JP2016066771A - 太陽電池素子の製造方法 - Google Patents

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Mitsunori Iwamuro
光則 岩室
野尻 剛
Takeshi Nojiri
剛 野尻
倉田 靖
Yasushi Kurata
靖 倉田
明博 織田
Akihiro Oda
明博 織田
麻理 清水
Mari Shimizu
麻理 清水
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Tetsuya Sato
鉄也 佐藤
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Abstract

【課題】不純物拡散層を簡便なプロセスで形成することが可能な太陽電池素子の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板の一方の面上に、化合物を含む層を介してn型不純物又はp型不純物を含むガラス粒子と分散媒とを含有する不純物拡散層形成組成物を付与する工程と、前記不純物拡散層形成組成物が付与された半導体基板を熱処理して不純物拡散層を形成する熱拡散工程と、前記不純物拡散層が形成された領域に電極を形成する工程と、を含む、太陽電池素子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池素子の製造方法に関する。
現在量産されている太陽電池素子は、シリコン基板の受光面にn電極を形成し、裏面にp電極を形成した両面電極型の太陽電池素子が多数を占めている。しかしながら、両面電極型の太陽電池素子においては、受光面に形成されているn電極直下のシリコン基板には太陽光が入射しないためその部分においては電流が発生しない。そこで、太陽電池素子の受光面には電極を形成せず、受光面とは反対側の裏面にn++電極及びp+電極の双方を形成した裏面電極型太陽電池素子が提案されている。この裏面電極型太陽電池素子においては、受光面に形成された電極によって太陽光の入射が阻害されることがないことから、原理的には高い変換効率を期待することができる。
裏面電極型太陽電池素子の製造方法としては、例えば以下の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。まず、シリコン基板の受光面及び裏面の全面にマスクとしての拡散制御マスクを形成する。ここで、拡散制御マスクは、シリコン基板内に不純物が拡散するのを抑制する機能を有する。次に、シリコン基板の裏面の拡散制御マスクの一部を除去して開口部を形成する。そして、拡散制御マスクの開口部からp型不純物をシリコン基板の裏面に拡散させると、開口部にのみp型不純物拡散層が形成される。次に、シリコン基板の裏面の拡散制御マスクをすべて除去した後に、再度シリコン基板の裏面に拡散制御マスクを形成する。そして、シリコン基板の裏面の拡散制御マスクの一部を除去し、開口部からn型不純物をシリコン基板の裏面に拡散させて、n型不純物層を形成する。続いて、シリコン基板の裏面の拡散制御マスクをすべて除去することで、裏面にp型不純物拡散層及びn型不純物拡散層が形成される。さらに、テクスチャ構造、反射防止膜、パッシベーション層、電極等を形成することで裏面電極型太陽電池素子が完成する。
また、n型不純物を含む拡散剤と、p型不純物を含む拡散剤とを用いて、裏面電極型太陽電池素子を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、n型不純物を含む拡散剤と、p型不純物を含む拡散剤とを塗布した後に、n型不純物を含む拡散剤とp型不純物を含む拡散剤の少なくとも一方を覆う保護層が形成される。
米国特許第4927770号 特開2009−76546号公報
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法では、裏面にp型不純物拡散層及びn型不純物拡散層を形成するために、拡散制御マスクの形成、開口部の形成、不純物の拡散、拡散制御マスクの除去の各工程を繰り返し行うという煩雑な工程が必要であった。また、特許文献2に記載の製造方法では、保護層を設ける工程及び除去する工程が必須であり、拡散時の熱処理条件によっては、不必要な箇所にまで不純物拡散層が形成される場合があった。本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、不純物拡散層を簡便なプロセスで形成することが可能な太陽電池素子の製造方法の提供を課題とする。
本発明は以下の態様を包含する。<1>半導体基板の一方の面上に、化合物を含む層を介してn型不純物又はp型不純物を含むガラス粒子と分散媒とを含有する不純物拡散層形成組成物を付与する工程と、
前記不純物拡散層形成組成物が付与された半導体基板を熱処理して不純物拡散層を形成する熱拡散工程と、
前記不純物拡散層が形成された領域に電極を形成する工程と、
を含む、太陽電池素子の製造方法。
<2>半導体基板の一方の面上の第1の領域に、n型不純物を含むガラス粉末と分散媒とを含有するn型不純物拡散層形成組成物を付与する工程と、
前記半導体基板の前記第1の領域が設けられる面上であって、前記第1の領域以外の第2の領域に、p型不純物を含むガラス粉末と分散媒とを含有するp型不純物拡散層形成組成物を付与する工程と、
前記n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物が付与された半導体基板を熱処理してn型不純物拡散層及びp型不純物拡散層を形成する熱拡散工程と、
前記n型不純物拡散層が形成された第1の領域及びp型不純物拡散層が形成された第2の領域のそれぞれに電極を形成する工程と、を含み、
前記n型不純物拡散層形成組成物及び前記p型不純物拡散層形成組成物からなる群より選択される少なくとも一方は、化合物を含む層を介して前記半導体基板に付与される、太陽電池素子の製造方法。
<3>前記化合物を含む層は、酸化物又は窒化物の層である<1>又は<2>に記載の太陽電池素子の製造方法。
<4>前記n型不純物は、P(リン)及びSb(アンチモン)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む<1>〜<3>のいずれか1項に記載の太陽電池素子の製造方法。
<5>前記p型不純物は、B(ほう素)、Al(アルミニウム)及びGa(ガリウム)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む<1>〜<4>のいずれか1項に記載の太陽電池素子の製造方法。
<6>前記n型不純物を含むガラス粉末は、P、P及びSbからなる群より選択される少なくとも1種のn型不純物含有物質と、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V、SnO、ZrO、TiO及びMoOからなる群より選択される少なくとも1種のガラス成分物質と、を含有する<1>〜<5>のいずれか1項に記載の太陽電池素子の製造方法。
<7>前記p型不純物を含むガラス粉末は、B、Al及びGaからなる群より選択される少なくとも1種のp型不純物含有物質と、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V、SnO、ZrO、TiO及びMoOからなる群より選択される少なくとも1種のガラス成分物質と、を含有する<1>〜<6>のいずれか1項に記載の太陽電池素子の製造方法。
本発明によれば、不純物拡散層を簡便なプロセスで形成することが可能な太陽電池素子の製造方法を提供することができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。(メタ)アクリルはアクリル又はメタクリルを、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを意味する。「層」との語には、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含される。
<太陽電池素子の製造方法>
本発明の太陽電池素子の製造方法の第一の実施の態様は、半導体基板の一方の面上に、化合物を含む層を介してn型不純物又はp型不純物を含むガラス粒子と分散媒とを含有する不純物拡散層形成組成物を付与する工程と、前記不純物拡散層形成組成物が付与された半導体基板を熱処理して不純物拡散層を形成する熱拡散工程と、前記不純物拡散層が形成された領域に電極を形成する工程と、を含む。
本発明の太陽電池素子の製造方法の第二の実施の態様は、半導体基板の一方の面上の第1の領域に、n型不純物を含むガラス粒子と分散媒とを含有するn型不純物拡散層形成組成物を付与する工程と、前記半導体基板の前記第1の領域が設けられる面上であって、前記第1の領域と異なる第2の領域に、p型不純物を含むガラス粒子と分散媒とを含有するp型不純物拡散層形成組成物を付与する工程と、前記n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物が付与された半導体基板を熱処理してn型不純物拡散層及びp型不純物拡散層を形成する熱拡散工程と、前記n型不純物拡散層が形成された第1の領域及びp型不純物拡散層が形成された第2の領域のそれぞれに電極を形成する工程と、を含み、前記n型不純物拡散層形成組成物及び前記p型不純物拡散層形成組成物からなる群より選択される少なくとも一方は、化合物を含む層を介して前記半導体基板に付与される。
本発明の太陽電池素子の製造方法は上記工程を含むことにより、裏面電極型太陽電池素子の製造工程において、不純物拡散層を簡便なプロセスで形成することができる。背景技術で述べたように、半導体基板の一方の面上にn型不純物又はp型不純物の拡散層を形成する場合、従来の方法では化合物を含む層、すなわち保護膜を除去し、半導体基板表面を露出させ、その露出させた部位に不純物拡散層を形成する。つまり、従来の方法では保護膜の部分的を除去する工程(パターニング)が必要になる。本発明では、化合物を含む層を除去することなく、化合物を含む層の上から不純物拡散層形成組成物を付与し、熱拡散を行なうことによって、半導体基板に所望の不純物拡散層を形成する。このため、従来の方法よりも簡便なプロセスで半導体基板に不純物拡散層を形成することができる。
本発明の太陽電池素子の製造方法において、化合物を含む層を除去することなく半導体基板に不純物拡散層を形成できる理由について本発明者らは、不純物拡散層形成組成物に含まれるガラス粒子のガラス成分が熱拡散する際に化合物を含む層を取り込み、半導体基板に溶融したガラスが接近又は接触することにより、不純物成分が半導体基板に不純物拡散層を形成することが可能となるためと考えている。
さらに、本発明の太陽電池素子の製造方法によれば、n型不純物又はp型不純物を含むガラス粒子と分散媒とを含有する不純物拡散層形成組成物を、化合物を含む層を介さずに半導体基板上に付与して不純物拡散層を形成する場合よりも、不純物拡散層が所望の領域以外の領域に形成されることをより有効に抑制できる。
さらに、本発明の太陽電池素子の製造方法の第二の実施態様では、n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物を第1の領域及び第2の領域にそれぞれ付与した後、熱処理することで、第1の領域ではn型不純物拡散層形成組成物からn型不純物が半導体基板中に拡散してn型不純物拡散層が、また、第2の領域ではp型不純物拡散層形成組成物からp型不純物が半導体基板中に拡散してp型不純物拡散層が、それぞれ所望の形状に精度よく形成される。また、第1の領域及び第2の領域と異なる第3の領域に、n型不純物拡散層又はp型不純物拡散層が形成されることを抑制できる。
以下、本発明における化合物を含む層、n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物について説明し、次に化合物を含む層、n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物を用いる太陽電池素子の製造方法について説明する。
[化合物を含む層]
本発明の太陽電池素子の製造方法は、半導体基板の一方の面上に、化合物を含む層を介してn型不純物又はp型不純物を含むガラス粒子と分散媒とを含有する不純物拡散層形成組成物を付与する工程を含む。「化合物を含む層を介して」とは、例えば、半導体基板の表面にあらかじめ形成された化合物を含む層の上に不純物拡散層形成組成物を付与することを意味する。
化合物を含む層の材料は、上述したように化合物を含む層を除去することなく半導体基板に不純物拡散層を形成できるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、ケイ素、アルミニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル等の酸化物及び窒化物が挙げられる。化合物を含む層は、例えば、ケイ素の酸化物層である場合はシランガスと酸素を用いた常圧CVD法等の堆積法、ドライ熱酸化、ウェット熱酸化、スチーム熱酸化等の熱酸化法により形成することができ、ケイ素の窒化物層である場合はシランガス、アンモニアガス及び窒素ガスを用いたプラズマCVD法等により形成することができる。
化合物を含む層は、半導体基板の全面に形成しても、特定の領域にのみ形成してもよい。また、半導体基板の同一面上の異なる領域にn型不純物拡散層とp型不純物拡散層をそれぞれ形成する場合は、n型不純物拡散層に対応する領域とp型不純物拡散層に対応する領域の両方に化合物を含む層が形成されていても、いずれか一方にのみ化合物を含む層が形成されていてもよい。化合物を含む層の厚みは特に制限されないが、例えば10nm〜2000nmとすることができ、50nm〜1000nmであることが好ましく、100nm〜500nmであることがより好ましい。
[n型不純物拡散層形成組成物]
本発明の太陽電池素子の製造方法で使用するn型不純物拡散層形成組成物は、n型不純物を含むガラス粒子の少なくとも1種と、分散媒の少なくとも1種と、を含有する。必要に応じ、塗布性等を考慮してその他の添加剤を含有してもよい。n型不純物拡散層形成組成物とは、n型不純物を含有し、シリコン基板に塗布した後に、このn型不純物を熱拡散することでn型不純物拡散層を形成することが可能な材料をいう。n型不純物拡散層形成組成物を用いることで、所望の部位にn型不純物拡散層が形成される。また、ガラス粒子中のn型不純物は熱処理(焼成)中でも揮散しにくいため、揮散ガスの発生によってn型不純物拡散層形成組成物を付与した部分のみでなく、半導体基板の裏面又は側面にまでn型不純物拡散層が形成されるということが抑制される。この理由としては、n型不純物がガラス粒子中の元素と結合しているか、又はガラス中に取り込まれているため、揮散ガスが発生しにくいためと考えられる。
(n型不純物を含むガラス粒子)
n型不純物とは、シリコン基板中に拡散することによってn型不純物拡散層を形成することが可能な元素である。n型不純物としては第15族の元素が使用でき、P(リン)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)、As(ヒ素)等が挙げられる。安全性、ガラス化の容易さ等の観点からは、P又はSbが好適である。n型不純物をガラス粒子に導入するために用いるn型不純物含有物質としては、P、P、Sb、Bi及びAsが挙げられ、P、P及びSbから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また、n型不純物を含むガラス粒子は、必要に応じて成分比率を調整することによって、溶融温度、軟化点、ガラス転移点、化学的耐久性等を制御することが可能である。更に以下に記すガラス成分物質を含むことが好ましい。
ガラス成分物質としては、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、TlO、V、SnO、WO、MoO、MnO、La、Nb、Ta、Y、TiO、ZrO、GeO、TeO及びLu等が挙げられ、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V、SnO、ZrO、TiO、及びMoOから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
n型不純物を含むガラス粒子としては、n型不純物含有物質とガラス成分物質の双方を含む系が挙げられる。具体的には、P−SiO系(n型不純物含有物質−ガラス成分物質の順で記載、以下同様)、P−KO系、P−NaO系、P−LiO系、P−BaO系、P−SrO系、P−CaO系、P−MgO系、P−BeO系、P−ZnO系、P−CdO系、P−PbO系、P−V系、P−SnO系、P−GeO系、P−TeO系等のn型不純物含有物質としてPを含む系、前記のPを含む系において、Pの代わりにn型不純物含有物質としてSbを含む系のガラス粒子などが挙げられる。なお、P−Sb系、P−As系等のように、2種類以上のn型不純物含有物質を含むガラス粒子も用いることができる。上記では2成分を含む複合ガラスを例示したが、P−SiO−V、P−SiO−CaO等、3成分以上の物質を含むガラス粒子も用いることができる。
n型不純物を含むガラス粒子中のガラス成分物質の含有比率は、溶融温度、軟化点、ガラス転移点、化学的耐久性等を考慮して設定することが望ましい。一般には、0.1質量%〜95質量%であることが好ましく、0.5質量%〜90質量%であることがより好ましい。具体的には、P−SiO−CaO系ガラスの場合には、CaOの含有比率は、1質量%〜30質量%であることが好ましく、5質量%〜20質量%であることがより好ましい。
n型不純物を含むガラス粒子の軟化点は、拡散処理時の拡散性、液だれの抑制等の観点からは、200℃〜1000℃であることが好ましく、300℃〜900℃であることがより好ましい。ガラス粒子の形状としては、略球状、扁平状、ブロック状、板状、鱗片状等が挙げられる。n型不純物拡散層形成組成物とした場合の基板への塗布性、拡散性等の観点からは、略球状、扁平状又は板状であることが好ましい。ガラス粒子の平均粒径は、100μm以下であることが好ましい。100μm以下の平均粒径を有するガラス粒子を用いた場合には、平滑なn型不純物拡散層形成組成物の層を形成しやすい。ガラス粒子の平均粒径は50μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。ガラス粒子の平均粒径の下限は特に制限されないが、0.01μm以上であることが好ましい。ここで、ガラス粒子の平均粒径は、体積平均粒子径を表し、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置等により測定することができる。
n型不純物を含むガラス粒子は、例えば、以下の手順で作製される。最初に原料を秤量し、るつぼに充填する。るつぼの材質としては白金、白金−ロジウム、イリジウム、アルミナ、石英、炭素等が挙げられ、溶融温度、雰囲気、溶融物質との反応性、不純物の混入等を考慮して適宜選ばれる。次に、電気炉でガラス組成に応じた温度で加熱し融液とする。このとき、融液が均一となるよう攪拌することが望ましい。続いて、得られた融液をジルコニア基板、カーボン基板等の上に流し出して融液をガラス化する。最後に、ガラスを粉砕して粒子状にする。粉砕は、ジェットミル、ビーズミル、ボールミル等の公知の装置を用いて行うことができる。
n型不純物拡散層形成組成物中のn型不純物を含むガラス粒子の含有比率は、塗布性、n型不純物の拡散性等を考慮して決定される。一般には、n型不純物拡散層形成組成物中のガラス粒子の含有比率は、0.1質量%〜95質量%であることが好ましく、1質量%〜90質量%であることがより好ましく、1.5質量%〜85質量%であることがさらに好ましく、2質量%〜80質量%であることが特に好ましい。
n型不純物拡散層を形成する観点からは、n型不純物拡散層形成組成物は、n型不純物として、下記式(I)で表される化合物(以下、化合物Aとも称する)を含んでいてもよい。

[R−Si−[Rn1−[O]n2−P[=O]n3[R
上記式において、Rはそれぞれ独立に1価の有機基、水酸基又はポリシロキサン残基であり、Rは2価の有機基であり、Rはそれぞれ独立に1価の有機基又は水酸基である。n1、n2及びn3はそれぞれ独立に0又は1である。
上記式において、Rの少なくとも1つが1価の有機基であることが好ましく、Rの少なくとも1つがアルコキシ基であることが好ましい。また、Rの少なくとも1つが1価の有機基であることが好ましく、Rの少なくとも1つがアルコキシ基であることがより好ましい。
又はRが1価の有機基である場合、1価の有機基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールオキシ基、アルケニル基等が挙げられる。1価の有機基は、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましい。1価の有機基がアルキル基である場合又はアルキル基部分を有する場合、アルキル基は直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましい。直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10であることがさらに好ましい。分岐鎖状のアルキル基として具体的には、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基等が挙げられる。
環状のアルキル基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。環状のアルキル基は、多環式でもよく、単環式でもよい。単環式の環状のアルキル基として具体的には、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。多環式の環状のアルキル基として具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
アルコキシ基は、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましい。アルコキシ基として具体的には、上述したアルキル基と酸素原子とが結合している基を挙げることができる。アルコキシ基におけるアルキル基の部分の具体例としては、上述したアルキル基の具体例を挙げることができる。
アリール基(芳香族炭化水素基)は、炭素数が6〜20であることが好ましく、6〜17であることがより好ましい。アリール基として具体的には、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環から1個以上の水素原子を除いた基、前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環から1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
アリールアルキル基は、炭素数が6〜20であることが好ましく、6〜17であることがより好ましい。アリールアルキル基として具体的には、上述したアルキル基とアリール基とが結合している基を挙げることができる。アリールアルキル基におけるアルキル基及びアリール基の部分の具体例としては、上述したアルキル基及びアリール基の具体例を挙げることができる。
アリールオキシ基は、炭素数が6〜20であることが好ましく、6〜17であることがより好ましい。アリールオキシ基として具体的には、上述したアルキル基と酸素原子とが結合している基を挙げることができる。アリールオキシ基におけるアリール基の部分の具体例としては、上述したアリール基の具体例を挙げることができる。
アルケニル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。直鎖状のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基等が挙げられる。分岐鎖状のアルケニル基としては、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基等が挙げられる。
1価の有機基は置換基を有していてもよい。当該置換基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ホルミル基、アセチル基等のアシル基、ニトロ基、アミノ基などが挙げられる。
ポリシロキサン残基は、−O−Si−O−結合を有するアルコキシシラン化合物に由来する残基である。アルコキシシラン化合物としては、エトキシシラン、ブトキシシラン等が挙げられる。
2価の有機基としては、上述した1価の有機基から1個の水素原子を除いた基が挙げられる。2価の有機基の炭素数は20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。
化合物Aとしては、例えば、特開2014−103232号公報の[0010]〜[0038]に記載されている化合物が挙げられる。
化合物Aは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、化合物Aは、ガラス粒子中に含まれていても、ガラス粒子中に含まれていなくてもよい。n型不純物拡散層形成組成物が化合物Aを含む場合、その含有率は、n型不純物拡散層形成組成物の総質量の0.1質量%〜90質量%とすることができ、5質量%〜70質量%とすることが好ましく、10質量%〜60質量%とすることがより好ましい。
n型不純物拡散層を形成する観点からは、n型不純物拡散層形成組成物は、n型不純物として、−O−Si−O−結合と−P(=O)n−結合[nは0又は1]とを有し、前記−O−Si−O−結合が下記式で表される2又は3官能性基を有する結合である化合物(以下、化合物Bとも称する)を含んでいてもよい。
上記式中、Rはそれぞれ独立に1価の有機基又は水酸基である。1価の有機基の具体例としては、化合物Aについて上述したものが挙げられる。
化合物Bとしては、下記式で表される構造単位を有する化合物が挙げられる。
上記式中、Xはそれぞれ独立に1価の有機基、水酸基又は架橋酸素であり(ただし、少なくとも1つのXは1価の有機基又は水酸基である)、Yはそれぞれ独立に1価の有機基、水酸基又は架橋酸素であり、nは0又は1である。1価の有機基の具体例としては、化合物Aについて上述したものが挙げられる。
化合物Bとしては、例えば、特開2014−197589号公報の[0013]〜[0031]に記載されている化合物が挙げられる。
化合物Bは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、化合物Bは、ガラス粒子中に含まれていても、ガラス粒子中に含まれていなくてもよい。n型不純物拡散層形成組成物が化合物Bを含む場合、その含有率は、n型不純物拡散層形成組成物の総質量の0.1質量%〜90質量%とすることができ、5質量%〜70質量%とすることが好ましく、10質量%〜60質量%とすることがより好ましい。
(分散媒)
次に、分散媒について説明する。分散媒とは、組成物中において上記ガラス粒子を分散させる媒体である。具体的に分散媒としては、バインダー、溶剤、これらの組み合わせ等を用いることができる。
−バインダー−
バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド類、ポリビニルアミド類、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸類、ポリエチレンオキサイド類、ポリスルホン酸、アクリルアミドアルキルスルホン酸、セルロースエーテル類、セルロース誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、澱粉及び澱粉誘導体、アルギン酸ナトリウム類、キサンタン及びキサンタン誘導体、グアーガム及びグアーガム誘導体、スクレログルカン及びスクレログルカン誘導体、トラガカント及びトラガカント誘導体、デキストリン及びデキストリン誘導体、(メタ)アクリル酸樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂(例えば、アルキル(メタ)アクリレート樹脂、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート樹脂等)、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、これらの樹脂の共重合体、シロキサン樹脂などが挙げられる。これらのバインダーは、1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。バインダーの分子量は特に制限されず、n型不純物拡散層形成組成物の所望の粘度に応じて所望の分子量のバインダーを選択できる。
−溶剤−
溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のケトン溶剤;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のエーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリエチレングリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のエステル溶剤;アセトニトリル、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン、N−プロピルピロリジノン、N−ブチルピロリジノン、N−ヘキシルピロリジノン、N−シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル溶剤;テルピネン、テルピネオール、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、ピネン、カルボン、オシメン、フェランドレン等のテルペン溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤は1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。n型不純物拡散層形成組成物とした場合、基板への塗布性の観点から、テルピネオール、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、及び酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチルが好ましい。
n型不純物拡散層形成組成物中の分散媒の含有比率は、塗布性、n型不純物の濃度等を考慮して決定される。n型不純物拡散層形成組成物の粘度は、塗布性を考慮して、10mPa・s〜1000000mPa・sであることが好ましく、50mPa・s〜500000mPa・sであることがより好ましい。
[p型拡散層形成組成物]
p型不純物拡散層形成組成物は、p型不純物を含むガラス粒子の少なくとも1種と、分散媒の少なくとも1種と、を含有する。必要に応じ、塗布性などを考慮してその他の添加剤を含有してもよい。ここで、p型不純物拡散層形成組成物とは、p型不純物を含有し、シリコン基板に塗布した後に、このp型不純物を熱拡散することでp型不純物拡散層を形成することが可能な材料をいう。p型不純物拡散層形成組成物を用いることで、所望の部位にp型不純物拡散層が形成される。また、ガラス粒子中のp型不純物は焼成中でも揮散しにくいため、揮散ガスの発生によってp型不純物拡散層形成組成物を付与した部分のみでなく半導体基板の裏面又は側面にまでp型不純物拡散層が形成されるということが抑制される。この理由として、p型不純物がガラス粒子中の元素と結合しているか、又はガラス中に取り込まれているため、揮散ガスが発生しにくいためと考えられる。
(p型不純物を含むガラス粒子)
p型不純物とは、シリコン基板中に拡散することによってp型不純物拡散層を形成することが可能な元素である。p型不純物としては第13族の元素が使用でき、B(ホウ素)、Al(アルミニウム)及びGa(ガリウム)等が挙げられる。p型不純物含有物質としては、B、Al及びGaが挙げられ、B、Al及びGaから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また、p型不純物を含むガラス粒子は、必要に応じて成分比率を調整することによって、溶融温度、軟化点、ガラス転移点、化学的耐久性等を制御することが可能である。更に、以下に記すガラス成分物質を含むことが好ましい。
ガラス成分物質としては、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、TlO、V、SnO、WO、MoO、MnO、La、Nb、Ta、Y、TiO、ZrO、GeO、TeO及びLu等が挙げられ、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V、SnO、ZrO、TiO、及びMoOから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
p型不純物を含むガラス粒子としては、p型不純物含有物質とガラス成分物質の双方を含むガラス粒子が挙げられる。具体的には、B−SiO系(p型不純物含有物質−ガラス成分物質の順で記載、以下同様)、B−ZnO系、B−PbO系、B単独系等のp型不純物含有物質としてBを含む系、Al−SiO系等のp型不純物含有物質としてAlを含む系、Ga−SiO系等のp型不純物含有物質としてGaを含む系などのガラス粒子が挙げられる。また、Al−B系、Ga−B系等のように、2種類以上のp型不純物含有物質を含むガラス粒子も用いることができる。上記では1成分ガラスあるいは2成分を含む複合ガラスを例示したが、B−SiO−NaO等、3成分以上の物質を含むガラス粒子も用いることができる。
p型不純物を含むガラス粒子中のガラス成分物質の含有比率は、溶融温度、軟化点、ガラス転移点、化学的耐久性等を考慮して適宜設定することが好ましい。一般には、0.1質量%〜95質量%であることが好ましく、0.5質量%〜90質量%であることがより好ましい。
p型不純物を含むガラス粒子の軟化点は、拡散処理時の拡散性、液だれの抑制等の観点から、200℃〜1000℃であることが好ましく、300℃〜900℃であることがより好ましい。ガラス粒子の形状としては、略球状、扁平状、ブロック状、板状、鱗片状等が挙げられる。n型不純物拡散層形成組成物の基板への塗布性や拡散性の観点からは、略球状、扁平状、または板状であることが望ましい。p型不純物を含むガラス粒子の平均粒径は、100μm以下であることが望ましい。100μm以下の平均粒径を有するガラス粒子を用いた場合には、平滑なn型不純物拡散層形成組成物層を形成しやすい。ガラス粒子の平均粒径は50μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。ガラス粒子の平均粒径の下限は特に制限されないが、0.01μm以上であることが好ましい。
p型不純物を含むガラス粒子は、既述のn型不純物を含むガラス粒子と同様の手順で作製することができる。
p型不純物拡散層形成組成物中のp型不純物を含むガラス粒子の含有比率は、塗布性、p型不純物の拡散性等を考慮して決定される。一般には、p型不純物拡散層形成組成物中のガラス粒子の含有比率は、0.1質量%〜95質量%であることが好ましく、1質量%〜90質量%であることがより好ましく、1.5質量%〜85質量%であることがさらに好ましく、2質量%〜80質量%であることが特に好ましい。
分散媒としては、n型不純物拡散層形成組成物と同様なものを用いることができる。p型不純物拡散層形成組成物中の分散媒の含有比率は、塗布性、p型不純物の濃度等を考慮して決定される。p型不純物拡散層形成組成物の粘度は、塗布性を考慮して、10mPa・s〜1000000mPa・s以下であることが好ましく、50mPa・s〜500000mPa・s以下であることがより好ましい。
[太陽電池素子の製造方法]
以下、本発明の太陽電池素子の製造方法の一実施の形態について説明する。
まず、シリコン等の半導体基板の表面にあるダメージ層を、酸性又はアルカリ性の溶液を用いてエッチングして除去する。次に、半導体基板の一方の表面に化合物を含む層を形成する。化合物を含む層の詳細については、上述したとおりである。
次に、半導体基板の化合物を含む層が形成されていない側の表面(受光面)にテクスチャ構造と呼ばれる微細な凹凸構造を形成する。テクスチャ構造は、たとえば、化合物を含む層が形成された半導体基板を水酸化カリウムとイソプロピルアルコール(IPA)とを含む約80℃程度の液に浸漬させることによって形成することができる。上記のテクスチャ構造の形成工程は、後述する不純物拡散層の形成後に行なってもよい。
次に、半導体基板の同一面内の第1の領域にn型不純物拡散層を、第2の領域にp型不純物拡散層をそれぞれ選択的に形成する。第1の領域及び第2の領域の形状及び大きさは特に制限されず、裏面電極型太陽電池素子で通常採用されるn型不純物拡散層及びp型不純物拡散層の形状及び大きさから適宜選択することができる。
具体的には例えば、半導体基板の受光面となる面とは反対側の面(以下、「裏面」ともいう)上の第1の領域に、n型不純物拡散層形成組成物を化合物を含む層を介して付与する。第1の領域の形状及び大きさは、例えば、形成されるn型不純物拡散層の形状及び大きさに応じて適宜選択される。形状は例えば、ライン状とすることができる。ライン幅は例えば、100μm〜300μmとすることができる。また半導体基板の裏面上の第2の領域には、p型不純物拡散層形成組成物が化合物を含む層を介して付与される。第2の領域の形状及び大きさは、例えば、形成されるp型不純物拡散層の形状及び大きさに応じて適宜選択される。形状は例えば、ライン状とすることができる。ライン幅は例えば、500μm〜900μmとすることができる。
第1の領域及び第2の領域は互いに接触しないように所定の間隔をおいて設けられることが好ましい。第1の領域及び第2の領域の間隔は、n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物の諸物性に応じて適宜選択することができる。例えば、1mm〜3mmとすることができる。第1の領域及び第2の領域を所定の間隔をおいて設けることで、構成される裏面電極型太陽電池素子の発電効率をより向上させることができる。
n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物を付与する順番は特に制限されない。すなわち、n型不純物拡散層形成組成物を第1の領域に付与した後、p型不純物拡散層形成組成物を第2の領域に付与してもよく、p型不純物拡散層形成組成物を第2の領域に付与した後、n型不純物拡散層形成組成物を第1の領域に付与してもよい。さらに付与方法によっては、n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物を一括して付与してもよい。
n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物の付与方法は特に制限されず、通常用いられる方法を用いることができる。例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法等の印刷法、スピンコート法、刷毛塗り、スプレー法、ドクターブレード法、ロールコート法、インクジェット法などを用いて行うことができる。n型不純物拡散層形成組成物の付与方法とp型不純物拡散層形成組成物の付与方法とは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物の付与量は特に制限されない。例えば、ガラス粒子量として0.01g/m〜100g/mとすることができ、0.1g/m〜10g/mであることが好ましい。n型不純物拡散層形成組成物の付与量及びp型不純物拡散層形成組成物の付与量は、n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物の構成、形成されるn型不純物拡散層及びp型不純物拡散層における不純物の濃度等に応じて、それぞれ独立に選択することができる。
半導体基板上にn型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物を付与した後、必要に応じて組成物に分散媒として含まれる溶剤又はバインダーの少なくとも一部を除去するための加熱工程を設けてもよい。加熱工程は例えば、半導体基板を100℃〜200℃で加熱処理することで、溶剤の少なくとも一部を揮発させることができる。また例えば、半導体基板を200℃〜500℃で加熱処理することで、バインダーの少なくとも一部を除去してもよい。加熱工程は、n型不純物拡散層形成組成物の付与後とp型不純物拡散層形成組成物の付与後にそれぞれ行ってもよく、n型不純物拡散層形成組成物とp型不純物拡散層形成組成物の両方を付与した後に一括して行ってもよい。
次に、n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物が付与された半導体基板を熱処理することによって、n型不純物拡散層及びp型不純物拡散層を形成する。熱処理によって第1の領域に付与されたn型不純物拡散層形成組成物からn型不純物が半導体基板中に拡散し、第2の領域に付与されたp型不純物拡散層形成組成物からp型不純物が半導体基板中に拡散して、n型不純物拡散層及びp型不純物拡散層がそれぞれ形成される。本発明においては、n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物を用いることで、所望の形状に精度よくn型不純物拡散層及びp型不純物拡散層を形成することができる。さらに、後述する保護層を設けなくても、不純物拡散層を形成する必要のない領域にn型不純物拡散層又はp型不純物拡散層が形成されることを抑制できる。
熱処理温度は、n型不純物拡散層及びp型不純物拡散層を形成可能であれば特に制限されないが、800℃以上1100℃以下であることが好ましく、さらに850℃以上1100℃以下が好ましく、900℃以上1100℃以下がより好ましい。
上記のようにしてn型不純物拡散層及びp型不純物拡散層が形成された半導体基板にはガラス層が残存しているが、このガラス層は除去されることが好ましい。ガラス層の除去は、フッ酸などの酸に浸漬する方法、苛性ソーダなどのアルカリに浸漬する方法等公知の方法が適用できる。
n型不純物拡散層及びp型不純物拡散層を形成した後の半導体基板の裏面側には、パッシベーション層を形成することが好ましい。パッシベーション層としては、ケイ素の酸化物層、珪素の窒化物層、これらの層を重ねた層等を用いることができる。パッシベーション層がケイ素の酸化物層である場合はシランガスと酸素を用いた常圧CVD法等の堆積法、ドライ熱酸化、ウェット熱酸化、スチーム熱酸化等の熱酸化法により形成することができ、珪素の窒化物層である場合はシランガス、アンモニアガス及び窒素ガスを用いたプラズマCVD法等により形成することができる。パッシベーション層の形成前に、半導体基板の表面を従来から公知の方法によって洗浄してもよい。
次に、半導体基板のテクスチャ構造が形成されている側の表面に反射防止膜を形成することが好ましい。反射防止膜としては、例えば、プラズマCVD法により形成された窒化物膜を用いることができる。
次に、上記で形成されたn型不純物拡散層及びp型不純物拡散層の上にそれぞれ電極を形成する。具体的には例えば、半導体基板の裏面に形成されたパッシベーション層の一部を除去することによって、n型不純物拡散層及びp型不純物拡散層のそれぞれの表面の一部を露出させる。パッシベーション層の除去は、従来から公知の方法により行うことができる。そして、露出したn型不純物拡散層の表面上にn電極を形成し、露出したp型不純物拡散層の表面上にp電極を形成することによって、裏面電極型太陽電池素子が製造される。n電極及びp電極は、n型不純物拡散層及びp型不純物拡散層のそれぞれの露出した表面上に銀を含む電極材料を塗布し、乾燥及び/又は焼成することによって形成することができる。あるいは、蒸着法を用いてn電極及びp電極を形成することも可能である。
本発明においては、n型不純物及びp型不純物はガラス粒子中の元素と結合しているか、又はガラス中に取り込まれているため、熱拡散の際にn型不純物及びp型不純物が拡散する必要のない領域に拡散してしまうのを抑制できる。さらに、化合物を含む層を形成することで、上記の抑制効果をより向上させることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、薬品は全て試薬を使用した。また「部」及び「%」は質量基準である。
[実施例1]
粒子形状が略球状で、平均粒径が0.25μm、軟化温度が約800℃のガラス粒子(P、SiO、CaOを主成分とし、それぞれ50%、43%、7%)、エチルセルロース、テルピネオールをそれぞれ10g、4g、86g混合してペースト化し、n型不純物拡散層形成組成物を作製した。
続いて、粒子形状が略球状で、平均粒径が1.5μm、軟化温度が約810℃のガラス粒子(B、SiO、CaO、MgO、BaOを主成分とし、それぞれ30%、40%、10%、10%、10%)、エチルセルロース、テルピネオールをそれぞれ20g、4g、76g混合してペースト化し、p型不純物拡散層形成組成物を作製した。
ガラス粒子の形状は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ、TM−1000型)を用いて観察して判定した。ガラスの平均粒径は、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社、LS 13 320型、測定波長:632nm)を用いて算出した。ガラスの軟化点は、示差熱・熱重量同時測定装置((株)島津製作所、DTG−60H型)を用いて、示差熱(DTA)曲線により求めた。
次に、シリコン基板の全面に、化合物を含む層としてケイ素の酸化物を常圧CVD法により300nmの厚さに形成した。そして、ケイ素の酸化物を形成した基板の表面に、n型不純物拡散層形成組成物をスクリーン印刷によりライン状に塗布し、150℃で10分間乾燥させた。続いて、シリコン基板のn型不純物拡散層形成組成物を塗布した面と同じ面に、n型不純物拡散層形成組成物を塗布した領域と接触しないように間隔をあけて、p型拡散層形成組成物をスクリーン印刷によりライン状に塗布し、150℃で10分間乾燥させた。そして、350℃で3分間脱バインダー処理を行った。次に、大気中で950℃で10分間熱処理し、n型不純物及びp型不純物をシリコン基板中に拡散させ、n型不純物拡散層及びp型不純物拡散層を形成した。続いて、シリコン基板の表面に残存したガラス層をフッ酸によって除去した。
次に、SIMS測定により、シリコン基板への不純物の拡散状態を確認した。n型不純物拡散層形成組成物を塗布した部分には表面から約0.7μmの深さまでP(リン)が拡散していた。また、p型不純物拡散層形成組成物を塗布した部分には表面から約0.6μmの深さまでB(ホウ素)が拡散していた。それに対して、不純物拡散層形成組成物を塗布していない部分にはP(リン)、B(ホウ素)のいずれも拡散していなかった。SIMS測定は、IMS−7F(アメテック株式会社CAMECA事業部)を用いて、O 及びCsを一次イオンとして行なった。
[実施例2]
実施例1において、シリコン基板の全面に予め化合物を含む層としてケイ素の酸化物膜を常圧CVD法により形成する代わりにウェット熱酸化法により200nmの厚さに形成した以外は、実施例1と同様にして、n型不純物拡散層及びp型不純物拡散層を形成した。続いて、シリコン基板の表面に残存したガラス層をフッ酸によって除去した。
次に、上記と同様のSIMS測定により、シリコン基板への不純物の拡散状態を確認した。n型不純物拡散層形成組成物を塗布した部分には表面から約0.7μmの深さまでP(リン)が拡散していた。また、p型不純物拡散層形成組成物を塗布した部分には表面から約0.6μmの深さまでB(ほう素)が拡散していた。それに対して、不純物拡散層形成組成物を塗布していない部分にはP(リン)、B(ほう素)のいずれも拡散していなかった。
[実施例3]
シリコン基板の表面に、実施例1に記載の方法で作製したp型不純物拡散層形成組成物をスクリーン印刷によりライン状に塗布し、150℃で10分間乾燥させた。これを窒素中で950℃で10分間熱処理し、p型不純物をシリコン基板中に拡散させてp型不純物拡散層を形成した。続いて、シリコン基板の表面に残存したガラス層をフッ酸によって除去した。その後、シリコン基板のp型不純物拡散層を形成した面と同じ面の全面に化合物を含む層としてケイ素の酸化物膜をドライ熱酸化法により200nmの厚さに形成した。続いて、シリコン基板のp型不純物拡散層を形成した面と同じ面にp型不純物拡散層領域と接触しないように間隔をあけて、n型不純物拡散層形成組成物をスクリーン印刷により、ライン状に塗布し、150℃で10分間乾燥させた。そして、350℃で3分間脱バインダー処理を行った。次に、大気中で950℃で10分間熱処理し、n型不純物をシリコン基板中に拡散させ、n型不純物拡散層を形成した。続いて、シリコン基板の表面に残存したガラス層をフッ酸によって除去した。
次に、上記と同様のSIMS測定により、シリコン基板への不純物の拡散状態を確認した。n型不純物拡散層形成組成物を塗布した部分には表面から約0.7μmの深さまでP(リン)が拡散していた。また、p型不純物拡散層形成組成物を塗布した部分には表面から約0.6μmまでB(ほう素)が拡散していた。それに対して、不純物拡散層形成組成物を塗布していない部分にはP(リン)、B(ほう素)のいずれも拡散していなかった。
[太陽電池素子の作製]
実施例1〜実施例3で得られたn型不純物拡散層及びp型不純物拡散層が形成されたシリコン基板のn型不純物拡散層上にn電極を、p型不純物拡散層上にp電極をそれぞれ常法により形成して、裏面電極型太陽電池素子を作製した。得られた裏面電極型太陽電池素子は、いずれも良好な光変換特性を示した。

Claims (7)

  1. 半導体基板の一方の面上に、化合物を含む層を介してn型不純物又はp型不純物を含むガラス粒子と分散媒とを含有する不純物拡散層形成組成物を付与する工程と、
    前記不純物拡散層形成組成物が付与された半導体基板を熱処理して不純物拡散層を形成する熱拡散工程と、
    前記不純物拡散層が形成された領域に電極を形成する工程と、
    を含む、太陽電池素子の製造方法。
  2. 半導体基板の一方の面上の第1の領域に、n型不純物を含むガラス粉末と分散媒とを含有するn型不純物拡散層形成組成物を付与する工程と、
    前記半導体基板の前記第1の領域が設けられる面上であって、前記第1の領域以外の第2の領域に、p型不純物を含むガラス粉末と分散媒とを含有するp型不純物拡散層形成組成物を付与する工程と、
    前記n型不純物拡散層形成組成物及びp型不純物拡散層形成組成物が付与された半導体基板を熱処理してn型不純物拡散層及びp型不純物拡散層を形成する熱拡散工程と、
    前記n型不純物拡散層が形成された第1の領域及びp型不純物拡散層が形成された第2の領域のそれぞれに電極を形成する工程と、を含み、
    前記n型不純物拡散層形成組成物及び前記p型不純物拡散層形成組成物からなる群より選択される少なくとも一方は、化合物を含む層を介して前記半導体基板に付与される、太陽電池素子の製造方法。
  3. 前記化合物を含む層は、酸化物又は窒化物の層である請求項1又は請求項2に記載の太陽電池素子の製造方法。
  4. 前記n型不純物は、P(リン)及びSb(アンチモン)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池素子の製造方法。
  5. 前記p型不純物は、B(ほう素)、Al(アルミニウム)及びGa(ガリウム)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池素子の製造方法。
  6. 前記n型不純物を含むガラス粉末は、P、P及びSbからなる群より選択される少なくとも1種のn型不純物含有物質と、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V、SnO、ZrO、TiO及びMoOからなる群より選択される少なくとも1種のガラス成分物質と、を含有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池素子の製造方法。
  7. 前記p型不純物を含むガラス粉末は、B、Al及びGaからなる群より選択される少なくとも1種のp型不純物含有物質と、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V、SnO、ZrO、TiO及びMoOからなる群より選択される少なくとも1種のガラス成分物質と、を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池素子の製造方法。
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