JP2016067758A - ミシン - Google Patents

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宏明 鬼頭
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Abstract

【課題】省スペースで上軸及び下軸を連動させる両歯ベルトの耐久性を向上し、且つ該両歯ベルトの歯飛び及びばたつきを抑制できるミシンを提供する。
【解決手段】両歯ベルト99は、内歯99Aが上軸プーリ75、左プーリ71、右プーリ72と噛み合い、且つ、外歯99Bが下軸プーリ85、中間プーリ73と噛み合う。左プーリ71の歯部71Aの上端は、下軸プーリ85の歯部85Aの下端よりも上方に位置する。歯部85Aと両歯ベルト99の外歯99Bが噛み合う歯数が増加する。外歯99Bを形成する各歯に加わる負荷は低減するので、両歯ベルト99の耐久性は向上する。中間プーリ73が両歯ベルト99と噛み合うので、中間プーリ73に対して両歯ベルト99の走行方向の上流側と下流側の夫々に、仮想直線77より短い直線部が形成する。故に、両歯ベルト99は走行してもばたつきにくい。
【選択図】図6

Description

本発明は、ミシンに関する。
ミシンは、上軸と下軸を備える。上軸は、アーム部の内部で水平に延び、縫針を上下動する。下軸は、ベッド部の内部で水平に延び、回転釜を回転する。特許文献1のミシンは、釜駆動装置を備える。釜駆動装置は、上軸、下軸、上軸プーリ、下軸プーリ、二つのアイドラプーリ、両歯ベルトを備える。上軸及び下軸は互いに平行に延びる。上軸プーリは上軸の一端部に固定し、下軸プーリは下軸の一端部に固定する。二つのアイドラプーリは、夫々、下軸プーリの下側に配置する。二つのアイドラプーリの一方は、下軸プーリの手前側に配置し、他方は奥側に配置する。両歯ベルトは、内歯が上軸プーリ、二つのアイドラプーリと噛み合い、外歯が一方のアイドラプーリ側から下軸プーリと噛み合う。上軸及び上軸プーリが回転すると、二つのアイドラプーリ、両歯ベルトを介して下軸プーリは回転する。下軸は上軸と連動して回転する。
特開2000−245984号公報
例えばシートベルト、エアバック生地等の布厚が厚い加工布をミシンで縫製する場合がある。ミシンの縫製に伴って縫針が加工布を貫通すると、上軸に負荷が加わる。負荷は、二つのアイドラプーリ、両歯ベルトを介して下軸プーリにも加わる。しかしながら、上記ミシンでは、両歯ベルトと下軸プーリが噛み合う歯数が少ない。故に、下軸プーリと両歯ベルトの間で歯飛びが発生し、加工布を縫製できない可能性がある。また、下軸プーリと両歯ベルトが噛み合う歯数が少ないと、両歯ベルトの外歯を形成する各歯に加わる負荷が大きくなり、両歯ベルトの歯元で亀裂が発生する可能性がある。更に、両歯ベルトのうち、二つのアイドラプーリの夫々と上軸プーリとの間にある部位が長いので、両歯ベルトの走行に伴い、該部位がばたつく可能性がある。両歯ベルトがばたつくと、ミシンの他の部品に接触して両歯ベルトは破損したり亀裂が入ったりする可能性がある。
本発明の目的は、省スペースで上軸及び下軸を連動させる両歯ベルトの耐久性を向上し、且つ該両歯ベルトの歯飛び及びばたつきを抑制できるミシンを提供することである。
請求項1のミシンは、水平方向に延びる上軸に固定した上軸プーリと、前記上軸プーリに対して下側に設けた第一プーリと、前記第一プーリに対して前記水平方向と平行且つ前記上軸と直交する方向の一方側に設けた第二プーリと、内歯と外歯を備え、前記内歯が前記上軸プーリ、前記第一プーリ、及び前記第二プーリと噛み合うように架け渡した無端状の両歯ベルトと、前記上軸に対して下側で平行に延びる下軸に固定し、前記第一プーリと前記上軸プーリの間で前記外歯と噛み合う下軸プーリと、前記上軸プーリ、前記第一プーリ、前記第二プーリ、及び前記下軸プーリのうち何れか一つのプーリを駆動するモータとを備えたミシンにおいて、前記両歯ベルトのうち前記上軸プーリと前記下軸プーリの間を延びる第一部位、及び前記上軸プーリと前記第二プーリの間を延びる第二部位の何れか一方の部位と噛み合う第三プーリを備え、前記第一プーリは、前記内歯と噛み合う部位の上端が、前記下軸プーリのうち前記外歯と噛み合う部位の下端よりも上方に設けたことを特徴とする。モータは、上軸プーリ、第一プーリ、第二プーリ、下軸プーリの何れか一つのプーリを駆動する。上軸プーリ、第一プーリ、第二プーリ、下軸プーリのうち何れか一つのプーリとは異なる他のプーリは、夫々回転し、両歯ベルトは走行する。上軸及び下軸は連動して回転する。即ち、両歯ベルトは上軸及び下軸を連動させる。第一プーリのうち内歯と噛み合う部位の上端が、下軸プーリのうち外歯と噛み合う部位の下端よりも上方に位置するので、下軸プーリと両歯ベルトの噛み合い歯数が増加する。故に、下軸プーリと両歯ベルトの間における両歯ベルトの歯飛びは発生しにくい。また、下軸プーリと両歯ベルトの噛み合い歯数が増加するので、両歯ベルトが走行する場合において、外歯を形成する各歯に加わる負荷は低減する。故に、両歯ベルトの耐久性は向上する。更に、第三プーリが両歯ベルトと噛み合うので、両歯ベルトのうち第三プーリに対して、両歯ベルトの走行方向の上流側と下流側の夫々にある部位は、両歯ベルトが走行しても、ばたつきにくくなる。両歯ベルトは、ばたついてミシンの他の部品に接触し破損したり亀裂が入ったりすることがない。故にミシンは、上軸及び下軸を連動させる両歯ベルトの耐久性を向上し、且つ該両歯ベルトの歯飛び及びばたつきを抑制できる。ミシンは、両歯ベルトのばたつきを抑制できるので、モータの駆動力を伝達する機構を省スペースで実現できる。
請求項2のミシンにおいて、前記第三プーリは、前記第一部位及び前記第二部位のうち前記何れか一方の部位の前記外歯と噛み合い、前記第三プーリのうち前記外歯と噛み合う部位の少なくとも一部は、前記何れか一方の部位の延設方向の両端部を結ぶ仮想直線に対して、前記第一部位及び前記第二部位のうち何れか他方の部位側に位置してもよい。外歯と噛み合う第三プーリが、両歯ベルトを内側に向けて屈曲させ、上軸プーリと両歯ベルトの噛み合い歯数が増加する。上軸プーリと両歯ベルトとの間における歯飛びは、発生しにくい。故にミシンは、両歯ベルトの歯飛びを更に抑制できる。
請求項3のミシンにおいて、前記モータは、前記上軸プーリ又は前記下軸プーリを駆動してもよい。モータは、上軸及び上軸プーリ、又は、下軸及び下軸プーリの何れか一組を一体的に回転するので、モータが上軸及び下軸に対して伝達する駆動力の損失は低減する。故に、ミシンは効率良く上軸及び下軸を回転できる。
請求項4のミシンは、前記第三プーリを回転可能に支持し、前記第三プーリの配置位置を前記両歯ベルトに対して接近及び離反する方向に変位可能な位置調整機構を備えてもよい。位置調整機構は、第三プーリの配置位置を、第三プーリが両歯ベルトに対して適正な張力を付与する位置に調整できる。故にミシンは両歯ベルトの歯飛びを更に抑制できる。
請求項5のミシンにおいて、前記位置調整機構は、前記下軸と平行に延び、前記第三プーリを回転可能に支持する軸部材と、前記軸部材を支持する支持部材と、前記支持部材を前記軸部材の延設方向に貫通し、前記延設方向と交差する方向に長い複数の長穴と、前記軸部材と交差する方向に延び、前記支持部材と接触する平面を有する接触部と、前記接触部のうち、前記複数の長孔と対向する部位の夫々に形成し、内径が前記各長穴の短径よりも小さい複数の締結穴と、前記複数の長穴に夫々挿通し前記複数の締結穴に夫々締結する軸部と、前記軸部のうち前記支持部材に対して前記接触部と反対側の端部に設け、前記各貫通穴の内径よりも大きい頭部とを有する複数の螺子部材とを備えてもよい。ミシンの作業者は、複数の螺子部材の夫々を緩めて、支持部材を長穴の長手方向に沿って移動すれば、第三プーリの配置位置を調整できる。作業者は、第三プーリが両歯ベルトに対して適正な張力を付与する位置で支持部材を保持し、複数の螺子部材を締め付けて支持部材を接触部に固定する。作業者は、第三プーリの配置位置を適正な位置に調整できる。作業者が複数の螺子部材を緩めるだけで第三プーリの配置位置は変更可能となるので、ミシンは、第三プーリの配置位置の調整を容易化できる。
ミシン1の右前方からの斜視図。 上カバー10、モータカバー13を省略したミシン1の左後方からの斜視図。 脚柱部3の内部の左前方からの斜視図。 脚柱部3、アーム部4を省略したミシン1の右前方からの斜視図。 動力伝達機構70の左前方からの斜視図。 動力伝達機構70の正面図。 図2の仮想線W1で囲んだ領域の拡大図。 中間プーリ73の配置位置を調整する動力伝達機構70の正面図。 第一変形例である動力伝達機構170の正面図。 第二変形例である動力伝達機構270の正面図。 第三変形例である動力伝達機構370の正面図。
以下、本発明の一実施形態であるミシン1について図面を参照して説明する。以下説明は、図1の左斜め下方、右斜め上方、左斜め上方、右斜め下方を、夫々、ミシン1の前方、後方、左方、右方とする。X軸方向はミシン1の左右方向である。Y軸方向はミシン1の前後方向である。
図1〜図4を参照し、ミシン1の構造を説明する。尚、図2においては、後述の作業台5、上カバー10、モータカバー13、布押え機構93の図示を省略する。図1、図2に示す如く、ミシン1はベッド部2、脚柱部3、アーム部4を備える。脚柱部3とアーム部4上端には、上カバー10(図1参照)が取り付けてある。ベッド部2は前後方向に延びる。ベッド部2は第一ベッド部8、第二ベッド部9を備える。第一ベッド部8はミシン1の後方に位置し、第二ベッド部9は第一ベッド部8の前方に位置する。第一ベッド部8の形状は略直方体の箱状である。第一ベッド部8は、上壁部に形成した開口部8A(図3参照)を備える。
図3に示す如く、第二ベッド部9は収容部92、針板支持部91を備える。収容部92は第一ベッド部8前方に位置する。収容部92の形状は略直方体の箱状である。収容部92の左右方向の長さは第一ベッド部8の左右方向の長さよりも長い。収容部92の上下方向の長さは、第一ベッド部8の上下方向の長さと略同一である。収容部92は下軸7を内部に備える。下軸7は収容部92の左右略中央を前後方向に一直線状に延びる。第一ベッド部8前側面と収容部92後側面の接続部分は壁部96を形成する。壁部96は第一ベッド部8と収容部92を離隔する。壁部96は軸穴97を備える。軸穴97は壁部96を貫通する。下軸7は軸穴97に挿入し、第一ベッド部8と第二ベッド部9(針板支持部91、収容部92)の間に亙って延びる。
針板支持部91は収容部92前側面左右略中央から前方に突出する。針板支持部91の形状は略直方体の下側が湾曲した箱状である。針板支持部91の上下方向の長さは、収容部92の上下方向の長さの略半分である。針板支持部91上面は収容部92上面よりもやや上方に位置する。針板支持部91と収容部92の間は壁で離隔せず連通する。針板支持部91は、糸切り刃(図示略)、下軸7の前端部、回転釜11を収容する。回転釜11は下軸7前端に接続する。針板支持部91は上面に作業台5(図1参照)を設ける。作業台5は略中央に針板12を備える。針板12は略中央に針穴(図示略)を備える。
図2に示す如く、脚柱部3は第一ベッド部8上部から上方に延びる。脚柱部3の内部は、開口部8A(図3参照)を介して、第一ベッド部8内部と連通する。脚柱部3の後壁部上部に、ミシンモータ19が取付けてある。ミシンモータ19はモータカバー13(図1参照)内部に位置する。ミシンモータ19の駆動軸19A(図4参照)は、脚柱部3の後壁部を貫通し、脚柱部3内部に進入する。脚柱部3は、左壁部上下方向中央部に、開口部31を備える。開口部31は脚柱部3内部と連通する。脚柱部3は、開口部31の下方に、開口部32を備える。開口部32は脚柱部3内部と連通する。開口部32は開口部31よりも大きい。アーム部4は脚柱部3上端からベッド部2に対向して前方に延びる。上軸6はアーム部4及び脚柱部3内部を前後方向に延びる。図4に示す如く、上軸6は、駆動軸19Aと同軸上に設ける。上軸6後端は、継手18を介して駆動軸19Aに接続する。ミシンモータ19が駆動すると、上軸6は駆動軸19Aと一体的に回転する。図2に示す如く、アーム部4は前端部に先端部111を備える。先端部111下方に針板12(図1参照)が対向する。先端部111は針棒駆動機構61(図3参照)、針棒62、押え棒(図示略)等を備える。縫針63は針棒62下端に装着する。縫針63は、先端部に、上糸(図示略)が挿通する目孔を備える。押え足(図示略)は押え棒先端に接続する。針棒駆動機構61は上軸6前端に接続する。上軸6は針棒駆動機構61を駆動し、針棒62を上下動する。
図1、図4に示す如く、ベッド部2は上方に布押え機構93を設ける。布押え機構93は布送り機構20に接続する。布送り機構20は布押え機構93をX軸方向及びY軸方向に移動可能に支持する。布押え機構93は後述する押え枠94と挟み枠95の間に加工布(図示略)を挟んで作業台5上にて保持する。布送り機構20はX軸移動機構(図示略)、Y軸移動機構40を備える。X軸移動機構は収容部92内部に設け、布押え機構93をX軸方向に移動する。X軸移動機構は上方にY軸移動部材(図示略)を備え、布押え機構93をY軸方向に移動可能に支持する。
Y軸移動機構40は、連結部材41、ガイド軸42、Y軸移動モータ44、ラック軸43を備える。連結部材41は左右方向に延びる板状部材であり、左右両端部が前方に屈曲する。連結部材41は左右両端部にガイド軸42を固定する。ガイド軸42は、後述する布押え機構93の腕部931後端部が嵌り、布押え機構93をX軸方向に案内する。Y軸移動モータ44は、第一ベッド部8の左側上方で開口部32(図2参照)内部に設ける。Y軸移動モータ44の出力軸は、左右方向に延び、右端部に小歯車(図示略)を設ける。小歯車は、ラック軸43の歯部45に噛合う。ラック軸43は前後方向に延び、前端部が連結部材41の後面に接続する。略円柱状の支持部51、52はラック軸43をY軸方向に移動可能に支持する。ラック軸43と支持部51、52は、後述する両歯ベルト99の左部位99Dよも左側に位置する。ラック軸43と支持部51、52の左右方向の位置は、上軸6と下軸7の左右方向の位置と同じである。ラック軸43と支持部51、52は、後述する上軸プーリ75と下軸プーリ85の間に位置する。
Y軸移動モータ44が駆動すると、Y軸移動モータ44の出力軸に設けた小歯車が回転し、ラック軸43はY軸方向に移動する。ラック軸43は連結部材41を介して布押え機構93の腕部931をY軸方向に移動する。
布押え機構93は腕部931、枠支持部932、L字連結部933、押え枠94、挟み枠95を備える。腕部931の後端部はガイド軸42に嵌り、Y軸移動部材に固定する。腕部931は、後端部から上方に円弧状に湾曲しつつ前方に延びる。枠支持部932は腕部931の前端部に固定する。L字連結部933は側面視L字状の板部材であり枠支持部932に沿って昇降可能である。押え枠94は平面視略矩形状の開口を有する枠部材であり、後端部をL字連結部933に固定する。押え枠94は上下動可能である。挟み枠95は押え枠94の下方に位置し、押え枠94の開口と略同一形状の開口を有する。挟み枠95は後端部をY軸移動部材に固定する。布押え機構93は押え枠94と挟み枠95の間に加工布(図示略)を挟んで作業台5上にて保持する。
図5、図6に示す如く、ミシン1は内部に動力伝達機構70を備える。動力伝達機構70は、ミシンモータ19の駆動力を下軸7に伝達する機構である。尚、図5、図6においては、後述の接触部102(図7参照)の図示を省略する(図8も同様)。
動力伝達機構70は、上軸プーリ75、左軸部材74、左プーリ71、右軸部材78、右プーリ72、下軸プーリ85、中間プーリ73、支持機構100、両歯ベルト99を備える。上軸プーリ75は脚柱部3(図3参照)上端内部に設ける。左軸部材74、左プーリ71、右軸部材78、右プーリ72、下軸プーリ85は、夫々、第一ベッド部8(図3参照)内部に設ける。中間プーリ73、支持機構100は、夫々、脚柱部3内部に設ける。
上軸プーリ75は継手18の前側で上軸6の後端部に固定する。上軸プーリ75は、外周面に周方向に亘って形成した歯部75Aを備える。左軸部材74は、上軸プーリ75に対して左側下方、且つ下軸7の左方で第一ベッド部8に固定する。左軸部材74は、前後方向に延び、左プーリ71を回転可能に支持する。左プーリ71は、外周面に周方向に亘って形成した歯部71A(図6参照)を備える。
右軸部材78は、上軸プーリ75に対して右側下方、且つ下軸7の右方で固定する。右軸部材78は左軸部材74の右方で第一ベッド部8に固定する。右軸部材78は、前後方向に延び、右プーリ72を回転可能に支持する。右軸部材78と左軸部材74の上下方向の高さは略同一である。右プーリ72は、外周面に周方向に亘って形成した歯部72Aを備える。右プーリ72と左プーリ71の大きさは略同一である。下軸プーリ85は下軸7の後端部に固定する。下軸プーリ85は左プーリ71と右プーリ72の間に位置する。下軸プーリ85は、外周面に周方向に亘って形成した歯部85Aを備える。歯部85Aの数は、上軸プーリ75の歯部75Aの数の半分である。図6に示す如く、歯部85Aの下端は、左プーリ71の歯部71Aの上端よりも下方に位置する。換言すると、歯部71Aの上端は歯部85Aの下端よりも上方に位置する。
中間プーリ73は上軸プーリ75と下軸プーリ85の間に設ける。中間プーリ73は、外周面に周方向に亘って形成した歯部73Aを備える。支持機構100は、中間プーリ73を回転可能に支持する。支持機構100は、中間プーリ73の配置位置を左右方向に調整可能な機構である。支持機構100の構造の詳細は後述する。
両歯ベルト99は無端状のベルトである。両歯ベルト99は、内歯99A、外歯99Bを備える。内歯99Aは両歯ベルト99の内表面に形成する歯部である。外歯99Bは両歯ベルト99の外表面に形成する歯部である。内歯99A、外歯99Bは、夫々、両歯ベルト99の延設方向に亙って延びる。尚、図6、図8において、内歯99A、外歯99Bの一部を図示している。
両歯ベルト99は、内歯99Aが歯部71A,72A,75Aの夫々と噛み合い、外歯99Bが歯部73A,85Aの夫々と噛み合うように架け渡す。歯部71Aの上端は歯部85Aの下端よりも上方に位置するので、外歯99Bと歯部85Aとの噛み合い歯数は増加する。
両歯ベルト99のうち、上軸プーリ75の歯部75Aと右プーリ72の歯部72Aの間を延びる部位(以下、右部位99Cという)は、直線状に延びる。両歯ベルト99のうち、上軸プーリ75の歯部75Aと下軸プーリ85の歯部85Aの間を延びる部位(以下、左部位99Dという)は、中間プーリ73の歯部73Aと噛み合う。中間プーリ73の歯部73Aの全部は、左部位99Dの延設方向両端部を結ぶ仮想直線(以下、仮想直線77という)に対して、右部位99C側に位置する。故に、左部位99Dは、延設方向の両端部を支点とし、且つ歯部73Aと噛み合う部分が先端部となるように屈曲する。左部位99Dが両歯ベルト99の内側に向けて屈曲するので、上軸プーリ75の歯部75Aと内歯99Aとの噛み合い歯数は増加する。尚、右部位99Cは左部位99Dよりも長い。中間プーリ73の歯部73Aの全部が仮想直線77より右部位99C側に位置するので、左部位99Dは、上軸プーリ75と下軸プーリ85の間に位置するラック軸43と支持部51、52と干渉することがない。
図6、図7を参照し、支持機構100の構造を説明する。支持機構100は、接触部102(図7参照)、支持部材104、軸部材88、二つの螺子部材108を備える。図7に示す如く、接触部102は、脚柱部3内部、且つ両歯ベルト99の左後方に一体的に設ける(図3参照)。接触部102は、開口部31の前端部から右方に延びる。接触部102は、正面視略矩形状の板状部材である。接触部102は、開口部31の前端部と一体的に形成する。接触部102の後面102Aは平面状である。接触部102は、二つの締結穴115(図3参照)を備える。二つの締結穴115は、円形状であり、接触部102を前後方向に貫通する。二つの締結穴115の一方は、接触部102の右上部に形成し、他方は接触部102の左下部に形成する。
支持部材104は、正面視で左右方向に延び、右端部が右斜め下方に屈曲する板状部材である。支持部材104の左端部は、接触部102の左端部の後方に位置する。支持部材104の右端部は、接触部102の右端部よりも右方に位置する。支持部材104は、接触部102の後面102Aに固定する。図6に示す如く、支持部材104は二つの長穴105を備える。二つの長穴105は、接触部102の二つの締結穴115(図3参照)と対向する夫々の部位に形成する。二つの長穴105は、左右方向に長く、支持部材104を前後方向に貫通する。各長穴105の短径は、各締結穴115の内径よりも僅かに大きい。軸部材88は、支持部材104の右端部から前後方向に延びる。軸部材88前端部は、両歯ベルト99の左方で、中間プーリ73を回転可能に支持する。
図7に示す如く、二つの螺子部材108は、夫々、軸部108A(図6参照)と頭部108Bを備える。軸部108A(図6参照)は、バネ座金112と、平座金114とに挿通する。平座金114は、バネ座金112の前方に配置する。軸部108Aの外径は、長穴105の短径よりも僅かに小さい。軸部108Aは、長穴105に挿通し締結穴115(図3参照)に締結する。頭部108Bは、軸部108Aの後端部に設ける。換言すると、頭部108Bは、軸部108Aのうち支持部材104に対して接触部102と反対側の端部に設ける。頭部108Bは、長穴105の短径よりも大きい。頭部108Bは、バネ座金112と平座金114を挟んで支持部材104の後面を前方に押圧する。螺子部材108の軸部108Aを長穴105に挿通し締結穴115に締結することで、支持部材104は、接触部102に固定する。ここで、頭部108Bと接触部102の間に、平座金114を設けることで、螺子部材108を強固に締結しても、頭部108Bが押圧する支持部材104の後面は損傷しにくい。頭部108Bと支持部材104の間にバネ座金112を設けることで、締結した螺子部材108は緩みにくい。尚、頭部108Bと支持部材104の間に、バネ座金112と平座金114を設けなくてもよい。
図3〜図5を参照し、ミシン1の動作の概要を説明する。ミシンモータ19が駆動すると、駆動軸19Aと上軸6は、一体的に正面視時計回り(図5矢印A方向)に回転する。上軸6が回転することで、針棒駆動機構61が駆動し、縫針63は上下動する。同時に、上軸6に固定した上軸プーリ75が駆動する。両歯ベルト99は、正面視時計回り(図5矢印B方向)に走行し、左プーリ71、右プーリ72、下軸プーリ85、中間プーリ73は夫々回転する。即ち、上軸プーリ75が駆動側のプーリとなり、左プーリ71、右プーリ72、下軸プーリ85、中間プーリ73は夫々従動側のプーリとなる。
上軸プーリ75の歯部75Aは内歯99A(図6参照)と噛み合い、下軸プーリ85の歯部85Aの外歯99B(図6参照)と噛み合うので、下軸プーリ85は、上軸プーリ75とは反対方向に回転する。下軸プーリ85の歯部85Aの数は上軸プーリ75の歯部75Aの数の半分なので、下軸プーリ85は上軸プーリ75の二倍の速さで回転する。両歯ベルト99は、上軸プーリ75と下軸プーリ85を連動する。下軸7は正面視反時計回り(図5矢印C方向)に回転する。即ち、ミシンモータ19は、上軸6と動力伝達機構70を介して、動力を下軸7に伝達する。下軸7が回転することで、回転釜11が回転する。布送り機構20(図4参照)は、ミシンモータ19の駆動に同期して、布押え機構93が保持する加工布をX軸方向及びY軸方向に間欠的に往復移動する。
縫針63は、布押え機構93の押え枠94と挟み枠95が挟む加工布(図示略)を貫通する。回転釜11は、加工布の下方において縫針63の目孔(図示略)近傍で形成する上糸ループ(図示略)を捕捉する。回転釜11が上糸ループを捕捉した後、縫針63は加工布の上方へ移動し、上糸を引き上げる。故に、縫針63と回転釜11は、協働して加工布に所定の縫目を形成する。
歯部71Aの上端が歯部85Aの下端よりも上方に位置することで、外歯99Bと歯部85Aとの噛み合い歯数は増加する。歯部71Aの上端が歯部85Aより下方にある場合と比べて、両歯ベルト99は歯部85Aに対して巻き付く。加工布が例えばシートベルト、エアバック生地等の布厚が厚い生地である場合、縫針63が加工布を貫通すると、上軸6に比較的大きな負荷が加わる。該負荷が、上軸プーリ75、両歯ベルト99を介して下軸プーリ85に伝わる場合であっても、歯部85Aと外歯99Bの間において両歯ベルト99の歯飛びは発生しにくい。更に、外歯99Bと歯部85Aとの噛み合い歯数が増加することで、外歯99Bを形成する各歯が歯部85Aと噛み合う場合において、各歯に作用する負荷は低減する。故にミシン1は、外歯99Bの歯元での亀裂を発生しにくくできる。
また、左部位99Dが両歯ベルト99の内側に向けて屈曲するので、上軸プーリ75の歯部75Aと内歯99Aとの噛み合い歯数は増加する。左部位99Dが両歯ベルト99の内側に向けて屈曲していない場合と比べて、両歯ベルト99は歯部75Aに対して巻き付く。故に歯部75Aと内歯99Aの間においても、両歯ベルト99の歯飛びは発生しにくい。
中間プーリ73が左部位99Dの外歯99Bと噛み合うことで、左部位99Dのうち直線状に延びる部分(以下、直線部という)は、中間プーリ73に対して、両歯ベルト99の走行方向の上流側及び下流側の夫々で形成する。上軸プーリ75と中間プーリ73の間にある直線部と、中間プーリ73と下軸プーリ85の間にある直線部は、夫々、仮想直線77(図6参照)よりも短い。各直線部は、両歯ベルト99が走行しても、ばたつきにくい。
図8を参照し、ミシン1の作業者が、中間プーリ73が両歯ベルト99と噛み合う位置を調整する方法を説明する。作業者は、中間プーリ73が両歯ベルト99と噛み合う位置を調整することで、両歯ベルト99に作用する張力を調整できる。尚、図8においては、図面を見易くする為に、中間プーリ73を簡略化して図示している。
作業者は、二つの螺子部材108を夫々緩める。夫々の頭部108Bは、バネ座金112(図7参照)から後方に離間する。二つの軸部108Aは、二つの長穴105を介して、支持部材104を支持する。支持部材104は、長穴105の長手方向である左右方向に沿って移動可能となる。作業者が支持部材104を、両歯ベルト99に対して接近する方向(図8矢印D方向)に移動すると、軸部材88が右方に移動し、中間プーリ73が左部位99Dを右部位99C側に向けて押す。両歯ベルト99に作用する張力は増大する。作業者が支持部材104を両歯ベルト99に対して離反する方向(図8矢印E方向)に移動すると、軸部材88が左方に移動し、中間プーリ73が左部位99Dを右部位99C側に向けて押す力が弱まる。故に両歯ベルト99が緩まるので、両歯ベルト99に作用する張力は減少する。
作業者は、支持部材104を右方及び左方に移動することで、両歯ベルト99に作用する張力を増減できる。作業者は、中間プーリ73が両歯ベルト99に適正な張力を付与する位置で支持部材104を保持し、二つの螺子部材108を夫々締結することで接触部102に固定する。適正な張力が作用する両歯ベルト99は、歯飛び等することなく適正に走行できる。
以上、説明したように、両歯ベルト99は、上軸プーリ75と下軸プーリ85を連動することで、上軸6と下軸7を連動する。左プーリ71のうち両歯ベルト99と噛み合う部位である歯部71Aの上端は、下軸プーリ85のうち両歯ベルト99と噛み合う部位である歯部85Aの下端よりも、上方に位置する。歯部85Aと両歯ベルト99の外歯99Bが噛み合う歯数が増加する。歯部71Aの上端が歯部85Aより下方にある場合と比べて、両歯ベルト99は歯部85Aに対して巻き付く。故に、両歯ベルト99が走行する場合に、下軸プーリ85と両歯ベルト99の間において、両歯ベルト99は、歯飛びしにくい。また、歯部85Aと両歯ベルト99の外歯99Bが噛み合う歯数が増加することで、外歯99Bを形成する各歯に加わる負荷は低減し、外歯99Bの歯元で亀裂は発生しにくい。故に、両歯ベルト99の耐久性は向上する。更に、中間プーリ73が両歯ベルト99と噛み合うので、中間プーリ73に対して両歯ベルト99の走行方向の上流側と下流側の夫々に直線部を形成する。各直線部は、仮想直線77(図6参照)よりも短いので、両歯ベルト99が走行しても、ばたつきにくい。両歯ベルト99は、ばたついてミシン1の他の部品(例えば支持部51、ラック軸43等)に接触し破損したり亀裂が入ったりすることがない。故に、ミシン1は、上軸6と下軸7を連動させる両歯ベルト99の耐久性を向上し、且つ、両歯ベルト99の歯飛び及びばたつきを抑制できる。ミシン1は、両歯ベルト99のばたつきを抑制できるので、動力伝達機構70を省スペースで実現できる。
また、中間プーリ73のうち両歯ベルト99の外歯99Bと噛み合う部位である歯部73Aは、仮想直線77に対して右部位99C側に位置する。該場合、左部位99Dが両歯ベルト99の内側に向けて屈曲するので、内歯99Aと上軸プーリ75の歯部75Aとの噛み合い歯数は増加する。左部位99Dが両歯ベルト99の内側に向けて屈曲していない場合と比べて、両歯ベルト99は歯部75Aに対して巻き付く。上軸プーリ75の歯部85Aと両歯ベルト99の内歯99Aとの間における歯飛びは発生しにくい。故にミシン1は、両歯ベルト99の歯飛びを更に抑制できる。
また、ミシンモータ19は、上軸6及び上軸プーリ75を一体的に回転し、上軸プーリ75を駆動する。ミシンモータ19が左プーリ71、右プーリ72、中間プーリ73を駆動する場合と比べて、ミシンモータ19が上軸6及び下軸7に駆動力を伝達する場合において、伝達する駆動力の損失は低減する。故に、ミシン1は、効率良く上軸6及び下軸7を回転できる。
また、ミシン1が支持機構100を備えることで、作業者は中間プーリ73の配置位置を左右方向に調整できる。換言すると、作業者は、中間プーリ73の配置位置を両歯ベルト99に対して接近及び離反する方向に調整できる。作業者は、中間プーリ73の配置位置を、中間プーリ73が両歯ベルト99に対して適正な張力を付与する位置に調整できる。故にミシン1は、両歯ベルト99の歯飛びを更に抑制できる。
また、ミシン1の作業者は、二つの螺子部材108の夫々を緩めて、支持部材104を長穴105の長手方向である左右方向に沿って移動すれば、中間プーリ73の配置位置を調整できる。作業者は二つの螺子部材108を緩めるだけで、中間プーリ73の配置位置を変更できる。故にミシン1は、中間プーリ73の配置の配置位置の調整を容易化できる。
以上説明にて、ミシンモータ19は本発明のモータに相当する。左プーリ71が本発明の第一プーリに相当する。右プーリ72が本発明の第二プーリに相当する。中間プーリ73が本発明の第三プーリに相当する。左部位99Dは本発明の第一部位、何れか一方の部位に相当する。右部位99Cは本発明の第二部位、何れか他方の部位に相当する。支持機構100は本発明の位置調整機構に相当する。後面102Aは本発明の平面に相当する。歯部71Aは本発明の内歯と噛み合う部位に相当する。歯部85Aは本発明の下軸プーリのうち前記外歯と噛み合う部位に相当する。歯部73Aは本発明の第三プーリのうち前記外歯と噛み合う部位に相当する。
本発明は上記実施形態に限定するものでなく種々の変更が可能である。中間プーリ73の歯部73Aの全部が、仮想直線77に対して右部位99C側に位置しなくてもよい。例えば、中間プーリ73の歯部73Aの一部が、仮想直線77に対して右部位99C側に位置してもよい。該場合であっても、外歯99Bと歯部73Aが、仮想直線77に対して右部位99C側で噛み合えば、左部位99Dは両歯ベルト99の内側に向けて屈曲する。上軸プーリ75の歯部75Aと内歯99Aとの噛み合い歯数は増加する。ミシン1は両歯ベルト99の歯飛びを抑制できる。また、中間プーリ73の歯部73Aの全部が、仮想直線77に対して左部位99Dとは反対側に位置していてもよい。
また、ミシンモータ19は上軸プーリ75の代わりに下軸プーリ85を駆動してもよい。該場合、ミシンモータ19の駆動軸19Aは、下軸7と継手(図示略)を介して接続する。ミシンモータ19は、下軸7と下軸プーリ85を一体的に回転するので、ミシンモータ19が上軸6及び下軸7に駆動力を伝達する場合において、伝達する駆動力の損失は低減する。故に、ミシン1は、効率良く上軸6及び下軸7を回転できる。
また、ミシン1は支持機構100を備えなくてもよい。該場合、軸部材88は、脚柱部3内部に固定し、中間プーリ73を回転可能に支持すればよい。ミシン1は、支持機構100に代えて、左プーリ71、右プーリ72の何れかの配置位置を、両歯ベルト99に接近及び離反する方向に変位する機構を備えてもよい。該場合、左軸部材74又は右軸部材78の位置を移動する機構を設ければよい。
また、支持部材104は、二つの螺子部材108の軸部108Aを長穴105に挿通し締結穴115に締結して接触部102に固定しなくてもよい。例えば、螺子部材108の数は三つ以上でもよい。該場合、支持部材104の長穴105と接触部102の締結穴115は、三つ以上の螺子部材108の夫々対応する位置に設ければよい。
また、動力伝達機構70の中間プーリ73は、左部位99Dの外歯99Bと噛み合わなくてもよい。図9に示す如く、動力伝達機構70の第一変形例である動力伝達機構170では、中間プーリ73が左部位99Dの内歯99Aと噛み合う。該場合、中間プーリ73の歯部73Aの少なくとも一部は、仮想直線77に対して左側に位置する。故に、左部位99Dは、延設方向の両端部を支点とし、且つ歯部73Aと噛み合う部分が先端部となるように屈曲する。左部位99Dが両歯ベルト99の外側に向けて屈曲するので、下軸プーリ85の歯部85Aと外歯99Bとの噛み合い歯数は更に増加する。動力伝達機構170が備える接触部(図示略)は、接触部102(図3参照)よりも、螺子部材108を締結する締結穴(図示略)が左側に位置する。動力伝達機構170の支持部材104は、接触部に、二つの螺子部材108で固定する。中間プーリ73が左部位99Dの内歯99Aと噛み合うことで、左部位99Dの直線部は、中間プーリ73に対して、両歯ベルト99の走行方向の上流側及び下流側の夫々に形成する。各直線部が左部位99Dよりも短いので、両歯ベルト99は走行しても、ばたつきにくい。尚、動力伝達機構170と動力伝達機構70が備える部材は、接触部以外は全て互いに同じである。作業者は、二つの螺子部材108を緩めて支持部材104を左右方向に移動することで、中間プーリ73が両歯ベルト99に付与する張力を調整できる。
また、図10に示す如く、動力伝達機構70の第二変形例である動力伝達機構270では、中間プーリ73が右部位99Cの外歯99Bと噛み合う。該場合、中間プーリ73の歯部73Aの全部は、右部位99Cの延設方向両端部を結ぶ仮想直線(以下、仮想直線277という)に対して、左部位99D側に位置する。故に、右部位99Cは、延設方向の両端部を支点とし、且つ歯部73Aと噛み合う部分が先端部となるように屈曲する。右部位99Cが両歯ベルト99の内側に向けて屈曲するので、上軸プーリ75の歯部75Aと内歯99Aとの噛み合い歯数は増加する。動力伝達機構270が備える接触部(図示略)は、接触部102(図3参照)よりも、螺子部材108を締結する締結穴(図示略)が右側に位置する。動力伝達機構270の支持部材104は、接触部に、二つの螺子部材108で固定する。右部位99Cのうち直線状に延びる部分は、中間プーリ73に対して両歯ベルト99の走行方向の上流側及び下流側の夫々に形成する。直線状に延びる各部分が、仮想直線277よりも短いので、両歯ベルト99は走行しても、ばたつきにくい。右部位99Cは左部位99Dよりも長い。中間プーリ73を設けない場合、両歯ベルト99が走行すると、左部位99Dは、右部位99Cよりもばたつき易い。しかしながら、中間プーリ73が右部位99Cの外歯99Bと噛み合うことで、右部位99Cのばたつきは発生しにくい。尚、動力伝達機構270と動力伝達機構70が備える部材は、接触部以外は全て互いに同じである。作業者は、二つの螺子部材108を緩めて支持部材104を左右方向に移動することで、中間プーリ73が両歯ベルト99に付与する張力を調整できる。
また、図11に示す如く、動力伝達機構70の第三変形例である動力伝達機構370では、中間プーリ73が右部位99Cの内歯99Aと噛み合う。該場合、中間プーリ73の歯部73Aの少なくとも一部は、仮想直線77に対して右側に位置する。故に、右部位99Cは、延設方向の両端部を支点とし、且つ歯部73Aと噛み合う部分が先端部となるように屈曲する。動力伝達機構370が備える接触部(図示略)は、接触部102(図3参照)よりも、螺子部材108を締結する締結穴(図示略)が右側に位置する。動力伝達機構370の支持部材104は、接触部に、二つの螺子部材108で固定する。右部位99Cのうち直線状に延びる部分は、中間プーリ73に対して両歯ベルト99の走行方向の上流側及び下流側の夫々に形成する。中間プーリ73が右部位99Cと噛み合うので、両歯ベルト99が走行しても、右部位99Cは、ばたつきにくい。
1 ミシン
6 上軸
7 下軸
19 ミシンモータ
71 左プーリ
71A 歯部
72 右プーリ
73 中間プーリ
73A 歯部
75 上軸プーリ
77 仮想直線
85 下軸プーリ
85A 歯部
88 軸部材
99 両歯ベルト
99A 内歯
99B 外歯
99C 右部位
99D 左部位
100 支持機構
102 接触部
102A 後面
104 支持部材
105 長穴
108 螺子部材
108A 軸部
108B 頭部
115 締結穴

Claims (5)

  1. 水平方向に延びる上軸に固定した上軸プーリと、
    前記上軸プーリに対して下側に設けた第一プーリと、
    前記第一プーリに対して前記水平方向と平行且つ前記上軸と直交する方向の一方側に設けた第二プーリと、
    内歯と外歯を備え、前記内歯が前記上軸プーリ、前記第一プーリ、及び前記第二プーリと噛み合うように架け渡した無端状の両歯ベルトと、
    前記上軸に対して下側で平行に延びる下軸に固定し、前記第一プーリと前記上軸プーリの間で前記外歯と噛み合う下軸プーリと、
    前記上軸プーリ、前記第一プーリ、前記第二プーリ、及び前記下軸プーリのうち何れか一つのプーリを駆動するモータと
    を備えたミシンにおいて、
    前記両歯ベルトのうち前記上軸プーリと前記下軸プーリの間を延びる第一部位、及び前記上軸プーリと前記第二プーリの間を延びる第二部位の何れか一方の部位と噛み合う第三プーリを備え、
    前記第一プーリは、前記内歯と噛み合う部位の上端が、前記下軸プーリのうち前記外歯と噛み合う部位の下端よりも上方に設けたことを特徴とするミシン。
  2. 前記第三プーリは、前記第一部位及び前記第二部位のうち前記何れか一方の部位の前記外歯と噛み合い、
    前記第三プーリのうち前記外歯と噛み合う部位の少なくとも一部は、前記何れか一方の部位の延設方向の両端部を結ぶ仮想直線に対して、前記第一部位及び前記第二部位のうち何れか他方の部位側に位置することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記モータは、前記上軸プーリ又は前記下軸プーリを駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
  4. 前記第三プーリを回転可能に支持し、前記第三プーリの配置位置を前記両歯ベルトに対して接近及び離反する方向に変位可能な位置調整機構を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載のミシン。
  5. 前記位置調整機構は、
    前記下軸と平行に延び、前記第三プーリを回転可能に支持する軸部材と、
    前記軸部材を支持する支持部材と、
    前記支持部材を前記軸部材の延設方向に貫通し、前記延設方向と交差する方向に長い複数の長穴と、
    前記軸部材と交差する方向に延び、前記支持部材と接触する平面を有する接触部と、
    前記接触部のうち、前記複数の長孔と対向する部位の夫々に形成し、内径が前記各長穴の短径よりも小さい複数の締結穴と、
    前記複数の長穴に夫々挿通し前記複数の締結穴に夫々締結する軸部と、前記軸部のうち前記支持部材に対して前記接触部と反対側の端部に設け、前記各貫通穴の内径よりも大きい頭部とを有する複数の螺子部材と
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載のミシン。
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