JP2016068043A - 渦輪発生装置、該渦輪発生装置を含む洗浄装置 - Google Patents

渦輪発生装置、該渦輪発生装置を含む洗浄装置 Download PDF

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Yoko Yamanishi
陽子 山西
曹 高澤
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Abstract

【課題】微細部位での液体の攪拌や洗浄等のために、単に気泡を当てたり圧壊するのみでなく、例えば、回転しながら移動する等、従来にない動きをする気泡を提供する。【解決手段】導電材料で形成された芯材、絶縁材料で形成され前記芯材の先端より延伸した延伸部を含み且つ前記芯材に少なくとも一部が密着して芯材を覆う外郭部、前記延伸部及び前記芯材の先端との間に形成され且つ気泡噴出口を有する空隙を含む気泡噴出部材2、及び、親気泡発生手段3を含み、前記親気泡発生手段から発生した親気泡31に、前記気泡噴出部材から噴出した気泡21を衝突させることで渦輪4を形成することを特徴とする渦輪発生装置1。【選択図】図1

Description

本発明は、渦輪発生装置に関し、特に、中空のリング状であって且つ回転している微細な気体の輪である渦輪を発生するための渦輪発生装置、及び該渦輪発生装置を含む洗浄装置に関するものである。
近年、マイクロ流路が形成されたマイクロリアクター及び分析チップ、マイクロ流路・反応室・混合室等が形成されたマイクロTAS等、フォトリソグラフィ技術を利用した微細なチップの開発が進められている。フォトリソグラフィ技術の向上により、マイクロ流路・反応室・混合室等(以下、「微細部位」と記載することがある。)の大きさ(幅)は非常に小さくすることができるが、その一方で、液体の表面張力のため、微細部位で試薬を均一に混合することが難しいという問題がある(非特許文献1参照)。更に、チップを再利用する場合、微細部位の壁面に付着した汚れの洗浄方法等についても有効な方法は知られていない。
また、内視鏡等の生体内に挿入する医療用デバイスの分野においては、内蔵する精密機器の関係上、オートクレーブ等の高温高圧殺菌をすることができない機器がある。これら機器の殺菌方法としては、薬液に浸漬する方法が知られている。しかしながら、単に薬液に浸漬するのみでは、例えば、内視鏡の鉗子チャンネルや送液管等の細管の細部には薬液が浸透しにくい場合がある。
上記問題点を解決する為、電解液の化学変化を利用して気泡を発生させ、発生した気泡で内視鏡の細管の内面を洗浄する装置が知られている(特許文献1参照)。また、オゾンナノバブル水に超音波を発射してナノバブルが圧壊する際のエネルギーにより細管を洗浄する方法も知られている(特許文献2参照)。
上記特許文献1及び2に記載されている方法は、発生した気泡を細管に当てたり、気泡を破壊した際に発生するエネルギーにより、汚れ等を物理的に除去している。しかしながら、当該方法は、気泡を当てたり圧壊エネルギーで汚れを単に落としているに過ぎず、例えば、気泡が回転する等、汚れを擦り落とす等の動きをするわけではない。微細部位での液体の攪拌や洗浄等のために、単に気泡を当てたり圧壊するのみでなく、例えば、回転しながら移動する等、従来にない動きをする気泡が撹拌・洗浄には好ましいと思われるが、現在のところ、そのような気泡の発生方法・手段は知られていない。
特開2009−172162号公報 特開2012−55552号公報
本発明は、上記問題点を解決するためになされた発明であり、鋭意研究を行ったところ、気泡噴出部材から噴出した微細な気泡を親気泡に衝突させることで、中空のリング状であって且つ回転している気体の輪である渦輪を発生できることを新たに見出した。
すなわち、本発明の目的は、渦輪発生装置、該渦輪発生装置を含む洗浄装置を提供することにある。
本発明は、以下に示す、渦輪発生装置、該渦輪発生装置に関する。
(1)導電材料で形成された芯材、絶縁材料で形成され前記芯材の先端より延伸した延伸部を含み且つ前記芯材に少なくとも一部が密着して芯材を覆う外郭部、前記延伸部及び前記芯材の先端との間に形成され且つ気泡噴出口を有する空隙を含む気泡噴出部材、
及び、
親気泡発生手段を含み、
前記親気泡発生手段から発生した親気泡に、前記気泡噴出部材から噴出した気泡を衝突させることで渦輪を形成することを特徴とする渦輪発生装置。
(2)前記気泡噴出部材が、前記外郭部の外側に、前記外郭部との間に空間を有するように前記外郭部から離間した位置に形成した外側外郭部を含むことを特徴とする上記(1)に記載の渦輪発生装置。
(3)洗浄対象物を入れる容器、及び上記(1)又は(2)に記載の渦輪発生装置を含む洗浄装置。
本発明の渦輪発生装置は、気泡噴出部材から噴出した微細な気泡を親気泡に衝突させるという簡単な方法で、渦輪を発生することができる。当該渦輪は、渦輪自体が移動する移動エネルギーに加え、中空のリング状の輪が回転する回転エネルギーを有していることから、チップの微細部位の洗浄や液体の混合、医療用デバイスの細管の洗浄等に使用することができる。
また、親気泡の大きさを変えることで、渦輪の大きさを調整することができる。したがって、微細部位や細管の大きさに応じて、渦輪の大きさを簡単に変更することができる。
更に、渦輪は回転していることから、洗浄液に研磨用微粒子等を入れることで研磨用微粒子等を回転させることができ、洗浄効果を向上することができる。
図1は、本発明の渦輪発生装置による渦輪の発生原理を示す図である。 図2(a)は気泡噴出部材2の作製方法を示す図である。図2(b)は図面代用写真で、実施例1で作製した気泡噴出部材2の先端部分の写真、図2(c)は図面代用写真で、図2(b)を更に拡大した写真である。 図3は、本発明の渦輪発生装置1の使用の一例を示す図である。 図4は、渦輪発生装置1の全体構成を示す図である。 図5は、渦輪発生装置1の他の実施形態を示す図である。 図6は、本発明の渦輪発生装置1を用いた洗浄装置70の一例を示す図である。 図7は、気泡噴出チップ80の概略を示す図である。 図8は、気泡噴出チップ80の作製手順の一例を示す図である。 図9は、実施例1で作製した気泡噴出部材2の写真である。 図10は、図面代用写真で、実施例2で作製した渦輪4をハイスピードカメラで撮影した写真である。
以下に、本発明の渦輪発生装置、該渦輪発生装置を含む洗浄装置について図面を参照しながら詳しく説明する。
先ず、本発明において、「渦輪」とは、中空のリング状であって且つ回転している気体のことを意味する。
図1は、本発明の渦輪発生装置1による渦輪4の発生原理を示す図である。渦輪発生装置1は気泡噴出部材2と親気泡発生手段3を少なくとも含んでいる。気泡噴出部材2から噴出した気泡21が親気泡発生手段3から発生した親気泡31に衝突すると、気泡21の衝突エネルギーにより親気泡31の衝突面が内部に押し込まれる。そして、衝突面と反対側に貫通することで、中空のリングが形成されるが、親気泡31の衝突面が反対側に押し込まれるエネルギーにより、形成された中空のリングに回転エネルギーを付与することができる。
気泡噴出部材2としては、微細な気泡を連続的に噴出することができれば特に制限はないが、本発明者が先に出願した気泡噴出部材(特許第5526345号参照)を用いることができる。図2(a)は気泡噴出部材2の作製方法を示す図で、(1)中空の絶縁材料22を準備し、(2)前記中空の絶縁材料22に導電材料で形成された芯材23を挿入し、(3)熱24をかけて引き切ると、(4)気泡噴出部材2を作製することができる。本方法では、絶縁材料22と芯材23の粘弾性の差により、図2(b)に示すように、芯材23の先端から絶縁材料22が更に延伸した延伸部25を含む外郭部26が芯材23の外周に密着するように形成され、前記延伸部25と前記芯材23の先端部分とで形成され且つ気泡噴出口28を有した空隙27を含む気泡噴出部材2を作製することができる。上記の方法により気泡噴出部材2を作製すると、芯材23は先鋭形状になる。また、外郭部26の延伸部25がテーパー状になり、噴出された気泡21が指向性を持つことから好ましい。
絶縁材料22としては、電気を絶縁するものであれば特に限定はなく、例えば、ガラス、マイカ、石英、窒化ケイ素、酸化ケイ素、セラミック、アルミナ、等の無機系絶縁材料、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム等ゴム材料、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、シラン変性オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン系樹脂、弗素系樹脂、シリコン系樹脂、ポリサルファイド系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース系樹脂、UV硬化樹脂等の絶縁性樹脂が挙げられる。
芯材23を形成する導電材料としては、電気を通す電極として使用できるものであれば特に制限はないが、好ましくは金属で、例えば、金、銀、銅、アルミニウム等、これらにスズ、マグネシウム、クロム、ニッケル、ジルコニウム、鉄、ケイ素などを少量加えた合金等が挙げられる。上記のとおり、空隙27は、芯材23の先端及び該先端から絶縁材料22が更に延伸した延伸部25とで形成されることから、絶縁材料22の粘弾性が芯材23の粘弾性より大きくなるように適宜材料を組み合わせればよく、例えば、絶縁材料22及び芯材23の組み合わせとしては、ガラス及び銅、ガラス及びプラチナ、ガラス及びアルミニウム、ガラス及び金、ガラス及び銀、ガラス及びニッケル、エポキシ樹脂及び銅、エポキシ樹脂及びプラチナ、エポキシ樹脂及びアルミニウム、エポキシ樹脂及び金、エポキシ樹脂及び銀、エポキシ樹脂及びニッケル、アクリル樹脂及び銅、アクリル樹脂及びプラチナ、アクリル樹脂及びアルミニウム、アクリル樹脂及び金、アクリル樹脂及び銀、アクリル樹脂及びニッケル、シリコン樹脂及び銅、シリコン樹脂及びプラチナ、シリコン樹脂及びアルミニウム、シリコン樹脂及び金、シリコン樹脂及び銀、シリコン樹脂及びニッケル等が挙げられる。
なお、気泡噴出部材2を用いて気泡21を噴出する際には、電気を出力すると後述するように空隙27で形成された気泡が引き千切られるように気泡噴出口28から噴出されるので、気泡噴出部材2に外部から気体を供給する必要は無い。したがって、図2(b)に示すように、本発明の芯材23は導電材料が延伸した中実な状態で形成され、芯材23の内部には空気を供給する管等は形成されていない。また、絶縁材料22と芯材23との粘弾性の差により、気泡噴出部材2の先端付近において、外郭部26の少なくとも一部は芯材23に密着するようになっている。
図2(c)は、図2(b)を更に拡大した写真である。気泡噴出部材2と図示しない対向電極に電気を出力すると、気泡噴出口28から気泡21が連続的に噴出するが、その際、空隙27において、気泡噴出口28の内径(以下、「直径D」又は「D」と記載することがある。)に近い大きさの気泡が生成され、気泡噴出口28から前記気泡が引き千切られるように噴出する。したがって、前記空隙27の深さ(芯材23の先端から気泡噴出口28までの長さ。以下、「L」と記載することがある。)は、少なくとも空隙27内で気泡が生成できる大きさである必要があり、L/Dは少なくとも1以上であることが好ましい。一方、L/Dの上限は、気泡が連続的に噴出できる大きさであれば特に制限はないが、気泡噴出部材の先端は非常に細く破損しやすいため、取扱いの利便性等を考えると、L/Dは、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が更に好ましく、1〜2が特に好ましい。L/Dは、製造に用いる絶縁材料22及び導電性材料23の温度と粘度の関係を考慮し、加熱する際の温度及び引き切るスピードを変化させることで調整することができる。
噴出する気泡21の大きさは、気泡噴出口28の直径Dを変えることで調整することができる。気泡噴出口28の直径Dは、後述する親気泡31の大きさを考慮し、適宜決めればよい。気泡噴出口28の直径Dは、絶縁材料22及び芯材23の大きさを調整すると共に、加熱する際の温度及び引き切るスピードを変化させることで調整することができる。
気泡噴出部材2の製造方法は、上記の例に限定されず、例えば、芯材23の先端にフォトレジスト、熱硬化性樹脂等の部材を設け、窒化ケイ素、酸化ケイ素等の絶縁材料22をスパッタリングにより芯材23の周囲に設けた後、フォトレジスト、光硬化樹脂等を除去することで製造してもよい。また、芯材23の先端にテーパー状のフォトレジスト、熱硬化性樹脂等を設けることで、スパッタリング後の外郭部26をテーパー状にすることができる。また、スパッタリングで気泡噴出部材2を製造する場合、上記のL/Dを調整するには、芯材23の先端に設ける延伸部25の長さを適宜調整すればよい。
親気泡発生手段3は、気泡噴出部材2の前に親気泡31を発生できれば特に制限は無く、例えば、細管の端部に気体の押出機を設け、周囲の空気やタンク中の気体を押し出して、親気泡31を形成すればよい。親気泡31の大きさは、細管の大きさを変えることで任意に設定することができる。細管は、ガラス、金属等の硬性であっても、シリコンチューブ等の軟性であってもよい。親気泡発生手段3として用いることができる市販の気泡発生装置としては、リングポンプ(アクアテック社製)、シリンジポンプ等が挙げられる。
上記のとおり、渦輪4は、親気泡31に気泡噴出部材2から噴出した気泡21を衝突させて作製している。したがって、親気泡31の大きさに対して気泡21が大きすぎると衝突エネルギーにより親気泡31が小さな気泡に分裂する。逆に気泡21が小さすぎると、親気泡31への衝突エネルギーも小さくなり、輪ができない又は輪ができたとしても渦輪の回転エネルギーが小さくなる。気泡21に対する親気泡31の大きさは、所期の渦輪4が形成できれば特に制限は無いが、液中での気泡がほぼ球形であると仮定すると、2〜100倍が好ましく、5〜20倍がより好ましい。親気31の大きさは親気泡発生手段3の細管の大きさ、気泡21の大きさは気泡噴出部材2の気泡噴出口28の大きさで調整することができるので、親気泡31と気泡21の大きさが、上記の関係となるように細管及び気泡噴出口28の大きさを適宜調整すればよい。
図3は、本発明の渦輪発生装置1の使用の一例を示す図で、マイクロ流路内の試薬を撹拌・混合、又はマイクロ流路を洗浄する例を示している。図3に示すように、先ず、気泡噴出部材2の少なくとも気泡噴出口28をマイクロ流路内の溶液に浸漬し、親気泡発生手段3の細管を気泡噴出口28の前方に配置し、対向電極5を溶液に浸漬させる。そして、気泡噴出部材2の芯材23及び対向電極5に電気出力手段6から電気を出力することで、気泡噴出部材2から気泡21を噴出する。また、同時に、親気泡発生手段3を駆動し、気泡21が衝突するタイミングで親気泡31を発生させることで、渦輪4を形成することができる。対向電極5は、電気が通るものであれば特に制限は無く、芯材23と同様の導電性材料で作製すればよい。
図4は、渦輪発生装置1の全体構成を示す図である。電気出力手段6は、一般商用交流電源装置61、並びに気泡噴出部材2の芯材23(アクティブ電極)と対向電極5とで回路を形成するための電線62、を少なくとも含み、必要に応じて、無誘導抵抗63、電圧増幅回路64、図示しないDIO(Digital Input Output)ポート等を設けてもよい。電気出力手段6は、従来の電気メス用電気回路に無誘導抵抗63やDIOポート等を組み込み、微小対象用の出力構成にセッティングすることで簡単に作成することができる。なお、図4に示す全体構成では、親気泡発生手段3の回路と電気出力手段6の回路は別回路となっているが、親気泡31と気泡21の発生タイミングを揃えるために、同期回路で繋いでもよい。
芯材23及び対向電極5に出力する電気の電流、電圧及び周波数は、渦輪4が形成できれば特に制限は無いが、例えば、電流は、10mA〜80mAが好ましく、25mA〜75mAがより好ましい。電流が10mAより小さいと気泡21をうまく生成できないことがあり、80mAより大きいと電極摩耗を生じることとなり好ましくない。電圧は、100V〜800Vが好ましく、200V〜600Vがより好ましい。電圧が100Vより小さいと気泡21の生成が困難となり、800Vより大きいと芯材23の摩耗や気泡噴出部材2が破損する恐れがあり好ましくない。周波数は、1kHz〜1GHzが好ましく、5kHz〜1MHzがより好ましく、10kHz〜60kHzが特に好ましい。周波数が1kHzより小さいと、気泡噴出部材2が破損する恐れがあり、1GHzより大きいと気泡21が生成できなくなる恐れがあり好ましくない。
親気泡31の気体の種類は、渦輪4が形成できれば特に制限は無い。通常の空気を用いてもよいし、殺菌等を目的とする場合はオゾンガス、又はプラズマを含む空気、化学反応場形成の場合は酸素、水素、窒素等、渦輪4の目的に応じて適宜選択すればよい。
図5は、渦輪発生装置1の他の実施形態を示す図である。本実施形態の渦輪発生装置1は、図1に示す気泡噴出部材2の外郭部26の外側に、外郭部26との間に空間を有するように外郭部26から離間した位置に外側外郭部29が形成されている。図5(1)に示すように、外郭部26と外側外郭部29との間に空間に、図示しない親気泡発生手段から空気(図5(1)中の矢印)を送り込むことで外側外郭部29の先端に親気泡31を形成する。そして、図5(2)に示すように気泡噴出部材2から気泡21を噴出して親気泡31に衝突させると、図5(3)に示すように、渦輪4を形成することができる。
図5に示す実施形態の渦輪発生装置1は、気泡噴出部材2を作製した後、ポリマーフィルムやゴムワッシャ、PDMS(ポリジメチルシロキサン)を使用したソフトリソグラフィー・3次元光造形法等の方法により作製した同心軸位置決めワッシャを気泡噴出部材2に嵌め、ガラス管、プラスチック管等を熱により引き切った外郭部26より大きな直径を有する外側外郭部29をワッシャ31に外挿することで作製することができる。なお、外側外郭部29の先端は、気泡溜まりの機能を果たすことと、気泡の指向性を向上できることから、外郭部26の先端より長くすることが好ましい。
図6は、本発明の渦輪発生装置1を用いた洗浄装置70の一例を示している。本発明の洗浄装置70は、洗浄対象物72を入れるための容器71と渦輪発生装置1を少なくとも含んでいる。洗浄対象物72を洗浄する際には、洗浄対象物72及び洗浄液73を容器71に入れ、少なくとも気泡噴出部材2の気泡噴出口28及び対向電極5を溶液73に浸漬し、親気泡発生手段3の細管を気泡噴出部材2の前に配置すればよい。
容器71は、洗浄対象物72及び洗浄液73を入れることができ、気泡噴出部材2の気泡噴出口28、対向電極5及び親気泡発生手段3の細管を浸漬することができれば、形状、材質等に特に制限は無い。
また、洗浄対象物72は、渦輪4を衝突させることで汚れが落ちるものであれば特に制限は無い。洗浄対象物72としては、例えば、内視鏡等の医療用デバイス、分析用チップ、ガラス素材、金属素材、ゴム素材、繊維素材、樹脂素材、野菜等が挙げられ、洗浄対象物72から、菌、油性成分、タンパク質等の汚れを落とすことができればよい。内視鏡の細管等を洗浄する場合は、気泡噴出口28を内視鏡の細管のすぐそばに配置し、発生した渦輪4が細管に入るようにすればよい。また、素材の表面を洗浄する場合は、洗浄対象物72の表面に渦輪4が衝突するようにすればよい。
洗浄液73は、電気を通すことができれば特に制限は無く、水、イオン水等が挙げられる。また、医療用デバイス等の洗浄を行う場合は公知の洗浄用の薬液を加えたり、オゾン水を用いてもよい。また、洗浄液73には、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、炭化ケイ素、コランダム等の研磨用微粒子を添加してもよい。渦輪4は回転していることから、研磨用微粒子も回転し、洗浄効果を高めることができる。
なお、上記に示した渦輪発生装置1は、気泡噴出部材2が一つの例であるが、気泡噴出部材2を2以上用いてもよい。具体的には、図1に示す気泡噴出部材2を複数用い、各気泡噴出部材2の前に親気泡31が発生するように親気泡発生手段3と細管の位置を調整すればよい。また、図5に示す気泡噴出部材2を複数用いてもよい。
また、上記のとおり、別々に作製した気泡噴出部材2を複数組み合わせて用いる他、基板上に複数の気泡噴出部を形成した気泡噴出チップを用いてもよい。図7は気泡噴出チップ80の概略を示す図である。気泡噴出チップ80は、基板81上に気泡噴出部82が形成されている。気泡噴出部82は、導電性材料で形成された電極83、電極83を挟むように設けられ且つ電極83の先端より延伸した延伸部84を含む絶縁部85で形成され、電極83の先端と延伸部84とで空隙86が形成されている。また、図7に示す例では、電極83に接続する通電部87が形成されているが、通電部87は、気泡噴出チップ80の作製時に一体的に形成してもよいし、気泡噴出チップ80とは別体とし、通電時に接続してもよい。なお、図7に示す気泡噴出チップ80は、対向電極5は別体となっているが、気泡噴出部82の気泡噴出口90より延伸した部分を有する基板81を用い、基板81上に対向電極を形成してもよい。
図8は気泡噴出チップ80の作製手順の一例を示す図である。
(1)基板81を、アセトン・エタノール・超純水等を用いて洗浄する。
(2)通電部87を形成する材料をスパッタリングにより基板81上に積層する。
(3)フォトレジスト89を塗布し、最終的に通電部87を形成する部分にフォトレジストが残るように、マスクを用いて露光・現像する。
(4)ウェットエッチング等の方法により、通電部87を形成する部分以外の材料を除去する。
(5)レジストを除去することで、通電部87を形成する。
以下の製造工程については、電極83を形成する部分はA−A’断面図、絶縁部85を形成する部分は、B−B’断面図として示す。
(6)絶縁部85をスピンコートにより積層する。
(7)絶縁部85が残るような形状に設計したフォトマスクを用いて露光する。外部電源への接続を容易にするため、基板81の端部部分の絶縁部85を除去し、通電部87が露出するような形状のフォトマスクを用いることが望ましい。
(8)現像後、絶縁部85を形成する部分以外の材料を除去する。
(9)通電部87の上に、電気メッキにより電極83を成長させる。
(10)絶縁層88を形成する。
上記工程で用いるレジスト、エッチャント、スパッタリング装置等は、微細加工技術の分野で用いられている公知の試薬、装置を用いればよい。また、通電部87を設けない場合は、工程(2)〜(4)を省略することで基板81上に絶縁部85を形成し、次いで、薄板状の電極83を形成するための材料を電極83の形状となるように切断し、絶縁部85の間にはめ込んで製造すればよい。その場合、電極83が基板81の端部に露出するように形成し、外部電源に直接通電できるようにすることが好ましい。また、上記製造工程は、基板81上に気泡噴出部82を2次元に配置した例を示しているが、工程(10)終了後に、工程(2)〜(10)を繰り返すことで、基板81上に、気泡噴出部82を3次元に形成することもできる。
基板81を形成する材料としては、電極83、絶縁部85を堆積できるものであれば特に制限は無く、例えば、ガラス、石英、PMMA、シリコン等が挙げられる。
電極85を形成する材料としては、通電することができ、且つ、電気メッキ等の方法により基板81上に積層できる材料であれば特に制限は無く、例えば、ニッケル、金、白金、銀、銅、スズ、マグネシウム、クロム、タングステン等の金属、又はそれらの合金が挙げられる。
絶縁部85はフォトリソグラフィ技術を用いて作成する。したがって、絶縁部85を形成する材料は、絶縁性の感光性樹脂であれば特に制限は無い。例えば、市販されているTSMR V50、PMER等のポジティブ型フォトレジスト、SU−8、KMPR等のネガティブ型フォトレジストが挙げられる。電極83と対向電極5に通電することで気泡を噴出することから、特に高電圧を印加した場合、微細な部分である気泡噴出口に負荷がかかり易い。SU−8、KMPR等のネガティブ型フォトレジストは、ポジティブ型フォトレジストより硬度が高いため、気泡噴出部82に高電圧をかける場合は、感光性樹脂としてネガティブ型フォトレジストを用いることが好ましい。通電部87は、電極83と同様の材料を用いることができる。
上記に示した気泡噴出チップ80を用いる場合は、親気泡31が、気泡噴出チップ80の各気泡噴出部82の前に発生するように調整すればよい。
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。
<実施例1>
〔渦輪発生装置1の作製〕
(1)ガラス中空管22(Drummond社製、外径1.37mm、内径0.93mm)に直径30μmの銅線23を挿入し、ガラスプラー(サッター社製、P−1000IVF)によって、加熱しながら引き切ることで、芯材23の周りに延伸部25を含む外郭部26を形成した気泡噴出部材2を作製した。
(2)ガラスプラーによって、前記ガラス中空管より一回り大きいガラス中空管(Drummond社製、外径33mm、内径1.63mm)を加熱しながら引き切って外側外郭部29を作製した。
(3)上記(1)で作製した気泡噴出部材2に、ポリマーフィルムを積層して作製したワッシャを嵌め、上記(2)で作製した外側外郭部29をワッシャの外側に挿入して実施例1の渦輪発生装置1に用いる気泡噴出部材2を作製した。
図9は、実施例1で作製した気泡噴出部材2の写真である。外側外郭部29の先端の内径は約20μmであった。
次に、医療用電気メス(ConMed社製、Hyfrecator2000)のメスに換え、作製した気泡噴出部材2を組み込み、更に、無誘導抵抗及びDIOポートを電気出力手段に組み込んだ。
そして、親気泡発生手段3として、リングポンプ(アクアテック社製、RP−SX)を用い、親気泡発生手段3からシリコンチューブを用いて、気泡噴出部材2の外郭部26と外側外郭部26の間に空気を送ることができるようにすることで、渦輪発生装置1を作製した。
<実施例2>
〔渦輪の発生〕
1MのNaCl溶液に、実施例1で作製した渦輪発生装置1の気泡噴出部材2を浸漬した。電圧27.7mA、電流309V、アウトプット周波数は32.5kHz、インピーダンスマッチングのためのサンプリング周波数は450kHz、3.5kHzでフィードバックを行い、芯材23と対向電極5に電気を出力した。電気の出力は1回行った。渦輪4の形成は、ハイスピードカメラ(VW−9000, Keyence社製)を用いて撮影を行った。図10は、ハイスピードカメラで撮影した写真である。親気泡31に気泡21が衝突・貫通することで、親気泡31がリング状になりつつ移動することが確認できた。また、動画解析の結果より、渦輪が回転していることが確認できた。
1…渦輪発生装置、2…気泡噴出部材、3…親気泡発生手段、4…渦輪、5…対向電極、6…電気出力手段、21…気泡、22…絶縁材料、23…芯材(導電材料)、24…熱、25…延伸部、26…外郭部、27…空隙、28…気泡噴出口、31…親気泡、61…一般商用交流電源装置、62…電線、63…無誘導抵抗、64…電圧増幅回路、70…洗浄装置、71…容器、72…洗浄対象物、73…洗浄液、80…気泡噴出チップ、81…基板、82…気泡噴出部、83…電極、84…延伸部、85…絶縁部、86…空隙、87…通電部、88…絶縁層、89…フォトレジスト、90…気泡噴出口

Claims (3)

  1. 導電材料で形成された芯材、絶縁材料で形成され前記芯材の先端より延伸した延伸部を含み且つ前記芯材に少なくとも一部が密着して芯材を覆う外郭部、前記延伸部及び前記芯材の先端との間に形成され且つ気泡噴出口を有する空隙を含む気泡噴出部材、
    及び、
    親気泡発生手段を含み、
    前記親気泡発生手段から発生した親気泡に、前記気泡噴出部材から噴出した気泡を衝突させることで渦輪を形成することを特徴とする渦輪発生装置。
  2. 前記気泡噴出部材が、前記外郭部の外側に、前記外郭部との間に空間を有するように前記外郭部から離間した位置に形成した外側外郭部を含むことを特徴とする請求項1に記載の渦輪発生装置。
  3. 洗浄対象物を入れる容器、及び請求項1又は2に記載の渦輪発生装置を含む洗浄装置。
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CN112915558A (zh) * 2021-01-22 2021-06-08 武汉理工大学 一种负压加速及子母裂变式涡环产生装置
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