加振台14のXテーブル14eの上面に近付ける方が平行研磨の際の安定性が向上することを鑑み、加振応力の位置と接合負荷部の距離を出来るだけ近付ける方が有利である点から、下段に厚みの薄いシリンダヘッドWbを固定し、上段に厚みの厚いシリンダボアWaを搭載する。
さらに、シリンダボアWaの穴部には、エンドプレート6mを挿入し、油圧シリンダ7aの力を受ける。
<加振台14>
図1に示すように、水平の加振台14は、門形形状の開口部2bを形成するベッド1の上面1aに載置されている。加振台14は、XYテーブルである。
XYテーブル14は、例えば500〜800mm角のサイズのテーブルであり、ここでは760mm角のサイズが好適である。
XYテーブル14は、ベース14aと、ベース14aに配置されたY軸リニアモ−タ14bと、Y軸リニアモ−タ14bによりY軸方向へ移動自在のYテーブル14cと、Yテーブル14cに配置されたX軸リニアモ−タ14dと、X軸リニアモ−タ14dによりX軸方向へ移動自在のXテーブル14eと、から構成されている。
Yテーブル14cとXテーブル14eの下面には2列のV溝14fとV形の凸部14gが形成され、ニードルローラ14hを介して剛性ある直動ガイドを構成している。
Xテーブル14eの上面には、下取付治具14iが配置され、下取付治具14iによってシリンダヘッドWbが固定されている。
また、保持部材(スライドヘッド)4の下面には、シリンダボアWaを保持する上取付治具4kが配置され、シリンダボアWaが挟持されて固定されている。
なお、加振台14のベース14aに対するXテーブル4eの平行度は、限りなくゼロ(0)に近い、±5μmが好適である。
図1に示すように、Y軸リニアモ−タ14bは、詳しくは固定部と可動部からなり、その固定部を指している。固定部は磁界を発生する固定磁石板であり、可動部はコイル巻線およびその冷却部を一体化した可動スライダである。他に、テーブルを支持するV溝14fとVの山形凸部14gのV形ガイド、テーブルの位置を検出するリニアスケール(図示せず)、モータおよび接続される可動ケーブル等を支持するケーブルキャリア(図示せず)等より構成され、それぞれがX軸リニアモ−タ14d用にも設けられている。
Y軸リニアモ−タ14bとX軸リニアモ−タ14dの特徴は、モータ自体が磁気吸引で推力を生み出すところに特徴がある。
なお、V−Vの山形凸部に限ることなく、V−フラットの組み合わせで、少なくとも一方にVの山形凸部を設けた構成としてもよい。
例えば、某社製のモデルLis17000C3/2の最大推力は17,000N、磁気吸引力は51,000Nである。この磁気吸引力を受けているのがモータの両側に配置されたニードルローラ14hである。モデルFTW10097ccb−500は、基本動定額荷重1.68MN、基本定額静荷重6.18MNであり、大きな耐荷重となっている。さらに、モータ自体が磁気吸引力で撓む虞がある。
そこで、Yテーブル14cとXテーブル14eの吸引力による撓みを上下で打ち消すような構造にすることにより、上下の撓みを相殺して吸引力による影響を最小に抑える構造になっている。
<リニアモ−タ採用のXYテーブル14の特徴>
図1に示すように、Yテーブル14cのテーブル下面には2列のV溝14fとVの山形凸部14gが形成され、Y軸(前後)方向へ移動自在にガイドするニードルローラ14hが装着されている。このニードルローラ14hにより、Yテーブル14cの摩擦係数は0.005以下にできる。
また同様に、Xテーブル14eも同様に、摩擦係数は同様0.005以下にできる。
なお、Y軸リニアモ−タ14bとX軸リニアモ−タ14dは、サーボモータと異なり、モータの極端な出っ張りがないため、ポスト2,2との干渉がない。
さらに、位置決め精度は、ボールねじやナットがないため、これらの慣性力による悪影響がなく、位置決め精度を向上させることができる。また、ボールねじを使用しないため、回転トルクによりねじ軸のねじれが生じることがない。また、ボールねじとナット間でのバックラッシュ管理も不要にできる。
この結果、リニアモ−タ採用のXYテーブル14は、サーボモータを採用したXYテーブルに比べて始動時と停止時の応答性を向上させ、高速化ができる。
なお、無死点リサジュー加振動作に於いては、リニアサーボ14b,14dは接合性能を左右する重要な位置付となる。
<保持部材のスライドヘッド4>
図1に示すように、スライドヘッド4は、左右両端のポスト2に配置されたガイドレール2cにガイドナット4bが摺動自在に嵌合され、中央の上下方向移動装置(Z軸)5によって上下方向へ移動する。
スライドヘッド4は、開口部2bの上方に待機しており、ワークWが搬入されると、プレート4aを介して固定された上取付治具4kによってシリンダボアWaが固定されている。また、シリンダボアWaのエンドプレート6mの上面から軽くシリンダヘッドWbとの接合部Weの接合面Wfを所定の圧力で押圧する(第1工程)。さらに、接合面Wfを強く所定の圧力で押圧する(第2工程)。
<上下方向移動装置5>
図4は、図1に示すA−A線の拡大断面図である。図4に示すように、上下方向移動装置5は、スライドヘッド4の上下動を司る。
この上下方向移動装置5は、下段に配置した第1加圧手段6の空圧シリンダ6aと、上段に配置した第2加圧手段7の油圧シリンダ7aと、から構成され、一体に形成されている。
<第1加圧手段6>
第1加圧手段6は空圧シリンダ6aであり、第1工程時に作動する。
図4に示すように、第1加圧手段6は、空圧シリンダ6aと、この空圧シリンダ6aに嵌合し上下動自在の空圧ピストン6bと、空圧ピストン6bに連結された空圧ピストンロッド6cと、空圧ピストンロッド6cの下方を閉鎖するエンドプレート6fと、前記スライドヘッド4に延設されたねじ部6dとから主に構成されている。このねじ部6dとナット6nによって上下動するスライドヘッド4に固定されるとともに、衝撃を和らげるウレタンゴム製のプッシャ6gが接続されている。
この結果、空圧シリンダ6aのホース継手cのエア供給口から所定の高圧エアが供給されると、空圧ピストン6bに一体の空圧ピストンロッド6cおよびねじ部6dに一体のスライドヘッド4が下方へ押し下げられ、シリンダボアWaの上面を、プッシャ6gを介して軽く所定の圧力で押圧する。
<第2加圧手段7>
第2加圧手段7は油圧シリンダ7aであり、第2工程の接合時に作動する。
図4に示すように、第2加圧手段7は、油圧シリンダ7aと、この油圧シリンダ7aに嵌合し上下動自在の油圧ピストン7bと、油圧ピストン7bに連結された油圧ピストンロッド7cと、油圧ピストンロッド7cの下方を閉鎖するエンドプレート7dと、固定用のフランジ部7fと、油圧ピストン7bの上端部を閉鎖する上エンドプレート7eとから主に構成されている。
この結果、油圧シリンダ7aのホース継手aの作動油供給口から所定の高圧作動油が供給されると、油圧ピストン7bに一体の油圧ピストンロッド7cが下方へ瞬時に押し下げられ、前記した空圧ピストン6bに一体の空圧ピストンロッド6cに当接し、シリンダヘッドWbの上面をプッシャ6gを介して強く所定の圧力で押圧し、シリンダヘッドWbとシリンダボアWaとの接合部Weの接合面Wfを強く加圧し、結果として拡散接合する。
油圧シリンダ7aは、例えば油圧7.5MPaの仕様では20ton、油圧21MPaの仕様では56tonまでの範囲で調整可能である。ここでは、20tonが好適である。
<振動制御手段>
図1に示すように、振動制御手段8は、加振台(XYテーブル)14のXテーブルとYテーブルの振動の動きを制御する。
<リサジュー制御手段>
図1に示すように、リサジュー制御手段8は、加振台(XYテーブル)14に関係する。リサジュー制御手段8は、加振台(XYテーブル)14の前後移動手段(Y軸)13のY軸リニアモ−タ14bによる縦軸y=Bsin(bt+δ)と、左右移動手段(X軸)12のX軸リニアモ−タ14dによる横軸x=Acos(at)、との同期制御である。
<無死点リサジュー>
図7は、リサジューの2次元図形を示す図表である。リサジュー図形は、前記した2式により多様な図形が描くことができる。リサジュー図形とは、お互いに直行する2つの単振動で得られる点の軌跡の図形をいう。
図7に示すように、縦軸にはa:b、横軸に位相差(角度)δをとり、5種類の図形を示す。例えば、a:b=1:1とし、δ=0とすると、点の軌跡は、45度に傾斜した線になる。この場合、δ=πの場合と同様に、線端部で動きが折り返されるため、線端部では停止状態(死点)になる。停止状態(死点)があると、停止位置で拡散接合が起きやすい状態になるため、研磨用の摺動には不向きであり、採用できない。
無死点リサジューとは、停止状態の図形をいい、例えば、δがπ/4〜3π/4のリサジュー図形をいう。採用できるのは、停止状態(死点)のない無死点リサジューである。
無死点リサジューの2次元図形による2次元研磨は、死点がない停止状態のため、拡散接合が起こりにくく、接合前の研磨用の摺動には、好適である。
<リサジュー掃引>
リサジュー掃引とは、XYテーブル14がリサジュー制御手段8によって、図7に示す
リサジューの2次元図形を示す図表の、例えば、比率2:3にしてδ=π/4またはδ=
3π/4にすると、停止状態(死点)がなく、さらに細かい図形になったリサジューの2
次元図形に合わせて一方の被接合物Wbを、押し引きする動作をいう。
つまり、リサジュー掃引とは、第1加圧手段6による加圧状態で、一方の被接合物Wb
を保持する加振台(XYテーブル)14がリサジュー制御手段8によって無死点リサジュ
ーの2次元図形を描きながら平行研磨を行うことをいう。
図1に示すように、加振台(XYテーブル)14の動作は、第1工程の無死点リサジュ
ーの2次元研磨の振幅が、±10mmの範囲であり、第2工程の接合時の無死点リサジュ
ーの微小振幅の振動が、±1mmの範囲でXテーブル14eとYテーブル14cが移動を
繰り返す。
Xテーブル4eの上面に配置された下取付治具14iに固定されたシリンダヘッドWbの接合面Wfと、保持部材(スライドヘッド)4の下面の上取付治具4kに固定されたシリンダボアWaの接合面Wfの平行度は、±0.010mであるが、前記した加振台14の精度と同様、限りなくゼロ(0)に近い、±5μmが好適である
研磨されるシリンダヘッドWbの接合面Wfと、シリンダボアWaの接合面Wfが加振
台14に対して平行状態を保つことによって、平行研磨が可能になり、組織表面に形成さ
れた空間(ホール)を消滅さて、汚れを除去し、接合面Wfの活性化を可能にする。
さらに、Xテーブル14eとYテーブル14cの移動量を小さくするメリットは、ピッチングを抑えることにより、平行研磨に有利に作用する点である。
<微小振動制御手段9>
微小振動制御手段9は、リサジュー図形を微細にして振動させる制御手段をいう。振幅は、5μm〜100μmが好適である。これらの微細な振動は、X軸、Y軸リニアモータの制御プログラムによって容易に変更できる。
全面接合をするために第2加圧手段7により加圧する直前の数秒間、この微小振動制御手段9により、シリンダヘッドWbに微小振幅の振動を与え、シリンダボアWaとの接合部Weの接合面Wfにおいて、原子の配列の並びの座りのよい位置を見つけさせ、数秒後に第2加圧手段7により一気に加圧して全面接合を実現する。
これにより、シリンダブロックWcの全面接合による組み立てが完成する。
<間仕切り17>
間仕切り17の全体の形状は、図3(b)に示すように、平面視では円形状である。図1に示すように、断面形状はコの字形になっており、最小のスペースで接合部Weの覆いをする。間仕切り17は、酸素を追い出すパージベルトともいう。
図3は、間仕切り17の装着を示し、(a)は間仕切り17の開状態、(b)は間仕切りの閉状態を示す説明図である。
図3(a)に示すように、間仕切り17はゴム製のパージベルトで変形自在であり、一本で繋がっている。間仕切り17には、例えば、窒素ガスを供給する4箇所の供給口e〜hが設けられており、供給効率を上げ、空気を追い出して、窒素ガスを充満させ、接合面Wfの酸化を防止する。
図3(b)に示すように、間仕切り17は、前段取りで事前にワークWの接合部Weを覆うようにして円形状に装着し、取手17bをクリップ17cで固定する。装着した後、ワークWを接合装置10に搬入する。
接合装置10に搬入後、間仕切り17によって形成されたチャンバー17aには供給口e〜hから窒素ガスが供給され、チャンバー17a内の空気が窒素ガスと置換されることにより、酸化膜を形成する原因となる酸素(空気)を外に追い出す。
この間仕切り17は、平面視で円弧状に形成され、1分割されている。
間仕切り17は、図1に示すように、断面形状が略コの字形であるが、半円形、楕円形、多角形等のその他の断面形状であっても構わない。接合部の外周を最小の表面積で覆うことにより、最小のガス供給量で空気を、例えば窒素ガスに置換することができるため、最小のコストで酸化防止の状態を形成し、全面接合の条件を整えるができる。
なお、間仕切り17は、2分割にしてもよい。円弧状の2つを丁番で接続し、2本の空圧シリンダのシリンダロッドの伸縮動作を利用して、円弧状の間仕切り17を自動開閉してもよい。
ここで、本発明の接合方法を詳細に説明する。
<第1工程と第2工程の接合方法>
図8(a)は、本発明の接合方法のブロック図である。
図8(a)に示すように、金属の接合装置10を使用した接合方法は、
第1工程が、一方の被接合物Wbにリサジュー掃引を与えながら接合面Wfを平行なカ
ップル研磨により活性化を行うカップル研磨工法を行う(S1)。
第2工程は、真空状態にしない大気圧中の室温で、しかも加熱装置のない室温で、微小
振動を与え接合面を活性化しながら一気に第2加圧手段7により加圧して全面接合する
(S2)。
つまり、接合装置10にワークWをセットした後、真空装置不要の大気圧中で、加熱装置不要の室温で、加振台14の微小振動制御手段9より微小振幅の振動を与えながら一気に加圧し、全面接合する。
この第1工程、第2工程のとき、事前に図3に示すように、被接合物Wa,Wbの接合部Weに覆いをする間仕切り17が装着され、この間仕切り17が装着されたチャンバー17aに窒素ガスを供給し、酸素ガスを含む空気を排出させ、さっと入れ替える。
これまでの拡散接合は、真空装置内に真空状態を形成し、高真空中でアルゴンイオンミーリング(Arプラズマ処理)によって酸化膜層を除去して表面を活性化した後、真空中で接合部同士を重ね合わせて当接し、強力な加圧力で加圧することによって、接合部同士を拡散接合させる方法である。例えば、表面活性化拡散接合がある。
しかし、本発明は、加振台14より微小振幅の振動を与えることにより、接合面Wfの微細な凹部には凸部を、微細な凸部には凹部を嵌り込ませて座りを改善するとよい。このように、接合面同士の座りのいい位置を探す機会(第2工程の前半に微小振動)を与えることにより、これまでの必須の条件であった真空状態、加熱装置による加熱等の条件はことごとく不要にできることが判った。
例えば、日常、ぎゅうぎゅう詰めの混み合う満員電車の中で体験済みのように、アクセルやブレーキ等により強制的な揺れにより、個々人が座りのよい場所を見つけて位置を変える、座りのよい位置を見つけて移動することによりスペースができる。隙間がなかったところに隙間が生まれ、ぎゅうぎゅう詰めの混み合いが一変してスペースに余裕が生れる現象に似ている。
平行研磨は、接合界面の空間(ホール)や汚れ等を除去し、接合界面の平坦化と活性化が目的である。平行研磨は、接合時に、より活性化した界面同士の密着性を向上させるため、接合界面の環境条件を整えることが大きな目的である。
なお、平行研磨中の接合現象は、動作に停止状態(死点)があると部分接合が起き、接合界面を荒らす結果になるため、動作に停止状態(死点)がないようにして、軽圧で研磨・活性化を行うことが望まれる。
このように、接合界面の環境条件が整えられ、接合界面による高品質な接合を実現するために、加圧状態で微小振幅による振動を加えることによって、接合界面の密着度が上がり、高品質な拡散接合を起こすことができる。この接合方法は、これまでにない合理的な接合方法であり、本発明のイノベーションの一つである。
図8(b)は、その他の接合方法のブロック図である。
本発明の接合方法を詳細に説明し、重複する説明は省略する。
<界面活性剤と超音波洗浄により表面活性化処理>
図8(b)は、第1工程と第2工程の前工程としてA工程とB工程を追加したブロック図である。
B工程は、第1工程の前処理工程であり、容器に設けられた界面活性剤にワークWの接合部Weの接合面Wfを浸し、超音波洗浄により表面活性化処理をする(S2)。
なお、B工程は、ワークWを接合装置10に搬入する前に、機外で別途行われる。
このように前工程を追加してもよい。
また、液体を使う事を嫌う工程の場合は、Arプラズマを選択してもよい。界面活性剤を使わない方法として常圧でのアルゴンイオンミーリング洗浄方法が有り、これに換えてもよい。
<ショット・ピーニング加工を施す>
図8(b)に示すように、A工程は、接合面Wfにショット・ピーニング加工を施す(S1)。なお、A工程は、別途接合装置10の機外で行われるが、このように前工程を追加してもよい。
例えば、ワークWの材質がAl−Si材の場合、接合面Wfにショット・ピーニング加工をすることにより、接合面Wfの環境を変えることができる。
つまり、接合面Wfにショット・ピーニング加工を施すと、Al−Si材の表面に塑性流動層ができ、接合を阻害する虞のあるSiが表面から中へ沈降する。したがって、多少の凹凸ができたとしも接合面Wfの接触部で接合できる。さらに、ショット・ピーニング加工により圧縮残留応力ができるため、材料の強度を高めることができる。
<ショット・ピーニング>
図10は、ショット・ピーニングの原理を示す模式図である。
図10に示すように、ショット・ピーニング加工は、主に鉄鋼16の表面にスチールショットと呼ばれる小さな鋼球15を投射するとして塑性変形による塑性流動層の加工硬化層16aが形成し、表面応力の均一化、さらに、残留圧縮応力の付与を図る加工処理をいう。ここでは、鉄鋼16の代わりに、Al−Si材で鋳造されたシリンダブロックWcの接合面Wfにショット・ピーニング加工を行う。
具体的には、ショットの鋼球15の直径は20〜200μm、投射圧力は0.8MPa、投射密度は900〜8100kg・m―2が好適である。
これを、例えば、Al−Si材の接合面に適用する。
<接合面の間に媒介材Wdを挿入>
本発明の接合方法を詳細に説明し、重複する説明は省略する。
図9は、媒介材を挿入するもう一つの接合方法のブロック図である。
図9に示すように、前記した図8(a)との違いは、第1工程の前工程に、新たなC工程を追加して、前記一方の被接合物Wbの接合面Wfと他方の被接合物Waの接合面Wfとの間に媒介材Wdを挿入するC工程を設ける(S1)。
具体的には、下段のシリンダヘッドWbと、上段のシリンダボアWaの材質は、Al−Si系合金同士である。シリンダボアWaとシリンダヘッドWbの間にAl製の薄板である媒介材Wd(Mediator:図6(b)参照)を挿入する。
Al製の箔の厚みは、0.1〜1.0mmが好適である。Al製の箔の厚みは、0.02〜0.20mmが好適である。
Al−Si系合金同士の接合面にSiが存在しない純Alの媒介材Wdが挿入されると、あたかもSiが中へ沈降し、表面にない組織と類似する。接合を妨げる虞があるSiが存在しない組織にできることから、Al−Si系合金同士を容易に全面接合することができる。このようにしてもよい。
なお、ショット・ピーニング処理を行った場合は、Al−Si材同士のブロック接合に媒介材は不要である。媒介材の別の効能の一つに接合部の平面度を補完する役割が有る。
つまり、Al−Si合金の硬度が高い材料同士での研磨を行う場合、凹凸を埋めて研磨と活性化ができる媒介材が有効である。
<接合装置の動作>
(第1工程)
図8(b)に示すように、A、B工程を終えたワークWを接合装置10に搬入する。
図8(a)に示すように、ワークWは、例えば、下部のシリンダヘッドWbと上部のシリンダボアWaからなるシリンダブロックWとする。
間仕切り17は、図3(b)に示すように、ワークWの接合部Weに装着し、取手17bをクリップ17cで固定し、装着したワークWを接合装置10に搬入する。
図1に示すように、接合装置10のXYテーブル(加振台)14の上面、つまり、Xテーブルの上面に下取付治具14iが配置されている。下取付治具14iは平面視で、例えば、Vブロックであり、このVブロックにシリンダヘッドWbを手前から奥へ押し付けることにより、容易に位置決めができる。そして、シリンダヘッドWbの手前を図示しない抑え板で固定する。
また、スライドヘッド(保持部材)4は、開口部2bの上方に待機しており、ワークWが搬入されると、上取付治具4kによってシリンダボアWaが固定される。シリンダボアWaの穴にはエンドプレート6mが挿着される。
なお、上取付治具4kは電磁チャックが好適であるが、手動式、その他の固定方法であっても構わない。
さらに、図4に示すように、ビーム3から下方へ延びた上下方向移動装置5の第1加圧手段6である空圧シリンダ6aが作動すると、空圧ピストンロッド6cを下降させ、シリンダボアWaのエンドプレート6mの上面から下方へ軽く所定の圧力で押圧する。
間仕切り17によって形成されたチャンバー17aに窒素ガスが供給され、チャンバー17a内の空気が外に追い出されて窒素ガスで置換されると、下部のシリンダヘッドWbにXYテーブル14のリサジュー制御手段8による無死点リサジューの2次元図形の動作による2次元研磨を行う。
(第2工程)
加熱することなく大気圧中の室温で、しかも真空状態を設けることなく、下部のシリンダヘッドWbにXYテーブル14のリサジュー制御手段8による微小振幅の振動を数秒間与えながら、ビーム3から下方へ延びた上下方向移動装置5の第2加圧手段7である油圧シリンダ7aが作動すると、油圧ピストンロッド7cを下降させ、エンドプレート6mを介してシリンダボアWaの上面を所定の圧力で強く押圧し、一気に加圧して全面接合する。
本発明の金属の接合装置および接合方法は、従来の設備の問題を解消するとともに、簡素な設備で接合を可能にすることにより、製造・設備コストを低減させ、産業分野に広く普及できる接合装置および接合方法を提供することができる。
本発明は、自動車の軽量化、燃費の改善、世界環境への対応等の問題を一挙に解決できるイノベーション(技術革新)として期待される。ここでは、自動車部品の重量物であるエンジンのシリンダブロックをターゲットにして研究・開発を進めてきたが、この他にも、自動車の複数の部品に対してボルトの締結に代わる全面接合が可能である。
なお、本発明はその技術思想の範囲内で種々の改造、変更が可能である。
本発明の接合装置は、ワークWを上下に重ね、上下方向から加圧する立形の接合装置としたが、これに限らず、ワークを横置きにして左右方向から加圧する横形の接合装置としても構わない。
また、例えば、上下方向移動装置5は、空圧シリンダ6aと油圧シリンダ7aとしたが、空圧シリンダ6aの代わりにサーボモータ(Z軸)とボールねじの公知の移動機構により行う上下動の駆動装置を採用してもよい。また、ボールねじとサーボモータの代わりに、リニアモータであっても構わない。
1 ベッド
1a 上面
2 ポスト
2a 上端部
2b 開口部
2c ガイドレール
3 ビーム
3a 座
3b カバー
4 スライドヘッド(保持部材)
4a プレート
4b ガイドナット
4k 上取付治具
5 上下方向移動装置(Z軸)
6 第1加圧手段
6a 空圧シリンダ
6b 空圧ピストン
6c 空圧ピストンロッド
6d ネジ部
6e 下部カバー
6f エンドプレート
6g プッシャ
6n ナット
6m エンドキャップ
7 第2加圧手段
7a 油圧シリンダ
7b 油圧ピストン
7c 油圧ピストンロッド
7d エンドプレート
7e 上エンドプレート
7f フランジ部
8 振動制御手段(リサジュー制御手段)
9 微小振動制御手段
10 接合装置
12 左右移動手段(X軸)
13 前後移動手段(Y軸)
14 加振台(XYテーブル)
14a ベース
14b Y軸リニアモ−タ
14c Yテーブル
14d X軸リニアモ−タ
14e Xテーブル
14f V溝
14g 山形凸部
14h ニードルローラ
14i 下取付治具
15 鋼球
16 金属
16a 加工硬化層
17 間仕切り(まじきり)
17a チャンバー
17b 取手
17c クリップ
W 被接合物(ワーク)
Wa シリンダボア
Wb シリンダヘッド
Wc シリンダブロック(ワーク)
Wd 媒介材(Mediator)
We 接合部
Wf 接合面
a,b 油圧のホース継手(作動油供給口)
c,d 空圧のホース継手(エアー供給口)
e〜h ガスのホース継手

Claims (16)

  1. 一方の被接合物の接合面と他方の被接合物の接合面とを接合する金属の接合装置であって、
    前記一方の被接合物を保持する加振台と、
    前記他方の被接合物の接合面を加振方向と平行に保持する保持部材と、
    前記他方の被接合物を保持する保持部材を介して加圧する第1加圧手段および第2加圧手段と、
    前記第1加圧手段による加圧状態で、一方の被接合物を保持する加振台が振動する振動制御手段と、
    前記加振台により、微小振幅の振動を与える微小振動制御手段と、
    を備え、
    大気圧中で、加熱のない室温で、前記微小振幅の振動を与えながら、前記第2加圧手段によりさらに加圧して全面接合することを特徴とする金属の接合装置。
  2. 前記加振台が振動する振動制御手段は、無死点リサジューの2次元研磨を行うリサジュー制御手段であることを特徴とする請求項1に記載の金属の接合装置。
  3. 前記加振台はXYテーブルであり、前記加振台のXテーブルの下面およびYテーブルの下面にはX軸ガイドおよびY軸ガイドとなるV−Vの山形凸部が形成され、または、前記加振台のXテーブルの下面およびYテーブルの下面にはX軸ガイドおよびY軸ガイドとなるV−フラットの組み合わせで少なくとも一方にVの山形凸部が形成され、X軸およびY軸駆動はリニアモータであることを特徴とする請求項1に記載の金属の接合装置。
  4. 前記第1加圧手段は、空圧シリンダによる空圧駆動であることを特徴とする請求項1に記載の金属の接合装置。
  5. 前記第2加圧手段は、油圧シリンダによる油圧駆動であることを特徴とする請求項1に記載の金属の接合装置。
  6. 前記無死点リサジューの2次元研磨は、前記Xテーブルと前記Yテーブルとの同期制御によることを特徴とする請求項2に記載の金属の接合装置。
  7. 前記無死点リサジューの2次元研磨の振幅は、±10mmの範囲であり、接合時の前記無死点リサジューの微小振動の振幅は、±1mmの範囲であることを特徴とする請求項2または請求項6に記載の金属の接合装置。
  8. 前記被接合物の接合部には、覆いをする間仕切りが装着されることを特徴とする請求項1に記載の金属の接合装置。
  9. 請求項1に記載の金属の接合装置を使用した接合方法であって、
    前記一方の被接合物にリサジュー掃引を与えながら接合面を平行なカップル研磨により活性化を行うカップル研磨工法の第1工程と、
    大気圧中の室温で、微小振幅の振動を与えながら一気に加圧して全面接合する第2工程と、を含むことを特徴とする接合方法。
  10. 前記第1工程の前処理として、界面活性剤に前記接合面を浸し、超音波洗浄により表面活性化処理をするB工程を設けることを特徴とする請求項9に記載の接合方法。
  11. 前記B工程の前処理として、前記接合面にショット・ピーニング加工を施すA工程を設けることを特徴とする請求項9に記載の接合方法。(真空なし、加熱なしの室温)
  12. 前記第1工程の前工程に、前記接合面の間に媒介材を挿入するC工程を設けることを特徴とする請求項9に記載の接合方法。
  13. 前記被接合物がシリンダブロックの場合、シリンダヘッドの上にシリンダボアを重ね、シリンダボアとシリンダヘッドの接合面を全面接合することを特徴とする請求項9に記載の接合方法。
  14. 前記第1加圧手段による加圧力は、30KPa(0.03kgf/cm)〜1MPa(10kgf/cm)であり、前記第2加圧手段による加圧力は、1MPa(10kgf/cm)〜30MPa(300kgf/cm)であることを特徴とする請求項9に記載に記載の接合方法。
  15. 前記リサジュー掃引は、XYテーブルがリサジュー制御手段によって無死点リサジュー
    図形を描きながら摺動することを特徴とする請求項9に記載の接合方法。
  16. 前記被接合物の接合面の少なくとも一方の平行度は、前記被接合物の底面または上面に対し±0.010mmであることを特徴とする請求項9に記載の接合方法。

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