JP2016066326A - 制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】操作量に応じてアクチュエータに通電する電流をON/OFFする電力調整部を用いるマルチループ制御系において、適切な消費電力の計測を実現する。【解決手段】調整機能部2は、平滑化処理の特性パラメータの調整時に、全ての制御ループでマニュアル操作部11−iから50%の操作量MViを出力させる操作量出力維持部20と、各制御ループLiの消費電力計測値の総和である総消費電力計測値を計測する電力計測部21と、特性パラメータを予め規定された規則に従って変更する特性パラメータ変更部22と、総消費電力計測値を平滑化処理する平滑化処理部23と、平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動の幅を評価する上下動幅評価部24と、評価結果に基づき特性パラメータの最適値を決定する特性パラメータ決定部25とから構成される。【選択図】 図1
Description
本発明は、複数の制御ループを備えたマルチループ制御系の制御装置および制御方法に係り、特に制御ループの消費電力のリアルタイム計測を必要とし、操作量に応じてアクチュエータに通電する電流をON/OFFするSSRのような電力調整手段を用いるマルチループ制御系において、適切な消費電力の計測を実現する制御装置および制御方法に関するものである。
地球温暖化問題に起因する法改正などに伴い、工場や生産ラインのエネルギー使用量管理が強く求められている。工場内の加熱装置や空調機器は特にエネルギー使用量の大きな設備装置であるため、エネルギー使用量の上限を、本来備える最大量よりも低く抑えるように管理されることが多い。例えば電力を使用する設備装置では、電力デマンド管理システムからの指示により、特定の電力使用量以内に制限する運用が行なわれている。
特に複数のアクチュエータ(電気ヒータ)を備える加熱装置では、立ち上げ時(複数の電気ヒータが設置されている領域の一斉昇温時)に同時供給される総電力を抑制するために、電力総和抑制制御(特許文献1、特許文献2参照)などが提案されている。図10は特許文献1、特許文献2に開示された加熱装置の構成を示すブロック図である。加熱装置は、被加熱物を加熱するための加熱処理炉100と、加熱処理炉100の内部に設置された複数のアクチュエータである電気ヒータH1〜H4と、それぞれヒータH1〜H4によって加熱される加熱処理炉100内の制御ゾーンZ1〜Z4の温度PVを測定する複数の温度センサS1〜S4と、ヒータH1〜H4に出力する操作量MV1〜MV4を算出する電力総和抑制制御装置101と、電力総和抑制制御装置101から出力された操作量MV1〜MV4に応じた電力をそれぞれヒータH1〜H4に供給する電力調整器102−1〜102−4とから構成される。この図10に示した加熱装置においては、制御ゾーンZ1〜Z4の温度PVを制御する制御ループが、4個形成されていることになる。
特許文献1の場合で従来の技術を説明すると、電力総和抑制制御装置101は、電力を管理する電力デマンド管理システムのコンピュータである上位PC103から、ヒータH1〜H4の電力使用量を規定する割当総電力PWの情報を受信し、各制御ループの消費電力計測値の総和と割当総電力PWTとから各制御ループに割り当てる電力使用割当量を算出し、この電力使用割当量から各制御ループの操作量出力上限値OH1_1〜OH1_4を算出する。そして、電力総和抑制制御装置101は、PID制御演算により各制御ループの操作量MV1〜MV4を算出し、操作量MV1〜MV4を操作量出力上限値OH1_1〜OH1_4以下に制限する上限リミット処理を実行して、上限処理後の操作量MV1〜MV4を対応する制御ループの電力調整器102−1〜102−4に出力する。こうして、操作量出力上限値OH1_1〜OH1_4を操作することで、温度を一定に維持する定常状態時や設定値SP変更による昇温時の総電力を指定された値以下に抑制できる。
電気ヒータに供給する電力を調整するための電力調整器として、多くの装置でソリッドステートリレー(SSR)が利用されている。SSRの動作について簡潔に説明する。図11(A)、図11(B)、図11(C)、図11(D)は3つの制御ループの電力調整器として利用されるSSRの動作と3つの制御ループの総消費電力計測値について説明する図である。ここでは、各SSRの時間比例周期が10秒に設定されているものとする。
第1の制御ループで使用されているSSRでは、SSRに要求されている調整電力が40%(操作量MVが40%)なので、図11(A)に示すように電気ヒータに電流がフル通電されるON時間が4秒であり、電流が完全にゼロになるOFF時間が6秒になる。第2の制御ループで使用されているSSRでは、SSRに要求されている調整電力が50%(操作量MVが50%)なので、図11(B)に示すようにON時間が5秒であり、OFF時間も5秒になる。第3の制御ループで使用されているSSRでは、SSRに要求されている調整電力が60%(操作量MVが60%)なので、図11(C)に示すようにON時間が6秒であり、OFF時間が4秒になる。このように、SSRでは電流のON/OFF時間で供給電力を調整する。
したがって、SSRを利用する温度制御の複数のPID制御ループ系においては、電流のON/OFF時間に応じて消費電力計測値が上下動してしまい、電力総和抑制制御(特に特許文献1)のような制御手法に適合する電力計測が実施できなくなる。図11(D)では、フル通電時の各制御ループの消費電力値を200Wとしたときの3つの制御ループの総消費電力計測値の変化を示している。
消費電力計測値の上下動を信号処理により平滑化するために、平滑化手法の特性パラメータ(平滑化手法が1次遅れフィルタであればフィルタ時定数、平滑化手法が移動平均であれば計測データの点数)を大きめにすれば、ある程度十分に平滑化された状態に近づけることは可能である。しかし、過度な平滑化になると電力計測の瞬時値としての真値からの乖離も大きくなることになるので、オンライン型のリアルタイム処理アルゴリズムである電力総和抑制制御(特に特許文献1)のような制御手法にやはり適合しなくなる。
なお、SSRの動作を例えばPC上でシミュレーションすることなどにより、理論的に最適な特性パラメータを求めようとしても、実際の電力計自体に、平滑化の効果を与えるダンピング特性が含まれるため、実際に使用するSSRと電力計による電力計測系によって特性パラメータを求めるのが好ましい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、制御ループの消費電力のリアルタイム計測を必要とし、操作量に応じてアクチュエータに通電する電流をON/OFFするSSRのような電力調整手段を用いるマルチループ制御系において、適切な消費電力の計測を実現することができる制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明の制御装置は、制御ループLi(i=1〜n)毎に設けられ、設定値SPiと制御量PViとを入力として操作量MViを算出し出力する制御演算手段と、制御ループLi毎に設けられ、外部から指定されたマニュアル操作量MViを出力するマニュアル操作手段と、制御ループLi毎に設けられ、前記制御演算手段を動作させるか、前記マニュアル操作手段を動作させるかを切り換える動作切換手段と、制御ループLi毎に設けられ、動作中の制御演算手段または動作中のマニュアル操作手段から出力された操作量MViに応じて、対応する制御ループLiのアクチュエータに通電する電流をON/OFFする電力調整手段と、各制御ループLiの消費電力計測値の総和である総消費電力計測値を計測する電力計測手段と、前記総消費電力計測値を平滑化処理する第1の平滑化処理手段と、前記平滑化処理の特性パラメータの調整時に、全ての制御ループLiで前記制御演算手段を停止させて前記マニュアル操作手段を動作させ、前記マニュアル操作手段から50%のマニュアル操作量MViを出力させ、前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、全ての制御ループLiで前記マニュアル操作手段を停止させて前記制御演算手段を動作させる操作量出力維持手段と、前記特性パラメータの調整時に、前記特性パラメータを予め規定された規則に従って変更する特性パラメータ変更手段と、前記特性パラメータの調整時に、平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動の幅を評価する上下動幅評価手段と、前記特性パラメータの調整時に、前記上下動幅評価手段の評価結果に基づき前記特性パラメータの最適値を決定する特性パラメータ決定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、前記平滑化処理後の総消費電力計測値に基づいて各制御ループLiの操作量MViを操作して制御装置の電力使用量を抑制する電力抑制手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、制御ループLi毎に設けられ、前記第1の平滑化処理手段と同じ特性パラメータが設定され、各制御ループLiの消費電力計測値を個別に平滑化処理する第2の平滑化処理手段と、前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、前記平滑化処理後の各制御ループLiの消費電力計測値に基づいて各制御ループLiの操作量MViを操作して制御装置の電力使用量を抑制する電力抑制手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、制御ループLi毎に設けられ、前記第1の平滑化処理手段と同じ特性パラメータが設定され、各制御ループLiの消費電力計測値を個別に平滑化処理する第2の平滑化処理手段と、前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、前記平滑化処理後の各制御ループLiの消費電力計測値に基づいて各制御ループLiの操作量MViを操作して制御装置の電力使用量を抑制する電力抑制手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記平滑化処理は1次遅れフィルタ処理であり、前記特性パラメータはフィルタ時定数である。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記平滑化処理は移動平均処理であり、前記特性パラメータは処理の対象となる計測値データの点数である。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記特性パラメータの初期値は最小値として設定され、前記規則は、前記平滑化処理の効果が強くなる方向に前記特性パラメータを規定量だけ増加させるものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記上下動幅評価手段は、前記平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動幅Δが所定の閾値TH以下かどうかを判定し、前記特性パラメータ決定手段は、前記上下動幅Δが前記閾値TH以下と判定された時点での特性パラメータを最適値として決定することを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記平滑化処理は移動平均処理であり、前記特性パラメータは処理の対象となる計測値データの点数である。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記特性パラメータの初期値は最小値として設定され、前記規則は、前記平滑化処理の効果が強くなる方向に前記特性パラメータを規定量だけ増加させるものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記上下動幅評価手段は、前記平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動幅Δが所定の閾値TH以下かどうかを判定し、前記特性パラメータ決定手段は、前記上下動幅Δが前記閾値TH以下と判定された時点での特性パラメータを最適値として決定することを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法は、複数の制御ループLi(i=1〜n)の総消費電力計測値の平滑化処理の特性パラメータを調整するときに、50%のマニュアル操作量MViを制御ループLi毎に出力するマニュアル操作ステップと、前記特性パラメータの調整時に、前記マニュアル操作量MViに応じて、各制御ループLiのアクチュエータに通電する電流を制御ループLi毎にON/OFFする第1の電力調整ステップと、前記特性パラメータの調整時に、各制御ループLiの消費電力計測値の総和である総消費電力計測値を計測する第1の電力計測ステップと、前記特性パラメータの調整時に、前記総消費電力計測値を平滑化処理する第1の平滑化処理ステップと、前記特性パラメータの調整時に、前記特性パラメータを予め規定された規則に従って変更する特性パラメータ変更ステップと、前記特性パラメータの調整時に、平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動の幅を評価する上下動幅評価ステップと、前記特性パラメータの調整時に、前記上下動幅評価ステップの評価結果に基づき前記特性パラメータの最適値を決定する特性パラメータ決定ステップと、前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、設定値SPiと制御量PViとを入力として操作量MViを制御ループLi毎に算出し出力する制御演算ステップと、前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、前記制御演算ステップで出力された操作量MViに応じて、各制御ループLiのアクチュエータに通電する電流を制御ループLi毎にON/OFFする第2の電力調整ステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、特性パラメータを予め規定された規則に従って変更する特性パラメータ変更手段と、平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動の幅を評価する上下動幅評価手段と、上下動幅評価手段の評価結果に基づき特性パラメータの最適値を決定する特性パラメータ決定手段とを設けることにより、制御ループの消費電力のリアルタイム計測を必要とし、操作量に応じてアクチュエータに通電する電流をON/OFFするSSRのような電力調整手段を用いるマルチループ制御系において、適切な消費電力の計測を実現することができる。したがって、本発明では、平滑化処理後の総消費電力計測値を用いることで、適切な制御を実現することができる。
また、本発明では、平滑化処理後の総消費電力計測値に基づいて各制御ループLiの操作量MViを操作して制御装置の電力使用量を抑制する電力抑制手段を設けることにより、適切な電力総和抑制制御を実現することができる。
また、本発明では、第1の平滑化処理手段と同じ特性パラメータが設定され、各制御ループLiの消費電力計測値を個別に平滑化処理する第2の平滑化処理手段と、平滑化処理後の各制御ループLiの消費電力計測値に基づいて各制御ループLiの操作量MViを操作して制御装置の電力使用量を抑制する電力抑制手段とを設けることにより、適切な電力総和抑制制御を実現することができる。
[発明の原理]
操作量MVに応じた電力をアクチュエータ(例えば電気ヒータ)に供給する電力調整器としてSSRを利用する複数のPID制御ループ系において、実際に使用するSSRと電力計による電力計測系とによって、消費電力計測値の平滑化処理の最適な特性パラメータを求めることを考える。この場合、SSRでは操作量MVの状況次第で消費電力計測値の上下動幅が変化してしまうので、特性パラメータの調整に注意を要する。
操作量MVに応じた電力をアクチュエータ(例えば電気ヒータ)に供給する電力調整器としてSSRを利用する複数のPID制御ループ系において、実際に使用するSSRと電力計による電力計測系とによって、消費電力計測値の平滑化処理の最適な特性パラメータを求めることを考える。この場合、SSRでは操作量MVの状況次第で消費電力計測値の上下動幅が変化してしまうので、特性パラメータの調整に注意を要する。
すなわち、複数のPID制御ループ系の場合、総消費電力がフル電力の50%の状態であっても、例えば偶数個のPID制御ループの半分が操作量100%で残り半分が操作量0%であるケースと、全てのPID制御ループが操作量50%であるケースとでは全く異なる。PID制御ループの半分が操作量100%で残り半分が操作量0%である場合、操作量100%のPID制御ループではアクチュエータへの電流は常時ONであり、逆に操作量0%のPID制御ループではアクチュエータへの電流は常時OFFであるため、実際の電力計で計測される電力計測値は全く上下動しないことになる。
一方、全てのPID制御ループが操作量50%である場合、前述のようにアクチュエータへの電流のON/OFFが典型的に発生するので、電力計測値は大きく上下動する。実際には、総消費電力がフル電力の50%の状態に保つとも限らないケースも含め、上記の2つのケースの中間で任意のケースが考えられる。
したがって、発明者は、消費電力計測値の平滑化処理の最適な特性パラメータを求めること自体に曖昧さが生じないように、電流のON/OFF状態を規定すべきであることに着眼した。そして、理論上最も平滑化処理を必要とする「全てのPID制御ループが操作量50%である状態」を維持しながら、平滑化処理の特性パラメータを調整することに想到した。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、PID制御ループLi(i=1〜n、nは2以上の整数で、図10の例ではn=4)毎に設けられた制御部1−iと、消費電力計測値の平滑化処理の特性パラメータを調整する調整機能部2とから構成される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、PID制御ループLi(i=1〜n、nは2以上の整数で、図10の例ではn=4)毎に設けられた制御部1−iと、消費電力計測値の平滑化処理の特性パラメータを調整する調整機能部2とから構成される。
制御部1−iは、設定値SPiと制御量PViとを入力として操作量MViを算出し出力する制御演算部10−iと、制御演算部10−iによらずに、指定されたマニュアル操作量MViを出力するマニュアル操作部11−iと、制御演算部10−iを動作させるか、マニュアル操作部11−iを動作させるかを切り換える動作切換部12−iと、制御演算部10−iまたはマニュアル操作部11−iから出力された操作量MViに応じて、対応する制御ループLiのアクチュエータ(本実施の形態では電気ヒータ)に通電する電流をON/OFFするSSRからなる電力調整部13−iとから構成される。
調整機能部2は、平滑化処理の特性パラメータの調整時に、全ての制御ループLiで制御演算部10−iを停止させてマニュアル操作部11−iを動作させ、マニュアル操作部11−iから50%のマニュアル操作量MViを出力させ、特性パラメータの調整後の制御動作時に、全ての制御ループLiでマニュアル操作部11−iを停止させて制御演算部10−iを動作させる操作量出力維持部20と、各制御ループLiの消費電力計測値の総和である総消費電力計測値を計測する電力計測部21と、平滑化処理の特性パラメータの調整時に、特性パラメータを予め規定された規則に従って変更する特性パラメータ変更部22と、総消費電力計測値を平滑化処理する平滑化処理部23と、特性パラメータの調整時に、平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動の幅を評価する上下動幅評価部24と、特性パラメータの調整時に、上下動幅評価部24の評価結果に基づき特性パラメータの最適値を決定する特性パラメータ決定部25とから構成される。
図2は本実施の形態のPID制御系のブロック線図である。各PID制御ループLiは、それぞれ制御部1−iと、制御対象Piとから構成される。制御部1−iは、制御演算部10−iが算出した操作量MViまたはマニュアル操作部11−iからの操作量MViを制御対象Piに出力する。図10の例では、制御対象PiはヒータHiが加熱する加熱処理炉100であるが、操作量MViの実際の出力先は電力調整部13−i(図10の例では電力調整器102−i)であり、操作量MViに応じた電力が電力調整部13−iからヒータHiに供給される。
図3は電力計測部21の構成を示すブロック図である。電力計測部21は、PID制御ループLi毎に設けられ、各PID制御ループLiの消費電力を計測する電力計210−iと、各制御ループLiの消費電力計測値を取得する電力値取得部211と、各制御ループLiの消費電力計測値の総和である総消費電力計測値を算出する総消費電力計測値算出部212とから構成される。
以下、本実施の形態の制御装置の動作を図4を参照して説明する。図4は制御装置の動作を示すフローチャートである。
初めに、調整機能部2の特性パラメータ変更部22は、平滑化処理部23が行う平滑化処理の特性パラメータを、予め規定された初期値に設定する(図4ステップS1)。平滑化処理が1次遅れフィルタ処理であれば、その特性パラメータはフィルタ時定数であり、初期値としては最小値(フィルタ時定数0秒)を設定するのが効率的である。平滑化処理が移動平均処理であれば、その特性パラメータは処理の対象となる電力計測値データの点数であり、初期値としては最小値(データ点数1)を設定するのが効率的である。
初めに、調整機能部2の特性パラメータ変更部22は、平滑化処理部23が行う平滑化処理の特性パラメータを、予め規定された初期値に設定する(図4ステップS1)。平滑化処理が1次遅れフィルタ処理であれば、その特性パラメータはフィルタ時定数であり、初期値としては最小値(フィルタ時定数0秒)を設定するのが効率的である。平滑化処理が移動平均処理であれば、その特性パラメータは処理の対象となる電力計測値データの点数であり、初期値としては最小値(データ点数1)を設定するのが効率的である。
次に、調整機能部2の操作量出力維持部20は、全てのPID制御ループLi(i=1〜n)の制御部1−iに対し、マニュアル操作部11−iで制御動作させるように指示し、マニュアル操作部11−iから出力させる操作量MViとして50%のマニュアル操作量MViを指定する(図4ステップS2)。なお、実用上は厳密にMVi=50.0%である必要はなく、ほぼ50%であれば問題ない。
各制御部1−i(i=1〜n)の動作切換部12−iは、操作量出力維持部20からの指示に応じて、制御演算部10−iを停止させると共にマニュアル操作部11−iを動作させ、マニュアル操作部11−iから操作量MViが出力されるように制御動作の切り換えを行う(図4ステップS3)。
各制御部1−i(i=1〜n)のマニュアル操作部11−iは、操作量出力維持部20から指定されたマニュアル操作量MViを電力調整部13−iに出力する(図4ステップS4)。
各制御部1−i(i=1〜n)の電力調整部13−iは、それぞれマニュアル操作量MViに応じて、対応する電気ヒータHiに通電する電流をON/OFFする(図4ステップS5)。
各制御部1−i(i=1〜n)の電力調整部13−iは、それぞれマニュアル操作量MViに応じて、対応する電気ヒータHiに通電する電流をON/OFFする(図4ステップS5)。
電力計測部21は、各PID制御ループLi(i=1〜n)の消費電力計測値CTiを電力計210−iから取得して、各PID制御ループLiの消費電力計測値CTiの総和である総消費電力計測値を算出する(図4ステップS6)。なお、複数台の電力計210−iを使用せずに、1台の電力計で総消費電力を計測できるのであれば、この1台の電力計から総消費電力計測値を取得してもよい。
次に、調整機能部2の平滑化処理部23は、総消費電力計測値を平滑化処理する(図4ステップS7)。ただし、上記のように平滑化処理の特性パラメータの初期値を最小値にした場合、厳密には平滑化処理を行なってないことに相当する。
調整機能部2の上下動幅評価部24は、平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動の幅Δを算出し(図4ステップS8)、上下動幅Δが所定の閾値TH以下(Δ≦TH)になっているか否かを判定する(図4ステップS9)。
調整機能部2の上下動幅評価部24は、平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動の幅Δを算出し(図4ステップS8)、上下動幅Δが所定の閾値TH以下(Δ≦TH)になっているか否かを判定する(図4ステップS9)。
調整機能部2の特性パラメータ決定部25は、上下動幅Δが閾値THより大きいと判定された場合(ステップS9においてNO)、特性パラメータ変更部22に対して平滑化処理の特性パラメータを変更するよう指示する。
特性パラメータ決定部25の指示に応じて、特性パラメータ変更部22は、平滑化処理部23が行う平滑化処理の特性パラメータを、予め規定された規則に従って平滑化処理の効果が強くなる方向に変更する(図4ステップS10)。具体的には、平滑化処理が1次遅れフィルタ処理であれば、特性パラメータであるフィルタ時定数を例えば1秒増大させる。また、平滑化処理が移動平均処理であれば、特性パラメータであるデータ点数を例えば1点増大させる。特性パラメータの変更後、ステップS4の処理に戻る。
ステップS4〜S10の処理は上記のとおりである。こうして、上下動幅Δが閾値TH以下になるまで、ステップS4〜S10の処理が制御周期Δt1毎に繰り返し実行される。
特性パラメータ決定部25は、上下動幅Δが閾値TH以下と判定された場合(ステップS9においてYES)、特性パラメータ変更部22による特性パラメータの変更を終了させることにより、上下動幅Δが閾値TH以下と判定された時点での特性パラメータを平滑化処理の最適な特性パラメータとして決定する(図4ステップS11)。
特性パラメータの決定後、操作量出力維持部20は、全てのPID制御ループLi(i=1〜n)の制御部1−iに対し、制御演算部10−iで制御動作させるように指示する(図4ステップS12)。
各制御部1−i(i=1〜n)の動作切換部12−iは、操作量出力維持部20からの指示に応じて、マニュアル操作部11−iを停止させると共に制御演算部10−iを動作させ、制御演算部10−iから操作量MViが出力されるように制御動作の切り換えを行う(図4ステップS13)。
以上で、平滑化処理の特性パラメータを調整する動作が終了する。図5(A)、図5(B)、図5(C)、図5(D)、図5(E)は特性パラメータの調整時の制御装置の動作例を示す図である。ここでは、PID制御ループLi(i=1〜n)の数をn=3とし、全てのPID制御ループLiの電力調整部13−iの動作周期Δt2(すなわちSSRの動作周期)を10秒に設定している。特性パラメータの調整時は、全てのPID制御ループLiが操作量MVi=50%に維持される。このため、第1のPID制御ループL1で使用される電力調整部13−1においてはON時間、OFF時間共に5秒となり(図5(A))、第2のPID制御ループL2で使用される電力調整部13−2においてもON時間、OFF時間共に5秒となり(図5(B))、第3のPID制御ループL3で使用される電力調整部13−3においてもON時間、OFF時間共に5秒となる(図5(C))。
図5(D)は、フル通電時の各PID制御ループLiの消費電力値を200Wとしたときの総消費電力計測値の変化を示している。なお、制御周期Δt1および電力計210−iの計測周期Δt3は、電力調整部13−iの動作周期Δt2よりも短い(Δt1,Δt3<Δt2)。制御周期Δt1と計測周期Δt3は同じでもよいし、異なっていてもよい。いずれの場合でも、電力計測部21が総消費電力計測値を取得するのは、制御周期Δt1毎である。
電力計測部21が取得した総消費電力計測値を、特性パラメータが調整された平滑化処理部23によって平滑化すると、図5(E)のような結果が得られる。
電力計測部21が取得した総消費電力計測値を、特性パラメータが調整された平滑化処理部23によって平滑化すると、図5(E)のような結果が得られる。
特性パラメータの調整後の制御動作では、各制御部1−i(i=1〜n)の制御演算部10−iは、例えばオペレータによって設定される設定値SPi(温度設定値)と計測器(図10の例では温度センサSi)によって計測される制御量PVi(温度計測値)とを入力として、制御量PViが設定値SPiと一致するように周知のフィードバック制御演算(本実施の形態ではPID)により、操作量MViを算出して電力調整部13−iに出力する。制御演算部10−iは、このような制御動作を制御周期Δt1毎に繰り返し実行する。
以上のようにして、本実施の形態では、理論上最も平滑化処理を必要とする「全てのPID制御ループが操作量50%である状態」を維持しながら、平滑化処理の特性パラメータを調整することにより、特性パラメータを最適値に設定することができる。その結果、本実施の形態では、特許文献1に開示された電力総和抑制制御に適合する総消費電力の計測を実現することができる。
[第2の実施の形態]
図6は、図1に示した第1の実施の形態の構成を特許文献1に開示された電力総和抑制制御に適用した場合の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、PID制御ループLi(i=1〜n)毎に設けられた制御部1−iと、調整機能部2と、図示しない上位PCから割当総電力PWの情報を受信する割当総電力入力部30と、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiを取得する最大出力時電力値取得部31と、各PID制御ループLiに割り当てる電力使用割当量CTqiを割当総電力PWと各PID制御ループLiの消費電力値計測値CTiと総消費電力計測値QWとから算出する電力使用割当量算出部32と、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiと電力使用割当量CTqiとから各PID制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する出力上限値算出部33とを備えている。
図6は、図1に示した第1の実施の形態の構成を特許文献1に開示された電力総和抑制制御に適用した場合の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、PID制御ループLi(i=1〜n)毎に設けられた制御部1−iと、調整機能部2と、図示しない上位PCから割当総電力PWの情報を受信する割当総電力入力部30と、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiを取得する最大出力時電力値取得部31と、各PID制御ループLiに割り当てる電力使用割当量CTqiを割当総電力PWと各PID制御ループLiの消費電力値計測値CTiと総消費電力計測値QWとから算出する電力使用割当量算出部32と、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiと電力使用割当量CTqiとから各PID制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する出力上限値算出部33とを備えている。
本実施の形態の制御部1−iは、第1の実施の形態で説明した構成に加えて、制御演算部10−iと電力調整部13−iとの間に、制御演算部10−iから出力される操作量MViを操作量出力上限値OHi以下に制限する出力上限処理部14−iを備えている。割当総電力入力部30と最大出力時電力値取得部31と電力使用割当量算出部32と出力上限値算出部33と制御部1−iの出力上限処理部14−iとは、電力抑制手段を構成している。
調整機能部2の構成は第1の実施の形態で説明したとおりである。
調整機能部2の構成は第1の実施の形態で説明したとおりである。
以下、本実施の形態の制御装置の動作を説明する。図7は制御装置の動作を示すフローチャートである。ここでは、第1の実施の形態の動作によって調整機能部2の平滑化処理部23の特性パラメータが調整された後の制御動作について説明する。
割当総電力入力部30は、電力を管理する電力デマンド管理システムのコンピュータである上位PCから、電気ヒータHiの総電力使用量を規定する割当総電力PWの情報を受信する(図7ステップS100)。
割当総電力入力部30は、電力を管理する電力デマンド管理システムのコンピュータである上位PCから、電気ヒータHiの総電力使用量を規定する割当総電力PWの情報を受信する(図7ステップS100)。
調整機能部2の電力計測部21の電力値取得部211は、各PID制御ループLiの消費電力値計測値CTiを取得する(図7ステップS101)。
最大出力時電力値取得部31は、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiを取得する(図7ステップS102)。ここで、最大出力時とは、操作量MViが最大値100%のときのことを言う。特許文献1に記載されているとおり、最大出力時電力値取得部31は、記憶している最大出力時消費電力値CTmiを取り出してもよいし、推定してもよい。
最大出力時電力値取得部31は、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiを取得する(図7ステップS102)。ここで、最大出力時とは、操作量MViが最大値100%のときのことを言う。特許文献1に記載されているとおり、最大出力時電力値取得部31は、記憶している最大出力時消費電力値CTmiを取り出してもよいし、推定してもよい。
調整機能部2の電力計測部21の総消費電力計測値算出部212は、各PID制御ループLiの消費電力値計測値CTiの総和である総消費電力計測値を算出する(図7ステップS103)。
そして、調整機能部2の平滑化処理部23は、総消費電力計測値を平滑化処理する(図7ステップS104)。
そして、調整機能部2の平滑化処理部23は、総消費電力計測値を平滑化処理する(図7ステップS104)。
電力使用割当量算出部32は、各PID制御ループLiに割り当てる電力使用割当量CTqiを、割当総電力PWと各PID制御ループLiの消費電力値計測値CTiと平滑化処理後の総消費電力計測値QWとから次式によりPID制御ループLi毎に算出する(図7ステップS105)。
CTqi=PW(CTi/QW) ・・・(1)
CTqi=PW(CTi/QW) ・・・(1)
出力上限値算出部33は、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiと電力使用割当量CTqiとから各PID制御ループLiの操作量出力上限値OHiを次式により算出する(図7ステップS106)。式(3)は、式(2)で算出した操作量出力上限値OHiが100%より大きい場合は、OHi=100%とすることを意味している。
OHi=(CTqi/CTmi)100.0[%] ・・・(2)
IF OHi>100.0[%] THEN OHi=100.0[%]
・・・(3)
OHi=(CTqi/CTmi)100.0[%] ・・・(2)
IF OHi>100.0[%] THEN OHi=100.0[%]
・・・(3)
制御演算部10−iは、上記のとおり設定値SPiと制御量PViに基づいて操作量MViを算出する(図7ステップS107)。
出力上限処理部14−iは、以下の式のような操作量MViの上限処理を行う(図7ステップS108)。
IF MVi>OHi THEN MVi=OHi ・・・(4)
すなわち、出力上限処理部14−iは、操作量MViが操作量出力上限値OHiより大きい場合、操作量MVi=OHiとする上限処理を行う。
出力上限処理部14−iは、以下の式のような操作量MViの上限処理を行う(図7ステップS108)。
IF MVi>OHi THEN MVi=OHi ・・・(4)
すなわち、出力上限処理部14−iは、操作量MViが操作量出力上限値OHiより大きい場合、操作量MVi=OHiとする上限処理を行う。
電力調整部13−iは、出力上限処理部14−iから出力された上限処理後の操作量MViに応じて、対応する電気ヒータHiに通電する電流をON/OFFする(図7ステップS109)。制御部1−iはPID制御ループLi毎に設けられているので、ステップS107〜S109の処理はPID制御ループLi毎に実施されることになる。
制御装置は、以上のようなステップS101〜S109の処理を例えばオペレータの指示によって制御が終了するまで(図7ステップS110においてYES)、制御周期Δt1毎に行う。
こうして、本実施の形態では、特許文献1で述べられているとおり、定常状態において電力使用量が割当総電力PWを超えないように、かつ外乱抑制特性が可能な限り損なわれないように、制御を行うことができる。
こうして、本実施の形態では、特許文献1で述べられているとおり、定常状態において電力使用量が割当総電力PWを超えないように、かつ外乱抑制特性が可能な限り損なわれないように、制御を行うことができる。
なお、第1の実施の形態では、総消費電力計測値についてのみ平滑化処理を実施しているが、本実施の形態の場合、電力使用割当量CTqiの算出に各PID制御ループLiの消費電力値計測値CTiを用いるので、消費電力値計測値CTiについても平滑化処理することが好ましい。この場合には、後述する第2の実施の形態のように、平滑化処理部23とは別に、PID制御ループLi毎に平滑化処理部を設け、電力値取得部211が取得した各PID制御ループLiの消費電力値計測値CTiをそれぞれ対応する平滑化処理部で個別に平滑化処理して、平滑化処理後の消費電力値計測値CTiを電力使用割当量算出部32に入力すればよい。このとき、PID制御ループLi毎の平滑化処理部には、平滑化処理部23と同じ特性パラメータを特性パラメータ変更部22が設定すればよい。
[第3の実施の形態]
図8は、図1に示した第1の実施の形態の構成を特許文献1に開示された別の電力総和抑制制御に適用した場合の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、PID制御ループLi(i=1〜n)毎に設けられた制御部1−iと、調整機能部2と、割当総電力入力部30と、最大出力時電力値取得部31と、最大出力時消費電力値CTmiと消費電力値計測値CTiとから各PID制御ループLiの電力余裕CTriを算出する電力余裕算出部34と、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiの総和である最大総電力BXを算出する最大総電力算出部35と、各PID制御ループLiの電力余裕CTriの総和である電力余裕総量RWを算出する電力余裕総量算出部36と、削減すべき総電力量である電力削減総量SWを最大総電力BXと割当総電力PWとから算出する電力削減総量算出部37と、各PID制御ループLiで削減すべき電力量である電力削減割当量CTsiを算出する電力削減割当量算出部38と、電力削減割当量CTsiと最大出力時消費電力値CTmiとから各PID制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する出力上限値算出部39とから構成される。
図8は、図1に示した第1の実施の形態の構成を特許文献1に開示された別の電力総和抑制制御に適用した場合の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、PID制御ループLi(i=1〜n)毎に設けられた制御部1−iと、調整機能部2と、割当総電力入力部30と、最大出力時電力値取得部31と、最大出力時消費電力値CTmiと消費電力値計測値CTiとから各PID制御ループLiの電力余裕CTriを算出する電力余裕算出部34と、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiの総和である最大総電力BXを算出する最大総電力算出部35と、各PID制御ループLiの電力余裕CTriの総和である電力余裕総量RWを算出する電力余裕総量算出部36と、削減すべき総電力量である電力削減総量SWを最大総電力BXと割当総電力PWとから算出する電力削減総量算出部37と、各PID制御ループLiで削減すべき電力量である電力削減割当量CTsiを算出する電力削減割当量算出部38と、電力削減割当量CTsiと最大出力時消費電力値CTmiとから各PID制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する出力上限値算出部39とから構成される。
本実施の形態の調整機能部2は、第1の実施の形態で説明した構成に加えて、PID制御ループLi毎に設けられた平滑化処理部26−iを備えている。平滑化処理部26−iには、平滑化処理部23と同じ特性パラメータを特性パラメータ変更部22が設定すればよい。
制御部1−iの構成は第2の実施の形態で説明したとおりである。割当総電力入力部30と最大出力時電力値取得部31と電力余裕算出部34と最大総電力算出部35と電力余裕総量算出部36と電力削減総量算出部37と電力削減割当量算出部38と出力上限値算出部39と制御部1−iの出力上限処理部14−iとは、電力抑制手段を構成している。
以下、本実施の形態の制御装置の動作を説明する。図9は制御装置の動作を示すフローチャートである。ここでは、第1の実施の形態の動作によって平滑化処理部23,26−iの特性パラメータが調整された後の制御動作について説明する。
図9のステップS200,S201,S202は、それぞれ図7のステップS100,S101,S102と同じなので、説明は省略する。
図9のステップS200,S201,S202は、それぞれ図7のステップS100,S101,S102と同じなので、説明は省略する。
調整機能部2の平滑化処理部26−iは、それぞれ対応するPID制御ループLiの消費電力値計測値CTiを平滑化処理する(図9ステップS203)。
電力余裕算出部34は、平滑化処理後の消費電力値計測値CTiに基づいて、各PID制御ループLiの電力余裕CTriを次式によりPID制御ループLi毎に算出する(図9ステップS204)。
CTri=CTmi−CTi ・・・(5)
電力余裕算出部34は、平滑化処理後の消費電力値計測値CTiに基づいて、各PID制御ループLiの電力余裕CTriを次式によりPID制御ループLi毎に算出する(図9ステップS204)。
CTri=CTmi−CTi ・・・(5)
最大総電力算出部35は、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiの総和である最大総電力BXを算出する(図9ステップS205)。
電力余裕総量算出部36は、各PID制御ループLiの電力余裕CTriの総和である電力余裕総量RWを算出する(図9ステップS206)。
電力削減総量算出部37は、削減すべき総電力量である電力削減総量SWを、最大総電力BXと割当総電力PWとから次式により算出する(図9ステップS207)。
SW=BX−PW ・・・(6)
電力余裕総量算出部36は、各PID制御ループLiの電力余裕CTriの総和である電力余裕総量RWを算出する(図9ステップS206)。
電力削減総量算出部37は、削減すべき総電力量である電力削減総量SWを、最大総電力BXと割当総電力PWとから次式により算出する(図9ステップS207)。
SW=BX−PW ・・・(6)
電力削減割当量算出部38は、各PID制御ループLiで削減すべき電力量である電力削減割当量CTsiを次式によりPID制御ループLi毎に算出する(図9ステップS208)。
CTsi=SW(CTri/RW) ・・・(7)
CTsi=SW(CTri/RW) ・・・(7)
出力上限値算出部39は、電力削減割当量CTsiと最大出力時消費電力値CTmiとから各PID制御ループLiの操作量出力上限値OHiを次式によりPID制御ループLi毎に算出する(図9ステップS209)。
OHi={1.0−(CTsi/CTmi)}100.0[%] ・・・(8)
なお、BX<PWになる場合、すなわちSW<0になる場合は、OHiが100%を超えるが、その場合はOHiを100%で上限カットすればよい。
OHi={1.0−(CTsi/CTmi)}100.0[%] ・・・(8)
なお、BX<PWになる場合、すなわちSW<0になる場合は、OHiが100%を超えるが、その場合はOHiを100%で上限カットすればよい。
図9のステップS210,S211,S212は、それぞれ図7のステップS107,S108,S109と同じなので、説明は省略する。
制御装置は、以上のようなステップS201〜S212の処理を例えばオペレータの指示によって制御が終了するまで(図9ステップS213においてYES)、制御周期Δt1毎に行う。
こうして、本実施の形態においても、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
制御装置は、以上のようなステップS201〜S212の処理を例えばオペレータの指示によって制御が終了するまで(図9ステップS213においてYES)、制御周期Δt1毎に行う。
こうして、本実施の形態においても、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
第1〜第3の実施の形態で説明した制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第3の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、複数の制御ループを備えたマルチループ制御系の制御装置および制御方法に適用することができる。
1−i…制御部、2…調整機能部、10−i…制御演算部、11−i…マニュアル操作部、12−i…動作切換部、13−i…電力調整部、14−i…出力上限処理部、20…操作量出力維持部、21…電力計測部、22…特性パラメータ変更部、23,26−i…平滑化処理部、24…上下動幅評価部、25…特性パラメータ決定部、30…割当総電力入力部、31…最大出力時電力値取得部、32…電力使用割当量算出部、33…出力上限値算出部、34…電力余裕算出部、35…最大総電力算出部、36…電力余裕総量算出部、37…電力削減総量算出部、38…電力削減割当量算出部、39…出力上限値算出部、210−i…電力計、211…電力値取得部、212…総消費電力計測値算出部。
Claims (14)
- 制御ループLi(i=1〜n)毎に設けられ、設定値SPiと制御量PViとを入力として操作量MViを算出し出力する制御演算手段と、
制御ループLi毎に設けられ、外部から指定されたマニュアル操作量MViを出力するマニュアル操作手段と、
制御ループLi毎に設けられ、前記制御演算手段を動作させるか、前記マニュアル操作手段を動作させるかを切り換える動作切換手段と、
制御ループLi毎に設けられ、動作中の制御演算手段または動作中のマニュアル操作手段から出力された操作量MViに応じて、対応する制御ループLiのアクチュエータに通電する電流をON/OFFする電力調整手段と、
各制御ループLiの消費電力計測値の総和である総消費電力計測値を計測する電力計測手段と、
前記総消費電力計測値を平滑化処理する第1の平滑化処理手段と、
前記平滑化処理の特性パラメータの調整時に、全ての制御ループLiで前記制御演算手段を停止させて前記マニュアル操作手段を動作させ、前記マニュアル操作手段から50%のマニュアル操作量MViを出力させ、前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、全ての制御ループLiで前記マニュアル操作手段を停止させて前記制御演算手段を動作させる操作量出力維持手段と、
前記特性パラメータの調整時に、前記特性パラメータを予め規定された規則に従って変更する特性パラメータ変更手段と、
前記特性パラメータの調整時に、平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動の幅を評価する上下動幅評価手段と、
前記特性パラメータの調整時に、前記上下動幅評価手段の評価結果に基づき前記特性パラメータの最適値を決定する特性パラメータ決定手段とを備えることを特徴とする制御装置。 - 請求項1記載の制御装置において、
さらに、前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、前記平滑化処理後の総消費電力計測値に基づいて各制御ループLiの操作量MViを操作して制御装置の電力使用量を抑制する電力抑制手段を備えることを特徴とする制御装置。 - 請求項1記載の制御装置において、
さらに、制御ループLi毎に設けられ、前記第1の平滑化処理手段と同じ特性パラメータが設定され、各制御ループLiの消費電力計測値を個別に平滑化処理する第2の平滑化処理手段と、
前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、前記平滑化処理後の各制御ループLiの消費電力計測値に基づいて各制御ループLiの操作量MViを操作して制御装置の電力使用量を抑制する電力抑制手段とを備えることを特徴とする制御装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記平滑化処理は1次遅れフィルタ処理であり、前記特性パラメータはフィルタ時定数であることを特徴とする制御装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記平滑化処理は移動平均処理であり、前記特性パラメータは処理の対象となる計測値データの点数であることを特徴とする制御装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記特性パラメータの初期値は最小値として設定され、前記規則は、前記平滑化処理の効果が強くなる方向に前記特性パラメータを規定量だけ増加させるものであることを特徴とする制御装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記上下動幅評価手段は、前記平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動幅Δが所定の閾値TH以下かどうかを判定し、
前記特性パラメータ決定手段は、前記上下動幅Δが前記閾値TH以下と判定された時点での特性パラメータを最適値として決定することを特徴とする制御装置。 - 複数の制御ループLi(i=1〜n)の総消費電力計測値の平滑化処理の特性パラメータを調整するときに、50%のマニュアル操作量MViを制御ループLi毎に出力するマニュアル操作ステップと、
前記特性パラメータの調整時に、前記マニュアル操作量MViに応じて、各制御ループLiのアクチュエータに通電する電流を制御ループLi毎にON/OFFする第1の電力調整ステップと、
前記特性パラメータの調整時に、各制御ループLiの消費電力計測値の総和である総消費電力計測値を計測する第1の電力計測ステップと、
前記特性パラメータの調整時に、前記総消費電力計測値を平滑化処理する第1の平滑化処理ステップと、
前記特性パラメータの調整時に、前記特性パラメータを予め規定された規則に従って変更する特性パラメータ変更ステップと、
前記特性パラメータの調整時に、平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動の幅を評価する上下動幅評価ステップと、
前記特性パラメータの調整時に、前記上下動幅評価ステップの評価結果に基づき前記特性パラメータの最適値を決定する特性パラメータ決定ステップと、
前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、設定値SPiと制御量PViとを入力として操作量MViを制御ループLi毎に算出し出力する制御演算ステップと、
前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、前記制御演算ステップで出力された操作量MViに応じて、各制御ループLiのアクチュエータに通電する電流を制御ループLi毎にON/OFFする第2の電力調整ステップとを含むことを特徴とする制御方法。 - 請求項8記載の制御方法において、
さらに、前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、各制御ループLiの総消費電力計測値を計測する第2の電力計測ステップと、
前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、前記総消費電力計測値を平滑化処理する第2の平滑化処理ステップと、
前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、前記平滑化処理後の総消費電力計測値に基づいて各制御ループLiの操作量MViを操作して電力使用量を抑制する電力抑制ステップとを含むことを特徴とする制御方法。 - 請求項8記載の制御方法において、
さらに、前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、調整された特性パラメータを用いて、各制御ループLiの消費電力計測値を個別に平滑化処理する第2の平滑化処理ステップと、
前記特性パラメータの調整後の制御動作時に、前記平滑化処理後の各制御ループLiの消費電力計測値に基づいて各制御ループLiの操作量MViを操作して電力使用量を抑制する電力抑制ステップとを含むことを特徴とする制御方法。 - 請求項8乃至10のいずれか1項に記載の制御方法において、
前記平滑化処理は1次遅れフィルタ処理であり、前記特性パラメータはフィルタ時定数であることを特徴とする制御方法。 - 請求項8乃至10のいずれか1項に記載の制御方法において、
前記平滑化処理は移動平均処理であり、前記特性パラメータは処理の対象となる計測値データの点数であることを特徴とする制御方法。 - 請求項8乃至12のいずれか1項に記載の制御方法において、
前記特性パラメータの初期値は最小値として設定され、前記規則は、前記特性パラメータを平滑化処理の効果が強くなる方向に規定量だけ増加させるものであることを特徴とする制御方法。 - 請求項8乃至13のいずれか1項に記載の制御方法において、
前記上下動幅評価ステップは、前記平滑化処理後の総消費電力計測値の上下動幅Δが所定の閾値TH以下かどうかを判定し、
前記特性パラメータ決定ステップは、前記上下動幅Δが前記閾値TH以下と判定された時点での特性パラメータを最適値として決定することを特徴とする制御方法。
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CN110454959A (zh) * | 2019-09-17 | 2019-11-15 | 南方电网科学研究院有限责任公司 | 一种空调节能控制方法和装置 |
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2014
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